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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム
プログラム

(「*」印は講演予定者を表す)
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セッション表

表内のセッション名はそのセッション情報にリンクしています.


2019年7月3日(水)

風の杜花舞・一の花花舞・三の花花舞・五の花遊舞・五の遊遊舞・三の遊遊舞・一の遊楽舞・一の楽
開会式 (風の杜)
13:00 - 13:30
セッション開始準備
13:30 - 13:50
1A  センサネットワーク
13:50 - 15:30
1B  位置推定
13:50 - 15:30
1C  通信制御
13:50 - 15:30
1D  IoT (1)
13:50 - 15:30
1E  ウェアラブル行動認識
13:50 - 15:30
1F  位置情報
13:50 - 15:30
1G  感覚情報提示
13:50 - 15:30
1H  暗号・ニューラルネットワーク
13:50 - 15:30
休憩
15:30 - 15:50
2A  CGM
15:50 - 17:30
2B  ネットワーク
15:50 - 17:30
2C  無線技術と応用
15:50 - 17:30
2D  行動認識と深層学習
15:50 - 17:30
2E  ロケーション
15:50 - 17:30
2F  学習支援 (1)
15:50 - 17:30
2G  ネットワーク分析
15:50 - 17:30
2H  サイバー攻撃
15:50 - 17:30
休憩
17:30 - 17:50
3A  モバイルによるデジタルトランスフォーメーション
17:50 - 19:10
3B  認識・推定
17:50 - 19:10
3C  無線通信
17:50 - 19:10
3D  ヘルスケア
17:50 - 19:10
3E  スマート環境
17:50 - 19:10
3F  スマートシティ
17:50 - 19:10
3G  認知・感情
17:50 - 19:10
3H  セキュリティ心理学・教育
17:50 - 19:10
休憩
19:10 - 19:40
夕食 (華胥)
19:40 - 21:30



2019年7月4日(木)

風の杜花舞・一の花花舞・三の花花舞・五の花遊舞・五の遊遊舞・三の遊遊舞・一の遊楽舞・一の楽
朝食(時間指定あり) (ビュッフェダイニング 飛翔)
6:30 - 8:00
4A  自動運転・V2X通信
8:30 - 10:10
4B  データベース・検索
8:30 - 10:10
4C  行動・状態認識
8:30 - 10:10
4D  ウェアラブルセンシング
8:30 - 10:10
4E  移動
8:30 - 10:10
4F  生活行動
8:30 - 10:10
4G  映像配信
8:30 - 10:10
4H  ユーザブルセキュリティ
8:30 - 10:10
休憩
10:10 - 10:30
5A  ユビキタスデジタルトランスフォーメーション
10:30 - 12:10
5B  IoT (2)
10:30 - 12:10
5C  センシング
10:30 - 12:10
5D  ITS通信
10:30 - 12:10
5E  コンテキストアウェアネス
10:30 - 12:10
5F  認識
10:30 - 12:10
5G  VR・AR
10:30 - 12:10
5H  認証
10:30 - 12:10
昼食・アウトドアセッション
12:10 - 14:10
6A  未来に向けたエコシステムの構築
14:10 - 15:30
6B  分散処理
14:10 - 15:30
6C  モバイルアプリケーション
14:10 - 15:30
6D  ITS状態推定
14:10 - 15:30
6E  行動認識応用
14:10 - 15:30
6F  システム制作
14:10 - 15:30
6G  センシング応用
14:10 - 15:30
6H  IoTセキュリティ
14:10 - 15:30
休憩
15:30 - 15:50
SP  (風の杜)
特別講演

15:50 - 16:50
休憩
16:50 - 17:00
DS  (けやき・五百川)
デモセッション/企業展示

17:00 - 18:30
休憩
18:30 - 19:00
夕食 (華胥)
19:00 - 21:00
休憩
21:00 - 21:20
NS  (風の杜)
ナイトテクニカルセッション
21:20 - 23:00



2019年7月5日(金)

風の杜花舞・一の花花舞・三の花花舞・五の花遊舞・五の遊遊舞・三の遊遊舞・一の遊楽舞・一の楽
朝食(時間指定あり) (ビュッフェダイニング 飛翔)
6:15 - 8:00
7A  セキュリティの新潮流
8:30 - 10:10
7B  アプリケーション
8:30 - 10:10
7C  生体情報
8:30 - 10:10
7D  交通流・人流
8:30 - 10:10
7E  動画像信号処理
8:30 - 10:10
7F  情報提示
8:30 - 10:10
7G  学習支援 (2)
8:30 - 10:10
7H  分散システム
8:30 - 10:10
休憩
10:10 - 10:30
8A  医療・介護
10:30 - 12:10
8B  シミュレーション
10:30 - 12:10
8C  モバイルネットワーク
10:30 - 12:10
8D  安全運転支援
10:30 - 12:10
8E  行動支援
10:30 - 12:10
8F  スマートオブジェクト
10:30 - 12:10
8G  分析・可視化
10:30 - 12:10
8H  ネットワークシステム
10:30 - 12:10
昼食
12:10 - 13:30
閉会式・表彰式 (風の杜)
13:30 - 14:40



論文一覧

(「*」印は講演予定者を表す)

2019年7月3日(水)

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セッション 1A  センサネットワーク
日時: 2019年7月3日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 風の杜
座長: 佐藤 永欣 (岩手県立大学)

1A-1 (時間: 13:50 - 14:30)
題名(招待講演) IoTとロボティクス‐ロボット応答制御のための経路予測‐
著者加藤 由花 (東京女子大学)
ページp. 1
キーワードIoT, ロボティクス

1A-4 (時間: 14:30 - 14:50)
題名センサーデータのためのProgramming by Exampleに基づくデータ補完手法
著者*永島 寛子, 加藤 由花 (東京女子大学 大学院理学研究科)
ページpp. 2 - 8
キーワードIoT, 欠損値補完, 前処理, Programming by Example
アブストラクト近年,基幹システムで扱うデータだけではなく,センサーデータやウェアラブルデバイスのデータなど,分析に利用可能なデータの量と種類が増えてきた.しかしながら,収集データを分析モデルに入力するためには,分析前に「前処理」を行う必要がある.前処理は,単位の統一や外れ値や欠損値の対処などを行う必要があり,分析者に多大なインパクトを与えている.そのため,分析者の前処理における負荷を削減し,かつ同程度以上の精度をもつ前処理の自動化が望まれている. 本稿では,前処理で行われる作業のうち外れ値・欠損値をベイズ推論を用いて自動で補完する手法を提案する.自動補完では対処しきれない手法の一部を変更するなどのカスタマイズ性を持たせるため,Programming by Exampleアプローチを採用し,人の知識を例としてモデルに入力することにより人の知識と機械学習を融合させる.提案手法と既存手法による自動補完の補完精度を比較し,提案手法が既存手法より,センサーデータの補完手法として有効であることを検証した.


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セッション 1B  位置推定
日時: 2019年7月3日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 花舞・一の花
座長: 湯村 翼 (情報通信研究機構)

1B-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名音波による歩行者自律航法の補正手法の検討
著者*菊地 勇然 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 稲村 浩, 中村 嘉隆 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 9 - 14
キーワード屋内位置推定, 音波, オムニマイクロフォンアレイ, 歩行者自律航法, 到来方向推定
アブストラクトスマートフォン等のデバイスの普及により,位置情報サービスが広く利用されている.屋外環境では,GPS等を用いた位置推定ができるのに対し,屋内では建物の遮蔽などでGPSがうまく機能しない.そのため,屋内に関しては様々な位置推定手法が検討されている.我々は,商業施設等でも導入が進んでいるスマートスピーカの部品の一つであるオムニマイクロフォンアレイを用いた測位デバイスを実現し,スマートフォンに内蔵されたセンサを用いて実装することができる歩行者自律航法を超音波による信号源距離推定により補正する手法を提案してきた.本研究では,信号源距離推定に加えて,信号音の到来方向推定を用いて,歩行者自律航法を用いた際の累積誤差の補正に適用した場合の効果を検証する.

1B-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名屋内環境超音波の解析による自己位置方向推定
著者*永間 雄大 (千葉大学 大学院融合理工学府), 梅澤 猛, 大澤 範高 (千葉大学 大学院工学研究院)
ページpp. 15 - 21
キーワード超音波, 畳み込みニューラルネットワーク, 屋内位置推定
アブストラクト本研究では屋内位置推定技術が抱えるコスト面の課題を、対象の環境にある情報を用いることにより改善することを目的に、環境超音波を解析することで屋内位置・方向を推定する実験を行う。実験では環境超音波からスペクトログラムを作成し、CNNを用いて録音方向と録音位置を推定する分類モデルを作成する。方向推定実験では部屋の中心から8方向の判別を行った。判別精度は99.85%であり、本手法により45°程度の方向推定が高精度で可能であることが示された。位置推定実験では部屋を20分割した各領域の中心から4方向にマイクを向けて録音したデータを用いて分類モデルを作成したところ、判別精度は77.06%となった。また、4方向を向いて録音したデータのうち、単一方向のみを用いて同条件の位置推定を行ったところ判別精度の平均は92.75%であり、マイクの録音方向が変わることによって位置推定精度が低下することが示された。

1B-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名回転磁石マーカを用いたスマートフォン所持者の2次元経路推定
著者*渡邊 康祐 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧, 米澤 拓郎 (名古屋大学未来社会創造機構), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部), 河口 信夫 (名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 22 - 28
キーワード屋内位置推定, スマートフォン, 磁気, 磁石, 回転磁石マーカ
アブストラクトスマートフォンやタブレット型端末の普及によって,様々な場面で位置が活用されるようになった.我々の目的は誤差数cmのスマートフォン位置情報に基づいた新たなサービスの創出である.我々はこれまで,回転磁石マーカを用いたスマートフォン位置推定手法を研究してきた.回転磁石マーカとは強力な磁石を回転させ,スマートフォンの磁気センサで検知可能な動的磁気を発生させる装置である.我々は以前の研究で,回転磁石マーカを用いたスマートフォンの移動経路推定手法を提案した.この以前の研究では,ベルトコンベアを用いてスマートフォンを移動させた結果,回転磁石マーカから1m離れた直線経路を平均誤差10cm以下で推定した.本研究では,人がスマートフォンを持って移動している場合について,同様の手法を用いて移動経路を推定し,その推定精度を評価した.評価実験の結果,回転磁石マーカからの距離が1mの直線経路を歩いた場合,移動経路を平均誤差19cmで推定できた.また,提案手法のロバスト性を調べるため,スマートフォンをポケットに収納し,同じ経路で移動経路を推定した.その結果,回転磁石マーカからの距離が1mの直線経路を歩いた場合,スマートフォンの初期位置を平均誤差21cmで推定可能であった.以上の検討から,歩行者がスマートフォンを所持している場合について,以前我々が提案した手法を用いて移動経路を推定できることを確認した.

1B-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名ニューラルネットワークを用いた大規模イベント向けBLE屋内位置推定の比較評価
著者*浦野 健太, 廣井 慧, 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 29 - 35
キーワードBLE, 位置推定, LSTM
アブストラクト本稿では,移動するBLEタグからのパケットを環境内の複数のスキャナで受信し,受信信号強度を使うBLE屋内位置推定において,ニューラルネットワークを用いた手法を考える.無線電波を使う位置推定では,受信信号強度の不安定さが精度に影響する.そこで,Fingerprintや三点測位に代わり,ニューラルネットワークの利用が試みられており,精度の改善が報告されている.一方で,多数の人がいる実環境への対応可能性は十分検証されていない.そこで本稿では,(1)デノイジングオートエンコーダと既存手法を組み合わせた位置推定と,(2)ニューラルネットワークによるEnd-to-endの位置推定を比較し,高精度に推定できる手法を検討する.(1)では,受信信号強度からノイズ除去や欠損値の補完を行い既存手法で位置推定を行う.(2)は全結合層とLSTM層からなり,受信信号強度の時系列を用いて位置推定を行う.ネットワークの学習時は,単純なシミュレーションで生成したデータでの学習の後,実環境で収集したデータで追加の学習を行う.大規模展示会での実験データでの評価では,デノイジングオートエンコーダと既存手法の組合わせは精度で劣り,End-to-endのニューラルネットワークのほうが良い精度で推定を行えた.

1B-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名RSSI-based Localization of BLE-attached HVACs by Utilizing Peak Detection
著者*Nathavuth Kitbutrawat (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University), Chuanhsin Chen (DAIKIN INDUSTRIES, LTD.), Shugo Kajita, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University)
ページpp. 36 - 43
キーワードlocalization, BLE, RSSI
アブストラクトNowadays, there is a concern about how to use energy efficiently. Energy management is one of the technologies which play an important role to reduce energy consumption in buildings. For building energy management, there are several technologies which make the resident feel comfortable by controlling HVAC and lighting through IoT. The critical information, which enables such management in a building, is the location of IoT devices. However, the manual location identification manner requires a significant labor effort for a large number of IoT devices deployed in the building. Although the wired network has reliable, low-delay and secured characteristics, it has no property to be used for the localization technique in the physical environment. Hence, Bluetooth Low Energy (BLE) is one of the most popular wireless network modules for IoT devices because it can provide a cost-effective and easy-deployment network. As a signal strength of wireless technology is related to the distance between receiver and transmitter, the BLE modules can be used to generate the signal fingerprint to estimate their locations. In this paper, it is assumed to attach a BLE module to each HVAC individually, and then the location of HVACs can be estimated by observing the signal strength of BLE. We propose a survey mechanism to collect signal propagation. We provide a method to estimate the location of BLE without visiting every place by analyzing the change in signal strength of every BLE. Our method requires the floorplan and physical location of HVAC. We request one tester to carry the smartphone and walk around the building for collecting the signal strength of every BLE. After that our method generates the candidate list of the BLEs to each physical location. We evaluate our algorithm by deploying 26 BLEs in an office building. The results show that the average number of matching BLE candidates for each location is 2.17, which is useful to identify BLEs which cannot be identified by network-based localization.


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セッション 1C  通信制御
日時: 2019年7月3日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 花舞・三の花
座長: 藤本 章宏 (和歌山大学)

1C-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名周期と接触情報を用いた遅延耐性マルチホップ経路制御手法
著者*春石 聖人, 北須賀 輝明 (広島大学大学院工学研究科)
ページpp. 44 - 49
キーワードモバイルネットワーク, 経路制御手法, 遅延耐性ネットワーク
アブストラクト本稿ではDTN(Delay tolerant network,遅延耐性ネットワーク)と呼ばれる,不安定なネットワーク環境のためのマルチホップ経路探索手法であるSpray and 3Rを提案する.現在通信は通信インフラを基盤に行われる.そのため,災害などで通信インフラが破壊されると通信できない.本提案はそのような緊急時の代替通信のためのものである.基地局の代わりに,人々が持つスマートフォンなどの端末を利用する.目的の端末までに,それらの端末を介してデータを届ける.既存手法である3RとSpray and Waitをベースに閾値を導入したものを提案する.3Rが持つ経路選択の方法とSpray and Waitが持つ通信回数の抑制を組み合わせた.3Rの提案者であるVuらと同じデータセットで評価したところEpidemicやPRoPHETと比べ通信回数が23%,45%程になり,3RやSpray and Waitと比べ到達確率が13.4ポイント,6.5ポイント上昇した.

1C-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名細粒度の遭遇履歴と推移性を用いた遅延耐性ネットワークの経路制御手法
著者*石野 健汰, 北須賀 輝明 (広島大学大学院工学研究科)
ページpp. 50 - 56
キーワード遅延耐性ネットワーク, 経路制御, モバイルコンピューティング
アブストラクト本稿では,端末同士の詳しい遭遇履歴を元にしたルーティングに対して到達可能性の推移性を導入した新しいルーティング手法を提案する.遅延耐性ネットワークは,例えばモバイルアドホックネットワークなどの接続が不安定なネットワークに対処する手法の1つである.遅延耐性ネットワークでは,ルーティングを蓄積転送によって行うことで不安定な接続に対処する.蓄積転送とはデータを中継地点で一旦蓄積しながら転送する転送方法である.ルーティングにおいてはメッセージ到達率を最大にしながらネットワーク資源の使用を最小限に抑えることが必要になる.本研究では既存の人の接触の履歴を利用したルーティングを基にして,その情報を推移させることでメッセージ到達率を向上させる新たな手法を提案する.提案手法に対しては,ネットワークシミュレータを用いて評価実験を行なった.従来の手法と比較したところメッセージ到達率が向上したことが確認できた.

1C-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名実行可能性の検討を目的とした現実的なトポロジにおけるLow-rate DDoS攻撃のシミュレーション
著者*盒 佑太 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 稲村 浩, 中村 嘉隆 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 57 - 63
キーワードLow-rate DDoS攻撃, ネットワークシミュレーション, TCP輻輳制御, ネットワークセキュリティ, ネットワークトポロジ
アブストラクトインターネット通信において広く使われているTCPは,低量分散型サービス妨害(LDDoS: Low-rate Distributed Denial of Service)攻撃によって継続的な通信妨害が可能であることが理論上と単純な環境における検証により明らかになっているが,現実のインターネットにおける実行可能性は不明である.そこで本研究では,上記のネットワークの特性について現実性の高いシミュレーションを実行することで,現実のネットワークにおいて効果的なLDDoS攻撃に必要な条件・制約を明らかにし,現実のインターネットにおけるLDDoS攻撃の潜在的な標的の発見や有効な検知・緩和手法の確立を目指す.本稿では,インターネットトポロジの特性に着目し,家庭用ブロードバンドを提供しているISPネットワークに見られる特徴を反映したトポロジを生成した.さらに生成したトポロジにおいてLDDoS攻撃のシミュレーションを実行し,標的ボトルネックリンク帯域幅が100Mbpsの場合にTCPスループットを大きく低減させることが可能な攻撃フローの大きさを示し,今後に向けた課題を整理した.

1C-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名優先度を考慮した送信制御が可能なP-MQTTの開発と評価
著者*内山 仁 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域)
ページpp. 64 - 70
キーワードIoT, 優先度制御, モバイルネットワーク, QoS, MQTT
アブストラクトInternet of Things(IoT)は農業,環境モニタリング,セキュリティ監視など広い分野で活用され近年さらに期待が高まりつつある.全世界のM2M接続の増加傾向からIoTの成長は見て取ることができ,2022年のM2M接続は2017年の約2.4倍まで増加すると予想されている.それに対して,IoT向けのモバイルネットワークサービスも登場しているが,通信品質が保証されていない場合がある.IoT向けの通信プロトコルとしては小容量かつ高頻度の通信に適したMQTTプロトコルの使用が注目されている.しかし,MQTTではメッセージの優先順位に関する機能は保証されておらず,データの特性と関係なくデータ送信が行われる.そのため,通信帯域や速度の品質が低いネットワークを用いたアプリケーションでは,データ利活用の際に重要性の低いデータ送信で帯域を圧迫し,重要なデータ送信の遅延や信頼性の低下が予想される.そこで本研究では,コンテンツごとに定められた優先度の情報をもとに送信順制御が可能なMQTTとしてP-MQTT(Priority based MQTT)を提案する.ここで優先度はIoTデバイスが生成するデータの特性(遅延耐性など)に応じて決定される.提案手法を詳細設計,実装を行い優先度の異なるデータが混在する環境で評価したところ,通信速度に制限のあるネットワークでP-MQTTは効果を発揮し,優先度の高いデータ送信の遅延時間を6%程度削減できた.また,通信速度が低くなることでより効果的であることがわかった.


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セッション 1D  IoT (1)
日時: 2019年7月3日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 花舞・五の花
座長: 佐野 渉二 (金沢工業大学)

1D-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名自動監視システムのためのCNNの分散処理による送信データ量削減手法
著者*池田 佳弘 (立命館大学情報理工学部情報理工学研究科), 柳沢 豊, 岸野 泰恵, 水谷 伸, 白井 良成, 須山 敬之 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所), 松村 耕平, 野間 春生 (立命館大学情報理工学部情報理工学研究科)
ページpp. 71 - 78
キーワードCNN, 分散処理, データ量削減
アブストラクト大規模な一過性のイベント会場においては,センサノードを用いて会場を自動で監視できるシステムを仮設で構築する需要が高い.このような会場内で人物追跡を行う場合,必要なセンサノードの数が膨大となるため,キャリブレーションとデータを収集する際の帯域幅への負担が課題となる.本研究ではこれらの負担を低減する自動監視システムの構築を目標とし,Convolutional Neural Network(CNN)により個々の監視映像から同一人物の位置と進行方向を推定し,それらの情報をつなぎ合わせていくことでキャリブレーションの必要なく人物の移動経路を取得できる方式を提案する.このときCNNの分割部の畳み込み数を意図的に減らし,その計算プロセスをセンサノードとサーバで分散処理することで,送信データ量低減も同時に実現する.提案手法により送信データ量をセンサノード上で処理を行わない場合の1/900に低減した場合,人の進行方向を推定する場合であれば96%以上,人のCGモデルの位置を推定する場合であれば98%以上の精度であった.また,1つの監視映像にオクルージョンが生じる場合であっても,異なる監視映像からの情報を利用することで進行方向推定を行うことが可能であった.送信データ量を低減しても96%以上の精度で推定が行えたことから,目標とするシステムにおいて提案手法は有効であるといえる.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
1D-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名相変化材料を用いた熱電発電機構により駆動される高温域で動作可能なIoTセンサの理論解析
著者*池田 夏輝, 繁田 亮 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 川原 圭博 (東京大学大学院工学系研究科)
ページpp. 79 - 88
キーワード熱電発電, 相変化材料, 潜熱, 熱回路
アブストラクト本研究では,化学電池が使用できない厳しい温度環境においても動作可能なIoTセンサデバイスの提案を行う.エネルギーハーベスティング技術の一種である熱電発電は,厳しい温度環境下におけるデバイスの駆動手法として有用である.一般に,熱電発電を利用するためには,空間内に厳密な温度境界がなければならないとされる.しかし,そのような状況は限られており,実際には空間内に温度勾配がない状況や高温液体と周囲気体の間のように温度境界が曖昧な状況なども多い.本論文では相変化材料を用いた熱電発電機構により駆動されるセンサデバイスを提案する.提案手法では,相変化材料の温度は相変化中一定であり,相変化材料と外部環境との間に温度差が生じることを利用し,これまで熱電発電が不向きとされてきた状況における発電を可能とする.センサデバイスの設計手法を示したのち,相変化材料の容量や発電量や発電継続時間の関係性といった提案デバイスの特徴を求めるため,熱回路を用いた数値解析を行った.数値解析により,例えば,高温液体と相変化材料との相変化温度との差が25 ℃の場合,5 cm四方の発電機構で30 分に渡って数100 mWの発電が可能と示された.続いて,一般的な電池の残余電力量に相当する,相変化材料の潜熱吸収量の推定手法に関する初期検討を行った.

1D-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名講義内および課外における生活行動把握のためのデータ計測プラットフォームの提案
著者*西垣 一馬, 酒井 元気 (東京電機大学)
ページpp. 89 - 92
キーワード行動様式データ, ウェアラブルデバイス, 学習効果向上, 生体情報, IoTプラットフォーム
アブストラクト本研究では,大学における教育の質向上を目的とし, 受講者の生活行動把握データを計測,収集,蓄積するためのプラットフォームの提案を行う. eラーニングや電子ポートフォリオシステム等のICTを用いた学習管理システムは学習効果に寄与している. デジタル教材による学習者のページ遷移ログや閲覧履歴,成績や履修情報を統合しデータの分析,問題の可視化を行っている. また,ウェアラブルデバイスの普及により, 人間の活動や睡眠の状態がセンシングされ健康をサポートする施策が広がっており,人間の生活行動を把握するためのデータ計測が盛んとなってきた. そこで,学生が何をどこで学習しているか,またどのように日常生活を送っているかといった を把握することは学生の学習効果の向上に役立つのではないかと考えられる. そのため,本論文ではウェアラブルデバイスによる生活行動のデータ計測を行うためのプラットフォームの提案, 構築,実証実験を用いたシステム評価について述べる.

1D-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名IoT向けNode-REDベースの分散アプリ開発環境の実装と評価
著者*仲道 耕二, 大木 憲二, 野村 佳秀 (富士通研究所), 浅沼 稔, 舞田 正朋 (富士通テレコムネットワークス)
ページpp. 93 - 96
キーワードInternet of Things, アプリケーション開発環境, モデル駆動開発, Node-RED
アブストラクトIoTフロントやエッジネットワークなど,機器が複数配置された分散環境で動作するアプリの開発・運用に際しては,機器の入れ替えやアプリ機能の更新などに伴って,アプリを修正し再度機器に配備する手間・コストが課題となる.そこで我々,機器が多数配備された分散環境で連携動作するIoTアプリの効率的な開発や配備を行うために,フローベースのアプリ開発環境であるNode-REDで定義したフローを入力モデルとして利用し,モデル変換技術を用いて配備環境に適した実装を自動生成する方式を考案し実装したので報告する.さらに本稿ではアプリ開発効率への影響度を評価するために,スマート工場で向けアプリを例に,通常のNode-REDを用いて分散機器毎の個別のアプリを開発した場合と,分散提案手法を利用してアプリを開発した場合のアプリ規模の比較を行った.

1D-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名ノード間通信の優位性評価を目的としたFog コンピューティングテストベッドの構築に関する一検討
著者*菊地 俊介 (さくらインターネット株式会社/さくらインターネット研究所), 佐々木 健, 大木 裕介 (フリーランス), 松本 亮介 (さくらインターネット株式会社/さくらインターネット研究所)
ページpp. 97 - 104
キーワードFogコンピューティング, エッジコンピューティング, テストベッド, ノード間連携, 使い分け
アブストラクトIoTにおいてクラウドのリッチなコンピューティングリソースを利用する際には,現場とクラウド間の通信遅延が大きな問題となる.この問題を解決するためのエッジコンピューティングの研究開発が盛んである.筆者らは,エッジコンピューティングの実際上の導入・普及プロセスは,個々の現場にそれぞれの裁量の範囲での小さいシステムが導入され,それが徐々に有機的に結合されていく形態ではないかと考え,エッジコンピューティングにおけるノード間での相互接続性を重視したFogコンピューティングに注目している.今回,相互接続性を考慮したFogコンピューティングテストベッドを作成し,Fogノード間接続の対クラウド接続に対する優位性を確認するための基礎的な性能計測を実施した.本稿では,Fogコンピューティングテストベッドのアーキテクチャ紹介と併せてその結果を報告する.


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セッション 1E  ウェアラブル行動認識
日時: 2019年7月3日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 遊舞・五の遊
座長: 榎堀 優 (名古屋大学)

1E-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名身体へのタップジェスチャでコミュニケーションを行うシステムの基礎検討
著者*小林 優維 (日本大学文理学部), 呉 健朗, 大和 佑輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 105 - 110
キーワード障がい者, コミュニケーション, ジェスチャ, ユニバーサルデザイン
アブストラクト健常者や障がい者は,文字や発話,点字や手話などの手段を利用し,他者とコミュニケーションを行っている.しかし,ユーザが利用するコミュニケーション方法が,相手の障がいの有無や種類によって相手が理解できない場合,介護者の仲介無しにコミュニケーションを行うことが困難であるという問題がある.この問題を解決するために,我々は,スマートフォンをタップするだけで簡単なコミュニケーションを行うことができるシステムTapMessengerを提案してきた.しかし,先行研究ではスマートフォンを操作する必要があり,身体障がい者などが使用するには入力に身体的負担がかかるという問題があると考える.この問題を解決するために,スマートフォンへのタップを身体へのタップジェスチャに置き換え,身体へのタップジェスチャのみで日常生活を送る上で最低限必要なコミュニケーションを行えるようにするシステムを提案する.これにより,障がいの有無や種類を問わず,様々なユーザがスマートフォンなどのコンピュータを操作することなく最低限必要なコミュニケーションを行えるようになることを目指す.プロトタイプシステムと先行研究で比較実験を行った結果,有効性を示すことはできなかったが,タップジェスチャのみを用いて文字入力を行うことの可能性を示すことができた.今後の課題として,認識するタップジェスチャの種類の増加とその精度の向上があることが確認できた.

1E-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名加速度センサを用いたジェスチャ認識のための筋活動量にもとづく重みづけ手法
著者*梶原 大暉, 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 111 - 116
キーワード行動認識, 筋活動量, 筋電位, 加速度センサ
アブストラクトマイクロエレクトロニクス技術の発展によるコンピュータの小型化,高性能化によりコンピュータ を常に身につけて生活するウェアラブルコンピューティングに注目が集まっている.ジェスチャ認識では, あらかじめ認識対象となるジェスチャのデータを学習データとして採取し,認識したい未知のジェスチャ データと学習データを比較することで認識している.これまでに提案されているジェスチャ認識システム では,事前に認識対象となるジェスチャを数回繰り返してもらい,そのデータを学習データとして用いる が,ジェスチャ動作中に力が入り過ぎてしまったり,反対に力が入らな過ぎてしまうことで,同じジェス チャのデータでもばらつきがある.本研究では,学習データとして加速度と筋電位を採取し,入力データ は加速度のみを用いてジェスチャを認識する手法を提案する.3 種類の野球の投球フォーム「オーバース ロー」,「サイドスロー」,「アンダースロー」のジェスチャを認識対象とし,認識にはDynamic time-warping (DTW)を用いる.同種のジェスチャの2 つの加速度データのDTW 距離を計算し,筋活動量とDTW 距 離の変化の関係を調査する.得られた関係から実際に未知のジェスチャを認識する際にDTW 距離計算に おいて学習データの筋活動量に応じて距離計算方法を変え,動作のばらつきが大きい区間のDTW 距離へ の影響を小さくする手法を提案し,加速度のみで認識する手法を比較手法として提案手法の有効性を検証 した.学習データサンプル数が各ジェスチャ1 個ずつの時,被験者5 人中に2 人の認識精度が上がった.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
1E-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名センサ行動認識におけるZero-shot学習法のためのベクトル表現の性質の分析
著者*松木 萌 (九州工業大学大学院/工学府), 井上 創造 (九州工業大学大学院/大学院生命体工学研究科)
ページpp. 117 - 134
キーワード行動認識, Zero-shot学習, 分散表現, センサデータ
アブストラクト本稿では,センサ行動認識におけるZero-shot学習法において分散ベクトル表現を用いることについて検討する.センサ行動認識は,一般的に教師あり機械学習が用いられ,学習データ収集作業の手間と時間がかかると言う問題がある.本研究は,この問題を緩和するために,教師データに存在しないクラス(未知クラス)を推定するZero-shot学習法の適応を目指す.我々は,センサ行動認識Zero-shot学習に置いて分散ベクトル表現を用いることで既存の属性ベクトルを用いた手法より導入性の高い手法を目指す.本稿では,既存の属性ベクトルを用いた手法と,分散ベクトル表現,分散ベクトル領域を用いた手法の比較を,3つのオープンデータセットを用いて評価する.その結果,分散ベクトル表現からベクトル領域にサンプル拡張することで,属性ベクトルと同等の精度が得られること,領域拡大前に比べて最大で28%推定精度の向上が見られたこと,属性ベクトルとの空間的類似度が高くなること,がわかった.これら結果から,分散ベクトル表現を用いるZero-shot学習法は,センサ行動認識に対して実用性の高い手法であることを示した. さらに,センサデータと意味ベクトル,それぞれのベクトルに同じような特徴量が含まれる場合,属性ベクトルより高い精度が得られることがわかった.この知見は,センサ行動認識Zero-shotを応用する場合のクラス選択や必要なセンサデータの選定にとって重要である.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
1E-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名ウェアラブルセンサ装着位置/向きの違いにロバストな行動認識システムの実現に向けたデータ変換手法の検討
著者*中村 優吾 (奈良先端科学技術大学院大学/日本学術振興会特別研究員), 荒川 豊 (九州大学/JSTさきがけ), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 135 - 146
キーワード行動認識, データ変換, ウェアラブルセンサ, IoT, ロバスト
アブストラクト近年,IoT/ウェアラブルセンシング技術および人工知能技術の発展に伴い,人々の身体に装着されたウェアラブルセンサを用いて,対象者がどのような日常生活行動しているのかを高精度に推定することが可能となりつつある.しかしながら,既存の行動認識モデルの多くは,ウェアラブルセンサ装着位置が学習フェーズで想定されている場所や向きと異なる場合には,認識性能が劣化してしまうという問題を抱えている. 本論文では,この問題を解決するために,ウェアラブルデバイスから得られる加速度・ジャイロセンサデータの座標軸を回転し,擬似的に異なるセンサ向きのセンサデータ を生成するデータ変換処理に着目する.そして,認識対象のセンサデータを適切に変換することで,学習データのサンプルとセンサ装着位置/向きが違うセンサデータに対しても,既存の機械学習手法に基づく行動認識モデルを活用しながら,高精度に対象行動を認識する手法を提案する.また,提案ワークフローの有効性を検証することを目的として,複数の行動実施環境,複数のセンサ装着位置,複数のセンサ装着向きという条件に基づいて新たに構築された行動認識データセット(計276.8時間)を提示する.このデータセットを用いて,提案手法の有効性を検証した結果,適切なデータ変換手法を適用することで,センサ装着位置(6クラス)の認識精度(F値)最大+31%改善し,基本行動(7クラス)の認識精度(F値)を最大+28%改善出来ること確認した.また,基本行動とながら行動を合わせた17クラス分類問題に関して,認識精度(F値)を最大+25%を改善し,3つのセンサ装着位置を適切な組み合わせることでを83%のF値で認識できることを示した.


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セッション 1F  位置情報
日時: 2019年7月3日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 遊舞・三の遊
座長: 花田 雄一 (富士通研究所)

1F-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名2台の全天球カメラを用いた距離推定手法
著者*池田 輝政 (愛知工業大学), 遠藤 正隆, 中嶋 裕一, 三浦 哲郎 (株式会社リオ), 菱田 隆彰 (愛知工業大学)
ページpp. 147 - 150
キーワード全天球カメラ, THETA V, 距離推定
アブストラクト近年,2つの魚眼レンズを前後両面に配置した,360度撮影可能な全天球カメラが普及し始めている.全天球カメラは一般的な広角レンズのカメラと比較して撮影範囲が広いため,監視カメラなどの用途においてより多くの情報を得ることが出来る.そのような用途において,被写体との距離が測定出来れば更に活用範囲が広がるが,現行の全天球カメラには距離測定の機構は搭載されていない.本研究では,既成の全天球カメラであるRICOHの「THETA V」を用いた距離推定システムの実現を目指す.2台の全天球カメラを用いたステレオ撮影によって,被写体までの距離を推定する手法を提案する.そして,その実証として2台の全天球カメラから取得した動画像からリアルタイムで距離を推定するシステムを製作し,その有用性について検討する.

1F-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名見守りシステムにおける人体の影響による推定位置補正
著者*宮崎 喬行, 牧田 岳大 (鳥取大学大学院 持続性社会創生科学研究科), 高橋 健一, 川村 尚生, 菅原 一孔 (鳥取大学 工学部付属クロス情報科学研究センター)
ページpp. 151 - 157
キーワード人体の影響, 位置推定, 補正, BLEビーコン
アブストラクト福祉施設において入居者の徘徊や無断外出が問題になっている.徘徊や無断外出を防ぐために施設職員は入居者の所在を把握しておく必要がある.しかし,施設内の限られた施設職員では入居者全員の所在を把握することは困難である.そこで,入居者の所在を把握することができるビーコンを利用した福祉施設向け見守りシステムが提案されている.しかし,ビーコンの電波は2.4GHz帯を使用しており,人体の影響を受け減衰し,推定位置に誤差が生じる.本研究では,人体の影響を考慮し,その電波に対して補正を加えることで人体の影響による誤差を軽減する.


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セッション 1G  感覚情報提示
日時: 2019年7月3日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 遊舞・一の遊
座長: 水野慎士 (愛知工業大学)

1G-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名脈拍データを用い風で刺激する安全運転支援システムの開発
著者*堤野 理貴, 伊藤 淳子, 宗森 純 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 158 - 163
キーワード安全運転支援, 脈拍データ, シミュレータ, 風, arduino
アブストラクト近年,安全運転支援システムの発展が著しい.安全運転支援システムとは運転時の人的ミスを車両側が補佐するシステムである.長距離の運転などで疲労状態に陥ると,運転中に睡魔に襲われることもあり危険である.逆に渋滞などでイライラして興奮状態に陥った場合は正常な判断ができなくなる可能性があり,同じく危険である.運転中は冷静を保つことが安全運転に繋がる.しかし既存の安全運転支援システムの中には,運転者の状態に応じて冷静にさせるシステムは少ない.そこで本研究では,運転者の脈拍数を計測することで運転者の興奮状態などを検知し,冷静を保つことができる安全運転支援システムの開発をめざす.本システムは脈拍センサーを用いて脈拍数の計測を行い,運転者の脈拍数が高い時に電動ファンを作動させて冷風を身体に当てる.自動車の運転にはシミュレーターを使用した.本研究の目的は,運転時の脈拍をもとに興奮状態を検出し,外的刺激を与え冷静になるかの検証である.脈拍数に基づいて風を当てる実験,ランダムに風を当てる実験,および風を当てない実験を行い比較した結果,脈拍数に基づいて風を当てた場合,有意差があるほど脈拍数が下がり,風を当てる実験の評価は高かった.

