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| 2024年6月26日(水) |
| 巌鷲の間 (ホテル紅葉館 1F) | 千寿の間 (ホテル千秋閣 2F) | 鶴泉の間 (ホテル紅葉館 1F) | 唐松の間 (ホテル千秋閣 2F) | ブランエール (ホテル千秋閣 2F) | オーキッド (ホテル千秋閣 3F) | カトレア (ホテル千秋閣 3F) | いちょうの間 (ホテル紅葉館 2F) |
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13:00 - 13:30 |
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13:30 - 13:50 |
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13:50 - 15:10 |
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13:50 - 15:30 |
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15:30 - 15:50 |
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15:50 - 17:30 |
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17:30 - 17:50 |
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17:50 - 19:10 |
17:50 - 19:10 |
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17:50 - 19:10 |
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19:30 - 19:45 |
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19:45 - 21:30 |
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| 2024年6月27日(木) |
| 巌鷲の間 (ホテル紅葉館 1F) | 千寿の間 (ホテル千秋閣 2F) | 鶴泉の間 (ホテル紅葉館 1F) | 唐松の間 (ホテル千秋閣 2F) | ブランエール (ホテル千秋閣 2F) | オーキッド (ホテル千秋閣 3F) | カトレア (ホテル千秋閣 3F) | いちょうの間 (ホテル紅葉館 2F) |
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8:15 - 8:30 |
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8:30 - 10:10 |
8:30 - 10:10 |
8:30 - 10:10 |
8:30 - 9:50 |
8:30 - 9:30 |
8:30 - 10:10 |
8:30 - 10:10 |
8:30 - 10:10 |
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10:10 - 10:25 |
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10:25 - 12:05 |
10:25 - 11:45 |
10:25 - 11:45 |
10:25 - 12:05 |
10:25 - 11:45 |
10:25 - 11:45 |
10:25 - 11:45 |
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12:05 - 14:00 |
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14:00 - 15:00 |
14:00 - 15:40 |
14:00 - 15:20 |
14:00 - 15:20 |
14:00 - 15:40 |
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15:40 - 16:00 |
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特別招待講演 16:00 - 17:00 |
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17:00 - 17:20 |
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デモセッション 17:20 - 19:00 |
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19:00 - 19:20 |
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19:20 - 21:00 |
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21:00 - 21:20 |
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ナイトテクニカルセッション 21:20 - 23:00 |
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| 2024年6月28日(金) |
| 巌鷲の間 (ホテル紅葉館 1F) | 千寿の間 (ホテル千秋閣 2F) | 鶴泉の間 (ホテル紅葉館 1F) | 唐松の間 (ホテル千秋閣 2F) | ブランエール (ホテル千秋閣 2F) | オーキッド (ホテル千秋閣 3F) | カトレア (ホテル千秋閣 3F) | いちょうの間 (ホテル紅葉館 2F) |
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8:45 - 9:00 |
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9:00 - 10:20 |
9:00 - 10:40 |
9:00 - 10:20 |
9:00 - 10:20 |
9:00 - 10:40 |
9:00 - 10:40 |
9:00 - 10:40 |
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10:40 - 11:00 |
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11:00 - 12:20 |
11:00 - 12:00 |
11:00 - 12:40 |
11:00 - 12:40 |
11:00 - 12:40 |
11:00 - 12:20 |
11:00 - 12:40 |
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12:40 - 14:30 |
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14:30 - 15:30 |
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| 2024年6月26日(水) |
| Title | (招待講演) 安全安心なスマートシティ実現にむけた津波災害デジタルツインシステムの開発 |
| Author | 撫佐 昭裕 (東北大学サイバーサイエンスセンター) |
| Page | p. 1 |
| Abstract | 国難災害である地震津波発生直後には、災害状況や被災状況など時間的・空間的な情報空白が発生し,被害情報は断片的になる。2011年に発生した東日本大震災では、情報空白と断片化により政府・自治体の被害概括把握が困難になり、災害発生直後の初動対応に遅れが生じた。そして、近年、南海トラフ地震が懸念される中、能登半島地震が発生し、より安全・安心でレジリエントなスマートシティ実現のため、災害発生時の情報空白と断片化の対応が求められている。当研究グループでは、このような中、津波災害発生時の情報空白と断片化した情報を補完し、被災を受けた地域の社会動態を「先読み」することを可能とする津波災害デジタルツインシステムの実現を目指した研究を行っている。本講演では、本システムの開発の経緯、本システムのベースとなる世界初リアルタイム津波浸水被害推計システムの紹介、そして本システムがどのような機能を実装していくのかなどをご紹介する予定である。 |
| Title | 固定・モバイルセンサの併用による街の微気象推定手法の評価 |
| Author | *國見 亘, 伊藤 優樹, 富井 駿介, 阿部 亨, 菅沼 拓夫 (東北大学) |
| Page | pp. 2 - 6 |
| Keyword | 微気象, センサ, スマートシティ |
| Abstract | 急激な都市化と気候変動により,都市におけるヒートアイランド現象などの異常気象が多発している.これに対する対応策の一つとして,まず,街の詳細な気象条件の現状を把握することが挙げられる.数メートル単位の細かい粒度で気象条件を把握することで,都市生活での行動変容や都市設計に役立つ可能性がある.しかしながら,広いエリアにおいて細かい粒度で気象条件を計測するには,膨大な数のセンサが必要である.そこで本研究では,固定センサとモバイルを併用し,確率論的なアプローチであるクリギングによってセンサの存在しない場所の気象条件を推定する手法を提案する.本稿では,推定手法の基本設計と実装,また,それを用いた評価実験結果について考察する.実験の結果,既存手法の逆距離加重法と比較し,およそ 0.93 ℃の精度向上を実現できた. |
| Title | 次世代MDMSにおける複数データパイプラインを考慮した動的スループット調整技術 |
| Author | *Xinyi She, 郡浦 宏明, 大越 淳平 (日立製作所) |
| Page | pp. 7 - 15 |
| Keyword | 分散処理, 動的スループット調整技術, データパイプライン, 次世代MDMS, スマートメーター |
| Abstract | 次世代スマートメーター(SM)からの高頻度な電力データを処理可能とするため,現在,次世代メーターデータ管理システム(MDMS)の開発が進んでいる。次世代MDMSでは,メーターデータ処理をより短い時間内に完了させる必要がある。また,次世代スマートメーターへの移行が進められる一方で,既存のスマートメーターも一定期間運用を続ける必要があり,現行システムと共有するデータベースのアクセス集中による過負荷状態の回避も求められる。本研究では,競合する時間と負荷の要件を考慮して送信データ量を変える動的スループット調整技術を提案する。分散処理シミュレーター評価により,提案手法で15分間内のデータ処理実現し,システム負荷や残り時間に応じて効果的にスループットを調整できることを示した。 |
| Title | 画像処理を用いた水中ごみの検出手法の検討 |
| Author | *島野 凌, 西村 風冴, 須山 敬之 (大阪工業大学 情報科学部 データサイエンス学科) |
| Page | pp. 16 - 21 |
| Keyword | 画像認識, 水中ごみ検出, SDGs |
| Abstract | 都市部の水域における水中ごみは,景観の損失や水質の悪化といった多面的な環境問題を引き起こしている. これらの問題を解決するためには水中ごみを減らす必要があるが,そのためにはまず水中ごみの種類と水域内でのごみの分布を把握しなければならない. 本論文では水中ごみの種類と分布を把握するため,水中を撮影した画像から水中ごみを検出する手法を提案する. 近年では目視では検出が困難なマイクロプラスチックのような微細なごみが増加しており,ポリ袋のような比較的大きなごみと混在しているため単一の手法で対応することが難しい.そのためここではそれぞれのごみに適した複数の手法を組み合わせることによりタイプの異なるごみの検出を行い,その検出結果について検証を行う. |
| Title | 機械学習を用いたフロア構造推定 |
| Author | 鈴木 魁也, *平野 仁貴, 西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部 環境情報研究室) |
| Page | pp. 22 - 32 |
| Keyword | 機械学習, フロア推定 |
| Abstract | 近年,屋内における3 次元測位の必要性が増してきている.多くのスマートフォンに気圧センサが搭載されたことから,ユーザの高度推定に気圧値を利用した研究が盛んとなっている.さらに都市部では,高度が既知である基準気圧計を設置し,地点ごとの気圧を配信することで,絶対的な高度推定を可能とする気圧ネットワークの整備が進んでいる.しかし,屋内における3 次元測位をするにあたり,高度推定結果からフロアの推定を行うためには,建物のフロアごとの階高を含む構造情報が必要となる.国土交通省が配信しているオープンデータの3D 都市モデル活用・整備プロジェクトであるPLATEAU から,建物高や建物のフロア数などの情報が取得可能である.建物高をフロア数で割ることで階高の近似値を求めることができるが,全てのフロアが一定の階高であることは稀であり,正確な階高の特定には至らない.また,気圧ネットワークによる高度推定を用いて,企業主導のもと参加型センシングにより建物の各フロア の階高の収集が進められているが,網羅的に収集するのは不可能である.そこで本研究では,機械学習を用いて建物とフロアの特徴からフロア構造を推定する手法を提案する.参加型センシングによって得られた情報を,段階的なデータオーグメンテーションを行い学習に用いて,精度低下を防ぎつつフロア構造を推定する.これにより,収集された情報が少ない建物であっても推定可能とし, PLATEAU から得られる建物情報のみによるフロア構造推定を目的とする.評価の結果,階高の推定値における2 乗平均平方根誤差(RMSE)は0.34[m] となり,フロア構造の推定を正確に行えることが示された. |
| Title | 未知ゴミ識別のための判定手法の比較と実用化に向けた検討 |
| Author | *立花 巧樹 (奈良先端科学技術大学院大学/株式会社mica), 呉 健朗 (株式会社mica), 松田 裕貴 (岡山大学/奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所) |
| Page | pp. 33 - 38 |
| Keyword | 画像認識, ポイ捨て, ゴミ拾い, 可視化 |
| Abstract | ゴミのポイ捨ては野生動物の殺傷に繋がるなど深刻な環境問題に発展している.ポイ捨てを防止する策を講じるために必要な,ポイ捨てゴミの実態やゴミ拾い活動の実績は情報として整理されていない.我々は,カメラ装着型トングを用いて,ゴミを拾うだけで,ゴミの種別・位置情報を網羅的に収集するシステムを提案してきた.しかし,現在のシステムは画像認識モデルのため,学習データに含まれていないゴミが拾われた際に,誤認識が不可避である.この問題を解決するため本稿では,未知のゴミをその他として識別する手法を列挙し,比較検討する.実験結果より,多クラス分類モデルを用いることで,F値77%の精度を達成した. |
| Title | 大規模言語モデルを活用した認知再構成法支援チャットボットシステム |
| Author | *梅田 悠哉, 楊 期蘭 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory), 平野 真理 (お茶の水女子大学), 矢谷 浩司 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory) |
| Page | pp. 39 - 47 |
| Keyword | メンタルヘルス, チャットボット, 大規模言語モデル, 認知再構成法 |
| Abstract | 認知再構成法は,人々の精神状態を改善するのに有効な,確立された心理学的技法である.ユーザがチャットボットから助言を受けることや,逆にユーザがチャットボットに対して支援を行うことは,どちらもユーザの認知再構成を支援するのに効果的であることが先行研究によって示されている.しかしながら,これらのチャットボットとのやり取りが,ユーザの認知再構成や心理状態に対してもたらす影響の違いについての比較検証は,未だ十分になされていない.この課題に取り組むため,本研究では大規模言語モデルを活用して2種類のチャットボットを開発し,それらを組み込んだウェブシステムを構築した.一つは,ユーザと同様の悩みをユーザに相談するピアチャットボットであり,もう一つは,ユーザの悩みに助言を行うコンサルティングチャットボットである.統制群・ピア群・コンサルティング群の3群に分けられた計102名の参加者に対し,3週間にわたってユーザ実験を実施した.結果として,先行研究とは異なり,いずれの群においても参加者の心理状態に有意な変化は見られなかった.また,ピア群では,チャットボットの介入によって悩みに対する別の考え方を記述することがより難しく感じられたことが確認された.一方コンサルティング群においては,チャットボットの介入によって主観的解決に至った悩みの個数が有意に増加した.先行研究と照らし合わせながら,これらの結果が得られた理由について考察する.また,その考察を踏まえ,ユーザの認知再構成を効果的に支援するチャットボットシステムの設計に関しても議論する. |
| Title | クラウドコンピューティングにおける監視用トラフィックに対するLow-rate DoS攻撃の可能性 |
| Author | *久末 瑠紅 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 野上 竜杜, 稲村 浩, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学システム情報科学部) |
| Page | pp. 48 - 54 |
| Keyword | Low-rate DoS, 死活監視, クラウドコンピューティング, ネットワークセキュリティ |
| Abstract | 検知機構を回避し攻撃を実現する特性をもつDoS攻撃としてLDoS (Low-rate DoS) 攻撃がある.筆者らはこれまでに,周期性をもつ短時間転送トラフィックに対し攻撃タイミングの推定を行い,推定値に誤差がある場合でも成功確率が向上するLDoS攻撃の実現可能性を示した.クラウドコンピューティングにおいて,システムの健全性を確認するために周期的なトラフィックを用いた監視が行われるが,この監視用トラフィックが攻撃対象になる可能性が存在する.本稿では,この監視トラフィックに対するタイミング予測に基づく自動化された LDoS 攻撃手法を提案する.攻撃成功に必要な判断ロジックは,外乱トラフィックにより発生する推定タイミング誤差の評価と,提案シナリオにおける攻撃成功要因の分析に基づく.さらに,提案攻撃手法に対する緩和策についても議論する. |
| Title | 狭帯域 IoT通信システムDR-IoTのチャネル選択手法の設計と評価 |
| Author | *阿形 航平, 岡田 侑也 (静岡大学), 四方 博之 (関西大学), 小川 将克 (上智大学), 加藤 新良太 (株式会社スペースタイムエンジニアリング), 井家上 哲史 (明治大学), 鶴 正人 (九州工業大学), �皸� 峰生 (大阪大学), 石原 進 (静岡大学) |
| Page | pp. 55 - 65 |
| Keyword | DR-IoT, 周波数資源共同利用, 複数帯域幅・多数チャネルアクセス制御, VHF帯 |
| Abstract | 大規模災害が発生して既存通信インフラが利用不可能となった場合に,複数の災害対応組織が情報を効率的に収集・共有・分析し,意思決定を行うための技術として,VHF 帯を用いる狭帯域 IoT 通信システムの検討が進められている.本稿で取り上げる狭帯域 IoT 通信システム「多用途可変域 IoT 通信システム Diversified-Range IoT(DR-IoT)」は,異なる占有帯域幅を持つ多数のチャネルを利用可能であることが特徴である.この特徴を生かし周波数資源を効率的に利用するために,各ネットワークの主たるノード(コーディネータ)が共通チャネル(CCH)を使って,隣接する DR-IoT ネットワークと利用周波数帯の情報共有を行い,ネットワークの利用周波数帯を調停する手法が提案されている.本稿では,CCH から把握した隣接ネットワークの利用周波数帯の情報を基に,自ネットワークで利用する周波数帯を選択する手法の1つとして Closer Neighbor Farther Block(CNFB)法を提案する.この手法は,CCH で配信される利用周波数帯の情報の受信信号強度を基に,特定のルールに基づいて利用周波数帯の選択を行うことで,コーディネータが CCH で相互通信可能な隣接ネットワークだけでなく,CCH で相互通信できない位置関係にあるネットワークとの利用周波数帯の競合も低減することを目指した.この手法を計算機シミュレーションを用いて性能評価した結果,選択された周波数帯での通信の平均スループットが他の選択手法よりも 3.34 %高いことが確認できた. |
| Title | Low-rate DoS攻撃を緩和するための代理再送機構の再送タイミング制御 |
| Author | *児玉 拓海, 久末 瑠紅 (公立はこだて未来大学院システム情報科学研究科), 稲村 浩, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学システム情報科学部) |
| Page | pp. 66 - 73 |
| Keyword | Low-rate DoS, PEP, ネットワークセキュリティ |
| Abstract | サイバー攻撃のDoS攻撃の1種として,通信プロトコルの脆弱性を悪用し通信の品質を低下させるLow-rate~DoS(LDoS)攻撃が議論されている.LDoS攻撃は従来の大量トラフィックを用いる Flooding~DoS(FDoS)攻撃とは異なり,低量のトラフィックで攻撃を実現する.LDoS攻撃手法の1つに,TCPの再送制御アルゴリズムを悪用するShrew手法がある.Shrew手法では,TCPのRTOを用いた再送のタイミングと攻撃トラフィックの転送タイミングを同期させることで攻撃を成立させている.攻撃を受けるTCPには変更を加えずに外部ノードを追加し,その代理再送機構を用いて再送タイミングと攻撃トラフィックの転送タイミングの同期を外し,LDoS攻撃を緩和する手法を提案し実現性を示した.しかし,代理再送タイミングの決定において最適化されたLDoS攻撃のみを想定しており,攻撃パルス幅が変更された場合について十分な検討と対処ができていなかった.本稿では,多様な攻撃パルス幅を持ったLDoS攻撃に対応するために攻撃トラフィックの転送終了を判断し,それ契機に代理再送の開始タイミングを決定する手法を提案する.評価実験を行い,提案手法が従来手法と比較して多様な攻撃パルス幅の条件に対して対処可能であることを示した. |
| Title | IRSの反射位相パターン最適化アルゴリズムに関する一検討 |
| Author | *熊代 壮晟, 木崎 一廣, 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 74 - 81 |
| Keyword | Intelligent Reflecting Surface (IRS), Riconfigurable Intelligent Surface (RIS), Large Intelligent Surface (LIS), 無線電力伝送, B5G/6G |
| Abstract | Beyond 5G/6Gに向けて,無線通信に要求される性能は高まる一方である反面,消費電力やカバレッジに関する課題が立ちはだかる.Beyond 5G/6Gを実現すべく,注目を集める無線通信技術の1つにIntelligent Reflecting Surface(IRS)がある.IRSは,電磁波を反射する反射素子を平面上に複数配置して構成された板状のデバイスであり,各反射素子の反射特性を制御することで,入射する電磁波の方向や位相,振幅等を任意に変更して反射することができ,送受信端末間の理想的な無線チャネルの形成に役立てることができる.IRSは無線通信や無線電力伝送をはじめ,今後様々な場面で活用されることが期待される.本論文では,今後実用化が期待されるマイクロ波無線電力伝送におけるIRSの利用を想定し,IRSの反射位相制御に関して,全探索の膨大な計算量を克服すべく,より高速かつ高性能な最適化アルゴリズムを提案する.提案するアルゴリズムは,全探索に比べ計算量が極めて小さい上,主要な最適化アルゴリズムを応用することで拡張性や移植性が高いことも特徴である.計算機シミュレーションによる提案手法の基本性能評価の結果,全探索に比べ計算時間の大幅な短縮を達成できた上に,全探索に匹敵する性能を引き出す可能性を示した.また,実装したIRSの実機の初期的評価を行い,反射素子に設定する反射位相シフトの制御方法に関する評価結果を示した. |
| Title | 輻輳制御の競合制御によるLDoS攻撃の緩和性能の改善 |
| Author | *藤本 陽人, 久末 瑠紅, 稲村 浩, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学) |
| Page | pp. 82 - 89 |
| Keyword | LDoS攻撃, TCP, 再送制御, 輻輳制御 |
| Abstract | トランスポートプロトコルの脆弱性を悪用する DoS 攻撃の 1 つに LDoS(Low-rate DoS)攻撃があ る.LDoS 攻撃は他の DoS 攻撃と比較して攻撃トラフィックの送信量が少なく,既存の検知システムでの 検知は困難である.代表的な LDoS 攻撃である Shrew DoS 攻撃は TCP の RTO による再送タイミングの 一意性を悪用するため,再送タイマ管理アルゴリズムを変更し再送タイミングの一意性を排除することで 攻撃効果を緩和する事が可能である.しかしながら,再送タイマ管理アルゴリズムの変更によって TCP の タイマ値の最小値である 1 秒を下回り,Fast retransmission と RTO の同時発生,すなわち輻輳制御の競 合が確認された.Fast retransmission は RTO による再送と比較して再送に必要なコストが低いため,競 合を制御することで TCP の性能低下を軽減し LDoS 攻撃の緩和性能を改善できる可能性がある.本稿で は,輻輳制御の競合を制御して TCP の性能低下を軽減し,LDoS 攻撃の緩和性能の改善可能性を示す. |
| Title | オンデマンド型社会人教育プログラム 「京都橘大学情報学リスキリング講座」の開発と運用 |
| Author | *大場 みち子 (京都橘大学), 廣本 亜矢子 (京都橘大学/株式会社ワイドブック), 東野 輝夫 (京都橘大学) |
| Page | pp. 90 - 96 |
| Keyword | オンデマンド教育, リカレント教育, LMS |
| Abstract | これからの情報化社会をリードするために不可欠な情報学の体系的学習のために,「京都橘大学情報学リスキリング講座」を開発した.本講座は全11科目で,各科目は全10回,55分/回,各回は授業資料,授業動画,確認テストで構成し,LMS(Learning Management System)上に構築したオンデマンド型の教育システムである.2023年7月から本講座の開発を開始し,2024年1月から講座を開講し,受講生は5月中旬時点で約900名である.本報告では,「京都橘大学情報学リスキリング講座」の開発と運用の概要とそこで発生した課題や解決方法,今後の展望について報告する. |
| Title | 小中一貫校の導入に伴う校区再編の検討 |
| Author | *清水 仁, 岡部 泰典 (西日本電信電話株式会社), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所) |
| Page | pp. 97 - 102 |
| Keyword | 校区再編, 線形計画問題, 小中一貫校 |
| Abstract | 日本では小学校6年間と中学校3年間の義務教育が続いてきたが,近年は小学校と中学校の機能を一体にした小中一貫校の導入が推進されている. 既存の小学校や中学校を小中一貫校に転換すると用地の準備が不要であるが,現状の小中学校区は入り組んでいるため,どの学校を小中学校に転換すべきかを決定することは容易ではない. そこで本稿では,小中一貫校に転換する学校を決定する問題を線形計画問題として定式化して,校区再編計画を作成する手続きを提案する. シミュレーション実験では奈良市のデータセットを用いて,全ての学校が小中一貫校に転換したときの小中一貫校の最適配置を示す. そして,学校数によって平均通学距離や校区変更が必要な町丁目の数がどのように変化するかを分析する. |
| Title | 議論支援システムにおいて議題の特性が参加の均等化に及ぼす影響 |
| Author | *川島 躍士 (電気通信大学 情報理工学域), 中村 亮介, 西村 龍之介, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻) |
| Page | pp. 103 - 108 |
| Keyword | 議論支援システム, 対話分析, エージェント |
| Abstract | 本研究は,対面の議論で参加の均等化を働きかける議論支援システムにおいて,議題の特性が働きかけに及ぼす影響を明らかにする.思考型の議題における議論支援システムの働きかけは,議論全体の発話の偏りを緩和することが示唆されている.しかし,実際の議論では,思考型の議題だけではなく,提案型の議題も考えられる.提案型の議題においては,結論となりうる意見の幅が狭いと考えられるため,議論の進行が思考型の議題と異なる可能性がある.そこで,提案型の議題を扱う議論に参加の均等化を促すエージェントシステムを導入し,働きかけの影響がどのように異なるかを分析した.その結果,思考型の議題よりも議論支援システムの効果が小さく,議題の特性が影響している可能性が明らかになった. |
| Title | 発言に含まれる単語の抽象度の可視化において議題が与える影響 |
| Author | *中村 亮介, 西村 龍之介 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻), 川島 躍士 (電気通信大学情報理工学域), 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻) |
| Page | pp. 109 - 112 |
| Keyword | 議論支援システム, 対話分析, 可視化 |
| Abstract | 本研究では,思考型と提案型という異なる特性の議題において,発言の抽象度がどのように影響するかを分析する.思考型は個人で考えた意見を発言し議論する議題である.一方で,提案型は課題を解決するための具体的な方策を提案する形で議論する議題である.先行研究において,発話に含まれる単語の抽象度と時系列に基づいて極座標にプロットすることで議論を可視化する手法が提案されている.その結果,議論参加者は議論の中で具体的な視点と抽象的な視点の往還を行っていることが明らかになっている.しかし,この研究は,思考型の議題における議論のみ行っている.そこで本研究では,提案型という異なる議題において,提案手法による議論の可視化を行った.そして,思考型の議題と比較し具体と抽象の往還がどのように異なるか分析した.その結果,提案型の議題における議論では,思考型の議題における議論と比較して,具体的な単語が多く出現することが確認された.一方で,抽象的な単語において,議題の差による差異はみられなかった.したがって,提案型の議題における議論の方が,発話に含まれる単語の抽象度の幅が広い可能性がある. また,話題の推移が議題の特性によって異なる可能性が示された. |
| Title | 集中の方向特性を考慮した視覚的な音源位置操作を用いた認知的作業パフォーマンス向上手法の検討 |
| Author | *山本 京介 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 双見 京介 (立命館大学大学院情報理工学研究科/Digital Spirits Teck), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科) |
| Page | pp. 113 - 121 |
| Keyword | ヒューマン-コンピュータ・インタラクション, 認知科学, AR |
| Abstract | 人は注意を特定の物事ではなく,ある物理的空間に割り当てるため,注意する方向の範囲が広がると集中精度が低下する.そのため,視覚と聴覚別々に情報を提示するとき,どちらの情報も必要な場合には,どちらも同じ方向から提示し,集中する方向を一致させるべきであり,どちらか一方の情報を無視させる必要がある場合は,それぞれ違う方向から提示し,集中する方向を分離させるべきである.本研究では,タスクの行いやすさや,認知パフォーマンスを向上させることを目的とし,腹話術効果に基づいた,ARによる音源位置操作手法を提案する.提案手法は,音源を視覚的に隠し,代わりに,適切な音源位置に人が話している姿をARで表示し,腹話術効果を誘発させることで,音源が適切位置に移動したように感じさせるものである.2つのユースケースを対象に評価した.1つ目は,ユーザが集中すべき物事と音源が別々の方向に存在する状況で,ARによる音源定位能力の操作により,ユーザが集中する方向を一致させることで,タスクの行いやすさと認知パフォーマンスを向上させるものである.2つ目は,ユーザが集中すべき物事と,無視すべき音源が同一方向に存在する状況で,ARによる音源定位能力の操作により,ユーザが集中する方向から音源を分離させることで,1つ目と同様の効果を狙うものである.本研究では,これらの提案手法を評価する実験を行ったところ,結果として1つ目のユースケースに関しては有効性が確認できなかったが,2つ目のユースケースに関しては,タスクの行いやすさについて有効性を確認することができた. |
| Title | CoreMoni-α: Consideration of Long-Term Feedback Methods in Core Training |
| Author | *佐藤 圭翼, 木村 正子, ロペズ ギヨーム (青山学院大学) |
| Page | pp. 122 - 132 |
| Keyword | 行動変容, ヘルスケア, ウェアラブルコンピューティング, ウェルビーイング |
| Abstract | 本研究では、新型コロナウイルスの影響下での健康維持を支援するために「体幹トレーニング支援システム」を開発した。提案システム「CoreMoni-α」は、高精度の姿勢判定、リアルタイムフィードバック、長期的なトレーニングを支援するロングタームフィードバック機能を備えている。トレーニング中の姿勢を視覚的にフィードバックすることで、ユーザが適切な姿勢を維持できるようサポートする。また、競争心を掻き立てるランキング機能や個人の成果を確認できるデータ閲覧機能も実装し、ユーザのモチベーション向上を目指している。 19名の被験者を対象に、システムを使用したトレーニングと、システムを使用しない通常のトレーニングを比較する実験を行った。その結果、システムを使用したトレーニングの方が、体幹の安定性と筋力が向上することが確認された。また、被験者の自己評価によれば、システムの使用はトレーニングのモチベーション向上にも寄与したという結果が得られた。 以上の結果から、体幹トレーニング支援システム「CoreMoni-α」は、体幹トレーニングの効果向上とモチベーション維持に寄与する可能性が示されたと結論付けることができる。本システムは、特に自宅でのトレーニング環境が求められる中で、効果的な体幹トレーニングを実現し、ユーザの健康維持に貢献するものである。 |
| Title | 漫画主人公と読者の性格類似によるポジティブな効果の検証 |
| Author | *栗原 蒼太, 馮 晨, 菅谷 みどり (芝浦工業大学) |
| Page | pp. 133 - 137 |
| Keyword | ストレス, 漫画, 心拍変動指標 |
| Abstract | 近年,ストレス社会が問題となっている.ストレスをため続けるとうつ病などの精神病になる可能性があるため,ストレスを発散する発散することが期待される.ストレスを発散する様々な手段の中でも,漫画は手軽にその目的が果たせることから広く普及している.漫画がストレスを発散できる効果をもつ要因の一つとして,漫画が人にポジティブな効果を与える点があげられる.これは,実際に漫画を読む前と後で,緊張からリラックスへの変化が報告されており,一定の効果が認められると考えられる.しかし,なぜ漫画に人をポジティブにさせる効果があるのか,ポジティブ効果を引き出す要因については十分明らかではない.また,先行研究では,主人公と読者の性格の類似性はポジティブな効果を引き出す要因であることを示したが,漫画に適用されておらず,その有効性は明確ではない.そこで,本研究においては,ポジティブな効果の一つであるストレス軽減効果に着目し,漫画のストレス低減効果を明らかにすることを目的として,漫画主人公と読者の性格類似性により漫画読書が人に与えるストレス軽減効果の明確化を行う.具体的には,人のストレスを反映する心拍変動指標を用いて,漫画主人公と読者の性格類似による漫画読書が人に与えるポジティブな効果を実験により調査し,分析するものとした. |
| Title | CutRest:カトラリー置き型摂食リズム調整システム |
| Author | 伊東 優乃, *大久保 紗恵, 木村 正子, ロペズ ギヨーム (青山学院大学) |
| Page | pp. 138 - 152 |
| Keyword | 行動変容, ユビキタスヘルスケア, ウェルビーイング |
| Abstract | 本研究では,食事中のユーザーに適切なタイミングで振動と液晶画面への色の表示でのフィードバックを行うことによって早食いを阻害し,「ゆっくり食べる」という意識を持たせ,食事のペースを遅くするシステム「CutRest」を開発した.CutRestを使用した食事時間増加効果の評価実験では,NASA-TLXによる作業負荷に関するアンケートを実施することでCutRestの有無による作業負荷の比較を行った.また,SUSに基づくアンケートを実施することで,CutRestの実用性を評価した.CutRestを使用した場合と使用していない場合を比較したところ,総食事時間,総咀嚼時間,一口に要した時間のすべてにおいて被験者10人中10人が増加した.また,NASA-TLXを用いた重み付け平均値も,被験者10人中10人が増加したことで, 食事時に作業負荷がかかっていることが確認できた.SUSによるアンケートでは,通知と実験手順の説明の方法に改善の余地はあるものの,平均点が80.25点となり,CutRestの実用性および満足度が高く評価された結果であった.さらに,先行研究ではカトラリーに装着する装置の重さにより操作性が悪いことが指摘されていたが,CutRestはカトラリーに装置を装着する必要がないため,操作性の問題を改善できたといえる.また,本研究ではカトラリーに箸のみを用いて実験を実施したが,スプーンやフォークなどの箸以外のカトラリーにも対応可能である. |
| Title | 災害避難シミュレーションにおける逐次パラメータ補正により,予測精度を維持・向上するアーキテクチャ |
| Author | *横谷 暢斗, 西村 友洋, 上野 磯生, 齋藤 元滋, 北原 亮, 森 航哉 (日本電信電話株式会社) |
| Page | pp. 153 - 159 |
| Keyword | デジタルツイン, 防災, 避難 |
| Abstract | 災害に関してその予測,避難の最適化等の研究は進んでいるものの,リアルタイムに集団を避難誘導していく枠組みはできていない.その実現に向けて,本研究では,シミュレーションパラメータを逐次補正するナッジング手法を用いることによってその精度を維持しつつ,異種のシミュレーションの間でパラメータ補正の結果を受け渡しながら,それらを継続的に実行する枠組みを提案する.そのために,現状および近未来の予測状況をそれぞれデジタルツインとして表現,見える化し,自治体管理者と避難者に対して,継続的に分析・予測結果を提供するアーキテクチャを考案し,その PoC を構築した.これを用いて実際の災害避難を模した検証実験を行った結果,シミュレーション精度維持と避難誘導の観点で本アーキテクチャの有効性を確認した. |
| Title | 家電の稼働データを用いた家電の使い方分析とライフスタイル仮説の検証 |
| Author | *金 多仁, 助田 浩子 (株式会社日立製作所) |
| Page | pp. 160 - 164 |
| Keyword | IoT家電, データアナリティクス, フレームワーク, 特徴量, クラスタリング |
| Abstract | ライフスタイルの多様化とIoT家電の普及に伴い,家電に係るソリューション提供において,稼働データの分析による顧客一人ひとりのライフスタイルに合わせた機能の提供が求められている.そこで本報告では,ユーザのライフスタイルを抽出するための分析フレームワークを提案する.家電の「使い方」の観点で着目すべき特徴量や分析フローを定義することで,異なる機種に対しても共通した分析手法を適用可能とした.洗濯機のデータを本フレームワークにて分析した結果,実際の洗濯機の利用パターンを抽出でき,ライフスタイルの推定が可能であることを示した. |
| Title | 個人の行動プラン最適化による運動習慣化サポート |
| Author | *太田 賢 (宮城大学/仙台応用情報学研究振興財団), 岩間 参伸 (宮城大学) |
| Page | pp. 165 - 172 |
| Keyword | 行動プラン, 運動習慣化, 行動変容支援, 自己行動実験, コーチング |
| Abstract | モバイルアプリを利用した運動習慣化の促進に向け,個人の多様なライフスタイルにフィットする運動プランの最適化を支援する手法を提案する.提案手法は,実践と調整を反復する自己行動実験アプローチに基づき,日常行動に紐づくIF-THENプラン推薦,ユーザー状況スコアを利用したプラン調整の契機の提供,問題状況の相談に基づくプラン調整内容の提案の3つの機能を備える.自己行動実験ツールの設計要件に基づき,提案手法を組み込んだ習慣化アプリを実装した.15名の参加者による評価実験の結果,アプリのガイドや行動プラン推薦によって,活動や風呂,移動等の日常行動がIF-THENプランの状況文として選ばれ,参加者の日常行動に紐づく行動プランが作成されたことを確認した.またアプリによる行動プラン調整の提案によって対処プランの設定やプラン内容の変更等の行動プラン最適化に向けた操作が行われたことを確認した.対処プランとしては運動種別の変更,時間帯や行動前後などのタイミングの変更が設定され,個人のライフスタイルへの最適化が図られた. |
| Title | LTRS:笑い伝達による演者の緊張度緩和支援 |
| Author | *高山 海人 (青山学院大学), 木村 正子 (青山学院大学/名古屋工業大学工学研究科), Guillaume Lopez (青山学院大学) |
| Page | pp. 173 - 179 |
| Keyword | 心拍変動, LF/HF, 笑い, 緊張, 生体情報 |
| Abstract | 芸歴1年以上の芸人を対象にしたアンケートによると,約9割がリハーサルや本番直前の緊張を感じている.一方,8割の芸人が「観客の反応が緊張を和らげる」と回答している.そこで,芸人の本番中の緊張緩和をサポートするため,「笑い検出・緊張緩和システム(LTRS)」を開発しました.LTRSは,観客の笑いを心拍変動(HRV)から検出し,触覚フィードバックとして芸人に伝える.LTRSが芸人の緊張感に与える影響を,HRVを用いた定量的評価とSUS(System Usability Scale)を用いた定量的評価の両面から評価した.その結果,LTRSは緊張をわずかに緩和することが示唆されたが,有意な差は認められなかった.また,LTRSのユーザビリティ評価では,使用感に個人差があることが明らかになった.今後は,笑い検出方法の改善や演者へのフィードバック方法の再検討により,より効果的な緊張緩和が期待される. |
| Title | ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を活用した臨場感のある遠隔操船体験システムの提案 |
| Author | *山尾 海斗, 川原 弘暉, 鹿嶋 雅之 (鹿児島大学大学院理工学研究科), 渕田 孝康, 小田 謙太郎 (鹿児島大学情報基盤統括センター) |
| Page | pp. 180 - 183 |
| Keyword | ヘッドマウントディスプレイ, 遠隔操船, ユーザ体験 |
| Abstract | 本研究では,リモート旅行における主体性の問題を解決するため,遠隔操船を用いてより臨場感のある体験を提供することを目的とした.沿岸観光地での360度カメラ搭載遠隔操作船の導入により,リモート観光,レースゲーム体験,餌やり体験など,新たなリモート旅行体験を提案した.開発にあたっては,全方位カメラの選定,価格,低遅延通信,メンテナンス性,バッテリー動作時間,船舶免許・検査の不要性など,様々な課題に直面した.これらの課題に対し,USB機能搭載の全方位撮影可能コンパクトデジタルカメラの採用や,WebRTCを用いた低遅延通信の実装などの解決策を講じた.最終的に,Meta Quest 2 HMDを用いた遠隔操船体験実験を行い,その場にいるかのような臨場感を実現できることを確認した.今後の課題として,揺れの抑制,臨場感の向上,船舶衝突回避機能,自動帰還機能などが挙げられる. |
| Title | 指輪型デバイスを用いたフィンガージェスチャーによるドローン操縦方式の提案 |
| Author | *谷澤 健太, 中村 優吾, 福嶋 政期, 荒川 豊, 峯 恒憲 (九州大学) |
| Page | pp. 184 - 191 |
| Keyword | ウェアラブルデバイス, ヒューマンマシンインタラクション, ドローン |
| Abstract | 本研究では指輪型デバイスを用いた拡張性の高いドローン操縦システムの提案を行う.既存のドローンの操作法では,ドローンにFPV操縦や物資投下などの移動以外のタスクも行わせるためには,多くのコマンドが必要となり,直感性のある操作システムの設計が難しくなっていた.そこでフィンガージェスチャーの認識と,スイッチの入力を用いてドローンのジェスチャーコマンドを定義することで,指だけの動きに対してドローンへ多様な操作を行えるシステムを提案する.また,シミュレーションによるドローン操作実験の結果,提案手法は既存手法に対して想定外の動作を防ぐことができ,さらに操作軸を増やすことで回転や物資投下などのより多くのタスクがこなせることが確認できた. |
| Title | 再利用可能な知識の共有に基づいた対処の迅速化を実現する分散型SOC基盤 |
| Author | *近藤 賢郎 (北海道大学/慶應義塾大学), 西嶋 克哉, 重本 倫宏 (株式会社日立製作所), 中村 修 (慶應義塾大学) |
| Page | pp. 192 - 199 |
| Keyword | セキュリティ運用, インシデント対処, 組織間連携 |
| Abstract | 本稿は組織内のセキュリティ運用で検知された異常事象への対処を迅速化することを目的に,連携関係にある組織間に跨がって対処に関する知識を共有する分散型 SOC 基盤を提案する. 分散型 SOC 基盤は各組織にチケットシステムなどのデータベースに蓄積されている対処実績をもとに,他の組織においても再利用可能な知識を形成する. 本稿では複数組織間の連携に基づいた分散型のセキュリティ運用手法を実現する分散型 SOC 基盤のアーキテクチャを提案し,この基盤に基づいて複数組織に跨がったセキュリティ運用連携する場合の知識 (対処のインテリジェンス) を整理・考察して,それらが分散型 SOC 基盤により共有されることによる対処における効果を評価・考察する. |
| Title | 複数組織のSOC間における情報共有の制御のあり方 |
