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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2025)シンポジウム
プログラム

「*」印は講演予定者を表す
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セッション表

表内のセッション名はそのセッション情報にリンクしています.


2025年6月25日(水)

磐城 北須1 北須2 今出 阿武隈1 阿武隈2 石陽 月見亭
開会式 (飛鳥)
13:00 - 13:30
セッション開始準備
13:30 - 13:50
1A  CDS/DCC統一テーマセッション
13:50 - 15:30
1B  環境認識
13:50 - 15:30

1D  位置推定・測位
13:50 - 15:30
1E  コミュニケーション支援
13:50 - 15:30
1F  分散処理
13:50 - 15:30
1G  交通データ分析
13:50 - 15:30
1H  Web
13:50 - 15:30
休憩
15:30 - 15:50
2A  DPS統一テーマセッション
15:50 - 17:30
2B  行動認識(1)
15:50 - 17:30
2C  ヘルスケア
15:50 - 17:30
2D  コンテンツ創出と評価
15:50 - 17:30
2E  支援システム
15:50 - 17:30

2G  誘導・回避促進
15:50 - 17:30
2H  教育・リスクマネジメント
15:50 - 17:30
休憩
17:30 - 17:50
3A  CN統一テーマセッション
17:50 - 19:10
3B  行動認識(2)
17:50 - 19:10
3C  XR(1)
17:50 - 19:10

3E  生成
17:50 - 19:10
3F  ネットワーク・システムセキュリティ(1)
17:50 - 19:10

3H  マルウェア・セキュリティ分析
17:50 - 19:10
休憩
19:10 - 19:40
夕食 (飛鳥)
19:40 - 21:30



2025年6月26日(木)

磐城 北須1 北須2 今出 阿武隈1 阿武隈2 石陽 月見亭
セッション開始準備
8:45 - 9:00
4A  CSEC/SPT統一テーマセッション
9:00 - 10:40
4B  感情
9:00 - 10:40
4C  行動計測
9:00 - 10:40
4D  XR(2)
9:00 - 10:40
4E  IoT
9:00 - 10:40
4F  マルチメディアシステム(1)
9:00 - 10:40
4G  V2X・自動運転
9:00 - 10:40
4H  無線・AI
9:00 - 10:40
休憩
10:40 - 11:00
5A  ITS統一テーマセッション
11:00 - 12:20
5B  認証
11:00 - 12:20

5D  ドローン・農業
11:00 - 12:20
5E  画像類似・推定
11:00 - 12:20
5F  マルチメディアシステム(2)
11:00 - 12:20
5G  行動変容(1)
11:00 - 12:20
5H  セキュリティ教育
11:00 - 12:20
昼食 (各セッション会場)・アウトドアセッション
12:20 - 14:20
6A  UBI統一テーマセッション
14:20 - 15:40


6D  行動認識
14:20 - 15:40
6E  地域
14:20 - 15:40
6F  ネットワーク運用・管理
14:20 - 15:40
6G  仮想現実・拡張現実
14:20 - 15:40
6H  セキュリティ・心理
14:20 - 15:40
休憩
15:40 - 16:00
SP  (飛鳥)
特別招待講演

16:00 - 17:00
休憩
17:00 - 17:10
DS  (曙)
デモセッション

17:10 - 18:40
休憩
18:40 - 19:00
夕食 (飛鳥)
19:00 - 20:30
休憩
20:30 - 21:00
NS  (磐城)
ナイトテクニカルセッション
21:00 - 23:00



2025年6月27日(金)

磐城 北須1 北須2 今出 阿武隈1 阿武隈2 石陽 月見亭
セッション開始準備
8:15 - 8:30
7A  IOT統一テーマセッション
8:30 - 10:10
7B  行動変容(2)
8:30 - 10:10

7D  インタラクティブシステム
8:30 - 10:10
7E  検出&追跡
8:30 - 10:10
7F  ネットワーク
8:30 - 10:10
7G  人流・群衆
8:30 - 10:10
7H  暗号・差分プライバシー
8:30 - 10:10
休憩
10:10 - 10:30
8A  MBL統一テーマセッション
10:30 - 11:50
8B  位置推定・測位(3)
10:30 - 11:50
8C  Augmented Human
10:30 - 11:50
8D  実空間支援
10:30 - 11:50
8E  行動変容(3)
10:30 - 11:50
8F  ネットワーク・システムセキュリティ(2)
10:30 - 11:50
8G  運転支援
10:30 - 11:50
8H  異常検知・攻撃検知・自動化
10:30 - 11:50
昼食
11:50 - 14:20
閉会式・表彰式 (飛鳥)
14:20 - 15:20



論文一覧

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2025年6月25日(水)

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セッション 1A  CDS/DCC統一テーマセッション
日時: 2025年6月25日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 磐城
座長: 川上 朋也 (福井大学)

1A-1 (時間: 13:50 - 14:30)
Title(招待講演) コンバージングテクノロジー(AI×人文社会科学)で挑む社会課題解決の最前線
Author*紺野 剛史 (富士通株式会社)
Pagep. 1
Abstract高齢者を狙う特殊詐欺は、手口が巧妙化の一途をたどり、深刻な社会問題となっている。富士通は東洋大学、尼崎市との連携を通じ、この難題に立ち向かうべく、犯罪心理学とAI技術を融合した革新的な対策を研究開発している。本講演では、コンバージングテクノロジーの事例として、ミリ波センサーによるバイタルセンシングとAIによる心理状態推定を組み合わせた、最先端の詐欺被害未然防止の取り組みを紹介する。実証実験の結果に加え、AIアバターと生成AIを活用した訓練ツールについても解説し、技術が社会課題解決に貢献する可能性を深く掘り下げる。

1A-2 (時間: 14:30 - 14:50)
Title選好最適化と知識検索によるキャラクタ再現対話システム
Author*大塚 淳史, 松尾 和哉, 濱 健太, 水上 雅博, 有本 庸浩, 杉山 弘晃, 野本 済央, 中辻 真 (日本電信電話株式会社)
Pagepp. 2 - 10
Keyword対話システム, キャラクタ, RAG, DPO
AbstractLLM(Large language Models)の登場によりAIと対話自体が魅力的なコンテンツとして商用展開されるようになってきている. AIと魅力的な対話を行う技術として,AIが実在,非実在を問わずに特定のキャラクタになりきるようなプロンプトをLLMに入力する方法があるが, プロンプトのみではそのキャラクタを十分に再現できるとは言えない.LLMをファインチューニングすることで,より再現対象の発話に近づけることができるが,ファインチューニングのためのデータ収集コスト,LLMの学習コストの問題が発生する 本論文では,キャラクタの質問応答集とLLMを用いて特定の人物やキャラクタを再現する手法を提案する. キャラクタの口調や性格といった人物的特徴は,あまり極端に変化するものではないが, その一方で,キャラクタが持つ知識は,学習データや対話ログにより逐次的に増加する. そこで,キャラクタの人物的特徴はLLMの学習により再現し,実際に発話生成するときの知識は別途データベースに保存しておき,RAG(Retrieval Augmented Generative)により随時引用することで,発話知識を逐次追加可能なキャラクタ再現対話を実現する. また,選好最適化技術を用いることで,よりキャラクタらしい発話をするLLMを学習する. 評価実験では,実際のキャラクタのQAコーパスを用いて,キャラクタ発話の再現実験を行い, プロンプトのみとき,ファインチューニングのみの時と比べて,よりキャラクタらしい発話を生成できることを示す.

1A-3 (時間: 14:50 - 15:10)
Titleキャラクターの口調に着目した評価手法の提案
Author*久保 祐喜, 森川 輝, 山田 真徳 (日本電信電話株式会社 NTT社会情報研究所)
Pagepp. 11 - 15
Keyword口調, 発話, 評価, LLM, AI
Abstract本研究は,キャラクターの口調のみに着目した自動評価手法を提案し,LLMに基づく評価システムの有効性を実証することを目的とする.なりきり型の対話システムを構築する際,キャラクターと同等な発話をしていることを保証するために,その発話がキャラクターのものであるか否かを評価することが重要である.従来の手法では,発話文全体を入力として「キャラクターの発話であるか」を判定しているが,口調がキャラクターと同等でない要因についての定量的な分析を行われていない.本研究では口調をより詳細な構成要素に分解し,各要素に着目して記述を抽出することで,口調を定量的に評価する手法を提案する.実験では,実際のキャラクターの発話を入力として,各口調の要素の判定器の性能を評価した.実験の結果,口調の要素に細分化することによって,口調の定量的な評価が可能であることを確認した.

1A-4 (時間: 15:10 - 15:30)
Title大規模言語モデルを活用した制作者の意図推定による3Dオブジェクトの自動選定・配置システムの提案
Author*西居 有花, 石戸 莞楽, 中村 亮太 (武蔵野大学データサイエンス学部)
Pagepp. 16 - 21
Keywordコンテンツクリエーション, 自然言語, LLM, 3DCG
Abstract本研究は、3DCGソフトウェアにおけるバーチャル空間設計の効率化を目指し、大規模言語モデルを活用した2つのシステム、「Auto 3D Selectorシステム」と「Auto 3D Arrangerシステム」を提案した。Auto 3D Selectorシステムは、ユーザーがテキスト入力するだけで意図に基づいた3Dオブジェクトを自動選定する機能を持ち、専門知識がなくても簡単に使用できる。Auto 3D Arrangerは、机や椅子の数を入力することで、空間内で適切な位置と向きに自動配置を行うシステムであり、物理的な整合性を保つレイアウトを効率的に生成する。評価実験では、14名の参加者を対象にAuto 3D Arrangerシステムの使いやすさや満足度を検証した結果、配置の正確性に対する高評価を得たが、動作速度の改善やユーザー意図に応じた柔軟な制御の課題が指摘された。本システムは、バーチャル空間設計の敷居を下げ、幅広い分野への応用が期待される。今後はモデル性能の向上やアルゴリズムの改良を通じ、さらなる実用性の強化を目指す。


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セッション 1B  環境認識
日時: 2025年6月25日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 北須1
座長: 長谷川 達人 (福井大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
1B-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Titleウェアラブルカメラによる単一画像深度推定に向けた符号化開口設計手法の検討
Author*張 雨珂, 高木 健 (東京大学工学系研究科), 堀崎 遼一 (東京大学情報理工学系研究科), 川原 圭博, 笹谷 拓也 (東京大学工学系研究科)
Pagepp. 22 - 30
Keywordウェアラブルカメラ, 符号化開口, 深度推定, プライバシー
Abstract本研究では,レンズ内に符号化開口という特殊な絞り機構を挿入し,ウェアラブルの単眼カメラだけで「被写体が設定した距離より手前か奥か」を判定する方法を提案する.本提案手法では専用センサや機械学習を用いることなく,光学系の点拡がり関数(PSF)の距離に応じた変化を活用して,撮影対象との距離を判定する.大型カメラの光学的特性から得た知見を基に,小型カメラでも高精度な深度判定が可能となるよう,撮像素子の大きさやレンズの F 値,焦点距離などを考慮した符号化開口の設計方針を考案した.そして,本手法によって得られた深度推定精度を評価し,適切に選定した距離の PSF を用いて判定を行うことで 83.8% の正確率で推定が可能であることを示した.これにより,小型カメラでも反復的な計算を要さずに正確な深度判定が可能であることが確認された.

1B-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Titleマルチカメラを用いたオクルージョンに頑健な物流倉庫内の荷物配置推定
Author*具志 祐希, 加納 一馬, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学)
Pagepp. 31 - 38
Keywordマルチカメラシステム, コンピュータビジョン, オクルージョン, 三次元点群, 空間認識
Abstract近年,物流倉庫では電子商取引の普及に伴い取扱量が増加しており,業務の効率化が課題となっている.情報技術を活用した業務の効率化には,各作業エリアのデータ収集が不可欠である.作業空間の状況を把握するために,天井に定点カメラを設置して鳥瞰画像を撮影する手法があるが,天井の低さや設置環境の制約により,真上からの撮影が困難な場合がある.角度のある俯瞰視点の画像では,手前の物体によって奥の空間が隠れるオクルージョン (遮蔽)が発生し,奥の空間の状況把握が困難になる問題がある. 本研究では,オクルージョンに頑健な処理を行うために,認識対象が複数の視点から映るように定点カメラを複数設置し,各視点画像から得た情報を統合して倉庫内の荷物状況を認識する手法を提案する.視点画像毎で鳥瞰画像へ射影変換した後,単眼深度推定を適用して得られる三次元点群から荷物の有無および高さを推定する.最終的に各視点情報の統合を行って互いに情報を補完し,撮影空間全体の状況を把握する.評価実験として,実際の倉庫環境のマルチカメラ環境に対して提案手法を適用した結果,荷物の有無が約83%の精度で推定され,従来手法からの精度向上が確認された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1B-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Title荷重センサ付トレイを用いた食事の終了時間予測システム
Author*豊田 聡一郎 (神戸大学大学院工学研究科), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院)
Pagepp. 39 - 47
KeywordHCI, 食事, 食器, 食事ペース, 重量計測
Abstract共食において,他者と食事の終了時間が揃わないことは,円滑な会話や一体感の形成を妨げる要因となる.日常生活において,共食は単なる食事行為にとどまらず,社会的な交流やコミュニケーションの場として重要な役割を果たしている.しかし,個々の食事ペースの違いや周囲の会話・行動により食事の終了時間にばらつきが生じ,早く食べ終えた人が手持ち無沙汰になる,あるいは食べ遅れている人が食べ急ぐことで会話のペースが乱れ,食体験価値が損なわれる可能性がある.そこで本研究では,食事ペースをリアルタイムで測定し,食事の終了時間を予測することで,ユーザが自身の食事状況を認識できるシステムを提案する.提案システムは,ロードセルを搭載したトレイ型デバイスを用いて料理の重量変化を測定し,食事ペースや食事の推定終了時間を算出する.その後,推定終了時間をもとにユーザに適切な食事ペースを提案することで,食事ペースの調整を促す.本研究では,食事の終了時間予測に際して,最新の食事ペースを基に予測を行う手法と過去の食事ペースを考慮する手法の2種類の予測手法を実装した.評価実験では,デバイスを用いて実食を行い,実際の食事終了時間と食事終了時間予測の比較を行った.実験結果から,食事中の会話や動画視聴などによる食事ペースの変動が予測の誤差を大きくする要因となることが明らかになった.また,最新の食事ペースによる計算手法は食事ペースが変動しやすい場合に有効である一方,過去の食事ペースを考量する計算手法は安定したペースで食事をする場合に精度が高いことが示された.

1B-4 (時間: 14:50 - 15:10)
TitleIoT雨量計による観測結果を用いた局所降水量予測
Author*森田 慶, 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
Pagepp. 48 - 58
Keywordユビキタス, 降水量予測, 深層学習, IoT, 気象予測
Abstract気象庁は「降水短時間予報」として,1〜6時間先までの降水予測を発表している.降水短時間予報は1km四方での予測が行われているが,局所的な観測値と比較すると誤差が生じるという問題がある.本研究では,局所的な降水量予測を高精度に行うことを目的とし,IoT雨量計を設置した対象位置の降水量を予測する深層学習モデルを構築した.このモデルでは,気象庁が発表する降水短時間予報,解析雨量,および,IoT雨量計の過去の観測結果を入力とし,IoT雨量計による観測結果を出力するよう学習させた.結果として,気象庁の予測によるMAE約0.6に対し,本研究の手法によるMAEは最小で約0.3となり,より正確な予測を行うことができた.

1B-5 (時間: 15:10 - 15:30)
Title身体装着型加速度センサを用いた遊園地における乗車アトラクション識別手法
Author*渡部 凌 (立命館大学大学院/情報理工学研究科), 中尾 恵美里, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 59 - 65
Keywordウェアラブル, 行動認識
Abstract本研究では,スマートウォッチや入場時に装着させるリストバンドに搭載した3軸加速度データを利用することで,テーマパーク内での来場者の動きを記録し,乗車したアトラクションを識別する手法を提案する. 提案手法は取得したデータに対して,手の動作や歩行のようなアトラクション以外の動きによる乗車中での加速度波形への影響を3軸データの合成,平滑化フィルタを適用することで取り除いた. 提案手法の実現可能性を確認するための予備評価,有効性を検証するための評価では,来場者ひとりひとりのテーマパーク入場時からの長時間加速度データを取得した.6名の被験者に対して3種類のアトラクションについて2回,1種類のアトラクションについて1回を決められた順序でまわってもらい,一人当たり計7回のデータを採取した.備評価では,取得したデータから1回分の乗車区間全体または一部の波形を切り出し,事前にアトラクションのラベルを付与した各アトラクションの乗車波形とのDTW距離を計算して,k近傍法によって得られたアトラクションを識別結果として出力するものと,SPRINGを用いて,ストリームデータに対して学習データと合致する波形を検出する.DTWで平均識別精度90.5%,SPRINGで38回の搭乗に対して34回正しく検出された.


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セッション 1D  位置推定・測位
日時: 2025年6月25日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 今出
座長: 柏崎 礼生 (近畿大学)

1D-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Title学内無線LANのアクセスログを基にした学生の移動分析 -学内施設の混雑予測に向けて-
Author*槇田 凌也, 北須賀 輝明, 中西 透 (広島大学大学院先進理工系科学研究科)
Pagepp. 66 - 76
Keyword無線LAN, 接続履歴, クラスタリング, 機械学習, 分類モデル
Abstract人の集まる場所の混雑を推定・予測することは,利用者に多くの利益をもたらす. 広島大学は,学内 外の人が利用できる食堂や図書館が多数存在するが,それらの場所がどれくらい混むかを割り出すことに よって利用者の混雑回避や運営側の業務向上を期待できる. 本研究では広島大学の学内無線LANの接続ロ グデータを解析し,曜日による違いを分析する.データから各日付における各アクセスポイントに何人接続 したか, あるいはどのIDの人が大学に来ているかを調べ,k平均法を用いて日付を曜日に分類・予測でき るか分析する.セメスターの分類の有無やキャンパスごと,午前の時間帯だけといった複数パターンのクラ スタリングも行う. また,機械学習モデルを利用した曜日の予測も行う.いずれの方法でも高精度に曜日で 分類できることを確認した.また休講日や学内イベントが催された日に関しては,普段のその曜日とは異な ることが確認できた.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1D-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Titleフォーメーションフライトにおける各衛星位置のLiDAR ベース測定手法
Author*小坂 修平, 安本 慶一, 佐々木 航, 松井 智一, 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科), 若尾 大輔, 森岡 澄夫, 稲川 貴大 (インターステラテクノロジズ株式会社)
Pagepp. 77 - 85
Keyword位置推定, LiDAR
Abstract著者らが参画する総務省のプロジェクトでは,低軌道をフォーメーションフライト(FF)する1万個以上の超々小型衛星をフェーズドアレイアンテナ(PAA)として機能させ,衛星と携帯電話端末との直接通信を実現する検討を行っている. このプロジェクトの目標の1つは,PAA全体の地上フットプリントに対する角度とFF内の各衛星の位置と姿勢を正確に制御することである.本稿では,ミリ波レーダーとLiDARを搭載した複数のアンカー衛星と俯瞰衛星をFF内に配置することで,PAA平面を計算し,アンカー/俯瞰衛星からFF内の各衛星の姿勢と距離を高精度かつ低コストで計測する位置推定手法を提案する.提案手法では,俯瞰衛星がLiDARにより取得した近隣の衛星の点群からボックスフィッティングを行うことで,衛星の平面内での位置を推定する. 提案手法をMATLAB内に実装し3Dシミュレーションを行った結果,FFを構成する衛星数が1万機,LiDARを搭載した俯瞰衛星15機,アンカー衛星4機を用いた場合に,平均0.8 cm以内の距離誤差での各衛星の位置推定を達成できることを確認した.

1D-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Title静電容量型加速度センサに対する音波照射によるスマートフォンの非接触操作手法
Author*横山 健琉 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 戸高 祥 (立命館大学情報理工学部), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 86 - 94
Keywordスマートフォン, 加速度, 音響, 非接触操作
Abstractスマートフォンやスマートウォッチなどに搭載された加速度センサは,行動計測や健康管理等に活用されている.音波照射によってセンサの出力に影響を与え,意図的にデータを改変する手法が提案されており,それを応用して静電容量型加速度センサに任意のビット列を埋め込む研究がある.本研究では,加速度データに埋め込まれたビット列の解析,識別をリアルタイムで行う手法を提案する. 提案手法では,ビット列を音響の有無で表現した音データを生成し,スピーカを用いてスマートフォンに照射することで加速度センサのデータに影響を与える.得られた加速度センサデータをリアルタイムで解析し,音波パターンを識別することで,音波に対応するアプリケーションを起動する. 予備実験では,同一型番のスマートフォン3台について,内蔵の加速度センサに影響を与えられる音波の周波数や音圧を調査した. 評価実験では,4〜8ビットの音波パターンに対応する正しいアプリケーションの起動成功率を測定した.端末1および端末3ではすべての条件で精度100%を達成した一方で,端末2ではビット数が増加するにつれて成功率が低下する傾向が見られた.

1D-4 (時間: 14:50 - 15:10)
Title空間音響技術アンビソニックスを用いた瞬音の角度推定
Author*澤�� 晋吾 (和歌山大学システム工学研究科), 陳 金輝, 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 95 - 101
Keyword音源位置推定, アンビソニックス, 深層学習, 瞬音, CNN
Abstract近年,音響センシングはロボットの環境認識や災害現場での捜索・救助などで重要性が高まっており,特に音源定位の高精度化が求められている.しかし従来研究の多くは長時間の音響信号を対象としており,拍手のように瞬間的に発生する音(瞬音)は十分に扱われていない.本研究では,この瞬音に焦点を当て,アンビソニックス形式で録音した信号から MFCC を抽出し,2 次元 CNN に入力して音源方向を回帰予測する手法を提案した.空間情報と時間-周波数特徴を同時に活用することで,単一音源では RMSEが 8.16 度,決定係数 R2 が 0.99,二重音源では正解率が 0.94,F1 スコアが 0.97 と高精度な推定を達成した.また,MFCC 抽出時のウィンドウシフトを 64 サンプルに設定することで,学習時間と性能のトレードオフが最良になることを確認した.実音の推定精度は RMSE が 33.68 度,R2 が 0.89 でスピーカー音源と比較して精度低下が確認された.

1D-5 (時間: 15:10 - 15:30)
Title異なる日時における多時点逆位置指紋を活用した屋内位置推定の評価
Author*梅澤 猛 (千葉大学)
Pagepp. 102 - 106
Keyword位置推定, 逆位置指紋, BLE, 機械学習
Abstract本研究では、Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコンを用いた逆位置指紋法に基づく屋内位置推定システムの精度向上を目的として、深層学習を用いた新たな推定手法を検討する。特に、BLE信号の受信強度(RSSI)に基づいて空間座標を推定するための高次元特徴を入力とし、Transformerアーキテクチャを用いたMixture Density Network(MDN)モデルを構築した。RSSI系列から空間的特徴を抽出し、位置を確率的に分布として予測することで、従来の点推定型モデルに比べて柔軟性と堅牢性の向上を実現した。実験は、大学キャンパス内の実環境において実施し、16台の受信端末を天井に配置し、33箇所から発信されたBLE信号を受信・記録したデータを用いた。比較対象として多層パーセプトロン(Multilayer Perceptron: MLP)を用いた手法と比較評価を行い、許容誤差100 cmにおいてMDNが約79.4%の累積正答率を達成し、MLP(約48.6%)を上回る性能を示した。本研究は、確率的モデリングを取り入れた深層学習アーキテクチャが、屋内位置推定において有効であることを実証するものである。


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セッション 1E  コミュニケーション支援
日時: 2025年6月25日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 阿武隈1
座長: 角田 啓介 (グロービング)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1E-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Titleオンライン通話における対面会話とのギャップを解消するための視線情報可視化システム
Author*長尾 悠生, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 107 - 116
Keywordオンライン通話, 遠隔会議, 視線
Abstractオンライン通話には様々なメリットが存在する一方で,対面会話時に発生しうる様々な会話状況に完全には対応できていない.例えば,対面会話では互いの視線情報のやり取りにより話しかけようとしていることを相手に伝えることができるが,一般的なオンライン通話システムでは伝達できる情報は参加者の映像や音声,チャット機能での文字情報であり,視線を交わすような情報のやり取りを行うことができない.そのため,オンライン通話の会話体験を向上させるための手法として,視線情報のやり取りを可能にすることが考えられる.そこで本研究では,画面上の通話相手を見ていることを相手の画面に矢印で表示することで,視線情報のやり取りを実現するオンライン通話システムを提案し,実装した.提案手法によりオンライン通話を円滑に実施できるか,対面に近い感覚で会話を行うことができるかを評価するために実験を行った.その結果,視線情報表示機能を有効にした条件では,無効にした場合と比べ他者からの視線をより正確に認識でき,会話の進行や話者交代がより円滑に行えるという評価が得られ,対面会話に近い感覚が得られる可能性が示唆された.一方で,視線情報の表示に伴い,一部の被験者からは集中力が削がれる場合があるといった課題も明らかになった.

1E-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Title防災に関する家族間の話し合いと行動を支援するチャットボットの提案
Author*井田 真実 (和歌山大学大学院), 吉野 孝 (和歌山大学)
Pagepp. 117 - 124
Keyword防災支援, 生成AI, チャットボット
Abstract防災対策の一環として,防災に関する家族間の話し合いは重要視されている.また,防災の重要性は広く認識されている一方で,実際に行動に移せていない人が多いという課題がある.これらの課題に対する行動変容のアプローチの一つに,簡単な内容から段階的に達成していくスモールステップがある. 本研究では,生成AIを用いた返信機能を備えた家族間の防災に関する話し合いを支援するチャットボットシステムを開発した. さらに,話し合いの結果に基づいて実行しやすい防災対策を提示することで,防災行動に対する心理的ハードルを下げ,実践を促すことを目指した. 実験の結果,生成AIによる返信は家族間の話し合いを支援できることが確認された.また,チャット上の対話においては詳細な家族構成の記憶が必ずしも必要ではないこと,簡単な防災対策であれば実行に結びつく可能性があることが明らかとなった.

1E-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Title非同期コミュニケーションによる分散型組織の交流を促進する共有描画システムの検討
Author*瀬野尾 悠, 根岸 彩香, 松下 美友, 小林 稔 (明治大学)
Pagepp. 125 - 132
Keyword非同期コミュニケーション, 共有描画
Abstract同じ組織に所属していながら作業空間が異なることによりコミュニケーションに障壁が生まれることがある.本研究では,共有描画による非同期的な交流を通じて日常的なインフォーマルコミュニケーションを促し分散型組織の交流を支援することを目的とする.ホワイトボード上で行われる自由なコミュニケーションから着想を得て,複数の空間を繋ぐ共有描画システムを提案した.本稿ではプロトタイプシステムの構築と,デモ展示を通じて明らかになった課題や意見,考察ついて報告する.また,現段階のシステムでは非同期的な交流ができない点を課題に挙げ,今後はユーザが同じ時間にシステムの前に存在していなくても過去の書き込みや活動の痕跡から他者の存在を認識できるようなシステムの改善を検討している.

1E-4 (時間: 14:50 - 15:10)
TitleSpeed datingにおける言語・非言語行動に基づくフィードバックスキル予測の基礎検討
Author*大串 旭, 東 直輝, 鹿摩 大智 (日本大学総合基礎科学研究科), 石井 亮, 大西 俊輝 (日本電信電話株式会社NTT 人間情報研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 133 - 139
Keywordコミュニケーション分析, フィードバックスキル, 機械学習
AbstractSpeed datingのような1対1の対話において,聞き手のフィードバック行動は対話の円滑化や相手への印象形成に大きな影響を与える.そのため,適切なフィードバックが行われないと,円滑なコミュニケーションが成立しないという問題がある.特にSpeed datingのような初対面の相手に対して短時間しか対話ができないシーンにおいては,自身の行動が相手の印象へ与える影響は大きいと考えられる.このような問題に鑑みて,ユーザが自身でフィードバックスキルを評価でき,適切なフィードバック方法を訓練できるシステムの構築が期待されている.そこで本研究では,聞き手のフィードバックスキルを,言語・非言語行動に基づいて定量的に評価・予測する枠組みを構築することを目的とする.この目的達成に向けた第一歩として,本稿では,フィードバックスキルを6つの指標で表現し,対話中の視覚・韻律・言語的行動に関する特徴量に基づいて各指標を予測する機械学習モデルを構築する.利用する特徴量を多様に変化させた比較実験の結果,いずれの指標においても韻律的特徴量を含む条件が最も高い性能を示し,F1は0.528〜0.591という結果であった.この結果は,フィードバックスキルに関する6つの指標を予測するためには,韻律的行動が重要であることを示唆している.

1E-5 (時間: 15:10 - 15:30)
TitleUWBを用いた位置提示による交流機会創出システムの提案
Author*柴谷 椋, 吉野 孝 (和歌山大学)
Pagepp. 140 - 148
KeywordUWB, 交流機会の創出, 閉じたコミュニティ, 類似性開示
Abstract集団に属する人々が交流を深めるための手法として,多様なシステムが提案されてきた.古典的なものとして,自身の特徴を表すキーワードを名札に記載し,相互に類似性を開示することで,会話のきっかけを提供するといった事例がある.しかし,従来の紙媒体を用いる方法では,他者の紙を能動的に確認する必要があり,相手に対する関心や行動を自ら起こす必要があった. そこで本研究では,類似性をもつユーザをリアルタイムに探索し,相手の位置情報を提示することで,初対面でのコミュニケーションのきっかけを提供するシステム「Mukuiru」を開発した.本稿では,開発したシステムの概要と設計思想,および予備実験について述べる.


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セッション 1F  分散処理
日時: 2025年6月25日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 阿武隈2
座長: 武田 敦志 (東北学院大学)

1F-1 (時間: 13:50 - 14:10)
TitleAccelerating Real-Time Stream Processing via Data Processing Unit (DPU) Offloading
Author*Hongjie Zhai (NTTソフトウェアイノベーションセンタ)
Pagepp. 149 - 157
KeywordData Processing Unit, DPU, ストリーム処理, 分散システム
AbstractReal-time stream processing systems must deliver low-latency and high-throughput performance under growing data volumes and stringent timing constraints. While modern frameworks such as Apache Flink and Arroyo support distributed execution, their reliance on kernel-based TCP networking introduces communication overhead and latency variability. In this paper, we present a Data Processing Unit assisted architecture that offloads Arroyo’s network stack to BlueField-2. Our design migrates the NetworkManager module to the DPU, replaces intra-node TCP with DOCA’s zero-copy Comch channels, and leverages hardware accelerators during data transmission. We show that the proposed design significantly reduces intra-node latency and tail jitter, while also reveal limitations in inter-node communication when using TCP on underpowered DPU cores, motivating the need for RDMA integration and further architectural refinements. This work demonstrates both the opportunities and challenges of offloading existing systems with emerging DPU architectures.

1F-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Title改ざんが特定可能なサプライチェーン全体でのデータ連携基盤の提案
Author*堀 遥, Hieu Hanh Le, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 158 - 167
Keyword分散データベースシステム, ブロックチェーン, データ連携基盤
Abstract脱炭素社会実現に向け,複数企業を横断する分散データベースシステムでトレーサビリティを表現し,カーボンフットプリントを管理するようなデータ管理基盤の実現が期待される.我々はこれまでに自動車製造業を題材に,部品各種の製造時CO2排出量の可視化,およびデータの改ざん発生を検知するための検証機能をブロックチェーンベースで実装してきた. 一方で,このシステムにはいくつか懸念点が残されている.一点目に,検証機能では改ざんの発生自体は検知可能であるものの,その発生箇所を特定することができない.二点目に,カーボンフットプリントデータを全て平文で処理・保管している. この課題に対し,我々はハッシュ木の階層的なハッシュ構造と排他的論理和(XOR)の性質に着目し,改ざん箇所の特定とデータの安全性を両立する手法を検討した.提案手法をハッシュ部品木と呼び,これらの実現のため,3つのメインプロセス,ハッシュ部品木の生成・更新・検証プロセスを実装した.提案手法の評価実験では,第一にメインプロセスの実行時間を調査した.いずれも期待通りの挙動を得られたほか,より実行頻度の高いことが想定される更新・検証プロセスでは最大で1.5秒程度に抑えられた.第二に,検証プロセスに対して改ざん率を変化させた実験では,改ざん率の上昇に伴って実行時間も増加する傾向が確認された.一方で,改ざん特定率は,いずれの改ざん率でも100%を達成した.これらの結果より,提案手法は先行研究で手法と比較しても高い実用性を有しており,現実的なCFP管理基盤の構築に向けた有効なアプローチであると結論付けられる.

1F-3 (時間: 14:30 - 14:50)
TitleHyperledger Irohaの分散トランザクション処理手法に関する検討
Author*坂本 明穂, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 168 - 175
Keyword並列・分散処理, 分散システム, 分散台帳, データ検証技術, ブロックチェーン
Abstractデータ駆動型社会の実現に向けてデータの安心安全な活用が関心を集めている. 企業間でのデータ共有など,複数のデータを連携することで経済の発展や社会課題の解決などが期待されるが,万が一共有されたデータに誤りが含まれていた場合その影響は広範囲に及ぶ. データを安全に共有する管理基盤としてブロックチェーンが注目されている.ブロックチェーンはデータ検証システムを持ち,耐改ざん性を備えているため,基盤として活用することで信頼性の高いデータ管理が実現可能となる. しかしブロックチェーンはデータの書き込みを行う際にその取引が正当なものであるか検証するため,一般的なデータベースと比較して性能が低い. そこで本研究ではブロックチェーンの1つであるHyperledger Irohaについて,トランザクション処理効率の向上を目的とし,トランザクション収集プロセスの改良を行った.評価実験により提案手法はHyperledger Irohaのパラメータに影響されることなく一定の性能を発揮し,特にレイテンシが低くなるなどトランザクションの処理性能が改善されることを確認した.

1F-4 (時間: 14:50 - 15:10)
Titleブロックチェーントリレンマ3要素に着目したNakamoto ConsensusとClassical Consensusの統一的な評価
Author*中井 大志, 首藤 一幸 (京都大学)
Pagepp. 176 - 185
Keywordブロックチェーン, Nakamoto Consensus, Classical Consensus

1F-5 (時間: 15:10 - 15:30)
Titleインタラクティブなシーケンシャルパターンマイニングの高速化の評価
Author*青柳 結衣, Hieu Hanh Le, 松尾 亮輔, 山�� 友義, 荒木 賢二 (お茶の水女子大学), 横田 治夫 (城西大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 186 - 191
Keywordシーケンシャルパターンマイニング, クローズド頻出パターン, インタラクティブシーケンシャルパターンマイニング
Abstractビッグデータの活用が進む中,頻出パターンを抽出するシーケンシャルパターンマイニング(SPM)が注目されている. 最適な閾値はデータセットに依存するため,閾値を調整しながら解析を繰り返すインタラクティブなSPMが不可欠である. しかし,従来の手法は既知の頻出パターンの利用により実現しているが,他パターンに含まれないクローズド頻出パターンが十分に考慮されておらず,分析効率には課題が残る. 医療カルテのようなデータセットでは,クローズド頻出パターンだけを確認することで,治療方針全体を把握できる. 本稿では,クローズド頻出パターンに着目し,インタラクティブなSPMの高速化を実現する手法を提案する. また,パターンの長さに着目し,抽出するパターン数を減少させる手法も提案する. さらに,公開データセットを使用して評価を行うことで,クローズドとパターンの長さを考慮することの有意性を示す.


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セッション 1G  交通データ分析
日時: 2025年6月25日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 石陽
座長: 石原 進 (静岡大学)

1G-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Title機械学習を用いた蟻コロニー最適化による多目的時間依存オリエンテーリング問題の解法
Author*梶 翔真, 梶本 大, 野口 竜弥 (早稲田大学), 高山 敏典 (ゼンリンデータコム), 鮑 思雅, 戸川 望 (早稲田大学)
Pagepp. 192 - 200
Keyword蟻コロニー最適化, 多目的時間依存オリエンテーリング問題, 動的移動時間, 機械学習, API
Abstract本稿では,機械学習を用いた移動時間予測モデルを蟻コロニー最適化(Ant Colony Optimization: ACO)に統合することで,多目的時間依存オリエンテーリング問題(Multi-Objective Time-Dependent Orienteering Problem: MOTDOP)を高速に求解するアルゴリズムを提案する.提案手法は,機械学習を用いた移動時間予測モデルによって移動時間を高速かつ高精度に予測する.さらに,ACOの経路構築の際に各移動時間取得ステップに移動時間予測モデルを組み込むことで,移動時間の変動を反映した経路探索を実現し,動的かつ多目的な旅程最適化を可能とする.評価実験では,京都市内のPOIを対象としたデータセットで評価を実施し,詳細経路探索APIを用いてACOによる求解を行う従来手法に比べ,提案手法は約550倍〜600倍の計算時間短縮を達成しつつ,同等のスコアを維持できることを明らかにした.また,提案手法がユーザが重視する価値観に基づき柔軟な経路設計が可能であることも示され,提案手法の実用性と柔軟性を確認した.

1G-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Titleクラスタリングを活用した道路接続性に基づくストローク生成手法
Author*勝川 敦貴, 金 鎔煥, 山本 大介 (名古屋工業大学)
Pagepp. 201 - 207
Keyword道路, 道なり
Abstract近年,最短経路や有料道路の有無など様々な条件を指定して経路探索を行うサービスが普及している.その中でも,右左折回数が少なくなるように探索を行う道なり優先探索は,利用者にとって分かりやすい道案内を可能としている.本研究室では,認知心理学に基づいて道路ネットワークをグルーピングする方法について研究を行っている.このグルーピングしたものを「ストローク」,いわゆる道なりの道路と定義する.ストロークの概念を用いることで道路ネットワークからストロークネットワークを作成することが可能となり,それに基づいた効率的な経路探索や地図生成における道路の間引きなど,様々な応用方法について研究を行ってきた.しかし,従来のストローク生成システムには,道なりの道路として不適切なストロークを生成してしまう問題が存在する.そこで,本研究では道路リンクの接続スコアの算出とそれに基づく道路リンクの統合という従来システムと異なるストローク生成システムを提案する.また,提案システムを実装したプロトタイプシステムを作成し,様々なスコア算出方法により生成されたストロークについて,実行時間,ストローク数,および問題となるストロークにおける変化を比較し,その結果について考察する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1G-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Title予定経路情報を用いた都市交通の渋滞予兆検知
Author*岡�� 翔大 (和歌山大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 208 - 216
KeywordITS, 渋滞予測, 深層学習, 経路情報, CASE
Abstract交通渋滞はドライバーの時間を浪費し,環境に悪影響をあたえるため,渋滞の発生防止や早期解消は現代社会における重大な課題である.都市部における渋滞の多くは,右折待ちなどの交差点周辺の車両同士の関係などによって偶然に発生する渋滞(偶発的な渋滞)である。しかし,既存の研究の多くは,特定の曜日や時刻に依存した周期的な渋滞を予測するものであり,短期的な渋滞予測の試みはほとんど見られない.これに対して,本論文では,実際の交通状況と車両の予定経路のみを用いる短期的な渋滞の予兆検知手法を提案する.本研究では,将来に自動車のネットワーク接続が進み,全ての車両の位置と予定経路が取得できると仮定する.車両の予定経路は,その車両が数分後に存在する道路や予定する交差点での進行方向の情報を含む.全ての車両の予定経路を考慮し,数分後に発生する交通の集中の予兆を捉える.評価では,提案手法を用いて数分後の交通流データを予測し,予測が渋滞の兆候を捉えているかと,予測の遅延時間を評価した.その結果,提案手法は,全ての渋滞のうち一定数の渋滞の予兆をとらえることができた.また,比較手法として,車両移動予測モデルによる予測交通流データを用いない手法を同様に評価し,車両の予定経路が渋滞の予兆検知に寄与することを示した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
1G-4 (時間: 14:50 - 15:10)
Title地域別の自動車の運転傾向に関する調査分析
Author*秋山 真鈴, 荒岡 草馬, 畑島 隆, 藤村 明子 (NTT社会情報研究所)
Pagepp. 217 - 224
Keyword交通, 地域性, 慣習, ローカルルール, 自動運転


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セッション 1H  Web
日時: 2025年6月25日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 月見亭
座長: 上野 嶺 (京都大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
1H-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Title悪意コンテンツ配信を引き起こすダークプーリングはオンライン広告枠の価格を上げるか?
Author*石山 晴斗 (明治大学大学院先端数理科学研究科), 菊池 浩明 (明治大学総合数理学部)
Pagepp. 225 - 232
Keywordターゲティング広告, Header Bidding, 不正コンテンツ, ダークプール
Abstractオンライン広告市場の発展に伴い, パブリッシャーは多様な広告パートナーと接続し, 広告枠を販売してい るが, その過程の不透明性が問題視されている. 特に, 低品質なWeb サイトが著名なサイトの広告枠(セ ラーID) 密かに広告枠の販売する「ダークプーリング」がブランドイメージ低下や著名サイトの評判に影 響を及ばすことが課題となっている. Vekaria らは, この手法が欧州の主要な広告取引所で広く用いられて いることを示したが, 日本のWeb サイトでのダークプーリングがどの程度普及しているか明らかになって いなかった. また, Vekaria らは, 誤情報サイトでダークプーリングの件数が高いことを明らかにしたが, ダークプーリングにより広告枠の価格を高めているか, 定量的な評価ができていない. そこで, 本研究では, 日本でのダークプール普及率を調査して, 先行研究の結果と比較する. また, ダークプーリングの広告枠価 格(CPM) への影響を定量的に評価するために, Header Bidding (HB) を採用しているサイトを調査する.

