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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2021)シンポジウム
プログラム

(「*」印は講演予定者を表す)
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セッション表

表内のセッション名はそのセッション情報にリンクしています.


2021年6月30日(水)

ABCDEFGH
開会式
13:00 - 13:30
セッション開始準備
13:30 - 13:50
1A  行動変容
13:50 - 15:30

1C  状態推定・予測と情報処理
13:50 - 15:30
1D  人流・位置解析
13:50 - 15:30
1E  無線・ネットワーク
13:50 - 15:30
1F  テレワーク・テレ講義
13:50 - 15:30
1G  暗号
13:50 - 15:30
1H  行動認識・分析
13:50 - 15:30
休憩
15:30 - 15:50
2A  DPS統一テーマ
15:50 - 17:30
2B  行動認識
15:50 - 17:30
2C  視線・音声
15:50 - 17:30
2D  センシング
15:50 - 17:30
2E  遠隔対話・モバイルアプリ
15:50 - 17:30
2F  安全空間・防災支援
15:50 - 17:30
2G  機械学習とセキュリティ
15:50 - 17:30
2H  災害・生活支援
15:50 - 17:30
休憩
17:30 - 17:50
3A  MBL統一テーマ
17:50 - 19:10
3B  データ処理
17:50 - 19:10

3D  測位システム
17:50 - 19:10
3E  コンテンツと機械学習
17:50 - 19:10
3F  ソーシャル空間
17:50 - 19:10
3G  セキュリティ設計・検証
17:50 - 19:10
3H  デバイス・システム
17:50 - 19:10



2021年7月1日(木)

ABCDEFGH
4A  ロボット自動運転
8:50 - 10:10
4B  ウェアラブル
8:50 - 10:10
4C  予測と異常検知
9:10 - 10:10
4D  画像認識と自律移動体処理
8:50 - 10:10

4F  会話支援
8:30 - 10:10
4G  システム制作
8:30 - 10:10
4H  農業
8:30 - 10:10
休憩
10:10 - 10:30
5A  CSEC/SPT統一セッション
10:30 - 12:10
5B  経路推定と人流分析
10:30 - 12:10
5C  会議・教育
10:30 - 12:10
5D  情報通信・配信
10:30 - 12:10
5E  ユーザ参加型センシング
10:30 - 12:10
5F  心理空間
10:30 - 12:10
5G  インターネット・Webサービス技術
10:30 - 12:10
5H  映像音声コンテンツ
10:30 - 12:10
休憩
12:10 - 14:10
6A  GN統一セッション
14:10 - 15:30
6B  行動分析と心理
14:10 - 15:30
6C  ネットワーク応用と分散処理
14:10 - 15:30
6D  経路案内1
14:10 - 15:30
6E  BLEビーコン
14:10 - 15:30
6F  ネットワーク・セキュリティ
14:10 - 15:30
6G  認証
14:10 - 15:30
6H  機械学習コンテンツ
14:10 - 15:30
休憩
15:30 - 15:50
SP  特別招待講演
15:50 - 16:50
休憩(17:00よりデモセッションビデオ上映)
16:50 - 17:30
DS  ビデオデモセッション
17:30 - 18:30
休憩
18:30 - 19:00
懇親会
19:00 - 20:00
NS  ナイトテクニカルセッション
20:00 - 22:00



2021年7月2日(金)

ABCDEFGH
7A  CDS/DCC統一セッション
9:30 - 10:10
7B  スポーツ
8:30 - 10:10
7C  拡張現実とロボット
9:10 - 10:10
7D  経路案内2
8:50 - 10:10
7E  家・行動推定
8:50 - 10:10
7F  学習支援
8:30 - 10:10
7G  セキュリティ心理学とトラスト
9:10 - 10:10
7H  クラウド・ホスティング
8:50 - 10:10
休憩
10:10 - 10:30
8A  IOT統一セッション
10:30 - 12:10
8B  ヘルスケアと介護
10:30 - 12:10
8C  ネットワーク処理
10:30 - 12:10


8F  臨場感支援
10:30 - 12:10
8G  ユーザブルセキュリティ
10:30 - 12:10
8H  xRシステム
10:30 - 12:10
休憩
12:10 - 14:10
閉会式・表彰式
14:10 - 15:20



論文一覧

(「*」印は講演予定者を表す)

2021年6月30日(水)

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セッション 1A  行動変容
日時: 2021年6月30日(水) 13:50 - 15:30
座長: 村尾 和哉 (立命館大学)

1A-1 (時間: 13:50 - 14:30)
題名(招待講演) 機械学習技術と人間の判断支援
著者樋口 啓太 (Preferred Networks/醸燻酒類研究所)
ページp. 1

1A-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名IoTに基づく潜在的社会需要の推定と柔軟なサービス需給交換基盤
著者*永田 吉輝, 村井 大地, 片山 晋, 浦野 健太 (名古屋大学大学院 工学研究科), 青木 俊介 (国立情報学研究所), 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院 工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学 未来社会創造機構)
ページpp. 2 - 10
キーワードIoT, センシング, 社会需要, 需給交換, 超スマート社会
アブストラクト時々刻々と変化する地域や都市の状況は,実世界センシング手法やビッグデータ解析・機械学習などの分析手法により,技術的には情報空間内で把握可能となってきた.一方で,その地域の人々が何を本当に必要としているかという潜在的な需要の最適な推定・提示を行うのは,現状困難である.本稿は,このような社会に埋もれた多種多様な需要の把握とその解決を,IoTやAI技術を用いた新たなサービス需給交換基盤の構築による達成を目指す.まず,多種多様な需要を計算機で処理可能とするための需要の形式化を行う.また,微細な実世界の環境変化を捉えるため,IoTセンサに加えてWeb,SNSなどの情報空間の情報を取り入れ,実空間・情報空間の両空間の情報センシングを行い,先に挙げた形式化された潜在的需要を抽出するためのシステムを構築する.さらに,潜在的需要を満たすようなサービス供給を提案する柔軟なサービス需給交換基盤を構築する.本稿では,提案した社会需要の抽出システムとサービス需給交換基盤を構築し,東山動植物園に展開し実証実験を行い,提案手法の検証を行った.構築したシステムにより2週間に渡って実証実験を行った結果,本稿の手法が実際の施設運用に有効利用できる可能性が示された.

1A-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名宅内行動認識モデル最適化のためのナッジを用いたアノテーション行動誘導方法の検討
著者*佐藤 佑磨, 松井 智一 (奈良先端科学技術大学院大学), 中村 優吾 (九州大学), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 11 - 19
キーワード宅内行動認識, ナッジ, アノテーション
アブストラクト宅内行動認識の研究において行動ラベルを収集することは,居住者の行動分析をするために必要不可欠である.しかし行動ラベルを収集するためには,プライバシーの面などを考慮すると居住者に自ら行動を記録してもらう必要がある.そのため詳細な行動ラベルを収集するためには居住者が生活の中で逐一行動を記録しなければならず,大きな負担がかかってしまい,結果的に本来の生活とは違った不自然な行動が多く現れてしまう原因となる.そこで我々の研究グループではリアルタイムで居住者の行動認識を行い,その確信度が低い時だけ居住者に現在の行動を尋ねる質問を通知し,それに回答してもらうことで行動ラベルを収集するシステムを構築している.本稿では,居住者に行う質問への回答意欲を高めるために幾つかのナッジを考案し,通常の聞き方と比較してどれほど有効性があるのかを検証した.検証にはクラウドソーシングを用いてのべ1800人の一般人にアンケート調査を行った.その結果,考案したナッジを用いた質問8種のうち6種についてナッジを用いない質問よりも回答意欲が高く,ナッジの有効性を確認した.


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セッション 1C  状態推定・予測と情報処理
日時: 2021年6月30日(水) 13:50 - 15:30
座長: 中沢 実 (金沢工業大学)

1C-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名足の甲の加速度データを用いた乗馬時の脚位置推定
著者*丸山 悟, 勝間 亮 (大阪府立大学)
ページpp. 20 - 24
キーワード加速度センサ, 行動分類, 馬術, 決定木
アブストラクト大学馬術において大学から馬術を始める人が多いため初歩的な指導が必要となる.初歩的な乗馬技術であっても騎乗者は全身を連動して動かす必要があり,指導者は複数箇所を同時に見て指導すべき箇所を適切に判断しなければならないため,指導者にも高度な技術が要求される. しかし,現状ではその指導を乗馬歴2,3年の経験の浅い人間が行うことも多く, 経験不足の指導者は騎乗者の姿勢を見ただけで的確に指導を行うことが難しい. そこで本稿では,モーションキャプチャを用いて数値化を行い,指導箇所の一部でも機械的に判定することで指導の負担を減らすことを目的とし,足の甲の加速度データと乗馬姿勢の関連について報告する. 乗馬を行う上で馬と騎乗者が同調することは多くの他の乗馬技術にも関連する非常に重要なことであり,上手く同調できるかどうかは騎乗者の脚の位置が大きく影響する. 本稿では初心者が最初に習得する乗馬技術の一つである軽速歩を行っている時の脚位置に関して, 足の甲の加速度データから正しい位置にあるかどうか決定木を用いて判別を行った.

1C-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名生産管理のためのデジタルツインアプリケーション
著者*川村 地平, 青谷 和真 (東京大学), 藤橋 貞光, 稗田 啓介, 中島 高英 (株式会社シムックスイニシアティブ), 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 25 - 33
キーワードデジタルツイン, アプリケーション, コモングラウンド

1C-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名Neural Architecture Searchを取り入れた時系列予測モデル運用に向けた一検討
著者*高橋 佑里子 (お茶の水女子大学), 鈴木 成人, 田原 司睦 (富士通株式会社 富士通研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 34 - 38
キーワードVM運用, 機械学習, 予測モデル, NAS
アブストラクト仮想環境を用いたクラウドサービスにおいて、CPU資源のオーバーコミットに由来する仮想マシン(Virtual Machine: VM)の性能低下を防ぐことを目的として、VMのCPU使用率を予測し、その結果に基づいて制御を行う技術が知られている。VMとそこで実行されるアプリケーションは時間が経つにつれ変化していくため、環境の変化に合わせて予測モデルを継続的に学習し、モデルを更新することで予測精度を担保することが望ましいが、従来は学習させるデータを変えるのみで、予測モデルのネットワーク構造を変えることはなかった。しかし、学習させるデータによって最適な予測モデルの構造は異なる。そこで本研究では、Neural Architecture Search(NAS)を取り入れた時系列予測モデルの運用を提案する。NAS運用実現の準備として、本論文ではモデルのネットワーク構造と学習時間/予測精度の関係についての調査を行った。

1C-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名利用者の印象に基づく音楽レコメンドサービス −適切な印象語を得るためのユーザインタフェースの考察−
著者*韓 語佳 (お茶の水女子大学), 中野 美由紀 (津田塾大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 39 - 45
キーワード音楽推薦, 対話型ロボット, 感情空間, 音楽DB
アブストラクト近年,音楽配信サービスが普及し,インターネット上には数百万曲以上の楽曲が配信され,また新曲も多数発表されている.一方で,音楽は単なる趣味に留まらず,音楽療法からショッピングセンターの背景まで生活の中で様々に利用されている.多数の楽曲を利用されるシーンに併せて適切に選ぶことは難しい.そこで,音楽の利用に合せた音楽推薦手法が期待されている.本研究では、新しい技術を使いにくい後期高齢者を対象とした音楽推薦手法として、感情空間上にマッピングされた音楽DBを用い、対話型ロボット、エージェントなどを通じて得られるその場の雰囲気やユーザの感情に適切な音楽推薦の新たな方式について検討し、後期高齢者から適切な印象語(感情語)を得られる仕組みについて考察する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1C-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名リッチクライアントを用いた分散機械学習における画像認識の検討
著者*高野 紗輝 (お茶の水女子大学), 中尾 彰宏, 山本 周 (東京大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 46 - 53
キーワードエッジコンピューティング, 分散機械学習, IoT
アブストラクト近年スマートフォンやIoTデバイスが普及し, 低遅延やネットワークの負荷分散が可能といった利点を持つエッジコンピューティングに注目が集まっている. 現在行われているこの分野の研究では, デバイス側はセンシングと通信を行うだけの位置付けとなっているものが多い. 一方で, 高性能なCPUやGPUを搭載したデバイスが登場し, これらのリッチクライアントを用いてデータの発生源であるデバイス側で処理を行うと, プライバシの保護や通信コストの削減が可能といった点で優れたシステムを構築できると考えられる. そこで, リッチクライアント上でも学習を行うエッジコンピューティングモデルの検討を行 う. 本稿では, 機密性が高く, 容量の大きな顔画像を用いて実験を行い, 提案モデルにおいてプライバシや通信コスト, 負荷分散の点で利点があることを確認した.


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セッション 1D  人流・位置解析
日時: 2021年6月30日(水) 13:50 - 15:30
座長: 花房 比佐友 ((株)アイ・トランスポート・ラボ)

1D-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名周辺エリアの PoI 別時系列混雑情報を用いた メッシュの混雑予測
著者*山田 理, 松田 裕貴, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター)
ページpp. 54 - 61
キーワードPoI, 混雑度, メッシュ, ビックデータ
アブストラクト近年流行している COVID-19 は世界中で感染者を増やし,社会的問題へと発展している.感染拡大 を防ぐためには,混雑を避け,人との接触を抑えることが重要である.混雑を避けるためには,事前に混 雑を把握できる必要があり,混雑度の推定においては群衆における行動の予測が不可欠である.行動予測 は空間的特徴と時間的特徴の 2 つの要素からなり,2 つの特徴を組み合わせた予測モデル構築が行われて きた.人の行動は,POI (Point of interest) 情報と密接に関連している.PoI は空間的特徴を表し,場所の 特徴を表現する.既存のアプローチでは,PoI がもつ空間的特徴に着目し,さまざまな手法で予測モデル に組みこんでいる.しかし,PoI は空間的特徴だけではなく,時間的特徴も持つ,本論文においては,PoI が持つ時間的特徴に着目し,PoI 別時系列混雑度データを用いてメッシュ領域混雑度予測手法を提案する. 評価の結果,PoI 別時系列混雑度情報を用いることで,用いない場合と比べて,メッシュ領域の混雑度(存 在人数)の予測に関して,最大 23 %予測誤差が減少した.また,PoI 別人数混雑度情報を用いることで, 30 分先のメッシュ領域混雑度を最小誤差率 1.27%で予測可能であることを示した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1D-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名BLEを用いた路線バスの混雑度推定
著者*金光 勇慈, 田谷 瑛悟 (奈良先端科学技術大学院大学,理化学研究所 革新知能統合研究センター), 立花 巧樹 (奈良先端科学技術大学院大学), 中村 優吾 (九州大学), 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学,理化学研究所 革新知能統合研究センター,国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学,理化学研究所 革新知能統合研究センター)
ページpp. 62 - 69
キーワードBLE, 混雑度, 路線バス, リアルタイム
アブストラクト主要な公共交通機関の一つである路線バスにおいて,バス内の混雑情報は現在のコロナ禍の状況を鑑みても非常に有益なものとなりうる.実際に運行している路線バス全ての混雑情報を人手で把握することは非現実的であるため,自動的に混雑情報を把握できるシステムが必要となる.実運用を考えると,乗客のプライバシを侵害する恐れがなく,設置場所と乗客の安全が確保できるシステム設計が求められる.そこで本研究では,センシングデータとしてBLEを用いることで乗客のプライバシ保護と設置コストの低減を実現した混雑度推定システムを提案する.提案システムは,(1)バス内の乗客の携帯端末から発せられるBLE信号を取得するセンシング機構と,(2)センシング機構で得られたデータからバス内の混雑度を推定する推定機構からなる.提案システムの有効性を評価するために奈良交通株式会社様の協力のもと,実際に運行する路線バスにおいてデータ収集実験を行い,機械学習モデルを用いて路線バス内の乗車人数を推定した結果,平均絶対誤差2.46人(誤差率35.4%)の精度で推定できることを示した.

1D-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名軌跡可視化のための断面図に適したLine Simplification
著者*村上 司, 藤田 秀之, 大森 匡, 新谷 隆彦 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
ページpp. 70 - 73
キーワード軌跡可視化, 情報可視化, Line Simplification, 地図
アブストラクト軌跡データは, 移動する物体の位置を定期的に収集することで生成されるため, 非常に大きなサイズになりやすい. そのため, もとの軌跡の形状を保ちながら点の数を削減するLine Simplification(LS)が重要である. また, 軌跡データの可視化手法には, 軌跡平面図と軌跡断面図の2種類がある. 課題として, 既存のLS手法はすべて軌跡平面図を対象に提案されているため, 軌跡断面図に既存のLS手法を適用すると, 顕著な極値が残されないことがある. 本研究では, 顕著な極値を残すという新しい性質を持つ, 軌跡断面図に特化したLS手法を提案を行う. また, 定性的評価と定量的評価により, 提案する手法が重みの調整により, 形状を保持する性質と極値を保持する性質を持つことを明らかにした.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1D-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名都市を対象とした大規模移動履歴に基づく疑似人流データ生成手法
著者*田村 直樹, 浦野 健太 (名古屋大学/工学研究科), 青木 俊介 (国立情報学研究所), 米澤 拓郎 (名古屋大学/工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学/工学研究科, 未来社会創造機構)
ページpp. 74 - 80
キーワード人流, 都市, 疑似, 活動モデリング, GPS
アブストラクト近年,都市計画のための交通シミュレーションや混雑予測,特に新型コロナウィルス流行の影響で,感染シミュレーションの需要が高まっている. 一方,ウェアラブル端末の普及により,高精度で大量のユーザの移動履歴収集が可能になったため,このデータのシミュレーションへの活用が期待されている. しかしながら,いまだに都市の全人口分の移動履歴の収集は不可能であり,移動軌跡を再現可能な詳細なデータは収集コストが高い. また,このような個人の移動履歴は住所や職場などのプライバシー情報を含むため,現実のデータのそのままの活用には制約がある. そこで本論文では現実の移動履歴データからユーザの移動,滞在傾向を抽出,モデル化し,個人情報を含まない疑似的な人流データを生成する手法について提案する.


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セッション 1E  無線・ネットワーク
日時: 2021年6月30日(水) 13:50 - 15:30
座長: 梶 克彦 (愛知工業大学)

1E-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名浮流無線カメラを用いた下水管検査システムにおける撮影時刻の管理方法
著者*堤 悠喜, 立花 誠也, 近本 祐介 (静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 81 - 89
キーワード時刻同期, NTP, 下水管, アドホックネットワーク, センサネットワーク
アブストラクト現行の下水管検査には作業時間が長い,費用が高い,危険等の問題がある.これらを解決するため,筆者らは省労力・低コスト・安全な検査が可能な,複数浮流無線カメラを用いた検査システムの開発を進めている.本システムでは,下水管内に放流された浮流カメラが撮影した映像を,いくつかのマンホールに設置したアクセスポイント(AP)を介して無線通信により集約サーバに回収し,映像データを解析して下水管内の障害箇所を検出するほか,現場の作業者に準リアルタイムで映像データを提供する.障害箇所を特定するためには,各映像フレームの撮影位置情報が必要であるが,広く屋外での測位に利用されているGNSSは地下では使えない.本システムでは,浮流カメラの放流地点・AP・マンホール等の既知のランドマークの位置通過時のタイムスタンプと映像フレームのタイムスタンプから撮影位置を推定する方法が検討されているが,この方法に利用されるランドマークの位置情報のうち,放流地点は位置推定の起点であるため,全ての浮流カメラで放流時刻が記録される必要がある.また,検査システムの開発・運用・維持のために複数の浮流カメラやAPなどの時刻同期が必要である.撮影位置推定の実現・精度向上および検査システムの利便性向上のために,浮流カメラの時刻同期と放流時刻記録のためのシステムを設計し,プロトタイプ実装により動作を検証した.

1E-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Robust WREDによるLow-rate Shrew DoS攻撃に対する保護緩和機構の提案
著者*佐藤 大介 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 稲村 浩 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部), 中村 嘉隆 (京都橘大学 工学部)
ページpp. 90 - 97
キーワードLDoS攻撃, Shrew攻撃, RRED, LDoS攻撃フローの推測, WRED
アブストラクトLow-rate Shrew DoS 攻撃は,TCP の再送タイムアウト機構の周期性に対応したパルス波状の攻撃トラフィックを形成することによって,低い平均通信量で TCP 通信の品質を低下させる.平均通信量が低いためDDoS (Distributed DoS) 攻撃に対する検知手法では検出が困難でありステルス性が高く,LDoS 攻撃に対する検知・抑止手法の研究が必要とされている.LDoS 攻撃は,RED (Random Early Detection) アルゴリズムが適用されたネットワークに対しても有効であることが明らかになっており,RED は LDoS 攻撃に対して脆弱であると言える.この脆弱性を解消するため RRED (Robust RED) の研究が行われている.本研究は LDoS 攻撃に対する新しい RRED として,WRED (Weighted RED) の優先制御を利用したロバスト性の高い RED アルゴリズムである Robust WRED (RWRED) を提案する.マルチクラス RED である WRED を用いて所与の攻撃トラフィックが最適パルス波形状である度合いを WRED クラスに対応させ,LDoS 攻撃における多様な 攻撃トラフィック及び攻撃トラフィックに類似したトラフィックに対する識別と緩和を可能にする.提案した RWRED と シングルクラスRRED を適用したネットワークにおいて,複数の攻撃パラメータにてシミュレーションを行いLDoS 攻撃下における標的 TCP のスループットを比較しRWRED の有効性を示した.

1E-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名ロボットの挙動制御によるネットワーク性能向上手法の検討
著者*新宮 裕章, 本生 崇人, 藤橋 卓也 (大阪大学大学院情報科学研究科), 工藤 理一, 高橋 馨子 (日本電信電話株式会社 NTT 未来ねっと研究所), 村上 友規 (日本電信電話株式会社 NTT アクセスサービスシステム研究所), 渡辺 尚, 猿渡 俊介 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 98 - 107
キーワードロボット, 深層強化学習
アブストラクト携帯電話網や無線LANの進化によっていつでもどこでも無線ネットワークに接続できる環境が整備されたことで,Automatic Guided Vehicle (AGV)による部品や荷物の自動搬送,無人走行車やドローンの遠隔操作などネットワークを介してロボットを制御する応用が生まれて来ている.しかしながら,多数のロボットがネットワーク資源を共有するため,お互いのロボットの動作に影響を受けずに無線ネットワークとの接続を安定的に維持することが課題になると考えられる.このような観点から,本稿では,ロボットの挙動とネットワークの制御の同時最適化を実現する強化学習のフレームワーク「CoRein」を提案する.CoReinは,ロボットの操作とネットワークの設定を行動,ロボットで取得できる情報を状態,ロボットに与えられたタスクとネットワーク性能を報酬関数として,行動価値関数をDeep Neural Network (DNN)で強化学習する.計算機シミュレーションを用いて2台のロボットが行ったり来たりする環境で評価したところ、2台のロボットが移動の速さを変えながら無線ネットワークの性能が高くなるように接続先アクセスポイントとロボットの位置を調整するような動作が確認できた.


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セッション 1F  テレワーク・テレ講義
日時: 2021年6月30日(水) 13:50 - 15:30
座長: 江木 啓訓 (電気通信大学)

1F-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名WebRTCによる宅内環境間 P2P ラウンドトリップタイム計測
著者*中川 紘輔, 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 108 - 119
キーワード遠隔コラボレーション, テレワーク, ネットワーク計測, WebRTC, P2P
アブストラクト近年,オンラインゲームやリモート合奏などの用途でインターネット回線による通信を用いる機会が 増大している.そのような通信の課題の一つとして挙げられるのが,高い同期性が必要な作業(音楽セッ ション等)は,従来主流であったサーバ・クライアント方式ではリアルタイム性で性能要件を満たすこと ができないという問題である.これに対処するために,現在高度なリアルタイム性が必要なシステムでは, エンドツーエンドを直接つないで遅延を抑制できる P2P 方式が採用される場合がある. しかしながら宅内ネットワーク環境間 P2P 通信性能については先行研究が少なく,遅延やビットレートと いった通信性能を多様な宅内ネットワーク環境下で計測することは,このようなシステムの普及推進にお いて重要である. これを明らかとするために,本研究では,WebRTC の統計情報取得 API を用いた P2P 性能計測ツールを 開発し,宅内ネットワーク環境間の P2P 性能を,クライアントアプリケーションのダウンロード等を行う ことなく,Web ブラウザベースで簡易に計測する手法を提案する. また,この計測を多ノードフルメッシュ接続にも対応させ,多ノードフルメッシュ接続の性能限界につい て統計情報から考察を行う.

1F-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名相関型二段階学習に基づく異なる季節データを用いた室温分布推定
著者*角田 啓介, 児玉 翠, 前島 綜太朗, 荒井 直樹, 尾花 和昭 (日本電信電話株式会社 NTTスマートデータサイエンスセンタ)
ページpp. 120 - 126
キーワードone-shot学習, 深層学習, Fine-tuning, スマートシティ
アブストラクト本稿では,空調運転最適化による室内環境改善と消費エネルギー量削減を目指し,十数メートル四方からなる広い屋内空間において,ある季節における室温分布データを,異なる季節に長期間,同一季節に短期間計測した学習データを基に推定する方法について述べる.従来,本稿のように推定対象と同一条件下で計測した学習データが少ない場合,異なる条件下において計測した大量のデータを用いて機械学習モデルを作成後,少数の同条件下におけるデータを用いてモデルの一部を再学習するFine-tuningや,モデルに新たなパラメタを加えた上で追加部分を再学習する転移学習が用いられてきており,これらの手法における学習時の損失は最小二乗誤差や対数尤度といった正解値と推定値の一致度が用いられてきた.しかし,室温分布とそれを推定するために用いる空調システム温度のような,2つの条件下における説明変数と被説明変数の関係が,相関関係が類似していてもその大小関係が一致しない場合,従来手法では高精度な推定が困難であった. 本稿では従来手法の課題を解決するため,異なる条件下における多数データを用いた学習では相関関係を用いることで,相関関係を利用して同一条件下での少量データからの高精度な推定を実現する相関型二段階学習手法を提案する.提案手法を,あるビル内で実測した室温データにおける,異なる季節データを用いて推定に適用することで,その有効性を示す.

1F-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名オンライン講義中の内職を抑止する音フィードバックの比較
著者*尹 泰明, 今井 廉 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科), 木村 悠児 (日本大学 文理学部), 呉 健朗 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
ページpp. 127 - 133
キーワードオンライン講義, フィードバック, 内職
アブストラクト世界中の学校や家庭における PC ,タブレット端末の普及に伴い,教育現場では, Web 会議システムを用いたオンライン授業が取り入れられるようになった. 特に大学では小中高校と比べて学生がオンラインで受講する環境を整えやすいため,ひときわオンライン講義の導入が進んでいる. オンライン講義において,学生の内職を抑止するために,学生にフィードバックを与え,内職を意識させるアプローチが考えられるが,このフィードバックには気づきやすさと快適さが重要であると考えられる. 我々は,4つの音によるフィードバック,それぞれ,警告音を鳴らすフィードバック,講義の音が途切れるフィードバック,講義の音量をだんだん小さくするフィードバック,講義の音量をミュートにするフィードバックを選定し,検証実験を行った. その結果,講義の音量をミュートにするフィードバックが内職を抑止するための,気づきやすさと快適さを両立したフィードバックであることが確認された.

1F-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名非同期型ソフトウェア開発演習授業において進捗支援を行うTA Bot機能の検討
著者*小野 光一, 寺島 美昭 (創価大学理工学研究科)
ページpp. 134 - 139
キーワードPBL, 分散開発
アブストラクト昨今における新型コロナウイルス感染症拡大によりオンラインでの活動が主流になってきている.そこで,本研究では非同期型分散PBL(Project Based Learning)ソフトウェア開発授業を対象に,SNSを通じて情報共有を行い,発言内容から学生ごとに状況を分析して適宜支援を行う役割をするTA(Teaching Assistant)に着目し,作業を自動化するBoT(roBoT)の機能を提案する.対面での実施の場合,TAがその場で学生に対して支援を行うが,非同期型で分散開発である場合,どのタイミングで学生が開発を行なっているのか分からない為,監視するのが難しい.また,支援を求められている際にすぐに支援を行うことができず遅延が拡大してしまう恐れがある.そこで,提案手法では学生の進捗をBoTが自動で解析するために学生の遅延を数値化した深刻度を定義し,その数値から支援内容や支援を行うタイミングを判断する.実験では,開発の進捗が学生のスキルに左右することから再現が難しい.そのため,対象人数を5人とし規模を小さくした上で実験及び評価を行なった.

1F-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名複数のWeb会議へ同時参加するための高速再生・映像切替方式
著者*山本 貴文, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 140 - 148
キーワードWeb会議, 同時参加, インタラクション, リアルタイム, 高速再生
アブストラクトWeb会議は場所による制約を受けずにリアルタイムでのコミュニケーションが可能なため,二つの会議に同時に参加できる.しかし,複数のWeb会議に同時に参加する場合,複数の会議内容をリアルタイムに理解できないため,質問や意見などの発言が困難となる.そこで本研究では,複数のWeb会議に同時に参加している状況において,参加しているすべてのWeb会議の内容を理解し,発言などのインタラクション支援を目的とする.本稿では,会議での発言において重要となる会議内容の理解に着目し,リアルタイム性を維持した会議内容の理解を支援するシステムを提案する.提案システムは録画された二つの会議映像の音声データを分析し,音声の有無から必要な場面のみを抽出することで,再生速度を上げることにより再生時間の短縮を行う.それらの映像を短い間隔で交互に視聴することで複数のWeb会議への同時参加を試みる.システム設計に向けて,音声情報を含むシーンの抽出,再生速度,映像切替,字幕の各条件が,二つのWeb会議の内容理解に与える影響を調査した.評価実験において,被験者は二つの会議映像を視聴した後,会議内容が理解できたかを確認する問題に解答した.実験結果から,音声情報を含む部分のみを抽出した2.0倍速の会議音声を交互に再生しながら会議の字幕を提示することで,一つの会議の視聴時間で二つの会議内容を8割程度理解できることがわかった.


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セッション 1G  暗号
日時: 2021年6月30日(水) 13:50 - 15:30
座長: 矢内 直人 (大阪大学)

1G-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名完全準同型暗号を用いたアプリケーションにおける低レイテンシSSD活用に向けた調査
著者*廣江 彩乃 (お茶の水女子大学), 圓戸 辰郎 (キオクシア株式会社), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 149 - 155
キーワード暗号化アプリケーション, SSD, 完全準同型暗号, 性能評価
アブストラクト近年ゲノムデータなどの秘匿情報を活用する取り組みが増えている.これらのデータの処理を外部のサーバに委託する場合,セキュリティの観点から,完全準同型暗号を用いるなどして暗号化したまま処理することができることが望ましい.しかしこの場合,計算量が多くなることから,実用上に向かない計算時間がかかってしまう.本論文では,この完全準同型暗号を用いたアプリケーションがコンピュータリソースにかける負荷を,アプリケーションの実行条件毎に検証する.今回は先行研究で提案されたゲノムデータ秘匿検索アプリケーションを用い,その実行条件は実行時に指定するパラメータで制御する.本研究の最終的な目標としては,近年注目が高まる低レイテンシSSDを用いて完全準同型暗号を用いたアプリケーションを実行する際,その性能を活かせる条件を結論づけることを見据えている.

1G-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名IoTデバイスにおける準同型暗号を用いた暗号化手法の比較
著者*松本 茉倫, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 156 - 162
キーワード準同型暗号, 秘密計算, IoTデバイス
アブストラクトIoTデバイスで取得したセンサデータの中には,秘匿性が高いデータが存在しており,安全とは言えないクラウドサーバ上では情報漏洩に備えて,個人情報を保護する必要がある.そこで,暗号文同士の加算・乗算が任意回数可能なLeveled準同型暗号(以下 LHE: Leveled Homomorphic Encryption)が注目されている.LHEによって,IoTデバイスで個人情報を暗号化しクラウドサーバで暗号化したまま分析,データ分析者が分析結果を復号することが可能になる. しかし,LHEによる暗号化は時間がかかり,暗号文サイズが大きいため通信量が大きくなってしまうことが計算能力の低いIoT デバイス上での実装の課題となっている.本稿では,スマートフォンで取得したデータのクラウドサーバを使ったデータ活用を想定してシステムデザインを3つ実装し,IoTデバイスへの負荷・クラウドサーバへの負荷・通信量の3つの指標で比較した.

1G-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名秘密分散ライブラリ応用と実装要件について
著者*山澤 昌夫 (学校法人中央大学/研究開発機構), 米津 武至 (株式会社リーディングエッジ/学校法人中央大学/研究開発機構), 五太子 政史, 山本 博資, 辻井 重男 (学校法人中央大学/研究開発機構)
ページpp. 163 - 164
キーワード認証, 秘密分散, PKI, IoT, データ利活用
アブストラクト重要情報Sを保管する場合,Sの紛失や敵によるSの破壊の心配と,敵によるSの盗聴の心配がある.前者の心配に対してはSのコピーを複数作ることにより対処出来るが,コピーが増えると後者の心配が増す.この相克を解決するのが,暗号学のなかでの秘密分散法(Secret Sharing Scheme)である.重要情報を取り扱う局面は,これまでも頻出しているが,特に,公開鍵方式での秘密鍵が露わに資産価値とリンクする暗号資産等が普通に出回るようになった現在,具体的な施策が強く求められると考えられる。筆者等はこうした需要に対応したライブラリのあり方を検討した.本報告では,実装検証まで至らないが,検討過程を記すことにした.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
1G-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名分散型台帳への秘密鍵の封入による協同運用可能な公開鍵証明書発行基盤の検討
著者*熊谷 圭太, 掛井 将平 (名古屋工業大学), 白石 善明 (神戸大学), 齋藤 彰一 (名古屋工業大学)
ページpp. 165 - 172
キーワード公開鍵基盤, 認証局, 公開鍵証明書, Hyperledger Fabric, 分散型台帳技術
アブストラクト複数の組織がコンソーシアムを組むことで,知見や技術を融合し,新たな価値の創出を目指すようなシステムが考案されている.複数の組織が協同運用するようなシステムにおいて,既定のデバイスだけを接続させるような運用には限界があることから,公開鍵基盤により発行される公開鍵証明書に基づくデバイスの真正性の保証が求められる.しかし,公開鍵基盤では真正性の保証は単一信頼点である認証局が担うことから,認証局を運用する組織への依存が必要となる.本稿では,コンソーシアム型のシステムに適した認証局の構築に向けて,複数の組織で協同運用できる公開鍵証明書発行基盤を提案する.各組織による自主的な運用を目指して,個々の組織主導で公開鍵証明書を発行できるようにしつつも,不正な公開鍵証明書の発行を相互に監視できるようにするための要件を整理した.そして,整理した要件をもとに,Intel SGXにより秘匿化された分散型台帳を実現できるHyperledger Fabric Private Chaincodeによる公開鍵証明書発行基盤の設計を示す.公開鍵証明書の発行に必要な秘密鍵を直接共有せずに,秘密鍵が封入された分散型台帳を共有することで各組織による公開鍵証明書の発行を実現し,さらに,公開鍵証明書の発行と分散型台帳での公開を一つのトランザクションとして設計することで,公開鍵証明書の発行の監視を実現している.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1G-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名三人寄ればチーズの知恵
著者*須賀 祐治 (株式会社インターネットイニシアティブ)
ページpp. 173 - 178
キーワードカードベース暗号, Six Card Trick, 全会一致プロトコル, 秘密計算, 物理的暗号


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セッション 1H  行動認識・分析
日時: 2021年6月30日(水) 13:50 - 15:30
座長: 川上 朋也 (福井大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
1H-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名サッカーのリフティングと視覚的探索行動の練習を同時に行うためのシステムの設計
著者*福島 敦, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 179 - 187
キーワードセンサー, サッカー, 視覚
アブストラクトサッカーの試合状況は11 人のプレイヤーからなる2 つのチームによって変化し続けるため,プレイヤーはボールの保持状況に関わらず周辺状況を把握しなければならない場面が多い.周辺状況を把握する能力の1つに敵,味方の位置などを探そうとする「視覚的探索行動」がある.しかし,ボール保持中の視覚的探索行動に関する研究はあまり行われていない.そこで本研究ではボールを保持し続けなければならないリフティング練習と視覚的探索行動の練習を同時に行うことで,ボールを保持しているときの視覚的探索行動を鍛えるシステムを提案する.評価実験では被験者がLED が光ってからLED の光に反応してボールを蹴るまでの時間を測定する.提案システムを用いるグループと従来手法を用いるグループに分けて,提案システムを用いるグループが従来手法を用いるグループより探索的行動の能力が向上するのかを調査した.実験の結果,両グループとも反応時間が短くなったが提案システムを用いたグループのほうが反応時間の短縮率が大きかった.しかし,計測した反応時間を用いてグループ間で2 要因混合検定を行った結果,提案システムの優位性はみられなかった.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
1H-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名オンライン会議において相手に与える印象を変化させるため のリアルタイム語尾ピッチ変換システム
著者*西原 宗太郎 (神戸大学), 渡邉 拓貴 (北海道大学), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学)
ページpp. 188 - 196
キーワード電子会議, ピッチ変換, 語尾上げ
アブストラクト新型コロナウイルス感染症の流行による職場や教育におけるリモートワークや遠隔作業の推進に伴い,オンライン会議システムが普及しつつある.オンラインでのコミュニケーションは話し手の感情,雰囲気といった音声と映像のみでは伝達が難しい情報が存在するため,聞き手が話し手の感情を理解しづらいという課題がある.話し手の心理状態を理解する手段として,音量の強弱や声の高さといった周辺言語が重要視されているが,オンライン会議においてはそれが伝わりづらい.周辺言語の中でも特に語尾のピッチ変化は話し手の性格と印象を決定する重要な要素であるため,オンライン会議において聞き手に与える印象を変化させるために,語尾のピッチを変化させることが有効である可能性が高い.そこで本研究では,オンライン会議において話し手の意図する印象を聞き手に与えるためのオンライン会議システムを提案する.具体的には,オンライン会議時の発話から語尾を検出し,検出した語尾に対してピッチ変換を行う.語尾のピッチ変換の有効性を確認するため,提案システムの使用状況を再現した実験を行った.語尾ピッチを上昇させた場合,聞き手は話し手に対して元気である印象を抱く傾向が有意に増加し,提案システムが印象変化に対して有効であることが示唆された.

