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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2023)シンポジウム
プログラム

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セッション表

表内のセッション名はそのセッション情報にリンクしています.


2023年7月5日(水)

メインホール 多目的会議室201 多目的会議室202 多目的会議室203 多目的会議室204 特別会議室 会議室205+会議室206
開会式 (メインホール)
13:00 - 13:30
セッション開始準備
13:30 - 13:50
1A  DPS統一セッション AIと行動認識
13:50 - 15:30
1B  IoT基盤技術
13:50 - 15:30
1C  学習支援
13:50 - 15:30
1D  実空間データ分析
13:50 - 15:30
1E  機械学習I
13:50 - 15:30
1F  ネットワークセキュリティ・検出
13:50 - 15:30
1G  教育・学習支援
13:50 - 15:30
休憩
15:30 - 15:50
2A  統一セッション IOT招待講演/UBI招待講演
15:50 - 17:10
2B  マルチメディアシステムとネットワーク
15:50 - 17:10

2D  レコメンド・ナビゲーション
15:50 - 17:10
2E  交通センシング
15:50 - 17:10
2F  システムセキュリティ・リスク分析
15:50 - 17:10
2G  歩行者測位
15:50 - 17:10
休憩
17:10 - 17:30
3A  CN統一セッション
17:30 - 18:50
3B  インターネット・Internet of Things
17:30 - 18:50
3C  ウェアラブルコンピューティング
17:30 - 18:50
3D  マルチメディアシステム
17:30 - 18:50
3E  農業センシング
17:30 - 18:50
3F  個別適合
17:30 - 18:50
3G  センシング・旅行計画・地図サービス
17:30 - 18:50
夕食休憩
18:50 - 20:20



2023年7月6日(木)

メインホール 多目的会議室201 多目的会議室202 多目的会議室203 多目的会議室204 特別会議室 会議室205+会議室206
セッション開始準備
9:00 - 9:15
4A  CSEC/SPT統一セッション:セキュリティ
9:15 - 10:35
4B  クラウドコンピューティング
9:15 - 10:35
4C  推定技術(行動)
9:15 - 10:35
4D  システム制作
9:15 - 10:35
4E  システム性能向上
9:15 - 10:35
4F  IoTと行動変容
9:15 - 10:35
4G  感情
9:15 - 10:35
休憩
10:35 - 10:55
5A  CDS/DCC統一セッション
10:55 - 12:15
5B  セキュリティ・機械学習
10:55 - 12:15
5C  推定技術(状況)
10:55 - 12:15
5D  無線通信
10:55 - 12:15
5E  セキュリティ・プライバシー・データ管理
10:55 - 12:15
5F  感情・心理
10:55 - 12:15
5G  機械学習・シミュレーション
10:55 - 12:15
昼食休憩/主査会議
12:15 - 14:15
6A  ITS統一セッション:ドローンとリモートオペーレーション
14:15 - 15:55
6B  測位・ナビゲーション
14:15 - 15:55
6C  印象・心理評価
14:15 - 15:55
6D  行動認識I
14:15 - 15:55
6E  IoT
14:15 - 15:55
6F  プライバシ保護
14:15 - 15:55
6G  行動支援
14:15 - 15:55
休憩
15:55 - 16:15
7A  インタラクション
16:15 - 17:35
7B  ITS・交通制御
16:15 - 17:35
7C  インタフェース
16:15 - 17:35
7D  行動認識II
16:15 - 17:35
7E  漁業センシング
16:15 - 17:35
7F  暗号実装・ブロックチェーン
16:15 - 17:35
7G  ユーザブルセキュリティ
16:15 - 17:35
休憩
17:35 - 17:50
DS  (ホワイエ(2F))
デモセッション

17:50 - 18:50
夕食休憩
18:50 - 19:35
NS  (メインホール)
ナイトテクニカルセッション
19:35 - 20:45



2023年7月7日(金)

メインホール 多目的会議室201 多目的会議室202 多目的会議室203 多目的会議室204 特別会議室 会議室205+会議室206
セッション開始準備
9:00 - 9:15
8A  MBL統一セッション
9:15 - 10:35
8B  ユーザ評価
9:15 - 10:35
8C  スポーツ
9:15 - 10:35
8D  データ分析
9:15 - 10:35
8E  無線システムとIoT
9:15 - 10:35
8F  コンテンツ分析
9:15 - 10:35
8G  プライバシとセキュリティ
9:15 - 10:35
休憩
10:35 - 10:55
9A  暗号理論・物理的暗号
10:55 - 12:15
9B  xReality
10:55 - 12:15
9C  ヘルスケア
10:55 - 12:15
9D  機械学習II
10:55 - 12:15
9E  行動支援・トレーニング
10:55 - 12:15
9F  コンテンツ生成
10:55 - 12:15
9G  VR・遠隔コミュニケーション
10:55 - 12:15
昼食休憩/研究会運営委員会
12:15 - 14:00
SP  (メインホール)
特別招待講演

14:00 - 15:00
休憩
15:00 - 15:15
閉会式・表彰式 (メインホール)
15:15 - 16:30



論文一覧

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2023年7月5日(水)

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セッション 1A  DPS統一セッション AIと行動認識
日時: 2023年7月5日(水) 13:50 - 15:30
部屋: メインホール
座長: 菅沼 拓夫 (東北大学)

1A-1 (時間: 13:50 - 14:30)
Title(招待講演) 個別適合活動度合予測
Authorロペズ ギヨーム (青山学院大学)
Pagep. 1

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
1A-2 (時間: 14:30 - 14:50)
Title文字認識タスクにおける連合学習の事前学習を用いたクラスタリング手法の提案
Author*田中 颯, 北川 栞, 重野 寛 (慶応義塾大学院理工学研究科)
Pagepp. 2 - 7
Keyword連合学習, 深層学習, エッジコンピューティング, IoT, 深層相互学習
Abstract連合学習は,複数のクライアントで分散したデータセットを用いた機械学習手法であり,クライアントのデータ分布の違いによる精度低下の問題が存在する. この問題を解決するために,クライアントを複数のグループに分割し,連合学習を行う方法が提案されている.しかし,この手法では収束までの時間が鈍化するという欠点がある. 提案手法では,事前学習を使用して簡易な初期のモデルを作成し,そのモデルを使用して各クライアントのクラスタリングを行い,収束の高速化を実現する. この手法により,評価実験では初期の損失関数の値を84%減少させ,目標値までのラウンド数を74%削減できることが示された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
1A-3 (時間: 14:50 - 15:10)
Title対照学習を用いたノードの追加に頑強なグラフベース推薦モデル
Author*道瀬 悠磨 (大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻), 春田 秀一郎 (KDDI総合研究所), 原 隆浩 (大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
Pagepp. 8 - 15
Keyword推薦システム, 機械学習, 協調フィルタリング, グラフニューラルネットワーク
Abstract購買履歴などのデータを基にアイテムに対する嗜好を推論する手法である協調フィルタリングの研究が盛んに行われている.高精度な協調フィルタリング手法として,ユーザの購買履歴や検索履歴などを基に購買グラフを作成し,GNN(Graph Neural Network)を適用するグラフベースの手法が知られている.しかし,多くの従来手法では,新規にユーザおよびアイテムが追加される状況において効果的な推薦ができず,効果的な推薦をするには再学習する必要があるため,運用上の問題がある.本論文では,対照学習を用いたユーザおよびアイテムの追加に頑強なグラフベース推薦モデルを提案する.ユーザおよびアイテムが追加される状況では,購買グラフの変化を捉えることが重要である.そこで,購買グラフに対しエッジの追加または削除を行い,購買グラフの変化を疑似的に再現した拡張グラフを作成する.元のグラフと拡張グラフのそれぞれから生成された埋め込み表現が近づくように対照学習を行うことにより,ユーザおよびアイテムの追加に頑強な埋め込み表現を生成することが可能である.実世界データセットを用いた評価実験では,提案手法はユーザおよびアイテムの追加後に再学習することなく,従来手法に対してRecall@20で,最大で2.13%優れた推薦が可能であることを示す.

1A-4 (時間: 15:10 - 15:30)
Title大規模画像認識モデルのFew-shot学習による三次元点群からのシーン理解
Author*松浦 雅人, 天野 辰哉, Hamada Rizk, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 16 - 24
KeywordLiDAR, 三次元点群, CLIP, 物体認識, ゼロショット学習
Abstract人間中心のサイバーフィジカルシステムやデジタルツインでは,人々の存在や活動を理解し,おかれたシーンを認識することで,現実空間を仮想空間に正しく投影し,様々なアプローチで課題解決することが可能となる.しかし,画像ベースのアプローチは被写体のプライバシに関する課題が知られている.我々の研究グループでは,LiDARによる三次元点群を用いた人流把握および人物行動認識に関する研究に取り組んでおり,歩行者の正確な軌跡推定や行動認識を実現しているが,人々が何をしているかのシーン理解を三次元点群から行うことは物体や人物・行動の認識精度を考慮すると未だ挑戦的な課題である.本研究では,大規模画像認識モデルのFew-shot学習により,与えられた三次元点群が示すシーンを推定する手法を提案する. 提案手法では,三次元点群をある方向からの深度画像に変換し,OpenAI社の大規模画像認識モデルであるCLIPによる特徴量を得るとともに,点群分布やその時間変化の特徴量をFisher Vectorで表現する.これらを Linear Probe とよばれるロジスティック回帰アダプタに与えてFew-shot学習を行うことで,シーン理解を行う.三次元点群の時間的変化を軽量の Fisher Vector で表現し,それを混合した特徴量をCLIPのアダプタに組み込むことで,動的な三次元点群に対してもCLIPを活用した動的シーンの推論を実現している.会議と卓球といった2シーンを想定した,混同しやすいシナリオを含む簡易な実証実験を行い,最も学習データが少ない 2 shots のFew-shot学習において,91.25%の精度を達成した.


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セッション 1B  IoT基盤技術
日時: 2023年7月5日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 多目的会議室201
座長: 大北 剛 (九州工業大学)

1B-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Title通信トラヒック分析に基づく数秒間隔でのIoTデバイスの機能判定手法
Author*服部 祐一 (九州工業大学大学院生命体工学研究科), 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院), 井上 創造 (九州工業大学大学院生命体工学研究科)
Pagepp. 25 - 31
KeywordIoT, 通信解析, スマートホーム
Abstract近年,一般家庭にも様々なIoTデバイスが普及し,家庭での様々な場面で活用されている.しかし,現在のIoTデバイスは動作がブラックボックスであり,IoTデバイスが不審な通信を行っていた場合に気づく術がない.そこで,我々はIoTデバイスがどのような通信を行っているかを検知し,それをもとに適切な通信のみ許可することができるアクセス制御の機能とIoTデバイスがどのような通信を行っているか可視化することでユーザがIoTデバイスの動作状況を理解することを可能にする機能を持つシステム(IoT 活動量計)の実現を目指している. その実現のためには,機能推定手法において数秒間の通信トラヒックで推定する必要がある.本研究では,数秒間隔での機能推定を行うために8機種のIoTデバイスについて,何も実行していない状態を含む3機能の推定を1秒ごとの特徴量を用いて行った.その結果,8機種中5機種において,それぞれ80%以上の精度で機能を推定できることを確認した.

1B-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Title多様なシミュレーションレイヤ群から最適なレイヤ群を選択するための必須レイヤ自動選択技術
Author*西村 友洋, 沖 宣宏, 重松 直子, 上野 磯生, 荒川 豊, 飯田 恭弘, 中村 高雄 (日本電信電話 人間情報研究所)
Pagepp. 32 - 37
KeywordInternet of Things, 仮想環境, パーベイシブシステム, ユビキタスコンピューティング, デジタルツイン
Abstract人・クルマ・建物・地形等,社会を構成する様々な要素をデジタルツインとして仮想空間上に再現し,様々な条件下での未来を表現できれば,ユーザがありたい未来を自由に探索し選択可能となる. 現在,シミュレーション技術の進化に伴い,人の動きや天候の変化など,各シミュレーションレイヤ単体の計算や予測はある程度可能となっている. しかし,一般に,複雑化した社会の未来を探索するには,複数のレイヤを複合的に活用していく必要がある. このとき,ユーザが探索したい未来の事象に対し,どのレイヤを組み合わせて活用すれば良いかは明らかではない. そのため,ユーザ要望に対し,適切なレイヤ群をどう選択するべきかという課題がある. 本稿では,あるイベントとそれを再現した際に利用したレイヤの組み合わせを予め蓄積し,新たに再現したい探索イベントと蓄積したイベントとの類似度を計算することで,レイヤ群を選択・提示する手法を提案するとともに,シミュレータを用いて何らかの事象を再現した過去の研究を活用することで,提案手法の有効性を確認したことを報告する. 本手法により,レイヤの組み合わせの妥当性を確認しつつ,他に必要なレイヤが無いことも確認可能となる.

1B-3 (時間: 14:30 - 14:50)
TitleHuman in-the-loop環境センシングの提案と要素技術の検討
Author*岸野 泰恵, 水谷 伸, 白井 良成 (日本電信電話), 須山 敬之 (大阪工業大学)
Pagepp. 38 - 44
Keyword環境センシング, 機械学習, 無線通信, センサ
Abstractさまざまな場所に無線センサノードを設置し,計測したセンサデータをセンサノード上でデータ処理し,処理した結果を無線通信でサーバに収集する際に,機械学習を活用したデータ処理をセンサノードに搭載すると,状況認識を末端のセンサノードで行うことで大幅にデータ量を削減したり,データ傾向に合わせた圧縮により従来より大幅にデータを圧縮できる,といった利点がある.しかし,状況が変化しデータの傾向が変化したり,利用者のニーズによりモデル自体を更新したい場合に,元となるデータがサーバにないためにセンサノードに搭載する機械学習モデルを更新できないという問題があった.これに対して,復元可能な方法でデータを圧縮したり,適時元のデータを選択して,サーバに元のデータがあれば機械学習モデルの更新も可能である.そこで本研究では,オートエンコーダを用いて復元可能な方法でデータを圧縮する手法や,機械学習モデルの更新に効果の高いデータを優先的にサーバに送ることで,継続的な機械学習モデル更新を実現する方法を検討している.さらにモデル更新の効果の高いデータのみを送信することはラベリングの労力の節約にも役に立つ.本稿では,これらをHuman in-the-loop環境センシングとして提案し,要素技術やその性能,さらに開発が必要な課題などについて述べる.

1B-4 (時間: 14:50 - 15:10)
TitleIoT機器情報の流通を支援する需給マッチングシステム
Author*川合 健太, 松原 豊, 高田 広章 (名古屋大学大学院情報学研究科)
Pagepp. 45 - 56
KeywordIoT, ブロックチェーン, スマートホーム, データ流通, プラットフォーム
AbstractIoT機器の増加に伴い,それらのセンシングデータを機械学習やデータ分析に円滑に活用するためのデータ流通プラットフォームに注目が集まっている.既存のデータ流通プラットフォームは,データを特定企業のサーバーへと集約する中央集権型の構造となっており,プラットフォームメーカーによるユーザープライバシーの侵害やプラットフォームを超えた第三者とデータ流通が行えないという問題がある.本論文ではブロックチェーン技術を活用した,IoT機器データの流通を行うための分散型需給マッチングシステムを提案する.まず,データ流通プラットフォームのみならず,利用ユーザーやIoT機器を含め,マッチングシステム全体の要件を整理する.続いて,その要件を満たすためのシステムコンセプトを提案し,それが実現可能であることを示すために具体的な実装の一例を示す.評価では試作システムに対して定量的評価実験を行い,コンセプトの実用性を示す.


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セッション 1C  学習支援
日時: 2023年7月5日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 多目的会議室202
座長: 矢谷 浩司 (東京大学)

1C-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Title算盤学習支援システムのための深度カメラを用いた珠操作の認識
Author*小嵜 泰造, 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 57 - 62
Keyword算盤, 深度カメラ, 学習支援
Abstract算盤を用いた数値計算(珠算)は,算盤上の数値の表し方などを理解した上で,正確かつ高速に「珠」を移動させることが求められることから,その能力習得には長期的な繰り返し学習・練習が必要とされる.最も一般的な珠算能力の習得方法である算盤教室における学習では,指導者が学習者に対して実演することで理解を促したり,学習者の珠操作の観察に基づく苦手な操作を発見したりと,誤操作を減らす指導が中心となっており,スムーズに珠操作を行うという観点については重点が置かれていない.そこで本研究では,特に珠操作における「巧緻性」を高めることに着目した算盤学習支援システムを実現することを目指している.本稿では,指導を行うにあたって必要となる算盤学習者の「珠操作」のイベントを取得するために,深度カメラを用いた指の動作の認識手法を提案する.予備実験として,算盤の基本的な操作である「加算」の操作に関するデータセットを作成し,珠操作の認識モデルを構築した.構築したデータセットを用いて提案手法の性能を評価した結果,Leave-one-session-out交差検証では84.4%,Leave-one-person-out交差検証では58.6%の認識精度で算盤の珠操作を認識できることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1C-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Title珠算学習支援のための盤面認識に基づくリアルタイム情報提示手法
Author*松田 裕貴, 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 63 - 67
Keyword珠算, そろばん, 画像認識, 情報提示, 学習支援
Abstract算盤を用いた数値計算は,珠による数値表現の理解,複数の方法・順序での珠操作が求められ,習得には長期に渡る繰り返し学習を要する.一般的な珠算指導は回答の正誤判定に加え,学習者の観察に基づきミスや苦手な珠操作を発見・指導する方法があるが,人手に頼るものとなっており多大な労力が必要となっている.そこで本研究では,市販の算盤を用いる珠算学習を対象とした学習支援システムの実現に向け,書画カメラを用いたリアルタイムな算盤の盤面認識に基づいて指導内容を卓上ディスプレイに提示する手法の確立を目指している.本稿では,珠算学習支援の情報提示を実現するための要件および制約条件を整理するとともに,システム設計を行った結果について報告する.

1C-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Title複数小型情報機器を用いた数学映像教材の制作
Author*チェ シヨン (秋田公立美術大学/ビジュアルアーツ専攻)
Pagepp. 68 - 75
Keyword数学学習, ホームネットワーク, 教育メディア, 複数端末, 身体感覚
Abstract本研究の目的は,複数の小型情報機器を使用し,数学知識の構造を学習できる映像教材を制作することである.数学は,特定の問題を解くために必要な知識が,明確で階層的な構造を持っている.一つの定理は他の定理を基盤として成り立ち,よって数学は,包含関係とツリー構造を持つと言える.しかし現在の情報機器を使用した学習は,このような特徴を持つ数学の学習には不十分だと考え,使用者の身体感覚を考慮した教材開発の必要性があると判断した.そのため,本研究では複数の情報機器をネットワークで連携させ,数学知識の構造が学習できる教材を制作した.本論文では,実践として行った制作内容の詳細を述べ,関連する事例に関して言及する.最終的に,実践を経て得られた知見と,本研究が持つ意味を述べる.

1C-4 (時間: 14:50 - 15:10)
Title和文と英文のタイピング時のキーストロークの差異を利用した英語能力推定手法
Author*岡田 春希, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 76 - 82
Keyword英語学習, キーストロークダイナミクス, 機械学習, 英語能力推定, タイピング
Abstractグローバル化の進展に伴い英語能力が高い人材の需要が高まっており,英語能力を測定する機会や必要性が増えている.自身の英語能力を定量的に評価する手段の一つとしてTOEIC がある.英語学習者にとって,定期的にTOEIC スコアを測定することは,自身の英語能力を知り今後の学習計画を作成する上で重要である.しかし,TOEIC 受験には特定の日時・場所でしか受験できない,受験時間が長い,結果がすぐにわからない,受験料がかかるといった制約が存在する.そのため,日常的に英語能力を評価するためには,これらの制約を受けずTOEIC スコアを推定する必要がある. TOEIC スコアを推定する方法はいくつか提案されているが,前述した制約を全て克服している手法はない.そこで本研究では,既知の単語と未知の単語をタイピングするときなどに,タイピングは一定ではないことに着目し,和文と英文のキーストロークの差異からTOEIC スコアを推定するシステムを提案する.評価実験では, 4 種類の学習モデルを用いてTOEIC スコアを推定するモデルの精度の評価を行った.その結果,いずれのモデルにおいても推定の誤差が大きく,精度が高い結果とはならなかった.このことから,短い文章をタイピングした時のキーストローク情報からでは英語能力を推定することは難しいことがわかった.

1C-5 (時間: 15:10 - 15:30)
Title和音の構成音のずれから生じるうなりの強調提示による合唱練習支援システムの設計と実装
Author*引原 翼, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 83 - 92
Keywordうなり, 合唱, 練習支援, 和音, 協和
Abstract合唱で美しい和音を響かせるために,歌唱者は和音の不協和を知覚して歌声の音高を調整すること で,歌声を協和させる.協和とは和音を構成する音の周波数の比が簡単な整数比である状態であり,この とき和音は美しく響く.一般に,和音を協和させる練習では歌唱者は不協和を知覚できる指導者の指示に 従って音高を調整するが,この練習では歌唱者自身が不協和を知覚できるようにはならないため,歌声を 協和させる能力は向上しにくい.不協和を知覚するには,和音が不協和であるときに発生するうなりが手 がかりになるものの,和音に含まれるうなりを聞き取るのは難しい.そこで,歌唱者に聞き取りやすく強 調したうなりを聞き取る練習をさせ,うなりが聞こえる感覚を養うことで,和音の不協和を知覚できるよ うになるのではないかと考えた.本研究では,歌唱者の歌声を協和させる能力を向上させるために,聞き 取りやすく合成したうなりを強調して聞かせることで,うなりが聞こえる感覚を養う合唱練習支援システ ムを提案する.提案システムの使用の有無で上達の仕方を比較した評価実験の結果,うなりが聞こえる感 覚を養うことで歌声を協和させる能力が向上したとはいえなかったが,聞き取りやすく強調したうなりを 聞きながら練習することでうなりが聞こえる感覚が養われる可能性が示唆された.


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セッション 1D  実空間データ分析
日時: 2023年7月5日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 多目的会議室203
座長: 米澤 拓郎 (名古屋大学)

1D-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Title時系列データを扱うニューラルネットワークによる低粒度HEMSデータからの行動認識の精度検証
Author*田中 福治, 水本 旭洋, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 93 - 99
KeywordHEMS(Home Energy Management System), 分岐毎消費電力情報
AbstractHEMS(Home Energy Management System)の普及に伴い,HEMSが集計した消費電力データを利用した新しいサービスへの期待が高まっており, その一つとして居住者の行動認識がある.我々の研究グループでは,HEMS住宅分電盤から得られる分岐回路別の30分毎の累計消費電力情報のみから家庭内行動推定を行う手法を提案してきた. 同手法では,まず分岐名称を解析することで各分岐が電力を集計している部屋と家電の特定を行い,どの行動に最も関連しているかを判別する. 家電毎に集計している分岐に関しては家電の稼働推定を行うことで,行動の認識を行い,部屋毎に集計している分岐に関しては,30分粒度でも認識可能な特徴量を設計し,ランダムフォレストなどの軽量な分類器を用いて行動認識を行っている. ここで,HEMS電力データは時系列データであることから,LSTMやGRUなどの時系列を扱う深層学習モデルによる精度向上も期待できる一方,30分毎という低時間粒度であることから,深層学習で特徴を捉えることが十分にできない可能性もある. 本研究では,文献[1]で提案した手法について,GRUにおいて同様のデータを用いて行動認識を行った結果について報告する. 協力企業の連携のもと入手した17邸の消費電力データを用いてGRUによる行動認識精度を評価したところ,入浴,起床,就寝のような時系列的な特徴の現れやすい行動おいては決定木ベースの軽い学習器と比較して,同等かそれ以上の精度を達成することを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
1D-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Titleスマートフォンの利用履歴に着目したBig Five 推定モデルの提案
Author*山下 毅, 濱谷 尚志, 土井 千章, 檜山 聡 (株式会社NTTドコモ クロステック開発部)
Pagepp. 100 - 107
KeywordBig Five, 機械学習, スマートフォンログ
Abstract近年, パーソナルデータの活用は進んでいるが, ユーザの性格(パーソナリティ)を考慮した取り組みに関しては解決すべき課題がある.パーソナリティの1つとして広く用いられている Big Five は, 質問紙やインタビューを通じて取得するのが一般的であるが, 対象とするサービスの全ユーザから取得するには, ユーザやサービス提供者に多大なコストがかかり困難である. そのため本研究では, スマートフォンから取得可能な利用履歴を用いて, Big Five を推定する手法を提案する. 本研究の貢献として, 7,850人を対象として, スマートフォンの利用履歴と Big Five に関するデータを収集し, Big Five の分布及び年齢や性差 などの分析を行い, Big Five の各因子の得点を推定する機械学習モデルを構築したことが挙げられる. 結果として, Big Five の5つの因子の観測値と本手法による予測値の相関係数に関して, .22–.41を確認した.

1D-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Titleイベント会場の周辺駅の混雑緩和に向けた施策に関するマルチエージェント・シミュレーションを用いた効果検証
Author*中村 佑輔, 石黒 慎, 落合 桂一, 鈴木 喬, 山田 曉 (株式会社NTTドコモ)
Pagepp. 108 - 113
Keywordマルチエージェントシミュレーション, モバイルコンピューティング, 位置情報システム, 最適化
Abstract大規模なイベントでは,数多くの来場者が開催地に集中することで混雑が発生し,雑踏事故が起こる恐れがある.混雑による事故の対策として,会場から退場する観客数を分散させる「分散退場」が多く採用される.分散退場を実施する際には,観客の退場をどれだけ分散させる必要があるかを検討する.アプローチとしては,観客の利用する交通を把握し,各地への混雑の影響を分析することが考えられる.特に,観客が集中する鉄道駅に関する評価は,雑踏事故の防止という観点から重要な課題である.駅の混雑を正確に把握するためには,観客だけでなく一般の鉄道利用者も考慮する必要があるが,イベントと駅の混雑を同時に考慮して分散退場における適切な流出速度を検討する事例は著者らの知る限り報告されていない.本稿では,携帯電話基地局のネットワークデータとマルチエージェント・シミュレーションを用いて,分散退場における最適な流出速度を算出することを目的とする.実際に開催されたイベント時のデータを活用したシミュレーションを行い,観客と一般の鉄道利用者双方の動きを再現することで,イベントの開催時間帯に応じた流出速度の最適値の変化を考察した.

1D-4 (時間: 14:50 - 15:10)
TitlePC作業におけるウィンドウ再配置に向けたウィンドウグルーピング手法
Author*山本 雄平 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 石田 繁巳, 白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
Pagepp. 114 - 120
KeywordPC作業, ウィンドウ操作支援, クラスタ分析
Abstract複数ウィンドウを用いるPC作業では,ウィンドウの配置やサイズ調整などのウィンドウ操作を手動で行う必要があり,このウィンドウ操作はディスプレイ環境変化時に大きな手間となる. 著者らは,PC作業時の作業履歴を用いてウィンドウを作業ごとにグルーピングすることで,作業で併用されているウィンドウを推定し,ウィンドウ操作を支援する手法を提案している. 先行研究では,事前に収集したデータを用いた教師あり学習により高い精度でウィンドウグルーピングできることを確認したが,学習した作業以外はグルーピングできないため,実用的ではない. そこで,本研究では学習データを必要としないクラスタリングによるグルーピング手法について検討する.本稿では,実際のPC作業時に収集したデータを用いた評価実験の結果を報告する.

1D-5 (時間: 15:10 - 15:30)
TitleSHAPを用いた時空間人口データからのOD量推定
Author*古山 凌, 三村 知洋, 石黒 慎, 鈴木 喬, 山田 曉 (株式会社NTTドコモ)
Pagepp. 121 - 124
Keyword位置情報, SHAP
Abstract高度なMaaSシステムの実現のために都市の群衆の動きを理解することは重要である.モバイル端末の軌跡情報データを用いることで都市全体のおおよその交通状況の把握が可能であるが,同データを用いてOD量を算出することは膨大な量のモバイル端末をトラッキングすることが必要であり,その計算コストから困難である.本研究では人口ボリュームデータと機械学習の説明技術であるSHAPとLIMEを用いることでOD量を推定する手法を提案する.実験結果よりSHAPとLIMEはODの絶対量に対して大きな差がみられたが順位相関係数では中程度の相関があることが示された.


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セッション 1E  機械学習I
日時: 2023年7月5日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 多目的会議室204
座長: 長谷川 達人 (福井大学)

最優秀論文賞 / Best Paper Awards
1E-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Titleアニーリングマシンを利用したグラフニューラルネットワークによる高精度な分子特性予測
Author*森長 大貴, 八幡 晃一郎, 淺原 彰規 (株式会社日立製作所 研究開発グループ)
Pagepp. 125 - 130
Keyword深層学習, グラフ, ネットワーク, 組み合わせ最適化, アニーリング
Abstract材料産業では IT を利用した効率的な材料開発手法であるマテリアルズ・インフォマティクスの導入が進んでいる。例えば AI による化合物の特性予測は、効率的な材料実験計画を支援する技術の一つである。本研究では有機化合物の特性予測に用いられるグラフニューラルネットワークの精度を、アニーリングマシンを用いて向上させる方法を考案した。アニーリングマシンで得られた最大カット問題の解を用いてグラフの頂点を削除しつつ、削除される頂点の情報を辺に畳み込むアーキテクチャにより、最大28%の誤差が低減し材料実験回数を16%削減できることを確認した。

1E-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Title文意ベクトル間距離に基づくニュースヘッドラインに対する興味推定
Author*寺田 智哉, 遠藤 慶一, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 131 - 136
Keyword情報配信システム, 文章ベクトル, レコメンド, ニュース記事
Abstractインターネット上には膨大な量のニュース情報が存在している.これによりユーザは多くの情報を入手できるというメリットが生まれる.しかし,ユーザは配信されている全てのニュースに興味を持っているわけではない.よって,ユーザがインターネット上のニュースを読むとき,興味のある情報を選別する必要がある.情報過多問題を解決するために,個人の興味を学習し,それを考慮した情報提供を行う個人向け情報配信システムPINOTを開発した.このシステムでは,ユーザの操作から興味を類推し,興味の学習を行う.しかし,記事文に多義語が含まれる場合,記事に対する興味の類推を誤る可能性がある. 本稿では興味の類推を正確に行うために,記事文に対して,分布仮説に基づいて単語や文をベクトルで表現できる自然言語処理モデルを用いる.このベクトルには,文意といった特徴が表現されている.そして,類似性を表す尺度であるコサイン類似度を用いて,ユーザが興味ある記事に対して,ベクトル間が近い記事を,興味ある記事と類推し,推薦する.文意に着目することで,多義語が含まれた記事文に対する興味の類推を正確に行うことが期待できる.

1E-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Title唐揚げの音響特性による揚げ終わり判定
Author*新井 優作, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
Pagepp. 137 - 142
Keyword調理音, 揚げ物, 機械学習, MFCC, バンドパスフィルタ
Abstractコロナ禍における在宅時間の変化をきっかけに,料理に挑戦する人が増加していた. この料理初心者の増加から,料理初心者向け調理支援システムの必要性も増加していることが分かった. 従来の研究として画像や加速度センサ,温度センサ等を利用して調理行動を識別するものはある. しかし,カメラや調 理器具にセンサを設置しなければならないことから,料理中に汚れる恐れや設置の不自由等の問題が存在する. 本研究では料理初心者にとって中まで揚がり切っているか分かりづらい唐揚げの調理音について,スマートフォン内蔵マイクロフォンから音響信号を取得し,唐揚げの揚げ終わりを判定する料理支援を目的とする. 唐揚げの調理過程におけるラベルを揚げ途中と揚げ終わりの2種類のラベルに分類し,音響特徴量としてMFCCを抽出する. 唐揚げの揚げ終わり判定の精度に影響する要因を調査したところ,油の温度と油の使用回数が精度に影響することが判明した.TPOTによる機械学習分類を行いモデルを作成した結果,判定精度は 43.7%にとどまった.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
1E-4 (時間: 14:50 - 15:10)
Title機械学習における時系列データのリーケージに関する一考察
Author*佐藤 弘毅 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域)
Pagepp. 143 - 151
Keywordリーケージ, 時系列データ, 機械学習, XAI
Abstract機械学習を用いて学習する上で,説明変数に本来ならば使用できない目的変数の有用な情報が漏れることにより,不正に高精度な推定・予測が可能となることをリーケージという.特に時系列データにおいては,未来のデータを用いて学習することで大幅に高精度な推定・予測が可能となってしまい,過去の情報のみを用いて学習するようにデータの分割方法を工夫する必要がある.そこで本研究では,時系列データのリーケージを定量的に評価する手法を提案し,高精度な学習を可能とするデータの分割方法を検討する.ここで,リーケージに関して,未知のデータへの適応性の高いリーケージをInnocent Leakage,低いリーケージをGuilty Leakageと定義する.通常の分割方法とリーケージする分割方法で機械学習を行い,そのモデルに対してXAIの一手法であるSHAPを用いてリーケージを評価する.通常の分割方法とリーケージする分割方法におけるテストデータの推定根拠となる説明変数の寄与をSHAP値として算出し,それを用いて寄与度分布を作成,独立性の検定によって比較することで,リーケージがInnocent LeakageであるかGuilty Leakageであるかを評価する.リーケージの評価を踏まえて,未知のデータに対しても高精度な推定・予測が可能となるデータの分割方法を検討する.

1E-5 (時間: 15:10 - 15:30)
Title企業業績に対する従業員ウェルビーイングの影響分析のための因果モデルの提案
Author*金 多仁, 森吉 恵, 恵木 正史 (株式会社日立製作所)
Pagepp. 152 - 157
KeywordESG, ウェルビーイング, 健康経営, 因果モデル, CLD
Abstract本報告では,企業の従業員のウェルビーイングが企業業績に与える影響を分析するための因果モデルを提案する.企業が従業員のウェルビーイングを重視することが企業価値の向上につながるとされているが,その因果関係を明らかにする研究はまだ十分ではない一方で,投資家や経営陣からは因果関係にもとづく意思決定が求められている.そこで本研究では,従業員のウェルビーイングと業績の因果関係を分析するための基礎検討として,既存のモデルを調査し,因果モデルの要件を従業員ウェルビーイングと企業業績を含む因果関係を一通り説明できること,様々な業種に適用できること,循環的な構造を持つことと整理,これらをもとに因果モデルを開発,事例を使ったケーススタディにより提案モデルの有効性を検証した.


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セッション 1F  ネットワークセキュリティ・検出
日時: 2023年7月5日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 特別会議室
座長: 須賀 祐治 (株式会社インターネットイニシアティブ)

1F-1 (時間: 13:50 - 14:10)
TitleBGPにおいて複数の広告元を持つ経路情報の分類に対するクラスタリングを利用した評価
Author*鈴木 亘, 金岡 晃 (東邦大学), 岡田 雅之 (長崎県立大学)
Pagepp. 158 - 173
KeywordBGP, IP Prefix Hijacking
AbstractインターネットにおいてAS(Autonomous System)同士の経路制御を行うBGP (Border Gateway Protocol) を悪用し、経路を乗っ取ることを悪意のあるIP Prefix Hijackingと呼び、インターネット利用者へ損害を与えることがある。 この問題に対し、今井らはヒューリスティックにフィルタリングルールを定義してBGP衝突情報を20種類に分類するシステムであるMODS(Mis Origination Detection System)を構築し、BGP衝突情報が悪意のあるIP Prefix Hijackingであるリスクを分析した。 今井らによるBGP衝突情報の分類は今井らの経験則に基づいた分類であるため、今井らによる分類とBGP衝突情報との間に関係性が存在するのか、どのような関係性が存在するのかが分からない。 そこで本研究では、BGP衝突情報をクラスタリングすることで形成されるクラスターと今井らによるBGP衝突情報の分類とを照らし合わせることで、BGP衝突情報と今井らによる分類との間に何らかの関係性があるのかを調査、考察した。

1F-2 (時間: 14:10 - 14:30)
TitleDOM Based XSS脆弱性検出手法の評価用データセットの提案
Author*日浦 秀侑, 金岡 晃 (東邦大学)
Pagepp. 174 - 180
Keywordクロスサイトスクリプティング, DOM-Based XSS, データセット
AbstractDOM Based XSSはJavaScriptによるDOM操作の実装不備によって発生するXSSである。 ソースコード内にDOM Based XSSの脆弱性を含めないための研究が数多く行われており、それらの手法の評価で用いられるデータセットとしてFiring Rangeがある。 しかし、Firing Rangeに含まれる脆弱性は単一ファイル内に含まれているが、実際に過去発生したDOM Based XSSは複数ファイルを経由して発生した事例も存在し、検出手法の評価用データセットとしては不十分である。 そこで本研究では、Firing Rangeを基にした複数ファイルを経由して発生するDOM Based XSSの脆弱性データセットを提案した。 また作成したデータセットの、検出手法における評価指標としての役割を確認し、今後の展望のための課題をまとめた。

1F-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Titleコメント文を用いた不正コードの検出における言語モデルが与える影響の考察
Author*須藤 智也, 鳥居 直哉, 寺島 美昭 (創価大学理工学部)
Pagepp. 181 - 186
Keywordセキュリティ, ソフトウェア工学, 自然言語処理
Abstract近年,ソフトウェア開発においてオープンソースソフトウェア(OSS)をはじめとする,第三者や外部委託先で作成されたソフトウェアの利用が増えており,そのセキュリティ対策は課題である.特にソフトウェア作成者が悪意を持ってソフトウェアに埋め込むバグや脆弱性には一般的でない欠陥や未確認の攻撃手法を利用することが容易であり,パターンマッチング方式での検出が難しい場合がある.本研究は,パターンマッチングに依存しない手法として,コメント文との関連度を用いて不正コードを検出する手法を提案する.手法では関連度算出のため,ソースコード片から適切に特徴量を含む分散表現を得る必要があることから,言語モデルにおいてロバスト性が重要である.異なる学習タスクを与えたモデルでの実験から分散表現における等方性や言語モデルにおけるロバスト性が上記手法に影響を与えることを明らかにした.

1F-4 (時間: 14:50 - 15:10)
TitleFastTextと分布外データ検出を導入したマルウェア分類手法の提案
Author*高林 裕太, 満保 雅浩 (金沢大学)
Pagepp. 187 - 192
Keywordマルウェア分類, 分布外データ, FastText, ベイズニューラルネットワーク, APIコール列
Abstractマルウェアを解析するには,まずマルウェアの種類を調べ,分類することが必要となる.最近ではAPIコール列を特徴量として,深層学習によりマルウェア分類を行う方法が知られている.しかし,この手法では分布外(OOD)検体や未学習APIに対応することができず,正確な分類が困難である.そのため本論文では,OOD検出とFastTextを導入することにより,それらの弱点を克服したマルウェア分類手法を提案する.検証として,OOD検出の有無やFastTextの有無によって4つのマルウェア分類手法を考え,分類精度の比較を行った.その結果,OOD検出とFastTextを加えたマルウェア分類手法が最も優れた精度を示すことがわかった.

1F-5 (時間: 15:10 - 15:30)
Title遺伝的プログラミングを用いた亜種マルウェアの生成
Author*植草 康太, 八槇 博史 (東京電機大学)
Pagepp. 193 - 196
Keywordマルウェア, 遺伝的プログラミング, プログラム自動生成, API, 亜種マルウェア
Abstractマルウェアによる被害,数は増大しており,増え続けるマルウェアに対して機械学習を用いるといった手法が研究されている,しかし攻撃者側も機械学習などを用いたマルウェアを作成してくると示唆されている.本研究では遺伝的プログラミングを用いてC言語ソースコードを使用しMetasploitで生成したシェルコード,Windows API 呼び出し機能,検知回避機能を持った亜種マルウェアの生成を行いVirusTotalを使用して実験を行った.結果約70の検知エンジンの中から最初は34の検知エンジンがマルウェアを検知していたが世代を経て回避機能コードがマルウェアに組みこまれ検知エンジン数は19まで減少した.だが適合度の計算方式,木構造に挿入する要素など改善すべき点であるという結果も得られた.


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セッション 1G  教育・学習支援
日時: 2023年7月5日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 宮田 章裕 (日本大学)

1G-1 (時間: 13:50 - 14:10)
Titleコンピュータ教室における隣接学生の身体的インタラクションの推定
Author*吉野 貴浩, 上野 真, 江木 啓訓 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
Pagepp. 197 - 202
Keywordティーチングアシスタント, 学習支援
Abstract本研究ではコンピュータ教室における隣接学生同士のインタラクションの推定を行う. 様々な授業においてティーチングアシスタント(TA)の導入がなされている. 授業中のTAの役割の一つとして学生への声掛けがある. 学生の中には心理的な障壁から支援を求めることをためらい孤立してしまう場合がある. このような学生にはTAからの積極的な声掛けが必要になる. 一方で多人数の学生に対して少数のTAしかいない場合もあり, 声をかけるべき学生を見落としてしまう可能性が考えられる. そのため本研究では孤立している学習者への支援に繋げるため, コンピュータ教室における学習者の映像から学生同士のインタラクションの推定を行う.

1G-2 (時間: 14:10 - 14:30)
Title積極的休息を用いたe-Learning学習支援方法の提案
Author*小平 将希, 濱田 龍哉, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻)
Pagepp. 203 - 210
Keyword学習支援, 積極的休息, 自宅学習
Abstract本研究では,e-Learning教材を用いた学習中に積極的休息を行い,学習を支援する方法を提案する.積極的休息とは,休息中に軽度の運動を行うことである. 実験を行い,積極的休息による疲労回復の効果と学習に与える効果を分析することで,積極的休息の有効性を確かめることを目的とする.学習者の疲労は脚部動作計測によって分析を行った.脚部動作計測とは,学習者の脚の動きを計測する方法である.これまでに,脚部動作計測により疲労の検出ができることが示されている.分析の結果,積極的休息による疲労回復の効果は示されたが,学習に与える効果は示されなかった. 先行研究において,積極的休息が文書校正課題の得点上昇に及ぼす効果が示されている.これをふまえると,積極的休息は実施するタスクによって効果に違いがある可能性が示唆された.