1H-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Title機械学習を用いたフィッシング詐欺サイト検知手法の提案
Author*伊藤 知世, 和泉 諭 (仙台高等専門学校)
Pagepp. 233 - 238
Keywordフィッシング詐欺サイト検知, 機械学習, BERT
Abstract本研究では機械学習を用いて高精度にフィッシング詐欺サイトを検知する手法を提案する.具体的には,URL・HTML・DOMの3要素に対しBERTによる文脈的特徴抽出を行い,バギングで統合することでフィッシングサイトを高精度に検知する.バギングを用いることで各特徴の弱点を補完し,全体としての精度向上が可能となる.さらに実験により多様なフィッシングサイトおよび正規サイトを含むデータセットを用いて,各特徴量による単独モデルの性能とバギングによる統合モデルの性能を比較評価した.分類精度の比較においては,特にHTML情報に基づくモデルが他の特徴量よりも高い精度を示した.また,バギング前後の分類結果を比較した.その結果,個別モデルで精度の低かった特徴量の影響を抑えつつ,検知精度の向上を実現した.統合モデルでは、検知率が99%を超える結果が得られた.以上よりURL・HTML・DOMを用いたウェブページの包括的な文脈的解析がフィッシング詐欺サイトの検知に有効であることが実証できた.

1H-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Title発話型属性認証に向けた提示文章ごとの発話特徴分析
Author*井戸 智斗志, 石田 繁巳, 稲村 浩 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 239 - 245
KeywordCAPTCHA, 誤記, 発話


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セッション 2A  DPS統一テーマセッション
日時: 2025年6月25日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 磐城
座長: 菅沼 拓夫 (東北大学)

2A-1 (時間: 15:50 - 16:30)
Title(招待講演) LLMを用いたネットワーク管理の可能性
Author*和泉 諭 (仙台高等専門学校)
Pagep. 246
Abstract大規模言語モデル(Large Language Model: LLM) の技術の発展により,検索エンジンやチャットボットなど様々な業務の高精度化・効率化が実現されている.本講演ではネットワーク管理の自動化や効率化に着目し,LLM による適用可能性を議論する.具体的にはLLM を用いたネットワーク管理の例について紹介し,その効果や課題を整理する.さらにそれらを踏まえて本研究で取り組んでいるLLM によるネットワーク管理の内容を紹介し,残された課題や今後の発展を整理する.

2A-2 (時間: 16:30 - 16:50)
Title大規模言語モデルに基づいたコンピュータネットワークセキュリティの自律的防御方式の提案
Author*武田 敦志 (東北学院大学 情報学部 データサイエンス学科), 白鳥 則郎 (中央大学 研究開発機構)
Pagepp. 247 - 251
Keywordネットワークセキュリティ, 大規模言語モデル, 自律防御
Abstract近年、ChatGPTをはじめとする高度な文章生成AIが実用段階に達し、多種多様な知的作業を効率化できるようになった。これらのAIは、大規模言語モデル(Large Language Model, LLM)を中核技術としている。LLMが学習した知識には、ネットワークセキュリティや通信機器の操作に関する情報も含まれており、これらの知識を持つLLMを活用することで攻撃の自動検知や通信機器の自動設定が可能となると考えられる。そこで、本稿では、LLMを用いてコンピュータネットワークを脅威から防御する自律的な防御方式を提案する。提案方式では、LLMを搭載したエージェント(以下、LLM Agent)が情報システムとリアルタイムに連携し、自然言語処理による文脈理解と過去の知識や対処経験を組み合わせることで、ネットワークセキュリティの脅威を検出する。また、LLM Agentは、脅威の内容をファイアウォールなどのセキュリティ機器に通知し、通信機器の設定変更、通信の遮断、管理者への通知などの設定変更を自律的に実行する。本稿では、このようなLLMを中核としたコンピュータ・ネットワークのための自律的防御方式の構成について説明し、その実現可能性について議論する。

2A-3 (時間: 16:50 - 17:10)
TitleGPUリソース構成を変化させたときのLLM推論性能への影響
Author*�眛� まどか (お茶の水女子大学), 平井 聡, 木下 怜佳, 三輪 真弘 (富士通), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 252 - 258
KeywordLLM推論, GPU, 性能分析
AbstractChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)への注目が高まるとともに,それらを高速に処理するGPUの需要も急激に増加している.これにより世界的なGPU不足と価格の高騰が続き,今後ますます深刻化していくことが予測されている.しかし,多くの環境でGPU使用率は低く,GPUを十分に活用しきれていない現状がある.そこで,最適なリソース割り当ての実現により,GPUリソースの効率的な利用を目指す.本研究では,LLM推論を実行する際にGPUリソースを制限してスループット等の性能測定を行い,リソース量と性能の関係を明らかにした.その結果,モデルごとにGPUリソースを制限することによって異なる影響が生じ,モデルによってはリソース制限による性能低下の影響が小さいということが明らかとなった.さらに後半では,複数の推論を同時に実行した場合の性能評価や,使用するGPUを2基に増やし構成を変化させた場合の推論性能についても述べる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
2A-4 (時間: 17:10 - 17:30)
Titleコンピュータ将棋の局面評価におけるCNN-ViTハイブリッドモデルの適用
Author*檜垣 総司 (神戸大学大学院), 小澤 誠一, 山田 明 (神戸大学)
Pagepp. 259 - 267
KeywordAI, エッジコンピューティング
Abstractチェスや将棋などのコンピュータプログラムは,指し手を選ぶための探索手法と,局面の良し悪しを数値化する評価手法から構成される.局面の評価には,開発者が将棋の知識に基づいて作成した発見的な評価関数や機械学習で自動的に作成された評価関数が用いられる.さらに深層学習を用いて局面のデータから直接評価を行う方式が提案されている.深層学習による局面評価では,ResNet などの CNN を基盤とした手法が利用されている.しかし,CNN は,局所的な特徴を捉えることに優れている一方で,局面全体の大局的な依存関係を捉えることには課題がある.また,画像認識において CNN よりも高い性能を示すことが多い Vision Transformer(ViT)は,CNN に比べて,データ全体の大局的な特徴を捉えるのに優れているという強みがある一方で,計算コストの高さによる探索速度の低下や,局所的で詳細な特徴を捉えることに課題がある.そこで本研究では,コンピュータ将棋プログラムの局面の評価手法として,CNN と ViT を組み合わせた方式を提案する.提案方式の実装においては,CNN と ViT のハイブリッドモデルである MobileViT を基本として,二つのモデルを作成した.まず,画像処理に対して最適化されている MobileViT を用いて将棋盤面に最適化したモデルを作成した.次に,MobileViT をより軽量化し,Transformer 自体にも局所的な特徴を捉える機能を組み込むため,MobileViT に Swin Transformer を適用したモデルを作成した.提案方式の有効性を示すため,従来方式として ResNet を用いたコンピュータ将棋プログラムと,次の一手の予測精度および局面の勝率の予測精度,対戦強度において比較した.その結果,提案方式は,精度および対戦強度のいずれにおいても従来方式を上回ることが確認された.


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セッション 2B  行動認識(1)
日時: 2025年6月25日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 北須1
座長: 長谷川 達人 (福井大学)

2B-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Titleヒアラブルデバイス内に搭載した脈波センサを用いた口ジェスチャ認識
Author*遊間 大貴, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 268 - 277
Keywordウェアラブル, 脈波, インターフェース, 行動認識
Abstractウェアラブルコンピューティングの発展にともない,耳に装着するイヤホン型のウェアラブルコンピュータであるヒアラブルデバイスが注目されている.従来のイヤホンの用途である音楽鑑賞にとどまらず,スマートフォンと連携した音声アシスタントや各種生体センサを搭載することで,ユーザの生体情報や行動情報を取得し,高度なインタラクションを実現できる.特に,光学式PPG(光電容積脈波)センサを搭載して心拍数をモニタリングできるヒアラブルデバイスが市場で増加傾向にあり,耳は毛細血管が豊富でセンサと計測部位の位置関係が安定しているため,高い測定精度を実現しやすい.一方で,多くの市販ヒアラブルデバイスはスマートフォン連携を前提としており,操作時には手で画面を触れる必要がある.直接タッチする手法も提案されているが,イヤホン形状の制限や意図しない接触による誤認識,さらに装着ズレによる不快感などの課題がある.ハンズフリー入力として音声アシスタントや加速度センサを用いる手法もあるが,公共の場での発声や意図しない頭部動作による誤入力など,社会的受容性の問題が残る.本研究では,脈波センサを搭載したヒアラブルデバイスを用い,顎や頬の動きを利用して12種類の口ジェスチャを認識する手法を提案する.具体的には,顎や頬の動きによって口周辺の筋肉が活動し,耳道周辺の血管や外耳道に生じる形状変化によってPPG(脈波)信号が変化することを利用してジェスチャ認識を行う.提案手法では,連続ウェーブレット変換(Continuous Wavelet Transform: CWT)とピーク検出を用いてジェスチャによる信号変化を抽出・セグメント化し,機械学習ベースの分類モデルに入力することで12種類の口ジェスチャを識別する.評価実験には20代の男性5名が参加し,口や頬の動きによる12種類のジェスチャを各60回試行した結果,G1(口を開けて閉じる)の平均F値は0.99と高い精度を示した.

2B-2 (時間: 16:10 - 16:30)
TitleSmatable:テーブルインターフェースの新機能提案とモデル改善
Author*谷垣 斗唯 (大阪公立大学工業高等専門学校), 柴田 洸希, 吉田 誠 (奈良先端科学技術大学院大学), 松井 智一, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所革新知能統合研究センター (AIP))
Pagepp. 278 - 283
Keyword行動認識, 振動センシング, 深層学習
Abstract本論文は,既存家具をタッチインタフェース化する振動センシングシステムSmatableを発展させ,実用性を高めた研究である.従来の上下左右スワイプ4操作に加えて,シングル/ダブル/トリプルタップを導入し,計7操作を認識対象に拡張した.4ch圧電式振動センサの振動信号をSTFTでスペクトログラム化し,ResNet/DenseNet系CNNで分類を行った.被験者3名×3セッションのLeave-One-Person-Out Cross-ValidationでResNet34がAccuracy: 0.472,F1-Score: 0.518を記録し,さらに対象者データを学習データに1セッション追加するAdd-One-SessionによりAccuracy: 0.948,F1-Score: 0.949へ大幅向上を達成した.

2B-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Title発達障害者の異常行動認識における時間パラメータの最適化
Author*藤岡 泰平, Christina Garcia, 金子 晴, 井上 創造 (九州工業大学)
Pagepp. 284 - 294
Keyword大規模言語モデル, 異常行動認識, 姿勢推定
Abstract本研究では、発達障害者の異常行動を模擬したポーズ推定データに対し、行動の文脈情報を大規模言語モデル(LLM)に組み込み、時間パラメータ(ウィンドウサイズ・オーバーラップ率・LSTM系列長)を自動最適化する手法を提案する。職員不足と微細動作の見落としが課題となる支援施設では、異常行動の不規則性ゆえに誤検出・見逃しが頻発していた。従来は経験的に一律設定していたパラメータを、LLMが行動ごとの特性を踏まえて推奨することで検出性能の向上と設定工数削減を両立させる。具体的には、8種(異常4種含む)の行動を健常者5名が実演した独自ラベル付きデータセットを構築し、Zero-shot/Few-shotプロンプトで文脈情報を入力、最適パラメータを導出した。評価実験では、Few-shotが「物を投げる」7.69%、「攻撃する」7.31%、「頭を振る」4.68%、「爪を噛む」1.24%のF1スコア向上を示し、Zero-shotでも全異常行動でF1スコア96%以上を維持。ベースライン比で平均6.23%の改善を確認し、LLMによる時間パラメータ最適化の有効性を実証した。今後は現場検証を行い汎用性を評価する。

2B-4 (時間: 16:50 - 17:10)
Titleスマートウォッチとの脈波ピーク時間差を用いたウェアラブルデバイス装着部位推定手法
Author*小寺 隆太, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 295 - 306
Keyword脈波, ウェアラブル, 装着位置推定
Abstractウェアラブルデバイスの形状にはさまざまな種類があり,腕時計型,眼鏡型,指輪型など特定の身体部位に装着するデバイスのほかにインスタントタトゥー型や絆創膏型などの任意の身体部位に装着が可能なデバイスも存在する.ウェアラブルデバイスを任意の身体部位に装着した場合,装着部位によって機能や処理を変化させるためにデバイス自身が装着部位を認識する必要がある. 本研究では,装着部位が既知であるウェアラブルデバイスと装着部位が未知であるウェアラブルデバイスそれぞれに搭載されている脈波センサを用いて,装着部位が未知のウェアラブルデバイスの装着部位を推定する手法を提案する. 脈波は心臓からの距離に応じて到達時間が変化する.そのため,手首と任意の身体部位で計測した脈波の到達時間の差は任意の身体部位ごとに変化する. 提案手法は手首と未知の部位の脈波のピーク検出時刻の差を用いてデバイスの装着部位を推定する. 評価実験では,額,鼻,口,左耳,右耳,首,左上腕,右上腕,左手首,右手首,左手指,右手指,腰,左足指,右足指の15部位からデータを収集し,提案手法の評価を行った.評価実験は同一日のデータを使用した場合と異なる日のデータを使用した場合の2通りで行った.結果として同一日のデータを使用し,推定する部位数が2部位のとき平均F値が最大で0.94であった.

2B-5 (時間: 17:10 - 17:30)
Titleシラバス情報を活用した大規模言語モデルによる講義室の出席人数予測
Author*長岡 佑亮, 村上 弘晃, 谷口 景一朗, 赤司 泰義 (東京大学)
Pagepp. 307 - 314
KeywordLLM, 人数予測, 情報抽出, シラバス
Abstract近年,大学講義室における空調制御の最適化が,快適な室内環境の維持とエネルギー効率の両立の観点から重要視されている.特に,在室人数の急激な変動により空調出力の調整が遅れ,室温制御に課題が生じるケースが多い.本研究では,この問題に対処するために,講義スケジュール情報に加えて,シラバスに記載された非構造的テキスト情報を活用し,講義室の在室人数を高精度に予測する手法を提案する.提案手法では,大規模言語モデル(LLM)を用いてシラバス情報を解析し,講義内容・形式・成績評価方法などが出席人数に与える影響を抽出する.東京大学工学部1号館15号講義室において実施した実測データを用い,(1)従来の統計的手法(重回帰分析),(2)LLMによる直接的な予測,(3)LLM抽出パラメータを用いた回帰分析の3手法を比較検証した.その結果,LLMを直接予測に用いた手法は,平均絶対誤差(MAE)および二乗平均平方根誤差(RMSE)の双方において最も良好な予測精度を示し,非構造的な講義情報の活用において,LLMの直接的な自然言語処理能力が有効であることが示唆された.


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セッション 2C  ヘルスケア
日時: 2025年6月25日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 北須2
座長: 浦野 健太 (名古屋大学)

2C-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Title生活行動変容に向けた反実仮想機械学習に基づくストレスマネジメントシステムの提案
Author*若山 ことみ (奈良先端科学技術大学院大学), 松井 智一, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所革新知能統合研究センター)
Pagepp. 315 - 322
Keywordユビキタスコンピューティング・IoT, 行動変容, 機械学習
Abstract近年,仕事や日常生活で強いストレスを抱える労働者が増加し,メンタルヘルス不調の早期発見と行動変容を後押しする仕組みが求められている.本研究は,ウェアラブルデバイスとスマートフォンから心 拍や活動履歴を収集し,反実仮想機械学習モデルで「もし別の行動を取ったらどうなったか」を推論することで,ストレス改善に最適な行動をリアルタイムに提示するシステムを提案する.最終的には,様々なスマートデバイスを介して視覚的・対話的に提示し,大規模言語モデルを用いて人間らしい励ましや具体的アドバイスへ変換する.検証実験では5 名の被験者にFitbit を10 日間装着してもらい,スマートフォンを利用して行動データを収集し,個人最適化されたストレス推定モデルを構築,生成AI によるフィードバックを実施した.生体指標・NASA-TLX 評定・行動ログを統合して,提案システムが行動変容とストレス低減へ与える効果を評価する.結果として,DiCE のベースモデルとして用いた線形回帰モデルの各 ユーザごとの二乗平均平方根誤差(RMSE)は4.161 - 5.601,平均絶対誤差(MAE)は2.650 - 4.206 であった(対象スコアであるフラストレーション値は1 - 20 の範囲).また,フィードバックを受けた一部の被験者は,提示されたメッセージを参考に行動を変えようと考え,実際に行動を変更した例も見られた.

2C-2 (時間: 16:10 - 16:30)
TitleAlexithymia傾向を持つ人の認知感情評価指標,心拍指標,脳波指標による評価手法の提案
Author*田辺 実夏子, 井上 健一 (芝浦工業大学大学院理工学研究科電気電子情報工学専攻), 鈴木 圭 (芝浦工業大学大学院理工学研究科機能制御システム工学専攻), 菅谷 みどり (芝浦工業大学工学部情報工学科)
Pagepp. 323 - 328
KeywordAlexithymia, 心拍, 脳波, 感情
Abstract自身の感情を認知することが困難であるAlexithymiaの傾向を早期発見することは精神疾患の予防や改善つながると考えられる.Alexithymiaの主観報告には限界があることが指摘されているため,感情を客観的に評価する手法が必要である.客観的な感情評価には生理指標を用いることが提案されているが,Alexithymia傾向の高い人の,生理指標を用いた生理反応による感情評価と主観による感情の認知の差やずれについて,十分な議論が行われていないという課題がある.そこで本研究では,Alexithymiaの生理指標による感情評価と主観による感情の認知の差がどの程度であるか明らかにすることを目的とし,Alexithymia傾向の高さが異なる2群間で感情価と覚醒度の主観による評価と生理指標による評価を比較した.結果から,Alexithymiaの感情の認知困難は,弱い快不快を喚起する刺激を受けたときに起こると考えられる.

2C-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Titleディスプレイによる対光反射を用いた自律神経活動推定の予備的な検討
Author*神田 琢也, 伊勢崎 隆司, 沖津 健吾 (NTT人間情報研究所)
Pagep. 329
Keyword対光反射, 自律神経活動
Abstract電子端末に備わっているディスプレイの輝度変化によって引き起こされる対光反射の日常的な自律神経活動モニタリング技術の応用を目指し,基礎検証として対光反射の指標に自律神経活動状態の変動が反映されるか調査する実験を行った.自律神経活動に変化を与える刺激として3段階の認知的課題を実験参加者に実施してもらい,課題後にディスプレイ輝度を変化させ対光反射の変化を分析した.

2C-4 (時間: 16:50 - 17:10)
Titleセンサー種ごとの埋め込みを用いたマルチモーダルなライフログデータの情報検索
Author*寺尾 恭範, 太刀岡 勇気 (株式会社デンソーアイティーラボラトリ)
Pagepp. 330 - 337
Keyword情報検索, マルチモーダルデータ, 機械学習
Abstract本研究では、画像とセンサー値を対象としたマルチモーダル検索において、センサー種ごとの特性に応じた埋め込み表現を作成する手法を提案する。連続値は多層パーセプトロン、カテゴリ情報はテキストプロンプト化と事前学習済み言語モデルによりエンコードし、それらを統合してセンサー値埋め込みを得る。Lifelogデータセットを用いた評価では、画像をクエリとする検索(img2sen)で従来手法に比べてmean reciprocal rank (MRR)が13.2%向上した。一方、センサー値をクエリとする検索(sen2img)ではMRRが3.8%低下し、埋め込み空間の構造と検索方向の関係が性能に与える影響が示された。モデル構造やハイパーパラメータを変化させた実験では、モダリティ間のアライメント手法や訓練時の効果的なhard negative活用の重要性が示唆された。


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セッション 2D  コンテンツ創出と評価
日時: 2025年6月25日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 今出
座長: 水野 慎士 (愛知工業大学)

2D-1 (時間: 15:50 - 16:10)
TitleText2Field A Practical Analysis System for 3D Visualization of Soccer Tracking Data
Author*木内 健太, 中村 亮太 (武蔵野大学データサイエンス学部)
Pagepp. 338 - 343
Keywordコンテンツクリエーション, モバイルコンピューティング, 仮想環境, 行動認識, WebXR
Abstractサッカーの戦術分析や共有は従来、ホワイトボード等の2D表現や固定カメラ映像で行われるが、選手間距離やスペースの広がりなど立体的情報の伝達には限界がある。また、GPSやセンサーで収集される座標情報とアクションラベルを含むトラッキングデータはテキスト形式で提供される一方、その可視化には高価な専用機器やソフトが必要であった。本研究ではこれらの課題を解決するため、Webブラウザ上で動作する3D可視化システム「Text2Field」を開発した。本システムはテキスト形式のトラッキングデータを解析し、3D空間での試合アニメーションを生成、俯瞰自由視点(Free View)、選手目線視点(Player View)、2D戦術ボード同期表示(RTT)の三機能を統合する。サッカー経験者12名を対象としたランダム化クロスオーバーデザインの評価実験において、固定視点と比較し、空間把握精度および視野認識の大幅な向上が確認された。Text2Fieldは、2D表現では捉えにくい立体的空間情報や選手間関係を直感的に提示し、戦術分析と共有の効率化に寄与すると期待される。

2D-2 (時間: 16:10 - 16:30)
Title視聴誘発のための動画フレーム抽出に基づく表情主体サムネイル生成方式
Author*岸 葵唯 (滋賀大学データサイエンス学部), 戸簾 隼人, 義久 智樹 (滋賀大学大学院データサイエンス研究科)
Pagepp. 344 - 349
Keyword画像生成, 顔ランドマーク検出, 感情分析, ユーザインタラクション、, 動画投稿サイト
AbstractYouTubeなどの動画投稿サイトの視聴者はサムネイル画像と動画タイトルを見て,視聴したい動画を決定する.よって動画投稿者にとって,サムネイル画像は再生回数を増やすための重要な要素である.サムネイル画像の視聴誘発に適した特徴は様々に存在するが,「人」に着目した研究は見られなかった.そこで本研究では,人物の表情を捉えた投稿動画のフレームを「表情主体サムネイル」と呼び,投稿動画から視聴誘発に適した動画フレームを抽出して表情主体サムネイルを生成する方式を提案する.提案手法は,動画内から視聴誘発効果の高いサムネイル候補フレームを抽出するために,「正面度」と「Happiness値」に基づいたフレーム選定を行い,アンケート調査によって評価を行った.アンケートの結果,本研究の提案手法で作成し,Ailab Toolでより笑顔に加工したサムネイル画像が最も高く評価され,有効性が確認された.

2D-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Title空間画像の色彩特徴が感動体験に与える影響の評価
Author*二宮 淑霞, Narumon Jadram (芝浦工業大学), 江藤 忠邦 (株式会社乃村工藝社), 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 350 - 354
Keyword空間デザイン, 色彩特徴, 感動体験
Abstract空間デザインにおいて,デザイナーは空間の利用者の利用目的に適した機能だけでなく,利用者の感動体験を喚起することも重要である.感動体験を喚起されることで利用者のストレス軽減や幸福感向上に寄与することが報告されている.一方,空間デザインにおける様々な要素の中で,色は視覚情報として最も早く・直感的に処理され,特定の感情を喚起しやすいという理由から重要な役割を果たすとされている.このことから,色彩特徴と感情体験の関係を明らかにすることで,デザイナーが感動体験を引き起こす空間を意図してデザインするこができると考えられる.空間画像の色彩特徴が感動体験に与える影響を明らかにするため,色彩特徴が異なる空間画像を呈示し,感動が喚起されたかアンケートによる主観評価を行う実験を行った.その結果,空間画像のカラフルさと感動スコアとの間に負の相関が見られた.このことから,空間では使用する色のバリエーションが多すぎると,視覚的な負荷が増え,感動を喚起しにくい可能性が示唆された.

2D-4 (時間: 16:50 - 17:10)
Title「はじめまして」を資産にする出会いの価値を可視化
Author*日下 怜奈, 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 355 - 358
Keywordコミュニケーション
Abstract本研究は、偶発的な「出会い」を単なる接点で終わらせず、将来的な信頼関係や協力関係へと育てることを目的としたサービスを提案する。名刺交換やSNSでは実現が難しい「出会いの文脈や記憶の記録・整理・再接続」の仕組みを導入し、関係性の深化を支援する。複数プロフィールの使い分け、出会いの記録、人間関係の整理、再接続のリマインド機能を備えた本サービスは、個人の人間関係を資産として活用可能にし、継続的なネットワーク形成を促進する。実証調査では出会いの記録・整理・活用に対する明確なニーズが確認されており、本サービスが現代の人間関係形成において有効な支援手段となる可能性が示唆された。

優秀論文賞 / Paper Awards
2D-5 (時間: 17:10 - 17:30)
Title人とAIの「合意領域」に基づく信頼性スコアモデリング―レビュー自動承認と信頼構築(HAZ)―
Author*松井 高宏 (合同会社 DMM.com/PF第一開発部)
Pagepp. 359 - 366
Keyword生成AI, レビュー自動承認, 信頼性スコアモデル, Human-AI Agreement Zone(HAZ), Agentic Workflow
AbstractAIの業務適用が進展する現代において、「どこまでAIに判断を任せられるか」は重要な課題である。本研究では、人とAIの判断が一致する領域をHuman-AI Agreement Zone(HAZ)と定義し、それを信頼性スコアとして抽出、AIが主体的に判断する自動化構造を提案する。対象は年間50万件の商品レビューの審査業務である。本手法により約60%をAIが自動承認し、従来最大7日を要していた処理は10分以内に短縮された。承認判断のプロセスにはAgentic Workflowを導入し、処理を5段階に分解。さらに判断確定ステップ(Step)とレビュー本文の品質(Grade)から信頼性スコアを算出し、そのスコアに基づいて自動承認可能な範囲(HAZ)を明示した。実運用データ20万件に基づくHAZの評価では、信頼性スコア0.15以下の領域で人とAIの一致率が100%(95%信頼区間下限でも99.997%)を達成した。HAZはAIに安全に判断を委ねるフレームワークとして従来のHuman-in-the-Loop(HITL)に代わる新たな指標として機能する。本研究は、信頼性スコアモデルとHAZという構造を通じて、実運用・設計思想を結びつけた、生成AI時代における包括的な社会実装アプローチの先駆的事例である。


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セッション 2E  支援システム
日時: 2025年6月25日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 阿武隈1
座長: 森 信一郎 (千葉工業大学)

2E-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Title調理行動比較分析に基づく成長を促すフィードバックの検討
Author*加藤 風真, 熊澤 綾人 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学科), 水野 公博 (三菱電機エンジニアリング株式会社), 内藤 彩乃, 中條 直也, 水野 忠則 (愛知工業大学情報科学科)
Pagepp. 367 - 376
KeywordWebシステム, 行動認識, ウェアラブルセンサ, 上達
Abstract料理のレシピや,調理の結果,感想を共有する仕組みが普及している.しかし調理中の腕の動かし方など,行動や動作を共有できる仕組みは普及していない.調理行動の共有と比較から,他人の動作とどの様な違いがあるのか,過去の自分からどの程度成長したのかがわかる.本研究の目的は調理動作の改善点や成長度合いを知る自己分析の補助と,調理技術の成長促進である.アプローチとしてセンサから得られたデータを収集し,分析結果をWeb システムで表示して共有・比較する.先行研究では調理動作の可視化により,利用者が調理に対してそれまでとは違う意識を持つと確認された.本研究では複数回のシステム利用で,利用者の調理技術の成長傾向に影響を与えるか調査する.特徴量データの回帰直線から,切るペースの成長にはシステムが有効な可能性が示された.散布図から,システムの使用時期の違いで切る力のブレが成長する場合と,切るペースが成長する場合があるとわかった.分散分析から有意差は見られなかった.アンケートから,システムの使用中はより改善点を見るけられるとわかった.

2E-2 (時間: 16:10 - 16:30)
Title位置情報と手順書を用いた調理行動の分類精度向上手法
Author*多田 隆人, 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部), 水野 公博 (三菱電機エンジニアリング株式会社), 内藤 彩乃, 中條 直也, 水野 忠則 (愛知工業大学情報科学部)
Pagepp. 377 - 383
Keyword行動分類, モーションキャプチャ, 機械学習
Abstract近年モーションキャプチャと呼ばれる3次元の骨格情報を取得できるデバイスが普及しており,人の動作を手軽に取得可能になっている.本研究ではモーションキャプチャで得られる3次元の骨格情報と機械学習手法を用いて調理行動を分類し,手法ごとに精度を比較する.また分類結果を位置情報を用いて行動を絞り込み,レシピを基にした手順書を用いて工程順から補正し,調理行動の分類精度を向上させる手法を提案する.今回は各手法の中で XGBoost が適しているという結果が得られた.また,位置情報と手順書を用いることで調理行動の認識精度の向上を確認した.

2E-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Titleリズムラリー:卓球とリズムゲームを組み合わせたエンタメスポーツ
Author*伏屋 恒輝, 梶 克彦 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科)
Pagepp. 384 - 393
Keywordエンタメスポーツ, スマートフォン, HCI, アプリケーション
Abstract本研究では,卓球とリズムゲームを融合させた新たなエンタメスポーツ「リズムラリー」を提案する.スマートフォン内蔵の加速度センサを利用し,卓球のラリー中におけるヒットのタイミングを検出し,そのデータをもとにリズムゲームとしての判定処理を行う.ホスト側では音楽を再生し,その拍に対して返球のタイミングが合致した場合には「GOOD」,ずれた場合には「MISS」と判定される.MISSが続くと音源のピッチが低下し,プレイヤーに不快感を与えることでリズムを意識したプレイを促す.これにより,初心者でも楽しめるだけでなく,一定間隔でラリーを行うことで卓球の技術向上にも繋がる構成となっている.プレイヤー同士がリズムの維持を意識して協力する要素もあり,単なるゲームではなく,楽しみながら練習できるスポーツとしての価値も持つ.本研究は,IoT技術の応用によってスポーツとエンタメを融合した新しい体験の創出を目指すものである.

2E-4 (時間: 16:50 - 17:10)
TitleXR技術を融合した没入型360度ライブ配信視聴・放送環境の提案
Author*黒宮 壮平, 齊藤 義仰 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
Pagepp. 394 - 400
KeywordXR, デジタルツイン, インターネット放送
Abstract昨今行われている生放送の一つに,周囲 360 度を撮影できる全方位カメラを用いた 360 度インターネット生放送というサービスがある.このサービスでは,視聴者があらゆる方向から生放送を視聴することができるが,視聴者の視聴位置が全方位カメラの周囲に固定され,放送者空間を自由に見渡したりすることができない.また,放送者は視聴者の視聴方向(以下,POV:Point Of View)が分からず,コミュニケーションエラーが発生する.本稿では,XR 技術およびデジタルツインを組み合わせることで,革新的な没入型 360 度ライブ配信手法を提案する.提案システムでは,放送者が MR デバイス,視聴者がVR デバイスを用いて,両者の位置や空間情報を共有して重ね合わせ,3Dモデルとアバターによって再現する.また,放送者の実空間が変化した際に,視聴者のVR空間へと反映させる.これにより,視聴者にも実物体の位置の変化を伝えることができ,実物体を用いた没入型360 度ライブ配信が実現する.提案システムの有効性を検証するための評価実験を行った.実験の結果,放送者空間を共有することは,視聴者が実物体の大きさと位置を把握するために役立ち,代名詞を用いた円滑で活発なコミュニケーションが行われていた.また,放送者が POV を把握し,視聴者の自由な視聴位置移動を実現することができた

2E-5 (時間: 17:10 - 17:30)
Title調理の並行作業を支援するMRグラス活用システム
Author*江尻 修平, 梶岡 慎輔, 山本 大介 (名古屋工業大学)
Pagepp. 401 - 409
KeywordMRグラス, HoloLens2, 並行作業支援, 料理支援, ユーザーインターフェース
Abstract近年,MR・AR機器の普及が進む中,作業手順を提示するためにMRを利用する例が増えている.これに伴い,手順提示のコンテンツを作成する手間の低減の必要性が高まっている.本研究では,構造化されたレシピ情報を活用し,誰でも効率的かつ一定の品質で調理を行えるよう支援するMRグラス用システムを提案する.特にフランチャイズ飲食店の厨房における新人教育を想定し,複数料理の同時進行を支援するために,HoloLens2を用いた並行作業支援システムを構築した.本システムは,各工程に必要な食材や道具の強調表示機能,料理の進行状況を示すフローチャート表示機能,ユーザが見ている食材・道具に応じて関係する情報を拡大する並行作業支援機能の3機能を備える.構造化されたレシピに基づき手動でUIを実装した実験用システムを用いた評価では,強調表示機能が高評価(SUSスコア82.95)を得た一方,並行作業支援機能はSUSスコアが62.27で,操作の直感性に課題があることが示された.


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セッション 2G  誘導・回避促進
日時: 2025年6月25日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 石陽
座長: 屋代 智之 (千葉工業大学)

2G-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Title混雑緩和のためのインセンティブを用いたヒューリスティックな経路誘導手法の検討
Author*鈴木 舞生, 川上 朋也 (福井大学)
Pagepp. 410 - 417
Keywordオーバーツーリズム, 組み合わせ最適化, マルチエージェントシミュレーション, インセンティブ, 経路誘導
Abstract本研究では道路全体の混雑を緩和するため,観光客へ報酬(インセンティブ)を個別に与えるヒューリスティックな経路誘導手法を提案する.観光地に観光客が押し寄せることでオーバーツーリズムが発生し,交通渋滞が特に問題となっている.また,現在多くの経路誘導手法が研究されているが,多くの手法では目的地までの移動時間や移動距離を考慮するだけで,道路全体の混雑は考慮していない.そのため,個々の経路が十分に最適化されていても,一部道路で混雑が発生してしまう.提案手法では観光客へ与えるインセンティブを個別に決定し,混雑の少ない迂回経路へ観光客を誘導することで,全体的な混雑を緩和する.artisoc Cloud によるマルチエージェントシミュレーションの結果から,ランダムサーチと遺伝的アルゴリズムによるインセンティブを用いた経路誘導手法と比較して,提案手法は総インセンティブと計算時間を抑えて,混雑を緩和した経路誘導が行えることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
2G-2 (時間: 16:10 - 16:30)
Title認知バイアスを考慮した車両DTNによる避難支援情報共有の効果に関する基礎検討
Author*樫 勇岳 (静岡大学), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 418 - 427
KeywordDTN, V2V
Abstract災害発生時には徒歩による避難が推奨されているが,津波などの切迫した危険がある場合には,自動車による避難がやむを得ない手段として認められている. しかし,自動車による避難は避難経路上に渋滞を発生させ,結果として避難の遅れや被害の拡大を招くおそれがある. 運転者に渋滞発生を通知することで,その緩和が期待されるが,災害時には既存の通信インフラが利用不能となる可能性があり,インターネットを介した情報提供は困難となる. この課題に対し,本稿では,車両DTNを活用した避難支援システムを設計し,通信インフラに依存せずに避難支援情報を運転者に伝達することを想定する. 避難支援システムの有効性は,避難地と避難経路の構成といった地理的要素だけでなく,システムを介して情報を受け取る運転者の心理的要因にも影響されると考えられるため, 避難中の運転者が受ける認知バイアスの影響に着目し,経路選択に関する意思決定モデルを構築する. 避難支援システムと運転者の意思決定モデルを用い,シミュレーションにより運転者の心理的特性の偏りや避難する地図の地理的構成が円滑な避難に与える影響について検証したところ,積極的に避難経路を変更する運転者が多い場合には,避難完了時刻が延びる傾向が確認された. 一方で,積極的に避難経路を変更する運転者が適度であったシナリオにおいては,経路選択の分散が進み,避難地周辺の混雑が緩和されたことで,一時的に避難効率が向上する場合があることが示唆された.

2G-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Title人流シミュレーションを用いた帰宅困難者の避難効率向上に向けた対策評価
Author*加藤 麻里絵, 丹羽 了 (筑波大学/産業技術総合研究所), 大西 正輝 (産業技術総合研究所/筑波大学)
Pagepp. 428 - 433
Keyword人流シミュレーション, 帰宅困難者, デジタルサイネージ
Abstract本研究では,都市部で発生する大規模災害時における帰宅困難者の避難効率向上を目的とし,サイネージの設置,避難所定員の増加,および入口開放方向の調整という3種の介入策の効果を定量的に評価した.人流シミュレータを用いて避難完了時間を算出し,上位10%に該当する高効率なシナリオ群に対してPED-ANOVA(Permutation-based Effect Decomposition ANOVA)を適用することで,各介入策の避難効率への寄与度を明らかにした.

2G-4 (時間: 16:50 - 17:10)
Titleオンデマンドバスと周遊バスの連携による効率的な観光客輸送
Author*八木 陵介 (和歌山大学大学院 システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学 システム工学部)
Pagepp. 434 - 441
Keywordオンデマンドバス, 周遊バス, 観光客輸送, 高度道路交通システム
Abstract近年,訪日外国人観光客の数は増加傾向にあり,2019年には3,188万人,コロナ禍を経て2024年には3,686万人と過去最多を更新した.観光客の増加は,地域経済の活性化や雇用創出に寄与する一方で,都市部や観光地では交通渋滞や駐車場不足を深刻化させ,地域住民の日常的な移動に悪影響を及ぼしている.こうした課題に対処するため,いくつかの観光地では周遊バスが導入されている.周遊バスは,主要な観光地を結ぶ固定経路を循環運行するため,利用者は乗換不要で複数の観光地を訪問できる.しかし,周遊バスは特定の出発地と目的地の組み合わせにおいては,複数の観光地を経由しなければならず,到着時刻が遅くなり移動時間が増加する.そこで本論文では,周遊バスと需要に応じて動的に経路を決定するオンデマンドバスを組み合わせるシステムを提案する.提案手法では,周遊バスを利用すると移動時間が長くなる観光客を,オンデマンドバスが優先的に輸送する.これにより,周遊バスの混雑を一部緩和しつつ,観光客の移動時間短縮を図り,システム全体の輸送効率の上昇を実現する.提案手法の有効性を検証するため,交通流シミュレータに提案手法を実装した.その結果,提案手法を適用することで平均移動時間を短縮でき,輸送できる利用者の数が増加することが確認された.