1H-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名適切な瞬目タイミングを考慮した反射性瞬目誘発システム
著者*内海 壮一朗, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 197 - 204
キーワードドライアイ, 瞬目, 反射性瞬目, 瞬目タイミング
アブストラクト集中時等における瞬目の減少は,ドライアイをはじめとする様々な疾患を引き起こす原因となる.瞬目を促す手法については数多くの研究が行われてきた.しかし,視覚情報の変化が激しい状況で瞬目を促すと,瞬目によって視界が遮られた瞬間に重要な情報を見逃してしまう恐れがある.そこで本研究では,瞬目によって視界が遮断されても問題のないタイミングで反射性瞬目を誘発することで,ユーザのタスクに支障をきたさないように瞬目を増加させるシステムを提案する.本論文ではまず,簡単なコンピュータゲームのプレイ中にゲーム画面を遮断することで,適切な瞬目タイミングを調査する実験を行った.その結果,不適切な瞬目タイミングの存在とゲーム中における適切な瞬目タイミングの個人差が確認された.次に,空気を目に向けて吐出するデバイスを実装し,ゲーム中にシステムを使用した際の反射性瞬目の誘発率と瞬目回数を調査した.瞬目の誘発率は21.4%と低かったが,瞬目回数は無刺激と比較して増加した.

1H-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名オントロジーを用いたユーザ嗜好の多面的特徴抽出方法の提案
著者*樫原 渉, 撫中 達司 (東海大学大学院 情報通信学研究科), 森 郁海, 板垣 弦矢 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所)
ページpp. 205 - 213
キーワードオントロジー, 特徴抽出, 説明性, 多面性, 拡張性
アブストラクト家電製品はそれぞれの役割としての活用に留まり,購入後にその他のサービスの活用に用いられることは少ない.そこで,家電製品の新たな付加価値としてソリューションを新たに付与することが考えられる.本研究では,対象ユーザに適したソリューションをレコメンドすることを目的として,オントロジーを用いてユーザの嗜好を説明可能な形でかつ多面的な特徴抽出をするための提案とその検証を行う.結果,ユーザが注目している要素が特徴として抽出されたこと,注目していない要素・情報が無意識的な部分として特徴抽出されたことから,多視点からのレコメンデーションが可能であることが確認できた.

1H-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名国際生活機能分類(ICF)を活用した 介護記録による日常生活動作の自立度評価方法の提案
著者小沢 龍太, *内藤 秀峰, 撫中 達司 (東海大学大学院情報通信学研究科), 青木 三重子, 小野 健一, 有川 善也 (三菱電機 IT ソリューションズ株式会社)
ページpp. 214 - 219
キーワード介護記録, ADL自立度, ICFコード, 自動化
アブストラクト介護記録は被介護者の家族への連絡や介護従事者間の情報共有,被介護者のケアプランの見直し等に用いられている.また,介護保険法により介護記録をつけることが法律で定められている.しかし,介護記録の大部分は介護士により自由記述で記録されているため,記録の質に個人差が生じ,情報の欠落や誤字脱字により,必ずしも有効活用されているとはいえない.本稿では,介護記録を用いた日常生活動作(ADL)の自立度評価方法を提案する.提案方法では,国際生活機能分類(ICF)を用いて,ADLの自立度評価を行うとともに,その評価において介護記録が有効活用できるかどうかについて考察する.


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セッション 2A  DPS統一テーマ
日時: 2021年6月30日(水) 15:50 - 17:30
座長: 田上 敦士 (KDDI総研)

2A-1 (時間: 15:50 - 16:30)
題名(招待講演) スマートシティ実現のための自給自足型自律連携情報処理アーキテクチャ
著者諏訪 博彦 (NAIST)
ページp. 220
キーワード統一テーマ

2A-2 (時間: 16:30 - 16:50)
題名観光オブジェクト認識モデルのユーザ参加型構築手法の提案
著者*冨田 周作 (奈良先端科学技術大学院大学), 中村 優吾 (九州大学), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 221 - 229
キーワード参加型オブジェクト認識モデル構築, フェデレーションラーニング, DTN, エッジコンピューティング, 分散学習
アブストラクト近年,個人が撮影した写真などプライバシ情報を含むデータそのものをサーバに集約することなく,認識モデルの構築に必要なパラメータを用いて機械学習を行う手法としてFederated Learningが注目を集めている.しかし,Federated Learningは,大きな計算能力と記憶容量を備えた集約サーバの設置が前提となっており,観光情報提供のシナリオにおいては,観光客が持つ端末と集約サーバ間の通信や端末上でのモデル更新が高頻度に行われるため,ユーザ端末の大幅な電力消費が発生する.そのため,これらの負担を抑制しつつ,効率的にモデル構築するための手法が必要となる.本研究では,観光客が持つ端末間での直接的な通信を活用したFederated Learningに基づくモデル構築の手法を提案する.また,より少ない通信回数で,認識モデルの精度を効率的に向上させるために,FedAvg(モデルパラメタを平均する方法)に基づくモデル統合手法の特性を網羅的に調査した.評価実験では,10クラスのオブジェクトのデータセットであるCifar10の一部を訓練したCNNモデルを231個構築し,各組み合わせのモデル統合で得られるaccuracyを記録した.評価結果より,VGG16の全体のパラメタ同士を単純平均で統合する場合,37315パターンで最も多くaccuracyが統合前の自身のモデルと比較して向上した.この結果に関して,FedAvgを適用する相手のモデルのaccuracyが自身のモデルよりも高い場合accuracyが向上する傾向にあり,相手のモデルパラメタの統合の判断が可能となることを示した.

2A-3 (時間: 16:50 - 17:10)
題名自己主権型アイデンティティを用いた個人情報の流通方式の検討
著者*大森 芳彦, 山下 高生 (NTT ネットワークサービスシステム研究所)
ページpp. 230 - 236
キーワード自己主権型アイデンティティ, 分散型ID, 個人情報
アブストラクトインターネット上でのサービス間のID連携が普及していくにつれて,ユーザが利用するIDは,少数のサービス事業者が管理するIDに集約され,IDに紐づけられたユーザの個人情報は,マーケティングや提携会社との共同利用などの2次利用に使われている.この様な背景の中で,IDはユーザ自身で管理するSSI(Self- Sovereign Identity,自己主権型アイデンティティ)のコンセプトが注目されている. インターネット上での個人情報の流通,利用については,ユーザは,自身の個人情報の具体的な2次流通先を把握するのが困難な場合があり,プライバシーに関する懸念がある.サービス事業者も,取得した個人情報が変更されたことを把握するのが困難な場合があり,サービス提供に影響が発生することが考えられる. 本稿では,SSIを実現する技術として,ユーザのプライバシー保護,およびサービス事業者や2次流通先の運用性を向上させるための個人情報の流通方式について提案する.また,提案方式については,処理性能に関する基本測定と評価を行い,1億人程度のユーザを収容できることが分かった.

2A-4 (時間: 17:10 - 17:30)
題名脳生理情報のクラウド解析プラットフォーム実現に向けた通信手法の検討
著者*近堂 徹 (広島大学情報メディア教育研究センター), 町澤 まろ (広島大学脳・こころ・感性科学研究センター)
ページpp. 237 - 242
キーワード脳生理情報, ストリーム処理基盤, データ解析, IoT
アブストラクト筆者らは現在,膨大な脳情報をリアルタイムに遠隔可視化可能な脳波(EEG: electroencephalogram)をはじめとする脳生理情報を対象に,ヒトの感情価,活力度,認知状態などの定量評価に必要なデータの収集・解析・可視化プラットフォームの構築を進めている。屋内や屋外での日常生活場面においても簡便に大容量脳生理情報を計測,安定的に可視化するためには,脳波センサや生体センサ,環境センサなどの複数のエンドデバイスからクラウド側までの通信路においてセキュアかつ効率的なシステム基盤の検討が必要となるが,安定的・継続的かつセキュアなデータ収集が求められる。本研究では,既存の広域通信インフラを利用しつつ,効率的なデータ転送・収集を可能にするための脳生理情報のデータ収集プラットフォームの実現に向けた通信手法の検討について報告する。


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セッション 2B  行動認識
日時: 2021年6月30日(水) 15:50 - 17:30
座長: 島田 敬士 (九州大学)

2B-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名Compressed Beamforming Reportを用いた運動回数推定システムの構築に関する検討
著者*加藤 空知 (大阪大学情報科学研究科), 村上 友規 (NTTアクセスサービスシステム研究所), 藤橋 卓也, 渡辺 尚, 猿渡 俊介 (大阪大学情報科学研究科)
ページpp. 243 - 255
キーワード802.11ac, Wi-Fi, Compressed Beamforming Report, 行動認識
アブストラクト電波情報によるワイヤレスセンシング技術の研究開発は近年活発に進んでおり,人物位置の推定や行動状態の識別,生体情報の取得などに応用されている. 一般的に電波情報を用いたセンシングの既存研究では,IEEE 802.11nで規定されたChannel State Information (CSI)を利用して,高い精度でのセンシングを実現している. しかしながら,CSIを用いた既存の研究では,CSIを取得するために特定のハードウェアおよびソフトウェアを使用することが前提となっているため,実環境でのシステム構築が困難となっている. そこで,本稿ではIEEE 802.11ac/axで規定されたCSIを圧縮した形式であるVHT Compressed Beamforming Report (CBR)を用いたCBR活動数モニタリングシステムを提案する. CBR活動数モニタリングシステムは,多くのデバイスで簡易にCBRを取得できるようにするWiPiCapと,取得したCBRから活動数を推定するアルゴリズムであるKACE4CBRの2つから構成される. WiPiCapは,外部ノードとしてRaspberry Piを導入するだけで,既存のデバイスやアクセスポイントに直接的な変更を加えることなくセンシングを実行できる仕組みである. WiPiCapはオープンソースで公開している. また,CSIを用いた既存の信号処理手法のうち,代表的なものにストリームの分散を用いて推定値を決定する手法があるが,KACE4CBR (Kernel density Activity Counting Estimation for CBR)はこの手法に代わり,CBRを用いた反復動作回数の推定に特化した信号処理手法としてカーネル密度分布を用いた手法である. CBR活動数モニタリングシステムを実装して実環境下において複数のデバイス・動作に対する回数推定の性能を評価した. 評価の結果として,KACE4CBREがRaspberry Piという省資源のデバイス上で動作すること,スマートフォンを含む市販のデバイスのみで活動数構築できるシステムであること,KACE4CBRによる運動回数推定が最良の場合で平均絶対誤差0.97回を達成できることを示す.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2B-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名弱教師あり学習による加速度センサを用いた動作カウント手法の提案
著者*西野 祐希, 前川 卓也, 原 隆浩 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 256 - 263
キーワード加速度センサ, 動作カウント
アブストラクト近年のセンサ技術の発展に伴い,ウェアラブルセンサから得られる加速度データを用いた人間の行動認識の研究が盛んに行われている.また,ワークアウトなどの応用においては,動作の認識だけではなく,動作の繰り返し回数をカウントする研究も行われている.既存のカウント手法では,各動作の出現時刻等の情報を含むラベルあり学習データが大量に必要であり,その取得コストが膨大であるという問題がある.そこで本研究では,弱教師あり学習により,与えられた加速度データに含まれる特定の動作をカウントするための手法を提案する.本研究では,加速度データに含まれる動作の数のみをラベルとする学習データが少量のみ与えられる条件を想定する.このような弱いラベルが付与された少量学習データで効果的に動作カウントモデルを学習するため,提案手法ではカウントモデルを動作の出現時刻を特定するAttention機構と,特定された出現の回数をカウントする方策を学習する機構から構成する. 出現の回数をカウントする方策を学習することができれば,学習データのラベル(動作の回数)のバリエーションが少なくとも,学習データに含まれていない回数のカウントを行うことができる.さらに提案手法では,Data Augmentationや,他のユーザから得られた学習データを用いたモデルの事前学習により少量学習データの問題に対処する.評価実験では,スマートウォッチを右手首に装着した3人の被験者がワークアウトを行った際に得られた加速度データを用いて,提案手法の有用性を確認した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2B-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名人間行動認識に対するクラス階層性を用いた補助学習
著者*近藤 和真, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻)
ページpp. 264 - 276
キーワードSensor-based Human Activity Recognition, Convolutional Neural Network, Class Hierarchy, Branch CNN
アブストラクト深層学習を用いたセンサによる人間行動認識では,Convolutional Neural Network(CNN)をベースとした手法が多数提案されている.一般的なCNNベースの行動認識モデルでは,各クラスの正解ラベルはOne-hotベクトルでエンコードされ,分類モデルの出力は正解クラスのOne-hotベクトルに近づくように訓練される.One-hotベクトル表現では異なるクラスは互いに独立しているため,一般的なCNNベースの行動認識モデルではクラス間の関係性を考慮せずに訓練が行われている.しかし,実際の行動クラスでは階層的な関係性を持つことが多く,クラス間の階層関係を補助的に利用することでモデルの認識性能を向上させることが期待できる.そこで本研究では,画像認識分野で提案されているBranch CNN(B-CNN)に対してクラス階層の自動構成手法を追加したクラス階層適応型B-CNNを提案する.B-CNNは人が手動で設計したクラス階層を用いるため,クラス数が多い場合に適切なクラス階層を手動で設計することが困難であるという課題があった.そこで提案手法では,B-CNNの訓練に用いるクラスの階層構造自体を訓練データから自動で構成することで,クラス数が多い場合でも効果的にB-CNNを訓練することを可能とした.複数のベンチマークデータセットを用いた検証により,提案手法はクラス間の階層関係を考慮しない一般的なCNNモデルを上回る分類精度を達成し,加えて,提案手法の認識性能が事前知識をもとに人が手動で設計したクラス階層を用いたB-CNNモデルに匹敵することを確認した.

2B-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名行動認識におけるGANを用いた欠損データ補間手法の性能評価
著者*石田 義人, 多田 剛史, 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
ページpp. 277 - 283
キーワード行動認識
アブストラクト概要: 近年,ヘルスケアやフィットネスなどを目的とし,ウェアラブルデバイスを用いて装着者の体の動きを取得し,その行動内容を推定する「行動認識技術」に関する研究が多くなされている.行動認識では,多数のセンサを用いることで複雑な行動が認識可能となる一方で,センサの故障や通信切断によるセンサデータの欠損によって認識性能が大幅に低下するという問題がある.本研究ではデータの欠損による認識性能低下を抑制することを目的とし,GAN(Generative adversarial networks)を用いて欠損したデータを補間する手法を提案する.具体的には,センサデータの部分系列から得られる複数の特徴量をセンサ毎に並べて画像とみなし,その欠損部分についてGANの1種であるGLCIC(Globally and Locally Consistent Image Completion)を用いて補間を行なうこととした.実験では33種類の日常行動に対して9個のウェアラブルセンサを用いて被験者の動作を取得したデータセットを用い,センサデータの一部を欠損させた場合と欠損部分に対して補間を行なった場合について,欠損センサデータ数を変更しつつ認識精度を比較した.なお,認識器にはRandom Forestを使用した.結果,提案する補間手法によって,データ欠損時でも高いF値を得ることができた.さらに,欠損センサ数が多くなっても高い識別精度を得ることができ,あらかじめ多くのセンサを用いてデータを取得し,本手法を適用することで,センサ数を減らして高精度の行動認識を行なうことが可能であることが示唆された.

2B-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名学習時付加情報を用いたセンサ行動認識の精度改善
著者*安達 康平, Paula Lago, 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 284 - 292
キーワード行動認識, 機械学習, マルチモーダル, Learning using privileged information
アブストラクトセンサ行動認識は,「歩いている」「走っている」などのシンプルな行動は高い認識精度で認識でき る一方で,看護行動などの複雑な行動は認識が難しい.解決手段として,複数のセンサを用いることが挙 げられるが,実生活においては非現実的である.近年,学習フェーズのみ追加情報を用いて学習ができる, LUPI(Learning using Privileged Information) という手法が提案されており,本研究ではセンサ行動認識 に LUPI を用いる.具体的には,学習時に複数のセンサで学習して,テスト時は 1 つのセンサを利用する. 検証には,公開されている 4 つのデータセットを用いた.結果として被験者ごとのランダム交差検証にお いて最大で 35%従来手法よりも改善した.


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セッション 2C  視線・音声
日時: 2021年6月30日(水) 15:50 - 17:30
座長: 榎堀 優 (名古屋大学)

2C-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名ユーザ視線検出を用いた効率的な動的映像デコード手法
著者*河野 翔太, 中村 朋生, 門本 淳一郎, 入江 英嗣, 坂井 修一 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 293 - 303
キーワードApproximate Computing, 視線情報, AR, HMD, エッジコンピューティング
アブストラクト情報化の進展により,身の回りに多くの計算機が存在する社会がもたらされたが,それらの中には計算資源あるいは使用可能な電力が潤沢でないエッジデバイスも多い.また,人間中心の情報化社会が成立するにつれて,結果の正確性よりも,リアルタイムでの応答性に比重が置かれた計算の需要が増加している.ここで,時間とともに変化する人間の状態に応じて,求められる正確性は変化する.この背景から,従来よりも積極的な近似計算を行いつつ,ユーザの状態を利用して近似の積極性を動的制御することで,計算の処理効率を向上させることができる.本研究では,前述した状況を表す例として,透過型ヘッドマウントディスプレイにおいて映像を再生する状況を取り上げる.そして,ユーザの視線情報のフィードバックを受けつつその周囲のみをデコードする近似デコード手法を提案する.提案手法を実装し,実際にデコードされる領域の割合を調査する実験を行った結果,デコードされる面積は 56.7% まで削減されることが分かった.また,近似計算の積極性を評価する実験を行い,提案手法の近似計算の積極性はある時点で過剰になるものの,ユーザの満足度を維持しつつ効率的な映像のデコードを行うことができることが分かった.

2C-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名非接触性の人と物体における相互作用検出方法の提案
著者*豊坂 祐樹, 大北 剛 (九州工業大学大学院情報工学研究院知能情報工学研究系)
ページpp. 304 - 309
キーワード相互作用, 物体検知, 視線方向推定, 行動ローカリゼーション
アブストラクトビッグデータにおける知識グラフの形での行動述語表現は,ロボットの動作等に関する行動計画やスマートホームでの人の行動履歴の検索などにおいて重要な役割を担うことが考えられる.これに付随した行動の主体や被主体という行動述語の情報がこれらの上位アプリケーションには大きな情報源となるからである.この行動述語の情報は,多くの場合,行動の主体としての「人」と,被主体としての「人が接触する物体」との相互作用を検出すれば十分であるが,行動の主体としての「人」と,被主体としての「人が見る物体」との非接触の相互作用を検出すべき場合が存在する.以前の我々の研究では人と直接接触した物体との相互作用を検出するシステムとして, 前者を扱えるシステムを提案した.本研究においては,後者の非接触の相互作用を扱えるシステムを提案する.本研究では,人を検知した場合にさらに人の視線を検知することにより視線の対象物を特定するアルゴリズムを考慮して,人と人が見る対象物という直接触れることのない非接触の相互作用を検出可能とするアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムにより,人の視線と物体の非接触の相互作用を認識して, その関係を動作述語,動作主体,被主体という情報として記述するシステムとして構築する.システムのテストには,Stair labのデータからテレビを見る行動「Watching TV」をテストデータとして用いて,85%の正解率を達成することを示した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2C-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名骨伝導音を用いた自動セグメンテーションによる 食事行動検出手法の提案
著者近藤 匠海, *蒲地 遥, 横窪 安奈, Guillaume Lopez (青山学院大学)
ページpp. 310 - 316
キーワード音声解析, 食事行動, 咀嚼, 行動認識, セグメンテーション
アブストラクト食事中の咀嚼回数が少ないと肥満に繋がることが明らかになった.さらに,リアルタイムで咀嚼回数を食事者に提示することで,早食いを防ぎ,食事に対する意識を改善することが期待できる.また,食事行動の識別は実験環境下でしか行われていない.本研究では,自然な食事環境下での食事行動定量化による食事行動の意識改善を促すシステムを提供することを目的として,骨伝導音を利用した食事詳細行動を自動で正確にセグメントする手法の開発を行った.骨伝導マイクロフォンによって収集した食事音声データの食事詳細行動に該当する音声を抽出し,さらに本手法によって抽出された食事詳細行動の音声を分類するモデルの提案と咀嚼回数推定も行った.セグメンテーション評価では適合率は88.1%,各クラスの再現率の平均は70.5%となった.

2C-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名ダイバー同士の水中会話を支援するための深層学習を用いた音声認識手法
著者*土田 修平, Worachat Arunothaikrit, Haomin Mao, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科), 滝口 哲也 (神戸大学 都市安全研究センター)
ページpp. 317 - 324
キーワード音声認識, 会話, ダイバー, 水中, 深層学習
アブストラクトダイバーが水中でコミュニケーションをとることは,安全面や娯楽面などの観点から重要である.水中における即時性・柔軟性に優れたコミュニケーション方法としては,聴覚を介した音声コミュニケーションが挙げられる.しかし.ダイバーは口にレギュレータを装着しているため,口を正しく動かすことができず,正しい発音で話すことができない.そこで本研究では,水中での円滑な音声コミュニケーションの実現を目指し,レギュレータを口で咥えた状態での不明瞭な音声から音素を認識するシステムを提案する.ダイバー用レギュレータに防水マイクを取り付け,水中での音声を録音し,深層学習を用いて音素の推定を試みた.また,発音の際の口の変化に着目し,ダイバー用レギュレータの上面と左面に圧力センサを設置し,推定精度の向上を試みた.その結果,音声のみを用いたデータの場合の方が推定精度が高かったが,特定の音素においては音声と圧力センサ値の混合データを用いた場合の方が推定精度が優れていることがわかった.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2C-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名スマートウォッチの音響センサを用いたポイ捨てごみの種別認識手法の提案と評価
著者*立花 巧樹 (奈良先端科学技術大学院大学), 中村 優吾 (九州大学), 松田 裕貴, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 325 - 332
キーワードスマートウォッチ, 音声認識, ごみ, 参加型センシング
アブストラクトごみのポイ捨ては社会問題に発展している.ポイ捨てを防止する方法として,ごみ箱やポイ捨て禁止の旨が書かれた看板をポイ捨てされる場所に設置して,未然にポイ捨てを防止する都市デザイン的アプローチが考えられる.しかし,ごみ箱やポイ捨て禁止の旨が書かれた看板を,ポイ捨てが起こりうる場所全てに配置することは,現実的ではない.したがって,ポイ捨てが多くされる場所に対して効率的に配置することが求められる.そのためには,ごみの種別・位置を網羅的に事前に把握することが必要である.しかし,既存手法では,本問題を解決することは困難である.本研究では,ユーザが装着しているスマートウォッチから得られるセンサデータのみを用いて,ごみの種別および位置を推定するシステムを提案してきた.本システムは,ユーザがごみを叩きながらごみ拾いをするのみで,ごみの種別・位置を記録することが可能である.本稿では,スマートウォッチの音響センサから得られるデータを用いてモデルの構築を行い,評価実験を行った.実験結果より,LightGBMを用いた際におけるモデルの精度が最も高くなった.


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セッション 2D  センシング
日時: 2021年6月30日(水) 15:50 - 17:30
座長: 石原 進 (静岡大学)

2D-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名ドライバの運転基準の把握に向けた車載センサデータ分析
著者*岩崎 賢太 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 333 - 341
キーワード運転基準, 運転特性, 運転行動, 車両挙動, データ抽象化
アブストラクト自動運転車両と手動運転車両が混在する自動運転普及期では,これら2種類の運転基準の違いが問題になる.運転基準とは,車両のブレーキ操作や進入タイミングなどの運転時の判断の指標である.2種類の車両の運転基準が異なることで,自動運転システムによる割り込みや低速走行などの現象が起こる.これにより,手動運転車両は,自動運転システムの運転に対応できずに誤操作による事故や渋滞が起こる可能性が考えられる.そこで本研究では,手動運転車両のドライバの運転基準を把握するために,アクセルやブレーキなどの運転操作の結果である車両挙動の特徴(以下,運転特性)を抽出する.著者らの先行研究では,SAX (Symbolic Aggregate Approximation) に基づいて運転特性を抽出した.その際,SAXによるデータ抽象度が低いほど,運転特性が有効に抽出できることが示唆された.本研究では,運転特性を抽出するための手法として,データ抽象度に着目し,SAX と非抽象化データによる車両挙動データ分析,比較を行った.本実験では,抽出した運転特性を用いて,ランダムフォレストとSVMによるドライバ分類の評価を行った.その結果,SAXによる分析のドライバ分類のF値が0.925と0.74,非抽象化データによる分析のドライバ分類のF値が0.962と0.875となり,SAXよりも非抽象化データによる分析の方が有効であることが示された.

2D-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名モビリティ遠隔運転の緊急回避を実現する動的リスクポテンシャルマップの提案
著者*武安 政明, 山内 尚久 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所), 徳永 雄一 (金沢工業大学 経営情報学科)
ページpp. 342 - 349
キーワード遠隔運転, 伝送遅延, リスクポテンシャルマップ, ベイズ推定
アブストラクト遠隔運転操作による現場無人化を実現するには,End-to-endの情報伝送遅延の問題を解決する必要がある.伝送遅延で遠隔オペレータが対処できない状況変化に対し,現場のみでこれを回避するための情報として,動的リスクポテンシャルマップを提案する.周辺空間のリスクを時系列に示したマップ情報をサーバからデバイスに提供することで,時間とともに変化する安全箇所を常にデバイス側が把握でき,突然の障害物出現による回避行動を瞬時に行うことができる.本論文では,ベイズ推定を適用した動的リスクポテンシャルマップ生成手法を説明し,シミュレーションにて特性を評価した結果を示す.

2D-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名高精度リアルタイム交通シミュレーションのための非コネクティッドカーの推定技術
著者*小宮 賢士, 磯村 淳, 高木 雅, 川谷 宗之, 花舘 蔵之 (日本電信電話株式会社 NTTデジタルツインコンピューティング研究センタ)
ページpp. 350 - 356
キーワード交通シミュレーション, コネクティッドカー, ナビゲーション, 位置情報
アブストラクト近年クラウドに接続可能なコネクティッドカーの急速な普及により,位置情報を含めた様々な観測情報がクラウド上に送信できるようになっている. それに応じて観測されていない車両の台数や位置,速度を推定する技術の重要性も増している. しかし,従来の推定技術は道路単位の平均車両密度や平均車速などを対象としており,より詳細な車両台数や位置,速度を推定する技術は実用化されていない. そこで本研究では,コネクティッドカーの位置情報を用いて,コネクティッドカー間に存在するクラウドに接続されていない非コネクティッドカーの台数を推定することができる手法を提案する. 本提案手法は人間の運転行動および車両の応答から発生する「反応遅れ時間」に着目し,様々な環境において車両の台数を高精度に推定が可能な手法である. 本研究では提案手法を既存研究の手法と比較する実験を行い,特に信号などで発進停止を繰り返す条件において優位な結果を得た.

2D-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名あの日あの時あの場所へ:任意の時刻・場所の点群データを作るための圧縮された点群の効率的マージ手法
著者*渡邊 真由子, 五十嵐 勇, 谷田 隆一, 木全 英明 (日本電信電話株式会社/メディアインテリジェンス研究所)
ページpp. 357 - 362
キーワード点群データ, 点群符号化, マージ処理
アブストラクト近年,ビルやインフラ設備などの構造物をレーザーの反射光を用いて3次元の座標と属性を持つ点の集合である点群データとして計測し,設備保守に利用することが検討されている.点群データを利用する際は対象とする時刻の特定の領域の点だけを使う必要がある.しかし,点群データは利用時の領域と無関係な範囲で様々なタイミングで取得された複数のデータの集合として集積されており,さらにデータ量が膨大であるため圧縮して保管されている.そのため,必要な点だけを効率よく取り出すのは容易ではない.本稿では,幅広い領域かつ膨大なデータ数を持ちうる点群データの解析処理を行いやすくするため,任意の時刻・場所の点群データを作るための圧縮された点群の効率的マージ手法を提案する.実験では,圧縮した古い点群データを新データで効率的に上書きするマージ手法の有効性を確認し,またここで用いた圧縮手法について既存技術に対する優位性を確認した.


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セッション 2E  遠隔対話・モバイルアプリ
日時: 2021年6月30日(水) 15:50 - 17:30
座長: 武田 敦志 (東北学院大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2E-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名遠隔授業の質向上に向けた顔映像と心拍情報に基づく 対面授業と遠隔リアルタイム授業の比較調査
著者*角田 幸太郎, 大西 鮎美, 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科), 加藤 浩 (放送大学教養学部), 葛岡 英明 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 久保田 善彦 (玉川大学大学院教育学研究科), 鈴木 栄幸 (茨城大学大学院人文社会科学研究科), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 363 - 373
キーワードオンライン授業, 心拍情報, 表出
アブストラクトCOVID-19の影響で遠隔授業が急速に増加しているが,どのように遠隔授業を行えば授業の質が高まるかは模索の段階である. 遠隔授業の質を高めるために,現在の大学等の授業では,双方向性を確保することが重視されている. 遠隔授業には多様な形式があるが,授業形式によって双方向性の度合いが異なると考えられる. しかし,双方向性の違いが授業の質に与える影響はまだ調査されていない. そこで本論文では,双方向性の違いが授業の質に与える影響を調査するため,対面授業と,遠隔リアルタイム授業で他の学習者の顔映像が映る場合と映らない場合の3つの授業形式における受講者の顔映像と心拍情報を取得し,各授業形式における受講者の集中度や覚醒度を調査した. 同時に,遠隔授業での表出を対面と比較した. 調査の結果,講師と対面する状態,遠隔リアルタイムで顔を映す状態,遠隔リアルタイム授業で顔を映さない状態の順で受講者の集中度,覚醒度が高いことがわかった. また,遠隔授業における表出が相手を意識した評価行動であるとは結論付けられなかった. これらの結果より,遠隔授業で顔を映すこと,そして対面授業で講師が受講者に働きかけるように,遠隔授業でも講師が受講者に働きかけることが遠隔授業の質を高めると考えられる.

2E-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名スマートフォン連携型の土砂災害関連情報TV通知システムにおけるユーザビリティ改善の一検討
著者*細川 拓也, 徳本 敬祐, 小林 真, 新 浩一, 西 正博 (広島市立大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 374 - 380
キーワードスマートフォン, 土砂災害, TV通知システム, ユーザビリティ, GUI
アブストラクト集中豪雨による土砂災害では,避難の遅れによって多くの人的被害が生じている.例えば甚大な被害を西日本にもたらした2018年7月の豪雨では避難率は4.6%と低かった.住民の早期避難を促して被害を未然に防ぐために,利用者に配慮した防災情報提供システムの構築が重要である.我々の研究室では,土砂災害による人的被害を軽減するために,危険箇所を監視して撮影する電源自立型の土砂災害モニタリングシステムを構築して,地域住民へリアルタイムな土砂災害危険箇所監視画像を提供するシステムを開発している.さらに,地方自治体からの防災メールをもとにして避難情報と土砂災害危険箇所監視画像をTVモニタに通知する,スマートフォン連携型の土砂災害関連情報TV通知システムを開発してきた.本システムは既存の有線のインターネット回線を有していない家庭でも利用できるという特徴を有する.本研究では,スマートフォン連携型の土砂災害関連情報TV通知システムにおける,TVの情報表示系およびスマートフォンの操作系のユーザビリティを改善した.Python3の標準ライブラリであるTkinterを用いてTVの情報表示系を構築することで,情報表示系の動作を軽量化した.スマートフォンの操作系では,情報機器の取り扱いが不慣れな人でも利用しやすいように,スマートフォン操作系のボタンの配置,機能やデザインを変更した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2E-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名サイバーフィジカル空間における歩行者の日和見識別手法
著者*天野 辰哉, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学)
ページpp. 381 - 387
キーワードAR, LiDAR, ARクラウド
アブストラクト3次元LiDARやデプスカメラにより3次元の物理空間内のモノや人の位置・状態を常時スキャンし構成されるサイバーフィジカル空間を活用することで,人々のソーシャルディスタンスや密集度,マスク着用や人とのモノとの接触などの状態を正確に捉え共有することが可能となる. このような空間内の歩行者に対して情報を共有・通知したり,あるいは歩行者同士がメッセージを送りあうためには,歩行者の保持する端末とスキャンされた物理的な歩行者の対応付け(ユーザ識別)が不可欠である.本研究では歩行者からの事前の情報提供やその場でのジェスチャータスクなどを要求しない,自然な振る舞いからの歩行者の日和見的識別手法を提案する.

2E-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名深層距離学習を用いたARデバイス向けの人物識別手法
著者*高橋 直也, 天野 辰哉, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 388 - 394
キーワードAR, 深層距離学習, Person Re-identification, トラッキング
アブストラクト本研究では,ARデバイス視野内の人物追跡用途を想定し,深層距離学習に基づく人物再識別手法を組み合わせた新しい人物追跡手法を提案する.提案手法ではDeep Sortなど連続フレーム間での人物追跡を前提とした従来手法が,ARデバイスにおいては視野移動による頻繁なフレームアウトで追跡に失敗する点に着目し,検出された人物が過去に追跡した人物と同一か否かを,深層距離学習により識別するモデルを構築する.深層距離学習ではデータの特徴量空間における距離を学習できるため,同一人物の画像間距離が小さく,異なる人物画像間距離が大きくなるよう学習することで,検出された人物画像と過去の追跡人物画像間の特徴距離を計算できる.提案手法ではARグラスを通したスポーツトレーニングや観戦を題材とし,シーン切り替えが頻繁に発生するラグビーの試合映像から得られた27万枚以上のデータに対してラベリングを行い,通常のクラス分類学習を通した距離学習が可能なArcFaceを用いた人物再識別モデルを構築した.提案手法をPerson Re-identificationに利用される既存のデータセットMarket-1501を用い実装し,Market-1501と独自のデータセットに対する精度を評価した結果,前者ではF値74.15%,後者ではF値66.88%を達成した.

2E-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名Web 会議における予備動作を用いた発話欲求推定手法の提案
著者*山田 楓也 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 白石 陽, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 395 - 403
キーワード遠隔対話支援, 対話センシング, 発話欲求, 予備動作, 機械学習
アブストラクト近年,テレワークの普及に伴い,Web会議サービスの利用が増加している.Web会議では,画面構成や配置によって会議参加者の状況が把握しにくくなり,発話するタイミングが掴めないという問題がある.相手の状況把握が不完全なまま発話しようとすることで発話衝突が発生し,会話が中断される.そのため,円滑な話者交替を行いながら,会議進行することが困難である.しかし,会議参加者が発話する際に発話欲求を推定し提示できれば,会議参加者の円滑な話者交替が実現できると考えられる.そこで本研究では,会議参加者の発話欲求を推定する手法の実現を目指す.実現に向けた最初の段階として,会議参加者の数秒後に発話するか否かの予測(発話予測)を行う.発話予測を行う上で,発話前に行う予備動作に着目する.発話予測に有効な予備動作を明らかにすることで,その予備動作が現れた際に発話欲求の推定が可能になると考える.これらを踏まえ,本研究ではWeb会議における予備動作を用いた発話予測に取り組む.発話予測の流れとして,まずWeb会議中の映像データから会議参加者の予備動作に関するデータの収集を行う.発話・非発話区間のアノテーションを行い,その中で予備動作が現れる区間のデータを切り出す.切り出したデータから特徴量を抽出し,抽出した特徴量を用いて機械学習モデルの構築を行う.構築したモデルの性能を検証するため,Web会議における被験者3名の発話予測の精度評価を行った.10-分割交差検証を行い,F値による評価を行った結果,7割から9割の精度が得られた.また,精度評価と特徴量の重要度の結果から,発話予測には口の開きと視線移動が予備動作として関与していることが示唆された.


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セッション 2F  安全空間・防災支援
日時: 2021年6月30日(水) 15:50 - 17:30
座長: 福島 拓 (大阪工業大学)

2F-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名ゲーミフィケーションを利用したバリア画像収集システムの実装
著者*村山 優作 (日本大学 文理学部), 奥川 和希 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科), 前田 真志, 古田 瑛啓 (日本大学 文理学部), 呉 健朗 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
ページpp. 404 - 411
キーワードゲーミフィケーション, アクセシビリティ, バリアフリー, CNN
アブストラクト車椅子利用者などの移動弱者にとって,バリアフリーマップは重要な役割を果たす.バリアフリーマップ作成のためのバリア情報を収集する主な手法として,ユーザにバリアの写った写真を撮影・投稿してもらう手法がある.この手法には,バリア画像を網羅的に収集することが困難であるという問題がある.これは,バリアフリーマップ作成に意欲のないユーザのバリア画像を収集する作業に対するモチベーションを誘発・維持することが難しいことによるものである.上記を踏まえ,本研究ではバリア画像を撮影・投稿すると,Deep Learningによる物体認識で認識されたバリアの形状に類似したモンスターを収集できるゲームの提案を行う.提案システムでは,バリア画像を撮影・投稿する作業にゲーミフィケーションを利用することで,ユーザのバリア画像を収集する作業に対するモチベーションを誘発・維持できるようにすることを目指す.実装したプロトタイプシステムを用いた検証の結果,提案システムがバリア画像収集に対するユーザのモチベーションの誘発・維持に有効であることが確認された.

2F-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名バリア画像収集におけるユーザ行動の調査
著者*前田 真志 (日本大学 文理学部), 奥川 和希 (日本大学 大学院総合基礎科学研究科), 村山 優作 (日本大学 文理学部), 呉 健朗 (日本大学 大学院総合基礎科学研究科), 村山 優子 (津田塾大学 数学・計算機科学研究所), 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
ページpp. 412 - 416
キーワード行動調査, アクセシビリティ, バリアフリー, クラウドソーシング
アブストラクト車椅子利用者などの移動弱者にとって,バリアフリーマップは重要な存在である.バリアフリーマップを作成するためのバリア情報を収集する手法の一つとして,ユーザにバリアの写った写真を撮影・投稿してもらう手法がある.この手法は,実際にユーザがバリアの存在する場所へ赴き,撮影する必要があり,収集されるバリア画像の範囲はユーザの行動に左右されると考えられる.本稿では,バリア画像収集システムを利用するユーザの行動を調査することで,網羅的なバリア画像収集を促すシステムの要件を明らかにする.調査を行った結果,ユーザは日常生活時と比べて大きく外れない場所でバリア画像収集を行うことが確認された.これは普段通る道の近くでバリア画像収集を行う方が,バリアを探す負担が少ないからだと考えられる.ユーザが普段訪れない所を通りたくなるようにするためには,普段使う道を外れても負担を感じにくい仕組みが必要になる.加えて,バリアを撮影する際に人と被らないように撮影することが難しく,撮影を諦めることが多いことが確認された.今後のバリア画像収集において,バリアの撮影難易度も考慮する必要があると考える.

