題名 | パイロットシンボルに兼用できるZCZ符号の設計法について |
著者 | *林田 知大, 松元 隆博, 松藤 信哉 (山口大学大学院理工学研究科) |
Page | p. 308 |
Keyword | スペクトル拡散, 偶差直交系列, ZCZ符号, パイロット信号, インパルス特性 |
Abstract | ZCZ-CDMA方式は近似同期制御方式と零相関領域を有する拡散符号(ZCZ符号)の適用により,他局間干渉除去可能である.それゆえ,複数ユーザ環境下においても,シングルアクセスとしてふるまえ,ユビキタスモバイルシステムに上手く適用できるものと考えられる. 高速伝送に伴うマルチパスフェージングへの対策には,鋭い非周期自己相関特性を持つパイロット信号による各々の通信路を推定する必要がある.最近著者等は,鋭い非周期自己相関特性を持つZCZ符号の構成法を提案しているが,鋭い特性を持つ系列は1つしか与えられていない.本稿では,全ての系列がパイロット信号にうまく兼用できるZCZ符号の構成法を提案する. |
題名 | OFDM伝送用サブキャリア逐次選択法によるピーク電力低減効果 |
著者 | *宮崎 千尋, 冨里 繁, 秦 正治 (岡山大学大学院 自然科学研究科) |
Page | p. 309 |
Keyword | OFDM, ピーク電力低減効果, PAPR |
Abstract | ブロードバンド通信で用いられるOFDM伝送には,平均電力に対して非常に大きなピーク電力が発生するという欠点があり,様々なピーク電力低減手法が提案されている.本研究ではこのピーク電力を低減する手法として,ピーク低減信号挿入用サブキャリア逐次選択法を提案する.このピーク低減信号挿入用サブキャリア逐次選択法のピーク電力低減効果を評価し,パラメータ設定方法を明らかにする.シミュレーション評価により,許容PAPRについて2dBと設定したときに最もPAPRを低減できることを明らかにした. |
題名 | マルチチャネルCATV/HFCネットワークにおけるリクエスト・クラスタ割当て方式 |
著者 | *齊藤 智也 (島根大学総合理工学部), 稲井 寛 (岡山県立大学情報工学部) |
Page | pp. 310 - 311 |
Keyword | 動的帯域割当て, ランダム予約, CATVネットワーク |
Abstract | CATV/HFCネットワークの実質的な標準規格であるDOCSISでは,上り方向に集約チャネルを用いることが推奨されているが,集約チャネルを用いる際の媒体アクセス制御方式は規定されていない.DOCSISでは,従来の上りチャネルにおけるリクエスト・クラスタ割当て方式として2進指数バックオフ方式が採用されている.しかしながら,この方式ではリクエスト・クラスタの過不足が大きく,トラヒックの増加に伴い,遅延が著しく増加するという問題点がある.そこで本稿では,集約チャネルを用いるCATV/HFCネットワークにおけるリクエスト・クラスタ割当て方式を提案する.計算機シミュレーションの結果,提案方式は従来の方式に比べて遅延の増加を抑制し,スループットを向上させることが示された. |
題名 | ハイブリッド(集中/分布ラマン)光増幅を用いたS+C+L帯の超広帯域光増幅中継系の光SNR特性 |
著者 | *田山 恵一, 長岡 大樹, 増田 浩次 (島根大学) |
Page | p. 312 |
Keyword | 光通信システム, 光増幅中継技術, ラマン増幅, 光信号対雑音比 |
Abstract | 将来の光通信システムの高速・大容量化においては,広帯域・低雑音な光増幅中継技術の高度化が必須である。特に,分布ラマン増幅(DRA)を用いた光増幅中継技術は,C+L帯においてその低雑音特性が顕著である。本論文では,S+C+L帯において100nm以上の帯域が達成可能なハイブリッド光増幅中継系の構成方法とその光信号対雑音比(OSNR)特性明確化の検討を行っている。シミュレーション解析の結果,80kmの伝送ファイバを有するハイブリッド光増幅中継系において,単一波長励起DRAの励起光波長を1420nmとすることにより,S+C+L帯における高OSNR動作が可能であることが明らかになった。 |
題名 | 非完備情報アロハゲームへの新規参加ユーザの振舞いに関する検討 |
著者 | *金谷 會城, 榊原 勝己, 武次 潤平 (岡山県立大学 通信伝送工学研究室) |
Page | p. 313 |
Keyword | ゲーム理論, スロット付きアロハ, 非完備情報ゲーム, 非協力ゲーム |
Abstract | ランダムアクセスプロトコルにおけるユーザ間の競合に対し,ゲーム理論を用いた研究が行われている. 本稿では,バックオフ・アルゴリズムに関して2種類のユーザが混在/競合するアロハ・ネットワークに,新たなユーザが参加する場合を考える.そして,非完備情報・非協力ゲームの枠組みで,新規ユーザがバックオフ・アルゴリズムに関して採るべき振舞いを判断する手法を示し,正規ユーザの割合に関する推定確率の閾値を定量的に与える. |
題名 | 転送端末数に基づくブロードキャスト手法の性能比較に関する検討 |
著者 | *花岡 遼, 武次 潤平, 榊原 勝己 (岡山県立大学) |
Page | pp. 314 - 315 |
Keyword | アドホックネットワーク, ブロードキャスト, ブロードキャストストーム |
Abstract | 無線通信端末のみで自律的に構成されるアドホックネットワークでは,マルチホップ通信が想定されており,データの転送経路探索などの際に用いられるブロードキャストでは,端末がパケットを中継してネットワーク中の全ての端末にデータを送信する.最も基本的なブロードキャスト手法は,パケットを受信した全端末が転送するフラッディングであるが,ネットワーク中のトラフィックが膨大となるブロードキャストストームを発生させる恐れがある. そこで,本稿では,アドホックネットワークでのブロードキャストにおいて,最適な転送端末数に基づく確率的ブロードキャスト手法を提案し,同様に転送端末数に注目した既存手法であるCounter-Based方式との性能比較を行った.その結果,平均到達率ではあまり差が見られなかったが,平均衝突率では提案手法の方が低くなり,無駄なパケット送受信が少ないことがわかった.従って,提案手法の方がよりブロードキャストストーム低減に効果的であると言え,遅延時間も短いため優れた手法であると考えられる. |