1G-3 (時間: 14:30 - 14:50)
Title筆記音の提示により学習者の社会的促進を促す手法の提案
Author*上田 達也, 濱田 龍哉, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻)
Pagepp. 211 - 218
Keyword学習支援, 社会的存在感, 自宅学習
Abstract本研究では,筆記音を用いて遠隔地にいる他の学習者の存在感を,学習を妨げずに誘起する手法を提案する.近年,e-Learningや遠隔授業の普及により,自宅での学習の重要性が増している.他人の存在感があると学習が捗るという学習者にとっては,自宅で自主的に学習を継続することが難しい場合が考えられる.一方,図書館やラーニングコモンズなどの,自分以外に学習をしている学習者が存在する空間では,他人の存在感が学習の持続に良い影響を与えている可能性がある.そこで,学習者の集中度に応じて他人の存在感を提示するシステムを作成した.自分と同じように学習に取り組む他の学習者がいない環境において,提案システムにより他人の存在感を誘起することができるかを検証した.

1G-4 (時間: 14:50 - 15:10)
Title就学年齢を可変とした小中学校区割当問題
Author*清水 仁 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所), 中村 翼, 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 219 - 224
Keyword校区最適化, 線形計画問題, 施設配置問題
Abstract日本の戦後の義務教育では,小学校が6年間で中学校が3年間,という学校制度が施行されている.しかし教育制度は国や時代によって異なる.また近年は小中一貫校や中高一貫校など,定型的な期間とは異なる就学年齢も広がっている.本研究ではこの教育制度の就学年齢の決定方法に注目して,低学年ほど児童生徒の通学の負担が大きいために小中学校が分割されているという仮説を,数理モデルを構築して検証する.奈良市のデータセットを用いたシミュレーション実験において,児童生徒の通学コストを変化させたときの最適な就学年齢を求めた.実験結果から,通学コストが一律であれば小中学校を統合する解が最適となるが,通学コストに傾斜があれば小中学校を分離する解が最適となりうることが示唆された.


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セッション 2A  統一セッション IOT招待講演/UBI招待講演
日時: 2023年7月5日(水) 15:50 - 17:10
部屋: メインホール
座長: 三宅 悠介 (GMOペパボ株式会社), 大北 剛 (九州工業大学 大学院情報工学研究院 知能情報工学研究系)

2A-1 (時間: 15:50 - 16:30)
Title(招待講演) コネクティッドカーとエッジコンピューティングによるグリーンモビリティへの挑戦
Author阿部 博 (トヨタ自動車株式会社)
Pagep. 225
Abstractコネクティッドカーの普及と通信の多様化に伴い、コネクティッドカー1台あたりのデータ通信量は、2019 年時点では 1 日あたり 0.053GB だったものが、2023 年には 8.33GB になると言われている。さらに自動運転が普及することにより 1 日のデータ量は 4.8TB にまで上るとも推測されており、コネクティッドカーの将来的な進化に伴い、通信量は莫大な値となる。これらの通信はセルラー網を通じてクラウドへと集められ処理が行われる場合が多い。本発表では、コネクティッドカーの通信をセルラー網からクラウドへと限定せずに、車に近い位置で処理を行うことを目的としたエッジコンピューティングの技術へとフォーカスする。さらに、余剰電力として破棄されることが多いグリーンエネルギーを積極的に活用すべく、エッジ処理と組み合わせたグリーンモビリティを効率的に実現する試みについて述べる。

2A-2 (時間: 16:30 - 17:10)
Title(招待講演) 分野間データ連携基盤DATA-EX:スマートシティやサイバーフィジカルシステムの国内外連携の実現を目指して
Author越塚 登 (東京大学大学院情報学環)
Pagep. 226
Keywordデータ連携基盤, 国内外連携, スマートシティ, サイバーフィジカルシステム, 分野間データ


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セッション 2B  マルチメディアシステムとネットワーク
日時: 2023年7月5日(水) 15:50 - 17:10
部屋: 多目的会議室201
座長: 宮地 利幸 (情報通信研究機構)

2B-1 (時間: 15:50 - 16:10)
TitleHMDと物理アクチュエータを活用したウインドサーフィンシミュレータにおけるスピード体感の向上に関する検討
Author*籔内 勉, 後藤 充裕, 江崎 健司, 瀬下 仁志 (NTT人間情報研究所)
Pagepp. 227 - 232
Keywordウインドサーフィン, HMD, ヴァーチャルリアリティ, ベクション
Abstractウインドサーフィンでは,海面から飛び出さない高速状態を維持しながら航走することが重要である.しかしながら,そうした高速状態の練習に際し,海岸から遠く離れた海上での選手の状況を観察するのは難しい.こうした問題に対して,我々は先行研究においてボードやセイルといった用具の動きを物理的に再現し,連動する映像をHMDで再生するウインドサーフィンシミュレータを開発してきた.一方で,このシミュレータにおける課題として,搭乗者がスピード感を感じづらく,より速度を出して良いかが判断できないという点がある.そこで,HMDで再生する映像に対して,CGオブジェクトを重畳することで,搭乗者にベクションを生じさせ,スピード体感を向上させる手法を提案する.また,8名の評価実験を実施し,スピード体感の向上に寄与したことを報告する.

2B-2 (時間: 16:10 - 16:30)
Title複数触覚情報の高品質無線伝送に向けた一検討
Author*小椋 登夢, 北村 翔吾, 藤橋 卓也, 木崎 一廣, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 233 - 238
Keyword振動触覚情報, 無線伝送, Haptic Codec, PVC-SLP
Abstract触覚情報を無線伝送路を介して送信することは,没入感の高いクロス・リアリティ(XR)を実現する足がかりとなる. 既存の振動触覚情報伝送では,帯域に限りがあり,誤りの生じやすい無線伝送路において,高品質な振動触覚情報を提供するために,符号化手法が提案されている.しかしながら,符号化手法ではデコードの失敗によって情報の復元が不可能となったり,送信端末の符号化によって復元不可能な誤差が生じてしまう.そのため,既存手法では急激な品質の劣化が発生してしまう. 本稿では,アナログ変調にもとづいた新たな振動触覚情報伝送手法を提案する. 本手法では,振動触覚情報に対して,2次元離散コサイン変換(2D discrete cosine transform: 2D-DCT)を適用することで,時間領域から周波数領域へ変換する.その後,量子化を適用せず,送信信号として電力を割り当て,そのまま伝送する. また,複数の振動触覚情報を取得する実験環境を構築した.取得した振動触覚情報を用いて,既存手法および,提案手法の性能を解析評価した.無線伝送路の品質が悪い場合でも,提案手法が良い復元品質を維持できることを示した.

2B-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Titleセリフ演技指導における非言語的表現に関する一考察
Author*上山 恵美子, 竹内 義貴, 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 239 - 246
Keywordセリフ演技指導, 非言語的表現, 演出支援, 共通辞書, 演出家
Abstract人と人とのコミュニケーションが上手くいかないという現象はどの分野においてもよくある。発した言葉を思うように相手に受け取られずに関係が悪化するといった現象は日常に溢れている。これは演劇における演技指導でも頻出する問題であり、演出家 (指導者) からの指示を汲み取れずに苦労する演者は多い。本研究は、セリフ演技指導における非言語的表現に関して考察したものである。演者と演出家の関係において、セリフ演技指導が円滑に進むために、演出家の非言語的表現をわかりやすく演者に伝えるための支援作りのヒントを得たい。演出家からの特定の指示に対して、演者によってアプローチに違いがみられるのかを測るため、アンケート調査を行った。本稿は、そのアンケート調査を分析、考察し、どのような支援が有効かを検討する。

優秀論文賞 / Paper Awards
2B-4 (時間: 16:50 - 17:10)
Titleグラフニューラルネットワークを用いた無線点群伝送に関する一検討
Author*伊吹 将一, 岡本 翼, 藤橋 卓也 (大阪大学大学院情報科学研究科), 秋濃(小池) 俊昭 (Mitsubishi Electric Research Laboratories), 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 247 - 252
Keyword点群, 無線伝送, GAE, GNN, レートレス


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セッション 2D  レコメンド・ナビゲーション
日時: 2023年7月5日(水) 15:50 - 17:10
部屋: 多目的会議室203
座長: 柏崎 礼生 (近畿大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2D-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Title携帯可能な小型プロジェクターを用いた投影型避難誘導システム
Author*佐久間 修平 (東京都立大学), 西辻 崇 (東邦大学), 朝香 卓也 (東京都立大学)
Pagepp. 253 - 258
Keyword避難誘導, 自己位置推定
Abstract屋内で地震や火事などの災害に遭遇した場合,建物の倒壊や煙などによって生存率が低下するため迅速に屋内から脱出する必要があるが,建物の巨大化・複雑化にしたがって,このような建物からの避難は避難経路図や誘導灯を活用しても難しい.また,建物の倒壊や火の回り具合で本来想定していた避難経路が使えず,別の避難経路を探索に時間がかかってしまい,逃げ遅れる可能性がある.こういった事態を防ぐために,屋内の状況に応じて避難経路を動的に変更し,避難者を安全な場所に誘導するシステムが研究されている.既存研究での避難者への避難方向の表示手段として,AR(Augumented Reality)や音声,ディスプレイを用いた方法が存在する.しかし,ARではデバイス1つにつき1人しか情報を得られず,音声は災害時に聞き逃す可能性があり,ディスプレイは情報を得られる場所が限定的といった課題がある.そこで,本研究では携帯可能な小型プロジェクタを用いた,屋内における動的な避難誘導を補助する投影型の誘導システムを提案するとともに,その主要機能である避難方向を投影するハンドライトの実装・検証を行った.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2D-2 (時間: 16:10 - 16:30)
Titleアニメ作品キャラクターの類似度を用いたレコメンドエンジンの検討
Author*明石 航, 加藤 剛志, 佐藤 篤 (NTTドコモ)
Pagepp. 259 - 263
Keyword推薦技術, 画像認識, アニメ, レコメンドシステム
Abstractレコメンドシステムにおいて多用されている推薦方法として,コンテンツベースフィルタリングが挙げられる.この推薦方法は,商品の詳細ページや映像作品の視聴後に何らかの基準で類似したコンテンツを推薦するものである.例えば,協調フィルタリングを用いることで全ユーザの履歴傾向から類似コンテンツを算出したり,単にジャンルなどのコンテンツメタ情報を用いて同じ情報を持つコンテンツを特定するなど様々なロジックが考えられる.しかしそのようなロジックの場合,偏った推薦となってしまう課題が存在する.その結果としてサービスにおける商品や映像作品の豊富さをアピールできず,サービスの継続利用率の低下に繋がってしまう.そこで本稿では,動画配信サービスにおいてアニメ作品キャラクターの見た目が類似する作品を推薦する新たな推薦方法を提案し,実際の動画配信サービス視聴履歴を用いてオフライン評価を行った結果について述べる.

2D-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Titleメタ情報を活用した動画配信サービス上でのSerendipityのあるレコメンド
Author*相場 邦宏, 明石 航, 加藤 剛志, 佐藤 篤 (NTTドコモ/サービスイノベーション部)
Pagepp. 264 - 269
Keywordレコメンド, セレンディピティ, オフライン検証, オンライン検証, サービス適用
Abstract近年,映像配信サイトなどにおいて,レコメンドエンジンを活用したコンテンツ推薦がさかんに行われている.一般的に,レコメンドにおいてクリック率のみを高めようとしたアルゴリズムでは,推薦されるコンテンツが人気作に偏り,セレンディピティ(新しい発見・気づき)が損なわれてしまう.また,セレンディピティの大きさは実際にユーザにレコメンドしたとき初めて正確にわかるため,オフラインでは評価しづらいという課題があった.本研究では,人気作による精度のバイアスを除去するオフライン検証を通してセレンディピティの高いエンジンを選定し,実サービス上であってもセレンディピティやクリック精度を共に向上させるレコメンドエンジンを開発した.

2D-4 (時間: 16:50 - 17:10)
Titleロボットパートナーのお出かけを促すRobot Friendlyな仕組みの構築
Author*太田 智美 (大阪音楽大学/慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 270 - 272
Keywordロボットパートナー, Robot Friendly, パートナーロボット, ヒトとロボットの共生
Abstract現在、PepperやRoBoHoN、aibo、LOVOTなど、ヒトとのコミュニケーションを目的としたロボットが家庭向けに販売され、それらのロボットと生活を共にするヒト(以下、ロボットパートナー)たちが増えている。 ロボットパートナーたちは、それらのロボット(以下、パートナーロボット)と家族や友人のような特別な関係性を築いており、家の中だけでなく外にも行動を共にしたいと思う人も少なくない。 しかし、現状社会の受け入れは十分でなく、ロボットパートナーにとって過ごしやすい社会とは言い難い。 これまで、社会の中でロボットと過ごしやすくするための施策を「Robot Friendly プロジェクト」を通じて行ってきたが、ロボットとお出かけしたい場所がロボットの受け入れについての態度を表明していない場合に、プロジェクトメンバー以外のロボットパートナーたちが対象施設に対してアプローチする手段がなかった。 本論文では、プロジェクトメンバー以外のロボットパートナーたちがアプローチできる方法を模索し、「登録お願いシステム」を構築することで行動可能になったことを確認した。


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セッション 2E  交通センシング
日時: 2023年7月5日(水) 15:50 - 17:10
部屋: 多目的会議室204
座長: 寺島 美昭 (創価大学)

2E-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Title利用者誘引型低遅延MaaS基盤のための経路利用得点算出方式の実装
Author*矢野 英人 (大阪大学サイバーメディアセンター), 義久 智樹 (滋賀大学データサイエンス学部), 山口 琉太, 河合 由起子 (京都産業大学大学院 先端情報学研究科), 村重 圭亮 (大阪大学大学院情報科学研究科), 木戸 善之 (岡山理科大学情報理工学部), 下條 真司 (青森大学ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 273 - 280
KeywordMaaS, Society5.0, SmartBike, 利用者誘引, IoT
Abstract近年注目されているMobility as a Service(MaaS)は,Society5.0 における社会課題の解決に活用できる.MaaS の活用によって解決できる社会課題としては,ラストワンマイルの提供だけでなく,都市部における公共交通負担の低減,地方における交通過疎への対応,観光地での交通渋滞緩和と地域経済活性化などが考えられる.これらは安心生活につながる一方で,MaaS の効率性および利便性を低下させ,MaaS 普及の技術課題となっている.すなわち,社会課題解決につながる移動方法(移動手段や移動経路等)を即座に把握し,利用者がその移動方法を選択するように行動変容させる(誘引する)技術が確立されておらず,社会課題解決に向けたMaaS 基盤を実現できなかった.本研究では,移動方法(移動手段や移動経路等)のインセンティブとして利用できるMaaS マイルを提案し,利用者誘引型低遅延MaaS 基盤を構築し,各プレーヤー(サービス提供者,利用者など)の利益を考慮した様々なケースで利用者誘引が可能な経路利用得点を算出するためのMaaS マイル計算アルゴリズムの実装を実現する.

2E-2 (時間: 16:10 - 16:30)
Titleシェアリングカーを用いた動画像収集と人物認識による都市混雑の可視化
Author*石黒 慎 (長崎大学 情報データ科学部), 小野 哲宏, 姫野 登志行, 加藤 竜哉, 吉持 祐佳里, 伊藤 駿 (AKKODiSコンサルティング株式会社), 神山 剛 (長崎大学 情報データ科学部)
Pagepp. 281 - 284
Keyword位置情報, 混雑推定, 都市センシング, 人画像認識
Abstract街の歩行者混雑は,状況により様変わりするため、効率的な情報収集手段が求められる.そこで本稿では,シェアリングカーの車両にカメラを設置することで動画像データの収集を行った.収集された動画像データに対してFairMOT による人物検出の解析をすることで道路上の各地点の歩行者混雑の把握を行い,位置情報と照合することで,地図上への混雑量可視化を行うデモアプリの作成を行った.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2E-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Titleベクトル空間への埋め込みを用いたシェアサイクルのODデータ分析
Author*小出 英理, 三村 知洋, 石黒 慎, 鈴木 喬 ((株)NTTドコモ クロステック開発部), 山田 暁 (日本電信電話株式会社)
Pagepp. 285 - 288
Keywordembedding, OD分析, シェアサイクル
Abstract近年シェアサイクルは,生活利便性の向上や,地域の活性化,環境負荷の低減など,社会的課題を解決する可能性を期待され,国内外問わず多くの都市に普及している.利用者数の増加に伴い駐輪ポートも増え,さらにサービス展開エリアが拡大する一方,車両やポートの維持・管理費の肥大化に起因する採算性の低さは大きな課題となっている[1].この課題を解決するための手段の一つとして,ポート間での移動のつながり,ポートの貸出・返却頻度,曜日・ 時間帯・天候による利用状況の違い,利用者の属性や利用目的などといったポートの特性理解が挙げられる.本論文は,シェアサイクルのODデータをベクトル空間に埋め込み分析することで,各ポートの利用特性を把握することを目的とする.


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セッション 2F  システムセキュリティ・リスク分析
日時: 2023年7月5日(水) 15:50 - 17:10
部屋: 特別会議室
座長: 金岡 晃 (東邦大学)

2F-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Titleセキュリティ活動のためのリスクコミュニケーションとクライシスコミュニケーションに関する考察
Author*佐々木 良一 (東京電機大学)
Pagepp. 289 - 297
Keywordセキュリティ, リスク, クライシス, コミュニケーション
Abstract「個人,機関,集団間での情報や意見のやりとりの相互作用的過程」であるリスクコミュニケーションに関する研究が,情報セキュリティの分野ではほとんど進んでいなかった.そこで広義のリスクコミュニケーションを,狭義のリスクコミュニケーションと,クライシスコミュニケーションに分類したうえで両者の比較を行い,メッセージの内容,メッセージ作成の状況,目的の違いなどを明確にした.そして狭義のリスクコミュニケーションについて分析を行い,目的がー匆馘選択,∩反テ盥膂奸き8朕佑梁崚拱冤討吠類されることを示すとともに,情報セキュリティの狭義のリスクコミュニケーションの目的として,∩反テ盥膂佞離法璽困多いことを示す.あわせて∩反テ盥膂佞里燭瓩肪者らが開発した多重リスクコミュニケータMRCとその改良・拡張版を整理して紹介する.そしてクライシスコミュニケーションについては,組織内の情報共有と,組織間の情報共有があることを示すとともに,組織間クライシスコミュニケーションでは,どの時点でどのような情報をどの組織とやり取りすべきかが重要な課題となることを明確化する.あわせて,情報セキュリティのための狭義のリスクコミュニケーションやクライシスコミュニケーション並びにそれらを統合したコミュニケーションについて残された主要な課題を示す.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2F-2 (時間: 16:10 - 16:30)
Title携帯電話番号の再利用がSMS認証にもたらすリスクに関する調査
Author*後藤 貫太, 榎 竜盛, 木田 伍 (立命館大学 情報理工学部), 菅原 颯真 (立命館大学 大学院 情報理工学研究科), 上原 哲太郎 (立命館大学 情報理工学部)
Pagepp. 298 - 308
Keyword多要素認証, SMS認証, パスワードリカバリ
Abstract情報システムやWeb サービスに対する個人認証は,パスワードのような記憶による認証が主流であ るが,フィッシングによる被害が広がっているため,所有による認証や生体認証などを組み合わせる多要 素認証の必要性が広く認知されるようになった.電話回線の所有による認証として機能し,登録済みの携 帯電話番号に乱数等を送信して認証するSMS 認証は広く利用されている.しかし,携帯電話番号の割り 当て制度や本人確認の手続きは国によって異なり,その運用によりSMS 認証の安全性に影響を及ぼす可 能性がある.本研究では我が国における携帯電話番号割り当て制度に起因する携帯番号の再利用が,SMS 認証に与える影響とそのリスクについてシミュレーションを用いて調査し,定量的な評価する.また,評 価をもとに,携帯電話番号の再利用が与える脅威への対策の検討と,脅威軽減策の提案を行う.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2F-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Title32bitを超えるtime_t型をもつ環境における2038年問題の検出手法の提案
Author*星名 藍乃介 (立命館大学大学院), 穐山 空道, 上原 哲太郎 (立命館大学)
Pagepp. 309 - 318
Keyword2038年問題, ソースコード解析, Clang
AbstractUNIX timeで表現されたタイムスタンプ値が32bit符号付き整数型で定義された場合,2038年1月19日3時14分8秒以降の時刻で整数オーバーフローする. この整数オーバーフローはシステムにさまざまな不具合を引き起こす可能性があり,2038年問題と呼ばれる. 2038年問題への対応として,64bitなどの32bitを超えるデータ型でタイムスタンプ値を扱う対策が一般に知られている. この対策において,タイムスタンプ値のデータ型はデータフローの中で一貫して32bitを超えるよう維持される必要があるが,どこか一箇所でも32bit符号付き整数型で表現されてしまうと,整数オーバーフローを引き起こす可能性がある. また,既存ツールを用いても,このデータ型の一貫性を確認することは困難である. 本研究では,C言語プログラムにおいて,time_t型の値が一貫して32bitを超えるデータサイズになるよう維持されているかを検査するツールを開発した. また,実際に検出ツールを用いて,32bitを超えるデータ型でタイムスタンプ値を定義しているにも関わらず,2038年問題に起因する不具合の可能性があるC言語プログラムが多く存在することを示し,その脅威性について評価する.

2F-4 (時間: 16:50 - 17:10)
Title電子決済システムにおけるセキュリティと利便性の相克に関する調査検討
Author*宮居 雅宣 (学校法人中央大学/研究開発機/決済サービスコンサルティング株式会社), 近藤 健, 佐藤 直, 鈴木 伸治 (学校法人中央大学/研究開発機構), 五太子 政史 (学校法人中央大学/研究開発機構/横浜国立大学大学院環境情報研究院・先端科学高等研究院), 山澤 昌夫, 辻井 重男 (学校法人中央大学/研究開発機構)
Pagepp. 319 - 328
Keyword電子決済, デマネーマネー, キャッシュレス, 真正性, KYC
Abstract2020年1月にWHO(世界保健機関)が宣言したCOVID-19のパンデミック以降,世界で電子的決済サービスが普及している.現金の管理は盗難などの危険性が高く,代替手段が求められていた領域である.欧米では小切手による決済が主流であったが,小切手は業務負荷が大きく処理コストがかかるうえ,パンデミックにより非接触が志向されたことで,デジタル処理によってコストを抑えられる電子決済が台頭した.しかし普及の反面,負の面も顕在化している.安全性の向上は常に喫緊の課題であるが,キャッシュレス決済サービスにおいて用いられている方式は,サブシステムの集合となっている.そのため安全性議論を進める場合,相互の関係と関連するステークホルダーの経済的要請がからみ,多面的且つ相克的関係を紐解く必要があると考えられ,セキュリティ強化と利便性の相克をどうアウフヘーベンしていくのかが問われることになる.当研究ユニットでは,相克関係にある事柄をどう扱うか,と言った視点を強調してきた.ここでも,安全安心な決済システムにむけての検討方向をみいだすべく,決済システムをめぐる現代の状況をまず調査したい.


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セッション 2G  歩行者測位
日時: 2023年7月5日(水) 15:50 - 17:10
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 重野 寛 (慶應義塾大学)

2G-1 (時間: 15:50 - 16:10)
Title歩行特性を利用したスマートフォン階段昇降推定
Author*梶本 大, 佐伯 越志, 鮑 思雅, 戸川 望 (早稲田大学)
Pagepp. 329 - 335
KeywordPDR, 階段昇降
AbstractGPS (Global Positioning System)をはじめとして,我々は日常的に自己位置を推定している.しかし,GPSを利用できない環境の場合,携帯端末のセンサを用いたPDR (Pedestrian Dead Reckoning)等の相対的測位手法が必要となる.特に複雑な屋内空間において,歩行者は水平方向に移動するだけでなく垂直方向にも移動する.このとき,エレベータやエスカレータのように歩行者の揺れや振動が少ない移動手段だけではなく,階段のような歩行者に不規則に揺れや振動が生じる場合にも,正確に垂直方向の移動を推定する必要がある.本稿では,スマートフォンを利用した階段昇降推定手法を提案する.提案手法は,歩行者の歩行特性を利用してフロアの水平部分を検出し気圧センサの誤差を解消することで,高い精度で階段中のフロアを推定する.さらに,気圧センサの値がスマートフォンの姿勢に左右されない特性を利用することで,スマートフォンの姿勢によらない階段昇降推定を実現する.評価実験の結果,提案手法は既存手法と比較して,推定誤差を低減し階段昇降を推定できた.

2G-2 (時間: 16:10 - 16:30)
TitleOFDM信号の位相情報を用いた高精度測距に関する評価
Author*劉 経緯 (電気通信大学), 菊池 典恭 (神奈川工科大学), 久保 信明 (東京海洋大学), 湯 素華 (電気通信大学)
Pagepp. 336 - 341
Keyword歩行者測位
Abstract都市部では,衛星数の不足問題を解決するために,車両や路側機を測位アンカーとして利用し,歩行者の位置を推定する研究が行われてきた.歩行者とアンカー間の距離推定には,受信信号強度に比べより詳細なチャネル状態情報を用いて算出する方法が検討されたが,電波減衰特性に基づくため,時間分解能やマルチパスなどの影響を受けやすく,測距精度が十分でない.本研究では,電波減衰・雑音に強い位相情報に着目し,Vehicle-to-everything(V2X)のOFDM信号の位相情報を用いて距離差を推定する方式に対して,重要なパラメータであるサンプリングレートの影響を調べ,3D地図とレイトレーシングにより,シミュレーション評価を行った.また,テストベッドを構築し,実環境でOFDM信号を取得し,その位相情報を用いることで測距精度が改善できることを示した.

2G-3 (時間: 16:30 - 16:50)
Titleオンライン学習を用いた環境変化に対応する測位方式の検討
Author*吉澤 玲 (電気通信大学 情報・ネットワーク専攻), 湯 素華 (電気通信大学)
Pagepp. 342 - 348
Keyword歩行者測位, オンライン学習
Abstract近年,交通事故防止のため,歩行者が自らの位置を周囲の車両に配信する歩車間通信が注目されている.歩車間通信は,車載のレーダーやカメラと違って,歩行者が建物や他の車などの障害物に隠されていても検知が可能であるが,その効果は歩行者測位の精度に大きく依存する.測位に用いる歩車間距離の推定には,機械学習モデルがよく利用され,学習には事前に収集したCSI(チャネル状態情報)と距離の真値のペアを学習データとして使うのだが,実際にモデルを動かす場合,動かす環境と測距モデルを作成した電波伝播環境が異なるため,そのまま利用すると測距性能が低下するという問題がある.通常,モデルが推測した距離と,距離の真値との差を損失関数として定義し,その値が0になるようにモデルを更新するが,オンライン環境では距離の真値は不明である.よって検討方式では,推測距離と推測角度,車両の位置から仮の歩行者位置を求め,車両・仮の歩行者位置間の距離と推測距離の差から損失関数を定義し,モデルの更新を行う.また,RapLabを用いて銀座周辺の3D建物データで3Dレイトレーシングによる電波伝播シミュレーションを行い,検討方式の有効性を検証する.


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セッション 3A  CN統一セッション
日時: 2023年7月5日(水) 17:30 - 18:50
部屋: メインホール
座長: 井上 智雄 (筑波大学)

3A-1 (時間: 17:30 - 18:10)
Title(招待講演) 共創による社会課題解決
Author中谷 桃子 (東京工業大学)
Pagepp. 349 - 351
Keyword共創, 社会課題
Abstract社会課題を、多様な人々の共創によって解くための方法について、事例紹介する。社会課題解決は、長期のプロセスを必要とし、それぞれの課題に応じて、共創する場、参加者を適切にデザインすることが必要となる。本稿では、乳幼児を育てる親、高齢者、大学生、保育士などさまざまな人を対象にした共創の場を紹介し、その特徴について述べる。社会課題を真に解決することは容易なことではないが、多様な人が出会い、知恵を絞り、新たなものを生み出すプロセスそのもので、小さな成果が生み出されている。そうした共創により生み出されている小さな成果についても述べる。

優秀論文賞 / Paper Awards
3A-2 (時間: 18:10 - 18:30)
Titleマルチモーダル情報に基づく多様な相槌の予測の検討
Author*東 直輝 (日本大学文理学部), 大西 俊輝, 木下 峻一 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 石井 亮, 深山 篤, 中村 高雄 (日本電信電話株式会社 NTT人間情報研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 352 - 358
Keywordマルチモーダルインタラクション, コミュニケーション, 相槌
Abstract対話において聞き手の相槌は,重要な要素の一つである. 適切な相槌を打つことで,対話を円滑に進めることが可能である. これより,対話型エージェントが適切な相槌を打つことができるようになると,ユーザとの円滑な対話が実現すると考えられる. 近年,自然な相槌を打つ対話型エージェントを実現するための研究は多く行われている. これらの研究では,マルチモーダル情報に基づいて相槌の発生やタイミングの予測,数種類(反応,表現,笑いなど)の相槌の生成を行っている. しかし,話し手の発話時のマルチモーダル情報から聞き手の多様な相槌を生成できるのか明らかでない. そこで本稿では対話における話し手のマルチモーダル情報から聞き手の多様な相槌の生成ができるのか明らかにするための検討を行う. 具体的には話し手の発話時のマルチモーダル情報と聞き手の相槌からなるコーパスを作成し,機械学習を用いて話し手の発話から聞き手の相槌を予測する. 先行研究では聞き手の相槌が行われている場合のみに着目したが,本稿では聞き手の相槌が行われていない場合も考慮して相槌の予測を行った. その結果,特徴量としてモダリティを単体で用いるよりも,複数用いることで推定性能が向上することを確認できた.


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セッション 3B  インターネット・Internet of Things
日時: 2023年7月5日(水) 17:30 - 18:50
部屋: 多目的会議室201
座長: 柏崎 礼生 (近畿大学)

3B-1 (時間: 17:30 - 17:50)
Title野生イノシシの生態把握アプリの応答性と可視性の向上
Author*戸松 準貴 (岐阜工業高等専門学校 田島研究室), 田島 孝治 (岐阜工業高等専門学校 電気情報工学科), 廣瀬 康之 (岐阜工業高等専門学校 環境都市工学科)
Pagepp. 359 - 366
KeywordGIS, モバイル, キャッシュ
Abstract本研究では,野生イノシシの生態把握アプリケーションの改良を行った.従来のアプリケーションでは行うことのできなかった,野生イノシシの捕獲情報の分布表示を実現した.また,地図画像を専用サーバへキャッシュすることでの表示速度の向上を図った.捕獲情報の分布表示では,分布情報の計算を日次タスクとして実行しておくことでサーバの負荷向上や応答速度の低下を防ぐ実装とした.地図画像の表示速度の向上を行う際には,連携するGIS との整合性を保ちつつ地図画像のキャッシュや地図画像ファイルの圧縮を行うことで,地図画像の表示速度を向上させた.それぞれのプログラムを作成した後,パフォーマンスの計測を行った.捕獲情報の分布表示プログラムでは,プログラムの適用前後で応答速度に大きな差がないことを確認した.地図画像の表示速度の向上プログラムでは,ランダムに生成した100,000件のパラメータと,実際の操作を元に作成した約16,000件のパラメータを用いてリクエスト完了までの時間や総通信量の計測を行った.ランダムなパラメータを用いた場合には,キャッシュを行わなかった場合と比べて約14.3 %処理時間は減少し,総通信量は約15 %少なくなる結果が得られた.加えて,実際の操作を元に作成したパラメータを用いた場合には約47.9 %処理時間が減少し,この場合,総通信量は3分の2以下に削減された.

3B-2 (時間: 17:50 - 18:10)
Title5G 環境での IoT システムのためのモバイル通信性能の評価
Author*伊藤 千紗 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 367 - 374
Keyword5G, IoT, 性能評価
AbstractIoT 機器から収集された様々なセンサデータをクラウドで蓄積, 解析し, 活用することが期待されている. しかし, モバイル環境にある IoT データの収集では, 各種サービスで要求される通信スループットや通信遅延を維持することができるかが課題となる. また, 高性能なモバイル通信技術として5G の活用が期待されているが, 小規模データが大量に送信されるようなIoT 通信で利用する際の性能特性は明らかではない. 本研究では, IoT 用通信ライブラリを提供する SINETStream を用いて, 5G環境における IoT データ通信性能を調査する. 5GとはLTEをさらに進化させた通信規格であり, 高速大容量, 低遅延, 多数同時接続の特徴を持つ. また, 5G SA(Standalone)は, 4G 用のコア装置を流用する NSA (Non-SA) に対して, 5G 専用のコア装置と基地局装置を使用するものである. 実験から, 5G SAではIoT通信スループットが従来のLTEよりも高くなる多いこと, 通信スループットを高めるにはマルチスレッド通信やデータ圧縮が有効であることを確認した. 一方で, IoT通信のように小規模のメッセージを大量にクラウドに送信するような通信パターンではアップロード帯域で律速され, 広いダウンロード帯域を持つ5Gモバイル通信を有効利用するのが難しいことも示唆された.

3B-3 (時間: 18:10 - 18:30)
TitleAuto Interest Balancing: 共同購入推薦における発案者の影響力に基づく役割係数自動調整
Author*竹内 宙幹, 山内 拓人, 鄭 顕志 (早稲田大学)
Pagepp. 375 - 377
Keyword共同購入, 推薦, 機械学習, グラフ畳み込みネットワーク
Abstractソーシャルeコマースのビジネスモデルである共同購入では, 最初に商品を購入する意思を示す発案者への共同購入の成立しやすい商品の推薦は重要な研究課題である. 先行研究のGBGCNではグラフ畳み込みネットワークを用いて推薦を行う. GBGCNでは推薦の際に発案者と参加者のどちらの興味を予測に強く反映させるか決める役割係数が存在するが, 先行研究ではこの値は一定となっている. そこで,本論文では役割係数を発案者の影響力に基づき決定するAIBを提案し, どれほど良い推薦性能を示すか評価を行った. 結果学習時のデータセットでは最大で5.93% 性能向上したが, テストデータセットでは最大で2.32%性能低下した.


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セッション 3C  ウェアラブルコンピューティング
日時: 2023年7月5日(水) 17:30 - 18:50
部屋: 多目的会議室202
座長: 渡邉 拓貴 (北海道大学)

3C-1 (時間: 17:30 - 17:50)
Title視界の明るさを制御して明暗順応を支援するウェアラブルデバイス
Author*佐藤 宏樹, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 378 - 386
Keywordウェアラブルコンピューティング, Augmented Human, 明暗順応, 支援, 明るさ変化
Abstract人間の目は明るさの変化に対応して感度を調整し,その明るさに順応することで視覚機能を維持する.周囲が明るくなるときの順応を明順応,暗くなるときの順応を暗順応と呼ぶ.しかし,トンネルや建物への出入りのような急激に明るさが変化する場面では,明るさの変化に目の順応が追い付かず視覚機能が低下し事故につながる恐れがある.そこで本研究では,明るさの急激な変化に対応するため,LEDと遮光フィルムを用いて目に入る光の量を制御し,明順応と暗順応を支援するウェアラブルデバイスを提案する.提案デバイスは明順応を支援するために,周囲が明るくなる直前にLEDの光を目に照射して明るさに目を慣れさせる機能と,明るくなると同時に遮光フィルムを用いて明るさの変化を緩やかにする機能をもつ.また,暗順応を支援するために,暗くなる直前に遮光フィルムで目を覆い暗さに目を慣れさせる機能をもつ.各機能による視覚機能の低下を抑制する効果を評価した結果,いずれの支援でも,デバイスによる支援なしと比較して支援ありのときに視覚機能の回復時間が有意に短くなり,視覚機能の低下を抑制できた.

3C-2 (時間: 17:50 - 18:10)
Titleアクティブ音響センシングを用いた指輪型デバイスのための個人認証手法
Author*岩切 俊佑, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 387 - 397
Keywordウェアラブル, 指輪型デバイス, 個人認証, アクティブ音響センシング
Abstract半導体技術の進展やデバイスやセンサの小型化,データ解析技術の発展にともない,腕輪型や指輪型 などのウェアラブルデバイスが広く一般に普及している.タブレットデバイスやスマートウォッチ,ノー ト PC の個人認証方法として顔認証や指紋認証などの生体認証が搭載されているが,ウェアラブルデバイ スには個人認証機能が搭載されていないものが多い.特に指輪型デバイスはほとんどの製品で使用する際 に個人認証を必要としておらず,個人認証を必要とする製品であったとしても指紋認証や指輪型デバイス 以外の端末が認証時に必要である.本研究では,指と指輪型デバイスの接触面にスピーカとマイクを搭載 し,アクティブ音響センシング技術を適用して自動的かつ継続的に個人認証を行う手法を提案する.提案 手法は指輪型デバイスに搭載したスピーカから Sweep 信号を流し,マイクで取得した音響信号の周波数特 性を抽出して,事前に登録された本人の周波数特性と現在の装着者の周波数特性の DTW 距離を計算する ことで,装着者が本人であるかを識別する.提案手法は指輪型デバイスと指が常時接触していること,お よびユーザの各指の形状や組成が固有の音響特性をもつことを利用している.評価実験として,柔軟性を もった圧電素子を 3D プリンタで作成した指輪に固定して作成したプロトタイプデバイスを用いて,自然 な手の状態と手を握った状態の 2 種類の状態において被験者 7 名による評価実験を行った結果,指を自然 な状態にした場合では平均 EER が 0.034 となり,手を握った状態では平均 EER が 0.027 となった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
3C-3 (時間: 18:10 - 18:30)
Title導電糸刺繍の設計パラメータの違いによる抵抗値変化を活用した布変形検出手法
Author*篠田 和宏, 矢谷 浩司 (東京大学)
Pagepp. 398 - 404
Keywordインタラクティブ刺繍, 導電糸
Abstractスマートテキスタイル技術によってセンサを作成する上で,コンピューター制御による刺繍ミシンにより糸密度やピッチなどの設計パラメータを調整することで,導電糸刺繍の抵抗値を制御できることが明らかになっている. そこで本研究では,刺繍の設計パラメータの違いによる抵抗値変化を活用した,布の変形を検出する手法を提案する. これまで,布の柔軟性を活かし,つまむ・折る・曲げるなどの変形検出手法が提案されているが,これらの先行研究は布とセンサ回路基板との接続数の増大などハードウェアの複雑化による耐久性の低下が課題になっている. 本研究では,電極形状ではなく刺繍の設計パラメータの変化により所望の電気的特性を実現することで,布とセンサとの接続数を減らした簡略なハードウェアによる変形の検出を目指す. また,タタミ縫いにおける刺繍の等価抵抗回路モデルの構築により,センサの検出精度向上に役立てる.

3C-4 (時間: 18:30 - 18:50)
Title衣類上の無線電力伝送システムにおける装着時の曲げが及ぼす影響評価
Author*成田 ジュースン (豊橋技術科学大学), 宮路 祐一 (愛知工業大学), 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
Pagepp. 405 - 412
Keyword無線電力伝送, ウェアラブル
Abstract近年,衣類上でウェアラブルデバイスに無線電力伝送を行う研究が行われている.一般にウェアラブルデバイスと衣類では,別々に設計が行われる.そのため,受電側,送電側で異なるコイル形状が組み合わせられる可能性が考えられる.また,動作や姿勢などにより高さ方向,横方向にズレが生じる場合や,コイルに曲げが発生することが考えられる.そのため,ウェアラブルデバイスではそれらの曲げやズレについて考慮する必要がある.そこで本研究では,衣類を介した無線電力伝送において,装着時の曲げやズレに対するコイルの影響を評価し,装着位置ごとに高効率なコイル形状を明らかにした.実験では,人体寸法データを参考にコイルの曲げを曲げ半径2~20cmの範囲で変化させ,伝送効率やズレ耐性をシミュレーションにより評価した.結果から,各部位におけるコイル形状組み合わせのズレなしの効率と高さ方向,横方向のズレ耐性について検討することが可能である.例えば,腕(曲げ半径約4cm)に装着し,ズレが発生しにくい状況では,正六角形同士の組み合わせが94.5%で最も効率が良いことが分かる.また,高効率なコイル形状の検討においては,曲げの大きさはほとんど影響しないということが分かった.