2G-5 (時間: 17:10 - 17:30)
Titleユーザ気質と五感に基づく回遊促進ナビに向けた地点情報収集実証実験の検証
Author*ヨウ シンニー (京都産業大学大学院先端情報学研究科), 大滝 啓介, 吉村 貴克, 堺 浩之 (株式会社豊田中央研究所), 河合 由起子 (関西大学)
Pagepp. 442 - 449
Keyword位置情報サービス, MaaS, 回遊促進ナビ
Abstract本研究は、都市回遊を促進するナビゲーション支援の実現を目指し、地点情報として地物や道路状況だけでなくユーザの五感となる印象を収集分析し、可視化するシステムを検証する。提案システムでは、五感として聴覚および嗅覚に着目し、スマートフォンを用いて注目ポイントとなる地点の撮影写真に対し、気候や道路状態に加え、音と匂い、さらにその時点の気持ちの6カテゴリに分類されたタグを選択・投稿することで、地点情報を効率的に収集できる。また、それら投稿データは地図上で可視化され、撮影写真以外の地点情報をリアルタイムに共有できる。さらに、一定回数以上の投稿を行ったユーザからは気質(性格や刺激希求性)も収集することができる。本稿では、2024年12月から2025年3月にかけて京都市中心部にて実施した実証実験を検証する。実験では、20代から60代までの69名の参加者から、計8,079件の地点情報が得られた。Google Street Viewなどの道路画像では捉えにくい路上の地蔵像や手書き看板、風音や静けさなど、京都特有の感覚的・文化的要素となる地点情報を収集できた。また、アプリの使いやすさを評価するSUSスコアは66.81を示し、システムの有効性と利便性を確認できた。


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セッション 2H  教育・リスクマネジメント
日時: 2025年6月25日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 月見亭
座長: 菊池 浩明 (明治大学)

2H-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Titleサイバー演習環境の自動構築プラットフォームの提案と評価
Author*福永 拓海, 鈴木 将吾, 伊藤 大貴, 永井 達也, 小林 蒼一朗, 尾花 悦正, 熊谷 裕志, 神薗 雅紀 (デロイト トーマツ サイバー合同会社)
Pagepp. 450 - 457
Keywordサイバーレンジ, インシデントレスポンス, サイバー演習, 自動構築プラットフォーム, CSIRT
Abstractサイバー攻撃によるセキュリティインシデント被害の深刻化に伴い,実践的なインシデントレスポ ンス(IR)スキルを有する人材の育成が急務となっている.サイバーレンジを活用した演習は有効な手段 とされる一方で,既存システムの多くは運用負荷の軽減やスケーラビリティの向上を目的としており,一 連のサイバー攻撃の再現性や攻撃フローとシステムログの整合性が十分に担保されていない.そこで本研 究では,サイバー演習環境を自動構築するプラットフォームを提案した.提案システムは,仮想環境の構 築,攻撃シナリオの自動実行,演習用ログの動的生成,操作用 WebUI を統合することで,効率的な演習環 境の構築を可能とする.また提案システムを使用して現実的な攻撃シナリオを再現した 3 種類の IR 演習 を構築した.さらに,構築した IR 演習を参加者に提供し,学習効果,理解容易性,スキル向上の観点から アンケートによる有効性評価を行った.その結果,演習に参加した 45 名全員が,IR を学ぶ上で提案シス テムが効果的であると回答し,IR スキル向上に対して提案システムが有効であることが示された.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2H-2 (時間: 16:10 - 16:30)
TitleMITRE Calderaによる実行可能な攻撃プランに基づいたペネトレーションテストの自動化
Author*五反田 和也, 八槇 博史 (東京電機大学)
Pagepp. 458 - 461
Keywordリスクマネジメント, 自動プランニング, 脅威インテリジェンス, ペネトレーションテスト, MITRE Caldera
Abstract近年のサイバー攻撃の高度化に伴い、ペネトレーションテストの重要性が増している。しかし、手動のペネトレーションテストには多くの時間や専門的知識が必要になる問題点がある。そのため、ペネトレーションテストを自動化する様々な試みが行われてきた。本研究では、人工知能における伝統的手法である線形プランニング手法を用いて実行可能な攻撃プランを生成し、それに基づいてMITRE Calderaで自動実行するペネトレーションテストのフレームワークを提案する。MITRE ATT&CKに基づいた攻撃者の知識と被攻撃システムの状態の論理的記述をPDDLで記述し、プランナーにより攻撃プランを生成する。得られた攻撃プランをMITRE Calderaの演習シナリオへと変換することでペネトレーションテストの自動化を可能とした。企業に対する二重脅迫のシナリオを用いて、本手法の有効性と現実的な攻撃再現能力を検証した。

2H-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Title習熟過程を考慮したセキュリティ人材育成モデルの構想
Author*千葉 寛之 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科/日立製作所), 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 462 - 465
Keywordセキュリティ人材育成, 人材育成
Abstractセキュリティ人材育成について,演習やハンズオン形式による体験型もしくは実践型の様々な教育が行われている.これらの人材を育成するための取組みは,それぞれ独立に実施されている.一部の専門職種を除き,多くのセキュリティ人材は,汎用的なセキュリティ教育を経て,実業務における OJT(On the Job Training) によるスキルの習得が行われているのが現状である.そこで,セキュリティ人材育成の質と効率を向上し,社会全体として有効なセキュリティ対策を推進するために,専門分野を含む多種のセキュリティ人材の習熟プロセスを俯瞰し,セキュリティ人材を育成する指導者の育成強化を推進する枠組みについて提案する.

2H-4 (時間: 16:50 - 17:10)
Titleインシデントレスポンス業務の自動化に向けた大規模言語モデルの活用と評価
Author*伊藤 大貴, 福永 拓海, 鈴木 将吾, 永井 達也, 小林 蒼一朗, 尾花 悦正, 熊谷 裕志, 神薗 雅紀 (デロイト トーマツ サイバー合同会社)
Pagepp. 466 - 473
Keywordインシデントレスポンス, サイバーレンジ, LLM, 演習, CSIRT
Abstractサイバー攻撃の高度化, 多様化に伴い,インシデントレスポンス(以下,IR と呼ぶ. )の高度化が急務となっている. 近年は大規模言語モデル(LLM)の発展により,IR 業務への LLM 活用が注目されている. 一方で, 一連の IR 業務における LLM の効果的な活用方法やプロンプトの設計指針は十分に検証されていない. そこで本研究では,LLM の IR への適用可能性と効果的なプロンプト設計を評価するため,対応策を検討する課題と各種ログを分析する課題を含む 3 種類の IR 演習を用いた実験を実施した. 具体的には, GPT-4o の各演習の課題に対する回答と過去の演習参加者 45 名の回答を比較した. 結果として,検討課題では LLM が人間の 5 倍超の対応策を提示し,ログ分析課題ではプロンプトの設計次第で人間の正答率を 20%以上上回ることが確認された. これにより,LLM の IR への導入は対応策の網羅性向上とログ分析効率化に寄与する可能性が示唆された. 最後に,本研究で得られた知見を踏まえ,IR 業務への LLM 導入時の課題と今後の応用拡大に向けた方向性について論じる.

優秀論文賞 / Paper Awards
2H-5 (時間: 17:10 - 17:30)
Title生成AIによるソフトウェア開発支援の構造的分析 ― プロセス支援とセキュリティ観点の分析:市中製品の分類を通じて ―
Author*白石 将浩, 上川 先之, 濱田 貴広 (日本電信電話株式会社/社会情報研究所)
Pagepp. 474 - 481
KeywordAI駆動開発, セキュリティ, 支援ツール
Abstract近年,生成AI技術の進展により,ソフトウェアのさまざまな開発プロセスにおいてAIによる支援が急速に広がっている.本研究では,生成AIツールがソフトウェア開発にもたらす変革の分析に向け,開発者が置かれている現状を詳細に理解する必要があると考え,現時点で一般開発者がアクセス可能なWeb上の公開情報を基に,市中製品として提供される生成AIツールがどの開発プロセスに対して支援可能と提示されているかを調査した.Webサイトから抽出した57件のユニークな生成AIツールにおいて,SWEBOK v4のソフトウェア開発プロセスにおけるSoftware Testingを境に,生成AIツールの利用に伴う導入コストや利用障壁に大きな差があることが明らかにした.Software Testing以前の上流プロセスでは比較的低コストで個人レベルの導入が容易であるのに対し,Software Testing以降のプロセスでは,チームや組織単位での導入を前提とした高額な料金設定や契約形態が多くなる傾向が見られた.また,セキュリティ観点の検証により,生成AIの回答の確認として専門家以外にリスクを評価・判断できる人材も重要なステークホルダーであることを抽出した.


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セッション 3A  CN統一テーマセッション
日時: 2025年6月25日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 磐城
座長: 本田 新九郎 (大妻女子大学)

3A-1 (時間: 17:50 - 18:30)
Title(招待講演) 生成AIの産業応用と人との協調に関する応用事例
Author*本橋 洋介 (日本電気株式会社)
Pagep. 482
Abstract本講演では、生成AIの産業応用事例を通じて、人とAIの協調のあり方を論じる。具体的には、問い合わせ対応の自動化、営業活動の高度化、商品開発支援、設計業務の効率化など、多様な分野における生成AIの活用事例を紹介する。それぞれの事例において、AIと人間の役割分担やインタラクションの設計、現場での導入に際しての工夫や課題を考察する。また、近年注目されるAIエージェントの進展により、人とAIの協働スタイルがどのように変容しうるのかについても論じ、産業現場における今後のAIとの関係性の展望を示す。

優秀論文賞 / Paper Awards
3A-2 (時間: 18:30 - 18:50)
Titleビジネス利用定着に向けた生成AIツール利用ログの分析
Author*角田 啓介 (グロービング株式会社)
Pagepp. 483 - 490
Keyword生成AI, 行動変容, 業務システム
Abstract本稿では,企業における生成AI活用の定着を目的とし,企業活動において利用が定着しやすい,あるいは定着しにくい利用パタンを抽出し,それらの特徴について考察する.具体的には,実際の企業において6ヶ月間,生成AIを用いたチャットツールを導入し,社員に自由に活用してもらった際の利用プロンプトログに対し,6ヶ月間の頻出名詞の出現傾向変化について分析した.結果,継続して高頻度利用されるパタン,途中から利用頻度が増加し利用が定着するパタン,利用頻度が低迷する低頻度利用パタンが見られること,また,継続高頻度利用パタンでは時間が経つに従って新たに出現する頻出名詞数が減少する傾向があるが利用頻度減少パタンでは減少傾向が見られないことから,継続高頻度利用パタンでは早期に類似した有効活用方法を発見し,それを継続的に繰り返していることが示唆される一方,利用傾向減少パタンではそのようなパタンの発見に至らず,さまざまな利用方法を試行錯誤しては継続しない可能性が示唆された.これらの分析結果は,実際のビジネスシーンにおいてユーザが生成AIをどのように扱い,どのような点で継続的に有効活用できるのかを示す重要な知見であり,生成AI活用をビジネスシーンにおいて定着させるための施策立案に寄与すると考えられる.

3A-3 (時間: 18:50 - 19:10)
Title合意形成を支援するAIの実現に向けた多主体要求充足問題の公平性指標
Author*井島 大弥, 八幡 晃一郎, 淺原 彰規 (日立製作所 研究開発グループ)
Pagepp. 491 - 496
Keyword合意形成, 公平性, AI, Envy-free
Abstract近年,AIを活用した合意形成支援の取り組みが進展しているが,さらなる発展のためには合意形成の状態を評価するための基準の明確化とその定量化が必要である.本研究では,合意形成の一側面である公平性に着目し,その評価基準をEnvy-free(無羨望)の考え方に基づいて定義する.Envy-freeに基づく評価により,各ステークホルダーが他のステークホルダーを見たときに感じる主観的な公平性を考慮することが可能になる.しかし,既存のEnvy-freeの定量化指標は,現実の多様な問題設定には適用が難しいという課題がある.本研究では,複数のステークホルダーがそれぞれ異なる要求を持ち,それらの全てを同時に充足することはできないという問題設定を対象に,新たなEnvy-freeの定量化指標Request Satisfaction Envy Index(RSEI)を提案する.提案指標は,各ステークホルダーの要求の充足度を他のステークホルダーと比較した際に抱く不満の度合いを定量化する.簡易的なシミュレーション実験により,提案指標を用いることで人間の感覚に近い合意形成の状態評価が可能であることを確認した.


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セッション 3B  行動認識(2)
日時: 2025年6月25日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 北須1
座長: 馮 晨 (芝浦工業大学)

3B-1 (時間: 17:50 - 18:10)
Title能動学習を活用した組み立て作業中の迷い推定システムの個人化
Author*�睫� 耀希 (東京農工大学 大学院 先進学際科学府 先進学際科学専攻), 長瀬 清之助 (東京農工大学 大学院 生物システム応用科学府 生物機能システム科学専攻), 辻 愛里 (東京農工大学 工学研究院 先端情報科学専攻), 藤波 香織 (東京農工大学 大学院 生物システム応用科学府 生物機能システム科学専攻/東京農工大学 工学研究院 先端情報科学専攻)
Pagepp. 497 - 507
Keyword行動認識, 感情認識
Abstract近年,製造現場では手作業の組み立て作業を情報技術で支援する有用性が示されているが,作業者の状態を無視した支援は意欲低下を招く.先行研究では作業者の状態として,視線と手の位置による迷い推定手法を提案し,個人化モデルが推定精度向上に有効であることが示唆された. そこで,本研究では迷い推定システムの個人化手法として能動学習に着目し,推定精度への個人差の影響低減を目指す.また,状態に応じた支援設計に関する知見を得るため,システム長期使用時のユーザビリティや作業者への影響を定量的に評価した.結果として,能動学習による個人差の影響低減は確認されず,適切な特徴量・分類モデルの再選定が必要と示唆されたうえ,推定結果提示のユーザへの影響やシステムの改善点も明らかとなった.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3B-2 (時間: 18:10 - 18:30)
Title視線計測を用いた選択行動認識による過去の選択肢提示に基づく選択多様化促進システム
Author*宇都宮 叶大, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院)
Pagepp. 508 - 516
Keyword視線追跡, 選択行動, 選択の多様化, 行動支援システム
Abstract我々は日常生活において,食堂で料理を選んだり,小売店でお菓子を選んだりするなどさまざまな選択行動をしている.選択行動において,人は過去の選択を繰り返す傾向がある.これは,損失回避的な思考に基づき,リスクを避ける傾向が強くなることが主な原因である.選択の多様性を高めることができれば,新しい体験の機会が増え,自身の選択の満足度の向上が期待できる.本研究では,ユーザが選択行動を行う際に,過去に迷った選択肢をリアルタイムで提示することで,選択行動の多様化を促すシステムを提案する.提案システムは日常生活中に選択行動を視線情報を用いてリアルタイムで検出し,選択行動の場面と迷った選択肢をひもづけて記録する.そして,過去に記録された場面と同じ場面でユーザが選択行動をした際には,記録したデータをもとにユーザが過去に迷った選択肢を提示することで,選択の多様化を促す.提案システムの動作確認の結果,購買行動の場面では,高い精度で選択行動の判別および選択肢の記録と提示ができた.さらに,過去に迷った選択肢の提示によって選択が多様化されるかを確認する評価実験を行った結果,購買行動中では,提案システムの提示がユーザの選択を多様化させる可能性が示唆された.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3B-3 (時間: 18:30 - 18:50)
Titleマルチ振動センサと機械学習を用いた机上作業の行動認識
Author*井上 奈波 (大阪公立大学工業高等専門学校), 菊池 尊勝, 柴田 洸希, 吉田 誠 (奈良先端科学技術大学院大学), 松井 智一, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所革新知能統合研究センター(AIP))
Pagepp. 517 - 523
Keyword行動認識, 音声特徴量, 振動センシング, 機械学習
Abstract近年,センシング技術や画像認識の発展に伴い,生活習慣を把握し,高齢者の見守りシステムへの応用などが期待されている.実現のためには,生活行動をユーザへの身体的・心理的負担が少ない手法で認識できることが必要である.多くの生活行動認識に関する研究が行われているがウェアラブルデバイスやカメラを用いたものが多い.提案手法では,テーブル裏面に4つの振動センサを設置し,机上作業の行動認識を実現する新規システムを提案する.本研究では,10名の被験者が机上で行う食事,PC作業,読書,スマートフォン操作,書く作業,静止の6行動を,10秒区切りで180セッションずつ振動データとして取得し,信号からlibrosaを用いて18特徴量の抽出を行い,静止か否かの分類後に9種の機械学習モデルで5クラス分類の精度比較を行った.その結果,Extra TreesモデルがF値89.5%を達成し,特に姿勢が類似する読書とスマホ操作で若干精度が低下したものの,高い識別精度を確認した.プライバシー保護と設置美観に配慮した在宅モニタリングへの応用が期待される.

3B-4 (時間: 18:50 - 19:10)
Title大規模言語モデルを活用した経管栄養における看護行動認識の高精度化
Author*Lingfeng Zhao, Christina Garcia (九州工業大学), 小水内 俊介 (香川大学), コリー 紀代 (北海道大学), 佐藤 敦子, 河内山 真由美, 那須 敏子 (広島文化学園大学), 井上 創造 (九州工業大学)
Pagepp. 524 - 533
Keyword行動認識, LLM, 経管栄養
Abstract本研究の目的は,経管栄養(Gastrostomy Tube Feeding:GTF)の看護行動認識精度を向上させることである.GTFの動作は,短時間動作が長時間動作に埋もれやすく,時系列制約が考慮されないという課題があるため,既存手法では適切な認識が困難である.本研究では,ビデオに基づく姿勢推定と大規模言語モデル(LLM)を活用し,時系列文脈を考慮した特徴量の自動生成および手作業設計特徴との統合により認識精度の向上を図る.さらに,多数決による時間窓平滑化と短時間動作の優先処理を組み合わせた後処理手法を提案し,誤検出の低減を試みた.実験では,中国労災病院で収集されたGTFデータセットを用いて提案手法の有効性を検証した.このデータセットには,看護師、看護教員、看護学生の3グループが3日間にわたり実施した計17種類の動作が含まれている.実験の結果,従来の手法と比較して,F1スコアが53%から66%へと向上し,後処理手法の導入により,最終的にF1スコアは68%に向上した.本研究は,看護師が行う多数のスキルの中でも特に誤認識リスクの高い経管栄養に注目し,その認識精度を向上させることで,教育現場における定量的かつ客観的な評価支援を実現する可能性を示した.


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セッション 3C  XR(1)
日時: 2025年6月25日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 北須2
座長: 大村 廉 (豊橋技術科学大学)

3C-1 (時間: 17:50 - 18:10)
TitleMR視覚ガイドを用いた倒立バランス改善支援システム
Author*森崎 勇輝, 塚本 昌彦, 寺田 努 (神戸大学大学院)
Pagepp. 534 - 540
Keyword倒立支援, MR, 視点誘導
Abstract倒立は体操競技における基礎技術の一つであり,競技力向上には不可欠である.また,倒立の練習は体幹の強化や姿勢改善といった健康効果が期待されている.従来の指導では視点を手と手の間に固定するように指導されており,倒立時に視点の遠近を自由に操作するといった視点誘導は困難である.そこで本研究では,HMDを用いた視点誘導による倒立のバランス改善支援システムを提案する.提案システムでは,HMDを用いて仮想空間内に注視すべきオブジェクトを配置し,視点を適切に誘導することでバランス維持を支援する. システムの有効性を評価するため,20代の男性被験者8名を対象に実験を行った.実験では,HMDを装着せず視点誘導を行わない条件,HMDを装着し視点誘導を行わない条件,HMDを装着し視点を近距離(1m)に誘導する条件,視点を遠距離(20m)に誘導する条件の4つの実験条件を設定した. なお,倒立時のバランス能力の評価指標として,倒立維持時間とCoPの分散を用いた.実験結果から,視点を遠方に誘導することで倒立時間が有意に延長されることが確認された(p<.05).また,CoPのy座標の分散が増加する傾向がみられ,x座標の分散には有意な変化は見られず,視点の遠近がy軸方向のみのバランス制御に影響を与える可能性が示唆された.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3C-2 (時間: 18:10 - 18:30)
TitleGADA-UI:VR180を用いたMRシステムに向けた視線適応型UI提示法
Author*宇佐美 龍斗, 渡辺 圭貴, 志村 魁哉, 林田 望海, Felix Jimenez, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学)
Pagepp. 541 - 547
KeywordMixed Reality, User Interface, VR180
Abstract近年,MR(複合現実,Mixed Reality)の需要は拡大を続け,医療や製造業など多様な事業で活用されつつある. また,没入型映像体験を提供するためのフォーマットとしてステレオ立体視を利用したVR180というビデオ規格が存在する.広い視野角でありながら高精細な立体視が可能であり,VRデバイスを用いたシステムにおける映像基盤への応用が期待されている. 一方で,VR180を用いた3Dコンテンツには知覚深度に関する問題が存在しており,ユーザの不快感や疲労を引き起こす.これに対する要因の分析や字幕配置の先行研究が存在するが,VR180を用いたMRシステムに対応したUI配置の手法は確立されていない. そこで本研究では,VR180を用いたMRシステムにおけるUI深度の問題に対応するために,ユーザの視線情報からVR180映像の知覚深度に対しUIの深度を動的に変化させる,GADA-UI(Gaze-Adaptive Depth Adjustment User Interface)の提案と評価を行った.評価実験の結果,深度の不一致に起因する身体的負荷の減少が確認された.

3C-3 (時間: 18:30 - 18:50)
Title仮想空間を用いたAIアバタとの英会話
Author宮崎 海斗, *宗片 優光乃, Guillaume Lopez (青山学院大学)
Pagepp. 548 - 554
KeywordVR, 英語
Abstractグローバル化が進展する現代社会において,英語力は欠かせないスキルとなっている.従来の英語学習法は,文法や読解力の向上には一定の効果があるものの,実際の会話で必要とされるスピーキング力の育成には限界がある.そのため,多くの日本人が英語で話すことに不安を感じているのが現状である.近年では,対話型ロボットを用いた学習システムの研究も進められているが,会話内容が定型的で相手に実在感が乏しく,リアルな対話環境の提供は難しい.本研究では,バーチャル・リアリティー技術を活用した英語学習システムを提案する.ヘッドマウントディスプレイを通じて学習者を仮想空間へ誘導し,AIアバタとの自然な会話体験を実現する.仮想空間内での会話後に,PROGOS スピーキングテスト,理解度を測るクイズ,学習者の主観を把握するアンケートを実施し,学習効果を検証した.その結果,本システムは学習者に積極的な発話機会を提供し,スピーキング力の向上に寄与することが示された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
3C-4 (時間: 18:50 - 19:10)
Title警備業務の能力拡張に着目した 人とスマートビルのインターフェイスとしての Mixed Reality の可能性
Author*薗部 健, 加藤 太朗 (国立研究開発法人産業技術総合研究所/ソフトバンク株式会社)
Pagepp. 555 - 560
KeywordInternet of Things, ユビキタスコンピューティングシステム, ウェアラブルコンピューティング, Augmented Human, スマートスペース/スマートシティ
Abstractデジタルツインは、さまざまな物理空間の情報を空間に紐づけて管理し、現実空間と仮想空間を双方向に連携させる技術であり、今後の社会実装が期待されている.スマートシティやスマートビルといったデジタルツインによって成り立つ社会フィールドにおいて、人とデジタルツインとの関わり方を研究し、新たな豊かな生活の可能性を探求することは、デジタルツインの社会実装と並行して取り組むべき重要な課題である.本研究では、Mixed Reality (MR), 複合現実感)を、人とデジタルツインを、物理空間を介して直接的に結びつける有効なインターフェイスと捉え、実装初期段階にあるスマートビルを対象に、警備員の業務能力拡張に着目したMRグラスを用いたサービスの実証実験を行った.これにより、人とスマートビルのインターフェイスとしてのMRの有効性と、その可能性について考察した.


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セッション 3E  生成
日時: 2025年6月25日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 阿武隈1
座長: 寺島 美昭 (創価大学)

3E-1 (時間: 17:50 - 18:10)
Title廊下に着目した共同住宅間取図自動生成システムの開発
Author*森川 聖也 (和歌山大学大学院), 本庄 麻衣子 (フジ住宅株式会社), 吉野 孝 (和歌山大学)
Pagepp. 561 - 567
Keyword間取り図, 共同住宅, 自動化システム
Abstract間取図の作成は,設計士が自身の経験に基づいて行っていることが多い.しかし,1 枚の間取図を作成するために,数時間程度の時間を要する.さらに,複数の住戸からなる共同住宅は,間取図の作成により多くの時間を要する.そこで,設計士の経験に基づくルールを参考に,自動で共同住宅の間取図を作成し,複数の候補を提示するシステムの開発を行った.本研究では,さらに実用可能な間取図作成のため,幅における設計基準を満たしていない廊下を持つパターンの削除と廊下の移動効率を考慮した評価の追加を行った.そして,その出力結果を評価する実験を行った.結果として,改良前のシステムに比べ,実用的な間取図の候補を提示できることが明らかとなった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
3E-2 (時間: 18:10 - 18:30)
Title部屋を撮影するだけ!理想の部屋を生成するための片付け行動変容機能開発の試み
Author*津山 慶之, 松木 萌, 山口 達也, 岡 礼華 (富士通株式会社)
Pagepp. 568 - 575
Keyword行動変容, 画像処理, 片付け, 画像生成
Abstract住環境の散らかりは個人のストレスや精神的健康に悪影響を及ぼすため,人々の片付け行動を促進することは重要である.しかし,片付け行動に消極的な人がそれを実行するためには強い動機づけが必要である.本研究では,メンタルイメージの形成によって片付け行動を動機づけることを目的として,散らかった部屋の画像から自動生成した片付け後の部屋の画像をユーザに提示する手法を新たに提案する.具体的には,物体検出技術とImage Inpainting技術を組み合わせた手法によって,散らかった部屋の写真から理想的な片付け後の部屋の画像を生成する.19名の被験者に対して,提案手法により生成した画像を提示し,行動計画理論に基づいたアンケート調査した結果,提案手法は被験者の片付けに対する態度や主観的規範を向上させる傾向が認められた.特に,物体のイメージを鮮明に思い描ける被験者には行動意図との正の相関が,空間的な配置をイメージしやすい被験者には行動のコントロール感との正の相関が見られた.また,物質多量傾向にある被験者には行動意図との正の相関が認められ,物質多量傾向にある人に対する有効性が示唆された.本研究は,画像生成を活用した片付け支援の有効性を示唆するとともに,効果の発現機構や有効なユーザ特性に関する知見を提供しており,今後の個別化された支援設計への貢献が期待される.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
3E-3 (時間: 18:30 - 18:50)
Titleラベル正確性を重視した農業用生成データ拡張手法の評価
Author*下口 泰輝, 大川 颯己, 中根 睦仁 (静岡大学大学院), 眞田 慎, 黒田 剛士, 内海 智仁 (ヤマハ発動機), 野村 祐一郎 (静岡大学学術院情報学領域), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/静岡大学グリーン科学技術研究所)
Pagepp. 576 - 583
Keywordデータ拡張, 画像生成, ラベル一致度, Keypoint検出, スマート農業
Abstract効率的な生育調査のためには枝の節を対象としたKeypoint検出による成長解析を行うが,検出モデルの高精度化には大量の教師ラベル付きデータが必要である.先行研究では,物体検出用のラベル情報に沿って画像生成を行うControlNetを用いた生成データ拡張手法が提案され,Keypoint検出モデルの性能評価により有効性が示された.しかし,生成された画像のラベルが不正確であるという課題があり,より正確なラベルをもつ生成データ拡張手法が求められている.そこで本研究では,ControlNetの発展形であるMulti-ControlNetを用いて画像を生成し,画像生成時の入出力画像を用いて生成画像を選別することで,ラベル正確性を重視した生成データ拡張手法を提案する.先行研究と同条件で定量評価を実施し,2.5ポイントのKeypoint検出精度向上を確認した.また,実験により明らかとなった新たな課題についても追加実験を実施し検証した.

優秀論文賞 / Paper Awards
3E-4 (時間: 18:50 - 19:10)
Title農業用生成データ拡張における生成画像の選別指標の評価
Author*大川 颯己, 下口 泰輝, 中根 睦仁 (静岡大学大学院), 眞田 慎, 黒田 剛士, 内海 智仁 (ヤマハ発動機), 野村 祐一郎 (静岡大学学術院情報学領域), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/静岡大学グリーン科学技術研究所)
Pagepp. 584 - 591
Keywordデータ拡張, 物体検出, 生成画像, スマート農業
Abstractスマート農業では,栽培環境を制御するためのデータ収集方法として物体検出器による自動化が進められている.そして,近年では物体検出器の訓練データ確保手法として画像生成AIによるラベル付き画像拡張が注目されており,人手によるラベル作業の負担軽減が期待される.しかし,生成された画像には有用例とノイズが混在しているため,生成画像を正しく選別する手法が求められている.本研究では,農業向け生成データ拡張のためのラベル付き生成画像の選別指標として,生成画像内の検出対象の生成品質を評価する「品質スコア」,および他画像の検出対象の重複度合いを評価する「新規性スコア」を提案する.両スコアを調和平均した統合指標を検出対象毎に算出し,元画像単位に集約することにより生成画像を評価する.提案手法で選別した生成画像を用いて学習した物体検出器は,先行研究でベストモデルを記録した人の主観による選別と比較しmAPが向上し,選別時間の1/25の短縮を実現した.


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セッション 3F  ネットワーク・システムセキュリティ(1)
日時: 2025年6月25日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 阿武隈2
座長: 佐古田 健志 (東芝)

3F-1 (時間: 17:50 - 18:10)
Title訓練データへの実行可能なノイズ付与によるIoTマルウェア画像分類手法の堅牢性向上の検証
Author*川田 隼大, 稲村 浩, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 592 - 599
KeywordIoTマルウェア, マルウェア画像分類, 敵対的サンプル
Abstractマルウェアをグレースケール画像に変換し,CNNを用いて分類する手法が注目されている.このような分類手法は軽量かつ高い精度を示す一方,画像へノイズを加えることで誤分類を引き起こす脆弱性を持つ.本研究では,画像へのノイズ追加に耐性を持たせるため,分類精度と誤分類検体の予測確信度を目的関数とした訓練データの構成比最適化手法を提案する.提案手法の有効性を検証するため,ベースライン画像分類器,単一ノイズ種で構成された画像分類器,最適構成の画像分類器の三種を用いて比較実験を行った.その結果,訓練データへのノイズ追加によって分類精度が改善され,さらに構成比を最適化することで,誤分類検体における予測確信度が抑制され,堅牢性向上に有効なことが示された.

3F-2 (時間: 18:10 - 18:30)
Titleシステムコールの監視を利用したメモリフォレンジックによる鍵回復手法の提案
Author*樋口 諒 (公立はこだて未来大学システム情報科学研究科), 稲村 浩, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
Pagepp. 600 - 606
Keywordランサムウェア, メモリフォレンジック, 鍵回復
Abstract近年,ランサムウェアによる被害が増加しており,その対策が必須となっている.警察庁によると, バックアップの取得によりランサムウェア暗号化攻撃から被害直前の水準まで復元できたケースは 3 割未 満である.バックアップを利用しない手法としてメモリフォレンジックによる鍵の回復手法が知られてい る.この手法は,ランサムウェアが使用しているメモリから暗号鍵を取得し被害ファイルを復元する.メ モリフォレンジックではメモリ上に暗号鍵が存在するタイミングでメモリを調べることが重要である.本 稿では,鍵の復元可能性の向上を目的とし,囮ファイルに対する write システムコールを監視することで, ランサムウェアプロセスを検知・特定し,ランサムウェアプロセスを停止させメモリダンプする手法を提 案する.囮ファイル 1 つに対して暗号化攻撃を行い,ランサムウェアプロセス停止の有無によって復元の 可否を確認することで提案手法を評価した.その結果,プロセスを一時停止させることでメモリ内容の一 貫性を確保した状態でのメモリダンプが可能となり,暗号鍵を回復することが確認できた.しかしながら, 囮ファイルへの write システムコールの監視をすり抜けるケースも見られた.

3F-3 (時間: 18:30 - 18:50)
TitleLoRaWANにおける従来端末の混在を許すスケジューリング手法の複数GW環境への対応化
Author*大島 陽向 (和歌山大学大学院 システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学 システム工学部)
Pagepp. 607 - 616
KeywordIoT, LPWA, LoRaWAN, スケジューリング, SN比
AbstractIoT (Internet of Things) 普及により,センサで測定した膨大なデータを収集し,活用する取り組みが増加している.IoTに利用される無線通信技術として,LPWA (Low Power Wide Area) が注目されている.その中でも,LoRaWANは仕様がオープンであり,無線免許不要で利用できる特徴がある.LoRaWANには通信端末数が増加すると衝突が増加する問題がある.これに対して,従来の端末との混在を許容したスケジューリング手法が提案されている.しかし,単一のゲートウェイを想定した手法であり,実際には同一エリアに複数のゲートウェイが存在するため,この手法はそのままでは実用できない.そこで,本研究では,単一のゲートウェイを想定した手法を拡張し,複数ゲートウェイに対応したスケジューリング手法を提案する.複数のゲートウェイにおけるスケジュールを一括で管理し,SN比が低下する可能性がある時刻において通信の割り当てを避けることで,フレームの損失が起きないように制御する.この制御によりネットワーク全体の効率を向上させることを目指す.LoRaWANのシミュレータであるLoRaSimに提案手法と比較手法を実装して評価を行った結果,提案手法は複数ゲートウェイ環境においてもフレームの衝突が減少することを確認し,提案手法の有効性を確認できた.

3F-4 (時間: 18:50 - 19:10)
Title車両ごとの遅延を考慮したMEC対応V2Xサービス配置の検討
Author*小林 隼太郎, 下出 起也 (慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻), 重野 寛 (慶應義塾大学理工学部情報工学科)
Pagepp. 617 - 622
Keywordサービス配置, MEC, V2X
AbstractV2XアプリケーションをMEC(Mobile Edge Computing)に配置することでエンドツーエンドの遅延に厳しいサービスへの解決策が提案されている.しかし,MECには計算能力やストレージに限界が存在する.そのため,MECへのアプリケーション配置手法が考えられているが,従来手法では複数台をまとめて配置するため,車両ごとの遅延を考慮しておらず,エッジノードのリソースに対して車両数が多いと非効率的な配置となるケースが考えられる.本稿では,車両ごとにMECのリソース割り当てを行い,個々の車両の遅延を考慮したアプリケーションインスタンスの配置手法を提案する.この手法では,個々の車両の遅延を最小化することができる.5G MEC 環境のシミュレータを用いて評価を行い,既存手法と比較して,遅延時間を最大16.8ms短縮させることを確認した.


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セッション 3H  マルウェア・セキュリティ分析
日時: 2025年6月25日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 月見亭
座長: 駒野 雄一 (千葉工業大学)

3H-1 (時間: 17:50 - 18:10)
TitleSNSにおけるサイバー犯罪グループの継続的探索とその収束性の分析
Author*伊藤 純菜 (お茶の水女子大学大学院), 三田 智之, 趙 智賢, 長田 繁幸, 中川 直樹 (株式会社日本総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学大学院)
Pagepp. 623 - 630
Keywordグループ探索, Telegram, サイバー犯罪対策
Abstract近年のデジタル化に伴い,フィッシング攻撃によるクレジットカード情報の窃取および不正利用被害は拡大している.窃取されたクレジットカード情報はSNSを介して売買されることも多く,匿名でのやり取りとなるSNS上では,売り手が買い手からの信用を得るために,所持を示すサンプルとしてクレジットカード情報の一部を投稿する傾向がある.このような投稿を行うSNS上のコミュニティをモニタリングし情報を入手することで,そのカードの利用を停止する等の対応をとることができる.この対応は投稿された情報の悪用を防ぐだけでなく,売り手と買い手の信頼関係を弱化させることで,売買そのものの抑止につながると期待される.また,モニタリングの対象となるグループをより多く取得することができれば,監視することができる投稿メッセージ数も増加し,その結果としてクレジットカード情報の売買を抑止できる機会も増加させることができる.本稿では,モニタリングの対象となる犯罪グループをより効果的に探索する方法として,投稿メッセージを分析することによる探索と,既知のグループ名を分析することによる探索とを組み合わせた探索手法を提案する.また,提案手法を実装し,実行することでその有効性の検証を行う.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3H-2 (時間: 18:10 - 18:30)
Title脆弱性情報収集支援プラットフォームにおけるシステムアーキテクチャの設計
Author*村上 拓斗 (情報経営イノベーション専門職大学附属研究所(BLab)), 山内 正人 (情報経営イノベーション専門職大学)
Pagepp. 631 - 638
Keywordシステムアーキテクチャ, サイバーセキュリティ, 脅威情報収集, 情報収集自動化システム
Abstract本稿では、組織のセキュリティ運用における脆弱性情報収集の課題を解決するためのシステムアーキテクチャを提案する。 一般的に、脆弱性情報の収集や分析、対応要否の判断、脆弱性対応依頼文書の作成・配信には多くの人的リソースが費やされている。 提案するシステムアーキテクチャは、脆弱性情報の収集を自動化し、情報収集基準や対応依頼すべき脆弱性の判断基準をシステムのプログラムコードから分離して外部の設定ファイルとして定義する。 このアーキテクチャは、情報収集、追加情報取得、アラートなどのモジュールで構成され、各モジュールが独立して機能する。 これにより、組織ごとに異なる情報収集基準や判断基準に対して、運用パラメータをコード変更なしに柔軟に調整可能となる。 提案するアーキテクチャに基づいたプロトタイプを構築し、既存の人手による運用と比較して評価を行った。 評価の結果、提案システムは設定ファイルのみの変更で人手と同等の柔軟性を維持しつつ、情報収集の自動化と分析の部分的自動化により業務効率の可能性を示した。

3H-3 (時間: 18:30 - 18:50)
Title多クラスマルウェア分類におけるAPIコール事前学習の評価
Author*小林 優斗 (法政大学 理工学研究科 応用情報工学専攻), 呉 謙 (法政大学 情報メディア教育研究センター), 金井 敦 (法政大学 理工学研究科 応用情報工学専攻)
Pagepp. 639 - 645
Keywordサイバーセキュリティ, システムセキュリティ, マルウェア分類
Abstractマルウェア製作者は難読化などの手段を尽くして, 分類の網をかいくぐろうとしてくる. 静的解析はその様な手法に対して, 動的解析に比べ脆弱である点があり, 分類などの, よりマルウェアらしい情報を抽出したい状況においては動的解析の方が適切な場合がある. これまでの動的APIコールを特徴量とした研究において, APIコールを連続的な情報として扱い, LSTMやTransformerなどを用いた検知分類モデルが多く存在している. しかし, 分類の研究においては, 分類対象プログラムをマルウェアに限定してしまっている点や, あるデータセットでの評価に留まっている点が問題として挙げられる. モデルの柔軟性については, BERTなどの事前学習済みモデルを用いることが一つの解決策として考えられるが, 自然言語での事前学習がマルウェア分類性能にどれだけ寄与するのかについては疑問が残る. 本研究では, APIコールの連続的なパターンを特徴量として捉え, その情報を有効に活用するため, まずAPIコールを用いた事前学習を実施する. さらに, 従来のマルウェア分類において対象がマルウェアに限定される傾向があったことを踏まえ, クリーンウェアも分類対象に含めることにより, より現実的かつ柔軟な分類モデルの構築を目指す. 3つのデータセットによる実験結果は, BERTに比べてTransformer層が半分の状態, かつAPIコールでの事前学習を行ったMalBERTが, 3つのうち2つのデータセットでBERTよりも高いF1値を示した.

3H-4 (時間: 18:50 - 19:10)
Title農業 IoT 機器におけるセキュアバイデフォルトの実現に向けた要件と評価基準の適合性に関する調査
Author*日名子 裕次郎, 小林 信博 (長崎県立大学大学院 地方創生学科情報工学専攻)
Pagepp. 646 - 672
Keyword農業IoT, スマート農業, セキュアバイデフォルト
Abstract少子高齢化による農業人材の減少を背景に、農業分野ではICTを活用したスマート農業が推進されている。中でも農業IoTは省力化や効率化を可能にする一方で、機器のセキュリティ設定が複雑なままでは、高齢農業者を中心とした利用現場での運用が困難となる。本研究では、こうした課題に対処する設計理念「Secure by Default」に注目し、IoT製品の初期状態での安全性確保が農業分野でいかに重要かを整理した上で、日本のIoTセキュリティ認証制度であるJC-STARがSecure by Defaultの要件をどの程度満たしているかを評価した。米国CISAが提示する57項目のうち製品本体に関連する14項目を抽出し、JC-STARの★1評価基準16項目と照合した結果、6項目が一致、3項目が一部一致、5項目が非該当となった。これらの分析を基に、制度でカバーされていない領域に対する補足的なチェックリストを提案し、農業IoT分野におけるより実効的なセキュリティ設計と制度運用のあり方を示した。



2025年6月26日(木)

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セッション 4A  CSEC/SPT統一テーマセッション
日時: 2025年6月26日(木) 9:00 - 10:40
部屋: 磐城
座長: 島岡 政基 (セコム)

4A-1 (時間: 9:00 - 9:40)
Title(招待講演) AI×自動運転システムのセキュリティ最前線
Author*野本 一輝 (デロイト トーマツ サイバー合同会社/早稲田大学)
Pagepp. 673 - 674
Abstract自動運転システムは,交通事故の削減や高齢者・過疎地住民の移動支援,交通渋滞の緩和,労働力不足の解消など,現代社会が抱える複合的課題を解決し得る技術として注目されている.日本国内においても,2023 年4 月施行の改正道路交通法によるレベル4 自動運転の公道走行解禁や,海外大手自動運転タクシー事業者による東京での配車サービス開始の動きを契機に,自動運転システムが実証実験段階を越えて商用サービスや自家用車への搭載段階に移行することが予想される.こうした技術的進歩に伴い,自動運転システムに対するサイバーセキュリティ上の懸念も増している.特に,AI を活用した認識アルゴリズムを搭載する自動運転システムは,敵対的サンプル(Adversarial Example) やセンサに対する物理的干渉などを通じた新たな攻撃手法に対して脆弱であることが指摘されている.本講演では,近年の自動運転システムに関するセキュリティ研究の潮流を整理し,脅威モデルの高度化,攻撃対象モダリティの多様化,そして評価スコープの拡張という3 つの視点から,研究動向の変遷を概観する.さらに,自動運転システムの商用化・普及が加速する中,今後のセキュリティ研究の方向性として,商用システムへの評価の適用,生成AI 導入によるアタックサーフェスの拡大への対処,End-to-End 型アーキテクチャ固有の脆弱性への対応に焦点を当て,将来的な展望を論じる.