2F-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名観光客を対象とした受動的な防災情報の提供手法の提案と評価
著者*吉野 孝, 坂本 真輝, 永井 隼人, 佐野 楓, Brent Ritchie (和歌山大学)
ページpp. 417 - 424
キーワード観光支援, 防災支援, 受動的, 避難支援
アブストラクトこれまでに様々な防災支援システムが開発されてきているが,多くのシステムは観光客に防災に対して能動的な行動を求めており,防災に対して関心が低い観光客に利用されない可能性が高い.そこで本研究では「防災情報にさらす」というコンセプトを提案し,その実現例として本システム「Di-sarasu」を開発した.本研究では,観光防災地図の閲覧機能,写真撮影時の防災情報表示機能の効果を評価する実験を行った.実験の結果から得られた本研究の知見は以下の2点にまとめられる.(1)受動的な防災情報の表示は防災に対する関心が低い人に有効である.防災に対する関心が低い人は,自分から能動的に防災情報を取得しようとはしなくとも,受動的に防災情報を得られるのならば防災情報を受け入れてくれる.(2)防災情報に自分および知人の顔を写す手法は有効である.表示される防災情報に自分の顔および知人の顔が写っていると,その防災情報を面白がって好意的に受け取ってくれる.

2F-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名ソーシャルリスニングによるデータサイエンス分野の話題傾向抽出方式
著者*関戸 惟久, 岡田 龍太郎, 中西 崇文 (武蔵野大学データサイエンス学部データサイエンス学科)
ページpp. 425 - 430
キーワード話題傾向抽出, データサイエンス, ソーシャルリスニング, Twitter
アブストラクト本稿では, ソーシャルメディアからユーザの生の声を分析してマーケティングに利用する戦略であるソーシャルリスニングを応用し,データサイエンス分野を対象とした直近の話題の傾向の抽出方式について示す.本方式では,有名なデータサイエンティストのTwitterアカウントをいくつか選定し,そのアカウントにある直近のツイートから,話題となるキーワードをそれらのアカウントで出現している単語の共通点と差異により抽出することが可能である.本方式によって,直近のデータサイエンス分野の現状と今後の動向について把握することが可能になる今後,本方式により,データサイエンス分野と他分野との直近の話題の関連性を見 つけることが可能になり,データサイエンスが適用されていない他分野への応用方法を模索する一助になりうる.

2F-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名状況把握:情報共有から認識共有へ
著者*村山 優子 (津田塾大学 数学・計算機研究所)
ページpp. 431 - 434
キーワード状況把握, 災害情報処理, アウェアネス, バリアフリー化情報支援
アブストラクト本論文では, 人間工学の分野で発表されてきた状況把握の研究領域を災害情報処理の観点から紹介する. 先ず, 情報通信技術と災害対応の観点から情報処理について考え, 情報から知識や知を創出し, 共有する必要性を説く. 同様の考え方を有する状況把握をグループウェア研究領域における第3のアウェアネスとして紹介する. そのモデルにおいても, 単に情報を集めるだけでなく, 収集した内容についての理解が, その後の予測につながることを述べる. これまで, 情報通信技術分野では, 情報を如何に送受信, あるいは, 共有するかを検討してきた. グループウェアの分野でもアウェアネスは, 主要な研究分野である. 本論文では, 状況把握という第3のアウェアネスを紹介し, 情報共有以上に, その理解や, 理解するためのメンタルモデルの共有を必要とするチームにおける状況把握の必要性を提示す.


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セッション 2G  機械学習とセキュリティ
日時: 2021年6月30日(水) 15:50 - 17:30
座長: 佐々木 良一 (東京電機大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2G-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名MADMAX: Extreme Learning Machineを用いたブラウザベース悪性ドメイン検知アプリケーション
著者*岩花 一輝, 竹村 達也, 鄭 儒謙, 芦澤 奈実, 梅田 直希, 佐藤 航大, 川上 遼太, 清水 嶺, 知念 祐一郎, 矢内 直人 (大阪大学)
ページpp. 435 - 457
キーワード悪性ドメイン検知, 機械学習, ブラウザアプリケーション, 特徴量選択, リアルタイム学習
アブストラクト高速かつ高精度の悪性ドメイン検知において, 未知の悪性ドメインを検知するために, 機械学習が注目されている. 本稿では, 単一の中間層を持つニューラルネットワークであるextreme learning machine (ELM) を用いたブラウザベースの悪性ドメイン検知アプリケーションであるMADMAX (MAchine learning-baseD MAlicious domain eXhauster)を提案する. 既存のELM を用いた悪性ドメイン検知と比較して, MADMAX では2つの新たな手法を導入している. まず, 高精度かつ高速なドメイン検知を実現するため, permutation importance に基づいた最適な特徴量の選択を行う. さらに, 日々進化し続ける悪性ドメインの更新にも対応できるように, 学習モデルを再学習させるリアルタイム学習を行う. MADMAX では最適な特徴量の選択を通じて, 既存研究と比較して精度とスループットの改善に成功した. さらに, リアルタイム学習で学習したモデルは安定して未知の悪性ドメインを検知し続けたが, リアルタイム学習を行わないモデルは未知の悪性ドメインを検知できず, 精度が低下することを確認した. MADMAXのソースコードはGitHub を通じて, 公開利用可能である.

2G-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名表層解析の効率化に向けた情報鮮度判別方式の評価
著者*檜垣 龍, 竹原 一駿, 本部 建大, 楠目 幹, 西岡 大助 (香川大学), 西山 賢, 合田 翔 ((株)STNet), 最所 圭三, 喜田 弘司 (香川大学)
ページpp. 458 - 465
キーワードセキュリティ, 自然言語処理, 機械学習
アブストラクトサイバー攻撃の高度化に伴い,たとえ侵入されても,素早く,被害を最低限に抑えるための事前対策が必要の必要性が増している.そのために,日頃から脆弱性や攻撃などの情報を収集,分析する表層解析が重要である.しかし,技術力,人材共に充足していない組織などでは,満足に実施できていない.そこで我々は,表層解析を支援するシステム“CSICOS”を開発している.本論文では,セキュリティ情報に紐付いた外部の情報を調査することで,セキュリティ情報の公開日時,必要性を判定する手法を提案し,提案手法に対して実施した評価実験について述べる.評価実験では,実際に表層解析を業務で実施している企業のセキュリティ技術者を被験者に,提案手法の効果を測定した.評価実験の結果,公開日時の推定の評価が高いこと,最新情報及び動向の把握は改善されたこと,表層解析であってはならない情報の見落としが発生していることが判明した.

2G-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名Improving The Decision-Based Adversarial Boundary Attack by Square Masked Movement
著者*Van Sang Tran, Phuong Thao Tran, 山口 利恵, 中田 登志之 (東京大学)
ページpp. 466 - 471
キーワードsquare attack, adversarial images, image classification, boundary, l2 norm
アブストラクトAdversarial image attack is a well-known attack methodology in the image recognition field where the input images are purposely modified to make no difference to the human perception but can fool the image recognition models to classify them incorrectly. Recently, the adversarial attack has drawn much attention from researchers due to its ability to fool even state-of-the-art and commercial image recognition models. Researching the adversarial attack is crucial to know the potential risk, thus preparing needed earlier prevention. In this paper, we investigated an improvement on the Boundary Attack algorithm because of its effectiveness, flexibility and the absent of a direct protection mechanism. Previously, in the randomization step, the Boundary Attack algorithm randomizes the movement vector from the whole image space. In this research, we have improved the algorithm by applying a square mask to the space in this step. We have applied on the CIFAR10 dataset and successfully improved the distance between the adversarial and the original images without increasing the number of queries. Our work suggests a new possibility of an attack vector that can exploit the prior knowledge of the model to improve the distance without affecting the query count.


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セッション 2H  災害・生活支援
日時: 2021年6月30日(水) 15:50 - 17:30
座長: 廣井 慧 (京都大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2H-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名低解像度サーモグラフィを用いた顔検知と検温システムの開発
著者*須崎 孝嗣, 沼尾 雅之 (電気通信大学院 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 472 - 478
キーワード深層学習, ヘルスケア, 機械学習
アブストラクト検温は体調の管理に重要な要素の一つであり,新型コロナウイルスの影響によってさらにその需要が必要性が高まっている.サーモグラフィを用いた検温システムは従来の検温システムと比べて測定者が不要であり,接触する機会の減少が期待できる.しかし,サーモグラフィは高価格なものが多く導入を難しくしている.そこで本研究では低価格な低解像度サーモグラフィを用いた検温システムを開発することによって導入を容易にする.提案システムでは,深層学習を用いた顔の検出,サーモグラフィの温度補正,体温の推定を行った.評価実験の結果,顔の検出,温度補正の有用性を確認し,体温の平均絶対誤差は0.107℃であった

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2H-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名画像セグメンテーションを用いた屋根面分割による屋根損傷率自動算出手法の開発
著者*藤田 翔乃 (京都大学大学院情報学研究科), 畑山 満則 (京都大学防災研究所)
ページpp. 479 - 489
キーワード深層学習, 画像認識, 地震災害, 屋根, 被害認定調査
アブストラクト災害が起こった際,自治体は被災した住家の被害の程度を調査し,被災者に罹災証明書を交付する.罹災証明書は被災者の支援策の判断材料として活用され,生活再建に必要不可欠であるため,自治体は迅速かつ正確に発行しなければならない.しかし,これまでの地震災害では被害認定調査・罹災証明書発行に多くの時間を要しており,円滑な被災者支援を妨げていた.加えて現在の屋根調査においては,屋根全てを見渡すことができず,正確に屋根調査を行えていない.そこで,本研究では航空写真から自動で屋根損傷率を算出する画像処理モデルを開発した.筆者らの先行研究から得た学習データの不足という問題に対して,本研究は真相学習による画像セグメンテーションを用いて屋根画像を屋根面で分割して学習データを増加させるという方法をとった.その結果,30%のデータを従来の現地調査員による判定より高い精度で,80%のデータを従来判定以上の精度で屋根損傷率を算出できることがわかった.

2H-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名性格特性を考慮した高パーソナライズ性スポット推薦システムの一検討
著者*伊藤 桃 (お茶の水女子大学), 榎 美紀 (IBM Research - Tokyo), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 490 - 494
キーワードソーシャルメディア, Personality Insights, Twitter
アブストラクト昨今新型コロナウイルスが, 世界中に多大な影響を与え続けている. 驚異的な感染力により未だにウイルスの収束も見えず, 現在も外出を控えた日常生活を送っている人が多いだろう. しかしながら, 収束後はその反動から, 以前より観光業界の需要が再び盛り上がりを見せることは容易に想像でき, その際に, 多様なスポット推薦システムの需要も共に高まってくると考える. 現在既に, 様々な観光スポットは簡単に Web 上から情報を取得できるようになり, AI を用いた観光スポット推薦システムなども増えてきた. 主流はユーザの趣味嗜好情報からスポットを推薦するようなシステムである. しかし, そのような既存の推薦システムは, ユーザにとって単一的な推薦になってしまう. 本研究では, 新たなアプローチで観光スポットを推薦したいと考え, Personality Insightsを用いユーザの性格特性情報からスポット推薦を行うシステムの構築を目指す. 性格を考慮することで, より観光地選択肢を増やすことのできるシステムを提案したい. 本論文では, システムを構築するためにまず前提となる, スポットごとにユーザの性格特性に傾向があることを検証した. 様々なスポットを性格特性によって全体的にクラスタリングした結果, 性格特性からいくつか同系統のスポットがクラスタリングされた. しかしながら, スポットによってはユーザごとの訪問目的の違いから, 性格値の標準偏差が大きいものがあり, 今後詳しく分析進め, システムの実現を進めていく必要がある.

2H-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名災害ボランティアの課題とアプリケーションの設計
著者*関口 穂波 (お茶の水女子大学), 高井 峰生 (大阪大学/UCLA), 大和田 泰伯 (情報通信研究機構), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 495 - 500
キーワード災害支援, ボランティア, アプリケーション
アブストラクト近年, 日本各地で地震や台風など多くの大規模自然災害が発生している.そのような大規模災害が発生した際に, 被災地は各地からボランティアを募集し, 地域復興に努めている. 被災地のニーズとボランティアとをマッチングさせる仕組みは現在紙ベースの手作業で行われており, 多くの時間と人手がかかってしまっている. そのため, 満足に支援が行き届かないなど多くの課題が発生している. 本研究ではそれらの課題解決のために, 災害ボランティアマッチングの仕組みを電子化したアプリケーションを設計した.

2H-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名大規模災害時の情報共有のための個人認証についての一検討
著者*周 爽 (お茶の水女子大学), 高井 峰生 (大阪大学/UCLA), 大和田 泰伯 (情報通信研究機構), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 501 - 507
キーワード災害時, 個人認証, 情報共有
アブストラクト近年,日本各地で地震や台風などの災害が連続して発生している.災害発生時,家が倒れ,自宅で生活できない人,また避難指示が発せられた人たちは避難所に行かなければならない.避難所を電気,通信,また情報など,様々な面で大災害時に頼りになる場所にし,避難者が安全に生活できるようにするためには,避難所の物資や家族の安否確認などの情報共有を行うシステムが必要である.しかし,システム利用時に,偽者としてシステムに登録したり,アクセスしたりする事が可能であると,個人情報の漏えいや改ざんなどが起こり大きな問題になる.加えて,災害時,身分証明書を避難所に持って来ないこともあるため,身分証明書のみに基づく個人認証では,本人確認ができなくなる.そこで本研究では,大規模災害時における情報共有システムへの登録時とシステム利用時の個人認証についての仕組みを検討した.


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セッション 3A  MBL統一テーマ
日時: 2021年6月30日(水) 17:50 - 19:10
座長: 山口 弘純 (大阪大学)

3A-1 (時間: 17:50 - 18:30)
題名(招待講演) 宇宙ビッグデータを活用した農作物に応じた適地探索
著者百束 泰俊 (株式会社天地人)
ページp. 508
アブストラクト近年気候変動等の影響から、従来通りの品種選択と栽培管理を行っているにもかかわらず、収穫量や品質低下に見舞われるケースが各地で多発している。天地人では、衛星由来の気象情報を過去から現在に至るまでのビッグデータとして分析し、最適な作物の選択や、栽培したい作物に適した地域の探索を行っている。今回は、露地栽培の稲や施設園芸のアスパラガスを題材に、ビッグデータ、デジタル技術を活用した最新事例を報告する。

3A-2 (時間: 18:30 - 18:50)
題名Vital Memorial Signs:バイタルデータとアルバムの連携による 思い出想起深化システム
著者*岩本 実結 (武蔵野大学データサイエンス学部), 小島 圭子 (NTTコミュニケーションズ(株) イノベーションセンター), 岡田 龍太郎, 中西 崇文 (武蔵野大学データサイエンス学部)
ページpp. 509 - 516
キーワード画像検索, バイタルデータ, 心拍データ, モバイルアプリケーション, マルチメディア
アブストラクト本稿では,バイタルデータとデジタル写真データの集合であるアルバムの連携による思い出想起深化システム—Vital Memorial Signsの実現について示す.本システムは,写真撮影時に得られるバイタルデータを用いることにより,写真データから写真撮影時の心拍データに合致した写真データを検索することが可能になる.本システムにより,写真データを写真撮影時の感情と結びつけ,思い出の想起の一助となる.本稿では,システムの実現を目的としたバイタルデータを用いた感情分類実験とその結果,また実験から得られたシステム化に向けての課題についても述べる.

3A-3 (時間: 18:50 - 19:10)
題名高齢者のQoL向上に向けた生活行動データと心拍情報を使った健康状態予測
著者*松本 敢大, 松井 智一, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 517 - 523
キーワードヘルスケア, QoL, ADL
アブストラクト先進国における高齢化を背景に,高齢者の健康寿命延伸の推薦や見守りを行うシステムが求められている.より高度な推薦や見守りには,高齢者の日常生活行動データや生体データを分析し,健康となる行動や健康寿命延伸に関する知見が必要である. 本稿では複数の高齢者家庭から収集した生活行動データと生体データ(心拍データ),自己評価による朝と夜の健康状態のデータを利用し,高齢者のQoL向上に向けた生活行動データと心拍情報を使った健康状態予測を試みた.本研究では,5家庭・9人の被験者の行動および心拍のデータと各日の朝に3問,夜に4問の主観的なアンケートからなる約30日間のデータセットを用いた.行動・心拍データと健康状態の関係を確認するため,各質問のアンケート結果(被験者は区別しない)を3分類(良い・悪い・どちらでもない)し行動ごとのローレンツプロット面積を結果にまとめた.結果として,全ての質問において健康状態が良いときに,外出時のローレンツプロット面積が大きくなることがわかった.また,ほとんどの質問において健康状態が良いときに,入浴と睡眠時におけるローレンツプロット面積が大きくなることがわかった.またランダムフォレストでは各質問に対し約60%以上の正答率を得ることができた.以上から,健康状態には,外出,入浴,睡眠時のローレンツプロット面積が関係することが示唆された.また,機械学習により健康状態予測できる可能性があることが示唆された.


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セッション 3B  データ処理
日時: 2021年6月30日(水) 17:50 - 19:10
座長: 是津 耕司 (情報通信研究機構)

3B-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名水圧センサを用いた浴槽入水者識別手法の提案
著者*蔵田 直生 (立命館大学情報理工学部), 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部/JSTさきがけ)
ページpp. 524 - 531
キーワード水圧センサ, 浴槽, 個人識別
アブストラクト住宅環境の中でも,浴槽内は特に死亡事故件数が多いと報告されているため,浴槽入浴中の体勢などの情報を個人と紐づけて把握することは重要である.本研究では浴槽に湯を注水しながら入浴する状況,入水によって浴槽から湯が溢れる状況において,浴槽の底に設置した水圧センサから入水時の水圧の変化を取得し,入水者を識別する手法を提案した.提案手法は,取得した水圧データから1回の入水区間の波形を切り出す.そして,注水による水圧の変化を除去して入水のみによる水圧の変化を取得する.その後,注水による水圧変化を除去した入水波形と,事前に個人と紐づけて登録された通常状況での入水波形とのDTW距離を計算し,k近傍法によって得られた登録データの個人を識別結果として出力する.4名の被験者から注水状況の入水データ,溢れ状況の入水データ,通常状況の入水データを用いた評価実験より,溢れ状況では識別結果の平均F値0.334,注水状況では識別結果の平均F値0.792が得られた.

3B-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名画像データとセンサデータを用いた室内環境における温熱快適度の推定
著者*Haomin Mao, 土田 修平 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻), 鈴木 裕真, Yongbeom Kim, 金田 麟太郎, 堀 隆之 (ソフトバンク株式会社), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 532 - 539
キーワードPMV, 温熱快適度, センサ, CNN, 深層学習
アブストラクト人が感じる温熱快適度は温度,湿度,気流,放射熱などの複数の要素によって変化する.このためスマートルーム,スマートオフィスなどの快適性環境を構築するためには,これら要素の制御が重要となる.理想的な快適性環境とは,人が感じる温熱快適度に合わせて温度や湿度などの要素が自動的に調節される環境のことであり,カメラ,ウェアラブルセンサ,環境センサなどで取得した生体データと環境データから温熱快適度を推定することで構築できると考えられる.そこで本研究ではこれらセンサを用いて人と室内環境の画像データとセンサデータを取得し,CNNにより主観的温熱快適度と客観的温熱快適度を推定する手法を提案した.実験では,室内環境の温度と湿度を変化させながら画像データとセンサデータを取得するために,室内温度と室内湿度を制御する機器としてヒータ,クーラ,加湿器,除湿機が配置されたパイプ式ブースを部屋内に設置した.実験中は被験者をブース内に滞在させ,被験者が左足,右足,左腕,右腕に装着したNTCサーミスタ,指に装着した心拍センサ,ブース内に設置された温湿度センサ,風速センサ,RGBカメラ,サーマルカメラから各種センサデータ,RGB画像,サーマル画像をそれぞれ取得し,主観的温熱快適度と客観的温熱快適度を推定した.なお,データ処理に用いるCNNモデルはKerasのPre-trainedモデルにあるResNet50をもとに構築した.また,RGB画像とサーマル画像のみを用いた推定モデルも用意し,センサデータの有無が快適度推定に与える影響についても検討した.

3B-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名MatVAE: 少量の実験データでも学習可能な実験候補化合物を提示するための入れ子型変分オートエンコーダ
著者*刑部 好弘, 淺原 彰規 (株式会社日立製作所 研究開発グループ)
ページpp. 540 - 546
キーワード深層生成モデル, 変分オートエンコーダ, マテリアルズ・インフォマティクス
アブストラクト国際的に高性能かつ低環境負荷な材料の開発が急務であり、人工知能技術やデータ分析技術により材料開発効率化を図るマテリアルズ・インフォマティクス(MI)に注目が集まっている。特に、試作実験前に予め有望な材料を実験候補として提示し、要求性能を満たす新材料を短期間で見つけるため技術として、性能改善確度の高い化合物を生成する深層生成モデルがいくつか提案されている。しかし、一般的にこうしたモデルは十分な精度を得るために膨大な実験データを必要とする。現実の材料開発現場では多くても千件程度しか蓄積できないことが多く、少量の実験データでも適用可能な手法が必要だ。そこで報告者は、大規模オープンデータを用いて化合物の構造的特徴を学習する外側のVAEと、前記VAEを介して得られる潜在変数と物性値の関係性を小規模実験データから学習する内側のVAEをネストして構成する深層生成モデルMatVAEを提案した。本研究では、学習データの範囲を超える高性能な材料を生成させるため、内側VAEの学習時に潜在変数の所定の成分z[k]と物性値が強い相関をもつような損失関数L_corを導入した。オープンデータによる検証では、候補生成時にz[k]を操作することで、生成化合物の物性値も制御可能であることが確認できた。さらに、過去の実験データを用いた模擬的新材料探索実験では、高性能な新材料の発見に要する実験回数を従来比1/4に削減した。


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セッション 3D  測位システム
日時: 2021年6月30日(水) 17:50 - 19:10
座長: 徳永 雄一 (金沢工業大学)

3D-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名LSTMを用いた高精度歩行者測位方法に関する検討
著者*井上 真樹, 湯 素華 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻), 小花 貞夫 (電気通信大学)
ページpp. 547 - 554
キーワード屋外測位, 歩行者測位, 歩車間通信, 機械学習
アブストラクト自動運転の実現に向けて交通事故防止が大きな課題となっている.見通し外の歩行者との事故を回避するために,歩行者が自身の所有する端末から位置情報を含むパケットを送信し周囲の車両に知らせる歩車間通信が提案されている.歩行者位置の測位には一般的にGPSが用いられるが,都市部では建物の遮蔽などにより測位精度が大幅に劣化しうる.この問題を解決するために,GPSに加えて車両を測位の基準点とし,チャネル状態情報(CSI)から歩車間距離を推測して歩行者位置を算出する測位方式が検討されている.本稿では,歩行者と車両の位置関係が連続的に変化していくことに着目し,従来のSVR(Support Vector Regression)を利用して瞬間CSIから歩車間距離を算出する代わりに,LSTM(Long short-term memory)ネットワークを用いた深層学習を介してCSIの時系列変化から歩車間距離を高精度に推測する手法を検討し,測距・測位精度を評価した.3Dレイトレーシングを用いたシミュレーションにより,LSTMを用いた検討方式はSVRを利用した先行方式に比べ,平均歩車間距離誤差を44.9%,平均水平測位誤差を46.9%削減可能であることを確認した.

3D-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名スマートフォンとスマートウォッチを併用したPDR手法の地図情報を利用した高精度化
著者*若泉 朋弥, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 555 - 564
キーワードPDR, 位置推定, スマートフォン, スマートウォッチ
アブストラクトスマートフォンの普及により,歩行者向けナビゲーションシステムが多く利用されている.こうしたナビゲーションシステムではGPS を利用し現在位置を測位しているが,屋内や地下ではGPS による測位が困難である.屋内での位置推定手法としてPedestrian Dead Reckoning (PDR) が提案されている.PDR 手法は歩行者の身に付ける端末からセンサ情報を取得し,初期地点からの経路をたどることで現在位置を推定する.これまでに我々は,スマートフォンとスマートウォッチを併用したPDR 手法を提案し,外部インフラを用いず,スマートフォンの位置によらず自己位置推定が可能であり,そのうえで推定誤差を削減できることを,評価実験により確認している.しかし,方向転換時に進行方向の誤差が残り,誤差が蓄積するため,右左折の多い環境では推定誤差が大きくなる問題がある.本稿では,スマートフォンとスマートウォッチを併用したPDR 手法の精度改善手法を提案する.提案手法では,新たに地図情報を組み合わせ,マップマッチングを導入することにより,従来手法の精度を向上させる.実現評価を通じて,提案手法の有効性を確認した.

3D-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名端末姿勢の安定性により蓄積誤差を低減するスマートグラスPDR手法
著者*佐藤 大生, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 565 - 573
キーワードPDR, 位置推定, スマートグラス
アブストラクトスマートグラスによる歩行者ナビゲーションは,視界に直接様々な情報が表示されるため,画面を確認するために視線を落とす必要がなく,より直観的で分かりやすいナビゲーションを実現できる.歩行者ナビゲーションは自己位置の推定が不可欠であり,広くGlobal Positioning System (GPS)が用いられるが,屋内,地下,高層ビル街などでは測位精度が著しく低下する.屋内空間で位置測位する手法として,Pedestrian Dead Reckoning(PDR)があり,端末のセンサを用いて現在位置を推定する.PDR は外部インフラを必要とせず低コストで導入することができるが,初期位置を基準とした相対位置を推定するため,歩行距離が増大するにつれて誤差が蓄積する. 蓄積誤差を低減することがPDRの実現において重要である.本稿では,スマートグラスによる歩行者ナビゲーションを対象に,蓄積誤差を低減するPDR手法を提案する. 提案手法では,歩行者が正面を向いて静止したときスマートグラス端末の鉛直下向きの加速度が重力加速度に近づくことを利用し,端末の水平面の角度の蓄積誤差の低減を実現し,その結果,PDRによる蓄積誤差の低減を可能とする. 評価実験の結果,提案手法により,推定位置の誤差が最大で約13%低減されることが分かった.


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セッション 3E  コンテンツと機械学習
日時: 2021年6月30日(水) 17:50 - 19:10
座長: 宮田 章裕 (日本大学)

3E-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名単語分散表現に基づく挿絵自動挿入手法の提案と評価
著者*村山 貴志, 入江 英嗣, 坂井 修一 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 574 - 579
キーワード単語分散表現, 自然言語処理, コミュニケーション, ヒューマンインタフェース
アブストラクトコミュニケーション媒体として文書は大きな役割を占め,文書のわかりやすさはコミュニケーションを円滑化する.しかし,文書の書き手にとって,わかりやすい文書を書くことは簡単ではない.そこで本研究では,既存の文書をわかりやすいものにするために,挿絵を自動的に挿入する手法を提案する.あらかじめ用意された大量の画像とそれに紐づくキャプション文,および挿絵の挿入対象となる文章をそれぞれベクトルに変換し,文間類似度を算出する.挿入対象文に対して最もコサイン類似度の大きいキャプション文を持つ画像を挿絵とする.評価においては心理学研究において明らかにされた挿絵の「動機付け効果」と「精緻化効果」を検証した.文書を短時間表示する主観評価実験により動機付け効果を,挿絵をコントロールされた文を一定時間熟読した被験者に再生テストを行うことで精緻化効果をそれぞれ評価した.提案手法では動機付け効果は確認できなかったが,精緻化効果の存在は示唆される結果となった.今後の展望としては,文書への挿絵挿入位置,およびその際クエリとする部分といった,文書全体が与えられて動作するアプリケーションの成立が望まれる.

3E-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名機械学習を活用した飲料製品開発の手法と評価
著者*柏原 洋允, 有里 悠希, 本橋 洋介 (日本電気株式会社)
ページpp. 580 - 583
キーワードAI, 人工知能, 製品開発
アブストラクト近年、機械学習およびAIは、小売の需要予測や画像解析による故障検知まであらゆるビジネス分野で取り入れられ活用され始めている。しかし、食品や飲料のレシピとしてAIが用いた例はまだ少ない。そこで、筆者らは、AI分析の結果をレシピとした飲料開発に取り組むこととした。 開発のコンセプトとしては、多くの人が一度は感じた経験があるであろう世代間ギャップの解消を目的とし、世代を超えたコミュニケーション促進と設定した。そこから、古くからコミュニケーションツールとしての一面を持つビールを開発することとした。 本稿では、AIの分析結果をレシピに用いたビール開発、販売に至るまでの経緯および分析の内容を示し、販売後の購入者に行なったアンケート結果を用いた定量的な評価までを記載する。

3E-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名Wikipediaから興味ある情報を手早く検索できるサービス
著者*市村 哲 (大妻女子大学)
ページpp. 584 - 590
キーワードWikipedia, 情報推薦, 機械学習, BERT, DBpedia
アブストラクトWikipediaは世界中のボランティアによって共同執筆されている無料で有用なインターネット百科事典であるが,収録されている情報が非常に膨大であり,欲しい情報を見つけ出すことが難しいという問題がある.著者らは,多くのページを閲覧しなくても手軽にWikipediaから興味ある情報を見つけ出せるようにすることを研究の目標に定め,Wikiゲーター(Wikigator)を開発した.DBpedia 経由で取得したWikipediaのデータセット文章を機械学習し,ユーザの好みを診断するための選択肢を自動作成し複数回に分けて提示する.ユーザがどの選択肢を選んだかに基づいて推薦すべきページを徐々に絞込むようになっている.


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セッション 3F  ソーシャル空間
日時: 2021年6月30日(水) 17:50 - 19:10
座長: 角田 啓介 (NTT)

3F-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名人の知覚の集合知による参加型IoTセンサ調整プラットフォームの設計
著者*松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学/JSTさきがけ), 中村 優吾 (九州大学), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 591 - 599
キーワードIoT, 人の知覚, 参加型センシング, センサ調整・較正, スマートシティ
アブストラクト数え切れないほどのIoTデバイスが我々の生活環境に溶け込み,人や環境を絶え間なく観測・把握したうえで多様なサービスを提供できるようになっている.しかしながら,IoTセンサが観測する情報と人々が知覚する情報は完全に一致するものではないため,その相違がサービスの質に影響を与える可能性がある.この問題を解決するため,本研究では,街ゆく人々の「知覚」を参加型センシングの仕組みで収集するとともに,IoTセンサデータと組み合わせることにより,人の知覚を理解できるIoT(Internet of “Perception-aware” Things:IoPT)を実現することを目指している.本稿では,まず本研究における仮定の是非を確認するための予備調査を実施した.その結果,IoTセンサと人の知覚には一定の関係性はあるものの差異が存在すること,人の知覚はその人や社会の状況によって大きく変動することが明らかとなった.この結果に基づき,本研究のコンセプトを実現するための参加型IoTセンサ調整プラットフォームの設計を行うとともに,達成に向けての解決するべき課題について整理する.

3F-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名BLEを用いた接触判定アプリによるデータ収集実験の検討
著者*諏訪 博彦 (理化学研究所/奈良先端科学技術大学院大学), 松田 裕貴, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 600 - 606
キーワードBLE, 接触確認, 参加型センシング, 感染防止, COVID-19
アブストラクト理化学研究所 革新知能統合研究センター 観光情報解析チームでは,観光情報案内を行うアプリケーション開発とその基盤技術に関する研究を行っている.その一環として,COVID-19などの感染症対策のために,濃厚接触を軽減するための経路案内システムの開発を目指し,接触確認モジュールを用いた濃厚接触判定アプリを開発している.本稿では,開発中のアプリの紹介と活用方法,評価実験デザインおよびプレ実験結果についてについて述べる.開発するアプリは,位置情報,BLE受信情報,加速度,地磁気,照度,角速度を日時情報と共に収集する.収集されたデータにより,いつ,どこで,どの程度他者と接触したか把握できるようになる.これらの情報を可視化することで,濃厚接触を避けるような行動変容をユーザに促すことができると考える.一方で,このようなアプリの導入には,ユーザの理解・意欲が不可欠であり,導入・普及への課題を明らかにする必要がある.そのためには,よくデザインされた実証実験が必要である.本稿では,実験デザインを検討するとともに,プレ実験による評価結果について報告する.

3F-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名避難所計画問題の定式化と効果推定
著者*清水 仁 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所), 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学), 岩田 具治, 藤野 昭典, 澤田 宏 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 607 - 614
キーワード避難所計画問題, 0-1整数計画問題, 施設配置問題, 阪神大震災
アブストラクト災害時には,避難所が必要である.これまでに,避難にかかる移動コストを最小化するように,避難所配置が計画されてきた.しかし,災害の規模が大きいほど避難所を運営するためのコストは無視できなくなる.これに対して,被災者が減少したときに,避難所に残った被災者を別の避難所に移転してもらい,避難所をなるべく早期に閉鎖することで,運営コストを削減することができる.しかし,避難所間の移転は,被災者の負担が大きいと考えられる.そこで本研究では,被災者の減少を考慮した「避難所計画問題」を定式化する.しかし,定式化の際に必要な被災者の移動コストは,実際に支払が発生しないために過去データから求めることが難しい,という課題がある.この課題に対して我々は,実際の災害時の被災者数と避難所数の推移から移動コストを推定する手法を提案する.提案手法で得られたパラメータを用いて最適解を求めれば,被災者の移動コストと避難所の運営コストの和が最小となるように被災者を避難所に割り当てることができる.阪神大震災の記録を参考に条件設定したシミュレーション実験の結果,提案手法が運営コストを62.1億円(59%)削減できることを示した.

3F-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名児童の探索行動に計画性は現れるのか?
著者*石井 健太郎 (専修大学), 岡崎 善弘 (岡山大学), 沼 晃介 (専修大学)
ページpp. 615 - 617
キーワード探索行動, 宝探し
アブストラクト紙上の探索課題では,9歳頃を境にして,探索範囲すべてをカバーすることが示されている.しかし,実際のフィールドで探索物を探す際には,紙上の探索課題とは異なり俯瞰視点は得られないため,結果は異なることも考えられる.本研究は,以上の問いについて調査するために,紙上の探索課題の状況を再現した実地のフィールド調査を行う.このフィールド調査は,十分に近づかないと探索物を発見できないという想定を考慮して,スマートフォンに表示される宝の画像を探索するバーチャル形式の宝探しイベントとして実施した.調査で取得した児童の移動経路データを,計画的な探索行動をとるものとそうではないものに分類したところ,計画的な探索行動をとる児童の割合は,紙上の探索課題で示されている割合よりも低くなることが確認され,実地のフィールド調査では紙上の探索課題にはない難しさがあることが示唆された.


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セッション 3G  セキュリティ設計・検証
日時: 2021年6月30日(水) 17:50 - 19:10
座長: 西垣 正勝 (静岡大学)

3G-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名車載通信システム向けサイバーセキュリティ対策立案手法の提案
著者*山内 知奈津, 河内 尚, 安藤 英里子 (日立製作所)
ページpp. 618 - 620
キーワードセキュリティ設計, 脅威, 対策立案
アブストラクトデジタル技術の活用が進む車載通信システムは,様々なユースケースや機器による複雑な構成のため,サイバーセキュリティ対策が必要十分に対策立案されているか把握することが難しいという課題と,必要十分な対策を設計実装するには既存以上の開発工数を要するという課題がある.本研究では,ユースケースとシステム構成を包含する対象システムを定義し,IEC62443のセキュリティ要件に沿った対策DBを整備して,対策DBと連携したセキュリティ設計自動化技術を開発した.その結果,セキュリティ機能の設計工数を従来比1/10の工数(従来:6カ月→3週間)に短縮した.

3G-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名自治体セキュリティモデルのためのリスクアセスメント手法の提案と適用
著者*佐々木 良一 (東京電機大学), 千葉 寛之, 甲斐 賢 (日立製作所), 木下 翔太郎 (日立コンサルティング)
ページpp. 621 - 628
キーワードリスク, リスクアセスメント, 自治体セキュリティ, セキュリティ
アブストラクト情報システムへの社会の依存度の増大により,情報システムに対するリスクアセスメントの重要性が増大してきている.総務省でも地方自治体のマイナンバー利用事務系,LGWAN接続系,インターネット接続系からなる3階層分離モデルに対し,セキュリティリスク,対策コスト,作業の負担度のバランスの取れた対策案の組み合わせを求める必要があった.著者らは,標的型攻撃のようにシーケンスが深い攻撃に対する定量的リスクアセスメント手法として,イベントツリー分析法とディフェンスツリー分析法を組み合わせたEDC法(Event Tree and Defense Tree Combined Method)を開発してきた.しかし,EDC法をそのままこのシステムに適用しようとすると,―祥茲良床岨愽犬魯灰好箸肇螢好低減効果だけに対応するものであり,それ以外に作業負担度も考慮に入れる必要がある,⊃入先が2か所あり,2段階の侵入を考慮したリスクアセスメントが必要である,B仂櫂轡好謄爐旅柔原案がαモデル,βモデル,β´モデルと複数あり,それぞれをベースにした対策案の最適組み合わせを求めるとともに,全体としての最適な対策の組み合わせを求める必要があるなどの問題があった.このような問題を解決するために,拡張EDC法とその支援プログラムであるPEEDCを開発し,地方自治体セキュリティモデルに適用した.その結果,拡張EDC法の有効性を確認するとともに,地方自治体のあるべきセキュリティ対策として種々の知見が得られたので報告する.

3G-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名BGPsecの評価に向けた実験用エミュレーションプラットフォームSQUABの改良
著者*梅田 直希, 矢内 直人, 竹村 達也 (大阪大学), 岡田 雅之 (長崎県立大学), 岡村 真吾 (奈良工業高等専門学校)
ページpp. 629 - 636
キーワードBGP, BGPsec, RPKI, Path Validation, 経路収束
アブストラクトBGPsec はインターネットの屋台骨として知られるBorder Gateway Protocol (BGP) に, 電子署名を導入することでインターネット経路情報の正当性を確保するプロトコルである. BGPsec の実験評価は十分に進んでいないことから, 著者らは近年に汎用的なBGP拡張プロトコルの評価用プラットフォームとして SQUAB (Scalable QUagga-based Automated configuration on Bgp, AINA 2021)を提案した. しかし, SQUAB の既存機能ではネットワークトポロジの記述及び経路収束の確認をユーザが手動で行わなければならないことから, 大規模なネットワークの実験には不向きであった. 本稿では, SQUAB に RIPE RIS で公開されている AS トポロジ情報から該当ネットワークを定義するファイルを自動で生成する機能を新たに導入する. また, ルータ間の通信データを取得する機能もあわせて導入する. BGP ルータのみのネットワークと BGPsec 混在ネットワークの比較実験においては, 経路選択に違いが見られた一方で, 収束時間には有意な差が見られないことが明らかになった.