| Author | *加藤 大弥, 石井 美穂, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学) |
| Page | pp. 200 - 204 |
| Keyword | 分散型SOC, 情報共有, SOC, インシデント対応 |
| Abstract | 現在,サイバー攻撃の組織化,高度化に伴い,他組織とセキュリティに関する情報だけではなく,実際の攻撃に対する対処チケット情報やインシデントレスポンスの内容等のSOC(Security Operation Center)業務の情報の共有を行う,分散型SOCという概念の提唱と有効性の検証について取り組んでいる.しかしこれらの情報には機微な情報が含まれているため,情報共有の制御が必要不可欠である.そこで本研究では,複数組織のSOC間における情報共有の制御のあり方について,実際に異なる3組織のSOC間におけるインシデント対応チケット共有実証実験をもとに考察,検討した内容について述べる. |
| Title | CAN侵入検知アルゴリズムの性能評価 |
| Author | *佐々木 あかり, 倉地 亮, 松原 豊, 高田 広章 (名古屋大学大学院情報学研究科) |
| Page | pp. 205 - 214 |
| Keyword | 車載ネットワーク, CAN(Controller Area Network), IDS(Intrusion Detection System) |
| Abstract | 近年,自動車システムのソフトウェア化 · ネットワーク化や自動車システムの新しい利用形態の出現等を背景として悪意のある攻撃機会や脅威が増加しており,自動車セキュリティ対策が急務である.自動車セキュリティ対策の 1 つに侵入検知システムが存在し,アルゴリズムとして様々なものが提案されているが,横並びの評価はまだ不十分である.さらには複数手法を組み合わせた際の評価についても十分な検討がされていない.このような背景を踏まえ,新たな侵入検知システム提案の第一歩として,主な車載ネットワークプロトコルである CAN(Controller Area Network)の侵入検知アルゴリズムの性能評価を行う.具体的には,まず論文を調査し,評価する 5 種類の侵入検知アルゴリズムと 1 種類のデータセットを決定する.次に各アルゴリズムの実装を行い,単体時と組み合わせ時のそれぞれについて評価レポートを得る.最後に,評価レポートやデータセットの特徴から,各侵入検知アルゴリズムの単体時,および組み合わせ時の有効性について考察を行う. |
| Title | 不正コード検出のためのソースコード分割方法の検討 |
| Author | *須藤 智也, 寺島 美昭 (創価大学) |
| Page | pp. 215 - 220 |
| Keyword | セキュリティ, ソフトウェア工学, ソフトウェアサプライチェーン, ソースコード解析, 自然言語処理 |
| Abstract | ソフトウェア開発におけるOSS等の第三者によるソフトウェアの利用が増えており,そのセキュリティ対策は課題である.近年では,機密情報の流出やマルウェアをダウンロードさせるコード片を広く使用されているOSSに挿入し,利用者の環境で実行させる攻撃が報告されている.本研究は,こうした本来のOSSの意図とは異なるコード片を不正コードと定義し,言語モデルによってドキュメント文との関連度を用いて検出する手法を提案する.本稿では,この手法におけるソースコード分割手法としてプログラムスライスを導入した.実装実験において,スライスに基づく分割手法を適用した場合に高い精度を示し,かつ不正コードと正常コードの混在の影響が軽減され,頑健な検出が可能であることを示した. |
| Title | (招待講演) データ駆動型社会を支える高信頼データ基盤を目指して |
| Author | 中村 隆喜 (東北大学サイバーサイエンスセンター) |
| Page | p. 221 |
| Title | 学認対応IdPホスティングサービス実証実験参加機関における運用と課題 |
| Author | *上野 悟 (国立保健医療科学院保健医療情報政策研究センター), 清水 さや子 (国立情報学研究所アーキテクチャ科学研究系), 中村 素典 (京都大学 情報環境機構IT基盤センター), 鈴木 彦文 (国立情報学研究所学術基盤課), 星 佳芳 (国立保健医療科学院保健医療情報政策研究センター) |
| Page | pp. 222 - 226 |
| Keyword | 学認対応IdPホスティングサービス, IdP, 認証認可, 研究データ管理 |
| Abstract | 2021年3月に閣議決定された「第6期科学技術・イノベーション基本計画」において,信頼性のある研究データの適切な管理・利活用促進のための環境整備が進められており,2021年4月には「公的資金による研究データの管理・利活用に関する基本的な考え方」において,研究データを適切かつ効率的に管理・利活用するためクラウド上で研究データの管理・公開・検索を促進するシステムを中心とした研究データ基盤を構築することが効果的とされている.また,研究期間にわたって研究者の認証認可が必要であるため,適切にアクセス可能な研究者のみが研究データにアクセスできる認証認可が求められる.2024年2月に決定された「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」において,即時オープンアクセス対象となる競争的研究費を受給する者に対し,論文及び根拠データの学術誌への掲載後,即時に機関リポジトリ等への掲載を義務づける方針が示された.機関リポジトリにおいても第三者による登録や改ざんの問題をなくすために,誰が登録や編集を行ったかを追跡可能にする必要があり,機関リポジトリにおいても認証認可が求められる.国立情報学研究所が実施する学認対応IdPホスティングサービス実証実験は,機関のシステム管理者の負担軽減に向けて,学認対応のIdPをクラウド上で動かし,それを貸し出すためのIdentity as a Service(IDaaS)の検討を行っている.IDaaSとして提供することで,IdPサーバの構築やソフトウェアのバージョンアップ,セキュリティパッチの随時更新等の作業は,サービス提供側が行うため,機関のシステム管理者の負担が大きく軽減され,利用者管理のみに注力することができると期待される.本研究では,学認対応IdPホスティングサービス実証実験の参加から約1年が経ち,学認対応IdPホスティングサービス実証実験参加機関である国立試験研究機関における運用状況と課題を紹介する. |
| Title | 侵入防止システムにおけるSDNとの併用による高速化 |
| Author | *森茂 友悟 (東京農工大学), 高井 淳光 (ヤマハ株式会社), 古市 裕太郎, 山井 成良, 中川 令 (東京農工大学) |
| Page | pp. 227 - 234 |
| Keyword | IPS, SDN, ファイアウォール |
| Abstract | ファイアウォールの構成法として,侵入検知システム(IDS)と SDN(Software Defined Network) を組み合わせたファイアウォールシステムが注目されている.しかし,このシステムではパケットを複製 しながら監視を行う必要があり,攻撃遮断までの遅延時間に攻撃が通過してしまう問題があった.この問 題は IDS を侵入防止システム(IPS)に置き換えることで対処できるが,同時にパフォーマンスの低下も 発生する.そこで,本研究では IPS への変更によって発生するパフォーマンスの低下を軽減するため,2 つの高速化手法をシステムに導入し,その有効性を検証する. |
| Title | 椅子型体動センサを用いた会議中の体動と心理的安全性の関係性調査 |
| Author | *林田 宗樹 (九州大学大学院 システム情報科学府), 福嶋 政期, 中村 優吾, 崔 赫秦 (九州大学大学院 システム情報科学研究院), 池田 浩 (九州大学大学院 人間環境学研究院), 荒川 豊 (九州大学大学院 システム情報科学研究院) |
| Page | pp. 235 - 241 |
| Keyword | 会議, 心理的安全性, 非言語情報, 椅子型センサ |
| Abstract | 本論文では,会議中の会議参加者の体動と心理的安全性との関係性を調査する. 実際の会議において,会議参加者に負担を与えずに自然な動きを収集するために,椅子型体動センサによるシステムを用いて複数人のデータを同時に収集した. また,会議後に心理的安全性に関するアンケートを回答してもらい,心理的安全性スコアを算出した. そして,得られたデータから頷きの回数や平均,最大値,分散,周波数変換後の最大周波数といった特徴量を抽出し心理的安全性スコアとの相関関係を調査した. 結果は,頷きの回数と心理的安全性スコアとの相関は0.327,体の左右移動の分散と心理的安全性スコアとの相関が0.331とあまり良い結果は得られなかったが,頷いた回数が特に多い参加者の心理的安全性は高い傾向にあることが確認できた. また,会議参加者の役割や種類によって会議参加者の行動と心理的安全性との関係が変化する可能性を示唆している. |
| Title | 筆記開示後の視覚フィードバックデザインの選好に関する調査 |
| Author | *中野 博貴, 乘�� 駿平, 耿 世嫻, 矢谷 浩司 (東京大学) |
| Page | pp. 242 - 250 |
| Keyword | HCI, ストレスコーピング, 筆記開示, 選好 |
| Abstract | 日常生活につきまとうストレスに対して適切な対処法を見つけ上手くつきあう必要があるが、個人 によって何をストレスに感じ、そのストレスにどのような対処が適しているのかは異なる。そこで本研究 ではストレスの内容やユーザの心理状態、個人の性格に応じてユーザが求めるストレス対処法を提案する システムを構成することを見据えて、これらの要素がストレス対処法への好みにどのように影響するのか を調査する。ストレスの内容やユーザの心理状態を分析するために筆記開示という心理療法を通じて言語 化してもらい、ストレス対処法のメタファーとなるような視覚的フィードバックを 4 種類のうちから 1 つ を選んで使用してもらうことで選好傾向を分析した。ユーザ実験では、クラウドソーシングサイトから募 集した 20 代後半から 50 代後半までの男女 29 人を対象に 4 週間の間毎日実験を行なってもらい、442 の筆 記開示のサンプルを収集した。定量分析の結果、ストレスの大きさやストレスによる怒り・悲しみ・恐怖 感、そしてストレスの原因が自分自身にあるかどうかといったことが視覚的フィードバックへの嗜好に影 響を与えることがわかった。この結果を利用することでどのようなストレスを抱えているか、それによっ てどのような感情を抱いているかを考慮してユーザが使いたいと感じるストレス対処法を的確に提案する システムを作ることができると考えられる。しかし筆記開示の文面自体と選ばれた視覚的フィードバック の間に特徴的な関係性は見出せなかったため、筆記開示の文面のみから予測を行うためには書き手にスト レスの種類、感情について言及するよう促すことが重要である。 |
| Title | 介護職員の心理的安全性と個性が職場満足度に与える影響の分析に向けて |
| Author | *Xinyi Min, 金子 晴 (九州工業大学大学院生命体工学研究科), 高浜 武史, 田中 祐司 (株式会社トライトDX 推進室), 井上 創造 (九州工業大学大学院生命体工学研究科) |
| Page | pp. 251 - 257 |
| Keyword | 職場満足度, 心理的安全性, 個性, 介護施設 |
| Abstract | 本研究の目的は,介護職員の職場満足度への影響要因をアンケート分析によって明らかにすることである.近年,介護職員の離職率が高まっていることが問題となっている.職場満足度が低いことが離職率の一因であると考えられる.本研究では,心理的安全感と個性を組み合わせて,職場満足度に対する評価をもとに分析を行った.データはアンケートを用いて収集した.データ収集期間は2024年2月24日から2024年5月18日約3ヶ月の間に231人の介護職員から回答を得た.このデータにおいて,検定と可視化を用い,個性と心理的安全性の職場満足度における影響を分析した.結果として,データ可視化により,協調性,神経症傾向,他者とのコミュニケーションや包容力を持ち,チーム内で個人の価値を発揮といった特徴が職場満足度と相関性がみられた.職場満足度においてANOVA検定を行い, 心理的安全性に関するグループで有意差が示された. これらに対しTukey検定を行うと,「問題を安心して指摘しあえる」「職場で尊重され,私のスキルや能力が役立っている」の各グループ間にて有意差が示された.この2つの特徴は相関分析においても,職場満足度と相関性は最も高いである.一方,個性関連の5つの特性は職場満足度と関連性があるものの,有意差はない.つまり,心理的安全性が個性よりも職場満足度に与える影響が大きいと考えられる.この結果は,介護職員の職場満足度を高めるためには,心理的安全感を高め,協調性やコミュニケーション能力など個人の特性を活かせるような職場環境を整備することが重要であることを示唆している. |
| Title | 加速度及び生理センサデータセットからのLLMを用いた看護師ストレス推定の試み |
| Author | *三宅 直哉, 金子 晴, Elsen Ronando, 井上 創造 (九州工業大学大学院生命体工学研究科) |
| Page | pp. 258 - 263 |
| Keyword | ストレス推定, LLM, ウェアラブルデバイス, 看護師 |
| Abstract | 本稿では,「ウェアラブルデバイスとLLM」を用いてストレス推定を行う.内容としては,ウェアラブルデバイスから取得した情報を基に看護師のストレス推定を行う.データセットから加速度及び皮膚電気活動(EDA), 心拍数(HR), および皮膚温度(TEMP)の生理センサデータセットを用いてストレス推定を行う.前処理にて,時間窓切り出し処理を行い,交差検証を用いて機械学習を行う.そして,RF,GB,kNNのみとそれらを基にLLMを用いて機械学習を行う.学習した結果を評価する.結果として,Random ForestとLarge Language Modelの組み合わせでは,予測正答率が82.53から82.57%に0.04%上昇したことが見られた.一方で,k-Nearest NeighborとLarge Language Modelの組み合わせにおいては予測正答率が80.38から80.25%に0.13%下降したことが見られた.特徴量重要度では,EDAが一般では重要視されており,LLMでも重要視されていることがわかった. |
| Title | 介護記録データを用いた体調不良予兆の分析と予測 |
| Author | *金子 晴, Xinyi Min, 井上 創造 (九州工業大学) |
| Page | pp. 264 - 271 |
| Keyword | 体調不良予測, 介護記録, 機械学習 |
| Abstract | 本稿では, 高齢者の体調不良を予測することを目的に, 予測の難しいデータ, あるいは予測のしやすいデータの分析を行う. 分析では, 13介護施設と1725人の高齢者から収集された介護記録データを使用する. まず, 介護記録データから体調不良を予測する機械学習を行いその精度を評価する. その後, 予測の簡単なデータ, あるいは難しいデータを明らかにするために2種類の分析を行う. 1つ目は, 予測が難しい高齢者を特定することを目的とし, 体調不良直前7日間における機械学習の出力確率を分析する. 2つ目は, 予測の難しいサンプルを特定することを目的とし, t-SNEによる次元圧縮を用いた分析である. 結果として, 介護記録データを用いて高齢者の体調不良を予測する機械学習においてバランス精度0.75を得た. その後, 1つ目の分析では体調不良日の直前数日にて機械学習の出力確率が徐々に高くなる高齢者のグループがおり, このような高齢者は予測精度が高いことがわかった. 2つ目の分析では, 特徴量・目的変数を入力にt-SNEを学習することで, t-SNEの出力空間において予測の当たったサンプルが密集する箇所を特定した. 検定により, このような予測の当たりやすいサンプルは食事量が前日から減り, 排尿量・排便量が多いサンプルであった. これは, これらが体調不良の前兆であり, 前兆がデータに現れるため予測が当たりやすいサンプルであること考えられる. |
| Title | 超分散コンピューティング基盤に向けたEnd-to-End 時間制約付きマイクロサービスの最適配置アルゴリズムの検討 |
| Author | *笠原 弘貴, 北島 龍一, 十和田 潤, 佐藤 治 (ソフトバンク株式会社), 広渕 崇宏 (国立研究開発法人産業技術総合研究所) |
| Page | pp. 272 - 284 |
| Keyword | 組合せ最適化, QoS-aware, エッジコンピューティング, マイクロサービス |
| Abstract | エッジコンピューティングにおけるアプリケーション配置は,リアルタイムなデータ処理を要求するアプリケーションにおいて特に重要であり,ノード間の通信遅延や処理時間を考慮した最適な配置アルゴリズムが必要である.マイクロサービスで構成されEnd-to-End (E2E) 時間制約を含むアプリケーションを,地理的に分散した拠点間に,効率的に配置する手法を提案する.まず,計算基盤リソースとアプリケーションをそれぞれグラフ構造に抽象化する手法を考案し,そのグラフを用いて,アプリケーションの最適配置問題を整数線形最適化問題としての定式化を行った.新たな最適配置手法として逐次サブパス写像法を開発し,厳密解法や既存の遺伝的アルゴリズム,ヒューリスティクス手法であるRandom walk Max-Matchとの比較を行った.提案手法は,NP困難であるグラフ写像問題を線形時間で近似的に解くことができ,要求するリソース制約とE2E時間制約を満たしたアプリケーション構成グラフの配置解を算出した.オフライン問題では,提案手法が,アプリケーション構成グラフのノード数が増えた場合でも他手法に比べて安定して解を算出可能であり,配置解の基盤ノードの利用コストにおいて他手法と比較して優れた性能であることを示した. |
| Title | 時空間相関を考慮したIoTセンサの精度管理手法に関する一検討 |
| Author | *山田 泰輝 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部) |
| Page | pp. 285 - 291 |
| Keyword | 自動校正, 誤差推定, 階層ベイズモデル, MCMC法 |
| Abstract | IoT 技術の普及によって,センサの計測値を利用したアプリケーションが多数登場している.それらのアプリケーションでは,センサの品質管理,つまり測定精度の維持・管理が重要となる.センサの測定精度が低下する要因として,バイアスと呼ばれる系統誤差が挙げられる.バイアスは時間と共に少しずつ変動する性質をもつため,時間の経過によって大きな値をとる可能性が高い.そのため,センサの精度を一定以上に維持するためには,例えば一年毎など定期的なセンサの校正によってバイアスを補正する必要がある.校正は,通常は人の手で個々のセンサに対して行われるが,センサ数が増加すると,全てのセンサを人の手で校正することは難しい.そこで,センサが密集する状況下では近隣センサが近い値を測定することを利用して,各センサの補正値を推定し,校正を行う自動校正法が提案されている.しかし,既存の自動校正法は最適な補正値を推定することのみを目的としており,バイアスの推定精度が不明である.そこで本研究では,すべてのセンサの誤差を十分に小さくするための新たな自動校正法を提案する.提案手法は,各センサの誤差の確率分布を階層ベイズモデルを用いて推定し,その分布に基づいて選択したセンサを定期的に校正することで,センサ全体の精度を必要な水準に維持・管理する.シミュレーション評価により,提案手法を用いることでセンサの精度を一定水準に維持できることを示した. |
| Title | エッジAI向け物体検出モデル作成におけるアノテーション効率化手法 |
| Author | *森 裕輝, 浅井 悠佑, 東浦 圭亮, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院 工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科/名古屋大学 未来社会創造機構) |
| Page | pp. 292 - 301 |
| Keyword | エッジAI, 物体検出モデル, アノテーション, 画像処理, エッジAIカメラ |
| Abstract | 近年,物流に対する世界的な需要が拡大し続けており,倉庫内業務の効率化は重要な課題である.倉庫内業務の効率化に向け,大規模カメラ基盤を構築し,その映像データを基に倉庫内オブジェクトの位置や動きのデータ化を試みている.しかし,すべての映像データをクラウドに送信し,処理を行うことは,膨大な通信量や処理電力がかかる.エッジAIカメラの利用により,映像をカメラ内で分析・データ抽出,必要な情報のみを転送し,通信量と消費電力を大幅に削減できる.しかし,エッジAIカメラの計算能力の制約と倉庫内の複雑な環境下という条件より,軽量で高精度な物体検出モデルが必要となる.エッジAIカメラごとに物体検出モデルを作成すれば,高精度を期待できるが,アノテーションコストは膨大になる.本研究では,学習データ生成時においてもエッジ側で処理し,通信量・ストレージ量を抑えつつ,アノテーションを効率化する方法を提案する.具体的には,エッジ AI カメラを用いて,倉庫内の映像からオプティカルフローを用いて動的物体・静的物体の位置情報を取得し,その位置情報を基に表現学習を用いて倉庫内オブジェクトをセグメンテーションした.その後,サーバ上でクラスタリングを行い類似オブジェクトを一つのクラスタにまとめ,クラスタごとに一括でラベリングしてアノテーションコストを大幅に削減した.また,セグメンテーションまでをエッジAIカメラ上で実行し,学習データ生成時においても通信量・ストレージ量を抑えた.結果として,通信量・ストレージ量を抑えつつ,物体検出モデル作成に必要なアノテーションコストを著しく削減した. |
| Title | ストレージ搭載デジタルサイネージを活用した観光エリアにおける端末間通信型連合学習手法の提案 |
| Author | *酒井 裕基 (奈良先端科学技術大学院大学), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター) |
| Page | pp. 302 - 313 |
| Keyword | 連合学習, 深層学習, 画像認識, 端末間通信(D2D) |
| Abstract | 近年の観光業においては,学習参加者(データ提供者)のプライバシを保護し,低コストかつ高精度なモデル構築を実現する深層学習手法が求められている.本稿では,観光地におけるオブジェクト認識モデルの構築を前提として,観光客が所有するモバイル端末間の通信に加えて,各観光スポットに配置されたデジタルサイネージとの通信を新たに導入した改良型の端末間通信型連合学習手法を提案する.提案手法では,各観光客のモバイル端末が,近隣のモバイル端末に加え,デジタルサイネージとも通信し,通信を介して入手した他モデルのパラメタをもとに自身のモデルを更新することで,モデル精度を向上させる.デジタルサイネージは,近隣のモバイル端末から送信された複数のモデルパラメタを内部ストレージに保管する機能に加え,簡易的なモデル統合機能を備えている.このことから,デジタルサイネージは,各ユーザ端末が所有するモデルの精度向上に有用なモデルを有していると期待できる.提案手法の有効性 を評価するために,モバイル端末向けの代表的なニューラルネットワークの一つである MobileNetV2 を基にしたモデル,画像データセットの CIFAR-10,並びに奈良市内の特定の観光エリア内の人流データを用い,2つのシミュレーション実験を行った.モバイル端末間の通信回数の上限を設定し,提案手法に基づくモデル更新を 1日間行った場合,提案手法は,端末間通信のみを用いる従来の連合学習手法と比較して,各モバイル端末内で構築されるユーザモデルの平均精度が約5.3%向上することを確認した.また,通信回数の上限を撤廃し,提案手法に基づくモデル更新を 3日間連続して行った場合,各モバイル端末内で構築されるユーザモデルの平均精度が約72.0%に達することを確認した. |
| Title | 複数センサ間の関係に基づいた気象センサの異常検知手法 |
| Author | *木村 聖人 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部) |
| Page | pp. 314 - 320 |
| Keyword | IoT, 異常検知, 気象センサ, 深層学習, 時系列データ |
| Abstract | 気象センサの測定値は,災害時の注意勧告や日常生活,農業等の産業において重要な意思決定の指標である.そのため,気象センサの測定値の信頼性を確保することは重要である.そこで,センサの測定値に異常検知手法を適用することで,異常値を迅速に検出し,信頼性を維持する必要がある.従来の異常検知手法では,異常検知の対象センサの過去のデータから,センサの測定値の生起確率などを確率分布でモデル化し、現在の測定値に対して適応することで異常検知を行う.しかし、この手法ではデータセットが不均衡データであるなどの要因により生成する確率分布に偏りが混入し,異常検知の精度が悪化するという問題がある.一方で,近年ではIoT(Internet of Things)が普及し,気象センサの測定値を,無線通信を通じて収集することで,様々なアプリケーションに活用されている.そこで,本研究では,複数の気象センサに用いた異常検知手法を提案する.具体的には、異常検知の対象センサおよび周辺の気象センサのデータを用いて,深層学習に基づいた予測モデルを生成して、異常検知を行う.複数の気象センサデータを用いることで,個々の気象センサデータに含まれる偏りの影響を低減し,異常検知の精度向上を目指す.評価では,AMeDASの気象データと人工的に作成した異常データを用いて,提案手法と従来手法の異常検知の精度を比較した.評価の結果,提案手法を用いることで異常検知の精度が向上をすること確認した. |
| Title | 学習者の自由意志による休憩タイミングと脚部動作との関係性の調査 |
| Author | *小平 将希 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻), 清水 瞭平 (電気通信大学 情報理工学域), 濱田 龍哉, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻) |
| Page | pp. 321 - 327 |
| Keyword | 学習支援システム, 自由休憩, 脚部動作計測 |
| Abstract | 学習者の特性や状態によって,個別に学習をカスタムするパーソナライズ学習という考え方がある. その中で,学習中の休憩のパーソナライズを脚部動作計測に基づいて行った研究がある. 脚部動作計測とは,学習者の脚部の動きから疲労感などを推定する手法である. この研究では,休憩をパーソナライズする際の閾値に問題があったために,パーソナライズされた休憩による学習効果の向上がみられなかった. 本研究は,休憩のパーソナライズのために,学習者の自由意志による休憩と脚部動作との関係性を調査することを目的とする. 自由意志による休憩を取得できるような暗算課題システムを用いて,実験を実施した. その結果,脚部動作と休憩タイミングの間に明確な関係性は見られなかった. また,被験者の多くが休憩をためらってしまう傾向にあった. 休憩の取得をためらってしまったことにより,暗算課題の精度が低下している場面も見られた. 今後は,この場面を休憩すべきであった点として分析を進めていく必要がある. より多くの被験者を集め,個人差を考慮した閾値を検討することにより,適切なタイミングで休憩を提案するシステムを実現できると考えられる. |
| Title | 頭部装着型ディスプレイを用いた学習環境における社会的存在感の基礎検討 |
| Author | *中澤 颯 (電気通信大学 情報理工学域), 上田 達也, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻) |
| Page | pp. 328 - 333 |
| Keyword | 社会的存在感, HMD, eラーニング |
| Abstract | 本研究では,HMDを用いてe-learning教材を視聴する学習環境において,学習者がどのように社会的存在感を得ているかに関する基礎検討を行う.HMDの技術の発達により,個人に最適な学習環境を実現できる可能性がある.他者がいる環境での学習を好む学習者にとっては,静かな環境での学習は他者の存在感に乏しく,適度な緊張感を持った学習が持続しない可能性がある.その一方で,他者がいる環境が騒がしいと,このような学習者にとっても学習に適さない状況となる.そこで社会的存在感を学習者にとって最適な度合いに制御することにより,学習の集中や意欲の持続に良い影響を与えることができると考えた.そのための基礎検討として,HMDを用いた学習において視覚的な存在感を取り除いた環境と,実空間と同様の存在感のある環境を比較する.他者の存在感が学習効果にどのように影響するか調査した結果,学習効果に寄与するとは限らないことがわかった. |
| Title | TAの学習支援行動を活性化するシステムによる行動変容の分析 |
| Author | *室林 奏人, 吉野 貴浩, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学域研究科 情報学専攻) |
| Page | pp. 334 - 342 |
| Keyword | 学習支援システム, ティーチングアシスタント, 行動変容 |
| Abstract | 本研究は,Teaching Assistants(TA)が学生に対してより積極的に学習支援行動を行うためのゲーミフィケーションを取り入れたシステムを開発し,その効果を分析することを目的とする.具体的には,TAが学生への声掛けを自発的に行うよう促すためのゲーム要素を含むシステムを導入し,その導入がTAの行動変容にどのように影響を与えるかを検証した.理工系の大学1年生を対象としたプログラミング演習を対象として,TAの行動をシステム導入前後で比較観察した.分析の結果,全てのTAが自発的な声掛けの必要性を認識し,提案システムはTAによる教室内の巡回や声掛けの頻度を向上させることが確認された.これにより,教育現場におけるTAの意識変容と行動変容にゲーミフィケーションが効果的であることが示された.今後は,声掛けが促進されなかったTAのインタビュー結果からシステムを改善し,その効果を検討を進める. |
| Title | 暗算課題における目標勾配効果が脚部動作に及ぼす影響の分析 |
| Author | *清水 瞭平 (電気通信大学 情報理工学域), 小平 将希, 濱田 龍哉, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科情報学専攻) |
| Page | pp. 343 - 347 |
| Keyword | 学習支援システム, 脚部動作計測 |
| Abstract | 教育の現場において,教授者が学習者の状況を把握することが困難な場面がある. このような問題に対して,脚部動作計測によって授業中の疲労度を推定する試みがある. また,人が報酬に向けて努力している状況において,その報酬が近づくにつれて努力を加速させるという効果があり,これは目標勾配効果と呼ばれている. 本研究では,目標勾配効果が脚部動作に与える影響について分析する. 目標勾配効果を誘起するために,進捗バーが表示される暗算課題システムを使用した実験を実施した. その結果,目標勾配効果によって脚部動作が減少する可能性が示唆された. 一方で,目標勾配効果による心理的効果や,暗算課題に対する能力の向上は見られなかった. 今後の課題は,実験をより多くの被験者で実施することが挙げられる, また,進捗状況の代わりに残りの問題数を表示したり,より難易度の高い問題を使用した場合の影響の検証を行なっていく. |
| Title | C-AAE: 符号変調と匿名化オートエンコーダーを統合したプライバシーアウェア行動認識手法の検討 |
| Author | *藤本 隆晟 (九州大学大学院システム情報科学府), 中村 優吾, 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院) |
| Page | pp. 348 - 358 |
| Keyword | 匿名化オートエンコーダ, 適応的差分パルス符号変調, プライバシー保護, 行動認識 |
| Abstract | 加速度やジャイロセンサから取得できる人の行動データにはそのユーザのプライバシー情報を多く含んでいる.そのため,それらを特定しようとする外部の脅威から行動データを守る必要がある.また,プライバシー情報を守るためには,それらが推定できないような形式で利用・保存することが求められる.つまり,そのデータが利用されるアプリケーションでの機能を提供するための有用性は保ちつつ,プライバシーリスクを最小限にするためのデータ処理が求められる.そこで,本研究では,Adaptive Differential Pulse Code(ADPCM, 適応的差分パルス符号変調)とAnonymizing AutoEncoder(AAE, 匿名化オートエンコーダ)を組み合わせた行動データの匿名化手法であるCompressive-AAE(C-AAE)を提案し,実際に匿名化したデータのプライバシーリスクとアプリケーションでの有用性を評価した.結果としては先行研究のAAEと比較し,よりプライバシーリスクを抑えた上で精度を維持した行動認識を行うことに成功した. |
| Title | 本人のみが知る画像と生成された画像を提示したときの視線情報を用いた個人認証手法 |
| Author | *井ノ上 昌哉, 村尾 和哉 (立命館大学/情報理工学部) |
| Page | pp. 359 - 369 |
| Keyword | ウェアラブル, 視線, 個人認証, 機械学習 |
| Abstract | スマートグラスでは,動画や音声,行動情報などのプライバシ情報を含むデータの取得や,メールやSNSなどの個人情報へのアクセスが可能です.これにより,プライバシ保護や不正アクセス防止のために生体認証や行動ベース認証が必要である.虹彩認証などの生体認証には,生体情報の複製の脅威や漏洩時の変更が困難という問題があげられる.本研究では,ユーザが事前に登録した本人のみが知る正解画像と,その画像を元に生成した不正解画像を提示し,正解画像を探す際の視線情報を用いる認証手法を提案する.ユーザは正解画像を登録し,画像生成AIであるReimagine XLで作成した不正解画像7枚をスマートグラスに表示し,視線情報を取得してLSTMモデルで認証判定を行う.被験者8名のデータを用いて評価実験を行い,システム全体での評価結果は据え置き型視線計測装置での最良認証成功率は81.2%,眼鏡型視線計測装置での最良認証成功率は84.4%であった.また,LSTMモデルのみでの評価結果は据え置き型の視線計測装置で68.3%,眼鏡型の視線計測装置で64.3%の最良認証成功率であった. |
| Title | スマートフォンに搭載されたインカメラの顔映像の脈波とアウトカメラの指映像の脈波を利用した個人認証手法 |
| Author | *遊間 大貴, 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部) |
| Page | pp. 370 - 382 |
| Keyword | ウェアラブル, 個人認証, 脈波 |
| Abstract | スマートフォンの個人認証手法として,IDとパスワードを用いた知識ベースの認証や,身体的特徴を用いた生体認証など,さまざまな認証技術が搭載されている.個人認証の代表例として事前に登録された顔の特徴点とマッチングすることで認証を行う顔認証技術がある.顔認証技術は睡眠中の正規ユーザの寝顔を撮影して突破されることを防ぐために,さまざまなセキュリティ対策が施されている.しかしながら,悪意のある人がスマートフォンを盗み,所有者に気づかれずに所有者の顔をスマートフォンのインカメラにかざすことで突破される脆弱性がある.また,正規ユーザの顔写真や3次元マスクによる顔認証の突破例も報告されている.スマートフォンに限らず入退室ゲートなどさまざまな場面において,この技術の脆弱性は大きな脅威となる.本研究では,スマートフォンの所有者が自分の意志で顔認証を行ったときのみ認証されることを目的として,スマートフォンのインカメラで顔映像を撮影して通常の顔認証を行うと同時に,カメラから脈波データを抽出する技術を用いて2つの脈波データを取得し,それらを比較してスマートフォンを把持している人が顔認証に使われている顔の人物かどうかを判定する手法を提案する.カメラから脈波データを抽出する技術は,スマートフォンやタブレットに搭載されているカメラから脈波データを抽出できるため,新たにデバイスを追加する必要がない利点がある.提案手法は同時に録画した顔映像と指映像から顔と指の2つの脈波データを抽出し,それぞれの山と谷を検出する.2つの脈波データの山どうしと谷どうしのペアを形成し,山のペアと谷のペアの時間差のそれぞれの平均値の合計が下限の閾値と上限の閾値の範囲内である場合,顔と指の持ち主が同じであると判断する. 評価実験では20代の男性10名が被験者として参加した.サービスライト,スマートフォンライト,自然光の3つの異なる照明条件下で,各被験者は顔と指の映像を30秒間同時に録画する作業を2回行い,合計1分の顔映像と指映像を得た.正解者10名の顔の脈波データと正解者を含む10名の指の脈波データを取得し,サービスライト環境での5秒の脈波データの平均EERは0.14となり,最も良いEER値は5秒の脈波データで0.005であった.スマートフォン環境での5秒の脈波データの平均EER値は0.208となり,使用するデバイスによって認証精度が異なることがわかった.最も認証精度が低かったのは自然光環境で,5秒の脈波データの平均EER値は0.245となった. |
| Title | 静電容量型加速度センサに対する音波照射を利用した加速度データへの情報埋め込み手法 |
| Author | *横山 健琉, 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部) |
| Page | pp. 383 - 394 |
| Keyword | ウェアラブル, 加速度, 音響, 情報埋め込み |
| Abstract | スマートフォンやタブレット,スマートウォッチ,組み込み機器などのあらゆるデバイスに加速度センサが搭載され,端末の状態推定,利用者の行動計測や健康管理などのさまざまな用途に使用されている.静電容量型加速度センサに対して音波を照射することで加速度データを変化させる攻撃が提案されている.本研究ではこの攻撃を瞬間的かつ連続的に行うことで,加速度センサに任意のビット列を埋め込む手法を提案する.提案手法によって,加速度センサを用いて人の行動などの情報を収集する際に,メタデータやアノテーションを加速度データに直接書き込むことができ,別ファイルとして保持しておく必要がなくなる.また,デバイスを保持した人に音を照射することで場所のIDを埋め込むこともできる.複数のデバイスに対して同時にビット列を埋め込むことでグループ化や時系列の同期ができる.デバイスがバックグラウンドで加速度データをモニタリングしていれば,照射した音に応じたアプリの起動も可能となる.提案手法では,埋め込むビット列を音響の有無で表現した音データを作成し,スピーカで加速度センサを内蔵したデバイスに向けて照射し,音波照射の影響を受けた加速度センサデータからビット列を抽出する.予備実験では,加速度センサMPU-9250を搭載する多機能センサに対して周波数5,200Hz,センサ到達時の音圧128dBで音波を照射したとき,センサデータのx軸成分やy軸成分に著しい加速度変化が瞬間的に起こることが分かった.また,加速度センサを搭載したスマートフォンに対して周波数3,240Hz,センサ到達時の音圧119dBで音波を照射したときも,センサデータのy軸成分やz軸成分に瞬間的な加速度変化が起こることが分かった.評価実験から,静止させた多機能センサに対して10bitの2進数情報を全パターン正確に抽出することができ,スマートフォンに対しても,デバイスの装着や把持をした状態に対しても高い精度での情報抽出を行うことができた. |
| Title | プローブデータを用いた一般道の渋滞パターンの分析手法 |
| Author | *矢嶋 佳織 (長崎大学大学院 総合生産科学研究科), 神山 剛 (長崎大学 情報データ科学部), 赤塚 裕人, 佐々木 一也, 寺田 雅之 (株式会社NTTドコモ) |
| Page | pp. 395 - 400 |
| Keyword | 位置情報システム, AI, スマートスペース/スマートシティ, コンシューマシステム, ITS |
| Abstract | 本論文では,一般道を対象にしたETC2.0のプローブデータを用いた交通状態の分析手法を提案する.本手法は,時系列クラスタリングによって,対象路線における日毎の渋滞発生パターンを導き,渋滞発生の場所や時間帯の特定を可能にするものである.長崎県の国道205号線を対象に,交通状態の分析を行った結果,平日の通勤ラッシュや休日の帰宅の時間帯など,場所や時間帯ごとの所要時間の傾向が類似した日同士を同一のクラスタとして効率的に導くことができた. |
| Title | モバイルデータを用いた鉄道利用者数の推定と混雑予測 |
| Author | *石黒 慎, 鈴木 喬, 石川 太朗 (株式会社NTTドコモ) |
| Page | pp. 401 - 409 |
| Keyword | 混雑予測, クラスタリング, イベント検知, 携帯電話基地局データ, 位置情報分析 |
| Abstract | 本研究では,モバイルネットワークの位置情報データを活用し,鉄道利用者数の推定と将来の混雑予測を行う新しい手法を提案している.まず基地局の位置情報からユーザーの鉄道利用(乗車駅・降車駅)を推定する.次にイベント開催時の混雑を考慮するため,人口統計データをクラスタリングしてイベント参加者数を抽出する.さらに人口統計,気象予報,イベント情報などの外部データを説明変数として,機械学習モデル(LightGBM)を用いて将来の各駅の入退場者数を予測する.実データによる実験では,鉄道施設内に新規にセンサーを敷設することなく予測できるようになるメリットが示された.モバイルデータを活用することで,駅施設外の混雑情報も取り入れられ,精度向上が見込まれる. |
| Title | 視覚障碍者支援における歩行支援のためのオペレータシステムの検討及び開発 |
| Author | *浅沼 和希 (千葉工業大学), 庄原 誠 (株式会社インフォモーフ), 森 信一郎 (千葉工業大学) |
| Page | pp. 410 - 417 |
| Keyword | ナビゲーションシステム, 視覚障碍者, 立体音響, 3Dカメラ, P2P |
| Abstract | 現在,視覚障碍者の歩行を補助するため現地で視覚障碍者に同行する「同行援護サービス」が提供されている.しかし視覚障碍者の数に対して同行援護者数が少ないため,十分なサービスを提供できていない.十分なサービスを提供するには現在のサービスを改善・効率化させる必要があり,単位時間あたりのサービス数を増やすことで効率化できると考えた.そこで同行援護者をクラウド上に配置し,視覚障碍者が持つ3Dカメラとマイクから周辺状況を確認して視覚障碍者を案内するサービスの検討を行う.本研究では視覚障碍者の周辺環境を仮想的にクラウド上で再現し,オペレータに提供する技術を開発する.具体的には視覚障碍者側で3D映像と空間音声を収録し,オペレータ側のヘッドマウントディスプレイの向きに応じてリアルタイムで映像と音声を処理し,提示する.また頭部動作の有無による音像の知覚精度とリアルタイムで違和感なく聞こえる更新頻度を計測し,評価を行った. |
| Title | GANを用いた時系列データの異常検知における異常度算出方法についての考察 |
| Author | *森 仁美 (お茶の水女子大学), 丸 千尋 (お茶の水女子大学/中央大学), 中野 美由紀 (津田塾大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 418 - 423 |
| Keyword | GAN, 異常検知, 異常度, 時系列データ |
| Abstract | 異常検知の技術は,ネットワークの不正アクセスの検知,医療診断,製造業における部品検査など様々な分野において用いられており,盛んに研究が行われている.深層学習モデルによる高精度な異常検知手法の中でも,GANを使用するものは,対象データの複雑な特徴の抽出や様々なデータ形式への柔軟な適応が可能である.GANを用いる場合,再構築誤差と識別誤差の2つの指標を用いて異常度が算出される.再構築誤差は異常検知対象のデータとGANのGeneratorによる再構築データとの差分,識別誤差はDiscriminatorの判定結果である.本稿では,時系列データに対してMAD-GANとEfficient GANを融合したGANを用いて異常検知を実施し,異常度算出時に使用される2つの指標の比率に着目して,各指標が異常検知精度に及ぼす影響を評価した.また,異常検知対象のデータに関する条件を変えて実験を行い,結果を比較した上で考察を行った. |
| Title | セキュリティ人財育成におけるエコシステム |
| Author | *砂原 秀樹 (慶應義塾大学), 千葉 寛之 (株式会社日立製作所), 山内 正人 (情報経営イノベーション専門職大学), 坂倉 基司 (株式会社日立製作所) |
| Page | pp. 424 - 428 |
| Keyword | セキュリティ人財育成, エコシステム, マルチレベル人財育成 |
| Abstract | セキュリティ人財育成は喫緊の課題だとされているが、次のような課題を抱えている。1) 常に変化する状況に対応して教材を常に更新しなければならない。2) 育成対象によって、異なるレベルの知識を必要とする。 3) 指導にあたる人財の不足。 こうした課題を解決するために、セキュリティ人財育成においてエコシステムを確立し、効果的に育成を図る方策の検討を行ってきた。ここでは、これまで我々が開発してきた複合演習をコアとしてエコシステムの確立を進めている。本論文では、構築されたエコシステムに関して述べると共に、その成果と課題について述べる。 |
| Title | シナリオ型セキュリティ演習へシナリオを供給するシナリオ開発演習の設計と評価 |
| Author | *山内 正人 (情報経営イノベーション専門職大学), 坂倉 基司, 千葉 寛之 (株式会社日立製作所), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学) |
| Page | pp. 429 - 434 |
| Keyword | セキュリティ教育, エコシステム, 指導者育成, 演習シナリオ |
| Abstract | 多くの組織でシナリオ型のセキュリティ演習を通して予行演習が行われ、サイバー攻撃へ備えている。しかし、演習を実施する指導者不足や新規シナリオ開発のコストが高く持続的なシナリオの更新が難しいといった課題がある。 そこで本研究ではシナリオを開発することを題材とした演習を開発し、演習を通して新規シナリオの供給や指導者の育成を持続的に行うことで新規シナリオ不足や指導者不足を同時に解消し、常に最新の事例を基にしたシナリオで最新の事例を熟知した指導者から学べるセキュリティ教育に寄与することを目的とする。 「インシデント事例の調査・分析」、「学ぶべき内容の抽出」、「シナリオの作成」を組み込んだシナリオ開発演習を設計し、2名に演習を受講してもらった。演習受講の結果、最新の不正アクセスの事例やランサムウェアに関する演習シナリオを開発でき、受講者からもその過程で学びがあったとの結果を得た。また、シナリオ型セキュリティ演習において開発されたシナリオを使用した結果、これまで演習講師が開発していたシナリオと学びや受講満足度などの点において遜色ない結果を得られた。 |
| Title | 体験型教材を用いた中学生向けサイバーセキュリティ教育 |
| Author | *和山 正人, 千田 栄幸 (一関工業高等専門学校 未来創造工学科 情報・ソフトウェア系) |