4A-2 (時間: 9:40 - 10:00)
Titleディープフェイクにおける真贋検出手法の調査研究
Author*村中 勝哉 (警視庁/中央大学研究開発機構), 鈴木 信治 (中央大学研究開発機構), 山澤 昌夫, 趙 晋輝, 辻井 重男 (中央大学/研究開発機構)
Pagepp. 675 - 682
KeywordAI, Deepfake, デジタルフォレンジック
Abstract近年, 深層学習の発展に伴い, 生成モデルによる画像生成が注目されている.その一方で, 生成モデルを悪用した事例も報告され,ディープフェイクと呼ばれている.このディープフェイクを使った偽情報の拡散やアイデンティティの盗用・なりすまし, 各種詐欺の犯行ツールとしての悪用等の懸念が高まっており, 社会的な問題となっている. 本研究では,ディープフェイクが犯罪に使われたケースを想定し,刑事訴訟手続きを見据えたデジタルフォレンジック手法として,深層学習モデルを用いた真贋検知と説明モデルを基本とし,真贋判定モデルの判定根拠の可視化を行った.

4A-3 (時間: 10:00 - 10:20)
Title階層構造に基づくログデータの画像化によるオートエンコーダを用いた異常検知方式の開発
Author*藤井 美月, 竹原 一駿, 喜田 弘司 (香川大学)
Pagepp. 683 - 688
Keywordオートエンコーダ, 異常検知, 画像化
Abstract本論文では,セキュリティ体制が不十分な組織を対象に,サーバ運用者のログ分析の作業を効率化し,負担を軽減する異常検知システムを開発した.従来の研究ではログデータを8ビット単位で数値に変換し,全体のパターンから異常を検出するアプローチであったが,本研究では局所的な情報に着目して異常を検出する新たな画像化手法を考案した.特に,攻撃時に変化する属性に着目し, ツリーマップを用いた画像化手法とオートエンコーダを組み合わせることで,攻撃の検出を試みた. 実験では,攻撃の特徴が画像上に反映されることと,オートエンコーダによる正常画像の良好な再構成が確認され,異常検知における可視化アプローチの有効性を示す知見が得られた.一方で,学習に用いた正常画像のパターンが多様すぎたため,攻撃画像が正常画像と視覚的に類似し,先行研究に比べて検出精度が劣るという課題も明らかとなった.今後は,正常画像のクラスタリングを通じて,各クラスタに応じて正常と異常を区別できる画像化手法を新たに開発し,異常検知性能のさらなる向上を目指す.

4A-4 (時間: 10:20 - 10:40)
Title道路交通標識に対する敵対的攻撃とNDD攻撃の影響評価
Author*森實 悠葉, 倉地 亮, 松原 豊, 高田 広章 (名古屋大学大学院情報学研究科)
Pagepp. 689 - 700
Keyword敵対的攻撃, 画像認識, 画像生成AI
Abstract画像分類を行うニューラルネットワークに対する敵対的攻撃は,交通標識の認識システムに対する攻撃としても有用である.本研究では交通標識への敵対的攻撃の影響を評価することを目的として,FGSM,PGD,CW,パッチ攻撃,NDD攻撃の5種類の手法に対して同一環境で一律評価した.評価項目は攻撃成功率,敵対的画像生成時間,クラス分類確率,人間に対するステルス性評価とした.クラス分類確率についての評価では,NDD攻撃は他の攻撃に比べ分類の信頼度が低く,閾値を設けることで防ぎやすい攻撃だということが分かった.人間に対するステルス性評価ではCWとNDD攻撃が優れるという結果が得られた. 結果からそれぞれの攻撃手法で考えられる攻撃シナリオの考察を行った.またNDD攻撃についてClass Activation Mapを出力することで人間からみた注目部分と分類器から見た注目部分の比較を行った.


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セッション 4B  感情
日時: 2025年6月26日(木) 9:00 - 10:40
部屋: 北須1
座長: 宮田 章裕 (日本大学)

4B-1 (時間: 9:00 - 9:20)
TitleBLoGformer:ブロック単位局所・全体Attention機構を用いた脳波感情認識
Author*石塚 翔馬 (青山学院大学大学院理工学研究科), 戸辺 義人 (青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
Pagepp. 701 - 708
Keyword脳波, 感情認識, 深層学習, Transformer, 空間特徴学習
Abstract本研究では,電極数や配置が異なる脳波信号に対しても高精度な感情認識を実現するためのTransformerベースの新たなモデル「BLoGformer」を提案する.本モデルは,脳波信号を9×9のグリッドにマッピングし,欠損電極には近傍の情報による補間を行うことで,異なる測定条件においても統一的な入力形式を実現する.その後,グリッドを3×3のブロックに分割し,2種類の自己注意機構を段階的に適用する.まず,Global Attentionでは各ブロックから代表トークンベクトルを生成し,異なる領域間の広域的な依存関係を学習する.続いて,Local Attentionでは,各ブロック内における局所的な特徴に加え,前段で得たグローバルな文脈情報を統合し,空間的特徴を抽出する.DEAPデータセットを用いた実験では,従来手法を上回る分類精度を達成し,電極数を削減した条件下でも高い性能を維持した.さらに,近傍補間やウィンドウ長,位置エンコーディングの有無が性能に与える影響も分析し,2秒・4秒のウィンドウで高い精度を確認した.

4B-2 (時間: 9:20 - 9:40)
Title昂りに連動した動画鑑賞体験拡張モバイルシステム
Author柴 武志, *羽持 涼花, 木村 正子, Guillaume Lopez (青山学院大学)
Pagepp. 709 - 719
Keywordウェアラブル, 鑑賞体験
Abstract本研究では,スマートフォンでの動画鑑賞体験の拡張,およびそれに伴う情動体験の強化のため,動画鑑賞中のユーザの脈拍変動に基づき判定された昂りに連動したフィードバックを返すモバイルシステムの開発と有効性の検証を行った.アクション動画鑑賞時の,鑑賞者の脈拍変動を用いた昂り状態の分類を行う機械学習モデルの構築を行い,「昂り」とラベル付けされた特徴量に対して,82.4%の精度で「昂り」と正しく分類できた.これを用いてアクション動画鑑賞時の昂りに連動して,振動および照明による擬似心拍刺激を与えるスマートフォンアクセサリーの製作を行った.Self-AssessmentManikinを利用した主観的情動評価では,システム使用時の方が快-不快,覚醒度,主導感(没入感)の全ての尺度で有意に高い評価が認められた.さらに,鑑賞順序による情動評価の効果のバイアスは生じていないことから,本システムが主観的な情動評価に有効であると言えた.SystemUsability Scale によるユーザビリティ評価を利用した情動体験の評価では,ユーザビリティ評価でも,十分に許容されるユーザビリティを持つものとして高く評価された.一方で,LF/HFを用いた生理指標の比較では,両条件間に顕著な違いは確認されなかった.したがって,擬似心拍刺激が交感神経と副交感神経のバランスに及ぼす影響は限定的であると分かった.

4B-3 (時間: 9:40 - 10:00)
Title生理指標による感情変化に着目した定量的評価指標の提案
Author*古口 枝梨果, 中川 友梨, 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 720 - 727
Keyword感情, 脳波, 心拍変動
Abstract近年,生理指標を用いた感情評価研究が行われている.中でも,生理指標と感情心理学モデルを組み合わせた感情評価手法は,身体反応を用いることで,主観評価だけでは測りきれない無意識な感情も測れるとして一定の支持を得ている.しかし従来手法では,異なる複数の刺激で喚起された単一の感情の差異に着目した研究が多く,ある刺激中に喚起された複数の感情に着目した研究は少ない.そこで本研究では,生理指標を用いて刺激中の複数の感情を定量評価する方法を明らかにすることを目的とし,生理指標で計測される複数感情の出現割合を表す感情出現率という新たな評価指標を提案した. この指標により映画視聴時に現れた複数の感情の量を評価した結果,刺激中に現れる複数の感情,および,ある感情における刺激間には一部の組み合わせで有意差が見られた.このことから,刺激中に現れる感情や,刺激毎に現れやすい感情の傾向には差異があることが示された.また,主観評価との類似度を従来手法と比較すると,提案手法の方がポジティブ感情との類似度が高いことがわかった.しかし,客観評価である提案手法と主観評価との間には相関がみられなかった.

4B-4 (時間: 10:00 - 10:20)
Title脳波・心拍変動を用いた漫画読者の感情評価手法の検討
Author平出 達大, *馮 晨, 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 728 - 733
Keyword漫画, 感情, ページ, 脳波, 心拍変動
Abstract近年の漫画市場拡大に伴い,作品の質向上が求められる中,読者がページごとに抱く感情変化を客観的に把握する手法が求められている.感情を客観的に評価する手法として,脳波,心拍変動といった生理指標を用いた研究が行われているが,既存研究の多くは作品全体を一括りに評価しており,読書中のページ単位の感情変化を十分に捉えられていない.また,生理指標を用いた手法は,専門的な信号処理が不可欠であり,非専門家にとっては結果を直感的に理解・応用することが難しい.これに対して,感情状態を客観的かつ直観的に可視化する手法として,脳波,心拍変動を用いて感情状態を可視化する「感情マップ」が提案されている.しかし,この手法を漫画に適用する際に課題がある.ページごとに読者の感情を評価する場合,読者によってページごとの読了時間が異なるため,ページごとで得られるデータ量が統一されず,感情評価の信頼性が低下する可能性がある.そこで,本研究では,読了時間を考慮した上で感情マップを適用し,漫画読書中における読者の感情をページごとに可視化する.健常成人 15 名に漫画を読ませて生理指標を計測した結果,導入部(1–11ページ)ではβ/α比が上昇しrMSSDが低下,クライマックス(15ページ以降)ではβ/α比が高値を維持し,救命成功場面(22–25ページ)でrMSSDが再上昇した.物語構造に応じた覚醒度と快不快度の変化を感情マップを通じて,ページごとに可視化することができる可能性が示された.

4B-5 (時間: 10:20 - 10:40)
Title感情を喚起する音楽のストレス軽減効果について
Author*田代 美月, 馮 晨, 平出 達大, 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 734 - 737
Keyword音楽, ストレス, 唾液アミラーゼ活性, 心拍変動, 感情
Abstract現代社会人は,日常生活における様々な要因により,継続的なストレスに晒されている.これまで,ストレス軽減のための対策が多方面から模索されているが,その1つとして音楽聴取が挙げられる.先行研究では,特定の音楽を聴くことで気分の安定やリラクゼーション効果が確認されている[2].音楽によるストレス低減効果においてこれまでの研究では,特定の音楽に着目して効果を検証しており,その効果が使用された音楽に限定されてしまう.一方で,音楽は人の感情を喚起する特性を有しているため,感情喚起という共通の側面に着目することで,特定の音楽に依存することなく,音楽の選定方法をより一般化できる可能性がある. 本研究では異なる感情を喚起する音楽がストレス低減に及ばす効果を明らかにするため「HAPPY」と「SAD」をそれぞれ喚起する2つの音楽を用いて,ストレス低減効果を比較した.nemenyi検定を用いて分析をおこなうと,「SAD」音楽が「HAPPY」音楽に比べてストレスを低減させる可能性が示唆された.


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セッション 4C  行動計測
日時: 2025年6月26日(木) 9:00 - 10:40
部屋: 北須2
座長: 佐野 渉二 (金沢工業大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4C-1 (時間: 9:00 - 9:20)
Titleダンスパフォーマンスにおける熟達度に依拠した呼吸・動作リズムの特徴とその関係
Author*染谷 英里 (お茶の水女子大学), 清水 大地 (神戸大学), 土田 修平 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 738 - 747
Keywordダンス, 呼吸のリズム, 動作のリズム
Abstract近年,ダンスは娯楽としてだけでなく,競技スポーツとしても注目されている.ダンスの評価基準は運動スキルに加えて,芸術的な表現スキルも重視されている.これまで,動作と呼吸に着目した運動スキル向上手法は提案されてきたが,芸術的な表現スキルに特化した向上手法は不足している.また,周期的な運動において,動作と呼吸のリズム同期は重要とされているが,ストリートダンスにおける熟練度との関係は依然未解明である.そこで本研究では,呼吸と動作の両方に注目し,ダンスの芸術的な表現スキル向上手法を提案することを目標とし,熟達度がダンスパフォーマンス時の呼吸と動作リズムとの関係に及ぼす影響を定量的に調査した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4C-2 (時間: 9:20 - 9:40)
Title装着型慣性センサを用いた作業時の精神負荷推定〜床拭き掃除のケース〜
Author*志田原 萌美 (東京農工大学 大学院 生物システム応用科学府 生物機能システム科学専攻), 藤波 香織 (東京農工大学 大学院 生物システム応用科学府 生物機能システム科学専攻/東京農工大学 大学院 工学研究院 先端情報科学部門)
Pagepp. 748 - 758
Keywordメンタルワークロード, 内部状態推定, 慣性センサ
Abstractワーキングメモリにかかる認知負荷量をメンタルワークロード(MWL)と言い,過負荷時には注意力の散漫によりヒューマンエラーが発生しやすい.また,慢性的な負荷が食欲の増加や睡眠の質に影響することが分かっており,ヘルスケアに影響する可能性がある.そこで日々のMWLの推定やリアルタイムかつ客観的な推定が重要視されている.本研究では床拭き掃除中の身体と道具の慣性データによるMWL推定手法を検討した.まず,慣性センサの生データから算出した多次元情報をベクトル量子化により記号列に変換した.その後,記号間の遷移や出現頻度などを入力の特徴量とする回帰モデルを構築し,MWLの推定精度を検証した.その結果,最高精度では平均絶対誤差が6.7となり,常に訓練データ中の中央値を返すような比較用モデルと比べても有意に小さな値であったことから,MWL推定の有効性を確認した.また,既存の特徴量と新たに導入した特徴量の統合により推定精度の向上が見られ,新たな特徴量導入の妥当性が示された.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4C-3 (時間: 9:40 - 10:00)
TitleEMG操作インタフェースを対象としたintentional bindingを用いた運動主体感評価の予備検討
Author*永井 美和, 進藤 真人, 青木 良輔 (日本電信電話株式会社 NTT人間情報研究所)
Pagepp. 759 - 768
Keyword筋電, インタフェース, 運動主体感, intentional binding
Abstract筋電(EMG: Electromyography)センサを用いた操作インタフェースは,身体障がいの有無にかかわらず,さまざまなユーザを対象に広く検討されている.EMG操作インタフェースは多くのユーザにとって馴染みがなく,個別に定義された入力検出閾値を必要とするため,ユーザ間の運動主体感が異なることが予想される.本論文では,EMGを用いた不慣れな操作インタフェースを使用する際の運動主体感の個人傾向を調査することを目的とした.EMG操作を介した課題遂行能力と,定量的で暗示的な運動主体感尺度であるintentional bindingを計測するため,知覚運動学習課題とintentional bindingパラダイムを組み合わせた課題を用いた.運動主体感の個人傾向を分類するため,intentional bindingの生データのばらつきに基づくクラスタリングを行った.Intentional bindingのばらつきが大きいクラスタは暗示的な運動主体感が低く,筋収縮に基づく入力操作そのものの難しさを反映したことが示唆された.更に,intentional bindingのばらつきが小さいクラスタを分析した結果,入力操作に慣れるまでに時間がかかった参加者は暗示的な運動主体感が高く,課題が簡単だと感じた参加者は暗示的な運動主体感が低いことが示唆された.これらの結果は,intentional bindingが,課題の学習効果や明示的に報告される運動主体感には反映されないような主観的な操作性の違いを捉えるために有用な尺度である可能性を示唆する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4C-4 (時間: 10:00 - 10:20)
Title視線を用いたFPSゲームにおけるスキル分析
Author*清水 遥希, Lopez Guillaume (青山学院大学)
Pagepp. 769 - 779
Keyword視線, FPS
Abstract本研究は、FPS(First Person Shooter)ゲームにおけるAIMスキルの定量的な評価手法を提案するものである。AIMは敵に照準を素早く正確に合わせる能力であり、FPSゲームにおいて重要視されるスキルであるが、その上達はプレイヤーの感覚に頼る部分が大きく、客観的な指標に基づくフィードバックが不足している。そこで本研究では、視線追跡デバイス「Pupil Core」と画像認識技術を用い、「視線固定時間」と「ターゲット破壊時間」の2指標からスキルを評価するシステムを開発した。FPS経験者19名を対象に2種類のAIMシナリオを実施し、得られたデータを熟練度別に分析した結果、両指標ともに上級者ほど短くなる傾向がみられ、有意差も確認された。また、視線移動の効率や命中率の違いなど、プレイヤーの特徴も抽出できた。本手法は、今後のスキルトレーニング支援やプレイヤーへの個別フィードバックに応用可能である。

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4C-5 (時間: 10:20 - 10:40)
Title足圧情報の間欠提示による走行時の接地バランス把握能力向上支援システム
Author*中村 亮, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院)
Pagepp. 780 - 789
Keywordウェアラブルデバイス, ランニング, 接地バランス
Abstract踵とつま先が同時に接地する中足部接地(MFS)は長距離走における接地方法の一つで,怪我のリスクが小さく走行速度の向上が見込める接地方法であるが,定着が難しい.MFSの定着には,ランナーが走行中に接地バランスの変化を把握することで,MFSからの逸脱にランナーが気づき,修正できる可能性がある. そこで本研究では,MFSからの逸脱にランナーが気づき,MFSへと修正する能力を向上させるシステムを提案する.提案システムは,母指球と踵の部分に圧力センサが設置されたインソールと,帽子の鍔に設置されたLEDで構成される.提案システムは,接地バランスを把握する能力を養うために,接地バランスをLEDによる光で常に提示し続けるのではなく,数歩に一度間欠的に提示する.この間欠提示により,ユーザは光がない期間にその時点の接地バランスを推測し,再び提示される光によって推測した接地バランスが正しかったかを確認する.ユーザ自身にMFSができているのかを考える時間を与え,答え合わせをさせる工程を繰り返して接地バランスを把握する能力を身につけさせる.そして,システムから離脱し光がない状態でMFSからの逸脱が起こっても,ユーザは接地方法をMFSに修正できる.提案システムにより被験者が接地方法をMFS に修正できるか調査した結果,被験者は逸脱したMFSを早期に修正できた.


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セッション 4D  XR(2)
日時: 2025年6月26日(木) 9:00 - 10:40
部屋: 今出
座長: 梶岡 慎輔 (名古屋工業大学)

4D-1 (時間: 9:00 - 9:20)
Title自己認識力向上のために自分のことを自動実況するウェアラブルシステムの提案
Author*田口 陽介, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 790 - 799
Keyword自己認識, 行動認識, 実況, ウェアラブルシステム
Abstract自分の性格や行動,感情,動機を正確に理解することを自己認識という.自己認識力が高まると,自分を適切に制御できるなど様々な利点がある.一方で,人間は日常生活において自分が今何をしているかを考えていないことが多く,外部からの支援なしで自己認識力を高めるのは難しい.そこで本研究では様々な観点からリアルタイムで情報を伝えられる実況に注目し,ユーザ自身の行動や状態を自動で実況することで自己認識力を高めるウェアラブルシステムを提案する.提案システムでは,日常生活中にユーザの行動や状態を表すデータをウェアラブルセンサなどから取得し,それをもとに認識した行動から実況音声を生成してユーザに聞かせ続ける.これにより,流れてくる実況音声からユーザにとって重要な情報に気づかせる.しかし,日常生活中の行動を実況する上では何を実況すべきかが不明である.よってそれを確かめるための実験として,システムの実装前に被験者の行動や状態についての実況を聞かせることで被験者の自己認識力が高められるか,および実況の種類が被験者に与える影響を調査するための実験を行った.実験の結果,実況により被験者の自己認識力が高まることが確認された.また今の行動や状態,過去の行動や状態の振り返り,今後の行動についての予測といった内容の実況が自己認識力の向上に効果があるとわかった.実験結果をふまえ,2 種類の行動や状態の実況をするプロトタイプを実装した.

4D-2 (時間: 9:20 - 9:40)
Title歩行位置と方向を考慮した歩行者向け床面映像提示手法の開発
Author*山田 真聖, 水野 慎士 (愛知工業大学)
Pagepp. 800 - 805
Keyword歩行者追跡, 個別映像提示, リアルタイム追跡, 二次元LiDAR
Abstract近年,映像表示技術は著しく向上し,床面に映像を表示しながら人の動きにインタラクティブに反応させることも可能となっている.そこで,本論文では,歩行者の立ち位置及び進行方向に応じて,足元前方の床面に個別映像を動的に提示する新しいシステムを提案する. 提案システムは大規模な床面映像を活用し,二次元LiDARセンサによって複数ユーザの足を同時に検出・追跡する.追跡にはカルマンフィルタとハンガリアンアルゴリズムを組み合わせたSORT(Simple Online and Realtime Tracking)を用い,各ユーザの立ち位置方向を推定し,個別の映像を床面に表示する.

4D-3 (時間: 9:40 - 10:00)
Titleパフォーマーが音響を操作するためのタッチデバイスの提案
Author*井上 慧汰朗 (情報経営イノベーション専門職大学附属研究所(BLab)), 山内 正人 (情報経営イノベーション専門職大学)
Pagepp. 806 - 812
Keywordライブ空間, タッチデバイス
Abstract近年のライブでは、パフォーマーと観客の距離感が重要視されている。本研究では、観客との個別的なつながりを生む仕掛けとして、一部の観客に音を届けられる仕組みに注目し、それを操作するための装着型デバイスを試作した。演技中でも自然に操作でき、既存の機器に影響を与えず、かつ観客に違和感を与えない設計が求められた。検討の結果、導電布を使用したタッチセンサーを腰のベルト部分に配置し、視線が集まりにくい箇所に機器を設置することで違和感を最小限に抑える設計とした。実験では、観客に動画を視聴させ、違和感を覚えた場面を記録させることで評価を行った。その結果、提案する操作動作は観客に大きな違和感を与えず、自然に受け入れられる可能性があることが示された。今後は、デバイスの応答性や操作性の向上、さまざまな動作環境に対応する設計の検討を進めることで、より実用性の高い仕組みとしての発展が期待される。また、本手法は他のパフォーマンス形式への応用も考えられる。将来的には実際のステージでの導入を想定し、長時間使用時の快適性や演出効果との統合も重要な課題となるだろう。

4D-4 (時間: 10:00 - 10:20)
Title安定性を切り替え可能な床型インタフェースによる仮想地面揺動体験の向上
Author*高橋 真寛 (東京工科大学大学院), 井上 亮文 (東京工科大学)
Pagepp. 813 - 820
KeywordVR, 揺れ, 床型デバイス, 平衡感覚, 足裏
Abstract足部への感覚提示は没入感の高いVR体験を実現するうえで重要な要素の一つである.仮想空間においてユーザーが揺動する地面の上に立つ場面では,現実空間の足裏には揺れを感じられず,身体バランスや没入感に違和感が生じる.本研究では,仮想空間内の地面が揺動する状況において,現実空間における足裏の状態を仮想環境と同期させることで,ユーザーに地面の揺れやバランス感覚を提示する床型インタフェースの開発を行った.被験者には本デバイスを用いて,仮想空間内で揺れる地面上に立つシナリオを体験してもらい,主観的評価を収集した.本稿では,本デバイスの構成および実験の結果について報告する.


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セッション 4E  IoT
日時: 2025年6月26日(木) 9:00 - 10:40
部屋: 阿武隈1
座長: 梶 克彦 (愛知工業大学)

4E-1 (時間: 9:00 - 9:20)
TitleMRにおける空間把握機能と手の位置推定を用いたIoTデバイスの座標更新手法の提案
Author*小岩 栄斗, 齊藤 義仰 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
Pagepp. 821 - 826
KeywordMixed Reality, IoT, 位置推定
Abstract我々は,インターネット生放送において視聴者が放送者空間にあるIoTデバイスを動作させることができるシステムを提案してきた.しかし,当該研究では手動でIoTデバイスの座標を設定しているため,IoTデバイスの位置が変更した際に,放送者によって再度手動で設定しなければ座標の更新ができない.IoTデバイスの位置が変更した際に,自動的にIoTデバイスの座標を更新するシステムが必要であると考えられる.そこで本研究では,手の周囲の深度情報,およびSpatial Awarenessの情報を用いたIoTデバイスの座標更新手法を提案する.提案システムの有効性を実証するため,プロトタイプシステムを実装し,評価実験を各回被験者1名で計6回実施した.結果,IoTデバイスの座標更新手法に関して,IoTデバイスをつかむだけで,追従オブジェクトが自動的に追従し,追従オブジェクトの色が変化することにより,追従しているかどうかがユーザーにとって分かりやすいということが分かった.今後は,本システムの精度の向上を図る必要があると考えられる.

4E-2 (時間: 9:20 - 9:40)
Title住環境の自動最適化のためのホームオートメーションアーキテクチャ検討
Author*大野 瑞紀, 常松 愛加, 橋本 洋一, 金山 健一, 永見 健一 (株式会社インテック)
Pagepp. 827 - 831
Keywordスマートホーム, ホームオートメーション, 行動認識, 行動予測, IoT
Abstractネットワーク接続可能な家庭内機器の増加により,スマートホームの普及への期待が広がっている.近年のスマートホームは,住人の快適性の向上の他に,エネルギー管理やヘルスケア,エンターテイメントへの応用も行われている.私たちは,パーソナライズされた住環境の自動最適化の将来的な実現を目指すため,ホームオートメーションのアーキテクチャを提示した.アーキテクチャは自社で公開中のスマートホームアプリと組み合わせた構成とし,データ収集,データ分析,自動制御・提案の 3 つのフェーズを示した.さらに,ホームオートメーションサービスの実現には,在室状況や活動状況などの行動認識が必要な場合が多い.私たちの提供するスマートホームアプリは,すでに登録家電のデータ収集を実現しており,主に登録した家電の動作状態などのデータを利用可能である.そこで行動認識の第一歩として,住人の在室・在宅状況と収集データとの比較を行った.データとして,今回は定期的に収集した家電の動作状態を利用した.現段階の限定的な成果として,在室状態を部分的に確認することができた.より高度な行動認識のためには,家電データに限らずにさまざまなデータの収集方法ならびにデータ分析の手法を検討する必要がある.今後は本論文のアーキテクチャに従ったデータ収集および分析の拡充を行う.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4E-3 (時間: 9:40 - 10:00)
Title心拍変動解析による日常環境下でのヘルスモニタリングに向けた心拍成分判別技術
Author*立山 結衣 (京都大学工学部物理工学科), 江口 佳那, 加納 学 (京都大学大学院情報学研究科)
Pagepp. 832 - 838
Keyword心拍変動解析, 機械学習, 二値分類, 心電図, ウェアラブル
Abstract自律神経系の活動を反映する生体指標の一つである心拍変動は,心臓の動きに対応する波形を心電図(ECG)から検出することで算出される.近年注目されているウェアラブルデバイスを用いた日常環境下での心拍変動解析では,外的要因によるノイズやアーチファクトによって誤検出や検出漏れが生じ,解析精度が低下することが課題となっている.本研究では,既存の心拍成分検出アルゴリズムの後処理として,検出した波形が誤検出であるかを機械学習により判別するモデルを提案する.モデルは,波形の切り出し.前処理、および機械学習アルゴリズムによる二値分類で構成される.既存の心拍成分検出アルゴリズムで疑似ECG を解析して得られたデータを対象に,マシューズ相関係数(MCC)を評価指標として,それぞれ3 種類ずつの前処理方法と機械学習アルゴリズムを組み合わせて得ら れた計9 通りのモデルにおける二値分類性能を評価した.この結果,標準化とサポートベクターマシンガウシアンカーネル,min-max 正規化とランダムフォレスト,標準化とランダムフォレストの3 モデルがMCC の中央値で最高値0.86 を達成した.このことから,前処理が分類性能を向上させ,非線形モデルの方が分類に適していることが示された.さらに,ノイズやアーチファクトの種類によって分類性能が異なることも確認され,アンサンブル学習が有効である可能性が示唆された.


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セッション 4F  マルチメディアシステム(1)
日時: 2025年6月26日(木) 9:00 - 10:40
部屋: 阿武隈2
座長: 佐古田 健志 (東芝)

4F-1 (時間: 9:00 - 9:20)
Titleセリフ演技指導の非言語的表現における 演技指導者と演者のコミュニケーションの分析
Author*上山 恵美子 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科附属メディアデザイン研究所), 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 839 - 849
Keywordセリフ演技指導, 非言語的表現, 演出支援, コミュニケーション, メモ
Abstract本研究では、セリフ演技指導におけるコミュニケーションの手段としてメモを用い、演技指導者と演者のコミュニケーションの分析を行った。教育現場において手書きメモが学習や記憶の向上に寄与することは知られているが、演劇活動においても同様の効果があると考えられる。特に、演出家からの指示をどのように記録・活用するかは演者によって異なり、その方法が演技向上に与える影響を明らかにすることが本研究の焦点である。実験では、演劇部に所属する中高校生を対象に、メモを取る場合と取らない場合で演技パフォーマンスの振り返りを演者自身で行い、メモの内容と演出指示を比較分析した。本研究の意義は、メモの活用が演者の理解や演技の定着を促し、より効果的な指導法の確立に貢献することであり、演劇教育の現場における指導方法の改善に寄与することを目指す。

4F-2 (時間: 9:20 - 9:40)
Title時空間特性を考慮した深層学習によるノイズに頑健な人数予測手法
Author*岩佐 龍成, 原 隆浩, 前川 卓也 (大阪大学情報科学研究科), 島崎 数喜, 瀬口 哲平, 菊池 雄行, 加藤 謙志朗 ((株)ダイキン工業)
Pagepp. 850 - 857
Keyword時空間予測, 人数予測, ノイズ, データ欠損
Abstract時空間予測とは,実世界の時空間的現象の将来の状態を予測する技術である.その応用分野の一つに人数予測が挙げられ,将来の人数を把握することで空調機器の運転制御などの社会的応用が可能である.時空間予測手法を用いた人数予測には,センサから取得した時空間データが必要であるが,センサには機器の故障などに起因するノイズや欠損値が不可避である.人数予測分野における先行研究の多くは,こうしたノイジーデータに対する時空間的な対処が不十分であり,データ整形などの追加処理を要するという問題がある.本研究では,ノイジーデータに頑健な時空間予測モデルを提案する.時空間的特徴の抽出におけるノイズや欠損値の影響を低減するという観点から,値の信頼性に基づく重みづけモジュールを導入する.対象環境をグリッド状に分割し,各グリッド内の人数を一定期間集計した人数分布データに対して,特徴抽出の段階で信頼性に応じた重みを掛け合わせることで,適切な箇所からの特徴抽出能力の向上を図る.実環境で取得したノイズや欠損値を多く含む位置情報データを前処理なしに用いた評価実験では,ノイジーデータに対する提案手法の優れた予測性能を示した.

4F-3 (時間: 9:40 - 10:00)
Titleエアコンの稼働状況と環境情報を用いた人数推定モデル
Author*増田 盛, 原 隆浩, 前川 卓也 (大阪大学情報科学研究科), 島崎 数喜, 瀬口 哲平, 菊池 雄行, 加藤 謙志朗 ((株)ダイキン工業)
Pagepp. 858 - 867
Keyword時系列予測, 人数推定, 環境情報, 損失関数
Abstract時系列予測は過去データから将来を予測する手法であり,多くの場合,目的変数自体の時間的依存性を主要な入力として利用する.しかし,実世界では目的変数を入力として利用できない状況も多く,この場合の高精度な予測・推定手法は限定的である.本研究では,目的変数を入力としない時系列推定モデルを提案する.目的変数以外の外部変数(エアコン稼働状況,環境情報など)を活用することで,目的変数の時間的依存性を補完し,部屋の人数を推定する時系列推定タスクに取り組んだ.既存モデルの入出力を変更し,外部変数と人数データの関係性を学習するモデルを作成し,人数データ系列の形状に合わせた動的な損失関数をモデルに組み込む.実データによる評価実験の結果,提案手法が推定精度向上に寄与することを示した.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
4F-4 (時間: 10:00 - 10:20)
Titleライブ中におけるアイドルとファンの紐帯感の可視化
Author*吉野 那菜, 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 868 - 871
Keywordライブ, 可視化, アイドル, ファンサ, ペンライト
Abstract本研究は、アイドルとファンの双方向コミュニケーションの重要要素である「ファンサービス(ファンサ)」を可視化し、その感情的影響を分析することを目的とする。ファンサとは、視線やジェスチャーなどで個々のファンに向けた特別な反応を示す演出であり、ライブの満足度や一体感を高める要因となる。しかし、現在のファンサは曖昧で誤解を招き、ファン・アイドル双方に不満が生じることがある。本研究では、ファンサの可視化により、曖昧なコミュニケーションの視覚的把握、特別感の強調による関係性強化、ライブ体験の質向上を目指す。

4F-5 (時間: 10:20 - 10:40)
Title音声と表情の感情情報の違いがバーチャル空間における感情認知に与える影響の検証 ― 音声・表情融合によるアバター表情生成手法の開発と評価 ―
Author*室 秀磨 (武蔵野大学データサイエンス学部), 中村 亮太 (武蔵野大学)
Pagepp. 872 - 877
Keywordマルチメディアシステム, 行動認識, ユビキタスコンピューティングシステム, コンテクストアウェアネス, WebXR
Abstract本研究では,顔表情,声トーン,発話言語情報という三要素を二水準ずつ独立に組み合わせた八条件のアバター刺激を作成し,感情認知への影響を定量的に検証した.被験者 15 名に各刺激を提示し,「ポジティブ〜ネガティブ」軸で主観的評価を収集した結果,声トーンが感情判断に最も強い影響を与え,文意味は緩衝的役割,表情の寄与は最小であることが明らかとなった.特に声トーンがネガティブに変化するだけで評価が即座に反転するなど,パラ言語情報の優位性が確認された.これらの知見を踏まえ,本研究は声・言語・表情の重み付け順序(声>言語>表情)に基づくリアルタイム統合アルゴリズムを設計し,ブラウザ上で VRM アバターの表情を動的に生成するシステムを構築した.本手法は,一致条件で評価分散を最小化し,不一致時にも声トーン主導で即時補正できる三段階制御を実現する.遠隔教育,メタバース,カウンセリング領域において感情伝達の齟齬を低減し,ユーザ負荷を軽減する応用が期待される.今後は多文化比較や動的表情拡張によるモデル汎用性の向上を目指す.


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セッション 4G  V2X・自動運転
日時: 2025年6月26日(木) 9:00 - 10:40
部屋: 石陽
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

4G-1 (時間: 9:00 - 9:20)
Title歩車間通信における協調スペクトルセンシングを用いた歩行者端末の省電力化
Author*真鍋 伊吹, 湯 素華 (電気通信大学湯研究室)
Pagepp. 878 - 884
Keyword歩車間通信, 間欠動作, 協調スペクトルセンシング, NR-V2X
Abstract近年,歩行者の事故リスク軽減のために歩車間通信が注目されている.しかし,歩行者端末(スマートフォン等)はバッテリー容量が限られており,省電力化が求められる.この問題に対し歩行者端末に間欠動作を導入する手法が有効だが,歩行者端末がスリープ中は,リソース使用状況を把握することができない.本稿では,間欠動作を導入することで歩行者端末の省電力化を実現しつつ,スリープ中のリソース使用状況を把握することができないという欠点を補うために,周辺車両が歩行者の代わりにリソース使用状況を把握して歩行者に共有する協調スペクトルセンシング手法,LSTMを用いてリソース使用状況を推測する手法,オンライン学習で前記推測モデルを環境に応じて更新する手法について検討した.シミュレーションにより,スリープ割合が90%のとき,検討方式は間欠動作のみを導入した非推測方式に比べてパケット到達率を約5.6%改善されることを確認した.

4G-2 (時間: 9:20 - 9:40)
TitleGSN をもとにした自動運転システムのテストシナリオ実行環境の開発
Author*古内 悠登, 児玉 英明, 依田 みなみ, 松野 裕 (日本大学)
Pagepp. 885 - 890
Keywordシミュレーション, GSN
Abstract本論文では,我々の先行研究[1,2]における、自動運転システムの安全性の継続的な保証のためのフレームワークのための、シミュレーションおよびテスト環境の構築について示す。具体的には,MathWorks社のRoadRunnerを用いて塩尻市右折進入シーンの3Dマップと走行シナリオをGUI上で作成し,MATLABベースのスクリプトでシミュレーションの自動実行・車両状態データ取得を実装した.さらに,D-Case CommunicatorとのAPI連携により,安全指標をリアルタイムに算出しGSN上に視覚的に反映する仕組みを開発した.先行研究[1,2]では、自動運転システムの安全性保証議論をGoal Structuring Notation (GSN)により記述し、それを元にしたテストケースを実行し,そのテスト結果から現在のGSNの更なる議論が必要な点を見つけることで,シミュレーションとGSNの連携させることによる継続的な議論の有効性を示している.本論文では、シミュレーションを構築する際に必要な工夫,発生した問題点とその解決方法について述べる.

4G-3 (時間: 9:40 - 10:00)
TitleV2X通信における占有格子地図の共有とAutowareを用いた検証
Author*松澤 力, Naren Bao, Ehsan Javanmardi, 塚田 学 (東京大学大学院)
Pagepp. 891 - 895
KeywordITS, 自動運転, V2X
Abstract自動運転車が持つセンサには死角や検知距離の限界がある.この限界を緩和するために,V2X(Vehicle-to-Everything)通信を用いて周辺環境の情報を共有する協調認知の研究が進められている.自動運転車による周辺環境の表現には個別の物体の位置や大きさ,速度からなる物体ベースの表現と空間を細かいセルに分割して物体の存在確率や速度を管理するグリッドベース表現があるが,グリッドベース表現は物体ベース表現よりデータサイズが大きく,帯域の限られたV2X通信での共有には向かない,また,通信の遅延やパケットロスにより正確性が損なわれるという課題がある.本研究では,グリッドベースの環境表現である占有格子地図をV2X通信により共有・融合するシステムをオープンソースの自動運転ソフトウェアであるAutoware上に実装し,運転環境シミュレータのAWSIMを用いて融合の有効性と圧縮によるデータサイズの削減の検証を行った.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4G-4 (時間: 10:00 - 10:20)
Title車両と歩行者の混在環境におけるメッセージ送信頻度の検討
Author*原 まなみ, 宮田 佑樹, 柳 始鉉 (慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻), 重野 寛 (慶應義塾大学理工学部)
Pagepp. 896 - 901
KeywordV2X通信, V2Xメッセージ, DCC, 歩行者, 自動運転車
Abstract自動運転技術の発展により,歩行者と自動運転車が共存する交通環境の安全確保が重要となっている.従来のセンシング技術は視界の遮蔽や悪天候に弱く,V2X通信による情報共有がその補完として注目されている.特に歩行者は不規則な動きをする上,死角や交差点などではセンサのみでの検知が困難であり,通信ベースでの補完が不可欠である.しかし,通信負荷による輻輳がメッセージ到達率を低下させる課題がある.本稿では,歩行者と自動運転車間の安全なV2X通信に向け,ETSIのDCCを拡張し,メッセージ種別に応じた送信頻度制御を提案する.具体的には,歩行者の情報を含むVAMの送信頻度を高め,その他のメッセージの送信を制限することで,全体の通信負荷を制御しつつ歩行者認識率の向上を図る.SUMOとOMNet++を用いたシミュレーションにより,交差点環境で80台の車両と160, 800人の歩行者が混在する状況を再現し,提案手法の有効性を検証した.その結果,提案手法はETSI標準と比較してパケット到達率が平均7.7%,歩行者認識率が平均15.2%向上し,VAMの有効性が示された.