3G-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名アドネットワークにおける広告効果指標の調査
著者*柴山 りな (明治大学 先端数理科学研究科 先端メディアサイエンス専攻), 草野 蘭之介, 菊池 浩明 (明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科)
ページpp. 637 - 643
キーワード広告不正, アドネットワーク, オンライン広告
アブストラクトインターネット広告は,効率的に広告を配信できるサービスとして大きく成長している.中でもディスプレイ広告はウェブサイトなどの掲載枠に画像や画像と文字の組み合わせで宣伝をする広告であり,認知拡大やコンバージョンの取得を目的として配信されている.インプレッション数やクリック数に応じて課金がされる仕組みである.ただ,広告枠に対する広告の掲載とそのクリック数などの効果指標の計測・報告はアドネットワーク業者が行っていて,その正確性を知ることは困難である.実際にあるまとめサイトが広告料が不正に横取りしていた事件も発生している. そこで本研究では,代表的なアドネットワークに広告を出稿して,流入したユーザの数,行動などを取得することにより,正しく広告が配布されているかを広告主の観点から調査することを目的とする.


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セッション 3H  デバイス・システム
日時: 2021年6月30日(水) 17:50 - 19:10
座長: 鈴木 彰真 (岩手県立大学)

3H-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名深層学習を用いた時系列データ予測モデルのAndroid端末上での性能評価
著者*佐藤 里香 (お茶の水女子大学), 山口 実靖 (工学院大学), 神山 剛 (長崎大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 644 - 649
キーワードAndroid, 時系列データ, TensorFlow Lite, 機械学習
アブストラクト近年, 機械学習や深層学習のモデルをスマートフォン等の端末側に組み込み, 推定処理を端末内で完結させる環境が整備されつつあり, 推定処理にリアルタイム性が求められるアプリケーションへの活用が期待されている. 本稿では, Android端末上でトラフィックの輻輳を予測し, 輻輳制御を行うシステムにおいて, このようなアプリケーション実装形態の実現可能性を検証すべく, 予め高性能なサーバで学習した深層学習モデルをTensorFlow Liteにより検証用アプリケーションに組み込み, その性能をサーバ上での予測精度や処理速度と比較し評価する.

3H-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名Android 端末上での無線 LAN 通信時の制御に向けたパケット送信の解析
著者*松野 瑛南 (お茶の水女子大学), 山口 実靖 (工学院大学), 神山 剛 (長崎大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 650 - 656
キーワードAndroid, 輻輳制御, 無線LAN, IEEE802.11ac/
アブストラクト近年,無線LAN通信の高速化の技術が進歩している.しかし,スマートフォン市場の拡大に伴い,無線端末の使用台数の増加していることに加え,ライブ配信の視聴などデータの通信量が増加している為に,使用可能な帯域を広げても輻輳は発生してしまう.また,無線LAN通信の高速化に伴い,有線側で古い機器を継続使用している環境では,無線側だけでなく有線部分がボトルネックになる事例がある.そこで本研究では,様々な原因で発生する輻輳を回避するために,従来の輻輳制御ミドルウェアを用いて新しいミドルウェアを構築した.輻輳制御ミドルウェアの構築を実現するために,現在使用している回線の混雑状況や通信状況を知る必要があり,本稿では,複数Android端末の同時通信時のTCPパラメータに着目したトラフィック解析を行う.解析結果から,従来の輻輳制御方式に無線環境だけでなく有線環境側の通信性能の影響で輻輳が発生した場合の制御を組み込む必要があることを示した.

3H-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名多様な環境で利用可能なマルチプロジェクター連携システムの提案と性能評価
著者*三田 昌輝 (東北大学大学院情報科学研究科), 阿部 亨, 菅沼 拓夫 (東北大学サイバーサイエンスセンター)
ページpp. 657 - 663
キーワードプロジェクターカメラシステム, 情報投影, エージェント
アブストラクト近年,小型プロジェクターの普及により,様々な環境で情報投影が可能となっており,特に投影範囲の拡大や投影の遮蔽を回避するために複数のプロジェクターを併用する研究が進められている. 本稿では,複数のプロジェクターを用いた情報投影の効果的な実現のため,各プロジェクターをエージェントとして構成し,高度な連携を行う新たなシステムを提案する. また,試作システムによる予備的な検証実験を行い,提案の有効性を確認した.



2021年7月1日(木)

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セッション 4A  ロボット自動運転
日時: 2021年7月1日(木) 8:50 - 10:10
座長: 重野 寛 (慶應義塾大学)

4A-1 (時間: 8:50 - 9:30)
題名(招待講演) 宅配ロボット、いよいよ解禁!課題と可能性について
著者谷口 恒 (株式会社ZMP 代表取締役社長)
ページp. 664
キーワード宅配ロボット

4A-2 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ドローン配送におけるセンサを活用した状態経過観察方式の開発
著者*古 尚樹, 中島 碩人, 黒部 誠規 (香川大学), 鎌田 典彦 (日本電気通信システム株式会社), 喜田 弘司 (香川大学)
ページpp. 665 - 671
キーワード異常検知, ドローン配送, 機械学習
アブストラクト近年、宅配・郵便局業界における人手不足を解消するために、ドローン配送が期待されている。ドローン配送ではドローンは自律飛行して配送するため、ドローン自らが異常を検知できる必要がある。 しかし、ドローン配送において異常検知すればすぐにその場で着陸するという対処は、人と衝突してしまう危険や、水上に着陸することで荷物の回収が困難になるなどの問題がある。そのため、ただ着陸するのではなく、異常に対して適切な対処が不可欠である。 そこで、ドローンに搭載されたセンサを用いて、ドローンの状態を推定し、その結果をもとに状態を経過観察することで異常判定する方式を提案する。異常判定結果から対策を打つことで、適切な対処をすることができる。本論文では、ドローンの動作コマンド(f、fcw、fccw)と、意図的に発生させた風(wind)を教師ラベルとして、センサによる学習を行い、作成したモデルからドローンの状態を推定し、その状態を経過観察する方式を開発した。状態推定では精度 0.72、状態経過観察方式による異常判定では、学習データには見られなかった急上昇するという挙動を異常と判定した。

4A-3 (時間: 9:50 - 10:10)
題名時空間ルーティングを用いた複数自律移動ロボットの協調走行
著者*福島 悠人, 浅井 悠佑, 浦野 健太 (名古屋大学大学院 工学研究科), 青木 俊介 (国立情報学研究所), 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科)
ページpp. 672 - 679
キーワード自律移動ロボット, 経路計画, 協調走行, デッドロック
アブストラクト本研究では, クラウドサーバを用いた経路共有による, 複数の異なる自律移動ロボットのデッドロックを回避する協調経路計画 システムを提案する.ここ数十年で自律移動ロボットの実用化が進み, 自律移動ロボットは決められた道を走行するだけでなく, 動的に変化する環境で柔軟に走行できるようになってきている. しかしながら, 自律移動ロボットの経路計画手法は, 狭い空間での将来のロボット同士の デッドロックや, 密集を想定できないという課題がある. 本研究では, 複数の自律移動ロボットが任意の時刻, 場所で目的地が与えられる環境を想定し, クラウドサーバを用いた経路計画によって, 停止や迂回によって先に計算された 経路を妨げないロボットの協調の実現を目指す. 最後に, 提案する経路計画アルゴリズムをクラウドサーバシステム上で実装し, シミュレーションされたロボットをもちいて本手法の判断の最適度, 処理能力の限界値を評価し, 実世界での実現可能性について考察する.


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セッション 4B  ウェアラブル
日時: 2021年7月1日(木) 8:50 - 10:10
座長: 大西 鮎美 (神戸大学)

4B-1 (時間: 8:50 - 9:10)
題名衣類型圧力センサとVAEを用いた日常生活行動中の無自覚打撲検知の実現に向けて
著者*小野瀬 良佑, 榎堀 優, 間瀬 健二 (名古屋大学大学院情報学研究科)
ページpp. 680 - 686
キーワードウェアラブルセンサ, 衣類型センサ, 異常検知, 日常生活行動
アブストラクト受傷理由不明の打撲が認知症高齢者の介護において問題となっている.事故の発生時刻や,衝撃を 受けた箇所がわかれば,受傷理由を特定するために有用である.本稿では,我々が過去に提案した衣類型圧 力センサを用いて体表面の圧力値を計測し,異常な衝撃成分の検知を試みる.打撲による衝撃はパターン 数が多いと考えられ,学習モデル内での網羅が難しいため,正常データパターンからの距離を異常スコア として判定する,教示なし異常検知手法を導入する.一般的に,再構成誤差を損失とした生成ネットワー クは,学習に用いたデータパターンを再構成することができる.日常生活中のデータパターンのみを学習 させた生成ネットワークは,日常生活中に発生しづらい衝撃成分は再構成できずに失敗すると考えられる. この特性を活かし,再構成誤差を異常スコアとして,再構成誤差の大きいデータを異常として検知する. 学習させる正常データとして必要な日常生活中の衣類上の圧力変化パターンを収集するために,7 名の被 験者を対象として衣類型圧力センサ着用時の日常生活行動を想定した圧力変化値を計測した.日常生活中 のデータパターンを収集するために,被験者に 8 つの日常生活タスクを課した.提案手法を評価するため の衝撃データを得るために,衝撃の圧力変化成分をマネキンを用いて別撮りし,正常データに重ね合わせ ることで擬似的に作成した.擬似衝撃データを用いて提案手法を評価した結果,異常検知の ROC-AUC 値 は 0.718 ± 0.029 に達した.

4B-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名効率的な衣類上の無線電力伝送実現にむけたコイルの形状・サイズとズレ・曲げが及ぼす影響評価
著者*宇野 葵, 奥田 崇礼, 宮路 祐一, 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
ページpp. 687 - 695
キーワード無線電力伝送, ウェアラブル
アブストラクト近年,ウェアラブルデバイスの普及に伴い,複数のデバイスを同時に着用する機会が増えている.しかし,このことは各デバイスの電源管理の手間の増加という新たな問題を引き起こしている.これに対して,電源を一元化し,無線電力伝送によって衣類上を介し各デバイスに電力を供給することで,個々のデバイスの電源管理の手間を削減することが期待できる.そこで本研究では,ウェアラブル上での無線電力伝送に適したコイルの形状やサイズを明らかにすることを目的とし,各コイル形状,サイズの組み合わせにおける伝送効率の調査をした.コイルについて,5つの形状と4つの大きさを用いて,コイル間のズレやコイルの曲げが発生する状況下において,シミュレーションにより伝送効率を評価し,コイルの形状やサイズによるズレや曲げに対する耐性を明らかにした.結果から,送電側が正方形,円形の場合,受電側が正方形,円形,正六角形では,送受電に5cm,10cmのコイルを使用した組み合わせ,受電側が正三角形,長方形の場合は送受電に10cmのコイルを使用した組み合わせでズレや曲げに対して耐性がよいことが分かった.また,送電側が正三角形の場合,送受電に使用するコイルを10cmとすることで,受電側のコイル形状によらずズレや曲げに対する耐性が向上することが分かった.

4B-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名マルチタッチを生成する電極アレイを搭載した指サックの設計と実装
著者*岡本 真梨菜 (立命館大学情報理工学部), 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部/JSTさきがけ)
ページpp. 696 - 701
キーワードスマートフォン, マルチタッチ, 電極アレイ, 入力インタフェース
アブストラクトスマートフォンやノートパソコンなど静電容量式タッチパネルを搭載した機器が広く普及し,ユーザは指やタッチペンで画面に触れることで直接的な入力ができるようになった.スマートフォンなどのタッチパネルの入力方法として,1本の指を使うシングルタッチと複数の指を使うマルチタッチがある.現状,マルチタッチを行うには指を2本使う必要がある.本研究では,片手でスマートフォンを持っている状況でもマルチタッチを親指だけで行うために,指サック型のマルチタッチを生成するデバイスを構築する.提案デバイスは,Arduino Uno,メカニカルリレーから成る回路,電極アレイ,圧力センサ,電源で構成される.各電極を個別のリレーに接続し,リレーがオンのとき,対応する電極がGNDに接続される.マルチタッチは,複数の電極を連続的に接地させ,静電容量変化の重心点を移動させることで生成する.電極アレイをタッチパネルに接触させることで指でタッチパネルに触れたかのように認識し,タッチが生成される.プロトタイプデバイスを作成し,予備実験でタッチインタラクションを生成するうえで適切な電極の間隔を調査した後,デバイスを実装した.

4B-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名ディスプレイを用いて光電脈波センサに任意の脈波を計測させる手法の提案
著者*藤井 敦寛 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科/JSTさきがけ)
ページpp. 702 - 708
キーワード脈波センサ, スマートウォッチ, ディスプレイ, 脈波生成
アブストラクト脈波センサは光電式容積脈波記録法(PPG)と呼ばれる方式のものが一般的である.光電脈波センサは機構の特性上,データの取得に血流を必要とするが,義手やウェアラブルロボットアームなど人工的な身体にスマートウォッチを装着する場合,血流が存在しないため正しいデータが取得できない.そこで,ディスプレイを用いて光電脈波センサに任意の脈波データを計測させる手法を検討する.本手法が実現すれば,身体と義手の接合部などで計測された脈波を入力することで,その値を義手に装着したスマートウォッチに読み取らせることが可能となる.本稿では心拍数に注目し,目標とする任意の心拍数を入力することでディスプレイを制御し,ディスプレイ上に装着したスマートウォッチで目標とする心拍数が取得できるか調査した結果について述べる.ディスプレイ描画プログラムとスマートウォッチアプリケーションを実装し,スマートウォッチと2台のディスプレイを使用して評価実験を行った.その結果,目標心拍数とスマートウォッチで計測された心拍数の誤差がDisplay Aで平均-1.8回,Display Bで平均-1.6回であり,全体で-3回以内と高い精度で心拍数を再現できた.


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セッション 4C  予測と異常検知
日時: 2021年7月1日(木) 9:10 - 10:10
座長: 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学)

4C-1 (時間: 9:10 - 9:30)
題名大規模公園環境におけるWiFiパケットセンサデータの利活用に関する分析と課題
著者*村井 大地, 浦野 健太 (名古屋大学大学院工学研究科), 青木 俊介 (名古屋大学 未来社会想像機構), 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
ページpp. 709 - 715
キーワードWi-FIパケットセンサ, 時系列データ
アブストラクト地下鉄やショッピングモールなどの公共エリアにおいて,利用者の行動パターンの把握は,混雑度の緩和や メーケティングの提案において重要である.一方,Wi-Fiパケットセンサを用いた人流分析が登場してきた.Wi-Fiパケットセンサ1つで混雑度推定や人流推定を行うことができる.しかし,プライバシーの観点から,MACアドレスをランダマイズ化する機能を搭載したスマートフォンが増えており,人流分析や混雑度推定において影響されることが考えれらる.我々は59ヘクタールの広大な敷地を有する愛知県名古屋市の東山動植物園に,35箇所のWi-Fiパケットセンサを取り付け,継続的なデータの収集を行っている.本研究ではランダムアドレスのデータ,ユニークアドレスのデータそれぞれにおいて,東山動植物園という実環境において有用性を検証する.

4C-2 (時間: 9:30 - 9:50)
題名実世界オブジェクトを用いた生活空間内における事故予測支援システムの実装
著者*古田 瑛啓 (日本大学 文理学部), 大河原 巧 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科), 村山 優作 (日本大学 文理学部), 呉 健朗 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
ページpp. 716 - 721
キーワード実世界オブジェクト, 事故防止, 物体認識, ユビキタス, 予測支援
アブストラクト我々の生活空間内では死傷者を伴う事故が発生している.生活空間内における将来起こりうる事故を防ぐためにはありとあらゆる場所に存在する事故の原因を予測し,その事故の原因を把握する必要がある.しかし,知識の少ない人にとって起こりうる事故や危険を予測するのは困難である.そこで,デバイスのカメラで実世界オブジェクトを写すと,そのオブジェクトに関連した事故の予測を支援するシステムを提案した.提案システムには,画像認識を用いて実世界オブジェクトを推定するシステムを実装した.本稿では実装した画像分類器の実装と分類器の精度を評価した.

4C-3 (時間: 9:50 - 10:10)
題名オートエンコーダを用いたセンサノードの異常検出手法の検討
著者*須山 敬之 (大阪工業大学), 水谷 伸, 岸野 泰恵, 白井 良成 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
ページpp. 722 - 727
キーワードセンサネットワーク, 異常検知, オートエンコーダ
アブストラクト本稿ではセンサネットワークに配置されたセンサノードの異常状態を検出する手法について検討した結果を報告する.我々は限られたリソースしか持たないセンサノード上でセンサデータの分析を行い,その結果のみをセンタに送信することにより,センサネットワーク全体のリソースを最適化する方式について研究している.データを解析した結果のみを送信する場合,センサノードに異常などが発生し,センタではセンサノードの異常を認識できず誤った結果が蓄積される可能性がある.ここではそのような状況を回避するため,センサノード内で発生している異常をオートエンコーダを用いて検知する手法について検討を行った.


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セッション 4D  画像認識と自律移動体処理
日時: 2021年7月1日(木) 8:50 - 10:10
座長: 藤本 まなと (奈良先端科学技術大学院大学)

4D-1 (時間: 8:50 - 9:10)
題名自律走行台車を活用した2次元点群情報による人物検出手法
著者*永井 悠人, 澤野 雄哉 (神奈川工科大学大学院/清原研究室), 寺島 美昭 (創価大学), 鈴木 孝幸, 清原 良三 (神奈川工科大学)
ページpp. 728 - 733
キーワードセキュリティ, 人物検出, 点群処理, LiDAR
アブストラクト自動運転技術の研究開発が活発であり,これらの技術の様々な分野への応用も期待されている.例えば,自動走行ロボットや台車など人以外のものを載せて運んだり,移動することに意味のある機能に活用することが期待されている.様々な応用が考えられる中,自律走行台車は,昼間は台車,夜間は警備,人が多いときにはデジタルサイネージなど複数の用途が期待される,そこで,神奈川工科大学では昼間は配送ロボットとして活用し,夜は悪意のある侵入者への抑止効果と悪意のない侵入者の検知に利用することを目的として,自律運転機能を備えた台車型の自動走行ロボットを開発している.本論文では,カメラのように光度の影響を受けず3D-LiDARと比べ比較的安価で情報量の少なさから処理の削減が見込める2D-LiDARを利用し人物を検知する事を目的とし,取得した点群情報を点群として直接学習させるための検討を行ったので報告する.

4D-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名人と共存する自律移動ロボットにおける安全性と効率性を考慮したナビゲーション手法の評価
著者*天野 加奈子, 加藤 由花 (東京女子大学)
ページpp. 734 - 740
キーワード自律移動ロボット, 強化学習, ロボットナビゲーション
アブストラクト近年,人と共存する自律移動ロボットに対する期待が高まっている.これらサービスロボットには,安全性に配慮した動作が求められ,特に,歩行者が存在する動的環境下で行動する移動ロボットの場合,ロボット自身が歩行者を認識し,回避行動をとる必要がある.我々はこれまで,歩行者を回避しつつ効率的に目標位置に到達するロボットの行動を強化学習により獲得し,それを経路計画に利用する手法を提案してきた.ここでは,時間の経過と歩行経路への侵入に対して負の報酬を与えることで,安全性と効率性の双方を考慮した行動を学習させた.本稿では,提案したナビゲーション手法を小型車輪型ロボットに実装し,実機においても提案手法が有効に機能することを検証する.ここでは,学習機構と合わせて,センサーによる人物追従機能,環境地図作成機能,自己位置推定機能をロボットに実装し,評価実験を行う.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4D-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名浮流無線観測機を用いた省労力下水管検査システムのための映像閲覧システムの構築
著者*近本 祐介, 立花 誠也, 堤 悠喜 (静岡大学総合科学技術研究科), 澤野 弘明 (愛知工業大学), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 741 - 749
キーワード下水管検査, センサネットワーク, 映像集約, 撮影位置推定
アブストラクト高度経済成長期に敷設された下水管の老朽化に伴い,下水管の検査や修復作業が全国的に必要となっている.しかしながらその時間的,人的コストが作業実施の障壁となっている.筆者らは,下水管検査の短時間化や人的コストの削減を目指し,小口径下水管を対象とする浮流無線観測機による下水管検査システムの開発を進めている.このシステムでは無線通信が可能な浮流無線カメラユニット(浮流ノード)を下水管へ投入し,下流のマンホール下に設置された無線LANアクセスポイント(AP)を介して映像データを回収する.そしてAPからクラウド上の集約サーバへセルラ通信等を経由して映像データを集約する.集約された映像データは撮影位置とひもづけられた形で検査担当者が閲覧可能とする他,自動診断による障害箇所特定に用いられる.本システム実現のために,複数の浮流無線ノードによる協調型映像送信プロトコルの設計・開発が進められてきたが,映像転送されたデータのサーバへの集約ならびに位置と紐づけられた映像データの掲示システムの実装は行われていなかった.本稿では,撮影された映像と撮影位置を対応づけるため,線形補間によって浮流ノードの位置を推定する手法の提案とその実装について述べる.下水道を模したテストベットでの実験の結果,提案手法における映像データの推定位置誤差は,検査員が障害箇所を特定する上で支障のない範囲に収まっていることが確認できた.

4D-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名事前予測による物体検出の推論実行効率化
著者*田中 美帆, 鈴木 貴久, 豊永 慎也, 松倉 隆一 (富士通株式会社)
ページpp. 750 - 759
キーワードAI, 物体検出, 推論処理, 動画, GPU
アブストラクト機械学習の認識精度の向上により,日常のさまざまな場面で機械学習が用いられるようになってきた.例えば,道路や交差点に設置されるカメラにより,渋滞や事故などの状況を人間に代わって判断し,通知できる.しかしながら,GPUは高価であるため,GPUの処理を効率化して相対的にコストを下げることが重要となる.意味のあるイベントは頻繁には発生しないことに着目し,簡易な方法で認識結果を予測することで,変化の少ないフレーム画像の認識処理を回避・抑制する方式を提案した.実現における課題は次の3つである.(1)前のフレーム画像と同じ推論結果が得られる画像(類似画像)の簡易判定方法.(2)GPUの推論処理と競合しないシステム全体のスケジューリング.(3)GPUでの推論処理の上限に合わせたフレーム画像数の調整,である.評価では,高速道路のカメラ画像(25fps)から走行中の自動車台数を計測するケースを想定した.既存研究では,カメラ画像を4fpsに間引きし4並列で処理したが,本方式では25fpsのカメラ画像を類似度判定することができた.この結果,評価で利用したカメラ画像では,GPU上での推論処理対象のフレームレートが25pfsから1.3fpsに変換され,同時に8台のカメラ画像を処理可能であることが示された.全体として12.5倍 (25fpsを8並列, 200fps)の処理向上が得られた.


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セッション 4F  会話支援
日時: 2021年7月1日(木) 8:30 - 10:10
座長: 塩澤 秀和 (玉川大学)

4F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名効果的な意思疎通を促すオンラインミーティングシステムの構築と評価
著者*安永 貴之, 小口 寿明, 児矢野 友香, 土井 沙耶香, 三谷 洋之, 赤垣 慎吾, 飛田 博章 (東京都立産業技術大学院大学)
ページpp. 760 - 765
キーワードオンラインミーティング, グループコミュニケーション, CSCW, コミュニケーション支援, 表情認識
アブストラクトカメラをONにして顔を見せなくても場の雰囲気や相手の表情,意見を伝えることのできるオンラインミーティングシステムの仕組みをWebアプリケーションとして構築した.既存のOSSのミーティングシステムである,BigBlueButtonを実装の基盤として,話者の顔の動きに追従する2Dアバターと3Dアバターにより,視覚的な意思伝達を実現した.更に,発話内容から,自動投票を行い,発話内容のネガティブさやポジティブさ,会議の話題や,会議の活発さなどをレポートで表現することで,場の雰囲気や意見を可視化した.

4F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名消極的発話者の発言率向上を目的とした音声による個別指示議論支援システムの開発
著者*鍋谷 航平, 村岡 泰成, 石川 誠彬, 江木 啓訓 (電気通信大学院 情報理工学研究科情報学専攻)
ページpp. 766 - 773
キーワード議論支援, 音声
アブストラクト本研究は,個人の発言量から適切な指示や助言をすることで,発言量の少ない消極的発話者の発言を支援するシステムを提案する.少人数グループによる議論を通じた学習の場面を対象とする. 議論の場において,発言が一部の参加者に偏るという問題がある.議論を通じた学習の場面では,参加者全員が自分の意見をもち,発言することが望ましい. これに対して,対象者のみに内容の伝達を行う支援手法を提案する.個々の参加者に対して音声による個別指示を行うことにより,他の参加者を意識せずに伝達された内容に基づく発言が可能となる.また,必ずしも全員に対して整合性の取れていないような働きかけも可能である. 評価実験として,1グループ4人の計4グループに対して2回ずつ議論を行った. 音声による個別指示を行うことで,一時的に指示対象者の発言率を向上させることができた. 一方で,指示対象者の中には,個別指示の効果が表れにくい被験者が存在した. そのような被験者に共通する点として,本システムに対して非好意的であることが議論後のアンケートから分かった.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
4F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名会議円滑化支援を目的とした気持ち可視化ボタンの提案
著者*阿部 花南 (明治大学大学院 先端数理科学研究科), 築舘 多藍, 桑宮 陽, 小林 稔 (明治大学 総合数理学部)
ページpp. 774 - 783
キーワード意思表示, 会議支援, 遠隔会議, CSCW, ボタン
アブストラクト会議など複数人で行われる議論の場において,沈黙が生じてしまい議論が円滑に進まず,有意義な議論を行うことができないという問題が起こることがある.この原因の1つとして,議論において各参加者の気持ちが参加者間で共有されず,議論を進めるべきか,深めるべきなのかの判断が困難なことがあると考える.この問題を解決することを目的に本研究では,会議参加者に任意のタイミングで匿名性を保ちながら,「賛同します」,「反対します」,「意見あります」の3つの会議進行に影響する気持ちの可視化を支援するボタンシステムを提案し,提案システムを用いた評価実験を行った.その結果,参加者の主観評価において,提案システムのデザインや議論の活発化に高い評価が得られた.本報告では,評価実験の結果を報告し,提案システムのユーザインタフェースや議論に与えた影響について議論する.

4F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名議論における強調に対する主観的評価と韻律特徴の分析
著者*居原田 梨佐, 村岡 泰成, 石川 誠彬, 江木 啓訓 (電気通信大学院 情報理工学研究科 情報学専攻)
ページpp. 784 - 790
キーワードグループ議論, 強調
アブストラクト本研究では,議論において話者が強調して発言したと認識する部分と,聞き手によって話者が強調 して発言したと認識する部分を比較し,強調に対する主観的評価と韻律特徴について分析する.そこで,議論において話者が強調して発言したと認識する部分と,聞き手によって話者が強調して発言したと認識する部分それぞれについて,話者と聞き手それぞれの主観的な評価を収集する.強調したと認識した発話部分について,韻律特徴であるピッチ標準偏差およびパワー標準偏差から分析する.分析の結果,自由議論と原稿有議論では強調が一致する割合に大きな差がみられず,事前にはっきりと強調すべき部分を把握していても,聞き手に正しく伝わるような強調を表現することは難しいことがわかった.また,今回分析したピッチ標準偏差およびパワー標準偏差では,強調が一致しているかどうかを検出することは困難であり,結果で得られた強調の認識の理由である話速や断定のキーワードなどを分析する必要が示された.韻律的な強調表現は種類が少なく,話者と聞き手で強調の認識に関わる要素が一致しやすい可能性が高い.そのため,話者と聞き手の強調を一致させるには,韻律的な強調の表現を習得すること が効果的である可能性が示唆された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4F-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名言葉づかいに着目した褒め方の上手さの推定モデルの基礎検討
著者*大串 旭 (日本大学文理学部), 大西 俊輝, 山内 愛里沙 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 石井 亮, 杵渕 哲也, 青野 裕司 (日本電信電話株式会社 NTTメディアインテリジェンス研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 791 - 797
キーワードマルチモーダルインタラクション, コミュニケーション, 褒める, 機械学習
アブストラクト日常生活において,褒める行為は大切なコミュニケーションであるが,上手く褒めるためにどのような行動を取れば良いのか明らかにされていない.そこで我々は上手く褒めるためにどのような行動が重要であるかを明らかにし,褒め方の上手さを評価するシステムの構築を目指す.本稿では,褒める際の発話内容から褒め方の上手さを推定することが可能であるか明らかにする取り組みを行なう.はじめに,褒める際の発話内容から抽出した言語情報(単語数や品詞の出現頻度,極性値,抽象度)に関する特徴量を抽出した.次に,言語情報に関する特徴量を用いて褒め方の上手さの評価値を推定する機械学習モデルの構築を行なった.最後に,褒め方の上手さを推定するために重要な特徴量がどのような言語情報であるのかを分析した.その結果,褒める際の発話内容から褒め方の上手さをある程度推定可能であることが明らかになった.また,褒め方の上手さを推定するために重要な言語情報として,単語数や形容詞などの特定の品詞の出現頻度が重要であることが明らかになった.


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セッション 4G  システム制作
日時: 2021年7月1日(木) 8:30 - 10:10
座長: 阿倍 博信 (東京電機大学)

4G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名歩行リハビリの支援と実施履歴を管理するシステムの提案と開発
著者*松岡 基揮, 小笠原 千紘, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科)
ページpp. 798 - 804
キーワードリハビリ, 深度カメラ, CG, インタラクション, センサ
アブストラクト日本では,超高齢化社会の進行によってリハビリを必要としている人が増加傾向にある.そして,効果的なリハビリを実現するために,リハビリ施設や医療従事者とともに,リハビリを支援するITの需要も高まっている.リハビリでは,辛く感じてしまうことや,効果を実感できないことが原因となり,患者のモチベーションが低下してしまうことが大きな問題となっている.そのため,リハビリのモチベーションの維持・向上を実現するためには,患者にリハビリを楽しく感じてもらうこと,リハビリの効果を実感してもらうことが重要になる.そこで,本研究では歩行リハビリの支援と実施履歴を管理するシステムの提案と開発を行う.歩行者の足の位置によってインタラクティブに変化する映像を床に投影することでリハビリの楽しさを実感させ,歩行に関する様々な情報を取得することでリハビリの効果を実感することができるシステムの実現を行う.

4G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名手話習得のための動作認識に基づく事前学習システムの開発
著者*渡辺 雄大 (金沢工業大学大学院工学研究科), 佐野 渉二, 中沢 実 (金沢工業大学工学部)
ページpp. 805 - 812
キーワード事前学習, 無意図, 動作認識, 囁き, 手話
アブストラクト我々は多くのことを学びたい欲求はあるが,初めて学ぶことについては学ぶことを意識すると学習が継続しないことが多い.これは,学ぶ対象が難しいと感じていることが理由の部分もある.本稿では,意図した学習は継続しがたいことを考慮した事前学習として,手話を対象に学習者が意図しない中である程度のことを学ぶことができる事前学習支援システムを提案する.提案システムでは,学習対象とは関連がない動作を行う中で手話の動きと一致した場合に,その動きの手話を音声で発する.これを繰り返す中で,動きと音声が結びつくことにより手話を学ぶことができる.けん玉とヨーヨーに関する一人称研究と称して行った評価実験において,事前学習の効果で手話テストでの正答率が向上し,意図しない中で手話の学習を一定程度行えることを示した.

4G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名ライブカメラ映像を対象とした プライバシー指向映像管理方式 の提案
著者*松本 哲, 義久 智樹 (大阪大学), 川上 朋也 (福井大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構)
ページpp. 813 - 816
キーワードプライバシー指向, インターネットライブ配信, 分散処理, クラウドコンピューティング, エッジコンピューティング
アブストラクト近年,公の機関が管理するネットワークに繋がったライブカメラが多く設置され,高解像度化,高性能化している.また,一部の交差点などにあるライブカメラはWEB上で一般公開されている.被撮影物体の映像利用方針の高速把握が難しいために,一般的にライブカメラのシステムにおいて,プライバシー保護機構を適切に設計することは難しいと考えられていた.本研究では,「エッジカメラサーバ連携」「ルール型映像利用方針記述」「共用映像加工認識」と呼ぶ革新的な技術を備えた映像管理方式により,一般の人々が視聴できるライブカメラ映像におけるプライバシー指向映像管理方式(プライバシーの保護を考慮した映像管理方式)を可能にする事を目指し提案する.特に,視聴者の立場により,配信される映像の画像フレーム毎にぼかし処理を自律的に施すなどの情報隠匿を行う機能について,効率化を図る.それにより,配信時に遅延やフレーム落ち等が起こらないようにする保護処理方式の提案をおこなう.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4G-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名音楽的リズム感に注目したサッカードリブル練習方法としてのリズムゲームの提案
著者*森 拓輝, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 817 - 824
キーワードスポーツ, ゲーム
アブストラクトサッカーにおいてドリブルは試合中に最もよく行われる動作の1つであるため,ドリブル技術の向上は必要不可欠である.ドリブル技術を向上させるにはリズム感を高めることが重要であるが,サッカーにおけるリズム感の向上を目指した練習方法や解説動画は少ない.そこで本研究では,音楽的なリズム感に注目した新たな練習方法としてドリブル動作を用いたリズムゲームを提案する.プレーヤは時間内にできるだけ高いスコアを取るようにドリブル動作を行うため,ドリブル技術の向上が期待できる.評価実験ではドリブルテスト,およびリズムテストを3種類行い,スコアを算出した.また,リズムゲームのプレイ前後での各テストのスコアの変化に関する調査を行った.その結果,リズムテストでは従来の練習に比べ,リズムゲームのプレイによるスコアの有意差は生じなかったが,ドリブルテストにおいては提案システムを用いた練習を通じてスコアの向上がみられた.提案システムを用いた練習方法では,リズムを意識したドリブル練習を通してドリブル技術が向上する可能性が示唆された.

4G-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名講義スライドに基づく課題自動生成のためのLinked Data生成手法の提案
著者*石井 佑弥, 梶岡 慎輔, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 825 - 832
キーワードLinked Data, アノテーション, オンライン授業, 双方向性
アブストラクト近年,日本だけでなく世界的に新型コロナウイルスが流行しており,感染者数は増加の一途をたどっている.その影響により,リモートワークやソーシャルディスタンシングが実践されるようになったことで,ビデオ会議などのビジネスコラボレーションツールの使用が記録的な増加を示している.そこで学習面で対面授業との比較がされており,オンライン授業の問題点が挙げられている.その問題点として,オンライン授業ではコミュニケーションが不足し,質の高い授業を行うための到達度確認ができない事が挙げられる.一般的に到達度確認のためには小テストが有効だが,一問一答形式の問題はWeb 検索で容易に答えを見つけられるといったことや出題する問題が同じだと学生同士で話し合って問題を解答する等の不正行為が容易でなので,これらの問題点を解決する問題形式が必要となる.そこで本研究では,講義スライドのアノテーション付きLinked Data生成システムを提案する.Linked Data生成によって直接的に本研究の目的であるオンライン授業の双方向性を確保することにはつながらないが,今後本研究で生成されたLinked Dataを用いて課題を生成することにより,生徒からの応答を得る仕組みとなり,双方向性を確保できるシステムとなる.また,提案システムに基づいてプロトタイプシステムを実装し,評価実験を行った.その結果,特徴語抽出の精度と特徴語抽出の適切な個数を推定することができた.


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セッション 4H  農業
日時: 2021年7月1日(木) 8:30 - 10:10
座長: 山口 実靖 (工学院大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4H-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名養蜂のための外敵検出カメラシステムの開発
著者寺田 充樹, *佐藤 証 (電気通信大学/情報理工学研究科)
ページpp. 833 - 837
キーワード機械学習, 画像認識, エッジコンピューティング, IoT, 養蜂
アブストラクト養蜂場に大きな被害を与えるミツバチの襲来を検知するため,機械学習による物体認識アルゴリズムを実装したカメラシステムを開発した.養蜂場で撮影したスズメバチの動画とインターネットで収集した画像を用いて学習モデルを生成し,マイコンボードRaspberry Piにアルゴリズムを実装してその精度と速度の評価を行った.SSDアルゴリズムを用いたサンプル動画によるテストでは,平均で92.9%の検出精度が得られた.誤検知も発生しているが,そのときの信頼度は最大でも62%であったため,検出の閾値をこれよりも高く設定することで誤検知をなくすことが可能である.Raspberry Pi 4 Model BにTensorFlow Liteを実装し,Wi-Fi接続した10台のカメラでスズメバチの映像を転送したときの処理性能は1台当たり1フレーム/秒となり,本システムの十分な実用性が示された.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4H-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名小型・省電力センサによるスマート養蜂システム
著者*吉竹 隆也, 佐藤 証 (電気通信大学/情報理工学研究科)
ページpp. 838 - 843
キーワードIoT, センサ, 電子回路, 養蜂
アブストラクト養蜂のためのスマートシステムの実用化に向け,無線通信機能を備えた32ビットマイコンESP32-WROOM-32を実装した小型・省電力センサモジュールを開発した.マイコンを低消費電力のDeep Sleepモード動作させることで,モバイルバッテリーや乾電池で数ヶ月の動作を目指している.接続数の限られたモバイルルータでも,センサ側で通信を順次切り替えて数十台の接続でき,センサデータは軽量通信プロトコルMQTTで,Raspberry Piサーバに送信されスマートフォン等で遠隔でのモニタが可能である.養蜂場に設置したセンサにより,季節,時刻,天候等による巣箱の重量変化から蜂蜜の採取や,逆に給餌をするタイミングを計ることが可能になり,温湿度は巣箱内のミツバチの状態を把握するのに有用であることが示された.

4H-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名スマート都市農業のための水耕栽培装置用センサモジュール
著者*田中 天翔, 佐藤 証 (電気通信大学/情報理工学研究科)
ページpp. 844 - 849
キーワードスマート農業, センサ, IoT, 電子回路
アブストラクトスマートフォンで遠隔管理を行う個人用の小型水耕栽培装置の製品化に向け,小型化と液肥濃度測定回路の改良を行ったセンサモジュールを開発した.濃度測定時の電力を抑えて電極の劣化を防ぎ,またADコンバータの特性評価による回路パラメータの設定と,3次曲面による近似では重み付き最小二乗法を用いることで,精度の向上を図った.その結果,濃度測定範囲0.25~3.5mS/cmにおいて±0.8%f.sという高い性能が得られた.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4H-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名栽培データの分布不均衡性を考慮した植物生理状態推定の検討
著者*藤浪 一輝 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 大石 直記, 二俣 翔 (静岡県農林技術研究所), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域)
ページpp. 850 - 857
キーワード農業, 機械学習, 不均衡, リサンプリング
アブストラクトスマート農業の一環として栽培管理支援システムの開発が進められており,光合成速度や蒸発散速度といった植物の生理状態を推定する技術が期待されている.植物生理状態の既存の推定手法は設置コストの高さや栽培管理の妨げなど実用面での弊害が存在する.そこで,本研究では低コストかつ非接触なセンサデータから機械学習で推定する手法を検討する.機械学習を用いる場合の懸念として栽培データの不均衡性問題があり,推定精度の低下が危惧されるため,リサンプリング処理を適用しデータ分布を変化させることで推定精度の向上を図る.既存手法では目的変数の不均衡性のみに着目しており説明変数の分布を考慮していないため,一部の環境条件の情報を失う可能性がある.そこで,各環境条件の情報を保持したまま不均衡性を解消するリサンプリング手法としてCREAMER(Clustering-based REsAmpling MEthod for Regression)を提案する.CREAMERはクラスタリングにより分割した各クラスタにリサンプリングを適用することで,クラスタ間のデータ数が均等になるように変換する.イチゴの光合成速度と蒸発散速度について既存手法とCREAMERを適用した際の推定精度の比較検証を行ったところ,既存手法よりも高精度に推定できることを確認できた.