| Page | pp. 435 - 440 |
| Keyword | サイバー演習, セキュリティ教育, 教材開発 |
| Abstract | 日本国内外でセキュリティ人材不足が叫ばれている昨今,大学や高等専門学校を始めとする高等教育機関においてはセキュリティ人材育成のためのカリキュラム等が整いつつある.しかし,サイバー犯罪の増加とサイバー犯罪に巻き込まれる中高生が増加傾向にあるという課題がある.本稿では,将来セキュリティ人材を目指す中高生が増えることと,サイバー犯罪に巻き込まれる中高生を減らすという二つの観点から体験型教材を作成し,作成した教材を用いたサイバーセキュリティ教育を実施し,その効果の検証を行った. |
| Title | クラウド環境における新たな情報セキュリティコンプライアンスモデルの検討 |
| Author | *林本 圭太郎 (長崎県立大学) |
| Page | pp. 441 - 446 |
| Keyword | クラウドコンピューティング, リスクマネジメント, 情報セキュリティコンプライアンス, 情報セキュリティガバナンス |
| Abstract | 近年,組織におけるクラウドサービスの利用が増加している.一方でサイバー攻撃の件数も増加しており,クラウドサービス上の情報資産に対するサイバー攻撃が増加していると推測される.サイバー攻撃により情報資産の漏洩等のインシデントが生じた場合,コンプライアンス上の問題を引き起こす可能性がある.こうした課題に対処するために情報セキュリティコンプライアンスを体系的に整理したものとして情報セキュリティコンプライアンスモデルが存在する.しかし,クラウドサービスの急速な普及とその進化に伴い,既存の情報セキュリティコンプライアンスモデルには,プロシージャが迅速に老朽化してしまい継続的なメンテナンスコストの増大を招いているという課題が存在する.この課題を解決するために,クラウド環境上のリソースが保有するコンフィギュレーションに着目し,情報セキュリティスタンダードとの適合性を評価するモデルを提案する.迅速に老朽化し頻繁に更新されうるプロシージャに代えてコンフィギュレーションを用いることにより,より実態に即した情報セキュリティコンプライアンスの評価を行うことが可能になる. |
| Title | Google によるメール送信者のガイドライン設定が日本国内のメールセキュリティに与える影響の調査 |
| Author | *近藤 大嗣 (大阪公立大学), 澁谷 遊野, 山口 利恵, 石原 知洋, 関谷 勇司, 中田 登志之 (東京大学), 浅見 徹 (国際電気通信基礎技術研究所) |
| Page | pp. 447 - 457 |
| Keyword | メールセキュリティ |
| Abstract | Googleは,1日あたり約150億通ものGmailへの迷惑メールをブロックしているが,迷惑メールの手口が高度化してきている.そこで,Googleは2023年10月3日,Gmailアドレス(@gmail.comまたは@googlemail.comのアカウント)に対して送られる迷惑メールを除外するため,新たなメール送信者のガイドラインを設定した.このガイドライン中には,Sender Policy Framework, DomainKeys Identified Mail, Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformanceのようなメール送信者認証有効化やマーケティングやプロモーション関連のメール配信のブロック(登録解除)に関する要件等が含まれている.多くの一般メールユーザがGmailアドレスを利用していることを考慮すると,メール送信者は確実にそのようなユーザに対してメールを送信するために,メール送信者のガイドラインへの対応を行う必要がある.筆者らは,Googleのような巨大メール事業者が設定するメール送信者のガイドラインが日本国内のメールセキュリティに与える影響を調査した.具体的には,日本DNSオペレーターズグループが公開するメールセキュリティに関するデータセットを基に,「Googleのメール送信者のガイドライン発表後,日本国内組織のメールセキュリティは向上したか?」,「メールセキュリティが向上した場合,どのような組織が影響を受けやすかったか?」という2つのリサーチクエスチョンを検証した.本稿では,Googleのメール送信者のガイドライン公表日である2023年10月3日から,そのガイドラインへの対応を行うための猶予期間の最終日である2024年1月31日までのデータセットを利用した.データセットの解析から,日本国内組織のメールセキュリティ向上が確認され,また特に2024年1月以降に大きく向上したことを確認した.また,銀行等の一般消費者へのサービスを提供する組織において,顕著なセキュリティの向上を確認した.2つのリサーチクエスチョンの検証から,Googleのような巨大メール事業者によるメール送信者のガイドライン設定はメールセキュリティ向上に寄与したと考えられる. |
| Title | (招待講演) R&Dを社会課題解決につなげる共創プラットフォーム:リビングラボ |
| Author | 木村 篤信 (株式会社地域創生Coデザイン研究所) |
| Page | pp. 458 - 461 |
| Title | アクティブラーニングを用いた優位なモーダルの判定の基礎検討 |
| Author | *大串 旭 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 蔵内 雄貴, 岩本 秀明, 萩山 直紀, 松川 尚司 (日本電信電話株式会社 NTT人間情報研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部) |
| Page | pp. 462 - 467 |
| Keyword | アクティブラーニング, 感覚モデリング, 協働作業支援 |
| Abstract | 発達障がいの特徴に,視覚・聴覚・言語など感覚ごとの処理能力やメモリ量の差がある.処理能力やメモリ量が少ない感覚から情報を受け取った場合,正しく記憶しておくことができないといった問題がある.このような問題を解決するために,指示を出す人は指示を受ける人にとって優位な感覚を使って指示をするなどの工夫が必要となる.適切な補助のためには感覚ごとの優位度を取得する必要がある.しかし,各感覚に対する情報は多くの段階があるため全ての段階に対する効果を調査することは困難である.そこで,我々は個人の優位な感覚を取得するために人の感覚をモデリングするための試行回数を削減するための手法を明らかにする.具体的には,人の心理測定関数をアクティブラーニングを用いて効率的に学習することで試行回数の削減を目指した.その結果,試行回数を 25%に削減した場合でも 84%の正答率で人の心理測定関数を推論することが可能であることを明らかにした. |
| Title | マルチモーダル情報に基づいて適切な相槌の表情を提示するシステムの検討 |
| Author | *鹿摩 大智, 岡 哲平 (日本大学文理学部), 大西 俊輝, 東 直輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 石井 亮 (日本電信電話株式会社 NTT人間情報研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部) |
| Page | pp. 468 - 474 |
| Keyword | マルチモーダルインタラクション, 社会的信号処理, コミュニケーション, 相槌 |
| Abstract | 対話において聞き手が相槌を打つことは,対話を円滑に進めるための重要な要素の一つである.しかし,対話の流れに沿った適切な相槌を打つことができているか自身で把握し,改善することは難しい.適切な相槌を打つことができていないと,対話を円滑に進めることができない恐れがある.この問題を解決するために,我々は話し手のマルチモーダル情報から聞き手が打つべき相槌の機能を予測し,予測結果に基づいて適切な相槌を提示するシステムの実現を目指す.このシステムの実現により,対話の流れに沿う適切な相槌を打つことができているか自身で把握し,改善できるようになることが期待される.本稿では,適切な相槌を提示するシステムを実現するための初期検討として,話し手のマルチモーダル情報から相槌の機能を予測し,予測結果に基づいた表情画像を提示するシステムを構築した. |
| Title | 集中力を向上させるための行動伝染現象を利用した欠伸誘発システム |
| Author | *新田 隆心, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科) |
| Page | pp. 475 - 482 |
| Keyword | 欠伸, AR, ウェアラブルコンピューティング |
| Abstract | 個人で作業する場面において,集中力の向上は重要である.特に酸素吸入は集中力の向上に有用であると言われており,酸素を体内に取り込むことで,脳は活性化しリラックス効果がもたらされ,集中力が向上する.酸素を体内に取り込む手法として欠伸に着目した.欠伸を行うことで口を大きく開き酸素を体内に取り込める.そこで本研究では,個人での作業時における集中力の向上を目的とし,欠伸の誘発により集中力を向上させるシステムを提案した.欠伸を誘発させる手法として行動伝染を用いた.我々は周りの人の欠伸の様子や声を見聞きすることで欠伸が誘発される.そこで,欠伸の誘発に最も適した刺激を推定する予備調査を行った.調査結果より,欠伸の様子を提示する映像刺激と欠伸の音声を提示する音声刺激の2種を組み合わせた刺激が欠伸の誘発に最も適した刺激であると結論付けた.結果から,ARグラスのディスプレイ上に欠伸をしている映像を提示し,内蔵スピーカから音声を提示することで欠伸を誘発するシステムを構築した.提案システムは,一定の時間間隔で映像刺激と音声刺激をシステム使用者に与えることで欠伸を誘発し,集中力を向上させる.評価実験の結果において,提案システムは欠伸の誘発に有用であると結論付けられ,加えて元々十分な覚醒度を維持している場合には集中力の向上に有用であると示唆された. |
| Title | 偏光知覚を実現するウェアラブルデバイス |
| Author | *大城 亨太, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科) |
| Page | pp. 483 - 490 |
| Keyword | 偏光, 知覚拡張, ウェアラブルコンピューティング |
| Abstract | 情報技術を用いた知覚拡張によって人間が通常では得られない情報を得られるようになり,その情報を生活に役立てられる可能性がある.本研究では,人間が通常では得られない情報として偏光を採り上げる.偏光は規則的に振動する光であり,これに対して無偏光はあらゆる方向に振動する光である.人間は偏光と無偏光が同じように見えるため偏光を知覚できない一方で,偏光を知覚し生活に活用する生物が存在する.このことから,人間も偏光を知覚することで得た情報を活用できる可能性がある.しかし人間の目では目に入った光が偏光であるかどうか知覚できないため,偏光をどう活用できるのかが明らかでない.そこで本研究では,偏光子を眼前で回転させ,偏光のみが明滅して見えるようにすることで,人間に偏光を知覚させるウェアラブルデバイスを提案する.実験では,デバイスを着用した状態で生活することで,どのような場面で偏光が発生しているかを調査し,偏光を知覚して何に活用できるかを探索した.実験の結果,液晶ディスプレイ,青空,ガラス面,自動車の車体,石垣,シンク,植木,路面で偏光の発生を確認できた.また,偏光は液晶ディスプレイの判別,太陽の位置の推定,ガラスへの映り込みの判別,物体の面方向や材質の推定,水たまりの検出に役立つ可能性が示唆された. |
| Title | 脈波センサを用いた触覚計測手法の提案 |
| Author | *渡部 凌, 村尾 和哉 (立命館大学/情報理工学部) |
| Page | pp. 491 - 497 |
| Keyword | ウェアラブル, 脈波 |
| Abstract | ウェアラブルデバイスを用いることで環境情報や生体情報を計測することができる.このうち,生体情報である脈波は,腕や脚などの身体部位が握られることにより末梢血管が圧迫されることで血流量が変化することが知られており,身体部位が握られる大きさと脈波の振幅に相関関係があると考える.本研究では,スマートウォッチ・活動量計に搭載されている脈波センサを用いて,前腕に加わる圧力を推定する手法を提案する.提案手法は,前腕を圧迫する前後にユーザから計測された脈波波形における極大値の変化割合から,圧力を推定する学習モデルを作成して加圧された大きさの推定を行う.従来,前腕が握られるなどの触覚情報を取得するには,身体部位に圧力を計測する布を腕に巻き付けて圧力分布を取得するアプローチが一般的であるが,計測用の布を腕に巻き付けることで動作の制約や不快感が生じる問題がある.提案手法を用いることで,圧力分布を取得する際に,ユーザは脈波センサが搭載されているデバイスのみを装着すればよく,腕に圧力を計測する布などを巻く必要がないため,動作制約や不快感を軽減できる.取得された触覚情報は,人間が身体に受けた感覚を記録したり,ロボットやアクチュエータを介して他人に伝えたりすることができるため,言語での表現が困難な感覚や体験を共有することができる.予備実験では,手の平で前腕を加圧し,脈波を計測することによって,前腕への加圧の大きさと脈波の振幅に相関関係があることを示した.その後,提案手法の有効性を評価する実験を5名の被験者で行った.5本指の脈波データを用いてユーザのみのデータを学習した個別評価モデルで評価を行った結果,平均決定係数は0.57,平均MAEは1.60kgとなり,被験者全員のデータを学習した全体評価モデルで評価を行った結果,平均決定係数は0.53,平均MAEは1.97kgとなった.さらに,人差し指のみの脈波データを用いたモデルの個別評価モデルでは平均決定係数は0.46,平均MAEは1.76kgとなり,全体評価モデルでは平均決定係数は0.49,平均MAEは1.66kgとなった. |
| Title | 会話相手に好印象を与える視線行動を促すウェアラブルデバイスの設計と実装 |
| Author | *小笹山 涼, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科) |
| Page | pp. 498 - 505 |
| Keyword | 視線行動, アイコンタクト, 会話, ウェアラブルデバイス |
| Abstract | 視線の動きである視線行動は会話中の相手に与える印象に影響する.全く目を見ずに会話する場合は雰囲気が悪くなる可能性があり,常に相手の目を見て会話する場合には威圧感を与えてしまう可能性がある.しかし,会話中に自分がどのような視線行動をしているか,その視線行動が相手にどのような印象を与えているかを知ることは難しい.そこで本研究では,装着者に適切な視線行動を促すシステムを提案し,どのような視線行動が好印象を与えるかを調査する.システムの使用場面は2 者間の日常会話場面を想定しており,提案システムはメガネ型のウェアラブルカメラで撮影した会話相手の顔から,会話相手と装着者それぞれの視線を取得し,視線の情報から相手を見るべきか見るべきでないかをPC で判定する.その判定結果に合わせて,ウェアラブルカメラにつけたディスプレイ内蔵マイコンが色で視線行動を指示する.好印象を与える視線行動の調査では,被験者となる会話相手が提案システムの装着者と会話し,装着者の印象を5 段階で評価した.実験の結果,提案システムでは凝視割合が60 %,アイコンタクトの継続時間を3 秒以上4 秒以下とすることで,装着者は会話相手に好印象を与えられることが示唆された. |
| Title | 頭部装着型ディスプレイの情報提示方法や装着自体が有効視野に与える影響の評価 |
| Author | *宮脇 輝, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科) |
| Page | pp. 506 - 512 |
| Keyword | 有効視野, ウェアラブルコンピューティング, HMD |
| Abstract | 近年,様々なウェアラブルデバイスが普及しつつあり,人々は多くのデバイスを装着して日常生活を送るようになると考えられる.しかし,ウェアラブルデバイスの利用は,提示される情報に注意が引きつけられ,認知負荷の高まりによって有効視野が狭窄する可能性がある.また,ウェアラブルデバイスの情報提示だけでなく,装着自体も有効視野を狭窄させる可能性がある.有効視野の狭窄は,周囲の物体の見落としにつながるおそれがあるため,ウェアラブルデバイスの装着自体や情報提示が有効視野にどのような影響を与えるのかを明らかにしておく必要がある.そこで本研究では,様々な種類のウェアラブルデバイスのうち,視界を部分的に占有する頭部装着型ディスプレイ(HMD: Head Mounted Display) を対象とし,HMD の装着自体や情報提示が有効視野に与える影響を調査した.調査では,HMD の装着によって有効視野は有意に狭窄し,合わせて情報提示を行うことによりさらに有意に狭窄することが確認された. また,提示された情報に対してリアクションをすることにより,有効視野は有意に狭窄し,リアクションが必要でない場合は,動画提示時の有効視野は,時刻提示時の有効視野と比較して有意に狭窄することが確認された. |
| Title | ムーミンムーブにおけるグループ機能がユーザの歩数に与える影響の分析 |
| Author | *喜田 周作, 織 睦樹 (九州大学大学院システム情報科学府), 宮角 遥奈, 中村 佑介, 阿部 邦威 (アステラス製薬(株)Rx+事業創成部), 中村 優吾, 福島 政期, 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院) |
| Page | pp. 513 - 520 |
| Keyword | 行動変容, モバイルアプリケーション, ヘルスケア, ソーシャルインタラクション, 位置情報ゲーム |
| Abstract | 近年,運動不足による健康リスクの増加が大きな問題となっているが,多忙な現代社会では健康のための充分な運動時間を確保することは容易ではない. このような背景の元,実世界の位置情報を活用したアプリケーションがユーザの外出および歩行を動機づける有力なツールとなっている. 本研究では,位置情報活用アプリケーションの一つであるムーミンムーブの「グループ機能」を分析対象とし,グループへの参加がユーザの歩行水準に影響を与えうるかを多角的に分析する. 具体的には,グループやユーザの特徴別にグループ参加前後の平均歩数の変化を比較した. 分析の結果,ユーザの歩行水準に有意な効果を与えるグループの特徴が明らかになった. また,追加分析によって,グループのチャット機能の利用特性や,人数の多いグループ内におけるフリーライダー発生の可能性が判明した. |
| Title | 効果的な行動変容メッセージ作成に向けたインセンティブ効果の大規模評価 |
| Author | *瀧本 祥章, 金 秀明, 小林 のぞみ, 倉島 健 (日本電信電話/人間情報研究所) |
| Page | pp. 521 - 530 |
| Keyword | 行動変容, ナッジ, Twitter, ヘルスケア |
| Abstract | 生活習慣病予防のため,ナッジを考慮したメッセージによる健康行動を促す取り組みが注目されている. メッセージの効果を高めるためには,メッセージ自身が持つ特徴と受け手の特性の双方を考慮する必要があることが知られている. しかし従来の研究では,研究者が用意した少数のメッセージパターン,または,少数の受け手による評価が主である. そのため,メッセージの特徴と受け手の特性の影響,特にそれらの交互作用による影響は明らかになったとはいいがたい. そこで本研究では,交互作用を考慮しつつ,メッセージの有効性を裏付ける特徴の特定を目指し,多様なメッセージに対し,特性が異なる受け手による評価を実施し,検証用データセットを構築した. データセットは630件のメッセージと各メッセージに対する1件あたり586人,のべ73,841人の評価によって構成される. 本研究では,特にナッジの一種であるインセンティブの記載が与える影響について分析を行った. その結果,インセンティブの記載が性別,年代に関係なくすべての受け手に有効であり,特に男性50代の受け手に対してはインセンティブが得られる根拠を示すことが有効であることが明らかになった. |
| Title | 健康行動促進を目的としたシナリオ実験に基づく最適な損失型インセンティブ戦略の検討 |
| Author | *西田 由佳, 金 秀明, 倉島 健 (NTT人間情報研究所) |
| Page | pp. 531 - 536 |
| Keyword | ヘルスケア, 金銭的インセンティブ, 損失回避, シナリオ実験 |
| Abstract | 日々健康行動を続けることは生活習慣病を予防するためにも重要であるが,人によっては自ら継続 して行うことは難しい.近年,健康行動を継続させるための金銭的インセンティブを用いた介入が注目さ れており,中でも損失型のインセンティブによる介入の効果は高いことが明らかとなっている.しかし, より効果的に健康行動を継続させるための損失型のインセンティブの金額,タイミングなどの介入策の戦 略については明らかとなっていない.そこで今回我々は,損失型インセンティブを用いた介入プログラム における損失型インセンティブの金額とタスク達成率の関係を解明すべく,ウォーキングプログラムへの 参加を想定したシナリオ実験を実施し,損失型インセンティブの金額と目標歩数を達成できる自信度 (目 標達成自信度) のデータを収集した.本実験により得られたデータの解析により,我々は損失型インセン ティブの金額と目標達成自信度の間に正の相関があることを確かめた.これは先行研究において前提とさ れ,定量的な評価がなされてこなかった関係性である.我々はさらに,介入期間中に暫定的に獲得してい るインセンティブと目標達成自信度の間にも正の相関が見られることを確かめた.本研究で確かめた上記 二つの関係性を踏まえると,効果の高い損失型インセンティブによる介入策として,タスク失敗による暫 定的に獲得しているインセンティブの減少に伴う目標達成自信度の低下を防ぐために,損失型インセン ティブの金額と目標達成自信度の関係のみを考慮した場合よりも,損失型インセンティブの金額を小さく する必要があることが示唆された. |
| Title | SA 法を用いたアイデア創出支援 WEB アプリケーション |
| Author | *�睫� 雄太, 阪原 淳 (宇都宮大学大学院地域創生科学研究科), 長谷川 まどか, 鶴田 直也 (宇都宮大学工学部), 伊藤 篤 (中央大学経済学部) |
| Page | pp. 537 - 542 |
| Keyword | アイデア創出支援, Webアプリケーション |
| Abstract | 我々の文化や文明の発展は,アイデアの生成に支えられている.しかし,独創的で価値のあるものを生み出すプロセスは, 人間の知能の中で最も難しいものの1つである.そのため,様々なアイデア発想法が提案されている. 阪原らは,複数のキーワードを組合せるアイデアの発散と別視点からの評価による収束とを反復して発想を行うSpinning Aufheben法 (SA法)を提案している. SA法はキーワードの組合せが膨大になること,階層分析で加重和の計算があること,途中経過のアイデアの管理が煩雑であることから,これらを支援するアプリケーションの開発が望まれている. そこで本研究では,SA法によるアイデア創出を支援するアプリケーションを開発した.また,アイデア出しの実験を通じて,(1)発想法を全く使用しない場合,(2)発散型アイデア創出法であるマインドマップを用いた場合,(3)SA法の手順の一部を簡略化したアプリケーションを使用した場合,(4) SA法の全手順を行うアプリケーションを使用した場合の比較を行った. |
| Title | スマートフォンで取得可能なアクティビティデータを用いた大学生の睡眠習慣推定 |
| Author | *山口 慶大, 工藤 寛樹 (京都橘大学工学部情報工学科), Viktor Erdélyi (大阪大学大学院情報科学研究科), 水本 旭洋 (千葉工業大学情報科学部/大阪大学情報科学研究科), 東野 輝夫 (京都橘大学工学部情報工学科) |
| Page | pp. 543 - 550 |
| Keyword | 睡眠推定, ヘルスケア, モバイルセンシング, スマートフォン |
| Abstract | 大学生の引きこもりや就学不全の初期症状として,睡眠異常が多く生じることが知られている.メンタルヘルス不全の改善には,初期段階での早期検知と早期受診・治療が重要である.本研究では,大学全体の学生のメンタルヘルス不全の早期検知の仕組み作りを目的に,ウェアラブルデバイスなどスマートフォン以外の付加的な装置を使わず,スマートフォンで受動的にバックグラウンドでセンシング出来るアクティビティデータ(歩数など)など,学生に心理的な負担を感じさせないセンサデータと簡単なアンケートのみを用いて,睡眠習慣(就寝時刻,起床時刻,睡眠時間)を推定する仕組みを構築し,センシング情報の開示に消極的なiPhone端末を用いて,睡眠異常を検出可能な手法を提案する. |
| Title | Orthros グループ管理機能を用いた信州大学 e-Learning システムeALPS 連携システムの試作 |
| Author | *鈴木 彦文, 清水 さや子, 西村 健 (国立情報学研究所), 新村 正明 (信州大学), 中村 素典 (京都大学/国立情報学研究所) |
| Page | pp. 551 - 556 |
| Keyword | 認証, グループ管理, Identity Provider, Service Provider |
| Abstract | 現在日本の大学においては授業において e-Leaning が活用されている.特に1001名以上の学生を有する大学においては,90%以上の大学において全学的に LMS が導入されている.しかも,地方中核大学においては,単に大学内へのサービスにとどまらず,地域貢献や他大学との連携が行われていることが多い.その際,LMS に登録されている学生(ユーザ)のコンテンツアクセス制御が問題となってくる.そこで本研究ではユーザグループ管理機能を NII において開発中のOrthros グループ管理機能にて作成し,信州大学の LMS である Moodle と連携する実証実験を行なった. |
| Title | 実践的ネットワーク構築を通じたインターネット技術者の育成 |
| Author | *神屋 郁子 (福岡女子大学), 岡田 雅之 (長崎県立大学), 下川 俊彦 (九州産業大学) |
| Page | pp. 557 - 560 |
| Keyword | ネットワーク構築, インターネット, カンファレンスネットワーク, インターネット技術者育成 |
| Abstract | インターネットは社会インフラの 1 つとして必要不可欠なものである。このインフラを支えるた めに、インターネットに関する技術を習得する機会を提供することは重要である。そこで、我々は実際の ネットワーク構築を通じて学習する機会を提供し、インターネットに関する技術の理解を深めることを目 指した。本論文では、JANOG52(2023 年 7 月、長崎)、CEDEC+KYUSHU2023(2023 年 11 月、福岡)、 JANOG53(2024 年 1 月、福岡)の 3 つのイベントにおいて、カンファレンスネットワークの構築に取り 組んだその過程と成果について述べる。 |
| Title | インタラクティブな応援を可能とする応援トングの試作と評価 |
| Author | *佐藤 集, 山内 正人 (情報経営イノベーション専門職大学) |
| Page | pp. 561 - 565 |
| Keyword | 応援, インタラクション, コンテンツ, トング |
| Abstract | デジタル技術の発展により,プロ・アマ問わずオンライン配信が容易になった. プロスポーツではス タープレイヤーの存在や実況・解説などによってオンライン配信コンテンツとして魅力的である. 一方で, アマチュアスポーツはスタープレイヤーの不在や,実況・解説の付与が難しいことなどから,魅力的なコ ンテンツとはなっていない. 本研究ではそのまま配信するだけでは魅力的なコンテンツにするのが難しいア マチュアスポーツにおいて, 競技者と視聴者の間で音によるインタラクションを取り入れることでコンテ ンツの魅力を向上できる可能性があるかについて確認すことを目的とする. 本稿ではアマチュアスポーツの一例としてスポ GOMI において視聴者と競技者がインタラクションを行 える応援トングについて提案し,音によるエフェクトの付与と視聴者におけるコンテンツの魅力向上の関 係について確認したところ,視聴時間やインタビュー結果からコンテンツの魅力向上を確認した. 今後競技 者と視聴者の間でのインタラクションも取り入れることでより魅力が向上するかについて確認する. |
| Title | 多対一スイッチを含む Beneš ネットワークの高速な構築・ ルーティングと Private Join and Compute への応用 |
| Author | *紀伊 真昇, 桐淵 直人 (NTT社会情報研究所) |
| Page | pp. 566 - 574 |
| Keyword | ルーティング, ベネス網, 秘密計算, 秘匿シャッフル |
| Abstract | Benes ネットワークはスイッチングネットワーク構成の代表的なものであり,入力数2・出力数2のスイッチを組み合わせて各エンドポイント間の一対一の通信を実現する.構成要素の単純さから,近年では二者間秘密計算の重要な道具である秘匿シャッフルを実現するためにも活用されている.本研究では入力数が1 以上で出力数1 の多対一スイッチ(multiplexer, マルチプレクサ)を含むように一般化されたBenes ネットワークを扱う.これは秘匿シャッフルの変種を構成するためにGarimella ら[1] によって提案された.このように一般化されたBenes ネットワークを秘匿シャッフルに応用すれば,シャッフルと要素抽出を同時に実現できる.しかしスイッチの種類が増えたため,通常に比べて構築とルーティングが複雑にならざるを得ない.本研究では一般化されたBenes ネットワークについて,高速な構築アルゴリズムとルーティングアルゴリズムを提案する.いずれも非再帰的アルゴリズムであること,RAM アクセス回数が減るように工夫されていることが特徴である.本研究ではアルゴリズムの実装を行い,実験により性能を確認する.さらに本研究結果を用いて効率的な秘匿シャッフルとPrivate Join and Compute を実現・実装したため,その実験結果も示す. |
| Title | モバイル通信速度の位置時刻依存性計測システムの提案 |
| Author | *新 祥大朗, 間瀬 友貴, 君山 博之 (大同大学) |
| Page | pp. 575 - 580 |
| Keyword | 通信速度計測, モバイル通信, 位置情報計測, データベース |
| Abstract | 少子高齢化による労働力不足が社会問題化している中,その解決策の1つとして,高速・低遅延化された5Gモバイルネットワークを介して,工作機械やドローンなどを遠隔地から制御する方法が提案され,その実証実験が行われ始めている. モバイルネットワークは,基地局そのものあるいは基地局から先のネットワークに通信性能限界が存在するとともに,複数のユーザによって限られた通信リーソスを共有して利用することから,モバイルネットワークユーザの利用数に応じてその通信性能が変動する. そこで,我々は,場所や時間帯に応じた通信速度や遅延時間などの通信性能を予めデータベース化し,通信したいときにそのデータベースを参照して,利用するアプリケーションをその時刻その場所の通信性能に合わせてセッティング可能にするための,モバイルネットワーク性能知識ベースシステムを提案する. 本論文では,この提案システムの概要を説明するとともに,このシステムを実現する最初のステップとして,我々が開発した位置情報と通信速度とを計測するためのソフトウェアを使った評価実験の結果を示し,システム実現に向けて検討が必要な項目について説明する. |
| Title | 機械学習を用いた送受信量解析による無線センサネットワーク監視手法の提案 |
| Author | *小林 悠生 (創価大学), 清原 良三 (神奈川工科大学), 寺島 美昭 (創価大学) |
| Page | pp. 581 - 586 |
| Keyword | ネットワーク監視, 時系列クラスタリング, ブラックボックス解析, 類似度尺度 |
| Abstract | 本稿では,農業IoTにおける無線センサネットワーク(WSN)の監視を,各センサ端末の通信量のみを用いてブラックボックス的に行う手法を提案する.本稿で対象とする監視は,通信経路とその通信品質の監視であり,各センサ端末の送信量と受信量の類似性から通信経路を推定することでネットワーク監視を実現する.しかしこの手法はバーストトラフィックなどの現象が発生した場合,類似度尺度によっては類似性が著しく低く評価され,推定精度が下がる場合がある.そこで新たな時系列データ間の類似度尺度として類似時間割合(STTR:Similar Trend Time Ratio)を用いることで,全体的な類似性を重視して通信量の比較が可能になり,バーストトラフィック発生時の推定精度低下を防止する.一方で,STTRは通信環境に応じて類似を定義するための閾値の設定が必要であり,本手法の汎用化を阻む要因となる. 本稿では,相関係数を用いて類似度の分布を解析し,機械学習のランダムフォレスト法を用いて最適な閾値を自動的に設定する手法について説明する.実験では,自動設定された閾値を用いた経路推定精度は,最適値を用いた場合と比較して平均して10%程度劣るものの,異なる通信環境に対しても閾値を自動設定可能であることを確認した. |
| Title | 機械学習を用いたキャンパス内Wi-Fiトラヒック予測のためのデータ収集拠点数削減手法 |
| Author | *坂谷 遥平 (大阪大学大学院情報科学研究科), 矢野 英人 (大阪大学サイバーメディアセンター), 義久 智樹 (滋賀大学データサイエンス学系), 下西 英之 (大阪大学サイバーメディアセンター) |
| Page | pp. 587 - 594 |
| Keyword | 機械学習, データ収集拠点, 選別, トラヒック |
| Abstract | 近年,W-ifiアクセスポイントや環境センサなどの広域に存在するデバイスから得たデータ群の分析に機械学習が多く用いられている. ここでは,それぞれのデバイスが持つデータを一ヶ所に収集し,それらを機械学習のモデルに与える事でモデル訓練を行う. 収集する拠点数を増加させるほどこのモデルの精度は向上するが,比例してデータの収集や分析に関わる労力や計算資源の負荷が増大するという問題がある. そこで本研究では,多数のデバイスのうち実際にデータを収集・分析するものを一部に絞ってモデルの訓練を行い,そこから残りのデバイスから得られるであろうデータを予測することで,データ収集拠点数を削減する手法を提案する. 提案手法を大阪大学のキャンパスW-ifiネットワーク(ODINS)により提供されたアクセスポイントごとのトラヒック量を実データとして用いた実験により評価した結果,提案手法はデータ収集を受信を取り止めるアクセスポイントをランダムに決定した場合と比較して予測誤差を低下させた上でのデータ収集拠点数を削減できることを確認した. |
| Title | 未知のランサムウェアの分離に基づく検知・復元手法の提案 |
| Author | *熊坂 賢人, 永野 凜太郎 (公立はこだて未来大学大学院), 稲村 浩, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学) |
| Page | pp. 595 - 602 |
| Keyword | ランサムウェア, ファイルサーバ, 囮空間, ファイル復元 |
| Abstract | 近年,端末やそのネットワーク上のファイルを暗号化し,その復号と引き換えに身代金を要求する暗号化型ランサムウェアが流行している.ランサムウェアに感染した端末が,ファイルサーバ上のファイルを暗号化する場合もあり,大量のファイルが暗号化されるリスクがある.ランサムウェアを検知するために機械学習を用いる手法があるが,学習に用いられていない検体への対策は難しい.本稿では,ファイルサーバに対する未知のランサムウェアによる暗号化を復元するために,囮となるディレクトリである``囮空間''と,囮空間に対するランサムウェアの挙動をもとに暗号化によるファイル操作を特定し,行われたファイル操作をもとに戻す操作を行うことで,暗号化されたファイルを復元する手法を提案する.囮空間を設置したファイルサーバに対して暗号化攻撃と正規のユーザを模したファイル操作を並行して行い提案手法の実現性を評価した.評価のために5003件の暗号化と500件のアップロード操作,500件のダウンロード操作を並行して行った結果,提案手法による検知率は94.9%,誤検知率は2.8%であり,提案方式について一定の実現性を示した. |
| Title | 画像生成モデルを用いたドメイン適応型データ拡張手法によるメロン等級判定モデルの評価 |
| Author | *海老沢 源, 島田 拓人, 平原 健太郎 (静岡大学大学院総合科学技術研究科情報学専攻), 小池 誠 (静岡大学大学院自然科学系教育部), 小川 晋 (株式会社大和コンピューターi農業開発部), 野村 祐一郎 (静岡大学学術院情報学領域), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/静岡大学グリーン科学技術研究所) |
| Page | pp. 603 - 610 |
| Keyword | 画像生成, 画像分類, 拡散モデル, データ拡張, スマート農業 |
| Abstract | 農業において出荷する作物の品質管理は重要であり,特に高級メロンの選別では熟練農家が果実の外観を目視で評価する.この技術の習得には多くの時間が必要であり,一貫した等級判定基準の確立が困難となっている.この課題に対し,先行研究である機械学習を用いたメロン等級判定モデルでは,4 段階の等級判定において 82.1%で熟練農家の判断を再現することに成功している.一方で,傷や汚れなどの目立つ特徴に対して有効だが,網目の均一性といった詳細な特徴の捕捉が難しく,網目特徴による判定精度の低さが課題となっている.本研究では画像生成モデルを用いて,データ数が少なく詳細な特徴が必要となる画像に対して,ドメインに適応したデータ拡張手法と,データ拡張による生成画像の品質を保証するため,二段階の評価に基づいた拡張画像の選別手法を提案する.本研究で設定した実験の結果として,ベースライン 81.3%に対して,提案手法を適用することで 86.3%へ精度向上することを確認し,画像生成モデルのデータ拡張,二段階選別ともにメロン等級判定モデルの精度向上に寄与することを確認した. |
| Title | 農作物画像生成モデルを用いたドメイン適応型データ拡張手法の評価 |
| Author | *中根 睦仁, 平原 健太郎 (静岡大学大学院総合科学技術研究科情報学専攻), 黒田 剛士, 岩城 洋平, 内海 智仁 (ヤマハ発動機), 野村 祐一郎 (静岡大学学術院情報学領域), 小池 誠 (静岡大学大学院自然科学系教育部), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/静岡大学グリーン科学技術研究所) |
| Page | pp. 611 - 618 |
| Keyword | 拡散モデル, 生成, keypoint, データ拡張, ドメイン適応 |
| Abstract | 日本における農業従事者の減少と食料需要の増加に対応するため,持続可能な食料生産と優良品種の創出を目指した技術の開発が求められる中,IoT技術やAI技術を活用したスマート農業が注目されている. 特に,マルチモーダルな時系列データを活用することで,作物の生育状態や品質を詳細に把握し,経験を模倣した高度な自動化技術が期待される. 本研究では,画像生成モデルと超解像技術を用いた新たなデータ拡張手法を提案し,実験によりその有効性を検証した. 具体的には,条件付き拡散モデルを用いて夜間撮影データから昼間撮影データを生成し,超解像技術を適用することで生成画像の品質を向上させた. 実験結果から,提案手法は昼間撮影データに比べてmAPで約5ポイント,mAP50で約18ポイントの精度向上を達成した. また,先行研究との比較では,mAPで2ポイント程度,mAP50で3ポイント程度の精度向上を確認した. |
| Title | Tracking Any Point技術に基づく萎れ定量化による自動灌水制御手法の検討 |
| Author | *大沼 理巧 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 小池 誠 (静岡大学大学院自然科学系教育部), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/グリーン科学技術研究所) |
| Page | pp. 619 - 626 |
| Keyword | スマート農業, 自動灌水制御, 萎れ定量化, TAP技術, CoTracker |
| Abstract | 高品質農作物を栽培するためには植物内水分量を高度に推定する熟練農家の知見が必要であり,知見を培っていない新規就農者が適切な灌水を行うことは困難である.先行研究では草姿画像に Optical Flowを適用することで萎れを定量化し,水ストレス栽培を再現する自動灌水制御手法が提案され,実証実験で有効性が示された.しかし,日光の差し込み等によって草姿画像の輝度分布が大きく変化すると適切に定量化できないという課題があり,Optical Flow 以外の手法を用いて萎れを定量化する自動灌水制御手法が求められている.そこで本研究では,Tracking Any Point 技術の一つである CoTracker を用いて萎れ定量化を行う自動灌水制御手法を提案する.加えて,提案手法を用いたクラウド型の自動灌水制御システムを開発し実証実験を行い,提案手法の有効性の確認を行った.最後に,提案手法をエッジデバイス上で動作させるための初期検討を行い,安価なエッジデバイスのみで動作する自動灌水制御手法の可能性を検討した. |
| Title | 高齢農業従事者における通信販売手法に関する研究 |
| Author | *荒木 望 (千葉工業大学), 小笠原 温 (一般社団法人GAP普及推進機構), 森 信一郎 (千葉工業大学) |
| Page | pp. 627 - 634 |
| Keyword | 高齢者, 農業従事者, EC市場, ユーザビリティ, 有形化 |
| Abstract | 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い各地で対策が取られた。人と直接やりとりをせずに売買取引が行えるオンラインフリーマケットも大きく広がりを見せ、個人間で取引を行うCtoC-EC市場が拡大した。一方東日本大震災の影響を受けた岩手県大槌町では販路拡大の手段としてEC市場への参入が試みられているが円滑には進んでいない。IT機器に不慣れな高齢農業従事者が非常に多いことが原因のように見えたため、地域住民の方と共同で出品時の入力項目を減らすシステムを開発した。ユーザビリティテストを通してこのシステムを実用できない理由が複数見つかったためその原因を分析した。また高齢農業従事者における事象抽出と上位下位関係分析を行なった。分析結果をもとに高齢農業従事者がIT機器を使い商品を出品する際に障害となる原因を挙げ、プロトタイプとして解決するためのシステムを開発し実証実験を行った。 |
| 2024年6月27日(木) |
| Title | (招待講演) 機械学習モデルのためのプライバシー保護強化技術 |
| Author | *中井 綱人 (三菱電機株式会社) |
| Page | p. 635 |
| Title | 秘匿クロス統計技術を用いたデータ入出力のプライバシを保護した垂直連合学習 |
| Author | *落合 桂一 (NTTドコモ), 寺田 雅之 (NTTドコモ/京都橘大学 工学部) |
| Page | pp. 636 - 641 |
| Keyword | 秘匿クロス統計技術, 連合学習 |
| Abstract | データ活用が様々な分野で進んでおり,単一組織が保有するデータから知見を得るだけでなく,組織を横断してデータを連携することにより,より多面的な知見が得られると期待される.一方,組織間でデータ連携を行うには,プライバシ保護が課題となる.組織を横断してデータが分散した状態で機械学習モデルを構築する連合学習では,各組織が保有するデータは共有せず,モデルのパラメータやモデル更新に必要な情報のみを共有することでプライバシを保護する.一方,モデル更新に必要な勾配情報のみからでも学習に利用したデータが漏洩することが指摘されており,各組織のモデル学習において共有する勾配情報にノイズを加える局所差分プライバシを適用することで安全な学習を行っている.しかしながら,局所差分プライバシではノイズ量が多くなりモデルの精度が低下するという課題がある.そこで本論文では,組織を横断して安全にデータ連携する秘匿クロス統計技術を用いて差分プライバシが適用されたクロス集計表を作成し,そのクロス集計表からナイーブベイズ分類器を学習することで,従来の連合学習と比べノイズの影響を低減してモデルの学習を行う手法を提案する.提案手法の有効性を確認するため,連合学習で用いられる深層学習に対する安全な学習手法のDP-SGDと提案手法で分類問題で精度評価を行ったところ,プライバシ予算が限定された状況では,提案手法の方が分類精度が高いことを確認した. |
| Title | Header Bidding情報を用いたペルソナに応じたターゲティング広告の調査 |
| Author | *田口 勇翔 (明治大学大学院先端数理科学研究科), 菊池 浩明 (明治大学総合数理学部) |
| Page | pp. 642 - 648 |
| Keyword | ターゲティング広告, Header Bidding, プライバシー, トラッキング |
| Abstract | ターゲティング広告はユーザと広告業者の双方をつなぐ販売促進の手段として広く普及している. その一方, その標的を絞るアルゴリズムに透明性がなく, ユーザのプライバシーが不当に侵害されているとする懸念が生じている. そこで本研究では, ユーザの入札値にアクセスする為オンライン広告オークション方式の新しい入札方式であるHeader Bidding(HB)に注目する. HBでは, 落札値だけでなくすべての入札値がブラウザに送られてから, 落札が決定するため, 従来のReal Time Bidding(RTB)に比べて観測が容易である. 本研究では, HBにおける入札情報を解析することで配信するターゲット広告を決定するアルゴリズムと広告配信のロジックを明らかにすることを目的とし, オンライン広告業界の不透明さを改善することを試みる. 閲覧履歴, 時間帯, 広告クリックの有無が,広告の入札価格, および入札数へ及ぼす影響を報告する. |
| Title | シャッフルモデルにおける差分プライバシの ポイズニング攻撃の耐性評価 |
| Author | *堀込 光, 藤田 真浩 (三菱電機株式会社), 菊池 浩明 (明治大学) |
| Page | pp. 649 - 656 |
| Keyword | 差分プライバシー, ポイズニング攻撃, プライバシー |
| Abstract | 差分プライバシのローカルモデルは,ユーザが自身のデータを収集者に送信する前に自身でデータをランダマイズすることによりデータを秘匿化する技術である.一方で,ユーザと収集者の間に第三者機関を設ける差分プライバシモデルとしてシャッフルモデルがある.シャッフルモデルでは,シャッフラーがユーザの秘匿化データをシャッフルすることで,収集者がデータと送信者情報を関連付けることができなくなる(匿名化される)ため安全性が向上する.セキュリティの観点では,ローカルモデルはユーザ自身がデータを秘匿化するという仕組みであるため悪意のあるユーザが意図的に作成したデータを用いて統計値を操作するポイズニング攻撃に対して脆弱である.従来研究では,いくつかの攻撃者モデルを想定し,ポイズニング攻撃の耐性を理論的に評価しており,各パラメータによる耐性の調査やプロトコル間の耐性を比較している.一方,シャッフルモデルではユーザ数の増加に伴い安全性が増加するため,シャッフルモデルにおけるポイズニング攻撃の耐性は自明ではない.そのため,本稿ではシャッフルモデルにおけるポイズニング攻撃の耐性を定式化する.主要な結果は,攻撃者モデルやデータの分布によって耐性の変化量が異なることである. |
