題名 | 磁性材料の高温での磁気特性の比較 |
著者 | *森下 真行, 宮城 大輔, 中野 正典, 高橋 則雄 (岡山大学工学部) |
Page | pp. 554 - 555 |
Keyword | 冷間圧延鋼板, 無方向性電磁鋼板, 磁気特性, 温度特性, キュリー温度 |
Abstract | 回転機やリアクトルなど,高温で使われる可能性のある機器の設計や運転特性の検討の際には,磁性材料の高温での磁気特性を把握していることが重要である.しかしながら鉄心材料の高温での磁気特性の測定は容易ではなく報告例はほとんどない.そこで我々は,高温での磁気特性測定法を確立し,既に約800℃までの高温で電磁鋼板のリング試料を用いた磁気特性の測定方法及び測定結果を報告した.しかしながら,種々の磁性材料の磁気特性の比較は行えていなかった.そこで,冷間圧延鋼板SPCCの高温での磁気特性を測定し,無方向性電磁鋼板35A250と比較検討したので報告する. |
題名 | 簡易法を用いた保磁力分布磁石の減磁曲線の推定 |
著者 | *徳重 貴之, 馬淵 聖史, 宮城 大輔, 高橋 則雄 (岡山大学 工学部), 廣田 晃一, 伊藤 卓 (信越化学工業 第二部研究室) |
Page | pp. 556 - 557 |
Keyword | 保磁力, 減磁曲線, ジスプロシウム |
Abstract | ネオジム-鉄-ボロン(Nd-Fe-B)系磁石は非常に高い最大エネルギー積と残留磁束密度を有するが,保磁力の温度上昇に伴う減少が大きいため加熱すると熱減磁を生じやすい. そこで,ディスプロシウム(Dy)を添加して室温における保磁力を増大させることで耐熱性を改善しているが,一方でDyの添加により残留磁束密度は低下する. 粒界拡散合金法は,保磁力増大に有効なDyを磁石表面から結晶粒界相を通じて内部に拡散させ,結晶粒表面に配置することで, 残留磁束密度の低下を極力抑えながら保磁力を増大させる技術である. この粒界拡散合金法を比較的大きな磁石に適用することで,磁石表面近傍の保磁力の必要な部分のみの保磁力を高めた,すなわち保磁力に分布を有する磁石を作製することができる. このような保磁力に分布を有する磁石の減磁曲線の推定を簡易的に行う方法を考案した.本報告では,その方法の妥当性について検討する. |
題名 | 高温超電導バルク体を用いた3次元超電導アクチュエータの特性向上のための電磁石の形状依存性検討 |
著者 | *川本 龍佑, 上荷 洋平, 井上 大嗣, 金 錫範, 村瀬 暁 (岡山大学) |
Page | p. 558 |
Keyword | アクチュエータ, バルク, 電磁石 |
Abstract | 我々は,空間的に隔てた環境における遠隔操作が可能な超電導アクチュエータの開発を行ってきた.開発する超電導アクチュエータは,移動子である高温超電導バルク体と固定子である平面配列された電磁石群で構成されている.固定子から3次元的な磁場分布を発生させ,特定の磁場分布が捕捉されている移動子に,鉛直方向・水平方向への移動及び回転を可能としている. 本研究では,バルク体の捕捉磁場強度の向上を図るために,既存の円柱型鉄心に加えて,新たに四角柱型の鉄心を考案し,両形状の鉄心による発生磁場特性について有限要素法に基づく電磁場数値解析を行い,比較検討したので報告する. |
題名 | 高温超電導バルク体を用いた磁性体の浮上特性に関する基礎研究 |
著者 | *松永 純也, 田原 俊, 土井 昭幸, 下村 哲也, 金 錫範 (岡山大学), 小野寺 宏 (西多賀病院) |
Page | p. 559 |
Keyword | 磁性体, 浮上 |
Abstract | 近年,高齢化社会を迎えるにあたり,脳疾患や脊椎損傷などの神経回路欠損による患者の増加が懸念されている.そこで当研究グループでは,神経回路の再生方法について検討している.具体的には,まず,神経の再生を促す抗体を表面処理した磁性ワイヤを外部磁場を制御することで損傷部まで移動させ,整列させる.そして,その磁性ワイヤを道標として神経細胞を誘導し,標的神経細胞との間で神経連絡の再構築を図るというものである.本研究では,脳内の磁性ワイヤの位置制御技術開発の基礎研究として,リング状高温超電導バルク体を用いて磁性体を浮上させることで磁性ワイヤの位置を制御しようと試みたので,その実験結果について報告する. |
題名 | 医療用磁性体の位置検出・制御技術に関する研究(その2) |
著者 | *田原 俊, 金 錫範 (岡山大学), 小野寺 宏 (西多賀病院), 廿日出 好, 田中 三郎 (豊橋技術科学大学) |
Page | p. 560 |
Keyword | 磁性ワイヤ, 位置検出 |
Abstract | 近年,高齢化社会への急激な推移に伴い,高齢者に多いとされる脳疾患患者数の増大が懸念されている.そこで,当研究グループでは,神経細胞がもつ自己再生能力を利用する手段について研究を行っている.具体的には,磁性ワイヤに神経進展因子や神経反発因子,あるいはこれらの因子の機能を阻害する抗体や薬物を表面処理し,磁場を用いて移動・整列させた後,その磁性ワイヤを道標として神経を誘導,標的神経細胞との間で神経回路の回復を目指すという方法である.本研究では,磁性ワイヤの材質と形状を決定させるために数種類の磁性ワイヤについて磁気特性を実験的に把握したので,その実験結果について報告する. |