4G-5 (時間: 10:20 - 10:40)
Title形状記述子ESFとICPアルゴリズムを用いた航空レーザ測量点群と地上計測点群の位置合わせ
Author後藤 晴, *若森 太視, 木谷 友哉 (静岡大学)
Pagepp. 902 - 911
Keyword点群情報処理, 位置合わせ
Abstract本研究では,形状記述子であるESF(Ensemble of Shape Functions)を用いた位置合わせによって,航空レーザ測量点群と,LiDAR搭載スマートフォンで計測した計測範囲の狭い点群地上計測点群を統合することに取り組む.関連研究として,ESFとICP(Iterative Closest Point)アルゴリズムを組み合わせた位置合わせ手法を参考に,本稿では航空レーザ測量点群の特徴や計測範囲の小さい地上計測点群の特徴を考慮した手法を提案する.また,提案手法を自律的に動作するように実装する方法の検討を行う.ある1つの実観測された航空レーザ測量点群と地上計測点群に対して提案手法を適用し,意図したとおりの動作をすることを確認した.また,1つの航空レーザ測量点群と10個の地上計測点群に対して提案手法の適用をし,位置合わせの精度の評価を行った.精度評価実験の結果は,10個中7個のデータは対応点の距離が1m以内で収まり,平均二乗誤差は0.16�屐�0.30�屬任△蝓い海�7個のデータは理想的な状況での平均二乗誤差と比べて十分な精度で収束していた.地上計測点群の位置情報の精度の向上や航空レーザ測量の点密度増加により,提案手法の精度が向上させられる可能性があることを考察した.


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セッション 4H  無線・AI
日時: 2025年6月26日(木) 9:00 - 10:40
部屋: 月見亭
座長: 柏崎 礼生 (近畿大学)

4H-1 (時間: 9:00 - 9:20)
TitleWi-Fi信号を用いたユーザ静止状態におけるヒアラブルデバイス向け個人認証システム
Author*松本 柊哉, 石田 繁巳, 稲村 浩 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 912 - 917
Keywordワイヤレスセンシング, 認証, ヒアラブルデバイス

4H-2 (時間: 9:20 - 9:40)
Title分類タスクにおけるSoftmax関数の温度パラメータの動的最適化
Author*杉本 欣紀, 長谷川 達人 (福井大学 工学研究科 知識社会基礎工学専攻)
Pagepp. 918 - 925
Keyword深層学習, softmax, 温度パラメータ, 画像認識
Abstract深層学習における分類タスクでは,一般的にCross-Entropy Lossが損失関数として用いられる. Cross-Entropy Loss を用いる際には,モデルの出力を確率分布の形式にするために出力直前の予測値を softmax 関数を用いて規格化することが一般的である.softmax関数は温度パラメータと呼ばれるハイパーパラメータTを持つが,Tの訓練における最適な値については未解明な点が多い.先行研究では,Tと特徴マップの次元数Mとの関係を調査している.その結果,あるMで最高精度となる温度パラメータ T*について,任意の係数a,bを用いたT*=a√M+bという 関係があることを示唆した.しかし,係数 a, b は,データセットやモデル構造によって変化するため,一概にT∗を決定するのは困難であり,先行研究のように学習時にTを固定する方法は,学習全体で平均的に最適な値をとっているに過ぎない.これを受け,学習中にTを動的に決定することでより効率的な学習を行えると考え,本研究では学習中にTを動的に決定するための指標の検証を行う.モデルに対してT,Mを変更して訓練し,モデルの出力y/Tやsoftmaxの勾配の分布を調査した.実験の結果,正解クラスに対するsoftmaxの勾配がT∗において広がりのある一様な分布になる傾向があること,正解クラスに対するsoftmax勾配のエントロピーが学習中のTの動的決定に有効な指標であることを明らかにした.

4H-3 (時間: 9:40 - 10:00)
TitleAIエージェントによる動的プロンプト最適化を用いたイベント推薦システムの検証
Author*大本 詩織 (お茶の水女子大学), 榎 美紀 (日本アイ・ビー・エム), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 926 - 934
KeywordLLM, 推薦モデル, プロンプト, AIエージェント
Abstractコロナ禍の収束により国際観光が急速に回復し、多様なバックグラウンドや嗜好を持つユーザーに対応できるイベント推薦システムの需要が高まっている。しかし、既存システムの多くは高い学習コストや、多くの労力が必要であり、複数の条件を柔軟に統合することが困難である。そこで、本研究では、一連の流れすべてを 大規模言語モデル(LLM)によって行うことで、個々に応じた適応性・拡張性の高い推薦を行うことが可能になると考えた。 ハイブリッド型推薦の実現に向け、複数条件を統合したプロンプトを LLM に入力した結果、プロンプトが長くなるにつれて応答の精度が低下する傾向が観察された。また、この影響は使用する LLM のバージョンによって異なることも確認された。本課題に対処するため、プロンプトの長さを動的に最適化することで、LLM のバージョンアップに対応しつつ、 高精度な応答を実現する手法を検討し、AI エージェントを用いて実装を行った。

4H-4 (時間: 10:00 - 10:20)
Title多端末 LoRa 通信環境における衝突率予測型の自律送信制御
Author*稲葉 悠斗 (大阪大学大学院情報科学研究科), 天野 辰哉, 廣森 聡仁, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科/理化学研究所)
Pagepp. 935 - 942
KeywordLoRa, 分散型スケジューリング, 災害時情報収集
Abstract災害時の迅速な意思決定には、各地の被害状況を正確かつ即時に収集・集約する通信基盤が不可欠 である. しかし、災害時にはセルラー網の輻輳や基地局の故障により、従来の通信手段が機能不全に陥る 場合がある. こうした状況においては、低消費電力・長距離通信が可能な LoRa を用いた LPWA による自 営網が有効である. しかし、LoRa 通信は低速かつ衝突しやすいため、複数ノードによる同時通信環境では 送信失敗が生じやすいという課題がある. 本研究では、災害時の情報収集を想定し、各ノードが地理情報やハザードマップ等から他ノードの存在確 率や緊急度を推定し、衝突確率を一定閾値以下に抑えるように送信スケジュールを自律的に決定する分散 型スケジューリング手法を提案する. 各ノードは、推定したノード密度や優先度分布に基づいて、送信チャ ネル・拡散率・スロットを選択し、衝突を避けるよう調整を行う. シミュレーションにより、本手法がランダム送信方式と比較して最大 1.5 倍の送信成功率を実現できるこ とを確認した.


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セッション 5A  ITS統一テーマセッション
日時: 2025年6月26日(木) 11:00 - 12:20
部屋: 磐城
司会: 石原 進 (静岡大学)

5A-1 (時間: 11:00 - 11:40)
Title(パネルディスカッション) これからのITS研究〜我々の研究の現在地と目指す未来
Author石原 進 (静岡大学), 清原 良三 (神奈川工科大学), 重野 寛 (慶應義塾大学), 白石 陽 (公立はこだて未来大学), 屋代 智之 (千葉工業大学)
Pagep. 943
AbstractITSの研究コミュニティは、これからどのような方向性で舵を取っていくべきか?コミュニティは、個々の研究者の活動の総合的な力でドライブされていくもののはず。ならば、我々研究者は、どのような方向感覚で現在ITSに関する研究に取り組んでいるのか?運営委員・幹事といったプロの研究者たちが今何を考え、何を目指すのかを共有し、方向感を探りたいと考えています。


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セッション 5B  認証
日時: 2025年6月26日(木) 11:00 - 12:20
部屋: 北須1
座長: 大西 鮎美 (神戸大学)

5B-1 (時間: 11:00 - 11:20)
Title赤外線距離センサ付きマスク型デバイスを用いた無声発話による個人認証手法の提案
Author*坂本 匠 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 双見 京介 (立命館大学大学院情報理工学研究科/Digital Spirits Tech), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 944 - 952
Keyword無声発話, サイレントスピーチ, 個人認証, ウェアラブルコンピューティング
Abstract無声発話認識は発声を伴わない音声認識技術であり,ユーザのプライバシを保護できる点や発話が困難な人々のコミュニケーション手段となる点から注目されている.無声発話認識をコンピュータ端末に応用する研究が盛んとなっている.これらの研究では発話内容を推定することが目的となっており,発話者の推定については検討されていない.無声発話による入力操作において,発話内容とともに発話者を認識することで,セキュリティ性の向上や着用者にパーソナライズされたサービスの提供を実現することができる.本研究では,赤外線距離センサを搭載したマスク型デバイスを用いた無声発話による個人認証手法を提案する.提案手法は,立体型マスクの内側に16個の赤外線距離センサを格子状に配置し,発話に伴う口唇およびその周囲の動きを16軸の時系列データとして取得する.取得したデータはZスコア標準化により前処理され,Transformerのエンコーダブロックに基づく機械学習モデルに入力されることで,発話者の認証を行う.評価実験では,20種類のコマンドに対して6種の発話条件に基づいてデータを収集し,EERを指標として認証精度を検証した.その結果,特に無声発話(通常)条件において高い認証精度が得られ,長い発話内容ほど精度が安定する傾向が確認された.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5B-2 (時間: 11:20 - 11:40)
Title人体に対するアクティブ音響センシングにおける身体部位ごとの個人認証性能の調査
Author*井ノ上 昌哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学/情報理工学部)
Pagepp. 953 - 959
Keywordウェアラブル, 音響, 個人認証, アクティブ音響センシング
Abstract半導体技術の進展とセンサの小型化により,ウェアラブルデバイスは急速に普及している.これらのデバイスは生体・行動データといったプライバシ性の高い情報を取得できるため,デバイス利用時に本人認証を行うことが必須となりつつある.一般的なスマートフォンやPCでは生体認証(指紋や顔認証など)が広く実装されているが,ウェアラブルデバイスは装着形態が多様で入力インタフェースが限定されることから,同様の生体認証を直接適用することが難しい.アクティブ音響センシングは,対象物に超音波などの音響信号を送信し,物体内部を伝搬した後の応答を解析して物体や状態を推定する手法である.近年,この技術を人体に適用し個人認証を行う研究が報告されている.しかし,装着部位により体組織構造や接触状態が異なるため,認証性能の安定性と部位間比較が十分に検証されていない.本研究では、人体に超音波を送信して応答を解析するアクティブ音響センシングを用い、想定される8箇所の装着部位ごとに個人認証性能を評価した。評価の結果、同一時間帯での認証は平均EER約13%と良好だった。しかし、日をまたぐとEERは約40〜46%に悪化した。また、装着部位による性能差も確認され、骨伝導特性を反映しやすい部位では精度が高い一方、センサ接触が不安定な部位では精度が低い結果となった.

5B-3 (時間: 11:40 - 12:00)
TitleGPU を用いたエッジコンピューティングによる 準同型暗号顔認証の高速化
Author*中西 聖 (東京大学/ミガロホールディングス/DXYZ株式会社/プロパティエージェント株式会社), 成末 義哲, 森川 博之 (東京大学)
Pagepp. 960 - 963
Keyword準同型暗号, 顔認証, GPU
Abstract準同型暗号を用いた顔認証は高い秘匿性を実現できる一方で,計算コストの高さから処理速度が低下し,ユーザビリティの観点で大きな課題がある.本稿では,準同型暗号化や照合処理といった高負荷な計算をGPU 搭載のエッジサーバ上で実行することで,認証速度の向上を図る.GPU による並列計算により処理時間の短縮が見込まれるとともに,中央サーバの負荷分散によって全体の応答時間も改善される.実験では最大500 人規模の登録者を想定し,顔認証時の応答時間の評価を行った.その結果,暗号化演算の高速化により,250 人規模の環境で認証時間を従来の4.5 秒から2.1 秒へと短縮できたことを確認した.また,実装基準として設定した閾値3.0 秒の範囲内では,370 人規模まで対応可能であることを示した.これらの結果は,準同型暗号を用いた高負荷処理に対し,GPU を用いたエッジコンピューティングが処理性能向上をもたらすことを示すものであり,今後の実用化に向けた一つの指針となる.

5B-4 (時間: 12:00 - 12:20)
Titleアクティブ音響センシングを用いた指紋認証時の偽装指検出手法
Author*桶田 航希, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 964 - 971
Keyword音響, 偽装指, 指紋認証
Abstract近年,スマートフォンやATMなどの端末において指紋認証が広く普及しているが,認証に使用される指紋画像の偽装が容易になりつつあり,生体認証の安全性を脅かす事例が報告されている.特に,ゼラチンやシリコンなどの素材を用いた偽装指によって認証システムを突破する事例が存在し,既存の指紋認証センサにおけるスプーフィング耐性の向上が喫緊の課題となっている. 本研究では,スピーカとマイクによるアクティブ音響センシングを用いて,指紋認証時に接触している対象が人体指か偽装指かを判定する手法を提案する.提案手法では,指紋認証エリアの左右に設置した圧電素子をスピーカおよびマイクとして用い,可聴域外のSweep信号を送信し,その音響応答の周波数パワースペクトルをFFT解析によって取得する.得られたスペクトルを事前に登録されたユーザ本人のスペクトルと比較し,DTW距離を計算することで認証時の入力が正規の指か否かを識別する. 4名の被験者を対象とした評価実験を通じて,偽装指(樹脂製フィルム)を用いた指紋認証に対して高い検出精度を確認した.k-NNに基づく平均DTW距離を用いた識別手法において,k=5のとき平均EERが約10.8\%と最も低く,偽装指の有無に対する頑健な判定が可能であることが示された


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セッション 5D  ドローン・農業
日時: 2025年6月26日(木) 11:00 - 12:20
部屋: 今出
座長: 石田 繁巳 (はこだて未来大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5D-1 (時間: 11:00 - 11:20)
Title農業におけるMLLMへのドメイン知識注入と物体検出手法の提案
Author*北出 卓也 (株式会社NTTドコモ/慶應義塾大学), 中村 匠, 春山 知生, 水野 涼介, 佐藤 弘之 (株式会社NTTドコモ), 今井 倫太 (慶應義塾大学)
Pagepp. 972 - 979
KeywordMLLM, 画像認識, 農業, ハルシネーション, 物体検出
Abstractテキストや画像など様々なデータを扱うことができる大規模言語モデル(MLLM)が実用的になるにつれて,画像認識に関連するタスクも人間からMLLMへ代替が進んでいる.ドメインに特化したMLLMの活用においては,MLLMそのもののファインチューニングや外部知識としてRAGを用いる手法が研究されている.しかし,これらの手法では,データセットの大量取得やドメイン知識定着のために,高度な技術が要求される.ファインチューニングやRAGを用いず少量のデータでMLLMの性能を向上させる手法として,ビジュアルプロンプトを用いる方法が検討されている. 一方で,プロンプトが複雑であっても必ずしも複雑な出力に対応できるわけではなく,ハルシネーションを引き起こす関係も指摘されている. そこで本研究では,見本画像を説明したテキストをドメイン知識としてMLLMに入力し,出力結果の妥当性をMLLMに説明させる自己省察を行うことで,少量データセットによるドメイン知識注入とハルシネーションの抑制を実現する.実験では,ドメイン知識が必要な農業における雑草や作物の認識に関する物体検出タスクに関して,提案手法により精度が向上することを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
5D-2 (時間: 11:20 - 11:40)
Title平面積載可能な散布型飛行センサのための自律変形機構
Author*金 潭延, 本庄 祐一 (東京大学大学院工学系研究科), 飯塚 達哉 (NTT宇宙環境エネルギー研究所), 大久保 直美, 竹内 優維斗 (東京大学大学院工学系研究科), 遠藤 直人, 松原 浩史 (NTT宇宙環境エネルギー研究所), 川原 圭博, 森田 直人, 笹谷 拓也 (東京大学大学院工学系研究科)
Pagepp. 980 - 986
Keyword散布型センサ, 自律変形, 環境センサ
AbstractドローンやHigh-Altitude Platform Station(HAPS)などから投下する空中散布型センサシステムが登場したほか,アクチュエータを用いて空中で変形することで落下軌道が変更できるセンサ技術が研究されてきた.本研究では,積載に適した平面形態から投下後に滑空に適した立体形態へと自律変形するセンサデバイスを実現するための弾性ヒンジ機構を提案する.本機構は,熱収縮シート・柔軟なシート・回路基板を接合してから加熱するだけで,平面状態から狙った折れ角に変形する.また,所望の折れ角を実現するためのヒンジモデルを構築・解析し,加熱等の作成条件の探索を行ったほか,変形を繰り返した場合の耐久性,変形特性についても評価した.さらに,本機構を用いて平面状態から飛行機形状へと変形可能な機体を試作し,重心に応じた折れ角を設定することで滑空性能が調整できることを室内の飛行試験で示した.評価の結果,0°から 100°までの折れ角モデルは実測値と高い一致を示し (R2 = 0.96),高精度な設計が可能であるほか,折れ角の設定によって水平飛行距離が 5 倍程度変化することを明らかにした.

優秀論文賞 / Paper Awards
5D-3 (時間: 11:40 - 12:00)
Titleドローン画像からの雑草検出に基づくピンポイント農薬散布システムの提案
Author*山谷 佳祐, 中村 圭佑 (株式会社NTTドコモ), 北出 卓也 (株式会社NTTドコモ/慶應義塾大学), 中川 宏 (NTTコミュニケーションズ株式会社)
Pagepp. 987 - 997
Keyword画像認識, 農業ドローン, アグリテック, ピンポイント農薬散布
Abstract農業分野が直面する高齢化,人手不足,及び農薬散布に伴う環境負荷といった課題に対し,ICT技術,特にドローン技術の活用が進められている. 北海道の広大な農地における牧草管理においてドローンの利活用は有効であり,画像認識技術との組み合わせにより,雑草分布に基づくピンポイント農薬散布の実現が期待されている. しかしながら,牧草地に多く生息する雑草「エゾノギシギシ」は生育段階による形状変化,牧草とのオクルージョン(隠蔽),さらには密集して生育する条件など,実環境での高精度な位置認識には特有の困難さが伴う. この実用上の課題に対し,本研究はエゾノギシギシの多様な条件下での検出精度向上に注力し,独自のデータ収集・拡張戦略と 学習に基づいたAIシステムを開発した.これを既存の散布機材(ドローンやトラクター)と連携させることで,これまで検出が難しかった対象雑草にも対応可能な 実用的なピンポイント農薬散布システムの構築を目指した. 実験では,特に認識が困難な密集株を78% (Recall)の精度で検出できることを確認した.農薬の使用量は全面散布と比較して10 a(アール)あたり農薬散布ドローンでは74%,セクションコントロールスプレーヤーを搭載したトラクターでは67%削減できることを確認した.


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セッション 5E  画像類似・推定
日時: 2025年6月26日(木) 11:00 - 12:20
部屋: 阿武隈1
座長: 寺島 美昭 (創価大学)

5E-1 (時間: 11:00 - 11:20)
Title住戸形状の図形的特徴に基づく類似性評価手法の提案
Author*土井 颯真 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部), 本庄 麻衣子 (フジ住宅株式会社)
Pagepp. 998 - 1003
Keyword図形類似性, 間取図, 形状特徴抽象化, 編集距離
Abstract間取図を作成する際,住戸の形状,生活動線,部屋の位置関係など様々なことを考慮しなければならず,多くの労力を要し,時間がかかるという問題がある.そのため,設計士は試行錯誤して作成し,これまでに作成された間取図を参考に作成することがある.過去の間取図を参照する際,住戸の横幅や奥行きの寸法を用いて検索しているが,住戸の形状は考慮しておらず,人が直感で似ていると感じる間取図を検索することは困難である.そこで,住戸の形状に着目し,図形を抽象化することで比較を行い,類似性を評価する手法を提案する.そして,図形を抽象化し,比較する手法の妥当性を検証し,精度の向上を図る.本稿では,図形の類似性を評価する手法とその妥当性の検証方法について述べる.

5E-2 (時間: 11:20 - 11:40)
Title自撮り画像を用いて遺伝子発現情報に基づく肌タイプを推定するモデルの精度向上検討
Author*市橋 俊希, 内橋 勇真, 柳澤 洋輝, 中村 俊介, 大矢 直樹, 岡田 智成, 菊池 祥 (花王株式会社)
Pagepp. 1004 - 1008
Keyword深層学習, 機械学習, スマートフォン, 顔画像, RNA
Abstract近年、化粧品市場では、自分に適した製品を選ぶために主観的な肌質や肌悩みが基準とされることが一般的であるが、個々の評価基準が異なるため、適切な製品選びは難しい。そこで、生体分子情報を活用した新たな肌状態の分類指標として、皮膚表上脂質から採取したRNA(SSL-RNA)の解析により、「角化」と「免疫応答」に関連する2つの肌タイプに注目している。しかし、SSL-RNAの解析には時間と費用がかかるため、スマートフォンの画像から肌タイプを簡易に推定する技術の検討を行った。顔写真の色や形状情報を特徴量とし、機械学習と深層学習を組み合わせたモデルを構築した結果、一般的な深層学習モデルを用いた場合と比較して、正解率が向上した。これにより、より適切なスキンケア製品の提案が可能となり、商品選択の満足度向上が期待される。

5E-3 (時間: 11:40 - 12:00)
Titleセグメンテーションを用いた外形抽出による寸法線を含む部品画像からの類似部品検索
Author*向瀬 友哉, 加藤 拓也, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1009 - 1017
Keyword類似部品検索, セグメンテーション, 深層学習, 画像認識
Abstract新規金属部品の製造における設計工程では,過去の類似部品を参考にしながら設計を行うことが一般的であり,類似部品検索の効率化が求められている.従来の類似部品検索手法は入力データが外形線のみであることを前提としており,寸法線や注記といった付加情報が含まれる場合,付加情報の影響を受けやすく正確な検索が困難であるという課題がある.本研究の目的は,付加情報を含む部品図面画像を入力としつつ,類似部品検索の精度を向上させることである.提案手法では,部品外領域をマスクで除去することで従来手法では難しかった付加情報の影響を低減し,類似部品の検索を可能にした.部品領域の検出には,深層学習を用いたセグメンテーションモデルを活用した. 評価実験では,(1)セグメンテーションモデルを用いることで部品領域を推論できるか,(2)部品領域のマスクが類似部品検索における付加情報の影響を低減可能か検証を行った.実験の結果,(1)はセグメンテーションモデルがノイズのある図面から部品領域を推論できることを確認した.(2)は従来手法と比較して付加情報の影響を低減し,より類似した部品を取得できることを確認した.

5E-4 (時間: 12:00 - 12:20)
Title様々な基準に対応可能なシイタケ等級判別システムの開発
Author*大井 広夢 (静岡大学大学院総合科学技術研究科情報学専攻), 日野 ひまわり, 柳澤 孝一 (株式会社栄農人), 野村 祐一郎 (静岡大学学術院情報学領域), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/静岡大学グリーン科学技術研究所)
Pagepp. 1018 - 1025
Keyword画像処理, SVM, スマート農業, 特徴量抽出
Abstract本研究では,シイタケの等級判別における主観的ばらつきや作業負荷,および基準の不統一性といった課題に対処するため,画像処理とSVMを用いた自動等級判別手法を提案する. シイタケの等級は傘の開き具合や形状などの外観的特徴に基づき,市場価格にも大きな影響を与えるため,正確な等級判別は生産者の利益に直結する重要な作業である. しかし現状では等級判別が人手に依存しており,労力や判別の一貫性に課題がある.本研究では,シイタケ画像から抽出した形状・サイズ・襞(ひだ)領域の特徴量をもとにSVMによる分類を行い, 100枚の学習データによる実験で最大72.9%の分類精度と約1秒/個の判別速度を達成した. 学習データが限られた状況でも一定の分類性能を発揮しており,少量データで効率的に学習可能な手法としての有用性が示唆された.


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セッション 5F  マルチメディアシステム(2)
日時: 2025年6月26日(木) 11:00 - 12:20
部屋: 阿武隈2
座長: 小口 正人 (お茶の水女子大学)

5F-1 (時間: 11:00 - 11:20)
Titleブラストマシンのデジタルツイン構築に向けた攪拌処理モデル機のセンシング
Author*輿水 元喜 (東京電機大学/システムデザイン工学研究科), 阿倍 博信 (東京電機大学/システムデザイン工学部)
Pagepp. 1026 - 1030
Keywordデジタルツイン, 攪拌処理, 画像解析, 加速度センサ, ブラストマシン
Abstract本研究では, 加速度センサーやカメラ画像からの物体検出を用いて表面加工機械の一種であるブラストマシンの投射室を再現し, ブラスト処理におけるワークの攪拌を行うモデル機の開発, ワークの実空間の計測環境を構築した. 投射室上部に設置したカメラから各ワークを検出し, 重心データを記録する. 同時に加速度センサーの計測データを記録することで, カメラとセンサー両方から単位時間あたりのワークの動きについて評価することができる. 今後は, 開発中のショット型ブラストマシンシミュレータ評価に向けて, 計測した値のシミュレータへのフィードバック方法について考えていく必要がある.

5F-2 (時間: 11:20 - 11:40)
Titleビル清掃のシフトスケジューリング問題への量子コンピュータの適用
Author*十和田 潤, 宮田 聡, 加藤 太朗 (ソフトバンク株式会社)
Pagepp. 1031 - 1036
Keyword組合せ最適化, シフトスケジューリング問題, 量子アニーリング, 量子近似最適化アルゴリズム, 量子コンピュータ
Abstractスマートビルにおける清掃員のシフトスケジューリングはビルの清掃効率を最大化し、運営コストを最小化するとともに、清掃員の満足度を向上させるための重要な課題である.シフトスケジューリング問題は、従業員のシフトを効果的に割り当てるための複雑な組合せ最適化問題である.量子コンピュータは量子干渉・量子もつれといった量 子力学の性質を利用することで、古典コンピュータに比べて一部の問題に対して高速化が期待されている.量子コンピュータは組合せ最適化問題を解くのに特化した量子アニーリング方式と、汎用的な量子ゲート方式がある.本研究は、ビル清掃のシフトスケジューリング問題を整数計画問題として定式化して、混合整数計画ソルバーと比べて量子アニーリングおよび量子ゲート方式の性能を検証した.等式制約のみの小規模な問題において、ゲート式量子コンピュータは指数オーダで計算時間が掛かるが、量子アニーリングは混合整数計画ソルバーと同等の計算時間と精度である.不等式制約を含めた小規模な問題では、変数の数が増えると量子アニーリングの計算時間は増加して実行不可能となったが、混合整数計画ソルバーの計算時間は一定であった.

5F-3 (時間: 11:40 - 12:00)
Titleアイテム固有の特徴を考慮したグラフ構造学習に基づくマル チモーダル推薦モデルの提案
Author*曽根 良行, 道瀬 悠磨, 原 隆浩, 前川 卓也 (大阪大学大学院情報科学研究科), 島崎 数喜, 瀬口 哲平, 菊池 雄行, 加藤 謙志朗 ((株) ダイキン工業)
Pagepp. 1037 - 1045
Keywordマルチモーダル推薦, グラフベース推薦, 協調フィルタリング, グラフ構造学習
AbstractTikTokといった画像や音楽,ビデオを扱うマルチメディアプラットホームの普及に伴い,マルチモーダルな情報を活用してユーザにパーソナライズされた推薦を提供するマルチモーダル推薦システムが注目を集めている.近年,GNN(Graph Neural Network)を用いた推薦モデルが最先端の性能を達成しているが,これらの手法は,データのノイズやスパース性によって性能が低下してしまう.このような問題に対処するため,対照学習と呼ばれる自己教師あり学習手法が提案されている.この手法は,モダリティの情報を反映させたモーダルグラフを構築し,自己教師あり学習を行うことで推薦性能を向上させている.しかし,既存手法ではアイテムの類似性といった重要な特徴を考慮することができておらず,構築されるモーダルグラフはインタラクショングラフと多くが重複してしまい,有益性が低い.本研究では,マルチモーダル推薦におけるアイテム固有の特徴を効果的に反映するためのグラフ構造学習フレームワークMMGSL(Multi-Modal Graph Structure Learning for Recommendation)を提案する.モダリティ情報から得られる有益なアイテム同士の類似性に注目し,グラフ構造学習器を導入することでモーダルグラフをインタラクショングラフをベースに構築し,アイテム間エッジを対照学習によって追加する.さらに,複数のモダリティの重要性を個別に捉えるため,個別埋め込み結合層によって個別性の高い表現を獲得する.これにより,アイテム固有の特徴を強く反映し,モダリティ情報を十分に活用した効果的な推薦モデルを実現する.TikTokデータセットによる既存手法との比較実験を行い,従来手法に対して最大Recall@10で15.59%優れた推薦が可能であることを示す.

優秀論文賞 / Paper Awards
5F-4 (時間: 12:00 - 12:20)
Title多人数リアルタイム空間統合のための点群品質の分散型最適化手法
Author*丸山 結 (大阪大学), 天野 辰哉, 山口 弘純 (大阪大学/理化学研究所 計算科学センター)
Pagepp. 1046 - 1054
Keywordメタバース, 3次元点群, 分散最適化, Robot Operating System(ROS)
Abstract近年のVRやメタバースの関連技術の発展により、高い臨場感を伴う遠隔交流に注目が集まっている。本研究では、物理空間を常時3Dスキャンし、リアルタイムの点群処理を通じて仮想空間に投影することで、物理空間と仮想空間をシームレスに統合するハイブリッドメタバースシステムを提案する。複数ユーザー間での大容量データ伝送および品質管理に伴う課題に対応するため、Input Convex Neural Network(ICNN)と ADMMを用いた分散型最適化を組み合わせた ROS ベースの分散アーキテクチャを導入するSUN RGB-Dデータセットを用いて3次元点群で表現される仮想的な空間を作成し、ROS上で実際の通信環境を模擬した条件下で評価を行った結果、PICNNはユーザ効用のモデル化において93〜94.6%の精度を達成し、最大100ユーザー同時接続に耐えうるシミュレーションを行うことができた.また,100ユーザが存在する環境下でも30秒以内に求解が可能であり,スケーラブルな手法であることが確認された。これらの結果は、ネットワーク環境におけるリアルタイム点群品質管理に対する本フレームワークの有効性を示している。


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セッション 5G  行動変容(1)
日時: 2025年6月26日(木) 11:00 - 12:20
部屋: 石陽
座長: 福島 拓 (大阪工業大学)

5G-1 (時間: 11:00 - 11:20)
Title飲料商品名における商品DNAの時系列変遷と可視化
Author*石橋 明大 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 松山 浩士 (株式会社サイバーリンクス), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 1055 - 1062
Keyword商品DNA, 時系列変遷, 可視化, 商品名, 飲料商品
Abstract商品製造の際に考慮される点の1つとして,「商品DNA」がある.この概念は,商品の特性や購買履歴などの多様な要素から得られる,アイデンティティや競争力のことを指し,企業が消費者ニーズを的確に把握し,効果的なマーケティング戦略や商品開発を行う上で重要である.しかし,商品DNAの概念には曖昧さやそれに伴う過度の一般化などといった様々な問題点が含まれている.そこで本稿では,データベース上の商品名内の各要素について分類を行い,それら各種を商品DNAとみなした上で,可視化および分析を行うことにより,それら問題点の解決を図った.その結果,商品DNAについて,各分類ごとの時系列的傾向や,鼓型および潜伏といった特有形状を可視化した.またこの結果は,商品DNAを用いた分析において重要であるほか,市場分析や企業傾向分析にも応用可能であると考えられる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5G-2 (時間: 11:20 - 11:40)
Titleソフトウェア開発におけるドキュメント不足検出支援システムの研究
Author*中沢 隆紀 (日立製作所)
Pagepp. 1063 - 1070
Keywordソフトウェア, 開発, ドキュメント, 不足検出, 支援システム
Abstract近年のDX推進において,迅速なソフトウェア開発が重視される一方で,ドキュメント作成の優先度が低下し,追加工数の発生やユーザの理解を妨げる課題がある.従来方式では,必要なドキュメントの把握や作成タイミングの判断が困難で,進行遅延や工数増大の原因となっていた.これを解決するため,提案方式ではプロジェクトの特徴とユーザの目的から必要なドキュメントを導出し,作成の適否や不足を評価するプロセスを構築.これにより,ドキュメント作成の計画立案,進行中の確認,検収時の把握が可能となり,工数削減やユーザ理解の効率化が期待される.

5G-3 (時間: 11:40 - 12:00)
Title文書の編集可否と誤記検出の関係性の調査
Author*菊池 駿耶, 池田 悠星 (日本大学文理学部), 土岐田 力輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 呉 健朗 (日本大学文理学部), 市川 裕介 (埼玉大学教育機構), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 1071 - 1075
Keyword文書校正
Abstract人々が自他の PC 上で文書を作成する際,編集可能状態と編集不可状態を切り替えて行うシーンが 見受けられる.例えば,日常的なメモ書きは PC のテキストエディタ上で行うが,企業間でやり取りされ る重要な文書は紙に印刷して綿密な文書校正が行われる.こうした文書の編集可否の切り替えは,校正作 業の質や効率に何らかの影響を与えていることを校正者が明示的/暗黙的に理解しているためであると我々 は考えている.本稿では,文書の編集可否が校正作業に与える影響を明らかにするための初期検討として, 編集可否という条件が文書内の誤記を発見する量・発見のしやすさに影響を与えるか調査した.調査の結 果,編集可能条件,編集不可条件,紙媒体による条件間で文書内の誤記を発見する量・発見作業の負荷の 大きさに統計的な有意差は確認されなかったが,紙媒体条件による指で文字をなぞるといったインタラク ションの可否や,編集可能条件でディスプレイ上に表示される UI が誤記検出に影響を与えることを示唆 する結果が得られた.今後は,文書内の誤記を修正させる実験を行っていく.

5G-4 (時間: 12:00 - 12:20)
TitleFPSにおける手抜きとマウス操作の関係の調査
Author*雨宮 壮 (日本大学文理学部), 池田 知樹, 佐子 柊人 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 青木 良輔 (日本大学文理学部/日本電信電話株式会社 NTT 人間情報研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 1076 - 1079
KeywordeSports, FPS, ゲーム, 行動, 手抜き
Abstract本研究では,FPSゲームにおける意図的な手抜き行為がプレイヤのマウス操作に及ぼす影響を調査した.参加者に対し,本気および手抜きの条件でエイミングタスクを実施してもらい,操作ログを収集した.収集されたログのうち,本稿ではマウスの移動量および移動速度の平均値に着目し,両条件間の差異を分析した.その結果,手抜き条件では両指標ともばらつきが大きくなり,特に平均移動速度については,手抜き時に低下する傾向が見られ,10\%水準で有意な傾向が確認された.一方で,個人差の影響も大きく,単一の指標では手抜き行為を一貫して検出することは困難であることが示唆された.今後は,複数の操作特徴量を統合的に分析し,プレイスタイルの違いを考慮した手抜き行為の検出手法の確立を目指す.


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セッション 5H  セキュリティ教育
日時: 2025年6月26日(木) 11:00 - 12:20
部屋: 月見亭
座長: 駒野 雄一 (千葉工業大学)

シニアリサーチャ賞 / Senior Researcher Awards
5H-1 (時間: 11:00 - 11:20)
Title教師や保護者から子どもへの継続的な情報セキュリティ教育を可能にする情報セキュリティ教材の開発
Author*花田 経子, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 1080 - 1086
Keywordセキュリティ教育, ゲーミフィケーション, サイバーポリスゲーム, 教師向け教材, 保護者向け教材
Abstract情報モラル教育と情報セキュリティ教育は、小中高等学校の教育課程にお いて必ず教えるべき要素とされている。しかしながら、情 報セキュリティに関連した領域は教師にとって負担感や困難さを伴う部分であり、プライバ シーリスクやセキュリティリスクの評価項目が低い。この理由として、現場の教師側の指導が間に合っていないことが挙げられる。教員養成課程における教育課程には、情報セキュリティ領域の教育がほとんど含まれていない。加えて、教員研修では十分な時間と内容が確保されていない。本来子どもたちを守るために必要な存在である教師・保護者 のいずれも、子どもに関する情報セキュリティリスクに対応できない状況にある。本研究では、これらの問題について主として教員側の実態を整理した上で解決するために、教師・保護者に対し、短時間で学ぶことができ、かつその学びを子どもたちに展開することのできる効 率の良い教材開発として、すでに開発されて実績を上げている『サイバーポリスゲーム』小学生版の枠組みを利用し、教師と保護者の教育がスムーズにできるように改変した教師保護者版の開発を実施している。

5H-2 (時間: 11:20 - 11:40)
Titleユーザ特性に着目したセキュリティ教育ゲームの設計分析
Author*新井 美音 (大阪大学/産業技術総合研究所), 矢内 直人 (パナソニックホールディングス株式会社), 猪俣 敦夫 (大阪大学), 花岡 悟一郎 (産業技術総合研究所)
Pagepp. 1087 - 1094
Keywordビデオゲーム, セキュリティ教育, ユーザ特性, 体系調査
Abstract近年, セキュリティ教育において, 学習者の理解を促進し興味を惹くための手法として, ビデオゲームの活用が注目されている. これまでに多くのセキュリティ教育用ビデオゲームが設計・研究されてきたが, 学術目的のゲームに関するユーザ特性に注目した分析は未だ行われていない. 本稿ではセキュリティ教育用ビデオゲームを収集し, ユーザ特性に関する観点から体系的に分析調査する. 分析を通して, 明らかにした知見は以下のとおりである. まず物語志向に関連した要素として, 殆どのゲームには既にユーザが体験した場面をスキップする機能が実装されておらず, 繰り返し体験するユーザにととってユーザビリティやモチベーションの低下につながる. 次に, 社会的志向に関連した要素として, ゲーム内における何らかのスコアをソーシャルネットワークサービス等に掲載できる機能があることで, 他のユーザとの比較や競争が容易にできる. また, 対象ユーザごとの傾向として, 小学生向けのゲームは視覚・聴覚的な演出を伴う美的志向に関連した要素を多い一方, 大人向けのゲームでは他者との関りなど社会的志向に関連した要素を重視する設計が多い. 最後に, 学術目的と産業目的それぞれの傾向として, 学術目的のゲームは教育効果の検証として物語志向を重視する一方, 産業目的のゲームは美的志向に注目する傾向がある. また, 今後の設計で検討すべき要素として, 一度体験した場面をスキップする機能および難易度を調整する機能, 他のユーザと交流する機能, 学習に関係のない遊び要素の存在を明らかにした.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5H-3 (時間: 11:40 - 12:00)
Titleハンズオンサイバー演習のためのブロックプログラミングを用いた演習環境構築システム
Author*城 明日香 (神戸大学), 毛利 公美 (近畿大学), 白石 善明 (神戸大学)
Pagepp. 1095 - 1104
KeywordOpenStack, ブロックプログラミング, 脆弱性, サイバーセキュリティ演習, Blockly
Abstractサイバー攻撃が増加傾向にある中で,サイバーセキュリティの強化がますます重要となっている. そこでセキュリティ人材育成のためにサイバー演習,特に大学授業や個人学習においてはLab work形式のハンズオン演習が実施されている. 既存のハンズオン演習のシステムは演習環境構築の負担を削減できるが,演習環境の構成の変更には専門的な知識や技術的作業が必要な場合が多い. 本研究の目的は,個人がハンズオン演習をするときに,複雑な作業を伴わずに演習環境を直感的に調整・構築できるようにすることである. そこで本研究では,ブロックプログラミングを用いた直感的なインターフェースを持つ演習環境構築システムを開発している. このシステムは,OpenStackを基盤としながら,ブロックのドラッグ\&ドロップで操作できるインターフェースを提供する. 本システムはイメージの事前準備は必要だが,作成後の環境構成は容易にカスタマイズ可能である. 評価の結果,従来のOpenStackダッシュボードやCLIに比べ操作数と時間を削減でき,個人PCでも実用的なリソース範囲に収まることを確認している.

5H-4 (時間: 12:00 - 12:20)
Title攻撃・防御の操作記録と再現による攻防反復型セキュリティ演習システムの開発
Author原田 翔貴, *竹原 一駿, 上 裕樹, 最所 圭三, 喜田 弘司 (香川大学)
Pagepp. 1105 - 1110
Keyword攻防戦型演習, 遠隔教育, サイバーセキュリティ, 仮想環境
Abstract近年のサイバー攻撃の高度化に伴い,セキュリティ技術者の育成が重要な課題となっており,育成方法の1つとして攻防戦型演習が注目されている. 従来の攻防戦型演習では,攻撃側と防御側のレベル差により学習効果が得られにくいという問題があった. 本研究では,学習者自身が過去に行った攻撃を再現し,それを防御するという演習を繰り返す自習形式の仮想マシンを用いたセキュリティ演習システム``STSSAD''を開発する. これにより学習者は,自身のレベルに応じた,攻撃や防御を乗り越える演習が可能である. 本システムは,演習中の攻撃・防御操作を記録し,その操作履歴からそれらを再現するスクリプトを自動生成する. 評価実験では被験者5名に対し,レベルの計測と本システムを用いた演習を行った. 計測結果と演習結果より,被験者のレベルに応じた演習を実施できることを確認した.