| Title | マルチモーダルデータを利用したプログラミング作業中の困惑状態推定 |
| Author | *倉田 寛大 (東京農工大学大学院生物システム応用科学府生物機能システム科学専攻), 辻 愛里, 藤波 香織 (東京農工大学大学院工学研究院先端情報科学部門) |
| Page | pp. 657 - 663 |
| Keyword | 困惑推定, 機械学習, HCI, マルチモーダルデータ |
| Abstract | IT人材の育成が盛んな昨今,さまざまなシステムによってプログラマを多角的に支援する試みが行われている.我々はこれまで,相槌機能を実装したインタラクティブな人形を開発し,この人形に対して作業について困惑している事柄を声に出して説明させることで作業者の情報整理を支援することを目指してきた.本研究では,プログラマの脈拍や視線,姿勢やキーボード・マウスの操作ログなどのマルチモーダルデータを用いて混乱状態を推定するモデルを開発し,システムが混乱を検出した場合にプログラマを支援することを目指した.没入度や眠気など,感情を取得できる生体センサからのデータと,キーボード操作ログのデータからそれぞれ分類器を作成し,5段階の困惑度合いに対して交差検証を行った.層化10分割,個人内および一人抜きの各交差検証における,生体データとキータイプ情報を用いた分類器のF値はそれぞれ,0.78と0.30,0.93と0.46,0.21と0.18となった. |
| Title | ウェアラブルセンサを用いた胃の活動状態推定手法 |
| Author | *中山 息吹, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科) |
| Page | pp. 664 - 671 |
| Keyword | 胃電図, 胃の活動状態, ウェアラブルセンサ, 機械学習 |
| Abstract | 胃の活動状態と関連する健康問題として過食や運動関連過渡性腹痛などがあり,これらを防止するために日常的に胃の活動状態を正しく認識することは有効である. 胃の活動状態は主に,食後期収縮運動により胃が膨張している活発状態と,空腹期収縮運動により胃が収縮している不活発状態の二種類に分類される. 既存の胃の活動状態を測定する技術として胃カメラ検査,胃バリウム検査があるが,これらの検査は大型の専門機器を必要とするため,胃の状態を日常的に認識することは難しい. そこで本研究は,日常的に胃の活動状態を正しく認識するため,ウェアラブルセンサを用いて複数の生体情報を取得し,取得した情報から日常的に胃の活動状態を推定するシステムを提案する. 提案システムの構築にあたり,生体情報として胃電位,皮膚温度,音響特性,血糖値を取得し,胃の活動状態を推定する機械学習モデルを作成した. 作成した機械学習モデルを評価するための実験では,20代男性2名に対し,作成したモデルの評価実験を行った. その結果,最も推定精度が高いアルゴリズムはRFであり,正解率は96%であった. そして,最も推定精度が高い生体情報の組み合わせは,血糖値センサのみの場合と皮膚温度センサと血糖値センサを組み合わせた場合,そして全センサを組み合わせた場合であった. |
| Title | 工程作業認識における時系列データの統合的活用検討 |
| Author | *大島 宏友, 福田 雅允 (株式会社東芝/生産技術センター), 前川 卓也 (大阪大学大学院/情報科学研究科), 浪岡 保男 (東京都立産業技術大学院大学/産業技術研究科) |
| Page | pp. 672 - 678 |
| Keyword | 作業認識, 時系列データ, 骨格 |
| Abstract | 近年の製造現場では、リアルタイムかつ継続的な作業認識を行うことで、迅速かつ高精度な進捗管理や生産に関わる様々な諸元データを自動で取得する取り組みが行われている。しかし、セル生産のように、1人の作業者が中・長時間に渡り複雑な組立作業を行う場合、類似の姿勢・位置で行う作業が複数存在することから、作業内容を高精度に認識することが難しかった。そこで本稿では、作業者の骨格位置、製造対象の組付け状態、作業者と製造対象の作用点といった作業情報の時系列遷移データを統合的に扱うことで、自動で作業内容を推定する手法を提案する。本手法の推定モデルでは、作業内容を高精度に推定するために、各作業情報および作業情報間の特徴を抽出するブロック(空間的特徴量抽出ブロック)と、それらの時間変化における特徴を抽出するブロック(時間的特徴量抽出ブロック)を組み合わせて構成している。実際の組立工程で取得した作業データを用いて本手法を評価し、提案手法の有効性を確認した。 |
| Title | 商品棚上方に設置したカメラによる行動計測にもとづく購買時の迷い状態の分類 |
| Author | *長瀬 清之助 (東京農工大学大学院生物システム応用科学府生物機能システム科学専攻), 辻 愛里, 藤波 香織 (東京農工大学大学院工学研究院先端情報科学部門) |
| Page | pp. 679 - 689 |
| Keyword | 行動計測, 行動認識, 購買行動, 迷い推定 |
| Abstract | 購買行動はあらかじめ購入する商品が決定している計画購買と,それ以外の非計画購買に分類され,適切なアプローチを行うために,個々の購買行動に応じたユーザの迷い状態を分類することは重要である.そこで,本研究では頭部動作と歩行動作,姿勢に着目し,商品棚上方に設置したカメラより撮影された映像から,購買行動に応じた迷い状態の分類を行う手法を提案し,実験によって収集したデータをもとに,モデル構築およびその評価を実施した.結果から,4クラス分類において平均F1スコアは0.582となり,提案手法によって購買行動における迷い状態の検出・分類が行える可能性が明らかとなった. |
| Title | 調理器具動作予測によるレシピ動画同期システム |
| Author | 北田 遊, *清水 遥希, 木村 正子, Guillaume Lopez (青山学院大学) |
| Page | pp. 690 - 701 |
| Keyword | 調理, 行動認識 |
| Abstract | 本研究は、調理者の動作に応じてレシピ動画を自動的に同期させるシステム「SyncRe」を開発し、その有効性を評価することで調理者の負担を軽減し、調理意欲の向上を図ることを目的としている。若者の食生活の偏りやコロナ禍での自炊機会の増加に伴い、調理習慣を身につけることが重要視されているが、調理中にレシピ動画を操作する手間が負担となる。SyncReは加速度センサーと音圧センサーを用いて調理工程をリアルタイムで認識し、レシピ動画を自動的にスキップやループさせるシステムである。M5StickC Plusというデバイスで調理動作データを取得し、高精度で「切る」「炒める」などの動作を認識する。実験では10名の被験者に対し、SyncRe使用の有無で調理時間や動画操作回数を比較し、調理時間の短縮と操作回数の減少を確認した。包丁の動きは平均86.7%、木べらの動きは平均79.1%の認識精度を示し、被験者全員がシステムに満足したと回答した。結論として、SyncReシステムは調理者の負担を大幅に軽減し、調理意欲を高める効果が実証された。今後は認識精度の向上と多様な調理動作への対応が求められる。 |
| Title | 再帰型多段ネットワークを用いたWi-Fiセンシングに関する一研究 |
| Author | *池村 優佑, 松川 拓真, 加藤 空知 (大阪大学大学院情報科学研究科), 村上 友規 (NTTアクセスサービスシステム研究所), 藤橋 卓也, 渡辺 尚, 猿渡 俊介 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 702 - 708 |
| Keyword | ワイヤレスセンシング, チャネル状態情報, 再帰型多段ネットワーク |
| Abstract | Wi-Fi から取得したチャネル状態情報(Channel State Information: CSI) を利用したワイヤレスセンシングは市販デバイスを使用してセンシング対象の多様な特徴を推定することができる.一方で,既存研究においてはWi-Fi CSIからセンシング対象に関する単一の特徴を推定する方法が主に検討されている.本稿ではワイヤレスセンシングにおける新たな試みとして,Wi-FiCSIからセンシング対象の特徴を複数同時に推定できるか検証する.そのために,本稿ではWi-FiCSIから複数特徴を同時推定可能な再帰型多段NNを提案する.提案手法においてはWi-Fi CSIに対して事前処理を施した特徴量を用いて対象の内部特徴・外部特徴を逐次的に推定する.このとき,事前に得られた各特徴の推定結果を補足情報として多段的・再帰的に他の特徴推定に用いることで推定精度の向上を図る.市販Wi-Fiデバイスと3Dプリントしたセンシング対象物体を使用した評価実験から,単純に複数特徴を推定可能なマルチヘッドニューラルネットワーク構造に対して提案手法はより高い推定精度でそれぞれの特徴を推定可能であることを示した. |
| Title | 環境非依存なWi-Fi CSI行動認識に向けたオフセット軽減手法の有効性評価 |
| Author | *杉本 雄, 内山 彰 (大阪大学), Rizk Hamada (大阪大学/Tanta University), 山口 弘純 (大阪大学) |
| Page | pp. 709 - 715 |
| Keyword | Wi-Fi, CSI, Autoencoder, 行動認識 |
| Abstract | 近年,人の行動認識は,ヘルスケア,スマートホーム,セキュリティなど様々な応用が期待され,大きな注目を集めている.中でも,Wi-Fi Channel State Information (CSI)は,既存の Wi-Fi 設備を利用可能なため低コストであり,センサを身につける必要がないデバイスフリーな行動認識を実現できる.しかし,Wi-Fi CSI を用いた行動認識においては,環境依存性が極めて高いという課題が存在する.本研究では,あらかじめ複数の環境で取得した CSI 学習データを利用することで,未知の環境での学習データを収集することなく適用可能な深層学習に基づく行動認識手法を提案する.提案手法は,Encoder-Decoder Networkアーキテクチャに基づくマルチタスク学習手法を採用している.これにより,Encoder では,環境依存要因を緩和し,環境不変な特徴量を抽出できる.その後,Encoder により抽出した特徴量を Feed Forward Neural Network (FNN) に入力することで,行動認識を実現する.Wi-Fi CSI にはオフセットが含まれてお り,性能向上のためには適切なオフセット軽減手法を適用することが重要である.そこで,本研究ではオフセット軽減手法として知られる CSI Sanitization および CSI Ratio の二種類のオフセット軽減手法を適用した場合について,比較を行った.性能評価のため,送受信機の位置および被験者の違いを環境と定義し,12 の異なる環境において,6 種類の行動における CSI を収集した.評価結果 より,CSI Sanitization を適用することで,CSI Ratio と比べて行動認識精度は向上することが分かった. |
| Title | 様々な入力波形に対応可能な行動認識モデル |
| Author | *長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科) |
| Page | pp. 716 - 723 |
| Keyword | 行動認識, 深層学習, 転移学習 |
| Abstract | 画像認識や自然言語処理分野では超大規模なデータセットで基盤モデルを構築し,様々な下流タスクへの応用が進んでいる.一方,行動認識では超大規模データセットの構築が困難であったり,タスクごとに利用するセンサが異なるため入力データの書式が大きく異なったりと独自の課題があり,基盤モデル実現は容易ではない.本研究では,多様なデータ書式を統一的に扱えるモデル構造を新たに開発し,将来的に複数のデータセットを横断的に用いて事前訓練するための基盤を目指す.複数のセンサを用いた行動認識に対し,入力結合戦略,パラメータ共有戦略,出力結合戦略を提案し,様々な入力を扱えるモデルを実現した.更に,動的なグループ化を提案し,PAMAP2を用いて有効性の評価を行った結果,動的なグループ化により推定精度と適切なパラメータ数を有するモデルを明らかにした. |
| Title | RGB 画像と深度画像を併用した森林画像解析手法の提案 |
| Author | *中村 圭佑, 水野 涼介, 山谷 佳祐 (株式会社NTTドコモ), 松村 択磨 (ドコモ・テクノロジ株式会社), 中村 洋太 (株式会社NTTドコモ), 北出 卓也 (株式会社NTTドコモ/慶應義塾大学) |
| Page | pp. 724 - 730 |
| Keyword | 森林画像解析, 画像認識 |
| Abstract | ドローン撮影による画像解析は,広範囲にわたる物体検出において多様な分野で重要な役割を果たしている.特に農林水産業など人の目が行き届きづらい環境では,病変の検出・雑草の認識・森林調査などにドローンで撮影したRGB 画像が用いられている. しかし検出対象と背景の色が酷似している,境界が不明瞭などの問題でRGB 画像だけでは識別が困難な物体も存在し,この問題を解決するために深度情報を含む多様な深層学習モデルが研究されている. 本論文ではドローン撮影によるRGB 画像及び深度情報を利用した新たな物体検出手法を提案し,千葉県君津市で撮影された山林データを使用して検証した. 提案手法は深度データをRGB データに重畳し高度に応じて明度を調整し,これらのデータを使い学習と推論を行った. この手法は深度データの有無にかかわらず,RGB 画像だけで物体検出を行うことも可能である. 従ってRGB画像のモデルと深度画像のモデルをそれぞれ2つ学習する必要がないというメリットがある. 実験結果から深度画像に基づいた明度調整により,RGB 画像のみを用いたモデルと比較して推論精度の観点で提案手法の優位性が明らかになった. |
| Title | 深層アンサンブルモデルのMulti-Narrow化が分類精度に与える影響 |
| Author | *田中 大聖, 長谷川 達人 (福井大学大学院) |
| Page | pp. 731 - 738 |
| Keyword | 深層学習, Convolutional Neural Network (CNN), 画像認識, アンサンブル学習 |
| Abstract | 本研究では,Convolutional Neural Network(CNN)に対し,チャネルの分割・並列化を施すことでアンサンブルモデルを構築する手法「Multi-Narrow化」が示す精度変化について検証と考察を行う.本手法は,行動認識タスクや画像分類タスクの一部条件下においてモデルの性能を向上させることが明らかになっている.しかし,画像分類タスクにおいては分割数が4より多い場合については検証が行われておらず,性能が向上する原理についても未解明である.本研究では,Multi-Narrow化の度合いとデータセットの規模を変化させたときの,精度向上量の変化について検証した.実験の結果,データセットの規模が小さい場合,Multi-Narrow化したモデルはしていないものと比べて高い精度を示すことが明らかになった.また,データセットの規模によって,Multi-Narrow化による精度上昇量は大きく変化することを示し,その要因について考察を行った. |
| Title | イベント駆動型プロトコルによる IoT デバイスの効率的制御手法 |
| Author | *杉崎 勇介, 中里 仁, 塚田 学 (東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻) |
| Page | pp. 739 - 746 |
| Keyword | IoT, エッジコンピューティング, クラウドコンピューディング, リソース管理, デジタルツイン |
| Abstract | 昨今,IoT は急速に進化し, エッジデバイスをネットワークに接続して遠隔操作/遠隔監視やデバイス 間通信を実現する手段として注目されている. これに加え, エッジデバイスに AI を搭載するエッジ AI 技術 が導入され, 取得したデータをデバイス上でリアルタイムに解析することが可能になった. これらの技術は 社会の様々な分野での応用が進んでおり, データ収集・処理の効率を向上させるなど日常生活においてもそ の影響は拡大している. 一方で, これらの汎用デバイスが直面している主要な課題として, バッテリー寿命 が短く環境によっては継続的な電源供給が困難であること, ネットワーク帯域幅・処理能力・ストレージな どのリソースが限られていることが挙げられる. 本研究では, これらの課題を解決するためのイベント駆動 型プロトコルを提案する. 本プロトコルの核となる主要な技術として,(1) バッテリー駆動を想定した間欠的 なデバイス制御・状態管理 (2) エッジ処理・クラウド処理を適切に使い分ける最適化 (3) 限られた通信帯 域を有効活用する転送制御がある. 本稿では, 提案プロトコルの概要やコンセプト, および設計内容につい て述べる. また, 提案手法の概念実証として, 室内の人数検知を行うシナリオにおいてイベント駆動型プロ トコルを適用した IoT デバイスの運用を行った. システム稼働時のデバイスの消費電力や処理時間を計測 し, その結果を比較した. これらの実験結果に基づいて提案手法の有効性やユースケースについて議論し, 課題と今後の方針を整理した. |
| Title | IoTシステムのためのデータ匿名化処理によるオーバーヘッド調査 |
| Author | *伊藤 千紗 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (順天堂大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 747 - 752 |
| Keyword | データ匿名化, IoT, 性能評価 |
| Abstract | IoT機器から収集された様々なセンサデータをクラウドで収集, 解析し, 活用することが期待されている. しかし, モバイル環境にあるIoTデータの収集では, 各種サービスで要求される通信スループットや通信遅延を維持できるかが課題となる. また, IoT通信では個人に関わるデータを収集し, クラウド上で利用するため,プライバシの保護などセキュリティ面を考慮する必要もある.しかし, 通信途中で匿名化のようなデータ変換処理を行うと, オーバーヘッドが大きくなってしまうことが考えられる. 本稿では, IoT環境でプライバシを考慮したデータ匿名化処理を行った際の通信性能を調査する. センサ端末に近いエッジとクラウドにそれぞれブローカを配備し, エッジで匿名化処理を行ってクラウドに匿名化されたセンサデータを転送することを想定する. 実験では, IoT用通信ライブラリを提供するSINETStreamを用いて, 往復通信スループットを測定する. 2つのブローカ間を中継するSINETStream Bridgeを用い, MQTTとKafkaの2つのブローカ間の中継途中でデータ匿名化を行う. 実験結果から, データ匿名化を行った通信はデータ匿名化を行わない通信とほぼ同等の性能がみられ, 匿名化によるオーバーヘッドを最小限に抑えられることが確認できた. |
| Title | 予測・立案型デジタルツインの構築法確立のための溜池測深ボートの試作と評価 |
| Author | *大島 孝太, 延本 翔 (芝浦工業大学大学院理工学研究科), 中島 毅 (芝浦工業大学工学部情報工学科), 海津 裕 (東京大学大学院農学生命科学研究科) |
| Page | pp. 753 - 756 |
| Keyword | デジタルツイン, IoT, 溜池測深 |
| Abstract | デジタルツイン(DT)には,様々な応用分野や利用方法があり広範囲な応用に対する期待を集めている.我々は,DTの応用を促進するため,DTを3類型に分け多分野へ応用するための汎用的な構築法を確立することを狙った研究を行っている.その一環として,本論文では,3類型の1つである予測・立案型DTを,農業分野への問題である溜池測深ボートへの適用する方法を検討した.検討項目として,仮想世界のモデル,センサデータと同期方法,解への要求事項,解の探索方法の4つを設定し詳細化を行うことで,例題へのDT応用に対する具体的な仕様を明確にすることができた. |
| Title | ため池測深を行う自動運航ボートにおける岸辺の認識と航路変更機能 |
| Author | *延本 翔, 中島 毅, 大島 孝太 (芝浦工業大学), 海津 裕 (東京大学) |
| Page | pp. 757 - 763 |
| Keyword | ため池測深, セマンティックセグメンテーション, ステレオマッチング, 自動運航 |
| Abstract | ため池には管理不足による老朽化や土砂の堆積の問題により決壊の危険性の高いものが多い.先行技術として,自動運航ボートを用いてため池を測深し貯水量を推定する研究があるが,地図データと実際とのずれから水際部の測深データ取得が不十分で貯水量の推定精度を下げる結果となっていた.本研究では,この技術をベースにして,画像認識を使い岸辺位置を正確に把握することで,ボートを水際部まで安全かつ十分に近づけることができる自動運行ボートシステムを開発した.このために,岸辺認識機能,距離測定機能,航路変更機能を追加している.岸辺認識機能はセマンティックセグメンテーション法を用いて画像上の岸辺位置を決定し,距離測定機能はステレオマッチング法によりその位置の距離を算出する.航路変更機能は岸辺認識の結果を用いて安全かつ十分に岸辺に近づけるように航路を変更する.実際のため池において機能を評価し,距離推定の精度がボートを安全に岸辺へ近づける精度をもつことを確認することができたが,撮影時の船体の揺れや照度の認識精度への影響や,岸辺ではない航路上の障害物の認識などの問題が明らかとなった. |
| Title | ネットワーク状態に基づくRaft選挙パラメータの動的最適化 |
| Author | *塩崎 功也, 中村 純哉 (豊橋技術科学大学) |
| Page | pp. 764 - 772 |
| Keyword | Raft, State Machine Replication, 耐故障, 故障検知, 動的適応 |
| Abstract | RaftはState Machine Replicationを実現する合意アルゴリズムである.Raftのサーバはリーダ,フォロワ,候補者のいずれかの役割を担う.リーダはクライアントのリクエストを受け取り,その処理順序を決定してフォロワに複製する.Raftではハートビートを用いてリーダの故障を検出し,選挙によって新しいリーダを選出する.リーダの故障から新リーダが選出されるまでの期間,リクエストの処理が保留されるため,応答性能が低下する.このサービス停止時間には,ハートビートの送信間隔や選挙タイムアウトなどの選挙パラメータが直接的な影響を与える.しかし,最適な選挙パラメータの値は明らかではなく,不適切な値はサービスの可用性と応答性能の低下を招く.そこで,本研究では選挙パラメータの最適な設定方法を明らかにし,ネットワークメトリクスに基づいて,これらのパラメータを動的に最適化するDynatuneを提案する.評価実験の結果,DynatuneはRaftと比較して故障検出時間を77%,サービス停止時間を47%短縮し,提案手法の有効性が示された. |
| Title | 医師の勤務時間を考慮した勤務割当て手法の提案 |
| Author | *楢橋 昴 (岡山大学大学院環境生命自然科学研究科), 後藤 佑介 (岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域), 平川 英司 (鹿児島市立病院新生児内科), 内山 彰 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 773 - 778 |
| Keyword | 遺伝的アルゴリズム, ナーススケジューリング, 勤務表作成, 働き方改革 |
| Abstract | 近年,少子高齢化による生産年齢人口の減少,および働き方の多様化による育児や介護の負担増大といった課題の解決に対する要求が高まっている.特に医療分野では,医療スタッフの不足による長時間労働が常態化しており,効率的かつ適切な勤務割当て表を作成する必要がある.医療分野において勤務割当て表を作成する研究として,ナーススケジューリング問題が挙げられる.しかし,医師の勤務形態,および勤務割当て表の作成における制約条件は看護師のスケジューリングに比べて複雑であり,すべての医師が満足する勤務割当て表を作成することが困難である.そこで,本研究では,医師の勤務時間を考慮した勤務割当て手法を提案する.提案手法では,実際の勤務内容に基づいて,1日を午前勤,午後勤,準夜勤,および深夜勤の4種類の勤務形態に分類する.また,それぞれの勤務種別で要求される医師の勤務時間をもとに,制約条件の生成規則を構築する.また,遺 的アルゴリズムを用いてすべての医師に対する勤務割当て表の最適解を探索することで,担当医師が事前に設定した必須制約条件をできるだけ多く満たす勤務割当て表を作成できる. |
| Title | 複数環境における量子回路シミュレータの性能分析と考察 |
| Author | *青木 望美 (お茶の水女子大学), 山崎 雅文, 平井 聡, 山岡 茉莉, 福本 尚人, 三輪 真弘 (富士通株式会社), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 779 - 785 |
| Keyword | 量子回路シミュレータ, 性能分析, アプリ分析, プロファイラ, HPC |
| Abstract | 現在、一部の問題に対して非常に高速な計算を実現可能とされる量子コンピュータの研究・開発が盛んに行われている。量子コンピュータは量子の重ね合わせの性質を利用して計算を行う点が従来型コンピュータとは大きく異なっており、量子ビットを使用して複数通りの計算を同時に実施するような形で動作することで高速計算を実現する。そしてエラーを含まない理想的な動作をする量子コンピュータの実現まで量子アプリなどの開発を行うことは非常に重要であり、この課題に対して従来型コンピュータ上で動作する量子回路シミュレータは貢献性が高いと考えられる。本稿では複数の量子回路シミュレータを複数の異なる環境上で動作させ、その間のシステム稼働状況に関するデータを収集し、得られたデータを基にシミュレータの性能向上に向けた検討を行う。 |
| Title | 連合学習を用いた複数ドメインにまたがるCSIベースの位置推定システムに関する初期検討 |
| Author | *原田 海斗 (静岡大学大学院総合科学技術研究科情報学専攻), 峰野 博史 (静岡大学グリーン科学技術研究所) |
| Page | pp. 786 - 793 |
| Keyword | CSI, 位置推定, 連合学習, クロスドメイン, プライバシー保護 |
| Abstract | Wi-Fiチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)を利用した非接触型センシングは,プライバシー保護の観点から注目されている技術である.特に,CSIを用いた位置推定は,GPSなどの衛星測位システム(GNSS)が利用できない屋内環境において有効な手段として期待されている.しかし,CSIベースの位置推定モデルは,運用環境の変化により性能が著しく低下することがあり,この点が学習モデルのドメイン汎化における課題となっている.本研究では,CSIベースの屋内位置推定モデルのドメイン汎化に対して,連合学習を活用したアプローチを行う.具体的には,ドメイン構造を階層的にモデル化し,同一ドメイン内に存在する多様なサブドメインを捉えることができる学習手法を設計する.本稿では,その初期検討として,単一ドメインにおける複数のサブドメインに特化した学習モデルを構築する手法を提案する.結果として,ベースラインモデルと比較して,特定のサブドメインの平均精度が最大で14.9ポイント向上し,ドメイン全体の平均精度が8.5ポイント向上することを確認した. |
| Title | BLEを用いた滞在管理システムにおけるスマートフォンビーコンの実現 |
| Author | *戸川 浩汰 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部) |
| Page | pp. 794 - 801 |
| Keyword | 位置情報システム, BLEビーコン, 部屋推定, スマートフォンアプリケーション |
| Abstract | 人は1日の88.9%を屋内で過ごし,屋内では主に自室や研究室,会議室のような部屋という物理的に区切られた空間で活動する.そのため高精度な位置情報に限らず部屋単位の位置情報にも価値がある.我々は各ユーザの携帯する BLE ビーコンからの電波を環境に設置した受信機で受信し部屋推定を行う滞在管理システムを提案してきた.しかしBLE電波を発信する専用端末のみを用いるこれまでの方法は,電池交換や初期設定の手間,ユーザがBLEビーコンを持たないで部屋を移動するなどの問題があった.本研究では追従性が高く初期設定や電池交換の手間がかからずバッテリ消費の少ないスマートフォンビーコ ンを実装,評価する.初期設定の手間を減らすためサーバからユーザのUUIDを取得し,バッテリ消費を少なくするため定期的なネットワーク通信を伴わないBLE電波を発信し続けるアプリケーションを実装した.評価実験で,追従性が高くバッテリ消費が小さいという評価が得られた. |
| Title | ジグソー・テキスト: 並べ替え型パズル教材の操作の測定・分析 |
| Author | *山口 琢 (公立はこだて未来大学大学院), 新美 礼彦 (公立はこだて未来大学), 大場 みち子 (京都橘大学) |
| Page | pp. 802 - 805 |
| Keyword | 学習分析, 並べ替えパズル, 試行錯誤, 考えるプロセス |
| Abstract | 本発表は、ジグソー・テキストを題材に、考えるプロセスの測定・分析の具体例を示す。ジグソー・テキストはテキストの断片(ピース)を提示し、ドラッグ&ドロップで取捨選択・並べ替えて、ユーザに文章や優先順位などを完成させるWebパズルである。アプリはユーザ操作を記録していて、ログをCSVでダウンロードできるほか、簡易分析アプリケーションもある。これらの操作にはプレイヤーの考え方、自信/迷いなどが反映されると考えられ、ログを分析することで、ユーザの考え方を推定できる。本発表では、ジグソー・テキストなど取捨選択・並べ替え型パズルの操作の測定・分析をデモンストレーションする。 |
| Title | 全学ID統合及び認証環境再構築・学内サービス強化(OUIDプロジェクト) |
| Author | *鎗水 徹 (国立大学法人大阪大学) |
| Page | pp. 806 - 809 |
| Keyword | 顔認証, ID |
| Abstract | 大阪大学では、ID管理に関係する「�)椰余斂隻充─廖◆岫�IT認証」、「�8梓浜�」、「��ID管理」に関する課題が年々大きくなっているのが実態である。本課題に対し、全学ID統合を行い顔認証機能及びデータ基盤を整備することで、付加価値の高い学内サービス(教育・研究・経営・業務)が提供できることを明らかにすることができた。 |
| Title | マイナンバーカードを活用したシームレスなオンラインID移行のための組織横断的な本人確認システムの提案と実装 |
| Author | *清水 さや子, 佐藤 周行 (国立情報学研究所), 中村 素典 (京都大学), 鈴木 彦文 (国立情報学研究所), 岡部 寿男 (京都大学) |
| Page | pp. 810 - 817 |
| Keyword | 認証, 本人確認, ID移行, 組織横断, マイナンバーカード |
| Abstract | 本研究は,教育研究組織における研究データの有効活用を目指し,研究者の所属組織の異動時におけるID管理の課題に着目する.現在の状況では,研究データ基盤の整備が進みつつも,研究者が所属組織を異動すると,これまで利用できていた研究データが利用できなくなるなど,研究データの継続的な活用が,引き続き課題となっている.これに対し,研究者が所属組織を異動しても,スムーズに研究データを継続して活用できる仕組みが求められている.この解決策として,著者らはID移行のためのサービスを検討している.ID移行のためのサービスでは,IAL2/AAL2の連続性を担保しつつ,オンラインでID移行を完結できるようなサービスでなければならない.そのため,異動前のIDと異動後のIDを紐づける際の本人確認には,研究者番号やORCID,公的個人認証などを用いることを想定している.本研究では,この本人確認として,オンライン上で公的個人認証であるマイナンバーカードを用いた本人確認を行い,高い本人確認と認証強度を備えたIdP間のID連携を促進する.提案手法の実装には,国立情報学研究所が提供するOrthrosの開発環境とマイナンバーカードの連携サービスであるxIDのAPIサービスを活用し,ID移行サービスの実現につなげる.これにより,研究者の異動に伴うID管理の課題を克服し,研究データの利用効率化につながることが期待される. |
| Title | 生理指標によるVR空間と実空間の印象比較 |
| Author | *小林 鷹智, Narumon Jadram, 菅谷 みどり (芝浦工業大学) |
| Page | pp. 818 - 824 |
| Keyword | VR, 脳波, 心拍変動, 感情 |
| Abstract | 近年,建築分野ではVR空間内でのモデルルーム体験などでVRが活用されている.VR空間はコストに優れる反面,実際の空間である実空間を見た時との間の印象に差があった場合,VR空間の印象の信頼性が低下する課題がある.このように,VR空間を実空間の代替として制作する場合には,実際の空間の印象や感情の差について把握しておく必要がある.しかし,同一空間を見た場合のVR空間と実空間の印象の差については,十分に明らかにされていないという課題がある.そこで本研究では,VR空間と実空間を見た際の印象の差を明らかにすることを目的にする.まず,印象の差として臨場感,視覚情報,感情の差について明らかにするものとした.次に,これらの差を明らかにするための客観的な評価法を検討した.本研究では特に,生理指標である脳波と,心拍変動を用いることで,これらの臨場感や視覚情報,感情に及ぼす影響の違いを評価するものとした.さらに,生理指標に加え,SD法によるアンケートを行い,生理指標では評価が難しいと予想される印象の認知観点からの比較を行うものとした.評価では,同一の対象でのVR空間と実空間との比較実験を実施した.実験では,同一のVR空間と実空間において,提案した手法にてその違いを評価した.その結果,覚醒度,視覚情報の処理に差があることがわかった. |
| Title | バレないように手抜きをするeSportsプレイヤの行動分析に向けて |
| Author | *池田 知樹, 佐子 柊人 (日本大学文理学部), 青木 良輔 (日本大学文理学部/日本電信電話株式会社 NTT 人間情報研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部) |
| Page | pp. 825 - 828 |
| Keyword | eSports, ゲーム, 努力, 手抜き, 行動 |
| Abstract | eSports には,プレイヤのゲームの満足度が損なわれないように,能力の近いプレイヤ同士でチーム を組ませて対戦をするマッチメイキングシステムがある.マッチメイキングシステムによって結成された チーム内に手抜きをするプレイヤがいる場合,チームバランスが乱れ,真剣に取り組んでいるプレイヤの ゲームの満足度を損なう可能性がある.そこで我々は,eSports におけるオンライン対戦ゲームでの手抜 き行為に焦点を当てる.本稿では,オンラインゲームの手抜きに関するアンケートを実施し,本気のとき とバレないような手抜きをするときのプレイヤの振る舞いを分析する手法の検討をした.アンケートの結 果,多くのプレイヤが少なくとも一度は様々な理由で手抜きをした経験があることが分かった.また,多 くのプレイヤは,このような手抜きをするプレイヤがチームにいることで困った経験があることが分かっ た.被験者に適切に手抜きをしてもらうために,本気のときよりも低いスコアを狙うプレイをする際に他 の被験者に手を抜いていることがバレないようにプレイしてもらうように教示してデータを計測する.計 測したデータを分析することで,本気のときとバレないような手抜きをするときのプレイヤの振る舞いの 違いを明らかにすることを検討した. |
| Title | 観客の位置を反映したインタラクション音環境を用いたファンサービスの検討 |
| Author | *井上 慧汰朗, 山内 正人 (情報経営イノベーション専門職大学) |
| Page | pp. 829 - 836 |
| Keyword | ライブ空間 |
| Abstract | 本研究では,ライブエンターテイメントにおける観客とパフォーマーのインタラクションを成立における,パフォーマーから観客へのアクションを増強することを目的とした,インタラクション音環境の提案,実験を行った.インタラクション音環境の構築を行ったのち,パフォーマー2名が観客8名にインタラクション音環境を用いたファンサービスを行なった.また,協力者にアンケート,インタビューを実施し,インタラクション音環境の可能性について検討した.本稿では,これらの結果をもとに観客とパフォーマーのインタラクションの可能性や課題について考察した. |
| Title | アジャイル開発におけるユーザストーリー形式要件のブレイクダウン方式に関する研究 |
| Author | *中沢 隆紀 (日立製作所) |
| Page | pp. 837 - 842 |
| Keyword | 要件定義, アジャイル開発, ユーザストーリー, プロダクトバックログ, ノウハウ蓄積 |
| Title | 情報可視化システム開発における大規模言語モデルプロンプトの定量的調査 |
| Author | *平林 晴馬, 宮崎 翔, 矢谷 浩司 (東京大学) |
| Page | pp. 843 - 851 |
| Keyword | HCI, AI, システム開発, プログラミング |
| Abstract | 自然言語処理技術に基づく大規模言語モデル(LLM)の進化により,高い生成能力を示すAI技術がシステム開発やプログラミングの分野にも影響を与えている.本研究では対話型のテキスト生成AIの利用に関して, 情報可視化システムの開発におけるユーザの行動パターンと利用目的に焦点を当てた定量的な分析を行う情報検索におけるセッション分析の観点を取り入れ,連続して入力されたプロンプト同士の関係性にも注目してAIの利用実態を考察する.さらに,これらの利用実態の調査結果からユーザの生成AIを用いたシステム開発を支援するツールの設計について考察を行う. 分析の結果,ユーザの対話型AIの利用がAIを主軸としてコードを積極的に記述させる段階と,AIをコード記述の支援に利用してユーザが主体となってコードを記述する2つの段階に分類されることが確認された.また,ユーザとAI間でのシステム開発の進捗状況の同期の難しさが存在することが確認され,支援の必要性が確認された. |
| Title | NR-V2Xサイドリンクブロードキャストの中継による高信頼化 |
| Author | *青木 紫朗, 湯 素華 (電気通信大学) |
| Page | pp. 852 - 859 |
| Keyword | C-V2X, NR-V2X, Sidelink, ブロードキャスト, 中継 |
| Abstract | NR-V2Xサイドリンクブロードキャストは,隣接車両間で位置情報などをリアルタイムにやり取りするために使用されるが,見通しの効かない環境(NLOS環境)においては信頼性が低下する問題を抱えている.この問題に対し中継が有効だが,中継車両選択に用いるリンク品質の共有が必要となる.本稿では,共有時に発生するオーバーヘッドを抑えるため,方向毎の平均リンク品質の利用を検討した.また,MAC層における実装により明らかになった,中継車両に初回送信パケットが届かないことで発生する信頼性の低下現象を防ぐため,中継車両から送信車両への明示的なACKを利用する方式を検討した.この方式では,中継車両にパケットが届くまでは送信元車両が再送を行い,パケットが届いた後は中継車両が残りの再送を行う.シミュレーションにより,中継車両を使用しない既存のブラインド再送に比べ,検討方式は交差点シナリオにおける範囲200m内に対するパケット配信率を相対値で約8.3%改善することを確認した. |
| Title | V2Iでのブロックチェーンによる高信頼システムの構築 |
| Author | *吉村 厚紀, 中里 仁, 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学) |
| Page | pp. 860 - 867 |
| Keyword | ITS, V2X, Blockchain, V2I |
| Abstract | The notion of "Society 5.0" is presently under deliberation as a prospective vision for the societal landscape. This technological advancement is concurrently manifesting in the automotive sector, with considerable emphasis on V2X communication, facilitating the connection between vehicles and their immediate surroundings. Furthermore, blockchain technology, utilized in platforms like Bitcoin, is foreseen to have many applications across domains owing to its transparency, security, and immutability attributes. The fusion of V2X and blockchain has the potential to give rise to functionalities such as seamless inter-vehicle transactions resembling Bitcoin and investigative utilities following accidents, capitalizing on the immutable nature of data. Nonetheless, the integration of blockchain into V2X communication poses distinctive challenges. This study outlines the challenge of integrating blockchain into V2X communication (in light of the high mobility of vehicles) and introduces V-Guard as a framework designed to tackle these challenges. Subsequently, this examination assesses the performance of V-Guard in terms of metrics like latency and no change member rate. |
| Title | O-RANのRICにおけるxAppのコンフリクト緩和システムの実装 |
| Author | *櫻井 晴基 (東京大学大学院), 中里 仁, 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学) |
| Page | pp. 868 - 875 |
| Keyword | Open RAN, V2X, Local 5G, Open Air Interface |
| Abstract | O-RAN(Open Radio Access Network)は, 従来のベンダー寡占での閉鎖的な無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Networks)のパラダイムを変革し, より開放的で柔軟なネットワーク設計を実現することを目指す技術である. O-RANでは, 機器ではなく機能ごとにモジュール化されており, その機能ごとに通信のインターフェースが定められている. これにより, 異なるベンダーから提供されるRANモジュールを組み合わせることが可能となり, ネットワークオペレーターが特定のネットワーク機能のみを修正または改善できるようになっている. そのため,技術的なメリットだけではなくビジネス的なメリットもある.そのため,2023年にはO-RANアライアンスが認証を提供するJapan O-TICが設立されたりしている. O-RANの新しい要素として, RIC (RAN Intelligent Controller) が挙げられるが, これはUE(User Equipment)やネットワークの状況を元に, リアルタイムでRANの制御を行うものであり, 特に10ミリ秒で1秒以下の短い処理時間で制御するNear-RT RIC (Near-RealTime RIC)と, 1秒以上の長い時間間隔で制御を行うNon-RT RIC (Non-RealTime RIC)の2つに分類される. それぞれのRIC上ではxApp/rAppというアプリケーションが処理を行い, RANの制御を行なっている. このxAppに潜む問題点として, xApp間の処理の衝突が挙げられる. Near-RT RIC内で動作する複数のxAppが, それぞれ異なる目的関数の制御機能を持つことにより, それらの制御が衝突した場合にどのようにしてそれを解決するのかは, O-RAN研究において1つの課題になっている. 本研究では, O-RANアーキテクチャの中でxApp間の衝突をどのように解決するかに焦点を当て, 既存研究の調査やシミュレータの予備実験を通して, 衝突緩和システムの実装までの課題と今後の展望を報告する. |
| Title | 機械学習によるV2X向け動的ミリ波ビーム探索法 |
| Author | *岩城 燎, 中里 仁 (東京大学), 丸田 一輝 (東京理科大学), 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学) |
| Page | pp. 876 - 882 |
| Keyword | V2X, ミリ波, ビームフォーミング, 機械学習, 自動運転 |
| Abstract | 2019年より世界中でサービスが開始された5Gでは,ミリ波が移動体通信として初めて導入された.ミリ波は直進性が強く,回り込みしない特徴からカバレッジが小さいスモールセルへの導入がされている.一方で,様々な交通システムが協調的に認知,判断,実行を担える協調型自動運転では,通信に常時繋がることが前提とされている.高速移動する車両に対して,低遅延通信が可能なミリ波を用いるためには,5Gにおけるビームフォーミングでは高速で追従できないという課題がある.本研究では,自作のデータセットを用いて機械学習を行い,ビーム追従アルゴリズムの探索方式を道路状況にあわせて動的な切り替えができるようなアルゴリズムを実装した.既存の手法を単独で用いたときよりも,更に高い通信品質が確保できることをシミュレーションによって確かめた.これによって複雑な形状をした現実の道路でも最大限の性能を発揮することができるようになった. |
| Title | Trackletによる物体アソシエーションの精度向上手法 |
| Author | 上田 陽平, *Zuofan Fang (立命館大学情報理工学部環境情報研究室), 斉藤 之寛 (株式会社TIER��), 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部環境情報研究室) |