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セッション 3D  マルチメディアシステム
日時: 2023年7月5日(水) 17:30 - 18:50
部屋: 多目的会議室203
座長: 廣森 聡仁 (大阪大学)

3D-1 (時間: 17:30 - 17:50)
Titleアナログ中継局を用いるミリ波セルラシステムの電波伝搬AR可視化システム
Author*大久保 直哉, 中里 仁, 阪口 啓 (東京工業大学)
Pagepp. 413 - 419
Keyword5G, Beyond 5G, AR, 中継局, 可視化

3D-2 (時間: 17:50 - 18:10)
TitleDNSクエリログを活用した国籍判定手法による多言語デジタルサイネージシステムの提案
Author*江口 直輝, 崔 赫秦, 中村 優吾, 福嶋 政期, 荒川 豊 (九州大学)
Pagepp. 420 - 426
KeywordDNSクエリログ, デジタルサイネージ, ユーザ属性
Abstract観光地において訪日観光客が求める情報に合わせて観光案内をするなど,訪日観光客の属性を判別して効果的に情報を発信できるサービスの実現が期待されている. 特に,デジタルサイネージなどの時間に応じて表示コンテンツを変えられる媒体では,イベントや観光情報を周知する手段である言語情報をその利用者に応じて変えることは重要であると考える. これにより多様な地域から集まる観光地において,訪日観光客の国籍ごとに言語を変えることができ,販売促進やイベント周知を効果的に行えるようになる. 本研究では,空港や駅などに設置してある無料Wi-Fiが提供するDNSサーバから取得できるDNSクエリログを用いてリアルテイムに国籍を判定する手法を提案する. 具体的には,DNSクエリログに含まれる問い合わせドメインから,各国を識別するためのドメインであるccTLDや,RIRに基づいて国コードを算出し,それらを特徴量として分析することで実現した. 日本人6人,中国人6人,その他国籍4人に対して評価実験を行った結果,15秒間のクエリログを使用して61%の精度で国籍判定ができることを明らかにした.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
3D-3 (時間: 18:10 - 18:30)
Title全方位カメラによる設備外形を考慮した天井パノラマ画像合成手法
Author*小濱 大輝, 永田 吉輝 (名古屋大学大学院工学研究科), 安武 和成 (株式会社九電工), 浦野 健太, 片山 晋, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
Pagepp. 427 - 435
Keyword全方位カメラ, VSLAM, 天井パノラマ画像
Abstract運用中の建物の天井改修において,天井の現況を示したデータを一から作るには人的・経済的コストがかかる. 安価な全方位カメラで撮影した動画から天井を一様に写したオルソ画像を合成できれば,コストを抑えられる. 本研究では,天井を一様に写す天井パノラマ画像が,忠実に実際の天井を再現できるように,合成時に天井パノラマ画像上の各地点が最も綺麗に写るような合成手法を提案する. また,天井設備種類特定に役立つように,設備外形が破綻なく写ることにも考慮する. 設備外形が破綻なく写された天井パノラマ画像は,設備が1枚の画像から合成されるため, その特徴を確実に捉えられる. 実験では,個室が複数ある約273m²の室内空間で全方位動画を撮影し,データを収集した. 合成したパノラマ画像を精度及び同一設備の合同性の観点で評価したところ,提案手法はベースラインと比較して高精度で,視認性が高いことを確認した.

3D-4 (時間: 18:30 - 18:50)
Title複数ユーザによる全方位インタラクションを可能にする360ロボットハンドシステム
Author*渡辺 圭貴, 林田 望海, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院 工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科, 名古屋大学 未来社会創造機構)
Pagepp. 436 - 442
KeywordRobotic Hand, Virtual Reality, Telepresence
Abstractデジタルツインやメタバース等,空間の種類と量が増大する中で,異なる空間に存在するユーザ間を接続するテレプレゼンス手法は,空間間のコミュニケーションやサービスを向上させるためにより重要となっている. 本論文では,空間間でのコミュニケーションにおいて,360度方向のコミュニケーションに対応した360ロボットハンドシステムであるRHS360を提案する.このRHS360により,サイバー空間上のユーザの位置とロボットハンドの位置整合性を常に担保でき,且つサイバー空間のユーザが空間内の移動にも対応してロボットハンドを再配置できる.これにより,ロボットハンドを用いてジェスチャーを含むコミュニケーションを行えるだけでなく,コミュニケーションにおいて重要とされるソーシャルキューの提供を行う.また,ユーザ調査を行い,ロボットハンドの移動を見たユーザから相手の思考を読み取りやすさの向上,親密度の上昇という結果が得られ,提案手法による異空間間コミュニケーション体験の向上を示した.


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セッション 3E  農業センシング
日時: 2023年7月5日(水) 17:30 - 18:50
部屋: 多目的会議室204
座長: 岡部 寿男 (京都大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3E-1 (時間: 17:30 - 17:50)
Title植物状態を考慮した低段密植養液栽培トマト向け灌水制御の検討
Author*足立 量 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 小池 誠 (静岡大学大学院自然科学系教育部情報科学専攻), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/グリーン科学技術研究所)
Pagepp. 443 - 448
Keyword機械学習, 農業, マルチモーダル
Abstract高糖度トマトを栽培する水ストレス栽培において,適度なバランスの水ストレスを与えるための灌水(水やり)管理が重要である.栽培中のトマトに適度な水ストレスを意図的にかけることで果実の糖度を高めることができる.しかし,糖度を向上させつつ水分不足による生理障害の発生を抑えるには,植物体内水分に応じて水ストレスの過不足が少なくなるような灌水タイミングに調節する必要がある.現状この調整は,水ストレス栽培を熟知した農家の勘や経験に頼っており、経験が浅い新規就農者にとっては困難な作業となっている.近年の国内の農業分野における従事者の高齢化と就農者人口の減少もあり,高糖度トマトをはじめとする高品質な農作物を栽培する技術の喪失が懸念されている.したがって,就農者が減少するなかで,今後も安定して高品質なトマトを栽培していくためには,経験が浅い新規就農者であっても適切な調整が可能な手法が求められている.本研究では,画像フレーム間において物体の動きをベクトル化したOptical Flowを用いて植物の萎れを定量化して水ストレス指標として扱い,適切な灌水制御を自動的に行う技術の確立を目指す.まずは,植物体内水分を考慮した水ストレス指標sigma_wiltを確立し,sigma_wiltに対して高精度な推定が行えるモデルを作成した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3E-2 (時間: 17:50 - 18:10)
Title時系列栽培データ収集システムの開発
Author*島田 拓人, 海老沢 源 (静岡大学情報学部情報科学科), 小池 誠 (静岡大学大学院自然科学系教育部情報科学専攻), 小川 晋 (株式会社大和コンピューターi農業開発部), 野村 裕一郎 (静岡大学学術院情報学領域), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/グリーン科学技術研究所)
Pagepp. 449 - 456
KeywordIoT, 生育管理, 農業センシング
Abstract農作物の生育情報は農作業の評価や効率化に不可欠だが,労働力の減少により収集が困難になっている.この問題を解決するため,栽培のための環境制御や労務の自動化や効率化を行う自立移動可能な無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle: UAV)や無人陸上車両(Unmanned Ground Vehicle: UGV)を使った方法が提案されたが,個々の作物の状態を把握するのは難しいといった課題がある.本研究では,温室メロンを対象として,個々の株の外観,果実表面画像,茎径,果実径,環境データを自動で収集するデバイスPiNode2の開発を行った.またPiNode2を作成した農場内ネットワークへ接続し,クラウド側のDBのネットワークと通信することでデータの収集と管理を遠隔で行うシステムを開発した.開発したシステムを用いてマスクメロンの栽培データを収集し分析することによってマスクメロンの栽培時の生育把握に用いられる葉の萎れや生長点の揺れ,網目の形成などの細かい変化を捉えることが可能であることを確認した.これらの栽培特徴データから環境データを分析することで,環境制御へのフィードバックも可能であることを確認した.


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セッション 3F  個別適合
日時: 2023年7月5日(水) 17:30 - 18:50
部屋: 特別会議室
座長: 横窪 安奈 (東京大学大学院)

3F-1 (時間: 17:30 - 17:50)
Title対話相手の個人性を考慮した対話評価手法に関する検討
Author*松尾 和哉, 大塚 淳史, 西田 光甫, 石井 亮, 杉山 弘晃, 水上 雅博, 有本 庸浩, 野本 済央, 深山 篤, 中村 高雄 (日本電信電話株式会社)
Pagepp. 457 - 464
KeywordAI, NLP, 対話分析
Abstractマッチングサービスにおける初対面の相手とのテキストチャットを事前に練習できるシステムの実現を目的とし,初対面対話において話者が互いに感じた印象を推定できる手法を提案した.具体的には、話者の個人性とその話者が行った対話の履歴を基に,事前学習済みモデルをファインチューニングし,当該話者が対話相手に感じた恋愛尺度の対話前後での変化量を予測する回帰モデルを構築した.さらに,このモデルの学習に用いたデータセットの1割をテストデータとしてモデルの性能を調査し,チャンスレベルより高い精度で推定できることを示した.

3F-2 (時間: 17:50 - 18:10)
Title温熱快適性の個人差に関する生理学的解析
Author*本多 一騎, Tahera Hossain, 川 勇佑, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
Pagepp. 465 - 474
Keywordウェアラブルコンピューティング, 熱中症, 温熱快適性, ヘルスケア
Abstract厚生労働省によると,熱中症による死者数は年々増加傾向にある.特に,高齢者の割合が大きく,2010年以降熱中症による死者数のうち,約80%が高齢者であった.本研究では,ウェアラブルセンサから得られる生理指標を用いて熱的快適性の推定,また性差や年齢差を考慮した際の推定精度への影響を,評価指標を用いて評価する.Nkurikiyeyezuらは心拍変動指標から,人の熱的快適性(暑くて不快・寒くて不快・快適)を最大93.7%の精度で予測可能であると示した.また,思春期以後の男女では体温調節の過程に明確な違いが現れることや,65歳以上の高齢者は65歳未満と比較して,入院率は有意に高く(p<0.001),入院期間も有意に長期となった(p<0.001)ことが報告されている.本研究では4つの温湿度環境と3つの活動を被験者に実施した.また,実験中被験者からはE4リストバンドを用いて脈拍情報を取得した.5分割交差検証の結果,F1値に関して,どのデータセットに対してもExtra Treeが最も高い結果となった.分類モデルの比較でのF1値に注目すると,個人差を考慮しないデータセットで学習した結果,Extra Treeが最大で36.65%であったのに対し,男性のみのデータセットにおいては 39.43%,女性のみのデータセットにおいては38.60%,50歳未満のみのデータセットにおいては37.12%,50歳以上のみのデータセットにおいては40.11%となり,個人差を考慮しないデータセットのF1値よりも高い結果となった.

優秀論文賞 / Paper Awards
3F-3 (時間: 18:10 - 18:30)
Titleユーザの時間選好を考慮したメッセージ提示が健康行動に与える影響
Author*山本 修平, 赤木 康紀, 冨永 登夢, 瀧本 祥章, 倉島 健 (日本電信電話株式会社 NTT人間情報研究所), 戸田 浩之 (横浜市立大学 データサイエンス学部)
Pagepp. 475 - 485
Keyword行動変容, 健康行動, 時間選好
Abstract健康行動の意思決定は,将来の健康による利益と現在の治療に関わる労力を比較検討する異時点間選択の問題である.この問題は,人の持つ時間選好と密接に関係している.現在の価値を重視する時間選好の強い人は,現在の利益を過大評価し,将来の利益を過小評価することが多い.このような意思決定バイアスによる不健康な行動を防ぎ,さりげなく好ましい方向に誘導する介入が社会に導入されつつある.本研究では,健康としての利益を受け取るまでの時間を強調したメッセージ提示が,個人の時間選好の強さに応じてどの程度健康行動を誘発し持続できるか調査する.メッセージは,健康行動を実行することですぐに健康を実感できる小さな利益(即時報酬),また健康行動を長期的に継続することで得られる大きな利益(遅延報酬)を強調したものを採用した.197名の実験参加者に対して4週間に渡るメッセージ提示実験を実施し,コントロール群,リマインド群,即時報酬群,遅延報酬群の健康行動の達成状況を比較した.この結果,個人の時間選好の強さに応じて,即時報酬と遅延報酬メッセージを提示しわけることで,より効果的に健康行動を誘発し持続できることを明らかにした.

3F-4 (時間: 18:30 - 18:50)
Title「理想のフォームの自分」を参照したトレーニングに向けた Motion Transfer の適用可能性の検討
Author*高島 穂高, 三上 弾 (工学院大学)
Pagepp. 486 - 489
Keyword運動学習, 模倣, Motion Transfer, 映像合成, 動作合成
Abstract動作の習得にあたり,理想のフォームを模倣することは多い.模倣の対象が練習者自身でない場合,フォーム以外の違いの影響で模倣しにくくなることがある.本研究では,Motion Transferの技術を用いて理想のフォームをしている自身の動きを合成することで模倣対象と練習者との差異を減らし,フォームの差を分かりやすくすることを目指す.本稿の範囲では,野球のピッチング動作を対象とする.実験では,参照対象をプロ野球選手の投球動画とした場合と,参照対象を同じプロ野球選手の投球動作をMotion Transferにより練習者自身に付与した場合とで練習のしやすさに違いがあるかを検証した.同時にコーチなど指導者にとって動作の差の分かりやすさに違いがあるかを検証した.


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セッション 3G  センシング・旅行計画・地図サービス
日時: 2023年7月5日(水) 17:30 - 18:50
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 屋代 智之 (千葉工業大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
3G-1 (時間: 17:30 - 17:50)
TitleACOによる時間変化に対応した旅行計画最適化手法
Author*佐伯 越志, 鮑 思雅 (早稲田大学), 高山 敏典 (ゼンリンデータコム), 戸川 望 (早稲田大学)
Pagepp. 490 - 503
KeywordACO, 旅行計画, API
Abstract観光産業の振興と情報科学技術の発展によって,ユーザの旅行計画を補助する技術の開発が進んでいる. 旅行計画では,人気度や費用など複数の目的関数を同時に最適化することで,ユーザが満足する経路を生成する必要がある. さらに,ユーザに旅行の詳細な情報を与え,ユーザが行動しやすい旅行経路を生成するには,時間依存で変化する移動時間や観光地の価値を考慮するべきである. 例えば,移動に公共交通機関を利用する場合,時刻表や移動経路によって出発時刻に依存して移動時間が変化する. 観光地の価値についても,夜景が綺麗な観光地や,イベントを開催する観光地,営業時間の存在など,訪問時間によって価値が変化する. 本稿では,旅行計画における時間変化する価値を考慮し,複数の目的関数を最適化できる,時間依存多目的旅行計画問題最適化手法を提案する. 提案手法は,蟻コロニー最適化において複数の目的関数を異なる重みで考慮する蟻を設定し,フェロモンに時間属性を付加することで時間依存多目的旅行計画問題を解法する. 特に,タイムスタンプ付きの過去のユーザの旅行履歴を利用することで時間依存の観光地の価値に対応し,詳細経路API を利用して時間変動する移動時間に対応する. その上で,詳細経路API 利用時の応答時間の増加を想定し,API 呼出回数を削減する工夫を導入する. 評価実験により,提案手法は既存手法に対し,より時間変化する価値を最適化した旅行経路を生成した.

3G-2 (時間: 17:50 - 18:10)
Title最小シュタイナー木に基づく施設間の移動を考慮した道路総描手法
Author*小林 勇揮, 金 鎔煥, 山本 大介 (名古屋工業大学)
Pagepp. 504 - 511
Keyword地図, 略地図, シュタイナー木
Abstract観光案内図のように,目的のために一部の情報を省略・デフォルメ化した地図をイラストマップという.一般に,地理的に正確な地図よりデフォルメ化された地図の方が地図利用者にとって分かりやすい場合が多い.一方で,Google Maps のような Web マップサービスでも,アイコンを用いて地図上に施設を表示することができる.しかしながら,Web マップは既成の地図上に施設情報を表示するのみであるため,必ずしも分かりやすい地図であるとはいえない.我々は,ユーザの要求に応じたイラストマップを動的に生成するWeb マップの実現を目的とした研究を行ってきた.目的実現のための手順の一つに,描画する道路を間引く「道路総描」という手法がある.本論文ではこの手法に着目し,地図利用者が注目する施設に応じて動的に重要度の高いストローク (道なり道路) を選択する手法を提案,実装した.提案手法は,注目施設までの経路を生成する道路総描システムを実現するため,階層化ストロークネットワークに基づく道路総描を行い,下位層では最小シュタイナー木の近似を用いて経路生成を行った.評価実験の結果,提案手法は従来手法と同程度の性能を保ちつつ,高速に実行可能な道路総描手法であるといえる.

3G-3 (時間: 18:10 - 18:30)
Titleテーマパークでの利用を想定したイラストマップにおける経路描画手法
Author*古田 優衣, 金 鎔煥, 山本 大介 (名古屋工業大学)
Pagepp. 512 - 519
Keywordwebマップサービス, イラストマップ, 経路案内
Abstract近年,Google MapsやYahoo!地図などのWebマップサービスが普及しており,周辺施設の検索や目的地までの経路案内などが可能になっている.また,観光地やテーマパークでは,視覚的に捉えやすいイラストマップが積極的に利用されており,Webブラウザでの閲覧も可能である.これらの点に着目して,本研究室では実際の地図とテーマパークのイラストマップを同時に表示する「虫めがね de 愛・地球博」というマップシステムを提案してきた.しかし,従来システムでは登録施設の位置情報を確認できるものの,施設までの経路案内をする機能が備わっていない.また,従来システムで経路探索を行う際には,テーマパーク内で自動車が常時通行しないことや経路の選択基準に起因して,Uターンなどを含んで遠回りをする経路が表示される問題があった.そこで,本研究では歩行者が自由に道を横断できることを考慮した経路を探索し,遠回りをしない経路を選択,そしてイラストマップと実地図上に経路を描画するシステムを提案する.また,提案システムに基づいてプロトタイプシステムを作成し,描画された経路の優位性や視認性に関する評価実験を行った.実験の結果,提案システムで描画された経路の平均総距離は,従来システムと比較して45%ほど短くなり,視認性も向上したことが分かった.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3G-4 (時間: 18:30 - 18:50)
Title即時性と観測精度を考慮した高精度衛星測位を用いた地すべり監視システムの提案
Author*瀬川 佳祐, 宇佐美 拓真 (静岡大学 大学院総合科学技術研究科 情報学専攻), 曽根 卓朗 (静岡大学 創造科学技術大学院 情報科学専攻), 木谷 友哉 (静岡大学 学術院情報学領域)
Pagepp. 520 - 528
Keyword地すべり, GNSS, RTK, モニタリング, センシング
Abstract近年,集中的な豪雨や人為的な土木工事の影響で地すべりによる被害が問題となっている.地盤伸縮計のような従来の地すべり監視技術では,変位の監視を高い空間分解能・時間分解能で行うことができるが,監視可能な範囲が狭いことや地割れ等の地すべり兆候が発生しないと観測が開始できない問題点が存在する.我々の研究チームでは,広範囲な地すべりを早期から監視することを目的として,高精度衛星測位を用いた地すべり監視手法の研究を進めている.本論文では,速報値と確定値を用いたシステム運用をすることや2つの観測ウインドウで測位使用衛星を統一することで,変位検知の即時性と観測精度を考慮した地すべり監視システムの提案を行う.実フィールドでの評価実験の結果から,速報値と確定値の併用によって即時性と観測精度を両立できること,測位使用衛星の統一によって速報値の標準偏差が水平方向で最大0.9mm,垂直方向で最大1.7mm向上することが確認できた.



2023年7月6日(木)

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セッション 4A  CSEC/SPT統一セッション:セキュリティ
日時: 2023年7月6日(木) 9:15 - 10:35
部屋: メインホール
座長: 島岡 政基 (セコム株式会社)

4A-1 (時間: 9:15 - 9:55)
Title(招待講演) IoT機器のサプライチェーンセキュリティ:ソフトウェア解析・開発者調査双方の視点から
Author秋山 満昭 (NTT社会情報研究所)
Pagep. 529

4A-2 (時間: 9:55 - 10:15)
Title移動経路に基づく個人認証方式に関するフィジビリティ検証
Author*冨田 清次, 小林 良輔 (東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センター), 佐治 信之 (株式会社コードノミー/株式会社インフォコーパス), 山口 利恵 (東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センター)
Pagepp. 530 - 537
Keyword個人認証, 移動経路
Abstractインターネットサイトやスマートフォンアプリのサービスを使用する際の利用者認証の強化に向けて認証の高度化が重要となっており,パスワードなどの単一要素ではなく,複数の認証要素を組み合わせた,よりセキュリティレベルの高い認証である多要素認証が注目されている. 認証要素として個人の「行動」の分析に基づく行動認証として,特に個人の日常的な活動における移動の特徴をもとに認証を行う移動経路に基づく認証方式について考察する.認証方式の実現に向けて,特に認証の判断ロジックのフィジビリティに関して,2021 年に実施した「ライフスタイル認証」実証実験において実際に被験者のスマートフォンから取得した位置情報をもとに検証を実施sした.

4A-3 (時間: 10:15 - 10:35)
Title画像と視線入力装置を用いたユーザ認証方式の提案
Author*金井 秀真, 安浪 巧 (神奈川工科大学 情報学部), 油田 健太郎, 岡崎 直宣 (宮崎大学 工学部), 朴 美娘 (神奈川工科大学 情報学部)
Pagepp. 538 - 543
Keywordユーザ認証, 画像認識, 視線入力, アクセス制御
Abstract本人認証として4桁のPIN番号や,指先で点を結んで描くパターン認証,英数字や記号などを用いたパスワード認証など「簡単な認証」を用いる場合がある.これらは,運用性や利便性が高い一方,ブルートフォース攻撃や,覗き見攻撃に弱いなどの課題がある.また,手の不自由な人にとってはPIN認証やパスワード認証,パターン認証などの方式では認証が難しい.これらの問題点を改善する方式として,視線認証がある.視線認証は,あらかじめ与えられた文字や記号などを視線で描画し,その軌跡情報から得られる特徴を用いて個人を判別する.視線認証は認証動作を第三者から観測されにくいため,覗き見攻撃やサーマルアタック,スマッジアタックなどの攻撃に強いが,認証成功率が低いことや,認証に時間がかかってしまうなどの欠点もある.そこで本研究では,手の不自由な人にも簡単な認証方式,さらに新型コロナウィルス感染拡大の懸念から非接触型認証方式の実現を目的とする.また,ユーザの記憶負担の軽減及び第三者による覗き見や録画攻撃への耐性を目的として,画像をパスワードとして視線だけで入力できる認証方式を提案する.パスワード画像は,画像のカテゴリの中から一枚ずつ選択し,認証時には各カテゴリの画像を視線だけで見つめるとともに,簡単な直線などを描くことで本人の特定が可能な個人認証方式を提案する.また,提案方式の有効性を確認するために,モバイル端末に実装し評価実験を行う.実験では,提案の視線認証を行ってもらい認証時間, 認証成功率, ユーザビリティの比較アンケートを実施した. なお, 注視時間は約2秒である. 結果として,平均認証時間は16.5秒, 認証成功率は97.33%となった.


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セッション 4B  クラウドコンピューティング
日時: 2023年7月6日(木) 9:15 - 10:35
部屋: 多目的会議室201
座長: 阿部 博 (トヨタ自動車株式会社)

4B-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Title複数環境でマイクロサービスを共用するためのプロトコル非依存なコンテクスト伝播
Author*尾上 寛弥, 小谷 大祐, 岡部 寿男 (京都大学)
Pagepp. 544 - 555
Keywordマイクロサービス, コンテクスト伝播, テスト環境
Abstractマイクロサービスアーキテクチャに基づいて設計されたシステムでは、テスト、ステージング、デバッグ、プレビューのために本番環境を模倣した環境を複数展開する必要がある。多くの環境を展開しながらリソース消費を抑えるには、複数環境で共通するマイクロサービスを共用することが有効である。既存手法ではHTTPやgRPCなどのアプリケーション層プロトコルを拡張して、環境識別子を含むコンテクストを伝搬しリクエストを振り分ける。しかしマイクロサービスはMySQL, Redis, Memcached, AMQPなどの他のプロトコルも利用しており、それぞれのプロトコルを拡張するためには実装に多くの労力を必要とする。本研究では、アプリケーション層プロトコルに依存せずにコンテクスト伝播とリクエスト振り分けを行うシステムを提案する。本システムは、TCPバイトストリームの先頭にコンテクストを追加することでアプリケーション層プロトコルを解釈することなくコンテクストを伝播するプロトコルと、そのプロトコルを用いてリクエストを振り分けるプロキシからなる。プロトコルはシステムへの計装を可能な限り容易にするように設計されている。本提案によってリソース使用量を削減できること、プロキシの通信遅延が実用的な範囲に収まること、アプリケーション層プロトコルに依存せずに複数環境でのマイクロサービス共用が可能であることを示した。

4B-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Titleクラウドのサービス構成管理の検証プロセスにおいてCIのギャップの特定を即座に行う手法の提案
Author*宮下 剛輔 (さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所/京都大学大学院情報学研究科), 鶴田 博文, 松本 亮介 (さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所), 小谷 大祐, 岡部 寿男 (京都大学学術情報メディアセンター)
Pagepp. 556 - 564
Keywordクラウドコンピューティング, ITIL, サービス構成管理, Infrastructure as Code
AbstractInfrastructure as Codeを実装したクラウド用Configuration Management System(CMS)は,管理対象Configuration Item(CI)の数が多くなると,CIの最新の状態を取得するのに時間がかかり,CMSの実行時間が長くなる.クラウドサービスプロバイダが提供する監査ログを監視し,CMS外からの変更が発生していることを検知できれば,その変更内容をCMSが持つConfiguration Management Database(CMDB)に反映することで,CMDBが保持しているCIの状態が,常に最新の状態を反映している,という状況を維持することができる.これをキャッシュとして利用することで,CIの最新の状態を取得する時間を短縮できる.しかし,監査ログの特性により,監査ログ上のCIとCMDB上のCIを単純なルールで対応づけるのが難しいクラウドサービスプロバイダが存在する.これを解決するために,監査ログ上のCIの情報とCMDB上のCIの情報間の文字列の類似度を算出することによって,監査ログ上のCIとCMDB上のCIを対応づけるためのルール生成を支援する手法を提案する.評価の結果から,ルール生成を支援する手法として一定の性能が出ることを示した.また,CMS外からの変更発生の検知を効率よく行うために必要な監査ログの要件という観点から,主要なクラウドサービスプロバイダ毎のログの特性の違いを整理した.

4B-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Titleエッジクラスタを用いたレイテンシに敏感なFunction-as-a-Serviceにおける過負荷時の応答時間について公平なリソース割当
Author*池田 匠, 山内 拓人, 鈴木 絵理 (早稲田大学), 鄭 顕志 (早稲田大学/国立情報学研究所 (NII))
Pagepp. 565 - 567
KeywordFaaS, サーバーレスコンピューティング, エッジコンピューティング, 仮想化, リソース割当
AbstractFaaSには通信遅延の問題があるため,リアルタイム性が重要なシステムでの採用が難しい.Wangらの提案したLaSSはエッジクラスタで処理を行い,事前にコンテナを作成することで待ち時間を削減する手法であるが,過負荷時におけるCPUリソース割当においては応答時間について公平でない課題があった.本論文では,要求CPUリソースを指標として用いた応答時間について公平なリソース割当手法を提案する.LaSSとの比較実験を行い,応答時間の分散が79%減少したことから,有効であることが示された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
4B-4 (時間: 10:15 - 10:35)
Title突発的なWebトラフィックの増減に適応するfuzzy entropyを用いたオートスケーリングシステム
Author*横山 尚弥, 田中 清史 (北陸先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 568 - 581
Keywordクラウドコンピューティング, コンテナ型仮想化, Fuzzy Entropy, バースト検知, 負荷推測
AbstractEコマースサービスなどをクラウド上で提供する際に, サービスレベルを一定に保つ一方でコストをなるべく抑えたい場合, 不規則に増減するトラフィックに併せて提供するサーバ資源量を変化させる必要がある. 過去の時系列データから将来生じる負荷を予測する研究は数多くあるが, 急激に増減するバーストトラフィックに対して必要なサーバ資源を提供することは困難である. 既存の自動スケーリング手法では, 直近の負荷に加えバーストトラフィックを考慮し, 近未来に必要なサーバ資源を提供している. 本稿ではfuzzy entropyを用いたバーストトラフィック検知, および動的なウィンドウサイズ変更を伴うスライディングウィンドウ学習に基づくトラフィック予測法を提案し,さらに複数の負荷指標に対する決定回帰木を適用する新たなオートスケーリングシステムを提案する.実トラフィックを用いた4つの比較実験を行った結果, 提案手法がベースライン手法と比較してリクエスト失敗数を減少させ,理想的なコンテナ数の推移との平均二乗誤差(Mean Squared Error, MSE)が平均26.4ポイント改善した.


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セッション 4C  推定技術(行動)
日時: 2023年7月6日(木) 9:15 - 10:35
部屋: 多目的会議室202
座長: 前川 卓也 (大阪大学)

4C-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Title四肢麻痺患者の意思疎通サポートに向けた無線センシングによる頭部モーション推定
AuthorMarwa R. M. Bastwesy, 甲斐 貴一郎 (九州大学大学院システム情報科学府), *崔 赫秦, 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院)
Pagepp. 582 - 588
KeywordWi-Fiチャンネル情報, 頭部センシング, 機械学習, 四肢麻痺, 信号処理
Abstract近年,ユーザーデバイスフリーのヒューマンセンシング技術の研究が飛躍的に進み,行動認識からバイタルサインモニタリングまで,様々なアプリケーションを実現することができるようになっている.本論文で我々は,四肢麻痺患者の意思疎通スポートのための頭部センシングシステムを提案する.Wi-Fiのチャネル状態情報(CSI)を活用し,CSIの時間-周波数特徴に基づき,多人数環境での正確な認識精度を保つ頭のうなづきモーションの検出やヘッドモールスシステムを実現する.本システムは,データ収集,データ前処理,インセプションモデルに基づく学習部の3つの段階にて構成される.小型のESP32ノードで収集したCSIとそのスペクトログラムをもとに,頭の動き検出を行うようモデルを学習し,2つの異なるセッションで収集された4つの異なるデータセットでシステムの性能を評価した.その結果,本システムは95%以上の頭部モーション推定精度を達成し,システムの実現可能性を明らかにした.

4C-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title加速度センサから収集した人間行動データのサンプリング周波数推定手法
Author*河野 日生, 岡本 真梨菜, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 589 - 596
Keyword加速度, 周波数推定, 機械学習, サンプリング周波数, Transformer
Abstract加速度センサから得られる3軸加速度データは様々な分野に応用されており,加速度データの処理にはデータの取得状況に関する情報が必要である. そのうちサンプリング周波数はセンサデータ取得時に指定するため,取得されたデータとともに明示的に与えられるか,タイムスタンプから推定されることが一般的である. しかし,タイムスタンプが存在しなかったり,欠損していたりする場合や,悪意ある者によって偽装されている可能性が想定される. よって,センサデータを利用する時点においてサンプリング周波数を確認する必要があると考える. 本論文では,3軸加速度センサの時系列データのみからサンプリング周波数を推定する手法を提案する. 提案手法では,静止区間を除去した3軸合成加速度から各時刻の合成値とその次の時刻の合成値の差分の絶対値を算出し,ヒストグラムを作成する. 作成したヒストグラムを説明変数,サンプリング周波数を目的変数としてTransformerをベースにした回帰型機械学習モデルを構築し,予測を行う. 筆者らが取得したデータを用いて本提案手法を評価すると,予測の平均絶対誤差は1.311となった. また,HASCコーパス2014の歩行データを用いた場合,予測の平均絶対誤差は0.744となった. よって本提案手法は加速度センサから収集した人間行動データのサンプリング周波数の推定に有効であると考えられる.

4C-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title視界映像の一般物体認識による予測変換候補の推定システムの設計と実装
Author*柴田 拓磨, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 597 - 604
Keyword一般物体認識, 予測変換, ウェアラブルカメラ
Abstract現在普及している予測変換では,ユーザ自身の入力履歴や入力内容の文脈をもとに変換候補が提示される.日常生活において,視界に入ったものについて検索や会話をすることはよくあり,視覚情報はユーザの文字入力に影響を与える.よって,視覚情報に関連した単語を予測変換候補とすることで,従来手法では推薦されない単語や文字列を推薦できるようになると考えられる. そこで本研究では,ユーザの視野内の光景から入力されやすい単語を抽出し,予測変換候補として提示するシステムを提案する.提案システムでは,まずユーザの視界映像をウェアラブルカメラで取得し,取得した映像を入力用端末で一般物体認識にかけて物体検出を行う.検出した物体のリストは「物体の画像内における大きさ」や「物体が映像内にある時間」など,入力に影響を与えると考えられるパラメタを基準にソートし,優先度の高い物体名を予測変換の候補として提示する.予備調査では,画像に占める物体の大きさと物体が映像に映っている時間が予測変換候補を選択するためのパラメタとして適切であるかを確かめた. 調査の結果,画像に占める物体の大きさが2×10^5 px以上で,映像内にある時間が5秒以上30秒未満の物体は入力されやすいことが示唆された.この結果をもとに,視界映像を常時分析することで入力されやすい単語を抽出し,予測変換候補として提示するアプリケーションを実装した.

4C-4 (時間: 10:15 - 10:35)
Title図書館散策中の一人称視点映像に基づいた書籍に対する興味推定
Author*新 大実 (公立はこだて未来大学大学院), 角 康之 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 605 - 610
Keyword図書館, 情報探索行動, 一人称視点映像, 視線計測, 興味推定
Abstract本研究では,物理的な図書館における情報探索行動を一人称視点映像として記録することにより,映像中のシーンテキストを手掛かりとして,ユーザの潜在的な興味を推定する手法を検討する.曖昧な情報要求を満たすために図書館内を散策する利用者と環境とのインタラクションは,利用者の潜在的な興味に作用されると考えられる.物理的な棚に配架された本と外界とのインタフェースとしての背表紙において,書誌情報を提供する背文字は利用者の情報選択における重要な手掛かりである.そこで本研究では,身体装着型カメラとウェアラブルな視線計測装置を装着したユーザが図書館を散策すると,映像中のシーンテキストを手掛かりとして,ユーザにとって興味のある単語を抽出する手法を検討する.本手法では,一人称視点映像の視点周辺部から認識されたテキストの検出時間に基づいて,単語の特徴度を計算する.ユーザの貸出履歴の書誌情報から抽出した出現頻度ベースの特徴語との相関関係を分析することによって,検討手法の性能を評価した.評価の結果,一人称視点映像に基づいた特徴語と貸出履歴に基づいた特徴語の間にはほとんど相関関係が見られなかった.


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セッション 4D  システム制作
日時: 2023年7月6日(木) 9:15 - 10:35
部屋: 多目的会議室203
座長: 山本 大介 (名古屋工業大学)

4D-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Title地理空間情報を用いた三次元再構成のための最適撮影計画手法の提案
Author*山 賢人, 岡原 浩平, 峯澤 彰 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所)
Pagepp. 611 - 616
Keywordview planning, structure from motion

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4D-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title民族学博物館の展示物に興味を惹きつけるためのデジタルコンテンツの制作
Author*米田 さやか, 片山 あず美, 山本 千鶴, 尾澤 諒, 相原 昌喜, 篁 知樹, 水野 慎士 (愛知工業大学)
Pagepp. 617 - 622
Keywordデジタルコンテンツ, 博物館, CG, インタラクション
Abstract本研究では,愛知県犬山市にある民族学博物館「リトルワールド」で展示するための2つのデジタルコンテンツの開発を行った.民族学博物館の展示物は日常生活道具,衣装や仮面などの物品の他,文字や言葉,祭礼儀式,食事などに関する映像や模型などが多く,一般の美術展示品と異なり見るだけでは価値が伝わりづらいものが多い.そこで,本研究では展示物を仮想的に体験できる「ラスコー洞窟デジタル壁画」と「仮面バーチャル装着体験」というコンテンツの提案と開発を行った.コンテンツを実装して展示したところ,リトルワールドの来場者と学芸員のいずれからも高い評価が得られた.

4D-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title現実世界のゲーム体験を拡張する麻雀インタラクション
Author*加藤 拓也, 中野 雄太, 堤 日向, 長谷川 達人 (福井大学大学院)
Pagepp. 623 - 632
Keyword麻雀, インタラクション, プロジェクションマッピング, 物体検出
Abstract近年,実際の牌を用いた麻雀(対面麻雀)だけでなく,スマートフォンを用いてオンラインで麻雀ができるアプリ(アプリ麻雀)も普及している.本研究では,対面麻雀の点数計算をプレイヤーが行う必要があるという問題を解消するとともに,ゲーム体験を拡張することを目的として,対面麻雀にアプリ麻雀の「点数の自動計算」と「演出」を取り入れたシステム「Projection Mahjong」を提案する.深層学習を用いた物体検出により,プレイヤーの牌を認識することで点数の自動計算を実現し,プレイ中や点数計算結果の表示の際にプロジェクションマッピングとサウンドを追加することで,アプリ麻雀の利点である演出を対面麻雀に実現する.手牌の検出精度を評価する実験を実施した結果,約96%の精度で牌の検出が可能であることを確認した.また,8人の被験者を対象に3種類(対面麻雀,アプリ麻雀,Projection Mahjong)の環境で麻雀を行う実験を実施した結果,提案手法では対面麻雀の利点であるコミュニケーションの取りやすさや卓以外の情報を活用したプレイをより引き出すことを確認した.

4D-4 (時間: 10:15 - 10:35)
Title認知症予防を意識したサイコロ型ビンゴゲーム「サンコロビンゴ」の提案
Author*溝渕 彩久良, 鈴木 浩 (神奈川工科大学 情報メディア学科)
Pagepp. 633 - 638
Keyword認知症予防, シリアスゲーム, Arduino
Abstract医療技術が発展するにつれ平均寿命は延び,我が国は超高齢社会に突入した.しかし未だ平均寿命と健康寿命との差は男性で約8年,女性で約12年ある.日本の高齢者は人生の締めくくりの10年を自立して生活ができていない状態にある.高齢者が介護を要する主な要因に認知症があり,今後も認知症患者は増加すると予測されている.認知症は様々な理由で脳細胞が正常に機能しなくなる脳の病気である.発症することで記憶や判断力の障害が起こり,日常生活にも支障をきたすが,認知症は対策をすることで発症を遅らせられる可能性がある.認知症の主な予防策として,脳トレ,適度な運動,コミュニケーションが有効であるとされている.さらにこれらの予防策は継続的に行うほど効果的である.したがって認知症予防の3要素をゲームとして取り入れることで,高齢者がモチベーションを維持し続けながら認知症の対策に取り組めるようになるのではないかという仮説を立てた.そこで筆者らは,計算,大きなサイコロを動かす,対戦といった要素を取り入れ,高齢者が楽しく認知症予防を行えるようなサイコロ型ビンゴゲーム「サンコロビンゴ」を提案する.本論文では開発したシステムのコンセプトと実装した2種類のプロトタイプを説明するとともに,本システムを展示して得られた知見について述べる.


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セッション 4E  システム性能向上
日時: 2023年7月6日(木) 9:15 - 10:35
部屋: 多目的会議室204
座長: 石原 進 (静岡大学)

4E-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Titleサーバシステムの性能データ転送効率化に向けた改善案の評価
Author*飯山 知香 (お茶の水女子大学), 平井 聡, 山岡 茉莉, 福本 尚人 (富士通), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 639 - 646
Keyword時系列データ, データ転送, CPU負荷率, 並列化
Abstract近年、多数台サーバの共有利用や分散処理利用に関する需要が増えてきている。リアルタイムでこれらの性能データを分析するためには、データの収集や転送によるオーバヘッドを抑え、効率的に扱う必要がある。そこで本研究では、ターゲットサーバでのデータ収集およびデータ解析用サーバへのデータ転送時のリソース利用量やオーバヘッドを計測した結果をもとに、効率的な手法を開発することを目的としている。 本報告では,データ転送処理のボトルネックの一つであるCPU負荷を削減するための効率化手法として,転送処理の並列化による効果の検証を行う.さらに,並列化した転送処理とCPUに負荷をかけるベンチマークを同時実行し,それぞれに与える影響を分析する. また、データ解析用サーバとして性能の異なる2台を使用し比較することで、データ解析用サーバの性能差がデータ収集用サーバでの処理に与える影響の分析も行う。

4E-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title量子回路シミュレータの性能向上のための分析と考察
Author*青木 望美 (お茶の水女子大学), 山崎 雅文, 平井 聡, 山岡 茉莉, 福本 尚人 (富士通株式会社), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 647 - 652
Keyword性能分析, アプリ分析, プロファイラ, 量子回路シミュレータ
Abstract量子コンピュータは素因数分解など一部の問題について非常に高速な計算を実現可能だが、現存する量子コンピュータはノイズの影響を受けるため、完全な挙動をするものとはなっていない。これに伴い、 現在も理想的な挙動を行う量子コンピュータの実現のために研究・開発が盛んに行われている。また、これにより量子コンピュータの研究・開発と同時並行的に量子コンピュータ上で実際に動作する量子アプリケーションなどの開発を進めることは有用であり、これに対して量子コンピュータの挙動を従来型コンピュータ上で表現するツールである量子回路シミュレータは特に有用である。したがって量子回路シミュレータの高速化に関する研究を行うことは有用であると考えられる。本稿では、複数の量子回路シミュレータに関して性能分析ツールを使用して性能分析を行い、量子回路シミュレータの性能向上のための具体的手法の検討のためのデータを収集する。

4E-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title無線ネットワークにおけるアップロード速度評価のためのベンチマークツールの開発
Author*村松 大智, 加藤 優陽, 片岡 秀斗, 矢嶋 翔 (大同大学), 栗本 崇 (国立情報学研究所), 君山 博之 (大同大学)
Pagepp. 653 - 660
KeywordQoS測定, モバイルアプリケーション, 可用帯域
Abstract激甚災害において無線ネットワークを介して被災地の映像をデータ解析のできるデータセンタへできるだけ高い品質で送り届け,AI技術等を使って解析を行うことができれば迅速な救助活動や復旧活動の支援につながると考えられる. 一方で,無線ネットワークをはじめとするネットワークシステム全体の状況把握が困難であることが想定されるため,できるだけ品質を落とさずに映像をリアルタイムに送るには送信前にネットワークシステムの可用帯域を求めておく必要がある. さらに,可用帯域とともに,その時利用可能なスマートフォンとそのネットワークシステムに適した送信方法を求めることによって,最大の速度でかつ最低限のパケットロスでのデータアップロードを実現することができる考えられる.本研究では,送信,受信と速度計測,QoSモニタの三種類のアプリケーションを組み合わせることによって,UDP/IPを使う場合の可用帯域と,最も高い速度で送信可能な送信方法を見つけることのできる探索型のベンチマークツールを提案し,原理確認のためのプロトタイプ実装を行った.実モバイルネットワークであるモバイルSINETを使った実験で,提案したベンチマークツールを利用することによってiperfよりも約27%高いレートで送信できること,そのときの送信スレッド数,パケット数,パケット送信間隔を求められることを確認した.

