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平成22年度 (第61回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 1903  3. 電気・電子材料-(2)
日時: 2010年10月23日(土) 13:00 - 14:31
部屋: 情報工学部教育・研究棟 2906室 (→地図)
座長: 末岡 浩治 (岡山県立大学)

3-8 (時間: 13:00 - 13:13)
題名部分溶融超電導体の磁気特性の検討
著者*高橋 咲貴子 (松江工業高等専門学校/電子情報システム工学専攻), 池田 壮太, 松本 浩介, 今尾 浩也 (松江工業高等専門学校/電子制御工学科)
Pagep. 576
Keyword部分溶融超電導体, ピンニングセンタ
Abstract超電導体には磁束を排除する完全反磁性と、磁束を超電導体内部のピンニングセンタに拘束する磁束ピンニングという性質があるため、磁界中では反発力、吸引力といった力が生じる。本研究では、部分溶融超電導体の絶縁相濃度を10〜20%、試料の厚さを2.09〜5.24mmで変化させ、磁石の間に生じる力を測定し、磁束ピンニングのエネルギーを調べることでその磁気特性について検討した。その結果、絶縁相の濃度30%までは吸引力、エネルギーともに増大するが、絶縁相濃度が40%ではいずれも低下することがわかった。また、厚さの増大に対し、エネルギーは比例の関係で増大するが、厚さが一定以上になるとエネルギーが飽和することがわかった。

3-9 (時間: 13:13 - 13:26)
題名部分溶融Y系超電導体の磁気特性に関する研究
著者*池田 壮太 (松江工業高等専門学校/電子制御工学科), 高橋 咲貴子 (松江工業高等専門学校/電子情報システム工学専攻), 松本 浩介, 今尾 浩也 (松江工業高等専門学校/電子制御工学科)
Pagep. 577
Keyword磁束ピンニング, Y系超電導体, 磁気浮上
Abstract超電導体の磁束ピンニングを工学的に応用するために磁束ピンニングで発生する力を定量的に測定した。超電導体の磁気特性は超電導体内部のピンニングセンタによって決定される。ピンニングセンタによって拘束される磁束は試料の形状に依存する。また、実際に安定した磁気浮上を実現するためには、ピンニングセンタに磁束を充分に拘束させることが重要であることが明らかになった。

3-10 (時間: 13:26 - 13:39)
題名PIT法アルミシースMgB2超伝導線材の作製
著者*野中 琢哉, 原田 直幸, 内藤 裕志 (山口大学大学院), 村田 知広 (ジャパンファインスチール)
Pagep. 578
KeywordMgB2, 超伝導線材, PIT 法
AbstractMgB2超伝導体は、金属系超伝導体の中で最も高い臨界温度(TC=39K)を示す。この温度は冷凍機で比較的簡単に到達できる温度である。これにより、MgB2 は20K 近傍で線材化や薄膜化などの応用が期待されているが、その応用において臨界電流密度Jcの向上が望まれ、研究が進められている。今回の実験では、低コストな方法として、酸化の少ないMgフレークとアモルファスB粉末、アルミのシース材を用いて、PIT 法により線材を作製し、その特性を評価した。

3-11 (時間: 13:39 - 13:52)
題名Y系テープ線材を用いた直流リアクトル用超伝導コイルにおける電流−電圧特性
著者*山本 昌弘, 原田 直幸, 内藤 裕志, 植田 清隆 (山口大学大学院), 津田 理, 濱島 高太郎 (東北大学大学院), 古瀬 充穂, 淵野 修一郎 (産業総合研究所)
Pagep. 579
Keyword超伝導コイル, Y系超伝導線材
AbstractY系超伝導体YBa2Cu3O7は、液体窒素温度で使用できる高温超伝導線材として開発が進んでいる。本研究では、これまで、コンビナート内の工場や事業所において直流で電気エネルギー融通を行うために必要となる直流リアクトルの1/10程度のインダクタンスを持つモデルコイルを、Y系超伝導線材で製作した。このコイルにおいて、コイル巻線後に臨界電流密度が低下することが分かった。そこで、本報告では、超伝導コイルにおける電流−電圧特性について述べる。

3-12 (時間: 13:52 - 14:05)
題名永久磁石とバルク超伝導体を用いた演示実験用磁気浮上装置の製作
著者*原田 瑞貴, 原田 直幸, 岡田 秀希, 崎山 智司 (山口大学大学院), 小田部 荘司 (九州工業大学大学院)
Pagep. 580
Keyword超伝導磁気浮上装置, 演示実験
Abstract山口大学工学部では、平成20年度から山口県内の産学公民の各機関と協力して「長州科楽維新プロジェクト」1.2)に取り組んでいる。「長州科楽維新プロジェクト」とは山口大学が中心となり参加機関と協力して、小中学生に科学技術の楽しみを伝え、科学技術立国日本を担う人材を育成することを目的としている。この取り組みの中で演示実験の1つとしてバルク超伝導体を用いた磁気浮上を取り上げた。本報告では、この装置の製作と演示実験について述べる。

3-13 (時間: 14:05 - 14:18)
題名誘導結合プラズマ支援型アンバランスマグネトロンスパッタ法によるNi薄膜の基板温度依存性
著者*平野 意峰, 森重 史也, 大谷 和輝, 川畑 敬志 (広島工業大学 川畑研究室), 岡本 圭司 (トーヨーエイテック株式会社)
Pagep. 581
Keywordスパッタ法, ニッケル薄膜, ICP, 表面形状, 基板温度
AbstractNi薄膜は、不揮発性メモリ素子への応用や多機能デバイス、電子デバイスなどに応用される。スパッタ法において表面拡散を促す方法には、基板温度の上昇とエネルギー粒子の基板照射が挙げられる。そこで誘導結合プラズマ支援型アンバランスマグネトロンスパッタ法により、SiO2基板上にNi薄膜を作製した。磁束密度と基板温度の変化による膜構造の制御を試みた結果、AFM像の観測から、磁束密度及び基板温度によって平均表面粒径の成長を確認することができた。さらに、キューリー温度(631K)を越える温度で成膜すると表面形状の著しい変化が見られた。

3-14 (時間: 14:18 - 14:31)
題名RF-DC結合型マグネトロンスパッタリング法によるGe-N系薄膜の表面形状観察
著者*佐々重 光祐, 新谷 亮太, 武田 峻輔, 川畑 敬志 (広島工業大学)
Pagep. 582
KeywordGeN
Abstract通常のDCまたはRFマグネトロンスパッタ法ではスパッタイオンとしてのArイオンのエネルギーを直接的に制御できず、膜質の制御が困難である。 本研究ではRFにDCを重畳させてターゲットに印加することにより、Arイオンエネルギーを直接的に制御することが可能なRF-DC結合型マグネトロンスパッタ法を用いた。また、GeはSiに比べて窒化されにくい材料であることが知られていることから、Ge-N系薄膜を作成し、表面形状を評価した。 窒素濃度がAr:N2=10:1の時、最大高低差が大きく成長していることが分かった。また、Si基板とSiO2基板を比較してみると、SiO2基板のほうが表面粒径が大きく成長していることが観測された。