4H-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名データ送信量解析を用いた農業IoTセンサネットワーク異常検出手法の提案
著者*中濱 広夢 (創価大学大学院 理工学研究科), 清原 良三 (神奈川工科大学 情報学部), 斎藤 正史 (金沢工業大学 情報フロンティア学部), 寺島 美昭 (創価大学大学院 理工学研究科)
ページpp. 858 - 864
キーワード送信量解析, センサネットワーク, スマート農業, 異常検出, データ送信量
アブストラクト本稿では,広域な農地に複数のセンサ端末を配置して相互に水位や温度等の観測情報を交換する事により,迅速な広域状況の把握を行うセンサアドホックネットワークを対象に,外部から観測できるセンサ端末のデータ送信量の変化を比較解析することによって,異常箇所を早期かつ高精度に検出するセンサネットワーク異常検出手法を提案する. 提案手法では,通常通信時のデータ送信量から動作傾向を解析し基準データを作成し,この基準値データと異常通信時のデータ送信量の差分誤差から異常箇所を検出する.無線センサネットワークでは,無線特有である通信の不安定性による外れ値や,通信の環境に応じた通信路の変化によって正確な異常箇所の判断が難しい.そのため,異常検出手法では,正常な箇所を異常と見なす誤検出の割合を計算し精度を確認し,この誤検出を低減することで高精度化する必要がある.提案手法の理論的な検証のために,ネットワークシミュレータ評価により,送信量解析による異常検出を行う実現性と検出精度についての考察を述べる.


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セッション 5A  CSEC/SPT統一セッション
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 金岡 晃 (東邦大学)

5A-1 (時間: 10:30 - 11:00)
題名(招待講演) 脆弱性管理と資産管理との連携への取組み
著者寺田 真敏 (株式会社日立製作所/東京電機大学)
ページpp. 865 - 866

5A-2 (時間: 11:00 - 11:20)
題名64bit Linuxディストリビューションにおけるメモリ破損攻撃対策技術の適用状況調査
著者*三浦 向平 (東京電機大学 システムデザイン工学研究科), 八槇 博史 (東京電機大学 システムデザイン工学部)
ページpp. 867 - 873
キーワードメモリ破損攻撃, 64bit版のLinuxディストリビューション, 対策技術の適用状況, checksec
アブストラクトバッファオーバーフローに代表されるメモリ破損攻撃には,様々な種類の対策技術が存在する.既存研究においては,3種類,3バージョン,32bit版のLinuxディストリビューションに標準で含まれる,バイナリの対策技術の適用状況の調査や,64bit版を含めたディストリビューションのバイナリについて調査した研究結果が既に存在している.しかし,これらの研究においては,2021年現在においてリリースされている最新のバージョンを調査対象としていない.ディストリビューションの種類や年代が異なれば適用される防御方法もまた異なるため,本研究で最新のバージョンも含めたうえで新たに調査を行い,4種類の対策技術の適用状況についてさらなる明確化を行った.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5A-3 (時間: 11:20 - 11:40)
題名サイバー攻撃分析のためのセキュリティ情報検索システム
著者*添田 綾香, 長澤 龍成, 長田 侑樹, 白石 善明 (神戸大学), 冨田 裕涼, 箕浦 翔悟, 毛利 公美 (岐阜大学), 森井 昌克 (神戸大学)
ページpp. 874 - 882
キーワード脅威情報, セキュリティレポート, トピックモデル, 潜在意味解析, 関連文書検索
アブストラクトインターネットのインフラ化に伴い,企業や組織を標的としたサイバー攻撃が高度化・多様化してきている.組織の被害を最小限にするために,セキュリティ管理者は現在起こっているインシデントに関する情報を収集し,迅速に対応しなければならない.分析対象の事象に関わる具体的なキーワードがあらかじめわかっている場合には一般の検索エンジンで情報を得ることは可能である.しかしながら,適当なキーワードをセキュリティ管理者が想起できない場合は一般の検索エンジンでは良い結果が期待できない.そこで本論文ではシステムに残ったIndicator of Compromise(IoC)情報をもとに,汎用的な検索エンジンを利用するより速く望ましい脅威情報を収集できるセキュリティレポート検索システムを提案している.本システムの検索には,トピックモデルの一種であるLDA(Latent Dirichlet Allocation)を用いて付与した検索用ラベルと特徴ベクトルを用いている.提案システムは汎用検索エンジンよりも単純なキーワード検索では到達できない文書に容易に到達できることを確認している.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5A-4 (時間: 11:40 - 12:00)
題名インパクト分析のためのオントロジーによる脆弱性情報の体系化
著者*筒井 巧, 白石 善明, 森井 昌克 (神戸大学)
ページpp. 883 - 892
キーワードCVE, 体系化, 複合型攻撃
アブストラクト脆弱性情報データベースには脆弱性が次々と報告され,これらはサイバー攻撃の対象となることがある.脆弱性情報データベースに公表されている5年分のデータを分析したところ,登録されている製品のうち半数以上が複数の脆弱性を持つことが確認でき,複数の脆弱性を持つ製品の47%が少なくとも1つ以上非常に危険度の高い脆弱性を持つことがわかった.また,複数の製品に共通する脆弱性も存在し,それらの65%以上が危険度の高いものであることが明らかになった.このような危険度の高い脆弱性に対して見落としなく対応するため,本研究ではオントロジーを用いて脆弱性情報の体系化に取り組み,特定のデータからオントロジーによって定義された関係性を利用することで関連する複数の脆弱性情報を取り出すことを可能としている.また既存方法と比較した結果,平均で6回程度の検索が必要であったところを1回の検索で目的の情報全てを得られている.


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セッション 5B  経路推定と人流分析
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 渡邉 拓貴 (北海道大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名加速度の時空間情報を考慮した進行方向推定手法の検討
著者*吉田 拓人, 浦野 健太 (名古屋大学大学院 工学研究科), 青木 俊介 (国立情報学研究所), 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科)
ページpp. 893 - 899
キーワード屋内位置推定, PDR, 深層学習
アブストラクト本稿では,スマートフォンを用いた PDR(Pedestrian Dead Reckoning)のための進行方向推定手法 について検討を行う.スマートフォンの頻繁な端末姿勢の変化に対応するため,進行方向推定手法にはセ ンサ姿勢の変化に対する頑健性が必須となる.そのため,加速度平面成分を用いてセンサ姿勢の変化によ らず進行方向を推定できる PCA(Principal Component Analysis)ベースの手法が注目されてきた.しか し,我々は加速度平面成分の空間情報のみでは,歩行者が取り得るあらゆる歩容パターンの認識は困難で あると考える.そこで我々は歩容に対する頑健性の向上を目的とし,加速度平面成分の時空間情報を用い て進行方向を推定する NN(Neural Network)ベースの手法を提案する.NN の学習と評価に用いるデー タはスマートフォンと測量機器の TOPCON GT1205 を用いて収集する.NN のアーキテクチャとして, CNN(Convolutional Neural Network)と BiLSTM(Bidirectional Long Short-Term Memory) をベースと した 2 つを用意し,評価を行う.評価の結果,CNN が総合的に最も推定精度が高く,歩容に対する頑健性 も高いことがわかった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名Transformerモデルを用いた人流の時系列予測
著者*挺屋 友幹, 片山 晋, 浦野 健太 (名古屋大学大学院 工学研究科), 青木 俊介 (名古屋大学未来社会創造機構), 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院 工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科, 名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 900 - 908
キーワード人流, transformer, 時系列予測, グラフ畳み込み
アブストラクト人の流れをモデル化し,次の流れを予測する人流予測は渋滞予測や災害時の群衆誘導に活用されている.人流予測は時間的依存性を考慮するタスクと,空間的依存性を考慮するタスクの両方を考える必要がある.それらのタスクで最適化するために,空間依存性のモデル化には一般的に,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)やグラフニューラルネットワーク(GNN),グラフ畳み込みニューラルネットワーク(GCN)を用い,時間依存性モデル化には再帰的ニューラルネットワーク(RNN)ベースのモデルが用いられる.従来法ではそれらGCNとRNNを組み合わせたハイブリッドな深層学習モデルが提案されているが,RNNは時系列の逐次的な情報を捉えているに過ぎず,時系列で異なる時間ステップを等しく扱うために周期性を直接モデル化することができない.データを並列に扱うTransformerモデルも提案されているが,人流を予測するには不十分な点がいくつかある.そこで本研究では,GCNとTransformerを組み合わせた,人流の時系列予測手法を提案する.その提案モデルを実世界の人流データセットに対して適応させ,従来手法と予測精度を比較することで評価を行い,検証した評価指標において従来手法よりも高精度な予測が行えることが確認できた.

5B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名赤外線グリッドセンサを用いた深層学習での人の位置推定手法の検討
著者*戸出 悠太, 片山 晋, 浦野 健太 (名古屋大学大学院 工学研究科), 青木 俊介 (名古屋大学 未来社会創造機構), 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院 工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科 / 名古屋大学 未来社会創造機構), 泉 智博, 荻野 淳, 小山 信之, 太田 智浩 (パナソニック株式会社 プロダクト解析センター)
ページpp. 909 - 915
キーワード赤外線センサ, 位置推定, 深層学習
アブストラクト本研究では,赤外線センサから得られた2次元温度情報を基にするCNNを用いた 人の位置推定手法の検討を行う.深層学習を用いることによりマニュアル設計のアルゴリズムでは取り除かれてしまう場合のある入力される温度データの 潜在的な特徴を学習できるため,推定精度の向上,対象に取る人数の増加,使用環境,推定対象による差異や 人以外の熱源等ノイズに対してのロバスト性の向上などが期待される. 本提案の検証として室内で取得した温度情報を基に提案手法と代表的な分類機により学習を行い,推定精度の比較を行った. 結果,高い粒度での位置推定においては提案手法の方が高精度であることを確認できた. 今後,学習モデルの改良を行い位置推定対象人数の増加,位置推定粒度の向上,様々な場所での検証を行っていく予定である.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5B-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名RFIDを用いた屋内環境における人物の通過検知手法の検討
著者*田中 錦乃丞, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学 専攻)
ページpp. 916 - 922
キーワードRFID, Internet of Things
アブストラクト本研究では,RFIDを用いて人物の日々の行動をモニタリングする上で有益な情報となる通過検知を手法を検討する.RFIDを用いた既存の行動認識や位置推定に関する研究ではタグのRSSI情報を活用する物が多く存在するが,RSSIに依った手法は周囲の環境変化によって精度が大きく変動しうるという課題があり,近年では位相情報を解析に用いる研究も増加している.本研究では,RSSIと位相情報を用いた屋内環境における人物の通過検知手法を検討し,それぞれの電波情報を用いる場合についてその精度を評価した.

5B-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名食品スーパーにおける位置情報センサを用いた顧客の移動分析
著者*柳橋 和磨 (九州工業大学大学院生命体工学研究科人間知能システム工学専攻), 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 923 - 927
キーワードIoT, 機械学習, マーケティング


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セッション 5C  会議・教育
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 角 康之 (公立はこだて未来大学)

5C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名m-Learning学習者の行動の違いによる学習効率への影響
著者*今別府 万大, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻)
ページpp. 928 - 935
キーワードm-Learning, 学習支援, 確信度, 行動認識, コンテキストアウェアネス
アブストラクトネットワーク技術の発展や IoT デバイスの急速な普及により e-Leaning や m-Learning といった様々な学習方法を誰もが利用可能となった.特に m-Learning では様々なアプリケーションの開発により身近なものになっている.しかし,これらのアプリケーションは従来の学習方法をモバイルデバイスに最適化したものであり,モバイルデバイスの特長を最大限に活かした学習方法とは異なる.そこで m-Learning 環境下であるからこそ実現できる,新たな学習支援システムの開発をすることで,従来の m-Learning 以上に学習効率の向上が見込めると考えられる.本研究では,m-Learning 環境下においてコンテキストアウェアネス技術を用いた新たな学習支援システムの開発を目指す.特に本稿では基礎検証として,ユーザ行動が m-Learning における学習効率にどのような影響を及ぼすかに着目し研究を行う.実験では 5 種類の行動中に m-Learning 学習を行い.学習直後と 3 日後に学習した内容のテスト正答率における学習効率,m-Learning 中の計測データを用いて分析を行う.テスト正答率の分析の結果,運動にあたる行動中に学習すると,3 日後の学習効率が向上することが明らかとなった.また,歩きスマホのように運動行動中に周囲に注意を割かれる状況の場合,トレッドミル上の歩行に比べて学習効率が低下することが明らかとなった.他にも,確信度を考慮した学習効率は学習時の行動の影響を受けない可能性や,学習中の正答率や学習数が学習効率に相関しない可能性が示唆された.

5C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名勉強中における心拍数を用いた精神状態度合の推定
著者*川 勇佑, Guillaume Lopez, 横窪 安奈 (青山学院大学)
ページpp. 936 - 942
キーワード勉強, 集中, 眠気, 疲労, 心拍センサ
アブストラクト本研究では心拍センサ搭載のスマートウォッチを用いて,勉強中の精神状態を連続的に推定し,短期的なアクチュエーションおよび,長期的なフィードバックにより,パーフォーマンス向上を支援するシステムの開発を目的としている.スマートウォッチの心拍センサから心拍数関連の特徴量を用いて,集中,眠気,疲労の度合いが十分に検出可能かどうかを検証した.結果,それぞれの精神状態度合いの平均が78%以上であることから,心拍数のみでもある程度の精神状態度合いを推定することができることが示唆された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名翻訳度合いを調節するインタフェースを備えた中国語学習支援システムの設計と実装
著者*魯 薇, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 943 - 948
キーワード機械翻訳, 言語学習, 形態素解析
アブストラクト機械翻訳技術の進歩に伴い,中国語学習時に自動翻訳システムを利用する人が増加しつつある.しかし,中国語と日本語では文章を構成する語順が異なるため原文と訳文の変化が大きく,学習者が文章を理解することが難しい場合がある.従来の翻訳システムでは一度に原文全てを翻訳し出力するが,これらのシステムを言語学習に利用した場合,どの単語がどのように翻訳されたのかや語順の変化など,原文と訳の対応が分かりづらい.そこで本研究では,中国語学習を支援するために日本語の文章を分解し部分的に中国語に翻訳することで,日本語と中国語の混在化した文章を出力するシステムを提案する.ユーザに日本語と中国語の翻訳度合いを任意に調節させることで,語順の変化など原文と訳語の対応の理解を補助する.システムの有効性を調査するため日本語話者8名に対して実験を行った.従来システムと提案システムをそれぞれ利用した学習を行い,学習前後のテストにより学習成果を評価した.提案システムを利用した学習を行った場合,従来システムの場合よりも大きくテストの点数が増加した.日本語話者の中国語学習において,提案システムによる学習支援が有効である可能性がある.

5C-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名グループコミュニケーションの能力向上に向けた長期的な学生間の相互評価の検討
著者酒造 正樹 (東京電機大学), 湯浅 将英 (湘南工科大学), 中野 美香 (福岡工業大学), 勝澤 樹也, 川口 泰平, 小杉 和暉, 宍戸 亮太, 林 和馬, *高木 章裕 (東京電機大学), 酒井 元気 (東京電機大学/日本大学)
ページpp. 949 - 952
キーワードグループコミュニケーション, 評価, 遠隔会議, グループディスカッション
アブストラクト大学生を対象としたグループディスカッションの長期的実験を遂行している.議論参加と振り返りを複数回経ることによって能力向上を期待している.伸ばしうる能力は様々であり,個人の性格や基礎知識に依存する。将来の自動的な評価システムを構築するために,学生自身の気づきを体系化するとともに実践的に改善された項目について調査を行う.実験の詳細なプロトコルと遂行中の実験結果を報告する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5C-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名頷きのリアルタイムフィードバックによるビデオ会議支援手法の提案
著者*徳原 耕亮, 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院), 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 953 - 959
キーワードビデオ会議, 行動認識, マイクロ行動, 非言語コミュニケーション
アブストラクト本論文では,ビデオ会議における円滑なコミュニケーションスキル習得支援を目的として,会議中に表出する無意識の仕草を定量的に評価し,数値として参加者にフィードバックするシステムの提案,実装,評価を行う.近年の働き方改革やコロナ禍の影響により,テレワークやオンライン会議の頻度が高まっている.オンライン会議の場合,カメラがオフであったり,オンであっても顔がアップされた状態であることが多く,対面会議では感じ取られる阿吽の呼吸や場の雰囲気を掴みづらいという課題がある.また,誰かがずっと話していたり,一度も発話しない参加者が出てくることも多い.ビデオ会議を対面会議に近づけるために,参加者自身がこれまで無意識に行っていた,非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)を意識し,能動的に情報を発信していくことが大事ではないかと考えている.そこで我々は,頷きや笑いなどミーティング中に表出する仕草を認識するシステムの開発を行っている.本稿では,仕草の中でも発現頻度が最も高い,頷きにフォーカスし,参加者全員の頷きをリアルタムに認識した上で,リアルタイムにフィードバックするシステムを開発し,リアルタイムフィードバックが参加者に与える影響について調査した結果について報告する.


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セッション 5D  情報通信・配信
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

5D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名協調型 ITS の仮名 ID 使用環境下における認知情報共有を用いた不正行為検出
著者有井 慎平, *塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 960 - 968
キーワード協調型ITS, 不正行為検出, Collective Perception Message (CPM)
アブストラクト協調型 ITS において、周囲車両に自車の状態を伝えるために Cooperative Awarness Message (CAM) という V2V メッセージ規格が標準化されている. また周辺環境に対する認知力の向上を目的として, 自車 の状態だけでなく, 自車に搭載したセンサで知覚した情報を伝えるためのメッセージ規格として Collective Perception Message (CPM) が提案されており, 標準化に向けて分析が行われている. 協調型 ITS ではセ キュリティが重要であり、Public Key Infrastructure (PKI) のような予防的な手法に加え、不正行為検出 (Misbehavior Detection) に関する研究が盛んになってきている. 一方で, モビリティデータを扱うという性 質から, プライバシー保護のため通信において, 長期的な識別子を用いるのではなく, 仮名 ID(Pseudonym) と呼ばれる短期的な識別子を使用する仕組みが考案されており, 同一識別子によるデータの一貫性検証など が困難となる等, 不正行為検出手法にも対応が求められる. 本論文では CAM および CPM の両方のデー タを扱った不正行為検出手法を提案する.シミュレーションによる評価では CAM のみを扱う手法と比較 し, CAM 内の位置情報改ざんに対して, 真陽率 (不正なメッセージを不正であると検出する確率) の水準 を保ったまま、偽陽率 (不正でないメッセージを不正であると検出する確率) を改善した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名突発的障害物回避のための協調型車線変更制御における車々間通信機能の普及率の影響
著者*淺野 心夏 (静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 969 - 979
キーワード車々間通信, 車線変更, 協調走行, 障害物回避
アブストラクト車両事故や積載物の落下によって突発的に走行道路の一部が封鎖された場合,障害物を発見した車両が車々間通信を用いて広範囲に通知すれば,後続車両に障害物回避のための適切な制御をさせることができるため,安全かつ円滑な障害物回避の実現が期待される.筆者らは,障害物発見通知を受け取った車両に対して,障害物の近くに達するまでに徐々に車頭時間を通常の倍になるように拡大させ,障害物より少し離れた地点で余裕を持って車線変更をさせる戦略,及び全ての走行車線に対して公平に通過機会を与えるための協調型車線変更制御手法を提案した.交通流シミュレータSUMOを用いた3車線道路におけるシミュレーションにより,車線間の公平性,乗客の乗り心地を悪化させることなく十分な総車両通過量を達成できることを確認した.しかしながら,これまでの評価では,車々間通信機能の普及率が100%の場合のシミュレーションしか実施されていなかった.多少の非通信車両が混在したとしても十分な性能が維持されることが望ましいため,本稿では,車々間通信機能の普及率が提案手法の性能に与える影響を調査する.シミュレーションの結果,総車両通過量は普及率が低下するにつれて徐々に低下するものの,大幅に低下することはなく,普及率が80%以上ならば影響は十分小さいことが確認できた.車線間の公平性は普及率が0%のときに大幅に悪化したが,普及率が 10%以上ならば大幅な悪化は防止でき,提案手法を用いない場合に対する優位性を継続できることが確認できた.乗り心地は普及率が低下するにつれて段々と悪化したが,普及率が60%以上ならば提案手法を使用しない場合に対して乗り心地の悪化抑止の効果が得られることが確認できた.

5D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名安全運転支援のための周辺車両の半隠消表示法(3) −5G 環境下における性能評価実験−
著者*平松 黎, 若林 優 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 佐々木 俊希 (立命館大学情報理工学部), 木村 朝子, 柴田 史久 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
ページpp. 980 - 986
キーワード隠消現実感, 5G, ITS, 車車間通信, LiDAR
アブストラクト道路環境における車両や建物に起因する死角領域の存在は,交通事故や搭乗者のストレスの原因となる恐れがある.そのため,死角領域を可視化することは事故の防止やストレスの軽減に繋がると考えられる.我々はこのような考えの下,実現性を考慮して,将来車両に搭載される可能性の高いセンサとソフトウェアのモジュールを活用し,車車間で情報共有することで死角領域を可視化するシステムを提案している.先行研究では提案システムを構築し,実車実験を行うことで提案手法により死角領域の可視化ができることを確認した.しかし,ルータを介した有線のGigabit Ethernetを用いた通信による簡易的な実験を行ったため,システムの課題や使用する通信方式に求められる性能などの確認が不十分だった.そこで本研究では,5Gとドコモオープンイノベーションクラウド®を組み合わせた通信方式を使用した実車実験を行い,システムと通信方式の性能分析を行う.

5D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名階層型Non Terrestrial Networkと そのアプリケーションに関する考察
著者*周 恩平, 藤橋 卓也, 猿渡 俊介 (大阪大学大学院情報科学研究科), 小林 真, 西 正博 (広島市立大学大学院情報科学研究科), 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 987 - 996
キーワードNon Terrestrial Network, 6G, LEO, HAP, マルチメディア
アブストラクト近年,第6 世代携帯電話網(6G) の次世代ネットワークの重要な新たな要素として,Non Terrestrial Network (非地上系ネットワーク,NTN) が注目されている.本稿では,階層型NTN とその応用に関して検討する.まず,NTN の基本について述べ,その後LEO の通信容量を計算し,東京,北京等の都市や南シナ海上の船舶の具体的な人口密度に対する単位面積当たりに必要な通信容量を求め,HAP との関係を議論する.続いて,NTN のアプリケーションとして,XR も含めたマルチメディア通信,土砂災害センシング,海洋上通信を検討する.

5D-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名SNSを用いた道路交通情報逐次配信システムの構築と運用
著者*西田 亘, 佐藤 雅明 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科), 村井 純 (慶應義塾大学), 原田 日郎, 金子 聖哉 (首都高速道路株式会社), 隠田 歩乃加 (首都高技術株式会社)
ページpp. 997 - 1002
キーワードITS, 道路交通情報, 高速道路, SNS
アブストラクト現在,規制情報や渋滞情報をはじめとする各種の道路交通情報は,道路上に点在する可変情報板(VMS: Variable Message Sign)やラジオ等の交通情報コーナー,道路関連企業のWebサイト等を通じて道路利用者に提供されているが,VMSやラジオ放送においては情報量の制限や詳細情報への連絡性の悪さ,取得可能な時機が限定され,Webサイトによる情報提供は,当該ページにアクセスした時点でしか情報の有無を知ることはできず,走行前に交通情報を取得したい道路利用者にとっては,利用ごとに確認を要するものである. そこで,本研究では代表的なSNSである「Twitter」を用いた道路交通情報の即時配信サービスの構築を行った.首都高速道路を対象としたサービスの設計と実装を行い,情報提供を実現する体制や諸課題を述べると共に,運用による効果について評価し,サービスの有用性を示した.


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セッション 5E  ユーザ参加型センシング
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 湯村 翼 (情報通信研究機構)

5E-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名脳卒中入院患者のリハビリテーション活動量向上のためのウェアラブルデバイスを用いた行動変容
著者*小笠原 隆行 (日本電信電話), 向野 雅彦, 大高 洋平 (藤田医科大学), 山口 真澄 (日本電信電話), 才藤 栄一 (藤田医科大学), 塚田 信吾 (日本電信電話)
ページpp. 1003 - 1005
キーワードウェアラブル, 脳卒中, 行動変容, 活動, ゲーム

5E-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名観光客の感情・満足度推定のための簡易なデータ収集システムの提案
著者*林 涼弥, 松田 裕貴, 平野 陽大, 藤本 まなと, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1006 - 1012
キーワード観光, 感情推定, 満足度推定, ウェアラブルデバイス, IoT
アブストラクト情報処理技術を活用して質の高い観光支援を行うスマートツーリズムに注目が集まっており,様々な観光支援システムが提案されている.しかし,それらは観光客が抱く個々の感情や満足度といった心理状態は考慮されていない.観光客の感情や満足度は,個々の観光客の性格や嗜好によって異なることが想定されるため,より有用な観光支援システムの実現には,個々の心理状態の考慮が重要と考えられる.我々は,これまで観光中にとる仕草(頭部運動,身体運動,表情,声色)にその心理状態が現れると仮定し,それらを収集,分析することで,観光客の心理状態を推定する手法を提案してきた.しかし,従来システムは,眼鏡型ウェアラブルデバイスをはじめとする複数のデバイスを装着して観光する必要があり,観光者の負担が大きいという問題を抱えている.本稿では,観光客の心理状態推定のためのデータ収集をより簡単に行うためのシステムを提案する.

5E-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名参加型センシングにおける不良回答を抑制する立場表明手法の提案と評価
著者*大山 航平 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所革新知能統合研究センター), 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所革新知能統合研究センター/JSTさきがけ), 中村 優吾 (九州大学), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所革新知能統合研究センター)
ページpp. 1013 - 1018
キーワードユーザ参加型センシング, データの質, 信頼性, 立場表明, 不良回答抑制
アブストラクト近年,スマートフォンの普及により,モバイル端末上でユーザの周辺環境などの情報提供を依頼する参加型センシングが注目されている.しかしながら,ユーザに写真のアップロードや文字入力を依頼する能動的参加型センシングでは,回答者が楽に早く依頼を完了しようとし,必ずしも正確に回答しないという問題がある.そこで本研究では,真面目に回答するという宣誓を回答時に回答者に求める立場表明の手法をスマートフォンを用いた参加型センシングに導入し,不良回答を抑制するシステムを開発した.本システムを用いて評価実験を行い,提案手法の有用性を確認した結果について報告する.

5E-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名環境要因は参加型センシングの回答信頼性を低下させるか? ー スマートフォンログに基づく分析 ー
著者*吉川 莉央, 松田 裕貴, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1019 - 1026
キーワードユーザ参加型センシング, 回答信頼性, Satisficing, ストレス状況下, スマートフォンログ
アブストラクトスマートフォンやタブレット等のデバイスが爆発的に普及しているのを背景とし,ユーザ自身の端末を用いて周囲の環境情報をセンシングし共有する手法の一つである「参加型センシング」が注目されている.しかしながら,Web調査において不良回答が多いことと同様に,参加型センシングにおいてもユーザは必ずしも正確な回答をするとは限らず,データの質がユーザに依存する問題が存在する.本研究では,参加型センシングにおける不良回答発生の原因が,タスクに対するユーザの態度だけでなく,ユーザを取り巻くストレスフルな環境要因(例えば,時間制約や騒音など)にもあると考えた.本稿では,ストレスの多い状況下と通常時において参加型センシングタスクの正答率や回答状況に違いがあるのかを調査した.その結果,雑音や歩行のストレスは,正答率を有意に下げ,歩行や時間制約によるストレスは,それぞれ回答時間を長く/短くさせることが確認された.また実験後に,ストレス環境条件が参加型センシングのタスクに及ぼす影響に関する,主観的評価アンケートを実施した.その結果,複数のストレス環境条件が組み合わさった場合には特に,ストレスがタスク回答に支障・影響を与えたといった結果が多く得られた.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5E-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名時空間フェンシングに基づくクラウドセンシングプラットフォームの構築
著者*宮川 信人 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 土本 涼雅, 須崎 翔太, 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部)
ページpp. 1027 - 1033
キーワードクラウドセンシング, プラットフォーム, クラウドソーシング
アブストラクト近年,高機能センサを備えたスマートフォンが増加し,豊富なセンサが利用できるようになっている. そのスマートフォンのセンシング能力を活かす試みとして,クラウドセンシングがある. ただし,クラウドセンシングシステムの開発に大きなコストがかかると考えられる. この問題を解決するため,従来研究として,様々なシチュエーションでクラウドセンシングが可能なクラウドセンシングプラットフォームが提案されてきた. しかし,クラウドセンシングプラットフォームは,より多くの利用者を確保しなければ多様なデータ収集を実現できない. そのため,利用者のモチベーションを向上・維持させる工夫が必要である. そこで本研究では,時間帯とエリアを制限する時空間フェンシングの概念を提案し,それに基づいたクラウドセンシングプラットフォームを構築する. 我々は,利用者のモチベーション向上・維持という課題に対して手軽さや安心感に着目した. クラウドセンシングを実施したい依頼者にとって,依頼内容の定義は,定義しなければならない項目が非常に多く手間である. 本プラットフォームでは,基本的に時空間フェンシングと使用するセンサの設定のみで依頼内容を定義できるため,依頼内容の定義を簡略化し手軽さを実現する. 協力者にとって,本プラットフォームを通して依頼されるクラウドセンシングは,すべて時空間フェンシングに基づいているため協力しやすいと言える. これは時空間フェンシングによって,いつ・どこでセンシングが行われるかが明確であり,データ提供への心配やセンシングに対する不安によるプライバシ障壁を軽減し安心感を提供できるためである. 本稿では,本プラットフォームの設計・実装を行い,その動作検証を実施した.


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セッション 5F  心理空間
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 由井薗 隆也 (北陸先端科学技術大学院大学)

5F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名共有空間におけるコミュニケーションに対するユーザ心理の調査
著者*今井 廉 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科), 呉 健朗 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科/ソフトバンク株式会社), 酒井 知尋, 小島 一憲 (ソフトバンク株式会社), 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
ページpp. 1034 - 1039
キーワード共有空間, 匿名性, デジタルサイネージ, アウェアネス
アブストラクトコワーキングスペースやシェアオフィスなどの共有空間で,利用者同士が対面で活発なコミュニケーションを行うことは,他者の様々な考えに触れることで,個人では得られない成果を生み出す良い機会である.しかし,現在コワーキングスペースやシェアオフィスなどの共有空間で活発なコミュニケーションが行われているとは言い難い.こうした現状の一つの要因として,見ず知らずの人とのコミュニケーションを開始することに心理的障壁が存在することが挙げられる.この問題を解決するため,我々は匿名性に焦点を当て,ユーザのコミュニケーション時の匿名性を段階的に変化させることができるシステムを提案している.本稿では,提案システムの必要性を調査することを目的として実施したアンケートの報告を行う.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名ぼかしの動的制御によるビデオ会議支援システムの実装
著者*木村 悠児 (日本大学 文理学部), 今井 廉 (日本大学大学院 総合基礎科学研究科), 呉 健朗 (ソフトバンク), 峯岸 暉歩 (日本大学 文理学部), 酒井 知尋, 小島 一憲 (ソフトバンク), 宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
ページpp. 1040 - 1044
キーワードぼかし, ビデオ会議, ユーザ心理
アブストラクトインフォーマルな場において,ビデオ会議システムを使用する際,会議参加者間の信頼度・親密度を高めるために互いに顔を見せ合うことが重要と思われる. しかしながら,恥ずかしさなどの理由から顔を表示することに心理的負担が生じ,多くの参加者が顔を非表示にしてしまうという問題がある. そこで我々は,オンラインのインフォーマルコミュニケーションにおいて,互いに顔を見せ合うことの心理的負担を軽減できるようにするために, 各参加者映像にコミュニケーション状態に合わせて動的に変化するぼかし処理を行うビデオ会議システムを提案する. 本稿では,研究の初期段階として,会話を続けるとコミュニケーションが深まるという仮説に基づき,会議の時間経過に合わせてぼかしの状態を変化させるプロトタイプシステムの構築を行い,ユーザが顔を表示することへの心理的負担が軽減できたかどうかを検証したことを報告する. 検証の結果,自分の顔を表示することに心理的負担を感じる人にとって,プロトタイプシステムは,自分の顔を表示することへの心理的負担を軽減することができると考えられる.

5F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名質問記事の印象評価に基づく回答の優先順位推定手法の提案
著者*熊田 大雅 (筑波大学大学院情報学学位プログラム), 野澤 優佳 (筑波大学情報学群), 佐藤 哲司 (筑波大学図書館情報メディア系)
ページpp. 1045 - 1051
キーワード感情表現, 印象評価, 重回帰分析
アブストラクト近年,スマートデバイス利用者の増加等に伴い,オンライン形式で質問を受け付ける企業が増えている.そこには早期の解決を図りたい質問だけで無く,愚痴や怒りのはけ口なども混在して投稿されることから,企業など質問を受ける側は,投稿された雑多な質問記事に対して回答を行う順番を優先順位として決める必要がある.本論文では,質問記事を読んだときに感じる代表的な印象として,困り,怒り,切迫の3 つの印象指標に着目し,回答の優先順位を推定する手法を提案する.日常的に質問に答えている専門家に優先順位および印象評価を依頼することはコスト高であることから,本論文では,クラウドソーシングを用いて一般の生活者に評価を依頼し,重回帰分析を用いて印象指標と優先順位との相関を求めている.また,少数の質問記事は専門家にも優先順位付けを依頼し,ワーカーの評価との違いも検討した.この結果,専門家と一般の生活者の双方において,切迫が優先度を決定づける重要な指標であることを明らかにしている.

5F-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名社内グループチャットの投稿データを用いた心理的安全性推定方法の検討
著者*鈴木 敦也, 高橋 潤 (株式会社富士通研究所)
ページpp. 1052 - 1058
キーワードデータ分析, 心理的安全性, グループチャット, グループウェア
アブストラクトオフィスワークでは従業員同士の情報共有や連携が適宜必要であるため,安心して発言できる環境の維持(=心理的安全性の維持)が重要である.心理的安全性は一般には質問紙を用いて測定されるが,継続的に測定を実施する場合に従業員への負担が大きいため,業務過程で発生するデータを用いて心理的安全性を推定する仕組みが望まれる.本研究では,社内グループチャットの投稿データに注目し,投稿データから心理的安全性をどの程度推定可能であるか,また投稿データの中のどの特徴量から推定可能であるかを調査した.心理的安全性を計測するための7項目の質問項目に対し,各項目の回答値を目的変数,チャットから抽出した多数の特徴量を説明変数とし,Lasso回帰分析を用いて説明変数の選択と回帰モデル作成を行った.これらのモデルに対する汎化精度の評価と,選択された説明変数の確認を行った.実験の結果,7項目のうち2項目で評価データに対する十分な当てはまりの良さを示す予測モデルを作成することができた.また,このときの予測モデルにおいて選択された説明変数を確認することにより,各質問の回答値をどの投稿データ特徴量から予測できたかを確認した.


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セッション 5G  インターネット・Webサービス技術
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 三宅 悠介 (GMOペパボ株式会社 ペパボ研究所)

5G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名マルチパス通信技術を活用したWebRTCにおけるメディアストリームトラフィックの柔軟な制御の実現
著者*金子 直矢 (トヨタ自動車株式会社), 伊東 孝紘, 渡辺 敏暢 (ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社), 阿部 博, 大西 亮吉 (トヨタ自動車株式会社)
ページpp. 1059 - 1067
キーワードマルチパス, WebRTC, LTE
アブストラクト本研究では,WebRTC を用いたアプリケーションにおいてマルチメディア伝送の可用性と柔軟性を 向上するためにマルチパス技術を導入し,メディアストリームごとのポリシに基づき通信パスの利用形態 を制御する手法を提案する. WebRTC を用いたアプリケーションとして車両やロボットの遠隔操作システ ムといった事例が存在する. 遠隔操作システムは,操作に必要な環境情報を伝えるために複数のカメラや マイクを併用しており,操作者のニーズに応じて必要なメディアストリームを安定的に伝送する通信基盤 が重要である. そこで WebRTC を用いる遠隔車両運転システムをターゲットとして,以下の 3 手法を導入し組み合わせることを提案する. (1) IP ToS 値を用いたメディアストリームの識別による Web ブラウザとネットワーク制御の連携 (2) マルチパス通信技術の導入による通信の選択肢多様化 (3) 優先度・重要度 に基づくメディアストリームごとのパス利用形態制御. これらの手法を,遠隔車両運転システムが用いるモバイル通信サービスを利用して検証し,実現性と通信制御の柔軟性の向上に寄与することを示した.