4E-4 (時間: 10:15 - 10:35)
Title自律型ロボット向け画像処理のMECによるFPGAへのオフロードの検討
Author*森 隼人 (芝浦工業大学), 大川 猛 (熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構), 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 661 - 664
KeywordMulti-access Edge Computing, エッジコンピューティング, FPGA, 画像認識
AbstractSociety5.0において,IoTデバイスやエッジデバイスでは困難な高負荷処理をMEC(Multi-access Edge Computing)によって高速に処理することが期待されている.MECとは,5Gの高速無線通信を利用して,基地局に設置した計算資源によって高負荷な処理やクラウドでは遅延がボトルネックとなるような処理を行う事を目指すエッジコンピューティング手法である.基地局には使用できる電力に制約があることから,低消費電力で高速な並列処理を特徴とするFPGA(Field Programmable Gate Array)が計算資源として期待されている.そこで本論文では,Society5.0で想定される自律型ロボットにおける画像認識処理のMECへのオフロードに向けて,MECの計算資源としてFPGAを使用した場合の有用性について評価した.その結果,実験環境において画像認識処理を2.2〜5.7倍の高速化し,エッジデバイス上で高負荷な処理をMECのFPGAにオフロードする事で応答時間を短縮できることを示した.


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セッション 4F  IoTと行動変容
日時: 2023年7月6日(木) 9:15 - 10:35
部屋: 特別会議室
座長: 横窪 安奈 (東京大学大学院)

4F-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Title産業用ロボットARシミュレータの実機との同期にむけて
Author*領家 直哉, Nazmun Nahid, 井上 創造 (九州工業大学 大学院生命体工学研究科)
Pagepp. 665 - 669
KeywordSynchronization, Augmented reality, Human Robot Collaboration, iIdustrial robot
Abstract本稿では,産業用ロボットのAugmented Reality(AR)シミュレータにおいて,仮想空間と現実空間におけるロボットの動作の同期を目的とし,同期方法の考案と評価を行う.そのためにまず,ARシミュレータのプロトタイプを開発しロボット間の動作の遅延を調査する.その後,その結果を元に遅延を低減する手法を考案し,それらの手法を位置と姿勢のずれ,動作の遅延の2つの観点から評価を行う.本稿では2種類の手法を使って実験を行い,結果として1つの手法は小さい遅延で作業目的を達成することは可能であるものの,動きは仮想ロボットの動きと同期していない場合があることがわかった.もう一つは同じ動きをしているものの,処理時間に遅延が生じていることから仮想ロボットの動きについていけない場合があることがわかった.

優秀論文賞 / Paper Awards
4F-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title向社会的行動の促進に向けた社会的意義付けにおける金銭的報酬効果の検証
Author*柏本 幸俊, 山崎 悠大, 曹 蓮, 上坂 大輔 (KDDI総合研究所)
Pagepp. 670 - 676
Keyword行動変容, 向社会的行動, 社会的意義付け, 報酬
Abstract近年,様々な行動を対象とした行動変容支援システムが登場している. 多くのシステムは健康増進意識が一定以上存在するユーザの日々の歩行行動の習慣化等の比較的行動変容が容易な行動に注目する. 一方で,依存状態にある喫煙・飲酒患者の禁煙・禁酒や勉強が苦手な子供の学習の習慣化、向社会的行動(以降「誘発・習慣化の障壁が高い行動」とする)などの対象行動の誘発と習慣化が難しい. これまで筆者らは,向社会的行動の1つであるパトロールランに注目し,行動変容支援システムを用いた誘発・習慣化の障壁が高い行動を対象とした行動変容技術を検討している. 教育・社会心理学では行動変容に必要な動機付けとして自己決定理論を背景とした外発的動機付けと内発的動機付けを定義している. 自己決定理論によると人間の動機付けは外発から内発に向けて行動の自己決定性(自発性)が徐々に高くなり,行動の習慣化が行われる. また,自己決定理論において報酬が対象行動の自発性を高める効果(エンハンシング効果)と低下させる効果(アンダーマイニング効果)が存在することが知られている. しかし,向社会的行動の促進を考えたときに,報酬が及ぼすエンハンシング効果とアンダーマイニング効果については十分に検討ができていないという課題が存在する. 本研究では,筆者らが過去開発した社会的意義付け介入に対する報酬として金銭的報酬が及ぼす効果について,アンケートを用いた検証を行った. アンケートでは,社会的意義付け介入のみを付加したweb記事と社会的意義付け介入に金銭的意義付けを付加したweb記事の2パターンを作成した. 作成した記事を用いて,930名の回答者を用いたオンラインアンケート調査を行った. オンライン調査の結果,社会的意義付け群と社会的意義付に金銭的意義付けを付加した群の両群でパトロールラン意向が高くなることが分かった. また,心理的特徴で分析した結果,外向性や共感性の高い回答者には社会的意義付けに金銭的意義付けを付加した介入の効果が大きく,エンハンシング効果を確認できたが,社会的価値が高い,パトロールランの実施動機が高い回答者には社会的意義付けが効果的であるアンダーマイニング効果が確認できた.

4F-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title拡張現実を用いたマルチプレイ掃除活性化システム
Author*阿部 悠貴 (青山学院大学情報テクノロジー学科), Guillaume Lopez (青山学院大学)
Pagepp. 677 - 684
Keyword掃除支援, 複合現実, 拡張現実, 仮想現実, ゲーミフィケーション
Abstract本研究では、拡張現実を用いた多人数参加型の掃除活性化システムを提案する。本システムは、拡張現実を用いた掃除のリアルタイムフィードバックと、異なる部屋にいながら通信可能なマルチプレイヤー要素を用いたゲーム要素を加えることで、掃除の効果とモチベーションを向上させることを目的としている。リアルタイムフィードバックとして、掃除箇所を仮想的に着色する。これにより、掃除箇所の特定が容易になり、掃除の効率化を図ることができます。また、ユーザー同士がどれだけ多くの面積を掃除できるかを競うゲーム要素と、掃除した面積を利用してユーザー同士が協力する協力モードを実装している。いずれのモードでも、掃除中に仮想的にオブジェクトを配置し、プレイヤーの取得を促すことで、より広い範囲を掃除することが可能となる。本システムを用いた評価実験を行った結果、定量評価では、対戦モード、協力モードともに、清掃面積と清掃効率が大幅に向上することがわかった。また、アンケート評価では、協力モード、対戦モードともに掃除の満足度が向上し、「また遊びたい」と思わせる効果があることが明らかとなった。また、対戦モードでは楽しさが大きく向上し、モチベーションの向上に寄与することがわかった。

4F-4 (時間: 10:15 - 10:35)
Title集団における向社会的行動の促進に向けた責任分散低減を伴う説得技術の検証
Author*山 悠大, 曹 蓮, 柏本 幸俊, 上坂 大輔 (株式会社KDDI総合研究所), 大園 咲奈, 甲斐 貴一朗, 織 睦樹, 中村 優吾, 荒川 豊 (九州大学)
Pagepp. 685 - 692
Keyword行動変容, IoT行動変容, 集団行動変容
Abstract近年,相手のためを思いやって行う行動である向社会的行動への注目が高まっている. 向社会的行動の促進に関する既存研究ではしばしば誘引や説得による個人への介入が行われているが,向社会的行動はより多くの人が取り組むことが重要であるため効率的な集団への介入手法が必要である.しかし,集団特有の心理学的現象として自分以外の他者の存在により行動の責任が分散され個人が率先して行動を起こさなくなる責任分散の発生が知られており,従来研究での個人に対する介入手法が十分に有効ではない.そこで本研究では集団の向社会的行動促進において責任分散を低減するため,集団からの感謝フィードバックを促進する介入手法を提案する.本手法の有効性を検証するため,大学の研究室に所属する学生・教員28名の研究室内のゴミ出しを対象行動として誘引,説得に加えて感謝フィードバック促進介入を用いた6週間の行動促進実験を行い,アンケートによって被験者の心理状態と態度を測定した.実験結果より感謝フィードバック促進介入は実験の長期化とともに上昇する責任分散を低下させ,ゴミ出し行動に対する態度低下の抑制に有効であった.本手法を活用することでより効果的な集団の行動変容を実現できる可能性がある.


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セッション 4G  感情
日時: 2023年7月6日(木) 9:15 - 10:35
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 江木 啓訓 (電気通信大学)

4G-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Title感情変化に注目した機械学習による冒険ストーリー生成の試行
Author羅 海洋, *由井薗 隆也, 鎌田 光太郎, 王 子洋 (北陸先端科学技術大学院大学/先端科学技術研究科)
Pagepp. 693 - 699
Keyword創造性, ストーリー生成, 機械学習, 感情変化, 冒険ストーリー
Abstract創造的なストーリー生成として感情変化を埋め込んだ冒険ストーリーを生成するシステムの機械学習による実現を試みた.テキスト文章の生成系であるGPT-2に冒険ストーリーのデータや常識知識をいくらか追加するとともに,感情分析によるストーリー制御を加えた文章生成システムを作成した.その生成システムは演劇の三幕構成を参考に3つの段落を生成するものとして試作した.試作システムを用いて,感情変化を肯定的,否定的,肯定的といった変化を加えるなどした文章を生成し,9人の評価者による内容評価を試みた.その結果,感情制御は概ね達成できる傾向が得られた.一方,感情変化によって,ストーリーの全体印象に影響を与える効果を得るまでには至らなかった.なお肯定的,否定的,肯定的と制御生成した文章が意外性,満足性,情動性において全体的に高い評価値を得ることができた.今後,中間状態の取り扱いを再検討するなど,ストーリー生成の効果を調べていきたい.

4G-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Titleユーモラスに話題提供を行うエージェントの検証
Author*新山 はるな (日本大学文理学部), 呉 健朗, 大西 俊輝, 大串 旭 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 700 - 707
Keyword話題提供, 対話型エージェント, 会話支援, ユーモア
Abstract人間関係の浅い人同士でコミュニケーションを行う際,人は緊張した状態である可能性が高い.緊張 した状態で沈黙が生じた場合,会話参加者は活発に会話を行えないと考えられる.先行研究では,会話を 活発にするために効果的なユーザへの話題提供手法を明らかにする取り組みを行っている.しかし,緊張 した状態で話題提供をされても,多くの人にとってはその話題で活発に会話を行うことは困難である.こ の問題を解決するために,話題提供前にユーザの緊張を緩和させることが必要であると考えられる.この 考えをもとに,本稿では,ユーモラスに話題提供を行うエージェントを提案する.これは対話型エージェ ントがユーモア発言をした後に話題提供を行うものである.本システムを用いた検証の結果,活発に会話 を行える可能性が確認された.

4G-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title柔らかい物体の動きによる共感表現方法に及ぼす共感スキルの影響調査
Author*大西 俊輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 新山 はるな (日本大学文理学部), 丸山 葉, 大串 旭, 呉 健朗 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 708 - 715
KeywordHAI, 動き, 共感表現, 共感スキル
Abstract他者に心の内を話し,共感してもらうことは,気持ちの整理やストレスの解消につながる.近年,話の聞き手として対話型エージェントが注目されており,ユーザに共感表現を行うエージェントの研究も多く行われている.しかし,共感表現方法が明示的であるため,自身の都合のよいように解釈することが難しい.この問題を解決するために,我々は見た目と表現方法の曖昧性が高い共感表現エージェントを提案している.先行研究では,自身の発言に対してエージェントに曖昧性の高い“動き”で共感表現をされた とき,ユーザは共感されたと感じるか明らかにするための検証を行った.しかし,エージェントの共感表現方法とユーザの共感スキルの関係性を明らかにはできていない.そこで本稿では,エージェントの共感表現方法とユーザの共感スキルの関係性を明らかにすることを目指す.具体的には,ユーザの共感スキルに応じて共感されたと感じる感情や動きが異なるのか明らかにするための分析を行った.その結果,エージェントの右停止,左停止,前停止,後停止,前後1往復の動きにおいて,ユーザの共感スキルが影響する可能性があることが示唆された.加えて,左右1往復,左右継続往復,前後継続往復の動きにおいて,ユーザの共感スキルが影響しない可能性があることが示唆された.


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セッション 5A  CDS/DCC統一セッション
日時: 2023年7月6日(木) 10:55 - 12:15
部屋: メインホール
座長: 峰野 博史 (静岡大学)

5A-1 (時間: 10:55 - 11:35)
Title(招待講演) 次世代サイバーインフラの研究開発最新動向
Author*中尾 彰宏 (東京大学大学院工学系研究科)
Pagep. 716

5A-2 (時間: 11:35 - 11:55)
Title送受信量時系列データの類似性を用いたマルチホップ通信の複数経路推定手法の提案
Author*小林 悠生 (創価大学大学院 理工学研究科), 清原 良三 (神奈川工科大学 情報学部), 寺島 美昭 (創価大学大学院 理工学研究科)
Pagepp. 717 - 722
Keywordセンサネットワーク, ネットワーク監視, ブラックボックス簡易, 時系列データ類似性, 通信経路
Abstract本研究では, 農業におけるセンサネットワークにおいて, 各センサ端末のデータ送信量時系列データを解析し, ネットワーク監視を簡易に行う手法について検討する. センサネットワークでは, パケットがマルチホップされる場合, 同じパケットを中継する端末同士の, データ送信量と受信量は類似した時間変化の傾向を示す. この類似性を用いて通信経路推定を行う. 無線通信を行う際に, バーストトラフィックなどにより突然傾向変化が発生する事があり, 誤った経路推定の原因となる場合がある. 本研究では, 「傾向類似区間割合」を類似性指標として利用する事で, 傾向変化を適切に扱い, 複雑なネットワークトポロジにおける通信経路推定を可能とする. 検証では, ツリー型のネットワークトポロジを構成する, 直線部と枝部分に着目した実験を行い, 複数通信を個別に推定可能であることを確認した. 本稿では, 提案手法のアルゴリズムを示すとともに, 実験で確認できた有効性と今後の課題を示す.

5A-3 (時間: 11:55 - 12:15)
TitleMatterとECHONET Liteの相互接続を実現するプロトコルコンバータの設計
Author*永重 俊弥 (名城大学大学院理工学研究科), 鈴木 秀和 (名城大学情報工学部)
Pagepp. 723 - 729
KeywordMatter, スマートホーム, IoT
Abstract異なるスマートホームデバイスの相互接続性を確保するために,Amazon, Googleといった大手テック企業やスマートホームデバイスメーカがスマートホームデバイスの新たなオープンソース接続規格Matterを開発した. 日本国内では白物家電やスマートメータなどを中心に搭載されているスマートハウス向け通信プロトコルであるECHONET Liteが存在するが,Matterとは互換性がないためMatter対応コントローラからECHONET Lite対応機器を制御することができない. 一方,異なる規格のIoTデバイスやスマートホームデバイスの連携を可能にするシステムとしてiHAC Hubが提案されている. そこで,MatterとECHONET Lite間の相互接続を支援するiHAC Hubの仕様拡張を検討している. Matterでは,MatterデバイスとNon-Matterデバイス間の通信をサポートするブリッジ機能の概念がオプションとして想定されている. そこで,iHAC Hubを各規格のデバイスとして認識できるように仕様を拡張して,Matterにおけるブリッジとして動作させる. 本稿では両規格の通信プロトコルのメッセージ変換を実行するプロトコルコンバータの設計について述べる. 定性評価として,関連研究との比較を行い本論文の提案方式の有用性を確認した.


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セッション 5B  セキュリティ・機械学習
日時: 2023年7月6日(木) 10:55 - 12:15
部屋: 多目的会議室201
座長: 鶴田 博文 (さくらインターネット株式会社)

5B-1 (時間: 10:55 - 11:15)
TitleWeb調査システムにおけるグループ管理APIを用いた認証認可方式の構築
Author*清水 さや子, 西村 健 (国立情報学研究所), 古村 隆明 (京都大学/国立情報学研究所)
Pagepp. 730 - 737
Keyword認証, 認可, グループ管理, 学認, web
Abstract日本の学術向けのアイデンティティフェデレーションである[学認(GakuNin)]では,トラストフレームワークにより運用されていることより,年に1度,各参加機関が運用するIdentity Provider[IdP]が,正しく運用されているかの監査を兼ねた調査が行われている.この調査は,過去の経緯より,エクセル形式のファイルによる回答が行われてきたが,コロナ禍による在宅ワークの増加などによりWeb化が求められた.Web化するにあたっては,既存の対応方法を踏襲しつつ,効率化が求められた.本稿では,Web化にあたって,構築した認証方式と,取り入れた様々な工夫について紹介する.調査は質問数が多く内容が多岐にわたっているため,複数名の担当者で回答書を作成される機関が多かったことより,機関ごとに,複数名の担当者が,それぞれの所属する組織の統合IDを用いて認証を行い,回答できる仕組みを構築した.この仕組みは,別途,学認のグループ管理機能として運用されているmAP Coreと連携することで,機関ごとに調査の担当者らをグループとして作成し,mAP CoreのAPIにより,登録されたグループをWeb調査のシステムに送ることで,認証連携を実現した.Web調査のシステムはクラウドのサービスを用いつつ,これまでの実運用に照らし合わせながら,途中で一時保存できる機能や,回答前と回答後の調査内容を印刷できる機能,未回答機関の調査の担当者らにリマインドメールを送る機能など,回答担当者側と学認の事務局側にとって効率化する工夫を取り入れた.開発した仕組みは,2022年度の調査で使用し,対象の約300近い機関向けに行ったところ,これまで95%前後であった回答率が100%になり,最終的な回答を回収するまでの期間も大幅に削減された.本稿では,開発した認証連携の仕組みと取り入れた工夫,および実運用と評価,今後の展望について述べる.

5B-2 (時間: 11:15 - 11:35)
TitleTLS対応権威DNSサーバにおける複数証明書導入によるドメイン名正当性検証方式
Author佐藤 直, 島袋 健大 (東京農工大学), 村上 登志男 (学習院大学/東京農工大学), *山井 成良 (東京農工大学), 金 勇 (東京工業大学), 中川 令 (東京農工大学)
Pagepp. 738 - 745
Keyword権威DNSサーバ, TLS, 証明書, ドメイン名
Abstract現代のインターネットにおいて,フィッシングサイトか正規のウェブサイトか判別が難しいドメイン名がみられることは珍しくない.また,人間がそのようなドメイン名を正しく判別するには限界がある.そこで,何らかの仕組みでドメイン同士の関係を算出し,ユーザに提示することが出来れば便利である.本研究では,接続しようとしているドメイン名の関係性をDANEにおけるTLSAレコードに新しい証明書を追加することで検証し,正当と見なしてよいかどうかを自動で判定することを目標とする.上述の手法を実現するためのシステムを実装し,求められている要件が満たせるかの確認,性能評価を行った.この提案方式により,接続先のドメイン名の関係性を検証でき,正当性の証明が可能であることが分かった.性能の面では,DoTの通信を2回行うため所要時間は2倍になる.現実には一定のTime To Liveを設けることで再度の検証を一定の時間控えるようにすることができ,これにより所要時間の影響は比較的小さくすることが可能であることを確認した.

5B-3 (時間: 11:35 - 11:55)
Titleアイデンティティフェデレーションの申請システムにおけるattribute-filter自動生成機能の開発と運用評価
Author*西村 健, 清水 さや子 (国立情報学研究所), 中村 素典 (京都大学)
Pagepp. 746 - 751
Keyword認証, 認可, 認証フェデレーション, SAML, Shibboleth
Abstract日本における学術向けのアイデンティティフェデレーションである「学認(GakuNin)」では,参加時に必要情報をWeb上で申請ためのシステムである「学認申請システム」を開発している.学認では,各機関が運用するIdentity Provider[IdP]とService Providerを連携する際に,SP利用に必要な情報をIdP上のXMLファイルで設定をしなければならなかった.しかし,XMLファイルでの設定が難しいIdP管理者が多くいたことより,本研究では,XMLファイルに操作を加えることなく,UI上でSPのリストから連携を行いたいSPをチェックすることで,SP連携を可能とするattribute-filter自動生成機能の開発を行った.attribute-filter自動生成機能は,学認申請システム上で実現し,学認参加機関に対して試験運用している.本稿では,開発を行ったattribute-filter自動生成機能について紹介し,試験運用に対する評価を行う.


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セッション 5C  推定技術(状況)
日時: 2023年7月6日(木) 10:55 - 12:15
部屋: 多目的会議室202
座長: 大村 廉 (豊橋技術科学大学)

5C-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Title天井設置型の複数マイクと話者の位置情報を用いた発話方向推定手法
Author*市川 直人 (名古屋大学大学院工学研究科), 戸出 悠太 (ヤフー株式会社), 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
Pagepp. 752 - 757
Keywordマイクロフォン, 位置情報, 発話方向推定
Abstract屋内における人の位置と顔向きを推定するためにカメラや距離センサを用いた手法が研究されている. しかし, これらの技術は利用者へのプライバシーに関する心理的負荷, 障害物・人による死角, 高コスト化などの問題を抱えている. そこで本研究では, 赤外線センサを用いた位置情報の取得を前提として, 天井に設置した複数マイクの音声を用いた 発話方向推定手法を提案する. まず発話方向による音声信号の音響パワーの違いに注目して, フーリエ変換を用いて特定周波数帯における音響パワー比を算出した. そしてパワーフレームのサイズで平均と分散を取り, 8次元ベクトルとしてSVM(Support Vector Machine)に与え, 八方位にラベリングした発話方向の推定を行った. 実際に, 86.4m²の屋内で約56分の複数の被験者の音声データを収集し, 1.2秒の音声信号に対して最大84%で発話方向推定ができることを確認した. さらに人による学習データ収集の負担を軽減し, 一定環境でのデータ収集を可能とするため, 声帯模型を用いた擬似発話音声データの収集を行い, 検証を行った.

5C-2 (時間: 11:15 - 11:35)
Titleアクティブ音響センシングを用いた卵と肉の加熱状況識別手法
Author*高橋 大輝, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 758 - 767
Keywordアクティブ音響センシング, 状況認識, 調理支援
Abstract加熱調理において食材の加熱状況は,火加減や食材の形状,調理器具の種類などの複数の要因によって決まり,食材によっては加熱状況を見た目で判断することが難しいものがある.本論文ではユーザが調理器具を介して食材とインタラクションをする場面において,ユーザが使用する調理器具にアクティブ音響センシングを用いて食材の加熱状況を事前に学習し推定する手法を提案する.提案手法は,アクティブ音響センシングを用いるために調理器具にスピーカとマイクを取り付けてスピーカから音響信号を流す.そして,調理器具が触れている食材を伝搬した音響信号をマイクから取得する.取得した音響信号からパワースペクトルを算出し機械学習アルゴリズムを用いて食材の加熱状況を推定する.機械学習器はRandom Forestを用い,食材ごとに加熱状況を推定する.提案手法の有効性を評価するために,牛サイコロステーキおよびゆで卵を認識対象として加熱状況を推定する実験を行った.実験の結果,牛サイコロステーキはF値0.933,ゆで卵はF値0.886が得られたことを確認した.

5C-3 (時間: 11:35 - 11:55)
Title重量センサによる猫の尿量推定のための特徴量の検討
Author*山口 哲弘, 井上 創造 (九州工業大学大学院)
Pagepp. 768 - 772
Keywordペット, 排泄, センシング
Abstract本稿では,猫が排尿をした際の尿量の推定精度を向上させることを目的に,猫用のトイレに搭載されている4つの重量センサデータを用いデータ分析を行う.そのためにまず,猫の行動特徴を考慮し重量センサデータから排尿中の区間の抽出を行った.その後抽出した区間の重量センサデータを使用して特徴量生成を行い学習を行った.結果として,既存のトレッタで使われているシステム(以下,既存システム)と比較して,今回生成したモデルはRMSEスコアで7.73g,既存システムは8.46gであり0.73g誤差を減少することができた.R2スコアでも既存システムは0.45,生成したモデルは0.54となり0.09の向上が見られた.しかし,生成したモデルは予測モデルとして依然として改善の余地があることがR2スコアから分かった.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
5C-4 (時間: 11:55 - 12:15)
Titleサーマルカメラおよび可視光カメラを利用した深層学習による熱痕跡検出
Author*野口 憲人 (日本電信電話), 岸野 泰恵 (日本電信電話/大阪大学), 水谷 伸, 白井 良成 (日本電信電話), 村田 正幸 (大阪大学)
Pagepp. 773 - 779
Keywordマルチバンド画像処理, サーマルカメラ, 3DCNN, 熱痕跡, コロナウイルス
Abstract新型コロナウイルスをはじめとした感染症における感染経路の一つである接触感染を回避するためには,感染者が触れた個所を早急に特定する必要がある.接触後,接触表面に温度変化が発生するため,サーマルカメラを用いることで接触個所を特定できる一方,可視光カメラには出現しないため,両カメラを使用することで高精度に接触個所を検出することができると考えられる.そこで本研究では,サーマルカメラおよび可視光カメラによって撮影された画像を入力とした,深層学習による接触個所の識別手法を提案する.識別に際し,入力に用いる画像の組合せ,空間領域の大きさ,時間長をパラメータとすることで比較検討を行い,識別に各パラメータが有効であるかどうか調査する.実験の結果,空間サイズが小さい場合ではサーマル画像のみを用いた場合でも十分に識別が容易であり,これと RGB 画像を両方用いた場合よりも精度が高くなったが,空間サイズが大きくなり人や背景など環境情報が多く含まれる場合では,サーマル画像のみで 91.0% となったのに対し,両方を用いた場合では 93.3% まで改善された.これらより,十分な空間を撮影可能な環境ではサーマル画像と RGB 画像を組み合わせることで単体での画像処理よりも複雑な特徴抽出が可能となったことに加え,熱痕跡の識別に時間情報が有効であることを確認した


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セッション 5D  無線通信
日時: 2023年7月6日(木) 10:55 - 12:15
部屋: 多目的会議室203
座長: 森野 博章 (芝浦工業大学)

5D-1 (時間: 10:55 - 11:15)
TitleQUIC対応CYPHONICの通信接続性に関する評価
Author*堀崎 翔太 (名城大学大学院理工学研究科), 眞玉 和茂 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部), 鈴木 秀和 (名城大学情報工学部)
Pagepp. 780 - 786
KeywordQUIC, オーバーレイ・ネットワーク, 通信接続性, ファイアウォール, エンドツーエンド
AbstractIPv4/IPv6混在環境下で通信接続性と移動透過性を同時に実現する技術として,CYPHONIC(CYber PHysical Overlay Network over Internet Communication)が提案されている.CYPHONICではエンドツーエンドの暗号化通信を行うことができるが,CYPHONICを利用するためにはファイアウォールのポート開放が必要となる.しかし,セキュリティの観点から企業では容易にファイアウォールのポートを開放することは推奨されておらず,既設のファイアウォールに対して逐一設定変更を行うことは困難である.この課題を解決するために,筆者らは次世代HTTPのプロトコルとして標準化されたQUICを用いてCYPHONICのプロトコル仕様を拡張し,ファイアウォールを通過することが可能なエンドツーエンド暗号化通信の実現手法を提案している.本稿では,実際の運用を想定しCYPHONICサーバをクラウド,CYPHONICノードを別々の実ネットワーク配下に設置し,ファイアウォールを越えて動作するか検証,評価実験を行う.

5D-2 (時間: 11:15 - 11:35)
TitleIEEE 802.11bfを想定した到来角推定に関する実験的検討
Author*松川 拓真, 加藤 空知, 藤橋 卓也 (大阪大学), 村上 友規 (日本電信電話), 渡辺 尚, 猿渡 俊介 (大阪大学)
Pagepp. 787 - 794
KeywordIEEE 802.11bf, WLANセンシング, CSI
Abstract無線信号の変動から対象空間の情報をセンシングするサービスが広がりつつある. 中でも,Wi-Fiのチャネル状態情報 (Channel State Information: CSI)を用いたセンシング技術は市販のWi-Fi送受信機を用いることでハードウェア資源や帯域を有効に活用できる利点が注目されている. さらに,現在規格化が進められているIEEE 802.11bfは標準化自体がWireless Local Area Network (WLAN)センシングに焦点を当てたものになっており,CSIを用いたセンシング技術の研究はますます活発化している. IEEE 802.11bfではCSIの新たな符号化法について議論が進められているが,実際に符号化法の違いがセンシング性能にどのように影響するかについては不明瞭である. 本稿ではCSIを用いた到来角推定をケーススタディとして,CSIの符号化法の違いがセンシング性能に与える影響を明らかにするための実験的検討を行った. 具体的には,IEEE 802.11nで規定されている従来の符号化法と,IEEE 802.11bfで検討されている新たな符号化法を用いてCSIを符号化し,各符号化法におけるCSIの量子化精度および到来角推定精度を評価した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5D-3 (時間: 11:35 - 11:55)
Title非同期方式Backscatter MACプロトコルに関する一研究
Author*田平 宙, 小泉 亮介, 木崎 一廣, 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 795 - 801
Keywordbackscatter, MACプロトコル, 解析評価
AbstractInternet of Thingsデバイスが無線を用いてパケットを送信する際の消費電力を削減する手法としてbackscatter通信が注目を集めている.Backscatter通信はデータを保持するbackscatter tagが外部機器から送信された電波を搬送波として利用することでデータパケットを送信する.一方で,backscatter通信を利用する場合,1)backscatter tagと搬送波送信機とのアクセス制御,2)backscatter tag間のアクセス制御が要因となって信頼性の低下を招く恐れがある.上述の2課題に対する解決策として,backscatter tagと搬送波送信機との間であらかじめ時刻同期しておく方法や,backscatter tag間でキャリアセンスを用いる方法が考えられる.しかしながら,backscatter tagが時刻同期のためのパケット,キャリアセンスのためのパケットを受信するためには,backscatter tagに受信機能を実装する必要がある.ダウンコンバートを必要とする受信機能は送信機能に対して多大な消費電力が必要となる.上記の課題に対して,受信機能を持たないbackscatter tagを想定した非同期方式Medium Access Control (MAC)プロトコルが提案されている.非同期MACプロトコルは消費電力の低減を達成したままアクセス制御に起因する信頼性の低下を抑制することが可能となる.本稿では,通信成功率の解析的評価,およびスループットの解析的評価とシミュレーション評価を通して,非同期方式backscatter MACプロトコルの有効性を議論する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5D-4 (時間: 11:55 - 12:15)
Title複数台浮流無線カメラを用いた小口径下水管検査のためのSRTベース協調映像伝送プロトコル〜実環境における性能評価〜
Author*清水 裕斗, Thanh V. Pham, 石原 進 (静岡大学)
Pagepp. 802 - 810
Keyword下水, 無線LAN, SRT, 映像転送
Abstract現在日本の下水管の老朽化が深刻化しており,早急な検査が必要である.しかしながら,既存の検査手法では,小口径下水管内を安全,短時間かつ低コストで検査することは困難である.筆者らは,複数台の浮流無線カメラを用いた下水管検査システムを提案している.このシステムでは上流のマンホールから浮流無線カメラを投入し,下流のマンホール下に設置したアクセスポイントに対し,管内撮影映像を無線通信を介して送信する.本システム実現のために,筆者らは複数台の浮流無線カメラを用いた協調型映像伝送プロトコルSVTP(Sewer Video Transmission Protocol)を開発してきた.下水管内を移動する浮流無線カメラとアクセスポイント間の無線リンクの品質は短時間で大きく変動するので,これに対応することを目的として,SVTPの最近の実装(SVTP2022)ではトランスポートプロトコルにSRT(Secure Reliable Transport)を使用している.しかし,その実装では,SRTのコネクションを2~秒の映像チャンクの送信毎に確立する他,先行する浮流ノードとの通信不能状態の検出に時間がかかるなどのいくつかの実装上の課題があった.また,同実装では複数台の浮流無線カメラを用いた映像伝送の評価が行われていなかった.本稿では,SVTP2022の実装上の課題を解消したSVTPの改良版(SVTP2023)の設計・実装並びにそれを搭載した複数台の浮流ノードを用いた映像伝送実験について報告する.


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セッション 5E  セキュリティ・プライバシー・データ管理
日時: 2023年7月6日(木) 10:55 - 12:15
部屋: 多目的会議室204
座長: 佐藤 将也 (岡山県立大学)

5E-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Title拡張子変更に注目したファイルサーバにおけるランサムウェアの暗号化攻撃からの回復手法の検討
Author*永野 凜太郎, 稲村 浩, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 811 - 818
Keywordランサムウェア, ファイル復元, ファイルサーバ, 拡張子, 暗号化攻撃
Abstract感染した端末からアクセス可能なファイルを暗号化して使用不能にし,その復号と引き換えに金銭を要求する暗号化型ランサムウェアが企業を中心に甚大な被害を出している.既存の端末上の暗号化攻撃を受けたファイルを自動復元する手法では,各端末に対策機構を構築しており管理にコストがかかる.それに対し,データをファイルサーバだけで扱う仕組みにすれば,各端末ごとにデータを保存していた今までと異なり暗号化攻撃の対策対象はファイルサーバのみにできるため,管理コストが減少する.そこで本研究では,拡張子を特有のものに変更する既知の検体の振る舞いに限定して,ファイルサーバ上のファイルに対する暗号化攻撃のファイル操作をユーザの操作を契機に偽陽性なく短時間かつ自動で特定し,ロールバックする手法を提案する.本稿では暗号化の際にファイル拡張子を特有のものに変更する,ランサムウェアの典型的な挙動に則って実装した疑似ランサムウェアを用いて,提案システムに暗号化攻撃した.暗号化攻撃を受けたファイルを自動で復元したところ,疑似ランサムウェアが行ったファイル操作を短時間かつ自動で特定し,ロールバックできた.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5E-2 (時間: 11:15 - 11:35)
Titleモバイル端末からのイベント情報検索におけるユーザ属性値を考慮した位置匿名化手法
Author*石神 京佳 (お茶の水女子大学), 榎 美紀 (日本アイ・ビー・エム株式会社), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 819 - 825
Keyword位置情報プライバシ, 情報推薦, SNSデータ
Abstract近年,ソーシャルネットワーキングサービスの普及に伴い,SNS 上にはローカルイベ ントや開催中のイベントをはじめ,大小様々な規模のイベントに関する情報が投稿されるようになった. それらの膨大なイベント情報をサーバ側に収集し,ユーザがモバイル端末の位置情報を提供して,現在地 付近のイベント情報を得るようなサービスは近年多く存在するが,位置情報などの個人情報をそのまま サーバに送信して情報分析に使用されることはプライバシ上の懸念がある.本稿では滞在人口数データを利用し,差分プライバシを位置情報匿名化に拡張した技術 Geo-Indistinguishabilityを満たすような ユーザ位置のダミー位置を算出し,サーバへの問い合わせに使用することで,よりプライバシ保護の指標 に則った度合いで,ユーザの位置情報を曖昧化する手法を提案する.

5E-3 (時間: 11:35 - 11:55)
Title可視領域に基づくメタバースオブジェクト分散管理手法の3D都市モデルを用いた評価
Author*青木 総樹, 川上 朋也 (福井大学大学院工学研究科), 松本 哲 (大阪大学サイバーメディアセンター), 義久 智樹 (滋賀大学データサイエンス学系), 寺西 裕一 (国立研究開発法人情報通信研究機構/大阪大学サイバーメディアセンター)
Pagepp. 826 - 833
Keyword仮想空間, 位置情報サービス, 分散データ管理, 範囲検索
Abstract近年インターネット上に構築される仮想空間サービス(メタバース)が注目を浴びている.現在のメタバースには負荷に関する問題が存在する.原因の一つとして,メタバース内の建築物などのオブジェクトにユーザにとって不要となるものがあることが挙げられる.膨大なオブジェクトをユーザ自身で管理することは現実的ではないため,ユーザが必要とするものをサーバから取得する構成が必要となる.したがって,サーバはユーザからの大量のクエリに対応できるスケーラビリティが要求される.本稿では,必要なオブジェクトのみを取得するためにオブジェクトを分散管理する手法をメタバースに近い環境でも作用するためのシステムを提案する.3次元環境のオブジェクトを適切な地理的領域(エリア)に分割して管理し,3次元環境を想定して遮蔽関係を考慮する. 提案手法は3D都市モデルを用いてシミュレーションを行い,検索結果として出力されるオブジェクトの数や取得するための通信量,実際のユーザの描画などで評価する.

5E-4 (時間: 11:55 - 12:15)
Titleデータカタログ作成ツールの提案
Author*根本 直一, 宮田 辰彦 ((株)日立製作所)
Pagepp. 834 - 840
Keywordデータ流通, データカタログ, 分野間データ連携基盤
AbstractSociety5.0の実現に向け,分野を超えてデータ連携可能な分野間データ連携基盤を開発している.データ連携には,データの検索と,データ内容の理解に標準化されたデータカタログが必要である.データカタログはW3C DCAT2.0準拠の89項目で定義され,データカタログ作成の負担軽減が課題である.地理空間情報のG空間情報カタログとデータ内容に基づき,データカタログ項目内容を推論するモデルを提案し,データカタログ作成ツールを試作した.モデル評価では高い推薦精度(F値0.8以上)を確認した.このモデルを含む試作ツールでデータカタログ作成評価した結果,従来比約85%の時間短縮を確認した.


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セッション 5F  感情・心理
日時: 2023年7月6日(木) 10:55 - 12:15
部屋: 特別会議室
座長: 横窪 安奈 (東京大学大学院)

5F-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Title生理指標を用いた感情推定による感情の継続時間の評価手法の検討
Author*栗原 蒼太, 金井 健太郎, 馮 晨, 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 841 - 847
Keyword心拍変動指標, 脳波指標, 感情

5F-2 (時間: 11:15 - 11:35)
Titleうつ病検知のための単一チャンネルの脳波データによる高精度な機械学習モデル構築に向けて
Author*鈴木 圭, 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 848 - 852
Keywordうつ病, 脳波, 機械学習
Abstract近年,うつ病の患者数が増加している.その診断をサポートする客観的な手法として,頭皮に接触させた電極から脳波を計測し,その脳波を機械学習により学習することで,うつ病検知モデルの構築を試みる研究が存在する.脳波を計測する脳波計の装着者の負担を軽減するために少ない電極数が好まれるため、少ない電極の脳波データによる研究が存在する.しかし,その精度は80%程度と精度が低いという課題が存在する.そこで本研究ではこの課題を解決するために,単一の電極の脳波データによる高精度なうつ病検知モデルの構築手法の提案をする.

5F-3 (時間: 11:35 - 11:55)
TitleMEASc:動画恐怖体験拡張スマートフォンケース
Author*柴 武志, 竹下 怜花, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
Pagepp. 853 - 859
Keyword感情認識, 照明制御, 動画鑑賞, スマートウォッチ, 心拍変動
Abstractスマートフォンや動画配信サービスの普及により,スマートフォンを使用した動画鑑賞が盛んになってきている.現在,テレビでは,照明と動画を同期させることでより印象的な動画鑑賞体験を提供する技術があるものの,スマートフォンに向けた動画鑑賞体験の向上支援は少ない.本研究では,ホラー動画を対象として,心拍変動から推定する恐怖感と連動した照明制御を行う動画視聴用スマートフォンケース「MEASc」を開発し,鑑賞者の恐怖感に基づくインタラクティブな照明制御をすることで,恐怖感を増幅させ,動画の印象または満足度の向上を目標とする.実験では,10名の被験者が個人ごとに暗室に入り,10分程度のホラー動画を開発した動画鑑賞用スマートフォンケースの有無による条件の下,動画鑑賞を行った.各条件での鑑賞後,被験者は,印象を評価するSD法およびスマートフォンケースの有用性を評価するSUSを用いたアンケートにそれぞれ回答した.各アンケート結果を分析すると,MEAScを使用したホラー動画鑑賞は,恐怖に関する印象を増幅させることが確認された.また,MEAScがホラー動画鑑賞の満足度向上に有用であることが確認された.

5F-4 (時間: 11:55 - 12:15)
Title経皮的耳介迷走神経刺激が顔表情認知に与える影響
Author*萩山 直紀, 瀬古 俊一, 松川 尚司 (日本電信電話株式会社)
Pagepp. 860 - 863
Keyword表情認知, 経皮的耳介迷走神経刺激, オキシトシン
Abstract経皮的耳介迷走神経刺激は顔表情認知に影響を与えることが知られているが,感情の種類ごとに影響を報告した例は少ない.本研究では,経皮的耳介迷走神経刺激が顔表情認知に与える影響について感情ごとに調べるため,参加者10 名に感情識別課題を課す実験を行った.実験の結果,曖昧な顔表情において,ネガティブな感情であるAnger,Fear,Sad は平均正答率が低下し,ポジティブな感情であるHappyは平均正答率が増加する傾向があったが有意差は確認されなかった.


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セッション 5G  機械学習・シミュレーション
日時: 2023年7月6日(木) 10:55 - 12:15
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 角田 啓介 (デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)

5G-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Title臨場感向上のための環境音付き360度パノラマ画像の自動生成手法
Author*外 未空, 阿部 広夢, 中村 亮太 (武蔵野大学データサイエンス学部)
Pagepp. 864 - 869
Keyword360度パノラマ画像, VR, 旅行, text-to-sound, 拡散モデル
Abstract近年,VRHMD(Virtual Reality Head Mounted Display)のアクセシビリティの向上により,Webブラウザを通じて手軽に360度パノラマ画像にアクセスできるようになった.これにより,VR旅行が可能となり,バーチャルでの旅行先や観光名所を体験できるようになっている.現実の旅行の代替ではないが,旅行先の選定手段として有効であると考える.これまでに本研究では,既存の課題を指摘し,多様なニーズに対応するために,VR型の観光地リコメンドシステムIIDSを開発した.本稿では,観光地への興味がVR空間の臨場感によって高められると仮説をたて,VR空間の臨場感向上を目的とした.本稿では,環境音を360度パノラマ画像に追加することで,より臨場感のある体験を提供する機能を追加した.環境音は以下のように生成する.入力される360度パノラマ画像を6つに分解し,それぞれの画像を物体検出と画像キャプション生成にかけ,画像の情報をテキストに変換する.このテキストをtext-to-soundのモデルに入力し,環境音(物体)と環境音(背景)を作成する.この環境音を入力された画像が表示されるVR空間に配置する.