1G-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Blastnel:気流噴出を利用した衝突感覚提示デバイスの提案
著者*新井 貴紘 (東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科コンピュータサイエンス専攻), 井上 亮文 (東京工科大学コンピュータサイエンス学部)
ページpp. 164 - 169
キーワードVR, 触覚, ハプティクス, 力覚, 気流
アブストラクト本研究では,バーチャルリアリティ(VR)の触覚提示技術の一つとして,圧縮空気を利用して衝突感覚を提示するシステムを提案する. 提案システムでは,強い気流を噴出可能なノズルがアレイ状に配置されている. システムは各ノズルから噴出される気流のパルスパターンを独立して設定できるため,従来の単一ノズル型の微弱気流よりも複雑で強力な衝突感覚を提示できる. 仮想空間内でユーザに様々なCGを衝突させ,これに合わせてプロトタイプシステムBlastnelで触覚を提示する実験を実施した. 評価実験の結果から,どのようなCGがBlastnelの触覚提示と相性が良いのかについて考察する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1G-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名ユーザ視点位置の動的変更による擬似触覚生起に関する一検討
著者*多田 祥起 (東京大学大学院工学系研究科), 小川 剛史 (東京大学情報基盤センター)
ページpp. 170 - 175
キーワード仮想空間, 複合現実, 擬似触覚, Pseudo-haptics, 力覚提示
アブストラクト感覚間の相互作用を用いたクロスモーダルインタフェースに関する研究が盛んに行われている.特に力触覚に関しては,擬似触覚と呼ばれる現象がよく知られている.従来の手法では,力覚提示部位の位置を変位させて見せることで擬似触覚を生起するが,これを現実空間ベースの複合現実で用いることは難しい.本稿では,ビデオシースルー環境での視点変位による擬似触覚生起についての検討を行った.VR環境で実験システムを構築し,「抵抗感」の方向への力覚提示について,手法の有効性・生起される力覚の程度・違和感の小さい適切な変位幅・JND(丁度可知差異)を検証した実験について述べる.

1G-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名360度テーブルトップ型3Dスクリーンシステムにおける視点検出による垂直視差再現に関する基礎検討
著者*巻口 誉宗 (日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所/北海道大学), 高田 英明 (日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所), 本田 健悟, 坂本 大介, 小野 哲雄 (北海道大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 176 - 179
キーワード裸眼3D映像, テーブルトップインタフェース, 多視点映像表示, 視点検出
アブストラクト被写体をテーブル上に表示し,全周囲から立体的に視聴可能な映像表示技術は,エンターティンメント分野や産業分野での幅広い応用が考えられる.我々はこれまで,複数のユーザがテーブルトップ型ディスプレイの周囲360度好きな方向から,その角度に応じた3D映像を同時に視聴できるスクリーンシステムを提案した.このシステムでは,水平方向に対してなめらかな運動視差を提示できる一方,ユーザの身長差への対応や,視点の上下移動といった垂直方向の運動視差の提示は困難であった.そこで本稿では,スクリーン中心に設置した360度カメラの映像から画像認識によってテーブル周囲のユーザの視点位置を検出し,ユーザに提示する視点画像の仮想カメラを上下させることで垂直視差を再現する手法を提案する.この手法により,身長差のある複数のユーザの視聴や上下方向に視点移動を行った場合でもそれぞれのユーザに正確な3D映像を提示できる.我々は提案手法を実装し,テーブル周囲のユーザの視点位置に合わせて対応する視点画像をリアルタイムに変更できることを確認し,垂直視差再現への提案手法の有効性を示した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
1G-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名影を用いた誘目性と受容性を両立する情報提示方法の実装
著者*内田 大樹, 立花 巧樹 (日本大学文理学部), 富永 詩音, 呉 健朗 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 180 - 185
キーワード影, 情報提示, 視線誘導
アブストラクト屋外環境下においてユーザの注意を引くことに注力したデジタルサイネージを用いた商業広告や意見広告では派手な光や音を用いており,ユーザに不快感を与えてしまうことが考えられる.一方,ポスターなどの紙を用いたさりげない情報提示方法ではユーザの注意を引くことは比較的難しいと考えられる.本研究では,ユーザに慣れ親しんだ存在である自分の影が本来ありえない動きをすることで,誘目性と受容性を両立する情報提示方法を提案する.本稿では,提案したプロトタイプシステムに影の停止位置,停止速度のパターンを複数追加する.影の各停止パターンにおける影に対する誘目性の評価実験では,各停止パターン間に有意差を確認し,優位とされる停止パターンが示唆された.


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セッション 1H  暗号・ニューラルネットワーク
日時: 2019年7月3日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 楽舞・一の楽
座長: 佐々木 良一 (東京電機大学総合研究所・サイバーセキュリティ研究所)

1H-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名ブロックチェーン利用による電子書籍利便性向上のための個人間貸借管理法と実験システム試作による評価
著者*川島 悠太, 寺島 美昭, 高見 一正 (創価大学 大学院工学研究科情報システム工学専攻)
ページpp. 186 - 191
キーワードブロックチェーン, 電子書籍, 貸借管理, 個人情報保護, 著作権
アブストラクト2017年に電子書籍の売り上げが紙媒体の書籍の売り上げを上回った.本が電子化されて利便性は大幅に向上したが,それによって損なわれた機能も多い,中でも書籍の貸借に関しては「共有アカウントによる事実上の貸借」か「一部の書籍のみで期限付き」であるなど利便性が高いとは言えない.また企業の利益になりづらいという側面も持っている.本稿ではプライバシーを守りつつ企業管理ではない形で電子書籍の貸借管理が可能なシステムを設計した.管理者不在で所有者情報を管理するためにブロックチェーンを用いることによって高い改ざん耐性を持たせた.また又貸しに対応するために処理を4パターンに分割することで判別を可能にした.試作システムでは書籍の貸借の際に発生する手数料,処理時間から評価を行った.

1H-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名暗号資産(ビットコイン)・ブロックチェーンの高信頼化へ向けての MELT-UP 活動
著者*山澤 昌夫 (学校法人中央大学/研究開発機構、セキュアIoTプラットフォーム協議会), 角田 篤泰, 藤田 亮 (学校法人中央大学/研究開発機構), 近藤 健 (セキュアIoTプラットフォーム協議会), 才所 敏明, 五太子 政史 (学校法人中央大学/研究開発機構、セキュアIoTプラットフォーム協議会), 佐藤 直, 山本 博資 (学校法人中央大学/研究開発機構), 辻井 重男 (学校法人中央大学/研究開発機構、セキュアIoTプラットフォーム協議会), 野田 啓一 (慶應義塾大学SFC 研究所)
ページpp. 192 - 195
キーワード暗号資産, ブロックチェーン, 秘密分散, しきい値署名, 危殆化
アブストラクト暗号資産の仕組みにおいて,ユーザが作成する秘密鍵が価値操作の基礎である.市場での暗号資産流通におけるインシデントの要因は,暗号資産仕組み上に秘密鍵保護の機能が入っていないという構造が起因している.さらに,暗号資産の安全性強固さを支える構造は,公開鍵暗号方式とハッシュ演算のチェイニングだが,構造部品が危殆化したときの安全性保全については,検討されていない. 筆者等は,SCIS2018 において,秘密鍵の管理に物理プロセスを導入する事を特長とするセキュリティ実現方式を提案し,CSS2018 において取引所等への展開を検討した.さらに, SCIS2019 においては,部品危殆化時の構造問題に関する課題についての検討が必要であることを論じた.構造的問題を内包する価値操作 系を総合的に機能するように構成するには,Management:「M」, Ethics:「E」, Law:「L」, Technology: 「T」がからむ自由と規制の相克を止揚(MELT-UP)するなかで,適用領域を広げた解を導くべく検討する必要がある.本論文では,課題検討の方向付けに対応し, 秘密鍵保護機能と本人認証機能との関連を論ずる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
1H-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名クラウド環境におけるゲノム秘匿検索に向けた完全準同型暗号ライブラリの比較と分析
著者*山田 優輝, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 196 - 201
キーワード完全準同型暗号, クラウドコンピューティング, ゲノム
アブストラクト近年ヒトゲノムの解析と応用が可能になり,特に医療分野でのゲノムデータ利用の実用化が注目され るようになった.特にバイオインフォマティクスの研究において頻繁に行われるマッチ判定演算について, 各医療機関が保持するゲノムデータに研究者などがアクセス出来るアプリケーションを実現するためには, ゲノムデータをクラウドに保持し,利用者の問い合わせに応じてクラウドで演算を行う委託システムが望 ましいと考えられている.この委託システムにおいてクラウドと利用者との間で相互にデータを秘匿する ためには,データの暗号化処理が必須となり,クラウドに秘密鍵を渡さずに演算を行うために,従来の共通 鍵暗号方式ではなく暗号化されたデータ同士での演算が可能な完全準同型暗号(FHE: Fully Homomorphic Encryption)を用いる秘匿検索手法やその高速化が研究されている.完全準同型暗号を用いることで暗号 文同士での加算と乗算がどちらも可能となるが,暗号文同士での演算は計算量が大きく,クラウド側での 演算実行時間が課題となっている.本研究では,先行研究で提唱されている二種類のシステムデザインに ついて,それぞれを異なる二種類の暗号スキーム及び暗号ライブラリを用いて実装し,クラウド上で行わ れる完全準同型暗号演算の実行時間の比較・分析を行う.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
1H-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名再帰型ニューラルネットワークへのモデル抽出攻撃の精度評価
著者*竹村 達也, 矢内 直人, 藤原 融 (大阪大学)
ページpp. 202 - 212
キーワードモデル抽出攻撃, 再帰型ニューラルネットワーク, 深層学習, 時系列データ
アブストラクトモデル抽出攻撃は, 公開的にアクセス可能な学習モデルに対し, そのクエリアクセスを通じて攻撃者 がより少ない計算資源およびデータ量で学習モデルと同等以上の性能を持つモデルを得る攻撃である. 既 存のモデル抽出攻撃に対する研究は 3 層の深層ニューラルネットワークなど単純なモデルに対してのみし か行われておらず, 音声認識など時系列データを扱う再帰型ニューラルネットワーク (RNN) に関してどの ような脅威が起こりえるか自明ではない. 本稿では RNN へのモデル抽出攻撃の脅威の把握として, 複雑か つ高性能な RNN である長・短記憶 (LSTM) に対し, 単純な RNN を用いて, より高い精度のモデルが抽 出できるか明らかにする. 具体的には, 二つの問題設定において議論する. まず, 画像認識などに代表され る分類問題の設定において, LSTM の中間出力を用いることで, 最終出力を待たずにモデルが抽出できるこ とを示す. 次に, 時系列データを主に扱う回帰問題の設定において, 新たな損失関数の設計を通じた攻撃方 法を提案する. MNIST データセットおよび Air Quality データセットを用いて実験したところ, MNIST では データセット総数の 20% の訓練データ数で精度 97.5 % のモデルが, Air Quality では データセット 総数の約 60 % の訓練データ数で精度 88.3 % のモデルがそれぞれ抽出できることを確認した.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
1H-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名ボールと袋を用いた秘密計算
著者*宮原 大輝 (東北大学大学院情報科学研究科), 駒野 雄一 (東芝), 水木 敬明, 曽根 秀昭 (東北大学サイバーサイエンスセンター)
ページpp. 213 - 222
キーワード秘密計算, コンピュータサイエンスアンプラグド, ボール, 袋
アブストラクト2 人の暗号学者が,彼らの秘密の入力から論理積(AND)の秘密計算を行いたいという状況を考えよう.彼らはキッチンにいるとし,そこにはカレーが入った3 つの鍋といくつかの具材が存在している.興味深いことに,彼らは入力にしたがって具材を鍋に秘密に投入することで,カレーの味から論理積の値だけを得ることができる.秘密計算のために料理を行うのは手間がかかるため,本稿では具材と(カレーが入った)鍋をそれぞれ,ボールと袋に置き換える.これらは扱いやすい上に,高等学校教育における確率の分野にも登場するほど身近な道具である.したがって,本稿において取り組む問題は次のように一般化される:ボールと袋を用いることで秘密計算を達成できるのであろうか.この問題はコンピュータサイエンス(CS)アンプラグド---コンピュータを用いることなく情報科学分野を教えるための学習法---の分野であると捉えることもできる.既存のCS アンプラグドな秘密計算法として,カードベースな方式やコインベースな方式が与えられているが,本稿ではボールと袋の物理的な性質に基づく方式を与える.すなわち,ボールが袋に入った途端に順番が(袋の中で)ランダムになる性質を秘密計算に応用する.本稿は,秘密計算の文脈においてボールと袋を用いる枠組みを与える初めてのものであり,容易に実行可能な論理積の秘密計算法を提案する.生徒・学生にとって,我々のボールベースな秘密計算方式が身近なものであり,暗号や情報セキュリティ分野を勉強するきっかけとなることを期待している.


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セッション 2A  CGM
日時: 2019年7月3日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 風の杜
座長: 斉藤 典明 (東京通信大学)

2A-1 (時間: 15:50 - 16:30)
題名(招待講演) インターネットテレビの視聴データによるメディア・コミュニケーション研究
著者高野 雅典 (株式会社サイバーエージェント)
ページp. 223

優秀論文賞 / Paper Awards
2A-2 (時間: 16:30 - 16:50)
題名食探−口コミ情報から手早く美味しい料理店が見つかるサービス
著者*市村 哲 (大妻女子大学社会情報学部情報デザイン専攻)
ページpp. 224 - 230
キーワードWebサービス, 機械学習, 情報検索, 食探
アブストラクトグルメサイトを利用する際,他の人が書き込んだ感想(通称,口コミ)を参考にすることが多い.実際に 食したであろう人たちの料理の感想は非常に有用であり,店舗から提供される写真や文面以外の多くの情 報を知ることができる.しかしながら,グルメサイトに登録されている飲食店は非常に多く,かつ,飲食 店について書き込まれた口コミ情報も大量であることが普通である.著者らは,美味しい料理が食べられ る料理店を手早く探すことができるWeb サービス「食探」を開発した.ユーザがどのような料理が食べた いかに関する自分の希望や質問を日本語自然文で入力すると,入力文に類似した口コミが多い飲食店を抽 出して,さらに,レビュー文章から抽出した料理に関する短い要約文を作成して表示する.本稿では,料 理に関する要約文を作成する方法,および,手早く料理情報を見つけられる要約文とはどのようなものか をユーザ実験を通して検証した実験結果について主に報告する.

2A-3 (時間: 16:50 - 17:10)
題名観光情報充足に向けたあらたな写真収集システムの実装
著者*西岡 大 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部), 内藤 真生 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部), 西田 健志, 齊藤 義仰 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
ページpp. 231 - 237
キーワード観光, 写真, 地図
アブストラクト近年のスマートフォン普及に伴いSNSが積極的に利用されている.これによって不特定多数への情報発信が容易になり,自分の日常や食事の写真を撮影してSNSに投稿するユーザが増えている.観光地でフォトジェニックな写真を投稿するユーザも増加しており,一般人が撮影した観光地の写真の数も増えている.また,一般人が発信する写真情報の活用方法は様々な視点から研究が進められている.しかし,従来システムでは2つの問題点が挙げられる.1つ目は,訪れたことのない場所の写真では撮影ポイントや被写体の具体的な場所を把握しにくいことである.特に他人の撮影した写真からでは,撮影された現場の具体的な地点や方角,被写体を把握することは難しい.2つ目は撮影ポイントや対象物の単一化である.知名度の高い観光地では似通った構図や被写体を撮影する可能性が高い.そのため,知名度によって被写体や構図が偏り,写真の量が増えても写真の持つ情報量が変わらないことが考えられる. そこで本稿では,これらの問題を解決するため,被写体の方位や位置を視覚化し,ゲーミフィケーションを利用して多様性のある写真を収集するシステムを実装した内容について報告する.

優秀論文賞 / Paper Awards
2A-4 (時間: 17:10 - 17:30)
題名感情的な発言への共感を利用した観光情報の提示手法
著者*菅野 裕基 (立命館大学院 情報理工学研究科), 高田 秀志 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 238 - 243
キーワード観光, 感情, 提示手法, SNS
アブストラクト人は観光を行う前に,あらかじめ観光地についての情報を SNS から収集することがある.従来の研究では,観光地に訪れた人がどのような感情を抱くかについて,発言内容に含まれる感情による分類を行っていた.しかし,分類によって得られた情報自体には他のユーザからの評価が考慮されていないため,それが単なる個人の意見なのか,それとも,多数の人に共通する意見なのかを判別することは難しい.そこで,情報に対する他のユーザからの評価として,発言に対する共感を考慮して情報を提示することで,観光地に対する理解を支援することを本研究の目的とする。本研究では,Twitter を情報源として用い,感情を表現する単語を集めた辞書を構築して観光地についての発言を分類した上で,共感の指標となる「いいね」の数が多い順に並び替えて提示する. 評価実験を行った結果,観光地を評価するうえで役立つことがわかった。一方で,観光地とは関係のない感情を含む情報が提示されてしまう場合があるため,観光情報に適した辞書を構築する必要のあることが分かった.


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セッション 2B  ネットワーク
日時: 2019年7月3日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 花舞・一の花
座長: 中沢 実 (金沢工業大学)

2B-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名ミリ波帯における360度映像伝送に関する検討
著者*YuJun Lu (大阪大学大学院情報科学研究科), 小林 真 (広島市立大学大学院情報科学研究科), 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 244 - 252
キーワード360-degree video, 60 GHz mmWave, MIMO, HMD
アブストラクトWith the explosive growth in mobile data demand, wireless multimedia technologies are developing towards providing an immersive experience for the users. 360-degree video delivery, i.e., omnidirectional video delivery, over wireless links is one of the new multimedia techniques to provide an omnidirectional view of three-dimensional scenes for wireless virtual reality applications. Since the resolution and frame rate of 360-degree video are even high, conventional schemes on 360-degree video delivery use digitalbased video compression for traffic reduction. However, a large computation time in the digital-based video compression may degrade the quality of immersive experience because such immersive contents require an extremely low end-to-end latency between the content server and client to realize a good immersion. To realize high-quality and low-delay wireless 360-degree video delivery, this paper proposes a novel system of wireless 360-degree video delivery over millimeter wave (mmWave) networks. Specifically, the proposed system divides the uncompressed 360-degree video into multiple tiles and then assigns the tiles to multiple 60 GHz mmWave antennas placed around the Head Mounted Display (HMD) user based on the user’s direction. Finally, each mmWave antenna sends the assigned tiles to the user based on the 60 GHz channel state information (CSI) and the user’s watching tile. It is demonstrated that our system can provide a sufficient data rate even for 360-degree video with 8K resolution at 60 frames/second (fps) without video compression.

2B-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名共有アンテナを用いた異種無線多重MIMOチャネル動的構成方式の基本評価
著者*奥本 裕介 (関西大学大学院理工学研究科), 滝沢 泰久 (関西大学環境都市工学部)
ページpp. 253 - 260
キーワードネットワーク, MIMO, 5G
アブストラクト近年,スマートフォンなどにおける多様なアプリケーションの利用拡大,およびIoTの社会への浸透に伴い,ネットワークトラフィックが急増している.そのために,無線システムはさらなる容量拡大が求められる.容量拡大を図る技術としてMIMOが中核技術として活用されている.また,新たな無線通信システムとして第5世代移動通信(5G)においてもMIMOは容量拡大のための中核技術である.5G環境では従来よりも高周波数帯を利用し通信する.帯域拡大を図れるが,通信範囲が狭くなことから,現在の無線通信環境よりも基地局が急増する. 一方で,アンテナは無線システム毎に固定化されており,アンテナリソースを他の無線システムと共有利用することは出来ない.MIMOではアンテナ数に比例して帯域拡大が見込まれるが,アンテナ数が増加するごとにその容量拡大は鈍化する.従って,単一無線システムで構成されるMIMOチャネルでは容量拡大に限界がある.しかし,アンテナリソースを他の無線システムと共有利用し,適宜,アンテナ数を割り当てを決めることにより,複数の無線システムのMIMOチャネルにおいてその総容量拡大が見込める. 以上のことから本論では,5G環境において増加する多数のアンテナリソースを複数の異種無線システム間で共有し,随時,必要に応じてアンテナをそれぞれの無線システムに分配して,多重のMIMOチャネルの総容量を拡大する異種無線多MIMO動的構成方式を提案する.さらに,多重のMIMOチャネルを仮想の単一MIMOチャネルに構成・集約することにより,アプリケーションのスループット向上を図るシステム構成方式を示す.

2B-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名トラヒック削減を目的とした複数ユーザ向け3次元マルチビュービデオ伝送
著者*加地 純平 (愛媛大学大学院理工学研究科), 藤橋 卓也 (大阪大学大学院情報科学研究科), 遠藤 慶一, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科)
ページpp. 261 - 267
キーワード複数ユーザ, 低トラヒック, 3次元マルチビュービデオ
アブストラクト多数のカメラで異なる位置から同時に被写体を撮影する3次元マルチビュービデオは,臨場感あふれる映像をユーザに提供する.3次元マルチビュービデオ伝送は,6 Degrees of Freedom Virtual Reality (6-DoF VR)に代表される,自由な視点からの映像視聴を可能にする.一方,多数のカメラ映像を配信する3次元マルチビュービデオ伝送では,全てのカメラ映像を送信するため,多大な伝送トラヒックが発生する.そこで,ユーザの要求に応じてカメラ映像を限定的に送信する手法が提案されている.しかしながら,同時視聴ユーザ間で要求の重なりが生じた場合,伝送トラヒックの増大が生じ,再生停止や映像品質の劣化を招く恐れがある.本研究では,複数ユーザへの同時配信を想定した3次元マルチビュービデオ伝送におけるトラヒック増加を抑制するマルチビュービデオ伝送手法を提案する. 提案手法では,複数ユーザから受信するフィードバック情報を元にして,全カメラ映像を複数ユーザが必要とするカメラ映像,単一ユーザが必要とするカメラ映像,どのユーザも必要としないカメラ映像に分類する.その後,サーバは複数ユーザ間が必要とするカメラ映像をマルチキャストで複数ユーザに伝送し,単一ユーザが必要とするカメラ映像をユニキャストで各ユーザに伝送することで,ユーザ間で発生するカメラ映像の冗長伝送を抑制する. 性能評価から,同時視聴ユーザ数が増加とともに,提案手法は既存手法と比較してトラヒックの増大を抑制できることがわかった.また,受信映像品質の向上とともに,提案手法によるトラヒック削減効果が高くなることを明らかにした.

2B-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名有線通信におけるネットワークパラメータに基づく深層学習を用いた帯域予測手法
著者*小山内 遥香 (お茶の水女子大学), 中尾 彰宏, 山本 周 (東京大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 268 - 273
キーワードネットワークトラフィック, 深層学習, RNN, 変動予測
アブストラクト通信障害は,大規模災害による被災地内外の通信過多による輻輳,同時に起こるOSアップデートやDDoS攻撃など,様々な原因で引き起こされる. これらの通信障害は起こってからでは,対応が手遅れである場合が多く,確度の高い予測をし,事前に輻輳を抑制することが重要である. 網内における機械学習により,トラフィック集中を早期に検知し,効率的に対応するための技術に期待が集まっている. 本論文では,深層学習のモデルの一種であるRecurrent Neural Network(RNN)を用いてトラフィック異状の情報を抽出し,トラフィック変動の兆候を掴むための手法を提案する.

2B-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名構造化オーバーレイネットワークを用いた条件付きマルチキャストの提案
著者*安倍 広多 (大阪市立大学)
ページpp. 274 - 283
キーワード構造化オーバレイネットワーク, 条件付きマルチキャスト, 分散アルゴリズム, 範囲検索, Pub/Sub
アブストラクト構造化オーバーレイネットワークによって,指定した条件を満たすノードに選択的にメッセージを配送する方法を提案する(条件付きマルチキャストと呼ぶ).各ノードuはユニークなキー(u.key)およびノードの状態を表す値(u.value)を保持する.条件付きマルチキャストでメッセージを配送するには,配送先のキー範囲rおよび条件を指定する関数matchを指定する.メッセージは (p.key ∈ r) ∧ (match(p.value) = true) を満たすすべてのノードpに配送される.提案手法はChord#をベースとした構造を持つ.各ノードが経路表の各エントリに,あるキー区間のノードのvalueを集約した値を保持することで,当該区間内に条件にマッチするノードが存在する可能性がある場合のみメッセージを配送する.経路表が収束している場合,条件付きマルチキャストに必要な最大ホップ数は ⌈log2 n⌉ である(nはノード数).提案手法には集約値を含む経路表を効率よく収集するアルゴリズムも含む.本稿では提案手法の詳細と性質,応用例などについて述べる.


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セッション 2C  無線技術と応用
日時: 2019年7月3日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 花舞・三の花
座長: 吉廣 卓哉 (和歌山大学)

2C-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名異なるサービス提供者間におけるトラストモデルとその実装に関する研究
著者*平野 流 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧, 米澤 拓郎 (名古屋大学未来社会創造機構), 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
ページpp. 284 - 290
キーワードトラストモデル, スマート社会, 事業者間連携, 信頼関係
アブストラクト超スマート社会の実現例として,事業者間連携プラットフォームがあげられる.事業者間連携プラットフォームでは,事業者間での情報交換を可能にすることで多様で柔軟性のあるサービスの実現が期待される.しかし,一般的に事業者間にはトラスト(信頼関係)が存在し,トラストに基づいた情報交換が促される必要がある.本稿では,事業者間におけるトラストモデルを考案し,同時にトラストモデルを事業者間連携プラットフォームに導入する方法を提案する.具体的には,事業者の認証情報による情報交換をするためのトラストフレームワークというトラストモデルの枠組みとビット列を用いた認証方法を提案している.また,トラストモデルを導入した事業者間連携プラットフォームの処理性能を,実社会において想定されるシナリオにおける処理性能と比較し有用性を評価する.結果として,想定したシナリオにおける処理性能の約2.5倍の処理性能を得ることができた.

2C-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名要救助者の複数ドローンによる協調探索のためのエッジサーバ集約型自動スケジューリング手法とシミュレーション評価
著者*加藤 亜慧, 寺島 美昭, 高見 一正 (創価大学 大学院工学研究科情報システム工学専攻)
ページpp. 291 - 296
キーワードドローン, 協調探索, 災害, エッジコンピューティング, スケジューリング
アブストラクト近年災害発生時における要救助者の捜索を行う人員の不足を解決する手段として複数のドローンを用いた探索システムが注目されている.既存研究では,災害地を一律に情報収集する手法が提案されているが,要救助者が一様に分布している状況は考えにくく,集中及び存在しない領域が混在する.また,事前情報を用いて探索の優先度設定を行っている手法も提案されているが,災害によって状況が変化している可能性があり,事前情報による優先度設定は現実的ではない.加えて,これらの研究はドローン1台で与えられた領域の効率的な探索のための飛行ルートに着目しており,他のドローンとの協調について考慮されていない.本稿では,探索しながら画像データをエッジサーバに処理させることで即時に要救助者の有無を判定し,要救助者が存在する領域に他の領域を探索中のドローンを招集して集中的に探索するための手法を提案した.さらに,シミュレータを試作して探索完了時間を評価した.

2C-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名都市環境におけるUAV空中基地局群を用いた代替ネットワークの性能向上に関する検討
著者*福永 慧 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 中村 嘉隆, 稲村 浩 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 297 - 305
キーワードUAV(無人航空機:Unmanned Aerial Vehicle), 仮想ばね, モバイルアドホックネットワーク, DTN(Delay Tolerant Network), 代替ネットワーク
アブストラクト大規模災害発生時には一部の携帯電話基地局が停波し,モバイル端末は携帯電話基地局との通信が困難になる問題が生じる.この問題を解決するためには,携帯電話基地局の電波が行き渡っていない領域で代替ネットワークを構築する必要がある.代替ネットワーク構築手法の1つとしてUAV空中基地局群をVSM(Virtual Spring Mesh)を用いて展開する手法が存在する.しかし,既存の展開手法ではUAV空中基地局の地上カバレッジを考慮した展開を行っていないため,地上カバレッジにカバレッジホールが生じ,UAV空中基地局群の地上カバレッジ外に存在するモバイル端末とは通信ができない問題がある.そこで,本研究では,カバレッジホールの発生を抑制するようにUAV空中基地局群を展開し,UAV空中基地局群とモバイル端末の代替ネットワークを構築する.代替ネットワーク上では,MANET(Mobile Adhoc Network)とDTN(Delay Torelant Network)を組み合わせた通信を行い,UAV空中基地局からモバイル端末への送信成功率を向上させる.提案手法に対しネットワークシミュレータns-3を用いて送信成功率と遅延時間の評価を行い,代替ネットワークとして有効であることを示した.

2C-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名バッテリレスセンサネットワークのための電波電力伝送手法
著者*濱政 光, 川崎 慈英, 木 一廣, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 306 - 312
キーワード無線電力伝送, 位相制御器, IoT
アブストラクト近年 IoT (Internet of Things) デバイスが普及して,身の回りのあらゆるモノがインターネットに接続されるようになった.IoT デバイスがネットワークに接続するために重要な役割を果たしているのが,ワイヤレスセンサネットワーク技術である.ワイヤレスセンサネットワーク技術によって,配線のコストの問題やデバイスの設置個所の柔軟性の問題が解決できる.しかしながら,ワイヤレスセンサネットワークにおける重要な課題に電力供給問題が存在する.電力供給問題を解決できる手段の 1 つに電波電力伝送が考えられている.電波電力伝送によるセンサへの電力供給は,環境発電や電磁界共鳴電力伝送と比べてセンサネットワークに適した電力供給手法である.電波電力伝送は,電力伝送範囲の問題,定常波問題,供給電力の偏りの問題を抱えている.本研究では,IoT デバイスのバッテリ問題を解決する手法として電波電力伝送である位相制御協調 (CPC: Cooperative Phase Controlled) 電力伝送を提案する.CPC 電力伝送は,各アクセスポイントの送信電波の位相を制御して各センサノード上で強めあう定常波を意図的に作り出すことで供給電力の偏りの問題を解決する.提案手法の有効性について実機を用いて評価したところ,既存手法である CSD 電力伝送と比較して伝送電力の大きさは 151.2 %改善,供給電力の偏りは 40 %改善した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2C-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名モバイル端末のWi-Fiチャネル状態情報による混雑推定法の提案
著者*水谷 優秀, 内山 彰 (大阪大学大学院情報科学研究科), 村上 友規, アベセカラ ヒランタ (NTTアクセスサービスシステム研究所), 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 313 - 319
キーワードChannel State Information, CSI, Wi-Fi, 混雑状況推定
アブストラクト本研究では,少数の固定基地局に加えてモバイル端末(スマートフォン)を利用し,モバイル端末と 固定基地局間で取得したチャネル状態情報 (Channel State Information: CSI) に基づき,機械学習によっ て空間全体の混雑状況を推定する.また,対象空間における詳細な領域ごとの混雑状況を把握するため, フレネルゾーン付近に人がいる場合,CSI が大きく変化することに着目して,フレネルゾーンへ付近の人 の通過を検知する.一般に CSI を用いた混雑推定では場所に依存した混雑推定モデルの構築が必要となる が,本研究では場所の変化による影響が少ない特徴量を利用し,モバイル端末による混雑推定を実現する. 混雑推定モデルが場所の変化に対して堅牢であることを示すため,実環境でデータを収集し,複数の位置 で取得した CSI に対して混雑推定を行った.結果より,0 から 9 人の 3 人刻み 4 段階の混雑推定において, 平均正解率 49.5%となり,場所が変化したときの正解率の低下は 15 ポイントに抑えられることが分かっ た.また,フレネルゾーン付近の通過検知の平均正解率は 80.0%であった.


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セッション 2D  行動認識と深層学習
日時: 2019年7月3日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 花舞・五の花
座長: 村尾 和哉 (立命館大学)

2D-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名端末所持位置推定における転移学習の有効性検証
著者*桂田 連, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科)
ページpp. 320 - 327
キーワード機械学習, スマートフォン, 所持位置推定, 転移学習, Fine-tuning
アブストラクト本研究では,畳み込みによってネットワーク内部で自動的に特徴量を抽出するConvolutional Neural Network (CNN)を用いた所持位置推定モデルを開発する.また,本研究で用いる所持位置ラベル付き歩行データセットは基本行動認識分野で公開されているようなデータセットと比べ小規模である.この性質がCNNの性能に影響を及ぼす可能性があるため,本研究では大規模データセットが公開されている行動認識モデルから,所持位置推定モデルへ転移学習する手法も提案し,有効性を確認する.所持位置推定の先行研究では,予め有効と考えられる特徴を人間の知識に基づいて設計していたが,CNNを用いることで,新たに有効な特徴表現を自動抽出し,推定精度向上が期待できる.評価実験の結果,独自のCNNモデルを開発したが,転移学習なしで学習を進めた場合は先行研究の性能には及ばなかった.しかし,転移学習を導入することにより被験者全員で転移前より約10%推定精度を向上させることができ,先行研究より約5%の精度向上が確認された.被験者によっては転移前後で推定精度が10%以上推定精度が向上する者もおり,本実験によって,転移学習を導入したCNNの有効性を示した.また,転移学習手法にも全体的なモデルの転移や,部分的な転移等複数の手法が考えられる.そこで,本研究では転移させる層について様々な転移手法を評価することで,モデルの内半分ほど転移させる手法が有効であることも明らかにし,所持位置推定の精度向上に貢献する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2D-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名行動認識における表現学習モデルと個人依存に関する考察
著者*長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科), 越野 亮 (石川工業高等専門学校電子情報工学科)
ページpp. 328 - 338
キーワード行動認識, 深層学習, 表現学習, HASC
アブストラクトセンシングによる行動認識研究が広く行われているが,個人依存性が問題になることがある.センサデータを用いた行動認識について幅広くサーベイした結果,CNN(Convolutional Neural Network)を用いた表現学習モデルによる行動認識について十分な検討がなされていなかった.そこで本研究では,画像認識分野で研究が進んでいるCNNモデルをベースに,行動認識における表現学習モデルの有効性の検証実験を行った.行動認識のベンチマークデータセットに対して,HC(Hand-crafted)特徴量を用いたDNN,シンプルなCNNモデル,AlexNet,FCN,VGG,ResNet,SENet等10種類のモデルに対して,訓練データの多様性を変化させて6種類,ランダム性を考慮して10セットで,計600回深層学習モデルを訓練し推定精度検証を行った.その結果,訓練データに被験者を多く確保できる場合には,SE-VGGが最も高い精度を達成することを明らかにした.更に,訓練データを十分に確保できない場合にはHC特徴量が有効に働くことや,HC特徴量は個人依存の影響を比較的強く受けることも明らかにした.

2D-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名CNN Autoencoder から抽出したボトルネック特徴量を用いた環境音分類
著者*松原 拓未, 原 直, 阿部 匡伸 (岡山大学 大学院ヘルスシステム統合科学研究科)
ページpp. 339 - 346
キーワード深層学習, 環境音, 分類器, ボトルネック特徴量, Autoencoder
アブストラクト環境音分類とは,環境音から音源や収録場所の分類をおこなうことである. 環境音分類の研究の多くは,同一の状況で収録されたデータセットを用いておこなわれている. そのため,収録機器や収録条件が学習データと異なった環境音を分類した場合に同等の性能が得られるとは限らない. 本報告では,収録機器や収録条件などの収録環境によらない環境音分類を目的として, CNN Autoencoder から抽出したボトルネック特徴量を用いた環境音分類を提案する. 評価実験として,2種類の異なった環境で収録されたデータセットを用いて,提案方式の分類性能を評価した. 実験の結果,CNN Autoencoder を用いて抽出したボトルネック特徴量には,収録環境によらず分類をおこなうために有用な情報が 含まれていると考えられる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2D-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名不均衡半教師あり学習を用いた行動認識モデルの個人特化
著者*水野 真, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科)
ページpp. 347 - 354
キーワードユーザ適応, 機械学習, 行動認識, 自動生成, 個人特化
アブストラクトウェアラブルセンサによる人間の行動認識が有用な技術となりつつある中,センサデータは個人差が大きく, 推定精度に悪影響を及ぼすことが課題となっている.対策として,個人に特化したモデルで行動推定を行う手法があ げられるが,ユーザ自身がアノテーション付きデータセットを用意しなければならず,負担が大きい.一般的に,日 常生活の大部分は停止(直立,着座)か歩行動作であるため,新規利用者でもこのような一部のクラスのデータは比 較的取得しやすい.そこで本研究では,新規ユーザデータのうち一部のクラスのみ教師ラベル付きデータが取得でき る状況下における個人特化手法を新たに開発する.一部クラスのデータを用いて,不足した行動クラスのセンサデー タを自動生成する手法を開発することで,行動認識モデルにより推定精度を向上させることを目指す.データ拡充手 法は複数検証し,行動推定精度向上度合いの比較評価を行った.