| Page | pp. 883 - 890 |
| Keyword | 自動運転, 物体検知 |
| Abstract | 公道での自動運転では,事前想定していない未知物体の出現やセンサノイズの発生が多く存在し,物体検出のロバスト性向上が不可欠である. そこで複数のセンサを用いたマルチモーダルでの対応が注目されており,カメラと LiDAR がよく用いられる.しかし、カメラと LiDARの異なる出力特性のセンサをフュージョンする必要がある.マルチモーダルセンサーフュージョンではearly fusionやlate fusionといったものがあるが、late fusionにおいてそれぞれセンサー特性のアソシエーションに失敗すると実際は未知な物体に対し,既知物体のラベルを付与してしまう誤検出などが起こる原因となる.その結果,実際とは異なる位置に物体がいると判断し,自車両が緊急停止するような問題に発展する.そこで,本研究は物体検出を目的とし、カメラとLiDARによるLate Fusionにおいてtrackletを導入することで時系列の安定化を行う. 評価の結果,既存技術と比較しアソシエーション精度が 7.5 向上した. アソシエーション精度の向上により,公道での自動運転下での物体検出のロバスト性向上への有用性を示した. |
| Title | (招待講演) 開発者から見るゲーム業界の技術的潮流と関心の変遷 |
| Author | 黒澤 雅仁 (株式会社セガ) |
| Page | p. 891 |
| Title | ARにおける3D音響可視化に向けたデジタルツインアーキテクチャの設計 |
| Author | *�眦� 季生, 中里 仁, Alex Orsholits, 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学) |
| Page | pp. 892 - 900 |
| Keyword | AR, Localization, Digital Twin, Object-based audio, Spatial audio |
| Abstract | 近年,デジタルツインは学界および産業界から注目を集めており,フィジカル空間とサイバー空間を繋ぐ技術として着目されている.デジタルツインはAugmented Reality(AR)やVirtual Reality(VR)との相性がよく,ユーザは複雑な物理的実体やプロセスを理解できる.本研究では,音響に焦点を当て,デジタルツインを用いた音響の立体的な表現をするためのアーキテクチャの提案を行う.具体的には,音楽向けのデジタルツインの要件を整理し,アーキテクチャの設計を行った.既に収録した音声データをサイバー空間上にて立体表現を行い,フィジカル空間にマッピングするための手法を確立する.本稿では,フィジカル空間の表現にはARデバイスとしてGoogle Pixelを用いて実装を行い,自己位置の推定についてはVPSを用いた.評価においては,音声データの立体表現におけるシステム誤差に加えて,ユーザスタディとして複数人を体験者として実地調査を行った.これらの結果より,実装システムの有効性を評価することができ,一方で実装システムの改善を必要とする課題も発見できた.これらの成果を本稿で報告する. |
| Title | 360 度インターネット生放送におけるMRを用いた放送者追従型のPOV ヒートマップの提案 |
| Author | *須藤 純一郎, 齊藤 義仰 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科) |
| Page | pp. 901 - 909 |
| Keyword | Mixed Reality, 360度インターネット生放送, POVヒートマップ |
| Abstract | 全方位カメラを用いた360度インターネット生放送では,放送者は視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取ることができ,視聴者は放送者の周囲360度の映像を自由に視聴することができる.しかし,360度インターネット生放送において放送者が視聴者の視聴方向(POV)を把握することができないという問題がある.そのため,放送者と視聴者の間でコミュニケーションエラーが発生してしまう.この問題に対して,我々が先行研究として提案したMRとPOVヒートマップを用いたシステムによってある程度解決された.しかし,POVヒートマップの表示位置が固定されてしまっているため,依然として放送者の負担があるままであった.本稿では,360度インターネット生放送においてさらに放送者の負担を軽減するために,MRを用いた放送者追従型のPOVヒートマップシステムの開発を行う.MRを用いてPOVヒートマップを現実空間上に表示させ放送者に追従させることで,放送者の視聴者のPOVを確認する負担を低減することが期待できる.実装したシステムと先行研究のシステムを用いて評価実験を行った.実験の結果,先行研究と比較して放送者の負担を増加してしまった.そのため,POVヒートマップのさらなる改良が必要である.また,追従型のPOVヒートマップを使うのであれば,放送者が見られていることを認識できる機能が必須であることが分かった. |
| Title | MRを用いたIoTデバイスと360度インターネット生放送の連携に関する提案 |
| Author | *小岩 栄斗, 齊藤 義仰 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科) |
| Page | pp. 910 - 917 |
| Keyword | 360度インターネット生放送, Mixed Reality, IoT |
| Abstract | 360度インターネット生放送において,放送者には視聴者側に対して,周囲360度の配信映像や音声など,様々なコミュニケーション手段が用意されている.しかし,視聴者には放送者側に対して,コメントという限られたコミュニケーション手段しか用意されていない.視聴者から放送者側の空間に存在するIoTデバイスの操作が可能になれば,視聴者から放送者側に対してのコミュニケーション手段が増加し,双方向性が向上すると考えられる.そこで本研究では,Mixed Reality(MR)デバイスを用いることにより,視聴者が放送者空間にあるIoTデバイスを容易に動作させることができるようなシステムを提案する.提案システムの有効性を実証するため,プロトタイプシステムを実装し,評価実験を各回放送者1名,視聴者1名で計6回実施した.結果,短い時間でIoTデバイスの座標の設定をすることができるとわかった.また,視聴者は放送者空間のIoTデバイスを動作させることができることで,面白さを感じることが分かった. |
| Title | 心拍変動値の時系列解析とクラスタリングによる観客の感情構造の抽出および物語の成功分析手法の提案 |
| Author | *藤原 達也, 鈴木 圭, 中川 友梨, 菅谷 みどり (芝浦工業大学) |
| Page | pp. 918 - 925 |
| Keyword | 感情分析, 物語, 心拍変動 |
| Abstract | 物語による効果的な情報伝達の実現(物語の成功)は,人類社会の発展に大きく貢献する.これまでの研究で,物語が成功するためには,観客の感情を喚起することが重要な要素であることが示されている,従来研究では、物語を通じて観客に喚起される感情を分析可能な形で捉える手法として,感情アークが用いられてきた.しかし,感情アークは,物語の制作者が観客に喚起させようと意図した感情しか分析できず,観客の実際の感情を考慮していない.そこで本研究では,実際の観客の感情を正確に把握するために心拍変動を用いた分析手法を提案する.本手法は,物語にそって変化する観客の感情を心拍変動指標およびリサンプリングを用いて構造化する.また,抽出した感情変化の構造とアンケートを用いて満足度の関連を分析し,物語の成功との関連を議論する.実験及び分析の結果,提案手法により構造化された観客の感情変化は,物語の成功分析に有用であることが示された. |
| Title | ラッセルの円環モデルを基準とした他者感情の認知と自己感情の評価による共感検出 |
| Author | 千手 香穂 (芝浦工業大学), *中川 友梨 (芝浦工業大学大学院), 菅谷 みどり (芝浦工業大学) |
| Page | pp. 926 - 932 |
| Keyword | 共感, 感情, 脳波, 心拍変動 |
| Abstract | 共感は,他者の感情を認知し,その感情が自己に生起するというプロセスを通して生起する.しかし,このプロセスを元に共感を検出する方法は明確ではない.特に,無意識に生じる自己感情の評価が難しいこと,認知した感情と自己に生起した感情を同一基準で行う方法が不明瞭であることが課題である.そこで,ラッセルの円環モデルを基準とした共感の検出手法を提案する.本提案では,アンケート結果と生理指標から共感の生起を評価するものとした.提案手法の評価として,刺激動画を見た際の脳波・心拍変動とアンケートを取得する実験を行った.結果として,提案手法が特にネガティブな感情表出に対する共感検出に有効である可能性が示された. |
| Title | ドミナントカラーを用いた室内空間色の生理指標による感情評価 |
| Author | *二宮 淑霞, Narumon Jadram, 菅谷 みどり (芝浦工業大学) |
| Page | pp. 933 - 938 |
| Keyword | 感情, 生理指標, ドミナントカラー, 室内空間, 色 |
| Abstract | 空間デザインでは,デザイナーは,利用者が意図する感情となるようなデザインを行う.空間の要素の中で,「色」は特定の感情を喚起する重要な役割を果たすとされている.そのため,空間の色が感情に与える影響を理解することで,色が喚起する感情を考慮した空間をデザインすることができると考えられる.しかし,空間の多くは複数の色で構成されているため,どの色の影響を強く受けて感情が変化しているのかを,客観的に把握できる必要がある.しかし,その評価方法は明らかではない.本研究の目的は,複数の色で構成された空間の色が感情に与える影響を明らかにすることである.目的実現のため,二つの仮設を立てた.一つ目は,空間を構成する複数の色の中で最も占有率が高い色であるドミナント(占有)カラーが感情に強く影響を与えるという仮説である.二つ目は,二つの空間のドミナントカラーの類似度が高いほど,感情に与える影響が類似しているという仮説である.仮説検証のため,本研究では空間画像のドミナントカラー特定方法,類似度の評価方法を提案し,感情への影響を客観的に評価する.客観的な感情評価の方法として,脳波・心拍変動値を用いた感情評価手法を用いる.実際に評価を行った結果,提案手法の有効性が示された. |
| Title | 漫画読書時におけるページ毎の感情評価に対する信頼性向上手法の提案 |
| Author | *平出 達大, 馮 晨, 菅谷 みどり (芝浦工業大学) |
| Page | pp. 939 - 942 |
| Keyword | 漫画, 感情, ページ, 脳波, 心拍変動 |
| Abstract | 近年,漫画市場の拡大に伴い,より質の高い作品が求められている.より質の高い作品の制作には,読者の感情喚起を促す内容であることが重要だと考えられている.従って,漫画読書中の感情を詳細に評価することができれば,それに基づき,より良い漫画を描くことができる可能性がある.特に,漫画家は,ページごとに読者の感情効果を考慮して漫画を描くとされており,ページごとに感情を評価することは,より読者の心を惹く漫画を描く上で重要である.しかし,ページごとの感情評価は,一般的なアンケートでは没頭を阻害することから,困難である.これに対して先行研究では,ページごとの感情評価を,脳波・心拍変動の計測にて行うことで,無意識の感情を含む客観的かつ詳細に感情を評価する手法が提案した.具体的には,読書中の脳波・心拍変動から各ページの代表値を算出し,これらを安静時と比較して統計的に有意な差があるページを特定することで,読書中の感情を明らかにした.しかし,本手法には各ページの心拍変動指標の算出に関する課題が存在する.各ページの心拍変動指標を算出する際に信頼性のある値の算出には最低算出時間が存在するが,この手法では算出時間を考慮しておらず,算出結果の信頼性が低下してしまうという課題がある.そこで本研究では,信頼性のある心拍変動指標の算出時間を基に,読者が読んだページに対応付けを行うことで算出結果の信頼性向上を図る手法を提案する.本提案により評価した結果,提案手法はページごとの心拍変動指標を正確に反映し,読者の感情を評価するための有効な手段となる可能性が示唆された. |
| Title | スマートウォッチを使用した機械学習によるウェイトトレーニング行動認識 |
| Author | *Zeyu Liu, 木村 正子, ロぺズ ギヨーム (青山学院大学) |
| Page | pp. 943 - 950 |
| Keyword | ウェアラベル, 機械学習, 行動認識 |
| Abstract | 2023年の4,000人以上を対象とした調査では、フィットネスコミュニティにおけるウェアラブルデバイスの重要性が増しており、スマートウォッチが運動認識とフィットネスデータの管理において重要な役割を果たしています。Kinectデバイスを用いた画像認識は顕著な結果を達成していますが、ジム内での使用はスペースを取り、他の利用者に迷惑をかける可能性があります。一方、特殊なセンサーを用いるアプローチはトレーニング体験を損ないがちで、リアルタイム認識が不足しています。 本研究は、スマートウォッチを使用してユーザーの加速度データを収集し、データ分割と機械学習モデルによる分類で、ユーザーが行っている運動をリアルタイムで識別し、回数をカウントするシステムを開発することを目的としています。スマートウォッチを使って三軸加速度計データを収集し、Python環境で前処理とデータ分割を行い、特徴量を算出して次元削減を経たランダムフォレストモデルをトレーニングしました。リアルタイム認識のために二重のスライディングウィンドウ検出方法を採用し、フィットネスプランの管理を強化しました。 このシステムは、専門センサーがユーザーフィードバックを取得できない問題を解決し、リアルタイム認識でのスライディングウィンドウ検出法を最適化しました。8人のボランティアから提供された8種類の運動データ1,181件を使用してモデルをトレーニングし、精度は89.30%に達しました。リアルタイムシミュレーション実験では、識別精度が80%を超え、従来のスライディングウィンドウ法と比較してリアルタイム認識における潜在能力を示しました。 |
| Title | Sma×Sna:スマートウォッチを用いたバスケットボールのスナップ判定 |
| Author | *宮澤 俊介, 木村 正子, ロペズ ギヨーム (青山学院大学) |
| Page | pp. 951 - 957 |
| Keyword | バスケットボール, スナップ, ウェアラブル |
| Abstract | スポーツ動作分析は、選手の技術向上を支援するために行われ、バスケットボールのシュート動作では肘、肩、手首の動きが重要です。従来のカメラを用いたシステムはコストや環境条件に左右されるため、本研究では手首に装着したスマートウォッチを使用し、フリースロー時の手首のスナップ使用を判定する方法を提案しました。予備実験で、X軸加速度のShort-term energy (STE)が手首のスナップを使用していない時に大きくなることを確認し、本実験では21名の被験者(経験者6名、未経験者15名)によるシュート動作を解析しました。結果、最適な閾値で判定精度は78.5%で、75%以上の精度が維持されました。経験者の判定精度は62.7%、未経験者は84.7%となり、経験者の精度が低いのは膝を使わないシュートの影響と考えられ、未経験者の誤判定はボールがリングに到達するかどうかでSTE値が変わるためです。今後は膝の影響を受けない指標の探索やボールの到達位置の考慮により、シュート技術支援の強化を目指します。 |
| Title | Ping×Phone:卓球ラケットとスマートフォンの融合によるエンタメスポーツの提案 |
| Author | *上地 勇輔 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 矢田 敦士 (愛知工業大学情報科学部), 日比 大貴 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 瀧沢 陽介, 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部) |
| Page | pp. 958 - 967 |
| Keyword | スポーツセンシング, フィードバック, 顔認識, 音認識, モバイルアプリケーション |
| Abstract | スポーツとエンタメを組み合わせたエンタメスポーツがある.スポーツにエンタメ要素を組み合わせると新たなゲーム性が生まれる.我々は卓球とスマートフォンを組み合わせたエンタメスポーツを提案する.エンタメスポーツをさらに発展させる手段の一つとして,スマートフォンならではの機能を用いる.ラケット型のスマートフォンケースの作成、スマートフォンに内蔵されているセンサを用いたセンシング、スマートフォンの機能を用いたフィードバック、通信機能を組み合わせてエンタメアプリケーションを実装する.自然とラリーを続けたくなるナベアツラリー、協力して必殺技を叫ぶシャウトスマッシュ、様々な戦術が生まれる顔認識を用いたフェイポンの3つを制作した.本研究ではセンサとフィードバックの組み合わせは無数にあり,その中の3つを示した.バリエーションを示すと,エンタメスポーツの体験を豊かにし,参加者がより楽しくなると考えられる.様々なセンサとフィードバックの組み合わせから新しいアイデアを発見し,より魅力的なエンタメスポーツを提案できると考えられる.本研究では卓球を対象としたが,他のスポーツとスマートフォンのセンサ,フィードバックを組み合わせるとさらにエンタメスポーツの幅が広がると考えられる.今後の課題として卓球以外のスポーツへの適用を目指す. |
| Title | WiFi CSIを用いた屋内行動認識のためのバックスキャッタータグを用いたアノテーション手法の検討 |
| Author | *甲斐 貴一朗 (九州大学大学院システム情報科学府), 崔 赫秦, 中村 優吾, 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院) |
| Page | pp. 968 - 975 |
| Keyword | WiFiセンシング, バックスキャッター, CSI |
| Abstract | WiFi CSI を用いた屋内での行動認識は,老人の見守りやホームセキュリティなど幅広い応用が期待されている.しかし,CSIを用いた行動認識モデルの学習には,ラベル付きの大量のデータが必要であり,データのアノテーション作業に時間・手間のコストがかかる.また,CSIは環境の変化に敏感なため,家具の配置や部屋の間取りが変化する度にデータの再収集やモデルの再学習が必要であり,システムの実用性が低下する.この課題に対処するため,本論文では,データ収集時に周波数シフト型バックスキャッタータグを人に装着し,タグを用いた行動認識の結果を擬似ラベルとして,収集したCSIデータのアノテーションを行うことで,データ収集・モデル再学習のコストを軽減する方法を提案する.システムの実現可能性を検討するため,学内に設置されたスマートホームにシステムを実装し,実験を行った.その結果,提案手法を用いることで,限定された距離の範囲内では,手動のアノテーションなしでモデルを学習できることが分かった. |
| Title | オンライン大学におけるメタバース上の対話方法に関する一考察 |
| Author | *斉藤 典明, 御薗 恵将 (東京通信大学) |
| Page | pp. 976 - 983 |
| Keyword | コラボレーション, メタバース, オンライン教育 |
| Abstract | メディア授業によるオンライン大学では,時間と場所に制約されず,学習をすることができる反面,学生間交流が少なくなるために人間関係が疎になるというデメリットがある.オンライン学習による学びをより深めるために,メタバースを活用した学生間交流の仕組みを検討してきた.学生間交流の場で対話を活性化するためには,空間的な問題と対話相手に対する問題への検討が必要である.今回は空間的な検討事項への検討方針と,対話相手に着目した検討方針について,メタバース利用経験のあるメンバーで議論したものを分析し,今後の検討課題について考察した結果について報告する. |
| Title | 動的グラフにおけるランダムエッジ追加を用いたコミュニティ耐久性の推定手法 |
| Author | *奥田 祐大, 山下 剛志 (慶應義塾大学大学院理工学研究科), 金子 晋丈 (慶應義塾大学理工学部/慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究センター) |
| Page | pp. 984 - 990 |
| Keyword | グラフネットワーク, レコメンド |
| Abstract | 動的グラフ解析において,広告の効果的な配信やSNSグラフの効率的な管理には,ノード集合が変化しにくいコミュニティを発見することが重要である.本論文では,動的グラフにおけるコミュニティのノード集合の変化しにくさを「コミュニティの耐久性」として表し,この推定を行う.既存研究では,モジュラリティやコンダクタンスといったコミュニティのロバスト性指標を用いる推定手法や,Link Predictionを用いたグラフ予測による推定手法が考えられるが,これらは推定精度が低い問題や計算量が大きいという問題がある.これらの問題を解決するために,本論文ではランダムエッジ追加を用いた推定手法を提案する.具体的には,時刻tのグラフに対してランダムにエッジを追加し,その後のコミュニティ構造の変化を評価することで,コミュニティの耐久性を推定する.評価では,提案手法が既存の手法に比べて計算時間が短く,推定精度も向上していることが明らかになった. |
| Title | インデックスを用いた任意の終了確率に対するランダムウォーク |
| Author | *山下 剛志 (慶應義塾大学大学院理工学研究科), 金子 晋丈 (慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究センター/慶應義塾大学理工学部) |
| Page | pp. 991 - 1001 |
| Keyword | ランダムウォーク, グラフ, インデックス |
| Abstract | ユーザの興味に応じたグラフ探索技術として,ユーザが指定した起点ノードから多数のランダムウォークを実行することが注目を集めており,高速なランダムウォークのためには事前実行した経路群であるインデックスをクエリ時に参照することが有効である.ここで,ランダムウォークの探索範囲を制御するパラメータとして終了確率αが存在するが,インデックスを用いた演算では,入力可能なαが限定されることが課題である.そこで本稿では,インデックス生成時の終了確率αindex以下の終了確率しか受け付けない既存手法を拡張し,任意の終了確率αに対する経路を生成する手法を提案する.具体的には,終了確率の変更によりランダムウォークの経路長が確率的に変わることに注目し,αとαindexの値に応じてインデックス内の経路群を連結・切断することによって終了確率がαの経路を生成する.加えて,生成する経路群について長さが1の経路と2以上の経路を分けて生成することにより,連結する経路数の減少を実現する.そして,実世界の6種類のデータセットを用いて提案手法の実行時間を,インデックスを用いない既存手法と用いる既存手法とで比較した.その結果,提案手法は2つの既存手法に対してそれぞれ最大5.23, 2.27倍高速であることが明らかになった. |
| Title | ビジネスチャット内の行動データとパーソナリティとの関係性分析 |
| Author | *瀧澤 亮佑 (九州大学大学院システム情報科学府), 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院) |
| Page | pp. 1002 - 1011 |
| Keyword | パーソナリティ分析, Big Five, ビジネスチャット |
| Abstract | 新型コロナウイルス感染症の影響によりテレワークの導入率が増加しており,それに伴いオンラインビジネスチャットツールの利用も拡大している.しかしながら,これらのチャットツールによるコミュニケーションは閉鎖的であることに加え,対面でのコミュニケーションや振る舞いと異なり,オンラインチャットと個々の性格特性との関係性についての研究は未だ十分になされていない. 本研究では,大学の研究室を対象にSlackを用いたチャットコミュニケーションのデータを分析し,組織内でのコミュニケーション状況を調査した.さらにBig Fiveのアンケート結果とチャットデータを結び付け,個々の性格特性とチャット行動との関連性の分析を行った. 結果として,誠実性が高い人ほどレスポンス速度が早く,協調性が高い人ほどリアクション数が多い傾向が見られた.また,使用するリアクションの種類数が多い人は開放性や外向性が高いことが示された.これらの結果は,オンラインでのコミュニケーションにおける個人の性格特性が行動に及ぼす影響を理解する上で示唆に富むものである. |
| Title | Sentence-BERTを用いたニュース閲覧記事の多様性と閲覧傾向の調査 |
| Author | *瀧口 諒久 (九州大学大学院システム情報科学府), 峯 恒憲, 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院) |
| Page | pp. 1012 - 1019 |
| Keyword | ニュース, 推薦システム, 多様性, ユーザ行動分析 |
| Abstract | 情報推薦システムの発達に伴い,ユーザの閲覧情報の偏りが生じやすくなり,世論の対立などといった社会問題への発展に繋がっている.また,閲覧情報の感情の偏りもその一因となっており,同様の懸念がある.近年では,元来ユーザが希求する情報摂取のバランスが保たれた状態である「情報的健康」の実現が求められており,このためには,情報の多様性という観点からユーザの情報閲覧の傾向を把握する必要がある.本研究では,ニュース記事とユーザの閲覧ログをまとめた大規模データセットを対象に,ユーザの閲覧記事の多様性に応じた閲覧傾向の相違を調査した.具体的には,文章の類似度分析において優れた性能を示す自然言語処理モデルSentence-BERTを用いて記事をベクトル化し,その類似度をスコアリングすることで各ユーザの閲覧記事の多様性のスコア測定を行った.このスコアをもとに,閲覧情報の感情の偏りによる影響を踏まえて,閲覧記事の多様性と感情,および閲覧カテゴリの傾向の関係についての分析を行った.この結果,閲覧記事の多様性があるユーザほど,ネガティブ寄りの記事を見る傾向にあることが示唆された.また,音楽,時事,政治などのニュースは閲覧記事の多様性への寄与度が低く,エンターテインメント,飲食,映画などのニュースは閲覧記事の多様性への寄与度が高いことが示唆された. |
| Title | 実ネットワークで接続されたデータ検証可能な分散データベースの性能に関する検討 |
| Author | *坂本 明穂, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 1020 - 1025 |
| Keyword | 並列・分散処理, 分散システム, 分散台帳, データ検証技術 |
| Abstract | 分散データベース上でのデータ共有によりデータの有効活用が期待されているが,データの安全な活用のためにはデータベース上のデータの安全性を保証する必要がある.そこでデータベースへデータを保存する際に,そのデータの健全性を検証してから保存することでデータの安全性を保証できる.分散データベースにおけるデータ検証システムとしてブロックチェーン技術を応用することが可能である.特にプライベートブロックチェーンでは,ブロックチェーンに参加するノード同士でデータベース更新時に更新内容が正しいというコンセンサスを形成してからデータベースが更新される.ブロックチェーンではコンセンサス形成を行うため,一般的なデータベースと比べて処理が遅く,トランザクション処理のパフォーマンス向上が求められている.そこでプライベートブロックチェーンの一つであるHyperledger Irohaについて,パラメータを変更することでパフォーマンスの変化を測定した.また実際の利用を想定して,実ネットワークに跨ったブロックチェーンネットワーク上で性能の計測を行い,実ネットワークを使用することによるパフォーマンスへの影響について測定を行った. |
| Title | Hyperledger Iroha組み込みコマンドによるメタデータ管理手法の一検討 |
| Author | *堀 遥, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 1026 - 1033 |
| Keyword | ブロックチェーン, Hyperledger Iroha, 分散データベースシステム |
| Abstract | データ駆動型社会の実現にむけ,信頼度などに異種性を持つデータを一元的に取り扱う分散データベースシステムの開発が求められる.このようなシステムでは,任意のデータの安全性を保証すべく,データ検証システムの導入が検討されるが,検証側と各ノードにおけるデータ量増加によるパフォーマンスの低下が懸念される.この課題に対し,我々は,データ検証の対象をメタデータに限定するというアプローチを検討する.本稿では,分散データベースシステムにおけるメタデータ検証機能の実現に向け,メタデータ生成・更新に関連する一連の処理をブロックチェーンプラットフォームHyperledger Irohaの組み込みコマンドとして実装することで,信頼性を担保するようなメタデータ管理手法を提案する.開発した組み込みコマンド実行のStateful検証機能の動作確認のための実験では,開発時に用意した検証項目全てに対して正しく動作した.さらに,Hyperledger Irohaの改ざん検知機能の有効性を確認すべく,蓄積ブロックに対して改ざんし,Hyperledger Irohaを起動したところ,ハッシュの再計算による改ざん検知から起動は中止され,期待通りの挙動を示した. |
| Title | 避難誘導情報を受信した避難者の強引な行動を考慮した SFM ベース避難シミュレーションモデルの検証 |
| Author | *伊藤 慧飛, 内藤 輝 (国立大学法人静岡大学), �皸� 峰生 (国立大学法人大阪大学), 石原 進 (国立大学法人静岡大学) |
| Page | pp. 1034 - 1040 |
| Keyword | Social Force Model, シミュレーション, 避難モデル, 災害, マルチエージェントモデル |
| Abstract | 地震などの自然災害発生時に,円滑な避難を行うためには建物の倒壊や道路の陥没などによる不通道 路を避けるように避難することが重要である.矢原らは異種無線混合 DTN を用いた災害情報共有手法を 提案した.これは LoRa のような長距離狭帯域通信や Wi-Fi のような短距離広帯域通信を併用した DTN を用いる.DTN では,他の携帯端末に災害情報を共有し,携帯端末周辺に通信可能機器が存在しない場合 は,避難者が物理運搬する.避難者の避難行動と DTN の情報配信による影響は相互作用する.内藤らは 異種無線混合 DTN によって配信された避難経路情報を受け取った避難者の行動をセルオートマトンモデ ルに基づいてモデル化し,シミュレーションにより同 DTN による避難支援情報配信の効果を検証してい る.内藤のモデルは情報入手時に避難者が強引な行動をとることを想定している.セルオートマトンモデ ルをベースにしたシミュレーションモデルを作成し,その影響を検証した.妥当性を評価するために連続 的なモデルである Social Force Model(SFM) を用いて,同様のモデルを実現することを試みた.強引な避 難者の質量を通常の避難者より大きくすることで、強引な避難者の動きとしてもっともらしい動作が観察 された。また、通常の避難者の 9 倍程度に設定することで、強引な避難者の避難所要時間を最も短くする ことが確認できた。 |
| Title | POSIX中心主義に基づく大規模データ処理〜100億件を超えるデータをシェルスクリプトで分析する〜 |
| Author | *森 祥寛, 南山 真吾, 木下 晶文, 大野 浩之 (金沢大学学術メディア創成センター) |
| Page | pp. 1041 - 1051 |
| Keyword | 大規模データ処理, POSIX, シェルスクリプト, ビッグデータ |
| Abstract | 本論文では、POSIX中心主義に基づく大規模データ処理の手法を詳述する。 これはシェルコマンドとシェルスクリプトを使用して100億件を超えるデータを効率的に処理する方法に焦点を当てている。 特にPOSIX中心主義に基づくことで、20年後も使用でき、異なるシステム間でも高い互換性を実現する。 古くからあるシェルコマンド・シェルスクリプトとプレーンテキスト形式のデータファイルの組み合わせが現代のデータ処理課題にどのように応えるかを、具体的なデータ処理の事例を通じて示す。 |
| Title | スマートフォン環境を想定したOptimistic Fair Exchangeプロトコル |
| Author | *中林 美郷, 奥田 哲矢 (NTT社会情報研究所) |
| Page | pp. 1052 - 1061 |
| Keyword | 暗号プロトコル, Optimistic Fair Exchange, 公平性 |
| Abstract | 複数のパーティ間で公平に価値を交換するためにFair Exchangeプロトコルが提案されている. 公平性を保つためには信頼のおける第三者(Trustes Third Party, TTP)が必要であり,パーティ間で意見が異なるような紛争状態に陥った場合にはTTPが仲裁を行う. Fair Exchangeプロトコルの中でもTTPがプロトコルの正常時は関与せず,TTPとのやり取りがResolveおよびAbortの要求時のみであるものをOptimistic Fair Exchange(OFE)プロトコルと呼ぶ. この特徴から災害時やネットワーク障害への耐性が高いことが期待される. 本研究では,先行研究の方式のバリエーションとして,スマートフォン上で多様な価値を公平かつプライバシを考慮した形で交換するためのSmartOFEプロトコルを提案し,その安全性に関する考察を述べる. |
| Title | ゲノム秘匿検索に適した完全準同型暗号ライブラリに関する考察 |
| Author | *内藤 華 (お茶の水女子大学), 中野 美由紀 (津田塾大学/大学共同利用機関法人), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 1062 - 1067 |
| Keyword | 準同型暗号, プライバシ, ゲノム |
| Abstract | ゲノムデータの解析は,生態学や疾患の診断や治療,遺伝子の発見などに有効であり,生命科学の幅広い分野において大きな役割を果たしている.ゲノムデータには,個人の遺伝的特徴など機密性の高い情報が含まれている.したがって,医療機関や研究機関の間でデータを共有する際には,これらの情報のプライバシを保護する必要がある.ゲノム情報を秘匿した状態で解析を行うための技術として,準同型暗号が注目されている.これにより,暗号化状態で直接に加算や乗算などの計算を行うことが可能となる.一方で,処理コストが大きくなる可能性があるため,ゲノム解析に適用する際には効率性について十分に考慮する必要がある.パターンマッチングは,大量のデータセットから特定の情報を抽出するための基本的な演算であり,ゲノム解析において頻繁に利用されている.本稿では,準同型暗号ライブラリであるPALISADEとその後継のOpenFHEを用いてゲノム情報の秘匿検索を実装し,処理コストの評価・ゲノムデータのパターンマッチングに適した準同型暗号ライブラリの検討を行う. |
| Title | 通信量削減のための辞書を用いた準同型暗号文の圧縮 |
| Author | *泉 湖雪, 松本 茉倫, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 1068 - 1076 |
| Keyword | 準同型暗号, 圧縮センシング |
| Abstract | 準同型暗号は暗号文同士の加算や乗算が可能であり,データを秘匿したままで分析し活用可能な技術の一つである. 準同型暗号の応用例としては暗号化データベースや暗号化回帰分析が挙げられる. クライアントが暗号化したデータをデータベースサーバで集計/分析し,データ分析者は集計/分析結果だけを得られるようになる. しかしながら,このようなアプリケーションを想定した場合,準同型暗号は平文に比べ暗号文サイズが大きいため,クライアント・データベースサーバ間の通信量が大きくなる. 本研究では辞書を用いた圧縮センシングによる通信量削減を提案する. 提案手法では,クライアントが持つデータと同じドメインのデータで事前に学習し辞書を作成し,サーバに送信しておく. そして,クライアントが次元圧縮したレコードを暗号化し,データベースサーバが圧縮前のデータを暗号化したままで辞書を利用して復元することで,復元精度を保ちながら,クライアント・データベースサーバ間の通信量を抑えてデータ集計/分析に利用できる. 評価の結果,圧縮率を50%に設定した場合は提案手法は圧縮せずに送信した場合に比べて50%通信量を削減できることを示した. また,ロジスティック回帰による2値分類の精度によって圧縮・復元したデータの有用性を示した. |
| Title | 巡回セールスマン問題の物理的ゼロ知識証明プロトコル |
| Author | *猪狩 紫雲, 駒野 雄一 (千葉工業大学), 水木 敬明 (東北大学) |
| Page | pp. 1077 - 1086 |
| Keyword | カードベース暗号, ゼロ知識証明, 巡回セールスマン問題 |
| Abstract | 巡回セールスマン問題は、物流業界の配送計画などにも関連する重要な問題であり、その解を用いたサービス(配送計画支援など)を行ううえで解には十分な価値が認められる。本稿では、まず、巡回セールスマン問題の特殊ケースであるハミルトン閉路問題に関して、カード組を用いた物理的ゼロ知識証明プロトコルを提案する。次に、距離コミットメントを追加することで、そのプロトコルを巡回セールスマン問題の物理的ゼロ知識証明プロトコルに拡張する。ハミルトン閉路の物理的ゼロ知識証明プロトコルに関しては、既存の Ruangwises と Itoh のプロトコルとは異なるアイデアによりプロトコルを構成することで、必要となるシャッフル回数とカード枚数を削減する。巡回セールスマン問題に関しては、著者らの知る限り初めての物理的ゼロ知識証明プロトコルである。 |
| Title | 大規模交通流シミュレーションによるV2V通信性能指標の都市間比較 |
| Author | *樋口 雄大, 鐘 雷, 大西 亮吉 (トヨタ自動車株式会社) |
| Page | pp. 1087 - 1093 |
| Keyword | V2V通信, 交通流シミュレーション, 通信シミュレーション |
| Abstract | つながるクルマの通信量は,年々,増加の一途を辿っている.車車間のすれ違い通信 (V2V通信) により,セルラ網の通信トラフィックをオフロードする技術が,これまで活発に研究されてきたものの,現実の交通環境下での効果については,未だ,明らかでない点も多い.車車間通信システムの効果予測にあたっては,車両の移動履歴を含むプローブデータ等を活用し,車車間のすれ違い頻度や,その持続時間を正確に見積もることが求められる.しかし,プライバシー保護の観点から,都市交通流の大半を占める,個人所有車の移動軌跡を,研究用途のデータセットとして大規模に公開している例は,著者らが知る限り,存在しない.そこで,我々の研究グループでは,名古屋市全域の24時間分の車両交通,延べ162万トリップを再現可能な,都市交通流シミュレーションモデル NUMo を開発している.市内1,618地点の断面交通量の実測値,ならびに主要交差点の信号制御情報を活用して,シミュレーション内の交通流を網羅的にキャリブレーションすることで,各道路リンクを毎時通過する車両台数を,22% (中央値) の相対誤差で再現できることを確認している.本稿では,NUMo を活用し,名古屋市内におけるV2V通信の性能を予測するとともに,その結果を,他の都市における予測性能値と比較検証することで,地域による交通状況の違いが,V2V通信ネットワークの性能に与える影響を明らかにする. |
| Title | 最少ストローク数アルゴリズムを用いた地域分析手法 |
| Author | *田中 翔真 (名古屋工業大学大学院 博士前期課程 創造工学プログラム), 金 鎔煥 (名古屋工業大学 大学院 しくみ領域 助教), 山本 大介 (名古屋工業大学 大学院 ながれ領域 准教授) |
| Page | pp. 1094 - 1102 |
| Keyword | 最少ストローク, ストローク, 交差ストローク |
| Abstract | 本論文では,最少ストローク数の最大値探索手法と地域別ストロークテーブル作成機能を提案する.ストロークとは,認知心理学に基づいて道路ネットワークをグルーピングしたもので,いわゆる道なりの道路である.地域別ストロークテーブルの作成機能では,指定した範囲にあるストロークを収集し,地域ごとに,存在するストロークの数とそのストロークの長さを求める.最少ストローク数とは,スタート地点からゴール地点まで移動する際に右左折回数が最少となる経路にて通るストロークの数である.ここで,最少ストローク数は最少右左折回数の値に1を足した値となる.最少ストローク数の最大値探索手法では,範囲内の任意の2本のストロークを結ぶ経路の中で最少ストローク数が最大となる経路のストローク数を算出することができる.つまり,この回数を求めることで,何回右左折をすれば範囲内のどこからどこでも移動できるか,を知ることができる.また,先行研究ではスタート地点とゴール地点を入力して,その2点間の経路探索を改善する研究であった.そのため,先行研究の手法のままで最少ストローク数の最大値を求める場合,範囲内の交差点から2点を選ぶ全ての組み合わせで探索を実行する必要がある.それに対して本研究では,範囲内に存在するストロークの回数分の探索で最少ストローク数の最大値を調べることができるため,プログラムの実行時間を短縮することができた. |
| Title | 時空間的変動要素が及ぼす交通影響を考慮したプローブカー速度データに基づくリアルタイム交通量推定技術 |
| Author | *横谷 暢斗, 清武 寛, 中田 亮太, 森 航哉, 岩田 具治, 澤田 宏 (日本電信電話株式会社) |
| Page | pp. 1103 - 1108 |
| Keyword | 交通マネジメント, デジタルツイン, 交通量推定, プローブデータ |
| Abstract | 渋滞緩和・事故防止等を目的とし,その時の交通状況に応じて最適な交通施策を決定し,ドライバーへの働きかけを行う「リアルタイム交通マネジメント」が求められている.そこで重要となるのが,リアルタイムに交通状態を把握することである.しかし,道路交通量を計測するトラフィックカウンタデータは,公的情報として公表される前に取りまとめ作業が介在するため,即時利用には適していない.一方で,速度・位置情報等についてはプローブカーデータとして入手してリアルタイムに処理・分析している事例が存在する.そこで本稿は,プローブカーデータの速度データのみをリアルタイム情報として用いて,交通量を把握できる新たな手法を提案する.本手法は従来技術である交通密度k-速度vモデルを用いた交通量推定では勘案されない,時間帯・曜日・天候等の時空間的変動要素を考慮することができる.その推定精度について,実一般道データを用いて検証を実施した. |
| Title | 広域ロケーションデータとスポット通行量データの併用によるシミュレーション上への歩行者流再現手法 |
| Author | 上垣 雅史, *天野 辰哉, 山口 弘純 (大阪大学) |
| Page | pp. 1109 - 1116 |
| Keyword | 人流シミュレーション, LiDAR, 広域ロケーションデータ, スポット通行量データ |
| Abstract | 本研究では,広域の低粒度GPSロケーションデータとセンサにより計測される特定スポットでの通行量データを併用し,対象領域内の歩行者の人流をシミュレーション上で再現する手法を提案する. 提案手法では,ロケーションデータを領域内のPoI(Point of Interest)に集約し,GibbsサンプリングによりPoI間の移動に関する,出発時刻と移動時間の2次元混合ガウス分布を推定する.この分布を用いて,シミュレーション上にPoI間の移動を再現する.さらに,LiDARなどのセンサデータを用いて計測されたスポット通行量データを用いて,シミュレーション上の歩行者数を補正する手法も提案する. 和歌山城公園内を対象とする広域ロケーションデータと5か所でのLiDARによるスポット通行量計測データを用いてシミュレーション上に歩行者流を再現し,提案手法の評価を行った.その結果,実際とシミュレーション上のそれぞれの時間帯別人口密度分布のコサイン類似度の平均値が約0.8であり,また公園内の施設における来訪者数の予測精度の誤差は16%であることが確認できた. |
| Title | (招待講演) 実世界で活躍するタフなロボット×AIの研究:自動運転や災害対応ロボットから使役犬の能力の拡張 |
| Author | 大野 和則 (東北大学) |
| Page | p. 1117 |
| Keyword | ロボティクス, AI, 自動運転, 災害対応 |
| Abstract | 私達は、実世界や災害環境などのタフな環境で活躍するロボティクス×AI技術の研究と応用に取り組んでいる。本講演では、移動の高度化や自動化をテーマにいくつかの研究の取り組みを紹介する。具体的には、後付け運転ロボットを利用した大型ダンプトラックの自動運転、自動でホースを敷設し消火を行う消防ロボットシステム、狭隘な環境を自律走行するクローラロボットの制御や人間が容易にアクセスできない軍艦島の劣化建物の調査、災害救助犬などの使役犬の能力を支援・強化するロボット技術について紹介する。また、これらの移動体が集めた様々な情報を確率ロボティクスや機械学習を利用して空間情報として復元し認識し知識を獲得する方法についても紹介する。これらの研究を通してロボティクス技術が持つ多様な応用可能性を示し、スマートシティの実現、自動運転技術の進展、災害時の救助活動の改善、さらには人と動物との関係性における新たな展開を促進することに繋がれば幸いである。 |
| Title | 複数UAVの制御とビデオストリーミングのための双方向間欠的無線マルチホップ転送方式の実装 |
| Author | *西田 明浩, Pham Van Thanh, 石原 進 (静岡大学) |
| Page | pp. 1118 - 1127 |
| Keyword | 下水管検査, 無線LAN, ドローン, 間欠送信, マルチホップ無線ネットワーク |
| Abstract | 日本では下水管の老朽化が深刻である.これに対応するため,筆者らは複数のUAVを用いた下水管検査システムについて検討している.この検査システムは下水管内で複数のUAVがマルチホップネットワークを構築し,先頭のカメラ付きUAVが管内の撮影を行い,その映像データを中継UAVを介して地上の制御端末まで送信する.また,制御端末から各UAVへ制御情報を送信し,各UAVの位置などを制御する.このシステムを実現するためには,UAV制御情報伝送の信頼性と低遅延を達成し,映像データ伝送のためのスループットを確保する必要がある.これらを達成するため,先行研究では堤らがパケット送信タイミングを制御するパケット転送方式を提案した.本稿では提案方式の実装と同軸ケーブルを用いた模擬通信環境での実験による評価について報告する.ノード数4,IEEE 802.11nの2.4GHz鎖状Ad-hocネットワークにおいて,映像データの生成レートを9Mbpsから12Mbpsまで1Mbpsずつ変更して実験した結果,他の送信タイミングを制御しない転送方式と比較して,提案手法は大幅に低いパケットロス率,高いスループットを達成した. |
| Title | 適切な知覚チャンネルへの情報提示を用いた意思決定の認知バイアスの制御手法の検討 |