5G-2 (時間: 11:15 - 11:35)
Titleインスタンスセグメンテーションを用いたトラックバース状況の分析
Author*横山 皓大, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
Pagepp. 870 - 875
Keywordインスタンスセグメンテーション, 深層学習, トラックバース, 物流倉庫
Abstractインターネットサービスの普及により通販の需要は増加し,物流倉庫では業務量の増加や労働量不足が問題となり,作業効率化や作業支援が必要とされている.物流倉庫には,トラックを停車して荷積み,荷下ろしを行う場所であるトラックバースと呼ばれるスペースがある.トラックバースでは,空きバースが無いことによる荷待ち時間を緩和するための予約システムなどが提供されている.一方,荷物の積み下ろしにおいては,荷下しスペースも含めた管理は十分に行われているとは言えない.そこで,本研究では,バースの利用効率や作業効率向上を目的として,トラックバースにおける荷物の積み下ろし状況の分析を行う枠組みを提案する. 具体的な手法としては,固定カメラを用い,トラック,荷下しスペース,作業員の状況を把握するために,インスタンスセグメンテーションによる物体検出を実施した.大量の実環境データを用いて学習データのアノテーションを行い,荷物の積み下ろし状況の把握が可能になった.

5G-3 (時間: 11:35 - 11:55)
TitleHMDと電動車椅子を用いた段差通過シミュレータの検証
Author*齊藤 孝樹, 板床 海斗, 杉本 隆星 (日本大学文理学部), 大河原 巧, 呉 健朗 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 876 - 881
KeywordHMD, Vection, 電動車椅子, バリアシミュレータ, 段差
Abstract車椅子に不慣れなユーザは屋外を走行するとき,様々なバリアの存在に不安を感じる.この不安を 軽減させるために,屋外を走行する前に,遭遇しうるバリアを通過する練習を事前に体験することは重要 なことである.そこで,我々は HMD と電動車椅子を組み合わせたバリアシミュレータを開発してきた. このシミュレータは,HMD 上に流す Vection 誘発映像による視覚刺激によって前庭覚刺激を拡張する.こ れによりユーザはバリアを走行している感覚を得られるが,現状再現できているバリアは縦断勾配と横断 勾配に留まり,段差を再現することはできていない.この問題に鑑みて,本稿では,HMD 上に段差を通 過する映像を流すと同時に,電動車椅子に急停止・急発進・速度変化させることで,車椅子で段差を上り 下りするシミュレーションの実現を試みた. 実装したシミュレータを用いた検証実験の結果,提案手法が ユーザに段差を通過している感覚を与えられる可能性が示唆された.


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セッション 6A  ITS統一セッション:ドローンとリモートオペーレーション
日時: 2023年7月6日(木) 14:15 - 15:55
部屋: メインホール
座長: 石原 進 (静岡大学)

6A-1 (時間: 14:15 - 14:55)
Title(招待講演) ドローン・エアモビリティ前提社会の実現に向けたデジタルテクノロジー
Author南 政樹 (PwCコンサルティング合同会社)
Pagep. 882

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
6A-2 (時間: 14:55 - 15:15)
Title遠隔車両制御システムのためのリアルタイムシミュレータ
Author*佐々木 健吾 (豊田中央研究所), 金子 直矢 (トヨタ自動車), 高梨 昌樹 (豊田中央研究所), 大西 亮吉 (トヨタ自動車), 三田 勝史 (豊田中央研究所)
Pagepp. 883 - 892
Keywordシミュレータ, 遠隔車両制御, 無線通信
Abstract近年, 5G/6Gのような移動体通信網の発達を背景に, 今まで実現が困難であった遠隔車両制御のようなミッションクリティカルサービスが実現できる可能性がある. 遠隔車両制御の最適な設計を行うためには,様々なシナリオで評価検証を行う必要があり,シミュレーションで評価を行うことが重要ではあるものの, 通信を含めて遠隔車両制御サービス全体を評価できるような単一のリアルタイムシミュレーション(エミュレーション)環境は存在しない. 加えて,ミッションクリティカルなサービスでは通信途絶が許されないため,複数の通信キャリアを利用するマルチキャリア通信のような高信頼通信環境が必要で,このような通信技術の評価も可能なエミュレーション環境が必要となる。 本論文では,車両制御シミュレータCARLA,交通シミュレータSUMO,ネットワークシミュレータOMNeT++を連携させるコネクティッドサービスシミュレータを提案し, 遠隔車両制御の評価を実現する.また, OMNeT++を並行動作せることで,マルチキャリア環境を実現し高信頼通信が評価できることも示す.

6A-3 (時間: 15:15 - 15:35)
Titleドローン遠隔飛行におけるオンデマンド型操縦交代方式の提案
Author*徳永 雄一, 前田 晴哉 (金沢工業大学), 武安 政明 (三菱電機)
Pagepp. 893 - 899
KeywordDrone, Remote Operation, Operation Transfer, RPAS, Handover
Abstractドローンビジネスが現実的になりつつあり,実運用を見据えた課題対策が必要となっている.その1つとして,遠隔操縦による長時間飛行時の操縦者交代の問題がある.交代要員を同じ遠隔操縦環境に確保する体制は運用コスト面で不利であるため,必要に応じて別の場所にいる交代者に,オンラインで操縦を引き継ぐオンデマンド型の操縦交代方式を提案する.本稿では,方式の中心となる,オンライン上の操縦者に安全に操縦を交代する操縦権限移譲プロセスをコントローラに実装し,ドローン実機を用いた実証実験で,単純に操縦を交代した場合に比べ飛行の安定性が増したことでその有効性を示す.

6A-4 (時間: 15:35 - 15:55)
Title5G を用いた遠隔コラボレーションの QoE 評価に関する研究
Author*伊藤 広記, 中川 紘輔, 中里 仁 (東京大学), Romain Fontugne (IIJ技術研究所), 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学)
Pagepp. 900 - 912
Keyword5G, 遠隔コラボレーション, WebRTC, QoE, 車載環境
Abstractインターネットによる動画配信サービスの発展とCOVID-19パンデミックに伴うリモートワークの増加という現象から,遠隔コラボレーションは我々の日常生活において重要な役割を果たすようになっている.車載環境向けの遠隔操作をはじめ,低遅延遠隔コラボレーションは,特に注目を集めている.このような需要に対応するための重要なインフラとして5Gがある.我々は,遠隔コラボレーションにおける高いQoE(Quality of Experience)を達成するための5Gの実際の性能を評価した.不安定な実世界の5G環境下で遠隔コラボレーションのQoEを監視するための測定ツールを設計し,実装した.走行中の車内で測定を実施し,同時に詳細なモバイル信号状況を収集するため,様々なツールを使用した.この収集された測定値に基づき,信号品質や周波数帯域など,実世界の5G環境における多様な環境要因と遠隔コラボレーションのQoEパフォーマンスとの関係を調査した.本研究により,WebRTC通信パフォーマンスと多様な環境要因との関連性,さらには複数の移動体通信事業者の通信技術を活用した性能向上の可能性という二つの主要な知見を得ることができた.


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セッション 6B  測位・ナビゲーション
日時: 2023年7月6日(木) 14:15 - 15:55
部屋: 多目的会議室201
座長: 村尾 和哉 (立命館大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
6B-1 (時間: 14:15 - 14:35)
Title首振りと曲進の混在に頑強なヒアラブル端末 PDR
Author小柳 雅文, *野田 大雄, 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部環境情報研究室)
Pagepp. 913 - 917
KeywordPDR, イヤホン型端末, 屋内測位
Abstract近年,位置情報を利用したサービスが急速に発展している.ショッピングモールや地下街の様な屋 内環境における測位手法としては,UWB(Ultra Wide Band) や PDR(Pedestrian Dead Reckoning) があ る.中でも PDR は環境側の整備が必要なく,ユーザが所持している端末のみを用いて測位を行うことが できる.多くの PDR に関する研究では測位端末としてスマートフォンを想定しているが,ウェアラブル 端末を用いた研究も存在する.本研究ではウェアラブル端末の中でも特に,ヒアラブル端末に注目する. ヒアラブル端末の特性として,左右対称にセンサがあることや相対的な頭部の方向が取得できることが挙 げられる.しかし,測位端末としてヒアラブル端末を用いた場合は,頭の動きが進行方向推定に影響を与 えてしまうという問題がある.そこで本研究では首振りと曲進の混在に頑強なヒアラブル端末 PDR を提 案する.加速度と角速度から首振り動作区間と曲進区間を推定し,この推定結果を利用して進行方向推定 と頭の向きの推定を行う.評価実験の結果,提案手法は首振りと曲進の混在を含む歩行を行った際の平均 測位誤差を補正無しの場合に比べて 0.583m,既存手法に比べて 2.131m 低減することができた.また,首 振り動作区間の平均進行方向推定誤差は 8.480 度,頭の向きの平均推定誤差は 64.687 度,曲進区間での平 均進行方向推定誤差は 10.199 度,頭の向きの平均推定誤差は 38.789 度となった.

6B-2 (時間: 14:35 - 14:55)
Title絶対的な歩行方向の推定に及ぼす外乱の分析
Author*松永 惇基, 川口 剛, 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
Pagepp. 918 - 926
Keyword位置情報システム, ナビゲーションシステム, 外乱検知
Abstract近年, 屋内におけるユーザの位置情報を推定するPDR(Pedestian Dead-Reckoning)などの手法が注目を集めている. それらの手法はユーザの向きを利用して測位を行なっており, その向きを推定するために地磁気センサやジャイロスコープといったセンサを利用している. しかしながら, 地磁気センサは外部に存在する磁性を持つ物体が発生させる磁場に影響されやすいという特徴があり, ジャイロスコープは長時間の稼働によってドリフトと呼ばれる累積誤差が発生する. その結果として, 方位推定の精度が低下してしまうという問題点を抱えている. 本論文では, 地磁気センサに影響を与える外乱や, ジャイロセンサに誤差が発生する行動についての分析を行った. 地磁気センサにおける外乱検知には, 測定値のノルムや分散から算出される尤度およびその分散を用いた. 屋内環境にて収集された測定値を用いた評価実験では, 提案手法を用いた場合の方位推定の平均誤差は検知を行わない場合と比較しておよそ2.5 度, 既存手法と比較しておよそ0.32 度の精度向上が見られた. したがって, 外乱存在の尤度やその分散を考慮することは外乱除去において有用であると考えられる. また, 買い物行動中に発生したジャイロスコープの誤差を分析する実験では, 向きが急速に変化する行動によって誤差が生じやすいことを示した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
6B-3 (時間: 14:55 - 15:15)
Titleユーザ姿勢較正のためのエレベータ利用認識
Author金原 佳乃子, *平山 侑輝, 西尾 信彦 (立命館大学)
Pagepp. 927 - 932
KeywordPDR, 屋内測位, エレベータ
AbstractPDR(Pedestrian Dead Reckoning)は屋内測位手法の一種で,歩行時に所持している端末の加速度センサ,角速度センサから得たデータを用いてステップと進行方向を求め,初期位置からの相対的な位置を推定する.しかし,連続した長距離の歩行や,後ろ歩きや横歩きのようなイレギュラーな歩行を行うと,ステップや進行方向にズレが生じ誤差が蓄積する点が短所として挙げられる.この問題の解決策として,致命的な量の誤差が蓄積する前に現在の正確な位置と進行方向を取得して,推定位置を較正する手法がある. 本研究では,推定位置の較正タイミングとしてエレベータの利用を提案し,スマートフォンの加速度センサ,角速度センサを使用してエレベータの利用を認識し,推定位置を較正するタイミングを検出する.エレベータ利用の認識は3つの段階に分けて行う.まず,エレベータへ乗車する前に歩行者の現在位置がエレベータ付近であるかを確認するためにエリア判定を行う.次に,エレベータへ乗車する時と下車する時の進行方向が必ず決まっていることを利用して,反転の発生を検出する.最後に,反転開始以降に次のステップが発生するまでに一定時間以上の間隔が空く,かつそれ以降は連続した歩行が続いているという2つの条件を満たす乗車中の停止開始を検出する.また,乗車中の停止開始から下車する瞬間までに必要なステップ数を調べて適切な値を設定し,較正のタイミングを検出する. このような手法で,ダミーデータを含む30回の歩行を用いて評価を行った結果,精度はF値が0.74となった.

6B-4 (時間: 15:15 - 15:35)
Title点群データと基盤地図情報を用いた屋外自律移動ロボット向け地図の生成手法
Author*相川 雄也, 片山 晋, 浦野 健太, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科)
Pagepp. 933 - 940
Keyword基盤地図情報, 3次元点群, 地図生成
Abstract自律移動ロボットの性能の向上に伴い,屋外空間でのロボット利用が拡大している.自律移動ロボットの安全な運用には,路面の状況や交通ルールの情報を持つベクター地図が必要であり,ベクター地図の自動生成が課題とされている.現在,Mobile Mapping System (MMS) で取得したデータを利用した自動車向けの車道ベクター地図の自動生成が盛んに行われているが,歩道の存在や位置は取得したデータから間接的に推測する必要がある.また,自動車とロボットの性能差や,車道と歩道の構成要素の違いにより,自動車向けの車道べクター地図生成手法をそのままロボット向けの歩道ベクター地図生成に応用することは困難である.そこで本研究では,国土地理院が整備している基盤地図情報を用いて効率的に歩道の位置を抽出し,歩道ベクター地図に必要な構成要素である歩道境界線の生成手法の提案を行う.提案手法では,基盤地図情報から歩道の中心線を推定し,歩道中心を基準に点群地図を探索することで歩道境界線を生成した.生成した境界線について,点群地図から手動で作成した正解境界線との定量的な評価を行った.評価の結果,検証領域において,基盤地図情報が歩道の位置の基準として利用可能であることを確認した

6B-5 (時間: 15:35 - 15:55)
Title世帯構成員の集合を考慮した避難所決定手法の検討
Author*田中 智基 (奈良先端科学技術大学院大学), 松田 裕貴, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所)
Pagepp. 941 - 948
Keyword災害対策, ナップサック問題, 世帯合流, マルチエージェントシミュレーション, アルゴリズム
Abstract各地方行政をはじめとした機関による災害対策方針では,家族同士が別々の場所にいる状況に対して,合流する避難所や待ち合わせの場所を予め決めておくことを推奨する場合が多い. しかし,情報技術が発達し,被災者の位置情報の取得,分析がさらに容易になることを考慮すると,より効率的な避難所決定が行える可能性がある. 本研究は,家族世帯の構成員同士が離れている状況を想定し,世帯ごとに対する避難所決定の方針の違いによる避難時間への影響を論じることを目的とする.避難所の決定方法は,「予め定まった避難所を向かう」方針を基にした「自宅基準時間設定」に加え,被災者の分布に応じた「最大避難時間設定」「最小避難時間設定」「平均避難時間設定」の計4つとする. それぞれの設定を評価するために,約30,000人規模の市の避難を想定したマルチエージェントシミュレーションを実施する.結果として,平均避難完了時間は「平均避難時間設定」で約21%減少,全体避難完了時間は「最大避難時間設定」で約22%減少することが確認された. また,世帯を考慮しない避難所決定では,全体避難完了時間は最大避難時間設定と比べ1時間20分以上短いのに対し,複数人の構成員による世帯の合流率は約23.6%になるという避難時間と世帯合流率のトレードオフの関係が確認された.


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セッション 6C  印象・心理評価
日時: 2023年7月6日(木) 14:15 - 15:55
部屋: 多目的会議室202
座長: 岸野 泰恵 (日本電信電話株式会社)

優秀論文賞 / Paper Awards
6C-1 (時間: 14:15 - 14:35)
Title昆虫食実食時の生理計測における嫌悪感の評価
Author樋口 大成, *馮 晨 (芝浦工業大学工学部), 中川 友梨 (芝浦工業大学大学院理工学研究科), 菅谷 みどり (芝浦工業大学工学部)
Pagepp. 949 - 955
Keyword昆虫食, 嫌悪感, 生理計測, 主観評価
Abstract近年昆虫食の関心が高まっており,食糧危機の解決策として有望視されている.しかし,昆虫食の受容度は依然として低い.その主な理由として,昆虫食に対する嫌悪感が考えられる.昆虫食に対する嫌悪感については様々な研究があるが,これまでに生理指標を使用した客観的な分析が行われていない.また,昆虫食を実際に食べる際に嫌悪感を引き起こす具体的な要因の詳細な分析も行われていない.本研究では,生理指標を使用し,昆虫食を実際に食べる際の嫌悪感を評価することを目指した.具体的には,見た目で昆虫とわかる食材とそうでない食材の間で,見た目が嫌悪感に与える影響を比較した.さらに,基準となる食材と昆虫食材の間での嫌悪感の差を,食べる際の特定のタイミング(例えば,口に運ぶ,咀嚼する,飲み込む)における生理指標を取得し,分析した.結果として,見た目で昆虫とわかる昆虫食で嫌悪感が示され,特に口に運ぶ際と咀嚼中に嫌悪感が強く生じることが示された.これらの結果から,本研究では昆虫食を実際に食べる際の嫌悪感を生理指標による評価の有効性を示した.

6C-2 (時間: 14:35 - 14:55)
Title生理計測を用いたパッケージデザインの感性評価
Author*熊谷 直也, 大塚 嵩柾, 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 956 - 962
Keyword感情, パッケージデザイン, 生理計測, 脳波, 心拍
Abstractパッケージデザインの要素の違いが感性に与える影響を調査するため,脳波・心拍変動指標の計測を行った.パッケージ要素に関して色,大きさの観点から仮説を立て,生理指標により比較が行えるかどうかを検証した.また,生理指標の値からEmotion Mapを作成した.SD法によるアンケート結果と比較を行いつつ,パッケージ画像を見た時の感情について各象限の位置関係などから分析を行った.各画像に関して脳波と心拍変動の生理指標で表現した2次元座標上にプロットした結果,各画像間の特徴を表現するような位置関係のプロットとなり,生理指標でパッケージデザインの感性評価を行える可能性が示唆された.


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セッション 6D  行動認識I
日時: 2023年7月6日(木) 14:15 - 15:55
部屋: 多目的会議室203
座長: 長谷川 達人 (福井大学)

6D-1 (時間: 14:15 - 14:35)
Title家電操作ユーザ推定のためのタッチパネルボタンを用いた特徴量の検討
Author*須田 恭平 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 石田 繁巳, 稲村 浩 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
Pagepp. 963 - 969
Keyword家庭内行動認識, ユーザ推定, 家電操作, 機械学習
Abstract近年,AIやIoTを活用し,人々の暮らしをより良くするスマートホームの実現が進められている.スマートホームの実現には,ユーザの行動を認識し,その履歴を蓄積する必要がある.既存研究では家庭内に大量のセンサを設置することでユーザの行動データを収集しているが,収集した行動データにはユーザ情報が含まれておらず,複数ユーザの行動をユーザを区別しながら認識することはできない.本研究では,家電操作から収集したデータを用いてユーザ推定を行うことで,ユーザと紐付け可能な家庭内行動認識手法を提案する.本稿では,様々な家電操作のうち,ボタン操作を用いたユーザ推定手法を提案する.8人の被験者から収集したボタン操作データを用いて提案手法のユーザ推定性能を評価した結果,学習データ量が10試行かつ押した強さから得られる特徴量のみ用いた場合に82.3%の正解率が得られた.この結果は,センサを複数必要とする既存研究と同程度の値であることから,単一センサによるユーザ推定の実現可能性を示すことができた.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
6D-2 (時間: 14:35 - 14:55)
Title気圧センサに基づく水に沈めたスマホの水深変化と掴む動作の推定とその応用
Author*須崎 翔太 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部)
Pagepp. 970 - 977
Keywordセンシング, 気圧センサ, スマートフォン
Abstractスマートフォンの取り扱いにおいて,水との接触は避けるべきという考え方がある. 我々は意識的に離されていたスマートフォンと水について考察する. スマートフォンの入力インタフェースにはボタンやタッチパネルなどがある. また,内部センサや外部デバイスを使用して入力インタフェースとする研究がある. 本研究の目的はスマートフォンの水中で扱える新しいインターフェースの開発とする. そのために,スマートフォンに搭載されている気圧センサを使い,水に沈めた深さと携帯端末の掴み方を推定する. 水に沈める動作と携帯を押す動作と密封袋の有無などなまざまなパターンでデータを収集し分析した. その後,特定の条件のもと携帯を押した時と離した時の推定と水深推定ができるアルゴリズムを提案した. そのアルゴリズムを評価した結果,携帯を押した時は98.6%で携帯を離した時は100.0%で推定できた. 水深推定は携帯を密封袋に入れなかった時の誤差平均が0.95 cm で入れた時の誤差平均が0.43 cmであった. これら推定の応用としてスマートフォンアプリを作成し,提案インタフェースの有用性を示した.

6D-3 (時間: 14:55 - 15:15)
Titleウェアラブルセンサを用いた調理動作の分析とその共有
Author*熊澤 綾人 (愛知工業大学大学院), 加藤 風真, 梶 克彦 (愛知工業大学), 高島 信秀 (三菱電機エンジニアリング株式会社), 内藤 克浩, 中條 直也, 水野 忠則 (愛知工業大学)
Pagepp. 978 - 985
Keywordセンシング, 調理行動, 分析・共有, ウェアラブルセンサ
Abstract料理のレシピを共有する方法にはさまざまな種類があり世の中に浸透している.またレシピを利用して作成したものを報告する機能がある.しかし過去の自分や他者と調理能力や効率について比較できる仕組みがない状態である.そこで本研究ではレシピと調理動作を共有・比較し調理に対する楽しさの増加を目的とする.アプローチとしてウェアラブルセンサを使い調理作業のセンシングを行い比較するための特徴量を抽出する.研究の全体像を4つの項目「調理動作のセンシング」「調理能力と効率の分析」「分析結果の共有」「履歴や他者との比較を可視化」に分けてられる.調理動作の分析・比較を「各場所での分析と比較」と「場所移動の分析と比較」に分けて説明している.各場所での分析と比較では切る工程を例にして実際にどのような結果が得られるのかを調べた.場所移動の分析と比較ではハンバーグ調理の工程を例にして実際にどのような特徴が見られるのかを調べた.

6D-4 (時間: 15:15 - 15:35)
Title3次元点群を用いた不規則に移動する高密度群衆下での歩行者トラッキング
Author*右京 莉規, 天野 辰哉, Hamada Rizk, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 986 - 995
Keyword3次元点群, 歩行者トラッキング, 人数推定, LiDAR, カルマンフィルタ
Abstract公共施設や商業施設など様々な人々が行きかう空間における人流計測の需要が高まっている.我々の研究グループではこれまでに,複数の3次元測域センサ(LiDAR)により捉えられた3次元点群データを用いて公共空間や準公共空間における歩行者のトラッキング(軌跡導出)を行う手法を提案してきた.同手法ではオクルージョンやノイズによる点群の欠損および複数人物の接近による点群の結合といった観測点群の不完全性による人物セグメンテーションの失敗を考慮し,カルマンフィルタとそれら状況の推定を組み合わせることで,堅牢なトラッキングを実現している.本研究では,複数人物が接近し点群が結合した際に不規則な移動が行われることに対応するため,結合した点群の人数をCNNによる人数推定モデルにより推測し,再度人物同定を行うことでより堅牢なトラッキングを実現している.同大学キャンパス内において設置された複数台のLiDARから得られる3次元点群を用いて,混雑した環境での不規則な移動を再現した環境および実際の混雑した環境にて提案手法の評価を行った.その結果,複数人のトラッキングにおける人検出及びID割り当ての精度を表すMOTAが0.977であり,結合した点群に対して再度人物同定を行うことにより精度が0.122向上することが確かめられた.

6D-5 (時間: 15:35 - 15:55)
Titleデジタル動物園に向けた動物行動の3次元計測
Author*天野 辰哉, 大野 真和, 右京 莉規, Hamada Rizk, 山口 弘純 (大阪大学)
Pagepp. 996 - 1002
Keyword動物識別, トラッキング, LiDAR, 3次元点群
Abstract生物多様性の保全に向け,動物行動の正確な認識が求められている.動物のモニタリングやセンシングにおいてはカメラ映像が広く利用されているものの,暗闇での視認性や視野,角度,距離による制約,さらに形状や細かな振る舞いの正確な認識の点で課題がある.そこで,本研究ではLiDAR(Light Detection and Ranging)を活用し,3次元点群データに基づく動物の行動認識を目的とした,動物の識別および追跡手法を提案する.LiDARの活用により,動物のポーズや身体の向き,相対位置をより詳細に計測可能である.また点群データはVR/AR技術との親和性が高く,リモート観察や遠隔教育への活用が期待される.本稿では,点群特徴量の抽出と大規模な事前学習済みのマルチモーダル認識モデルの活用を組み合わせた点群からの動物種判定手法を提案する.和歌山城公園動物園で収集した10種の動物種の3次元点群データを用い,この手法の有効性を検証した.その結果,SVMによる点群形状特徴量の学習モデルでは精度は0.89,事前学習済みのマルチモーダル認識モデルを活用した場合には,16-shot学習で精度0.96を達成した.


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セッション 6E  IoT
日時: 2023年7月6日(木) 14:15 - 15:55
部屋: 多目的会議室204
座長: 土井 千章 (NTTドコモ)

6E-1 (時間: 14:15 - 14:35)
TitleIFCモデルサーバを用いたBIM向けWebビューワの実装
Author*古田 悟, 中里 仁, 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学)
Pagepp. 1003 - 1008
Keywordデジタルツイン, Building Information Modeling, スマートビル, IoT, Webビューア
Abstract近年注目されるデジタルツイン技術とは,物理的な物体やシステムを仮想的に表現し,シミュレーションや最適化を行う技術である.建築・エンジニアリング・建設(AEC)業界では,Building Information Modeling(BIM)を用いたデジタルツインが検討されており,施設管理の効率化や建物内を動くロボットのフィールドマップなどへの活用が期待されている.しかし,リアルタイムの状況に合わせてデジタルツインデータを更新させることが難しいことや,BIMを手軽に扱うことのできるソフトウェアが不足していることなどが課題で,BIMを用いた屋内デジタルツインの運用・保守管理への導入は未だ十分に進んでいない.筆者らは連携グループと共に開発した,BIMデータに簡易にアクセスできるサーバを活用し,Webブラウザで動くBIMのビューア・3Dエディタを実装した.

6E-2 (時間: 14:35 - 14:55)
Title土砂災害推定システムに対応した太陽光発充電回路を搭載したメンテナンスフリー型の無線センサノードのプロトタイプ開発
Author*山本 成世, 安部 惠一 (神奈川工科大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
Pagepp. 1009 - 1014
Keyword環境発電, 無線センサネットワーク, バッテリーレス, 土砂災害, 太陽光電池
Abstract本論文では身の回りのエネルギーを回収して発電する環境発電(Energy Harvesting;以下 EH と呼ぶ)に着目し,電池を一切使用せず,EH のみで土砂災害推定向け無線センサネットワークで使用する無線センサノードの稼働時間を長期的(10 年以上)に稼働させる技術を提案する.今回我々が提案する技術のプロトタイプ開発及び評価を行ったので,その詳細を報告する.

6E-3 (時間: 14:55 - 15:15)
Titleハイブリッド環境のコラボレーションを抽出するIoTシステム構築に関する一検討
Author*藤原 拓也, 山口 隼平, 石岡 卓将 (大阪大学大学院情報科学研究科), 盧 峻, 大島 律子, 大島 純 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 木崎 一廣, 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 1015 - 1022
Keyword協調学習, ハイブリッド学習, マルチモーダル学習分析, Internet of Things, センサネットワーク
Abstract協調学習とは,学習者らが他者と協調 (コラボレーション) しながら創造的な問題解決に取り組む学習形態である. 学習者が他者と協調しながら学習を進めることで,多様かつ新たな知識を他の学習者から吸収したり,意見のすり合わせを通じてメンバ間の社会的関係を調整したりする能力を築くことができる. 協調学習による学習者らの成果を向上させるために学習科学の分野では専門家による協調学習の定性分析がなされてきたが,人手による分析に起因して人的・時間的コストがかかるという課題を抱えている. 本研究では,協調学習の定性分析をサポートすることを目的として,オフラインやオンライン,ハイブリッドといった学習者の多様な参加形態に対応したコラボレーションを抽出するIoTシステムを提案する. 提案システムは,学習者のセンサデータを収集する名刺型センサ,同時送信フラッディングおよびRadio over Fiber (RoF) を用いたセンサ間同期方式,センサデータを抽出・可視化する学習分析アルゴリズムからなる. 本稿では,提案システムがマルチモーダルなデータの抽出,複数デバイスの活用,学習者の参加形態に応じたデバイスの順応性を満たすことで協調学習の定性分析に要していたコストの削減に寄与することを示した.

6E-4 (時間: 15:15 - 15:35)
Title360度インターネット生放送におけるMRを用いたPOVヒートマップの開発
Author*須藤 純一郎, 齊藤 義仰 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
Pagepp. 1023 - 1029
KeywordMixed Reality, 360度インターネット生放送, POVヒートマップ
Abstract周囲360度を撮影できる全方位カメラを用いた360度インターネット生放送では,放送者は視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取ることができ,視聴者は放送者の周囲360度の映像を自由に視聴することができる.しかし,360度インターネット生放送において放送者が視聴者の視聴方向を把握することができないという問題がある.そのため,放送者と視聴者の間でコミュニケーションエラーが発生してしまう.この問題は,ARとPOVヒートマップを用いたシステムによって解決された.しかし,新たな問題として放送者がPOVヒートマップを確認することが負担となり,応答までの時間が増加してしまうという問題が発生した.本稿では,360度インターネット生放送において放送者の負担を軽減することために,MRを用いたPOVヒートマップシステムの開発を行う.MRを用いてPOVヒートマップを現実空間上に表示させることで,放送者の視聴者のPOVを確認する負担を低減することが期待できる.実装したシステムを用いて先行研究と条件を揃え評価実験を行った.実験の結果,放送者の負担を軽減することができた.今後は,ヒートマップの色を細かく分けることで放送者が視聴者の人数を把握しやすくする工夫が必要である.


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セッション 6F  プライバシ保護
日時: 2023年7月6日(木) 14:15 - 15:55
部屋: 特別会議室
座長: 佐々木 良一 (東京電機大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
6F-1 (時間: 14:15 - 14:35)
Title拡散モデルのメンバーシップ推論耐性の評価
Author*松本 知優 (大阪大学), 三浦 尭之 (大阪大学/NTT社会情報研究所), 矢内 直人 (大阪大学)
Pagepp. 1030 - 1037
Keyword拡散モデル, メンバーシップ推論, プライバシー
Abstract近年, 革新的な生成モデルとして拡散モデルが注目を集めている. 本稿では, 機械学習モデルのプライバシー漏洩を測る手法の一つであるメンバーシップ推論攻撃に対して, 拡散モデルがどの程度耐性を持つか実験により評価する. 具体的には, 従来の生成モデルである敵対的生成ネットワーク(GAN)との比較や, 拡散モデルに特有のハイパーパラメータであるタイムステップ, サンプリングステップ, サンプリング分散の観点から, 拡散モデルのメンバーシップ推論耐性を評価する. 実験は, ホワイトボックスとブラックボックスの両方の設定で, CIFAR-10とCelebAデータセットを用いた. その結果, 拡散モデルの一種であるDDIMは, GANの一種であるDCGANと同等のメンバーシップ推論耐性を持つことが分かった. また, タイムステップが拡散モデルの耐性に大きな影響を与え, ノイズスケジュールの中間ステップが攻撃に対して最も脆弱であることも分かった. さらに, 追加の分析を通じて2つの重要な洞察を得た. 一つは, DDIMは少量の訓練データで低いFIDを達成できる代わりに, 攻撃に対して脆弱となる. もう一つは, ハイパーパラメータにおけるサンプリングステップは耐性に大きな影響を与えるが, サンプリング分散の影響は非常に限られている.

6F-2 (時間: 14:35 - 14:55)
Title合成データに対するメンバーシップ推論攻撃評価フレームワークの拡張
Author*三浦 尭之 (NTT社会情報研究所/大阪大学), 紀伊 真昇, 市川 敦謙 (NTT社会情報研究所), 岩花 一輝 (NTT社会情報研究所/大阪大学), 芝原 俊樹, 奥田 哲矢 (NTT社会情報研究所), 矢内 直人 (大阪大学)
Pagepp. 1038 - 1046
Keyword合成データ生成, メンバーシップ推論, 評価フレームワーク
Abstract合成データ生成技術の安全性を攻撃可能性の観点から考察するため,特定個人の元データへの所属の有無を推論するメンバーシップ推論攻撃の耐性を評価する方法が注目されている.StadlerらによってUsenix Security 2022にて提案された安全性評価のゲームは,(1)サンプルの選び方が最悪ケースの評価をしていない,(2)攻撃者が推論を行う判断を機械学習モデルに行わせており,判断基準がブラックボックス化してしまうという2つの課題があった.(1)の課題は著者らがCSS2022にて,フレームワークを拡張する形で解決したが,(2)に関する検討はまだない.本研究では,Stadlerらの機械学習モデルベースの手法と比較ができるように既存の推論方式の改良を提案し,2種類のデータセット,6種類の合成手法を用いて比較実験を行った.結果として,既存の機械学習モデルベースの推論方式より,提案した統計量ベースやサンプル距離ベースの推論方式がよりAUC基準で0.07-0.10ほど高い推論精度を出すことを確かめた.加えて,課題(1)についても著者らのサンプルの選択の仕方がAUC基準で0.05-0.20ほど有効であることをより多くのデータセット,合成手法に対して確かめた.

6F-3 (時間: 14:55 - 15:15)
Title秘匿クロス統計技術を活用した企業横断の統計的データ活用のための分析フレームワークの提案と航空便利用者の移動行動支援への応用
Author*落合 桂一, 斧田 佳純, 長谷川 慶太, 野澤 一真, 中川 智尋, 佐々木 一也, 寺田 雅之 (NTTドコモ), 田淵 美帆, 中原 徹郎 (日本航空), 辻井 万里子, 藤嶋 人徳 (ジャルカード)
Pagepp. 1047 - 1054
Keyword秘匿クロス統計, データ分析
Abstractデータ活用が様々な分野で進んでいる.単一企業が保有するデータで捉えられるユーザの行動は限られており,複数企業でのデータ連携により,ユーザの行動を多面的に捉えることで,多様な場面でユーザの行動をサポートできる.企業間でデータ連携を行う際,プライバシ保護が重要となるが,秘密計算や差分プライバシなどのプライバシ保護技術を適用する場合,計算量が多いことやプライバシ予算の制約で同一データに対する分析回数が限られるという制約がある.本論文では,秘密計算や差分プライバシなどのプライバシ保護技術を活用して企業横断の統計的データ活用を行う際,分析回数の制約下でも有用な統計情報を効率的に得ることを目指したデータ分析フレームワークを提案する.日本航空における航空便利用者の移動行動支援への応用を通じて,提案する分析フレームワークの有効性を確認した.

6F-4 (時間: 15:15 - 15:35)
Title反復ベイズ法を用いた垂直分割データからのプライバシ保護データ合成
Author*紀伊 真昇, 三浦 尭之 (NTT 社会情報研究所), 千田 浩司 (群馬大学), 市川 敦謙, 山本 充子 (NTT 社会情報研究所)
Pagepp. 1055 - 1065
Keywordプライバシー保護, 差分プライバシー, シャッフルモデル, ベイジアンネットワーク, グラフィカルモデル
Abstractサービスなどの利益を受けるために個人が自身に関わる正確な情報を企業などの組織に提供しているが, 情報提供者達はデータが分析されることには消極的である,という状況は現実にしばしばある. このような状況でも,十分強くプライバシーが保護されることを保証すれば, 情報提供者達もデータが分析されることを受け入れてくれる可能性がある. そこで本研究では2つの組織が個人の異なる属性のデータ(垂直分割データ)を持ち寄り, 各組織のデータの匿名性を保ちながら合成データを作る方法を扱う. このようにして作られた匿名合成データは,単独の組織では知りえない多面的な情報を含んでおり, 将来のための探索的な研究・分析に用いることができる. 本研究ではデータ提供者(個人)のデータをシャッフル差分プライバシーの意味で保護しながら, グラフィカルモデルを用いてテーブルデータ(合成データ)を作る手法を提案する.

6F-5 (時間: 15:35 - 15:55)
Title完全準同型暗号を用いたゲノム秘匿情報検索の SSD による効率化に向けた検討
Author*辻 有紗, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1066 - 1077
Keyword完全準同型暗号, ゲノム秘匿検索, SSD
AbstractFHEは暗号化された状態で任意の演算が可能な暗号方式である.実用に向けた課題点として,時間空間計算量が大きいことが挙げられる.本研究では,空間計算量の不足に対してSSDを活用することを検討する.また,FHEには複数の実装方式があり,それぞれ処理の流れや暗号文のビット配置,メモリ使用量などが異なる.そこで,実装方式ごとにベンチマークで計測を行い,SSDの活用に適した暗号ライブラリ・方式を考察する.最後に,FHE暗号を用いたゲノム秘匿検索についてアプリケーションレベルでのSSDの活用に向けた考察を行う.


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セッション 6G  行動支援
日時: 2023年7月6日(木) 14:15 - 15:55
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 由井薗 隆也 (北陸先端科学技術大学院大学)

6G-1 (時間: 14:15 - 14:35)
Title読者をフロー状態に導くための拡散モデルを用いたVR空間生成手法
Author*瀧澤 琴萌, 阿部 広夢, 中村 亮太 (武蔵野大学デーサイエンス学部)
Pagepp. 1078 - 1083
Keyword360度パノラマ画像, 拡散モデル, VR, 読書, text-to-image
Abstractスマートフォンやタブレットの普及によって動画視聴が主流となったことにより読書離れが急速に進んでいる.読書離れには読解力の低下や正確な文章表現の困難化という懸念が指摘されている.読書習慣を身に付けるためには,読書のフロー状態に入ることが重要である.そこで,読書のフロー状態を読書習慣のない人に体験させることで読書人口が増えるのではないかと考え,本研究では小説の文章からVR空間画像を生成するシステムを提案する.読書のフロー状態とは読書量が多い人ほど体験しやすい物語への没入体験のことを指す.普段読書をしない者にとって,(i)周囲の音や視覚情報などによる集中力の欠如,(ii)知らない言葉や表現を含む文章から状況をイメージしづらい,という2つの要因が読書のフロー状態への導きを妨げていると考えられる.そこでそれらの問題を解決するためVRHMDと拡散モデルを使用した疑似的な没入体験を繰り返し行うシステムを研究することにした.本研究では小説の文章を情景描写したVR空間内で読書が可能なシステムを開発した.読書のフロー状態に入るためには文章の理解をスムーズにすることが重要である.本システムは小説の文章から情景描写用のテキストを自動的に抽出し,それを基にVR空間を自動生成する機能を備えている.評価実験の結果,読者をVR空間に没入させることで文章の意味理解を支援することが可能であることが確認された.VR空間の提供により,読者はより臨場感を感じながら物語に没頭することができ,文章の内容をより深く理解することが示唆された.

6G-2 (時間: 14:35 - 14:55)
Title制御焦点理論を考慮した目標の進捗状況提示を行う運動支援システムの提案
Author*中出 恵美 (大阪工業大学), 蔵永 瞳 (滋賀大学), 福島 拓 (大阪工業大学)
Pagepp. 1084 - 1089
Keyword運動支援, 制御焦点理論, 歩数, 動機づけ
Abstract本稿では,利用者の志向性を考慮した動機づけを行う運動支援システムについて述べる.現在,運動不足の人の増加が問題視されている.そこで本研究では,運動意欲はあるが行動に移せていない人に向けた運動支援システムを開発する.今回は,歩くことが運動の中でも容易なことから,歩数に注目する.また利用者の志向性を考慮するために,制御焦点理論を活用した目標の進捗状況提示機能を,運動支援システムに適用した.その効果を検討するために実験を実施した.本稿での貢献は以下の通りである.(1) 制御焦点傾向に沿った目標の進捗状況を提示することで,運動意欲が湧く傾向が見られた.(2) 制御焦点傾向に沿った目標の進捗状況を提示することで,運動への意識づけが出来る可能性を示した.(3) 目標内容に納得している傾向は見られたが,目標達成のために運動するところまでには至らなかった.

6G-3 (時間: 14:55 - 15:15)
Title利用者の予防焦点傾向を考慮した避難訓練支援システムの検討
Author*福島 拓, 北岡 大 (大阪工業大学), 蔵永 瞳 (滋賀大学), 田渕 恵 (安田女子大学)
Pagepp. 1090 - 1096
Keyword制御焦点理論, 動機づけ, 避難訓練
Abstract本稿では,自己制御の志向性に関わる理論である制御焦点理論を活用し,システム利用者の志向性を考慮した動機づけを行う避難訓練支援システムについて述べる.従来研究では,制御焦点理論の中でも利得への接近と利得不在の回避に着目する志向性である促進焦点を考慮した研究が実施されている.このため本研究では,制御焦点理論のもう一つの志向性である,損失の回避と損失不在への接近に着目する志向性である予防焦点に着目して機能を構築し,実験を実施した.本稿の貢献は以下である.(1)目標設定機能により,避難訓練の実施回数が有意に増えることを示した.(2)目標設定機能の利用者の中でも,予防焦点傾向が中程度の実験参加者が避難訓練の実施回数が多いことを示した.また,中程度の実験参加者は,避難訓練を実施して実際の地震の状況を考えた上で,実際の地震への対応が難しいと感じていることを示した.