5G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名IoTアプリケーションのためのSINETStreamベースAndroidセンサ情報収集アプリの開発
著者*竹房 あつ子, 小林 久美子, 孫 静涛, 合田 憲人 (国立情報学研究所)
ページpp. 1068 - 1074
キーワードIoT, Android, センサ
アブストラクト各種センサデータをクラウドに収集,蓄積し,機械学習で高度なデータ解析を行うIoTアプリケーションシステムの構築が可能になってきた.スマートフォンは,カメラ,GPS等の多様センサやバッテリが予め装備されており,IoTシステムへの活用が期待されるが,プログラム開発コストの高さから特に学術分野では十分に活用されていない. 本研究では,スマートフォン向けのセンサ端末用アプリを開発し,研究・教育を目的としたIoTアプリケーションシステムの構築,利用促進の支援を目指す. 我々は,広域データ収集・解析プログラム開発支援ソフトウェアパッケージSINETStreamを開発しており,Python/Java版に加えてAndroid版を公開している.本稿では,このAndroid版を利用してテキスト送受信アプリSINETStream Android Echo (Echo)とセンサ情報収集アプリSINETStream Android Sensor Publisher (Sensor)を開発する.特に,Sensorアプリは利用者のIoTアプリケーションでプログラムを開発することなく,そのまま利用されることを期待している.また,研究・教育用途での利用を支援するため,チュートリアルも開発し,IoTアプリケーションシステムの構築を体験できるようにする.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
5G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名ITAKOTO: 遺書の新しい概念のデザインとサービス構築
著者*田村 淳, 砂原 秀樹, 加藤 朗, 石戸 奈々子 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
ページpp. 1075 - 1086
キーワード遺書, モチベーション, 動画サービス, 死生観, Lifetime Service
アブストラクト現在の日本社会では、死と向き合うことが少なく、遺書 というものは敬遠されている。これまで遺書は死期の近い 人が家族や親しい人たちのために遺す文書と考えられてい たが、近年エンドノートなどの名称で思考もはっきりし身 体も元気なうちに本人の意思を示したり、家族や親族、知 人にメッセージを遺したりすることが考えられるようにな ってきている。著者らは、このように元気なうちに遺書を 作成した際の作成者本人に及ぼす効果に着目し、新しい概 念に基づく遺書という考え方を構築し、それらをサービス として実現することを目指した。本研究では、遺書を作成 することで作成者本人にどのような影響を及ぼすかについ て調査を行い、それらの結果から遺書動画サービス ITAKOTO を構築し提供を開始した。本稿では、特に 遺書を作成することの効果の調査結果を示すとともに、構 築したサービスを紹介し、また現状で明らかとなってい る課題について議論する。

5G-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名IDNA2008とPRECIS Frameworkの相互運用性における考察
著者*根本 貴弘, 三島 和宏, 萩原 洋一, 辻澤 隆彦, 青山 茂義 (東京農工大学)
ページpp. 1087 - 1094
キーワードInternationalization, Unicode, IETF, 標準化技術, システム連携
アブストラクト本研究では,インターネット技術における標準化を行うInternet Engineering Task Forceにて策定した国際化文字列を含む識別子等を使用するプロトコルに用いられる国際化技術であるIDNA2008とPRECIS Frameworkにおける相互運用時の課題を明らかとするために,それぞれの技術において利用可能な文字を定義したDerived Property Valueの差分を調査するとともに,その差分が生じた文字に対して,文字列変換処理を利用することで相互利用可能な文字を増やすことが可能か,Unicode13.0.0に収録された1,114,112文字に対して調査を実施した. 本研究を通じて,IDNA2008とPRECIS Framework 間では14,403文字において差分が生じていることを明らかとするとともに,文字列変換処理によって相互利用可能な文字がどの程度増えるのか明らかとした.また,文字列変換処理を行っても相互利用できない文字についても明らかとすることで,IDNA2008とPRECIS Frameworkにおける相互運用時の課題となる文字についても明らかとした.


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セッション 5H  映像音声コンテンツ
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 山本 大介 (名古屋工業大学)

5H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名SNS上の会話文における対象ユーザに合致した口調表現推薦方式
著者*高夘 崚成, 岡田 龍太郎, 中西 崇文 (武蔵野大学データサイエンス学部データサイエンス学科)
ページpp. 1095 - 1101
キーワードテキストマイニング, SNS分析, ミラーリング効果, 口調表現, 推薦
アブストラクト本稿では,SNS上の会話文における対象ユーザに合致した口調表現推薦方式の実現について示す.本方式は,コミュニケーションの対象となっている対象ユーザのSNS上の発信メッセージを収集し,そのメッセージ群からその対象ユーザの特徴をよく表す口調表現を,形態素解析と極性評価を使用して抽出し,実際その対象ユーザにメッセージを発信する際に,その対象ユーザの口調表現に変換されたメッセージを提示することを可能とする.コミュニケーションにおいて,対象となるユーザの癖や仕草,話し方,口癖を模倣する行為のことをミラーリングと呼ばれる.ミラーリング効果を応用し,SNS上において対象となるユーザにメッセージを送信する際に,その対象となるユーザの口調表現を真似て,メッセージを発することができれば,SNS上におけるコミュニケーションロスを減らす一助になると考えられる.

5H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名コミュニケーション円滑化のためのアバター選択支援手法の検討
著者*小林 靖明, 川上 朋也 (福井大学), 松本 哲, 義久 智樹 (大阪大学サイバーメディアセンター), 寺西 裕一 (国立研究開発法人情報通信研究機構/大阪大学サイバーメディアセンター), 下條 真司 (大阪大学サイバーメディアセンター)
ページpp. 1102 - 1107
キーワードVR, アバター, バーチャルコミュニケーション, デフォルメ度
アブストラクト現在,VRChatやどうぶつの森のようなアバターを使ったコミュニケーションコンテンツが普及しつつある.これらのコミュニケーションコンテンツはイベントに用いられることもある.イベントの例として,VRChatを用いた学会ポスターセッションの開催や,clusterを用いた基調講演,同じくclusterを用いてのオンライン飲み会などが挙げられる.これらのそれぞれの場面において,アバターの選択は印象を大きく左右する.しかし,場面に応じてどのようなアバターが適しているのかについて,明確な指標は存在しなかった.本研究では場面に応じてコミュニケーションの面からアバターの決定を支援するシステムの提案を行う.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名自動運転カートの位置情報を用いた移動を考慮したプロジェクションマッピング
著者*安 素羅, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院)
ページpp. 1108 - 1113
キーワードプロジェクションマッピング, 移動, 自動運転
アブストラクト本研究では,自動運転カートに設置したプロジェクタを用いて地面に対して映像を投影するプロジェクションマッピングシステムの開発とコンテンツ制作を行う.自動運転カートは決められたルートを走行するために自車の位置情報を常に取得している.そして,プロジェクションマッピング映像にも位置情報を反映させる.そのため,カートの移動に応じて内容が変化するプロジェクションマッピングを実現することが可能となる.エンタテインメント向けコンテンツを試作した実装実験では,まるで車のヘッドライトに照らされてキャラクタ等が出現したようなプロジェクションマッピングが実現できることを確認した.

5H-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名MMAPを用いた空中映像と実物体との位置関係を明瞭にする表現手法の検討
著者*高崎 真由美, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科)
ページpp. 1114 - 1119
キーワード3DCG, MMAP, オクルージョン, 空中映像
アブストラクトマイクロミラーアレイプレート(MMAP)はCG物体を空中へ表示するために利用され,空中像とのインタラクションの研究が行われている.しかし,MMAPを用いた空中像では,手による直接的なインタラクションにおいて,実際の位置関係にかかわらず常に手が空中像を遮蔽してしまうため,オクルージョン矛盾が生じるという問題があった. 著者らは,MMAPを用いた空中像で,CG物体を立体的に観察しながら手によって直接的な操作が可能な手法を開発した.また,インタラクション中に起こるオクルージョン矛盾を解消するため,正しいオクルージョンを再現するための映像を手にプロジェクターで投影する手法も提案した. 本研究では,空中CG物体と手の位置関係をより明瞭に表現するための手法を提案する.提案手法では,プロジェクター投影映像の色の濃さを位置関係に応じて変化させる.これによりCG物体が半透明であるかのように観察することも可能となる.また,CG物体や手によって生じる影を提示する.これにより,ユーザはよりCG物体と手の明白な位置関係を把握でき,物体の透明度をよりリアルに感じることが可能となる.

5H-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名デジタルツイン基盤とその3Dデータ活用
著者*青谷 和真, 川村 地平, 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 1120 - 1126
キーワードディジタルツイン, オントロジー, スマートビルディング, IoT
アブストラクト建物内の機器や設備の稼働状況,環境情報などの情報の可視化,シミュレーションを行うディジタルツインへの注目が高まっている.本稿では,デジタルツインアプリケーション作成のために行ってきた活動をまとめた.その手順は,3Dデータの収集,オントロジーを用いたメタデータの付与,建物情報を提供するAPI作成,の3つに分けられる.3Dデータの収集は,3Dスキャニングにより,大学内の建物や工場など,3箇所で行った.属性情報の付与に関しては,構造情報の記述にはBOT,部屋の名称やセンサ等の記述には他のオントロジーを適宜使用してRDFを作成し,SPARQLエンドポイントとして公開することで外部から参照することを可能にしている.アプリケーションへ建物情報を渡すAPIはFastAPIを用いて実装した.このAPIは形状情報や属性情報を返すだけでなく,建物内の混雑状況の可視化などに使用するため,任意の視点からの部屋の2次元の画像を取得することができる.また,収集した3Dデータの活用例として,CityGMLと組み合わせることで屋内外の情報を統合した3Dマップビューワーを作成した.


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セッション 6A  GN統一セッション
日時: 2021年7月1日(木) 14:10 - 15:30
座長: 由井薗 隆也 (北陸先端科学技術大学院大学)

6A-1 (時間: 14:10 - 14:50)
題名(招待講演) ヒューマンエージェントインタラクション技術を用いた拡張人間社会
著者大澤 博隆 (筑波大学)
ページp. 1127
キーワードヒューマンエージェントインタラクション, 人間拡張技術


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セッション 6B  行動分析と心理
日時: 2021年7月1日(木) 14:10 - 15:30
座長: 米澤 拓郎 (名古屋大学)

6B-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名時系列データの分節化と多重整列を用いた作業分析システム
著者*八田 俊之 (三菱電機株式会社 先端技術総合研究所), 菅原 佑介, 玉置 哲也 (三菱電機株式会社 生産技術センター), 三輪 祥太郎 (三菱電機株式会社 先端技術総合研究所)
ページpp. 1128 - 1132
キーワードIndustrial Engineering, 分節化, 多重整列
アブストラクト近年,生産現場では機器(生産設備)から収集したデータの自動分析による改善の取組みが盛んに進められているが,人(作業者)については,作業の動作や順序が多様なために分析の自動化が難しい.このため多くの生産現場で未だ目視に頼る作業分析が主流であり,多くの手間と時間を要するという課題があった.これに対し,本研究では統計モデルに基づく行動分析アルゴリズムを用いて作業分析を自動化した作業分析システムを構築した.行動分析アルゴリズムは,まず,時系列データに対してガウス過程を導入した隠れセミマルコフモデルを適用することで分節化を行い,一連の行動を動作要素のシーケンスとして表現する.つぎに,動作要素のシーケンスに対して多重整列を適用することで,標準的なシーケンスから外れた非標準動作を検出できる.本作業分析システムは,行動分析アルゴリズムによるデータ分析機能の他,専門家ではない分析者でも簡単に使用できるよう,作業行動のデータ計測機能,分析結果の映像表示機能を有する.本作業分析システムを用いた改善業務担当者による作業分析の実証実験を行った結果,目視による作業分析に対して平均して約1割の所要時間で,正解率約9割の自動分析が可能であることを確認できた.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
6B-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名A Supporting Technique for Comparative Analysis of Factory Work by Skilled and Unskilled Workers using Neural Network with Attention Mechanism
著者*Qingxin Xia (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University), Atsushi Wada, Takanori Yoshii, Yasuo Namioka (Corporate Manufacturing Engineering Center, Toshiba Corporation), Takuya Maekawa (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University)
ページpp. 1133 - 1140
キーワードActivity recognition, wearable sensors, attention mechanism, factory work
アブストラクトThis study presents a method for identifying significant activity differences between skilled and unskilled factory workers by a neural network with an attention mechanism using wrist-worn accelerometer sensor data collected in real manufacturing. To discover skill knowledge from skilled workers, industrial engineers manually identify activity differences between skilled and unskilled workers, which is likely to obtain skill knowledge, by watching video recordings or sensor data. However, a factory has many workers and manual comparison between pairs of workers is time-consuming. We propose an attention-based neural network to visualize the importance of input segments that contribute to the classification output, which is useful to identify activity differences between workers.

6B-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名行動データに基づいたオフィスワーカの心理的指標の分析に向けて
著者*西村 勇亮 (九州工業大学大学院生命体工学研究科), Tahera Hossain (九州工業大学大学院), 磯村 昇太 (NTTデータ経営研究所), 荒川 豊 (九州大学大学院), 井上 創造 (九州工業大学大学院)
ページpp. 1141 - 1148
キーワード機械学習, ワークエンゲージメント, メンタルヘルス, 特徴量選択, モバイルセンシング
アブストラクト近年,多くの組織においてメンタルヘルス状況を認識し,改善するための取り組みが重要視されている.特にオフィスワーカは,多くのストレッサーに影響を受けており,心身の疲弊が社会問題にもなっている.心理状況を改善するためには,原因を明らかにする必要がある.本稿では,リストバンド型端末とスマートフォンを用いて,センサ,行動,アンケートによる心理指標のデータを,約100名の知識労働を行う会社員が14日間実験に参加し,約1400日分収集した.行動,センサ,天気などのデータからオフィスワーカの6種類の心理指標の予測を行った.特に,行動(業務内容や業務環境)と心理指標との相関を分析した.その結果,22項目の心理指標の予測において17項目が80%の以上の精度で予測することができた.また,気分と心理状況との相関について明らかにすることで心理状態向上のための業務改善に貢献する知見を得た.

6B-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名心拍変動解析を用いた動画鑑賞の客観的評価
著者東海林 綾, *竹下 怜花, 横窪 安奈, Guillaume Lopez (青山学院大学)
ページpp. 1149 - 1154
キーワード心拍変動, 動画鑑賞, 感情, スマートウォッチ
アブストラクト動画鑑賞サービスでは,口コミから興味のある動画を探すことができるが,多くの口コミは個人の 主観である.複数の装置やバイタルデータを用いて,鑑賞者の印象を客観的に評価する試しはあるが,作 業負担や心理的負担を与える可能性があるため,鑑賞中動画の印象とは異なる懸念がある.そこで本研究 では,日常生活に影響を及ぼさず,手軽に装着可能なスマートウォッチを用いて心拍変動と動画鑑賞時の 感情の関係性を明確にし,動画鑑賞の客観的評価手法を提案する.10 分程のホラー動画を用いて心拍変動 解析による特徴量抽出と,機械学習モデルによるホラーに纏わる感情の自動推定を行った.その結果,F1 値の平均 90% 以上と非常に良い結果となり,実際に動画共有サイトで生体情報から自動的に評価を行うに は問題のない結果であることが確認できた.


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セッション 6C  ネットワーク応用と分散処理
日時: 2021年7月1日(木) 14:10 - 15:30
座長: 川上 朋也 (福井大学)

6C-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Fiwareを用いた都市OSのためのデータブローカー仮想化手法
著者*鄭 在勝, 郡浦 宏明, 栖川 淳, 木下 雅文 (株式会社 日立製作所 研究開発グループ)
ページpp. 1155 - 1160
キーワードスマートシティ, 都市OS, Fiware, 分散処理, メッセージブローカー
アブストラクト様々なデータを活用して都市の課題を解決するスマートシティでは,データ連携を容易にするための基盤である都市OSが必要とされている.都市OS開発工数を削減するOSS(Open Source Software)として欧州で実績のあるFiwareが期待されているが,そのメッセージ仲介を担うOCB(Orion Context Broker)は,人口300万人規模の都市で想定した要件(250 msg/s)を満たすために,機能を維持しながら,スループットをスケールさせることが課題である.そこで, 本研究では,データ領域を分け持った複数のOCBを一つに扱い,スループットをスケールさ せる仮想化手法を開発した.評価の結果,要件を満たしスループットが1300 msg/sまでスケールすることを確認した.

6C-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名DApp開発における品質特性の評価に基づくハイブリッドアーキテクチャの検討
著者*大木 憲二, 野村 佳秀 (富士通株式会社)
ページpp. 1161 - 1166
キーワードブロックチェーン, 分散アーキテクチャ, ソフトウェア品質, 品質特性
アブストラクトブロックチェーン技術を活用した分散型のアプリケーション(DApp)はアプリケーションをコントロールする中央管理者が存在せずに分散して動作・管理がなされるという特徴があり,組織間の取引や協業など互いの関係性がフラットな場合の利用に向いていると考えられる.本論文では,組織間調整を行うアプリケーションを題材としたDAppアーキテクチャの方式を検討し品質特性の観点で比較し,アーキテクチャと品質特性の関係について考察を行う.

6C-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名オートエンコーダを用いた地震波信号の圧縮に関する検討
著者*工藤 忍, 谷田 隆一, 木全 英明 (日本電信電話株式会社/NTTメディアインテリジェンス研究所)
ページpp. 1167 - 1170
キーワード地震波, 圧縮, オートエンコーダ
アブストラクト日本全国各地に設置された地震計からリアルタイムに地震波信号が取得・蓄積されている.これらの地震波信号は将来の大規模地震への防災シミュレーションや都市計画,地殻解析等,様々な活用や応用が期待されているが,取得したデータのストレージコストの増加や流通時における通信帯域コストが課題となっている.地震波信号は上下・東西・南北の3 成分の1 次元信号から構成されるため,各成分をチャンネルとする音声信号とみなすことができる.よってこれまで検討されてきた音声信号に対する圧縮手法が適用できると考えられる.しかし,従来の音声信号に適用されている圧縮手法を地震波信号に適用すると低ビットレートにおいて復元精度が十分ではないという問題があった.一方で,近年ではニューラルネットワークを用いた機械学習ベースの圧縮手法の1 つであるオートエンコーダを用いた圧縮手法が数多く提案され,従来の手法を上回る結果を示している.しかし,地震波信号に対して適用した例は報告されていない.そこで,本稿ではオートエンコーダを用いた地震波信号の圧縮手法を提案する.シミュレーション実験により従来の音声信号圧縮手法と比較して低ビットレートにおいて復元精度が向上することを示す.


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セッション 6D  経路案内1
日時: 2021年7月1日(木) 14:10 - 15:30
座長: 佐藤 健哉 (同志社大学)

6D-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名乗客の移動を考慮した相乗り経路探索の高速化手法
著者*天野 雅人, 金 鎔煥, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 1171 - 1179
キーワードライドシェア, 乗客の移動, 経路探索
アブストラクト近年,海外では相乗り配車サービスが普及している.相乗りの利点として,交通量の減少,環境負荷の低減,交通料金の低下などが挙げられる.ただし,乗車位置が固定されていると,一方通行などで遠回りが生じ,総経路長が長くなったり,乗客が多いほど探索時間が膨大にかかるという問題点がある.そこで本研究では,乗客が少し移動することで総経路長を短縮する高速な相乗り経路探索の実現を目的とする.本論文では乗客の移動を考慮した相乗り経路探索システムを提案,実装した.さらに,2つの提案手法を用いて,経路探索の高速化の検証と,乗客の最大移動距離と乗客数の増加に伴う相乗り経路長と探索時間の推移の評価を行った.提案手法の1つは事前探索不要な手法で,もう1つは事前探索が必要だが高速な手法である.評価実験の結果,後者の手法の探索時間は前者に比べて,最大移動距離が400mのとき約150〜200倍高速になった.さらに,事前探索は一度だけで済み,400秒程度しかかからないため,実用上は後者の手法が良いと考える.また,乗客に1kmの移動を許容した場合,乗客が移動しないときの相乗り経路と比較すると,乗客数5人のとき約30%,20人のとき約45%,50人のとき約50%,経路長を短縮できることがわかった.ほかにも,乗客の最大移動距離を約250mにすると,最も効率よく相乗り経路を短縮できることがわかった.

6D-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名交通機関利用時の心理状態を考慮した三密を回避するための交通経路推薦手法の検討
著者*田谷 瑛悟 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター), 平野 陽大 (奈良先端科学技術大学院大学), 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター/国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ), 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター)
ページpp. 1180 - 1187
キーワード経路推薦, 多目的最適化, 意思決定支援, 公共交通機関
アブストラクト現在,COVID-19の流行に伴って,三密を回避するための経路推薦システムが求められている.既存の研究において混雑を考慮した経路を推薦するシステムは存在するが,交通機関の利用人数を考慮し,接触リスクの低い経路を推薦できるシステムは我々の知る限り存在しない.本研究では,時間や費用などの移動に伴って消費するリソースを抑えつつ,ユーザが三密を回避できる経路推薦手法を提案する.我々は交通機関利用時に感じる心理状態に着目する.ユーザは交通機関を利用して移動したとき,他人との接触が多いと感染の恐れから不安に感じると考える.そこで,移動に伴う他人との接触回数と時間から接触リスクを定義し,リスクを最小化する経路を求める.一方で,追加の行動(乗換・徒歩など)が発生すると,ユーザは自身のリソースを消費するため不快に感じると考える.そこで,接触リスクに加えて,時間・費用・スタミナの3要因を消費リソースと定義し,接触リスクと消費リソースを最小化する多目的経路探索問題を解く.本稿では上記の問題を定式化し,遺伝的アルゴリズムの一つであるNSGA-IIIに基づくアルゴリズムを提案する.また,奈良県奈良市地域を対象に,アルゴリズムの有用性を評価するための評価実験を設計する.

6D-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名階層的な静的地図群による経路案内
著者*諏訪 海晴, 藤田 秀之, 大森 匡, 新谷 隆彦 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
ページpp. 1188 - 1192
キーワードナビゲーションシステム, モバイルアプリケーション, 地図, 情報可視化, Webサービス
アブストラクト地図アプリケーションやカーナビゲーションシステムにおける経路案内サービスのための地図表示方式として,利用者の現在地や進行方向に応じて,常時,回転,スクロールする方法が一般的である.これに対し,紙地図のような,地理的範囲やスケールを固定された静的地図がある.静的地図は,経路に関する知識獲得に有用といわれているが,スマートフォン等の画面上での経路案内サービスに用いる際に可視化上の課題が生じる.本研究では,表示画面サイズを考慮して生成したできるだけ少ない数の静的地図を切り替え,経路案内上重要な地点を十分に視認可能な大きさで表示する,経路案内のための新しい地図表示方式を提案する.静的地図の階層関係を表現する順序木である静的経路地図ツリーを生成し,それを用いて経路の提示を行う.提案した地図表示方式によって,表示画面サイズおよび縦横比に応じた,経路案内のための静的地図が生成できた.また,一般的なカーナビゲーションシステムでの表示方式との比較による評価を行い,経路を構成するすべての辺を十分視認可能な大きさで表示しつつ,少ない枚数の静的地図で経路を提示できることを確認した.

6D-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名自動運転を支援する時空間予測を用いた路側の協調経路計画システム
著者*辻尾 康平, 平田 真唯 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 奥村 圭祐, 田村 康将 (東京工業大学 情報理工学院), 塚田 学 (東京大学大学院情報理工学系研究科), デファゴ クサヴィエ (東京工業大学 情報理工学院)
ページpp. 1193 - 1199
キーワード協調型ITS, エッジコンピューティング, 経路計画
アブストラクト近年,自動運転技術が発展する中で,協調型ITS(Intelligent Transportation Systems)が注目されている.協調型ITSは,自動運転車が周囲の自動運転車や路側機(RSU)と通信するために用いられる.このシステムを通して,自動運転車は自車のセンサで感知できない,自車の死角にいる障害物などの情報を得ることができる.ところが,現状の協調型ITSでは主にリアルタイムの情報は共有しているが,車両の行動計画などの未来のデータを共有していない.そのため,周囲の車両の車線変更を伴うシナリオや,交差点のシナリオなどの,走行経路が衝突する状況では,車載センサの情報に基づく経路計画が非効率になるという問題がある.そこで本研究では,車両の未来の行動計画/経路を定義し,複数の車両の未来の経路情報に基づく時空間予測を用いて,交差点における協調的な経路計画モデルを提案する. RSUは,共有された未来の経路情報を用いて,車両経路の衝突の可能性や加速の余地がある場合に,協調的に車両の速度を調整し経路の再生成を行う. 提案手法を自律型自動運転のためのオープンソースソフトウェアであるAutowareを用いて実装し,LGSVLシミュレータを用いて評価した.見通しの悪い交差点のシナリオで2台の車を用いて実験を行ったところ,それぞれの車が他車の行動計画を反映した経路計画を行うことで,安全に走行を行うことができることがわかった.さらに,路側機を導入することで,通信を行わない場合よりも,交差点を含む経路を,2台の車がそれぞれ23.0%と28.1%,短い時間で通過することができた.


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セッション 6E  BLEビーコン
日時: 2021年7月1日(木) 14:10 - 15:30
座長: 渡邉 輔祐太 (三菱電機)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
6E-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名BLEビーコンを用いた車椅子使用者における活動量及び自走・介助の判定手法
著者*大鐘 勇輝 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 榎堀 優 (名古屋大学大学院情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部)
ページpp. 1200 - 1207
キーワードBLEビーコン, モニタリング, 車椅子, センサ信号処理
アブストラクト医療技術の発達により人の寿命は年々伸び,これに伴う高齢化によって介護業界の人手不足が社会問題となっている.高齢者介護施設では日常生活の介助の他に,食事や運動による健康の維持や行動のモニタリングが求められる.これまで人におけるモニタリングの先行研究として,加速度センサを用いた手法や消費電力変化を用いた手法など,様々な手法が提案されてきた.しかし,これらの手法は車椅子使用者は対象外,または導入・運用コストが高いという問題がある.そこで本研究では,車椅子使用者を対象とした低コストなモニタリング手法を目指し,その基礎検討としてBLEビーコンを用いた活動量及び自走・介助の判定手法を提案する.BLEビーコンから発信される電波は微弱であるため,受信機との距離や向きによって電波強度が変化しやすい.この特徴を利用し,BLEビーコンを車椅子の車輪に取り付け,回転による受信電波強度の変化から推定を行う.ただし,BLEビーコンの電波は微弱であるがゆえ,建物構造や部材,ネットワーク機器による電波ノイズの影響を受けてしまい,正確に推定を行えない可能性がある.この問題を解決するため,提案手法ではBLEビーコンへの指向性アダプタの取り付けや,測定データへのデジタルフィルタの適用を行う.そして,ノイズを軽減したデータから車輪回転数と自走しているのか,介助されているのかを推定する.また,本稿では判定結果の可視化方法についても検討を行い,基本的な機能の試作を行う.提案手法を用いてテスト環境で車椅子における自走・介助の判定精度を確かめた.その結果,自走と介助の判定は93.0%の精度で行えた.

6E-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名BLEビーコンによる経路推定のためのビーコンネットワーク生成手法の提案と評価
著者*安藤 祥太, 梶岡 慎輔, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学 大学院工学研究科)
ページpp. 1208 - 1215
キーワードBLE, ビーコン, 経路推定
アブストラクト我々の研究室では,BLE ビーコンを用いたグローバルマップマッチングによるユーザの移動経路・滞在推定手法を提案してきた.これらの研究では,ビーコンネットワーク,経路ネットワークと呼ばれる二つのネットワークを作成することで移動経路・滞在推定を行っているが,推定を行う際,ノードやリンクといったネットワークの情報は,事前にユーザが手動で入力する必要があった.そこで本論文では,2つのネットワークのうち,ビーコンネットワークついて,そのトポロジーの作成を自動化するシステムを提案する.提案システムは,Android アプリケーションにより収集したデータを入力とし,ビーコンネットワークのノード,始点ノードと終点ノードを保持したリンクテーブルを出力する.ノード情報は,アプリで取得したビーコン ID をそのまま用いることで,また,リンク情報は時間的側面を考慮した方法と,受信信号の強度を利用した方法を用いることで,ビーコンネットワークの作成を実現した.本論文では,提案システムとその実現方法について述べ,プロトタイプを実装した.また,プロトタイプを用いて生成されたネットワークトポロジー,設定したパラメータに関して評価実験を行い,その結果について考察する.

6E-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名BLEビーコンとGPSを用いたシームレスな屋内外移動経路推定手法
著者*梶岡 慎輔, 齋藤 孝徳, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学 大学院工学研究科)
ページpp. 1216 - 1222
キーワードBLEビーコン, 位置推定, 経路推定, マップマッチング
アブストラクトマップマッチングを用いて移動・滞在経路を推定する手法が広く利用されている.我々の研究グループでは,屋内の移動・滞在経路を推定するため,スマートフォンなどの利用者端末で受信したBLEビーコンのRSSIをもとに端末位置の候補点を決定し,候補点の時系列データからグローバルマップマッチングにより端末の移動・滞在経路を推定する手法を提案した.しかしこの手法は1つのフロア内に経路が収まることを想定しており,フロア間移動や屋外への移動は考慮されていない.また本学のビーコン発信機は屋外で移動経路を推定することを想定して設置されていない.そのため屋外ではビーコン発信機の設置密度が低くマップマッチングに不適であったり,BLEビーコンが受信できず移動経路の推定が困難になる場所が存在したりする.そこで本研究ではマップマッチングに用いるデータを拡張してフロア間移動や屋内外の移動が含まれる場合でもシームレスに移動経路が推定できるようにする.このような推定を実現するために,マップマッチングに用いるマップ同士を接続する目的のノードを新たに定義し,そのノードを経由することでフロア間や屋内外のマップの切り替えを実現する.また屋外でBLEビーコン以外にGPSを用いた測位が利用可能な場合はGPSをマップマッチングに利用し,屋外を移動した際にも推定移動経路が途切れにくい手法を提案する.評価実験を実施した結果,提案手法によりフロア間,屋内外でシームレスに移動経路が推定できることを確認し,BLEビーコンとGPSを併用することでより高い経路適合率,経路再現率が得られることが示された.


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セッション 6F  ネットワーク・セキュリティ
日時: 2021年7月1日(木) 14:10 - 15:30
座長: 北口 善明 (東京工業大学)

6F-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名深層学習を用いた有線通信におけるネットワークトラフィック変動の予測手法
著者*明石 季利子 (お茶の水女子大学), 中尾 彰宏, 山本 周 (東京大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1223 - 1227
キーワードネットワークトラフィック, 深層学習, LSTM, 時系列データ

6F-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名リアルタイムトラフィック可視化システムとその運用経験
著者*吉田 和幸 (大分大学 情報基盤センター), 宇野 秀亮, 池部 実 (大分大学 理工学部), 吉崎 弘一 (大分大学 情報基盤センター)
ページpp. 1228 - 1232
キーワードトラフィックの可視化, スキャン, ネットワークの運用
アブストラクトインターネットトラフィックの増大に伴い,サーバやそこで動作しているサービスを調査するスキャンも増加している.大量のパケットが来るスキャン等の傾向を把握するには,個々のパケットやフローの解析では困難である.我々は、スキャンの状況をリアルタイムに表示するシステムを作成し,運用している.本システムでは、外部からLAN宛てに来るパケットについて、IPヘッダ、TCPヘッダの内容により分類、抽出して、宛先IPアドレスの下位2オクテット,宛先ポート番号など16ビット空間でそれぞれに対応するパケット数を計数し、256×256のマップに展開して全体の分布を表示している.これにより,ネットワークトラフィックの概要の把握が容易になる。本論文では、システムの構成、実行例を示し、可視化した分布図から読み取れるスキャンの傾向などについて考察する。

6F-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名IDS・SDN連携型ファイアウォールシステムにおけるIDS多重化による攻撃遮断高速化
著者並木 涼, サリチ エルトゥール, *山井 成良 (東京農工大学)
ページpp. 1233 - 1236
キーワードファイアウォール, IDS, SDN
アブストラクトファイアウォールシステムの構成法としてIDS(Intrusion Detection System)とSDN(Software Defined Network)システムとを併用するIDS・SDN 連携型ファイアウォールシステムが構成や機能の柔軟性の観点から注目されている.この構成法ではIDSに全てのパケットが複製・転送されるため,IDSの負荷増大が問題となる.本稿ではIDSの多重化によりIDSの負荷分散を図る方法を提案する.これにより従来の構成に比べて高速な遮断動作が期待できる.

6F-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名ネットワーク処理性能を考慮したMTD手法の設計
著者*田邊 優人, 前田 香織 (広島市立大学大学院情報科学研究科), 大石 恭弘 (株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)), 高野 知佐 (広島市立大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1237 - 1242
キーワードMTD, IPアドレスホップ, ルートホップ, IPモビリティ, DPDK
アブストラクト静的なIPアドレスの付与やネットワーク構成はDDoSなど様々な攻撃に晒される.また,多くのプロトコルに見られる最短経路によるルーティングは盗聴など中間者攻撃に脆弱である.これらの対策としてMTD(Moving Target Defense)がある.MTDは保護対象の識別子を予測不能なものにすることによって攻撃の対象となる確率を減少させる防御技術である.本稿では,既存研究である移動透過通信アーキテクチャMATをMTDに用いるMAT MTDを改良したMTDシステムの開発について述べる.開発したMTDシステムでは複数の伝送路を用いて通信を行うルートホッピングを追加し,伝送路上の中間者攻撃からの防御機能の強化する.また,MTDシステムを使うことで,サーバのネットワーク処理性能が低下しないように高速パケット処理機構であるDPDK(Data Plane Development Kit)を用いる.ルートホッピングによるオーバヘッドを調べるために,通信性能差のあるネットワーク間をルートホッピングする場合のスループットを測定実験で行いその結果も述べる.


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セッション 6G  認証
日時: 2021年7月1日(木) 14:10 - 15:30
座長: 沼尾 雅之 (電気通信大学)

6G-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名ライフスタイル認証の攻撃耐性に関する実験報告
著者*重田 信夫, 小林 良輔 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 佐治 信之 (コードノミー, インフォコーパス), 山口 利恵 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 1243 - 1250
キーワードライフスタイル認証・解析, 行動認証, 個人認証, スマートフォン, 攻撃耐性
アブストラクト現在,多く利用されている個人認証手法の一つとしてID/パスワードがあるが,この利用にはユーザーの負担も大きい.この解決のため,人の行動習慣を個人の特徴と捉えて認証要素の一つとする“ライフスタイル認証・解析”を提案している.ここでは,個人のスマートフォン等から得られる様々な行動データを用い,リテラシーに頼らない個人認証や個人向けの行動支援,個人向けサービス提供などの実現を目指して研究と実験を進めている. 2019年1月〜4月に行った実証実験2019(その1)においては他人からの攻撃モデル(スマートフォンが他人に窃取され,本人に成りすまし使用を継続する想定)を設定し行動データを収集した.有効なデータが収集できたスマートフォン15台のデータをもとに,端末種別・認証アルゴリズム・攻撃者の属性(元の所有者と行動パターン類似性の大小)などの諸条件で分けて認証値データの分析を行った.この結果,攻撃後の認証値が低下する状況と攻撃が検出されるまでの時間を計測した.本論文ではここで得られた結果をまとめた.これらをライフスタイル認証の今後の研究と社会実装に役立てる.

6G-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名活動量と移動中のGPS/Wi-Fiログの相関を利用したライフスタイル認証手法
著者*宮澤 晟, Tran Phuong Thao, 山口 利恵 (東京大学大学院 情報理工学系研究科)
ページpp. 1251 - 1258
キーワードライフスタイル認証, 行動認証, 位置情報, 活動量
アブストラクト近年,従来の知識認証,所持物認証および生体認証に加わる新たな認証手法として,個人の行動履歴を複数組み合わせて認証に用いるライフスタイル認証が提案されている.これまでのライフスタイル認証の研究では,多要素認証の際に要素ごとのスコアを独立して計算し最終的な認証に用いることが多く,それぞれの要素の相関を用いてこなかった. 我々は相関を活用することが有効と考え,現在広く普及しているデバイスである活動量計とスマートフォンから収集可能な歩行中の活動量と GPS 位置情報・周囲の Wi-Fi アクセスポイントの情報という異なる認証要素の相関を利用する手法を提案したが,先に提案した手法では GPS・Wi-Fi の計測が定期的に行えない場合に認証精度が極端に低下するという課題が存在した.この問題は,OS の制約上,ユーザの移動中のみしか位置情報の収集が行えない iOS 端末において,本手法を適用する際の大きな障壁となっていた. 本論文では,移動中に収集した少数の GPS・Wi-Fi 情報のみを用いた場合でも認証精度が低下しないよう手法を改善し,この問題を解決した.ライフスタイル認証の実証実験である MITHRA プロジェクトで収集した iOS/Android ユーザ双方が含まれるデータに対して本手法を適用し,等価エラー率 (EER) が 0.13 と,先の提案手法と比較してほぼ同程度の認証精度を達成した.

6G-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名データ収集間隔を5分と1時間とした時のWi-Fi情報を活用した個人認証手法における認証精度への影響
著者*小林 良輔 (三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社), 山口 利恵 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 1259 - 1264
キーワード行動認証, Wi-Fi, スマートフォン, センサー, トラッキング
アブストラクト近年,行動情報を活用した個人認証手法に関する多くの研究がなされている.IoT技術の発達により,人の周辺機器に搭載されているセンサー等から,行動情報を容易に収集可能となったことがその原因の一つと考えられる,特に,スマートフォンは行動情報を収集するためのIoTデバイスとして使用されることが多い.最近では大多数の人が自分専用のスマートフォンを所持しており,これらの機器は行動情報を収集することで,所有者の行動をトラッキングすることができる.ただし,人の行動をトラッキングすることは,スマートフォンのバッテリー消費やプライバシー問題に影響を与える.これらの問題は,情報収集の間隔が短いほどより深刻になることが容易に考えられる.そこで本論文では,行動認証技術の一つであるWi-Fi情報を活用した個人認証手法において,データ収集間隔を5分と1時間の2つのケースに設定した場合における認証精度の影響を調査した.本実験では,16,027人から各自のスマートフォンを用いてWi-Fiの情報を収集し,その中からランダムに100人のデータを選択して利用した.その結果,2つのケースにおいて認証精度への影響は軽微であることがわかった.

6G-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名1対多掌紋認証における順列インデックスを用いたN位認証率向上に関する一検討
著者*吉平 瑞穂, 芹澤 歩弥, 奥寺 瞭介, 大内 結雲, 塩見 祐哉 (静岡大学), 新田 修也, 中原 正隆, 馬場 昭, 三宅 優 (KDDI総合研究所), 大木 哲史, 西垣 正勝 (静岡大学)
ページpp. 1265 - 1271
キーワード掌紋認証, 1対N認証, 順列インデックス, 主成分分析, 登録生体情報選択
アブストラクト掌紋認証は,利便性,可用性,受容性を兼ね備えた生体認証方式である.身一つで本人の確認ができる点が生体認証の大きなメリットであるが,1対多生体認証においては,テンプレートの増加に伴って照合回数が増加し,それに伴って認証に要する時間も増加するという問題点がある.1対多生体認証の高速化手法として,pivot(基準データ)との照合スコアの大きさの順序から得られる順列を距離索引用のインデックスとして用いる「順列インデックス」が提案されている.我々は順列インデックスを1対多掌紋認証に用いる場合のN位認証率を向上させる手法として,pivot集合の空間分離性を向上させるためのPCA型pivot集合直交化,および,認証に用いるpivot照合スコア順列のロバスト性の改善手法として順列尺度型インデックス選択を提案する.検証結果より,提案手法を適用することによって1対多掌紋認証における順列インデックスのN位認証率の向上に寄与することが明らかとなった.