優秀論文賞 / Paper Awards
2D-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名行動認識モデルの転移学習に向けたニューラルネットワークによる特徴抽出の可視化と分析
著者*吉村 直也, 前川 卓也, 原 隆浩 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 355 - 368
キーワード行動認識, 深層学習, 転移学習
アブストラクト行動認識技術はコンテキスト依存アプリケーションのための基礎技術である. 深層学習はデータからの特徴学習を可能とし,その認識精度も優れているため行動認識分野においても注目を集めている.その中でも転移学習は,ラベル付きデータの量が少ない場合でも高い精度で認識する事ができる可能性をもつ重要な技術の一つであり,近年盛んに研究されている.. しかし行動認識データセットはセンサの種類や装着位置・認識対象の行動クラスが異なル事が多いなど,想定する利用環境と同じ想定で取られたデータセットを探す事は難しい. % したがって転移学習を実際に行うことは難しい. このような問題を解決すべく研究が行われているが,包括的に解決する手段はまだ提案されていない. 本研究ではこの問題を解決し,転移学習の行動認識分野への応用を促すため,行動認識モデルの分析と転移学習を行う方針に関して考察を行う.行動認識モデルの分析を行うため,ニューラネットワーク中のユニットが最も大きな出力を出す入力を勾配上昇法を用いて計算する.ハイパスフィルタを用いた正則化を提案し,高周波数成分が少ない行動認識モデルに適した信号を生成する. また,モデルの出力であるsoftmax関数の出力結果に基づいて可視化を行なう.この可視化により各ユニットがどの行動クラスの認識に寄与しているか,また転移学習にどの重みが利用できるかを考察する.この可視化の結果に基づいて,精度が高くなる転移学習の方法を考察する.実際に転移学習を行なってその有効性を確認した.


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セッション 2E  ロケーション
日時: 2019年7月3日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 遊舞・五の遊
座長: 大村 廉 (豊橋技術科学大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
2E-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名スマートフォンを用いた床指紋照合
著者*藤田 悟 (法政大学/情報科学部)
ページpp. 369 - 375
キーワード位置推定, 床面照合, 画像特徴点照合, スマートフォン
アブストラクト本研究は,床面の画像から特徴点抽出を行い,床指紋として画像照合することで,屋内でも利用可能な位置推定システムを実現することを目的としている.これまでの研究成果として,特徴点の効果的抽出手法や,床画像データベースとの高速照合技術,撮影画像の3次元歪を重力ベクトルや ARCore を利用して補正する技術などを確立してきた.しかし,実際の照合には GPU を搭載したデスクトップPCを利用しており,スマートフォン単体で実現した場合の性能や課題について明らかではなかった.そこで,本報告では,スマートフォン上に全機能を実装し,これに加えて,撮影位置を cm 単位で正確な推定する手法について検討した.そして,native コードを利用した実装を行うことで,高速に床指紋照合できることを実証した.撮影位置についても,重力センサーを用いて端末の姿勢認識をすることで,高精度な推定が可能であることを示した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
2E-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名BLEビーコンを用いた屋内外経路推定のためのネットワーク編集システム
著者*齋藤 孝徳 (名古屋工業大学 大学院工学研究科 情報工学専攻), 山本 大介 (名古屋工業大学 情報工学教育類 メディア情報分野/創造工学教育類), 高橋 直久 (名古屋工業大学 情報工学教育類 ネットワーク分野)
ページpp. 376 - 383
キーワードBLE, ビーコン, 経路推定
アブストラクトBLEビーコンを用いた位置推定の一つとして我々はビーコンを用いたグローバルマップマッチングによるユーザの移動経路・滞在推定手法を提案してきた.この手法は経路ネットワークとビーコンネットワークという二つのネットワークを用いた経路・滞在推定手法だが,これらのネットワークには緯度経度座標が含まれておらず,屋内外の経路・滞在推定を行うことが困難であった.そこで本論文では,屋内外でのネットワークによる経路推定を可能にするために,緯度経度情報を含んだ屋内外にまたがるネットワークを作成するシステムを提案する.提案システムは屋内見取り図上と地図上にあらかじめ対応点を設定し,屋内見取り図上に登録したネットワークから,緯度経度座標が付加された地図上のネットワークへの変換を可能にすることで,屋内外での経路・滞在推定を行うためのネットワークの作成を実現する. 本論文では,提案システムとその実現方法について述べ,プロトタイプシステムを実装した.また,プロトタイプシステムを用いて,ネットワークの作成と2つの変換手法についての評価実験を行い,その結果について考察する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2E-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名スマホとレーザポインタだけでできる建物内の3次元モデル作成
著者西山 大河 (立命館大学大学院情報理工学研究科), *吉川 大地, 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 384 - 393
キーワードスマートフォン, AR, VSLAM, レーザポインタ
アブストラクト近年,ナビゲーションやAR機能を用いたスマートフォン向けアプリケーションが増加し,3次元空間モデルの作成が注目を集めている. しかし,LiDARやRGB-Dカメラなどを用いて3Dモデルを作成する手法はセンサデバイスのコストが高く,普及が進んでいないことなどから,ユーザの利用が困難である. 本研究では安価かつ手軽な3Dモデルの作成を目的とし,レーザポインタとスマートフォンのカメラを利用した3Dモデル作成手法を提案する. レーザポインタとカメラの位置関係を求めるキャリブレーションを行い,レーザポインタ投影点を利用した平面推定と3次元モデル生成を行う. 評価の結果,3次元モデルは実際の壁と比べ距離の誤差が平均約18cm,方向誤差が平均約1.6327°で作成できることを確認した.

2E-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名飲食店向け不動産物件の賃料推定手法の精度向上に向けた検討
著者*鶴山 優季子, 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学), 小川 祐樹 (立命館大学), 荒川 豊 (九州大学), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 394 - 399
キーワード機械学習, 賃料推定, データマイニング, 自然言語処理
アブストラクト飲食店向け不動産物件の賃料は,ベテラン営業職員が長年で培ってきた経験や勘といった暗黙知に基づいて決定されている.先行研究では,暗黙知に基づく飲食店向け不動産物件の賃料推定モデルを構築しているが,依然として課題が残っており,実用に至る推定精度は得られていない. 本研究では,賃料推定精度を向上させる手法を検討するため,(1)データ数の追加,(2)既存手法に含まれているのノイズの除去,(3)新たな特徴量の追加,を行った.その結果,(1)解析するデータは年代で分ける必要があること,(2)ノイズを除去することで,精度が数%向上すること,(3)賃料の決定要因として,坪数,駅平均坪単価,通行量,視認性が重要である,ことが得られた.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2E-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名場面・用途に応じた仮想オブジェクト提示による歩行誘導システム
著者*櫻木 大和 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻), 磯山 直也 (奈良先端科学技術大学院大学), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 400 - 406
キーワード歩行誘導, 拡張現実感, 調査研究, HoloLens, ウェアラブル
アブストラクト通行人の歩行誘導を行う際に,拡張現実感(AR: Augmented Reality)を用いて視覚情報を表示することで,場所や時間帯,あるいは人によって誘導の目的が変わる場合において,個人に合わせた誘導が可能となる.しかし,AR 表示によって景観を損ねないか,周囲が見えづらくなることでユーザが不安を感じないかなどを考慮する必要があり,用途に応じて適切なAR 表示を行うことが重要である.そこで本研究では,屋外での片側通行を促す誘導を行う場面を想定し,4 種類のAR 表示と1 種類の実物の看板を配置した際の様子について調査することで,用途に合わせた適切な表示を検討した.結果として,AR 表示を行う際に空間に溶け込んだ表示を行うことで歩きづらさや不快感が少ない誘導を行えることがわかった.


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セッション 2F  学習支援 (1)
日時: 2019年7月3日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 遊舞・三の遊
座長: 梶 克彦 (愛知工業大学)

2F-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名学習中の生理応答同時計測による「学びのつまずき」推定システム開発
著者*田村 かおり, 岡本 剛 (九州大学基幹教育院), 大井 京 (九州大学附属図書館付設教材開発センター), 島田 敬士 (九州大学大学院システム情報科学研究院), 畑埜 晃平, 山田 政寛, 陸 , 木實 新一 (九州大学基幹教育院)
ページpp. 407 - 410
キーワードラーニングアナリティクス, 大学教育, 生体情報計測, 脳波, 視線
アブストラクト学習者が新規知識獲得時に感じる「学びのつまずき」を推定するために,学習ログデータと生体信号を活用した「マルチモーダル・ラーニングアナリティクス」が昨今注目されている.本研究では,学習中生体信号として脳波および視線計測を導入し,「学びのつまずき」推定のためのシステムを開発した.本開発システムを用いて学習中の状態を計測し,バイオマーカー候補を探索した.その結果,脳波ではベータ波振幅が,視線では視線停留時間および視線流入回数が,それぞれつまずき推定のマーカー候補になりうることを示した.本研究で得られた結果は,生体信号から「学びのつまずき」の詳細な推定を実現する上での基盤となりうる.

2F-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名グループディスカッション能力向上を目的としたフィードバックシステムと評価手法の研究
著者*松井 加奈絵, 酒造 正樹, 前田 英作 (東京電機大学)
ページpp. 411 - 415
キーワードグループディスカッション, フィードバックシステム, 評価手法, 大学教育
アブストラクト大学教育において,Problem / Program Based Learning (PBL) やディスカッションを用いた能動的な授業の導入によって,個人による学習のみならず他者との意見交換を用いる授業が取り入れられるようになった.そのような背景から,グループディスカッションは授業における重要なコミュニケーション方法であり,かつ受講者にとっては向上させるべき対象となりつつある.また,就職活動においては他者とのコミュニケーション能力を測る手段として,グループディスカッションが取り入れられており,大学教育のみならず,就労においてもその能力向上は受講者にとって有益にものとなる.そこで本研究では,グループディスカッション能力向上を目的としたフィードバックシステムと,そのフィードバックによる能力向上評価手法を提案する.提案のフィードバックシステムでは,グループディスカッションを実施する対象者を熟練者が別室で観察し,改善点を作成,(1)レポート,(2)スマートフォンを用いた通知,の 2種類の情報提示方法を用いて能力向上を図る.また,提案のフィードバック方法がユーザとなる受講者の意識変容に対してどのような効果をもたらすのかを評価するための手法を提案する.次に,本提案を評価するために8名 2 組の受講者を用いた実証実験を行った結果を提案の評価方法を用いて述べる.

2F-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名練習動作と参照動作との3次元重畳フィードバックによる動作トレーニング
著者*三上 弾, 草地 良規 (NTT)
ページpp. 416 - 422
キーワード重畳, スポーツ, 動作, 学習
アブストラクト動作の獲得を支援する手法として3D遅延同期ビデオフィードバックを提案する.これまで遅延同期ビデオフィードバックとして,練習者の練習動作と,対応する参照動作とを自動的に対応付けリアルタイムに練習者にフィードバックするシステムを検討してきている.遅延同期ビデオフィードバックには,リアルタイムのフィードバックが可能,可搬性がありどこでも使えるなどの長所がある.一方で,単眼カメラ1台で動作するためカメラの奥行き方向など確認しにくい部分が存在してしまう.この問題を解決するために本稿では,3Dディスプレイとステレオカメラへと拡張した3D遅延同期ビデオフィードバックを提案する.本稿ではまず前提として,3Dディスプレイを用いて,2つの立体映像を重畳表示し人間が正しく知覚可能であるかを検証した.さらにその特性に基づいて,今後の検討の方向性を明らかにした.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
2F-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名プログラミング初心者のためのBlocklyを用いた音声対話シナリオ編集システム
著者*古市 瑞希, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 423 - 432
キーワード音声対話システム, 対話シナリオ編集システム, ビジュアルプログラミング, Blockly, MMDAgent
アブストラクト我々の研究室では音声インタラクション構築ツールキットMMDAgentを用いて,一般ユーザによる利用を前提とした音声対話システムの研究を行なっている.MMDAgentは,FST(有限状態遷移の)形式で記述された対話シナリオを編集することで対話の内容を自由に構成することができる.しかし,FST形式の対話シナリオの編集には一定の知識が必要となり,一般ユーザが編集するのは困難である.また,テキスト形式による記述のため,対話シナリオの把握が困難で,記述ミスが起きやすいという問題点がある.本論文では、これらの問題を解決するために,Google Blocklyを用いた音声対話シナリオ編集システムを提案する.Google Blocklyを用いることで、ブロックを組み合わせることで対話シナリオが作成できるため、プログラミングになじみのないユーザでも簡単に編集できる。また,提案システムに基づいてプロトタイプシステムを実装し,評価実験を行った.その結果,提案システムを使用することで短い時間で簡単に,見やすく分かりやすい対話シナリオを作成できることが分かった.


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セッション 2G  ネットワーク分析
日時: 2019年7月3日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 遊舞・一の遊
座長: 室田 朋樹 (東京海洋大学)

2G-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名ccTLD別UDPリフレクタ数の指標化と分析
著者*川崎 基夫, 洞田 慎一 (JPCERTコーディネーションセンター)
ページpp. 433 - 440
キーワードcyber metrics, UDP reflector, DRDoS, Internet, Indicator
アブストラクトDRDoS に悪用される UDP リフレクタの削減は JPCERT/CC の任務の一つで, ccTLD 毎にどの程度が存在するかを定量的に把握し相互に比較するための指標 を必要としている. 送出可能な最大の攻撃トラフィックを推定する DDoS ポテンシャルが 提案されており,有用であるが絶対量による指標であるためしばしば 割当済IPアドレス数(IPサイズ)の大きなccTLDのスコアが高くなりがちである. Kappa 指標は絶対量の指標と相補的な正規化済の指標で, ccTLD 毎の IP サイズと UDP リフレクタ数の 両対数散布図上の比例関係から導いた直交距離回帰(ODR)直線からの距離の Z スコアとして定義される. ODR直線は,ある IP サイズに対して平均的に期待するべき UDP リフレクタ数 を示すものと解釈できる. Kappa 指標によってある ccTLD の別プロトコルの乖離度合いを比較可能であり, また,ccTLD を跨いでの比較も可能である. このような比較を行うことによって,対策の優先順位を付けることができ,また 対策の費用対効果を見極める一助となるであろう. この他,Kappa 指標の応用例として,Mejiroでのグラフ化,NRI2016との相関関 係,LDAP DRDoS との比較を紹介する.

優秀論文賞 / Paper Awards
2G-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名Kappa指標による大学別UDPリフレクタ数の分析
著者*今村 弦 (九州大学大学院システム情報科学府), 岡村 耕二 (九州大学情報基盤研究開発センター)
ページpp. 441 - 449
キーワードサイバーセキュリティ, UDPリフレクタ, 正規化指標, DDoS, インターネット
アブストラクトDDoSに悪用されかねないUDP リフレクタを逓減することは永続的な課題のひとつであり、そのためには、各組織にどの程度のUDPリフレクタが存在するかを定量的に把握し相互に比較するための指標が必要である。そのような指標としては既に国単位で、国別コードのドメインであるccTLDから、あるccTLD に存在するUDP リフレクタ数と増幅率および経路の帯域幅かそのccTLDが送出できる最大のDDoS トラフィック流量を推定したDDoS ポテンシャルが提案されている。DDoS ポテンシャルは各ccTLD の状況を知る上で有用であるが、絶対量による指標であるため往々にして割当済IP アドレス数の大きなccTLD のスコアが高くなる。UDP リフレクタの状況を比較するに当たっても正規化した指標であるKappa 指標を、インターネットセキュリティ全般について情報収集・事案対応と調整・国際および国内連携等を行う組織であるJPCERT/CCが提案し、指標を用いた分析を行っている。これに対し本研究では、ccTLD単位に比べてより細かい単位での分析に注目し、大学単位での分析をJPCERT/CC提案のKappa指標を用いて行った。また、国単位でのKappa指標による評価に比べデータ数が必然的に少ないためフリースケール性の確認を行い、対数を取ることで線形性が現れること、正規性の確認を行いサンプルが適正に抽出されていることの2点においてJPCERT/CCが行った回帰分析と同様の回帰分析が行えることの確認を行い、大学別UDPリフレクタ数の分析を行った。

2G-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名LSTM-RNN を用いたフロー予測によるインターネット・バックボーンを対象とした異常検知手法
著者*和久井 拓, 近藤 賢郎 (慶應義塾大学大学院理工学研究科), 寺岡 文男 (慶應義塾大学理工学部)
ページpp. 450 - 461
キーワードインターネット, ネットワーク管理, Neural Network, トラフィック解析, 異常検知

優秀論文賞 / Paper Awards
2G-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名インターネットにおける異なる地域のRegional Tier-1 AS同士の接続関係の分析
著者*瓜本 拓也, 小谷 大祐, 岡部 寿男 (京都大学)
ページpp. 462 - 469
キーワードAS, トポロジー, Regional Tier 1
アブストラクトインターネットのASは上位のものからTier 1,Tier 2,Tier 3と呼ばれる階層構造になっており,同じTierに属するAS同士は対等な関係(ピアリングの関係)にあると考えられている.またTier 2の一部は特定の地域の経路情報をTier 1を経由することなく得られるRegional Tier 1とも言われている.Regional Tier 1のASの規模やターゲットとしている顧客層は地域によって様々であり,それが2ヶ国間のRegional Tier 1とみなされるAS同士が接続する際の関係に影響し,必ずしも双方が対等な関係にない可能性がある.そこで,本研究ではRegional Tier 1の対象とする地域を国単位であると仮定し,2ヶ国間のRegional Tier 1とみなされるAS同士の接続関係を分析する.まず,国単位のReginal Tier 1を判別する手法を提案した.次に,所属AS数が多い5ヶ国と日本のRegional Tier 1同士の接続関係を確認し,Regional Tier 1同士の接続にトランジットの関係になるものが一定数存在することを確認した.また,そのなかで多くの外国のRegional Tier 1をカスタマに持つASや,規模が小さい外国のASに対してピアリングをし,それより大きな外国のASをカスタマとしているものなどの事例を発見した.


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セッション 2H  サイバー攻撃
日時: 2019年7月3日(水) 15:50 - 17:30
部屋: 楽舞・一の楽
座長: 井上 博之 (広島市立大学)

2H-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名エンドポイントログを用いた内部不正に係る挙動に着目した不正スコアリング手法の提案
著者*藤井 翔太, 来間 一郎, 磯部 義明 (株式会社日立製作所 研究開発グループ)
ページpp. 470 - 477
キーワード内部不正, 異常検知, セキュリティ
アブストラクト組織において懸念すべき脅威の一つとして内部不正がある.内部不正は,権限を有する組織関係者によるものであり,検知がより困難である,被害が甚大になりやすいという特徴がある.こうした背景から内部不正検知手法が多く提案されており,高精度を記録している.一方で,内部不正の疑いがある挙動を検出した際に,最終的な判断を下すのは,SOC/CSIRTであることから,内部不正検出手法には,精度だけでなく,アラートのトリアージに資する情報や判定結果の解釈性が求められる.そこで,本稿ではそれらの要求を考慮した内部不正スコアリング手法を提案する.本手法は,エンドポイントログを用いて,潜在的な内部不正を検出する.その際,不正度をスコアリングし,その不正スコアが高い順に提示することにより対応可否・優先度付けを支援するとともに,不正スコアをユーザの行動に紐づけて算出することにより,スコアの解釈性向上を図る.本稿では,プロトタイプを実装し,実ログおよび想定脅威に対する提案手法の有効性を評価した結果について報告する.

2H-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名インシデント後におけるログ解析での機械学習を用いた悪性ドメインの抽出手法の提案
著者*松岡 裕和, 佐々木 良一 (東京電機大学)
ページpp. 478 - 486
キーワードサイバーセキュリティ, ネットワークフォレンジック, 人工知能, 機械学習
アブストラクト近年,WEBを経由して企業や組織の情報が流出する標的型メール攻撃やDrive by Download攻撃が問題になっている.本研究では,インシデントが発生した後のプロキシサーバのログ解析において,これらの攻撃で用いられる悪性サイトを,機械学習を用いて統合的に特定できるようにすることを目的とする.既知の悪性サイトと類似の特性を持つサイトを悪性サイトとして判別する2通りの識別モデルを作成し,一般サイトと悪性サイトのドメインの分類実験を行った結果,サポートベクターマシンを使う場合は98%以上のドメインを正しく分類することができることを示した.さらに,プロキシサーバの実際のログに,9件の悪性サイトのデータを加えたものに対し作成した識別モデルを適用した結果,すべての悪性サイトのドメインを見逃すことなく判別することができた.ログ解析処理も現実的時間でできる見通しがたったがさらなる高速化が今後の課題であることを示した.

2H-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名IoT機器を模したハニーポットの構築
著者*山川 大貴 (立命館大学 情報理工学研究科), 上原 哲太郎 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 487 - 494
キーワードIoT, ハニーポット, セキュリティ
アブストラクト脆弱なIoT機器を乗っ取り,それを踏み台にしたサイバー攻撃の脅威が問題になっているが,我々はIoT機器を模した仮想計算機に対する攻撃を観察できるハニーポットを運用することで攻撃手法についてデータの収集を行っている.本報告ではその構成法について提案している.また,収集したデータからログイン試行時に使用したユーザ名とパスワード,ログイン成功後に実行されたシェルコマンド,接続元ホストのドメイン情報について分析を行い報告する.分析結果より,様々なIoT機器で初期設定されているユーザ名とパスワードのリストを用いた辞書攻撃が行われていることを確認できた.また,ハニーポットに接続してきた全ホストのIPアドレスのドメイン情報を取得した結果,特定の国からの通信が多いことが判明した.

2H-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名複数ウィンドウサイズの効率的監視によるバースト形態に依らないDDoS攻撃検出手法の検討
著者*臼崎 翔太郎, 油田 健太郎, 山場 久昭 (宮崎大学), 朴 美娘 (神奈川工科大学), 岡崎 直宣 (宮崎大学)
ページpp. 495 - 504
キーワードDDoS攻撃, データマイニング, Elastic Burst検知
アブストラクトDDoS攻撃検知では,検知しようとする攻撃のバースト形態に合わせてウィンドウサイズを決定しておかないとその発生の検知が困難となったり,他のバースト形態のDDoS攻撃の検知精度が悪化することがある.本手法ではインターネットトラフィックを複数のウィンドウサイズで監視することによって,ウィンドウサイズの調整が必要のない統括的な監視を行い,これによってバースト形態に依らないDDoS攻撃検出の検討を行った.評価実験では,複数のウィンドウサイズの監視によって検知精度が改善されるか,また,同時監視という工夫によって処理性能が低下してしまわないかを調べた.実験の結果,単一のウィンドウサイズを利用した場合よりも複数で監視した時の方が検知精度が高かった.また,計算量は,既存のネットワークトラフィック監視手法と同等程度であり,この改良による処理性能への悪影響は少ないといえる.今後の課題として,高レートでない DDoS 攻撃に対する検知精度の向上が必要である.


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セッション 3A  モバイルによるデジタルトランスフォーメーション
日時: 2019年7月3日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 風の杜
座長: 太田 賢 (株式会社NTTドコモ)

3A-1 (時間: 17:50 - 18:30)
題名(招待講演) ナビゲーション・ビッグデータ・オープンデータで実装する交通行動変容と交通再設計
著者太田 恒平 (株式会社トラフィックブレイン)
ページp. 505
アブストラクトカーナビ,乗換検索という形で実装されている経路検索サービスは,もはや交通インフラの一部といえるほど普及している. 経路検索が交通行動に及ぼす効果は大きく,カーナビの「推奨ルート」の選択率は80%にのぼり,乗換検索の第1経路に表示されれば運賃198円安いのと同等の選択効果がある.本稿では,この交通行動変容への効果を利用した,渋滞軽減・事故リスク低減・電車混雑回避などの交通マネジメントへの援用事例について述べる. 交通ビッグデータ分析として,プローブデータ,経路検索データ,訪日外国人常時測位データを用いた分析を述べる.また,単に現状把握するだけでなく実際の交通改善に結びつけた事例として,バスロケーションデータを用いた遅延対策ダイヤ改正についても述べる. 最後に,経路検索の有用性向上や交通計画のための,バス情報のデータ標準化・オープンデータ化の取組について述べる.

3A-2 (時間: 18:30 - 18:50)
題名乗車中の列車の各駅到着時間を自動表示するスマートフォンアプリケーション
著者*井上 晴稀 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部情報科学科)
ページpp. 506 - 514
キーワード列車推定, スマートフォンアプリケーション, 位置情報サービス, GPS, 交通機関
アブストラクト列車を利用する場合,急いで列車に乗車して目的地までの詳細な到着時間がわからないといった事例が多い.車内で提示されている情報には目的地までの到着時間は提示していない.そのため本研究では,乗客のスマートフォン端末において自動的に乗っている列車を推定し,乗客に到着時間情報を提示するアプリケーションを開発する.本研究では,移動手段を一つのサービスと捉え,様々なサービスを提供するMaaS(Mobility as a Service)の考えを取り入れている.列車に乗っている乗客は,アプリケーションを開くだけで列車の情報と到着時間情報が何も操作せずに得られる.本研究では急行などの優等列車においても到着時間情報の提供ができる.また,路線推定処理において複数路線が並列走行していると判断した場合には,乗客側に複数の路線候補を表示する.本研究で開発したアプリケーションにおいて,並列走行区間に対して隣接している路線が候補として表示されるか評価実験を行った.並列走行区間においては,隣接する路線も正しく表示できる区間と,そうではない区間の2つの結果を確認した.

3A-3 (時間: 18:50 - 19:10)
題名行動データの集約解析による交通安全支援プラットフォームの設計開発
著者*秋川 亮太, 内山 彰, 廣森 聡仁, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科), 鈴木 理基, 稗圃 泰彦, 北原 武 (株式会社 KDDI 総合研究所)
ページpp. 515 - 523
キーワードスマートフォン, 危険な交通状況, 多段集約解析, 安全支援, セルラー通信
アブストラクト日本で発生する交通事故は減少傾向にあるが,現在でも年間約50 万件の交通事故が発生している.このような事故が生じる場所や時間帯では,事故には至らないが,事故に繋がりかねない事象(ヒヤリハット) が頻繁に発生していると考えられる.したがって、事故の削減にはヒヤリハットの分析が効果的であるが、ヒヤリハットに関するデータを集めて分析する際にドライブレコーダを使う一般的な方法では,レコーダを搭載していない車両の情報を収集できないこと、レコーダには映らない歩行者の行動が把握できないこと、映像のマニュアル解析によるコストが高いこと,という3つの課題がある.そこで本研究では,スマートフォンを活用した歩行者および車両の交通状況理解システムを提案する.普及率の高いスマートフォンを活用することで,専用のデバイスを必要とせず,車両だけでなく歩行者の情報を収集する.また、スマートフォンが定常的に歩車の情報を収集することで、死角が存在しない.さらに、スマートフォンセンサを活用することで歩車それぞれの行動を認識し,それらの時系列性や歩車のプロファイル情報を利用して複雑なコンテキストを推定し,位置,時刻情報を元に集約することで,観測データからヒヤリハットを自動的に検出する.本稿では、提案システムの設計ならびに評価について述べる。


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セッション 3B  認識・推定
日時: 2019年7月3日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 花舞・一の花
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

3B-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名複合センサを用いた屋内環境における行動認識デバイスの開発
著者*小島 聖哉, 中沢 実 (金沢工業大学大学院工学研究科 情報工学専攻)
ページpp. 524 - 529
キーワード行動認識, 位置推定
アブストラクト家電の省エネ制御や高齢者見守りシステム等の生活を支援するサービスの実現に向けて,屋内の人物の生活行動を自動認識する研究が盛んに行われている.本研究では低コストかつプライバシーに配慮した屋内の生活行動を認識することを目的とする.屋内の行動認識手法は様々な研究が行われており,カメラ画像を用いて行動認識を行う手法や,スマートフォンなどに内蔵された加速度センサなどを用いて行動認識を行う手法,また部屋の様々な箇所にセンサが設置されたスマートホームにおいて行動を認識する手法などがある.しかし,カメラを用いるものではプライバシーの問題.スマートフォンを用いる手法ではデバイスを装着していないと行動を認識することができない.スマートホームを用いる手法では,多種多様のセンサが必要なため導入・管理コストが高いという問題がある.そこで先行研究では10種類のセンサを1箇所に設置し機械学習により38種類の行動を認識する汎用センサを構築した.しかし,センサを1箇所に設置しているため,行動がどこで起きているのか,また行動に対して複数人による行動か一人での行動であるかの区別をすることができない.本研究ではこの課題を解決するために,人の位置や人数を検出できるミリ波センサと4チャンネルマイクアレイを新たに使用し課題を解決することを目指したデバイスを開発した.提案手法の実現に向けて,2つの予備実験を行った.予備実験の結果,2人の場合でも人の位置を平均90%の精度で認識することができた.また2人のどちらか1人が使用している機器の音源方向を推定することができた.

3B-3 (時間: 18:10 - 18:30)
題名集約型自己組織化スマートデバイス位置推定方式における移動デバイス位置推定改善手法に関する検証と考察
著者*川田 千尋 (関西大学大学院理工学研究科), 北之馬 貴正 (関西大学先端科学技術推進機構客員研究員), 新居 英志, 森 流星 (関西大学大学院理工学研究科), 滝沢 泰久 (関西大学環境都市工学部)
ページpp. 530 - 536
キーワード無線センサネットワーク, 位置推定
アブストラクト我々は広い屋内空間に遍在する多数のスマートデバイスの位置を定点 3 点のみで高精度で推定する集約型自己組織化スマートデバイス位置推定方式 (SmartFinder)を提案している. また,移動デバイスにおいて位置推定精度の高精度化と安定化を図るため,移動デバイスにおける時系列の自身の移動距離を用いる移動デバイスの位置推定手法を提案している. 本稿は,異なる環境における実機検証から,移動デバイスの時系列データを用いた方式の移動デバイスの位置推定精度への効果を考察する.

3B-4 (時間: 18:30 - 18:50)
題名集団内の社会的関係に基づく人間相互距離を用いた屋内測位補完手法
著者*池田 亘, 斉藤 裕樹 (明治大学大学院先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻)
ページpp. 537 - 542
キーワードパーソナルスペース, 屋内測位
アブストラクト屋内環境における測位においてアンカーノードなどの信号源に基づく測位手法では,電波や音,磁場などノイズの影響を受けやすい信号を利用しているため,測位の精度や安定性が劣るという課題がある.また,加速度センサなどを用いた歩行者自律航法では,歩行動作以外に起因する重力加速度などのノイズにより,時間の経過とともに位置推定誤差が推定結果に蓄積されて大きくなるという課題があり,いずれの手法も精度や安定性に欠けるという問題がある.社会心理学の研究では,群衆における人間同士の社会的関係から適切な人間間距離があることや,社会的関係の差異によりパーソナルスペースと呼ばれる,人に侵入されたくない領域が異なることなどが知られている.本稿では集団における人間同士の社会関係を基にパーソナルスペースにによる位置情報を推測し補完する測位手法を提案し評価する.まず,相対位置を求める確率の算出方法を示し,次に,本手法の有用性を検証するための実験と評価について述べる.


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セッション 3C  無線通信
日時: 2019年7月3日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 花舞・三の花
座長: 石原 進 (静岡大学)

3C-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名RSSIを用いた制御フレーム検知によるCSMA/CAの高効率化
著者*梅澤 良斗 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 543 - 548
キーワードCSMA/CA, RSSI, 晒し端末問題, RTS/CTS
アブストラクトCSMA/CAは,無線通信の黎明期から代表的な媒体アクセス制御手法として知られており, 現在でも,最も普及した通信規格の一つであるIEEE802.11に採用されるなど,世界で広く使われている. CSMA/CAは古くから隠れ端末問題や晒し端末問題と呼ばれる,通信性能を大きく低下させる問題が知られている. これらの問題に対して,多くの研究者によって長年に渡り取り組まれており,膨大な研究が存在する.しかしながら,これらに対する根本的な解決策は提案されていない.このため,現在でも,端末が多数集まった場合には通信性能が大きく悪化する問題を抱えている.本研究では,あるノードに近隣ノードの送信信号が届いており,通常であればBUSY状態になる場合であっても,RSSI (受信信号強度)を監視することによって,制御フレーム(ACKとCTS)の検知を高精度に行う制御フレーム多重化技術を提案する.提案技術によって,近隣ノードがフレームを送信中であっても自分がRTSを送信すればCTSが受信でき,データフレームを送信すればACKを受信できるため,データの同時通信が可能となり,晒し端末問題を解決し,CSMA/CAにおける通信を大きく効率化できる.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
3C-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名無線通信における低遅延性と広帯域性を実現するソフトウェア定義光ファイバ無線に関する検討
著者*石岡 卓将 (大阪大学大学院情報科学研究科), 福井 達也, 成川 聖, 桐原 誉人, 南 勝也, 池田 智, 椎名 亮太 (日本電信電話株式会社 NTTアクセスサービスシステム研究所), 木下 和彦 (徳島大学大学院社会産業理工学研究部), 木崎 一廣, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 549 - 558
キーワードSD-RoF, RoF, IoT
アブストラクト今後登場しうるドローンや自動車のネットワーク経由での制御,遠隔手術・遠隔診療,オンラインゲーム,音楽セッション,下水管検査用ロボットなどのサービスを想定すると,広帯域性と低遅延性を兼ね備えたネットワーク技術が求められている.これに向けて,筆者らは,光と無線を密結合したアーキテクチャ「ソフトウェア定義光ファイバ無線 (SD-RoF: Software Defined Radio-on-Fiber)」を用いたワイヤレスアクセスネットワークの検討を進めている.本稿では,SD-RoFの一機能である振幅遅延制御回路を用いた光ファイバ無線双方向同時パススルー技術について詳細に述べる.本光ファイバ無線双方向同時パススルー技術は,空間的に離れた2地点に存在する端末同士をSD-RoFを介して電波で直接通信可能とする技術である.提案手法を実際に実装して検証した結果として,低遅延のIoT端末同士の通信エリア拡張が本システムにより実現可能であることを示す.

3C-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名データ集約を行う代理通信制御を用いた高信頼無線通信の実車評価
著者*國立 忠秀 (矢崎総業 技術研究所/大阪大学 大学院情報科学研究科), 木下 和彦 (徳島大学 大学院社会産業理工学研究部), 渡辺 尚 (大阪大学 大学院情報科学研究科)
ページpp. 559 - 564
キーワード高信頼無線通信, 自動車内, 無線ネットワーク, 代理通信, 実車実験
アブストラクト将来,車載センサの重要性が増加し,多くのセンサが車両に搭載されると考えられる.そこでセンサを接続する電線の省線化に無線ネットワークの利用が考えられている.一方で,自動車内は狭く金属で覆われた狭い空間で,シートやハンドルなどの装置が多数あることに加え,乗員の影響で激しいマルチパス環境になる.さらに,自動車内の機器間通信への要求は厳しく,成功率は99.999%で遅延制約は20msである.本稿では,自動車に搭乗する乗員数が電波環境に大きく影響することを,電波暗室における実車を用いた測定で明らかにした.さらに,これまでに提案した,通信が失敗した場合に中継ノードを利用する手法と,同じ宛先のパケットを1つのパケットに集約する手法を無線端末に実装し,実車両で通信実験を行った.実験結果より,実環境において本方式を用いることで,十分高い通信品質を実現できることが分かった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
3C-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名NOMAを用いたBackscatter通信型センサネットワークの検討
著者*川崎 慈英 (大阪大学大学院 情報科学研究科), 小林 真 (広島市立大学大学院 情報科学研究科), 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院 情報科学研究科)
ページpp. 565 - 572
キーワードBackscatter通信, NOMA (Non-orthogonal Multiple Access), 無線センサネットワーク
アブストラクトありとあらゆるモノをネットワークにつなぐためには,無線センサネットワークにおける電源問題の解決が必須である.筆者らは微小な電力で通信を行うBackscatter通信と恒常的に小さい電力をセンサに供給出来る電波発電を組み合わせることで電源問題の解決を目指している.しかしながら,Backscatter通信には通信範囲が狭いという問題と衝突回避の問題が存在する.これらの問題を解決するために,複数のアクセスポイントでアップリンクNOMA (Non-orthogonal Multiple Access)を利用することで広範囲でもパケットエラー率が低く,スループットが高いBackscatter通信型センサネットワークを提案する.具体的には,複数のアクセスポイントを分散させて設置することでBackscatter通信の通信範囲の問題を解決して,複数のアクセスポイントがデータを共有しながらアップリンクNOMAを行うことで衝突回避の問題を解決する.計算機シミュレーションの結果,NOMAを適用していない単一のアクセスポイントのシステムと比較して約4倍のスループットを達成することを確認した.