6G-4 (時間: 15:15 - 15:35)
Title視覚障害者誘導用ブロックの認識のしやすさを推定する手法の提案
Author*土岐田 力輝 (日本大学文理学部), 古田 瑛啓, 村山 優作 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 齊藤 孝樹 (日本大学文理学部), 呉 健朗 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 1097 - 1102
Keyword点字ブロック, ロービジョン, 管理, 物体検出
Abstract現在,日本には数多くの視覚障害者が存在するが,その多くはロービジョン者と言われている. 視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)は,ロービジョン者も利用しているため,ロービジョン者が 認識しやすいように設置されていることが望ましい. しかし,点字ブロックが路面と同系色であったり,劣化したりすると ユーザは点字ブロックを認識することが難しい場合がある. 本来は,国や自治体がこれらの点字ブロックを管理してこの問題を防ぐべきであるが, 点字ブロックが設置されている箇所は膨大であり,管理が行き届かないという問題がある. 本稿では,そのような点字ブロックの不備の情報を自動で収集するため, ロービジョン者にとっての点字ブロックの認識のしやすさを推定する手法の提案と予備実験による検証を行う.


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セッション 7A  インタラクション
日時: 2023年7月6日(木) 16:15 - 17:35
部屋: メインホール
座長: 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学)

7A-1 (時間: 16:15 - 16:35)
Title聞き手反応に注目したオンラインビブリオバトルの言語・非言語行動分析
Author*永井 彬博, 碓井 飛芽, 金 萌乃, 角 康之 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 1103 - 1109
Keywordオンラインビブリオバトル, プレゼンテーション, 言語, 非言語
Abstract本研究は,プレゼンテーションにおける聞き手反応から内容の伝達や共感の獲得を読み取ることを目的とする.具体的には,オンラインで実施されたビブリオバトルから得られる参加者の言語・非言語行動データと投票結果の関係を分析する.プレゼンテーションによって他者にメッセージを伝えるには言語だけでなく非言語も利用していると考える.プレゼンテーションの場は話者だけではなく,聞き手のうなずきなどの非言語行動や質疑応答での発話などもプレゼンテーションの成功に重要な役割を果たしていると考える.そこで,本研究ではビブリオバトルを用いた参加者の言語・非言語行動,特に聞き手による発話量,うなずきに注目し,話者から聴者への情報伝達における共感度,理解度との関係を調査する.分析では全体的傾向を把握する可視化と,各参加者の反応を可視化した.本稿では研究での関係性調査のための分析手法について評価していく.

7A-2 (時間: 16:35 - 16:55)
Titleデジタルサイネージ向けのアイコン動作を真似る選択方式の検証
Author*須賀 美月, 松井 優季, 新山 はるな (日本大学文理学部), 呉 健朗, 森岡 優一, 古野 雅人 (ソフトバンク), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 1110 - 1114
Keywordデジタルサイネージ, スマートフォン, ジェスチャ, インタラクション
Abstractデジタルサイネージに複数のコンテンツが表示されている状況において,デジタルサイネージとスマートフォンを連携させる場合,ユーザはデジタルサイネージから対象のコンテンツを1つ選択する必要がある.しかし,NFCタグやBluetooth等を用いた従来方式で選択しようとすると,ユーザへの制約・操作負担が大きいという問題があった.この問題を解決するために先行研究では,デジタルサイネージの複数のコンテンツの中からスマートフォンと連携させるものを選択する方法として,アイコンの動きを真似るデジタルサイネージ選択方式を提案した.これは,ユーザがスマートフォンを把持してデジタルサイネージ上のアイコン動作と同じタイミングで同じ動きのジェスチャを行うことで,対応するコンテンツを選択できる方式である.しかし,先行研究では,アイコンの動作時間帯とユーザがジェスチャを行う時間帯がずれることで,ジェスチャマッチングが失敗する問題があった.本稿では,この問題を解決するために各アイコンの動作時間の間にマージンを設け,ジェスチャマッチング成功率の検証実験を行った.その結果,従来手法よりジェスチャマッチング成功率を向上させることができた.

7A-3 (時間: 16:55 - 17:15)
Title親子の対話型読み聞かせのための記録システムに向けたインタビュー調査
Author*清水 啓太郎, 佐藤 安理紗 ジエンジエラ, 矢谷 浩司 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory)
Pagepp. 1115 - 1121
Keyword読み書かせ, 親子インタラクション, 質的調査
Abstract子どもとの対話コミュニケーションの重要性について多くの研究が示唆しているにも関わらず,子育て親は忙しさが増しておりコミュニケーション機会を確保することは難しくなっている.本研究では対話コミュニケーション機会として親子の読み聞かせ活動に着目し,活動への意欲や対話型読み聞かせを促すためのシステムデザインを検討する.そのために読み聞かせに際しての親子を取り巻く環境についての状況や,やりがい,続ける上での課題や,システムデザインを踏まえたセキュリティ意識などを把握するために,子育て親に対してインタビューを実施し定性的な調査をおこなった.インタビュー結果を元に考察をおこない,子育て親が振り返りながら対話型読み聞かせを続けていくためのシステムデザインについて検討した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7A-4 (時間: 17:15 - 17:35)
Titleインタラクティブ機械学習の教示プロセスでの生成 AI の利用可能性の検討
Author*山本 恒輔, Zhongyi Zhou, Zefan Sramek, 矢谷 浩司 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory)
Pagepp. 1122 - 1128
Keywordインタラクティブ機械学習, 生成AI
Abstract機械学習は大量の学習データがあれば難しい課題を効率的に解決できるが,モデル作成には深い理解が必要であり,一般の人々が利用するにはハードルが高い.インタラクティブ機械学習(IMT)は機械学習のモデル作成に対話的要素を組み込み,ユーザの理解を促進することを目的としており,すでにウェブカメラなどを使って簡単にデータを提供できるシステムが公開されている.しかし,これらのIMTツールではユーザが提供する学習データと実際に学習させたい概念との乖離が生じることがあり,本研究ではその乖離を生成AIによるデータの拡張によって解決することを目指す.本稿では,生成AIを組み込んだIMTシステムの開発と実験を行い,IMTの教示プロセスにおける生成AIの利用可能性を検討した.


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セッション 7B  ITS・交通制御
日時: 2023年7月6日(木) 16:15 - 17:35
部屋: 多目的会議室201
座長: 徳永 雄一 (金沢工業大学)

7B-1 (時間: 16:15 - 16:35)
Title迂回誘導による交通渋滞解消に際して渋滞道路の交通量の変化を安定させる迂回量の計算手法
Author*北野 安里紗 (和歌山大学大学院 システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学 システム工学部)
Pagepp. 1129 - 1137
KeywordITS, 自動車, 交通渋滞, 迂回経路誘導, 交通制御
Abstract自動車の交通渋滞は渋滞道路を走行した運転者の時間の損失や交通事故,環境汚染などの問題を引き起こすため,解決すべき問題である.交通渋滞を解消する手法として,車両の迂回誘導手法がある.この手法では,渋滞道路を通る予定の車両の運転者に迂回路を提示する事で,一時的に渋滞道路の交通需要を交通容量より低くさせ,渋滞を解消させる.しかし,渋滞が緩和した際に迂回誘導する車両数を減少させると,再び交通需要が交通容量を上回り,再度渋滞が発生する.そこで,本研究では,交通需要は道路へ流入する車両数,交通容量は道路から流出する車両数と捉え,渋滞道路へ流入する車両数と渋滞道路から流出する車両数のバランスを保つ迂回誘導量の計算手法を提案する.これにより,渋滞発生から解消に至るまでの間に交通網全体として安定した交通制御が可能になり,迂回量変更時の再渋滞や一時的な交通の乱れを防ぐことができる.交通シミュレータを用いて提案手法の性能評価を行った.評価の結果,提案手法を用いると渋滞時間と車両の平均走行時間が低減し,提案手法により渋滞解消時の道路交通が効率化することを確認した.

7B-2 (時間: 16:35 - 16:55)
Titleライドシェア車両の集中による渋滞を緩和する乗換スケジューリングの検討
Author*鈴木 潮音, 吉廣 卓哉 (和歌山大学)
Pagepp. 1138 - 1145
KeywordITS, ライドシェア, 交通渋滞, 乗換, MaaS
Abstract自動車の交通渋滞により,交通時間の損失や排気ガスの増加など,様々な問題が発生している.そのため,交通渋滞の解決が期待されるライドシェアサービスが注目されている.ライドシェアサービスは車両を用いて,利用者を目的地まで送迎するサービスである.その際に,他の利用者との乗り合いを許容することで,一人当たりの移動コストを抑えることができる.ライドシェアサービスに従来の自家用車による移動を置き換えることで,道路を走行する車両数を削減し,渋滞を解消できる.しかし,ライドシェアサービスの普及に伴い,現在には存在していない移動の需要が発生すると,交通の様相が変化し,現在とは異なる要因による渋滞の発生が予測される.その要因の一つが,ライドシェア車両の移動需要が一か所に集中することによる,目的地周辺の道路における交通量の増加である.本研究は,この交通量の増加により発生する渋滞の解消を研究目的とする.本手法は,従来手法によるライドシェアスケジューリングに,渋滞状況に応じて乗換を発生させる処理を追加することで渋滞を緩和する.いずれかの道路で渋滞が発生している場合に,一定周期で,共通の渋滞道路を予定経路に含むライドシェア車両に対して,乗換指示を行う.乗換により,既にライドシェアサービスにより移動している利用者を,他の利用者を乗せた車両へ乗車させ,乗り合いを促進する.この乗換を数多く行うことにより,宛先へ向かう車両数を削減することで,車両の集中により発生する渋滞を緩和する.交通シミュレータにより提案手法の性能評価を行った.評価の結果,提案手法は従来手法と比較して,道路の渋滞による宛先への到着遅延が小さくなり,提案手法により,ライドシェアサービスが原因となる渋滞を解消する効果があることを確認した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7B-3 (時間: 16:55 - 17:15)
Title周辺車両の走行経路推定に基づく協調走行メッセージのサイズ削減手法の検討
Author*藤中 達己, 國部 匡志, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 1146 - 1151
Keyword車両間通信, 輻輳制御
Abstract本稿では周辺車両の走行経路推定に基づく協調走行メッセージ(MCM)のサイズ削減手法を提案する. コネクテッド自動運転車(CAV)は自身の移動軌道をMCMに含めて周辺車両と通信することで協調走行を行なっている.しかし,MCMは格納する経路情報が長い場合,サイズが大きいため帯域を逼迫しやすいという問題点がある. そこで,本稿ではMCMのサイズを削減することを目的とする. 具体的には,MCMに含まれる経路情報のうち,車両の位置,速度,加速度,進行方向情報が含まれる協調認識メッセージ(CAM)を用いて推測可能な軌道の範囲を求め,それをMCMから削除する. シミュレーション評価では,何も処理を施さないMCM,従来手法を適用したMCM,従来手法に提案手法を加えたMCMの3つのメッセージサイズを比較することで,本手法の有効性を検討した.

7B-4 (時間: 17:15 - 17:35)
Title時刻表情報を考慮した都営バスのオープンデータによる渋滞検知手法の提案
Author*畠中 希 (お茶の水女子大学), 青柳 宏紀, 藤田 智也, 山名 早人 (早稲田大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1152 - 1156
Keyword渋滞, オープンデータ, バス, 機械学習, 公共交通機関
Abstract日本における交通渋滞による経済的損失は年間12兆円上ると試算されており,渋滞を検知し回避することは喫緊の課題である.現在,交通渋滞の検知は主に道路上に設置されている感知器によって行われている.しかし,道路上に感知器が設置されていない場合があるため,全ての道路の交通渋滞を検知することは難しい.また,他に交通渋滞を認識する手法として民間企業が運営する渋滞予測サービスがあるが,これらのサービスの多くは,そのサービスを使用しているユーザーの走行状態を基に予測が行われている.そのため,ユーザーの走行データが少ない道路では渋滞予測の精度が低くなるという問題がある.そこで,オープンデータとして提供されている都営バスのリアルタイム運行データと機械学習を用いた渋滞検知手法に時刻表情報を考慮することでの精度向上を目指す.実験の結果,実際の出発時刻と定刻との差を特徴量に入れることですべてのアルゴリズムにおいてF1スコアが向上し,ランダムフォレストでは0.621から0.678へ向上した.よって,実際の出発時刻と定刻との差を特徴量に入れることはモデルの精度向上に寄与したことが分かる.


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セッション 7C  インタフェース
日時: 2023年7月6日(木) 16:15 - 17:35
部屋: 多目的会議室202
座長: 鈴木 浩 (神奈川工科大学)

7C-1 (時間: 16:15 - 16:35)
Titleプッシュ通知インタフェースの誘目度と干渉度のモデル化
Author*宮崎 翔, 乘 駿平, 山本 恒輔, シュラーメク ゼファン, 佐藤 安理紗 ジエンジエラ, 矢谷 浩司 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory)
Pagepp. 1157 - 1164
Keywordプッシュ通知, 計算的インタフェース設計
Abstractスマートフォンやパーソナルコンピュータ上でのプッシュ通知は,ユーザに対し即時的に情報を伝える手段として広く用いられているが,ユーザが通知を受け取りたいかどうかを考慮せずに行われるため,ユーザの作業への集中の妨げになったり,煩わしく感じられたりしてしまうという課題がある. 本研究では,見た目や出現位置といったプッシュ通知の視覚的な特性を適切に調整することで,ユーザに対する気づかれやすさと受容性の高さを両立する通知を設計することを最終的な目標とし,通知の視覚的特性の変化が通知の誘目性と受容性をどう変化させるかを調査した. この調査のために,実験参加者にタスク中に出現する通知について気づきやすさと受容性について評価をしてもらうユーザ実験を行った 結果,通知の透明度や注視点に対する相対位置が誘目度と受容性の増減に強い影響を与えるなどがわかり,それらの知見をもとにユーザにとっての気づかれやすさと受け入れやすさを両立する通知の設計方針について議論した.

7C-2 (時間: 16:35 - 16:55)
Title第二言語の映像視聴時の認知負荷を考慮した字幕提示手法の提案
Author*西 優己, 中村 優吾, Billy Dawton, 福嶋 政期, 荒川 豊 (九州大学)
Pagepp. 1165 - 1170
Keyword字幕, 第二言語, 認知負荷, 視線, UI
Abstract映画やテレビ番組などを見る際,字幕は映像の内容理解を促進する役割を担っている.本研究では,第二言語の映像視聴時において認知負荷を考慮した字幕提示手法を提案する.一般的な字幕は画面下部に提示されるが,字幕と映像の視線の切り替えが多く発生し,認知負荷の要因になっている.提案手法では,認知負荷を減らし,映像集中を妨げないための字幕提示として,字幕の提示位置,提示時間,情報量に着目した.評価実験では,22歳から25歳の12名の参加者に英語の映像を視聴してもらい,提案手法が映像視聴時の視線分布,理解度,認知負荷に与える影響を調査した.その結果,一般的な字幕に比べて提案手法による字幕では画面中央付近に視線が分布していることが分かった.映像の理解度は一般的な字幕に比べて劣るものの,同程度の理解が保たれたことが示唆された.しかしながら,映像視聴時の認知負荷は一般的な字幕よりも大きく,参加者は提案手法による字幕で負荷の大きい状態で映像を視聴していたことが確認された.

7C-3 (時間: 16:55 - 17:15)
Title軌道ベース運用における航空機の安全性可視化を特徴とする地上管制HMIの開発
Author*皆川 純, 信田 翔平, 鳥居 晃 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所)
Pagepp. 1171 - 1179
Keywordヒューマンインタフェース, 生態学的インタフェースデザイン, 航空管制
Abstract航空機の効率的な運航を目指した次世代の航空管制のあり方として,軌道ベースの航空管制システムが注目されている.軌道ベースの管制システムを運用するためには,システムによって自動化された管制官に対する支援が必要不可欠である.しかし,軌道ベースの管制システムが担う処理が広範囲かつ複雑になることから,管制官がシステムの状態を把握するのが困難になり,従来の地上管制官が着目していた地上面における安全性や効率性といった観点が得づらくなるという課題がある.そこで我々は,Ecological Interface Designの概念を取り入れることで,管制官に対しシステムの状況把握を促すHMI(ヒューマンマシンインタフェース)を検討する.本稿では地上管制業務を対象に,地上を走行する航空機の安全性を可視化することに焦点を当てたHMIのプロトタイプを紹介する.また,12人の被験者を対象に実施したユーザビリティ評価によって提案手法の有用性を確認するとともに,改善点や今後の展望について述べる.


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セッション 7D  行動認識II
日時: 2023年7月6日(木) 16:15 - 17:35
部屋: 多目的会議室203
座長: 濱谷 尚志 (NTTドコモ)

7D-1 (時間: 16:15 - 16:35)
Title学生の学内での行動把握手法
Author*本間 伊頼 (神奈川工科大学大学院), 清原 良三 (神奈川工科大学)
Pagepp. 1180 - 1187
Keyword大学内システム, WiFi, 安全衛生, 行動追跡
Abstract世界的に少子高齢化が進行し,特に日本では18歳人口の減少が大学教育にとっても学生の質適な面から大きな問題になりつつある.国の経済力,技術力の発展のためには,質の高い大学教育が不可欠である.学生のレベルに関係なく,意欲ある学生の学習については,効果的な教育手法に関して多くの研究がある.しかし,大学の定員が変わらずに,18歳人口が減るために,従来は進学しなかった層まで進学するようになり,さまざまな問題を抱えた学生が増えることが容易に予想できる.そのため,多種多様な支援を必要とする学生個人に対する支援プログラムが必要にる.しかし,教職員の数は変わらないことが予想され,ITを活用して,限られた資源で,支援を要する学生を発見し,支援することが重要となる.そこで,学生の行動データを分析し,支援をある程度絞り込むことができれば,効率的に支援が可能になると考えられる.そこで,学生の行動把握を目的とした,授業への出席,食事,図書館への出入り,サークル活動など,学生の行動を見守るエージェントによる行動トラッキング手法を提案する.具体的には,キャンパス内のWiFiに接続し,インターネットやコンテンツにアクセスする学生のスマートフォンを, バックグラウンドのスマートフォンアプリケーションを介さずにエージェントがトラッキングすることで,漏れを防ぐ.本論文では,提案手法の基本となる,学生の現在位置把握に関して検証したので報告する.

7D-2 (時間: 16:35 - 16:55)
TitleWi-FiのCSIを用いたドア開閉動作の個人識別の検討
Author*岩瀬 一樹, 森野 博章 (芝浦工業大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 1188 - 1192
KeywordWi-Fiセンシング, CSI, 個人識別

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7D-3 (時間: 16:55 - 17:15)
TitleWiFiバックスキャッタータグを用いた非接触生活行動認識システムの提案
Author*伊勢田 氷琴, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科), 内山 彰 (大阪大学大学院 情報科学研究科), 東野 輝夫 (京都橘大学 工学部情報工学科)
Pagepp. 1193 - 1203
Keywordバックスキャッター通信, 生活行動認識, WiFi
Abstract本論文では,家具や建具,生活用品に取り付けたWiFiバックスキャッタータグを用いて,家庭内の日常生活動作を認識する手法及びシステムを提案する.提案システムでは,周波数シフト型バックスキャッタータグと,受信したWiFi信号の周波数シフトを捉えることができるソフトウェア制御型WiFiデバイスであるSDWiFiを用いる.提案手法では,SDWiFiの送信機から伝送される無線信号に対し,生活行動に伴うタグの動きが与える周波数シフトを,SDWiFiの受信機で検知し,家のオブジェクト(家具・建具・日用品など)がどのような順序で動かされたのかといった情報から生活行動を非接触に認識する. 提案手法の実現可能性を調べるため,NAISTスマートホームにおいて,SDWiFiの送信機と受信機,WiFiバックスキャッタータグの様々な位置関係や角度に対し,タグを検出可能かどうか実験を行った. 1--2m離してSDWiFiの送信機・受信機を設置し,タグを送信機に近い場所から受信機に近い場所まで変更した結果,タグの位置が送信機あるいは受信機に近い(25cm程度)時に,77.6--100%以上の精度でタグを認識できた.一方で,送受信機間の距離が2m,送信機・受信機とタグの位置が距離が1m程度の時は,精度が46.3%程度まで悪化した.また,タグと送信機-受信機を結ぶ直線の間の角度によっても,精度が46.3--87.6%まで大きく変化することが確認された.最後に,シンク水栓のレバー,キッチンの引き出し,冷蔵庫のドアにタグを取り付けて動かしたところ,認識精度は,それぞれ,92%,24.6%,52%となった.以上より,現状では,送信機・受信機の近くにタグを設置しなければならないという制約は存在するものの,SDWiFiの送受信機およびタグの位置関係や角度を適切に設定することによる提案手法の実現可能性が示された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
7D-4 (時間: 17:15 - 17:35)
TitleEncoder-Decoder Network による Wi-Fi CSI を用いた環境非依存な行動認識手法の検討
Author*杉本 雄, 内山 彰 (大阪大学大学院情報科学研究科), Hamada Rizk (大阪大学大学院情報科学研究科/Tanta University), 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 1204 - 1209
KeywordWi-Fi CSI, Autoencoder, 転移学習, 行動認識
Abstract近年,人の行動認識は,ヘルスケア,スマートホーム,セキュリティなど様々な応用が期待され,大きな注目を集めている.中でも,Wi-Fi Channel State Information (CSI)は,既存のWi-Fi 設備を利用可能なため低コストであり,センサを身につける必要がないデバイスフリーな行動認識を実現できる.しかし,Wi-Fi CSI を用いた行動認識においては,環境依存性が極めて高いという課題が存在する.本研究では,複数の環境から得られたCSI 学習データを利用し,未知の環境でも対応可能な深層学習に基づく行動認識手法を提案する.提案手法は,Encoder-Decoder Network アーキテクチャに基づくマルチタスク学習手法を採用している.これにより,Encoder では,環境依存要因を緩和し,環境不変な特徴量を抽出できる.提案手法では,抽出した特徴量をFeed Forward Neural Network (FNN) に入力することで,行動を認識する.提案手法の性能評価をするため,送受信機の位置を環境と定義し,4 つの異なる環境において,3 人の被験者を対象に,6 種類の行動におけるCSI を収集した.評価結果より,FNN に対して,対象環境における少量の学習データを利用した転移学習を適用することで,提案手法は平均80%の精度を達成できることが確認できた.さらに,対象環境の学習データが少ない場合は,対象環境のみのデータを用いて行動認識モデルを構築した場合と比較して,提案手法は6%高い精度を達成できることが分かった.


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セッション 7E  漁業センシング
日時: 2023年7月6日(木) 16:15 - 17:35
部屋: 多目的会議室204
座長: 梶 克彦 (愛知工業大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
7E-1 (時間: 16:15 - 16:35)
Title様々な産地市場に転用可能な魚種の自動判別モデル
Author*長谷川 達人, 近藤 圭 (福井大学大学院工学研究科), 瀬能 宏 (神奈川県立生命の星・地球博物館)
Pagepp. 1210 - 1218
Keywordスマート水産業, 画像認識, 深層学習, 転移学習
Abstract持続可能な漁業に向けて,漁獲情報の電子データ化を推進する動きが世界的に広がっている.一方,漁獲した魚種や体長,尾数といった漁獲に関する基礎情報の収集は現在手作業で行われており,職員の負担軽減のためにも自動化の要望が高まっている.近年,Convolutional Neural Network(CNN)に基づく画像認識システムが様々な産業で広く開発されている.しかし,季節や場所によって異なる多くの魚種を扱うというタスクの複雑さや、大規模な漁獲物の公開データセットが不足していることもあり,魚種識別のCNN実装は容易ではない.この問題を解決するために,本研究では魚種識別のための汎用的な事前学習済みCNNモデルを開発する.日本の博物館が保有する大規模な魚種写真データベースを用いて,CNNの二段階事前訓練を行う2 stage Pre-training (PT)と,そのモデルを活用する2 stage Transfer Learning (TL),Masking Adaptation (MA)手法を提案する.いくつかのデータセットを用いて実験を行った結果,開発した事前訓練済みモデルの有効性を示した.

7E-2 (時間: 16:35 - 16:55)
Title単色背景環境における魚体長精密測定手法の改良
Author*岡山 充希, 長谷川 達人 (福井大学大学院), 仲野 大地 (福井水産試験場), 渡慶次 力 (福井県立大学海洋生物資源学部先端増養殖科学科)
Pagepp. 1219 - 1226
Keyword水産資源管理, 魚体長計測, LiDAR, RealSense
Abstract本研究では,魚体長の精密測定を自動化し,作業の高速化と人的ミスの防止を図ることを目的として,基準点検出と補間を用いる手法(手法1),基準点検出と三次元空間座標を用いる手法(手法2)の2つを提案する.どちらも1枚の画像から魚体長を推定する手法である.手法1では,画像のピクセル距離に応じた実距離を補間によって算出し,最後に深度補正を加える.手法2では三次元座標をもとにユークリッド距離を求めることにより,魚体長の推定を行う.実験の結果,1尾あたりの計測にかかる時間を約40%削減することができた.精度に関して,手法1ではMAE=32.17±42.79[mm],手法2ではMAE=2.84±1.73程度となった.検出された基準点間距離に,一定の係数をかけた場合の誤差を比較すると,魚体長を画像から推定するには深度情報が重要であることが明らかとなった.

7E-3 (時間: 16:55 - 17:15)
TitleDeticを用いた魚類検出のためのデータセット構築
Author*益本 英明, 長谷川 達人 (福井大学大学院), 仲野 大地 (福井水産試験場), 渡慶次 力 (福井県立大学海洋生物資源学部先端増養殖科学科)
Pagepp. 1227 - 1232
Keyword漁獲物データセット, Detic, 物体検出
Abstract近年,深層学習を用いた物体検出が急速な発展を遂げており,それに伴って様々な分野において物体検出の利活用が行われている.そのうちの一つに漁港で水揚げされた魚類の検出があり,物体検出による魚体長検出および魚種判別の自動化が模索されている.魚類の物体検出を行う場合,大規模データセットに魚類のデータが少ないことによって,事前学習された学習済みモデルをそのまま使用すると精度が不十分であることや,詳細な判別が行えないといった問題が発生する.事前学習済みモデルをタスクに特化させる必要があるが,季節や場所などの要因によって,検出対象となる魚種が変化する場合が存在する.そのため,魚類の物体検出においては漁港ごとにデータセットを用意することが望ましいが,データセットを作成するにはアノテーションを行う必要があり,莫大なコストがかかる.本研究では高精度な物体検出を行えるDeticを用いることによって魚類物体検出用データセットを作成し,実運用可能な事前学習済み物体検出モデル の魚種判別への特化を試みた.検証の結果,Deticによるデータセットを用いることで,対象タスクへの 特化が可能であることが示された.また,Deticによるデータセットの作成の精度向上を達成するためにDeticによるマスク処理を導入したが精度の向上は見られなかった.


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セッション 7F  暗号実装・ブロックチェーン
日時: 2023年7月6日(木) 16:15 - 17:35
部屋: 特別会議室
座長: 岡崎 直宣 (宮崎大学)

7F-1 (時間: 16:15 - 16:35)
Titleデータベース演算プリミティブの Paillier暗号を用いた実装方式における性能評価と考察
Author*内藤 華 (お茶の水女子大学), 中野 美由紀 (津田塾大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1233 - 1238
Keyword準同型暗号, プライバシ, 問い合わせ処理
Abstract近年、企業の機密情報や顧客の個人情報などさまざまな電子データが、外部のクラウドサービスへ委託され、クラウド上で処理されている。情報漏洩や改ざんを防ぐためにデータを暗号化する必要がある が、従来の暗号化方式を用いた場合、データを処理する際に復号しなければならず秘匿性が損なわれてしまう。ここで、準同型暗号という暗号方式を用いると、データを復号することなく暗号化状態で加算や乗算などの計算を行うことが可能になる。一方で、計算できる演算の種類や回数の制限が少ないほど、データサイズや処理コストが大きくなることが知られている。本稿では、加算のみ演算可能な加法準同型暗号の一種であるPaillier暗号を用いてデータベース演算プリミティブを実装し、その性能評価を行った。鍵管理用サーバと演算用サーバの2台を用いてマルチパーティー計算を行うことで豊富な種類の演算を実現し、クエリやデータの種類によるコストの違いを明らかにした。

7F-2 (時間: 16:35 - 16:55)
Title二次元コードによる安全でオフライン実行可能な暗号鍵共有
Author*山口 夏生, 楫 勇一 (名古屋大学)
Pagepp. 1239 - 1246
Keyword暗号鍵共有, 可視相互通信, 二次元コード
Abstract対称鍵暗号の鍵を安全に共有することは安全な情報通信を行う上での基本要件であるが,能動的・受動的攻撃の両方に対し安全で,専門知識等を必要とせず誰でも簡便に実行できる鍵共有の技術は,未だ実現されていないと考えられる.これに対処するため,スマートフォンのディスプレイとインカメラを用い,QRコードにより情報を符号化して送受信する可視相互通信の仕組みを構築し,そのうえで暗号鍵の共有処理を実行することを検討する.本研究では,はじめに,QRコードのディスプレイ表示によるデータの送信とカメラ読み取りによるデータ受信を行うスマートフォンアプリケーションを実装し,その通信性能を評価する.また,鍵共有の手段として楕円曲線Diffie-Hellman鍵共有法を採用し,可視相互通信系の上で実装して,鍵共有の完了までに必要となる時間等について評価を行う.一連の評価結果から,2端末間での暗号鍵共有を安全,簡便で効率よく実現できることを示す.

7F-3 (時間: 16:55 - 17:15)
Title秘密分散ライブラリ実装における諸要件の理論検討
Author*山澤 昌夫 (学校法人中央大学研究開発機構), 米津 武至 (学校法人中央大学研究開発機構/株式会社リーディングエッジ), 山本 博資 (学校法人中央大学研究開発機構), 藤田 亮 (学校法人中央大学/研究開発機構/株式会社光電製作所), 五太子 政史 (学校法人中央大学/研究開発機構/横浜国立大学大学院環境情報研究院・先端科学高等研究院), 辻井 重男 (学校法人中央大学/研究開発機構)
Pagepp. 1247 - 1252
Keyword秘密分散, クラウド, 可用性, 実装, ライブラリ
Abstract筆者らはDICOMO2021,DICOMO2022,SCIS2023 において,認証情報をセキュアに保存すること,および機微情報,機密情報を分散保管すると言う目的で,ISO/IE C19592-2 の秘密分散アルゴリズム,ならびに新方式である多重秘密分散法(MSSS)[12] を使うことを想定し,必要な機能をライブラリパッケージとする検討過程を紹介した.検討過程では,運用における要請,要求機能につき8 項目の論点について検討し,文献[13] にて展開したようにプロトタイプ実装による動作時間比較を行った.先の標準方式ISO/IEC19592-2 によると,分散処理した場合,程度の差はあるが合計のデータ量が増加することが記されている.このため,大きなデータを扱う場合,分散保管のメモリ使用効率が低下する.この問題に対処する方式については,掲記標準にも一部触れられているランプ形のアルゴリズムがある.この課題に答えるため,筆者の一人により新たな秘密分散方式[12] が提案され.文献[13] において実用的実装が可能であることが示された.文献[12] の方式は秘密情報と分散片のデータ量が同じになるように計らうことができる.しかし,秘密分散法の特徴である可用性対応が損なわれる.本論文では,文献[12] の高速演算性を保ちつつ可用性対応を行う方式について検討する.

7F-4 (時間: 17:15 - 17:35)
Titleメタバース利用者の匿名性と特定・追跡性の両立に関する考察 ― 安心・安全なメタバースを目指して ―
Author*才所 敏明 ((株)IT企画), 櫻井 幸一 (九州大学大学院システム情報科学研究院), 辻井 重男 (中央大学研究開発機構)
Pagepp. 1253 - 1260
Keywordメタバース, セキュリティ, 匿名性, 特定・追跡性
Abstractメタバースは,サイバー空間に構築された,人々がデジタル的に交流し活動するサイバー社会であり,現在はゲームやエンターテインメントの分野を中心に活発に使用されているが,今後はビジネス,教育,医療等の分野での活用も期待されている.一方,フィジカル社会とメタバースの関係が密になるにつれ,メタバースのセキュリティリスクがフィジカル社会の安心・安全に直結するリスクとなることが想定される.メタバースを活用するサイバー・フィジカル社会の安心・安全を維持するには,十分なセキュリティ対策を施した安心・安全なメタバースの構築が重要となる. 本稿では,フィジカル社会の利用者(個人・法人)と紐づけられたメタバースのエンティティ間のコミュニケーション,エンティティ間の取引,フィジカル社会の利用者とその利用者に紐づけられたエンティティ間の資金移転,等の基本的なサービスを提供するメタバースを対象に,セキュリティ対策としての利用者のメタバースでの匿名性と特定・追跡性の両立を目指した,メタバースの構成・仕組み等を提案する.


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セッション 7G  ユーザブルセキュリティ
日時: 2023年7月6日(木) 16:15 - 17:35
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 朴 美娘 (神奈川工科大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7G-1 (時間: 16:15 - 16:35)
TitleSOC使用ツールのユーザビリティ評価手法の提案及び提案手法を用いたツール評価
Author*岡沢 侑希奈, 金岡 晃 (東邦大学)
Pagepp. 1261 - 1268
KeywordSOC, SIEM, ユーザビリティ評価
AbstractSOC (Security Operation Center、セキュリティ監視センター) では、24時間365日体制でネットワークやデバイスを監視し、サイバー攻撃の検出や分析、対応策のアドバイスを行う。SOCにおいて運用に携わるSOC実務者は日々大量のアラートに対応しており、SOC実務者の業務負担が大きいことが対処すべき課題と考えられている。SOC業務の効率化やSOC使用ツールの改良がこれまで着目されていたが、SOC使用ツール自体のユーザビリティ評価や、評価手法についての研究は明確に行われていなかった。そこで本研究では、評価対象を代表的なSIEM (Security Information and Event Management) システムの1つであるPrelude OSSとし、評価項目を作成してヒューリスティック・ウォークスルーを用いて評価を行った。その結果、提案する評価手法がSOC使用ツールのユーザビリティ評価に一定の効果が見込まれることに加え、評価を試行したPrelude OSSについてユーザビリティ上の問題点が発見された。

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7G-2 (時間: 16:35 - 16:55)
Title3D プリンタによる印影からの印章の偽造
Author*木村 悠生, 山元 陽佑雅 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 榎 竜盛, 上原 哲太郎 (立命館大学情報理工学部)
Pagepp. 1269 - 1276
Keyword印影, 印章, 三文判, 3Dプリンタ, 偽造
Abstract日本では,押印により印影を残し,印影による押印者の認証が行われている.押印は,同一の印影の生成が難しいことを前提とした認証手法であるが,3Dプリンタの普及によって同一印影を生成する印章の偽造が容易になった.そのため本研究では,一般家庭でも入手可能な安価な3Dプリンタを用いて印影から印章を偽造することを試みる.偽造した印章を用いた印影の真贋判定実験を行い,名字の種類や画数による真贋判定への影響や,偽造の容易性及び偽造を難しくする要素について検証し,考察を示す.

7G-3 (時間: 16:55 - 17:15)
Titleおもかげパスコード: 面影で見分ける個人認証
Author*石井 健太郎 (専修大学)
Pagepp. 1277 - 1280
Keyword個人認証, GAN
Abstractタッチスクリーンを利用する端末では,入力操作を行うスクリーンに入力情報が出力されているため,のぞき見により入力情報を盗みやすい傾向がある.これは,個人認証のための秘密情報の入力に対する脅威となる.この課題に対して,本研究では画像を都度生成して利用する手法を提案する.提案手法では, Generative Adversarial Networks (GAN) を利用して生成した見た目には異なる画像を試行ごとに提示することで,のぞき見されたとしても秘密情報を盗まれにくいことが期待できる.一方,正規のユーザは見た目には異なる画像を見分けることが必要となるが,ユーザ所有の顔画像を秘密情報として,その顔の面影が見える架空の人物の顔画像を生成し,面影によって見分けることによって対処する.本論文では,面影が見える顔画像の生成方法について検討する.



2023年7月7日(金)

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セッション 8A  MBL統一セッション
日時: 2023年7月7日(金) 9:15 - 10:35
部屋: メインホール
座長: 吉村 健 (NTTドコモ)

8A-1 (時間: 9:15 - 9:55)
Title(招待講演) 秘匿クロス統計:組織横断の安全なデータ活用の実現
Author寺田 雅之 (株式会社NTTドコモ)
Pagep. 1281

8A-2 (時間: 9:55 - 10:15)
TitleDTNを用いた情報共有に伴う積極的な避難行動が避難時間に与える影響の検討
Author*内藤 輝 (静岡大学), 皸 峰生 (大阪大学/カリフォルニア大学ロサンゼルス校), 石原 進 (静岡大学)
Pagepp. 1282 - 1292
KeywordDTN, 災害, 避難行動, 積極性, シミュレーション
Abstract大規模災害発生時,不通道路箇所や避難所の位置に基づいて適切な避難経路を避難者へ提供することは 迅速な避難に有用と見込まれる. 通信インフラ不能時にも情報共有を可能とするために,矢原らは異種無線混合DTNを用いた災害情報共有システムを提案している. このシステムは,Wi-FiやBluetoothなどの短距離広帯域無線通信とLoRaやDCR(Digital Convenience Radio)等の長距離狭帯域無線通信を併用し,情報共有を可能とするものである.矢原らは,異種無線混合DTNを用いた避難者間の不通箇所の情報の共有による避難時間の短縮を確認している.しかしながら,矢原らのモデルでは全避難者は不通道路を避けるように最短経路で避難しようとするため,同一の経路を選択する避難者が多くなり,それに伴う道路混雑によって避難が遅れてしまうというケースが確認されている. 不通箇所の情報に加え,混雑状況に基づいた避難経路を提示すれば,効率的な避難が可能になると考えられる. 一方で情報を入手した避難者が他の避難者と異なる行動を積極的に行うことで混雑を生じさせ,避難時間が長くなる懸念もある. 本稿では,DTNを用いた避難者間での不通箇所の情報及び,混雑状況に基づいた推奨避難経路の提供に伴う積極的な避難行動が避難時間に与える影響をシミュレーションにより評価する.

8A-3 (時間: 10:15 - 10:35)
Title点群特徴量と拡散モデルを用いた人物軌跡再構成手法の提案
Author*大野 真和, 右京 莉規, 天野 辰哉, Hamada Rizk, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 1293 - 1303
Keyword三次元点群, LiDAR, 人流, Re-ID
Abstractビル全体や地区レベルの広範囲な公共空間における人々の移動パターンの理解の重要性を増している.カ メラを用いた人物追跡にはプライバシーの問題が常に伴うため,3 次元点群データを使用する LiDAR によ る人物追跡システムが着目されている.しかし,視野重複のない LiDAR 間を用いた場合,人物軌跡が分 断されるという課題がある.本研究では,この問題を解決するために,点群データと人物軌跡の過去履歴 を利用し,分断された軌跡が同一人物によるものであるかを判定し,全体の軌跡を再構築する新しい方法 を提案する.この提案手法では,人物の形状特徴量を点群から抽出し,分断されたエリア間の移動頻度, 移動時間の親和性を過去のデータから推定する.さらに,軌跡パターンを学習した生成拡散モデルにより 不可視領域の軌跡を生成することで,軌跡接続の尤度を算出する.これら 4 つの指標を基に,分断された 軌跡ペアを再接続する.提案手法の評価のため,70 台の LiDAR を用いた大規模なテストベッドにより軌 跡データを収集し,評価を行った.その結果,最大で F 値 0.91 という高い精度で歩行者を正確に接続でき ることが確認できた.


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セッション 8B  ユーザ評価
日時: 2023年7月7日(金) 9:15 - 10:35
部屋: 多目的会議室201
座長: 前川 卓也 (大阪大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8B-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Titleポイ捨てごみ情報収集システムにおける参加モチベーション向上に向けた音フィードバックの比較
Author*立花 巧樹 (奈良先端科学技術大学院大学), 呉 健朗 (日本大学), 松田 裕貴, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1304 - 1309
Keywordポイ捨て, ごみ拾い, 可視化, フィードバック
Abstract社会問題に発展しているごみのポイ捨てを未然防止する都市デザイン的アプローチを支援するためには,ごみの種別・位置情報を網羅的に収集することが必要である. その手法として我々は,カメラ搭載型トングを用いて,ごみを拾うだけで,ごみの種別・位置情報を網羅的に収集するシステムを提案してきた. しかし,本研究の利用はイベントのような,利用者がその場限りに集まって使用することを前提としており, ユーザの日常生活中にも本研究を継続的に使用してもらう必要があるが,これを促す仕組みは現在存在しない. この状況を鑑みて,トングでごみを拾うたびに音をフィードバックすることで,ユーザのごみ拾いに対するモチベーションを維持する方法を検討している. 本稿では,トングでごみを拾った際に利用するフィードバックの音を複数種類用意し, ユーザがトングを用いてごみ拾いに対するモチベーションが向上させる際に適切な音を明らかにする比較実験を行った. 実験の結果,トングでごみを拾った際に,言語フィードバックを行うことで,ユーザのモチベーションが維持しやすくなることが明らかになった.