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セッション 6A  UBI統一テーマセッション
日時: 2025年6月26日(木) 14:20 - 15:40
部屋: 磐城
座長: 寺田 努 (神戸大学)

6A-1 (時間: 14:20 - 15:00)
Title(招待講演) 内的状態の定量的把握に向けた生体信号活用:実環境での評価と展望
Author*馮 晨 (芝浦工業大学)
Pagep. 1111
Abstractセンシング技術や情報環境の進化により、人間の内面状態を理解し、それを環境設計やインタラクションに活かすための基盤技術が求められている。しかし、感情や注意、集中といった内的状態は個人差や状況依存性が高く、不確実性を伴うため、従来の主観的手法だけではその変化を的確に捉えることは難しい。本講演では、脳波(EEG)および心拍変動(HRV)を用いて、異なる環境刺激下における内的状態の変化を定量的に把握する試みを紹介する。具体的には、認知課題における集中状態の変動と、静的な映像投影空間における情緒的反応という対照的な場面において、信号処理および指標設計の工夫とその分析結果を報告する。さらに今後の展望として、美術館での実践や多人数同時計測による体験共有の可能性についても論じる。

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
6A-2 (時間: 15:00 - 15:20)
Titleプロスポーツチームにおけるチケット販売最適化に向けた購買データモデリング手法
Author*�睫� 峻, 寺島 青, 田村 直樹, 庄子 和之, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院 工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科/名古屋大学 未来社会創造機構)
Pagepp. 1112 - 1119
Keywordデータモデリング, チケットデータ, 機械学習, プロスポーツ, 最適化
Abstract近年,オンラインチケット販売の普及に伴い,スポーツイベントにおける詳細な販売データが蓄積されつつある.これにより,試合ごとのチケット販売傾向をより構造的に分析し,戦略的な販売施策への活用が期待されている.従来の研究では,試合の曜日や天候,対戦相手などの外的要因に基づいて最終的な販売枚数を予測する手法が主流である.また,販売過程の時系列的な変化をモデル化する試みも一部存在してきた.しかし,販売されたチケットの内訳(価格帯や購入者層)に注目し,それらを考慮したデータモデリング手法は未だ十分に確立されていない.本研究では,スポーツイベントにおけるチケット販売傾向を捉える手法として,価格帯とファン層別の販売構成をもとに試合をベクトル空間に埋め込む「Game2Vec」を提案する.このモデルでは外的要因の情報を使っていないにも関わらず外的要因が反映されたモデル化結果となった.このように外的要因を用いず,販売データそのものから試合間の傾向を比較可能とする点に,本手法の特徴がある.さらに,初動販売と最終販売に基づく埋め込み結果を比較し,販売傾向の変化を分析した.加えて,初動ベクトルから近傍試合を用いて販売数を予測する手法を導入し,Game2Vecの予測手法としての可能性も示した.

6A-3 (時間: 15:20 - 15:40)
Title非独立同分布データに対する医用画像セグメンテーションのための連合学習手法の検討
Author*島野 凌, 須山 敬之 (大阪工業大学 大学院 情報科学研究科 情報科学専攻)
Pagepp. 1120 - 1130
Keyword連合学習, 非独立同分布, 医用画像, 画像処理, セグメンテーション
Abstract医療分野における画像診断AIでは,ディープラーニングを用いた手法が主流となっており,診断支援や治療計画の策定において高い精度を示している.一方で,大量の医療データを一箇所に集約することは,患者のプライバシー保護の観点から困難となるため,各施設で個別にモデルを学習し,更新されたモデルパラメータのみを集約して学習する「連合学習(Federated Learning; 以下FL)」が注目されている.しかし,FLでは,各クライアントのデータ分布が異なる非独立同分布(Non-IID)の状況下では学習が進みにくいことが知られている.本稿では,Non-IID環境下の医用画像セグメンテーションタスクに対し,Non-IID環境への耐性を改善する手法であるFedProxと,モデル更新差分の類似度に基づき高類似度ペアを同時選出から除外するSOFA(Similarity Oriented Federated Averaging)を適用・比較評価した.大腸ポリープ検出データセットを用いた実験の結果,SOFAはFedProxに対して高いIoU値を達成し,セグメンテーション精度においても優位性を示した.一方で,SOFAの性能は学習率や類似度閾値の設定に敏感であり,これらの最適化が今後の課題となることを確認した.


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セッション 6D  行動認識
日時: 2025年6月26日(木) 14:20 - 15:40
部屋: 今出
座長: 廣森 聡仁 (大阪大学)

6D-1 (時間: 14:20 - 14:40)
Title深層学習と状態推定手法を統合した動画データにおける関節位置の動的推定
Author*中村 佑輔, 鈴木 喬, 石川 太朗 (株式会社NTTドコモ)
Pagepp. 1131 - 1136
Keyword姿勢推定, 画像認識, 状態推定
Abstract近年,深層学習を用いた姿勢推定技術の発展により,画像や動画から高精度な関節位置や角度の推定が可能となっている. しかし,動画から姿勢を推定する手法において,フレーム間の動作の一貫性が欠け,運動学的に不自然な姿勢推定結果が生じることが課題として残っている. 本研究では,この問題を解決するために,深層学習による姿勢推定結果を運動学的制約を考慮した時系列補正手法と統合し,動的な関節位置推定の精度を向上させる. 具体的には,深層学習を用いた手指の3次元関節位置推定をパーティクルフィルタによる時系列補正と統合し,非線形な動作変化に適応する手法を提案する. また,関節間の長さや可動範囲を制約する運動学を導入し,生体力学的に妥当な姿勢推定を実現する. 評価実験では,大規模データセットを用いて従来手法との比較を行い,関節角度の推定精度の向上を確認した.

6D-2 (時間: 14:40 - 15:00)
Title大規模人流デジタルツインに基づく屋内移動計画支援システムの設計と開発
Author*矢野 敦大 (大阪大学大学院情報科学研究科), 天野 辰哉, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科/理化学研究所 計算科学センター)
Pagepp. 1137 - 1144
Keywordデジタルツイン, 屋内ナビゲーション, unity, LiDAR
Abstract近年,デジタルツイン技術の進展により,建物内の人流を高精度に再現・予測することが可能となり,屋内ナビゲーションシステムの高度化が期待されている.本研究では,3D LiDARセンサ群によって取得された屋内人流データを活用し,適応的なナビゲーションシステムを構築した.対象は大阪大学箕面キャンパスの建物とした.まず構造を3Dスキャンして仮想空間に再現した.そのうえで人物座標データをもとに仮想空間に人流を再現した.さらに混雑度やすれ違い量など5つの観点に基づいたコスト設計を行い,A*アルゴリズムによる経路探索機能を実装した.また,人流予測精度の向上に向けた試行として,XGBoost分類器を用いた終点ラベル推定の導入も検討しており,速度ベクトルによる従来手法と比較して,曲がり角などにおける予測誤差の低減が期待されることを確認した.アルゴリズムの処理時間は最大でも2.2秒程度であり,リアルタイム処理として実用的な性能が確認された.今後は終点予測の実装とNavMeshとの統合を進め,ARデバイスとの連携によるユーザ適応型ナビゲーションの実現を目指す.

6D-3 (時間: 15:00 - 15:20)
Title動作特徴の表現学習を活用したスマートフォンによる倉庫内作業認識
Author*渡邊 企章, 加納 一馬, Tahera Hossain, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学)
Pagepp. 1145 - 1152
Keyword行動認識, モバイルコンピューティング, IMU, 表現学習
Abstract近年,労働力不足が深刻化する物流業界では,現場を仮想空間に再現するデジタルツインの活用が注目されている.特に荷物や環境のデジタル化が進む一方で,作業者の行動のデジタル化は,現場への負担や環境変化への対応の難しさから依然として困難である.これに対し本研究では,広く普及するスマートフォンの加速度・角速度センサを用い,倉庫内作業を自動認識する深層学習モデルを提案する.本モデルは,数秒ごとに動作を抽出するCNNと,その系列から作業のコンテキストを捉えるTransformer Encoderから構成される.また,センサベースの行動認識において課題となる個人差や装着位置のばらつきによる汎化性能の低下に対応するため,CNNに対してSimCLRによる表現学習を導入し,ラベルなしデータから頑健な特徴を獲得する.その後,ラベル付きデータで後続層を訓練することで,特徴表現の汎化性を保ったまま作業分類を行う.実際の倉庫における10人計6時間分の正解データで交差検証による評価を行った結果,提案モデルは3種の作業(検品・仕分け・搬送)をF1スコア0.89で分類し,CNNの表現学習を行わない場合と比べ約7ポイントの改善が得られた.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
6D-4 (時間: 15:20 - 15:40)
Title拡散モデルを用いた個人特徴に基づく行動認識の個人適応
Author*長谷川 達人 (福井大学大学院), 坂井 俊介 (福井大学)
Pagepp. 1153 - 1160
Keyword行動認識, 拡散モデル, 個人適応
Abstract近年,拡散モデル(DDPM)は時系列合成においても高品質・高多様性を実現し,行動認識(HAR)におけるデータ拡張手法として注目されている.しかし,個人差の大きいウェアラブルIMU波形に対して,(i) 行動ラベルと個人特徴を同時に条件付けし,(ii) 行動ラベルが付与されていない個人波形を利用して外挿的に波形を生成できる枠組みは未確立であった.本研究では,事前学習済みの行動認識器 Mact と人物認識器 Mper から抽出した潜在表現 zact, zper を,dual AdaGN により2軸条件付けする拡散モデルを提案する.さらに Classifier-Free Guidance と Cross Conditioning を併用し,異なる情報源から得た zact, zper を組み合わせても崩れない生成を実現した.UniMiB SHARデータセットでの総合評価では,ベースラインとなる DDPM を大きく上回り,生成波形を拡張データとして用いた教師なし個人適応で +5.0% の精度向上(68% → 73%)を達成した.本手法を用いることで,行動ラベルの取得コストを抑えつつ,高精度かつ汎化的な HAR パーソナライゼーションを実現できる.


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セッション 6E  地域
日時: 2025年6月26日(木) 14:20 - 15:40
部屋: 阿武隈1
座長: 松木 萌 (富士通株式会社)

6E-1 (時間: 14:20 - 14:40)
Titleインフォーマルコミュニケーションを用いたシビックプライド顕在化プロセス
Author*山口 祐香, 佐藤 千尋, 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 1161 - 1166
Keywordシビックプライド, インフォーマルコミュニケーション, 地域, 都市政策
Abstract近年,都市政策において市民参加が不可欠なものとなっており,市民が都市に対してもつ誇りや愛着を指す「シビックプライド」の活用が期待されている.しかし,多くの市民は自身にシビックプライドと表現されるような意識を有していないと考えているため,自治体に働きかけられる市民は非常に少なく,シビックプライドを活用した施策は成功できていない. そこで本研究では,市民が地域に対して持っている多様な感情から,根底にある無意識のシビックプライドを顕在化させ,地域課題解決の糸口となることを目的とする.検証手法として,インフォーマルコミュニケーションを活用した茶話会を実施する.検証の結果,インフォーマルなコミュニケーションの場を設けることで,市民が持つ無意識下のシビックプライドを顕在化させるプロセスの有効性を確認できた.これにより,市民が主体的に地域の課題に向き合うきっかけを提供し,市民意識を活用した地域課題解決の可能性が示唆された.

優秀論文賞 / Paper Awards
6E-2 (時間: 14:40 - 15:00)
Title地域の運動・健康増進事例を活用した習慣化事業支援システム
Author*太田 賢 (宮城大学/仙台応用情報学研究振興財団)
Pagepp. 1167 - 1174
Keyword行動変容, 習慣化, 事例集, LLM, ヘルスプロモーション
Abstract全国の自治体や企業による運動・健康増進事業の事例集がウェブで公開されている.これらの実践知を事業の計画立案に活用できるが,体系的な整理や知識管理がされていないため,事例を探し読み込むには労力を要する.大規模言語モデル(LLM)を用いて事例を整理することで検索や活用を効率化できるものの,出力の正確性に課題があり,信頼性を確保するには人手による確認・修正が必要となる.本研究では,ヘルスプロモーションの設計・評価フレームワークであるPRECEED-PROCEEDモデルに基づき,事例を整理する習慣化事業支援システムを構築した.本システムは,複数のLLMを用いて事例文書から情報を抽出し,その出力結果を複数のLLM評価者が評価ルーブリックに基づきチェックし,レポートを提示することで,人手による確認作業の負担を軽減する.評価実験では,タグの誤分類やハルシネーションを検出できること,複数のLLM評価者を用いることでより多くの修正箇所を特定できることを確認した.さらに,事例を比較分析できるダッシュボードと対話型検索チャットボットを実装し,整理した事例知識を活用できる環境を実現した.

6E-3 (時間: 15:00 - 15:20)
Title地域の健康と食習慣を支援するプラットフォームの構築
Author*舛井 道晴 (宮城学院女子大学 現代ビジネス学部), 太田 賢 (宮城大学 事業構想学群)
Pagepp. 1175 - 1182
Keyword習慣化, コミュニティヘルス, デジタルヘルス, 地域連携
Abstract地域における肥満傾向の高止まりに対応するため,宮城県東松島市と連携し,子どもから高齢者までを対象とした健康的な食習慣の確立を支援するプラットフォームを構築した.PRECEDE–PROCEED モデルを理論枠組みとし,準備因子として児童と共同開発した食育教材やクイズ・カルタゲーム,実現因子として塩分チェックシートやイレブンチェックなどの自己診断ツール,強化因子として診断ツール結果の可視化やワークショップによる支援を組み込んだ.ワークショップに参加した児童と地域活動に参加した高齢者へのアンケートでは,利用頻度は限定的ながら食事への意識変容や減塩のための行動,診断結果を契機とした対話の促進が確認され,提案プラットフォームを通じた行動変容支援の可能性が示唆された.

6E-4 (時間: 15:20 - 15:40)
Title地域住民の互助活動におけるICT技術の役割とあり方 ―互助活動への伴走者からみた活動発足および継続へのICT技術の貢献―
Author*嶋 彩花, 橋本 遼, 深山 篤 (NTT社会情報研究所)
Pagepp. 1183 - 1188
Keywordモバイルアプリケーション, 互助活動
Abstract高齢化が急速に進行する我が国において高齢者ができる限り長く住み慣れた地域で快適に暮らすためには自助・共助・互助・公助が重要とされているが,都市部近郊では人間関係の希薄化により特に互助が困難である.厚労省はICT技術などを活用して互助を充実させていく必要があるとしているが,高齢者のICT技術の活用にも障壁がある.そんな中,千葉市幕張ベイ地区に,互助のための独自マッチングシステムを立ち上げ,ICT技術を活用しながら活動する互助団体がある.これまでに団体を運営するスタッフを対象にインタビューを実施し,ICT技術が団体の発足および持続にどのように貢献しているかを調査してきた.その結果,ICT技術を活用できるという自信が活動者に共通の成功体験として団体の発足を支えたことが示唆されたが,継続に対するICT技術特有の恩恵は得られなかった.本稿ではインタビュー調査の結果に加えて筆者らによる活動への伴走記録を加えることで,都市部の互助活動の継続を支えるICT技術のあり方について改めて論じる.


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セッション 6F  ネットワーク運用・管理
日時: 2025年6月26日(木) 14:20 - 15:40
部屋: 阿武隈2
座長: 山井 成良 (東京農工大学)

6F-1 (時間: 14:20 - 14:40)
Title自律システムのオペレーションを実践する環境 "AS DOJO" の設計と運用
Author*柏崎 礼生 (近畿大学情報学研究所)
Pagepp. 1189 - 1195
Keyword自律システム, EGP, BGP4, 運用技術, 教育
Abstractとある組織がより複雑なネットワーク利活用を実現しようとすると、その組織がグローバルな自律システム番号 (Autonomous System Number:ASN) を取得しBGP-4に代表されるゲートウェイ外経路制御プロトコル (Exterior Gateway Protocol: EGP) を運用する必要がある。たとえば学術情報ネットワークSINETにおいてBGPサービスを利用する場合「加入機関側に十分な運用経験をもった技術者が必要」「導入の際は慎重にご検討ください」とあるように、EGPの運用有識者が必要である。一方で経年とともにEGPの運用経験者は退役していき、インターネットサービスプロバイダなどでEGPの運用を経験したものが研究組織に所属するようになることは稀である。そこで著者らは将来的なネットワーク高度活用に資するネットワーク運用技術者を育成することを目的とし、実践的かつ実際的なEGP演習テストベッド``AS\_DOJO''の設計・実装および運用を行う。SINET6のL2VPN/VPLSを利用する広域分散プラットフォームDistcloudの上で物理ルータやソフトウェアルータを設置し、相互接続することにより各拠点はEGPを実際に利用することができる。本稿でこの取り組みを発表することで、より多くの参加者を募り、規模の拡大を目指す。

6F-2 (時間: 14:40 - 15:00)
Titleネットワーク機器におけるステートレスな制御のための処理を扱えるネットワーク検証
Author*森脇 遼太, 小谷 大祐, 岡部 寿男 (京都大学)
Pagepp. 1196 - 1203
Keywordネットワーク検証, ネットワーク運用, ネットワーク管理
Abstractネットワークを安定して運用するには様々な機能の間で整合性を保つ必要があるため難しい.ネットワーク検証はネットワークが管理者の意図通りに設定できていることを形式手法を用いて検証することで安定した運用を支援する技術である.Header Space Analysis(HSA)はネットワーク機器によるパケットの転送処理を関数で表すことで検証する手法だが,DHCP relayなどの新しいパケットを生成するような処理のモデル化は考えられていない.本研究ではこのような処理を含むステートレスなネットワーク制御処理をネットワーク機器における処理を表す関数 Processing Transfer Functionとして表現し,HSAでこれらの処理も考慮して検証できるようにする手法を提案する.ステートレスな処理とは,入力されたパケットやポート・機器の設定・プロトコルの仕様のみから決定されるパケット処理のことである.提案手法では,RFCに記述された仕様を基にProcessing Transfer Functionのひな型を作成し,このひな型に設定ファイルや機器についての情報を解析して得た値を代入することでProcessing Transfer Functionを構成する.

6F-3 (時間: 15:00 - 15:20)
TitleCompose仕様に基づくKubernetesアプリケーション開発環境の提案
Author*上野 優, 内海 哲哉 (富士通株式会社)
Pagepp. 1204 - 1210
KeywordKubernetes, Docker Compose, コンテナ, 構成管理
Abstract本稿では,リサーチャーとインフラエンジニアの明確な役割分担に基づく効率的なコンテナ管理基盤を提案する.Compose仕様を用いたKubernetesリソース管理により,リサーチャーはインフラの複雑さを意識せず研究開発に集中できる.マニフェスト自動変換機構と段階的な変換プロセスにより,インフラエンジニアは環境固有のポリシーを一元管理でき,各専門家が自分の専門領域に集中できる協業モデルを実現する.評価実験では基本的有効性を示す一方,Docker ComposeとKubernetesのアーキテクチャ差異による制約も明らかになった.


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セッション 6G  仮想現実・拡張現実
日時: 2025年6月26日(木) 14:20 - 15:40
部屋: 石陽
座長: 宮田 章裕 (日本大学)

6G-1 (時間: 14:20 - 14:40)
TitleVRを用いた仮性近視回復支援の試み
Author*市村 哲, 深代 絢花, 南野 遥香 (大妻女子大学社会情報学部情報デザイン専攻)
Pagepp. 1211 - 1216
KeywordVR, 視力, 近視, ゲーミフィケーション
Abstract近年,デジタルデバイスの長時間使用などにより,若年層を中心とした近視増加の問題が深刻化している.近視の原因として,特にスマートフォンやPCの画面を長時間注視しながら作業を行う「近業時間」の増加がある.たとえばスマートフォンやPCを使用した作業時の焦点距離は0.30〜0.45m程度と非常に短い.近業時間が長くなると眼のピント調節機構に過度な負担をかけるため,仮性近視や軸性近視の進行を招くおそれがある.一方,VRゴーグルは,使用時の焦点距離が1.7m 程度であり,スマートフォンやPC画面よりもかなり遠く,VRゴーグルを使用することで,眼は遠方視に近い状態となる.このVRゴーグルの焦点距離特性に着目し,遠方視を促すことで眼の筋肉(特に毛様体筋)の緊張を緩和し,仮性近視の改善に繋げられる可能性がある.本研究では,VRゴーグルの焦点距離特性とゲーミフィケーションの仕組みを活用することをベースとした,遠方視訓練や遠近体操による仮性近視回復を楽しみながらできる機能と,手軽に視力検査ができる機能を併せ持ったVRシステムを構築した.

6G-2 (時間: 14:40 - 15:00)
Title仮想相談室実現にあたっての環境設計の必要性と意義について
Author*斉藤 典明 (東京通信大学 情報マネジメント学部), 渡部 真子 (東京通信大学 人間福祉学部)
Pagepp. 1217 - 1222
Keywordコラボレーション, 仮想空間, メタバース, 協働学習空間
Abstract大学教育において「少人数から多人数,グループ学習や成果発表など多様な学習活動に対応可能な空間」さらに「『見る』『見られる』という空間の中で,熱心に学習している姿が他の学生の学習意欲を刺激し,周辺の指導・教育効果の発言が期待できる」空間としてラーニングコモンズの設置が重要とされている.しかしながら,キャンパスを持たないオンライン大学では,ラーニングコモンズの実現そのものが課題となる.そこで,このような課題に対して,コロナ禍以降再確認された技術であるメタバースを用いることでラーニングコモンズを実現するアプローチを模索してきた.本論文ではラーニングコモンズ実現に先立って,学内で発生する個別の対話シーンにおいてメタバースの適応の実現性について検討してきた.今回,実現例としてメタバース上の協働学修空間について設計および考察したので報告する.

6G-3 (時間: 15:00 - 15:20)
TitleVR空間デザインがグループディスカッションの発言行動に与える影響
Author*芦原 千乃, 中村 亮太 (武蔵野大学)
Pagepp. 1223 - 1228
Keywordマルチメディアシステム, グループウェア, 電子会議, 遠隔教育, WebXR
Abstract本研究では、VR空間の環境的特徴が参加者の議論行動に与える影響を探索的に検証した。16名の被験者が閉鎖的なConference Roomと開放的なParkを用いたグループ議論を実施し、発言量、意味的類似度に基づく議論展開パターン、移動行動、主観的集中度を測定した。Parkでは、発言量の増加と話題転換頻度の上昇が確認され、議論の収散性が高かった。一方、Conference Roomでは発言量は抑制されたものの、一貫性ある議論展開と収束傾向が顕著に表れた。また、主観的集中度の自己報告はConference Roomで高水準を維持し、Parkではばらつきが大きい傾向だった。これらの結果は、Gibsonのアフォーダンス理論とSwellerの認知的負荷理論の視点から解釈でき、VR空間が「知覚的アフォーダンス」「認知的負荷調整」「社会的規範の活性化」の三つの経路を介して議論を促進する可能性を示唆する。今後は、オンライン会議システムへの動的空間切り替え機能の実装や視線追跡・生理指標の計測を含む多角的評価を行い、再現性と一般化可能性を高めることで、具体的なVR空間デザインガイドラインの確立を目指す。

6G-4 (時間: 15:20 - 15:40)
Title地震対策促進のためのARを用いた家具挙動比較システムの提案
Author*山中 永遠 (和歌山大学大学院 システム工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学 システム工学部)
Pagepp. 1229 - 1236
KeywordAR, 防災, 地震対策, アプリケーション
Abstract近年の地震における怪我の原因のうち,約 4 割が家具類の転倒・落下・移動によるものであった.また,家具の転倒が原因による火災の恐れや,避難経路を塞いでしまう恐れがある.そのため,家具類の転倒防止対策が必要であるが,実際には十分な対策を取っていない住民も一部に見られる.その背景には,「転倒しても大きな危険はないと思っている」「大地震の際には効果がないと感じている」などの認識があるとされ,地震対策の必要性や地震対策器具の有効性が十分に認識されていない場合がある.また,近年AR が自由に持ち運べる手軽さや,自宅や学校といった身近な場所を背景にすることができるため災害を自分事として捉えやすい点から,防災分野でも活用されている.そこで本研究では,地震に対する危機感を高め,地震対策を促進させるシステムを開発した.本システムは AR を用いて地震映像を視聴し,地震対策の有無で被害を比較することで,地震対策器具の効果を実感させることを目指す.本稿では,開発システムの概要と評価実験について述べる.


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セッション 6H  セキュリティ・心理
日時: 2025年6月26日(木) 14:20 - 15:40
部屋: 月見亭
座長: 須賀 祐治 (IIJ)

6H-1 (時間: 14:20 - 14:40)
Title投稿者の専門性と所属コミュニティを考慮したWeb投稿真偽判断のための信頼モデルと根拠収集方式
Author*宮本 亮, 角田 忠信 (富士通), 阿部 涼介, 松倉 隆一 (慶應義塾大学), 佐藤 出 (富士通), 鈴木 茂哉, 中村 修 (慶應義塾大学)
Pagepp. 1237 - 1242
Keyword信頼モデル, フェイクニュース対策, トラスト, Trusted Web, 偽情報検知
AbstractWebの真偽不明な投稿の拡散により,社会的な混乱・悪影響が及ぼされる可能性があることから,Webの閲覧者が投稿の真偽を判断できるようにすることは重要な社会課題である.投稿者が投稿に関する専門性を持つとき,一般的には,その投稿内容は信用できると認識され,そのような専門性が投稿者の所属コミュニティに関連している傾向がある.本稿ではそれらに着目し,投稿者の専門性と所属コミュニティを考慮することで,Web投稿がどのようにして信頼に足るものと判断できるかの信頼モデル,および,本モデルにおけるWeb投稿真偽判断のための根拠収集方式を提案する.本稿では提案手法を実装し,Web投稿の事例を用いた実験を行った結果についても述べる.

優秀論文賞 / Paper Awards
6H-2 (時間: 14:40 - 15:00)
Titleデジタル証明書における当人認証に用いる鍵を交換可能な識別子と鍵の管理スキーム
Author*曽我 悠真 (慶應義塾大学 環境情報学部), 阿部 涼介, 鈴木 茂哉 (慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科)
Pagepp. 1243 - 1251
Keywordデジタル証明書, ユーザビリティ, データセキュリティ, 暗号・署名, データアーキテクチャ
Abstract本稿では,デジタル証明書において,当人認証に用いる秘密鍵をデジタル証明書の再発行なしに交換可能にするスキームを提案する.デジタル証明書は,あるエンティティに関する証明書発行者の主張を表現したデータであり,発行後,データが書き換えられてないことを検証できる.証明書のユースケースには,「証明書の提示者が証明書の示す主張の対象であるか」を確認する当人認証を要する場合がある.これには,公開鍵暗号が用いられるが,これまで,証明書の主張の対象が端末の買い替えなどにより当人認証に用いる秘密鍵を交換する必要が生じた場合,証明書の再発行が必要であった.しかし,証明書の再発行には,証明書の発行者のポリシーに合わせて,個別に再発行を要求する必要がある.具体的には,証明書の再発行に必要な情報は証明書の発行者ごとに異なり,加えて様々な証明書を単一のウォレットで管理する想定を踏まえると,課題が残る.本稿では,証明書の再発行を要さずに認証に用いる秘密鍵を交換可能にするスキームを提案する.具体的な手段として,Public Key Registry (PKR) を 導入し,当人認証で検証者が行う証明書の示す主張の対象の「識別」と「認証」の手段を分離することで実現する.また,Ethereum上のスマートコントラクトを用いたPKRのプロトタイプ実装も示す.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
6H-3 (時間: 15:00 - 15:20)
Title数拳ビンゴ
Author*猪狩 紫雲, 駒野 雄一 (千葉工業大学), 水木 敬明 (東北大学)
Pagepp. 1252 - 1260
Keyword数拳, ビンゴ, カードベース暗号
Abstractビンゴゲームは、5×5のマスに数字が配置されたビンゴカードと、1から75までの整数を一つずつランダムな順番で選び出すビンゴマシンを用いて、縦横斜めのいずれかの列に穴を揃えて‘ビンゴ’と宣言する早さを競うゲームである。本稿では、ビンゴマシンは用いず、プレーヤーのそれぞれが宣言した数を利用してビンゴゲームを進行する“数拳ビンゴ”を提案する。数拳ビンゴには様々なバリエーションが考えられ、ビンゴカードやプレイヤーに関する変数を変えることでゲーム性が大きく変化する。さらに、数拳ビンゴにおけるプレーヤーごとの盤面の情報と宣言する数を秘匿して、ゲームの戦術的な駆け引きの要素を高めた“秘匿数拳ビンゴ”も提案し、提案する具体的な方式の安全性と効率を評価する。



2025年6月27日(金)

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セッション 7A  IOT統一テーマセッション
日時: 2025年6月27日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 磐城
座長: 柏崎 礼生 (近畿大学)

7A-1 (時間: 8:30 - 9:10)
Title(招待講演) なめらかなシステムと運用維持の終わらぬ未来
Author*三宅 悠介, 栗林 健太郎 (GMOペパボ株式会社)
Pagep. 1261
Abstract古典ギリシャ時代のアリストテレスから現代のAIエージェントに至るまで,システムの目的=τέλοςは終局的な不変の目標として,固定的にとらえられてきた.一方で,そもそも利用者が自身の目的を,システム利用に先立って明確に知覚しているとは限らない.このことは,情報システムが担う目的も,利用者との関係のなかで立ち現れ,継続的なコミュニケーションを通じて事後的に形成されることを示唆している.さらに,この前提のもとでは,情報システムは目的への到達を,可変な手段を用いた探索的な過程として捉える必要がある.しかしながら,利用者に固有の選好や環境,時間的変化が複雑に絡み合う中で,目的と手段の関係も都度変化し,それらを逐一明示することは現実的でなく,あらかじめ定められた手順では対応が困難となる.我々は,このような利用や運用に関わる障壁が取り除かれた未来のシステム,すなわち「なめらかなシステム」を目指している.これは,利用者と情報システムとが定まりえぬ終局の目的に向けて,共に行為する主体として連帯を形成する関係のなかで,コンテキストが暗黙的に見出され,それに応じて目的や手段が都度生成され,振る舞いが適応的に導かれるような関係性を支えるシステムである.本講演では,このシステム観に基づく運用技術の新たな形態を,当社のWebサービス領域における部分研究とあわせて提示する.


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セッション 7B  行動変容(2)
日時: 2025年6月27日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 北須1
座長: 松木 萌 (富士通株式会社)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
7B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
Title観光スポットと移動手段の混雑緩和と満足度向上を両立するための多目的最適化アルゴリズムによる行動変容手法
Author*小山 穂菜美 (奈良先端科学技術大学院大学), 安本 慶一, 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所)
Pagepp. 1262 - 1270
Keyword行動変容, 多目的最適化, ナビゲーション, オーバーツーリズム
Abstract地ではオーバーツーリズムが深刻な社会問題となってい る。観光地における過度な混雑や交通渋滞は、地元住民の 生活環境の悪化(騒音、交通渋滞、混雑した公共交通機関 など)に加え、観光客自身の体験満足度も大きく損なわれ るケースが目立ってきている。実際、2024 年の訪日外国人 客数は過去最高を上回る勢いで推移しており、今後さらに 混雑の激化が予想される。このような背景のもと、持続可 能で快適な観光体験の提供は早急に対応すべき課題となっ ている。 こうした課題を解決するため、本研究では混雑度の緩和 と観光客の満足度向上を両立させることを目的としたナ ビゲーション手法を提案する。現在広く使われているよう な、ある地点から目的地までの2 点間ルートの最適化とは 異なり、本研究では観光客の一日全体の行動計画(訪問先 と移動手段の系列)を対象に、混雑度と満足度のバランス を考慮して最適化を行う点に特徴がある。ユーザはあらか じめ「訪問したい場所」や「利用したい移動手段」の希望 を入力し、それに対して、システムがナッジ理論を活用し て、満足度・混雑度スコアを提示することで、ユーザ自身 の価値観に応じた納得感のある意思決定を促す。このよう にして、観光地全体としての混雑の集中を緩和しつつ、観 光客一人ひとりの体験価値を最大化することを目指す。 提案手法では、徒歩・バス・電車・自転車などの複数の 交通手段(マルチモーダル)と訪問先候補(PoI)を組み 合わせて、多目的最適化問題として行動計画を定式化す る。特に、「どこへ行くか」「どう移動するか」の2 軸を同 時に最適化の対象とすることで、現実的かつ柔軟な提案が可能となる。訪問順序・交通手段の選択・移動時間・混 雑推定・ユーザの嗜好(混雑耐性、流行感度、費用意識な ど)を反映した設計となっており、最適化にはNSGA-II (Non-dominated Sorting Genetic Algorithm II)を用いて パレート最適解集合を探索する。これにより、満足度と混 雑度のバランスが異なる複数の選択肢を提示し、個人の価 値観や地域の特性に応じた柔軟な行動誘導を実現する。 現在は、京都市岡崎エリアを対象にPoI と交通手段を限 定した疑似データセットを構築し、最適化アルゴリズム の実装と検証を進めている段階である。今後は、ナビゲー ションを提示するためのユーザインタフェースを含めたフ ロントエンドの開発を行い、実際の観光地でユーザ実験を 実施することで、提案システムの行動変容促進効果や混雑 緩和・満足度向上への寄与を評価していく予定である。ま た、実地運用を見据えて、地域ごとの混雑傾向や観光資源 との統合、フィードバックループによる再最適化なども今 後の課題として検討する。

優秀論文賞 / Paper Awards
7B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
Titleモバイルヘルスアプリにおけるユーザ特性把握のための質問数が技術受容に与える影響
Author*佐野 大河, �盒� 公海, 井上 孝史, 片桐 有理佳 (NTT社会情報研究所)
Pagepp. 1271 - 1281
Keywordヘルスケア, 行動変容, モバイルヘルス, ユビキタスコンピューティング, 技術受容
Abstractモバイルヘルスアプリ(mHealth)は生活習慣病の予防などを目的として、ユーザが持つモバイル端末を通じた日常生活中での継続的な行動変容支援を可能とする. mHelathアプリの特徴の一つはパーソナライズされた介入の提供であり,そのためのユーザ特性取得(ユーザプロファイリング)方法としてはセンサ情報を用いた暗黙的な手法とユーザへの質問を通じた明示的な手法に分類される. 従来研究ではモバイル端末が持つセンシング能力を生かして入力の手間が少ない暗黙的手法を中心に議論されており,明示的手法は利用開始初期のコールドスタート問題の解決やセンサからの取得が難しい情報の取得として補助的に用いられてきた. 明示的手法ではユーザとアプリ間のインタラクションを伴うため,その中で関係性を構築し技術受容や行動変容を高める可能性が秘められている. しかしながら,その点についてはこれまで十分に議論されてこなかった. そこで本研究では,明示的プロファイリングのインタラクション設計に着目し,設計要素の一つである質問数を動的に調整するアルゴリズムを導入することで,質問数の削減がユーザの技術受容および行動変容に及ぼす影響を検証する。

7B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
TitleBody Water Battery : 目標水分量摂取補助システム
Author菅原 拓人, *粂 汰燈, 木村 正子, Guillaume Lopez (青山学院大学)
Pagepp. 1282 - 1287
Keywordウェアラブル, 水分補給
Abstract近年,水を飲むことが健康に良いと認識している人は増加傾向にある.しかし,オフィスワーカーの約9割の人が一日で1.0L以下しか摂取しておらず,水分不足の状態にある.そこで,本論文では継続的に水分補給の意識を持ち,一日の適した水分量を補給することを目的とし,ユーザに自分の水分量をフィードバックすることで目標の水分量を摂取することを補助するシステム「Body Water Battery」(BWB)を提案する.また,提案システムがユーザに対して設定した目標量に近い量飲ませることが可能であるかを評価する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
TitleChewker ネックレス型食習慣改善システム
Author大久保 紗恵, *佐藤 ゆきの, 木村 正子, Guillaume Lopez (青山学院大学)
Pagepp. 1288 - 1295
Keywordウェアラブル, 食習慣
Abstract本研究では, 食事行動の定量化によって食事中の行動への意識改善を行うための, 自然な食事環境下でリアルタイムに食事行動を検出し, その食事行動に基づいたフィードバックを行うシステム(Chewker)を開発した.Chewkerは慣性センサ, ピエゾフィルム, 超音波センサが搭載されたネックレス型デバイス, およびスマートフォンのマイクの4つを用いてリアルタイムで摂食・咀嚼・嚥下・発話の4種類の食事行動を検出する. フィードバックは、音楽を用いたリアルタイムフィードバックとスマートフォンを用いた食事後のフィードバックの二種類がある. Chewker の食事行動検出精度の評価実験を行った結果,咀嚼のF1値は0.84,摂食は0.83と高い精度が確認された一方で, 嚥下は0.64と他の行動より精度が低く, 咀嚼との誤検出が課題として挙げられた. Chewker の有用性をリアルタイムフィードバックの側面から検証するために, Chewkerのフィードバック機能ありとなしのそれぞれの状態で同じお弁当を日にちを変えて合計2回食べる評価実験を行った.結果, Chewker の利用により, 総食事時間, 総咀嚼回数・嚥下間の咀嚼回数, 咀嚼ペースの数値の上昇が確認できた.

7B-5 (時間: 9:50 - 10:10)
Title運動習慣化アプリケーションにおけるパーソナライズ介入効果
Author*早川 昭二, 白石 壮大, 増田 裕太, 山本 達也, 上村 拓也 (富士通株式会社/富士通研究所)
Pagepp. 1296 - 1300
Keyword運動習慣化, 介入制御, 個人特性, 実証実験, 実施率
Abstract個人特性と複数の介入に対する嗜好に関する調査から得られた関係性をPLS-SEMでモデル化し、パーソナライズ介入制御の効果を実証した。253名の参加者が自主的な計画によって運動実施状況を記録するWebアプリケーションを継続的に使ってもらうための介入表現を選択・提示することで、画一的なメッセージによる介入表現よりも運動習慣が継続する効果を実験により確認した。


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セッション 7D  インタラクティブシステム
日時: 2025年6月27日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 今出
座長: 義久 智樹 (滋賀大学)

7D-1 (時間: 8:30 - 8:50)
Title話題進行管理とともに即時・的確な応答が可能なマルチモーダル対話システムの検討
Author*横山 怜汰, 中辻 真, 野本 済央, 石井 亮, 永徳 真一郎, 松尾 翔平, 大塚 淳史, 松尾 和哉, 西條 涼平, 松本 朱加, 佐藤 吉秀 (日本電信電話株式会社 NTT人間情報研究所)
Pagepp. 1301 - 1308
Keyword対話システム, マルチモーダル対話, インタラクション
Abstract近年,人の外面から内面まであらゆる部分を再現する,デジタルヒューマンの技術が注目されてきている.我々はデジタルヒューマンが接客等の人と接する場面で,機械的対話ではなく人らしい自然な対話を行うことを目指しマルチモーダル対話システムの方式検討とその実装を行った.(1)LLMの言語処理性能を保ちながら,相槌や,ユーザ割り込み時の発話中断のような即時の応答も行う,(2)対話文脈と整合するインタラクティブな身体動作を出力する,(3)想定シナリオに対する進捗を把握し話題進行を管理ながら適切に対話を行う,という従来システムで実現できなかった課題の解決に向けて,非同期的に応答を生成する3つの層を基本構造にもつ対話システムを提案する.実装したシステムとの対話では提案手法の基本構造に基づく応答が意図通り出力されることが示唆された.