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セッション 3D  ヘルスケア
日時: 2019年7月3日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 花舞・五の花
座長: 岸野 康恵 (NTT)

3D-2 (時間: 17:50 - 18:10)
題名看護業務負担の定量的計測に向けたウェアラブル筋電位計測の基礎検証
著者*宮本 崇, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科)
ページpp. 573 - 578
キーワードウェアラブルデバイス, 筋電位, 機械学習, 看護
アブストラクト看護の現場における業務には身体的負荷が大きいものが多いが,定量的な計測はできておらず各々の負荷量は個人の主観に依存している.現状,看護師の負担を把握するには各々の申告が必要だが,日々多忙な看護師にとって頻繁に負荷量を申告するのは手間であり,本来の業務の妨げとなる.本研究では,身体的負荷量を自動的に認識するシステムを提案する.提案手法では,ウェアラブルデバイスにより得られた筋電位をもとに機械学習により身体的負荷を推定する.特に本稿では,実験的に筋肉に負荷をかけた状態を段階的に検出できるのかという基礎検証を行った.身体的負荷推定に関わる因子を分析した結果,負荷量に応じて線形にデータが変化する傾向があることを確認した.

3D-3 (時間: 18:10 - 18:30)
題名腹部動作計測型ウェアラブル呼吸センサを用いた身体・認知負荷の識別に関する検討
著者*榎堀 優 (名古屋大学大学院 情報学研究科), 今井 諒 (名古屋大学 工学部 電気電子・情報工学科), 森田 純哉 (静岡大学 情報学部 行動情報学科), 山口 勇人, 梶 洋隆 (トヨタ自動車株式会社 未来創生センター), 間瀬 健二 (名古屋大学大学院 情報学研究科)
ページpp. 579 - 586
キーワード身体負荷, 認知負荷, 呼吸センサ, ウェアラブル
アブストラクト我々は装着が容易な腹部動作計測型ウェアラブル呼吸センサ UT-4を用いて呼吸指標より身体・認知負荷を識別し,自己認識の促進と悪影響の予防の実現を目指してる.本稿では,腹部動作から得られるデータにおいても,スパイロメータなどの直接計測機器を想定した従来の呼吸由来ストレス指標が有効かどうかを検討した.8名の被験者(男6名,女2名,年齢=22.1±1.9歳)から安静状態,認知負荷状態(暗算課題,N-Back(N=2)課題),身体負荷状態(冷水刺激課題)の呼吸データを収集して検討した.結果,呼吸時間(BT),吸気時間(IT),呼気時間(ET)は従来と同様に安静時と負荷状態時で有意差を示したものの,ポーズ時間 (PT) は有意差を示さなかった.一方で,呼気開始時点 (TM) の標準偏差が新たに有意差を示した.旧来と異なる傾向となったため,身体・認知負荷の識別を有効な指標の組合せを探索的に検討した結果,最適組合せで,安静状態と各刺激の2クラス識別において概ね80%以上,4クラス識別にて49.0%の識別精度を得た.また,最高精度を示した特徴量の組合せの全てに UT-4 でのみ有意差を示した「呼気開始時点 (TM) の標準偏差」が含まれており,腹部動作計測型ウェアラブル呼吸センサと適切な組み合わせの呼吸指標にて,身体・認知負荷の識別が可能であることが示唆された.

3D-4 (時間: 18:30 - 18:50)
題名モーションセンサーを用いた高齢者の体力測定手法
著者*川井 明 (滋賀大学データサイエンス学部), 谷口 伸一, 李 慧麗 (滋賀大学大学院経済学研究科), 和泉 志津恵 (滋賀大学データサイエンス学部)
ページpp. 587 - 594
キーワード高齢者, 身体測量, Kinect, Scratch
アブストラクト日本は超高齢社会と言われ、高齢者の社会保障費の増加による財政負担が大きな課題となっている。高齢者は加齢にともない自立体力が低下し、日常生活に支障をきたす。特に、歩行能力の低下による転倒事故は、骨折から寝たきり生活へ移行するリスクをもたらす。本研究では高齢者の歩行を容易にモーションキャプチャーできる測定システムを提案する。提案システムは、Kinect モーションセンサーとプログラミング言語Scratch で構成し、限られた室内空間でも正確に高齢者の歩行データを取得できる。歩行の座標データを解析して、歩行能力を測定し、問題点を発見する。分析の結果を高齢者へのフィードバックや医師への参考資料として利用する。


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セッション 3E  スマート環境
日時: 2019年7月3日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 遊舞・五の遊
座長: 原 直 (岡山大学)

3E-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名A Privacy Control Method based on K-Anonymity for Smart Home
著者*Sopicha Stirapongsasuti, Wataru Sasaki, Keiichi Yasumoto (Nara Institute of Science and Technology)
ページpp. 595 - 600
キーワードSmart home, Privacy Control, K-anonymity
アブストラクトSmart home equipped with various smart devices (sensors, connected appliances, etc) is attracting attention thanks to its ability to provide smart services like automatic life logging, elderly monitoring and smart appliance control. It is very useful for a service provider to automatically identify daily living activities from sensor/appliance data in a home to provide such smart services, but at the same time it is risky for each home dweller (user) to upload all the data generated in a home because the high-privacy information might be exposed to malicious attackers. In this paper, we define a threat model for smart home users where a malicious attacker(s) can access all or part of the smart home data uploaded to the untrusted cloud server (service provider) and at the same time can physically observe part of the activities from outside through lighting over window, water/power meter counter, and so on, hence the attacker can identify the association between the data in the cloud server and the home by matching the uploaded data and the physically observed data. Then, we propose a privacy control method for smart home users to take measures to the threat. The proposed method is based on k-anonymity which is a well-known property of the data often used for protecting location privacy and guarantees that the attacker cannot narrow down the number of applicable people within k when trying to identify the person from the data. In the proposed method, targeting a residential area with a number of smart homes, for each pair (a,t) of an activity a and a time period t, the number of the homes/users which/who are doing a at t is computed as k and the value of k is shown to the inhabitant doing a at t for making decision on if he/she may upload the data of (a,t) to the cloud or not. In order to know an appropriate threshold of k for upload/no-upload for each pair (a, t), we computed values of k from the existing smart home dataset and asked 15 participants to answer upload/no-upload for each pair of activity and time period by showing the computed value of k. As a result, we confirmed that our method based k-anonymity can help privacy control for activities data generated in smart home.

3E-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名マルチモーダル入力可能なルールプログラミング環境の構築
著者*佐野 渉二 (金沢工業大学工学部), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 601 - 607
キーワードマルチモーダル入力, マイコン制御, ECAルール, ルールプログラミング, プログラミング環境
アブストラクトさまざまなモノにセンサやLED,アクチュエータなどが搭載された多くの小型コンピュータを制御するために,筆者らはこれまでにルールプログラミングを提案してきた.ルールを用いることで人間の意図を簡潔に表現でき,大量の小型コンピュータを制御することで,ユーザは自分の部屋の家具や家電の配置をカスタマイズするように,センサやLED,アクチュエータなどを用いて自分好みの環境を実現できると考えられる.しかし,プログラムを記述することは小型コンピュータ群の機能を十分に利用しやすい利点がある一方で,lプログラミングに不慣れな人には難しいという問題があった.そこで,本稿ではさまざまなユーザ層を考え,自分に合った方法で小型コンピュータ群を制御するために,音声入力,スマートフォンによるタッチ入力,ビジュアルプログラミング入力,プログラム(テキスト)記述入力という4種類のマルチモーダル入力できる環境を提案する.評価実験の結果,入力方式にの違いにより,入力時間,入力の簡潔さと組み込めるルールの内容にはトレードオフがあり,同じユーザでも用途や状況,組み込むルールの違いにより適する入力方式が異なると考えられることを確認した.

3E-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名頭部回転動作を伴う動画視聴が景観への既視感に与える影響の調査
著者*磯山 直也 (奈良先端科学技術大学院大学), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学)
ページpp. 608 - 616
キーワードVR, 観光体験, 調査研究
アブストラクト観光の際には,行ったことない場所や行きなれていない場所に訪れることも多く,道に迷って目的地に到着できない,観光地を巡るのにどれくらいの時間がかかるのか把握できずスケジューリングが難しいなどの問題が生じる.観光へ行く前に目的地の景観への既視感を与えられれば,道やランドマークを覚えられるのではないか,観光に必要な時間の推測が可能となるのではないかと考えた.本研究では,既視感を与える方法としてVR (Virtual Reality)に着目し,VRヘッドセットで観光地の動画を視聴させた際の景観への既視感に与える影響について調査する.視聴の際にマルチモーダルな感覚の提示を行うことで臨場感が増し,既視感を強く与えられるのではないかと考え,動画の視聴の際に頭部を回転させる手法を提案する.本稿では,商店街と動物園のそれぞれでの歩行動画を視聴させ,視聴後に実際に現地を歩行させた際の影響について調査した.その結果,頭部を回転しながら動画を視聴させた際には現地へと行っているように感じさせることができたが,実際に歩行させた際に来たことがあるように感じるかどうかについての結果は,PCディスプレイで視聴した際と同じような結果となった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
3E-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名生体信号を用いたデスクワークにおけるメンタル疲労度推定
著者東海林 可奈, *石井 峻, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 617 - 621
キーワード心拍変動, 疲労度推定, デスクワーク
アブストラクトデスクワーク時に休憩を挟むことで精神疲労による集中力の低下を防ぐことができるが,現状の精神疲労度合いを計測するシステム(ATMT,VAS等)は作業を中断しなくてはならない.そこで本研究では,デスクワーク時の作業を想定した課題を行っている間の心拍変動から,精神疲労度合いを推定することは可能であるか検証を行った.その結果,精神疲労は心拍に影響を及ぼすと共に,pNN25,pNN50,SD2,kurtosisは精神疲労推定において重要な指標であることが示唆された.


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セッション 3F  スマートシティ
日時: 2019年7月3日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 遊舞・三の遊
座長: 土井 千章 (NTTドコモ)

3F-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名水耕栽培用液肥管理システムの開発
著者*上原 嘉織, 池田 宏道, 佐藤 証 (電気通信大学)
ページpp. 622 - 628
キーワード農業, IoT, センサ, 水耕栽培
アブストラクト本稿では,小型水耕栽培に液肥濃度の自動管理システムを実装するため,オペアンプ発振回路を用いた濃度センサモジュールの開発と,エアポンプによる追肥装置の試作を行い,その性能評価を行った.液肥濃度 EC によって変化する電気伝導率を発振回路の周波数として測定し,それに水温もパラメータに加えた三次元曲面を求めることで,EC=0.25~3.5 mS/cm,水温 8〜40℃という広い範囲で 8.4%以下という高い精度を実現した.また追肥装置では,エアポンプの個体差,原液濃度,揚高,駆動時間などのパラメータを変化させた評価実験により,液肥濃度を設定した値に±2.5%の精度で調整可能であることを明らかにした.

優秀論文賞 / Paper Awards
3F-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名植物生育と栽培環境に順応する灌水制御手法の提案
著者*後藤 将弥, 水野 涼介, 若森 和昌 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域)
ページpp. 629 - 636
キーワード農業, 水ストレス, フレームワーク, IoT, 閾値
アブストラクト近年,熟練農家の経験と勘に基づく高度な栽培技術をICTで自動化する研究が進められている.栽培技術の中でも,高品質な果実を栽培する水ストレス栽培では,様々な水ストレス指標を用いる灌水制御方法が提案されてきた.しかし,既存手法では水ストレス指標に対して閾値を設定することで灌水制御を行うため,適切な閾値の決定には熟練農家の経験と勘が必要であった.そこで,本研究では閾値決定アルゴリズムを用いた植物生育と栽培環境に順応する灌水制御手法を提案し,閾値決定アルゴリズムで用いる植物体内水分量の新たな指標の検討を行う.提案手法は,任意の水ストレス指標を用いて灌水制御を行い,閾値決定アルゴリズムを用いて植物生育や栽培環境に応じた閾値を随時算出し更新することで,植物生育と栽培環境に順応する灌水制御を実現する.高度な栽培技術が必要な高糖度トマト栽培における熟練農家と提案手法の比較実験を行ったところ,提案手法では,閾値が植物生育と栽培環境に応じて算出でき,熟練農家が栽培した果実と同等以上の糖度の果実を栽培できた.さらに,可販果実の収量割合を熟練農家と比べ14.3%増加させることに成功した.また, Optical Flowを用いた植物の葉の萎れ具合を定量化した指標LWC(Leaf wilt condition)を新たな植物体内水分量の指標として検討するため,LWCと茎径の相関分析をしたところ,平均相関係数が0.47で,最大相関係数が0.94であったことから,LWCの有効性が示唆された.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
3F-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名データ同化による浸水位推定手法の提案と都市型水害での精度検証
著者*廣井 慧 (名古屋大学大学院工学研究科), 村上 大輔 (統計数理研究所), 倉田 和巳, 田代 喬 (名古屋大学減災連携研究センター), 篠田 陽一 (北陸先端科学技術大学院大学)
ページpp. 637 - 643
キーワードデータ同化, 時空間解析, IoT
アブストラクト本論文では、浸水の上昇速度、拡大過程、危険水位に至るまでの時系列を実時間で把握するための、 状態空間モデルを用いたデータ同化による浸水位推定手法を提案する。 数値解析シミュレーションを用いて生成した浸水予測の基礎データについて、 観測データとの因果関係を解析し、基礎データを補正することで、精緻な浸水の時空間解析を実現する。 はじめに、数値解析シミュレーションを用いて様々な降水量のパターンでの浸水予測を行い、 高分解能(5m-10m)の精緻な地理空間について、浸水深を表す状態空間の時系列データのデータセットを構築する。 次に、各格子に対する氾濫水の流入量・流出量を、状態空間モデルの変数として、多変量解析を行う。 愛知県津島市で発生した内水氾濫での観測データを利用し、提案手法の性能評価を行う。 土木研究所の開発した氾濫解析シミュレーションNILIMを用いて、 既往水害で観測された降水量、河川水位、氾濫時刻などから数値シミュレーションを行い、 対象地区の5-10m格子ごとの浸水過程の時系列データを作成した。 約60cmの浸水が発生した愛知県津島市の水路4地点での観測データを用いて、本手法を適用したところ、 観測地点での、数値解析シミュレーションでは0であった浸水位が 状態空間モデルを用いた推定により実測値と比べ10cm以内の誤差となった。

3F-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名DTNを用いた避難所における救援物資リクエストの分散管理方法の設計
著者*佐藤 沙央 (お茶の水女子大学), 高井 峰生 (大阪大学/UCLA), 大和田 泰伯 (情報通信研究機構), 前野 誉 (株式会社スペースタイムエンジニアリング), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 644 - 648
キーワード情報共有, DTN, インターネット非接続, リクエスト処理
アブストラクト近年日本で多発している大規模な災害では,普段利用している通信インフラが切断されてしまった場合, インターネットにアクセスすることができず,情報交換ができなくなってしまう.多様な理由により避難所に避難できなかった人には, 救援物資情報が手に入れづらいという現状がある.そこでエッジサーバ を利用し, 各端末は情報をそこにアップロード,閲覧できるようにして,エッジサーバ同士が情報を同期しておくことで情報交換を可能にする環境構築を考える.この論文では, そのような環境において被災時に提供される物資以外に必要となるもののリクエストを受け付けて集計し,物資の卸元と情報を共有するアプリケーションの構築を行った.


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セッション 3G  認知・感情
日時: 2019年7月3日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 遊舞・一の遊
座長: 角田 啓介 (エヌ・ティ・ティ・コムウェア)

3G-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名出来事の想起を促す感謝日記継続支援システムの開発
著者*福島 拓, 山根 優祐 (大阪工業大学), 蔵永 瞳 (滋賀大学)
ページpp. 649 - 655
キーワード感謝日記, 幸福感, 共有
アブストラクト感謝日記は,日々の生活中で感謝した出来事を日記形式で記述するものである.感謝日記の記述により,長期的に幸福感を高めることが示唆されている.しかし,日記を書き慣れていない利用者にとっては,感謝日記に記述する出来事を思いつくことが容易ではないため,継続的な感謝日記の記述が困難であると考えられる.そこで,本研究では感謝日記の記述をWebシステム化した上で,感謝日記に記述する内容の想起を支援することで,継続的な記述支援を目指す.本稿の貢献は次の2点である.(1)感謝日記継続支援システムを提案し,実現した.(2)共有機能により,利用者に新たな発見を促し,日記の記入回数を増加できる可能性を示した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3G-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名対話における上手い褒め方のモデリングの基礎検討
著者*大西 俊輝, 柴田 万里那 (日本大学文理学部), 呉 健朗 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 石井 亮, 富田 準二 (日本電信電話株式会社 NTTメディアインテリジェンス研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 656 - 662
キーワードコミュニケーション, マルチモーダルインタラクション, 対話コーパス, 褒める
アブストラクト対話において褒めることは重要である.褒めることで相手が心を開き,話が弾み,その後の人間関係が円滑になることが期待される.しかし,対話において相手を上手く褒めるために,発話内容,声色,表情,姿勢,ジェスチャといった多様なモダリティをどのように用いれば良いか明らかにはされていない.本研究では,これらの多様なモダリティを用いた上手い褒め方をモデリングする手法の確立を目指す.手法の確立にあたり,褒め方の上手さの評価を,具体的にどのような要素で測るべきか,どの要素をどの程度重視すべきかを明らかにすることが重要である.上手い褒め方に重要な要素は経験的に示されることがあるが,それらはあくまでも定性的に示されたものであるため,どれくらい重要であるのか定量的に示すことは行われていない.よって本稿では,定性的に示された上手い褒め方に重要な要素について,それら要素がどの程度重要であるのかを定量的に検証,解明する取り組みを行った.具体的には,20名分(計100分間)の2者対話コーパスを構築し,上手く褒めるためには,どの要素をどの程度重視すべきかを評価することで,定量的に明らかにした.定量的に明らかにする手法として,上手く褒めるスコアと要素の相関分析と重回帰分析を用いた.結論として,用いた要素はどれも相手を上手く褒めるには有効であり,特に,直接性,必要性,表情の豊かさが重要であることが分かった.

3G-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名不愉快さを用いた入力促進システムの簡易実験
著者*酒井 耕平 (鳥取大学大学院 持続性社会創生科学研究科), 松永 崇秀, 高橋 健一, 川村 尚生, 菅原 一孔 (鳥取大学大学院 工学研究科)
ページpp. 663 - 669
キーワード入力促進, 不愉快
アブストラクト会議等イベントの日程調整や期日までに入力を要求するアンケートなどにおいて,対象者が入力を行わないといった状況が発生する.既存のスケジュール調整サービスでは,会議の対象者に対して会議候補日の出欠予定を入力してもらうといったサービスを提供している.しかし,電子メールで入力を促しても入力をしてくれない対象者が一定数存在する.これにより会議日程の調整が遅れ,多くの人が不利益を被るという状況が起こりうる.このことを防ぐためには,入力しない原因を取り除き,参加者に対して入力を促すための仕組みが必要となる.そこで,入力を行わない対象者に対してネガティブな動機づけを行うことにより入力を促進するシステムを提案している.本稿では,本システムについて述べると共にシステムを用いた実験の評価・考察を行う.

3G-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名行動変容のための「認知的不協和」におけるメッセージ提示方法
著者*佐藤 妙, 青木 良輔 (NTTサービスエボリューション研究所), 小安 宗徳, 篠 一慶, 大島 直樹, 武川 直樹 (東京電機大学), 渡部 智樹, 犬童 拓也 (NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 670 - 675
キーワード行動変容, 行動変容ステージモデル, 認知的不協和, メッセージ生成
アブストラクト我々は,ユーザが健康的な生活に向けて行動を主体的に改善し習慣づけることを目的として,ICTを活用してより効果的に行動変容を促進することを目指している.本研究では,行動を阻害する要因の一つとして知られている「認知的不協和」に着目した.そして,これまでの我々の研究で導出した「ユーザ状態遷移モデル」を用いて,事例から認知的不協和の発生状況を分析し,分析結果を基にして,認知的不協和の発生時に行動を促進するためのメッセージ提示方法を提案し,実現のための課題を考察した.


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セッション 3H  セキュリティ心理学・教育
日時: 2019年7月3日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 楽舞・一の楽
座長: 金岡 晃 (東邦大学)

3H-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名危険回避のための適切な不快感を考慮した不快なインタフェースの実装
著者*西岡 大 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部), 小瀬川 歩実 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部), 齊藤 義仰 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
ページpp. 676 - 681
キーワード不快なインタフェース, 情報セキュリティ
アブストラクト情報技術の発展により人々の生活が便利になると伴に,危険にさらされてしまう機会は少なくない.コンピュータやインターネットを使用する際,様々な危険が存在するにも関わらず,利用者が危険に気付かない場合,危険への対策を行うことができず,さらなる危険や被害に遭いやすくなることが考えられる.危険を回避するためには,利用者に危険を認知させる必要がある.危険を認知させる手法として,不快なインタフェースが挙げられる.不快なインタフェースとは,利用者にあえて不快感や違和感を与えることで危険の存在に気付きやすくさせ,利用者の自発的な危険回避を支援するインタフェースである.しかし,不快感が強すぎる場合利用者に不快なインタフェースそのものを敬遠されてしまう可能性があるため,適切な強さを考える必要がある.本研究では,利用者が危険の存在を認知し,継続的に利用できるような不快なインタフェースの適切な不快感についての調査を実施した内容について報告する.

3H-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名オンラインショッピングサイトを対象にした情報セキュリティに対する安心感を可視化する「安心メータ」の開発
著者*大山 慎也 (岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科), 菊内 桃子 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部), 齊藤 義仰, 西岡 大 (岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 682 - 687
キーワード安心感, セキュリティ, オンラインショッピング, 安心メータ
アブストラクト近年の情報通信技術は目覚ましく発展しており,人々の生活において情報通信技術はなくてはならないものになっている.しかしながら,情報通信技術の発展と同時に,情報通信技術を悪用した犯罪や情報漏えい事件などが発生しているため,安全と安心についての議論が活発に行われている.その議論の中で,「安全」と「安心」は同一視されている.しかし,日本ではどれだけ安全な情報技術を用いたとしても,安心できないとする人がいる可能性がある.なぜならば日本では,情報通信技術が安全だとしても,安心できると感じる国民の割合が他国に比べて低いためである.安全な技術を用いてもユーザが安心しない原因としては「安全」にはいくつかの指標があるのに対し,「安心」には明確な指標がないことが挙げられる.その理由として安心は主観的な側面が強いためであると考えられる.そのため,安全な情報技術と共に安心感の要因を明らかにし,ユーザが安心して利用できることを明確にする仕組みが必要とされている.本研究では,安心メータの実現にあたり,安心感を数値化する式を用い,安心メータのプロトタイプを作成し,調査を行った結果について述べる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
3H-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名情報セキュリティ対策行為が人に及ぼす疲労の研究
著者*福永 夏海, 白井 達也, 金井 敦 (法政大学), 畑島 隆 (NTTセキュアプラットフォーム研究所), 谷本 茂明 (千葉工業大学)
ページpp. 688 - 694
キーワード情報セキュリティ疲労, Security Fatigue, リスクアセスメント
アブストラクト現在,疲労によって情報セキュリティ対策を怠ったり簡略化したりする「情報セキュリティ疲労」が問題となっている.これを解決するために,本研究では,情報セキュリティ対策に対するリスクアセスメントを行うことで,新たな情報セキュリティ対策を考案する手掛かりとなる情報を提供する.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
3H-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名小学校高学年を対象としたSNS教育ゲームの開発(その2)
著者*藤川 真樹, 叶 稜也, 伊藤 愛里, 安部 芳絵 (工学院大学)
ページpp. 695 - 702
キーワードSNS, ゲーミフィケーション, 教育, 小学校高学年
アブストラクト親から与えられたスマートフォンを使ってSNS を利用する小学校高学年の割合が増加している.SNS を利用する際には情報モラル(倫理,法の理解と遵守,情報セキュリティの知識と技能)が必要であることから,文部科学省は学習指導要領を通して情報モラル教育を推進している.一方,教育現場で使用されている教材のほとんどは冊子やDVD であるため,要領のコンセプトである「主体的・対話的で深い学び」が実現できているとは言いにくい.本研究では,実践的かつ「主体的・対話的で深い学び」を実現するためにSNS 教育ゲームを開発する.当該ゲームは,小学校高学年の特徴,既存教育ゲームの特長と課題を踏まえつつ「主体的・対話的で深い学び」を実現する6 つの条件を満たすように設計する.著者らは,ノベルゲーム開発ソフトウェアを使って基本的な教育ゲームを作成した.



2019年7月4日(木)

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セッション 4A  自動運転・V2X通信
日時: 2019年7月4日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 風の杜
座長: 重野 寛 (慶應義塾大学)

4A-1 (時間: 8:30 - 9:10)
題名(招待講演) 自動運転ロジックの開発・評価をどうするか 〜学習・評価用走行データベースの構築〜
著者*二宮 芳樹 (株式会社ティアフォー/名古屋大学)
ページpp. 703 - 712
キーワード自動運転, 評価, データベース
アブストラクト自動運転は実用化に向けて着実な課題解決を進めるフェーズとなり,レベル3の機能を持つオーナーカーの製品化やモビリティサービスの試行的なサービスインも開始されている。これまで自動運転の中心的な機能である認知・判断・操作を実現する自動運転知能のオープンソースソフトウェアAutowareを構築し,自動運転の研究開発の活性化つながることができた。自動運転機能の実現には自動運転知能と併せて必須になるものがある。一つはディジタルインフラと呼ばれる運転に必要なデータベースである。道路構造に関するものは高精度地図とも呼ばれ,自動運転の必須の要素となっている。これらは予めその場所を走行したデータから予め抽出した知識を集積したものと考えられる。もう一つは,自動運転のトレーニング,評価さらに検証に必要なツール群である。これらも多くの走行データに対してトレーニングや評価に必要なデータや知識を抽出することによって生成される。走行データからは実交通シーンを再現する評価用シミュレータの構築にも利用される。以上から自動運転の実現に必要なディジタルインフラやツールの構築には実際の交通状況での走行データが極めて重要であることが分かる。本稿ではAutoware向きに構築している走行データベースやそれによるディジタルインフラや,トレーニング・評価ツールの構築状況について紹介する。

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4A-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名セルラV2XとDSRCを併用した車車間通信による狭域道路・交通情報の効率的な配信方式の提案と評価
著者*高草木 政史, 湯 素華 (電気通信大学/大学院情報理工学研究科), 上野 高明, 大岸 智彦 (株式会社KDDI総合研究所/コネクティッドカー2グループ), 小花 貞夫 (電気通信大学/大学院情報理工学研究科)
ページpp. 713 - 719
キーワード車車間通信, セルラV2X, DSRC
アブストラクト700MHz安全運転支援システムや5.8GHz専用狭域通信(DSRC)は,従来から主たる車両ネットワークとして検討されているが,近年話題となっているセルラV2X(LTE support for V2X services)による車車間通信では,車両同士が直接通信を行うサイドリンク方式と,基地局を経由して広範囲にブロードキャストする2方式が検討されている.本発表では,短い距離へ素早く情報を届ける DSRC(IEEE802.11p)と基地局を経由して広範囲に情報を届けるセルラV2Xにおけるブロードキャストを併用して狭域道路・交通情報を低遅延・高信頼に配信する基本方式を提案する.さらにすべての情報をエリア全域へ配信する際の非効率問題と近隣車両間で同じイベントに対する重複配信問題をそれぞれ配布範囲制御と重複配信制御を用いて配信効率を向上させる拡張方式を提案する.評価の結果,基本提案方式のうちDSRCを用いた方式は基地局経由配信と比較して遅延時間を最大75%削減し,拡張提案方式は基本提案方式と比較してイベント受信成功率を最大11%向上させることがわかった.

4A-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名二輪車の出会い頭事故削減方式の一検討
著者*原 圭範 (神奈川工科大学大学院 清原研究室), 清原 良三 (神奈川工科大学)
ページpp. 720 - 726
キーワードITS, 二輪車, 交通流, マルチエージェントシミュレータ, V2X
アブストラクト平成26年度の交通事故総合分析センターの統計によると,二輪車の交通事故による死亡率は四輪車の交通事故の3倍高いというデータがある.その原因として,四輪車の運転者は車両の中にいるため事故が起きたとしても,車体によって身体を守ることができる場合があるが,二輪車の運転者は事故が起きたときに,身体を守るものがほとんどないことが挙げられる.また,二輪車の車体は四輪車よりも小さいため,交差点付近で見落とされやすく,出会い頭事故に直結することがあり,それも事故が起こる原因の1つである.また,出会い頭事故は二輪車の交通事故の中でも最も多い事故なので減らすことが望ましい.これらを解決するため,近年,研究開発が盛んに行われているV2X (Vehicle to Every Thing) を用いて見落としが起きやすい二輪車の存在を他車線の運転者に知らせることが有効だと考えた.しかし,二輪車は積載性のないため二輪車専用の装置を搭載できるとは言えない.今後生産される二輪車には通信装置が搭載されることも予想できるがそれらがすべてのライダーに普及していくとは限らない.そこでスマートフォンを通信装置として活用することで自動車に二輪車の位置を正確に認識させ見通しの悪い交差点においての出会い頭事故を削減する.


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セッション 4B  データベース・検索
日時: 2019年7月4日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 花舞・一の花
座長: 川上 朋也 (NAIST)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
4B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名外部キー制約を考慮した特徴量削減手法
著者*長 裕敏, 山室 健, 内山 寛之 (日本電信電話 ソフトウェアイノベーションセンタ)
ページpp. 727 - 733
キーワード特徴選択, 機械学習, データベース, 処理プラン最適化
アブストラクト機械学習において,特徴選択は学習モデルの精度を向上させるために必要不可欠な処理であるが,特徴量数が増えると最適な組み合わせを選択するには膨大な処理時間を要する.先行研究では, DBMS から学習データを取得する際,外部キー制約を持つテーブル間のレコード数比が十分に大きい場合に,学習モデルの精度への影響を抑えながら特徴選択を行う前に特徴量数を削減する手法が提案されている.しかし,レコード数比が小さい実データも多く存在するため適用範囲が限定的という課題がある.そこで本研究では,上記の既存手法が適用できない条件下において,学習モデルの精度への影響を抑えながら外部キーが参照するテーブルの全特徴量を一次元の特徴量に変換し,結果の特徴量数を削減する手法を提案する.性能測定実験において,既存手法では条件を満たせず特徴量数を削減できなかった 7 個のテーブルのうち,提案手法では3個のテーブルに対して新たに特徴量数を削減可能なことを示し,学習モデルの精度への影響を抑えながら特徴選択を高速化可能なことを確認した.

4B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名完全準同型暗号を用いた頻出パターンマイニングの実装手法による比較
著者*種村 真由子, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 734 - 739
キーワード完全準同型暗号, 頻出パターンマイニング, FP-growth
アブストラクトビッグデータなど,大規模なデータの収集・分析による利活用がビジネスなどの分野で進んでいる.大規模なデータを扱う計算には,処理能力の高い計算機システムが必要となるため,外部のサーバに処理を委託することが現実的である.しかし,特に個人情報等の機密データ処理の委託に関しては,情報の漏えい対策が重要となる.プライバシー保護のためには,データの匿名化加工など様々な方法があるが,本研究では,データの機密性保護の方法として,暗号化した状態で計算が可能な完全準同型暗号(FHE)を使用する.先行研究として,FHEをAprioriアルゴリズムによる頻出パターンマイニングを行うクライアント・サーバ型のシステムについて適用したP3CCがある.このシステムについて,AprioriアルゴリズムをFP-growthアルゴリズムに変更したものを実装し,Aprioriアルゴリズムを用いた既存手法との比較を行う.

4B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名軽量Nパーティ秘匿関数計算の文字列検索拡張
著者*滝 雄太郎 (千葉工業大学大学院情報科学研究科), 藤田 茂 (千葉工業大学情報科学部情報工学科), 宮西 洋太郎 (株式会社アイエスイーエム), 樋地 正浩 (東北大学大学院経済学研究科), 白鳥 則郎 (中央大学研究開発機構)
ページpp. 740 - 742
キーワード秘密分散, 秘密計算
アブストラクト本稿では``軽量Nパーティ秘匿関数計算''に対し文字列検索処理の拡張を行う. この文字列検索のために,文字列のハッシュ化を行いその結果を分割・分散する. 本稿の結果より従来では整数値型のみであった秘匿関数計算のデータ検索を 文字列型をも含めることが可能となる. この結果,システム設計者は文字列を秘密分散された状態で検索可能になるため, 利便性が向上する.

最優秀論文賞 / Best Paper Awards
4B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名グラフを用いたNMFの地域分散高速化
著者*越塚 毅 (東京理科大学理工学部情報科学科), 竹内 孝, 松林 達史, 澤田 宏 (日本電信電話 ( 株 )NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
ページpp. 743 - 751
キーワード分散アルゴリズム, 非負値行列因子分解, 地域性, 高速化
アブストラクト本研究では地域性などの物理的に関係性をもつ集計データに焦点を当て, 因子分解を行うrNMF(Regional Non-negative Matrix Factorization)を提案する.rNMFは, 物理的に距離の近い地域のデータは同様の特徴空間で表現し, 分析結果をより直感的にわかりやすいものとする.分析対象のデータが大規模な行列であっても, 分散システム上で高速に処理を行える. rNMFは, 地域ごとの観測行列の再構成誤差の最小化と同時に, 物理的に距離の近い地域の行列からは同様の基底行列が得られるよう, 対象の 基底行列間の距離を最小化する.地域の位置関係はグラフによって与える. グラフの彩色問題を近似的に解くことで, 分散システム上で並列に処理することが可能である.本稿では, まずrNMFの定式化を行う.そして, 再構成誤差と基底行列間誤差にFrobeniusノルムと一般化KLダイバージェンスを用いた場合のパラメータ更新法を示す.地域ごとに集計 された実データを用いた実験では, rNMFを用いることで, 隣接した地域データを共通した特徴空間で表 現できること, 従来の NMF に対して汎化性能が悪化しないこと, 分散システム上で高速に動作することを示す.

4B-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名Division-based Video Data Access Method for Hot/Cold Tiered Storage Systems
著者*Dong Ling (Osaka University), Shuuichirou Murata (Acutus Software, Inc.), Ying-Feng Hsu, Tomoki Yoshihisa, Morito Matsuoka (Osaka University)
ページpp. 752 - 758
キーワードストリーミングデータ, データセンター, 消費電力削減, ビデオオンデマンド
アブストラクトDue to the recent prevalence of video-on-demand services, data centers for them store a large number of video files, and some data centers adopt hot/cold tiered storage systems. Hot/cold tiered storage systems achieve low power consumption and low monetary cost by storing some data to cold storages, of which price per data unit is lower than that of hot storages. One of their drawbacks is slow data access speeds of cold storages. This is a very large problem for video-on-demand services since long interruption times of video playbacks occur when clients do not receive each video data segment by the time to play it. However, conventional hot/cold tiered storage systems are designed for general services and lack a chance to further reduce total playback interruption times for video-on-demand services. In this paper, we design a novel data access method for video-on-demand services using hot/cold tiered storage systems. In our method, each video file is divided into some video file segments so that the clients can finish receiving subsequent segments while playing received segments. By storing the first segment into the hot storage and others into the cold storage, our method achieves lower power consumption and lower monetary cost while reducing total playback interruption times.