8B-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title発声支援デバイスの制御を目的とした手のジェスチャに関する社会的受容性の調査
Author*澤野 令 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory), 山田 大志 (東京医科歯科大学), 佐藤 安理紗 ジエンジエラ (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory), 戸原 玄 (東京医科歯科大学), 矢谷 浩司 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory)
Pagepp. 1310 - 1318
Keywordウェアラブルインタフェース, ジェスチャ, 社会的受容性
Abstractがんの治療などによって声を失った喉頭摘出者が用いる代用発声法の一つに発声支援デバイスを用いた発声法があるが, 一部の発声支援デバイスは声に抑揚がなく不自然に聞こえるという欠点がある. 過去の研究において複数の抑揚制御の方法が提案されてきたが, デバイスを持つことにより常に片手が塞がれてしまったり, 抑揚制御が呼気量に依存してしまうといった欠点がある. これらを解決するために, 本研究では新たにジェスチャを用いて声の抑揚を制御するシステムの設計に向けて, 発声障がい者が会話している状況下において人々がジェスチャに対して感じる社会的受容性を調査した. その際ジェスチャを行う側と観測する側の双方の立場からの調査を行い, 社会的受容性の観点からどのような特徴を持つジェスチャがシステムの入力に相応しいかを考察した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8B-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title瞳孔径の変動が認知能力に与える影響の評価
Author*京極 太一 (神戸大学大学院工学研究科), 土田 修平 (お茶の水女子大学 文理融合AI・データサイエンスセンター), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1319 - 1327
KeywordAugmented Human, ウェアラブルコンピューティング, 瞳孔, 認知科学, 人間科学
Abstract近年,情報技術を用いて人間の身体能力の補完や新しい身体感覚の付与,知覚や認知能力の向上を目的とする人間拡張(Augmented Human)研究が盛んである.人間拡張技術の活用により認知能力を向上させることで,個人の生産性を向上できる.本研究では,認知能力を感性に頼らずに推理や思考に基づいて周囲の現象の性質を知る能力とし,流動性知能,作業記憶能力,注意制御能力の三つに細分化して考えた.これまでの研究では,瞳孔径が大きい人ほど認知能力が高い傾向にあることや,流動性知能が高い人ほど推論課題に取り組む際の瞳孔散大が大きいといった,認知能力と瞳孔径の関係性が示唆された.しかし,瞳孔径と認知能力の比較は被験者間で行われており,個々の人間の瞳孔径と認知能力の変動について調査されてこなかった.そこで本研究では,個々の人間の瞳孔径と認知能力の変動に着目し,「瞳孔を散大させることで認知能力は向上する」という仮説を立て,それについて検証した.実験では,明るさの違う三つの照明環境により瞳孔径を変動させた状態で,三つの認知能力を測定するタスクを行い,そのスコアから認知能力を評価し,仮説の検証を行った.実験結果より,照明環境の変動によって瞳孔が散大すると,認知能力の中でも,流動性知能の向上が確認できた.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
8B-4 (時間: 10:15 - 10:35)
Titleストローへの振動付与・音再生・流量変化が主観的な飲料摂取量に与える影響の評価
Author*辻 凌弥, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1328 - 1335
Keywordストロー, 過剰摂取防止, 飲料摂取, 行動変容
Abstract糖類を含む飲料の過剰摂取は,糖尿病や肥満などの生活習慣病のリスクを高める.飲料摂取量の自己制限を継続することは困難なため,満足感を保ちつつ摂取量を制御するシステムが求められる.そこで本研究では,ストローでの飲料摂取時の感覚を変化させることで,満足感を下げずに飲料摂取量を調整するストロー型のシステムを提案する.提案システムは,振動付与,音再生,流量変化という三つの機能をもち,これらにより本来の摂取量よりも飲料を多く飲んだとユーザを錯覚させ,摂取量を減少させることを狙う.振動付与機能は飲料を飲んだ時にストローを振動させ,音再生機能ではあらかじめ録音してある水を勢いよく飲んだときの音を再生し,流量変化機能ではストローの太さを細くすることで流量を変化させる.提案システムの各機能の効果を検証するために,それぞれの機能と機能オフの計4種類の状態のストローを使って被験者に同じ量を摂取したと思うまで飲料を摂取させ,その際の飲料摂取量を比較した.実験の結果,流量変化機能のみが,機能オフの状態と比べて飲料摂取量が減少した.


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セッション 8C  スポーツ
日時: 2023年7月7日(金) 9:15 - 10:35
部屋: 多目的会議室202
座長: 長谷川 達人 (福井大学)

8C-1 (時間: 9:15 - 9:35)
TitleIMUを用いたボクササイズにおけるボクシング動作認識システム
Author花田 祥典, *宮澤 俊介 (青山学院大学), 横窪 安奈 (東京大学), ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
Pagepp. 1336 - 1343
Keywordボクシング, ボクササイズ, ウェアラブル
Abstract身体的な運動は,肉体的・精神的に大きな健康効果があるため,健康的な生活を送るために必要不可欠である.そのため,近年,健康管理,スポーツモニタリング,医療リハビリテーションなど,身体活動をモニタリングするためのウェアラブル機器やセンシングデバイスの人気が爆発的に高まっている.本論文では,競技スポーツとしてだけでなく,フィットネススタンダードとしても人気のあるボクシングのサポートシステムに向けて,センサーベースのパンチ検出および分類方法を導入することに焦点を当てている.提案手法を10名の被験者で,4種類のシャドーボクシングの動きを評価したところ,全体の検出精度は92.15%,分類精度は63.07%を達成した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8C-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title加速度センサを用いたルアーフィッシングにおける遠投支援システムの設計と実装
Author*小川 嵩史, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 1344 - 1351
Keyword釣り, 加速度, 技術支援システム
Abstract釣りにはルアーと呼ばれる針がついた疑似餌を用いて魚を釣るルアーフィッシングという釣法があり,ルアーを飛ばす動作のことをキャスティングという.キャスティングでは釣り糸を指で押さえておき,釣り竿をしならせて適切なタイミングで指を離すことでルアーを飛ばす.ルアーの飛距離を伸ばすには指を離すタイミングが重要であるが,タイミングを習得するには,何度もキャスティングを行うしかない.キャスティングに関する研究として,遠投時の釣り人の動作とオモリの飛距離の関係性を調査した研究があるが,実際に最適なタイミングを検出する手法は筆者らの知る限り存在しない.そこで,本研究ではキャスティング時の最大合成加速度,最大合成加速度を検出してからリリースまでの時間差(以下,リリースタイミングという),ルアー飛距離のデータを収集し,最大合成加速度から最適なリリースタイミングを推定する手法について提案する.また,そのリリースタイミングを利用して,竿を振るだけで糸が解放されるようなウェアラブル型の遠投支援システムを実装したところ,初心者がこのシステムを用いてキャスティングした場合,自分でキャスティングをした場合に比べて飛距離が有意に増加した.

8C-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title野球ボールに内蔵されたセンサを用いた投球者識別手法の提案
Author*水野 悟朗, 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 長野 明紀 (立命館大学スポーツ健康科学部), 柴田 翔平, 山田 雄貴 (ミズノ株式会社)
Pagepp. 1352 - 1358
Keyword野球, 行動識別, 加速度センサ, 角速度センサ
Abstractスポーツ分野ではセンシング技術を用いてさまざまな状況を取得し,これらの取得したデータを選手のトレーニングや審判の支援,観戦者の観戦価値の付加として利用している.野球選手のトレーニングに着目すると,一人の選手がトレーニング途中でボールを変えたり,変えたボールを他の選手が使用することがある.ボールが複数個あり,投手が複数人いる状況で,ボールごとに投球の検出と投球情報の取得,そして投球者の識別を行うことができれば,すべての投手のすべての投球を記録できる.記録された投球情報を監督やコーチ,選手本人が参照し,トレーニングに活用できる環境の構築を目指す.本研究では野球ボールに内蔵された加速度センサおよび角速度センサのデータを用いて,投球練習中のボールの動きから,ボールが検出する各投球に対して,投手を識別する手法を提案する.提案手法は未知の投手がボールを投げたときの加速度センサと角速度センサの時系列データと,事前に各投手から収集した複数回の投球の時系列データのDynamic Time Warping(DTW)距離を計算し,一投ごとに投手を認識する.評価実験から,識別精度のF値0.906を得ることができた.

8C-4 (時間: 10:15 - 10:35)
Title物体検出技術を用いたバレーボールの試合分析支援システムの試作
Author下柿元 恵斗, *須山 敬之 (大阪工業大学 情報科学部)
Pagepp. 1359 - 1363
Keyword行動認識, スポーツ, 支援
Abstract現在,スポーツの分野では様々な用途でICTの活用が進んでいる.バレーボールもICTが活用されているスポーツの1つである.バレーボールではタブレット端末を用いてアナリストがデータ分析ソフトで入力したデータが監督の端末に送信され,試合中にリアルタイムにその結果を用いて戦術の検討を行っている.また試合外でも自分たちの試合を分析してその結果に基づいて練習メニューを考察している等,データ分析を行うことは練習の効率や試合の勝率に大きく影響するため重要なものになっている.しかし,現在の分析は手作業で行っているため,データ入力等に時間や人手がかかる.そこでデータ分析を自動化できれば,アナリストのデータ入力や分析の負担を減らすことが期待できる.本研究では物体検出技術を用いてバレーボールの試合動画から動作判定を行い,さらに判定された動作から1セット分の試合データ分析を行うシステムの試作を行った.また画像処理だけでは動作の誤判定が起きる場合があるため,バレーボールの試合の状況を鑑みた誤判定除去機能を実装し,その評価を行った.


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セッション 8D  データ分析
日時: 2023年7月7日(金) 9:15 - 10:35
部屋: 多目的会議室203
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

8D-1 (時間: 9:15 - 9:35)
TitleCNNによる塵芥車の積込動作音の検出
Author*國枝 祐希, 清水 健吾 (名城大学大学院理工学研究科), 鈴木 秀和 (名城大学情報工学部)
Pagepp. 1364 - 1370
Keywordゴミ収集, 動作音, CNN
Abstract筆者らは自治体職員や地域住民にゴミの回収状況を確認するためのWebサービスを構築している.これまでは塵芥車に搭載したGPSから得られる位置情報と速度情報に基づいて,ジオフェンシング技術により集積所付近で停止していたら「回収中」,集積所から離反したら「回収済み」と判断していたため,塵芥車がゴミ回収中でなくても停車すると誤判定してしまう課題があった.本稿では,ゴミ回収状況の推定精度を改善するために,塵芥車にゴミを積み込んだ時の圧縮動作音をCNN(Convolutional Neural Network)により検出することによるゴミ回収状況の把握精度について評価を行う.

8D-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title深層学習を用いた自動運転向け自己位置推定精度の予測
Author*松本 和人, Ehsan Javanmardi, 中里 仁, 塚田 学 (東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻塚田研究室)
Pagepp. 1371 - 1377
Keyword深層学習, 自己位置推定, 自動運転, 点群データ
Abstract近年,自動運転の社会実装に向けた研究開発や実証実験が盛んに行われている.自動運転を実現するにあたって,センサ情報から周囲の環境の情報を取得し,車体の位置を推定する必要がある.これを自己位置推定という.自己位置推定のセンサには3DLiDARがよく用いられる.3DLiDARは測定精度が高く,周囲の明るさの影響を受けないため,高精度に自己位置推定を行えるが,周囲に特徴物が少ないところでは自己位置推定の精度が低下するという課題がある.本研究では,自己位置推定の精度を予測する手法を提案する.自己位置推定精度の予測を行い,精度が悪い場所に対してGNSSやIMUなど3DLiDAR以外のセンサを用いたり,舗装マーキングを用いたりすることで,全体的な自己位置推定の精度を向上させることができる.オープンソース自動運転シミュレータを用いて自己位置推定精度予測のためのデータセットを作成した.実験では作成したデータセットに対して提案手法を行った.結果として,自己位置推定精度を高精度で予測できたことを報告する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8D-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title音響センシングを用いた車道における水はね検知手法の改善に向けた検討
Author*白戸 拓, 金澤 玲実 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 石田 繁巳, 白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
Pagepp. 1378 - 1384
Keyword音響センシング, 水はね, ITS, 音響特徴量, 集合知
Abstractドライバーは道路交通法に基づき,雨天時には車両から周囲に水滴を飛散させる「水はね」の回避に努める必要がある.しかし,事前知識の不足や周辺環境の変化により,水はねを発生させる路面状況の見落としや,発見の遅れなどが発生する.そのため,個々の車両が水はねの発生を検知したうえで集合知を形成し,他のドライバーに水はねの発生状況を共有するシステムの構築が望まれる.このシステムを実現するため,本研究では音響センシングを用いた水はね検知手法を提案する.先行研究では,初期的検討として代表的な音響特徴量により水はねを検知する機械学習モデルを作成し,音響特徴量が有効であることを示した.しかし.音響特徴量の検討が不十分であり,収音状況の違いが分類に悪影響を及ぼしていた可能性が考えられた.本稿では,提案手法の改善に向けて,音響振幅値の正規化と併せ, 水はねの音響特徴を反映した音響特徴量を作成し,先行研究で利用した2種類の音響特徴量との比較・検討を行った.結果として,低周波領域に着目した音響特徴量において水はね検知精度が高いことを確認した.


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セッション 8E  無線システムとIoT
日時: 2023年7月7日(金) 9:15 - 10:35
部屋: 多目的会議室204
座長: 佐古田 健志 (東芝)

8E-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Title従来端末との混在を許容したLoRaWANのスケジューリング手法の一検討
Author*石橋 束紗 (和歌山大学大学院 システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学 システム工学部)
Pagepp. 1385 - 1392
KeywordIoT, LPWA, LoRaWAN, スケジューリング, 通信プロトコル
Abstractセンサを備えた機器をあらゆる場所に設置し,多数の物から膨大なデータを収集し活用する技術 として,IoT (Internet of Things) の利用が進んでいる.IoT 向けの通信技術として,LPWA (Low Power Wide Area) が注目されており,その中でも本研究では LoRaWAN を対象とする.LoRaWAN にはネット ワーク中の端末数の増加に伴い,複数の端末が同時に送信してしまうことで引き起こされるフレームの衝 突が増加するという問題がある.フレームの衝突は,通信の信頼性の低下や再送処理による消費電力の増 大を引き起こすため発生を抑えることが望ましい.既存研究では,この問題を解決するために端末の送信 タイミングをスケジュールする手法が提案されているが,これらの手法はすべての端末が新手法に対応し ている必要があるため,新手法への移行が難しい.そこで本論文では,MAC プロトコルを拡張し提案手 法に対応していない従来端末が混在することを許容した動的な LoRaWAN のスケジューリンング手法を 提案する.具体的には,従来端末の送信タイミングを推定し,その時刻を避けるように端末の送信をスケ ジューリングする.その結果,本手法に対応した端末は従来端末を含めた他の端末の送信との衝突を避け てデータを送信することができる.LoRaWAN の通信を,本手法を実装してシミュレーションした結果, 提案手法は従来手法に比べてフレームの衝突が減少することを確認し,提案手法の有効性を確認できた.

8E-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title802.11axにおけるBSR推定を用いたアップリンク送信時間削減の検討
Author*柳 始鉉, 國部 匡志 (慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻), 重野 寛 (慶應義塾大学理工学部情報工学科)
Pagepp. 1393 - 1398
Keyword802.11ax, OFDMA, BSR, Uplink
AbstractIEEE 802.11axではStation (STA) がAccess Point (AP) へメッセージを送信 (アップリンク) する際,通信帯域の一部であるResource Unit (RU) を利用して,データやBuffer Status Report (BSR) 等を送信する.APが受信したBSRを元にSTAに対してRUを割当てることで,RUを効率よく使用することができる.しかし,APがSTAからBSRを収集する時間はデータ送信時間に対して無視できないほど長い.またSTAのBSR送信機会を削減すると,RUの利用効率が低下し,性能が劣化してしまう.そこで本稿ではSTAのバッファに残っているデータサイズを推定しBSRの更新の必要性を判断して,BSR送信機会を削減する.シミュレーション評価では従来手法と提案手法それぞれでAPの総受信データのスループットを計測し,BSR送信機会の削減によるスループットへの有効性を評価した.結果,提案手法では低データ生成レートでSTA数が多い時に最も性能が良くあらわれた.

8E-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Titleバースト的トラフィックにおける隠れ端末問題の改善方法
Author*青木 寛, 山口 真司, 長谷川 晃朗, 横山 浩之 (株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
Pagepp. 1399 - 1406
Keyword無線LAN, 隠れ端末, ネットワークスライシング
Abstract近年,製造やインフラなど様々な分野でIoT(internet of things)が利用され,これらには移動を伴う機器,配置の柔軟性等のために無線化が進められている.工場等の施設内の空間で密に配置された多数の無線機器が同時に通信を試みるような状況では,通信衝突による遅延やパケットロスが頻発し,これらが原因となって遅延や信頼性の保証が難しくなる.このような問題を解決するため,我々は無線リソースを各機器に適切に割当て協調動作させるシステムの研究を進めている.製造現場や医療現場等では,品質管理のための画像情報や製造過程でのデータ,バイタル情報など,バースト的なアップリンクトラフィックを発生させる機器が多数存在する.このような状況では,隠れ端末問題が発生する可能性があり,予期せぬタイミングで深刻な通信障害が起きる可能性がある.本稿ではこのようなバースト的なトラフィックにおける隠れ端末問題の影響,その改善方法を検討した結果を報告する.

8E-4 (時間: 10:15 - 10:35)
TitleROS準拠ロボット及びエッジを活用したストリーム処理を行うIoTシステムの構築と評価
Author*佐々木 怜名 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1407 - 1413
KeywordIoT, ストリーム処理, ROS, スマートホーム
AbstractIoT機器に装備されたセンサによって収集したデータを活用して,お年寄りやペットの見守り,室内環境監視などを目的とした,スマートホームのためのサービスが実現されている.個々の家庭のデータをクラウドに収集するIoTシステムを構築するには,通信遅延の低減,転送データ量の削減,プライバシの保護への対策も必要となる.室内環境で多様なデータを収集する場合,一般家庭に多数のセンサを設置するとコストが高くなるだけでなく,必要な情報を得るためのセンサの再配置も容易ではない.よって,我々はROSで実装した車輪型移動ロボット,エッジ,クラウドを活用したIoTシステムを実装し,有用性を確認した.しかし,ROSの通信性能についてはより詳細な調査が必要である.本研究では,ROSとROSの後継バージョンであるROS2の性能特性を調査するため,異なる通信環境におけるセンサロボットとエッジ間の通信時間とスループットを測定し,センサロボットを活用したスマートホームにおける技術的課題を明らかにする.


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セッション 8F  コンテンツ分析
日時: 2023年7月7日(金) 9:15 - 10:35
部屋: 特別会議室
座長: 義久 智樹 (滋賀大学)

8F-1 (時間: 9:15 - 9:35)
Titleアルゴリズムとデータ構造に関するコードデータのアノテーションとその分析
Author*香取 浩紀, 山本 恒輔, 佐藤 安理紗 ジエンジエラ, 矢谷 浩司 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory)
Pagepp. 1414 - 1421
Keywordデータセット, プログラミング
Abstractアルゴリズムとデータ構造の学習は, 情報教育の1つとして欠かせないものである. これまでに, アルゴリズムとデータ構造に関して体系立てて説明した書籍や教材, 研究などは存在する. アルゴリズムとデータ構造の知識がある人がソースコードレベルで重要な行とその理由について述べることはできるが, 複数人への調査を経て, 一般に高等教育などで教えられるアルゴリズムとデータ構造に関してアノテーションされたものは少ない. そこで, 本研究では, アルゴリズムとデータ構造の問題と解答ソースコードを30問用意し, 各問題において, そのソースコードの中で重要な行を選び, その理由を書いてもらうというアンケート調査をアルゴリズムとデータ構造の知識およびプログラミング経験のある11人に対して実施した. さらに, 著者ら2人で, 14個のラベルを作成し, 回答で得られた全ての理由データに対してラベリングを行った. 本稿ではそのデータ制作過程を述べるとともに, プログラミング穴埋め問題を作成する際のデータとして使用するなどのコードデータの活用法について述べる.

8F-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Title仮説検証向け迅速開発におけるボトルネック整理の事例報告
Author*中沢 隆紀 (日立製作所 研究開発グループ デジタルプラットフォームイノベーションセンタ サービスコンピューティング研究部)
Pagepp. 1422 - 1430
Keywordアプリケーション, 開発, アジャイル, 仮説検証, デザイン
Abstractデジタルソリューション開発において、仮説検証で必要となるプロトタイプの開発を迅速化するために、アジャイル開発が活用される。アジャイル開発を仮説検証に取り入れることで、従来型の開発手法に比べ、ステークホルダにプロトタイプを提供するまでにかかる時間の短縮を期待できるが、アジャイル開発に慣れないメンバのノウハウ不足による負荷集中や開発の遅延が懸念される。そこで本報告では、ビークル案件を調査し、開発で発生するボトルネックの抽出方法を整理した。ビークル案件のボトルネックを抽出した結果、一部のボトルネックは工程管理ツールへの機能追加や開発体制の見直しにより改善できる見通しを得た。

8F-3 (時間: 9:55 - 10:15)
Title嗜好度が高い食品パッケージの要素の特定にむけて
Author*大塚 嵩柾, Tipporn Laohakangvalvit, 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 1431 - 1434
Keywordパッケージデザイン, 感性, 質問紙
Abstract感性工学の分野では,人の感性という主観的で論理的に説明しにくい反応を,科学的手法により価値を発見し,活用することを目的に,人の感情を知る感性計測技術などを用いて,人の心や体の反応をものづくりに活用する.感性工学の中でも,食に関する感性は,食感性工学とされ,「食」にまつわるヒト個人の五感コミュニケーション,さらには消費者間のコミュニケーションを起点とした顧客満足型の新食品開発や加工プロセスの最適化などに役立つ手法を提供する.しかし,特に食品パッケージの色,明度,文字の大きさや角度,模様など詳細な要因に分けて分析した例は十分研究されていない.そこで,本研究では,嗜好度が高いパッケージデザインの要素を明らかにした上で,その要素を組み合わせた嗜好度の高いパッケージを作成することを目的とする.目的の実現のために,嗜好度に関わる要素ごとの評価を行い,パッケージデザインの分類モデルの構築をした結果,モデルの分類精度について述べる

優秀論文賞 / Paper Awards
8F-4 (時間: 10:15 - 10:35)
Title鏡の世界と実世界を行き来する超鏡空中像におけるコンテンツ実装に関する一検討
Author*巻口 誉宗, 佐野 文香, 松元 崇裕, 千明 裕, 山本 隆二 (NTT人間情報研究所)
Pagepp. 1435 - 1442
Keyword超鏡空中像, 空中像, スマートミラー
Abstract鏡に対してデジタル情報を表示する既存手法の多くは,デジタル情報の表示範囲が鏡像空間内に限定されている.そこで我々は,デジタル情報を鏡像空間に表示するだけでなく,物理空間へも連続的に移動させることのできる超鏡空中像表示技術を提案し,これまでに光学系の提案とシステム実装を行った.本稿では超鏡空中像のコンテンツ実装について,演出手法と空中像とのインタラクション手法の初期検討を述べる.演出手法として,我々は鏡像空間と物理空間に対して「空間の連続性」と「空間の異質性」の2つの性質を表現する手法をそれぞれ提案し,評価用コンテンツを実装した.そして評価用コンテンツに対してユーザーインタビューを行うことで,それぞれの演出手法の有効性を確認した.さらに,インタラクション手法としてユーザが鏡の反射を利用して鏡越しの空中像を操作できる手法を提案し,インタビュー結果に基づくコンテンツ演出の改良と併せて体験型コンテンツを実装した.体験型コンテンツを用いたデモンストレーション展示の結果,超鏡空中像の視聴体験は多くの参加者に好意的な印象を与えることが確認された.


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セッション 8G  プライバシとセキュリティ
日時: 2023年7月7日(金) 9:15 - 10:35
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 矢内 直人 (大阪大学)

8G-1 (時間: 9:15 - 9:35)
TitleSNS上の犯罪コミュニティを監視する際のプライバシ保護に関する研究
Author*大原 望乃 (お茶の水女子大学), 趙 智賢, 長田 繁幸, 中川 直樹 (日本総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1443 - 1450
Keywordプライバシ, セキュリティ, ソーシャルメディア
Abstract近年,フィッシング攻撃によるクレジットカード情報の窃取及び不正利用の被害が拡大している.窃取されたカード情報は主にSNS上で売買されており,犯罪抑止の観点から,売買に関わる犯罪コミュニティを監視する取り組みが行われている.監視においては監視者のプライバシの保護,システムの自動化の実現という安全性と効率性の2点をより向上させることが課題である.実際に,従来のユーザAPIを用いた監視手法では,監視者の情報が監視対象者に意図せず開示されていたことが原因でサイバー攻撃が発生し,問題となった.さらに,自動化にあたっては,APIの利用回数に制限があること,監視対象者らが監視に気付き投稿をすぐ削除する傾向を見せ始めたことも障壁となっている.本稿では,従来のユーザAPIを用いた監視手法に対して,BOTを利用した監視手法を提案し,安全性と効率性についてそれぞれ検証実験を行う.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
8G-2 (時間: 9:35 - 9:55)
Titleユーザブルセキュリティ研究に向けた情報セキュリティ・プライバシーに関する問題セットの構築
Author*吉川 諒, Anran Xu, Zefan Sramek, 矢谷 浩司 (東京大学)
Pagepp. 1451 - 1459
Keywordユーザブルセキュリティ, 問題セット
Abstract情報セキュリティやプライバシーについて知っておくべき知識は多様であり,それらについて学ぶことは欠かせない.ユーザブルセキュリティの研究においても,実験参加者等の知識を測るために情報セキュリティ・プライバシーに関する問題を出題することがあり,インターネットに関する知識を網羅的に扱った問題セットの需要は高い.そこで本研究では,情報セキュリティ・プライバシーに関する網羅的な問題リストの作成を目指した.まず,過去10年のユーザブルセキュリティに関する論文を分類し,9の大分類と40の小分類を作成した.そして,分類カテゴリに基づいて90問の正誤問題を作成し,クラウドソーシング調査(N=900)で正答率を測定した.調査の結果から,問題への正答率とSeBISのスコアの相関や,年代や居住国,性別による正答率の差異が明らかになった.

8G-3 (時間: 9:55 - 10:15)
TitleEthereumの不正取引検知に対するトポロジカルデータ解析の適用
Author*中谷 駿介, 白石 善明, 葛野 弘樹 (神戸大学), 毛利 公美 (近畿大学), 森井 昌克 (神戸大学)
Pagepp. 1460 - 1466
KeywordEthereum, トポロジカルデータ解析, ホモロジー, 不正検知, 転移学習
Abstract暗号資産の需要が高まる一方で不正取引が増加しており,効率的な不正取引検知が求められている.本論文では暗号資産の一つであるEthereumについて,不正取引検知する機械学習モデルのデータに用いる取引データの不均衡さを解消することを目的とし,データの幾何学的構造を特徴づけるトポロジカルデータ解析を適用した取引データの集合に不正取引が含まれているかどうかを判定する手法を提案している.10000件の取引中に10件の不正取引が含まれる取引データに対して不正の有無を判定したときのF1スコアは0.9891であった.

8G-4 (時間: 10:15 - 10:35)
TitleSNS投稿への反応に関するプライバシリスク意識調査
Author*中村 徹, 澤谷 雪子, 磯原 隆将 (KDDI総合研究所), 矢谷 浩司 (東京大学)
Pagepp. 1467 - 1475
Keywordプライバシ, SNS
AbstractNS(Social Networking Service)には,プライバシに関する懸念が多く寄せられる. 例えば,投稿文や写真から,投稿者が想定していなかったプライバシ情報が漏洩し,空き巣やストーカー行為などの被害にあうといったことが実際に起こっている. このような問題に対して,投稿前に投稿内容にプライバシ情報が含まれているかどうかを判定し、注意をうながす機能により解決を図る既存研究がある。 一方で,「いいね」や「リツイート」などの反応をした他者の投稿内容からも,プライバシ情報が漏洩する場合がある. 反応した他者の投稿内容からプライバシ情報が漏洩する場合は,自身の投稿内容を解析し投稿を抑制する既存手法は有効ではない. また,自身の投稿内容から投稿者が想定していなかったプライバシ情報が漏洩することよりも,反応した他者の投稿内容からプライバシ情報が漏洩するほうが,ユーザにとってリスクを認知しにくい可能性がある. 以上の理由から,本研究では,投稿に起因するプライバシリスクへの認知と,反応に起因するプライバシリスクの認知に差異が存在するという仮説を検証し,反応に起因するプライバシリスクの認識のしにくさについて評価を行う.


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セッション 9A  暗号理論・物理的暗号
日時: 2023年7月7日(金) 10:55 - 12:15
部屋: メインホール
座長: 千田 浩司 (群馬大学)

9A-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Title通信量削減のための準同型暗号文の圧縮
Author*泉 湖雪, 松本 茉倫, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1476 - 1484
Keyword準同型暗号, 圧縮センシング
Abstract準同型暗号は暗号文同士の加算や乗算が可能であり,データを秘匿したままで分析し活用可能な技術の一つである.準同型暗号の応用例としては暗号化データベースが挙げられる.クライアントが暗号化したデータをデータベースサーバで集計し,データ分析者は集計結果だけを得られるようになる.しかしながら,このようなアプリケーションを想定した場合,準同型暗号は平文に比べ暗号文サイズが大きいため,クライアント・データベースサーバ間の通信量が大きくなる.また,準同型暗号は比較演算(=, >, <)が得意でないため,条件一致するレコードを集計する際にはone-hotエンコーディングが利用する場合があり,レコードは必然的にスパースになる.本研究では,準同型暗号化されたレコードのスパース性に着目し,圧縮センシングを使った通信量削減を提案する.クライアントが次元圧縮したレコードを暗号化し,データベースサーバが圧縮前のデータを暗号化したままで復元することで,クライアント・データベースサーバ間の通信量を抑えてデータ集計に利用できる.評価の結果,圧縮率を50%に設定した場合は提案手法は圧縮せずに送信した場合に比べて50%通信量を削減できることを示した. また,復元精度についてはPOSデータの収集を想定し,カウントクエリの誤差を評価した.

優秀論文賞 / Paper Awards
9A-2 (時間: 11:15 - 11:35)
Title天秤ベース秘密計算に対する計算モデルの構築
Author*金子 尚平, 李 陽, 崎山 一男 (電気通信大学), 宮原 大輝 (電気通信大学/産業技術総合研究所)
Pagepp. 1485 - 1492
Keyword物理的暗号技術, 秘密計算, 天秤, 計算モデル
Abstractネットワーク環境が多様化し、データ保護やセキュリティの重要性がますます高まっている。それ らの技術に触れる機会を増やすために、中学校などの教育の場で分かりやすく説明することも重要である。 その方法の 1 つとして、身近な道具を用いて暗号機能を実現する研究が注目されている。そのような研究 の代表例には、物理的なカード組を用いるカードベース暗号や、ボールと袋を用いる秘密計算方式がある。 これらの研究では、視覚的に分かりやすくするためにカードの絵などを用いて計算方法が説明されている。 その一方で、計算方法を厳密に定義する計算モデルに基づいて、正当性や安全性の厳密な証明及び効率の 検証も行われている。 本研究では、著者らが提案している天秤とコインを用いた秘密計算に対して、計算モデルの構築を目指す。 具体的には、計算に用いる天秤を数学的に表現し、それに対する操作方法を厳密に定義することで、計算 モデルを構築する。これにより、天秤を用いる秘密計算の正当性や安全性を客観的に証明でき、効率性の 下界評価に繋げることができる。計算モデルの作成に加えて、本研究では、対象関数の 1 つであるしきい 値関数に対する天秤ベース暗号プロトコルを作成する。この提案プロトコルの正当性と安全性は、本研究 で構成した計算モデル上で証明できる。

シニアリサーチャ賞 / Senior Researcher Awards
9A-3 (時間: 11:35 - 11:55)
Titleカードプロトコルで麻雀牌に持ち替えると
Author*須賀 祐治 (株式会社インターネットイニシアティブ)
Pagepp. 1493 - 1500
Keywordカードベース暗号, シャッフル, 麻雀牌, 秘密計算, 物理的暗号
Abstract本稿では表面裏面ともに全く同じ絵柄であるカード(例えば名刺や麻雀牌)を用いることを考える.このときカードの上下配置の違いを用いて,それぞれ(一般的なカードプロトコルで用いられる)異なるスートと対応づけることができる.この場合,カードにスートを表現するメモ書き等をしないでも,同一カードの束を用いてプロトコルを構成することができる点も一つのメリットである.このように裏面は識別不可能性を持ち,表面は上か下かで表現可能なカードを上下カードと呼ぶこととする.麻雀牌は裏面は同色で塗られており,上下を入れ替えてもどちらが上か下かを裏面からは認識できないため,表面が上下入れ替えで異なる柄として認識できる牌は上下カードとして利用できることが分かる. ここで,カードプロトコルにおいては実装可能性について議論される点を考える.つまり利用されるシャッフルが実用的かどうかという観点である.名刺のようなカードを麻雀牌に置き換えることでこれまでの上下カードを用いたプロトコル群は実装可能であると言えるのかという疑問に対して,本稿は現実的な方法を提示する.また麻雀牌特有のシャッフルについて新しいプロトコルの構成についても提示する.


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セッション 9B  xReality
日時: 2023年7月7日(金) 10:55 - 12:15
部屋: 多目的会議室201
座長: 雨坂 宇宙 (筑波大学)

9B-1 (時間: 10:55 - 11:15)
TitleVR空間の単純な視覚刺激が及ぼす体感音量への影響調査
Author*小林 永実, 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学), 渡邉 拓貴 (北海道大学), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1501 - 1505
KeywordVR, 主観的音量, 音声情報提示, 視覚情報
Abstract安価で高性能なVR(バーチャルリアリティ)装置の登場に伴い,VRゲームやメタバースなどのVRコンテンツが急速に普及しつつある.VR空間では速度や落下といった様々な感覚・刺激を主に視覚情報・聴覚情報としてユーザに提示することができる一方で,人間が知覚する主観的な印象(例えば体感音量)は,ユーザを取り巻くVR空間内の状況によって変化することから,状況に応じた音量調整により,情報提示のクオリティを向上させることが期待される.それに先立って本研究では,視覚刺激が主観的な音量に与える影響を明らかにすることを目指している.本稿では,単純化した視覚刺激として「色」,聴覚刺激として「テストトーン」に焦点を当て,それらをVR空間内で提示する調査実験を行った.結果として,「色」の種類によって体感音量には差が生じることが示され,特に音量が小さくなる場合において寒色系の色について暖色系よりも音量変化が大きく感じられる(音量が小さく感じられる)ことが明らかとなった.

9B-2 (時間: 11:15 - 11:35)
TitleVR技術の学習における集中力への影響と異なる映像リアリティの記憶への影響の調査
Author*川島 悠輝 (早稲田大学大学院基幹理工学研究科情報理工・情報通信専攻), 中島 達夫 (早稲田大学 基幹理工学部情報理工学科)
Pagepp. 1506 - 1514
KeywordVR, 教育, 集中力, 記憶力
Abstract近年、Virtual Reality(VR)は広く利用されているコンテンツの1つである。VR技術は主にゲームのような娯楽的な用途に使用されることが多いが、この技術を学習に取り入れることで教育分野にさらなる進歩が得られる可能性が考えられる。学習を行う上で集中力と記憶力は欠かすことのできない重要な要素である。本研究では集中力と記憶力に関する研究を行い, 将来的にVR技術を学習へ導入する可能性を見出すことを目的としている。そこでVRには人間の集中力や記憶力を向上させる効果があるかということを考える必要がある。記憶力に関する研究では、先行研究によりVRを用いることで記憶力が向上することが実証されている。 本研究では以下の2点をリサーチクエスチョンとしてテーマを掲げて研究を行う。1つ目に「VRを用いることで集中力が向上するか」、2つ目に「VR映像のリアリティの違いによって記憶力に影響が出るか」という点であり、本研究ではアニメと実写映像の2種類について検証を行う。 デスクトップ条件とVR条件を比較して得られた結果より、集中力に関する実験では、VRを用いることでより高い集中力が得られることを示した。一方、記憶力に関する実験では、アニメと実写映像ともに片方の条件がユーザに強く影響を与えるとは言えない結果となった。

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
9B-3 (時間: 11:35 - 11:55)
Title炭酸飲料の刺激制御のための飲料中二酸化炭素濃度の推定および低減手法
Author*宮嶋 佑輔, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1515 - 1523
Keyword炭酸飲料, 刺激制御, 刺激推定, 機械学習, 超音波
Abstract食事の際など炭酸飲料を飲む機会は多い.炭酸飲料飲用時には独特の刺激が伴い,刺激を好む人も いれば苦手と感じる人も一定数存在する.そのため,炭酸飲料を飲用する際に刺激の強度が分かることは 飲用者にとって好ましいことである.しかし,炭酸飲料の刺激の強度を飲用前に知る手法および飲用者の 好みの刺激に調整する手法は確立されていない.そこで,炭酸飲料の刺激を計測し,好みの炭酸強度に調 整するシステムの作製を目的とし,本研究では,CO2 センサを用いた非接触型の炭酸飲料の刺激推定手法 および超音波による刺激低減手法を提案した.刺激推定は,炭酸飲料の水面から空気中に出る二酸化炭素 濃度に着目し,CO2 センサを用いて計測した二酸化炭素濃度の時間変化から特徴量を算出し,機械学習 を用いて炭酸飲料の刺激の強度を推定した.推定精度の評価の指標として,刺激の強度の差が大小様々な 炭酸飲料を2 種類ずつ飲用してもらい,刺激の違いを感じる刺激の強度の差を算出した.また,炭酸飲料 の体積や,炭酸飲料を注いだ容器の大きさの違いによる,提案手法の推定の精度への影響について調査を 行った.最後に超音波による炭酸飲料の刺激調整手法を提案し,調整精度の調査を行った.刺激推定シス テムおよび,刺激調整システムの精度は算出したしきい値を下回り,様々な条件において高い精度で推定 および調整が可能であることが示唆された.

9B-4 (時間: 11:55 - 12:15)
TitleARを用いた野球のストライク判定支援システム
Author*水谷 元紀 (神戸大学大学院工学研究科), 土田 修平 (お茶の水女子大学文理融合AI・データサイエンスセンター), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1524 - 1530
KeywordAR, 機械判定
Abstractスポーツにおいて人間が審判を務める場合,人間の判断には一定のバイアスやエラーが含まれる可能性があるため誤審が起こりえる.近年,誤審を減らす試みとして,人間が判定に干渉せず完全に機械による判定を行う機械判定技術が開発されている. 北米のプロ野球リーグ(MLB: Major League Baseball)でも2024年から機械によるストライク判定の導入が検討されている.マイナーリーグなどでは既にテスト運用が行われ,その結果試合時間が9分短縮された. 導入する機械判定のシステムは,高性能なレーダーシステムで誤差約6.35 mm以内で投球を補捉し,AIによる判定を審判に伝えることで審判がコールする仕組みとなっている. しかしこのシステムでは,人間の審判であればボールと判定する投球がストライクと判定される,観客や選手が機械判定に対して抵抗感があるなどの問題点が存在する. そこで本研究では,機械判定を用いずに,審判の判断を補助するための情報提示により,審判のより正確な判定を支援するシステムを提案する.具体的には,直方体オブジェクトで表現されたストライクゾーンをARグラスを通して確認できるようにすることで,審判の判断を補助する. これにより,審判はより正確な判定ができるため,選手の納得感が向上すると予想する. 本稿ではストライク判定支援システムの概要とその使用による効果について述べる.


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セッション 9C  ヘルスケア
日時: 2023年7月7日(金) 10:55 - 12:15
部屋: 多目的会議室202
座長: 榎堀 優 (名古屋大学)

9C-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Title対話形式でのストレス管理に向けたチャットボットにおける入力方法の評価
Author*乘 駿平, 宮崎 翔, 耿 世嫻, 下島 銀士, 佐藤 安理紗 ジエンジエラ (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory), ホシオ シモ (オウル大学), 矢谷 浩司 (東京大学 Interactive Intelligent Systems Laboratory)
Pagepp. 1531 - 1539
Keywordストレスコーピング, チャットボット
Abstract現代社会において多くの人が抱えるとされているストレスは,蓄積してしまうと様々な悪影響をもたらすため,こまめに発散することが重要である.そのためストレスの発散を支援するデジタルアプリケーションが研究・開発されてきているが,ストレスの有効な発散方法とされている感情の表出に着目したものは少ない.そこで本研究では,ストレスから生じる感情を表出し発散することのできるチャットボットシステムの設計を行った.このチャットボットでは,ストレスに感じた出来事とそれにまつわる感情をテキスト入力か音声入力により表出することで,ストレスを管理する事ができる.入力方法による違いを検証するため,2週間にわたり28名の参加者に実際にシステムを利用してもらう実験を実施し,ストレスの発散効果にどのような違いが出るのかについて分析を行った.結果として,ストレス管理のためのチャットボットにおいてはテキスト入力がより好まれ,それぞれの入力方法の利点と欠点が明らかになった.今後の研究においては感情の表出によるストレスの解消を支援する追加の機能の開発と,様々な入力方法が与える影響についてのさらなる検証が必要である.