7D-2 (時間: 8:50 - 9:10)
Titleコトコロ:言葉を作る新しいサイコロ型ゲームの開発
Author*溝渕 彩久良, 馬場 虎太朗 (神奈川工科大学大学院 工学研究科 情報工学専攻), 鈴木 浩 (神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科)
Pagepp. 1309 - 1314
Keyword認知症予防, NFCタグ, eスポーツ
Abstract本研究では,高齢者の認知機能維持・向上を目的とし,語彙想起や意味理解を促進する新しい言語系サイコロゲーム「コトコロ」を提案する.コトコロは,3つのサイコロ型ユーザインタフェース(UI)を用いて,提示されたイラストに対応する3文字の言葉を素早く構成する対戦型ゲームである.各サイコロの面にはひらがなが1文字ずつ表示され,内部にNFCタグを搭載することで,面の向きを自動検出する物理UIとして機能する.本システムは,既存の計算系ゲーム「サンコロビンゴ」で用いられていたハードウェア構成を再利用しつつ,言語的要素に焦点を当てた新たなコンテンツとして設計されている.11名の高齢者を対象とした予備的な評価実験では,「語彙力の訓練効果」や「集中力を要するゲーム性」などにおいて高い評価を得た.本研究の成果は,計算課題に抵抗感を持つ高齢者にも適応可能な認知トレーニング手法の一つとして,また今後の多様な応用展開に向けた基盤的知見として意義を持つものである.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7D-3 (時間: 9:10 - 9:30)
Title平面的イラストをインタラクティブに立体視映像化する手法の提案
Author*片山 あず美, 水野 慎士 (愛知工業大学)
Pagepp. 1315 - 1320
Keywordイラスト, CG, 立体視, インタラクション
Abstract本研究では,描いたイラストをその場でインタラクティブに立体的映像化する手法の提案とシステムの開発を行った.このシステムでは,ペン型デバイスを用いてテーブル上でイラストオブジェクトを描くと,そのオブジェクトがテーブル上に立ち上がっているように立体的に観察できる.二次元LiDARによるペン型デバイスの追跡,ペン先の移動軌跡の可視化とイラストオブジェクトに基づくテクスチャ付き四角形面の生成,アナモルフォーシスの原理および視点追跡に基づく運動視差立体視,などの手法を組み合わせることでシステムを実現した.システムを実装してイラスト描画の実験を行った結果,テーブル上に描いたイラストがテーブルから剥がれて現実空間に登場するような感覚が得られることを確認した.

7D-4 (時間: 9:30 - 9:50)
Title大規模言語モデルを用いたビジュアルプログラミングにおける音声対話シナリオ編集手法
Author*高橋 美来, 梶岡 慎輔, 山本 大介 (名古屋工業大学)
Pagepp. 1321 - 1329
KeywordLLM, ビジュアルプログラミング
Abstract近年,ChatGPT,Google Gemini をはじめとする大規模言語モデル(LLM) が普及しており, また,ユーザが簡単にコンテンツを生成する方法として, Google Blockly を用いた編集システムが挙げられる.本研究室では, 音声インタラクションシステム構築ツールキットMMDAgent を用いた研究を進めている.MMDAgent は, FST(有限状態遷移) 形式の対話シナリオを編集することで, ユーザが対話内容を自由に構成できる. この対話作成をより手軽に行う研究として, 古市らはGoogle Blockly を用いた音声対話シナリオ編集手法を開発している. 本研究では, 先行研究を発展させ, LLM とGoogle Blockly を組み合わせることで, より手軽で多様な対話シナリオの作成を可能とする音声対話シナリオ編集システムを提案する. この提案手法に基づくプロトタイプシステムの開発を行い,提案手法の有効性について実験を行った.実験では,指定した対話シナリオを作成してもらい,アンケートを実施した. その結果,提案手法による有効性,ユーザビリティの向上が認められた.

7D-5 (時間: 9:50 - 10:10)
Title画像処理による身体動作検出に基づく仮想空間移動システムの検討
Author*坂野 雄一 (東京電機大学/システムデザイン工学研究科), 阿倍 博信 (東京電機大学/システムデザイン工学部)
Pagepp. 1330 - 1333
Keyword仮想空間, 移動, 足踏み, MediaPipe
Abstract市販されているVRHMD機器の多くは,ゴーグルと両手のコントローラによる3点トラッキングが採用されている.仮想空間上での移動は基本的にコントローラのジョイスティックなどが用いられるが,頭部や手の動きが現実空間と連動しているのに対し,足の動きは現実空間との乖離が発生していると考えられる.そこで,本論文ではユーザの足の動きと連動させることで没入感を高めることができると考え,カメラによる入力から画像処理によって足踏みを検出するシステムを構築し,精度の評価をおこなった.


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セッション 7E  検出&追跡
日時: 2025年6月27日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 阿武隈1
座長: 松元 崇裕 (NTT人間情報研究所)

7E-1 (時間: 8:30 - 8:50)
TitleMRデバイスの空間認識機能とWebカメラを用いた 3 次元空間におけるリアルタイム人物追従手法の検討
Author*村上 健弥, 齊藤 義仰 (岩手県立大学)
Pagepp. 1334 - 1341
Keyword人物追従, Mixed Reality, YOLO
Abstract人物に特化した位置追従は様々な用途で利用されるようになっている.この人物の位置追従の結果を出力する方法として,YOLOのように画像内に描画する方法と現実空間やメタバース空間のような3次元空間上に投影するものが挙げられる.3次元空間上に人物追従の結果を投影させるには,検出した人物の深度情報を取得する必要がある.深度情報を取得する手法として,三角測量法に基づいたものとToFが挙げられる.これらは深度情報を取得する代表的な手法だが,取得できる深度情報の精度やカメラの導入コストなどの面においてそれぞれ課題が見られる.これらの課題を軽減するために,本稿ではMRデバイスのToFカメラと2台のWebカメラを用いた3次元空間におけるリアルタイム人物追従システムの構築を行う.MRデバイスに搭載されているToFカメラを有効に活用することで,精度面とコスト面を考慮したシステムを実現することが期待できる.本システムの有効性を検証するために,三角測量法に基づいた深度情報のみを反映するシステムも実装し評価実験を行った.結果として三角測量の深度情報のみを利用するよりも精度を向上できたが,改善の余地があることを確認できた.今後は,複数の人物を追従できるように改良していく必要がある.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7E-2 (時間: 8:50 - 9:10)
TitleKeypointに基づくミツバチの行動定量化手法の提案
Author*永井 優多 (静岡大学情報学部), 宮崎 亮 (産業技術総合研究所), 野村 祐一郎 (静岡大学学術院情報学領域), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/静岡大学グリーン科学技術研究所)
Pagepp. 1342 - 1349
Keywordトラッキング, 動画像処理, 行動認識, 機械学習
Abstract昨今の環境問題・SDGs意識の高まりを背景として,サトウキビの代替品としてのハチミツの利用価値が高まっており,それに伴う養蜂などの需要が増加している.しかしながら,巣箱の中で起こっている事象などミツバチの生体については未だブラックボックス状態である点が多い.本研究は,Keypointの検出技術を社会性昆虫に用いることで,その特異な行動の追跡や個体識別の実現を目的とする.本稿ではミツバチを対象とし,CNNから得られた Keypointの集まりから個体の構成・追跡・行動分析を行った.個体の構成には DeepLabCut・YOLO(You Only Look Once)を用い,追跡手法ではSORT(Simple Online and Realtime Tracking)を参考にしたカルマンフィルタ及び,OKSの計算結果を用いた手法を考案した.結果として各個体のKeypointが事前学習の正解データと同等に誤り無く構成されている場合では,追跡可能なフレーム数が既存手法であるSORT・DeepSORTを上回わることを確認した.さらに,個体ごとに定量的な行動を巣穴の状態と結びつけ,各種の行動認識・個体追跡ができることを確認した.

7E-3 (時間: 9:10 - 9:30)
Titleスマート養豚のためのAIおよび画像処理による活動量測定手法の実装評価
Author*土取 嵩, 佐藤 証 (電気通信大学 佐藤研究室)
Pagepp. 1350 - 1354
Keywordスマート養豚, IoT, 画像処理, AI, センサ
Abstract豚房内で多頭飼育される肥育豚の健康状態を把握するため,カメラ映像(解像度2,688×1,944,フレームレート5fps)からAIおよび画像処理を用いて活動量を測定する手法を提案し,性能実装評価を行った.AIは物体検出モデルYOLOv8を用い,各豚が映っているエリアを調べてその重心の移動をトレースし,画面上でのその距離を5分毎に集計した.また,画像処理はフレーム間差分を求めて,変化した画素の数を同じく5分間積算した.異なる量を測定しているものの,両者のグラフ形状は非常によく一致しており,同じ活動量の指標として使用できることが分かった.また,養豚場にエッジサーバとして設置するマイコンボードRaspberry Pi上での実装において,1フレームの処理にAIは約10秒を要してしまい,リアルタイム処理はできなかった.それに対して差分画像処理は,0.1秒以下と約100の速度が示された.1~10本の動画の差分画像による並列処理では89~683msを要し,10台のカメラ接続時には1.5fps程度となった.しかし,フレームレートを5fpから1fpに落としても活動量のグラフはほぼ同じ形が保たれたため,複数映像も問題なくリアルタイム処理可能なことが示された.

7E-4 (時間: 9:30 - 9:50)
Title物体検出を用いたイチゴ優良株自動選抜手法の検討
Author*栗田 和明 (静岡大学大学院総合科学技術研究科情報学専攻), 浅野 雄大, 望月 達史 (静岡県農林技術研究所), 野村 祐一郎 (静岡大学学術院情報学領域), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/グリーン科学技術研究所)
Pagepp. 1355 - 1362
Keyword人工知能, スマート農業, 画像処理, 物体検出
Abstractイチゴの育種現場では,膨大な数の株群から優良株を選抜する作業が必要とされ,従来は熟練者の経験に基づいた目視選抜が行われてきた.しかし,この方法は主観性や人的要因の影響を受けやすく,選抜の一貫性を欠く可能性がある.そこで本研究では,物体検出モデルYOLOv8を用いて育苗トレイ内の株を個別に検出・認識し,葉領域の面積に基づいて自動的に優良株を選抜する手法を開発した.提案手法の選抜結果と熟練者の選抜結果を用いてROC-AUC値による評価を行ったところ,先行研究に対して0.025ポイントの精度向上が確認され,より熟練者の判断に近い選抜が可能であることが示された.さらに,提案手法の有効性を検証するために育種者による選抜株と提案手法による選抜株を成長させる実証実験を行い,提案手法による機械選抜が熟練者の判断を補完する有効な支援手段となり得る可能性を示した.


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セッション 7F  ネットワーク
日時: 2025年6月27日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 阿武隈2
座長: 岡部 寿男 (京都大学)

7F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
Title無線ネットワークを対象とした複数通信経路推定に関する研究
Author*塩崎 慶子 (創価大学), 清原 良三 (神奈川工科大学), 寺島 美昭 (創価大学)
Pagepp. 1363 - 1369
Keyword通信経路推定, 時系列データ, 変化点検知, アドホックネットワーク
Abstract近年ではアドホックネットワークを用いた農作物や環境のデータ収集または分析をおこなう農業 Iotの導入が期待されているが,導入にあたり誰もが簡単に通信不具合や端末管理をおこなえる必要がある.そこで各端末から得られる送受信量と時刻から作成される送受信量時系列データを用いたブラックボックス解析による,利用者と通信プロトコルに依存しない汎用的な通信経路推定手法を提案する. 本研究では通信経路が重なる,通信の合流に注目し各通信経路の推定をおこなう.複数の通信経路を推定するにあたり,一端末には複数の通信情報や無線通信固有の雑音などの混在情報により,通信情報の分離やアドホックネットワークの特徴を活かした送受信量時系列データの類似性を使用した経路推定が難しい.そこで,異常検知に使用される変化点検知から得られる通信の特徴量と,通信状況または通信距離に伴う通信量の増減に注目した方法を用いて複数 通信経路を推定するアルゴリズムを提案する.通信経路が合流するツリー型の静的通信トポロジーを用いて,ネットワークシミュレータから検証を行い 84 %の推定精度をを確認した.

7F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
Title車車間ネットワーク通信性能に対する車両密度の影響評価に関する研究
Author*池田 至宝, 寺島 美昭 (創価大学)
Pagepp. 1370 - 1376
Keyword混雑, 車車間通信
Abstract自動運転や高度交通道路システム(ITS)の実現において,車両同士が直接通信を行う車車間通信(V2V通信)は,信号機や基地局などのインフラに依存せずに情報共有が可能な技術として重要である.しかし,動的トポロジーである車車間通信において,混雑等の車両周辺の環境の変化が通信途絶の原因であることが課題である.車車間通信の導入にあたり,実際の交通環境を反映した混雑が通信性能に与える影響の評価を行う必要がある.本研究では,東京都八王子市の交差点を対象に,交通シミュレータSUMOとネットワークシミュレータns-3を連携させた.そして時間帯別の交通量データを用いて現実的な交通流を再現し,時間帯ごとの通信性能を比較した.結果,本研究の対象地点では,混雑時と非混雑時の通信性能に大きな違いは確認されず,対象地点ではシミュレーション時間を長くする必要性があることが示唆された.本研究では時間帯ごとの交通密度の違いが通信性能に与える影響を評価する手法が確立されたため,他地域における評価が可能となる.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
7F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
Title連合学習を用いたネットワーク侵入検知システムにおける攻撃データ共有による精度向上手法の検討
Author*岡田 明日香, 川上 朋也, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1377 - 1384
Keyword連合学習, NIDS, HIKARI-2021, インバランス, データ共有
Abstract本研究では連合学習を用いたネットワーク侵入検知システム(NIDS)の精度を向上するため,クライアント間で攻撃データを共有する手法を提案する.ネットワーク技術の発展に伴ってサイバー攻撃の被害が近年拡大しており,NIDS が活用されている.機械学習ベースの NIDS においては学習データの量と質が精度に大きく影響する.しかし,小さな組織ではデータ量が足りずに十分な学習ができず,他の組織のデータを共有することは個人情報漏洩のリスクがある.また,複数のクライアントが個々に学習を行う連合学習ではデータのプライバシーが保たれるが,データを集約した学習(中央集約型学習)と比較して精度が低下する.提案手法ではこの連合学習における精度低下を抑制するため,攻撃データに関しては隠す必要がない特徴が大半であると考え,複数のクライアント間で共有する.提案手法は連合学習フレームワーク Flower と HIKARI-2021 データセットを用いて評価し,Accuracy, Recall, Precision, F1-score が中央集約型学習の精度に近づくことを確認した.

7F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
Titleネットワーク動作に注目した混雑検出手法の研究
Author*重田 美和, 寺島 美昭 (創価大学大学院 理工学研究科)
Pagepp. 1385 - 1390
Keyword経路探索, 混雑検出, スマートフォン, プローブ通信, シミュレーション
Abstract地震などの災害が発生したとき,被災者は安全かつ速やかな避難をするべきある.そのためには,災害発生前に危険であると明かされている場所だけでなく,被害や混雑が発生した場所も避けて避難することが重要である.我々は,被災地の被害や混雑をリアルタイムに反映した避難経路を導出する,避難経路導出アルゴリズムを開発している.避難経路導出アルゴリズムは,被災地の交差点や道路をグラフに対応させ,グラフに用いるコストを被災地の状況から算出することで最短経路問題として扱い,経路を探索することで避難経路を導出する.コストを構成する要素は,地理的データなどの静的な要素と時間や人に伴って変化する動的な要素がある.動的な要素は災害発生後に検出する必要があり,検出したデータの精度が算出するコストや導出する避難経路の精度に影響する.また,検出にかかる時間やコストが,避難経路導出の時間・コストに関わる.本稿では,動的な要素の1つである人の混雑を検出する,混雑検出手法に注目する.混雑検出手法では,スマートフォンとアクセスポイントの間で行うプローブ通信を解析し,アクセスポイントのエリア内のスマートフォンの端末台数を観測することで,エリア内の人の密度を推定する.推定した人の密度から,避難経路を導出するためのコストとして用いる,混雑を検出する.混雑検出手法を評価するため,シミュレーションで発生させた混雑を混雑検出手法を用いて検出する実験を行なった.本稿では単純な交通環境において,混雑検出手法で検出した混雑を用いた経路を探索によって,変化し続ける混雑の状況に応じた最短経路の導出が可能であることを確認した.

7F-5 (時間: 9:50 - 10:10)
Title時系列データに対するGANを用いた異常検知とプライバシ保護に関する分析と考察
Author*森 仁美 (お茶の水女子大学), 丸 千尋 (お茶の水女子大学/中央大学), 中野 美由紀 (津田塾大学/情報・システム研究機構), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1391 - 1397
Keyword異常検知, GAN, 時系列データ, プライバシ, ノイズ
Abstract異常検知の技術は,ネットワークの不正アクセス検知や医療診断など様々な分野において用いられ,盛んに研究が行われている.さらに,近年では,IoT機器などから集約したデータをクラウド上で扱うニーズも増加していることから,プライバシ保護されたデータに対する深層学習を用いた異常検知の需要が高まっていると言える.ここで,時系列データに含まれる異常は,その特徴に基づき5種類に分類されることが知られている.異常の種類によって異常検知精度が異なる可能性があるが,プライバシ保護の観点を考慮した性能評価は十分に行われていない.また,時系列データに対して保護を施す上では,各異常に有効な保護手法を検討する必要がある.そこで本稿では、プライバシを考慮した性能評価と保護手法の検討を行うべく,各異常の特徴が深層学習モデル,中でもGANを用いた異常検知に与える影響について詳細に分析を行った.


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セッション 7G  人流・群衆
日時: 2025年6月27日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 石陽
座長: 白石 陽 (はこだて未来大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
Title局所的歩行者流を追従する群衆内自律移動モビリティ
Author*木村 尚也 (神奈川工科大学), 矢田 悠人 (神奈川工科大学(現、コンチネンタル・オートモーティブ)), 小宮 聖司, 脇田 敏裕 (神奈川工科大学)
Pagepp. 1398 - 1405
Keyword移動ロボット, 自動運転, 歩行者流
Abstract近年,自律移動モビリティの社会実装に向けた研究が進められている.店内や歩道上といった走路が定まった障害物の少ない環境では自律移動モビリティの走行が既に実現されているが,交差点や駅構内など,多数の歩行者が行き交う群衆環境においては,依然として安全かつ効率的な走行を実現できていない.このような環境下において,歩行者は他者との衝突を避けつつ移動しており,その背景には,進行方向に応じて無意識的に流路(歩行者流)を構成するという特有の行動メカニズムが存在するとされる.本研究では,自律移動モビリティが周囲の歩行者の速度ベクトルに基づいて検出した歩行者流に追従する経路生成法を提案する.提案手法では,モビリティの前方領域に存在する歩行者の速度ベクトルをクラスタリングし,進行方向および速度の類似性に基づいて歩行者流を抽出したうえで,目的地と整合する歩行者流を選定し,その構成歩行者に追従することで走行経路を生成する.群衆環境を模擬したシミュレータを構築し,従来手法との比較実験を実施した結果,提案手法は衝突回避性能および走行効率の両面において優れた結果を示した.

7G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
Title状況背景を考慮した複合的データ合成による未来人流データの生成
Author*吉田 裕基, 山田 広明, 石橋 治樹, 住田 昌彦 (富士通株式会社/コンバージングテクノロジー研究所)
Pagepp. 1406 - 1413
Keyword人流データ, スマートシティ, データオーギュメンテーション, データ合成, 時空間情報解析
Abstract研究では,未来の人流を予測する手法を提案する.提案手法は,「天候や社会状況(状況背景)が類似していれば,人流パターンも類似する」という仮説に基づき,条件の近い複数日の人流軌跡を合成することで長期の人流の未来予測を実現する.過去1年間のデータを用いて未来の1ヵ月間の人流予測をする実験を行った結果,イベント開催時の会場内や駅内の人数,駅の人数の時間変化のパターンを妥当に再現できる人流の予測が可能であることを確認した.

7G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
Title群集制御マルチフィデリティ最適化
Author*丹羽 了 (筑波大学/産業技術総合研究所), 鷹見 竣希, 重中 秀介 (産業技術総合研究所), 大西 正輝 (産業技術総合研究所/筑波大学)
Pagepp. 1414 - 1419
Keywordマルチフィデリティ最適化, 群集制御, 群集シミュレーション
Abstract群集シミュレーションを用いたマルチフィデリティ最適化において,従来の多くの手法では2段階に限られていたフィデリティ(忠実度)モデルを10段階に拡張し,フィデリティをより柔軟に管理する切り替え手法を含めた群集制御マルチフィデリティ最適化を提案する. 一般に,高フィデリティは高い計算コストがかかるが,高い精度で再現可能であり,低フィデリティは精度は低いものの低い計算コストで実行可能である. マルチフィデリティ最適化は,このような精度と計算コストのトレードオフの関係を活用し効率的に最適解を探索する手法である. 本手法では,人数と道幅の調整によりフィデリティを定義し,低フィデリティの再現精度の劣化を抑えながら,計算コストの削減を実現する. また,従来のフィデリティを管理する手法は切り替えのために高フィデリティモデルを複数回実行する必要があった. 提案する標準偏差に基づく切り替え手法は,一度閾値を求めるだけで効率的に次段階へ切り替えることが可能である. 実験では,大規模なスタジアムの避難口割当問題を対象とし,提案手法が効率的に最適解を探索できることを示す.

7G-4 (時間: 9:30 - 9:50)
Title人の動きの特徴を用いた洞道における位置推定技術の検討
Author*福島 渉太 (千葉工業大学), 庄原 誠 (インフォモーフ), 森 信一郎 (千葉工業大学)
Pagepp. 1420 - 1426
Keyword位置情報システム, 行動認識, ウェアラブルコンピューティング, ナビゲーションシステム, ユビキタスコンピューティング
Abstract都市部の地下に広がる洞道は、電力やガス、通信など都市インフラを支える重要な施設であり、その保守点検には人が立ち入る必要がある。しかし、GPSが使用できない環境であるため、作業者の現在位置を把握することが困難であり、安全確保や作業効率の面で課題がある。本研究では、こうした問題を解決するために、外部センサーやインフラに依存しない位置推定技術の開発を目指し、「人の動きの特徴を用いたVSLAMの利用の拡張」を提案する。具体的には、足先にLEDライトを装着し、歩行によって得られる足先の特徴点が地面上にあることを利用して、VSLAMによって得られる相対距離を身長により絶対距離へと変換する手法である。実験では、寸法情報である壁面の距離を利用する手法と比較し、提案手法のほうが短距離で高精度な位置推定が可能であることを示した。誤差の平均は-1.09mであり、実用上許容される範囲内に収まっている。今後は、しゃがみ動作や階段移動など、足とカメラの距離が変化する状況への対応や、実用性向上のための装置設計が課題となる。


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セッション 7H  暗号・差分プライバシー
日時: 2025年6月27日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 月見亭
座長: 野澤 一真 (NTTドコモ)

7H-1 (時間: 8:30 - 8:50)
Title有向グラフにおける距離を出力する2者間カードプロトコル
Author*須賀 祐治 (株式会社インターネットイニシアティブ)
Pagepp. 1427 - 1432
Keywordカードベース暗号, シャッフル, グラフアクセス構造, 秘密計算, 物理的暗号

7H-2 (時間: 8:50 - 9:10)
TitleLabel Differential Privacy は予期せぬ漏洩を許容する
Author*関口 ひなた (お茶の水女子大学), 高木 駿, 長谷川 聡 (LINEヤフー), 松本 茉倫 (お茶の水女子大学大学院), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1433 - 1441
Keyword差分プライバシ, 機械学習, ラベル推論攻撃, ラベル差分プライバシ
Abstractラベル差分プライバシ(Label DP)は,ラベルにのみノイズを加えることでユーティリティの向上を図る手法である.しかし,特徴量とラベルに強い相関がある場合,ラベル情報が漏洩する脆弱性が生じる.本研究では,特徴量からのラベル漏洩を定量化する指標として「予期せぬ漏洩(Unexpected Leakage)」を定義し,Label DPがこの漏洩を制御できないことを示す.さらに,先行研究で提案された条件付き特徴量を用いたLabel DPを本指標で再評価し,予期せぬ漏洩の抑制に有効であることを確認した.実験により,Label DPは一般に高いユーティリティを達成する一方で,特徴量とラベルの相関が強い場合には,予期せぬ漏洩を抑制するメカニズムの方がユーティリティとプライバシのトレードオフにおいて優れることが分かった.本研究は,特徴量とラベルの相関を考慮したプライバシ基準の重要性を示すとともに,差分プライバシ機構におけるプライバシとユーティリティのバランスに関する示唆を提供する.

7H-3 (時間: 9:10 - 9:30)
TitleIoTデータ活用基盤構築に向けた準同型演算による差分プライバシ保護処理の検討
Author*関 萌乃 (お茶の水女子大学), 山口 実靖 (工学院大学), 神山 剛 (長崎大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1442 - 1449
Keyword準同型暗号, 差分プライバシ, Internet of Things, クラウドコンピューティング
AbstractIoT デバイスの普及により収集可能となった様々なデータの利活用においては,データ解析者が提供者個人の情報を推測できないようなプライバシ保護,およびデータ収集者における情報漏洩や不正利用を防ぐための暗号化を行う基盤の構築が求められている.先行研究では,準同型暗号と差分プライバシを組み合わせ,軽量暗号から準同型暗号への暗号変換を利用することで,処理能力に乏しいIoT デバイスへの負荷を低減しつつ,データを安全かつ効率的に解析可能なデータベースシステムのデザインを提案した.本稿では,提案手法の実現および比較評価に向けて,準同型暗号で暗号化された収集データに対し,準同型演算を用いてラプラスメカニズムを適用するシステムを実装し,実行時間や平均値推定における誤差の評価を行った.

7H-4 (時間: 9:30 - 9:50)
Title秘密分散ライブラリのシステム応用における諸要件の検討[II]
Author*山澤 昌夫 (中央大学研究開発機構), 米津 武至 (中央大学研究開発機構/株式会社リーディングエッジ), 山本 博資 (中央大学/研究開発機構), 宮腰 行生 (株式会社アクシス), 藤田 亮 (中央大学/研究開発機構), 五太子 政史, 辻井 重男 (中央大学研究開発機構)
Pagepp. 1450 - 1454
Keyword秘密分散, クラウド, 可用性
Abstract筆者らはこれまで,認証情報をセキュアに保存すること,および機微情報,機密情報を分散保管するという目的で,ISO/IEC19592-2 の秘密分散アルゴリズムと,標準化後の新アルゴリズムのソフトウェア実装の検討を行ってきた. 一般に知られているように,通常のアルゴリズムでは,分散片の一つ一つが元の秘密情報のデータ量を下回るようには出来ない.ランプ型ではその制約を緩めることができるが(ISO, 限界がある.われわれは,筆者の一人が発表した分散総データ量が秘密情報と同じになる新方式である多重秘密分散法(MSSS)[山本 ;多重秘密分散法 ,(SITA2021)],さらに,その発展形である多重秘密分散法の高速演算性を保ちつつ可用性対応を行う方式により[山澤,山本,ほか;AMSSS,(DICOMO2023)] 総データ量と分散演算法の実装性能向上検討を行ってきた.それらの実装性能については,[山澤,米津,ほか;(DICOMO2024)] で詳細を報告した.本論文ではその実装性能を生かしたアプリケーションについて検討したので報告する.


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セッション 8A  MBL統一テーマセッション
日時: 2025年6月27日(金) 10:30 - 11:50
部屋: 磐城
座長: 石田 繁巳 (はこだて未来大学)

8A-1 (時間: 10:30 - 11:10)
Title(招待講演) 人とAIの協働による行動変容支援 −運動・健康・学びを支える習慣化デザイン−
Author*太田 賢 (宮城大学)
Pagep. 1455
Abstract近年のAI の目覚ましい進化により,人とAI 双方の特性を活かしながら,課題解決や価値創造を実現する「人とAI の協働」が重要性を増している.本講演では,個人と社会のウェルビーイング向上を目指した行動変容支援の観点から,この協働の可能性と実践について論じる.健康的な生活習慣の形成や学習行動の継続には,個人の意思決定に加え,環境要因をはじめとする複数の要素が密接に関わっている.筆者は効果的な行動変容支援の実現に向け,AI・IoT・データ活用による行動理解・介入支援と人間の専門知識や働きかけを組み合わせた「習慣化デザイン」(https://habitdesign.notion.site/)について取り組んでいる.本講演ではまず,AI が運動習慣のプランニングとふりかえりを支援するe コーチングアプリの開発と実践を紹介する.次に,全国各地で展開されている運動・健康増進の習慣化事業を対象に,AI を活用した事例分析と地域特性に応じた事業のデザインを支援するシステムを紹介する.そして学びについて,大学教育および社会人のリスキリングにおける学習習慣の形成を支援するAI サービスの取り組みについて述べる.これらの実践から得られた知見を踏まえ,AI と人間の協働による行動変容支援がもたらす新たな可能性と課題を提示する.


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セッション 8B  位置推定・測位(3)
日時: 2025年6月27日(金) 10:30 - 11:50
部屋: 北須1
座長: 佐々木 航 (奈良先端科学技術大学)

8B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
Title最適ウィンドウ設計による PDR の精度向上手法
Author梅村 和希, *長谷川 拓海, 西尾 信彦 (立命館大学)
Pagepp. 1456 - 1461
KeywordPDR, 深層学習
Abstract屋内測位では,建物や壁面による電波遮蔽のため Global Navigation Satellite System(GNSS)が利 用できず,Wi-Fi や Bluetooth などの電波情報やスマートフォンに搭載された慣性センサを用いる Pedestrian Dead Reckoning(PDR)が注目されている.特に深層学習ベースの PDR では,センサから得られる時系列 データを固定長の時間ウィンドウに分割し,その範囲内で特徴を学習させるアプローチが一般的である.しか し,歩行者ごとに歩幅や歩行速度が異なるため,この固定長ウィンドウ方式だけでは各人特有の歩行特性を十 分に捉えられず,累積誤差を抑制しにくいという課題がある. そこで本稿では,端末の向きに依存しない座標系を導入して高精度な測位を実現する RoNIN[1] をベースとし, 時間ウィンドウではなく各歩ごとのステップを基準にセンサデータを切り出す手法を提案する.さらに,停止時 には従来の固定長ウィンドウを補完的に併用することで,歩行周期の変動に応じた柔軟なデータ生成を図る.こ の提案手法を RoNIN データセット上で評価した結果,学習に含まれない被験者に対する Absolute Trajectory Error(ATE)は 5.80 m となり,固定長ウィンドウのみを用いる従来手法と比べて約 13.2%の誤差低減を達成 した.以上により,歩行周期に基づくウィンドウ分割と固定長ウィンドウの併用が,歩行者の多様な動作特性 を捉えるうえで有効であることを示した.

優秀論文賞 / Paper Awards
8B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
TitleUWBでのFingerPrint測位における環境変化への対応手法
Author河西 大地, *生西 虎太郎 (立命館大学), 坪内 孝太 (LINEヤフー), 下坂 正倫 (東京科学大学), 西尾 信彦 (立命館大学)
Pagepp. 1462 - 1471
KeywordUWB, FingerPrint

優秀論文賞 / Paper Awards
8B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
Title壁周辺におけるFingerPrint測位の精度向上手法
Author佐々木 佑介, *清水 大地 (立命館大学大学院 情報理工学研究科 環境情報研究室), 西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部 環境情報研究室)
Pagepp. 1472 - 1484
Keyword屋内測位, Wi-Fiフィンガープリント測位, GAN
AbstractFingerPrint(FP)測位は, 測位対象エリアがNLOS環境であったとしてもNLOS特有の電波の減衰や反射を事前にFPに反映させているため, オンラインフェーズではそれらの特徴を考慮した位置推定が可能である. このような背景からFP測位の研究は非常に活発であるが, 多くの研究が廊下などの通路で行っている場合が多い. 教室のような広がりのある環境を対象にした研究も必要であると考え, 実験を行った結果, 測位結果が測位対象エリアの中心方向に集中し壁周辺の測位精度が中央部の測位精度よりも悪くなることが明らかになった. 更に, 測位対象エリアの中心方向に集中する原因が壁の存在によるものであることを 明らかにした. そこで, 測位対象エリア内における壁周辺を重視したFPの配置を工夫することを提案する. 具体的には, 壁周辺のFPを中央部よりも多く配置することで, 壁周辺と中央部での測位精度を適切に均衡させ, 壁周辺の測位精度を向上させる. 評価の結果, 既存のグリッド状に等間隔になるFP配置を基準に, FPの総数を変えずに同心円状にグラデーションになるような配置にすることで, 壁周辺の測位誤差を最大18%小さくすることに成功した. また, 測位対象エリアの壁周 辺のFPをGANによるデータ拡張モデルを用いて増やし中央部よりも多く配置することで, 壁周辺の測位誤差を約11%小さくすることに成功した. 更に, これらの手法では壁周辺だけでなく測位対象エリア全体の測位精度を向上することに成功した. 本提案手法を用いることで, 教室のような広い室内空間であっても,ロバストな測位を可能にすることを示した.


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セッション 8C  Augmented Human
日時: 2025年6月27日(金) 10:30 - 11:50
部屋: 北須2
座長: 藤波 香織 (東京農工大学)

8C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
Title人の疲労度に合わせて視力を補正するウェアラブルデバイス
Author*大西 鮎美, 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1485 - 1490
Keyword視力, 疲労, ウェアラブルコンピューティング, 焦点調節
Abstract眼鏡や補聴器などの五感を拡張する装具は,人々の生活の質向上に不可欠なものである.近年では,周囲の環境に応じて音量を調整する補聴器などの高度な五感拡張デバイスが開発されている.しかし,人間の五感は環境要因のみでなく身体的・精神的疲労で日常的に変化する可能性があり,五感拡張装置が疲労を考慮しなければ,正確に現状の五感を把握できず深刻な問題が起こりうる.五感において,疲労による能力の低下がどの程度起こるかは筆者らが知る限り定式化されておらず,五感拡張装置に適用可能な形で知見がまとまっていない.筆者らは,疲労によって五感能力が変化した状態を疲労時五感とよび,身体や精神の疲労が五感に与える影響を調査してモデル化し,疲労時五感を推定することで,疲労を考慮した五感拡張装置を開発する研究に取り組んできた.本論文では,このような五感拡張のうち視力に焦点を当て,一過性の能力低下に応じて視力を補正する眼鏡型デバイスを提案する.提案デバイスは,液体レンズを用いた焦点調整機構と,眼電位センサを含む複数の生体センシング機構を備える.これにより,疲労時も含めて常に同じ視力で生活できるように支援することを目指す.実験では,提案デバイスを用いた視力補正方法を基礎的に検討した.

8C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
Title自分の発話が相手に聞こえていないことを相手にフィードバックするウェアラブルシステム
Author*長井 蒼生 (神戸大学大学院工学研究科), 渡邉 拓貴 (公立はこだて未来大学情報科学部), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1491 - 1499
Keywordウェアラブルデバイス, 音声処理, 音声認識
Abstract会話中に何らかの理由で聞き手が話し手の声を聞き取れなかった場合,聞き手が話し手にそのこと を伝えないまま会話を進めると,両者の間に齟齬が生まれるリスクがある.しかし,何度も聞き返す必要 がある場合や,聞き手の性格が控えめである場合,話し手に気をつかって聞き手が話し手に声を聞き取れ なかったことを伝えづらいと感じることがある.そのため,話し手に聞き手が声を聞き取れなかったこと を聞き手の意思にかかわらず伝える必要があると考える.そこで本研究では,聞き手が話し手の声を聞き 取れるかどうかを自動で判定し,聞き取れなかった可能性があることを話し手に提示するシステムを提案 する.聞き手が話し手の声を聞き取れなくなくなる原因を5 つに分け,それぞれの原因に対応する特徴量 を設定し,機械学習モデルを用いて音声を聞き手が聞き取れるか判定する.設定した特徴量をシステムに 用いるのが適切かを調べる実験を行ったところ,5 つのうち4 つの特徴量の変化は音声の聞き取り度合い に強く影響しており,システムで用いるのに適切であると考えられた.また,この実験結果を用いて機械 学習モデルを作成した.全ての被験者の実験結果を学習データとして用いた汎用モデルと,実験結果を個 人別に分けて学習データとして用いた個人モデルを作成した.各モデルの性能を比較したところ,汎用モ デルが個人モデルより優れていた.

8C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
Title焦点ずれが透明ディスプレイ上のフォントの可視性に与える影響の調査
Author*江住 成勝, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院)
Pagepp. 1500 - 1507
Keywordフォント, 透明ディスプレイ, 焦点ずれ, 可視性, ユニバーサルデザイン
Abstract透明ディスプレイとは,背後の光を通しながら画像や情報を表示できるディスプレイ技術であり, 従来のディスプレイと異なり,ユーザは周囲の状況を視覚的に確認しながら情報を得られる.例えば,文 字起こしシステムを搭載した透明ディスプレイは,会話中に相手の表情や仕草を確認しながら,文字化さ れた会話内容を読むことができ,聞き手の理解度を向上させられる.しかし,透明ディスプレイは背景と ディスプレイ上の文字の間で,視覚的に焦点を頻繁に切り替えるため,ユーザは視覚的な文字の見えづら さ感じる可能性がある.そのため,焦点が合っていない状態でも認識しやすい情報提示を明らかにしてお く必要がある.そこで本研究では,文字による情報提示において,文字を構成する基本データであるフォ ントに着目し,焦点がずれた状態で認識しやすいフォントを調査する.実験では,煩雑さの異なる2 種類 の文字種(漢字,アルファベット) を用いて,焦点距離ごとに透明ディスプレイ上でのフォントの可視性を 評価した.実験の結果,透明ディスプレイにおける文字の可視性は,フォントの種類や焦点ずれの度合い, 文字種といった要因に影響を受け,特にわずかな焦点ずれにおいてはフォントによる可視性の違いが顕著 に現れる可能性があることがわかった.


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セッション 8D  実空間支援
日時: 2025年6月27日(金) 10:30 - 11:50
部屋: 今出
座長: 斉藤 典明 (東京通信大学)

8D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
Title写真撮影が博物館での回遊体験と記憶想起に及ぼす影響
Author*長谷川 理緒, 黒河内 睦人 (明治大学学院先端数理科学研究科), 柴田 柚華, 小林 稔 (明治大学総合数理学部)
Pagepp. 1508 - 1514
Keyword屋内施設, 写真撮影, 記憶想起, VR
Abstract博物館やショッピングモールなど,順路が決まっておらず自由に動き回れる広い屋内施設では,来館者が自身の移動経路や鑑賞体験を十分に記憶できず,“回り忘れ”と呼ばれる問題が発生する場合がある.従来の研究では“回り忘れ”問題の解決を主目的としてきたが,本稿では体験価値の向上には記憶と体験の結びつきが重要であるという仮説に基づき,記憶想起を促進する手法の検討を行う.具体的には,定期的な写真撮影に着目し,その効果を明らかにするための実験を実施した.写真撮影は,単にその場を通り過ぎる場合に比べ立ち止まる時間を増やし,対象物をより深く観察することで記憶の定着や新たな発見を促す可能性があると考える.本稿では,VR技術を用いた館内探索実験の内容と,その結果について報告する.

8D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
Titleリマインダとして機能するIoT引き出しのユースケース調査
Author*須貝 彩莉紗, 池田 悠星, 村田 倫一 (日本大学 文理学部), 須賀 美月 (日本大学 大学院総合基礎科学研究科), 呉 健朗 (日本大学 文理学部), 市川 裕介 (埼玉大学), 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
Pagepp. 1515 - 1521
KeywordIoT, 引き出し, リマインダ, TUI
AbstractTangible User Interface(TUI)と呼ばれる,デジタル情報の体現である物理的なオブジェクトを人の手で直接操作することによってデジタル情報の操作を行うインタフェースという概念が提唱されて久しい.我々は,情報ツールのひとつであるリマインダに着目し,引き出しの機能を拡張してリマインダの働きを持たせた「IoT引き出しリマインダ」を提案してきた.本手法は,触知可能な物体で構成されたTUIが,ユーザの情報取得時の認知負荷を低減するという点に着目し,物理メディアである「引き出し」を活用することで,人と情報の新たなインタラクションスタイルを実現できないか模索するものである.本システムは,タスクに関係する物が格納された引き出しが自動で開閉することにより,実空間中で通知を行うIoT引き出しリマインダである.本稿では,このIoT引き出しリマインダのユースケースを検討するために実施したワークショップの分析結果について報告する.調査の結果,提案手法は,「物理的な通知」,「タスクに関係する物の提示」,「屋内の特定の場所への設置」という三つのIoT引き出しリマインダの特徴を通じて,一例としてそれぞれ「特定の時刻に行うタスク」,「やる気が出ないタスク」,「特定の場所で行うタスク」を通知する手段として効果的である可能性が示唆された.さらに,提案手法の利用に適したユーザとして,「リマインダ登録などの操作負担を軽減したいユーザ」,「通知から実行までの動機づけが必要なユーザ」,「複数のタスクの同時管理や定期的な実行が求められるユーザ」などが対象となり得ることが示唆された.