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セッション 4C  行動・状態認識
日時: 2019年7月4日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 花舞・三の花
座長: 内山 彰 (大阪大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4C-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名ストレスと注意機能の相互作用を考慮したスマートフォンログからのストレス推定手法
著者*濱谷 尚志, 落合 桂一, 山本 直樹, 深澤 佑介, 木本 勝敏 (NTTドコモ), 霧生 和樹, 上西 康平, 太田 順 (東京大学), 寺澤 悠理, 沖村 宰, 前田 貴記 (慶應義塾大学)
ページpp. 759 - 769
キーワードスマートフォン, ストレス, 注意機能, 相互作用, 機械学習アルゴリズム
アブストラクト精神疾患の患者数は年々増加傾向にあり,原因となるストレスの状態を把握し予防に努めることが重要である.本研究ではユーザが日々利用するスマートフォンに着目し,スマートフォンで取得可能なセンサ値および端末利用ログを用いてユーザのストレス状態を推定する手法を提案する.提案手法ではストレスと相互作用をもつ注意機能に着目し,注意機能の状態を考慮することでストレス推定精度の向上を図る.実際に32人の会社員から収集したのべ554日のデータセットを用いて評価を行った結果,注意機能を考慮せずにストレスを推定する方式と比較して,提案手法によりストレスの推定精度を平均5.4%高められることを確認し,ストレスの推定において注意機能との相互作用を考慮することが有効であることが分かった.

4C-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名Preliminary Investigation on Recognizing Environment-dependent Human Actions using a Fusion of Wi-Fi Based Place Clustering and Motif Detection from Accelerometer Data
著者*Thilina Dissanayake, Takuya Maekawa, Takahiro Hara (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University)
ページpp. 770 - 776
キーワードWearable, Clustering, Motif detection
アブストラクトThis paper presents a novel method to estimate a location label of a user using sensor data from his/her smart devices (smartwatch and smartphone) without using labeled training data collected in his/her environments. Specifically, we attempt to predict the user's location semantics, i.e., location classes such as restroom and meeting room. We propose a novel matrix operation method that automatically finds acceleration data motifs specific to a certain location class, e.g., brushing teeth action observed at bathroom, based on the idea of Gini coefficient. We evaluated the proposed method in 4 real environments.

4C-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名機械学習とオントロジー推論を組み合わせた高齢者のFIM採点システムの提案
著者*大石 伸之, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 777 - 784
キーワード行動認識, 機械学習, オントロジー, FIM, ADL
アブストラクト人間の健康やウェルネスのより良いマネジメントを実現するために,これまで日常生活動作 (ADL) 認識に対して様々なアプローチが提案されてきた.本稿では,行動クラスの識別から更に踏み込み,高齢者の日常生活における機能的自立度を測定する手法を提案する.機能的自立度の測定は,機能的自立度評価法 (FIM: Functional Independence Measure) に従って行う.提案手法は,ADL/FIMドメインオントロジーを独自に構築し,機械学習とオントロジーに基づく論理的推論という異なる2つのアプローチを組み合わせる.2つの異なる手法を組み合わせるにあたり,セマンティックコンテキストを中間層として定義し,さらに任意コンテキストを新たに導入することで不完全なデータからの推論を可能にする.著者らの実験室環境で収集されたデータを用いた評価実験より,提案手法の有効性が示された.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4C-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名観光中の仕草に基づく感情・満足度の推定における観光客属性の影響分析
著者*松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)), Dmitrii Fedotov (Ulm University), 荒川 豊 (九州大学/JSTさきがけ), 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)), Wolfgang Minker (Ulm University), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP))
ページpp. 785 - 791
キーワード感情認識, 観光行動分析, ウェアラブルセンシング, 動画解析, スマートシティ
アブストラクトスマートフォンをはじめとするスマートデバイスを活用し,観光中に有益な情報が得られる「スマートツーリズム」が注目を集めている.提供される観光情報をより観光客の状況に即したものとするためには,観光客が実地で抱く心理状態(感情・満足度など)を理解し考慮することが重要である.本研究では,観光客の心理状態が観光中の無意識的な仕草,例えば頭や体の動きや表情や声色といった形で現れると仮定し,その仕草を計測,分析することで観光中の観光客の心理状態を推定する手法を検討している.心理状態推定モデルの性能を検証するため,異なる特性をもつ2つの観光地(ドイツ・ウルム,日本・奈良)において,計22名の被験者に協力してもらい観光実験を行ったところ,国籍,性格や性別といった観光客属性の違いが推定モデルの精度に影響を与える可能性が示唆された.そこで本稿では,こうした観光客属性のうち特に国籍に注目し,観光中の感情・満足度推定モデルにどのような影響を与えるかについて統計的な分析を行った.観光客の国籍と推定モデル構築に使用した特徴量における2要因の分散分析を行った結果,感情推定においては,特徴量の差による影響(主効果),および国籍・特徴量の交互作用(相殺作用)が,満足度推定においては,国籍の差による影響(主効果)が認められた.

4C-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名物体内部に設置したBLEビーコンの電波強度を用いた状態推定手法
著者*大鐘 勇輝, 水野 涼雅, 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部情報科学科)
ページpp. 792 - 799
キーワードBLEビーコン, 状態推定, 安定センシング区間, ライフログ, ローパスフィルタ
アブストラクトIoTの普及によって様々なセンサが家電に取り付けられ,そこから得られる情報によりライフログデータの取得が可能となった. ライフログデータはセンサが搭載されている家電では収集が容易であるが,特殊なセンサの無い家電や扉,椅子といった家具ではデータの収集が難しい. これまでそのような家電や家具などの状態推定には加速度センサやWi-Fiの電波が用いられてきたが,移動の有無や推定対象物の大きさによって推定精度が大きく左右される問題があった. そこで本研究では,Bluetooth Low Energyビーコン(以下BLEビーコンと呼称)を家電や家具などモノの中に直接入れ,状態によって変化するBLEビーコンの電波強度をもとに推定を行う手法を提案する. BLEビーコンの電波は微弱であるため,環境の変化による電波の乱れが発生しやすい. そのため提案手法では,取得した電波強度データに対しデジタルフィルタの一つであるローパスフィルタを適用しノイズの除去を行う. また,本手法では推定対象物の移動も考慮するため,簡単な閾値処理だけでは推定が困難である. そこで,安定センシング区間という概念を導入し,電波強度が安定している区間を用いて推定精度の向上を試みる. 見つかった安定センシング区間に対し動的に変更できる閾値を用いて状態推定を行う. 上記の方法を冷蔵庫の開閉や金庫の開閉,座椅子の着座の状態推定に適用し推定精度を確かめた. その結果,冷蔵庫の開閉推定では99.2%,金庫の開閉推定では93.8%,座椅子の着座推定では98.9%の精度で推定できた.


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セッション 4D  ウェアラブルセンシング
日時: 2019年7月4日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 花舞・五の花
座長: Guillaume Lopez (青山学院大学)

4D-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名視線と頭部動作情報を用いた歩行中の迷子状態検出手法
著者宮前 貴大, 双見 京介, *村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 800 - 807
キーワード迷子検出, ウェアラブル, 視線, 加速度, 角速度
アブストラクト本研究では視線計測装置から得られた視線データおよび頭部の加速度,角速度データから人の迷子状態を検出する手法を提案する.提案手法は迷子区間がアノテーションされた学習データから迷子区間のモチーフと非迷子区間のモチーフを抽出し,迷子区間と非迷子区間に共通で現れるモチーフを迷子区間のモチーフから除去することで迷子区間特有のモチーフを抽出する.大阪地下街で実施した評価実験の結果より,迷子区間特有のモチーフを抽出できたが,他セッション,他ユーザへの適用にはさらなる調査が必要であることが分かった.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4D-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名ランニング時の膝の屈曲状態センシングのための膝サポータ型デバイスの提案と実装
著者*桐野江 高太, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 808 - 816
キーワードウェアラブルコンピューティング, 行動認識, ランニング, サポータ, 膝
アブストラクトランニングで起こる膝の痛みは,ランニングにおける着地時の衝撃の吸収が上手くなされないときに骨や筋肉などの他の部位に余計な負荷がかかることで起こる.着地時の衝撃吸収動作の有無の確認はトレッドミルを用いた手法のような限られた環境でしか行うことができない.そこで本研究では伸縮性,柔軟性のあるストレッチセンサセンサと軽量な加速度センサを用いて,様々な野外環境下において膝の屈曲状態や膝への衝撃を常時計測できるシステムを提案する.提案システムで平坦な道,上り坂,下り坂の3 種類の野外環境下でのランニングにおける膝の屈曲状態を計測した.この計測で3 種類の野外環境下すべてにおいて,取得したストレッチセンサの値からダブルニーアクションが確認できた.次に,通常のランニングフォームと身体の上下動が大きいランニングフォームでの着地時の膝への衝撃を加速度センサ値から算出した.その結果,身体の上下動が大きくなることで膝への衝撃が大きくなること,被験者ごとに着地時の膝への衝撃に左右差があることを確認できた.また,装着者の膝の角度がストレッチセンサの値から推定可能か調査した.調査の結果,ストレッチセンサの値と実際の膝の角度には線形性があり高い相関があることがわかった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4D-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名センサ内蔵アンダーパンツを用いた行動認識手法
著者*恵村 健太郎, 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科), 磯山 直也 (奈良先端科学技術大学院大学), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 817 - 824
キーワードウェアラブル, スマート下着, 行動認識, ヘルスケア, ライフログ
アブストラクト排泄活動を適切に行うことは,健康を維持する上で重要である.ユーザの日々の情報の記録であるライフログデータとして日々の排泄活動に関する記録は,便秘や頻尿などの排泄障害の原因の特定や適切な排泄のための食事内容や運動量の改善として有効である.しかし,排泄はトイレという極めてプライベートな空間での行動であり,ユーザ自身や周囲の人のプライバシを考慮した測定方法が求められる.そこで,センサ内蔵アンダーパンツを用いた行動認識手法を提案する.アンダーパンツに搭載したセンサによって,ユーザの排泄情報を含む日々の情報を取得する.アンダーパンツはズボンやスカートに覆われるため,ユーザの見た目への影響が小さく,ウェアラブルデバイスに適している.本論文では,ストレッチセンサ,温湿度センサ,ガスセンサを搭載したプロトタイプデバイスを実装した.実装したプロトタイプデバイスを用いて,ストレッチセンサによる行動認識の評価と長時間の着用実験を行った.ストレッチセンサによる行動認識の性能は排尿,排便動作を含む5 動作の識別について平均82.7%の認識率を得た.長時間の着用実験では,静止時のストレッチセンサ値の上昇,起立,排泄動作時の温湿度センサ値の変化などを確認した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
4D-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ウェアラブルセンサを用いた頭皮ケア支援システム
著者*Haomin Mao (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻), 磯山 直也 (奈良先端科学技術大学院大学), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 825 - 829
キーワードウェアラブルセンサ, ウェアラブルデバイス, 機械学習, 頭皮ケア
アブストラクト頭皮は環境の温湿度に敏感であるため,適切に頭皮ケアをするには頭皮の状態を測定し,把握することが重要である.頭皮の状態に影響する要素としては,頭皮温度,頭皮水分量,環境湿度が挙げられるが,これらの日常生活の中で変化していくため,常時測定し,情報を得る必要がある.そこで,本研究ではウェアラブルセンサを用いて,頭皮の状態を常時計測し,得られた情報をユーザにフィードバックする頭皮ケア支援システムを提案する.頭皮温度と環境温度は小型の温度センサと湿度センサにより計測可能であるが,頭皮水分量を常時測定可能な装置は存在していない.水質測定器として使われるTDSセンサで頭皮導電率を測定することにより,頭皮水分量を算出できるが,TDSセンサは装着感が不快であり,日常生活での使用には向いていない.そこで,生体温熱モデルに基づいて頭皮水分量を推定する.提案システムを構築するために,まずデータ収集デバイスがウェアラブルセンサを用いて各実環境で頭皮のデータを取得し,回帰モデルを訓練する.そして,提案システムに訓練済みのモデルを導入して,推定した頭皮水分量と他の情報をユーザに提示する.実験では,推定誤差,回帰精度(R2スコア),過学習の度合いから各回帰モデルを評価した.


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セッション 4E  移動
日時: 2019年7月4日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 遊舞・五の遊
座長: 宮田 章裕 (日本大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
4E-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名ユーザのリソース消費を考慮した意思決定支援のための複数観光経路提示手法
著者*平野 陽大, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所)
ページpp. 830 - 839
キーワードナビゲーションシステム, 遺伝的アルゴリズム, 経路探索, 多目的最適化, 意思決定
アブストラクト一般的に,観光の主目的は満足度を得ることにあり,そのためにユーザは多くの要素(回る観光地やコストなど)や制約(使える時間,予算など)を同時に考慮して計画を立てる必用があるが,これはユーザにとって負担の大きい作業である.この観光経路問題を困難にしている原因の一つに,観光によって得られる満足度と,ユーザが移動や観光地で消費するリソース(金銭・時間・体力)のトレードオフを考え無ければならず,単一の最適解を求められないことがあげられる.最終的なユーザの意思決定の手助けを行うためには,これらのトレードオフをすべて考慮した上で,ユーザに複数の解(ツアープラン)を提示することが望ましいが,我々の知る限りではこのようなシステムは存在しない. 本論文では,はじめに観光経路探索問題を金銭・時間・体力の初期値を入力とした多目的最適化問題として定式化する.この問題はNP困難であるため,ヒューリスティックアルゴリズムの一つである遺伝的アルゴリズムNSGA-IIをベースにした,準パレート最適解を迅速に探索するためのアルゴリズムの提案を行う.最後に,アルゴリズムの有効性を評価するために,京都市東山区にある30ヵ所の観光地を対象に提案アルゴリズムを適用することで,出力される解が有意であり現実的な計算時間で算出できることを示す.

4E-3 (時間: 8:50 - 9:10)
題名人の回避行動を考慮した移動ロボットの経路計画法の検討
著者*浅井 悠佑 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 840 - 845
キーワード人, 経路計画, RVO2, ロボット, 移動体
アブストラクト現在,人とロボットが身近に触れ合う機会が増えており,人に対してロボットが安全な制御をすること,つまり,Human Firstなロボットが求められている. 人に対して安全な移動ロボットを開発する上で重要なことの1つとして,人の回避行動をモデル化,予測をして,事前に人との衝突を防止することである. 本研究では,人の回避行動を4つに分類し,それぞれの回避行動に合わせた,効率的かつ安全な局所的経路計画法を提案する. 実験ではシミュレーションを用いて,既存手法と提案手法の比較を行った. シミュレーションの結果,提案手法は,既存手法に比べて,早くかつスムーズに人を回避しながら目的地に到達することが確認できた.

4E-4 (時間: 9:10 - 9:30)
題名GPSデータに基づく日常生活における特別な行動の検出
著者*小林 誠 (岡山大学 大学院ヘルスシステム統合科学研究科), 原 直 (岡山大学 大学院自然科学研究科), 阿部 匡伸 (岡山大学 大学院ヘルスシステム統合科学研究科)
ページpp. 846 - 853
キーワードライフログ, 思い出振り返り, GPSデータ, 日常の中の非日常, 外れ値検出
アブストラクト本報告では,日常生活における特別な行動を検出する方式を検討する.日常生活における特別な行動とは,飲み会や,買い物など,日常生活とは少し違う行動のことを指す.このような行動をした日を,「日常の中の非日常」と呼ぶ.「日常の中の非日常」は旅行などのような「非日常」と比較して忘れやすい傾向があると考えられる.「日常の中の非日常」を検出することで,新たな気づきや発見がある思い出を振り返ることができる.本報告では,ライフログとして記録されたGPS (Global Positioning System)データを用いて「日常の中の非日常」を検出する方法を提案した.提案手法は,1日ごとのデータを行動パターンが似ているクラスタに分割し,クラスタリングにおける外れ値を「日常の中の非日常」として検出するという方法である.検出精度の評価として,異常標本精度と正常標本精度が一致する点での分岐点精度による評価をおこなった.評価結果としては,参加者4名中2名の分岐点精度が80%以上となり,提案手法の有効性が示された.また,適合率の評価によりランダムに異常判定するよりも,提案手法により異常判定したほうが良い性能を示すことがわかった.


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セッション 4F  生活行動
日時: 2019年7月4日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 遊舞・三の遊
座長: 神崎 映光 (島根大学)

4F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名モンテカルロ木探索によるユーザ個人の嗜好を考慮した経路推薦手法とその評価
著者*石崎 雄太 (早稲田大学), 高山 敏典 (ゼンリンデータコム), 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 854 - 862
キーワード経路推薦, モンテカルロ木探索, UCT, SVM
アブストラクトスマートフォン,タブレットの普及によって,経路推薦・案内サービスは一般的なものとなった. 従来のインターネット上で提供されてきた経路推薦・案内サービスでは,経路長・所要時間・料金の点で最適化した経路を推薦するサービスが主流である. これらのサービスでは異なるユーザでも同一の経路が推薦されることになるが,各ユーザは安全性や快適性の面から多種多様な嗜好を有している. ユーザ個人の嗜好を経路推薦に反映させ,そのユーザ好みの経路を推薦することが強く望まれる. 一方で,ユーザ個人の嗜好は極めて曖昧で複雑なため,その評価が困難であるといった課題がある. 本稿では,モンテカルロ木探索をベースにユーザ個人の嗜好を考慮した経路推薦手法(P-UCT手法)を提案する. 提案手法では,まず初めに,ユーザの経路推薦履歴から特徴量を抽出し,Support Vector Machine (SVM)で評価器を作成する. その後,モンテカルロ木探索で出発地点から目的地点までのランダムな経路を生成して,それらの経路がどの程度ユーザの嗜好に適合しているかを評価器によって判断する. このランダム経路の生成・評価を繰り返し実施することで,最終的に,ユーザの嗜好に最も近いと評価された経路が出力される. 実験の結果,既存手法と比較して,提案手法が推薦した経路の平均評価点が上回る結果となった.

4F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名スマートメーターとHEMSを利用した実住宅での生活行動推定
著者*佐野 芳樹, 松方 直樹, 酒井 貴洋, 増田 陸, 濱本 望絵, 杉村 博, 一色 正男 (神奈川工科大学)
ページpp. 863 - 868
キーワード行動推定, HEMS, ECHONET Lite, スマートメーター, IoT家電
アブストラクト近年日本では,一般家庭へのスマートメーターの導入が進んでいる.スマートメーターは自動検針や遠隔操作などの機能を備えており,新サービスの創出が期待されている.スマートメーターを用いることで,電気の見える化が可能となる.また,IoT家電製品の普及も進み動作状態や消費電力の確認が可能となっている. そこで,IoT 家電機器やインフラ設備を「人行動センサ」として利用することによる,高齢者(生活者)に合わせた生活の見守りを行う「IoT(HEMS)利用の高齢者高度見守りシステム」を提案する.第一段階として,本研究では実住宅を対象としたログデータ収集システムを構築し,収集ログデータから導出した高齢者見守りシステムの基盤技術となる生活行動推定の内容について検証と考察を実施する.

4F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名コミュニケーションロボット内のログデータを用いた生活見守りサービスの検討
著者*布施 宏樹, 村田 龍一, 植竹 活夫, 中村 怜央, 奥村 万規子, 一色 正男, 安部 惠一 (神奈川工科大学)
ページpp. 869 - 873
キーワードコミュニケーションロボット, ログ解析, 生活見守り, ECHONET-Lite
アブストラクト日本では高齢化社会により独り暮らしの高齢者の孤独死等が社会問題となっている.このため,遠隔地の親戚や家族から独り暮らしをする高齢者の生活状況を見守れるシステムの要求が高まっている. そこで,本研究では高齢者の生活見守りシステムとしてコミュニケーションロボットの活用に着目した.自然会話機能や家電の遠隔制御機能等を実装したコミュニケーションロボットを開発し,単身の高齢者に設置するサービスを検討した.見守り対象の高齢者とコミュニケーションロボットとの会話内容などをログデータとして記録・分析することで,高齢者の生活行動がどの程度正確に把握できるかプロトタイプ開発を行い評価した.

4F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ビーコンを利用した福祉施設向け見守りシステムの開発
著者*牧田 岳大, 中谷 啓太 (鳥取大学大学院 持続性社会創生科学研究科), 高橋 健一, 菅原 一孔, 川村 尚生 (鳥取大学 工学部付属クロス情報科学研究センター)
ページpp. 874 - 881
キーワードBluetooth, iBeacon, 位置推定
アブストラクト障害者支援施設において入居者の無断外出や徘徊が問題となっている.無断外出や徘徊は入居者が 事件・事故に巻き込まれる原因となるため,施設の職員が入居者の所在を把握しておく必要がある.そこ で,ビーコンを利用した見守りシステムを開発した.本研究では,以前に障害者支援施設職員に対して実 施されたアンケートをもとに,「問題行動の検知」に焦点を当て,システムに実装されるべき機能を検討し た.そして問題行動検知と職員への通知機能と WebUI 上のグラフによる問題行動の確認機能を設計・実 装し、これらの機能が正常に動作するかどうかを実験により検証した.


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セッション 4G  映像配信
日時: 2019年7月4日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 遊舞・一の遊
座長: 江木 啓訓 (電気通信大学)

4G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名ゲームコンテンツのインターネット生放送における放送者間コラボレーション手法の提案
著者*堤 周太, 西岡 大, 齊藤 義仰 (岩手県立大学院 ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 882 - 888
キーワードインターネット生放送, ゲーム配信
アブストラクト近年,ゲームをプレイする様子をインターネット生放送で配信する需要が増加してきている.中でもマルチプ レイゲームと呼ばれる,複数人で協力対戦するタイプのゲームが多く視聴される傾向にある.一般的な生放送サイト では,マルチプレイゲームを放送する際,複数人がそれぞれ独立した放送を立ち上げる必要がある.複数の放送者が 同じゲームを協力してプレイしているのにも関わらず,視聴者とコメント欄がそれぞれの放送で分散してしまった結 果,コミュニケーションが十分に行えないという問題があった.本研究では,分散した複数の放送を 1 つにまとめる 放送者間コラボレーション手法を提案し,放送者間の通話・画面共有及びコメント欄の統合により視聴者のコミュニ ケーション量増加を図る.評価実験の結果,本提案システムでは視聴者のコミュニケーション量向上,放送者のゲー ム体験の向上が確認されたが,放送者と視聴者間でのコミュニケーション量は減少することが確認できた

4G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名360度インターネット生放送における視聴者POVの分析
著者*高田 真也, 西岡 大, 齊藤 義仰 (岩手県立大学 大学院 ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 889 - 894
キーワードインターネット生放送, 360度, POV, 全方位カメラ
アブストラクト近年,インターネット生放送サービスが普及し,多くのユーザが利用するようになった.また,新たな放送形式として,全方位カメラに対応した360度インターネット生放送も登場してきている.360度インターネット生放送において視聴者は,自身の興味や関心に合わせて自由に視聴方向を変更することができる.一方で,360度インターネット生放送では視聴者の視聴している方向を放送者が把握することができないという問題がある.視聴している方向は視聴者の興味や関心,話題の中心を示す情報であり,把握できない場合,円滑なコミュニケーションが阻害されてしまう可能性がある.本研究では,視聴者の視聴方向であるPOV(Point Of View)を用いて視聴者の興味や関心が向けられている方向を抽出するアルゴリズムについて提案する.

4G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名360度インターネット生放送におけるスタンプを用いたコミュニケーション支援システムの開発
著者*齊藤 義仰, 葛巻 葵伊, 八幡 恭大, 西岡 大 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
ページpp. 895 - 900
キーワード360度動画, インターネット生放送, コミュニケーション支援
アブストラクト360度インターネット生放送には,視聴者の視聴方向を,放送者が把握することができないという問題がある.ある視聴者が放送者の視野外の対象について言及すると,放送者は何についてのコメントか理解できない可能性がある.コメントが理解できない場合,円滑なコミュニケーションが困難になると考えられる.本稿では,モバイル環境下で360度インターネット生放送を用いた実験を行い,円滑なコミュニケーションを困難にする原因を明らかにする.その解決手法として,360度インターネット生放送におけるスタンプを用いたコミュニケーション支援システムを提案する.また,プロトタイプシステムを実装し,提案システムがコミュニケーションの円滑化に有効であることを明らかにする.

4G-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名常時遠隔接続のためのプライバシーを考慮したアウェアネス提示手法
著者*河島 健司, 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部吉野研究室)
ページpp. 901 - 907
キーワード遠隔存在感, 遠隔会話, CSCW, ビデオ会議, 遠隔協調作業
アブストラクト複数の遠隔地間で対話環境を半永続的に維持する遠隔会話の研究がなされてきた.しかし,(1) 空間 同士をそのまま接続しているため,誰が誰と何を話しているかをシステム利用者全員が聞くことができ, 気軽に雑談しづらい.(2) 会話内容や対話相手を秘匿すると,アウェアネスが不明確であるため,相手がど ういう状態であるのか直感的にわからないという問題がある.本研究では,自分が遠隔会話したいの相手 が,別の相手と会話をしている時に,音声や映像に制限がある場合でも,話しかけても問題ないタイミン グの決定や,会話の雰囲気の理解を助ける情報を提示するシステム機能の開発を行った.本研究の目的は, システム機能が,(1) 会話のタイミング決定を助ける,(2) 会話の雰囲気理解を助ける,ことの検証である. システムの機能として,(1) 一定間隔ごとにリアルタイムの映像から過去の映像として表示するログ,(2) 対話先の声の大きさをリアルタイムに可視化したグラフ,(3) 一定間隔ごとの声の大きさの推移を可視化し たグラフ,を提示する.実験の結果,(1) 過去の写真を表示することで,対話先の人物の表情や行動の遷移 を把握し,話しかけるタイミングや雰囲気の参考にすることができる.(2) リアルタイムの音量の可視化 は,話しかける意思決定をするためには有用な手段である.ことを示した.


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セッション 4H  ユーザブルセキュリティ
日時: 2019年7月4日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 楽舞・一の楽
座長: 畑島 隆 (NTTセキュアプラットフォーム研究所)

優秀論文賞 / Paper Awards
4H-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名Private Cloud Storage: クライアント側暗号化と安全かつユーザブルなユーティリティ機能の両立
著者立川 彰宏, *金岡 晃 (東邦大学)
ページpp. 908 - 922
キーワード暗号化, クラウドストレージ, ユーザビリティ
アブストラクトクラウド環境とスマートフォンの発展、セキュリティ・プライバシーの意識の高まりに伴い、エンド間暗号化(E2E暗号化)を代表としたクライアント側暗号化がこの10年で急速に進んできた。 クライアント側暗号化を採用した場合、クラウド側が提供する検索やソーティング、複数端末での利用、他のユーザとのデータ共有といった多岐にわたるユーティリティ機能の活用が制約を受ける。 その解決のための手法として、検索可能暗号や順序付き暗号など、データを暗号化したまま処理が可能な技術に注目が集まっている。 しかしこれらを実際にアプリケーションに適用してその有効性を議論した例は少ない。特にユーザビリティの視点でこういった技術が議論されることはほとんどなかった。 そこで我々はクラウドストレージに焦点を当て、クライアント側で複数の暗号技術を組み合わせ既存のクラウドストレージサービスと緊密に連携可能な安全かつユーザブルなクラウドストレージを実現するアプリケーションを提案する。そして提案アプリケーションの試作と評価を行い、有用性を示す。 我々が提案したアプリケーションは、クライアント側でのファイル暗号化と安全な検索・ソート・他のユーザとのフォルダ共有を実現した。そしてユーザ実験の結果、提案アプリケーションのユーザビリティが高いものであることを示した。 また、実装とユーザ実験を行うことで、コンテンツにクライアント側暗号化を施しつつユーティリティ機能を安全に実現する際の複数の課題が新たに明らかになり、この分野の応用研究に必要性を新たに示すことができた。

4H-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名スマートフォン利用時の不快感を用いた危険なWebサイトに対する警告インタフェースの実装
著者*大塚 亜未 (津田塾大学), 藤原 康宏 (兵庫医科大学), 村山 優子, 青柳 龍也 (津田塾大学)
ページpp. 923 - 927
キーワードアウェアネス, 不快, スマートフォン, ユーザインタフェース
アブストラクトインターネットユーザは常にウィルス感染や不正アクセスといった脅威に晒されている.また,スマートフォンでのインターネット利用率が高まり,スマートフォンを狙う脅威が急増している.こうした中で,危険な状況にあることをユーザが認識せず,安心して利用しているという問題が指摘されている.危険を回避するためには,ユーザ自身による危険へのアウェアネスが重要である.これまで,コンピュータおよびインターネット利用時の不快な要因を明らかにし,ユーザに不快感や違和感を与えることでユーザの自発的な危険回避を支援する,「不快なインタフェース」の設計と開発を行ってきた.しかし近年では,スマートフォンを狙う脅威が急激に増加したことが報告されている.先行研究では,スマートフォン利用時の不快の5要因を抽出し,コンピュータ利用時の不快要因とは異なることが明らかとなった.本稿では,スマートフォンでのWebブラウジング時に危険なWebサイトへ移動しようとした際に,5つの不快要因それぞれを用いてユーザに不快感を与え,危険なサイトへの気づきと回避行動を促すことを目的とした警告インタフェースの実装について述べる.

4H-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名ライフスタイル認証・解析 実証実験2019(その1)レポート
著者*重田 信夫, 小林 良輔 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 佐治 信之 (コードノミー/インフォコーパス), 藤尾 正和, 高橋 健太 (株式会社日立製作所 研究開発グループ), 山口 利恵 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 928 - 934
キーワードライフスタイル認証・解析, スマートフォン, プライバシー保護, 実証実験
アブストラクト“ライフスタイル認証・解析”は個人の行動パターンに基づく情報で認証する技術であり,さまざまな行動支援や,個人向けサービス提供などの実現を目指すものとして提案している.2017年1月〜4月には,5万人規模の実証実験2017を実施し,GPS,Wi-Fi,アプリの閲覧履歴,活動量など,多様かつ大量のデータ取得に成功し,解析技術の向上に貢献した.この実験の成果を受け,行動データを元に認証アルゴリズムを開発・実装し,今後の個人向けサービスと連携させることを目指し,2019年1月〜4月にライフスタイル認証・解析の実証実験2019を実施した.ここではスマートフォンにより収集した位置情報,Wi-Fi情報を中心に認証結果をタイムリーに評価し本人にフィードバックすることや,スマートフォン所持者が代わった場合の影響等を検証した.本稿では,本実験の概要とその到達点について報告する.

4H-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名アモーダル補完を応用した文字型CAPTCHAの生成手法の検討
著者上妻 拓也 (千葉大学大学院融合理工学府), *梅澤 猛, 大澤 範高 (千葉大学大学院工学研究院)
ページpp. 935 - 941
キーワードCAPTCHA, アモーダル補完, CNN
アブストラクトWebサービスの悪用を防ぐためにCAPTCHA(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart)を使ったボットと人間の判別が広く行われている。一般的に文字型CAPTCHAが利用されているが、機械学習を応用した自動文字認識技術によってボットに突破されてしまう事例が増加している。本稿では、視覚の補完機能であるアモーダル補完を応用し、人間には負担が少なく、自動文字認識には攻撃コストと難度が高いCAPTCHAを生成する手法について検討を行った。対象とするCAPTCHAは、背景色の図形によって文字の一部を欠けさせた欠損画像と、欠損画像上の欠けた部分を覆い隠すことができる図形を描画したマスク画像の2枚を提示する形式をとる。欠損部にマスクがかかるように2枚の画像を重ね合わせると、アモーダル補完の効果により人間にとっては容易に文字認識ができる。画像の重ね合わせ操作は、ボットが攻撃に必要とするコストを増大させると期待できるが、欠損画像のみから文字認識されると効果がない。そこで、ノイズの付加、ノイズ集合の混入、文字幅・間隔の可変化の3つの難読化手法を使った文字型CAPTCHAについて検討し、生成した欠損画像に対してConvolutional Neural Network(CNN)による自動文字認識率を調べた。また、画像の重ね合わせと操作が、ユーザに対してどの程度負荷となるか、正解率に影響があるかを調べるため、ユーザによる文字列読み取り実験も行った。


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セッション 5A  ユビキタスデジタルトランスフォーメーション
日時: 2019年7月4日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 風の杜
座長: 寺田 努 (神戸大学)

5A-1 (時間: 10:30 - 11:10)
題名(招待講演) 万有情報網 〜デジタル技術で変容するモノと空間〜
著者川原 圭博 (東京大学)
ページp. 942

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
5A-2 (時間: 11:10 - 11:30)
題名スマートビルにおけるトイレ個室利用状況の可視化と予測手法の提案
著者*小林 美貴, 山下 雄一郎, 洞井 晋一 (西日本電信電話株式会社)
ページpp. 943 - 949
キーワードIoT, EnOcean, 人流誘導
アブストラクトトイレの使用状況を可視化すると利用者の利便性を向上させることはできるが、混雑の緩和にはあまり影響を与えられない。混雑を緩和し設備の有効活用を実現するためには、どのトイレが最も早く空室になるかを利用者に情報提供することで人員を誘導する必要がある。本研究では空室を予測するため、統計による予測方法とRandomForestを用いた予測方法を提案した。統計による予測方法は30%程度の回答率であったが、RandomForestを用いた予測手法の精度は78%であった。この予測手法を用いれば、人員を誘導し混雑を緩和できると考えられる。

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5A-3 (時間: 11:30 - 11:50)
題名複数種類の太陽電池を用いたバッテリーレス場所推定システム
著者*菅田 唯仁 (奈良先端科学技術大学院大学), 荒川 豊 (九州大学/JSTさきがけ), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 950 - 956
キーワード環境発電素子, 屋内場所推定, エナジーハーベスティング, 組み込みシステム, ウェアラブル
アブストラクト我々は,ライフログのうち場所情報を取得するために低消費電力で部屋レベルの位置を認識するシステムとして,環境発電素子をセンサとして用いた場所認識システムを提案している.我々は環境発電素子の中でも太陽電池に着目しており,以前の調査で,太陽電池は受光量や受光波長によって発電量が変化し,太陽電池の材料によってその特性に違いがあることが示されている.そのため,場所によって光源が異なれば太陽電池の発電量の違いからその場所を識別可能となる.しかしながら,発電量の違いに基づいた行動や場所の認識の可否の検証に焦点をあて,発電量の計測にはバッテリを必要とするマイコンボードを用いていており,発電した電力を電源として利用するには至っていなかった.これは室内における発電量の観点から,発電した電力を用いてその発電量(電圧)を計測することが非常に困難だからである.この問題を解決するため,従来の発電量計測モデルを根本的に見直し,エナジーハーベスティングも考慮して複数の環境発電素子を場所認識のためのセンサかつ電源として利用可能にしたシステムを提案・設計・実装した.このシステムは,発電量を直接計測するのではなく,メモリの書き込みに必要な電力を貯めてタイムスタンプを書き込む.この動作を繰り返すことで,単位時間あたりのタイムスタンプの書き込み回数から単位時間あたりの発電量を間接的に計測する.本論文では,記録された発電量から場所の認識を行った結果,高精度の推定結果が得られたので以下に報告する.


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セッション 5B  IoT (2)
日時: 2019年7月4日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 花舞・一の花
座長: 加藤 由花 (東京女子大学)

5B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名UAV協調型センシングにおける探索効率の向上について
著者*伊藤 太清 (島根大学大学院自然科学研究科理工学専攻), 神崎 映光 (島根大学学術研究院理工学系)
ページpp. 957 - 962
キーワードUAV, センシング, 移動制御, 無線通信
アブストラクト本稿では,大規模災害発災直後において,さまざまな機関および個人の所有するドローンなどのUAV(Unmanned Aerial Vehicle)を積極的に利活用して被災地の探索を行うUAV協調型センシングにおいて,筆者らの研究グループにおいて提案した手法の拡張を行い,探索効率を向上させる手法を提案する.提案手法では,各探索地点の探索頻度を示す新たな指標を導入し,またUAVが被災地域内を探索する移動経路を定める判断基準に改良を加えることにより,探索対象領域全体を頻繁に,かつ偏りなく探索する.さらに本稿では,シミュレーション実験により提案手法の有用性を確認する.

5B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名社会センサデータ生成・共有基盤におけるデータ生成時間短縮のための社会センサ実行時刻決定手法
著者愛甲 善之助, *義久 智樹, 原 隆浩 (大阪大学)
ページpp. 963 - 970
キーワードストリーム処理, ストリームデータ
アブストラクト近年,携帯型端末の普及により,SNS(Social Networking Service)が広く利用されている.筆者らの研究グループでは,SNS 等(外部データソース)に投稿された短文や写真の解析プログラムと,解析結果のデータ(社会センサデータ)を関連付けて共有するためのプラットフォーム,S3 システムを研究開発してきた.S3 システムにおいて,外部データソースにデータを要求してから社会センサデータの生成を完了するまでにかかる時間(周回内社会センサデータ生成時間)が短いほど,リアルタイム性の高い社会センサデータを生成できる.しかし,各社会センサの実行間隔が短すぎると,同時に複数の社会センサが実行されることになって社会センサデータの生成にかかる時間が長くなる.そこで本研究では,効率的に社会センサを実行するための実行時刻決定手法を提案する.提案手法では,各社会センサの社会センサ実行間隔に上限を設け,後の周回で実行しても上限内に実行できる社会センサの実行を中止する.評価の結果,社会センサ実行間隔と周回内社会センサデータ生成時間を短縮できることを確認した.