| Author | *中沢 将 (立命館大学情報理工学部), 双見 京介 (立命館大学情報理工学部/Digital Spirits Teck), 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部) |
| Page | pp. 1128 - 1139 |
| Keyword | 情報提示, 行動変容 |
| Abstract | 心理現象や認知バイアスを考慮した情報提示支援の研究が多くあるが,その影響が視覚,聴覚,触覚といった知覚チャンネル毎にどう変わるかという知見は少ない.本研究では,情報提示を行った時に視覚,聴覚,触覚といった知覚チャンネルの違いによって,認知,心理,行動に及ぼす影響が,どのように変わるのかを検証する.実験1ではランキングバイアスに倣ってランキング情報による商品の選択への影響を対象にした.実験1の結果,ランキング情報通りの影響を受けるチャンネルと受けないチャンネルがあることを示した.実験2ではアンカリング効果に倣って基準となる数値であるアンカーを提示することによる商品の価格判断への影響を対象にし,実験3では双曲割引のバイアスに倣って待ち時間に対する報酬の利率の許容レベルへの影響,を対象にした.実験1の結果はランキング情報通りの影響を受ける知覚チャンネルと受けない知覚チャンネルがあることを示し,その他の実験結果も知覚チャネル毎に影響の傾向や強弱が異なる可能性を示唆した. |
| Title | 作業ログフィードバックシステムにおける根拠情報提示の有無による効果の違いの調査 |
| Author | *岡竹 正弥 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 双見 京介 (立命館大学大学院情報理工学研究科/Digital Spirits Teck), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科) |
| Page | pp. 1140 - 1145 |
| Keyword | 行動変容, センサ, フィードバック, 作業支援, モチベーション |
| Abstract | ユーザが仕事や勉強などの作業を行う場面において,センサから得たユーザ状況に応じて行動変容に適切なフィードバックをする研究が多くあり,このフィードバックを生成AIで行うシステムが今後普及すると想定される. そこで,本研究ではユーザの作業ログに応じて生成AIがフィードバックするシステムにおいて,根拠情報の提示の有無によって,ユーザの作業努力量やユーザビリティが変わるかを調査する. プロトタイプシステムは,ユーザの作業内容に対して,定期的にフィードバックを行う.その内容はポジティブな内容かネガティブな内容また,証拠を提示を提示するかしないかこの内容の条件と証拠の条件それぞれ組合せ4通りのいずれかである. 計算タスクを持続的に行う場面を対象にこのプロトタイプシステムを評価した. 結果は,個人差はあるが,根拠情報の有無によってユーザの努力量(作業速度),システムのAIへの信頼性,異なる可能性を示唆した. |
| Title | 話者の個人性を考慮して推定した対話相手からの印象変化に基づく発話選択手法の性能評価 |
| Author | *松尾 和哉, 石井 陽子, 大塚 淳史, 石井 亮, 杉山 弘晃, 水上 雅博, 有本 庸浩, 野本 済央, 深山 篤, 山口 徹也 (日本電信電話株式会社) |
| Page | pp. 1146 - 1154 |
| Keyword | 対話, 自然言語処理, シミュレーション, 主観評価 |
| Abstract | マッチングサービスにおいて,マッチングした相手と会う前に,その相手からの印象が良くなる対話を模擬できれば,相手がどういう対話を好むのかを事前に把握できるため,パートナー探しを効率化できる可能性がある.これを実現するためには,任意の個人の発話を再現できる発話生成モデルと,相手からの印象が良くなる発話を選択する手法が必要になると考えらえれる.前者は既存研究が数多くある一方で,発話ごとの相手からの印象を考慮した発話選択手法は存在しない.ここで,ある文脈における特定の発話によって,対話相手からの印象がどう変わるかは,対話相手を含む話者の個人性に強く依存するものと考えられる.そこで我々は,ある文脈における特定の発話が対話相手からの印象をどう変化させるかを,話者の個人性を考慮して推定し,その結果を基に発話を選択する手法を提案する.話者の個人性が有用か否かを調べるために,提案手法で用いた推定器の定量評価を行い,話者の個人性が有用な特徴量であることを示した.さらに,提案手法を用いることで特定の相手からの印象が良くなる対話を実際に模擬できるのか否かを確認するための被験者実験を行い,提案手法の有効性を示した. |
| Title | 台本読みの技術向上のための入力音声の自然読み・台本読み判定手法 |
| Author | *谷重 翔生 (神戸大学大学院工学研究科), 渡邉 拓貴 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科) |
| Page | pp. 1155 - 1164 |
| Keyword | 話し方, 深層学習, スペクトログラム |
| Abstract | スピーチやプレゼンテーションでは,発表者が話す内容をまとめた原稿に沿って話を進めることがある.発表者に台本を読み上げる技術が十分に備わっていないと,聞き手は「ただ台本を音読しているだけ」だと感じ,発表が印象に残らない.そのため,発表者は台本読み上げであっても自然な会話のように発話する技術が必要である.台本読み上げの練習を複数人で行う方法では時間や場所の融通が利かず,一方で個人練習では自分の話し方が「台本読み」だと感じられる状態であるかを話し手が認識することが難しい.そのため,台本読みの個人練習において,話し方に対する聞き手の感じ方を提示することで台本読みの改善を支援できると考える. そこで本研究では,入力された音声が台本を読み上げていない自然な話し方であるか,台本を読み上げた話し方であるかを機械学習により判定しフィードバックする台本読み個人練習支援手法を提案する.本稿では,自然な話し方の音声と台本を読み上げた音声から取得したスペクトログラム画像を,既存の画像データを学習済みである深層学習モデルの一部を利用する転移学習に使用することで,入力音声が自然な話し方であるか台本の読み上げであるかの分類を行うモデルを作成し,分類精度の評価を行った. |
| Title | 環境情報等からなるユーザ状況を考慮したロボットからの能動的な話しかけ |
| Author | *中曽 禎啓 (大阪公立大学/理化学研究所 ガーディアンロボットプロジェクト(GRP)), Angel Garcia Contreras (理化学研究所 ガーディアンロボットプロジェクト(GRP)), 河野 誠也 (理化学研究所 ガーディアンロボットプロジェクト (GRP)/奈良先端科学技術大学院大学), 阿多 信吾 (大阪公立大学), 吉野 幸一郎 (理化学研究所 ガーディアンロボットプロジェクト (GRP)/奈良先端科学技術大学院大学), 藤本 まなと (大阪公立大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)) |
| Page | pp. 1165 - 1170 |
| Keyword | 能動的な話しかけ, 会話テキスト生成, ヒューマンロボットインタラクション, コンテクストアウェアネス, マルチモーダルセンサ |
| Abstract | ロボットがユーザの生活に溶け込むには,ユーザが求めるタスクをロボットが正確に遂行することに加え,非タスク指向の機能である日常的な雑談などにおける双方向のコミュニケーションが重要である.現在のロボットやAIエージェントの多くは,ユーザからの入力・命令に対して受動的に行動するよう設計されている.これに対して,ロボットから能動的にユーザとのコミュニケーションを図ることで,より効果的なユーザサポートが期待される.本研究では,生活空間を自律移動可能なロボットがユーザの周囲の状況を観測し,蓄積されたログデータから適切に能動的な話しかけを行う枠組みを提案する.そのプロトタイプとして,ユーザのカレンダーにある予定とロボットが収集した音声認識結果およびロボットの発話ログ内容を用いた能動的な話しかけ機構を実装した. |
| Title | 様々な状況と環境に対応できる PDR ベースの屋内位置推定ライブラリの基礎検討 |
| Author | *外山 瑠起 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学経営情報科学部) |
| Page | pp. 1171 - 1181 |
| Keyword | 屋内位置推定 |
| Abstract | 現代社会において屋内位置推定技術は重要であり,屋内の人の動きを把握してビル内ナビゲーションに活用するなど様々な用途に利用されている. 多様な状況や環境で屋内位置推定をするには,個々の条件に適した位置推定手法の組み合わせや選択が重要である.屋内位置推定の手法としてPDRがある. PDRはスマートフォンなどから得られるセンサデータを元にある地点からの相対的な位置を推定する手法である.PDRはスマートフォンなどの機器さえあれば環境に左右されず一定の推定が可能である.一方でPDRは相対的な手法であるため初期位置,初期進行方向が不明な問題や時間の経過に応じて特有の誤差が蓄積する問題がある.そのため環境情報などを使用して補正するハイブリット手法が用いられる場合が多い. しかしハイブリット手法は特定の環境を想定したものが多く,複数の環境を想定したものは多くない. そこで本研究では様々な状況と環境に対応できるPDRベースの屋内位置推定ライブラリの基礎検討を行った. 本ライブラリを用いて参加したPDRベンチマーク委員会が主催する屋内位置推定の精度を競うコンテストxDR Challenge 2023 において 一定の結果を残した.また他の環境での適用を検討し複数の環境での適用可能性を示した. |
| Title | XRへの応用を目的とするUWBを用いた3次元位置測位システムの一検討 |
| Author | *作田 岬紀 (大阪大学大学院情報科学研究科), 波田 凌太朗 (大阪大学工学部), 藤原 拓也, 山口 隼平, 木崎 一廣, 藤橋 卓也, 渡辺 尚, 猿渡 俊介 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 1182 - 1189 |
| Keyword | UWB, XR, 位置測位 |
| Abstract | 近年,Extended Reality (XR) への注目が高まっており,医療,教育,娯楽等のあらゆる分野で導入が検討されている.現実に即した高品質な体験をユーザに提供するXRへの応用を対象とする位置測位システムには簡便なモジュールを用いて高精度かつ高速な3次元位置測位を行うことが求められる.しかしながら,既存のセンシング方式はXR向け3次元位置測位システムに必要な要件を満たしていない.本稿ではUltra Wide Band (UWB) を用いた3次元位置測位システムを提案する.本システムでは,6台のUWBアンテナを搭載したUWB受信モジュールでXRプレイヤなどの測位対象に装着されたタグから発せられるUWB信号を受信する.各アンテナで受信されたUWB信号を解析して,受信アンテナ間におけるUWB信号の到来位相差と到来時間差をそれぞれ算出する.算出されたPDoAとTDoAに対して最尤推定法を実行することで,UWB信号の発信源を推定して測位対象の3次元位置を割り出す.シミュレーション評価を通じて,1m四方の大きさの受信モジュールによる測位誤差の中央値がcmレベルで,位置測位時間が5.392sであることを示した. |
| Title | 観光アプリにおける屋外位置測位法のユーザビリティ評価 |
| Author | *加藤 翔 (宇都宮大学大学院地域創生科学研究科), 長谷川 まどか, 鶴田 直也 (宇都宮大学工学部), 伊藤 篤 (中央大学経済学部) |
| Page | pp. 1190 - 1195 |
| Keyword | スマホアプリ, BLEビーコン, 位置情報, スタンプラリー |
| Abstract | 観光先での情報収集にはスマートフォンが多用される.しかし,山岳地帯などでのアウトドア活動の場合,携帯電話の電波が届かない不感地帯があり,インターネットに接続できないことも多い.我々は,このような環境での情報提供を目的として,観光アプリ「奥日光ナビ」の開発を進めてきた.このアプリは,現地に設置したBLEビーコンを用いて現在地を推定し,あらかじめアプリ内に格納した観光情報を表示する.しかし,現状のシステムでの位置推定は正確性に改善の余地があった.そこで本稿では,正しい場所で観光情報が表示されることを目標としてGNSSを用いたバージョンを開発したので報告する.また,BLEビーコンを用いた方式とのユーザビリティ比較実験を行った.その結果,GNSSを用いた方式の評価が高いことが明らかとなった. |
| Title | 多時点の逆位置指紋を利用した屋内位置推定 |
| Author | *梅澤 猛 (千葉大学) |
| Page | pp. 1196 - 1198 |
| Keyword | 位置推定, 逆位置指紋, Bluetooth, BLE |
| Abstract | 屋内において位置を推定する手法として、複数時点の逆位置指紋を利用したBLE信号強度による位置推定を行う。大学キャンパス内の学生室を対象空間とし、スマートフォンを使ってBLE信号を発信して、ESP32搭載の開発ボードを受信端末として実験を行った。室内の33地点においてBLE信号を発信し、16台の受信端末で位置指紋の収集を行い、ニューラルネットワークモデルを用いて位置推定実験を行った。連続する時刻の信号強度データを位置指紋データとして用いることで、位置推定の精度が向上することが示唆された。 |
| Title | ライブエンターテイメントのための遠隔演奏 |
| Author | *菊池 龍翔, 中里 仁, 塚田 学 (東京大学) |
| Page | pp. 1199 - 1204 |
| Keyword | メタバース, ライブエンターテインメント, 遠隔コラボレーション |
| Abstract | デジタルツインの概念があらゆる業界で注目を浴びており,様々なシミュレーションのために現実 の世界をそのまま仮想世界上に再現したモデルである. 一方で,メタバースは,同様に仮想空間を構築す るためデジタルツインと似た概念であるものの,アバターを介した人々の交流や経済活動が行われる場で あり,メタバース空間上には現実空間で実在するもの,あるいはしないものの両方が混在する.また,仮 想空間でアバターを使って交流するメタバースは, 近年注目されているサービスであり, スポーツ観戦や音 楽ライブなどのイベントも開催される. しかしメタバース空間における音楽ライブ (例:VR ライブ) などは, ネットワーク遅延による問題で演者は一箇所に集まらなければならない. また, 観客は録音されたスレテオ の音源を聞くため, 生のライブよりも臨場感に欠けることが多い. 本研究では演者, 観客ともにどこにいて も実現できる臨場感の高い VR ライブシステムを作ることを目的とする. 本システムの実現のためには, ネットワーク遅延の影響による遠隔演奏の精度を確かめる必要がある.そこで本稿では,遠隔演奏を実現 している SYNCROOM を用いて,複数人の演奏者が異なる場所における演奏を実施した場合の検証を実 環境で実施した成果を発表する. |
| Title | 異性アバタを用いるVTuberにおける変声の影響の検証 |
| Author | *呉 健朗 (日本大学), 越後 宏紀 (SoftBank株式会社), 新井 貴紘 (株式会社NTTドコモ), 富永 詩音 (株式会社ドワンゴ) |
| Page | pp. 1205 - 1210 |
| Keyword | VTuber, 声, アバタ, 配信, コミュニケーション |
| Abstract | VTuber の配信を視聴すると,配信者の声の出し方の違いに気づく.例えば,男性が女性のアバタを用いる際に, ボイスチェンジャを利用して容姿だけでなく自身の声も女性に近づけるような配信者もいれば, 自身の地声をそのまま使用する配信者もいる. あるいは,VTuber としてデビューをした直後はボイスチェンジャを用いていたが, 途中から使用をしなくなるケースも存在する.しかし,このように多種多様な声の出し方がある一方で, 我々が調査した限りでは,VTuber として配信を行う際に,どのような声を用いれば視聴者からの印象が良くなるのかどうか検証を行っている事例は存在しなかった. この状況を鑑み,VTuber として配信を行う際に使用する声が視聴者のコンテンツに与える影響を調査することを研究の目的とする.本研究では自身と異なる性別のアバタを用いて VTuber として配信する際, 自身の生の声で配信した場合と,ボイスチェンジャにより性別にあった声で配信した場合の,視聴者の配信への印象を比較実験した.実験の結果,男性が女性アバタを使用する場合はボイスチェンジャで異性に音声を合わせることで実験参加者の配信者・動画に対する印象が良くなる可能性があり, 女性が男性アバタを使用する場合はボイスチェンジャで異性に音声を合わせることで実験参加者の配信者・動画に対する印象が悪くなる可能性があることを確認した. |
| Title | 2体の柔らかい物体の動きを用いた共感表現の認知に及ぼす共感性の影響調査 |
| Author | *新山 はるな (日本大学総合基礎科学研究科), 呉 健朗 (日本大学文理学部), 大西 俊輝, 大串 旭 (日本大学総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学文理学部) |
| Page | pp. 1211 - 1217 |
| Keyword | HAI, 共感表現, 共感スキル, 動き, 2体 |
| Abstract | 他者に心の内を話し,共感してもらうことは,気持ちの整理やストレスの解消につながる.近年,話の聞き手として対話型エージェントが注目されているが,これらは共感表現方法が明示的であるため,不完全な感情推定に基づいて共感表現を行うとユーザが反感を感じやすいという問題がある.この問題を解決するために,先行研究ではユーザが都合よく解釈できるように見た目と表現方法の曖昧性が高い共感エージェントを提案してきた.さらに,1体のエージェントよりも2体のエージェントを用いる方がユーザに与える効果が高まることに着目し,エージェントの数を2体に増やした検証も行った.先行研究は実験参加者全ての回答結果を用いた分析に留まっており,ユーザの共感性の高さがユーザの共感されたと感じる度合いに影響を与えるか明らかになっていない.そこで本稿では,ユーザがエピソードを話した後,2体のエージェントが動きで共感表現を行った際に,ユーザが自身に都合良く共感してくれたと感じる度合いについてユーザの共感性の高さに着目して比較を行った.その結果,共感性の高い人の方が2体のエージェントから共感されたと感じやすいこと,共感されたと感じる度合いに共感性の高さが影響しない条件が存在することが示唆された. |
| Title | 介助用車椅子を急停止させた際の乗り心地を介助者が体験できるシミュレータの検討 |
| Author | *藤本 悠作, 齊藤 孝樹 (日本大学文理学部), 杉本 隆星 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 土岐田 力輝, 呉 健朗, 宮田 章裕 (日本大学文理学部) |
| Page | pp. 1218 - 1221 |
| Keyword | 介助用車椅子, 介助, シミュレータ, 急停止 |
| Abstract | 日本では65歳以上の要介護者数が年々増加している.このことから,車椅子ユーザの介助者数も増加していると考えられる.車椅子ユーザの移動を支援する介助者は,車椅子ユーザの生活を支える重要な役割を担っているが,時に車椅子ユーザに負担のかかる押し方をしている場合がある.その原因として,介助者が車椅子ユーザの乗り心地を理解できていないため,自身の不適切な操作に気づけないことが考えられる.しかし,介助者は車椅子を押したときの乗り心地を直感的に理解することは困難である.そこで,我々は介助者が車椅子を押したときの乗り心地を直感的に理解するために,介助者自身が追体験できるシミュレータを提案する.本研究では,不適切な車椅子の操作のうち,車椅子を急停止させてしまう操作に焦点を当てる.本稿では,介助者が車椅子を急停止させてしまったときの乗り心地を,介助者自身が体感できるシミュレータの実装方針について述べる. |
| Title | ニューラル陰関数表現を用いたLiDAR点群伝送に関する一検討 |
| Author | *桑原 明大, 大迫 勇太郎, 加藤 空知, 藤橋 卓也 (大阪大学大学院情報科学研究科), 秋濃(小池) 俊昭 (Mitsubishi Electric Research Laboratories), 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 1222 - 1230 |
| Keyword | LiDAR, 点群圧縮, 点群伝送, ニューラル陰関数表現, ニアアナログ変調 |
| Abstract | Light Detection and Ranging(LiDAR)は,ナビゲーション,自動運転などの多岐にわたるアプリケーションで注目されている.LiDARはレーザ光を用いて3次元空間を点群として取得することができる.一方で,取得した点群のデータサイズは非常に膨大である.特に,限られた帯域を有する無線伝送路を介して点群を共有する場合,その多大なトラヒックが大きな課題となる.本研究ではLiDARから得られた3次元点群を対象とした低トラヒック伝送手法を提案する.より具体的には,低トラヒック化を実現するために提案手法では3次元点群を2次元上に写像したRange画像を取得するとともに得られたRange画像全体を点の有無を表すMask画像,点の距離を表すDepth画像に分類する.その後,それぞれの画像に対してニューラル陰関数表現(Implicit Neural Representation:INR)を定義する.INRでは各画像における座標成分に対する画素値を出力するような小規模のニューラルネットワーク(Neural Network:NN)を用いて画像ごとに過学習させ,その重みを伝送することで限られたトラヒックでのRange画像伝送を実現する.さらに,Mask画像に対しては元画像の画素値とINRから得られる画素値との残差情報を生成してアナログ符号化・アナログ伝送することでINRを用いるだけでは学習が困難な高周波成分を伝送する.実際のLiDAR点群を用いた性能評価から,提案手法は画像符号化技術JPEG,INRを用いた画像符号化技術と比較してより少ないトラヒックで高品質なRange画像を伝送可能であること,すなわち高品質な3次元点群を伝送可能であることが分かった. |
| Title | グラフベース点群符号化におけるパラメータ最適化に関する一検討 |
| Author | *桐原 日向, 伊吹 将一, 藤橋 卓也 (大阪大学大学院), 秋濃 俊昭 (Mitsubishi Electric Research Laboratories), 渡辺 尚 (大阪大学大学院) |
| Page | pp. 1231 - 1237 |
| Keyword | 点群, 点群伝送, グラフ信号処理 |
| Abstract | 点群に代表される3次元データの取得が容易になるにつれて3次元コンテンツの利活用に対する需要が高まっている. 点群を通じて遠隔のユーザに没入感あふれる体験をもたらすためには,コンテンツサーバとユーザとを接続するネットワークの可用帯域に応じて高品質な点群を伝送する必要がある. 限られた帯域の中で高品質な点群を伝送するためには,その多大なデータ量を効率的に削減するための符号化手法が必要となる. 点群に対する符号化手法としてグラフ信号処理に基づく符号化手法が提案されている. 一方で,グラフ信号処理に基づいて点群を符号化する場合,その符号化効率を定めるハイパーパラメータ対の探索ならびに各パラメータ対に対する固有値分解にかかる時間が膨大になることが分かっている. 本稿ではハイパーパラメータ対の探索に要する時間を軽減しつつ,限られた帯域の中で高品質な点群を伝送するための符号化手法を提案する. より具体的には,グラフ信号処理に用いるグラフラプラシアン演算子が持つ特性に基づいて1)探索対象とするハイパーパラメータ数の削減,2)固有値分解を介さないパラメータ探索を実現した. 点群データセットShapeNetを用いた性能評価から,提案手法は比較手法と比べて計算量を削減しつつ,同程度の点群復元品質を達成できることを明らかにした. |
| Title | 警備ロボットにおける人物判定手法 |
| Author | *望月 遥貴 (神奈川工科大学大学院), 清原 良三 (神奈川工科大学) |
| Page | pp. 1238 - 1243 |
| Keyword | 警備, LiDAR, 認識 |
| Abstract | COVID-19パンデミック以来,日本の産業は様々な分野で労働力不足に直面している.特に警備業界では,深刻な労働力不足の問題に直面している.それに伴い,大学の警備業務にも警備員不足の影響を受けている.一方,ロボット技術は発展し,単純なタスクだけでなく,人間との相互作用を伴うタスクも実行可能になっている.警備業務での多くの人員が必要とされる巡回警備にロボットが導入されることが期待されている.警備におけるロボットによる巡回警備では問題認識が大部分を含んでおり,問題を認識できない場合には警備員による確認が必要になる.そのため,このような場合を減らすために問題認識の正確性向上が必要用件である.さらに,ロボットの導入および運用コストを可能な限り削減する必要がある.現状のロボットでは,カメラやLiDAR(Light Detection And Raging)を使用して人間や障害物の認識を行っている.しかし,明るさが不十分な場所や3D-LiDARによって取得される膨大な情報量を削減して人物判定する技術は確立されていない.本論文では,計算量を抑えた人物判定の手法を提案し,その手法の評価を示す. |
| Title | SLAMにおける全体最適化に伴う精度悪化と対応の検討 |
| Author | *水島 大志, 松下 尚樹 (慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻), 重野 寛 (慶應義塾大学理工学部情報工学科) |
| Page | pp. 1244 - 1249 |
| Keyword | SLAM, 自己位置推定, IoT |
| Abstract | 近年, IoT (Internet of Things) の発展に伴い, 自己位置の推定と周辺環境のマップ作成を同時に行うSLAM (Simultaneous Localization And Mapping) が注目されている. SLAMの一種であるVisual SLAMの課題の一つに,推定される自己位置の誤差の累積がある. この課題に対処するため, Visual SLAMではLoop Closingによる誤差修正やBundle Adjustmentによる最適化を行うのが一般的である. その中でも, 推定軌跡全体に対する最適化処理であるGBA (Global Bundle Adjustment) は軌跡全体の精度改善のために効果的である. GBAでは構築された周辺環境のマップのなかのKF (Key Frame) とMP (Map Point) に対して, その再投影誤差を最小にするように軌跡座標の修正を行う. しかし, この処理によって一部のKFの座標が過剰に修正され, 推定軌跡の誤差増大につながるケースが存在する. 本稿では, GBAによる大幅な精度悪化を検出し処理を行うことによって, GBAによる精度悪化を抑制する手法である, モーションチェック(MC)を提案する. モーションチェックはGBA前の軌跡とGBA後の軌跡を比較し, それが大きく異なる場合にはその部分の軌跡を削除, または軌跡全体をGBA前のものに修正することにより, GBAによる大幅な精度悪化の検出・抑制を行う. EuRoCデータセットを用いて行った評価では, 推定軌跡の誤差の最大値について最大で81.52cm, RMSEについて最大で3.40cmの改善がみられた. |
| Title | 一貫性評価指標に基づく移動体の物体検出の評価手法 |
| Author | *陳 明康 (総合研究大学院大学), 合田 憲人 (総合研究大学院大学/国立情報学研究所), 孫 静涛 (日立製作所) |
| Page | pp. 1250 - 1255 |
| Keyword | 物体検出, 一貫性, 評価, 移動体, 機械学習 |
| Abstract | 機械学習を用いた物体検出手法は,環境監視や自動運転といった移動体を中心とする応用分野において重要な役割を果たしている.移動体の物体検出においては,安全性や信頼性に直結する推論の精度向上の需要が高まっている.しかし,既存の一貫性の評価手法は時系列画像の画像内容の変化により移動体の物体検出の推論結果を正確に測定することが難しいという課題がある.本稿における一貫性とは,類似した画像間で物体検出モデルから得られる予測値の差を表すものとして定義している.本稿では,移動カメラからの時系列画像における画像類似度を考慮する上で,物体検出の一貫性測定手法を設計し,一貫性の閾値を設定することで,物体検出モデルの一貫した結果の判定ができるようになった.また,海上データセットを用いて,物体検出モデルYOLOv5の一貫性を測定する検証実験を実施し,低一貫性の学習データの抽出によるモデルの継続的に再学習によって,一貫性の向上の結果が確認できた. |
| 2024年6月28日(金) |
| Title | (招待講演) スマートなスマートグラスにむけて |
| Author | *清川 清 (奈良先端科学技術大学院大学) |
| Page | pp. 1256 - 1262 |
| Title | 周囲の注意や関心に気づくためのARを用いた視線可視化システム |
| Author | *浦久保 翔平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科) |
| Page | pp. 1263 - 1271 |
| Keyword | AR, Augmented Human, ウェアラブルコンピューティング, 視線 |
| Abstract | 人間は日常生活を送るにあたり,五感から得られる情報を整理することで,自身の状況及び周囲の状況を認識している.その中でも特に,視覚から得られる情報の割合は最も多い.人間の視覚情報には周囲の環境や物体,他人の表情やジェスチャなど様々な情報が含まれている.本研究ではそのような周囲の情報の中で,特に周囲の人々の視線情報に着目する.周囲の人々の視線により,注意や関心が集まっている箇所を把握できるため,周囲の視線情報を知覚し,その対象や方向に注意を向けることで,自身では気付けなかった新たな発見を得られたり,注目すべき対象に気づきやすくなったりする場合がある.そのため,周囲の視線情報は,状況認識の際の重要な要素となることが知られている.しかし,日常生活において,周囲の視線を可視化し,状況認識の支援に利用する研究は少ない.そこで本研究では,拡張現実感(AR:Augmented Reality) 技術を用いて周囲の視線をユーザに直接提示し,通常は知覚できないユーザ周囲の視線を知覚してユーザの状況認識や注意を向ける対象の決定の支援を目的とする.本稿では,ユーザ後方の視線を可視化するシステムを提案し,プロトタイプデバイスを作成した. |
| Title | 実空間にないモノをバーチャルオブジェクトで補完する調理練習支援システムの実現に向けた評価 |
| Author | *二飯田 大暉 (金沢工業大学大学院工学研究科), 佐野 渉二 (金沢工業大学工学部) |
| Page | pp. 1272 - 1279 |
| Keyword | Mixed Reality, バーチャルオブジェクト, 調理支援システム, リンゴ, 包丁 |
| Abstract | 本稿では,実空間にないオブジェクトをバーチャルオブジェクトで補完する調理練習支援システムについて述べる.料理を行うためには,通常は,食材や調理器具を用いて行うが,食材や調理器具でないモノがあったり,練習のために食材を無駄にしたくないことがあったりする.そこで,実空間にあって,使うモノはそのまま使い,それ以外のモノはバーチャルオブジェクトで補完する料理支援システムを提案する.本稿では,提案システムの実現に向け,リンゴを包丁で切ることを例として,リンゴ,包丁を実際のモノ,バーチャルオブジェクトにした場合の違いについて評価する.包丁操作スキルの向上に関する評価実験の結果,バーチャルオブジェクトであるリンゴを切る練習においても,実際のリンゴを包丁で切る練習と同等の結果が得られた. |
| Title | タオル工場向け糸在庫管理システムの開発 |
| Author | *森岡 希望, 遠藤 慶一, 黒田 久泰, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科) |
| Page | pp. 1280 - 1287 |
| Keyword | DX, 業務支援, 在庫管理, システム開発, 分散システム |
| Abstract | 愛媛県は,全国でも有数のタオル生産県である.タオル工場では,大量の糸在庫を保有しているが,この在庫の工場内での位置や在庫量の管理が行われていない.これにより,糸を探すときには大量の糸在庫が入った箱を一つ一つ確認して探し出したり,聞き込みをしたりして探す必要があり,糸在庫の探索に数時間費やすこともある.さらに,在庫量が管理されていないことで,自社の資産の管理も困難となっている.そこで,本研究では,糸の在庫量とその位置の管理を行うことができる糸在庫管理システムの開発を行い,タオル工場の糸在庫管理をDX化することで,課題の解決を目指した.開発したシステムを実際に使用して試験運用を行い,現場の方が慣れないタブレット操作を行うことは,時間や負担がかかるという現実がある一方で,在庫の位置や在庫量の把握という今までできていなかったことができるようになっており,課題解決に近づいていることがわかった.本稿では,1回目の試験運用を受けて改善を行なった糸在庫管理システムの概要と,再試験を行った結果の評価について報告を行う. |
| Title | 離散潜在空間上でのMasked Image Modelingによる産業用画像の論理的な異常検知 |
| Author | *坂井 俊介, 長谷川 達人 (福井大学), 越野 亮 (石川工業高等専門学校) |
| Page | pp. 1288 - 1296 |
| Keyword | 画像異常検知, 論理的な異常, MVTecLOCO, Masked Image Modeling, 深層学習 |
| Abstract | 産業用異常検知において,物体の誤った組み合わせや位置の逸脱などの異常の検出は困難な問題である.従来手法は,傷や汚れなど正常画像の局所的な特徴に注目しており,特徴間の関係性を必要とする異常の検出が困難だった.Masked Image Modeling(MIM)は,画像のマスクした領域の特徴表現を予測する自己教師あり学習であり,マスクされた領域を復元するには,画像がどのように構成されているかを理解している必要があり,画像内の特徴間の関係性を学習できる.本研究では,MIMの特性を生かし,論理的な異常を効果的に検出する新たなアプローチを提案する.一方で,単純にマスクした領域のピクセル単位の特徴を復元するMIMでは,マスク領域に生じる位置不確実性によって,復元画像がぼやけてしまうことが課題となる.そこで,本研究では,トークナイザにより予測されたマスク領域の離散潜在変数の確率分布を予測することにより,この課題を改善する手法を提案する.本研究はMVTecLOCOにおいて評価され,従来の再構成ベース手法や蒸留ベース手法を上回る平均AUC86.7を達成した.また,予測対象の選択やトークナイザの予測など,MIMベースの異常検知における問題点を包括的な実験を通して明らかにした. |
| Title | サーモグラフィを用いた顔の部位別表面温度に基づく深部体温推定法の検討 |
| Author | *平野 華織, 工藤 寛樹, 内山 彰 (大阪大学大学院情報科学研究科), 桑野 聡, 千田 泰史 (サンワイズ), 丸谷 賢弘, 長谷川 凌佑, 横山 光樹, 中田 研 (大阪大学大学院医学系研究科) |
| Page | pp. 1297 - 1303 |
| Keyword | 深部体温, サーモグラフィ, 機械学習 |
| Abstract | 熱中症は深部体温の上昇により発生するため,熱中症予防には深部体温のモニタリングが重要である.一般に深部体温は体内へのプローブの挿入により測定されるが,侵襲性を伴うため運動時の計測が困難である.これまでに,ウェアラブルセンサを用いた深部体温推定手法が提案されているが,センサの装着性やコストに課題が残る.そこで本研究では,非接触かつ低コストな深部体温推定の実現を目的として,サーモグラフィを用いた手法の検討を行う.暑熱環境に設置したサーモグラフィの正面に被験者がいる場合を想定し,運動時の被験者の顔を含む熱画像を取得する.さらに深部体温推定の精度を向上させるため,取得した熱画像から顔の部位別表面温度を取得し,機械学習によって深部体温推定モデルを構築する.性能評価のため,被験者11名の30分走行データを収集し,評価を行ったところ,深部体温推定の平均絶対誤差は約0.35℃となった.さらに,深部体温に対する閾値に基づき熱中症の警告を発するシステムを想定した場合に,4分の誤差を許容すると,適合率,再現率ともに90%以上で深部体温の上昇を検知できることが分かった. |
| Title | 文脈に基づくネットワークカメラ映像の変化点抽出および説明手法の提案 |
| Author | *北出 卓也 (株式会社NTTドコモ/慶應義塾大学), 山谷 佳祐, 春山 知生, 中村 匠, 安川 真平 (株式会社NTTドコモ), 今井 倫太 (慶應義塾大学) |
| Page | pp. 1304 - 1310 |
| Keyword | 映像分析, VLM, セキュリティカメラ, 文脈理解, 遠隔オペレーション |
| Abstract | ネットワークカメラの普及により,遠隔地の映像をリアルタイムに確認可能となっている.特に自動運転車両における遠隔監視は一人のオペレータが複数映像を監視することで省人化が可能となるため,映像監視自動化システムの重要性が増しており,システムとしてはオペレータが特に確認すべきシーンを抽出し,オペレータが短時間に理解可能な情報として提示できることが求められている.これまでもネットワークカメラ映像に映る人物の行動を分析する手法が研究されてきたが,それぞれの行動に対して認識モデルの開発が必要であった.そこで本研究では「人の動きがある」シーンのみを抽出しVLMで汎用的に分析し,その結果を使用してシーンを短文で説明する手法を提案する.VLMを説明した文章の文脈変化が大きな部位がシーンの大きな変化となり得るという考え方で,オペレータが確認すべきシーンを絞り込む.この手法により,自動運転バスを想定した映像から重要なシーンを抽出し,文章での説明ができること,そして実用上の課題を確認した. |
| Title | LINEを活用した対話型による観光情報提供システムの提案 |
| Author | *彌田 章太, 佐藤 雅明 (東海大学観光学部観光学科) |
| Page | pp. 1311 - 1317 |
| Keyword | LINE, 対話型システム, Linebot, 観光情報提供 |
| Abstract | 近年、観光に関する情報環境は多様化の一途を辿り、観光客は様々なメディアを通して提供される情報から必要なものの取捨選択を迫られている。一般的な観光地では、従来からあるポスターやパンフレットなどに加え、スマートフォンの観光アプリ、インスタグラムやXなどのSNS、そしてWebページなどの情報提供がおこなわれている。特に若年層の観光客は旅行に際し、移動中や到着した後に情報収集をおこなうことが多い。本研究では、こうした現在の観光行動で注目される観光地での情報検索をスムーズに実現するために、日常的に活用しているメッセージングサービスの会話という行為に着目し、対話型システムによってユーザーの徒歩圏内の飲食店を提供するシステムの開発をおこなった。実装したシステムでは普及が進んでいるメッセージングサービスであるLINEを選択し、日常的に友達と会話する感覚で、ユーザーの現在地に応じて付近の飲食店の提案を実現した。 |
| Title | ホップ数の仮想的削減によりPTP時刻同期を高精度化する手法の検討 |
| Author | *廣田 洋志郎, 谷口 昂平, 大平 健司 (大阪大学) |
| Page | pp. 1318 - 1324 |
| Keyword | 時刻同期, M-PTP, DetNet |
| Abstract | 本研究では,DetNet(Deterministic Networking) での高精度時刻同期を実現するため,PTP(PrecisionTime Protocol) のホップ数増加による精度低下と M-PTP(Multi-hop Precision Time Protocol) 対応スイッチの不在という 2 つの課題に対処する手法を提案するDetNet は,広域ネットワークにおけるリアルタイムアプリケーションのために設計されており,正確な時刻同期が必要だが,PTP はホップ数の増加により精度が低下するという問題がある.M-PTP は,この問題を解決するために開発されたが,既存のスイッチには M-PTP に対応したものが存在しない.そこで本研究では,M-PTP で時刻同期されたノードをリファレンスクロックとして利用し,指定したスイッチに接続することで,PTP による時刻同期のホップ数を減らし,精度を向上させる手法を提案する. |
| Title | TLS対応権威DNSサーバの証明書検証によるドメイン信頼性判定通知手法 |
| Author | *根木 湧人, 山井 成良 (東京農工大学), 金 勇 (東京工業大学), 村上 登志男 (学習院大学/東京農工大学), 中川 令, 森茂 友悟 (東京農工大学) |
| Page | pp. 1325 - 1332 |
| Keyword | DNS, DoT, X.509証明書, HTTP |
| Abstract | DNSはインターネットにおいて非常に重要な技術であるが,セキュリティの面で問題を抱えている.これまでにDNSのセキュリティ向上技術としてDNSSECやDoTが提案されてきたが,いずれもすべてのセキュリティ問題を解決する方法にはなっていない.DoTを使用した状態でドメインやDNS応答の信頼性を検証する方法として,TLSに対応した権威サーバの証明書の種類(DV,OV,EV)に基づきドメインの信頼性を検証する方法が提案された.この方法はコマンドライン上での実装にとどまっており,実際にこの方法を使用してユーザがドメインの信頼性を知るには信頼性判定・通知システムが必要であった.本研究では,端末が名前解決を行ったドメインに対してドメインの信頼性判定を行い,HTTPを対象としWebページとトースト通知を利用してユーザに通知を行うシステムの実装を行った.実際のドメインを使用して動作検証を行い,システムが設計通り動作することを確認した. |
| Title | 低遅延の代替パス提供のための測定フレームワークの提案 |
| Author | *伊藤 吉彦, 中里 仁 (東京大学), 椎葉 瑠星 (総合研究大学院大学), 福田 健介 (国立情報学研究所/総合研究大学院大学), 江崎 浩, 落合 秀也 (東京大学) |
| Page | pp. 1333 - 1339 |
| Keyword | Fast Reroute, QoS, Backup, Segment Routing, Measurement |
| Abstract | 近年,通信技術の発展に伴い,サービスの信頼性と品質に対する期待が高まってきている.高信頼性を保証する技術はいくつか存在するが,特別な技術なしにネットワークに導入できるFastRerouteに我々は注目している.FastRerouteに関する研究で提供されるバックアップパスの性能を評価することを目的としたものは少なく,必ずしも高品質なネットワークを提供できているとは言えない.そこで本研究では高信頼性かつ高品質なネットワークを提供することを目的とし,FastRerouteで提供されるバックアップパスの性能を評価するフレームワークを提案した.本稿ではフレームワークを動かすにあたっての事前検証の結果についても議論している.今後は実装を進め,フレームワークの性能の評価を行う. |
| Title | 大規模言語モデルを用いたコンテナアプリケーション仕様を満たすKubernetesマニフェスト生成の定量評価 |
| Author | *上野 優, 内海 哲哉 (富士通株式会社) |
| Page | pp. 1340 - 1347 |
| Keyword | Kubernetes, 設定自動化, プログラム合成, LLM |
| Abstract | Kubernetesは,コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ,スケーリング,および管理を自動化するオープンソースのシステムである.しかしその複雑性は,特にKubernetesの知識をもたない一般のアプリケーション開発者にとって大きな障壁となっている.ここで,大規模言語モデル (LLM) を用いて,一般のアプリケーション開発者によるマニフェスト生成を支援するアプローチが知られている.しかし,その出力が与えられた仕様を充足するか,理解しやすいか,といった観点での評価は未だ明らかにされていない.そこで本稿では,一般のアプリケーション開発者にも普及しているCompose仕様を入力として,LLMによるマニフェスト合成の有効性評価のためのベンチマーク手法を提案する.本ベンチマークを活用することで,LLMの合成結果の傾向として,入力と出力の単純な仕様の違いを補完する精度が高いことが分かった.一方で,可読性において重要なインラインコメントは消してしまったり,入力からその意図が読み取りにくい仕様については補完の精度が低くなったりすることが分かった. |
| Title | 対照学習およびグラフ構造学習を用いたハイパーグラフベース推薦モデル |
| Author | *道瀬 悠磨 (大阪大学大学院情報科学研究科), 春田 秀一郎 (KDDI総合研究所), 原 隆浩 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 1348 - 1356 |
| Keyword | 推薦システム, 機械学習, 協調フィルタリング, ハイパーグラフ, 対照学習 |
| Abstract | ユーザの嗜好履歴をグラフ構造として表し,その情報を元にユーザのアイテムに対する嗜好を推論するグラフベースの推薦モデルが盛んに研究されている.近年,データのスパース性やノイズに効果的な推薦モデルとして,対照学習を用いた手法が注目を集めている.データがスパースな場合,近くのノードとのインタラクションが少なく,より遠くのノードへの隣接関係(高次の関係)を捉えることが重要である.しかし,多くの従来手法では,高次の関係を効果的に捉えることができず,推薦精度が限られている.本論文では,対照学習およびグラフ構造学習を用いたハイパーグラフベース推薦モデルを提案する.複雑なノードの隣接関係が表現可能なハイパーグラフに着目し,対照学習のデータ拡張としてハイパーグラフを用いることで,高次の関係を明示的にモデル化する.さらに,ハイパーグラフ構造学習技術を利用してハイパーグラフ構造を最適化し,より推薦タスクに適したハイパーグラフを獲得する.最後に,インタラクショングラフとハイパーグラフから得られた埋め込み表現を使用して対照学習を行う.これにより,データのスパース性に頑強であり,かつ高次の関係を捉えた効果的な推薦モデルを実現する.3つの実データセットを用いて包括的な評価実験を行い,従来手法に対してRecall@20で最大0.96%優れた推薦が可能であることを示す. |
| Title | ChatGPTによる読者像と記事カテゴリの推定を用いたニュース推薦フレームワーク |
| Author | *前川 由幸 (大阪大学大学院情報科学研究科), 春田 秀一郎 (KDDI 総合研究所), 道瀬 悠磨, 原 隆浩 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 1357 - 1364 |
| Keyword | 深層学習, ChatGPT, LLM, ニュース推薦 |