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セッション 6H  機械学習コンテンツ
日時: 2021年7月1日(木) 14:10 - 15:30
座長: 井上 亮文 (東京工科大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
6H-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名深層学習による物体識別を考慮した手描きスケッチからの三次元CGシーンの自動生成
著者*水野 慎士, 新地 洋一 (愛知工業大学大学院)
ページpp. 1272 - 1277
キーワード3DCG, スケッチ, モデリング, 深層学習
アブストラクト筆者らが開発している「不思議なスケッチブック」では,紙にペンで自由にお絵描きをすると,描画オブジェクトを個別に3DCGモデル化して,お絵描き全体から3DCGシーンを自動的に生成する.しかし,各描画物体の種類の識別は行っておらず,必ずしも適切な3DCGシーンが生成されるとは限らなかった.そこで,本研究では深層学習を用いて手描きオブジェクトを識別する手法の開発を行った.開発手法では,家,車,雲など10種類の手描き物体を93%以上の精度で識別することを実現した.そして,識別結果を不思議なスケッチブックに適用することで,家や車はCG空間中の地面に配置される一方で雲や太陽は空中に配置されたり,車は移動して花は揺れるといった動きが付与されるなど,オブジェクトの種別に応じた適切な配置や動きの自動設定が行われることを確認した.その結果,従来の不思議なスケッチブックに比べて,手描きスケッチからより適切な三次元CGシーンを自動的に生成することを実現した.

シニアリサーチャ賞 / Senior Researcher Awards
6H-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名U-netを用いた2Dキャラクタアニメーション制作における髪パーツに対する自動パーツ分け方式
著者渡邉 優, *阿倍 博信 (東京電機大学)
ページpp. 1278 - 1284
キーワードU-net, アニメーション, パーツ分け, キャラクタ
アブストラクト2Dキャラクタアニメーション制作の一工程であるパーツ分け作業では,着色済みのキャラクタイラストに対して,髪や目などのアニメーションさせたいパーツをレイヤに分ける作業が必要である.このパーツ分け作業はグラフィックソフト上で選択範囲ツールなどを用いてパーツを切り出す単純な作業であるが,複雑なアニメーションを制作する際には対象となるパーツが多く存在するため作業に時間がかかる問題がある.そこで,本論文では,セマンティックセグメンテーションの一方式であるU-netを用いてパーツ分け作業を自動化する方式について提案する.方式提案にあたり,通常のカラーイラストを入力するモデルに加えて,カラーイラストから抽出した線画を入力するモデル,線画とカラーイラストを同時に入力するモデルの3種類のモデルを構築し,精度評価を行った結果,線画とカラーイラストを同時に入力するモデルが,F値で68.1%と最も高い精度が得られることが分かった.

6H-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名機械学習を用いた診療録の様式分類におけるアルゴリズムの一検討
著者*小野 悟 (公益財団法人放射線影響研究所 情報技術部), 大石 和佳 (公益財団法人放射線影響研究所 臨床研究部), Eric Grant (公益財団法人放射線影響研究所 主席研究員)
ページpp. 1285 - 1288
キーワード機械学習, カルテ, 診療録, 様式, 分類
アブストラクト放射線影響研究所では,原爆被爆者およびその二世の方々の多大な協力を賜りながら,過去70年以上に亘り疫学的,分子生物学的研究を継続している.その過程において,これら研究協力者の臨床的情報を体系的な記録として保管するために診療録が作成されている.診療録を構成する情報の一部は紙媒体のみでしか保存されていないため,経年劣化による情報の滅失が懸念されており,構成する各様式等の光学スキャン方式を用いた電子化を検討している.しかしながら,これらの方式では読み取られた情報は画像情報として保存されるため,適切な分類や検索のためのメタデータの付加が望ましい.そこで,パイロットスタディとして保有する診療録の一部を光学スキャン方式によって画像化し,それらの様式に対して機械学習を用いた分類を試みた.本稿ではこの分類のために,決定木・K近傍・SVM (Support Vector Machine) の3つのアルゴリズムを検証した.検証の結果,研究所が保有する診療録の画像分類においては,SVMが正解率等において優位な結果を示した.

6H-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名動作認識のための合成データ活用に向けたドメイン適応手法の比較
著者*礒井 葉那 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1289 - 1297
キーワードドメイン適応, 敵対的学習, 合成データ
アブストラクトディープニューラルネットワークの進歩に伴う学習データ不足の問題について様々な議論が行われており, その解決策の1つに合成データを利用した学習がある. 合成データには生成が比較的容易であるという利点があるが, 合成データを用いて学習したモデルには, 実データ解析時にドメインシフトによって解析精度が低下するという課題がある. 本研究では,合成動画像データを活用した高精度な実動画像データ識別の実現を目的とし, 写実的な合成動画像データを用いて3D ResNet と TSN をベースとするモデルでそれぞれ学習し, その動作識別精度を比較した. 実験の結果, 合成データと実データの特徴の違いはモーションよりも色や形状, 質感にあること, オプティカルフローを用いるTSNベースのモデルの方が高精度に実データの動作識別が可能であることがわかった.



2021年7月2日(金)

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セッション 7A  CDS/DCC統一セッション
日時: 2021年7月2日(金) 9:30 - 10:10
座長: 峰野 博史 (静岡大学)

7A-1 (時間: 9:30 - 10:10)
題名(招待講演) ポスト身体社会:「触れ合えない」時代の「身体性」
著者稲見 昌彦 (東京大学)
ページpp. 1298 - 1303
キーワード身体性, バーチャルリアリティ, 人間拡張工学, 自在化身体


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セッション 7B  スポーツ
日時: 2021年7月2日(金) 8:30 - 10:10
座長: 前川 卓也 (大阪大学)

7B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名IMUセンサーを用いたパンチ検出と分類手法の提案
著者*花田 祥典, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1304 - 1309
キーワードスポーツ, ウェアラブルデバイス, 行動認識
アブストラクトMaintaining healthy living requires habitual physical activities. Nonetheless, staying motivated to work out regularly is challenging for most people. To solve this problem, automated personal supporting systems could help. This paper presents boxercise, a fitness standard exercise that mainly includes shadow-boxing exercises. The paper introduces punch activity detection and classification methods using acceleration and angular velocity signals recorded using a single smartwatch on the participant’s rear hand wrist. The proposed method is evaluated on our 10 participants aged between 17 and 53 years old (8 male and 2 female, age 27.8±12.8). As a result, we achieved 98.8% detection accuracy, 98.9% classification accuracy with SVM in-person-dependent (PD) case, and 91.1% classification accuracy with SVM in person-independent(PI) case. In addition, we estimated the real-time performance of each classification method and found out all our methods could classify a single punch in less than 0.1 seconds. The paper also discussed some points of improvement towards a practical boxercise supporting system.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名スマートウォッチを用いたトランポリン上の動作検出
著者*小林 慧, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻)
ページpp. 1310 - 1317
キーワード行動認識, トランポリン, スマートウォッチ
アブストラクト本研究では,スマートウォッチに搭載されている加速度センサを用いてトランポリン上で行った動作を検出する手法を開発する.スマートウォッチからトランポリン上での動作を検出できることで家庭用トランポリンを用いてトランポリン運動を促進するシステムの開発につながる.本研究では,Convolutional Neural Network (CNN)を用いた手法を提案した.被験者8名に対し,Leave-One-Subject-Out Cross Validation (LOSO-CV)で性能評価した結果,提案手法において78.8%の推定精度が得られ,ベースライン手法と比較した場合でも最良の推定精度であった.また,実際にスマートウォッチ上でモデルを動作させた場合の推論時間やバッテリー消費量を評価し,提案手法がオンデバイスの推論においても有効であることを示した.

7B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名ウェアラブルセンサを用いた実泳距離推定手法の提案
著者*渡辺 大将 (立命館大学情報理工学部), 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部/JSTさきがけ)
ページpp. 1318 - 1325
キーワード加速度センサ, ジャイロセンサ, 水泳, 距離推定
アブストラクト水泳における競泳競技では,0.01秒の単位で順位を競いあう.しかし競技者は癖や身体のバランスによって蛇行し,実泳距離が延びてしまうことがある.本研究では加速度センサとジャイロセンサを用いて蛇行した際の実泳距離推定手法を提案する.理論上加速度を二重積分すると距離が得られるが,得られた加速度センサの値をそのまま積分すると累積誤差によって推定結果と実泳距離の差が大きくなってしまうため,センサの値を補正し推定する.評価実験では,遊泳動作に対するセンサ値を除くためにビート板の上にセンサを固定して決められた道のりを進む実験と,4人の被験者の背中,後頭部,腰にセンサを固定して泳ぐ実験を行い,直進ルートと曲進ルートでのそれぞれの距離推定を行った.推定結果から,背中と後頭部に装着した場合,遊泳動作の影響を受けやすく,軸がずれ,良い推定結果が得られないが,腰に装着した際には軸のずれが小さく,推定結果も他の部位より誤差が小さくなることから,本提案手法で推定をする際は腰に装着することが推奨されることが分かった.

7B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名加速度センサを用いた体幹トレーニング支援システム
著者森田 大喜, *元川 錦, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1326 - 1331
キーワードスポーツ, ウェアラブルコンピューティング
アブストラクト健康を維持するためには日常的に体を動かすことが推奨されているが,新型コロナウイルスの影響もあり,フィットネスクラブや複数人で行う運動・スポーツを中断している人が多くなっている.このような状況において,健康増進のために行っている運動・スポーツとして,室内において個人で手軽に行うことができる「体幹トレーニング」に注目が集まっている.しかし個人で行う体幹トレーニングでは,トレーニング中の姿勢が正しいものかどうか認識することは難しく,その効果が著しく低下することが考えられる. 本研究では個人で行う体幹トレーニングの支援を目標としCoreMoniを開発し,個人で行う体幹トレーニングの支援に有用であるかを評価実験を通して検証した. System Usability Scaleを用いたアンケート結果では,被験者の平均スコアは86.8点であり,CoreMoniは非常に優れたユーザビリティであることが示された.またアプリケーションの内容についてのアンケート結果から,CoreMoniはトレーニング中のユーザーに「姿勢」と「体幹のブレ」を意識させ,個人で行う体幹トレーニングの支援に有用であると確認できた.

7B-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名FootbSense:慣性計測装置を用いたサッカー動作認識モデルの検証
著者近藤 佑樹, *青柳 光璃, 石井 峻, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1332 - 1334
キーワードスポーツ, 行動認識, ウェアラブルコンピューティング
アブストラクトスポーツの動作分析は,コーチやマネージャーがアスリートのパフォーマンスを評価するのに役立ち,戦略的な意思決定をサポートするための重要な情報となる.これまで,動作分析の研究として,ビデオベースシステムや,専用のスポーツウェアにセンサを組み込んで,体動データから運動量及び強度の解析が行われてきた.しかし,これらの解析システムは高価かつ装置が大きいことから,センサの装着位置や安全性に課題があるのが現状である. 本研究では,市販の小型ウェアラブル慣性センサを用いて,一般のサッカー選手におけるスキル向上支援システムの開発を目的とし,サッカー動作の自動認識手法及び,センサ装着位置の影響を評価した.


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セッション 7C  拡張現実とロボット
日時: 2021年7月2日(金) 9:10 - 10:10
座長: 大村 廉 (豊橋技術科学大学)

7C-1 (時間: 9:10 - 9:30)
題名自律移動ロボットのセンサ機器を用いた人流推定手法の提案
著者*下里 浩昇, 片山 晋, 浦野 健太 (名古屋大学大学院工学研究科), 青木 俊介 (名古屋大学 未来社会創造機構), 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科 兼 未来社会創造機構)
ページpp. 1335 - 1340
キーワード人流推定, 自律型配送ロボット, LiDAR

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7C-2 (時間: 9:30 - 9:50)
題名首を自在に伸縮できるビデオシースルーARシステムのための操作方法の検討
著者*山崎 晋之介, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 1341 - 1349
キーワード人間の身体拡張, ヒューマンインタラクション
アブストラクトヘッドマウントディスプレイなどの頭部装着型デバイスの普及に伴い,それらを用いた人間の身体拡張に関する研究が注目を集めている.身体拡張システムの操作方法においてコントローラなどの入力デバイスを用いると咄嗟の操作が難しいことや操作を覚える必要があることといった問題がある.そこで,本研究では直観的に操作が行えるように人間の自然な動作(ジェスチャ)を入力のキーにする.本論文では,広角・高解像度のカメラが搭載されているビデオシースルーARを用いて首を自在に伸縮・移動することによって視点の移動を拡張する身体拡張システムを題材とし,このようなシステムのためのジェスチャ入力方法を検討した.提案システムとしてVR空間内の迷路で首が上方向に伸びる身体拡張システムを実装した.そして,検討したジェスチャによる操作とコントローラによる操作で操作性を比較するための評価実験を行った.実験の結果,被験者に共通してコントローラによる操作が操作性において優れていることが分かった.また,主観評価ではジェスチャによる操作で没入感が得られるということが分かった.

7C-3 (時間: 9:50 - 10:10)
題名離散制御器合成によるサービスロボット向け行動計画自動生成手法
著者*笠井 栄良 (ソニーグループ株式会社), 鄭 顕志 (早稲田大学)
ページpp. 1350 - 1357
キーワードロボット, 行動計画, 離散制御器合成, モバイルマニピュレータ
アブストラクト近年サービス分野への応用が期待されるモバイルマニピュレータ向けのソフトウェアシステムの課題の一つである行動計画・動作生成に関して,離散制御器合成により生成した制御器により動作計画を行う手法を提案した.さらにサービス用途向けのアプリケーションであるWorld Robot Summit(WRS)フューチャーコンビニエンスストアチャレンジの補充・廃棄タスクを対象としてケーススタディを実施した.まずWRSの競技規則をもとにタスク分析・ユースケース抽出を実施し,LTSおよびFLTLによる環境・ロボット・動作仕様の段階的なモデル化を実施しMTSAにより離散制御器の合成を行うことでスケーラビリティに関する評価を行った.結果,生成された離散制御器の有効性を確認することができたものの,現実的な規模のアプリケーションに対しては合成時間が増大するという課題があるという知見を得た.


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セッション 7D  経路案内2
日時: 2021年7月2日(金) 8:50 - 10:10
座長: 屋代 智之 (千葉工業大学)

7D-1 (時間: 8:50 - 9:10)
題名フルデマンド型交通における迂回度低減のための将来需要を考慮した配車アルゴリズムの提案
著者*若園 裕太 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 1358 - 1366
キーワード公共交通, フルデマンド型交通, 配車アルゴリズム, 将来需要, 交通シミュレーション
アブストラクト近年,MaaSの普及に伴い,乗合を用いた交通手段であるフルデマンド型交通が注目されている.フルデマンド型交通の問題の1つとして,新たなデマンドが発生し乗合が起こる際に,走行予定の経路を変更し迂回する必要があることが挙げられる.迂回が発生することで,既に乗車しているユーザの乗車時間や新たに乗車するユーザの乗車までの待ち時間が増加し,利便性が低下することが考えられる.そこで,新たなデマンド発生時の迂回度を低減するための配車アルゴリズムを構築することで,利便性の向上を図る.本研究では,フルデマンド型交通の1つであるSAVS(Smart Access Vehicle Service)を対象として,将来需要を考慮した配車アルゴリズムを提案する.具体的には,SAVSの配車アルゴリズムである逐次最適挿入法を拡張し,各車両が保持する乗降地点リストに将来需要を考慮した経由地点を付与する.提案アルゴリズムの評価を行うために,逐次最適挿入法と提案アルゴリズムでシミュレーション実験を行った.実験結果に基づいて,ユーザの待ち時間や乗車時間,車両の乗車人数の変化,乗合率など複数の観点から,提案手法の有用性について分析を行った.

7D-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名快適二輪車ナビのための記憶の影響を考慮した画像の感情強度抽出手法の提案
著者*栗 達, 山口 琉太, 阿藤 圭佑 (京都産業大学), 義久 智樹, 下條 真司 (大阪大学), 河合 由起子 (京都産業大学 大阪大学)
ページpp. 1367 - 1374
キーワードマルチメディアネットワーク, 適合フィードバック, ラベリング, ナビゲーションシステム, 感情分析
アブストラクト近年,MaaS(Mobility as a Service)基盤の普及が急速に進められており,複数の公共交通機関やそれ以外の移動サービスを適切に組み合わせて検索や予約,決済等を一括で行うサービスが注目を集めている.本研究では,MaaSにおけるラストマイル5km圏内の移動手段となり得る電動二輪車の安全かつ快適な移動支援を目指し,自動車専用道路と歩道の両環境データと運転者データの効率的取得ならびに快適性を分析する経路推薦システムを提案する.提案手法は,運転中の表情から感情を判定することで,ユーザの運転中の視認性と操作性を妨げることなく,潜在意識または意図的な快適や不快感を取得する.また,快適さは周囲のエリアにも影響するため,地図をセルに分割し,快適さの評価値をセルに投票することで,投票数の少ないエリアを経由地として追加する経路生成手法を提案する.本稿では,効率的な画像データ取得ならびに快適性判定法を提案し,構築した快適な二輪車ナビゲーションシステムによるデータ取得と分析結果について論じる.

7D-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名安全快適二輪車ナビに向けた画像取得・分析システムの検討
著者*山口 琉太 (京都産業大学), 義久 智樹 (大阪大学), Panote Siriaraya (京都工芸繊維大学), 下條 真司 (大阪大学), 河合 由起子 (京都産業大学,大阪大学)
ページpp. 1375 - 1381
キーワードITS, ナビゲーションシステム
アブストラクト近年,MaaS(Mobility as a Service) 基盤の普及が急速に進められており,複数の公共交通機関やそ れ以外の移動サービスを適切に組み合わせて検索や予約,決済等を一括で行うサービスが注目を集めてい る.本研究では,MaaS におけるラストマイル 5km 圏内の移動手段となり得る電動二輪車の安全かつ快適 な移動支援を目指し,自動車専用道路と歩道の両環境データと運転者データの効率的取得ならびに快適性 を分析する経路推薦システムを提案する.提案手法は,運転中の表情から感情を判定することで,ユーザ の運転中の視認性と操作性を妨げることなく,潜在意識または意図的な快適や不快感を取得する.また, 快適さは周囲のエリアにも影響するため,地図をセルに分割し,快適さの評価値をセルに投票することで, 投票数の少ないエリアを経由地として追加する経路生成手法を提案する.本稿では,効率的な画像データ 取得ならびに快適性判定法を提案し,構築した快適な二輪車ナビゲーションシステムによるデータ取得と 分析結果について論じる.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7D-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名オープンデータを用いたバス路線推定と多路線描画手法の改良
著者*水谷 颯吾, 金 鎔煥, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学 大学院工学研究科)
ページpp. 1382 - 1390
キーワードオープンデータ, 路線図, 自動生成
アブストラクト本研究は,地理的に正確なバス路線図の自動生成システムに着目する.本研究の先行研究では,停留所座標と道なり道路(ストローク)を用いたバス路線図の自動推定を実現し た.この手法では,停留所座標から停留所ノードを生成し,停留所ノード間を右左折の回数が最も少なく なる道なり優先探索手法を使用してバス路線を推定している.また,複数の路線描画の際,重複区間の配 置順を動的に求め右左折時の交差が少ない路線の地図上描画を実現した. しかし,この手法では停留所座標から停留所ノードを生成しているため,高速道路の高架下などに停留所 がある場合誤った場所に停留所ノードを生成してしまい,正確なバス路線推定ができないという課題があ る.また,この手法では 10 路線の描画に留まり,より多くの路線に対応するためには様々な路線の形状を 考慮する必要がある. 上記の課題を解決するために,本研究では停留所座標と道路リンクに加え,高速道路や国道などの道路の 形状データである道路クラスを用いることで,より精度の高い路線の経路推定を実現した。提案システム におけるバス路線の推定精度に対する評価実験を行った.40 路線に対して実際の路線との一致率を求め, 従来手法の推定精度が約 91.6%,提案手法の推定精度が約 93.2%であり,1.6%の精度向上が見られた. また,30 路線の描画に対する定性的な評価を行った.見つかった課題としては路線同士の色区別がわかり ずらい,バスターミナル付近や 4 路線以上重なった時の視認性の低下が挙げられる.


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セッション 7E  家・行動推定
日時: 2021年7月2日(金) 8:50 - 10:10
座長: 吉廣 卓哉 (和歌山大学)

7E-1 (時間: 8:50 - 9:10)
題名低粒度な分岐回路電力データを用いた家庭内行動認識手法
著者*田中 福治, 石津 紘太朗, 水本 旭洋, 山口 弘純 (大阪大学), 東野 輝夫 (京都橘大学)
ページpp. 1391 - 1399
キーワード家庭内行動把握, HEMS
アブストラクト本研究では,HEMS住宅分電盤から得られる分岐回路別の30分毎の累計消費電力情報のみから家庭内行動推定を行う手法を提案する.提案手法では,起床,就寝,調理,洗濯,皿洗い,入浴,洗面行動の7行動を推定対象とし,30分毎にどの行動が行われていたかを推定する.これに対し,まず各行動に最も関係すると想定される分岐を特定するとともに,家電の電源のON/OFFで明確に特定できる行動については当該分岐電力の利用の有無を用いて推定する.その他の行動に関しては,推定対象時間スロット前後の複数時間スロットに対し,当該分岐の電力量から抽出した特徴量を用い,ランダムフォレストにより各行動の有無を推定するモデルを構築する.また,転移学習により家庭間の差異に適応する方法もあわせて提案する.17家庭の1年分のHEMS計測データを連携企業の協力で入手し,うち夏および冬の2ヵ月間の計16万エントリ以上のデータに,複数人による行動ラベル付与を行ったデータを用いて学習および推定実験を実施した.その結果,起床は63.4%,就寝は54.2%,入浴は81.6%,洗面は86.5%のF値でそれぞれ認識できていることを確認した.また入浴の推定に関して3日以上の対象家庭のデータを用いて転移学習を行うことで精度が向上することを確認した.

7E-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名LiDARを用いた疎な観測による多角柱復元手法の提案
著者*原田 歩, 廣森 聡仁, 山口 弘純 (大阪大学), 東野 輝夫 (京都橘大学)
ページpp. 1400 - 1407
キーワード三次元復元, 三次元点群, LiDAR, 自然災害, ドローン
アブストラクト自然災害時において,被害の状況を迅速に把握し,自治体や住民で共有することは,その後の救援・救助・支援などの一連の緊急活動に不可欠なものである. 被害状況の一つである建築物に対する被害については,ドローンなどから撮影された空撮画像に基づき,専門家が個々の建築物に対する被害状況を判定している. 近年,様々な地点から計測された多くの画像に基づき,対象物の立体形状を高精度に復元する技術である,三次元復元技術が研究されているが,画像の計測や処理に多くの時間を要する. 本研究では,直線移動をするドローンに搭載された LiDAR センサによって観測された対象物の三次元点群データから,対象物の三次元形状を大まかに復元する手法を提案する. この手法では,観測によって得られた疎な三次元点群から,多角柱の柱の部分のみを推定し,また,構造物が直方体であること,また,構造物を構成する辺は90度を成すことなどの一般的な構造物の特性を仮定することで,対象物の全体の形状を推定する. 評価実験では,一般的な二階建て一軒家を模した多角柱に対し,疎な観測により得られた1平方メートルあたり60点程度の点群から,平均頂点誤差40cm以下の精度で構造物を推定できることを示す.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7E-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名スマートスピーカを用いた間取り推定手法の初期的評価
著者*石田 繁巳 (公立はこだて未来大学), 城谷 知葵, 光来出 優大, 荒川 豊 (九州大学)
ページpp. 1408 - 1416
キーワードスマートスピーカ, マイクロフォンアレイ, 到来方向, MUSICアルゴリズム, 間取り
アブストラクト近年,ネットワークから制御可能なスマート家電が普及しつつあり,音声でスマート家電を操作可能なスマートスピーカの普及も進んでいる.スマートスピーカを用いたスマート家電の操作では,家電の名称に加えてキッチン,リビング,寝室など,家電が設置されている部屋の種類を指定する必要がある.本研究では,部屋の種類を省略した場合の家電操作に向け,部屋の間取りを推定した上で発話者のいる部屋を認識する手法を提案する.今後のスマートスピーカには発話者のいる方向を取得するためにマイクロフォンアレイが搭載されると想定し,マイクロフォンアレイを用いて取得した音の到来方向を解析することでキッチン,リビング,寝室など,どのような種類の部屋がどちらの方向に存在するかという「間取り」を推定する.その上で発話者の位置を推定し,間取り推定結果と照らし合わせることで発話者のいる部屋の機器を操作対象とする.本稿ではこの実現に向けた第1歩として,間取り推定手法について報告する.1LDKの住宅模擬環境内で取得した音データを用いて初期的評価を行った結果,3つの部屋について部屋の方向を正解率0.850で,部屋の種類を正解率0.474で推定できることを確認した.

7E-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名混雑環境歩行時における他者との衝突回避のための周辺歩行者の接近判定手法の検討
著者*飛田 真武 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 中村 嘉隆 (京都橘大学工学部), 稲村 浩, 石田 繁巳 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
ページpp. 1417 - 1423
キーワード混雑環境, 衝突回避, 行動予測, 姿勢推定, 接近判定
アブストラクト日常生活において,歩行者は常に周辺歩行者の位置・方向等を把握し,進路を予測することで衝突を回避している.歩行者が様々な方向に入り乱れるような混雑環境においては,多数の周辺歩行者の複雑な行動を把握する必要があり衝突回避の難易度が高いため,これを支援することで歩行者の負担を軽減できる.観測者の周辺に複数の歩行者が存在する環境を想定し,周辺歩行者の行動予測をリアルタイムで行う.衝突可能性のある周辺歩行者が存在する場合に,該当する周辺歩行者の数秒後の移動経路を予測・通知することで,回避行動を促し衝突するリスクを軽減することを目指す.リアルタイム処理の実現が課題であり,処理速度向上のアプローチとして,予測対象を限定することで姿勢推定を用いた行動予測処理の適用回数を削減する.限定する予測対象を選択するために,映像を入力とする人物検出の結果情報のみに基づいて行動予測より軽量な計算で予測対象の位置と進行方向の抽出を行い,観測者に接近する周辺歩行者を判定する.本稿ではこの人物接近判定を,検出した人物の画像上でのサイズ変化から判定する手法を提案する.実験から歩行者1人を撮影した映像に対して高い精度を達成することができた.


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セッション 7F  学習支援
日時: 2021年7月2日(金) 8:30 - 10:10
座長: 中村 亮太 (武蔵野大学)

7F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名聴衆の注目率をプレゼンの場に直接フィードバックするシステム
著者*田京 佑一 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学科)
ページpp. 1424 - 1429
キーワードプレゼンテーション, 注目率, フィードバック
アブストラクト論理的な説明能力の必要性からプレゼンテーションスキルが重要視されるのに対し,社会人や学生の中にはプレゼンテーションに対する苦手意識を持つ人が多くいる. またプレゼンテーションに慣れている人でも会場の大きさや聴衆の増加につれ聴衆の状況把握が困難になる.ARフィードバックを使用して聴衆の反応を可視化する研究がある.しかし,聴衆は自分の反応を発表者に発信する必要があり,プレゼンテーションのみに集中できない点があげられる.そこで本研究は聴衆全体を推定し,発表者と聴衆双方の意識改善を目的とするプレゼンテーションシステムを提案する. 本システムでは聴衆の視線を推定し,プレゼンテーションの良し悪しを図る指標として注目率を用いる.注目率は聴衆の人数に対するプレゼンテーションに注目する人数の割合を表す.

7F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名焦電センサを用いた脚部動作計測による学習支援手法の提案
著者*照井 佑季, 相川 大吾, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
ページpp. 1430 - 1435
キーワード学習支援, 記憶, 休憩, ヒューマンセンシング
アブストラクト本研究では,学習者の状態に応じた動的な休憩を実施することで,学習内容の長期記憶への定着を促進する手法を提案する. 休憩を実施しながら学習を行うことで,休憩を実施しない場合に比べて,学習内容の記憶への定着度が高まることが報告されている. このことから,講義中に教授者が短い休憩を実施することで,学習者の学習内容の記憶の定着が促進されることが期待される. また,休憩の実施に適切なタイミングは,学習者の疲労や心理的な状態によって異なると考えられる. したがって,休憩によって学習内容の記憶の定着を促進するためには,休憩を実施するタイミングを学習者の状態に応じて動的に決定する必要があると考えられる. 学習者の心理的な状態を推定するために脚部動作計測デバイスを用いた. 机の天板の裏に取り付け可能な脚部動作計測デバイスを用いることで,非接触で学習者の心理的な状態の推定が可能であることが示されている. 休憩を実施するタイミングの動的な決定が,学習内容の長期記憶への定着に与える影響を調査するために実験を行った. 被験者を,休憩を行わない無休憩群,脚部動作デバイスを用いて動的に決定したタイミングで休憩を行った動的休憩群,あらかじめ休憩タイミングを決定しておいた静的休憩群の3群に分けて記憶課題を実施した. 2日間の実験(Day1,Day2)の結果,動的休憩群のDay1の成績と,無休憩群及び静的休憩群のDay1の成績に関して,動的休憩群のDay1の成績は静的休憩群のDay1の成績よりも有意に高いことが示された. また,Day2の成績は全ての群の間に有意な差はみられなかったものの,動的休憩群が最も高い成績を残した. 実験の結果より,脚部動作に基づいて休憩のタイミングを動的に決定することで,学習内容の長期記憶への定着が促進される可能性が示された.

7F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名スマホ上でのモーションキャプチャによる筋力トレーニング支援
著者*古家 一樹, 薮内 友喜, 小野 有矢, 高田 秀志 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1436 - 1444
キーワード筋力トレニング, スクワット, 姿勢支援
アブストラクト2020 年に発生した感染症により,リモートワークなどが普及し,自宅で過ごす時間が多くなった.そのた め,運動不足にならないように,自宅でのトレーニングをサポートするようなサービスが普及し,自宅でトレーニングすることが多くなっている.しかし,初心者は,自宅に器具が揃っている場合は少なく,また,知名度が高いトレーニングでも,正しいフォームを知らないが多い.本稿では,知名度が高く,一人でも気軽に行えるスクワットトレーニングを対象として,スマホ上でユーザの体をモーションキャプチャし,ユーザのトレーニング中の姿勢と時間に基づいて,正しいトレーニングが行えるように支援する手法を提案する.

7F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ホメマッスル:努力の発見支援機能を有した筋力トレーニング習慣化支援システムの開発
著者*福島 拓, 柴崎 翔也 (大阪工業大学)
ページpp. 1445 - 1450
キーワード習慣化, 努力, 筋力トレーニング
アブストラクト本稿では,努力の発見支援機能を有した筋力トレーニング習慣化支援システムについて述べる.本システムは筋力トレーニングの結果を共有し,利用者間でコメントを送り合う仕組みを有している.その際,システムによる努力内容の発見支援を行うことで,筋力トレーニング習慣化支援を目指している.本稿の貢献は以下である.(1)努力の発見支援機能を有した筋力トレーニング習慣化支援システムを提案し,実現した.(2)褒めるメッセージを含むトレーニング内容に関係するメッセージを受け取ることで,トレーニングの継続実施の可能性を示した.(3)他者の実際のトレーニング回数を示さないことで,トレーニングの目標回数が大きい人のトレーニング実施回数を維持できる可能性を示した.

7F-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名短冊型プログラミング問題における解答プロセスに基づく指導支援
著者*上野 真, 照井 佑季, 今村 瑠一郎, 久野 靖, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
ページpp. 1451 - 1458
キーワードプログラミング教育, 学習支援システム, Teaching Assistant, 状態遷移図, 短冊型プログラミング問題
アブストラクト本研究は,初学者を対象とした短冊型プログラミング問題の解答プロセスを,状態遷移図を用いて可視化する.学生の解答プロセスを適切な形で可視化することで,教員やTAの指導の支援につなげることを目的とする.実際の試験のデータに基づいて,Ruby言語の問題について分析を行った.正答者のみ,誤答者のみ,誤答者のつまずき箇所発見の3つの状態遷移図を描画して分析した.分析の結果,プログラムの外側から組み立てて考えることが指導のポイントにつながる可能性が明らかになった.授業のTAを担当した経験のある被験者を対象に,状態遷移図が指導のために役立てられるかを確認する実験を行った.評価実験の結果,現状の状態遷移図は情報は十分であり,解答プロセスを分析する手段として状態遷移図がふさわしいことがわかった.一方で情報量が多すぎることから,傾向やつまずきポイントが判断しにくい結果となった.これらのことから,学生の解答プロセスを適切な形で可視化することで,教員やTAの指導の支援につながる可能性が示唆された.


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セッション 7G  セキュリティ心理学とトラスト
日時: 2021年7月2日(金) 9:10 - 10:10
座長: 白石 善明 (神戸大学)

7G-1 (時間: 9:10 - 9:30)
題名大規模ネットワークへのゼロトラスト適用を想定したセキュリティ検証機能の動的割当方式に関する一検討
著者*風戸 雄太, 仲川 宜秀 (日本電信電話株式会社 NTTネットワークサービスシステム研究所)
ページpp. 1459 - 1465
キーワードゼロトラストネットワーク, トラストマネジメント, 動的割当制御方式, セキュリティ検証, ネットワークセキュリティ
アブストラクトサイバー攻撃の脅威・攻撃手法の変化やリモートワーク等の業務の多様化により,従来の境界型セキュリティの限界と,新たなセキュリティモデルであるゼロトラストネットワークが提唱されている.ゼロトラストネットワークでは,『何も信用しないこと』を基本原則とし,NW上での継続的なセキュリティ検証と動的なアクセス制御を実施するセキュリティモデルである.しかし,多数のIoT機器やNWを構成する機器などのエンティティが存在する大規模ネットワークにゼロトラストセキュリティを適用するためには,セキュリティ検証機能をソフトウェア動作するために必要となるコンピューティングリソース,通信リソースが不足することが課題となる.本稿では,エンティティに対するセキュリティ検証機能の割当,検証スケジューリング頻度を動的に制御することで,セキュリティ検証に必要となるリソースの削減,セキュリティ検証機能の最適割当を実現する新方式を提案する.提案手法に関して,既存手法と比較した定性評価,大規模NW適用を想定した基礎シミュレーションのフレームワークを検討の上,提案手法のリソース消費量削減への有効性・実現可能性を確認した.

7G-2 (時間: 9:30 - 9:50)
題名テレワークにおけるセキュリティ等への不安に関する分析〜ニューノーマルに向けた示唆〜
著者*森 淳子, 小山 明美, 小川 隆一 (独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター), 竹村 敏彦 (城西大学)
ページpp. 1466 - 1472
キーワードテレワーク, セキュリティ, ニューノーマル, BYOD
アブストラクト新型コロナウイルス感染症拡大防止のため,テレワークやオンラインツールなどを活用する企業の数が急増し,現在もテレワークを継続している企業は多数存在している.しかしながら,本来であればこれらの導入前に十分に検討すべきセキュリティ対策やルールの策定が後回しになったケースも少なくなく,テレワーク環境を狙ったセキュリティ・インシデントも報告されている.本研究では,2020年11月に独立行政法人情報処理推進機構が2020年度に「ニューノーマルにおけるテレワークとITサプライチェーンのセキュリティ実態調査」の一環として実施した個人を対象としたウェブアンケート調査の結果から,テレワークを実施する上で個人が感じるセキュリティに関する不安(インシデントが発生した場合にどのような問題が発生するか)と回答者属性(個人属性及びその個人が所属している企業属性)の関係についての多重コレスポンデンス分析を行った.その結果、セキュリティ・インシデント発生時の対応に不安を感じているのは「勤務地が首都圏以外」および「テレワークの実績が浅く実施頻度が低い場合」であることなどを明らかにした.

7G-3 (時間: 9:50 - 10:10)
題名試行錯誤を可能とするセキュリティ演習システムの提案
著者*竹原 一駿, 石塚 美伶, 喜田 弘司, 最所 圭三 (香川大学)
ページpp. 1473 - 1478
キーワードセキュリティ, 教育, 試行錯誤, ハードニング, 自学自習
アブストラクトサイバー攻撃の高度化により,セキュリティの重要性が高まりつつあるが,日本では,セキュリティ 人材の圧倒的な不足が報告されている.大学などの教育機関では,攻撃者からのサイバー攻撃を防御し, 攻撃を発見した際に的確に対処するための知識と技術を持ったセキュリティ人材の育成が求められている. 本研究では,セキュリティ人材の育成には,防御手法の自発的な調査,有効性を考えた選別,それらを活 用した試行錯誤,が必要だと考えサイバー攻撃に対する防御演習を試行錯誤できるシステム “ぷろてっく ん” を提案する.本システムを用いることで,受講者は,任意の時点でセーブ&リストアができ,様々な防 御手法の試行錯誤を可能とする.また,本システムは,単独での宿題型演習を想定しており,演習を行う 受講者の全員が防御に関する技術を習得できる.演習は,防御した結果のスコアを用いたコンテスト形式 とすることで,受講者により多くの試行錯誤を促す.本論では,セキュリティ人材の育成に必要な演習の 内容の検討,“ぷろてっくん” を用いた宿題型コンテスト形式の防御演習の提案,本システムの特徴,本シ ステムの持つ機能や構成の設計について述べる.


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セッション 7H  クラウド・ホスティング
日時: 2021年7月2日(金) 8:50 - 10:10
座長: 鶴田 博文 (さくらインターネット株式会社)

7H-1 (時間: 8:50 - 9:10)
題名透過型SMTPプロキシによるメール送信集約とキュー輻輳回避の検討
著者*小田 知央, 廣川 優, 近藤 宇智 (GMOペパボ株式会社), 嶋吉 隆夫, 笠原 義晃 (九州大学情報基盤研究開発センター)
ページpp. 1479 - 1485
キーワード電子メール, ホスティング, マルチテナント, テナント分離, ネットワーク管理
アブストラクト電子メールは古くから用いられているメッセージ交換手段で,依然として世界的に広く利用されている.メールサービスを提供するメールホスティングでは,多数の利用者を同一システムに収容するマルチテナント型によりリソース効率を高め,運用コストを低減している.メールホスティングでは利用可能なグローバルIPアドレス数やメール送信の集中管理のため送信サーバは集約されていることが多いが,大量メール送信や送信先の迷惑メール対策により送信キューの輻輳が発生することで,問題を起こしたテナント以外にも影響が波及し,サービス品質の低下や管理コストの増大をまねいている.本研究では,テナントごとの送信キューの分離と,メール送信の集中管理や送信用グローバルIPアドレスの管理を両立する,メール送信集約用の透過型SMTPプロキシを提案する.また,送信キューの分離によってキュー輻輳時の影響範囲が限定される効果を確認するための予備実験と,透過型SMTPプロキシのプロトタイプ実装について述べる.