9C-2 (時間: 11:15 - 11:35)
Title薬物依存症治療におけるデジタルコミュニケーションの活用可能性に関する質的調査
Author*下島 銀士, 耿 世嫻, 乘 駿平 (東京大学), 田村 綾子 (Save Medical), 高野 歩 (東京医科歯科大学), 矢谷 浩司 (東京大学)
Pagepp. 1540 - 1547
KeywordSMARPP, 物質使用障害, ヘルスケア, 質的研究
Abstract依存症の治療としては,認知行動療法や動機づけ面接によるものの効果がこれまでの研究によって示されてきた.我が国においてそれらを活用した,物質使用障害に対する治療プログラムとしてSMARPPがある.また,これを遠隔地など専門家が現地に存在しない場面でもプログラムを受講できるシステムも開発されている.しかし,現行SMARPPにおける利点や欠点といった特性やプログラム内で用いられている技法を調査し,それを活かしたシステムはまだない.本研究では,そのようなシステムによる支援を目指すため,プログラム内のコミュニケーションを中心に質的調査を行った.結果,コミュニケーションの際の意識やプログラムで感じている利点や欠点などが明らかになり,デジタル技術による支援がいくつか提案された.

9C-3 (時間: 11:35 - 11:55)
Title介護施設における高齢者の気分変化の分析と予測
Author*Xinyi Min, 金子 晴, 井上 創造 (九州工業大学)
Pagepp. 1548 - 1553
Keyword気分データ, データ分析, 介護施設
Abstract本研究では, ある介護付き有料老人ホームから高齢者の気分データと介護記録データを約半月間にわたり収集し,気分を予測・分析を行なった.気分の予測では,機械学習を用いた高齢者の気分予測モデルを作成した. この予測モデルでは,介護記録データを特徴量として利用することで,気分の予測が可能であることを示した. 介護記録データと気分の相関を分析することで,「天気」や「食事」など気分に影響を与える要素を発見した. これでは,介護記録データが気分予測の重要な特徴の 1 つであるということを示した.

9C-4 (時間: 11:55 - 12:15)
Title高齢者の認知機能推定に向けた脳波・心拍変動指標の特徴量選択
Author*金井 健太郎, 菅谷 みどり (芝浦工業大学)
Pagepp. 1554 - 1560
Keyword高齢者, 認知機能推定, 脳波, 心拍変動
Abstract近年,認知症患者の増加により,高齢者の認知機能を脳波や心拍変動といった生体情報と機械学 習を用いて求める研究が存在する.既存の研究では生体情報を用いる際に,脳波単体や心拍変動単体で 求められている.しかし,生体情報 1 種類のみだけではそれぞれ課題があるため,脳波と心拍変動を組 み合わせて,高齢者の認知機能を把握することで,より高度な機械学習モデルが構築できると考えた. そこで本研究の目的を脳波・心拍変動指標を用いた高齢者の認知機能推定モデル構築に向けた重要指標 の検討とした.機械学習のモデル構築するために,重要度の高い指標を明らかにする必要がある.そこ で,本研究では高齢者の認知機能を目的変数,脳波・心拍変動から作成した脳波・心拍変動指標を説明 変数として,相互情報量,ランダムフォレストを用いて高齢者の認知機能推定の際に重要指標の評価を 行なった.その結果,MA30_δ,MA30_Low γ,MA30_Low α,SDNN,RMSSD,pNN10,pNN20, pNN30,pNN40 が重要な指標であることがわかった.


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セッション 9D  機械学習II
日時: 2023年7月7日(金) 10:55 - 12:15
部屋: 多目的会議室203
座長: 山口 弘純 (大阪大学)

9D-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Title空中計算による連合機械学習の性能改善に関する検討
Author*肖 唯巍, 湯 素華 (電気通信大学)
Pagepp. 1561 - 1567
Keyword空中計算, 連合機械学習
Abstract近年,連合機械学習(Federated learning)は,ネットワークエッジで分散的に人工知能(AI)を実現する有望な技術として注目されている.連合機械学習では,すべてのデータを一箇所に収集してから学習する代わりに,各端末(スマートフォン,タブレット,IoTデバイスなど)でそれぞれのデータを用いてモデルを学習し,さらにモデルを1箇所に収集して合成してから各端末に配信し,データ処理に使用する.深層学習では,モデルサイズが膨大になるため,各端末からモデルを取得して合成するには,多くの通信量が発生する.よって,連合機械学習の効率化を図るために,各端末が同時にモデルを送信し,空中でモデルの合成を実現する空中計算を適用することが提案されている.本稿では,空中計算の改善により,連合機械学習の収束速度 • 性能改善について検討 • 評価する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
9D-2 (時間: 11:15 - 11:35)
Title特徴マップに対する標準化が深層学習モデルの温度パラメータ選択に与える影響の評価
Author*藤野 恭佑, 長谷川 達人 (福井大学大学院)
Pagepp. 1568 - 1576
Keyword深層学習, 温度パラメータ, Batch Normalization, 画像認識
Abstract深層学習における分類タスクでは,一般的に損失関数としてCross-Entropy Lossが用いられる.Cross-Entropy Lossを用いる際には,モデルの出力を確率分布の様式にするためにsoftmax関数が用いられる.softmax関数は温度パラメータと呼ばれるハイパーパラメータTを持つが,この温度パラメータTの訓練時の最適な値については未解明な点が多い.先行研究では,行動認識タスクを対象に,Tと特徴マップの次元数Mとの関係を調査している.その結果,あるMで最高精度となる温度パラメータT^*について,任意の係数{a,b}を用いたT^*=aM+bという関係があることを示唆した.ただし,係数{a,b}は,データセットやモデルによって変化するため,一概にT^*を決定するのは困難である.この結果を受け,本研究では画像分類タスクでも同様の結果が得られるか検証した.また,転移学習時の最適な T の設定の必要性についての検証も行った.さらに,モデルの違いによる{a,b}の変化を低減させる手法を提案し,その評価を行った.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
9D-3 (時間: 11:35 - 11:55)
TitleNoisy Deep Ensemble:ノイズ付与によって表現力を拡張する深層アンサンブル手法
Author*柘植 俊亮, 長谷川 達人 (福井大学大学院)
Pagepp. 1577 - 1583
Keyword深層学習, 行動認識, アンサンブル学習
Abstract複数の学習モデルを用いるアンサンブル学習手法は,一般的には単一のモデルを用いる手法よりも汎化性能が高い.しかし,アンサンブルモデルは複数の学習モデルから構成される性質上,深層学習と組み合わせる場合,計算時間が膨大になりやすい.この問題を解決するため,本研究ではアンサンブルモデルのパラメータに効率的にノイズを付与するという手法(Noisy Deep Ensemble: NDE)を提案した.NDEは,初期値から学習したモデルを複製し,それぞれにランダムなノイズ付与した後に,少ないエポック数で追加学習したもので並列に推論する深層アンサンブル手法である.従来の深層アンサンブル手法は,各モデルを全て初期値から学習するものであり,NDEはこれよりも学習に要するコストが少ない.実験では,加速度センサデータが収録されたHASCデータセットを用いて検証した.実験の結果,NDEは従来の手法よりも計算時間の削減と単一モデルによるベースラインよりも高い推定精度を達成した.また,ノイズを付与する際に,ノイズの付与率と強度をハイパーパラメータとすると,これらの値によってモデルの性能に変化が見られ,実験する条件によってはそれぞれ最適な値が存在する可能性を示した.

9D-4 (時間: 11:55 - 12:15)
Titleノンパラメトリックベイズ生成モデルを用いた新規バイクシェアポートの需要予測
Author*三村 知洋, 石黒 慎, 鈴木 喬, 山田 曉 (NTTドコモ)
Pagepp. 1584 - 1588
Keywordバイクシェア, ベイズ生成モデル, 需要予測
Abstractバイクシェアのデータはテンソルで表現することができる. このテンソルの生成モデルに無限関係モデルがあるが,未知のポートがどのクラスに含まれるか分からないという問題がある. そこで本研究では,距離が近いポートの需要は同じような傾向を示す特徴を用いて無限関係モデルと混合ガウスモデルを組み合わせた未知のポートの需要予測を行う計算論モデルを提案する. 本提案手法の精度評価のためにNew York cityのバイクシェアオープンデータを用いて実験した. 実験結果よりK- 近傍法と比較して需要予測精度が提案手法が高い精度を示した.


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セッション 9E  行動支援・トレーニング
日時: 2023年7月7日(金) 10:55 - 12:15
部屋: 多目的会議室204
座長: 岸野 泰恵 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所)

9E-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Titleスマートウォッチを用いたテニスストロークの検出と識別
Author*平井 龍彦, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
Pagepp. 1589 - 1596
Keywordテニス, スマートウォッチ, スポーツ, 行動認識
Abstract日本テニス協会によると,日本のテニスの競技人口と指導者は減少傾向にあり,今後も減少が続くと懸念されている.初心者にとって安全で正しい技術を身につけることは,どのスポーツにも重要である中で,指導者の減少は大きな懸念点であり,指導者がいなくてもテニスの技能向上が図れるシステムの需要が高いと言える.先行研究では,ストロークの識別やストロークの評価を行った研究があるが,リアルタイムではない点,ストロークを連続で行うラリーからストロークの識別を行っていない点で実用的とは言えない.そこで本研究では,指導者がいなくてもテニスの初心者が技能の向上できるシステム開発を目的として慣性データの取得とアドバイスの提示が可能であるスマートウォッチで計測したデータを用いて,ラリー中のデータからストロークの検出と分類の検証を行った.ラリーデータからのストロークの検出手法として,スライディングウィンドウ法を用いて,ストロークに該当するデータの抽出を行った結果,90%以上の精度で検出することが可能であった.検出したストロークをフォアハンドストローク,バックハンドストローク,その他の動作の3つを識別するため,機械学習による分類を行った結果,最も高い学習モデルで,90.9%の精度の分類が可能であることが明らかになった.

9E-2 (時間: 11:15 - 11:35)
TitleChewker: Eating Habit Detection System Using Necklace-type Device
Author*大久保 紗恵, Guillaume Lopez (青山学院大学)
Pagepp. 1597 - 1604
Keywordeating activity detection, wearable devices, behavior transformation
AbstractThis research aims to raise awareness of dietary behavior and improve eating habits to prevent obesity and related diseases. The proposed system, called Chewker, utilizes a necklace-type device with various sensors to quantify eating behavior. It detects five eating behaviors in real-time: Feeding, Chewing, Swallowing, Drinking, and Talking. The system provides feedback through vibrations based on the number of chews per swallow, and overall feedback is displayed on an LCD screen after finishing the meal. The goal is to increase the number of chews and improve the pace of chewing, leading to long-term behavioral changes. The experimental results showed that in controlled as well as natural environments, the three behaviors of Feeding, Chewing, and Swallowing could be accurately detected. It was found that the detection of chewing varied significantly depending on the individual, while swallowing could be detected consistently regardless of the person.

9E-3 (時間: 11:35 - 11:55)
TitleCoreMoni-α:効果的な体幹トレーニングのためのリアルタイムフィードバックシステム
Author*佐藤 圭翼, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
Pagepp. 1605 - 1611
Keyword行動変容, ヘルスケア, ウェアラブルコンピューティング
Abstract新型コロナウイルスの影響は3年たった今でも爪痕を残しており,経済だけでなく,健康被害にも大きな打撃を与えている.本研究の目的は,トレーニング時の姿勢を支援するシステムを構築することにより人々の健康維持に貢献することである.関連研究には,カメラ画像を用いた手法や慣性センサを用いたトレーニング種目認識技術がある.しかし,フィードバックの更新速度が遅く,トレーニングの妨げになるという課題が見つかった.本研究は姿勢判定精度の向上,フィードバック方法の見直し,UXに着目し,体幹トレーニング支援システム「CoreMoni-α」を提案する.本システムはウェアラブルセンサとスマートフォンで構成されており,トレーニング時の姿勢の良し悪しに応じたフィードバックをユーザに与え,トレーニング中の姿勢を正すというものである.有効性の検証および従来型システムとの比較を行うため,20代の男女20名を被験者とし,システム無し・従来型システム使用・新型システム使用の3種類の実験を行った.正しい姿勢を保てた割合と SUS スコアによる評価,フィードバックに関するアンケートを分析手法とした.結果,本システムを使用したことで姿勢改善に効果が見られた.同時に,従来型システムとの比較に関してもスコアが向上した.今後の展望として,リアルタイムだけでなく,長期的なトレーニング支援に繋がるコンテンツの考案が求められる.

9E-4 (時間: 11:55 - 12:15)
Title視線状態のリアルタイムフィードバックによる Quiet Eye のトレーニング
Author山本 涼介, 青木 真吾, 柊澤 有輝, *三上 弾 (工学院大学)
Pagepp. 1612 - 1616
KeywordQE, Quiet Eye, VR, アイトラッキング
Abstract本研究ではゴルフのパッティング時やバスケットボールにおけるフリースローなどスポーツのいくつかの状況における熟練者の視線の動かし方として知られるQuiet Eye(QE)を訓練するシステムを提案する.Quiet Eyeとは,注視角が3度以下でターゲットを数秒注視し続けるものとされ,これがパッティングやフリースローの成功率を高めると言われている.本研究では,ゴルフのパッティングを対象として,QEのトレーニングに向けたVRシステムを提案する.提案システムでは,視線計測可能なHMDであるVive Pro Eyeを用いて,QEの状態を明るさおよび音に変換してリアルタイムに練習者にフィードバックする.その知見に基づいた,メガネ式アイトラッカーを利用した実際のパッティング練習時に適用可能なシステムの実装についても述べる.


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セッション 9F  コンテンツ生成
日時: 2023年7月7日(金) 10:55 - 12:15
部屋: 特別会議室
座長: 水野 慎士 (愛知工業大学)

9F-1 (時間: 10:55 - 11:15)
Title円偏波ビーコンとGPSを用いた屋内外経路推定手法
Author*渡辺 駿太 (名古屋工業大学), 梶岡 慎輔, 山本 大介 (名古屋工業大学/ながれ領域)
Pagepp. 1617 - 1624
KeywordBLEビーコン, 移動経路推定
Abstractビーコンを用いた位置推定手法の一つとして我々はビー コンと GPS を用いたグローバルマップマッチングによるユーザの移動経路・滞在推定手法を提案してき た.しかし,この手法が提案された当時は設置されていなかった新型のビーコンが,昨年度本学に設置された.そのため,新型ビーコンで今までと同様の経路推定が可能か不明である.また,GPS とビーコンを用いた経路推定では,GPS の推定位置のずれにより,ビーコン のみを使った経路推定よりも精度が落ちてしまう場合があった.そこで本論文では,新たに設置され たビーコンでの経路推定が可能かどうかを明らかにするとともに,経路推定におけるビーコンと GPS の重みを調整することで,ビーコンと GPS を用いた経路推定の精度向上を目指した.

9F-2 (時間: 11:15 - 11:35)
Title道なりを考慮したBlocklyを用いた音声道案内シナリオ編集システム
Author*渡邊 大祐 (名古屋工業大学), 梶岡 慎輔, 山本 大介 (名古屋工業大学/流れ領域)
Pagepp. 1625 - 1632
Keywordblockly, 音声, 道案内, ビジュアルプログラミング
Abstract近年,Google Maps などのスマートフォン等で利用可能な音声道案内システムが普及している.既存の音声道案内システムでは,システムが歩行者の位置情報に合わせて,次の案内までの方角や距離などを機械的に案内する.しかし,このシステムから歩行者への一方向な案内に対して不安を感じる人も多い.そこで,本研究室では,MMDAgent を用いた音声対話システムとBlockly を使用することで,システムと歩行者における音声対話型道案内システムを開発した.これにより,従来のシステムよりも,音声道案内を使用する人の不安を減らすことに成功した.しかし,道案内シナリオ編集システムのユーザビリティに関する実験では,一般ユーザが使用するにはやや扱いが難しいという結果となった.そこで本研究では,従来手法を拡張し,道案内を作成するにあたって、ユーザが行う操作を単純化し,作成に要する時間を削減することで,ユーザがより手軽に音声対話道案内シナリオを作成できるシステムを提案することを目的とする.本論文では,提案手法に基づくプロトタイプシステムの開発を行い,提案手法の有効性について実験を行った.シナリオ編集システムに関する実験では,ユーザの編集時間を大幅に削減し,SUS に伴うアンケートでは全ての項目で,従来手法と同等または従来手法より高い評価を得ることができた.このことから,提案手法による有用性,また,従来手法の課題であったユーザビリティが向上したことを示した.

9F-3 (時間: 11:35 - 11:55)
Titleライブの音響および映像を用いたVRアバター動作生成手法
Author*楊 心明, 門本 淳一郎, 入江 英嗣, 坂井 修一 (東京大学)
Pagepp. 1633 - 1642
Keyword楽器演奏, アバター, ライブ, 動作生成, 音響
AbstractVR空間での体験はユーザが実際にその場にいるかのような高い没入感を得ることができ、物理的な制約なくネットワーク越しに参加できるという利便性を持っている。近年、HMDなどのVRデバイスが安価となり普及したことで、VR空間におけるコンサートライブなど、仮想空間ならではの体験を提供する活用が広がっている。VR空間で行われるコンサートライブには自由な視点で参加可能なものや、観客がアバターで表現されているものや、演奏者がアバターで表現されているものがある。楽器演奏者の動きをVRアバターで表現する際の技術のうち、従来から研究されてきたものは大きく分けて3種類に分類できる。モーショントラッカーを用いる手法と画像/深度センサを用いる手法と慣性計測装置を用いる手法である。慣性計測装置を用いる手法とモーショントラッカーを用いる手法では演奏中に身体に機器を取り付ける必要があり演奏の妨げとなりうる。深度センサを用いる手法や、近年提案された深層学習によって映像からの骨格推定をおこなう手法では身体に何も取り付けずに骨格検知が可能であるが、楽器などによって演奏者の関節点とカメラの間に障害物が存在する場合は骨格推定の精度が落ち、不自然な動きとなってしまうことがある。本研究ではコンサートライブ時の音響と映像を用いた楽器演奏者のVRアバター動作生成手法を提案する。コンサートライブにおいては、音響は楽器演奏中の動きから生成される。そのため音響から推定した演奏者の骨格を用いることで、細かい手指や楽器による遮蔽や腕の交差などの映像だけでは推定できない骨格を補完する。アンケート評価の結果、音響と映像を用いることで確かに映像のみの場合より自然に骨格推定できることが判明した。


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セッション 9G  VR・遠隔コミュニケーション
日時: 2023年7月7日(金) 10:55 - 12:15
部屋: 会議室205+会議室206
座長: 小林 稔 (明治大学)

9G-1 (時間: 10:55 - 11:15)
TitleVTuberの変声と地声の違いによる印象評価
Author*呉 健朗 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 越後 宏紀 (ソフトバンク株式会社), 新井 貴紘 (株式会社NTTドコモ), 富永 詩音 (株式会社ドワンゴ)
Pagepp. 1643 - 1648
KeywordVTuber, 声, アバタ, コミュニケーション
Abstract近年、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイトで自作のコンテンツを容易に投稿できるようになってきている。 投稿される動画のスタイルも多様で、特にVTuberとしての配信に注目が集まっている。 VTuberの配信を視聴すると、配信者の声の使い方の違いがわかる。 例えば、男性が女性アバタを使用する際、ボイスチェンジャを使ってアバタに声を近づける配信者もいれば、 地声をそのまま使う配信者もいる。 このようなVTuberとして配信する際に、どのような声で配信することが好ましいか多くの試行錯誤が行われているが、 我々の調査では、VTuberが配信する際にどのような声を使うべきかについて科学的に明らかにする事例は存在しなかった。 そこで、本研究ではVTuberが使用する声が視聴者に与える影響を調査することを目的としている。 研究の初期検討として、自分と異なる性別のアバタを使用して配信する際の声を、 地声と、ボイスチェンジャによりアバタの性別に合うように加工する場合で比較実験を行った。 実験の結果、男性配信者が女性アバタを使用する場合、ボイスチェンジャを使って声を加工することで、視聴者からの印象が地声を使う場合よりも良くなることが確認された。

9G-2 (時間: 11:15 - 11:35)
TitleVRObjFinder:VR空間制作支援のための大規模言語モデルを用いた3DCG オブジェクト自動選択手法
Author*阿部 広夢, 中村 亮太 (武蔵野大学データサイエンス学部)
Pagepp. 1649 - 1656
Keyword作業支援, VR空間制作, 大規模言語モデル
Abstract3DWeb空間制作技術の発展やプラットフォームの普及から個人のVR空間制作が広がりつつある.しかしVR空間のデザイニングコストや3DCGオブジェクトに関連する課題など,未だVR空間の個人制作にはいくつかの問題があると考えられる.本論文では近年普及している大規模言語モデルを用いて3DCGオブジェクトの種類や特徴,個数を出力し,画像分類モデルと3DCGオブジェクトデータセットを用いて3DWeb空間を構成する3DCGオブジェクトを自動的に選定する手法VRObjFinderを提案する.評価実験では定性評価により自然言語から出力された3DCGオブジェクトの種類や特徴,3DCGオブジェクトがユーザの意図に適合したことを確かめ,また大規模言語モデルが示した3DCGオブジェクトの個数については空間の規模によって変化させることを確かめた

優秀論文賞 / Paper Awards
9G-3 (時間: 11:35 - 11:55)
TitleVR会議における他者との対面量に着目した会議の質評価の試み
Author*渡会 隆哉 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部), 鎌田 光太郎 (北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科), 角 康之 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部), 王 子洋, 由井薗 隆也, 高島 健太郎 (北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科)
Pagepp. 1657 - 1665
KeywordVR会議, 会議の質, 対面量, 他者評価, 自己評価
Abstract本研究は,VR会議においてお互いの対面量だけで,他の参加者の参加意欲,または社会的手抜きの認知を推定出来るのかを調査する.また,会議の質と非言語行動に関係があるのかを分析する.これらを行うことで,VR会議において非言語行動はどのような効果を持っているのかを明らかにすることができると考える.分析を行うために,2つの環境を用意して比較実験を行い,環境の違いで非言語行動に違いが現れるのかを調査した.参加者ごとの見ていた/見られていた時間を収集することで参加者ごとの対面量がわかるデータを作成した.そのデータと他者の参加意欲,または社会的手抜きの認知に相関が見られるかを分析し,壁提示環境では相関が見られた.また,グループごとの見られていた時間の累積を行うことでグループ間の特徴を見ることができた.さらに,グループの最終決定を点数化して分析に利用することで,それと非言語行動や他者の参加意欲の評価などには相関が現れるのかを分析した.その結果,壁提示環境では非言語行動は,他者への評価やグループの最終決定の質との関係性が高いということが示唆された.

9G-4 (時間: 11:55 - 12:15)
Title発言量に基づいて可逆的に顔をぼかすビデオ会議システムの基礎検討
Author*松井 優季, 須賀 美月, 齊藤 孝樹, 木村 悠児 (日本大学文理学部), 呉 健朗, 森岡 優一, 古野 雅人 (ソフトバンク), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Pagepp. 1666 - 1669
Keywordぼかし, ビデオ会議, ユーザ心理, コミュニケーション
Abstractインフォーマルな場において,ビデオ会議システムを使用する際,会議参加者間の信頼度・親密度 を高めるために互いに顔を見せ合うことが重要である.恥ずかしさなどの理由から顔を表示することに心 理的負担が生じ,多くの参加者が顔を非表示にしてしまうという問題がある.そこで先行研究では,ユー ザの映像に会議参加時間・発言回数に応じてぼかしの濃さを変化させるビデオ会議システムを提案した. しかし,このシステムでは,ぼかしが不可逆的に変化してしまうため,一度ぼかしが晴れるとユーザの発 言量が低下しても顔が表示され続けてしまい,恥ずかしさなどの心理的負担が生じるという問題がある. この問題の解決を狙い,本稿では,オンラインのインフォーマルコミュニケーションにおいて,過去一定 時間の発言時間の割合を発言量とし,発言量に応じて顔のぼかしの濃さを可逆的に変化させるビデオ会議 システムを提案する.ぼかしの濃さを可逆的に変化させることにより,ユーザの発言量が低下してもぼか しを再び濃くできるため,無発言の状態で顔が表示され続けることを防ぎ,恥ずかしさなどの心理的負担 を軽減できると考える.本稿では,発言量に応じて顔のぼかしの濃さを可逆的に変化させるビデオ会議シ ステムの実装について報告する.インフォーマルな場において,ビデオ会議システムを使用する際,会議参加者間の信頼度・親密度 を高めるために互いに顔を見せ合うことが重要である.恥ずかしさなどの理由から顔を表示することに心 理的負担が生じ,多くの参加者が顔を非表示にしてしまうという問題がある.そこで先行研究では,ユー ザの映像に会議参加時間・発言回数に応じてぼかしの濃さを変化させるビデオ会議システムを提案した. しかし,このシステムでは,ぼかしが不可逆的に変化してしまうため,一度ぼかしが晴れるとユーザの発 言量が低下しても顔が表示され続けてしまい,恥ずかしさなどの心理的負担が生じるという問題がある. この問題の解決を狙い,本稿では,オンラインのインフォーマルコミュニケーションにおいて,過去一定 時間の発言時間の割合を発言量とし,発言量に応じて顔のぼかしの濃さを可逆的に変化させるビデオ会議 システムを提案する.ぼかしの濃さを可逆的に変化させることにより,ユーザの発言量が低下してもぼか しを再び濃くできるため,無発言の状態で顔が表示され続けることを防ぎ,恥ずかしさなどの心理的負担 を軽減できると考える.本稿では,発言量に応じて顔のぼかしの濃さを可逆的に変化させるビデオ会議シ ステムの実装について報告する.



2023年7月6日(木)

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セッション DS  デモセッション
日時: 2023年7月6日(木) 17:50 - 18:50
部屋: ホワイエ(2F)

DS-1
TitleMRグラスを用いた作業支援に対する視覚的妨害の体験アプリケーション
Author*倉 翔大, 金岡 晃 (東邦大学)
Pagepp. 1670 - 1677
KeywordMR, XR, 妨害, 複合現実, 拡張現実
AbstractVRやAR、MR技術は専門的な分野でも活用されており、特にARやMR技術はHMDと共に作業支援に用いられている。ARやMR技術を作業支援に用いることにはセキュリティやプライバシの観点で大きなリスクがあると言える一方で、これに対して議論が十分にはされていない。様々なリスクが考えうる中、本研究では、作業支援において本来提示されない視覚情報の提示による作業妨害に着目して議論を行い、この作業妨害による影響調査の手法を提案する。調査の中で行うユーザ実験のために実験用アプリケーションの作成や本来提示されない視覚情報の提示による影響についての仮説立てを行い、共同研究者による実機確認を行った。その結果、提案する調査手法にいくつかの問題点や懸念点が存在することが明らかとなった。

DS-2
Titleスケッチベースのアクションゲーム「お絵描き合戦」の提案と開発
Author*水野 由也, 水野 慎士 (愛知工業大学)
Pagepp. 1678 - 1683
Keywordラクガキ, 画像処理
Abstract画像処理を用い,お絵描きをインタフェースとしたアクションゲーム「お絵描き合戦」を開発. 小学生から中学生の子供を対象としており,子供の豊かな想像力を引き出す手法として現実世界で描かれたキャラクターをゲームに登場させる新しいシステムを提案.

DS-3
Title多点観測認証:実装と評価
Author*野崎 真之介, 盍 拓海 (静岡大学), 藤田 真浩, 加藤 駿, 吉村 礼子 (三菱電機株式会社), 大木 哲史, 西垣 正勝 (静岡大学)
Pagepp. 1684 - 1692
Keyword認証, 認可, 多要素認証, ユーザブルセキュリティ, 物理事象の多点観測
Abstract業務形態の変化に伴い,PCのマルウェア感染による被害が拡大し,従来の認証方式や認可方式によるセキュリティ対策では守りきれない現状になりつつある.この問題への解決策として多要素認証があるが,認証の度に複数のクレデンシャルを提示する手間が生じる.認証後に得られる認証トークンに有効期限を設けることで再認証を免除する利便性向上策も考えられるものの,ユーザのPC内にマルウェアが感染している場合,認証トークンを用いて情報資産へアクセスされる.マルウェアではなくユーザの意思によって情報資産へのアクセスが行われたことを確認したいのであれば,ユーザにスマートフォンの操作を要求せずとも,ユーザ自身による情報資産へのアクセスのアクションを確認すれば十分だと考えられる.そこで我々は,「クレデンシャル(PWあるいは認証トークン)の正当性に加え,ユーザによる物理的な認証/認可のアクションの発生を確認する」というコンセプトに基づく新たな方式として,多点観測認証を提案する.本論文では,認証/認可にコンセプトを適用した方式を実装し,20名の実験協力者による実験を通じて,所要時間,利便性,プライバシの観点から評価を行った.

DS-4
Title高等学校情報科における鍵暗号方式の理解を目的としたWebアプリケーションの評価
Author*前田 祐杜 (青山学院大学社会情報学部), 御家 雄一 (青山学院大学社会情報学研究科), 伊藤 一成 (青山学院大学社会情報学部)
Pagepp. 1693 - 1699
Keyword鍵暗号方式, Webアプリケーション, 高等学校情報科, サイバーセキュリティ, セキュリティ心理学
Abstract令和 4 年度から年次進行で実施されている高等学校共通教科情報の必履修科目「情報 I」では,情報セキュリ ティについて言及され,すべての「情報 I」の検定教科書や副読本では文章や図を用いた鍵暗号化方式の解説が含ま れる.しかし,体験を通して学習することで,図や文章では理解しがたい部分をより鮮明に理解することができると考 え,鍵暗号方式の学習者に体験する環境を提供するための Web アプリケーションを提案し実装した.「情報I」の授 業内で実際に本アプリケーションを用いた実習を行った.実習後に,本アプリケーションが学生の鍵暗号方式に対す る理解にどの程度貢献することができるのかを測るためのアンケートを実施し評価を行った.結果としては良好な評 価を得ることができ,本アプリケーションを用いることで,生徒の鍵暗号方式に対する理解が深まる可能性があるこ とがわかった.

野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:1
Title珠算学習支援のための盤面認識に基づくリアルタイム情報提示手法
Author*松田 裕貴, 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学)
Keyword珠算, そろばん, 画像認識, 情報提示, 学習支援
Abstract算盤を用いた数値計算は,珠による数値表現の理解,複数の方法・順序での珠操作が求められ,習得には長期に渡る繰り返し学習を要する.一般的な珠算指導は回答の正誤判定に加え,学習者の観察に基づきミスや苦手な珠操作を発見・指導する方法があるが,人手に頼るものとなっており多大な労力が必要となっている.そこで本研究では,市販の算盤を用いる珠算学習を対象とした学習支援システムの実現に向け,書画カメラを用いたリアルタイムな算盤の盤面認識に基づいて指導内容を卓上ディスプレイに提示する手法の確立を目指している.本稿では,珠算学習支援の情報提示を実現するための要件および制約条件を整理するとともに,システム設計を行った結果について報告する.
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野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:2
Title遠隔車両制御システムのためのリアルタイムシミュレータ
Author*佐々木 健吾 (豊田中央研究所), 金子 直矢 (トヨタ自動車), 高梨 昌樹 (豊田中央研究所), 大西 亮吉 (トヨタ自動車), 三田 勝史 (豊田中央研究所)
Keywordシミュレータ, 遠隔車両制御, 無線通信
Abstract近年, 5G/6Gのような移動体通信網の発達を背景に, 今まで実現が困難であった遠隔車両制御のようなミッションクリティカルサービスが実現できる可能性がある. 遠隔車両制御の最適な設計を行うためには,様々なシナリオで評価検証を行う必要があり,シミュレーションで評価を行うことが重要ではあるものの, 通信を含めて遠隔車両制御サービス全体を評価できるような単一のリアルタイムシミュレーション(エミュレーション)環境は存在しない. 加えて,ミッションクリティカルなサービスでは通信途絶が許されないため,複数の通信キャリアを利用するマルチキャリア通信のような高信頼通信環境が必要で,このような通信技術の評価も可能なエミュレーション環境が必要となる。 本論文では,車両制御シミュレータCARLA,交通シミュレータSUMO,ネットワークシミュレータOMNeT++を連携させるコネクティッドサービスシミュレータを提案し, 遠隔車両制御の評価を実現する.また, OMNeT++を並行動作せることで,マルチキャリア環境を実現し高信頼通信が評価できることも示す.
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DS-D:3
Title画像と視線入力装置を用いたユーザ認証方式の提案
Author*金井 秀真, 安浪 巧 (神奈川工科大学 情報学部), 油田 健太郎, 岡崎 直宣 (宮崎大学 工学部), 朴 美娘 (神奈川工科大学 情報学部)
Keywordユーザ認証, 画像認識, 視線入力, アクセス制御
Abstract本人認証として4桁のPIN番号や,指先で点を結んで描くパターン認証,英数字や記号などを用いたパスワード認証など「簡単な認証」を用いる場合がある.これらは,運用性や利便性が高い一方,ブルートフォース攻撃や,覗き見攻撃に弱いなどの課題がある.また,手の不自由な人にとってはPIN認証やパスワード認証,パターン認証などの方式では認証が難しい.これらの問題点を改善する方式として,視線認証がある.視線認証は,あらかじめ与えられた文字や記号などを視線で描画し,その軌跡情報から得られる特徴を用いて個人を判別する.視線認証は認証動作を第三者から観測されにくいため,覗き見攻撃やサーマルアタック,スマッジアタックなどの攻撃に強いが,認証成功率が低いことや,認証に時間がかかってしまうなどの欠点もある.そこで本研究では,手の不自由な人にも簡単な認証方式,さらに新型コロナウィルス感染拡大の懸念から非接触型認証方式の実現を目的とする.また,ユーザの記憶負担の軽減及び第三者による覗き見や録画攻撃への耐性を目的として,画像をパスワードとして視線だけで入力できる認証方式を提案する.パスワード画像は,画像のカテゴリの中から一枚ずつ選択し,認証時には各カテゴリの画像を視線だけで見つめるとともに,簡単な直線などを描くことで本人の特定が可能な個人認証方式を提案する.また,提案方式の有効性を確認するために,モバイル端末に実装し評価実験を行う.実験では,提案の視線認証を行ってもらい認証時間, 認証成功率, ユーザビリティの比較アンケートを実施した. なお, 注視時間は約2秒である. 結果として,平均認証時間は16.5秒, 認証成功率は97.33%となった.
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DS-D:4
Title複数小型情報機器を用いた数学映像教材の制作
Author*チェ シヨン (秋田公立美術大学/ビジュアルアーツ専攻)
Keyword数学学習, ホームネットワーク, 教育メディア, 複数端末, 身体感覚
Abstract本研究の目的は,複数の小型情報機器を使用し,数学知識の構造を学習できる映像教材を制作することである.数学は,特定の問題を解くために必要な知識が,明確で階層的な構造を持っている.一つの定理は他の定理を基盤として成り立ち,よって数学は,包含関係とツリー構造を持つと言える.しかし現在の情報機器を使用した学習は,このような特徴を持つ数学の学習には不十分だと考え,使用者の身体感覚を考慮した教材開発の必要性があると判断した.そのため,本研究では複数の情報機器をネットワークで連携させ,数学知識の構造が学習できる教材を制作した.本論文では,実践として行った制作内容の詳細を述べ,関連する事例に関して言及する.最終的に,実践を経て得られた知見と,本研究が持つ意味を述べる.
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野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:5
Title認知症予防を意識したサイコロ型ビンゴゲーム「サンコロビンゴ」の提案
Author*溝渕 彩久良, 鈴木 浩 (神奈川工科大学 情報メディア学科)
Keyword認知症予防, シリアスゲーム, Arduino
Abstract医療技術が発展するにつれ平均寿命は延び,我が国は超高齢社会に突入した.しかし未だ平均寿命と健康寿命との差は男性で約8年,女性で約12年ある.日本の高齢者は人生の締めくくりの10年を自立して生活ができていない状態にある.高齢者が介護を要する主な要因に認知症があり,今後も認知症患者は増加すると予測されている.認知症は様々な理由で脳細胞が正常に機能しなくなる脳の病気である.発症することで記憶や判断力の障害が起こり,日常生活にも支障をきたすが,認知症は対策をすることで発症を遅らせられる可能性がある.認知症の主な予防策として,脳トレ,適度な運動,コミュニケーションが有効であるとされている.さらにこれらの予防策は継続的に行うほど効果的である.したがって認知症予防の3要素をゲームとして取り入れることで,高齢者がモチベーションを維持し続けながら認知症の対策に取り組めるようになるのではないかという仮説を立てた.そこで筆者らは,計算,大きなサイコロを動かす,対戦といった要素を取り入れ,高齢者が楽しく認知症予防を行えるようなサイコロ型ビンゴゲーム「サンコロビンゴ」を提案する.本論文では開発したシステムのコンセプトと実装した2種類のプロトタイプを説明するとともに,本システムを展示して得られた知見について述べる.
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野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:6
Title民族学博物館の展示物に興味を惹きつけるためのデジタルコンテンツの制作
Author*米田 さやか, 片山 あず美, 山本 千鶴, 尾澤 諒, 相原 昌喜, 篁 知樹, 水野 慎士 (愛知工業大学)
Keywordデジタルコンテンツ, 博物館, CG, インタラクション
Abstract本研究では,愛知県犬山市にある民族学博物館「リトルワールド」で展示するための2つのデジタルコンテンツの開発を行った.民族学博物館の展示物は日常生活道具,衣装や仮面などの物品の他,文字や言葉,祭礼儀式,食事などに関する映像や模型などが多く,一般の美術展示品と異なり見るだけでは価値が伝わりづらいものが多い.そこで,本研究では展示物を仮想的に体験できる「ラスコー洞窟デジタル壁画」と「仮面バーチャル装着体験」というコンテンツの提案と開発を行った.コンテンツを実装して展示したところ,リトルワールドの来場者と学芸員のいずれからも高い評価が得られた.
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野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:7
Titleデジタルサイネージ向けのアイコン動作を真似る選択方式の検証
Author*須賀 美月, 松井 優季, 新山 はるな (日本大学文理学部), 呉 健朗, 森岡 優一, 古野 雅人 (ソフトバンク), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
Keywordデジタルサイネージ, スマートフォン, ジェスチャ, インタラクション
Abstractデジタルサイネージに複数のコンテンツが表示されている状況において,デジタルサイネージとスマートフォンを連携させる場合,ユーザはデジタルサイネージから対象のコンテンツを1つ選択する必要がある.しかし,NFCタグやBluetooth等を用いた従来方式で選択しようとすると,ユーザへの制約・操作負担が大きいという問題があった.この問題を解決するために先行研究では,デジタルサイネージの複数のコンテンツの中からスマートフォンと連携させるものを選択する方法として,アイコンの動きを真似るデジタルサイネージ選択方式を提案した.これは,ユーザがスマートフォンを把持してデジタルサイネージ上のアイコン動作と同じタイミングで同じ動きのジェスチャを行うことで,対応するコンテンツを選択できる方式である.しかし,先行研究では,アイコンの動作時間帯とユーザがジェスチャを行う時間帯がずれることで,ジェスチャマッチングが失敗する問題があった.本稿では,この問題を解決するために各アイコンの動作時間の間にマージンを設け,ジェスチャマッチング成功率の検証実験を行った.その結果,従来手法よりジェスチャマッチング成功率を向上させることができた.
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DS-D:8
Titleカードプロトコルで麻雀牌に持ち替えると
Author*須賀 祐治 (株式会社インターネットイニシアティブ)
Keywordカードベース暗号, シャッフル, 麻雀牌, 秘密計算, 物理的暗号
Abstract本稿では表面裏面ともに全く同じ絵柄であるカード(例えば名刺や麻雀牌)を用いることを考える.このときカードの上下配置の違いを用いて,それぞれ(一般的なカードプロトコルで用いられる)異なるスートと対応づけることができる.この場合,カードにスートを表現するメモ書き等をしないでも,同一カードの束を用いてプロトコルを構成することができる点も一つのメリットである.このように裏面は識別不可能性を持ち,表面は上か下かで表現可能なカードを上下カードと呼ぶこととする.麻雀牌は裏面は同色で塗られており,上下を入れ替えてもどちらが上か下かを裏面からは認識できないため,表面が上下入れ替えで異なる柄として認識できる牌は上下カードとして利用できることが分かる. ここで,カードプロトコルにおいては実装可能性について議論される点を考える.つまり利用されるシャッフルが実用的かどうかという観点である.名刺のようなカードを麻雀牌に置き換えることでこれまでの上下カードを用いたプロトコル群は実装可能であると言えるのかという疑問に対して,本稿は現実的な方法を提示する.また麻雀牌特有のシャッフルについて新しいプロトコルの構成についても提示する.
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DS-D:9
Titleおもかげパスコード: 面影で見分ける個人認証
Author*石井 健太郎 (専修大学)
Keyword個人認証, GAN
Abstractタッチスクリーンを利用する端末では,入力操作を行うスクリーンに入力情報が出力されているため,のぞき見により入力情報を盗みやすい傾向がある.これは,個人認証のための秘密情報の入力に対する脅威となる.この課題に対して,本研究では画像を都度生成して利用する手法を提案する.提案手法では, Generative Adversarial Networks (GAN) を利用して生成した見た目には異なる画像を試行ごとに提示することで,のぞき見されたとしても秘密情報を盗まれにくいことが期待できる.一方,正規のユーザは見た目には異なる画像を見分けることが必要となるが,ユーザ所有の顔画像を秘密情報として,その顔の面影が見える架空の人物の顔画像を生成し,面影によって見分けることによって対処する.本論文では,面影が見える顔画像の生成方法について検討する.
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2023年7月7日(金)

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セッション SP  特別招待講演
日時: 2023年7月7日(金) 14:00 - 15:00
部屋: メインホール
座長: 齋藤 正史 (金沢工業大学)

SP-1 (時間: 14:00 - 15:00)
Title(特別講演) 生成AIの現状と展望: AIと共生する未来への道程
Author*我妻 幸長 (SAI-Lab株式会社)
Pagepp. 1700 - 1701