| Abstract | オンラインニュースサービスにおいて,パーソナライズされたニュース推薦システムは必要不可欠な技術となっている.ニュース推薦システムにおいて,よりよい推薦を行うためには,タイトルや本文などの様々な情報を活用することが理想的である.しかし,実際のニュースサービスでは,本文などの情報を保持しておらず,タイトルのみが利用可能なケースが存在する. 本論文では,近年登場した強力な大規模言語モデルである ChatGPT によるデータ拡張を活用したニュース推薦フレームワークを提案する.ChatGPT にタイトルを入力して,ニュース記事の特徴量を拡張し,ニュース記事に対するコンテンツ特徴を補完する.特に,タイトルを拡張する方向性として,(1) ユーザ方向と (2) コンテンツ方向の2つに着目する.提案手法では,タイトルから,(1) ユーザ方向への拡張として,そのニュース記事がターゲットとする読者像を,(2) コンテンツ方向への拡張として,ニュース記事のカテゴリをそれぞれ ChatGPT に推測・出力させる.そして,それらの出力文章をニュース記事の情報とし,ニュース推薦モデルに対する入力として付与的に活用する. 実ニュースサービスのデータを用いた評価実験では,提案手法は比較手法に対して AUC で最大1.65%優れた推薦が可能であることを示す. |
| Title | 連合学習における機械学習モデルの差に基づくクライアント選択手法の検討 |
| Author | *�望� 優太, 田中 颯 (慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻), 重野 寛 (慶應義塾大学理工学部情報工学科) |
| Page | pp. 1365 - 1370 |
| Keyword | 連合学習, 分散処理, 機械学習, 非独立同分布, プライバシー保護 |
| Abstract | 機械学習の新たな手法の一つに連合学習が存在する.連合学習とは,データを集約せずに分散した状態で機械学習を行う方法であり,プライバシーを保護した状態で学習を行うことが可能である.一方で,クライアント間のデータ分布の違いによる精度低下の問題が挙げられる.それに対する解決策の一つとして,連合学習に参加するクライアントを選択する手法が存在するが,データ分布の特性により機能しない場合が考えられる.そこで本稿では,中央サーバの持つグローバルモデルの重みと,各クライアントの持つローカルモデルの重みの差を活用した,クライアントの選択手法を提案する.この手法では,グローバルモデルの重みに類似したローカルモデルの重みを持つクライアントを選択することが可能である.CIFAR-10データセットを用いて評価を行い,グローバルモデルの正解率は,従来のランダムな手法と比較して28.25%,既存手法のFedVarと比較して17.88%向上したことを示した. |
| Title | マルチモーダルAIを用いた自転車走行時の異常フォーム検出システム |
| Author | *戸簾 隼人 (滋賀大学大学院データサイエンス研究科), 矢野 英人 (大阪大学大学院情報科学研究科), 甲斐 尚人 (大阪大学附属図書館), 義久 智樹 (滋賀大学大学院データサイエンス研究科) |
| Page | pp. 1371 - 1379 |
| Keyword | アンサンブル学習, モデル選択, リアルタイム処理, 自転車 |
| Abstract | 近年,サイクリングの観光利用が普及し,初心者が長距離サイクリングをする機会が増えている.その結果,サイクリストが意図せず一部の脚の筋肉を使いすぎてしまい,腸脛靭帯炎などの傷病を引き起こす場合がある.これは自転車の異常な乗車フォームが影響を及ぼしている.そこで本稿では,慣性計測ユニット(IMU)と2D Light Detection And Ranging(2D LiDAR)を用いた,自転車の異常な乗車フォームを検出するための新たなアーキテクチャを提案する.アーキテクチャでは,Recurrent Neural NetworkベースのモデルにIMUのデータを入力して得られた出力と,2D LiDARのデータを処理して得られる特徴量を分類メタモデルの入力とし,異常な乗車フォームを検出する.評価実験の結果,分類メタモデルの評価指標として精度0.900,適合度0.892,再現率0.841,F1スコア0.862が得られた.これは分類モデル単独の評価指標と比較して,全ての項目で性能が向上し,アーキテクチャの有効性が実証された.さらに,開発したアウトソーシングシステムにより,IoTエッジにて,約0.657秒ごとに異常な乗車フォームの検出が可能と明らかにした. |
| Title | 保健室利用者の課題把握のための生成AIを用いた対話システム |
| Author | *戸簾 隼人 (滋賀大学大学院データサイエンス研究科), 山村 和恵 (立命館守山中学校・高等学校), 上田 隼也 (一般社団法人インパクトラボ), 山中 司 (立命館大学生命科学部), 義久 智樹 (滋賀大学大学院データサイエンス研究科) |
| Page | pp. 1380 - 1387 |
| Keyword | テキストチャット, クラス分類, アンサンブル学習, 保健室 |
| Abstract | 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,社会環境の変化への戸惑いや不安を訴える生徒が増加した.その影響もあり,心理面での保健室の利用者は増加し,高止まりしている.一方,若者のテキストチャットによるコミュニケーションが活発化している.そこで保健室でのテキストチャットの活用が検討されているが,保健室スタッフの業務負担が高まる可能性がある.本研究では,テキストチャットの入力から対応シナリオを予測するシステムを提案する.実装では,回帰モデルと分類モデルの結果をブレンディングし,対応シナリオを予測するシステムを開発した.また,モデルの学習に生成AIから出力したテキストデータを用いた.さらに,予測確率から色相に変換する手法を構築し,直観的に対応シナリオを理解できるUIのプロトタイプを作成した.評価実験の結果,モデルブレンディングにより,個々のモデルと比べ,R2スコアの向上が確認された.一方,特徴が少ない文章に対する分類に関しては,さらなる改善が必要であることが示唆された.今後,さらに精度の高いモデルの開発や学習データの改善,変数の多様化に向けた色相変換手法の改良を通じて,課題解決を目指す. |
| Title | 動画と静止画のハイブリッド表現が可能なインタラクティブ絵巻物型メディアのデザイン |
| Author | *有馬 俊, 大川 恵子 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科/慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート) |
| Page | pp. 1388 - 1396 |
| Keyword | メディアデザイン, インタラクティブアート, デジタルアート, 絵巻物, 映像 |
| Abstract | 本研究では、日本古来からの絵画形式である絵巻物にデジタルテクノロジーを組み合わせた絵巻物型メディア「デジタル絵巻物」のデザインを行い、動画と静止画のハイブリッド表現、身体性インタラクションといった要素を含んだ新たな表現メディアの実現を目指した。さらに、コンテンツ制作ワークショップと様々なクリエイティブ系の専門家へのインタビューを通して、鑑賞と制作の両面から本デザインのメディアとしての価値を探究していく。 |
| Title | 同伴ロボットによる即興的ロボットショー実現手法の検討 |
| Author | *太田 智美 (大阪音楽大学/慶應義塾大学), 小林 由美子, 大原 秀明 (Robot Friendly プロジェクト アンバサダー) |
| Page | pp. 1397 - 1402 |
| Keyword | ロボット, ショー, 即興, 手法 |
| Abstract | 飲食店などがロボットショーを実施したいと考える場合には、メーカーなどからロボットを借りている施設がほとんどである。しかし現在、ロボットを家庭に迎え、ロボットと一緒に暮らす人(以下、ロボットパートナー)が増えている。そして、そのロボットパートナーの中には、一緒に暮らすロボットを家族のように愛しており、そのロボットを多くの人に見てもらうことでロボットと暮らす人々の存在を社会に知ってもらいたいという人がいる。もし、「同伴ロボットによる即興的にロボットショー」が実現できれば、施設側とロボットパートナーの両方がハッピーになれるのではないかと考え、本研究ではその実現手法について検討した。 |
| Title | ビジュアルプログラミングを用いた PowerPoint スライドの構造化システムに関する研究 |
| Author | *遠藤 史也, 梶岡 慎輔, 山本 大介 (名古屋工業大学) |
| Page | pp. 1403 - 1412 |
| Keyword | Blockly, PowerPoint, 構造化 |
| Abstract | 近年, 世界的に流行したCOVID-19の影響から, スライドを利用したオンライン授業が普及へとつながり, 新型コロナウイルスの感染リスクを軽減することができるようになったことはオンライン授業の大きな利点のうちの一つとして挙げられる.また, ユーザが簡単にコンテンツを生成できる方法としてGoogle Blocklyを用いた編集システムが挙げられる. スライドに記載されている内容は, ユーザが目視で把握することは容易であるが, その内容を利用するために, 自動で, スライドを読み取り, 利用することは困難であった. この問題を解決するために, 本論文では, ビジュアルプログラミングを用いたPowerPointスライドの構造化システムとその修正手法を提案する. また, 提案システムに基づいて実装したスライドの構造化とその修正手法のプロトタイプシステムを用いて, 評価実験を行った. スライド情報の構造化精度では, 全体としての平均精度が約70%と一定の成果を得ることができた. さらに, 修正機能では, スライド内容の構造化の精度向上が確認された一方で, SUSスコアを利用して評価を行ったユーザビリティの面では, 高い評価を得ることはできなかった. そのため, 現段階においては改善の余地が依然として存在するが, 今後の研究と改良により, スライド内容の利用に役立つ, より洗練されたシステムにできることがわかった. |
| Title | 大規模言語モデルを用いたライブ配信コメント生成手法の提案 |
| Author | *大野 郁真 (名古屋工業大学大学院工学研究科博士前期課程工学専攻メディア情報プログラム), 梶岡 慎輔, 山本 大介 (名古屋工業大学大学院工学研究科情報工学専攻) |
| Page | pp. 1413 - 1422 |
| Keyword | 文章生成, 機械学習, ライブ配信 |
| Abstract | 近年,YouTube Live などの動画生配信プラットフォームの普及により誰でも簡単に配信を行うことができるようになった.生配信において,コメント機能を用いて配信者と視聴者との間でコミュニケーションをとれることが利点の一つだが,著名人でもない限り配信を始めた初期段階に多くの視聴者を獲得することは難しく,コメントの量も少なくなる.そこで本研究では配信者の発言から GPT を用いてコメントを自動生成するシステムを提案することで配信の盛況を補助することを目的とする.GPT とは自然な文章を生成するための言語モデルであり,ファインチューニングを行うことで特定の用途に特化させた文章を生成させることができる.しかし,GPT を用いてただ文章を生成するだけでは配信者の発言に対するレスポンスであるコメントのような文章が生成されない.よって,その問題を解決するために既存のコメント数の多い動画のコメントをデータセットとして用いる。また,既存配信のアーカイブの配信者の発言 とそれに対するコメントのペアからデータセットを作成する機能を提案する.そして,提案システムに基づいてプロトタイプシステムを作成して学習元である動画の数や種類を変更することで自然な文章が作成されるかを評価した. |
| Title | 操作者とアバターのデジタルツインを用いたオンデマンドアバター認証 |
| Author | *芝田 翔, �盍� 拓海, 梶原 聖矢 (静岡大学), 槇原 靖, 八木 康史 (大阪大学), 大木 哲史, 西垣 正勝 (静岡大学) |
| Page | pp. 1423 - 1428 |
| Keyword | 認証, アバター, アバター認証, デジタルツイン |
| Abstract | 現在,仮想空間において無体物アバターが広く使われており,将来的に,物理空間でも有体物アバターが使われることで,誰もが自由にアバターを利用するアバター共生社会が訪れる.アバター共生社会では,既存のセキュリティ課題に加え,アバターを社会で安全・安心に利用するための新たなセキュリティ基盤の構築が必要となる.アバター特有のセキュリティ需要の一つが,アバターと対峙する利用者が目前のアバターを介して,そのアバターの操作者を確認する「アバター認証」である.アバター認証も,一般的なユーザ認証と同様,事前に登録したテンプレートと認証時に提示されたクエリの同一性(類似性)を確認するという形となる.しかし,アバター共生社会においては,操作者は無数のアバターを用途ごとに使い分けることが想定されており,操作者が利用し得るすべてのアバターに対してあらかじめテンプレートを作成しておくことは,非常に負荷が大きい.そこで本研究では,操作者のデジタルツインとアバターのデジタルツインを組み合わせることで,アバター認証実行時にその都度テンプレートを動的に生成する手法を提案する.「ある操作者があるアバターにログインした際のアバターの振る舞い」を,アバター認証実行時にデジタルツイン内でシミュレートすることで,あらゆるアバターの種類・利用場面・操作者に対して,テンプレートの事前登録なしで実行可能なオンデマンドアバター認証を実現する. |
| Title | 情報セキュリティを題材とした娯楽用ビデオゲームの設計に関する体系的調査 |
| Author | *新井 美音 (大阪大学/産業技術総合研究所), 矢内 直人 (パナソニック), 猪俣 敦夫 (大阪大学), 花岡 悟一郎 (産業技術総合研究所) |
| Page | pp. 1429 - 1451 |
| Keyword | ビデオゲーム, セキュリティ教育, ゲームジャンル, 体系調査 |
| Abstract | 近年のセキュリティ教育では, ユーザにとって理解しやすく, かつ, 関心を得やすい方法としてビデオゲームの利用が注目されている. 様々なセキュリティ教育用のビデオゲームが設計・研究されている一方, セキュリティを題材とした娯楽用ゲームに関する分析調査は著者の知る限り行われていない. 本稿ではセキュリティを題材とした娯楽用ビデオゲームを収集し, ゲームジャンルの観点から体系的に分析調査する. まずセキュリティを題材とした娯楽用ビデオゲームにおけるゲームジャンルを調査分析し, 多く提案されているゲームジャンル, 及び,教育効果が期待できるゲームジャンルを確認する. 次に, セキュリティを題材とした娯楽用ビデオゲームと, 既存のセキュリティ教育用ビデオゲームおよびセキュリティを題材としない一般の娯楽用ビデオゲームにおける設計の違いを明らかにする. とくに, 一般的の娯楽用ビデオゲームで人気なゲームジャンルとテーマに関して, セキュリティを題材としたビデオゲームとの違いを確認する. |
| Title | 非同期オンラインコミュニケーションにおける納得形成のデザイン --- パーソナルデータ活用の同意取得 --- |
| Author | *野尻 梢 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科/株式会社METRIKA), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科) |
| Page | pp. 1452 - 1465 |
| Keyword | コミュニケーションデザイン, 納得形成, パーソナルデータ, データ利活用, リスクマネジメント |
| Abstract | オンラインコミュニケーションの普及,サービスの継続的な改善,顧客関係の変化に対応するため,パーソナルデータ提供を伴う契約時のコミュニケーション方法を提案する. 従来の「理解」に基づく同意取得方法ではなく,「納得」を目指すことでデータ主体の積極的な関与を促し,予期せぬ事態にも対応可能なレジリエントな関係を構築することを目的とする. 実証では提案方式でのデータ提供依頼によってデータ主体が納得してデータ提供を行うだけでなく,サービスの利用意向や積極的関与が高まることが確認できた. この評価をデータ取得者に共有した結果,提案が評価され,その後の追跡調査でも自らのサービスへ組込みはじめている行動が確認できている. |
| Title | サイバー演習基盤を用いたデータセット作成の負担軽減手法に関する提案と検証 |
| Author | *田嶋 拓斗, 島 成佳 (長崎県立大学), 神宮 真人 (情報通信研究機構), 和山 正人 (一関工業高等専門学校) |
| Page | pp. 1466 - 1475 |
| Keyword | サイバー演習, データセット, 育成者, ファストフォレンジック, サイバー演習基盤 |
| Abstract | 組織を狙ったサイバー攻撃は年々複雑化・巧妙化しており,サイバー攻撃を完全に防ぐことは困難である. ゆえに,サイバー攻撃により発生したインシデントを早期収束させることが重要である.インシデントを早期収束させるためには,インシデント対応ができるセキュリティ人材を組織内で確保する必要がある.しかし,セキュリティ人材は不足している.インシデント対応の中でも,初動対応(ファストフォレンジック)ができるセキュリティ人材の育成には,実環境における初動対応に近い体験ができるデータセットハンズオン(サイバー演習)が有効である. しかしながら,データセットハンズオンは広く実施されていないように見える.その理由の1 つとして,データ負けのスパイラルが挙げられる.データ負けのスパイラルにより,誰もが教材として利用できるデータセットが国内にほとんど存在せず,利用困難であるため,育成者は演習を実施する前に,必要なデータセットを作成しなければならない.本論文では,データセットハンズオンを実施するために必要なデータセット作りについて,育成者の負担を軽減することを目的に,サイバー演習基盤を用いた効率的なデータセット作成手法を提案する.さらに,本データセット作成手法を用いて作成したデータセットに基づいて,ファストフォレンジック演習(ファストフォレンジック体験)が実施可能であるかを検証する. |
| Title | AIおよび生成AIの社会受容に向けた定量調査 |
| Author | *畑島 隆 (日本電信電話株式会社) |
| Page | pp. 1476 - 1482 |
| Keyword | 質問紙調査, 社会受容性, AI, 生成AI |
| Abstract | 今後更なる高度化・高機能化が想定されるAIおよび生成AIが社会受容されるための方策立案の一助として、AIおよび生成AIの社会受容性について定量調査(オンラインアンケート調査)と定性調査(オンラインインタビュー調査)を行った。本報告では定量調査についての分析結果を報告する。本研究における社会受容とは社会に属する各個人によってその技術が受け入れられることを指す。AIについては、AIを用いて行われる7件の事例について2024年と2030年にそれぞれどの程度受け入れられるかの6件法による回答に対して平均値の差の検定を実施した。生成AIについては調査協力者を科学技術リテラシーに関する心理測定尺度のクラスター分析結果での分類結果を消極的利用受容者、積極的利用拒絶者、 消極的利用拒絶者、積極的利用受容者と命名し、それぞれの群に対して生成AIについての現状の認知状況の設問とどのようになれば生成AIを受け入れるかの設問から得られた特徴の検討と、その特徴から考えられる受容されるための施策案について述べる。 |
| Title | OFDM信号の位相情報を用いた測距・測位手法の改良と性能評価 |
| Author | *青木 一馬, 劉 経緯 (電気通信大学), 菊池 典恭 (神奈川工科大学), 久保 信明 (東京海洋大学), 湯 素華 (電気通信大学) |
| Page | pp. 1483 - 1489 |
| Keyword | 歩行者測位, 位相情報, OFDM |
| Abstract | 歩行者事故の防止のため,歩行者の持つ携帯端末が自位置を周囲の車両へ配信する歩車間通信システムが提案されている.この方式では高い精度で歩行者を測位する必要があるが,都市部ではGPS測位精度が大幅に劣化しうる.この問題に対して,車両や路側機を測位アンカーとして用い,歩行者端末が送信した歩車間通信のOFDM信号を測位アンカーが受信し,受信信号の位相情報から測距・測位を行う方式が提案されている.しかし,先行研究では1つのパケット内で単一のOFDMシンボルのみを測距・測位に利用しており,性能が限られている.本稿では,OFDMシンボルによってノイズが異なり,マルチパス状況が変化することに着目し,受信パケットにおけるすべてのOFDMシンボルからの計測情報を融合してより正確に距離を計測する手法を検討する.3Dレイトレーシングシミュレーションにより,複数シンボルから得た位相情報を平均する手法は先行方式から測距誤差を約32%減少させることを確認した.また,テストヘッドを構築した実環境での実験により,適切なシンボルを選択できる場合,先行方式から測距誤差を約55%減少させることを確認した. |
| Title | Ashiraseデバイスを用いた2次元PDR |
| Author | *梶本 大, 鮑 思雅 (早稲田大学), 田中 裕介 (株式会社Ashirase), 戸川 望 (早稲田大学) |
| Page | pp. 1490 - 1495 |
| Keyword | PDR |
| Abstract | GPS (Global Positioning System)をはじめとして,我々は日常的に自己位置を推定しているが,環境によりGPSを利用できず,センサを用いたPDR (Pedestrian Dead Reckoning)等の相対的測位手法が必要となる.特に視覚障がい者の方々はスマートフォンなど視覚情報を用いたナビゲーションを利用することが困難であり,他の情報を用いたナビゲーションデバイスを利用する必要がある.本稿では,Ashiraseデバイスを利用した精度が高い2次元PDRを提案する.Ashiraseデバイスは視覚障がい者の靴に装着されるもので,Ashiraseデバイスを足元で振動させることで視覚情報以外の情報をフィードバックすることで視覚障がい者のナビゲーションを実現する.Ashiraseデバイスは靴に装着されるためスマートフォンと比較し姿勢の自由度が低い.そこで提案手法は,Ashiraseデバイスから取得される加速度センサならびにジャイロセンサの情報を利用することで自己位置推定する.この際,センサから得られる値の誤差の蓄積を減少するため,閾値の設定やゼロセット,またIMUフィルタを適用し位置推定の精度を向上させた.評価実験の結果,提案手法は推定誤差を少なく開始地点からの距離ならびに座標を推定できた. |
| Title | 生体情報を用いた緊張感と集中力の予測に基づく運転支援機能 |
| Author | *長谷川 舜 (芝浦工業大学大学院理工学研究科電気電子情報工学専攻), 中島 毅 (芝浦工業大学工学部) |
| Page | pp. 1496 - 1499 |
| Keyword | ドライバモニタリング, 運転支援システム |
| Abstract | 自動車事故件数を低減させるために,ドライバの心的状態を推定し支援に反映させる研究がある.しかしドライバに対して注意喚起を行うためには数秒の猶予が必要なため,ドライバが精神的な負荷がかかる交通状況に直面する前に心的状態を予測し,最適な支援を行う必要がある.本稿ではドライバの認知と判断に大きく影響する緊張感と集中力に着目し,生体情報から緊張感と集中力を分類し,それぞれに適切な運転支援として音声での情報提供を行うシステムを提案した. |
| Title | Lightweight Merging Point Prediction on Highway On-Ramps Using Regression Techniques |
| Author | *Doyoon Lee, 廣森 聡仁, 高井 峰生, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科), 西村 友佑, 長村 吉富, 竹嶋 進 (オートネットワーク研究所 (AutoNetworks Technologies, Ltd.)) |
| Page | pp. 1500 - 1506 |
| Keyword | ITS, スマートシティ, 自動運転, 高速道路合流, ドライバー行動予測 |
| Abstract | In this paper, we introduce a lightweight machine learning framework for forecasting the merging points of vehicles on on-ramps. Our model, in contrast to prior deep learning methods, provides a practical solution that balances high precision with acceptable training and inference expenses. Our system uses the YOLO v5 object detector to identify vehicles from video footage captured by a stationary camera, tracks vehicles using our newly developed original tracker, generates vehicle merging data, and employs Random Forest Regression (RFR) and eXtreme Gradient Boosting (XGBoost) to test the merging points prediction. The models use multivariate multiple regression to forecast several decision-making points along the on-ramp lane, taking into account the positions and velocities of the merging vehicle and its four neighboring vehicles. These DPs mimic the decision-making process of human drivers. We assess our method using collected video data and compare the root mean squared error (RMSE) and inference speed with a traditional Bi-LSTM model. For unseen data, our model using the XGBoost model not only performs with a lower RMSE score but also shows a faster inference speed compared to Bi-LSTM in our dataset by 76.46% and 76.47%, respectively. |
| Title | 振動通知を用いた自転車ナビゲーションシステムの評価 |
| Author | *佐藤 光, 敷田 幹文 (高知工科大学) |
| Page | pp. 1507 - 1512 |
| Keyword | ナビゲーションシステム, 振動通知 |
| Abstract | 現代のナビゲーションアプリや装置はユーザーがハンドル近くのディスプレイを注視する設計となっており,走行中や停止中に前方や周囲の安全確認を十分に行えなくなる原因となっている.そこで本研究では,振動通知を用いることで,従来のナビゲーション方法の問題点を改善する自転車ナビゲーションシステムを目指す.今回は,振動通知の効果に関する検証を行い,振動通知における振動の強さと持続時間との関係を考察する. |
| Title | (招待講演) 大規模言語モデルの技術と最新動向 |
| Author | 山田 育矢 (株式会社Studio Ousia/理化学研究所革新知能統合研究センター) |
| Page | p. 1513 |
| Title | GPTによる, ユーザのパーソナリティに焦点を当てたイベント推薦の評価 |
| Author | *大本 詩織 (お茶の水女子大学), 榎 美紀 (日本アイ・ビー・エム), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 1514 - 1520 |
| Keyword | ソーシャルメディア, LLM, 情報抽出, 推薦モデル |
| Abstract | 近年, イベント推薦システムが多く提案されており, ユーザの過去の訪問履歴や趣味趣向に焦点を当てたものから, 性格特性に焦点を当てたものまで, 様々なアプローチが存在する. しかし, 既存の研究では, システムの構築をするにあたり多くの労力を要したり, 学習コストが高いなどの理由から, 様々な要因を組み合わせ, ユーザの状況に応じて柔軟にイベント推薦することが難しい. そこで, 本研究では, GPTへのプロンプトを工夫することで, 天気や日付といった情報や, ユーザの感情, 趣味趣向, 性格特性などを柔軟に組み合わせ, ユーザのその時の状況や気分に応じたイベント推薦を行うシステムの構築を提案する. 本稿では, それぞれのユーザに柔軟に対応し, また容易に拡張することができるシステムの構築を目指し, 一連の流れをすべて LLM によって行うことができるか検証を行なった. |
| Title | コンテキストに即した応答生成のための対話型AI用プロンプトの検証 |
| Author | *古賀 勇大 (九州大学院システム情報科学府), 崔 赫秦, 福嶋 政期, 峯 恒憲, 荒川 豊 (九州大学院システム情報科学研究院) |
| Page | pp. 1521 - 1530 |
| Keyword | LLM, マルチモーダル, ウェアラブルセンサ, ChatGPT |
| Abstract | LLM(Large language moodel) 技術の発展の恩恵を受け,人間の会話相手として,様々な領域で人 間の代わりに対話型 AI が導入され始めている.人間と対話型 AI(Artificial inteligence) が展開する会話に は,第三者視点では問題なく繰り広げられているように思えるが,実際に会話を行う当人にとって,会話 の満足度が同様に高いとは言い切れず,この要因の1つとして対話型 AI 側のコンテキスト理解が含まれ る.人間は会話における発言された言葉の表層のみを踏まえるだけでなく,非言語的な情報を様々に受け 取り意味を解釈している.本研究では,スマートフォンやウェアラブルデバイスから日常的に取得されて いるが,なかなか活用されることが少ないヘルスケア情報に着目した.これを対話型 AI に入力として与 え事前プロンプト処理を行うことで対話型 AI が通常の会話ではカバーできないコンテキストを踏まえ対 話を展開できるように設計し,比較実験を行った.実験参加者に実験後にアンケートと,半構造化インタ ビューを実施した.半構造化インタビューの内容をもとに,実験の考察と,今後の展望について述べる. |
| Title | NSP-BERT:滞在時間を考慮に入れた効率的なNext Stay予測手法 |
| Author | *寺島 青, 田村 直樹, 庄子 和之, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院 工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科/名古屋大学 未来社会創造機構) |
| Page | pp. 1531 - 1537 |
| Keyword | 移動先予測, 位置情報データ, 都市データ, Next Location Prediction, Urban data |
| Abstract | スマートフォンの普及に伴い, 大規模な位置情報データの収集が容易となり, 位置情報データを用いた研究が盛んに行われるようになった. 大規模な位置情報データを用いて人間の移動傾向の分析・理解をし, その結果を都市計画, 交通計画, 災害対策等に活用する取り組みが行われている. 滞在履歴から滞在の周期性, 高頻度で滞在する場所等を見つけ, 滞在傾向の特徴を捉えると, ユーザ毎に将来の滞在エリアとそのエリアでの滞在時間が予測でき, 各エリアでのマーケティング戦略等に活用できる. 週単位や月単位といった様々な滞在の周期性が混在する滞在履歴から, 滞在傾向の特徴を詳細に捉えるためには深層学習モデルが有効であると考える. しかし, RNNやLSTMは滞在履歴の長期の依存関係の考慮を不得意とし, 逐次的な予測手法で多くの時間を要する. そこで, 滞在履歴の長期の依存関係を考慮し, かつ効率的に将来の滞在を予測するためにNSP-BERT(Next Stay Prediction BERT)を提案する. NSP-BERTはTransformerのAttention機構により滞在履歴の長期の依存関係を考慮でき, 逐次的な予測を行わずEncoderから出力されるベクトルとFC Layerで滞在エリアと滞在時間の予測を行うため効率性が高い. また, 同じエリアでの連続する滞在を滞在時間としてまとめて予測し, 従来の時間刻みの予測で必要であった計算コストを削減した. 実世界の位置情報データを用いてNSP-BERTとLSTMの滞在予測精度および効率性を比較した. 滞在エリア一致率, 滞在時間の一致率, GEOBLEU, DTWのスコア全てにおいてNSP-BERTがLSTMを上回り, かつ学習時間も少なかったことからNSP-BERTの予測性能および効率における優位性を示した. |
| Title | 単一スピーカからの多重反射波のTime-of-Flight情報を用いた位置指紋に基づく屋内測位 |
| Author | *三田 有輝也, 村上 弘晃, 笹谷 拓也, 川原 圭博 (東京大学 大学院工学系研究科) |
| Page | pp. 1538 - 1544 |
| Keyword | 屋内測位, 音響センシング, フィンガープリント, ToF, CNN |
| Abstract | GNSS (Global Navigation Satellute System) の利用が難しい屋内環境では,様々な信号を用いた測位手法が提案されている.中でも音響信号を媒体とする測位は,ユビキタスに存在するスピーカやマイクロフォンを有効活用できるという利点を持つ.そして,位置指紋を用いる測位手法は,NLOS (Non-Line-of-Sight) 環境でも頑健に機能するという特徴を持ち,建物の構造や什器によりNLOSが頻繁に発生する屋内環境での測位に適した手法である.しかし,高精度な測位のために複数のスピーカを要するという課題があった.本論文では,スピーカ1台でも有効に機能する特徴量として,送信信号と受信信号の相互相関関数を信号の送信時刻で切り出した波形であるGeometric Sound Profile (GSP) を提案する.また,畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network, CNN)を用いて2次元座標の推定を行なった.評価実験を通して,LOS環境での測位誤差の中央値が0.20 m,測位誤差の90-percentile誤差が1.36 m,NLOS環境での測位誤差の中央値が0.09 m,測位誤差の90-percentile誤差が1.38 mとなることを示し,先行研究に対する有用性を明らかにした. |
| Title | 屋内滞在データへの大規模言語モデルによる意味付け |
| Author | *宗元 竜也, Nazmun Nahid, Iqbal Hassan, 井上 創造 (九州工業大学大学院) |
| Page | pp. 1545 - 1552 |
| Keyword | Trackng, LLM |
| Abstract | 本研究では,動画,コンテキストデータから大規模言語モデル(LLM)を使用して自動的に行動ログを作成するシステムを提案する.高齢化が進む現在,介護職員の負担を軽減し,ケアの質を向上させるための解決策が求められる.本研究では介護記録の自動化により効率性の向上に焦点を当てる.本研究では,動画から得られた入退室情報と被験者の交友関係や日常生活に関するコンテキストデータをLLMに入力し,行動記録を生成する手法を提案する.この提案する手法は実験に参加する被験者と介護施設の利用者の入退室のパターンの類似性を考慮し,入退室記録を生成するものである. 入退室のデータは動画で収集し,これらの録画映像からの入退室データとコンテキストデータをLLMに入力して入退室記録を自動生成させた.その結果LLMを使用した記録の精度は71%から79%に向上した.特に,識別可能なコンテキストデータが多い参加者ではモデルの性能が顕著に向上した.本研究はLLMを活用した介護記録の自動化の実現可能性を示しており,介護記録の効率性を大幅に向上させ,最終的には高齢者ケアの質を向上させる可能性があることを示唆している. |
| Title | 損失を強調した情報提示を行う運動支援システムの開発 |
| Author | *中出 恵美 (大阪工業大学), 田渕 恵 (安田女子大学), 蔵永 瞳 (滋賀大学), 福島 拓 (大阪工業大学) |
| Page | pp. 1553 - 1558 |
| Keyword | 運動支援, 制御焦点理論, 歩数, 動機づけ, 損失回避 |
| Abstract | 現在,運動不足の人の増加が問題視されている.そこで本研究では,運動意欲はあるが行動に移せていない人に向けた運動支援システムを開発している.今回は,歩くことが運動の中でも容易なことから,歩数に注目する.また制御焦点理論の中の予防焦点を考慮するために,運動不足のリスクを強調した通知機能を,運動支援システムに適用した.また,目標歩数をシステム利用者ごとに設定した.これらの機能が,運動支援に効果があるかどうかを検討するために実験を実施した.本稿での貢献は以下の通りである.(1) 予防焦点傾向が強い人には特に,損失を強調した通知内容を意識して運動することを示した.(2) 提案システムによって,歩数を増やすための具体的な行動に繋げられることを示した.(3) システム利用者ごとに目標歩数を設定したことで,目標歩数に向けて歩く動きは見られたが,目標歩数が大きすぎると運動量が減少した. |
| Title | 展示物付近の足跡が鑑賞者の行動と評価に与える影響の調査 |
| Author | *根岸 彩香, 桑宮 陽, 瀬野尾 悠, 小林 稔 (明治大学) |
| Page | pp. 1559 - 1566 |
| Keyword | 足跡, 痕跡, インターフェース, アウェアネス |
| Abstract | 地面についた足跡は人の行動や存在などの情報が含まれているため,それを読み取ることで後の行動のきっかけになることがある.例えば,足跡が多くついていればその場所が人気である,混雑しているなどと感じ,それをもとにそこへ行こう,避けようというように行動のきっかけにすることがある.本研究では,展示会やイベント会場,商店街に並ぶお店などのモノや場所を評価・選択する場面に足跡があるとき,足跡がその場所や付近のモノとどのように関連付けて解釈され,人の行動のきっかけとしてどのように活用されるのかを調査する.そこで本稿では,展示会を想定した試験的な環境を用意し,展示物付近に以前それを鑑賞した人の足跡を提示することで,足跡による展示物への評価・選択や鑑賞行動に与える影響を調査した.その結果,足跡による選択への影響は比較的少なかったが,足跡を鑑賞行動のきっかけとした人が多くいた.特に足跡が多くある展示物に対してはより注目する傾向が見られた.一方で,足跡の少ないパネルに注目した参加者も見られた.このことから,展示物付近の足跡は付近のモノと関連付けて解釈され,行動のきっかけとする一方で,その行動は人によって異なる可能性を議論した. |
| Title | スクリーンデバイス上における小説の読み方が視覚障害者の移入へ与える影響の予備的測定 |
| Author | *土岐田 力輝, 齊藤 孝樹, 新山 はるな (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 藤本 悠作, 呉 健朗, 宮田 章裕 (日本大学文理学部) |
| Page | pp. 1567 - 1572 |
| Keyword | 視覚障害者, 読書, 移入, スクリーンデバイス |
| Abstract | 我が国では2019年6月に視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)が施行された.この法律は障害の有無に関わらず,すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにするためのものである.近年では,アクセシブルな書籍の普及により,目が不自由な人も読書をすることができる.視覚障害者の読書方法は様々あるが,本の内容を音で聴く方法は,多くの視覚障害者に用いられる.本の内容を音で伝えるシステムは能動的に読むシステムと受動的に読むシステムの2つに大別することができる.我々は本の読み方の違いが,視覚障害者の物語への没入感(移入)に影響を与える可能性があると考える.本稿では,晴眼者を対象として,本の読み方(受動的/能動的)の違いが視覚障害者の移入に影響を与えるか明らかにするための実験を実施した.実験の結果,能動的な読み方と受動的な読み方をした場合で実験参加者の移入度合いに統計的な差は認められなかった.今後は視覚障害者を対象に本実験を行いたいと考えている. |
| Title | デジタルサイネージ上のコンテンツ選択のための真似るジェスチャ入力方式の比較 |
| Author | *坂内 武希 (日本大学), 須賀 美月, 土岐田 力輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 呉 健朗, 古野 雅人 (ソフトバンク株式会社), 市川 裕介 (埼玉大学教育機構), 宮田 章裕 (日本大学) |
| Page | pp. 1573 - 1578 |
| Keyword | デジタルサイネージ, スマートフォン, ジェスチャ, インタラクション |
| Abstract | デジタルサイネージに複数のコンテンツが表示されている状況において,デジタルサイネージとスマートフォンを連携させる場合,ユーザはデジタルサイネージから対象のコンテンツを1つ選択する必要がある. しかし,NFCタグやカメラ等を用いた従来方式では,ユーザへの制約・操作負担が大きいという問題があった. この問題を解決するために我々は,デジタルサイネージに表示されている複数のコンテンツの中から,スマートフォンと連携させるものを選択する方法として,アイコンの動きを真似るデジタルサイネージ選択方式を提案した. しかし,アイコンの動きを真似る際に行う方式は利用シーンによって適切なものが異なると考えられる. よって本研究ではアイコンの動きを真似る際に,腕を振ってジェスチャを行う方式と,タッチディスプレイ上で指を滑らせてジェスチャを行う方式の比較を行い,長所・短所を明らかにすることを研究課題とした. 本稿では,2つの方式を用いた比較実験を行った.その結果,腕を振ってジェスチャを行う方式では腕を振ることによって,操作負担が生じてしまうということが分かった.一方で,タッチディスプレイ上で指を滑らせる方式では,指を滑らせるだけで済むため操作負担が少ないことが分かった. |
| Title | デジタルツインを用いた自己効力感向上システムの実装 |
| Author | *丸山 葉, 大西 俊輝, 大串 旭 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 石井 亮 (日本電信電話株式会社NTT人間情報研究所), 大澤 正彦, 宮田 章裕 (日本大学文理学部) |
| Page | pp. 1579 - 1584 |
| Keyword | デジタルツイン, ビデオセルフモデリング |
| Abstract | 教育・心理・医療の分野では,ビデオセルフモデリングと呼ばれる手法を用いて,行動改善を促す取り組みや心理疾患を治療する取り組みが行われている. ビデオセルフモデリングでは事前に自身が成功している映像を用意する必要がある. しかし,自身が成功している映像を事前に用意することは困難である. そこで我々は,物体やヒトのモデルをデジタル空間上に表現し,デジタルモデルとして再現するデジタルツインに着目する. ビデオセルフモデリングのアプローチをデジタルツイン技術で拡張することで,自身が成功している姿だけでなく,自身の能力を超えた姿を再現することが可能になると考えられる. だが,自身のデジタルツインが成功している様子を見ることで,その後の行動に影響を与えるかは明らかでない. そこで本稿では,これを明らかにするための実験・分析を行う. 実験では,自身と同じ動きをするデジタルツインがダーツを行う姿を見てもらい,ダーツのスコアや自己効力感が向上するのか検証する. その結果,自身のデジタルツインが成功している様子を見ることで,自己効力感を向上させる可能性が示唆された. 加えて,ダーツのスコアには影響を与えない可能性が示唆された. |
| Title | ARによるカードゲームのエンターテインメント性拡張に関する一考察 |
| Author | *�雜� 裕基 (東北大学大学院情報科学研究科), 阿部 亨, 菅沼 拓夫 (東北大学サイバーサイエンスセンター/東北大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 1585 - 1591 |
| Keyword | AR, カードゲーム, XR, エンターテイメント |
| Abstract | 光学透過型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を適用した,現実空間で人がモノに触れて移動させながら行うような,インタラクティブ型のゲームが注目されてきている.本研究では,インタラクティブ型のゲームとしてカードゲームに着目し,光学透過型HMDを用いたARを活用した「AR BABANUKI」を提案する.AR BABANUKIは,実物体のカードゲームを用いることで,カードゲーム特有であるアナログの良さを残しつつ,ARによってデジタル情報を付加・削除する.また,ARによってプレーヤーの情報を調節することで,カードゲーム自体のエンタメ性・ゲーム性・戦略性が調節可能である.本発表では,ARを活用した2機能を追加したAR BABANUKIの実装について述べる.また,ユーザーに通常のババ抜きと,実装したAR BABANUKIのプロトタイプの2種類のゲームをプレイしてもらい,比較,評価実験とその考察を行う. |
| Title | 拡張現実を用いた 危険回避のための近未来情報提示手法の評価 |
| Author | *猪野 季輝, 川上 朋也 (福井大学大学院工学研究科), 松本 哲 (大阪大学サイバーメディアセンター), 義久 智樹 (滋賀大学データサイエンス学系), 寺西 裕一 (国立研究開発法人情報通信研究機構) |
| Page | pp. 1592 - 1598 |
| Keyword | 拡張現実 (AR) 技術, 位置予想, 未来, 衝突回避, 安全性向上 |
| Abstract | 近年,危機回避の分野において安全性と効率性の向上が急務とされている.本論文では,拡張現実(AR)技術を用いて,個人の移動速度に基づく数秒先の位置予測と同時に進路上の障害物を検出し,衝突を回避する近未来情報提示手法を提案する.提案手法では利用者と障害物の位置,速度情報を活用し,衝突の予測を行い,進路変更,停止などの回避行動を推薦する.また,何秒先の未来を提示することが利用者にとって安全であり,回避行動を取りやすいのか,条件を変えて実験を行った.作成したシステムで実験を行い,どの秒数の回避率が最も高く,被験者にとって利用しやすいものかの検証を行った.実験の結果から分散分析を行い.回避率は2秒以上ではほとんど変わらないが,3秒先の表示が最も良いことがわかった. |