5B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名姿勢推定と RNN を用いた動画動作識別手法の調査
著者*高崎 智香子 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 971 - 978
キーワード機械学習, 深層学習, 分散処理, OpenPose, Keras

5B-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名An Implementation of Video Surveillance Systems with Progressive Quality Improvement Approach
著者*Chaxiong Yukonhiatou (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University), Tomoya Kawakami (Nara Institute of Science and Technology), Tomoki Yoshihisa (Cybermedia Center, Osaka University), Yuuichi Teranishi (National Institute of Information and Communications Technology/Cybermedia Center, Osaka University), Shinji Shimojo (Cybermedia Center, Osaka University)
ページpp. 979 - 984
キーワードStream data collection, Video processing, Data analysis, Image quality, Camera system
アブストラクトDue to the widespread of video surveillance, real-time detection systems for humans or cars are deployed in many places such as airports, banks, and parking spaces. In many of these systems, the cameras continuously send their original quality images to the processing computers via networks such as hight resolution images. However, the high quality images require high performance or large communication traffic to be processed and cause serious problems to the processing computers and networks. The quality improvement is one of approaches to reduce the communication traffic in the surveillance systems. For example, the number of installed cameras can be increased as the communication traffic decreases or the processing computer can faster to find a thief recorded in image data got from cameras with a faster transmitting image data from cameras to the processing computers. Therefore, we have proposed the method which reduces the communication time and traffic based on progressive quality improvement (PQI) approach. In this paper, we describe our system implementation and performance experiment of our proposed method.

5B-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名クラウドとセンサの統合システム管理方式
著者*串田 高幸 (東京工科大学コンピュータサイエンス学部)
ページpp. 985 - 991
キーワードクラウド, センサ, IoT, システム管理
アブストラクトクラウドは, IT で自動化や省力化において中心のサービスとして位置づけられている.また, IoTでは,センサを使った多くのアプリケーションやソリューションの実用的な利用がはじまっている.クラ ウドにおいて,センサをプロダクション・システムの一部として利用するとき,センサ・データの信頼性を確保する管理やアプリケーションやソリューションからアクセスを容易に可能にするためのインターフェイスが必要になる.この論文では,クラウドの拡張機能として,センサの管理を統合することによってクラウド上でセンサを扱いやすくするための統合管理アーキテクチャと,その実装方式について述べる.クラウド・ユーザは,提案方式を使うことでセンサをプロダクション・システムに利用することができる.


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セッション 5C  センシング
日時: 2019年7月4日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 花舞・三の花
座長: 稲村 浩 (公立はこだて未来大学)

5C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名学生の自己調整学習を支援するセルフモニタリングシステム検討
著者*小安 宗徳 (東京電機大学/情報環境学研究科), 篠 一慶 (東京電機大学/情報環境学部), 佐藤 妙, 青木 良輔, 有賀 玲子, 渡部 智樹, 犬童 拓也 (日本電信電話株式会社/NTTサービスエボリューション研究所), 大島 直樹, 武川 直樹 (東京電機大学/システムデザイン工学科)
ページpp. 992 - 999
キーワード自己調整学習, セルフモニタリング, ICT
アブストラクト我々は研究活動を行っている大学生の自己調整学習を,セルフモニタリングを使用して支援を行うことを目指している.自己調整学習に不慣れな大学生の特徴を明確化する為,17名の学生を分析した.分析した学生の性格から,自己著製学習に不慣れな大学生のペルソナを2種類抽出し,研究活動におけるステップの仮説を構築した.構築した仮説から,学生に研究活動を促進するセルフモニタリングを促す,通知システムを構築した.通知方法は大学構内での滞在場所を基に通知を行い,セルフモニタリングさせるものである.大学生4名に対して1週間のユーザテストを行った.その結果,セルフモニタリングの回答結果から,”論文調査”などの準備段階の推定が示唆された.また,セルフモニタリングを行わせることで,研究にかかわる行動と研究を行う意識を促進することが示唆された.

5C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名人の移動によるRFIDの位相とRSSI変化を用いたモノの属性推定
著者*扇田 幹己, 梶田 宗吾, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院情報科学研究科)
ページpp. 1000 - 1010
キーワードIoT, RFID, スマートスペース, センサ管理
アブストラクトスマートホームやオフィスなどでは,人の位置や行動,コミュニケーションを把握することに加え, その空間内におけるモノのおおよその位置や属性をシステムが理解することで,人間の社会活動や生活を より適切に支援することが可能となる.例えば,食器や食品・本や小物などの位置やそれらの移動を情報 システムが把握できれば,それに基づくより精度の高い行動認識や健康生活支援といったユビキタスサー ビスが実現できる.近年,実店舗等で大量のモノを管理するために用いられる小型のパッシブ RFID タグ を用いることでモノの存在は把握できるものの, それらの属性をシステム側で把握するためには,タグ とモノとの対応関係を逐一システムに与える必要がある.しかし,空間内に溢れる実世界のモノたちを逐 一システムに登録する作業はヒューマンエラーやコストの観点からも望ましくない.本研究では,RFID タグを貼付したモノの属性を自動で推定する手法を提案する.提案手法では,複数のアンテナを用いた RFID タグリーダおよびパッシブタグを用い,空間内の人の活動により生じる RFID の電波変動を特徴量 とした分類を行うことで,モノ同士の空間的な近似性を導出するとともに,人によるモノの移動を位相変 化で検出することで,モノが使われた時刻や移動量等(使用状況)を導出する.これらの情報から,空間 内において RFID タグが貼付されたモノが何かを推定する.1 人の居住者が活動する 21m2 のオフィス環 境で 10 属性のモノの 1 日のデータを取得する実験を実施した結果,それらの属性について自動分類を実現 できた.これにより,空間内に新たに導入されたモノがどの属性に属するかを自動把握し,ID とモノの属 性対応を自動で推定できることを示した.

5C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名主幹電力時系列データからの家庭内行動推定手法
著者*石津 紘太朗, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1011 - 1020
キーワード家電推定, 主幹電力, スマートホーム
アブストラクトセンシング技術の目覚ましい発展を背景に,家庭内にセンサを設置し居住者の家庭内行動を認識することで,みまもり,ヘルスケア,日常生活における異常行動検知,生活改善アドバイスなどのサービスが期待されている.しかし,家庭へのセンサー設置はプライバシ懸念のために社会的な受容度は高くなく,特にカメラなどは敬遠される傾向にある.安価な人感センサ等を宅内の各所に設置する手法も多くみられるものの,サービスの実運用においては複数センサの位置管理や死活監視など,設置やその後の運用にかるコストが無視できない.そこで本研究では,スマートメータ等から定期的に取得される家庭の総消費電力(主幹電力)データのみを用いて家庭内の大まかな行動パターンを推定する低コストかつ非侵襲な推定手法を提案する.スマートメータ等から得られる電力値は数十秒から1分間隔といった低粒度であり,かつ家電の待機電力や給湯器・温水洗浄便座といった宅内電気設備の消費電力の総量であるため,既存の家電推定手法が前提とする1秒未満間隔の高粒度電力値は利用できない.これに対し,提案手法は調理時間中や睡眠時間中にみられる主幹電力の大まかな増加や減少を特徴量とし,隠れマルコフモデルを用いた行動分類を行う.電力関連企業の協力のもと,実在する5世帯から得られた主幹電力値およびその真値を用いた実験を行うとともにアンケートで見守りサービでの情報の重要度を測り特に重要である睡眠,外出,調理において75%以上で分類できた.

5C-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名着座時の臀部圧力分布を用いた人物同定手法の評価
著者*林 健太, 石田 繁巳 (九州大学システム情報科学研究院), 田頭 茂明 (関西大学総合情報学部), 福田 晃 (九州大学システム情報科学研究院)
ページpp. 1021 - 1026
キーワード人物同定, 圧力センサシート, 機械学習, 臀部圧力
アブストラクト近年,多くの人々の「座位時間」が長時間化している. 座位行動の研究では,1日に座っている時間の合計が長くなるにつれて総死亡リスクが高まると報告されている. このような健康リスクに対応するため,個人の座位時間を管理するスマートチェアが提案されているが,同じ椅子に同じ人物が座ることが想定されて作られている. 実際には違う人物が座る可能性があるため,座っている人物を同定する必要がある. 本稿では,着座時の臀部圧力分布を用いた人物同定手法を提案する. 着座時の臀部圧力分布には圧力の大きさや面積などに個々人の特徴が現れる. そこで座面に取り付けた圧力センサシートより取得した臀部圧力分布から抽出した特徴量を用いて機械学習により人物同定を行う. 少人数集団における人物同定を行った結果,平均で0.915という精度での同定が可能であることを確認した.

5C-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名労働衛生に関するアンケートとモバイルセンサデータの統合的・継続的な収集
著者*谷 優里, 松田 裕貴 (奈良先端科学技術大学院大学), 荒川 豊 (九州大学), 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 1027 - 1034
キーワードワークエンゲージメント, ウェアラブルデバイス, データ収集, 健康管理
アブストラクトこれまで人間の生理,心理状態等に関するデータ収集において,設置型センサの導入や質問票を用いた手法による計測が行われてきた.しかし,この手法は被験者への負担が大きく実用的ではないため,継続的なデータの収集は困難である.近年,IoTやセンシング技術の高度化により,小型センサやウェアラブルデバイス等を用いた簡易的なセンシングが可能になった.そこで我々は,より簡易的で汎用的なセンシング手法の構築を目的として.オフィスワーカーの心身・環境センシングのためのスマートフォンアプリケーションを開発し,一般企業5社60人のオフィスワーカーを対象に2〜3週間の実験を行った.本稿では開発したアプリケーションのシステム・実験手順の説明に加え,実験で得られたデータを俯瞰しデータにおける様々な特徴についてまとめる.


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セッション 5D  ITS通信
日時: 2019年7月4日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 花舞・五の花
座長: 石原 進 (静岡大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
5D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名車両移動による無線チャネル状態情報の変化を利用した歩行者の角度推定及び高精度測位法の提案と評価
著者*駒宮 亘, 小花 貞夫, 湯 素華 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
ページpp. 1035 - 1043
キーワード歩行者測位, チャネル状態情報, 電波到来角度
アブストラクト歩行者が携帯端末で自位置を周囲の車両へ配信する歩車間通信は,歩行者事故を防止できるものの,その効果が歩行者の測位精度に大いに依存する.都市部ではGPS単独測位精度が大幅に劣化しうる問題に対して,筆者らは,衝突事故を防止するために車両の位置情報を配信する車車間通信の信号を歩行者の携帯端末で傍受して,受信信号から歩車間の距離・角度を推測することで,GPS衛星に加え車両を基準点として測位を行う方式を提案したが,高精度な角度推定のためには携帯端末に多数のアンテナが必要となる.本稿では,車両の移動によるチャネル状態情報の時間変化から,角度を正確に推定し,それを用いて測位精度を改善する方式を提案する.3Dレイトレーシングシミュレーションにより,6アンテナを使用した先行方式と比べ,単一アンテナの提案方式で角度推定誤差を15度から5.7度,測位誤差を6.42mから3.49mに削減できることを確認した.

5D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名ネットワーク化された路側拠点による車両認識メッセージの広域送信
著者*大井 貴晴, 北沢 昌大, 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 1044 - 1050
キーワードITS, Proxy CAM, ルーティング
アブストラクト自動運転車が実際に公道を走る社会が実現された際に、各自動車は外部との通信を行い情報を交換しあうようになることが想定されている。このように車両同士が交通情報を共有するシステムをCITS(Cooperative Intelligent Transport System)と呼び、各車両は自車位置などの情報をCAM(Cooperative Awareness Message)というメッセージによって共有する。さらに、関連研究のひとつとしてProxy CAMシステムがある。本研究ではProxy CAMシステムを用いて送信範囲の拡張、安全性、低遅延という要件を満たすべくGrid Proxy CAMシステムと、その中で動作するDistance Priorityアルゴリズムを提案する。シミュレーションの結果、これらの提案手法が要件を満たすことが示された。

5D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名協調型自動走行における集団認知のためのMQTTメッセージの削減
著者*長嶋 秀幸, 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 1051 - 1056
キーワードITS, 協調認知, MQTT
アブストラクト自動運転において,車々間通信により車両の動的な情報をやり取りすることで道路交通の安全性を向上させることができ,今後自動車には無線通信を行う機器が搭載されていくだろう.現在普及している方法は専用の無線を用い,アドホックな方式を取っている.これに加えて自車両の周囲の物体情報も付加して送信する研究や広域な情報の送信を行うためにマルチホップで情報を送信する研究が存在する.全ての車両が互いの情報を共有していることが理想的だが,やり取りされるデータ量の多さからネットワークへの負荷が問題となる.本研究ではこの問題を解決するためにアドホックな方法ではなく外部のサーバを経由し効率的に物体情報を共有する手法を提案する.物体情報を一定の区間ごとに分割して管理し走行ルートに従って情報を取得することで効率的なデータ配送をすることを試みている.また情報を収集した段階で重複した物体の情報を削除することで送受信されるデータ量自体の削減も行っている.

5D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名走行状態を考慮した効率的車両情報送信手法の提案と評価
著者*岸田 慎之介, 英 翔子, 佐藤 健哉 (同志社大学大学院 理工学研究科 情報工学専攻)
ページpp. 1057 - 1061
キーワードITS, V2X通信, モバイルネットワーク, LTE
アブストラクトITSの分野において,車両同士で通信したり,路側機と通信したりすることが可能になっているだけでなく,インターネットと通信を行うことも可能になっている. 本研究では,車両がインターネットと通信が可能な環境下において,車両台数が多い,道路環境では通信トラフィックが増大し,通信遅延の増加を問題として挙げた.提案手法では各車両は一定時間ごとに速度情報を取得し,その情報をもとに,事前に用意された車両の走行状態を決定する.決定した車両の走行状態によって通信するかどうかを判断することで,通信トラフィックの削減を行った. シミュレーション環境を構築し,車両の走行状態を考慮しない手法とパケット受信率,1秒あたりの通信トラフィック量,通信遅延を評価して比較を行った.提案手法は車両の走行状態を考慮しない手法と比較して,パケット受信率の向上と通信トラフィックの削減を確認した.また,通信遅延に関しても,提案手法では通信要件で求められている条件を満たしていた.これらの評価の結果より,提案手法は通信の効率化に有用であることが示した.

5D-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名スマートフォン測位ノイズの簡易除去手法
著者*松原 剛 (東京大学地球観測データ統融合連携研究機構), 金杉 洋, 柴崎 亮介 (東京大学空間情報科学研究センター)
ページpp. 1062 - 1065
キーワード位置情報, Wi-Fi測位, 基地局測位, ノイズ除去, 人流解析
アブストラクト人々の移動を把握・解析する手段として,スマートフォンによる測位が一般的になっている.しかし,観測された移動履歴には様々な要因による測位ノイズが含まれており,解析の妨げとなっている.移動軌跡が急激に変化したり,全く同じ座標が何度も観測されたりした際には測位ノイズが混入していると思われるが,これらの不自然な動きをする箇所をノイズとみなし,除去するための様々なノイズ除去フィルタが考案されているが,これらの手法は過去の移動軌跡からの比較差分の計算が必須となる.比較的容易な計算量ではあるものの,ビッグデータ解析,人流ビジュアライゼーション,機械学習・深層学習といった多量の移動軌跡を一度に処理する必要がある場合においては,クレンジング処理に割くコストを少しでも減らすことが求められる.そこで,本研究では,GNSSや複数の電波を捕捉して測位された値は,たとえ同じ場所で測位した場合でも小数点以下の精度で完全に一致することは考えにくい特徴を持つことから,移動軌跡中に全く同じ座標が現れた場合には,それらの座標を「疑わしい測位」と定義し,マーク・除去することで,簡易的なノイズフィルタとして動作させる手法を提案する.


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セッション 5E  コンテキストアウェアネス
日時: 2019年7月4日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 遊舞・五の遊
座長: 廣井 慧 (名古屋大学)

5E-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名実行時requirement enhancementのためのゲーム空間の差分分析アルゴリズム
著者*李 家隆, 相澤 和也 (早稲田大学), 鄭 顕志, 鷲崎 弘宜, 本位田 真一 (早稲田大学/国立情報学研究所)
ページpp. 1066 - 1067
キーワードコンテクストアウェアネス, 自己適応システム, 離散制御器合成, 安全性保証, 2人対戦型ゲーム
アブストラクト自己適応システムは,外部環境の変化に対し,システム自身が振る舞いを変更するシステムである.制御器合成技術[1]を利用した自己適応システムにおいて,システムは(1)変化した環境を検知し,(2)開発者が想定した要求から開発者の意図に沿って最大限に要求を保証する要求の集合を分析し,(3)分析された要求集合を保証するように振る舞いを変更する.相澤ら[2]は,ゲーム空間と勝利領域を構築し,保証できる最大限な要求集合を分析する手法と環境変化時の要求緩和分析手法を提案した.しかし,環境から望ましくない動作(開発者が想定してない外部環境から観測された動作)が発生しなくなる場合に,システムはより高いレベルの要求を保証可能(以下,requirementenhancementという)かどうかを分析するには数分間以上かかる.本研究は,保証可能な要求を効率的に分析するためのアルゴリズムを提案する.評価実験の生産工場モデルにおいて,実行時間の約99.95%が削減された.

5E-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名スマートフォンの通知の取られ方にもとづくユーザおよび端末の状態識別手法
著者*澤野 亮太, 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1068 - 1076
キーワード通知, アノテーション, 行動認識
アブストラクトさまざまなセンサを搭載したスマートフォンやウェアラブルデバイスの普及により,時間や場所を問わず人間の行動や生体情報,周囲の状況を認識できるようになった.センサデータから人間の行動や状況を推定する処理は,正解情報(アノテーション)が付与されたデータセットを用いてユーザの行動や状況を解釈するモデルを事前に構築する必要がある.そのため,モデルの高性能化や性能評価のために多量かつ多様なアノテーション付きデータセットが必要となる.加速度センサの値は後から見てユーザの状況を判断することは困難なため,加速度データにアノテーションを付与する手法が必要である. 本研究では,スマートフォンなどの端末が生成する通知に対するユーザの対応からユーザや端末の状況を推定する手法を提案する.通知発生から削除までの応答時間による状態推定と端末内の加速度センサの値を利用した状態推定を併用して,ユーザや端末の状態推定を行い,推定結果の確信度がきわめて高い場合にセンサデータへのアノテーション付与を行う.評価実験より,アノテーションを付与したい7つの状態に対して,ユーザ非依存とユーザ依存の実験を行い,平均適合率0.769と0.963を得た.また,自然環境における実験も行い,ユーザが反応した45個の通知に対して,25個に正しいアノテーションが付与され,19個にアノテーション付与を行わず,誤って付与したアノテーションは1個であった.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5E-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名心電と脈波の時間差を用いたウェアラブル端末装着位置推定手法
著者*吉田 航輝, 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1077 - 1085
キーワード心電, 脈波, 装着位置
アブストラクト種々のセンサを搭載したウェアラブルデバイスの普及により,時間や場所を問わず人間の行動や状況をセンシングしてデータを収集できるようになった.任意の身体部位に装着できるセンサを1箇所に装着すると,装着位置によって処理モデルを切り替える必要がある.また,同一形状のセンサを複数装着する場合,センサを区別するために身体部位を動かしてデータの変化を見る作業が必要である.そのため,ウェアラブルデバイスをさまざまな身体部位に自由に装着する環境において,デバイスの装着部位を動的に推定する手法が必要である.ウェアラブルデバイスの装着部位を推定する手法として,ウェアラブルデバイスの加速度センサや角速度センサから得られた時系列データを用いた手法が提案されている.これらの研究では歩行動作などの特定行動をしなければ装着位置の推定ができないという問題点がある.本研究では装着者に特定の行動を強いることなく,ウェアラブルデバイスの装着位置を推定する手法を提案する.提案手法は心電センサ(ECG)で得られた心拍と脈拍センサで得られた脈波との時間差を推定し,推定された時間差からデバイスの装着位置を推定する.脈拍センサはウェアラブルデバイスに搭載されていると仮定している.男性5名から2分間の心電と脈波のデータを身体部位15箇所から収集して,提案手法の評価実験を行った結果,平均F値は0.805となった.特に,被験者がデバイスを装着してから約20秒間のデータを用いることで左耳と右手指は0.9を超えるF値が得られた.

5E-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名ウェアラブルデバイスを用いたタイピング時の指の認識
著者*顆 大輔, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科)
ページpp. 1086 - 1091
キーワードウェアラブルデバイス, 表面筋電位, 機械学習, タイピング
アブストラクト情報化社会において,コンピュータが扱えることは重要である.コンピュータを扱うには入力装置であるキーボードを扱えなければならない.キーボード操作でのタイピングは,ホームポジションに指を置き,各キーに対応した指を使うことが高速かつ正確な打鍵につながる.本研究では表面筋電位の簡易計測デバイスである Myo を用いてタイピング時の指の認識手法を開発する.提案手法では,打鍵スピードによる影響を抑制するため,特徴量抽出時にフレームに窓関数を導入した.評価実験の結果,被験者別の10-Fold CVでは8割弱の精度で5指とニュートラル状態の6カテゴリを認識することができた.また,窓関数を掛けることが打鍵スピードの影響を抑えることを確認した.さらに,キャリブレーションに必要なインスタンス数の検証を行い,約50インスタンスが必要なことを確認した.


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セッション 5F  認識
日時: 2019年7月4日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 遊舞・三の遊
座長: 北上 眞二 (福井工業大学)

5F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名時系列データからの要約文の自動生成
著者*近藤 颯, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 1092 - 1098
キーワード自然言語処理, 自然言語生成, Linguistic Descriptions of Data(LDD)
アブストラクト近年,IoTの普及によりセンサなどから得られる時系列データは様々な場面で利用されている.しかし,データをそのまま表やグラフで表示しても専門知識のない人が解釈することは非常に困難である.そのため,時系列データを要約した文章を自動生成する研究が行われている.本研究では,時系列データからそのデータを要約した文章を生成することを目的とした,任意の時系列データの入力に対応した文章生成システムを提案する.時系列データから文章を自動生成する研究の多くは,ある1種類のドメインのデータに対して文章生成を行っており,複数のドメインのデータに対応した文章生成の研究は少ないため,本研究では任意の時系列データに対応した汎用的なシステムを提案する.本システムにより複数のドメインの時系列データから文章を生成し評価した結果,任意の時系列データから文章が自動生成できることを確認した.

5F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名Historical information Acquisition System (HAS) の実装
著者*大竹 栄一 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 遠藤 正隆, 中嶋 裕一, 三浦 哲郎 (株式会社リオ), 菱田 隆彰 (愛知工業大学情報科学部)
ページpp. 1099 - 1102
キーワードイベント情報, 対話支援, データベース
アブストラクト近年対話システムの分野で人とより自然に近い会話を行う研究が盛んに行われている.会話を盛り上げるためには,相手が興味を持っている話題を提供する必要がある.相手の好む話題を選び出すには,相手の特徴となる情報を対話の中から取得する必要がある.我々は,誘導質問術を用いて対話の誘導を行い,対話者の特徴情報を推定する手法を提案し,年齢推定を補助する過去の出来事情報提供システムHASの試作を行った.HASが効果的に利用されるには多くの過去の出来事の詳細な情報が必要であるが,現状ではその情報を収集,集積する仕組みを用意できていない点が問題となっている.本研究では,HASにおいてより多くの出来事情報を提供するために,Wikipediaを対象とした情報の取得方法を検討し,HASへの実装を行う.

5F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名パッシブRFIDタグアレイを用いたDeep Learningによる輪郭画像の復元手法の検討
著者*大嶋 政親, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 1103 - 1108
キーワードRFID, 深層学習, 画像認識, 行動認識
アブストラクト本研究では,RFIDによる行動・姿勢認識における既存技術の課題である認識モデルの構築までのコストを抑え,RSSIや位相の特徴量を選択・解析をすることなく認識するための手法として,2次元状に配置したRFIDタグアレイから電波強度や位相を2次元画像として捉え正解データとしてカメラ画像を学習しモデルを構築することで,電波画像から輪郭画像の復元を行う手法を提案した. 提案システムにはRFIDタグをアレイ状に配置したタグアレイを作成,設置を行い人の粗い輪郭が現れた電波情報を取得することができた. 学習データの構築としてRSSIや位相の値に対して線形近似を行い入力用電波画像の算出を行った. さらに画像から画像への変換技術の一つであるPix2Pixを用いて入力画像と正解画像の特徴を学習しモデルを構築することで 入力画像のみで人体の姿勢を出力した. モデルを構築したあとは入力画像と出力画像の比較実験を行い正解画像と同じような姿勢を生成することを確認した.

5F-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名視覚障害者行動支援のための画像輝度勾配ヒストグラムに基づく点字ブロック分類
著者*山内 隆正, 森本 正志 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科)
ページpp. 1109 - 1115
キーワード全天球カメラ, 画像・映像認識, 視覚障害者行動支援, SVM(support vector machine)
アブストラクト日本における視覚障害者は平成28年度調べで約33万人にのぼり,障害者における生活の質(QoL)向上に向けた各種取り組みの重要性が増している.視覚障害者の行動範囲を晴眼者と同様に広げるためには,安心・安全に路上を歩行し公共交通機関を利用するための行動支援が必要である.我々は視覚障害者の行動全般を支援するため,視覚障害者の周囲映像情報を用いた状況判断技術に関する研究を進めており,本稿ではその最も基本的な手がかりとなる点字ブロック種類の分類に関する提案を行う. 提案手法は異なる2種類の点字ブロックである誘導/警告ブロックの形状特徴に着目し,エッジ画像から輝度勾配ヒストグラムを作成し,SVMを用いた機械学習により点字ブロック分類を行う.誘導/警告ブロック画像データセットに対する交差検定および分類正答率評価を行い、提案手法の有効性及び課題を明らかにした.


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セッション 5G  VR・AR
日時: 2019年7月4日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 遊舞・一の遊
座長: 本橋 洋介 (日本電気)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名パーソナルスペースの可視化がパーソナルスペースの大きさに与える影響
著者*山田 篤志 (明治大学大学院先端数理科学研究科), 小林 稔 (明治大学総合数理学部)
ページpp. 1116 - 1124
キーワードパーソナルスペース, 対人距離, 個人空間
アブストラクトパーティ会場で会話に参加できない人が存在する.関連研究から,多くの人が初対面の相手との会話に適切と感じる領域でも,内向的な人はパーソナルスペースが侵害され不快感が生じ,会話に参加しにくく感じる要因となっていると考え,それを軽減する方法の実現に取り組んでいる.内向的な人のパーソナルスペースを小さくすることを目的とし,その実現手法として拡張現実感を用いたシステムを提案する.本報告では,提案手法の有効性を示すための予備実験として,利用者の周りに表示する空間を実体化させた状態で,パーソナルスペースを狭くすることが可能であるか検証した

5G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名ARを用いたロボットプログラミング学習支援の提案
著者*塩澤 秀和, 松本 祐依 (玉川大学工学部ソフトウェアサイエンス学科)
ページpp. 1125 - 1130
キーワードプログラミング教育, AR, タンジブルプログラミング, ロボットプログラミング
アブストラクト子ども向けのプログラミング教育では,プログラムを小型のロボットに転送して実際に動かすロボットプログラミング教材が人気である.これは,目の前でロボットが動くことで初心者にもプログラムの動きが視覚的にわかりやすく,複数の子どもによる協同学習もしやすいのが利点である.しかし,ロボットを用いたプログラミング学習でも,学習者にとってプログラムが少し複雑になると,ロボットの動作と実行中のプログラムの該当コードとの対応の理解が,容易とはいえなくなる.そこで,本研究では,プログラムの実行中の命令や変数の値など,ロボットの内部状態や実行手順の経過をAR(拡張現実感)技術を用いてロボットの映像に重ねてリアルタイムに可視化し,より子どもの理解を促すロボットプログラミング教材の試作を行った.プログラミング言語としては,物理的なカードを並べることによってプログラミングを行うタンジブルプログラミングを採用した.本システムの特徴のひとつは,実行中のプログラムの情報がロボットからPCに送信され,プログラムの実行手順に合わせてリアルタイムにAR 表示が更新されるという,双方向の情報通信を利用したARシステムとなっていることである.

5G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名視界分割による複数の空間表現を用いた身体的インタラクションシステムの提案
著者*本信 敏学, 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部吉野研究室)
ページpp. 1131 - 1137
キーワード視界分割, バーチャルリアリティ, 空間認知, 没入型体験, ユーザインタフェース
アブストラクト我々は,視界分割を用いた空間表現システム「CompoundViewer」を開発した.CompoundViewerは,異なる複数の空間の映像を並べて表示する頭部運動追従型両眼視覚提示システムである.CompoundViewerは,ディスプレイの画面分割のような平面的な表現ではなく,人間の視界を分割して複数の立体的な空間を表現する.我々はHMDを介して,擬似的に人間の視界を複数に分割する.分割した視界にそれぞれ異なる空間の映像を投影する.これにより,複数の空間内の様子をユーザに提示することが可能になった.そこで本稿では,従来の空間間の移動手法と違い,複数空間を視認しながら空間間の移動を行うことが可能なインタラクションシステムを提案する.身体に対する空間的制約を3段階に分けて実験を行った.実験の結果,視界分割表現を用いた空間間の移動表現では,空間間による身体移動表現と同じように,バーチャルハンドに身体所有感を生じて,身体的空間動作を行えることがわかった.またアンケートの回答から,視界分割による三次元的に空間移動可能な身体的操作表現についての身体的操作性の影響と習熟度の違いなどの問題点が明らかになった.

5G-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名TransEmotion:仮想口唇による感情差し替えマスクの提案
著者*熊 凌雅 (東京工科大学 バイオ・情報メディア研究科コンピュータサイエンス専攻), 井上 亮文 (東京工科大学 コンピュータサイエンス学部)
ページpp. 1138 - 1143
キーワード対面コミュニケーション, 表情
アブストラクト本研究では,装着者の意図に沿った仮想口唇を表示可能なマスク型ディスプレイ「TransEmotion」を提案する. 本システムでは,マスク前面に顔の下半分を覆うディスプレイが取り付けられており, そこにCGの口唇を表示できる. この仮想的な口唇には4種類の感情に基づいた基本形状があり, 装着者はそれらを自由に選択することができる. 装着者は,自身の口唇を動かすことで, 選択された感情を維持したまま仮想口唇をアニメーションさせることができる. これにより,装着者はマスクをしたままでもノンバーバル情報に富んだ対面コミュニケーションが可能である. 提案システムのプロトタイプを開発し,印象評価実験を実施した.


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セッション 5H  認証
日時: 2019年7月4日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 楽舞・一の楽
座長: 藤川 真樹 (工学院大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名掌紋認証における生体検知手法に関する一検討
著者*杉本 彩歌 (静岡大学), 上松 晴信, 奥井 宣広 (KDDI総合研究所), 大木 哲史 (静岡大学), 三宅 優 (KDDI総合研究所), 西垣 正勝 (静岡大学)
ページpp. 1144 - 1148
キーワード掌紋認証, 生体検知
アブストラクト多くのスマートフォンには他人による不正使用を防止するために生体認証機能が搭載されている.身体的特徴の1つとして掌紋を利用した認証方式が提案されている.掌紋は,スマートフォンのカメラなどで特徴が取得できるため,特別な装置を必要せずに認証が行える,一方で,ユーザがSNSなどに掲載した自身の写真などをもとに,なりすましが行われる可能性がある.本稿では.スマートフォンで撮影を行う掌紋認証におけるプレゼンテーション攻撃に対する生体検知手法を検討する.身近な媒体を用いたなりすましを想定し,印刷画像ならびにディスプレイ表示画像を用いた攻撃を考える.攻撃画像(印刷画像やディスプレイ画像)においては,インクの滲みによる解像度の劣化,攻撃画像の撮影によるモアレ(干渉縞)が生じるという特徴に注目した.

5H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名パスワードに乱数を組み合わせるユーザ認証方式
著者*渡邉 悠雅, 鈴木 秀和 (名城大学), 内藤 克浩 (愛知工業大学), 渡邊 晃 (名城大学)
ページpp. 1149 - 1154
キーワード認証, ユーザ認証, 多要素認証, セキュリティ, パスワード
アブストラクトユーザ認証を行う際にはパスワードのみでなく別の認証要素を組み合わせることでセキュリティを高めることが多い.しかし,多要素認証では認証専用機器が必要であることや,認証手順が複雑になるという課題がある.また,認証において使い勝手とセキュリティはトレードオフの関係にあり,両者を両立させることは難しい.本稿では認証要素としてユーザデバイス内で生成する乱数を認証要素として用いる方式を提案する.パスワードと乱数でハッシュ値を算出し、このハッシュ値をサーバに登録するパスワードとして扱わせる.乱数の生成およびハッシュ値の算出はユーザデバイスで内部処理する.乱数を保存したデバイスでないとログインができず,このハッシュ値算出が実質的な多要素認証となるため,セキュリティが高い.ユーザは,IDとパスワード以外の認証要素を入力する手間がない.提案方式をセキュリティと使い勝手の面で既存の多要素認証と比較し評価した.また,提案方式ではオフライン攻撃における辞書攻撃耐性が高いことを示した.

5H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名スマートロックにおける異常検知を用いた二つの端末の加速度による歩行認証の提案
著者*渡辺 一樹, 長友 誠 (神奈川工科大学), 油田 健太郎, 岡崎 直宣 (宮崎大学), 朴 美娘 (神奈川工科大学)
ページpp. 1155 - 1160
キーワード歩行認証, 機械学習, 加速度センサ, スマートロック, ウェアラブル端末
アブストラクト電子的に鍵の開閉を行うスマートロックと呼ばれるIoT(Internet of Things)製品がある.そのスマートロックの認証方式として,従来のパスワード方式ではユーザの記憶負荷やパスワード漏洩などの危険性がある.また,顔認証方式では家の前で数秒間立ち止まる必要があり,マスクやサングラスなどを身に付けていればそれらを外す必要がある.そこで,我々は歩行状態の行動的特徴を用いる歩行認証に着目した.これまで,スマートフォンから得られる加速度や角速度データをもとに機械学習の分類を用いた歩行認証の研究が行われてきたが,教師あり学習の分類を用いた認証を行っているため未知のデータに対して有効な認証方式とは言えない.本研究では,スマートフォンとウェアラブル端末の二つの端末の加速度センサからデータを取得し,機械学習の異常検知を用いて識別器を作成することで未知のデータに対して有効な歩行認証のシステムモデルを提案する.また,システムモデルのFAR(False Acceptance Rate)やFRR(False Rejection Rate)を確認する実験を行った結果,異常検知アルゴリズムにIsolationForsetを用いた場合,平均FARが8.3%,平均FRRが9.5%であった.さらに,各被験者のFARとFRRを算出し,被験者によってFARやFRRが低くなる異常検知アルゴリズムが異なることを確認した.

5H-5 (時間: 11:30 - 11:50)
題名インラインルール通知を用いたワンタイム図形認証
著者*石井 健太郎 (専修大学)
ページpp. 1161 - 1167
キーワード個人認証, ワンタイム図形生成, インラインルール通知
アブストラクト本研究では,のぞき見によりパスワード/パスコードが盗まれてしまう問題の低減を目指して,ワンタイム図形生成に基づく認証手法を提案している.認証時には都度生成された図形が提示されることが提案手法の特徴であり,のぞき見が行われても正解の手がかりをつかみにくいことが期待できる.提案手法では,正規ユーザがあらかじめ設定した認証図形群生成ルールに基づいて,ワンタイムの正解図形とダミー図形を生成して画面に提示する.認証図形群生成ルールを知る正規ユーザであれば,ルールに基づき正解図形を選ぶことができる.これまでの研究により,単一の認証図形群生成ルールを連続して適用した場合であっても,のぞき見を認めているにも関わらず高い本人パス率と他者拒否率を両立する一定の効果が示されている.一方で,同じルールカテゴリのルールを体験したことがある実験参加者は,非正規に認証を受けやすいことが示されている.本論文では,この課題に対するさらなる改善のため,適用する認証図形群生成ルールを毎回ランダムで決定し,提示されている画像により正規のユーザに通知される仕組みである,インラインルール通知を導入する.インラインルール通知を適用した提案手法について評価実験を行ったところ,すべての認証図形群生成ルールについて説明を受けた実験参加者でも,インラインルール通知の設定を明かさなければ,不正に認証を受けることができないことが示された.