7H-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名マイクロサービスにおけるコンポーネントの依存関係を考慮した障害原因特定手法の提案
著者*土手 貴裕 (広島市立大学大学院情報科学研究科), 近堂 徹 (広島大学情報メディア教育研究センター), 前田 香織 (広島市立大学大学院情報科学研究科), 今村 光良, 日野 悠平 (野村アセットマネジメント株式会社), 高野 知佐 (広島市立大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1486 - 1491
キーワードクラウド, 分散システム, マイクロサービス, 障害特定, Kubernetes
アブストラクトITシステムの拡張性や耐障害性などを向上させるための新たな設計手法として,マイクロサービスが注目されている.しかし,マイクロサービスで構築されたシステムは,ネットワーク上に分散配置されるコンポーネント数が増加する上,コンポーネントの接続関係も複雑化するため,障害発生時に障害の原因となるコンポーネントの特定が困難である.本論文では,コンポーネント間の呼び出しに依存関係があることと障害原因コンポーネントの処理がボトルネックとなることに着目し,これらを組み合わせて効率的に障害の原因の特定を行う手法を提案する.また,本手法で必要なパラメータであるメトリック(システムの状態を表す時系列データ)の収集間隔とシステムの定常状態を表すしきい値の生成に使う学習データ数を変化させたときの障害原因の特定に対する影響ついて,実験環境から収集したメトリックを用いて評価した結果を報告する.

7H-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ユーザの要求を反映するデータフロー処理基盤の提案
著者*多々納 啓人, 前田 香織 (広島市立大学大学院情報科学研究科), 近堂 徹 (広島大学情報メディア教育研究センター), 高野 知佐 (広島市立大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1492 - 1497
キーワードクラウドコンピューティング, エッジコンピューティング, 分散処理, データストリーム, IoT
アブストラクトIoTデバイスから生成される大量のストリームデータをデータソースに近いところから複数ステップで目的別に処理を行うデータフローでは,生成したデータをIoTデバイスに物理的に近いエッジで一部の処理を行うことで,負荷の分散や処理遅延の短縮,クラウドを使う運用コストの削減やリアルタイム性の高いフィードバック制御が見込める.これまでデータフローを実行できるスマートシティ向けのIoTプラットフォームの研究が行われているが,様々なデータソースを対象とした相互運用性を担保するため制御コストのオーバーヘッドが大きいという課題がある.本研究では,データフロー技術を使った特定のデータ処理や分散したデータソース上でのデータ処理ニーズを満たすために,データフローの展開にユーザ要求の反映を行いつつ,IoTサービス連携やデータ収集に必要な制御情報量やコンポーネント間のデータ転送量を減らすことで,データフロー処理全体の性能劣化を抑えることが可能なデータフロー処理基盤を提案する.この処理基盤の特徴のひとつである,データ処理頻度に応じてデータフローの停止と再展開を行う自動スリープ制御の検証を行った.検証より,データフローの制御コストに対する有効性を示した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7H-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名Capabilityモデルに基づくスマートホームデバイスのネットワークアクセス制御
著者*松本 直樹, 小谷 大祐, 岡部 寿男 (京都大学)
ページpp. 1498 - 1508
キーワードホームネットワーク, アクセス制御, Capabilityモデル
アブストラクト一般家庭のネットワークには、スマートスピーカなどのスマートホームデバイスと呼ばれる多機能なデバイスが接続されつつある。しかし、そういったデバイスが情報の窃取などを目的としたユーザーの意図しない通信を受けた場合、デバイスを保護する手段が存在しない。また、クラウドを経由することなくデバイス同士が直接通信する場合において、全てのデバイスについて適切にアクセス制御を行うことができるとは限らない。そこで、ネットワーク側でポリシ設定を行いデバイスを保護する手法が提案されているが、実際には一般家庭のユーザーがデバイスごとに設定を行い保護することは困難である。本論文では、一般家庭におけるアクセス制御に求められる要件を整理し、ホームネットワークにおけるCapabilityモデルに基づく認可アーキテクチャとアクセス制御手法を提案する。デバイスの各機能をCapabilityで表現する認可アーキテクチャにより、デバイスの機能ごとにどのような目的をもつ通信であるかをユーザーが確認しつつ認可することを可能にした。ユーザーに認可されたCapabilityに基づき、OpenFlowによるフロー制御とパケットのペイロードに基づく制御を行うことでデバイス間や外部通信についてアクセス制御を実現した。さらに、提案手法に基づくプロトタイプの設計と実装を行い、実デバイスを用いた検証環境で提案手法が動作することを確認した。


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セッション 8A  IOT統一セッション
日時: 2021年7月2日(金) 10:30 - 12:10
座長: 松本 亮介 (さくらインターネット)

8A-1 (時間: 10:30 - 11:10)
題名(招待講演) なめらかなシステムと運用維持の未来
著者三宅 悠介 (GMOペパボ株式会社/ペパボ研究所)
ページp. 1509
アブストラクト情報システムが利用者(ユーザーおよび開発運用者)に対して有用なものであるためには,(1)利用者の主観的な判断基準や選好等の利用者それぞれに固有のコンテキストを,システムの作動に際して織り込む必要がある. また,(2)そのような利用者のコンテキストは,利用者と情報システムとのコミュニケーションを通じて徐々に形成されていくという前提で,システムを構想する必要がある. そして,(3) ユーザーの満足度や開発運用者の負担の観点から,コンテキストの創出やシステムの作動の変更は暗黙的かつ自動的に行われるべきである. 我々は,このような利用や運用に関わる障壁が取り除かれた未来のシステム,すなわち「なめらかなシステム」を目指している. なめらかなシステムでは,情報システムと利用者の間をなめらかにするために,相互の理解形成が重要であると考える. 本講演では,「なめらかなシステム」というシステム観に基づいた運用技術のひとつのあり方を議論したい. そのために,相互理解に必要な要素,ならびにこれを織り込み,適応的に振る舞う情報システムの実現に必要な技術を整理し,当社の事業領域であるWebサービスにおける部分研究を紹介する.


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セッション 8B  ヘルスケアと介護
日時: 2021年7月2日(金) 10:30 - 12:10
座長: 中村 嘉隆 (京都橘大学)

8B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名洗面行動のモニタリングによる疲労回復度推定手法の提案
著者*吉村 啓, 水本 旭洋, Viktor Erdélyi (大阪大学), 東野 輝夫 (京都橘大学)
ページpp. 1510 - 1519
キーワードリカバリ推定, 洗面行動, モニタリング
アブストラクト精神障害の労災請求件数・認定件数は年々増加傾向にあり,厚生労働省はその対策として年に1 回のストレスチェックを義務付けているが,受けたダメージばかりが着目され,日々の疲労からの回復度(リカバリ) は着目されていない.他方で,IoT 機器を用いた日々の健康測定に注目が集まっているが,複数機器 の管理や能動的な測定動作が利用者のモチベーション低下に繋がることも分かっている.そこで,本稿では,モチベーションの低下に繋がる能動的な測定動作を不要にする健康測定を日常生活に溶け込ませた健康モニタリングシステムの実現を目指して,多くの人が日常的に利用する洗面台での行動(洗面行動) に焦点を当てたリカバリ推定システムを提案する.提案手法では,洗面行動中に収集可能な情報をIoT 化した洗面台や歯ブラシを用いて収集し,推定モデルを介してリカバリを推定する.提案手法の評価を行うため,被験者4 人(男性20 代2 人,男性30 代2 人) から約2 ヶ月間,起床時における洗面行動データとリカバリ指標に関するアンケートを収集し,収集したデータを基に,Alexnet を用いた転移学習およびRandom Forest を用いた機械学習により,アンケートの各項目を推定するモデルをそれぞれ構築し推定精度を確認した.

8B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名IMUセンサを用いた棒体操トラッキングシステムの検討
著者*大井 一輝 (奈良先端科学技術大学院大学), 中村 優吾 (九州大学), 松田 裕貴, 藤本 まなと, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1520 - 1526
キーワード行動認識, 棒体操, 健康増進, 機械学習
アブストラクト高齢者の転倒予防や健康増進の観点から注目を集めている棒体操は,介護施設等でインストラクターや介護職員の指導のもと実施することが一般的である.しかし,不要不急の外出を控えることが推奨されている現在のコロナ禍のような状況においては,各個人が一人で棒体操を実施できることが望ましい.本研究では,高齢者がどの種類の棒体操を,どれくらい実施したのかを自動で記録し,種目毎に正しい動きへ改善するため,リアルタイムでフィードバックを提供できる棒体操支援システムの実現を目指している.本稿では,棒体操支援システムの実現に向けた第一段階として,IMUセンサを用いた棒体操の動作認識手法を提案する.評価実験として,21人の被験者に基本的な8種類の棒体操を3セット(1セット10回)行ってもらい,IMUから得られる線形加速度とクォータニオンのデータを基に,体操動作の分類を行なった.その結果,学習アルゴリズムとしてLightGBMを用いたとき,F値90%の精度を達成することを確認した.

8B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名介護士の業務負担軽減に向けた介護行動時における心身状態の変化の可視化と分析
著者*宮地 篤士, 松井 智一, 張 志華, 藤本 まなと, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1527 - 1534
キーワード介護, ストレス推定, 生体指標, RRI, LF/HF
アブストラクト日本では,急速な高齢化に伴って,小規模多機能施設(デイケアセンター等)の需要が高まりつつある一方,介護士の人手不足が深刻な問題となっている.この問題は,介護士一人あたりにおける業務負担の増加に繋がるため,解決すべき社会課題と認識されている.我々は,これまで業務負担軽減に向けた取り組みとして,介護行動を容易に収集可能なプラットフォームの開発を行ってきた.その取り組みの中で,介護行動により変化する介護士の心身状態(=ストレス)が業務効率に影響しているのではないかと考えた.本研究の目的は,介護士のストレスに注目し,可視化・分析することで,介護士の業務負担軽減に向けた新たな知見を獲得することである.具体的には,介護士に心拍センサを装着してもらい,各デバイスから得られるRRIやLF/HF比などの客観的ストレス指標及び業務前,昼休憩,業務後に行うアンケートから得られる主観的ストレス指標を計測する.本稿では,実際の介護施設において収集した介護士の生体指標をもとに介護行動と関連した心身状態変化の分析・可視化を行った.その結果,特定の介護行動において,ストレスの増加傾向が見られ,介護行動とストレス指標の間にいくつかの関係性があることを確認した.

8B-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名介護記録自動生成のための記録項目別傾向分析
著者*金子 晴, Tahera Hossain, 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 1535 - 1542
キーワード介護記録, 機械学習, 介護, 行動予測
アブストラクト現在先進国では高齢化社会が深刻化している.現在の日本でも, 他の先進国と同様に高齢化社会が深刻化している. それに伴い介護士不足が社会問題となっており, ICT(Information and Communication Technology)などを用いた介護業務の負担軽減が期待されている. 我々の研究室では, 介護記録アプリを開発し, 介護行動認識や介護記録の自動生成を目指した研究を行なっている. 本項では, 介護記録の推定精度を向上させるため, 特徴量重要度やデータの可視化を用い介護記録データの分析を行う. また, 分析をもとに新たな特徴量を提案する. 分析でははじめに, 介護記録の推定を行う機械学習モデルを作成し, 特徴量重要度可視化する. そして, 特徴量重要度をもとに記録の種類ごとに混同行列や生データの可視化を行い, データや推定結果の傾向を分析する. 結果として新たに10個の特徴量を新たに提案した. また提案された特徴量のうち, すでにあるデータから算出できるものを用い推定精度を評価した.

8B-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名音声による構造化介護記録アプリのためのデータ収集手法の提案
著者*田中 龍之介, Mairittha Tittaya (九州工業大学大学院), 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 1543 - 1547
キーワード介護, コーパス, Android, 音声入力, ヘルスケア
アブストラクト本稿では、スマートフォンをベースとしたDialogue System Care Recordを拡張して、介護記録のアプリのためのコーパス収集・拡充の方法と実験提案を行なった。日本語コーパスとしてNTCIR-13MedWebを使用しているため、拡充するデータとしてテキストと8つの病気ラベルを保存する。拡充したデータを使用してモデルの再構築を行うことで、モデル制度の向上が図ると想定され、現場の介護士が介護記録を取りながら、コーパス作成が行える。


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セッション 8C  ネットワーク処理
日時: 2021年7月2日(金) 10:30 - 12:10
座長: 廣森 聡仁 (大阪大学)

8C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名IoTデータにおける優先度を考慮した拡張MQTT法に関する提案
著者*遠藤 繁之 (福岡工業大学大学院), 内田 法彦 (福岡工業大学), 柴田 義孝 (岩手県立大学)
ページpp. 1548 - 1553
キーワードMQTT, IoT, QoS, 無線ネットワーク
アブストラクト近年,Internet of Things(IoT)サービスが著しく普及し,2021年には,世界中のIoTデバイス数は447.9億台程まで増加すると予想されている.そして,IoTデバイスによるデータ通信量も年々増加傾向にあり,M2M接続のシェアは2018年の33%から2023年には50%に拡大し,146億のM2M接続が見込まれている.そこで,IoT/M2M通信向けのシンプル・軽量かつ省電力な通信プロトコルとしてMQ Telemetry Transport(MQTT)が注目されている.しかし,MQTTにはメッセージの適時性を保証する機能は定義されておらず,IoTデバイス数が増加傾向にある近年において,利用者が重要なメッセージを迅速に取得できない可能性が指摘されている.そこで,本研究では,MQTTv5.0で新しく追加されたメタデータ領域を利用し,IoTデータにおける優先度を考慮した拡張MQTT法を提案する.提案手法ではMQTTパケットの送信者と受信者の仲介の役割を行うBrokerに対し,分類・優先度キュー,・送信制御の3つの機能を付与することで優先度制御を行い,優先度レベルは本機能を利用するユーザによって任意に決定される.本機能を利用するユーザによって,任意に設定するものとする.提案手法の有効性を検証するため,プロトタイプシステムを作成し,3つの優先度レベルからなるIoTデータを持つIoTデバイスが存在する環境を想定し,評価実験を行なった.その結果,優先度レベルの高いメッセージほど遅延時間の改善が見られ,最も優先度レベルが高いメッセージの伝送遅延は平均で48.2%の削減が確認でき,その有効性が示された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
8C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名パフォーマンス低下を抑制するオンライン3Dシューティングゲーム向け遅延補償に関する一考察
著者*赤間 俊介, 本生 崇人, 石岡 卓将, 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学情報科学研究科)
ページpp. 1554 - 1561
キーワードFPS, 遅延補償, 深層強化学習
アブストラクトネットワーク遅延の増大はオンラインゲームにおけるプレイヤパフォーマンスの低下及び,各プレイヤに対する不公平なゲーム体験を招く. 本稿ではオンライン3Dシューティングゲームを対象として,ネットワーク遅延がプレイヤのパフォーマンスにもたらす影響を軽減する遅延補償技術を提案する. より具体的には,これまでに受信した相手プレイヤの位置を入力とする2次関数による回帰曲線を用いることでネットワーク遅延下にある相手プレイヤの位置情報を推定する遅延補償技術とゲーム画面から得られた深度画像を入力とした深層強化学習を用いてネットワーク遅延下にある相手プレイヤの行動を推定する遅延補償技術を提案する. 提案手法では,オンライン3DシューティングゲームViZDoomを用いて遅延補償技術による効果を評価した. 評価結果から,提案手法を用いてネットワーク遅延下にある相手プレイヤのゲーム情報を補償することでプレイヤのパフォーマンスにつながる銃弾命中率の低減を抑制できることが分かった.

8C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名車両エッジコンピューティングにおけるアプリケーション分割オフロード手法の提案
著者*武藤 晟, 豊田 睦, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1562 - 1567
キーワードモバイルエッジコンピューティング, アプ リケーション分割, タスクオフロード
アブストラクト現在,Internet of Vehicles (IoV) の発展により,遅延に敏感なアプリケーションが登場している.車両エッジコンピューティング (VEC) における既存のオフロード手法では,オフロード先の VEC サーバの内,一番計算資源が豊富なサーバへオフロードを実行する.しかし,既存手法ではアプリケーションベースのオフロードによって VEC サーバに負荷が集中し,応答時間が増加する可能性がある.そこで,車両エッジコンピューティングにおけるアプリケーション分割オフロード手法を提案する.タスクをオフロードした際の推定応答時間の合計が最小となるようなオフロード先を求めるオフロード決定式を定義する.各計算資源はタスク完了のために要求される計算能力に基づいて推定応答時間を算出する.そして,オフロード決定式を用いて推定応答時間が最小となるようにオフロード先を決定する.本研究では提案したタスクオフロード手法のプロトタイプを実装して実験を行い,動作確認と評価を行なった.実験により,実装したオフロード手法によってオフロード決定式で決定したオフロード先で各タスクは実行され,実際の応答時間も小さくなるように実行されることを確認した.

8C-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名同世界放送:リアルタイム映像の収集と合成を伴う分散型インターネットライブ放送システム
著者*牧田 航輝, 川上 朋也 (福井大学), 松本 哲, 義久 智樹 (大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学), 下條 真司 (大阪大学)
ページpp. 1568 - 1577
キーワード分散処理, データ収集, ライブ放送, 映像合成, 低遅延
アブストラクト2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により,テレワークやオンライン授業,エンターテインメント業界など,様々な場面でリアルタイム映像配信サービスの需要が高まっている.複数の参加者を同時に画面上に表示する場合,画面を分割して決まった領域に各参加者を配置するものが多くみられるが,それでは各参加者が孤立した感覚となる.全参加者が1つの空間内にいるかのような表示ができれば,より現実感のあるライブ放送が実現できる.本研究では,複数の遠隔地で撮影された参加者がまるで同じ空間に存在するかのようなライブ放送を「同世界放送」と呼び,そのシステム提案する.同世界放送では多数の映像処理が必要となり,それらの処理を特定のノードに集中させると,処理が完了するまでの遅延が大きくなるという問題が発生し得る.処理遅延を小さくするため,中継ノード上で映像を合成しつつ収集する方法を考案した.同世界放送システムを実装し,実装したシステムを用いて各合成方法における処理遅延時間を評価した.


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セッション 8F  臨場感支援
日時: 2021年7月2日(金) 10:30 - 12:10
座長: 吉野 孝 (和歌山大学)

8F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名360度インターネット生放送におけるMRを用いた放送者支援システムの提案
著者*佐藤 京, 齊藤 義仰 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 1578 - 1583
キーワード全方位カメラ, インターネット生放送, MR
アブストラクト放送者が可搬式の全方位カメラを用いて移動しながら行う360度インターネット生放送では,放送者はリアルタイムなコミュニケーションを行う際に,視聴者の視聴方向を把握できない.そのため,放送者が見てほしい方向と視聴者が視聴している方向の間で齟齬が生じ,円滑なコミュニケーションが阻害される可能性がある.この問題点は,スタンプを用いた360度インターネット生放送システムにより解決された.しかし,新たな問題点として,スタンプがずれることにより,放送者と視聴者の間で認識の齟齬が発生することがある.また,位置関係の把握が困難であるということと,視聴者からのコメント・スタンプの確認に手間がかかるという問題点がある.本稿では,360度インターネット生放送における放送者への効果的な位置関係の把握を実現するために,MRを用いた放送者支援システムの提案を行う.MRを用いてスタンプを現実空間上に表示・固定することで,効果的な位置関係の把握と円滑なコミュニケーションが期待できる.

8F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名ペンライト群の規則的発光による音楽イベントの応援行動誘導:VRによる検討
著者*武井 秀憲, 阿部 花南, 鈴木 颯馬 (明治大学大学院先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻), 小林 稔 (明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科)
ページpp. 1584 - 1591
キーワード行動誘導, ペンライト, 視覚刺激, 音楽イベント, VR
アブストラクト音楽イベントにて,ペンライトを応援グッズとして使用する場合,経験がなくどのように振ればよいか分からなかったり,経験があっても興奮などで無意識の内にずれたりすることがある.また,ずれないように周りに合わせようとすることで,本来の目的である演者や演出を見逃したり,周りの目が気になってイベントに集中できなかったりする問題が発生する.本研究はこの問題を解決するために,音楽イベントのペンライトの振る行為を誘導して,ずれを防止することを目的として研究を進めてきた.我々はこれまでに,参加者の持つ大量のペンライトを規則的に発光させることで応援行動を誘導する手法を提案し,予備実験やシステムの制作を進めてきた.本稿では,ペンライトの規則的発光を検証するためにバーチャルリアリティでの検証が効果的であると考え,新たに光パターンを提案し,VRシミュレーションシステムにて検討を行った.その結果,新たに提案した光パターンは有効であると考えられた.しかし,タイミングと振り方の両立が困難という問題も明らかになった.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
8F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名HMDを用いたバーチャル空間におけるマルチユーザ型チア練習システム
著者*大西 力登, 神寶 結美子, 中村 亮太 (武蔵野大学データサイエンス学部)
ページpp. 1592 - 1598
キーワードWebアプリケーション, 自動評価, バーチャル空間, チア
アブストラクトチアにおけるチームメンバー間の動きの同期練習や個人でのアームモーション練習における評価に対して主観的な基準が多く明確に定まっていない.例えば個人での練習において鏡の前での練習やコーチの前での練習などが存在するが,腕の角度などの具体的なフィードバックが少なく,正しいフォームに修正することが難しい.そこで本研究ではVRHMDを用いて客観的な評価および視覚的なフィードバックを可能とするVR-CoPracticeを開発した.システム評価実験の結果,個人またはチーム練習の一部を効果的に支援することを実現した.


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セッション 8G  ユーザブルセキュリティ
日時: 2021年7月2日(金) 10:30 - 12:10
座長: 小川 隆一 (独立行政法人 情報処理推進機構)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
8G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名謎解きスタンプラリー型小学生向けセキュリティ教材の開発
著者*岡田 光代 (慶應義塾大学), 花田 経子 (岡崎女子大学), 山内 正人 (慶應義塾大学/情報経営イノベーション専門職大学), 野尻 梢 (慶應義塾大学/DSInnovation株式会社), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学)
ページpp. 1599 - 1603
キーワード子ども向け情報セキュリティ教材, SNSリテラシー教育, アクティブラーニング, 体験学習, 謎解き
アブストラクトGIGAスクール構想も進み、小学生が情報セキュリティを学ぶことは益々急務である。SNSリテラシーなどを教えることが必要な情報セキュリティ教育では、危険性など必要な知識を伝達することと、学習した内容を理解した上でどのように利用をするかなど自ら考えさせることの両方が必要という難しさがあるが、特に学習したことを自分で確認する理解・定着のプロセスを持つ教材のフォーマットがまだ多くない。そこで本稿では、小学校高学年程度を対象に情報セキュリティ教材フォーマットとして「謎解きスタンプラリー型」の教材を開発、楽しく知識を学習できる謎解き問題で知識を伝達、その後学んだ項目をワークシートで振り返り、スタンプを押し進めていくことで学習したことを自分で確認するという行為ができることを目指した。開発したフォーマットを元にSNSの使い方をテーマにしたシナリオで制作、小学5年生の授業内で実践したところ、事前事後の効果測定でSNSリテラシーに関する知識の向上が確認された他、グループごとの発表やワークシートの記入で各児童がSNSをどう使うべきかの考えをまとめられて点からも、知識伝達と理解を深めたことの両方で学習効果が示された。

8G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名スマートフォン利用時の不快感を用いた警告インタフェースの改良
著者*大塚 亜未 (津田塾大学), 藤原 康宏 (兵庫医科大学), 村山 優子, 青柳 龍也 (津田塾大学)
ページpp. 1604 - 1607
キーワードスマートフォン, 不快感, インタフェース, 警告
アブストラクトスマートフォン利用の増加に伴い,スマートフォンを狙う脅威も急増している.ユーザが危険な状況にあることを認識せず,安心して利用している状況は問題であり,ユーザ自身による危険へのアウェアネスが重要である.本研究では,ユーザによる危険へのアウェアネスを促すため,「不快感」を用いたアプローチを検討する.本稿では,スマートフォン利用時における5つの不快要因を用いて試作したWebブラウジング時の警告インタフェースについて,予備実験の結果をもとに改良した警告インタフェースについて述べる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名オンライン投票システムの投票者インタフェースのためのWeb API
著者*東 知哉, 白石 善明 (神戸大学), 掛井 将平 (名古屋工業大学), 毛利 公美 (岐阜大学), 森井 昌克 (神戸大学)
ページpp. 1608 - 1613
キーワード電子投票, ユーザインタフェース, ブロックチェーン, ユーザビリティ
アブストラクト紙投票に比べて参加がしやすく集計が容易なオンライン投票は,コロナ禍のような人との接触機会を減らさなければならない不測の事態にも対応できるというという点で今後より注目されると考えられる.これまでのオンライン投票システムの提案においては,オンライン投票に求められる性質を満たすための暗号技術やブロックチェーンなどを用いた理論的あるいはシステム的な貢献が主題であった.必然的にそれらは独立した実装となり,投票者の操作は統一感を持たない.投票者の操作がシステムごとに大きく変わらなければ投票率の向上が期待できる.本論文では,ブロックチェーンを用いた投票システムについて調査し,それらのどの投票システムでも適用可能なWeb APIフレームワークを提案している.9つのオンライン投票システムをバックエンドシステムとして本フレームワークを用いてフロントエンドを実装し,バックエンドの違いがUIに影響しないことを確認している.フロントエンド開発者のコード記述量は最大47行の変更でバックエンドシステムを切り替えることができている.


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セッション 8H  xRシステム
日時: 2021年7月2日(金) 10:30 - 12:10
座長: 水野 慎士 (愛知工業大学)

8H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名バーチャル展示会における視聴行動自動測定システム
著者*杉山 諒馬, 中村 亮太 (武蔵野大学データサイエンス学部)
ページpp. 1614 - 1621
キーワード視聴行動, 自動測定, バーチャル展示会
アブストラクトウォーカブルな3次元バーチャル空間において新しい市場や労働,文化などが創造され始めている.その一つにバーチャル展示会があるが,従来のバーチャル展示会では展示物の設置をはじめとしたバーチャル空間作成に時間とコストがかかるとともに,来場者の展示物に対する視聴行動を自動的に取得することはできていない.そこで本研究ではバーチャル展示会に注目し,展示物の設置,視聴行動の取得,分析,可視化を自動で行うことが可能なシステム(AVV)を開発した.システムを評価した結果,実装した展示物自動配置機能と視聴行動自動測定機能が展示会開催者の支援につながる可能性を確認するとともに,展示物に対する注視時間と印象度の関係性,注視時間の長さに影響を与える要因を確認した.

8H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名仮想的な柔軟性を持つVRぬいぐるみの実装
著者*大坪 界斗 (東京工科大学大学院), 井上 亮文 (東京工科大学)
ページpp. 1622 - 1627
キーワードVR, 感覚間相互作用, 癒やし効果, ぬいぐるみセラピー
アブストラクトぬいぐるみは,その愛らしい見た目や柔らかな触感が人に癒やしを提供するが,人の問いかけや接触に対し主体的な反応をすることはない.ぬいぐるみの内外に装着したアクチュエータでぬいぐるみを稼働させるアプローチはあるものの,ぬいぐるみ特有の柔らかな触感や見た目を損ねてしまい,人に与える癒やし効果が低下してしまう可能性がある.本研究で提案する仮想的なぬいぐるみシステムは,ユーザが現実世界でぬいぐるみを物理的に変形させると,仮想世界に表示されたぬいぐるみの3DCGも同様に変形する.その際,システムが3DCGの変形量を操作することで,ユーザが感じるぬいぐるみの柔らかさを錯覚させることができる.本稿では,プロトタイプシステムを用いた実験により,3DCGの変形に用いるポアソン効果のパラメータの有効範囲を調査する.

8H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名没入型の一人称視点ゲームにおいて変形コントローラがゲーム体験の質に与える影響の調査
著者*平井 颯 (東京工科大学大学院), 井上 亮文 (東京工科大学)
ページpp. 1628 - 1635
キーワードVR, ゲームコントローラ, 力触覚インタフェース, ゲーム体験, インタラクション
アブストラクト我々はこれまでにプレイヤーのゲーム体験向上を目的として,ゲームに対してコントローラの立体形状を介した入出力が可能なデバイス「SHAPIO」を開発してきた.SHAPIO の見た目は,ゲームアイテムとの見た目のギャップによりプレイヤーのゲーム体験の質に影響を与えてしまう.また,多様なアイテムに対し,SHAPIO の大きさ・質感は変わらない.そこで本稿では,SHAPIO を没入型の仮想環境で利用可能なゲームシステム SHAPIO VR を提案する.次に,アイテムの大きさや質感を変えながら,SHAPIO VR を用いてゲーム体験の質を調査する.SHAPIO VR は,ゲームに関するビジュアルのすべてを没入型の VR ゴーグルに表示する.プレイヤーは現実世界の視覚から遮断され,SHAPIO 本体の見た目に影響されずにゲームアイテムを操作できるようになる.結果として,同じゲームをフラットパネルモニタでプレイしたときよりもゲーム体験の質の向上が期待できる.本稿では,ゲームアイテムの代表例である「剣」に注目し,SHAPIO VR でその大きさや質感を変更しながらゲーム体験の質を調査する.それにより,変形コントローラ筐体の物理パラメータに求められる要件について議論する.

8H-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名視聴者反応をフィードバックするWeb VR環境を用いた遠隔ポスター発表システム
著者*宇都木 契, 藤原 貴之, Hanoz Kaiwan Bhamgara, 小林 美保 ((株)日立製作所/研究開発グループ)
ページpp. 1636 - 1639
キーワードWebVR, 感情認識, 遠隔対話, アバター
アブストラクト我々は複数人数の視聴を前提としたポスター発表を Web 経由で行うシステムの試作を行なった.本発表ではこのような VR 型の閲覧において,特に並行型発表における閲覧者の行動を示すアバターの役割について論じ,この役割に特化した「聴衆型アバター」としてデザインする事例についての基礎検討を報告する.

8H-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名四季折々の風景を体験可能な没入型車内観光システムの提案
著者*齊藤 義仰, 大松 諭司, 野崎 孝輔, 新井 義和, 羽倉 淳 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部), 柴田 義孝 (岩手県立大学 研究・地域連携本部)
ページpp. 1640 - 1645
キーワード360度動画, 観光, MR
アブストラクト本研究では,現実空間で撮影した観光地の高精細な360度映像を,自動車の位置情報と同期しながら,MR技術等により車内空間へ投影することで,四季折々の風景を車内で体験できる没入型車内観光システムを提案する.没入型車内観光システムにおいて,要求される360度映像の画質を明らかにするため調査実験を行い,最低でも4K画質が必要であることがわかった.また,プロトタイプシステムの実装と評価を行い,走行時はある程度映像と現在位置が一致できていることがわかったが,停車時には違和感を抱く実験協力者が多く,再生速度調整機能にさらなる改良が必要なことがわかった.



2021年7月1日(木)

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セッション DS  ビデオデモセッション
日時: 2021年7月1日(木) 17:30 - 18:30

DS-1 (時間: 17:30 - 17:33)
題名IMUを用いたデバイスの装着位置に依存しない身体運動認識手法の提案
著者*石井 峻, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1646 - 1650
キーワードスポーツ, ウェアラブルコンピューティング, 行動認識
アブストラクト近年様々なウェアラブルデバイスが普及しているが,身体的な運動を支援するシステムは既定のデバイスを使用したものが多く,デバイスおよび装着位置を問わずに使用できるシステムは少ない.また,身体運動認識手法には機械学習を用いた手法が多いが,身体的負荷の高い運動において十分な量のトレーニングデータを収集することは難しい.そこで本研究では,事前に正しい動作を1回のみ必要とし,様々なデバイスおよび装着位置で応用可能な正しい動作との相関を用いた身体運動認識手法を提案している.4種類のデバイスおよび装着位置において5種類の運動を行い,提案手法の有効性を検証するとともに,機械学習による分類精度との比較を行った.その結果,全てのデバイスおよび装着位置において機械学習と同程度の精度を達成し,提案手法の有効性が確認できた.また,提案手法を使用して,操作ジェスチャーをカスタマイズ登録可能な仮想空間で行うドッジボール風ゲームを実装した.

下記は通常セッションでの口頭発表もされます。また、DS-D:2とDS-D:3は合わせて一件のデモ発表となります

野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:1 (時間: 17:33 - 17:36)
題名会議円滑化支援を目的とした気持ち可視化ボタンの提案
著者*阿部 花南 (明治大学大学院 先端数理科学研究科), 築舘 多藍, 桑宮 陽, 小林 稔 (明治大学 総合数理学部)
キーワード意思表示, 会議支援, 遠隔会議, CSCW, ボタン
アブストラクト会議など複数人で行われる議論の場において,沈黙が生じてしまい議論が円滑に進まず,有意義な議論を行うことができないという問題が起こることがある.この原因の1つとして,議論において各参加者の気持ちが参加者間で共有されず,議論を進めるべきか,深めるべきなのかの判断が困難なことがあると考える.この問題を解決することを目的に本研究では,会議参加者に任意のタイミングで匿名性を保ちながら,「賛同します」,「反対します」,「意見あります」の3つの会議進行に影響する気持ちの可視化を支援するボタンシステムを提案し,提案システムを用いた評価実験を行った.その結果,参加者の主観評価において,提案システムのデザインや議論の活発化に高い評価が得られた.本報告では,評価実験の結果を報告し,提案システムのユーザインタフェースや議論に与えた影響について議論する.
→(口頭発表セッションに移動) 本論文の実データはこちら

野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:2 (時間: 17:36 - 17:38)
題名養蜂のための外敵検出カメラシステムの開発
著者寺田 充樹, *佐藤 証 (電気通信大学/情報理工学研究科)
キーワード機械学習, 画像認識, エッジコンピューティング, IoT, 養蜂
アブストラクト養蜂場に大きな被害を与えるミツバチの襲来を検知するため,機械学習による物体認識アルゴリズムを実装したカメラシステムを開発した.養蜂場で撮影したスズメバチの動画とインターネットで収集した画像を用いて学習モデルを生成し,マイコンボードRaspberry Piにアルゴリズムを実装してその精度と速度の評価を行った.SSDアルゴリズムを用いたサンプル動画によるテストでは,平均で92.9%の検出精度が得られた.誤検知も発生しているが,そのときの信頼度は最大でも62%であったため,検出の閾値をこれよりも高く設定することで誤検知をなくすことが可能である.Raspberry Pi 4 Model BにTensorFlow Liteを実装し,Wi-Fi接続した10台のカメラでスズメバチの映像を転送したときの処理性能は1台当たり1フレーム/秒となり,本システムの十分な実用性が示された.
→(口頭発表セッションに移動) 本論文の実データはこちら

野口賞(優秀デモンストレーション賞) / Noguchi Awards
DS-D:3 (時間: 17:38 - 17:39)
題名小型・省電力センサによるスマート養蜂システム
著者*吉竹 隆也, 佐藤 証 (電気通信大学/情報理工学研究科)
キーワードIoT, センサ, 電子回路, 養蜂
アブストラクト養蜂のためのスマートシステムの実用化に向け,無線通信機能を備えた32ビットマイコンESP32-WROOM-32を実装した小型・省電力センサモジュールを開発した.マイコンを低消費電力のDeep Sleepモード動作させることで,モバイルバッテリーや乾電池で数ヶ月の動作を目指している.接続数の限られたモバイルルータでも,センサ側で通信を順次切り替えて数十台の接続でき,センサデータは軽量通信プロトコルMQTTで,Raspberry Piサーバに送信されスマートフォン等で遠隔でのモニタが可能である.養蜂場に設置したセンサにより,季節,時刻,天候等による巣箱の重量変化から蜂蜜の採取や,逆に給餌をするタイミングを計ることが可能になり,温湿度は巣箱内のミツバチの状態を把握するのに有用であることが示された.
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DS-D:4 (時間: 17:39 - 17:42)
題名ペンライト群の規則的発光による音楽イベントの応援行動誘導:VRによる検討
著者*武井 秀憲, 阿部 花南, 鈴木 颯馬 (明治大学大学院先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻), 小林 稔 (明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科)
キーワード行動誘導, ペンライト, 視覚刺激, 音楽イベント, VR
アブストラクト音楽イベントにて,ペンライトを応援グッズとして使用する場合,経験がなくどのように振ればよいか分からなかったり,経験があっても興奮などで無意識の内にずれたりすることがある.また,ずれないように周りに合わせようとすることで,本来の目的である演者や演出を見逃したり,周りの目が気になってイベントに集中できなかったりする問題が発生する.本研究はこの問題を解決するために,音楽イベントのペンライトの振る行為を誘導して,ずれを防止することを目的として研究を進めてきた.我々はこれまでに,参加者の持つ大量のペンライトを規則的に発光させることで応援行動を誘導する手法を提案し,予備実験やシステムの制作を進めてきた.本稿では,ペンライトの規則的発光を検証するためにバーチャルリアリティでの検証が効果的であると考え,新たに光パターンを提案し,VRシミュレーションシステムにて検討を行った.その結果,新たに提案した光パターンは有効であると考えられた.しかし,タイミングと振り方の両立が困難という問題も明らかになった.
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DS-D:5 (時間: 17:42 - 17:45)
題名同世界放送:リアルタイム映像の収集と合成を伴う分散型インターネットライブ放送システム
著者*牧田 航輝, 川上 朋也 (福井大学), 松本 哲, 義久 智樹 (大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学), 下條 真司 (大阪大学)
キーワード分散処理, データ収集, ライブ放送, 映像合成, 低遅延
アブストラクト2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により,テレワークやオンライン授業,エンターテインメント業界など,様々な場面でリアルタイム映像配信サービスの需要が高まっている.複数の参加者を同時に画面上に表示する場合,画面を分割して決まった領域に各参加者を配置するものが多くみられるが,それでは各参加者が孤立した感覚となる.全参加者が1つの空間内にいるかのような表示ができれば,より現実感のあるライブ放送が実現できる.本研究では,複数の遠隔地で撮影された参加者がまるで同じ空間に存在するかのようなライブ放送を「同世界放送」と呼び,そのシステム提案する.同世界放送では多数の映像処理が必要となり,それらの処理を特定のノードに集中させると,処理が完了するまでの遅延が大きくなるという問題が発生し得る.処理遅延を小さくするため,中継ノード上で映像を合成しつつ収集する方法を考案した.同世界放送システムを実装し,実装したシステムを用いて各合成方法における処理遅延時間を評価した.
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セッション SP  特別招待講演
日時: 2021年7月1日(木) 15:50 - 16:50
座長: 小口 正人 (お茶の水女子大学)

SP-1 (時間: 15:50 - 16:50)
題名(特別講演) データドリブンなサイバーセキュリティ研究の最前線
著者井上 大介 (NICT)
ページpp. 1651 - 1655