| Title | セリフ演技指導における 演者の非言語的表現向上のための 演技指導手法と手順に関する考察 |
| Author | *上山 恵美子 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科附属メディアデザイン研究所), 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科) |
| Page | pp. 1599 - 1617 |
| Keyword | セリフ演技指導, 非言語的表現, 演出支援 |
| Title | ABCZ擬人化方式を用いた「ものグラミング2」向けIoT機器開発手法の実践 |
| Author | *大野 浩之 (金沢大学 学術メディア創成センター), 松浦 智之 (ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所), 森 祥寛 (金沢大学 学術メディア創成センター) |
| Page | pp. 1618 - 1626 |
| Keyword | ものグラミング, IoT, POSIX, シェルスクリプト, 擬人化 |
| Abstract | 著者らは,「ものグラミング」と名付けた IoT機器の開発手法とそれを前提としたプログラミング手法を提案し実践している.現在,「ものグラミング」には,1, 2, 3, C, というアプローチが異なる4方式と Go という管理方式が存在するが,主に利用されているのは「ものグラミング2」である.「ものグラミング2」では,「センサやアクチュエータを実際に操作するマイクロコントローラ」と,「クラウド上のサービスと連携するPOSIX機」を用意し,両者を数10kbps程度の比較的低速な非同期シリアル通信で有線接続して全体で一つの IoT 機器を構成する.しかし,この方法では「電子回路設計とArduino プログラミング」「コマンドライン操作やシェルスクリプトプログラミング」「クラウド上のサービスの活用」といった,全く異なる3分野の知識が必要となる.この方法を学ぶ初学者が「ものグラミング2」に習熟するには少々ハードルが高いかもしれないという反省が講義や演習を行ってきた著者らに生じた.そのための対策が,主要機能を擬人化した上で学習する,本報告で述べる「ABCZ擬人化方式」の導入と実践である. |
| Title | 学習分析における学習データ流通のための第三者エージェントを用いた自動交渉手法の設計 |
| Author | *早坂 喜哉 (東北大学大学院情報科学研究科), 高橋 晶子 (仙台高等専門学校/東北大学大学院情報科学研究科), 菅沼 拓夫 (東北大学サイバーサイエンスセンター/東北大学大学院情報科学研究科) |
| Page | pp. 1627 - 1634 |
| Keyword | 自動交渉, マルチエージェント, データ流通, 学習分析, 学習管理システム |
| Abstract | コロナ禍でのオンライン授業の活性化に伴い,学習者の学びに関するデータ(学習データ)の蓄積が進み,学習データを分析し利活用する学習分析(Learning Analytics: LA)への注目度が高まっている.学習データの利活用においては,データ収集の際に学習者の実行的な同意が取れていない問題がある.これに対し,学習者と分析者の代理となるエージェント同士が代理で自動交渉を行うことで,プライバシに配慮した学習データ共有を行う手法が提案されている.本稿ではLAの特徴であるグループ単位での学習に着目し,グループとして学習データの提供量調整を行う,第三者エージェントを用いた自動交渉手法を提案する.具体的には,交渉中に人間が介入することを考慮したStacked Human Alternating Offers Protocol (SHAOP)に基づき自動交渉を行う手法について提案し,提案手法の実現可能性について議論する. |
| Title | マルチプレイヤゲームにおけるロールを考慮したプレイヤ組み合わせ最適化 |
| Author | *戸田 空伽 (青山学院大学), 井上 修太 (青山学院大学大学院), 戸辺 義人 (青山学院大学) |
| Page | pp. 1635 - 1640 |
| Keyword | マルチプレイヤゲーム, 組み合わせ最適化, 量子アニーリング |
| Abstract | 母集団のプレイヤがグループを構成し,それらグループ同士で対戦,協力する形態のゲームは多く存在する.多数のプレイヤの最適なグループ分けを考えた場合,組み合わせ爆発が起こりうる.特に,インターネットを介したオンラインゲームによくみられるような,プレイヤがランダムに集まり,次々とグループが形成,解散されるような環境では,プレイヤの最適な組み合わせを早く見つける必要がある.本研究では,その問題を組み合わせ最適化問題とみなし,二値変数の二次多項式に定式化した.量子アニーリングを用いた場合、Brute-force Searchで解いた場合と比較して,より速い実行時間で解けることがわかった.また,問題のサイズが大きな場合でも,量子アニーリングを用いることにより,精度の高い解を求めることができた. |
| Title | コミュニケーションの創出を目的とした大学校舎内の廊下におけるインタラクティブなゲームコンテンツのデザイン |
| Author | *苫米地 絵菜 (情報経営イノベーション専門職大学), 有馬 俊 (慶應義塾大学), 山内 正人 (情報経営イノベーション専門職大学) |
| Page | pp. 1641 - 1647 |
| Keyword | ゲームコンテンツデザイン, インタラクティブデザイン, 行動変容, コミュニケーションデザイン, 空間デザイン |
| Abstract | 本研究では,施設の共有空間におけるコミュニティメンバー同士の新たなコミュニケーションの創出を目的に, 大学校舎の廊下にインタラクティブな映像コンテンツを投影可能なプロジェクションディスプレイを設置し,さらに,ユーザー同士が協力して遊べるシューティングゲームコンテンツのデザインを行った.また,実証実験として,学生や外部からの訪問者など13組21人を対象に実際にゲームをプレイしてもらい,本デザインのもたらす経験やその効果の定性調査を行った.本論文では,実証実験の結果をもとに本デザインの効果や限界を議論しつつ,今後のデザインの発展の可能性を探究し,関連研究領域へ貢献する. |
| Title | VR空間での浮遊感を高める昇降台LEVI-STEPの開発 |
| Author | *荒川 壮大 (東京工科大学 大学院), 井上 亮文 (東京工科大学) |
| Page | pp. 1648 - 1653 |
| Keyword | バーチャルリアリティ |
| Abstract | 3次元仮想空間の地上や空中を自由に移動できるコンテンツが増えている.仮想空間のユーザが空中で移動を行っても,現実空間のプレイヤーの足底は床に接したままである.キャラクターが地上から空中へ移動した際にプレイヤーが浮遊している感覚や,その逆で空中から地上へ移動した際にプレイヤーが着地をした感覚は得られない.本研究では,仮想空間内での浮遊状態において,現実空間と仮想空間のユーザの足底の状態を一致させることでユーザに浮遊感を提示できるデバイスLEVI-STEPの開発を行った. 本稿ではLEVI-STEPのプロトタイプと、それを用いたユーザ初期実験の結果について報告する。 |
| Title | VR 射撃戦闘ゲームにおける盾型コントローラ HirAegis のユーザ評価 |
| Author | *平井 颯 (ソフトバンク株式会社), 井上 亮文 (東京工科大学) |
| Page | pp. 1654 - 1662 |
| Keyword | VR, ゲームコントローラ, シールドアクションゲーム, ゲーム体験, エンターテインメント |
| Abstract | 本研究では,盾が必要になる VR 射撃戦闘ゲームを開発し,それが機能する盾型コントローラの実現を目的とする.これらを用いて盾型コントローラの形状・重さといった物理的特徴がゲーム体験の質に与える影響を明らかにする.この目的を達成するため,著者らは,大きさと形状が異なる盾型のコントローラを 6 種類作成した.ゲーム内でキャラクターが持つ盾の見た目及び大きさを固定し,被験者が現実世界で持つ盾型コントローラの種類を変えながら VR ゲームをプレイしてもらった.その結果,以下の知見を得た.(1) 盾型コントローラの大きさがゲーム内の盾よりも大きい場合,被験者が盾を動かすパフォーマンスが緩慢になる傾向がある.(2) 盾型コントローラの形状がゲーム内の盾の形状と異なる場合,現実世界で被験者の動きに制約が生じ,ゲーム内での攻撃・防御のパフォーマンスが下がる.(3) ゲーム体験の質は,ゲーム内の盾と同じ形状・大きさを有する盾型コントローラが最も高い. |
| Title | 発泡性飲料摂取時における主観的炭酸強度の操作システムVRFIZZの提案 |
| Author | *室井 政輝 (東京工科大学 大学院), 井上 亮文 (東京工科大学) |
| Page | pp. 1663 - 1668 |
| Keyword | バーチャルリアリティ, クロスモーダル, 口腔内触覚 |
| Abstract | 炭酸飲料は,飲んだ際の清涼感や刺激,甘味や酸味などの味覚 (口腔内) 刺激を提供するが,キャップや栓を開けてから時間が経つにつれて炭酸が抜けてしまう.炭酸強度を維持するには,炭酸を継ぎ足す方法や電気刺激を加える方法のように,口腔内を直接刺激するアプローチが存在する.本研究では視覚刺激による感覚間相互作用を用いて炭酸飲料の主観的な炭酸強度を操作するシステムVRFIZZを提案する.VRFIZZは現実空間に存在する炭酸飲料と同じような見た目をした炭酸飲料の映像を仮想空間に提示する.その際,仮想空間内の炭酸飲料の気泡量を増減させることで,ユーザーが感じる炭酸強度の操作を試みる.本稿ではVRFIZZのプロトタイプと,主観的炭酸強度が視覚情報によって操作できる範囲を調査した実験結果について述べる. |
| Title | Enhancing Data Security in a Collaborative Control Platform through Dual-layer Encryption |
| Author | *Shourya Rajulapati, Yoko Kumagai, Tomomichi Ito (Hitachi, Ltd.) |
| Page | pp. 1669 - 1674 |
| Keyword | Trusted Execution Environment, Pseudonymization, Probabilistic Encryption |
| Abstract | This paper presents an innovative approach to enhancing data security within Green Energy as a Service (EaaS) platforms. It introduces a dual-layer encryption strategy, integrating deterministic pseudonymization and probabilistic encryption within a Trusted Execution Environment (TEE). This method addresses critical security concerns while ensuring that consumer data remains protected during both storage and analysis. By applying these advanced cryptographic techniques, the system protects against both external threats and potential internal vulnerabilities, notably those posed by system administrators. The results demonstrate the effectiveness of this approach in preventing unauthorized access and maintaining data integrity without compromising the analytical utility of the data. |
| Title | 秘密分散ライブラリのシステム応用における諸要件の検討 |
| Author | *山澤 昌夫 (学校法人中央大学研究開発機構), 米津 武至 (学校法人中央大学研究開発機構/株式会社リーディングエッジ), 山本 博資 (学校法人中央大学/研究開発機構), 宮腰 行生 (株式会社アクシス), 藤田 亮 (学校法人中央大学/研究開発機構), 五太子 政史 (中央大学研究開発機構/横浜国立大学大学院環境情報研究院・先端科学高等研究院), 辻井 重男 (中央大学研究開発機構) |
| Page | pp. 1675 - 1682 |
| Keyword | 秘密分散, クラウド, 可用性 |
| Abstract | 筆者らはこれまで,認証情報をセキュアに保存すること,および機微情報,機密情報を分散保管するという目的で,ISO/IE C19592-2の秘密分散アルゴリズム と標準化後の新アルゴリズムのソフトウェア実装の検討を行ってきた. 一般に知られているように,通常のアルゴリズムでは,分散片の一つ一つが元の秘密情報のデータ量を下回るようには出来ない.ランプ型ではその制約を緩めることができるが,限界がある.われわれは,筆者の一人が発表した分散総データ量が秘密情報と同じになる新方式である多重秘密分散法(MSSS),さらに,その発展形である多重秘密分散法 の高速演算性を保ちつつ可用性対応を行う方式により総データ量と分散演算法の実装性能向上検討を行ってきた.それらの実装性能については,SCIS2024で詳細を報告した. 本論文ではその「実装性能を生かしたアプリケーション」について実装検討したので報告する. |
| Title | SNSにおけるサイバー犯罪抑止のためのグループ探索手法 |
| Author | *伊藤 純菜 (お茶の水女子大学), 趙 智賢, 長田 繁幸, 中川 直樹 (株式会社日本総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
| Page | pp. 1683 - 1690 |
| Keyword | グループ探索, Telegram, サイバー犯罪対策, 共起頻度 |
| Abstract | 近年のデジタル化に伴い,フィッシング攻撃によるクレジットカード情報の窃取及び不正利用被害は拡大している.窃取されたクレジットカード情報は主にSNSを介して売買されており,犯罪抑止のための方法として,売買に関係する犯罪グループ及び犯罪グループがSNSに投稿したメッセージをモニタリングする取り組みが行われている.効率的なモニタリングを実現するためには,効果的にモニタリングの対象となる犯罪グループを特定する手法が必要となる.本稿では,投稿メッセージを分析することによる探索と,既知のグループ名を分析することによる探索とを組み合わせた探索手法を提案し, 実際に実行することで検証を行う. |
| Title | 交グラフを利用したSNSにおける犯罪グループ探索アルゴリズムの提案 |
| Author | *大原 望乃, 伊藤 純菜 (お茶の水女子大学大学院), 趙 智賢, 長田 繁幸, 中川 直樹 (日本総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学大学院) |
| Page | pp. 1691 - 1699 |
| Keyword | セキュリティ, ソーシャルメディア, グラフデータ処理, 交グラフ |
| Abstract | 近年,フィッシング詐欺等で盗まれたクレジットカード情報が SNS 上で売買されている問題が深刻化している.本論文では,このようなサイバー犯罪の抑止を目的とした新たな SNS ネットワーク分析手法として,グラフ理論を駆使した手法を提案し,そのアルゴリズムを実装する.提案手法では,犯罪コミュニティのデータから複雑ネットワークグラフを生成し,これを交グラフに変換することで,犯罪コミュニティ同士の結びつきや中心的なグループを特定することを試みる.提案手法の有効性を検証するために,実装されたアルゴリズムを既存の犯罪コミュニティデータに適用し,その結果を考察する.また,提案手法のうち,クラスタリングのプロセスで2種類のクラスタリング手法を試し,どちらの方が結果の精度が高くなるか比較を行う. |
| Title | 公共交通機関における多様なKPIを考慮可能な改訂ダイヤ作成方式の一検討 |
| Author | *前川 勇樹, 王 偉, Eric Kui Shen Tang, 手島 久典, 橋本 祐樹, 幸田 紗都子, 松原 大輔 (株式会社日立製作所) |
| Page | pp. 1700 - 1706 |
| Keyword | 公共交通, 運行計画, ダイヤ, 最適化, KPI分析 |
| Abstract | 公共交通を担う交通事業者は,コロナ禍以降の移動需要に基づいて自社経営を維持しながら,環境配慮などの社会的要請にも応えなければならない難しい経営環境に置かれている.本研究では旅客輸送サービスを通じた交通事業者の経営指標の改善を目的とするダイヤ作成技術の研究に取り組んだ.本稿では経営指標の改善をダイヤのKPIの改善と捉え,KPI改善に繋がる改訂対象の推薦と,それに基づくダイヤ作成アルゴリズムの構築・実行,の二段階の処理から成るアプローチを提案する.従来研究はダイヤのKPIや変数を限定した計画最適化に焦点を当てていたが,提案手法ではKPIと変数の関係性を考慮して,ユーザが要求するKPIの目標値に応じた適切な変数を更新したダイヤを作成する.また,提案手法に基づくプロトタイプを開発し,オープンデータを用いた評価実験を行った.この結果,提案手法により,改訂対象の推薦を考慮した変数を更新しつつ,所定の制約条件を遵守した新ダイヤを作成できることを確認した.本研究を通じて,交通事業者におけるダイヤ作成業務のデジタルトランスフォーメーションを促進し,経営環境の複雑化に対応可能な事業運営の実現に貢献する. |
| Title | Study of Timetable Optimization with KPI Causal Relationship Estimation |
| Author | *王 偉, 前川 勇樹, 手島 久典 (株式会社日立製作所 サービスシステムイノベーションセンタ), 橋本 祐樹 (株式会社日立製作所 社会システム事業部) |
| Page | pp. 1707 - 1713 |
| Keyword | Timetable, Optimization, Causal Estimation, KPI |
| Abstract | To ensure sustainable profits and environmentally friendly operations, railway operators need a more efficient and reactive planning approach and technology to deal with the changing demand and green quality that has been expected as carbon neutral. Key Performance Indicator(KPI) analyzer is one of cornerstones of timetable optimization based on KPIs causal relationship analysis. In this report, KPI analyzer performance such as causal estimation accuracy was evaluated with open data from subway. The timetable KPI causal estimation accuracy improved from 73% to 87% with open weather data and pre-set formula method. As example of KPI analyzer for timetable optimization, energy consumption optimization was evaluated with simulated energy consumption data for subway train. We found that for some of the trips, the energy saving could be up to 15%. |
| Title | 介護送迎のための制約付き配送計画問題の定式化および機械学習を用いた解法の検討 |
| Author | *中尾 陸, 廣森 聡仁, 山口 弘純 (大阪大学) |
| Page | pp. 1714 - 1724 |
| Keyword | 機械学習, スマートシティ, 数理最適化, 高齢者支援, 配送計画問題 |
| Abstract | 日本を含む多くの国で高齢化が進行し,健康的及び身体的な問題により自力での移動が困難な高齢者も増加していることから,介護送迎サービスが重要な役割を持つことが見込まれる.介護送迎では,車いすの利用有無や他のユーザとの相性など,ユーザのパーソナルデータを利用した支援が不可欠である.本研究では,配送計画問題に基づき,高齢者のユーザ属性に関する制約を持ち車両の平均移動時間および標準偏差が最小となる移動経路を求める問題を「介護送迎問題」と定義する.実際の業務では経路導出に利用できる時間が限られる一方,介護送迎問題では複数の制約を考慮するため,最適化ソルバにより短時間で精度の良い解を求めることは困難である.また,Attention 機構を利用した既存手法でも,介護送迎問題のような複数の制約を持つ問題に対しては十分な精度の解が得られない.本研究では,介護送迎問題に対して,Attention 機構による既存手法をベースに,最適化ソルバが出力した解を教師データとする学習を適用し,さらに車両がどのような順でユーザを訪問するかを考慮して損失関数を改良することで,短時間でより高精度な解を求める方法を提案する.二つの介護施設における送迎履歴データから作成したユーザが30人の問題に対して,提案手法を用いて解を求めた結果,移動時間平均について二施設ともに従来手法に対して10%以上の減少が見られ,解の性能が向上したことを確認した. |
| Title | 相乗りのための乗客の移動を考慮した巡回経路探索手法に関する研究 |
| Author | *高橋 一帆, 金 鎔煥, 山本 大介 (名古屋工業大学) |
| Page | pp. 1725 - 1732 |
| Keyword | TSP, Dial-a-Ride |
| Abstract | 近年,自動車の保有台数の増加によって交通渋滞の発生が多くみられる.また,それに伴う二酸化炭素排出量増加は深刻な環境問題である.そのため,相乗りサービスへの期待が高まっている.本研究室では,デマンドバスを想定した乗客の移動を考慮した巡回経路探索に関する研究を行ってきた.この手法は,乗客に指定した乗車位置まで徒歩移動してもらうことで車両の巡回経路長を短縮するといったものである.従来手法の問題点として,乗客の徒歩移動経路が最適でない点や出力される巡回経路が冗長になりやすい点が挙げられる.本研究では,乗客の徒歩移動経路の最適化と巡回経路長の改善を目的とする.また,提案手法に基づいてプロトタイプシステムを実装し,乗客の徒歩移動距離と巡回経路長を測定し,従来手法と比較する評価実験を行った.実験の結果,提案手法によって生成された経路では,乗客の徒歩移動距離は8~18%短縮され,巡回経路長は1~6%短縮されることがわかった. |
| Title | 閲覧者の属性に基づいたゴミ回収状況可視化サービスの最適化に関する検討 |
| Author | *國枝 祐希, 阿部 竜弥, 鈴木 秀和 (名城大学) |
| Page | pp. 1733 - 1740 |
| Keyword | ゴミ回収, 可視化 |
| Abstract | 筆者らは,自治体におけるゴミ収集状況を住民や自治体職員,ゴミ回収業者が確認できるようにするために,IoT技術を活用したゴミ回収状況可視化システムを提案している.ゴミ回収状況を把握するために,塵芥車にGPSおよびマイクを装着した車載器を搭載し,塵芥車にゴミを積み込んで圧縮する時に発生する積込動作音をCNN(Convolutional Neural Network)により,リアルタイムで検出する手法を実現し,その判定結果をクラウドで稼働する管理システムに送信する.また,ゴミ集積所をスマート化して,ゴミの排出および回収状況や放置時間をデータ化する放置ゴミ検出システムも提案している.ゴミ集積所にエッジコンピュータとセンサを搭載し,ゴミの有無を検出することにより,ゴミの放置時間を計測する.また,ゴミの有無に関する情報は,クラウドで稼働する管理システムへ送信される.これらの仕組みで収集したゴミ回収状況を可視化するために,Webアプリケーションの構築を進めている.近年注目されているMERN(MongoDB・Express・React・Node.js)スタックでWebアプリケーションを開発し,塵芥車の走行位置やゴミ集積所におけるゴミ回収状況をリスト形式や地図形式で可視化するプロトタイプを実装している.しかし,現状の機能では不十分であり,閲覧者の属性に応じて適切な情報を提供する必要がある.そこで本稿では,複数のシステムによるゴミ回収状況を包括的に管理し,住民,自治体職員,ゴミ回収業者の属性に応じて適切な情報を閲覧可能な可視化サービスについて検討する. |
| 2024年6月27日(木) |
| Title | 発達障がい者の注意機能補助を目的とした隠消現実感システムの開発 |
| Author | *萩山 直紀, 蔵内 雄貴, 伊藤 達明, 岩本 秀明, 瀬古 俊一, 松川 尚司 (日本電信電話株式会社) |
| Page | pp. 1741 - 1745 |
| Keyword | 隠消現実感, 発達障がい, 注意機能 |
| Abstract | 発達障がい者の人数は増加傾向にあり,発達障がい者の社会での活躍を支援するシステムが求められている.本研究は,発達障害者の注意機能を補助するシステムを開発することを目的とし,視覚情報の注意機能を補助する隠消現実感システムを提案する.提案システムは,機微な情報を扱う端末からの低遅延な映像伝送機能と直感的なユーザーインターフェースを有している.実験では,提案システムがユーザのメンタルワークロードに与える影響および提案システムの効果とユーザの発達障がい特性との関係性について検証した.検証の結果,提案システムによるユーザのメンタルワークロード改善は確認できなかったが,ユーザの注意欠如・多動症の特性ならびに自閉スペクトラム症の特性によってシステムの効果が異なる可能性が確認された |
| Title | スマートシティ模擬のための異種シミュレーション連携プラットフォーム: ArkTwinの開発 |
| Author | *吉岡 顕, 鳥越 貴智, 秋山 直毅 (トヨタ自動車株式会社), 藤井 秀樹 (東京大学大学院工学系研究科), 町田 貴史, 中西 悟, 吉村 貴克 (株式会社豊田中央研究所) |
| Page | pp. 1746 - 1750 |
| Keyword | 異種シミュレーション連携, スマートシティ, デジタルツイン |
| Abstract | スマートシティ等の社会システム開発においては,その利用者である1) 人の移動・行動,(人が移動 に用いる)モビリティを模擬,することはもちろんだが,それに加えて,2) 街・施設等の場の状態を得るた めのセンシング,3) 場で提供されるサービスと,人によるサービス選択,4) 場を適正な状態に維持するた めの,人の誘導,モビリティの制御,5)( 2) 〜 4) で必要となる)情報の収集・加工・伝達,を合わせて模 擬することが必要となる.これらの事象の全ての模擬を1つのシミュレータとして構築することは困難で あることから,複数・異種の多数のシミュレータが,必要な情報をやり取りすることで連携し,1つの世 界のシミュレーションを実現する,異種シミュレーション連携プラットフォーム: ArkTwin を開発した. |
| Title | Policy as Codeで用いられるRego言語における可視化手法 |
| Author | *�眦� 健吾, 北須賀 輝明, 中西 透 (広島大学) |
| Page | pp. 1751 - 1760 |
| Keyword | Policy as Code, Open Policy Agent, セキュリティ, アクセス制御, クラウドコンピューティング |
| Abstract | Policy as Codeは,システム開発の場面において様々な形で存在するポリシーを,コードという機械可読な形式で記述・運用しようとする,近年盛んな取り組みである.これを実現するソフトウェアの一つがOpen Policy Agent(OPA)である.OPAでは,論理プログラミング言語に似たRego言語を用いることで,ポリシーを簡潔に記述することができる.しかしその構文は宣言的であり,コードが手続き的に実行される言語に慣れたプログラマーや,プログラミングに馴染みのない層にとっては,OPAの導入を阻む要因の一つとなっている.そこで本研究では,Regoで記述されたポリシーを可視化する2つの手法として,評価ツリー及び評価ステップ解析を提案する.これらは手続き的な言語のために既に存在するコールツリーやタイムトラベルデバッギングといった手法を,構文の大きく異なるRegoに合わせながら転用していることが大きな特徴である.さらに,それらの手法をWebで利用できるツールとして実装した.このツールを用いて,Regoで書かれたいくつかのポリシーを可視化することができる.また,Regoに詳しくない者がポリシーの理解が必要となるシナリオを想定することで,そういった者でもこのツールが有用となり得ることを示す. |
| Title | 3Dゲームエンジンを用いたショット型ブラストマシンシミュレータ |
| Author | *阿倍 博信, 吉岡 剛 (東京電機大学) |
| Page | pp. 1761 - 1767 |
| Keyword | デジタルツイン, シミュレータ, 3Dゲームエンジン, 加工機械, パラメータ最適化 |
| Abstract | 本研究では,3DゲームエンジンであるUnityを用いて表面加工機械の一種であるブラストマシンの投射室を再現し,3Dスキャンにより3D化したワークに対するブラスト処理のシミュレーション環境を構築した.ワークの撹拌を行う投射室は筒形のモデルにより再現し,投射の際は3Dスキャンしたワークに特徴点を付与することで,投射室の上部に設置した投射口カメラから各ワークの特徴点を確認することで,ブラスト処理の進捗状況の可視化を実現することができた.本シミュレータを用いることで,ブラストマシンの実機を動作させることなく,未知のワークに対するブラスト処理の動作パラメータの設定作業の効率化が可能になる. |
| Title | 拡張現実とボール型入力インターフェースを用いたアームロ ボット遠隔操作システム |
| Author | *阿部 悠貴, 木村 正子, Guillaume Lopez (青山学院大学) |
| Page | pp. 1768 - 1771 |
| Keyword | 拡張現実, アームロボット, 遠隔制御 |
| Abstract | 本研究では、拡張現実感(AR)とAi2Ai社のマルチセンサインタラクティブスマートボール(PALL0)を組み合わせたロボットアームの遠隔操作システムを提案する.ARアプリケーションにより,制御者は自分の手と手に持ったPALL0を使って,仮想的なロボットアームと物理的なロボットアームの制御を同期させることができる. ARアプリケーションは,ロボットアームのヘッドの位置とオペレーターの手の位置,ヘッドの姿勢とPALL0の加速度と角速度を一致させてロボットアームを操作する.PALL0のボタンでグリッパーの開閉を制御し,物理的なロボットアームも動作する.動作の開始と終了,ロボットアームの初期姿勢への復帰は,ARアプリケーションのボタンで行うことができる. |
| Title | 心音の分析を身近にする簡単心音データ収集システム |
| Author | *吉田 誠, 武島 儀忠, 和田 浩, 香川 真哉 (オンキヨー株式会社) |
| Page | pp. 1772 - 1778 |
| Keyword | ヘルスケア, 心音, 弁膜症, 異常検知, 生体データ |
| Abstract | 心不全の原因の一つである心臓弁膜症は日本においては2016年の時点で推計患者数は200〜300万人といわれており年々増加している.心臓疾患の検査の手段の一つとして用いられる心電図(ECG)は心臓を動かすトリガとなる電気信号を記録するもので,近年はスマートウォッチなどでも採取可能となり広く普及してきている.しかし,心音(PCG)に関しては同様な手軽さで記録解析が可能な機器の一般への普及はまだ途上である.心音には心臓がどのように電気的刺激を受けたかだけではなく,刺激を受けた結果どのように動いたかを示す情報が含まれており,特に心臓の4つの弁である大動脈弁,肺動脈弁,僧帽弁,三尖弁の動作が正常に行われたかの結果については心電図よりもはるかに情報を持っているともいえる.これらの情報を家庭で簡単にデータとして蓄積し変化を検出するなどの活用ができれば,人々の健康維持そして万が一心臓に異変が見られた場合には早期に医師にかかり診察・処置を受ける機会を創出できる.そこで本研究では一般家庭でも手軽に心音のデジタイジングを低ノイズで行うためのシステムを開発した.また,機械学習や深層学習でのデータ活用を効率的に行うためアナログ聴診器の周波数特性に近い聴診音の特性を確保し聴感によるラベリングを容易にする検討も行った. |
| Title | プロジェクションマッピングを用いた民族博物館所蔵の仮面の仮想装着体験コンテンツの開発 |
| Author | *尾澤 諒, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院) |
| Page | pp. 1779 - 1783 |
| Keyword | インタラクション, CG, デジタルコンテンツ |
| Abstract | 本研究では,愛知県犬山市にある民族学博物館「リトルワールド」で展示するためのデジタルコンテンツの開発を行った.民族学博物館の展示物は日常生活道具,衣装や仮面などの物品の他,文字や言葉,祭礼儀式,食事などに関する映像や模型などが多く,一般の美術展示品と異なり見るだけでは価値が伝わりづらいものが多い.そこで,本研究ではプロジェクションマッピングを用いて, 展示されている実物の仮面を仮想的に装着体験できるコンテンツの提案と開発を行った.コンテンツを実装して展示したところ,リトルワールドの来場者と学芸員のいずれからも高い評価が得られた. |
| Title | 自走式小型ロボットと立体的投影を用いたサイネージシステムの開発 |
| Author | *片山 あず美, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院) |
| Page | pp. 1784 - 1790 |
| Keyword | デジタルコンテンツ, 立体映像, プロジェクションマッピング, ロボット |
| Abstract | 本研究では,自走式小型ロボットを用いた立体的プロジェクションマッピングシステムの提案とシステム開発を行った.このシステムではアナモルフォーシスの原理を用いて床面に立体的な映像を投影する.ここで,自走式小型ロボットによる対象者の追跡およびKinectによる対象者の視点追跡を行いながら投影像を逐次更新するここで,移動する対象者からも床面の映像が立体的に観察することができる.システムを実装した実験によって,提案手法が広告や経路案内に有用である可能性が示された. |
| Title | ホットケーキアート制作をサポートするプロジェクションマッピングシステムの開発 |
| Author | *米田 さやか, 水野 慎士 (愛知工業大学) |
| Page | pp. 1791 - 1796 |
| Keyword | プロジェクションマッピング, 調理補助, ホットケーキアート |
| Abstract | 本研究では,プロジェクションマッピングを用いてホットケーキアートの調理支援を行うシステムの開発を行った.ホットケーキアートは,ホットケーキの焼き時間で焼き色を変化させることでイラストなどを描画するアートである.ホットケーキを焼く際に,素材を一度に同時に使用するのではなく,場所によって少しずつ時間をずらしながら素材を与えることで,場所により焼き時間を変化させて,その結果として場所による焼き色を変化させる.そのため,イラストをタイミングよく描くことが必要であり,初心者にとってはやや難しい調理となる.本研究で提案するシステムは,ホットケーキアート用の下絵やケーキ素材の投入タイミング等をホットプレート上に直接プロジェクションマッピングを行うことで,ホットケーキアートの調理をサポートする.システムを実装した実験では,提案システムを用いることで初心者でもホットケーキアートが制作できることを確認した. |
| Title | 動画と静止画のハイブリッド表現が可能なインタラクティブ絵巻物型メディアのデザイン |
| Author | *有馬 俊, 大川 恵子 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科/慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート) |
| Keyword | メディアデザイン, インタラクティブアート, デジタルアート, 絵巻物, 映像 |
| Abstract | 本研究では、日本古来からの絵画形式である絵巻物にデジタルテクノロジーを組み合わせた絵巻物型メディア「デジタル絵巻物」のデザインを行い、動画と静止画のハイブリッド表現、身体性インタラクションといった要素を含んだ新たな表現メディアの実現を目指した。さらに、コンテンツ制作ワークショップと様々なクリエイティブ系の専門家へのインタビューを通して、鑑賞と制作の両面から本デザインのメディアとしての価値を探究していく。 |
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| Title | 指輪型デバイスを用いたフィンガージェスチャーによるドローン操縦方式の提案 |
| Author | *谷澤 健太, 中村 優吾, 福嶋 政期, 荒川 豊, 峯 恒憲 (九州大学) |
| Keyword | ウェアラブルデバイス, ヒューマンマシンインタラクション, ドローン |
| Abstract | 本研究では指輪型デバイスを用いた拡張性の高いドローン操縦システムの提案を行う.既存のドローンの操作法では,ドローンにFPV操縦や物資投下などの移動以外のタスクも行わせるためには,多くのコマンドが必要となり,直感性のある操作システムの設計が難しくなっていた.そこでフィンガージェスチャーの認識と,スイッチの入力を用いてドローンのジェスチャーコマンドを定義することで,指だけの動きに対してドローンへ多様な操作を行えるシステムを提案する.また,シミュレーションによるドローン操作実験の結果,提案手法は既存手法に対して想定外の動作を防ぐことができ,さらに操作軸を増やすことで回転や物資投下などのより多くのタスクがこなせることが確認できた. |
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| Title | LINEを活用した対話型による観光情報提供システムの提案 |
| Author | *彌田 章太, 佐藤 雅明 (東海大学観光学部観光学科) |
| Keyword | LINE, 対話型システム, Linebot, 観光情報提供 |
| Abstract | 近年、観光に関する情報環境は多様化の一途を辿り、観光客は様々なメディアを通して提供される情報から必要なものの取捨選択を迫られている。一般的な観光地では、従来からあるポスターやパンフレットなどに加え、スマートフォンの観光アプリ、インスタグラムやXなどのSNS、そしてWebページなどの情報提供がおこなわれている。特に若年層の観光客は旅行に際し、移動中や到着した後に情報収集をおこなうことが多い。本研究では、こうした現在の観光行動で注目される観光地での情報検索をスムーズに実現するために、日常的に活用しているメッセージングサービスの会話という行為に着目し、対話型システムによってユーザーの徒歩圏内の飲食店を提供するシステムの開発をおこなった。実装したシステムでは普及が進んでいるメッセージングサービスであるLINEを選択し、日常的に友達と会話する感覚で、ユーザーの現在地に応じて付近の飲食店の提案を実現した。 |
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| Title | 未知ゴミ識別のための判定手法の比較と実用化に向けた検討 |
| Author | *立花 巧樹 (奈良先端科学技術大学院大学/株式会社mica), 呉 健朗 (株式会社mica), 松田 裕貴 (岡山大学/奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所) |
| Keyword | 画像認識, ポイ捨て, ゴミ拾い, 可視化 |
| Abstract | ゴミのポイ捨ては野生動物の殺傷に繋がるなど深刻な環境問題に発展している.ポイ捨てを防止する策を講じるために必要な,ポイ捨てゴミの実態やゴミ拾い活動の実績は情報として整理されていない.我々は,カメラ装着型トングを用いて,ゴミを拾うだけで,ゴミの種別・位置情報を網羅的に収集するシステムを提案してきた.しかし,現在のシステムは画像認識モデルのため,学習データに含まれていないゴミが拾われた際に,誤認識が不可避である.この問題を解決するため本稿では,未知のゴミをその他として識別する手法を列挙し,比較検討する.実験結果より,多クラス分類モデルを用いることで,F値77%の精度を達成した. |
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| Title | ARによるカードゲームのエンターテインメント性拡張に関する一考察 |
| Author | *�雜� 裕基 (東北大学大学院情報科学研究科), 阿部 亨, 菅沼 拓夫 (東北大学サイバーサイエンスセンター/東北大学大学院情報科学研究科) |
| Keyword | AR, カードゲーム, XR, エンターテイメント |
| Abstract | 光学透過型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を適用した,現実空間で人がモノに触れて移動させながら行うような,インタラクティブ型のゲームが注目されてきている.本研究では,インタラクティブ型のゲームとしてカードゲームに着目し,光学透過型HMDを用いたARを活用した「AR BABANUKI」を提案する.AR BABANUKIは,実物体のカードゲームを用いることで,カードゲーム特有であるアナログの良さを残しつつ,ARによってデジタル情報を付加・削除する.また,ARによってプレーヤーの情報を調節することで,カードゲーム自体のエンタメ性・ゲーム性・戦略性が調節可能である.本発表では,ARを活用した2機能を追加したAR BABANUKIの実装について述べる.また,ユーザーに通常のババ抜きと,実装したAR BABANUKIのプロトタイプの2種類のゲームをプレイしてもらい,比較,評価実験とその考察を行う. |
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| Title | ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を活用した臨場感のある遠隔操船体験システムの提案 |
| Author | *山尾 海斗, 川原 弘暉, 鹿嶋 雅之 (鹿児島大学大学院理工学研究科), 渕田 孝康, 小田 謙太郎 (鹿児島大学情報基盤統括センター) |
| Keyword | ヘッドマウントディスプレイ, 遠隔操船, ユーザ体験 |
| Abstract | 本研究では,リモート旅行における主体性の問題を解決するため,遠隔操船を用いてより臨場感のある体験を提供することを目的とした.沿岸観光地での360度カメラ搭載遠隔操作船の導入により,リモート観光,レースゲーム体験,餌やり体験など,新たなリモート旅行体験を提案した.開発にあたっては,全方位カメラの選定,価格,低遅延通信,メンテナンス性,バッテリー動作時間,船舶免許・検査の不要性など,様々な課題に直面した.これらの課題に対し,USB機能搭載の全方位撮影可能コンパクトデジタルカメラの採用や,WebRTCを用いた低遅延通信の実装などの解決策を講じた.最終的に,Meta Quest 2 HMDを用いた遠隔操船体験実験を行い,その場にいるかのような臨場感を実現できることを確認した.今後の課題として,揺れの抑制,臨場感の向上,船舶衝突回避機能,自動帰還機能などが挙げられる. |
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| Title | デジタルサイネージ上のコンテンツ選択のための真似るジェスチャ入力方式の比較 |
| Author | *坂内 武希 (日本大学), 須賀 美月, 土岐田 力輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 呉 健朗, 古野 雅人 (ソフトバンク株式会社), 市川 裕介 (埼玉大学教育機構), 宮田 章裕 (日本大学) |
| Keyword | デジタルサイネージ, スマートフォン, ジェスチャ, インタラクション |
| Abstract | デジタルサイネージに複数のコンテンツが表示されている状況において,デジタルサイネージとスマートフォンを連携させる場合,ユーザはデジタルサイネージから対象のコンテンツを1つ選択する必要がある. しかし,NFCタグやカメラ等を用いた従来方式では,ユーザへの制約・操作負担が大きいという問題があった. この問題を解決するために我々は,デジタルサイネージに表示されている複数のコンテンツの中から,スマートフォンと連携させるものを選択する方法として,アイコンの動きを真似るデジタルサイネージ選択方式を提案した. しかし,アイコンの動きを真似る際に行う方式は利用シーンによって適切なものが異なると考えられる. よって本研究ではアイコンの動きを真似る際に,腕を振ってジェスチャを行う方式と,タッチディスプレイ上で指を滑らせてジェスチャを行う方式の比較を行い,長所・短所を明らかにすることを研究課題とした. 本稿では,2つの方式を用いた比較実験を行った.その結果,腕を振ってジェスチャを行う方式では腕を振ることによって,操作負担が生じてしまうということが分かった.一方で,タッチディスプレイ上で指を滑らせる方式では,指を滑らせるだけで済むため操作負担が少ないことが分かった. |
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| Title | (特別講演) 新たな世界”宇宙”へのデジタル適用の勘所 |
| Author | 宮丸 和成 (株式会社 ElavationSpace COO) |
| Abstract | 「宇宙」は天気予報やGPS、通信など私たちの生活に欠かせない様々なインフラが構築されており、さらに今後この需要はより高まっていくことが予想されています。ElevationSpace社は、「誰もが宇宙で生活できる世界を創り、人の未来を豊かにする」をミッションに掲げた東北初のスタートアップです。 宮丸COOは、大学卒業後、人材ベンチャー、物流・流通コンサルティング企業を経て、EC大手、大手流通業でDX推進を牽引されてきましたが、宇宙への想い捨て難く、2022年より株式会社ElevationSpaceに参画されました。 「デジタルがつなぎ、デジタルが拓く、新たな世界」を統一テーマに掲げたDICOMO2024において、デジタルが拓く新しい世界の一つである「宇宙領域」の開発動向や宇宙空間でのデジタル技術の活用という観点で講演いただく予定です。地上に比べてデジタル技術の活用にも様々な障害や強い制約がある宇宙空間は、DICOMO参加者が将来の研究の方向性を考える上での一助となると考えております。 |