8D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
Title歩行時慣性センサデータから各地点の路面形状を推定する機械学習手法の基礎検討
Author*藤井 大輝, 池田 悠星 (日本大学文理学部), 土岐田 力輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 呉 健朗 (ソフトバンク株式会社), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 1522 - 1526
Keywordバリア, 機械学習, センサデータ, 路面推定, 歩行分析
Abstract階段・坂・段差などのバリアは車いす利用者や高齢者などの移動弱者の移動に影響を与えているため,事前にバリアの種類や位置を提供することは彼らの移動の助けとなる.これを実現する手段の一つに,バリアの種類・位置を可視化するバリアフリーマップが挙げられるが,このような地図を正確性と網羅性を兼ね備えて構築するためには,豊富なバリア情報が必要となる.そこで我々は,低コストで広範囲なバリア情報の収集に有用な歩行時慣性センサデータに焦点を当て,歩行時慣性センサデータを用いた路面形状の推定に適した機械学習モデルの構築を目指す.本稿では,CNNベースのモデル,Transformerベースのモデル(事前学習なし・あり),中間融合Transformerベースのモデル(事前学習なし・あり)を構築し,路面形状の推定性能を比較した.その結果,事前学習を行った中間融合Transformerベースのモデルが最も高い F 値を示した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
8D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
Title損失回避を考慮したフィードバックを行う運動支援システムの開発
Author中出 恵美 (大阪工業大学), 田渕 恵 (安田女子大学), 蔵永 瞳 (滋賀大学), *福島 拓 (大阪工業大学)
Pagepp. 1527 - 1533
Keyword運動支援, 制御焦点理論, 動機づけ
Abstract本稿では,損失回避を考慮した情報提示を行う運動支援システムについて述べる.現在,運動不足の人の増加が問題視されている.そこで本研究では,運動意欲はあるが行動に移せていない人に向けた運動支援システムを開発している.本システムでは制御焦点理論における予防焦点に着目し,利用者の予防焦点傾向に合わせた損失回避情報の呈示による動機づけを目指している.本研究では前日の歩数に合わせて損失回避を意識させる通知を実装し,実験参加者を予防焦点傾向の強さによって3種類に群分けして分析を行った.本稿での貢献は以下の通りである.(1)予防焦点傾向(強)と予防焦点傾向(中)の一部は,目標未達成という損失を避けたいと感じることで,歩数が増加する傾向が見られた.(2)予防焦点傾向(弱)は,損失回避についての情報ではなく目標歩数を意識することで,歩数が増加する傾向が見られた.


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セッション 8E  行動変容(3)
日時: 2025年6月27日(金) 10:30 - 11:50
部屋: 阿武隈1
座長: 齊藤 義仰 (岩手県立大学)

8E-1 (時間: 10:30 - 10:50)
Title大規模言語モデルを用いた初期パラメータ設定による行動意図予測モデルの安定性向上の試み
Author*松木 萌, 山口 達也, 池田 和泉, 石原 正樹 (富士通株式会社)
Pagepp. 1534 - 1540
Keyword行動変容, メンタルヘルス, LLM, 予測モデル, 行動意図
Abstract行動変容は,望ましい行動を継続的に実践するプロセスであり,その実現には個人の特性や状況に応じた適応的な介入が重要である.中でも,行動意図の有無は実行可能性に大きく影響する要因であり,意図の正確な推定は効果的な支援に不可欠である.しかし,介入初期にはユーザの履歴データが不足していることが多く,意図推定の精度が低下する「コールドスタート問題」が生じやすい.本研究では,この課題に対処するため,(1)大規模言語モデル(LLM)を用いた性格特性に基づく初期パラメータ推定,(2)遺伝的アルゴリズムを用いた少数データ下でのオンライン学習,の2点を特徴とする行動意図予測手法を提案する.提案手法の有効性を検証するため,オンラインで収集したアンケートデータを用いて評価実験を実施した.その結果,初期パラメータに関して統計的な有意差は確認されなかったものの,入力データの選定やプロンプト設計など,改善すべき課題が明らかとなった.一方で,オンライン学習における重回帰モデルと遺伝的アルゴリズム(EM)との比較では,EMの方が意図推定の誤差平均が約0.5小さく,t検定により有意差が確認された.この結果から,提案手法が個別最適化された行動意図の推定において有効である可能性が示唆された.

8E-2 (時間: 10:50 - 11:10)
Title生成AIによる状況認識を活用した向社会的行動促進システム
Author*岩�� 玲, 塚本 昌彦, 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1541 - 1551
Keyword生成AI, 向社会的行動, ゲーミフィケーション, HMD
Abstractある社会や社会集団において,他者に利益をもたらすと一般に評価される行動,例えば人助けやゴミの収拾などは向社会的行動と呼ばれる.人は,こうした行動をとる機会が存在していても,他者が代わりに行動する可能性や,自己に生じるコストや得られる報酬を考慮することにより,そういった行動を控える傾向にある.そこで,本研究では行動変容手法の一つとして挙げられるゲーミフィケーションを利用し,ユーザの日常生活における向社会的行動を促すことを目指す.生成AIモデルの活用により,その場でとるべき向社会的行動の提示と行動の点数化を行い,ユーザに行動変容を促すシステムを提案する.提案システムでは,生成AIモデルにプロンプトやユーザの視点画像を送信し,生成AIモデルから取得した回答を頭部装着型ディスプレイを通してユーザに提示する.本稿では,Apple Vision Proに外部のWebカメラとノートPCを接続し,提案システムのプロトタイプを実装した.予備実験では,初回のプロンプトを送信した後,様々な場面における一連の画像を数秒ごとに複数の生成AIモデルに送信した際の,各生成AIモデルの回答と応答時間を調査した.そして,予備実験で向社会的行動の出力ができたモデルを使用して,生成AIモデルの回答と加点されるタイミングの正当性を評価する実験を行った.その結果,状況に応じてその場でとるべき向社会的行動が出力されていたことが確認できた.しかし,状況を認識しづらい場面では正当性のある向社会的行動を出力できず,向社会的行動を出力できている場面でも,加点されるタイミングが適切ではない場合があった.

8E-3 (時間: 11:10 - 11:30)
Title未来の在室状況予測と共通の話題に基づく来訪促進システムの提案
Author*林 航平, 梶 克彦 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科)
Pagepp. 1552 - 1561
Keyword行動変容, 位置情報, HCI
Abstract近年,リモートワークやフレックスタイム制度の普及により,多様な勤務形態が一般化しているが,その一方で対面による偶発的なコミュニケーション機会の減少が課題となっている.特に大学研究室のような小規模なコミュニティにおいては,情報交換や人間関係の構築に不可欠なインフォーマルな対話が失われやすい.本研究では,共通の話題を持つメンバ同士の対面交流を促進する来訪支援システムを提案する.本システムは,既存の在室管理システムに蓄積された入退室履歴をもとにメンバの未来の在室状況を予測し,それを話題情報と組み合わせることで,同一の話題を持つ複数のメンバが同時に在室する可能性が高い時間帯を抽出する.その結果をもとに,対象メンバに対して通知を送信し,来訪のきっかけを提供することで対面交流を促す.大学研究室を対象に約1か月間の運用評価を行い,滞在履歴やアンケートを通じてシステムの影響を検証した.その結果,明確な行動変容は確認されなかったものの,今後の改善に向けた課題や示唆が得られた.

8E-4 (時間: 11:30 - 11:50)
Titleインフォーマルコミュニケーションにおける話題提供システムの初期検討
Author加藤 有希菜 (早稲田大学), *齋藤 俊英, 赤堀 渉, 石井 方邦, 渋沢 潮 (NTT社会情報研究所), 中島 達夫 (早稲田大学)
Pagepp. 1562 - 1567
Keywordインフォーマルコミュニケーション, 雑談, 半構造インタビュー, 話題提供, 対話
Abstractインフォーマルコミュニケーションは,信頼関係の構築,心理的安全性の醸成,さらには生産性や創造性の向上といった側面において,重要な要素であるが,リモートワークの普及に伴い,インフォーマルコミュニケーションが大幅に減少した.本検討では,オンライン環境におけるインフォーマルコミュニケーションを促進するシステムの開発を目的とし.その初期検討として,オンライン環境におけるインフォーマルコミュニケーションの実態を明らかにするための調査を実施した.


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セッション 8F  ネットワーク・システムセキュリティ(2)
日時: 2025年6月27日(金) 10:30 - 11:50
部屋: 阿武隈2
座長: 北口 善明 (東京科学大学)

8F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
Titleファイアウォールシステムにおける大規模ルールセットの適用を想定した複数IPSのパイプライン化
Author*安部 謙吾, 森茂 友悟, 古市 裕太郎, 山井 成良, 中川 令 (東京農工大学)
Pagepp. 1568 - 1573
KeywordIPS
Abstractネットワーク機器への攻撃の検知・遮断を行うシグネチャ型の侵入防止システム(IPS)を用いたファイアウォールシステムが注目されている.シグネチャ型ではシグネチャとして設定した攻撃のみを検知・遮断するため近年の多様化・巧妙化する多くの攻撃に対応するにはより多くのシグネチャが必要になるだけでなく,複雑な処理を行うことが求められる.そのため,IPSホストのリソース不足により攻撃に対して十分な対応をとることが難しくなることが懸念される.そこで,本研究ではIPSホストを複数用いて大規模なルールセットを分割して適用し,IPSホストを直列に接続させることで,IPSホストのリソース不足解消による大規模ルールセットの適用を可能にする.

8F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
TitleA Context-Aware Extension to SSVC for Dynamic Vulnerability Prioritization in OT/IoT Environments
Author*Parashuram Shourya Rajulapati (Hitachi, Ltd.), 内山 宏樹, 藤田 淳也 (Hitachi America, Ltd.)
Pagepp. 1574 - 1577
KeywordSSVC, OT Security, Vulnerability Prioritization
AbstractOperational-Technology (OT) networks cannot rely on static vulnerability scores alone: the operational impact of an exploit often depends on moment-to-moment process conditions such as bandwidth saturation or control-loop delay. We present a lightweight extension to CISA’s Stakeholder-Specific Vulnerability Categorization (SSVC) that injects two live telemetry signals—network throughput and latency—into a single decision node, Technical Impact. The approach keeps the original SSVC tree intact, requires no deep-packet inspection, and recalculates priority only when both metrics move outside baseline percentile bands. The prototype was implemented, replaying the CVE-2017-16740 buffer-overflow exploit for five days cut throughput producing a Dynamic Impact Factor of 4. SSVC consequently flipped from Track* to Attend, remained elevated for one-third of the 15-day capture, and then automatically reverted as conditions normalized.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
8F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
Titleソフトウェアの処理単位を認証認可に用いる細粒度アクセス制御
Author*安済 翔真, 小谷 大祐, 岡部 寿男 (京都大学)
Pagepp. 1578 - 1585
Keyword認証, 認可, セキュリティ, Webサービス
Abstract本研究は,マイクロサービス化が進む現代のアプリケーションにおいて,ワークロード単位ではなく,さらに細かな処理単位でのアクセス制御を実現する手法を提案する.従来のAPI TokenやOpenID Connect,mTLS,SPIFFEといった認証方式では,ワークロード単位の認証・認可は可能だが,ワークロード内部の特定の関数や処理に対して個別にアクセス権を制御することは難しかった.そのため,機微な情報にアクセスする処理に対しても,ワークロード全体に権限を与える必要があり,脆弱性のある処理を経由して不正アクセスされるリスクがあった.これに対し本研究では,アプリケーション開発者が処理単位にラベルを付与し,処理の親子関係を木構造で管理することで,リクエストの発信元がどの処理単位であるかを特定し,最小限の権限のみを付与する仕組みを構築した.さらに,ラベルに署名を付与することで,ラベルの偽造を防ぎ,セキュリティを強化している.実装と評価を通じて,オーバーヘッドが許容範囲内であり,不正なリクエストや偽造に対する防御効果があることを確認した.


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セッション 8G  運転支援
日時: 2025年6月27日(金) 10:30 - 11:50
部屋: 石陽
座長: 吉廣 卓哉 (和歌山大学)

8G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
Title衝突予防のための交差点映像を用いた位置予測型AR物体提示方式
Author*大角 晃平, 義久 智樹 (滋賀大学データサイエンス学部)
Pagepp. 1586 - 1592
KeywordXR, HUD, 車両, YOLO, ITS
Abstract近年,状況確認や記録のために多数の場所に交通監視カメラが設置されている.特に,交通事故の半数以上が交差点で発生していることから,交差点に俯瞰カメラが設置されている.交差点における衝突事故を予防する方式の一つとして,交差点映像を解析して周辺の車両や歩行者(衝突物)の位置を認識し,周辺の車両(提示車両)に提示することが挙げられる.しかし,既存方式では交差点映像を解析して提示車両に提示するまでの遅延を考慮しておらず,提示時に衝突物の位置が変化して衝突を予防しにくいことがある.そこで,本研究では,衝突物が存在する可能性がある位置すべてに衝突物をAR表示する方式を提案する.提案する位置予測型AR物体提示方式では,交差点映像が撮影されてから提示車両に衝突物をAR表示するまでにかかる遅延時間を推測し,遅延時間内の移動で到達する位置すべてに衝突物を表示する.また,VR空間内で提案方式の評価を行なった結果,提案方式を用いることで衝突割合が減少することを確認した.

8G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
Title車内会話の促進に向けた車両前方映像と視線方向による興味推定手法の提案
Author*中村 慶琉 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
Pagepp. 1593 - 1601
Keyword会話促進, 興味推定, 車内会話, 物体検知, 漫然運転解消
Abstract漫然運転によって,重大な交通事故が発生する.漫然運転を解消する手法として体動や光刺激を用いる手法があるが,運転への直接的な影響が大きい.会話は覚醒状態の維持に有効であるため,漫然運転解消にも効果が期待でき,運転への直接的な影響も小さい.本研究では,車内会話の促進に向けた車両前方映像と視線方向による興味推定手法を提案する.運転中は前方の看板などをきっかけに会話が発生することがあるため,車両前方の物体に着目した興味推定を行う.提案手法は,まず車両前方映像から興味対象物体の検知を行う.次に車内映像から抽出した運転手と同乗者の顔の特徴点を用いて視線方向推定を行う.最後にこれらの結果から,見ている物体を特定し,興味推定を行う.本稿では,興味対象物体の検知に関する実験として,YOLO方式とデータ追加コストが低いYOLO/VGG16方式の興味対象物体の検知精度を比較した.実験結果はどちらも同程度の精度であったため,YOLO/VGG16方式が適していることが示唆された.また,視線方向推定に関する実験として,眼球運動を考慮可能な瞳の横方向の差を用いた視線方向推定を検討し,評価を行った.実験結果から,より正確に瞳の横方向の差を推定可能な方法が必要であることが示唆された.

8G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
Title自転車ユーザのためのスマートフォンを用いた安全運転確認システムの提案
Author*高杉 拓海 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
Pagepp. 1602 - 1609
Keywordスマートフォン, 画像認識, 自転車, 安全運転, 出会い頭事故
Abstract自転車の無信号交差点での出会い頭事故が問題となっている.本研究では,自転車が無信号交差点の非優先道路側走行時の出会い頭事故に着目する.事故防止のために,非優先道路を走行中,安全確認がなかった地点を記録し,自転車運転者が走行後に自身の運転行動を振り返るためのシステムを構築する.自転車運転者が非優先道路走行時の運転行動を振り返るためには,走行路が非優先道路か,交差点手前での安全確認の有無を認識し記録する必要がある.2つの機能(非優先道路推定機能,安全確認行動判定機能)によって,非優先道路および安全確認の有無の認識を行う.各機能は,スマートフォンのアウトカメラ,インカメラを用いて実装する.非優先道路推定機能は,自転車前方のオブジェクト(一時停止標識,一時停止標示,センターライン)の検出結果から,自転車走行路における非優先道路を推定する.先行研究では,プロトタイプの実装および評価を行った.実験結果から,セグメントの距離が長い場合,非優先道路を優先道路と推定することが考えられた.本稿では,この問題点に対するアルゴリズムの改善と実装を行った.安全確認行動判定機能は,自転車運転者の頭部運動から安全確認の有無を判定する.本稿では,安全確認行動判定機能の実装と評価も行った.

8G-4 (時間: 11:30 - 11:50)
Title片側一車線の交差点での右折問題の提案方式
Author*坪井 理人 (神奈川工科大学大学院), 清原 良三 (神奈川工科大学)
Pagepp. 1610 - 1615
Keyword右折, V2R, 信号制御
Abstract都市部における交通渋滞は深刻な問題となっており,これまでにさまざまな対策が講じられてきた.例えば,車両の流入制限や複数人乗車車両の優先レーン走行,公共交通機関専用道路の導入などがある.また,路車間通信(V2R:Vehicle to Roadside) 技術を活用し,公共交通機関が信号停止を回避できるようにする手法も提案されているが,一般車両が多い道路ではその効果は限定的である.さらに,車車間通信(V2V:Vehicle to Vehicle)を用いた渋滞緩和手法も存在するが,その多くは歩行者や自転車の存在を想定しておらず,都市部の一般道路への適用には課題がある.本研究では,現実的な都市交通環境を想定し,V2R技術を用いて右折車両を検出し,信号制御を動的に変更することで右折時の滞留を緩和する新たな手法を提案する.交通シミュレータによる評価を通じて,本手法が渋滞の緩和に有効であることを確認した.


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セッション 8H  異常検知・攻撃検知・自動化
日時: 2025年6月27日(金) 10:30 - 11:50
部屋: 月見亭
座長: 須賀 祐治 (IIJ)

8H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
TitleTransformerアーキテクチャを用いたネットワーク攻撃検知モデルの検証
Author*矢嶋 峻矢, 八槇 博史 (東京電機大学)
Pagepp. 1616 - 1621
Keyword侵入検知, Transformer, 機械学習
Abstract近年,サイバー攻撃の手法は高度化の一途を辿っており,その検知・予測の重要性はさらに高まっている.従来から,ネットワークログを基にした機械学習による攻撃検知の研究が盛んに行われてきたが, Transformer モデルに着目した研究はまだ少ない.本研究では,自然言語処理分野において目覚ましい成果を上げている Transformer アーキテクチャに着目し,その性能が,サイバー攻撃の検知にも有効であるか検証を行った.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
Title超分散ゼロトラストネットワークにおける信用アルゴリズムのための異常検知手法の性能評価
Author*尾�� 玄拓, 原 啓喜, 外木 蓮, 中村 優一, 杉崎 遼太郎, 白幡 真一, 西間木 広司 (ソフトバンク株式会社)
Pagepp. 1622 - 1629
Keywordサイバーセキュリティ, ゼロトラストネットワーク, 認証認可, 機械学習, 異常検知
Abstractスマートシティやスマートモビリティといった,大量のデバイス接続が想定されるサービスの要求に応じた処理能力・速度を提供する基盤として,5G/ポスト5Gの技術を活かしたデータ処理を可能にする超分散コンピューティング基盤の実現を目指している.本基盤には,円滑且つ安全なデータ利活用を実現するためのセキュリティ技術も必要である.このセキュリティ技術には,大量の異なる通信に対して,最小権限の原則に従ったアクセス制御を行うことが求められ,その実現にはゼロトラストアーキテクチャ(ZTA)の適用が有効である.本研究では,ZTAを構成する要素の1つとして,通信のコンテキスト情報を元に通信元の認可判断を行うための信用度を算出する手法である信用アルゴリズムに着目する.超分散コンピューティング基盤に適したZTAを構築するため,信用アルゴリズムに適用する異常検知手法の性能評価を行った.異常検知手法の特性に応じて機械学習モデルを分類し,アルゴリズムごとの予測精度を比較した.軽量な特性をもつ浅層モデルによる予測精度の結果から,信用アルゴリズムに求められる要件である軽量性,高精度な信用度算出の観点で有効な手法が確認できた.また,評価結果に基づき有効性の確認ができた機械学習モデルの組み合わせ手法についても性能評価を行い,予測精度および処理内容の秘匿性に関する有効性が確認できた.

8H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
Title5G通信システムのソフトウェア構築環境に対する静的解析を用いた脆弱性検出手法の提案
Author*大江 一輝, 木村 圭一朗, 葛野 弘樹, 瀧田 愼, 白石 善明 (神戸大学 大学院 工学研究科)
Pagepp. 1630 - 1638
Keywordソフトウェアセキュリティ, ソフトウェア解析手法, 脆弱性調査, 静的解析
Abstract5Gは高速・低遅延・多数同時接続を実現する社会インフラとして急速に普及しており,5Gの研究・開発には通信ソフトウェアが用いられる.通信ソフトウェアの構築環境は多数のOSSに依存しており,OSSの脆弱性が依存関係を介して連鎖的に伝播し,システム全体のセキュリティを損なうリスクがある.既存の静的解析ツールは既知の脆弱性の検出精度に限界があり,任意のOSSに存在する既知の脆弱性の約半分以上を検出できないとされている.本研究では,5Gの開発・運用現場で求められている通信ソフトウェアの構築環境全体を対象とした網羅的・高精度な脆弱性検出を目的とし,通信ソフトウェアの構築環境に内在する既知の脆弱性をソフトウェア単位で静的解析可能な脆弱性検出手法を提案する.提案手法では,静的解析ツールCodeQLと既知の脆弱性の修正パッチに基づき作成したカスタムクエリを用いることで,指定したソフトウェアに含まれる既知の脆弱性の検出を可能とした.提案手法の評価として,OAI-5Gの構築環境に必要とされる複数のOSSに対し,提案手法を適用し,既知の脆弱性の検出可否および有効性を検証した.評価結果より,一部の既知の脆弱性の検出に成功し,提案手法の有効性を確認した.



2025年6月26日(木)

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セッション DS  デモセッション
日時: 2025年6月26日(木) 17:10 - 18:40
部屋: 曙

DS-1
Title初対面対話におけるグラフィックレコーディング自動生成システムの提案
Author石井 陽子, *馬田 一郎, 石井 亮, Lidwina Andarini, 高山 千尋, 澤瀬 順一 (NTT 人間情報研究所)
Pagepp. 1639 - 1645
Keywordグラフィックレコーディング, 対話状況認識, ビジュアライゼーション, 初対面対話
Abstract我々は,対話によるコミュニケーションの場面において,グラフィックレコーディングの特徴を持ったビジュアルな議事録を自動的に描くことにより,円滑なコミュニケーションを支援したいと考える.その初期検討として,関係性構築の課題として典型的な対話の場として研究の進められている男女のspeed-dating の場を対象とする.アプローチとしては,グラフィックレコーディングの描き方を分析しそこから抽出された要素を元にシステムを実装する.本稿では,そのプロトタイプシステムを紹介する.本研究の貢献は,グラフィックレコーディングに基づくシステムを活用して,初対面同士の対話を支援する点にある.具体的には,対話の内容を簡潔に視覚化して直観的な理解を促進することに加え,対話内容に紐づく形で盛り上がりや同調などの会話の付帯状況を表す機能を持つシステムにより,初対面同士の対話の場面を支援することである.

DS-2
Titleマルチモーダル情報に基づくスピーチスキルの推定と向上支援
Author石井 亮, *高山 千尋, 長尾 慈郎, Lidwina Andarini, 大西 俊輝 (日本電信電話株式会社), 野村 絵理奈, 山本 美紗都, 竹浪 麻光 (株式会社KEE'S), 澤瀬 順一 (日本電信電話株式会社)
Pagepp. 1646 - 1655
Keywordスピーチスキル, スキル推定, スキル向上支援, マルチモーダル
Abstract本研究は,個人の表現力や対人コミュニケーション能力の中核であるスピーチスキルの向上を支援するため,音声・言語・視覚のマルチモーダル情報に基づいてスキルを自動評価し,個別の助言を提示する支援システムを提案する.従来は専門家による指導や反復的トレーニングに依存していたスピーチスキル教育に対して,本研究では多面的な評価項目(29項目)を用いた高精度なスキル推定技術と,その結果に基づく実用的な助言提示を実現するアプリケーションを開発した.被験者実験により,提案システムがスピーチスキルの向上支援に有効であることを示し,低コストかつ高い柔軟性を備えた新たなスピーチトレーニング支援の可能性を提示する.

DS-3
Title身体障がい者の「動く」に注目した操作インタフェース 〜筋電操作インタフェースと力覚操作インタフェース〜
Author*青木 良輔, 進藤 真人, 石井 亮 (日本電信電話株式会社 NTT人間情報研究所)
Pagepp. 1656 - 1659
Keyword身体障がい者, 筋電, 力覚, esports, メタバース
Abstract身体障がい者にとって運動器の制約は、身体位置・姿勢の調整を困難にさせている。しかし、仮想 空間とのインタラクションにおいて、入力操作は主に身体位置・姿勢の制御が求められる傾向がある。そ こで、身体障がい者の「動く」に着目したときに、少なからず力が発揮できているという点を踏まえ、そ こに着目した操作インタフェースを実装したので紹介する。

DS-4
TitleSmart Paint Checker: 画像処理を用いたイラスト着色チェックツール
Author*中野 爽一朗, 石川 陸斗, 染谷 学玖, 阿倍 博信 (東京電機大学/システムデザイン工学部)
Pagepp. 1660 - 1666
Keywordデジタルイラスト, 着色, 画像処理, 塗り漏れ, はみだし
Abstract本論文では, イラスト制作における修正作業の効率化を目的として, 「Smart Paint Checker」と呼ばれるチェックツールの開発について述べる. 本ツールは, 線画のはみだし, 塗り漏れ, 消し忘れといった一般的な描画ミスを対象に, 画像処理技術を用いて自動検出を行うものである. これにより, イラストレーターの確認・修正作業を支援し, 作業時間の短縮を実現する. 本論文では, アルゴリズムの設計, 実装手法, および評価結果について報告する.

DS-D:1
Titleリマインダとして機能するIoT引き出しのユースケース調査
Author*須貝 彩莉紗, 池田 悠星, 村田 倫一 (日本大学 文理学部), 須賀 美月 (日本大学 大学院総合基礎科学研究科), 呉 健朗 (日本大学 文理学部), 市川 裕介 (埼玉大学), 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
KeywordIoT, 引き出し, リマインダ, TUI
AbstractTangible User Interface(TUI)と呼ばれる,デジタル情報の体現である物理的なオブジェクトを人の手で直接操作することによってデジタル情報の操作を行うインタフェースという概念が提唱されて久しい.我々は,情報ツールのひとつであるリマインダに着目し,引き出しの機能を拡張してリマインダの働きを持たせた「IoT引き出しリマインダ」を提案してきた.本手法は,触知可能な物体で構成されたTUIが,ユーザの情報取得時の認知負荷を低減するという点に着目し,物理メディアである「引き出し」を活用することで,人と情報の新たなインタラクションスタイルを実現できないか模索するものである.本システムは,タスクに関係する物が格納された引き出しが自動で開閉することにより,実空間中で通知を行うIoT引き出しリマインダである.本稿では,このIoT引き出しリマインダのユースケースを検討するために実施したワークショップの分析結果について報告する.調査の結果,提案手法は,「物理的な通知」,「タスクに関係する物の提示」,「屋内の特定の場所への設置」という三つのIoT引き出しリマインダの特徴を通じて,一例としてそれぞれ「特定の時刻に行うタスク」,「やる気が出ないタスク」,「特定の場所で行うタスク」を通知する手段として効果的である可能性が示唆された.さらに,提案手法の利用に適したユーザとして,「リマインダ登録などの操作負担を軽減したいユーザ」,「通知から実行までの動機づけが必要なユーザ」,「複数のタスクの同時管理や定期的な実行が求められるユーザ」などが対象となり得ることが示唆された.
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野口賞(奨励賞) / Noguchi Awards (Encouragement Award)
DS-D:2
Title平面積載可能な散布型飛行センサのための自律変形機構
Author*金 潭延, 本庄 祐一 (東京大学大学院工学系研究科), 飯塚 達哉 (NTT宇宙環境エネルギー研究所), 大久保 直美, 竹内 優維斗 (東京大学大学院工学系研究科), 遠藤 直人, 松原 浩史 (NTT宇宙環境エネルギー研究所), 川原 圭博, 森田 直人, 笹谷 拓也 (東京大学大学院工学系研究科)
Keyword散布型センサ, 自律変形, 環境センサ
AbstractドローンやHigh-Altitude Platform Station(HAPS)などから投下する空中散布型センサシステムが登場したほか,アクチュエータを用いて空中で変形することで落下軌道が変更できるセンサ技術が研究されてきた.本研究では,積載に適した平面形態から投下後に滑空に適した立体形態へと自律変形するセンサデバイスを実現するための弾性ヒンジ機構を提案する.本機構は,熱収縮シート・柔軟なシート・回路基板を接合してから加熱するだけで,平面状態から狙った折れ角に変形する.また,所望の折れ角を実現するためのヒンジモデルを構築・解析し,加熱等の作成条件の探索を行ったほか,変形を繰り返した場合の耐久性,変形特性についても評価した.さらに,本機構を用いて平面状態から飛行機形状へと変形可能な機体を試作し,重心に応じた折れ角を設定することで滑空性能が調整できることを室内の飛行試験で示した.評価の結果,0°から 100°までの折れ角モデルは実測値と高い一致を示し (R2 = 0.96),高精度な設計が可能であるほか,折れ角の設定によって水平飛行距離が 5 倍程度変化することを明らかにした.
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DS-D:3
Title非同期コミュニケーションによる分散型組織の交流を促進する共有描画システムの検討
Author*瀬野尾 悠, 根岸 彩香, 松下 美友, 小林 稔 (明治大学)
Keyword非同期コミュニケーション, 共有描画
Abstract同じ組織に所属していながら作業空間が異なることによりコミュニケーションに障壁が生まれることがある.本研究では,共有描画による非同期的な交流を通じて日常的なインフォーマルコミュニケーションを促し分散型組織の交流を支援することを目的とする.ホワイトボード上で行われる自由なコミュニケーションから着想を得て,複数の空間を繋ぐ共有描画システムを提案した.本稿ではプロトタイプシステムの構築と,デモ展示を通じて明らかになった課題や意見,考察ついて報告する.また,現段階のシステムでは非同期的な交流ができない点を課題に挙げ,今後はユーザが同じ時間にシステムの前に存在していなくても過去の書き込みや活動の痕跡から他者の存在を認識できるようなシステムの改善を検討している.
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DS-D:4
Title発話型属性認証に向けた提示文章ごとの発話特徴分析
Author*井戸 智斗志, 石田 繁巳, 稲村 浩 (公立はこだて未来大学)
KeywordCAPTCHA, 誤記, 発話
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DS-D:5
Title大規模人流デジタルツインに基づく屋内移動計画支援システムの設計と開発
Author*矢野 敦大 (大阪大学大学院情報科学研究科), 天野 辰哉, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科/理化学研究所 計算科学センター)
Keywordデジタルツイン, 屋内ナビゲーション, unity, LiDAR
Abstract近年,デジタルツイン技術の進展により,建物内の人流を高精度に再現・予測することが可能となり,屋内ナビゲーションシステムの高度化が期待されている.本研究では,3D LiDARセンサ群によって取得された屋内人流データを活用し,適応的なナビゲーションシステムを構築した.対象は大阪大学箕面キャンパスの建物とした.まず構造を3Dスキャンして仮想空間に再現した.そのうえで人物座標データをもとに仮想空間に人流を再現した.さらに混雑度やすれ違い量など5つの観点に基づいたコスト設計を行い,A*アルゴリズムによる経路探索機能を実装した.また,人流予測精度の向上に向けた試行として,XGBoost分類器を用いた終点ラベル推定の導入も検討しており,速度ベクトルによる従来手法と比較して,曲がり角などにおける予測誤差の低減が期待されることを確認した.アルゴリズムの処理時間は最大でも2.2秒程度であり,リアルタイム処理として実用的な性能が確認された.今後は終点予測の実装とNavMeshとの統合を進め,ARデバイスとの連携によるユーザ適応型ナビゲーションの実現を目指す.
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DS-D:6
Titleダンスパフォーマンスにおける熟達度に依拠した呼吸・動作リズムの特徴とその関係
Author*染谷 英里 (お茶の水女子大学), 清水 大地 (神戸大学), 土田 修平 (お茶の水女子大学)
Keywordダンス, 呼吸のリズム, 動作のリズム
Abstract近年,ダンスは娯楽としてだけでなく,競技スポーツとしても注目されている.ダンスの評価基準は運動スキルに加えて,芸術的な表現スキルも重視されている.これまで,動作と呼吸に着目した運動スキル向上手法は提案されてきたが,芸術的な表現スキルに特化した向上手法は不足している.また,周期的な運動において,動作と呼吸のリズム同期は重要とされているが,ストリートダンスにおける熟練度との関係は依然未解明である.そこで本研究では,呼吸と動作の両方に注目し,ダンスの芸術的な表現スキル向上手法を提案することを目標とし,熟達度がダンスパフォーマンス時の呼吸と動作リズムとの関係に及ぼす影響を定量的に調査した.
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DS-D:7
Titleハンズオンサイバー演習のためのブロックプログラミングを用いた演習環境構築システム
Author*城 明日香 (神戸大学), 毛利 公美 (近畿大学), 白石 善明 (神戸大学)
KeywordOpenStack, ブロックプログラミング, 脆弱性, サイバーセキュリティ演習, Blockly
Abstractサイバー攻撃が増加傾向にある中で,サイバーセキュリティの強化がますます重要となっている. そこでセキュリティ人材育成のためにサイバー演習,特に大学授業や個人学習においてはLab work形式のハンズオン演習が実施されている. 既存のハンズオン演習のシステムは演習環境構築の負担を削減できるが,演習環境の構成の変更には専門的な知識や技術的作業が必要な場合が多い. 本研究の目的は,個人がハンズオン演習をするときに,複雑な作業を伴わずに演習環境を直感的に調整・構築できるようにすることである. そこで本研究では,ブロックプログラミングを用いた直感的なインターフェースを持つ演習環境構築システムを開発している. このシステムは,OpenStackを基盤としながら,ブロックのドラッグ\&ドロップで操作できるインターフェースを提供する. 本システムはイメージの事前準備は必要だが,作成後の環境構成は容易にカスタマイズ可能である. 評価の結果,従来のOpenStackダッシュボードやCLIに比べ操作数と時間を削減でき,個人PCでも実用的なリソース範囲に収まることを確認している.
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野口賞(奨励賞) / Noguchi Awards (Encouragement Award)
DS-D:8
Titleコトコロ:言葉を作る新しいサイコロ型ゲームの開発
Author*溝渕 彩久良, 馬場 虎太朗 (神奈川工科大学大学院 工学研究科 情報工学専攻), 鈴木 浩 (神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科)
Keyword認知症予防, NFCタグ, eスポーツ
Abstract本研究では,高齢者の認知機能維持・向上を目的とし,語彙想起や意味理解を促進する新しい言語系サイコロゲーム「コトコロ」を提案する.コトコロは,3つのサイコロ型ユーザインタフェース(UI)を用いて,提示されたイラストに対応する3文字の言葉を素早く構成する対戦型ゲームである.各サイコロの面にはひらがなが1文字ずつ表示され,内部にNFCタグを搭載することで,面の向きを自動検出する物理UIとして機能する.本システムは,既存の計算系ゲーム「サンコロビンゴ」で用いられていたハードウェア構成を再利用しつつ,言語的要素に焦点を当てた新たなコンテンツとして設計されている.11名の高齢者を対象とした予備的な評価実験では,「語彙力の訓練効果」や「集中力を要するゲーム性」などにおいて高い評価を得た.本研究の成果は,計算課題に抵抗感を持つ高齢者にも適応可能な認知トレーニング手法の一つとして,また今後の多様な応用展開に向けた基盤的知見として意義を持つものである.
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野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:9
Title平面的イラストをインタラクティブに立体視映像化する手法の提案
Author*片山 あず美, 水野 慎士 (愛知工業大学)
Keywordイラスト, CG, 立体視, インタラクション
Abstract本研究では,描いたイラストをその場でインタラクティブに立体的映像化する手法の提案とシステムの開発を行った.このシステムでは,ペン型デバイスを用いてテーブル上でイラストオブジェクトを描くと,そのオブジェクトがテーブル上に立ち上がっているように立体的に観察できる.二次元LiDARによるペン型デバイスの追跡,ペン先の移動軌跡の可視化とイラストオブジェクトに基づくテクスチャ付き四角形面の生成,アナモルフォーシスの原理および視点追跡に基づく運動視差立体視,などの手法を組み合わせることでシステムを実現した.システムを実装してイラスト描画の実験を行った結果,テーブル上に描いたイラストがテーブルから剥がれて現実空間に登場するような感覚が得られることを確認した.
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DS-D:10
Title写真撮影が博物館での回遊体験と記憶想起に及ぼす影響
Author*長谷川 理緒, 黒河内 睦人 (明治大学学院先端数理科学研究科), 柴田 柚華, 小林 稔 (明治大学総合数理学部)
Keyword屋内施設, 写真撮影, 記憶想起, VR
Abstract博物館やショッピングモールなど,順路が決まっておらず自由に動き回れる広い屋内施設では,来館者が自身の移動経路や鑑賞体験を十分に記憶できず,“回り忘れ”と呼ばれる問題が発生する場合がある.従来の研究では“回り忘れ”問題の解決を主目的としてきたが,本稿では体験価値の向上には記憶と体験の結びつきが重要であるという仮説に基づき,記憶想起を促進する手法の検討を行う.具体的には,定期的な写真撮影に着目し,その効果を明らかにするための実験を実施した.写真撮影は,単にその場を通り過ぎる場合に比べ立ち止まる時間を増やし,対象物をより深く観察することで記憶の定着や新たな発見を促す可能性があると考える.本稿では,VR技術を用いた館内探索実験の内容と,その結果について報告する.
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野口賞(奨励賞) / Noguchi Awards (Encouragement Award)
DS-D:11
Title警備業務の能力拡張に着目した 人とスマートビルのインターフェイスとしての Mixed Reality の可能性
Author*薗部 健, 加藤 太朗 (国立研究開発法人産業技術総合研究所/ソフトバンク株式会社)
KeywordInternet of Things, ユビキタスコンピューティングシステム, ウェアラブルコンピューティング, Augmented Human, スマートスペース/スマートシティ
Abstractデジタルツインは、さまざまな物理空間の情報を空間に紐づけて管理し、現実空間と仮想空間を双方向に連携させる技術であり、今後の社会実装が期待されている.スマートシティやスマートビルといったデジタルツインによって成り立つ社会フィールドにおいて、人とデジタルツインとの関わり方を研究し、新たな豊かな生活の可能性を探求することは、デジタルツインの社会実装と並行して取り組むべき重要な課題である.本研究では、Mixed Reality (MR), 複合現実感)を、人とデジタルツインを、物理空間を介して直接的に結びつける有効なインターフェイスと捉え、実装初期段階にあるスマートビルを対象に、警備員の業務能力拡張に着目したMRグラスを用いたサービスの実証実験を行った.これにより、人とスマートビルのインターフェイスとしてのMRの有効性と、その可能性について考察した.
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セッション SP  特別招待講演
日時: 2025年6月26日(木) 16:00 - 17:00
部屋: 飛鳥
座長: 宮本 勝 (NTT)

SP-1 (時間: 16:00 - 17:00)
Title(特別講演) 人間とAIのよき関係 ― 生命と物質をつなぐ不確実性のデザイン」
Author*鈴木 晶子 (国際高等研究所 主席研究員/京都大学名誉教授/理化学研究所客員主管研究員)
Abstract人間の振る舞いを模倣し再現するAI関連技術の急速な進展を通じて、これまで人間にのみ可能なものとされてきた様々な性能が、機械によって外挿されつつあります。人間らしさを保持する最後の砦と考えられてきた領域にも機械知性による代替可能性が論じられるようになるなか、人間および人間らしさが改めて問われています。他方、生命と物質の間に潜む不確実性の淵は、これまで以上にその暗さを増しています。予測可能性や予防的介入の可能性が高まるなか、不確実性と向き合う人間のレジリエンスは逆に弱体化しつつあるともいえます。本講演では、人間とAIのよき関係を構築していく上で、生命と物質の間に潜むこの不確実性の闇を再考し、新たな未来デザインの可能性を探ります。不確実性を再定義し、触覚知性や動的知識といった日本的文化資源の視点から、AIが物質と生命をつなぐ役割を考察します。また、不確実性を可能性として捉えることで人間とAIが取り結ぶ新たな関係性について提案します。