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セッション 6A  未来に向けたエコシステムの構築
日時: 2019年7月4日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 風の杜
座長: 宮下 健輔 (京都女子大学)

6A-1 (時間: 14:10 - 14:50)
題名(招待講演) 超個体型データセンターOSを目指したさくらインターネット研究所の取り組みと未来を見据えた研究組織設計
著者*松本 亮介 (さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所)
ページp. 1168
キーワード超個体型データセンター, ネットワークアーキテクチャ, クラウド, 研究組織設計

6A-2 (時間: 14:50 - 15:10)
題名超個体型データセンターを目指したネットワークサービス間依存関係の自動追跡の構想
著者*坪内 佑樹 (さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所), 古川 雅大 (株式会社はてな), 松本 亮介 (さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所)
ページpp. 1169 - 1174
キーワードTCP/UDP, モニタリング, エッジコンピューティング, 運用技術, 依存関係
アブストラクトインターネットの利用者による多様な要求に応えるために,インターネットサービスを支えるシステムが大規模化かつ複雑化している.利用者とデータセンター間のネットワークの中間層を利用するエッジコンピューティングや小・中規模データセンターが地理的に分散する超個体型データセンターに向けて,今後はこれまで以上にシステムの規模と複雑性が高まっていく.その結果,システム管理者はシステムを構成するネットワークサービス同士の依存関係を把握することが難しくなるため,依存を自動で発見することが必要となる.しかし,依存を自動発見する先行手法は,システム管理者が把握できていない未知のネットワークサービスとの通信に対して,受動的にトラヒックを観測し,相関する活動を示すサービスを発見する.そのため,依存検出の偽陽性率が高いまたは依存関係の方向が識別できないという課題がある.そこで,本研究では,ネットワーク通信を終端する各ホスト上で確立されたトランスポート接続情報を網羅的に収集することにより,ネットワークサービス間の依存関係を自動で追跡可能な基盤を提案する.本提案により,未知のネットワークサービスであっても,OSがサポートするトランスポート接続を利用する限りは,依存を発見可能となる.また,接続を終端するホスト上にて,実際に発生したサービス間の接続を検出するために,偽陽性を削減できる.さらに,トランスポート接続の両端のプロセスを接続を要求する側と接続を待ち受ける側に分けることにより,前者が後者に依存すると判定できる.

6A-3 (時間: 15:10 - 15:30)
題名包括的統合パーソナル情報のワイズ・ユースプラットフォーム構築
著者*石井 美穂 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科), 金杉 洋 (東京大学空間情報科学研究センター), 松原 剛 (東京大学地球観測データ統融合連携研究機構), 林 達也, 山内 正人, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科), 柴崎 亮介 (東京大学空間情報科学研究センター)
ページpp. 1175 - 1180
キーワードパーソナル情報, データポータビリティ, 情報銀行, PDS, GDPR
アブストラクトスマートフォンなどを用いて多様なインターネット上のサービスを利用することで,我々のパーソナル情報は,様々なサービスに蓄積されるようになった.これらのデータを活用することで,新規サービスの創出,生産活動の効率化,国民生活の安全性と利便性の向上等が実現すると期待されている一方で,ユーザである個人は,自らのパーソナル情報であっても、それらをコントロールすることが出来ないことへの不安等により,パーソナル情報の流通に関する懸念を有しているのが現状である.しかし,昨今の国内における情報信託機能の認定スキームの実現や,欧州におけるGDPR の施行とデータポータビリティの権利の導入に伴い,個人は自らのパーソル情報をさまざまなサービス事業者からダウンロードし,「包括的統合パーソナル情報(Comprehensive and Integrated Personal Information: CI-PI)」を自ら生成,管理・活用するための基盤が整いつつある.本研究では,個人主導の包括的統合パーソナル情報のワイズ・ユースプラットフォームの構築について提案する.


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セッション 6B  分散処理
日時: 2019年7月4日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 花舞・一の花
座長: 神崎 映光 (島根大学)

6B-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名複数クラウドを用いた大容量リアルタイム並列分散処理システムとその性能評価
著者*君山 博之 (大同大学), 丸山 充, 小島 一成 (神奈川工科大学), 藤井 竜也 (NTT未来ねっと研究所)
ページpp. 1181 - 1189
キーワードクラウド, 並列分散処理, リアルタイム処理, 大容量計算
アブストラクト計算機を利用したいときに,利用したいだけ使うことのできるクラウドサービスのメリットを活かす,複数のクラウド上の複数のVMを適応的に組み合わせ,完了時間にクリティカルな大容量計算を実行するためのフレームワークを我々は提案している.そのフレームワークを実現可能かどうかを確認する目的で,フレームワークにもとづいた映像合成処理アプリケーションソフトウェアの実装を行った.汎用PCサーバおよび学術研究ネットワークを用いて,幕張と石川の2箇所に構築したクラウドの模擬環境を使って実証実験を行い,144のVMを並列計算させることによって秒44.1映像フレームの合成処理ができることを実証した.さらに,このフレームワークを使ったシステムのスケーラビリティを確認するとともに,システム構築前の性能評価を可能にする手法の確立のため,シミュレーションプログラムを作成し,複数のクラウドを使った映像合成システムについて,その性能シミュレーション評価を行った.その結果,VM数に応じてリニアに性能向上が図れることが確認された.一方で,シミュレーションによって導かれた性能絶対値については,実測値よりも約50\%高い値となり,今回,シミュレーションで考慮に入れられなかったTCPのフロー制御などを考慮に入れる必要があることが判った.

優秀論文賞 / Paper Awards
6B-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名エッジコンピューティングにおける顔認識アプリケーションのためのタスク配置システムの提案
著者*佐竹 颯太, 谷 遼太郎, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1190 - 1195
キーワードエッジコンピューティング, タスク分割, 顔認識アプリケーション, タスク配置, 分散処理
アブストラクト現在,モバイルデバイスは処理能力など様々な制約があり,アプリケーションの実行における負荷軽減が必要とされる.エッジコンピューティングではモバイルデバイスの近くにエッジサーバを配置し,アプリケーション実行を移行することにより,負荷軽減と遅延削減をする.また,顔認識アプリケーションの増加に伴い,計算能力,ストレージ容量の要求が高まっている.既存研究のエッジコンピューティングベースの顔認識ではタスクの実行場所が決まっており,計算資源やネットワークの状態を考慮されておらず,タスク配置手法が必要である.そこで,本稿ではエッジコンピューティングにおける顔認識アプリケーションのタスク配置システムを提案する.本稿で提案するタスク配置システムでは計算資源やネットワーク状況を考慮するタスク配置決定式に基づいて推定応答時間を算出する.そして,推定応答時間が最小となるタスク配置を決定し,各タスクを各計算資源へ配置する.本稿で提案する顔認識アプリケーションのタスク配置システムのプロトタイプを実装して実験を行い,動作確認と評価を行った.

6B-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名AIに特化したサーバ制御に向けたAIワークロードの特徴に関する考察
著者*高山 沙也加 (お茶の水女子大学), 白石 崇, 鈴木 成人, 山本 昌生, 渡辺 幸洋 (富士通研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1196 - 1203
キーワードAI ワークロード, 特徴分析, MLPerf, Zabbix, 機械学習
アブストラクトAIを用いたアプリケーション利用の増加に伴って,CPUと比べて処理性能が高く電力消費の激しいGPUの利用が進みICTシステムの全体電力が増加傾向にある. そのため,システム電力削減とアプリ性能の向上のバランスを取り,システムを効率良く稼働させる事がますます重要になる. ワークロードという計算機に対する負荷または負荷アプリケーションを使った実行時性能やリソース情報から効率的にハードウェアを設計・制御する手法は既に用いられている. しかし,AIワークロードを走行させるハードウェアリソースの有効活用・運用の制御手法は未だ確立されてない. そこで,ワークロード毎にサーバ性能の自動チューニングを行う機械学習向けのコンピュータシステムの構築を考えたい. 本研究ではAIワークロードに特化したコンピュータシステムの最適リソース設計を目的として,機械学習系アプリケーションのパフォーマンス測定のためのベンチマークであるMLPerfを用いたAIワークロードの比較及び特徴分析を行う. また,未知のアプリケーションの性能予測を行う際にどのパラメータが重要かを知るために取得したハードウェアの時系列データを用いてRNNによるクラス分類を試みる.

6B-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名実行配置管理システムにおけるノードの処理能力を考慮した実行地点の最適化の検討
著者*鎌田 幸希 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 稲村 浩, 中村 嘉隆 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 1204 - 1211
キーワードフォグコンピューティング, インネットワークキャッシュ, コンテンツ指向ネットワーク, IoT, 機械学習
アブストラクトIoTなどの応用において発生する大量のデータを効率良く扱うためにクラウドコンピューティングのパラダイムをネットワークの端まで広げたフォグコンピューティングが提唱されている.フォグコンピューティングでは,実行地点の最適配置について議論されている.ネットワーキングの分野では,従来のホスト指向のアーキテクチャではない,CCN(Contents Centric Network)の研究がされており,ネットワーク内にキャッシュされたコンテンツを自然に扱うことによる静的データの最適配置が議論されている. 我々は,CCNの考え方を援用し,フォグコンピューティングにおける実行地点選択と資源配置のための実行配置管理システムを提案している. 本研究は,機械学習などの目的に特化した処理ユニットの利用を考慮し, フォグネットワーク内の計算能力の不均一性に対処するためにこれまでの実行配置管理システムの候補選出基準にサービス応答時間を加え,クライアントとの経路上の利用可能な計算資源を発見すべく探索手法を拡張した.提案したシステムをシミュレータ上に実装し,処理能力が不均一なフォグネットワークにおいてもサービス実行地点の最適化が行われることを示した.


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セッション 6C  モバイルアプリケーション
日時: 2019年7月4日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 花舞・三の花
座長: 梶 克彦 (愛知工業大学)

6C-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名スマートデバイスのセンサを用いた休憩奨励機能を持つ観光支援システムの開発
著者*小形 紘右, 伊藤 淳子, 宗森 純 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 1212 - 1219
キーワードナビゲーションシステム, 休憩奨励機能, スマートウォッチ, 心拍センサ, GPS
アブストラクトインバウンドの観光客などの増加に伴い,観光地などの野外で体調を崩す観光客の増加がみられている.その原因として,夏場の高温や,慣れない観光地での歩行が挙げられる.本研究では,野外での観光の際に,スマートデバイスを用いて観光客に身体的な疲労を意識させ,休憩を促すことを目的とする.そのための方法とし,まず,観光中の使用者の心拍数や歩数をスマートデバイスで計測する.その計測結果をもとにして,使用者が身体的に疲労していると判断した際に,使用者の近辺の休憩できる場所を提示し,使用者に休憩を促す機能を実装する.さらに,その休憩できる場所の位置が使用者の位置からどの辺りにあるのかの表示も行う.システムの有無による比較実験を観光地で行い,アンケート結果や心拍数の値により評価を行った.その結果,本システムは,実験中に休めることを意識させ,休める場所がどこにあるかを明確にすることがわかった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
6C-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名「ひきこもり」防止を目指した学生生活支援システムの提案
著者*北井 悠一朗, 水本 旭洋, 長谷川 凌佑, 内山 彰 (大阪大学大学院情報科学研究科), 石丸 大貴, 堀田 牧 (大阪大学大学院医学系研究科), 足立 浩祥, 工藤 喬 (大阪大学キャンパスライフ健康支援センター), 池田 学 (大阪大学大学院医学系研究科), 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1220 - 1230
キーワードモバイルセンシング, メンタルヘルス, ヘルスケアシステム, スマートフォン, ひきこもり
アブストラクトひきこもりとされる人々は全国に54.1 万人存在すると推定されている.近年,大学においても,ひきこもり状態に陥ることで授業に出席しなくなり,単位を取得できず留年や退学に至るケースが増加しており,大きな問題となっている.本研究では,ひきこもり状態に至る前に予兆を検知し,医者による改善指導が行えるシステムの実現に向けて,(1) 睡眠時間の乱れ,(2) 授業出席意識の低下,(3) 訪問地点数の減少といったひきこもりの予兆を検知するためのスマートフォンを用いた学生生活支援システムを構築する.睡眠時間の乱れの推定については,スマートフォンのセンサから得た特徴量を用いた機械学習による推定を行う.授業出席意識の低下と訪問地点数の減少は,位置推定を行うことにより推定が可能である.本研究では,学校以外の詳細地点を特定する必要はないため,GPS による絶対位置の特定は行わず,Wi-Fi アクセスポイントのMAC アドレスおよびRSSI(受信信号強度) を用いてクラスタリングを行い,訪問地点数を推定する.実際に手法の妥当性を検証するため実験をした結果,滞在している地点数の推定が可能であること,また,自宅の帰宅時間の推定において,誤差9.6 分での推定ができていることを確認し,予兆推定の見通しを得た.睡眠推定ではBalanced Random Forest を使った睡眠の有無の予測モデルを構築し,F 値0.86 の結果を得たことから,睡眠の時間を推定できる可能性を示した.

6C-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名マルチモーダル・エージェントAIを用いた訪日外国人向け観光案内サービスの開発と実証実験
著者*伊藤 達明, 村山 卓弥, 中村 泰治 (日本電信電話株式会社 サービスエボリューション研究所), 島田 有理子, 長谷場 隆之 (西日本電信電話株式会社), 溝口 雄斗, 北側 真由佳, 伊東 剛志, 藤井 秀夫 (近畿日本鉄道株式会社)
ページpp. 1231 - 1237
キーワードAI, 観光, 画像認識, WEBサービス
アブストラクト訪日外国人が急増する中,旅客施設における問い合わせ応対業務の一部を補完あるいは代替するため,利用客自身によって移動に伴う困り事を解決できるツールの提供が急務である.そこで,複数の入力手段を適切に扱うことができるコミュニケーションAI技術である,マルチモーダル・エージェントAIを提案し,スマートフォン上で動作する観光案内サービスを実現した.そして,その有用性を評価するため,鉄道駅にて観光に訪れた外国人を対象として評価実験を行った.アンケートを通じて受容性および利便性の観点から評価した結果,肯定的な反応が顕著であり,その有用性を確認した.


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セッション 6D  ITS状態推定
日時: 2019年7月4日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 花舞・五の花
座長: 屋代 智之 (千葉工業大学)

6D-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名ツーリングで仲間との合流を支援する触覚フィードバックを用いたナビゲーション
著者*小椋 恵太 (明星大学大学院 情報学研究科), 丸山 一貴 (明星大学 情報学部)
ページpp. 1238 - 1245
キーワードツーリング, 触覚フィードバック, 合流支援
アブストラクトツーリングは車やオートバイの運転そのものを楽しむ手段であり,仲間と共に運転する楽しみを共有することもできる. ツーリング中に仲間とはぐれた場合,先導車は停車可能な場所で停車して後続車を待ち,後続車には先導車の待機場所を知らせる必要がある. 音声通話を用いることが考えられるが,不案内な地域で正確に場所を伝えるのは難しく,ナビゲーションにより誘導することが望ましい. ツーリング中に使用する一般的なナビゲーションアプリケーションは,聴覚と視覚にフィードバックするものが多い. しかし,ツーリング中は仲間と音声通話により会話をすることも多く,はぐれた場合の聴覚によるナビゲーションは適切ではない. また,はぐれたことで運転者は心理的に焦燥感を持つため,視覚のみによるルート変更のナビゲーションは安全運転の観点から望ましくないと考えられる. 本研究は自動車でのツーリングを対象とし,仲間との合流を考慮したツーリング支援システムを実装した. 本論文では,合流場所の自動設定の有効性と,視覚と触覚を組み合わせたフィードバックによるナビゲーションの可能性を検証した.

6D-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名ロードレージに対する要件的定義および判定チャートの提案
著者*川井 明 (滋賀大学データサイエンス学部/日本セーフティソサイエティ研究センター)
ページpp. 1246 - 1253
キーワードロードレージ, あおり運転
アブストラクトロードレージとは路上の出来事に対し激しく怒り、怒鳴る・故意に接触する・ドライバーに危害を加えることである。ロードレージ事件は全世界的に報告され、深刻なけがや死亡事故へつながっている。日本国内ではロードレージをあおり運転と呼び、東名高速夫婦死亡事故後にニュースなどによって注目を浴びた。しかし、国内ではロードレージが明確に区別、定義づけされていない。本稿では、ロードレージの定義を行う上、当事者の行動をチャートで表現する方法を用いてロードレージ事件を検証する。提案手法では、事件原因、行われたレージ行為、結果として起きた事故を当事者の行動をチャートで表現する方法を用いて図表化し、ロードレージ事件を解析する。

6D-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名運転負荷の強弱による発話状況の明確化
著者*城 秀一 (青山学院大学), 神沼 充伸 (日産自動車株式会社), 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1254 - 1258
キーワード音声対話, カーナビ, 運転負荷
アブストラクト本研究では,カーナビゲーション利用時の音声対話に着目し、運転負荷の高低による発話状況の変化について調査した.人間の自由な発話にも対応可能な疑似カーナビと運転負荷の異なる状況を反映したドライビングシミュレータを用いて,運転者に対して運転タスクが課せられた環境下で音声対話システムとの対話タスクを実施し,ドライバの発話の特徴を調べる実験を行った.分析結果から,言語的特徴はほとんど変化がなかったが,対話的特徴はUser Response Time(URT)及びTime For Thinking(TFT)について運転負荷が高いときに有意に増加していた.以上から,運転負荷が高い場合,カーナビへの応答が困難になる可能性が高いことが示唆された.

6D-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名非負値テンソル因子分解を用いた観光行動データからの情報抽出
著者*久保 基 (奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 情報科学領域/理化学研究所 革新知能統合研究センター 観光情報解析チーム), 田中 宏季, 中村 哲 (奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 情報科学領域/理化学研究所 革新知能統合研究センター 観光情報解析チーム/奈良先端大データ駆動型サイエンス創造センター)
ページpp. 1259 - 1263
キーワードインバウンド, テンソル, 非負値テンソル因子分解, クラスタリング
アブストラクトインバウンド観光を促進するためには,まず観光客の行動や滞在先を分析し,その傾向および要因を理解することが,必要不可欠であると言える. 観光客の行動には様々な要因・情報が含まれており,それらを一挙に分析することは容易ではない.そこで,今回我々はスマートフォンアプリから得られた多次元の観光行動ログデータから,日本全国を対象とした外国人観光客の行動パターンを,滞在時間帯/滞在場所/推定居住国,の3階テンソルとして構成し,非負値テンソル因子分解(Nonnegative Tensor Factorization, NTF)を適用することで分析を行った.結果として,3階テンソルを5つのクラスタに分解することで,7月と8月ではアメリカを中心とした訪日外国人観光客のクラスタ及びイタリアを中心とした訪日外国人観光客のクラスタを抽出することができた.


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セッション 6E  行動認識応用
日時: 2019年7月4日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 遊舞・五の遊
座長: 米澤 拓郎 (名古屋大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
6E-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Preliminary Investigation of Assembly Work Activity Recognition with Wearable Sensors via Unsupervised Learning
著者*Qingxin Xia (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University), Atsushi Wada (Corporate Manufacturing Engineering Center, Toshiba Corporation), Joseph Korpela, Takuya Maekawa (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University), Yasuo Namioka (Corporate Manufacturing Engineering Center, Toshiba Corporation)
ページpp. 1264 - 1272
キーワードActivity Recognition, Wearable sensor, Factory work
アブストラクトThis paper presents an unsupervised method for recognizing assembly work done by factory workers by using wearable sensor data. Such assembly work is a common part of line production systems and typically involves the factory workers performing a repetitive work process made up of a sequence of manual operations, such as setting a board on a workbench and screwing parts onto the board. This study aims to recognize the starting and ending times for individual operations in such work processes through analysis of sensor data collected from the workers along with analysis of the process instructions that detail and describe the flow of operations for each work process. We propose a particle-filter-based factory activity recognition method that leverages (i) trend changes in the sensor data detected by a nonparametric Bayesian hidden Markov model, (ii) sensor-data similarities between consecutive repetitions of individual operations, and (iii) frequent sensor-data patterns (motifs) discovered in the overall assembly work processes. We evaluated the proposed method from six workers collected in actual factories, achieving a recognition accuracy of 83.3% (macro-averaged F-measure).

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
6E-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名ベビーカー利用時における周囲への動作予告システムの実装
著者*立花 巧樹 (日本大学文理学部), 富永 詩音 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 大西 俊輝 (日本大学文理学部), 呉 健朗 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 1273 - 1279
キーワードベビーカー, 行動認識, 事故防止, 機械学習
アブストラクト街中でベビーカー利用者と歩行者・自転車利用者の衝突事故が起こりそうな場面をたびたび見かけることがある.ベビーカー利用者と,歩行者や自転車利用者が衝突した場合,ベビーカーが横転するなどして,赤ちゃんの命に関わる事態が生じる可能性がある.この問題を解決するために我々は,ベビーカー利用者が特別な操作をすることなく,ベビーカーの次の動きを予測して周囲に通知するシステムを提案してきた.本稿では提案システムの実現のため,システムの実装を高度化し,ベビーカー利用時のセンサデータから動作推定の評価実験を行った.実験結果より,他者のベビーカーの動作データから構築した推定器を用いて一定精度でベビーカーの動作推定を行える可能性を示した.

6E-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名モーションキャプチャを用いた行動認識におけるマーカー身体対応付け作業の削減
著者*武田 紳吾, Paula Lago, 大北 剛, 井上 創造 (九州工業大学), 出野 義則 (株式会社ケアコム)
ページpp. 1280 - 1286
キーワード行動認識, 機械学習, モーションキャプチャ
アブストラクト本研究では,身体に取り付けた反射マーカーの 3 次元位置情報の計測ができる光学式モーションキャ プチャシステムを使用して行動認識を行う.モーションキャプチャによって検出された個々のマーカーは 身体のどの部位に取り付けられたものであるか自動で対応付けされるが,障害物や身体部位同士の重なり によってマーカーがカメラの死角に入ることや,取り付けたマーカーの配置のズレ等が要因となって,他 の部位と誤って対応付けされるといった計測ミスが頻繁に発生する.通常これらのミスは計測後に手作業 で修正をする必要があるが,この作業は非常に時間がかかり面倒である,かつある程度の技術を要する. 本研究は,モーションキャプチャを用いた行動認識において,計測後のマーカーと身体の対応付け修正作 業という労力を費やす過程を省略しても行動認識をすることに問題がないのではないかと考える.なぜな ら行動認識を行う際に行動データから特徴量を抽出するが,マーカーデータの一部に誤りが生じていても, 正しい特徴量を選択していれば影響が少ない,また他のマーカーデータがその誤りを補えるからである. また,本研究ではマーカー身体対応付け作業の一つである,Mocap データ計測前に必要となる人体テンプ レート作成を省略した場合におけるデータを用いて行動を認識する方法の提案を行なった.検証を行なっ たところ,マーカー身体対応付け作業を省略しても高精度で行動認識可能であることを示すことができた.

6E-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名センサ行動認識における機械学習のための実験室高精度データと現場長時間データの比較
著者*後藤 広樹, 武田 紳吾, Paula Lago, 大北 剛, 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 1287 - 1290
キーワード行動認識, センサ, 機械学習, 加速度, 介護
アブストラクト近年のスマートフォンやスマートウォッチといったウェアラブルデバイスの普及によって,デバイス内のセンサを用いたデータの収集が容易になり,行動認識が発展している.さらに高精度なセンサとして光学式モーションキャプチャなども開発されている.本稿で扱う行動認識は,人の行動を推定する技術であり,センサデータを利用している.行動認識は社会問題である介護人材不足の解決方法の1つとされ,社会への応用が期待されている.本稿の行動認識では,教師あり機械学習技術を用い,教師データが入力された時に行動認識するための分類モデルを作成する.実験室で得られた高精度なデータを教師データとして扱う場合,その実験室でのデータが現場で得られるデータと類似している必要がある.教師データを社会現場で作成した場合と現場でない大学の実験環境で作成した場合のデータを比較し,行動認識の社会実装する際に発生する実環境と仮想環境の違いを比較する.本稿ではモーションキャプチャのデータ量を減少させることでスマートフォンのデータに対して行動認識を実行した.


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セッション 6F  システム制作
日時: 2019年7月4日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 遊舞・三の遊
座長: 阿倍博信 (東京電機大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
6F-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名漫画におけるセリフ位置と意味の時系列を考慮した話者キャラクターの推定
著者中川 諒 (千葉大学大学院融合理工学府), *梅澤 猛, 大澤 範高 (千葉大学大学院工学研究院)
ページpp. 1291 - 1297
キーワードLSTM, 機械学習, 漫画, 話者推定
アブストラクト漫画作品は、誌面構成の特性(コマ割り、吹き出し)や線画と文字が混在する様態のために、文字認識技術や人物検出技術を単独で用いた情報抽出が難しい。そのため、漫画メタデータの作成には手作業が必須で負担が大きい。 とりわけ、任意のセリフとそれを発したキャラクターの対応付けは自動認識が困難であるとされている。そこで本研究では、漫画のセリフを位置と意味の観点から解析するとともに、時系列に対する学習モデルである再帰型ニューラルネットワーク(RNN)を利用して、セリフの話者を自動推定する手法を提案する。提案手法は、意味情報と時系列から文脈を把握することで、これまで困難であったキャラクターとセリフが同一コマに存在しない場合であっても精度よく対応付けが可能である。対応推定には特徴量として。これまでに有効であることが示されている吹き出しに対する各キャラクター間の距離およびセリフの分散意味表現を用いる。また、漫画は物語が時系列で繋がっていることから、RNNを使うことで文脈から得られる情報によってキャラクターの推定精度を高められると期待できる。セリフに対する各キャラクターの距離情報による推定、そこにセリフの分散意味表現を加えた特徴ベクトルによる推定、距離情報と分散意味表現にRNNを使った提案手法による推定の3つの推定精度を比較し、提案手法の有効性を検証した。

6F-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名自律映像処理を伴うトラスト指向インターネットライブ配信システムの検討
著者*松本 哲, 義久 智樹 (大阪大学), 川上 朋也 (奈良先端科学技術大学院大学/大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学)
ページpp. 1298 - 1300
キーワードトラスト指向, インターネットライブ配信, 分散処理
アブストラクト近年のインターネットライブ配信の普及に伴いYouTuberなどのインターネット配信者が注目を浴びている.インターネットライブ配信では配信者が移動しながらスマートフォンで自身を撮影しインターネットを介して映像を配信することが多い.配信者と視聴者の間に信頼関係(トラストが無い場合視聴者が配信者を脅迫したり襲い掛かかるといった社会問題が発生しており,インターネットライブ配信においてトラストを確保することで配信者は安心して情報発信を行える.しかしこれまでにトラストを考慮したインターネットライブ配信システムはなく,配信者は顔を隠して配信したり周りが映らないように配信していた.そこで,本研究ではトラストを考慮したインターネットライブ配信システムであるトラスト指向インターネットライブ配信システムを提案する.トラスト指向インターネットライブ配信システムでは,トラストの有無に応じて自律的に映像処理を行う.トラストの無い状況では配信者に関する情報を隠蔽する方針で映像処理を行い,有る状況ではトラストをさらに深く構築するために配信者に関する情報を暴露する方針で映像処理を行う.本研究では自律映像処理を伴うトラスト指向インターネットライブ配信システムの検討を行い配信者情報とトラスト環境と映像内容の関係について議論を行った.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
6F-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名スマートフォンVRを用いた児童公園遊具の絶叫化手法の提案
著者*新地 洋一, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科)
ページpp. 1301 - 1307
キーワードVR, 視覚的誇張, センサ, インタラクション, スマートフォン
アブストラクト本研究では,2台以上のスマートフォンを用いることで,児童公園に設置されているシーソー,グローブジャングル,ブランコなど動きのある遊具を絶叫マシンに変化させる手法について述べる.提案手法では,1台のスマートフォンは遊具の動きを取得して,他のスマートフォンはVRゴーグルとして用いる.VR空間には遊具が再現されており,ユーザがVRゴーグルを装着した状態で遊具で遊ぶと,VR空間の遊具も同じように動くため,VR空間でも遊具で遊ぶことができる.このとき,VR空間の遊具について,動きを実際の動きよりも大きくしたり,サイズや設置場所を変化させることも可能である.これにより,遊具の動きを実際に体感しながら視覚情報が誇張されるため,児童公園での遊具遊びをよりスリリングにすることができる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
6F-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名立体音響を用いる小型サラウンドスピーカー環境の研究
著者*庄子 琢郎 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科), 塚田 学 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
ページpp. 1308 - 1315
キーワード立体音響, インターフェース, オブジェクト指向, バーチャルサウンド, ウェアラブル
アブストラクトサラウンドスピーカーシステムやヘッドホン・イヤホンといった再生環境には問題がある.サラウンドスピーカーシステムは大規模なため一般家庭への導入が困難である.ヘッドホン・イヤホンは立体音響での音の聞こえてくる方向の精度が低い.音をデジタル技術を用いて自由に処理できるようになったが,音の再生環境の問題を解決しないと自由に音を体験することができない.本論文では上記の問題を解決すべき課題とする.サラウンドスピーカーシステムとヘッドホン・イヤホンの問題点・利点を考察することで,サラウンドスピーカーシステムの音の聞こえてくる方向の精度と,ヘッドホン・イヤホンの持ち運べる手軽さを両立すべきと考え,「身に付けられるサイズの音響再生環境で,サラウンドスピーカーシステムを用いた立体音響に匹敵する音の聞こえてくる方向を再現すること」を目的と定めた.これを実現するための提案と設計,実装を行い,実装したもの用いて実験を行い評価する.実験結果を考察し更なる問題点の抽出とそれに対する解決案を提示する.


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セッション 6G  センシング応用
日時: 2019年7月4日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 遊舞・一の遊
座長: 福島 拓 (大阪工業大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
6G-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名新たな賃貸物件探索指標構築のためのセンシングシステム
著者*諏訪 博彦, 大坪 淳, 中村 優吾 (奈良先端科学技術大学院大学), 野口 真史 (株式会社LIFULL)
ページpp. 1316 - 1321
キーワード住宅センシング, 快適度, エナジーハーベスト
アブストラクト賃貸物件を探索する際に,騒音や日当たり,防音性,断熱性など,長時間滞在しないと判断しづらい項目がある.我々は,これらの要因の指標化を試みている. 指標化にあたり,物件の状態を計測するためのセンシングが必要となる.しかし,空き物件のセンシングにおいては,既存の電源やネットワークの利用を前提条件とすることはできない.そのため,既存の電源やネットワークを必要としないエナジーおよびネットワークヘハーべスティングなセンシング手法が必要となる. 本研究では,騒音や日当たりなど,物件に関する新たな定量的な指標を構築するにあたり,電源レスかつネットワークレスなセンシングシステムを構築し,実世界においてデータ収集することを目的とする.そのために,スマートフォンアプリを用いたデータ収集システムを構築した.また,構築したシステムを実際の不動産仲介業者に使用してもらい47物件からデータ収集を行った.その結果,構築したシステムが新たな賃貸物件探索指標のためのセンシングシステムとして,活用可能であることが示された.

6G-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名アウェアネス支援を目的とした位置計測手法の検討
著者*越後 宏紀, 小林 稔 (明治大学)
ページpp. 1322 - 1329
キーワード足音, アウェアネス支援
アブストラクト単身赴任や高齢者の独り身世帯,学生の一人暮らしなど家族が離れ離れに暮らすことが増えてきている.日々の暮らしが共有できないことで,生活リズムのずれや,家族間のコミュニケーション不足などによる寂しさや不安感を抱くことがある.その問題を解決するために,本研究は離れて暮らす家族があたかもすぐ近くにいるような感覚を得られるシステムを目指している.我々はこれまで,足踏みの音源の音量を制御することで足音の動きを表現する手法を考案し,実験によって有効な足音表現手法を選択した.本論文では,足音の音量制御を行うために,遠隔地の人の位置計測を行う手法について検討した.また,その位置計測したデータをもとにシステムが自動で音量制御を行う音量制御システムを開発した.

6G-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名心拍に対する認知の個人差を考慮したフィードバックシステムの検討
著者*菅野 真功 (明治大学先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻), 小林 稔 (明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科)
ページpp. 1330 - 1334
キーワードプレゼンテーション支援, 緊張緩和, 心拍
アブストラクト本研究では,大勢の人の前でプレゼンテーションをする際に虚偽の心拍フィードバックをすることで発表者の緊張を緩和することを目指している.その中でプレゼンテーションの場面に適したフィードバック方法を探索している.先行研究の中で心拍フィードバックをした際に心拍に対する認識や心拍に触れる経験の違いからフィードバックに対する認知的な個人差が見られた.我々はこの個人差を考慮してフィードバックの数値設定を行うことでより発表者が認知しやすいフィードバックをすることができると考えた.本稿では心拍に対する認識や自身がイメージする心拍リズムと実際の安静時の心拍リズムでどのくらいズレがあるのか調査する実験を行い,そのズレを埋めるためのフィードバック方法の検討を行った.


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セッション 6H  IoTセキュリティ
日時: 2019年7月4日(木) 14:10 - 15:30
部屋: 楽舞・一の楽
座長: 沼尾 雅之 (電気通信大学)

6H-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名マルチモーダル人工物メトリクスのための機能性材料の開発(その3)
著者*藤川 真樹, 原 万里子, 尾崎 悠介, 坂野 正宗 (工学院大学), 七井 靖, 渕 真悟 (青山学院大学)
ページpp. 1335 - 1341
キーワードガラス蛍光体, 人工物メトリクス, セラミックス, 特徴情報
アブストラクト著者らは,マルチモーダル人工物メトリクスをセラミックス製品に適用し,複数の光学的な特徴情報を製品から抽出する方法を研究している.本論文では,当該方法を実現する可能性のあるガラス蛍光体の開発について述べる.既発表の論文では,光励起(980 nm)により可視光帯域で2つの発光ピークを示し(アップコンバージョン現象),着色の少ない透明なガラス蛍光体を開発したことを述べたが,当該蛍光体は励起波長よりも長波長側で発光(ダウンコンバージョン現象)を示すことが今回の実験により検証された.また,当該蛍光体は励起光が照射される場所において観測できる色相(可視光帯域)と発光強度(可視光帯域,近赤外線帯域)に違いをもたらす.これにより,当該蛍光体が添加されたセラミックス製品からは「発光を撮影した画像」という特徴情報に加えて,「発光強度とその比率」という特徴情報が抽出される可能性がある.

6H-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名車載LANメッセージの出現頻度と変化量を利用したリアルタイムデータ圧縮方式
著者*上村 孔明 (広島市立大学情報科学部), 井上 博之 (広島市立大学大学院情報科学研究科), 大平 修慈 (奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科), 石田 賢治 (広島市立大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1342 - 1347
キーワード車載LAN, データ圧縮, CAN, セキュリティ, コネクテッドカー
アブストラクト車載LANに流れる情報をクラウドにリアルタイムにアップロードすることで,車両単体また他の車両との連携により車載LANデータの活用や異常検出等が可能となる.しかしながら,車載LANのトラフィックを常時記録した場合のデータ量は膨大であり,可能な限り圧縮したい.本研究では,車載LANデータ中におけるメッセージの出現頻度と変化量に着目した圧縮方式を適用することで車載LANデータのリアルタイムな圧縮が可能であることを示す.提案方式では,車載LANで一般的に使用される通信プロトコルであるCANの構成要素である,CAN IDとペイロードの出現頻度に着目し,ハフマン符号化を行うことでデータ量の圧縮を図った.また,車載LANデータにはCANメッセージが送信された時刻であるタイムスタンプについては,メッセージの前後での相対的時間差をランレングス符号化を行うことで圧縮を試みた.その結果,従来方式に対して更に半分程度のデータサイズへ圧縮が可能であることを確認した.

6H-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名ドローンのための飛行データ保持機構の提案
著者*坂元 建斗 (東京電機大学 情報環境学研究科 情報環境学専攻), 田中 優弥, 八槇 博史 (東京電機大学 情報環境学部 情報環境学科)
ページpp. 1348 - 1352
キーワードドローン, フォレンジック, 飛行データ, 機密データ保持, ブラックボックス
アブストラクト近年ドローンは産業界をはじめ,様々な目的で利活用されている.2020年には,有人地帯での目視外飛行を目指し,制度の制定,設備の整備が進められている.一方でドローンの普及に伴う事故・事件の増大が懸念されている.飛行前後のメンテナンスを行い,トラブルを未然に防ぐ取り組みは為されているものの,事故・事件が日々起きている.本稿では,事故・事件は起きるものとして,原因究明を行える技術を探求する.海外で報告されている事例と論文,日本のドローン産業動向を基に,ドローンの事故が起きた際の分析とその対応の中で行われるフォレンジック作業で何が必要となるか考察した.考察したうえで我々は,ドローンにおけるブラックボックスを提案し,ドローン・フォレンジックを検討した.



