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平成22年度 (第61回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 0701  7. 電力系統I-(1)
日時: 2010年10月23日(土) 9:00 - 10:05
部屋: 学部共通棟(南) 8126室 (→地図)
座長: 舩曳 繁之 (岡山大学)

7-1 (時間: 9:00 - 9:13)
題名マルチエージェントによる電力系統故障設備判定方式
著者*福永 晋之介 (広島工業大学大学院 工学系研究科 情報システム科学専攻), 永田 武 (広島工業大学 情報学部 情報工学科), 山本 信幸, 島田 育彦 (中部電力 技術開発本部 電力技術研究所)
Pagepp. 187 - 188
Keywordマルチエージェントシステム, 自律分散システム, 故障設備判定
Abstract電力系統の複雑化,分散化により,従来の集中型システムによる運用や制御に限界が生じ,電力分野では分散型システムへのパラダイムシフトが起こっている。本研究では,電力ネットワークの故障復旧における故障設備判定に焦点を当て,マルチエージェントを適用した分散処理的なシステムを提案し,シミュレーションによりその性能を評価した。実装するエージェントは送電線エージェント,系統変電所エージェント,配電用変電所エージェントの3種類である。実用規模のモデル系統を用いてシミュレーションを実施した結果,エージェントの協調動作により分散的な故障設備判定が実現できた。

7-2 (時間: 9:13 - 9:26)
題名マルチエージェントによる分散型電圧・無効電力制御方式
著者*石田 雅人 (広島工業大学大学院工学系研究科情報システム科学専攻), 永田 武 (広島工業大学情報学部情報工学科), 山本 信幸, 島田 育彦 (中部電力技術開発本部電力技術研究所)
Pagepp. 189 - 190
Keywordマルチエージェントシステム, 分散型システム, 電圧制御, 電力システム
Abstract近年,分散電源の増加に伴い,より安定した電力の供給が求められている。これまで電圧・無効電力制御は多くの研究が実施されている。それらはシステムの構成から集中システムと分散システムに分類される。本研究は従来の電圧・無効電力制御を変電所二次母線電圧の適正化を図る「電圧制御」と一次母線電圧の適正化を図る「無効電力制御」の部分問題に分離した。2種類のマルチエージェントを用いて分散型システムを構築し,モデル系統に適用したシミュレーションを行った。その結果,提案方式が2つの部分問題を協調した制御を行い同一電圧階級内の母線電圧を適正に保つことが確認できた。

7-3 (時間: 9:26 - 9:39)
題名マルチエージェントによる配電系統事故復旧方式
著者*坂屋 建太 (広島工業大学大学院工学系研究科情報システム科学専攻), 横山 司, 永田 武 (広島工業大学情報学部情報工学科)
Pagepp. 191 - 192
Keywordマルチエージェント, 配電系統, 事故復旧, 分散型システム
Abstract規制緩和の進展により電力システムを取り巻く環境は急激に変化している。それに伴い,事故復旧操作においても全ての市場参入者を含む関係者全員の協調が必要となることが予想され,集中型システムから分散型システムへ転換せざるを得ない状況である。その中でも,配電系統に含まれる設備・機器の要素数は,極めて多いために効率的な復旧方式の確立が望まれている。本論文では,配電系統の信頼性確保を目的として,マルチエージェントを適用した完全な自律分散型事故復旧方式を提案する。モデル系統を用いたシミュレーションの結果,提案方式はエージェント間の協調動作により柔軟な復旧が実施できることが確認できた。

7-4 (時間: 9:39 - 9:52)
題名電気自動車の充電が日負荷曲線に与える影響の地域別検討
著者*谷脇 誉崇, 造賀 芳文, 佐々木 豊, 餘利野 直人 (広島大学 大学院工学研究科)
Pagepp. 193 - 194
Keyword電気自動車, 日負荷曲線, 地域性
Abstract近年、石油資源の枯渇や二酸化炭素による地球温暖化等の環境問題が深刻になっている。これらの問題に対する解決策の1つとして電気自動車(EV)の開発・研究が盛んに行われている。しかし、今後EVが大規模に普及した場合を想定すると、充電による電力負荷の量的な変化、充電時間帯の違いによる電力負荷の時間軸変化、自動車保有台数の違いによる電力負荷の地域的な変化が現れることが考えられる。本研究では、大都市では自動車の保有率が低く、郊外地域で保有率が高いことに着目し、都市部と郊外地域でEVの普及割合・曜日・充電方法別にEV充電考慮後の日負荷曲線の試算を行うことで、EV普及が日負荷曲線に与える影響の地域性の違いについて検討を行う。

7-5 (時間: 9:52 - 10:05)
題名将来需給断面における太陽光発電の大量導入に起因する諸問題の一検討
著者餘利野 直人, *山中 敏裕, 藤田 将輝, 佐々木 豊, 造賀 芳文 (広島大学), 奥本 芳治 (中国電力株式会社)
Pagepp. 195 - 196
Keyword太陽光発電, PV, 最過酷故障点, 需要想定, 不確定性
Abstract近年,環境負荷低減の目的から自然エネルギー型分散電源の大量導入が進められている。一方,導入地点の気象条件によって出力が急激に変動する太陽光発電(Photovoltaic Power Generation; PV)が電力系統へ大量導入された場合,その出力変動が系統側に大きな影響を及ぼすことが懸念されており導入拡大へ向けた課題整理とその解決法の模索が急務となってきている。このような背景から本稿では,PV導入前後のネットワークにおいて想定故障に基づく最過酷故障点あるいは発電機脱調に至る故障点の変化から問題点を整理することを目的とし,系統運用の困難化を定量的に示す。