2019年7月5日(金)

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セッション 7A  セキュリティの新潮流
日時: 2019年7月5日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 風の杜
座長: 小川 隆一 (情報処理推進機構)

シニアリサーチャ賞 / Senior Researcher Awards
7A-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名IoT時代のセキュリティとフォレンジックの技術課題と対応策
著者*佐々木 良一 (東京電機大学)
ページpp. 1353 - 1361
キーワードIoT, リスク, セキュリティ, フォレンジック, 技術課題
アブストラクト自動車や家電品,医療用機器など従来ネットワークにつながっていなかったいろいろな「もの」がインターネットにつながるIoT(Internet of Things)時代が到来しつつある.このような時代においては従来のセキュリティ技術やフォレンジック技術とは異なる技術が必要になる.本稿では,IoTシステムを4つのレイヤー(サービスレイヤー,プラットフォームレイヤー,ネットワークレイヤー,デバイスレイヤー)にわけ,それぞれ重要性が高まると考えられるセキュリティ技術を示す.特に,IoT時代を迎え,.札ュリティとセーフティの両方を考える必要がある,∪御システムのように多重のフィードバックを含むシステムを扱う必要がある,1洞舛猟衫眠修困難であるなどの理由により従来の方法ではうまくいかなくなってきているリスク評価手法について著者らの最近の研究状況を報告する.併せてIoT時代に要求されるフォレンジックの特徴とそのために必要となるフォレンジック技術の特徴について上記の4つのレイヤーごとに記述する.

7A-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名Fake Honeypotを利用した欺瞞的防御の提案
著者*北沢 尭宏, 篠田 陽一 (北陸先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1362 - 1367
キーワードサイバーセキュリティ, 欺瞞的防御, APT攻撃, Honeypot Detection, Fake Honeypot
アブストラクトインターネット技術の発展に伴い、インターネットを利用できることを前提とした社会になった。その一方、ネットワークを介し、ネットワークに接続する端末を対象としたサイバー攻撃の技術も発達し、それによる被害は深刻な問題となっている。中でも、特定の攻撃対象に対し、その機関に最適化された戦略やツールを用いる標的型攻撃の中に位置付けられる高度で継続的なサイバー攻撃であるAPT攻撃が問題視されている。これは、既存のセキュリティ製品では対応が難しいためである。この攻撃に有効な防御方法として、欺瞞的防御がある。攻撃コストを増加させることで攻撃者を撹乱し、攻撃者の目的を阻害することを本論文の目的とする。本論文では、攻撃者から観測した際に実端末に見えるような機構を持つハニーポットを用いて欺瞞的防御を行うのではなく、実端末をハニーポットのように見せることで欺瞞的防御を行う。

7A-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名熊本地震後の農業ボランティア活動支援システムの活用状況からの考察とシステム構成に関する検討
著者*高田 健杜 (日本大学大学院/理工学研究科), 横井 夏生 (三越伊勢丹システム・ソリューションズ), 栗野 俊一, 吉開 範章 (日本大学/理工学部)
ページpp. 1368 - 1378
キーワードボランティア, Well-being, 信頼
アブストラクト2016年4月に発生した熊本地震後,熊本県西原村では全国で初めて災害時の農業ボランティア支援が行われた.このボランティア活動に対し,活動の効率化及び活性化を目的に,ボランティア活動情報を管理,記録するデータベースを主体とするシステムを構築・提供し,熊本県の農業ボランティア団体である西原村百笑応援団において利用してもらった.本報告では,これまでの運用を通じて明らかとなった問題点と,さらにそれらを踏まえて西原村百笑応援団事務局の方々と共に検討したシステムの改良点について報告する.

7A-4 (時間: 9:30 - 10:10)
題名(招待講演) AIのセキュリティの現状:研究動向と金融分野での活用にかかわる考察
著者*宇根 正志 (日本銀行金融研究所)
ページp. 1379
キーワード機械学習, 金融, セキュリティ, リスク
アブストラクト近年,AI(artificial intelligence)のなかで,とりわけ,機械学習を活用したAI が注目を集めている.金融分野においても,さまざまな業務やサービスでの活用を展望した検討が進められている.機械学習を実装したシステム(機械学習システム)を実運用するうえで,その業務やサービスにおいて要求されるセキュリティを充足することが求められる.本講演では,機械学習システムを対象に,システムセキュリティの観点からリスクと対策にかかる研究動向を説明する.また,金融分野での活用が想定されるいくつかの機械学習システムに焦点を当てて,セキュリティ対策を検討する際の留意点を考察する.


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セッション 7B  アプリケーション
日時: 2019年7月5日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 花舞・一の花
座長: 石原 進 (静岡大学)

7B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名Wordy:ワードクラウドによる要約と検索を支援する e ラーニングシステム
著者*朱 偉, 張 軍, 飛田 博章 (産業技術大学院大学)
ページpp. 1380 - 1385
キーワードeラーニング, ビデオ検索, ワードクラウド, 音声認識, ダイジェスト再生
アブストラクト本論文では,授業動画で教師が話している部分を抽出しワードクラウド化することにより,授業動画のキーワードとダイジェスト閲覧を支援するWordyシステムについて述べる. 授業動画から教師の発話内容を音声認識によりテキストに変換し,そのテキストから抽出したキーワードをワードクラウドに要約し,動画のキーワード検索を行う. また,ワードクラウドから動画閲覧者が関心を持つキーワードを選択すると,システムはキーワードについて教師が話している動画のポイントを検索して一覧表示する.一覧表示された動画は教師が個別に再生できることに加え,キーワードに関連する動画をまとめてダイジェスト再生する機能も提供されている. 提案手法をクラウドサービスによる音声認識を利用したWebアプリケーションとして実現し,比較実験により有効性を検証した.

7B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名効果的な遠隔プレゼンテーションのための全方位視聴機能
著者*戸羽 俊介, 橋本 浩二 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
ページpp. 1386 - 1391
キーワードマルチメディアシステム, 電子会議, 分散処理, 全方位視聴機能, 遠隔プレゼンテーション
アブストラクト今日では手軽にテレビ会議システムやビデオ会議システム等を利用することができるようになった.これらのシステムを利用することで,物理的に存在する制作物をあらゆる方向から見ることができる全方位の遠隔プレゼンテーションを行うことが可能である.しかし,特に制作物の発表においては,発表者は聴衆がどこから見ているかを把握し,聴衆は発表者をあらゆる方向から見るための環境を必要とする.そこで本研究では,聴衆が発表者と発表する対象物をどこからでも容易に見ることができ,発表者が聴衆の位置を把握することができ,発表者・聴衆が共に全方向のコミュニケーションを可能にする効果的なプレゼンテーションシステムを提案する.システムは,全方位プレゼンテーション機能,中継機能,全方位視聴機能の3つから構成される.本稿では,全方位から発表者の映像を視聴可能,かつ,発表者側の複数の映像を容易に切り替えることができる全方位視聴機能について述べる.プロトタイプシステムを用いた評価実験では,発表者側のカメラ数が4台の場合における,発表者とのコミュニケーションの向上,発表者と発表する対象物の位置を把握し易さ,発表者をあらゆる方向から見易くなることを示した.

7B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名遠隔作業支援マニピュレータに関する研究 - 複数インタフェースにおける操作性の比較 -
著者*石川 大輔 (日本大学大学院工学研究科), 武藤 伸洋 (日本大学工学部機械工学科)
ページpp. 1392 - 1395
キーワード遠隔操作, 作業支援, 操作特性評価, マニピュレータ, インターネット
アブストラクト本論文では,本研究室で提案する遠隔作業支援システムにおいて,指示者がロボット操作に未習熟であることを想定し,容易かつ正確な操作方式の検討を目的とする.その方法として,それぞれの操作方式について操作性比較実験を行い,その結果から操作特性について評価した.提案する遠隔作業支援システムは,将来的な日本の作業者の不足を背景に,指示者が遠隔操作するロボットによって現地作業者の支援・補助を行うことで保守点検作業の効率化・省力化を目的としている.比較する操作方式は,マウスとキーボードによる操作をMouse方式,腕の動作計測による操作をMotionCapture方式,ポインティングデバイスによる操作を3DPointingDevice方式とする. 実験として,簡単なPick&Place作業を実施し,作業達成までに要した操作時間を測定した.また,測定した各方式の操作時間をt検定により比較し,操作時間の差異の有意性を確認した.実験結果として,3DPointingDevice方式は平均操作時間が最も短く,今回対象とした操作方式において作業効率が最良だと評価した.

7B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名集団のオンラインテキストコミュニケーションにおける発言関係性の自動構造化による生産性の評価
著者*谷森 一貴, 斉藤 裕樹 (明治大学大学院先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻)
ページpp. 1396 - 1401
キーワードコミュニケーション, 生産性, 協調作業支援, ネットワーク分析
アブストラクト集団作業において,コミュニケーションは必要不可欠な要素である.また,コミュニケーションツールの多様化により,コミュニケーションの形態も変化してきており,チャットツールを使ったインフォーマルなオンラインテキストコミュニケーションも,アイディア創出の場としてチームの生産性に大きな影響をもたらすことが期待される.これまでのコミュニケーション研究において,組織のコミュニケーションの対象者間の関係性に基づき,個人間や組織間を評価することは多く行われてきたが,コミュニケーションそのものの概念の曖昧さから,コミュニケーションを測るものさしは確立されておらず,また,コミュニケーションの良否を決める明確な指標も解明されていない.そこで本論文では,発言間の関係性に着目して,チャットのコミュニケーションログからどの発言がどの発言に遷移したという発言間の構造を自動構築し,発言間構造に対して,複雑ネットワーク科学のアプローチを用いることで,チームの生産性に対する影響を評価する手法を提案する.構造的特徴解明のための実験を行った結果,クラスタ間の構造的特徴に有意差が確認された.

7B-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名訪日外国人へのイベント情報提供を目的としたソーシャルメディア活用の検討
著者*今井 美希, 工藤 瑠璃子 (お茶の水女子大学), 榎 美紀 (IBM Research Tokyo), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1402 - 1408
キーワードSNS, ソーシャル, 観光, インバウンド, Twitter
アブストラクト近年日本を訪れる外国人観光客は急激に増加しており, 2020 年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを考慮すると更なる増加が見込まれる. 観光客の増加に伴い, 有名な観光スポットなどの情報を載せたガイド ブックや Web サイトは見受けられるようになってきた. しかしながら, それらの媒体に載っていないようなローカルな情報や今まさに開催されているイベントを知り得ることは, 現状難しい. また興味のあるイベント情報を自身の手によって見つけるのは手間がかかる. そこで我々は SNS にある情報に着目した. 本研究では, 位置情報を考慮するとともに, ソーシャルストリームに基づき訪日外国人の趣向を推定し, イベント情報の順位付けを行い配信を行う.


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セッション 7C  生体情報
日時: 2019年7月5日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 花舞・三の花
座長: 廣井 慧 (名古屋大学)

7C-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名自律型生体データ収集における腕装着型センサの信頼性推定法の検討
著者*林 正幸, 吉川 寛樹, 内山 彰, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1409 - 1414
キーワードスマートウォッチ, 心拍数, 慣性センサ, 生体データ, ウェアラブルセンサ
アブストラクト近年,ウェアラブルセンサの発展により,様々な生体データを手軽に収集することが可能となった. 多種多様な環境において生体データ収集を行う場合には,センサの装着性やユーザの意思により,特定の端末が利用できない場合もあり,異種端末の混在が避けられない.端末が異なる場合には測定原理や装着部位の違いによって精度の差があるため,測定値をそのまま比較できるとは限らない. また,デバイスの装着が適切に行われないと,測定値の安定性や精度の低下につながる. このため,生体データ収集にあたっては測定値だけでなくその信頼性もあわせて取得できることが望ましい. 本研究では腕装着型センサに焦点を当て,バンドの締め具合が生体データの測定に重要であることに着目し,腕装着型センサに搭載した慣性センサを利用したバンドの締め具合推定手法を設計した.バンドの締め具合を変化させてジョギングにおける性能評価を行ったところ,3段階のバンドの締め具合を平均正解率51.1%で推定できることが分かった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
7C-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名小型デバイスによるサーマルグリル錯覚の発生条件の検証
著者上原 朋子, *鳴海 侑希, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1415 - 1418
キーワード温度刺激, 覚醒, ペルチェ素子, ウェアラブル端末
アブストラクト昨今, 居眠り運転が原因となる死亡交通事故が相次いで問題となっている. この現状の防止策として, 運転中の覚醒度を向上させるために香り・音楽・振動などのフィードバック検討されているが, 効果は十分とは言い難い. そこで, 本研究では, 覚醒度を向上するための新たな刺激として, 皮膚上の近傍に温・冷刺激を同時に提示した際に生じる温度錯覚現象「サーマルグリル錯覚(以下TGI)」に注目した. TGI提示を行う小型デバイスを開発し, TGI発生要件の検証を行った結果, 発生要件を明確にした. 今後はTGIをフィードバックとした各精度向上の効果有無を検証し, TGIの有効性を確かめていく.

7C-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名Optimization Method of Thermal Comfort and Energy Saving Based on Individual Sensation Estimation
著者Takuya Aoki, *Kizito Nkurikiyeyezu, Anna Yokokubo, Guillaume Lopez (Aoyama Gakuin University)
ページpp. 1419 - 1422
キーワード温冷快適感, 空調, 個別冷暖房, 協調制御
アブストラクトIn office-occupied spaces, the ratio of energy consumption by air-conditioning and lighting that maintains the environment comfort accounts for about 70%. On the other hand, many people claim being dissatisfied with the temperature of the air conditioning. Therefore, there is concern about the work efficiency reduction caused by current air-conditioning control. In this research, we propose an automatic control system that both improves the energy saving and the thermal comfort of all indoor users by quantifying individual differences in thermal comfort from biological information, base on which optimal settings of both air-conditioning system and wearable system that can directly heat and cool individuals. Simulation results in various environments demonstrated the efficacy of the proposed system for both energy saving and comfort maximization.

7C-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名視線軌跡の形状と描画特徴を用いた個人認証手法の検討
著者*藤本 巧海 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 1423 - 1432
キーワード個人認証, 視線軌跡, 2要素認証, パスワード認証, バイオメトリクス認証
アブストラクト近年,ノートパソコンやスマートフォン,タブレットなどのモバイル端末が普及し,保有率が増加している.これらのモバイル端末のロック解除やWebサービスを利用する際のログインなど,個人認証を行う機会もまた増加している.モバイル端末の個人認証の技術として,知識認証とバイオメトリクス認証が普及している.これらの認証情報が漏洩することでネットショッピングによる不正購入やSNSでのなりすましなど,不正利用の被害にあう恐れがある.したがって,モバイル端末における認証の安全性を向上させることが重要である.知識認証の脆弱性として,覗き見により認証情報が漏洩することが挙げられる.また,バイオメトリクス認証の脆弱性として,認証情報の偽造による,なりすましへの対処が困難であることが挙げられる.これらの脆弱性を解決するために,本研究では視線の動きに着目する.視線の動きは覗き見による推測が困難であり,ユーザが意図的に再現できる.そのため,ユーザ自身が認証情報として視線軌跡を登録・変更することで,他者からの推測に対して頑健な認証の実現が期待できる.そこで本研究では,ユーザが視線で意図的に描画した軌跡を用いた個人認証手法の提案を行う.提案システムは,視線で描画した軌跡の形状による認証と,描画する際の特徴を用いた認証による2要素認証で構成されている.本稿では,要素技術として,視線軌跡の形状推定と描画特徴による個人分類に着目し,それぞれに対して有効な特徴量の検討を行った.視線軌跡の形状推定では,軌跡画像のHoG(Histograms of Oriented Gradients)特徴と視線軌跡の座標群から得られる特徴量を用いて軌跡の分類を行った.結果として,HoG特徴より座標群から得られる特徴量を用いた際の分類精度が高くなった.描画特徴による個人分類では座標群から,軌跡の形状に加えて描画範囲や描画時間などの特徴を抽出して分類を行い,Random Forestにおける変数重要度を算出することで重要な特徴量を調査した.その結果,F-measureが最大で0.86となり,水平方向の描画範囲を示す特徴が個人分類において重要な特徴であるという結果が得られた.

7C-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名スマートロック操作のためのドアノック型個人認証方式の検討
著者*中鉢 かける (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 中村 嘉隆, 稲村 浩 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 1433 - 1440
キーワードスマートロック, スマートホーム, IoT, ドアノック, ドア
アブストラクト近年,IoT(Internet of Things)技術の発展に伴い,住人により快適な暮らしを実現するスマートホームと呼ばれる住宅が注目されている.スマートホームのセキュリティに関するサービスとして,住宅の玄関ドアの施錠・解錠を物理的な鍵を用いず,スマートフォンアプリを用いてWi-FiやBluetooth経由で行うスマートロックと呼ばれる技術が存在する.玄関ドアの施錠・解錠に関して利便性を向上できる一方,現在のユーザがデバイスの所有ユーザであるかどうかの認証は行っていないため,デバイスの盗難等によって悪意のある他者の住居への侵入を許す危険性が存在する.そこで本研究では,ドアの前で自然に行える動作としてドアのノック動作に注目し,ユーザごとのドアのノック動作の癖などの特徴を用いてスマートロック解錠時におけるドアノック型認証方式の検討を行う.評価実験の結果,等価エラー率の小さな特徴量の選択が可能であることが示され,提案手法は個人認証方式として有効であることがわかった.


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セッション 7D  交通流・人流
日時: 2019年7月5日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 花舞・五の花
座長: 徳永 雄一 (金沢工業大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7D-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名交差ストロークを用いた道なり優先経路探索の高速化手法
著者*日浦 勇貴, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 1441 - 1449
キーワード経路探索, 地図, 道なり, データベース, ストローク
アブストラクト近年,Google Maps などのweb マップサービスが普及しており,これらの経路探索システムは様々な条件で経路探索できる.また,我々はストロークという道なりに続く道路を用いた研究を行っている.先行研究ではストロークを用いた道なり優先経路探索を行ったが,道路リンク単位の経路探索を行うため計算に時間がかかってしまうという問題点がある.そこで,本研究では上記の問題を解決するためにストローク単位の経路探索を行うことで道なり優先経路探索を高速化する手法を提案する.また,交差ストロークと呼ばれるストロークに交差するストロークを事前に求め,データベース化することによりオンデマンドで行う探索時間を削減した.本論文では交差ストロークを用いた道なり優先経路探索システムを提案,実装した.そして,提案システムと従来システムを用いて評価実験を行った結果,提案システムは従来手法に比べ直線距離が1km の場合約140分の1,直線距離が10km の場合約40 分の1 の探索時間で探索できることが分かった.また,名古屋市内の全てのストロークから作成した交差ストロークテーブルを利用し,名古屋市内ならば右左折が16回以内で任意の場所まで行くことができるということが分かった.

7D-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名デマンド応答型外出支援サービスにおける高齢者向け送迎要求収集システムの構築
著者*佐野 友哉, 菅田 唯仁 (奈良先端科学技術大学院大学), 水本 旭洋 (大阪大学), 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1450 - 1456
キーワード地域助け合い型移動サービス, 高齢者支援, 公共交通利用困難地域, LPWA, 要求送信デバイス
アブストラクト近年,高齢化や過疎化により高齢者の移動手段が不足しており,移動手段の確保のために, ボランティア輸送やデマンドバスなどデマンド応答型交通による移動支援に期待が高まっている. デマンド応答型交通では,送迎要求を電話やアプリケーションを介して受け取るが, 電話での聞き取りには送迎管理に負担が大きく,アプリケーションでは,スマートフォンを所有していない, あるいは,操作に不慣れな高齢者にとって利用が難しいという問題がある. そこで,本稿では,デマンド応答型のボランティア輸送を対象に, 高齢者から容易に送迎要求を収集し,送迎管理者に可視化できる高齢者向け送迎要求収集システムを提案する. 提案システムでは,高齢者向けに新たに開発した要求送信デバイスを高齢者宅に設置し, LPWAによる通信を介して地域の送迎要求を収集,地域のボランティア輸送を管理するスタッフに可視化を行う. システムの実運用を想定し,開発した要求送信デバイスのUI評価とLPWA による通信実験を奈良県鹿ノ台地区において実施した. 高齢者に要求送信デバイスを操作してもらった結果,スマートフォンによる入力インターフェースと比較して, 高齢者にとって操作性が優れていることが分かった. また,実運用を考慮して,LPWAの通信可能範囲を調査した結果, 住宅街や自然物の影響により長距離通信が可能なLPWAを用いても地区全域をカバーできないという課題が明らかになった.

7D-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名ODネットワーク分析による人流シミュレーション
著者*北野 佑, 淺原 彰規 ((株)日立製作所)
ページpp. 1457 - 1462
キーワード動線データ, 機械学習, ODネットワーク, 距離特徴量, シミュレーション
アブストラクト公共施設や商業施設,工場・倉庫における,人や物の動きに関するデータ(動線データ) の分析・利活用が近年注目されている.本研究では,上記のような施設の運用効率化のための施策検討において,施策の事前評価を実現するために,動線データを活用した機械学習にもとづく人流シミュレーション手法を提案する.動線データを人の立ち寄り場所ごとに分割した後,人,壁,立ち寄り場所に関する相対的な距離特徴量を入力,次ステップの速度を出力とする予測モデルを勾配ブースティング回帰木にもとづき生成し,この予測モデルに用いた人流シミュレーション実験を行ったところ,某空港チェックインロビーにおいて計測データとシミュレーションデータの人密度値に関して相関係数が0.929 となることを確認した.

7D-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名鉄道制御システムに特化した離散制御器合成における状態削減モデリング手法
著者*桑名 賢吾, 鄭 顕志 (早稲田大学), 半田 隆信, 柳井 法貴, 西面 敦義 (三菱重工業), 深澤 良彰, 本位田 真一 (早稲田大学)
ページpp. 1463 - 1464
キーワードITS, 鉄道システム, Discrete Event System, Controller Synthesis, 状態爆発
アブストラクト鉄道システムにおいて,複雑な路線で制御要求を満たす制御ロジックの人手での構築には膨大な時間が必要となる.人手による構築の負担軽減のために,制御ロジックの自動合成手法である離散制御器合成技術の適用が試みはじめられている.しかし,離散制御器合成では,外部環境の要素数に対して指数関数的に環境モデルの状態数が増大し,それに伴い計算時間も指数関数的に増大する.そのため,鉄道システムにおいて実用的な時間内に動作仕様を生成することができない.そこで,本研究ではこの問題を解決するために,従来の離散制御器合成より100倍以上高速なDirected Controller Synthesis(DCS)アルゴリズムを鉄道システムに適用した.しかし,DCSアルゴリズムの適用によって計算時間の短縮が確認できたものの,実用的な時間内には収まっておらず,さらなる高速化手法の開発が必要であることがわかった.そこで,本研究では環境モデル中に含まれる無駄な制御に関する状態を省く制約を課すドメイン固有な状態削減モデリング手法を提案する.環境モデル中の状態を削減することで,離散制御器合成時間を最大1/10000程度までの短縮を確認した.

優秀論文賞 / Paper Awards
7D-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名IoTバスロケーションシステムにおける電子ペーパー型スマートバス停の試作
著者*鈴木 秀和, 保下 拓也, 松本 幸正 (名城大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1465 - 1471
キーワードバスロケーションシステム, スマートバス停, 電子ペーパー, LPWA
アブストラクトバス停において動的に情報を表示および提供するためには,通信モジュールと表示デバイスが必要となる.従来のバス停は電光掲示板や液晶パネル,電子ペーパーなどと携帯電話網を組み合わせることにより,バスの遅延情報や観光情報などを利用者に提供していた.しかし,バス停に表示するコンテンツの情報量や採用する表示デバイスの仕様により,情報の視認性が大幅に低下している事例が少なくない.筆者らはレスポンシブウェブデザインの考え方を採用し,ワンソースで仕様の異なる電子ペーパーに最適にコンテンツが表示できるスマートバス停を試作した.本稿ではスマートバス停および表示コンテンツの設計について述べ,プロトタイプ実装したスマートバス停の評価結果について示す.


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セッション 7E  動画像信号処理
日時: 2019年7月5日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 遊舞・五の遊
座長: 井上 創造 (九州工業大学)

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
7E-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名物体特徴量に基づく危険運転状況の推定
著者*山本 修平, 倉島 健, 松林 達史, 戸田 浩之 (日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 1472 - 1479
キーワード深層学習, 物体検出, ドライブレコーダ, 危険運転, ヒヤリハット
アブストラクトドライブレコーダで記録された交通事故やそれに近い危険な運転状況に関する映像やセンサデータは,ドライバーの安全運転教育や法人車両の運行管理サービスに利用される有益な情報である.このようなドライブレコーダのデータは,車に急な挙動の変化があったことがトリガーとなり記録されるが,段差を乗り越えた際の衝撃等で危険運転ではないデータも数多く記録され混在している.また危険運転を含むとしても,多様なデータが存在するため,内容に応じて類型化されることが望ましい.本論文では,ドライブレコーダデータに対して,危険運転の発生対象ラベルの自動推定のタスクに取り組む.著者らはこれまでも同様のタスクに取り組んできたが,本論文では特に,異なる環境で記録されるデータに対しても頑健な推定を実現するため,前方映像に対して物体検出技術を適用して得られる物体検出結果に着目する.深層学習に基づく既存手法によって物体検出結果を特徴ベクトルに変換するにあたり,本論文では2つの拡張点を提案する.1つ目は物体検出結果から得られる境界領域をもとに,物体の重要度を考慮できる特徴量を算出する.2つ目はその特徴量に基づいて重要物体を優先的に選出し,危険度の高い物体の取りこぼしの可能性を低くする.実際のドライブレコーダデータを用いた評価実験の結果,2つの拡張点を用いた提案手法が,既存手法に比べて高い推定性能を示すことを明らかにした.

7E-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名高解像度画像からの物体検出高速化手法の検討
著者*洞井 晋一, 小林 美貴, 沼田 直樹 (西日本電信電話株式会社)
ページpp. 1480 - 1485
キーワードObject Detection, 8K, TensorFlow
アブストラクトニューラルネットワークを用いた物体検出技術は日々進化しており、実用的なサービスへの導入も進み始めている。 また、デジタルカメラの微細化が進み、市販されているカメラやスマートフォンでも8K相当の4000万画素での撮影を可能にしている。 このような8K相当の高解像度画像を用いて物体検出を行うことで、遠距離にある物体や小さな物体であっても検出が可能になってきている。 一方で従来の物体検出技術では8K相当の高解像度画像は想定されておらず、ある程度処理しやすい大きさにリサイズされてから物体検出を行うため、 8K相当で無ければ映らないような物体の検出を行うことが難しい。 本論文では高解像度画像を分割して物体検出することで小さな物体の発見を可能にした。 実験の結果、分割することで起きる誤検知や検出漏れを防ぎつつ、従来よりも数十倍の物体の検出を可能にしている。 また、単純な分割では検出に30〜400秒程度時間がかかっていたが、 前処理を加えることで検出率は低下しつつも数秒程度まで高速化することを可能にした。

7E-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名動画視聴ログを用いた深層学習による視聴者の年代推定
著者*永田 尚志 (西日本電信電話株式会社)
ページpp. 1486 - 1491
キーワードAI, ビッグデータ
アブストラクト動画配信サービスのパーソナライズ化を指向し、大量の動画視聴ログを元に深層学習を用いて動画視聴者の年代推定を行ったので報告する。投稿動画の配信サービスを対象とし、動画視聴ログに含まれる視聴者の年代ごとの視聴時間、視聴曜日、人気の動画などの傾向に着目し、深層学習への入力データの表現方法、教師データの効果的な学習手法を提案する。投稿動画の人気度や視聴時間の分割数などを考慮した複数の入力データ表現を定義し、学習と推定を行った結果、最大で約15%の精度向上を実現する入力データ表現を明らかにした。

7E-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ヒアラブル端末による PDR 測位での首振り動作推定手法
著者田村 洸樹, *浅井 宏斗, 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1492 - 1497
キーワードヒアラブル, 行動認識, PDR, 屋内測位, ウェアラブル
アブストラクト屋内における自己位置推定方法としてWi-Fi測位やBLE測位,PDRなどがある.特にPDRは加速度・ジャイロセンサのみを用いて初期位置からの相対位置を推定できる.また, 近年ではヒアラブル端末の普及が進み, 耳に装着した加速度・ジャイロセンサを用いた頭部姿勢推定の研究が盛んに行われている.そこで本研究では, ヒアラブル端末で得られるセンサデータのみを用いた頭部姿勢を考慮したPDRの実現を図る. センサを頭部に装着すると,センサデータに首振り動作が加わり, PDRの進行方向推定に影響が出る. 歩行時の両耳にかかる加速度の差を利用し,首振り動作を推定する.ヘッドホンの左右のスピーカー部に加速度・ジャイロセンサを装着した端末を作成し評価をした.評価の結果, 首振り動作推定精度は 88.0\%となり, 首振り動作のF値が0.87, 首振り以外の動作の F 値が0.89となった.首振り動作の推定結果をPDRに反映し, ヒアラブル端末で得られるセンサデータを用いたPDRを実現した.

7E-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名自然な食事環境に対応した骨伝導音を用いた咀嚼・嚥下・発話分類手法の提案
著者近藤 匠海, *蒲地 遥, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1498 - 1504
キーワード音声解析, 行動認識, 咀嚼, 嚥下, 食事行動
アブストラクト食事中の咀嚼の回数が少ないと肥満につながる.また,食事中の会話は健康に関連があることより,食事中に会話することが望ましい.他にも,従来の咀嚼の測定装置は大きく持ち運びができないため,日常で使用することは難しい.そこで本研究では,自然な食事環境下での食事行動の定量化を実現することを目的とし,自然な食事環境に対応した咀嚼・嚥下・発話の高精度分類を目標とする.システムは骨伝導マイクロフォンとフィードバックに使用するスマートフォンから構成される.ウェアラブルデバイスを用いた食事行動の定量化の研究は今までにも行われているが,実験的な環境でのテストしか行われていない.この研究では,日常的な食事環境での食事音声データを収集し,分類手法を評価,咀嚼・嚥下・発話の分類最適化の手法を提案する.


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セッション 7F  情報提示
日時: 2019年7月5日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 遊舞・三の遊
座長: 肥田 一生 (富士通研究所)

最優秀論文賞 / Best Paper Awards
7F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名Improving Face Recognition for Identity Verification by Managing Facial Directions and Eye Contact of Event Attendees
著者*Akitoshi Okumura (IPA Information-technology Promotion Agency, Japan), Susumu Handa, Takamichi Hoshino, Naoki Tokunaga, Masami Kanda (NEC Solution Innovators, Ltd.)
ページpp. 1505 - 1514
キーワードFace Recognition, Identity Verification,, Illegal Ticket Resale Prevention

7F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名スマートウォッチとワイヤレスヘッドフォンを用いた個人向け情報配信システム
著者*小川 拓也 (愛媛大学大学院理工学研究科), 藤橋 卓也 (大阪大学大学院情報科学研究科), 遠藤 慶一, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1515 - 1522
キーワード情報配信システム, スマートウォッチ, ワイヤレスヘッドフォン, 音声, リコメンデーション
アブストラクトインターネット上には,膨大な量のニュース情報が存在しており,ユーザは多くの情報を入手できるというメリットがある.しかし,ユーザは存在する全てのニュースに興味を持っているわけではない.先行研究では,インターネット上のニュース情報における情報過多を解決することを目的に,スマートウォッチを介しての情報提供が可能なスマートフォンアプリを開発した.スマートウォッチ上で文字情報を表示することにより,スマートフォンを操作する必要なく情報の取得が可能になった.しかし,スマートウォッチの画面サイズを考慮し,取得できる情報を限定する必要があり,ユーザが欲しい情報を提供できなかった.一方で,ワイヤレスイヤホンやワイヤレス接続機能を持った自動車用オーディオ機器等の普及により,ユーザへの音声を用いた情報の提供が容易になっている.そこで,本研究では,ニュース情報を音声で提供し,読み上げの開始・停止などの操作をスマートウォッチで行える情報配信アプリを提案する.これにより,満員電車の中や自動車運転中にも,個人向けに選択されたニュース情報を限定されることなく取得することができる.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名視線移動軌跡による視力判別に基づく情報提示を行うデジタルサイネージシステムの提案
著者*濱本 昂, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 1523 - 1527
キーワードデジタルサイネージ, 視線移動, 視力判別
アブストラクト近年,デジタルサイネージ(電子看板)が広く社会に普及してきている.しかし,現在の多くのデジタルサイネージは全てのユーザに対して同じ情報しか提示しないという問題点がある.この問題の解決策として,ユーザの位置や体格,視力などの属性分けに応じて提示する情報を変えることが考えられる.視覚情報を主とするサイネージにおいて視力によって提示内容を変更するのは効果的な情報提示に繋がると考えられるため,本研究ではユーザの視力の良し悪しを判定し,広告などで効果的な情報提供を行うデジタルサイネージシステムを提案する.我々は視力が違えばユーザがサイネージ上の広告を読む際の視線移動に差が生じるのではないかと考え,本稿では視線移動軌跡に基づくユーザの視力判別手法について調査した.予備調査により,文字を多く用いた広告ではフォントの大きい文字と小さい文字の間で,視力により視線移動に差が生まれることが示された.予備調査の結果に基づいて構築した,縦方向の視線移動量と横方向の視線移動量との比に基づいた視力判別手法を提案し,正しく視力判別できるか評価する実験を行った.実験の結果,大小の文字が混在する広告において,多くの場合で正しく視力判別が行えた.

7F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名スマートフォンを用いたSQRCリーダシステムの開発:nearly invisibleなSQRCのセラミックスへの焼き付けと職務権限に応じた秘密情報の表示
著者*藤川 真樹, 上野 唯 (工学院大学), 大澤 大二 (株式会社高根シルク), 西村 英伍 (サイエンスパーク株式会社), 五味 宏太郎, 岩 秀樹 (株式会社山加商店), 原田 敏明, 安達 直己 (岐阜県セラミックス研究所)
ページpp. 1528 - 1536
キーワードSQRC, スマートフォン, 秘密情報, 公開情報
アブストラクト本論文では,セラミックス製品の表面に形成するnearly invisible な2 次元コードの形成方法と,当該コードから文字情報(公開情報と暗号化された秘密情報)を抽出する,スマートフォンと紫外線光源を用いた2 次元コードリーダシステムを紹介する.Nearly invisible な2 次元コードは,セラミックス製品の意匠を可能な限り損なわずに文字 情報を製品に持たせるために著者らが開発したものであり,当該コードは紫外線が照射されている間,青白い光を発光するため肉眼での視認が容易となる.リーダシステムは,カメラ機能と2 次元コード認識アルゴリズムを用いて文字情報を抽出するが,デジタル鍵にアクセスできるスマートフォンのみが暗号化された秘密情報を復号できる.実験の結果,nearly invisible な2 次元コードが形成できること,およびリーダシステムが文字情報を再現性をもって抽出できることがわかった.


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セッション 7G  学習支援 (2)
日時: 2019年7月5日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 遊舞・一の遊
座長: 市村 哲 (大妻女子大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
7G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名学習者の脚部動作回数に基づく疲労の推定手法
著者*相川 大吾, 浅井 康貴, 江木 啓訓 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
ページpp. 1537 - 1542
キーワード学習者の疲労, 脚部動作, 授業中の休憩
アブストラクト本研究では,学習者の精神疲労を脚部動作の計測を行うことによって推定する手法を提案する. 一般に,授業を受ける学習者の疲労は時間とともに蓄積していくと考えられる.これを防ぐためには,授業中に話題の転換や,短い休憩をはさむことが効果的である.しかし,短い休憩を学習者の精神状態を鑑みた適切なタイミングで実施することは困難である.このような問題に対して,学習者の疲労度を把握することで,教授者が授業中の適切なタイミングで短い休憩を実施することができると考えた.本研究では,疲労を推定する指標として脚部動作回数に着目した.脚部動作回数に基づいた疲労の推定が可能であるかを確認するために実験を行った.被験者に暗算課題を複数回反復して取り組ませ,その間の脚部動作を記録した.暗算課題を終えるごとに主観的な疲労度を問うアンケートを行った.脚部の動作回数とアンケートの相関を分析した結果,多くの被験者で脚部の動作回数と主観的疲労度の間に有意な相関があることが分かった.このことから,脚部動作を計測することで学習者の主観的疲労度を推定することが出来る可能性が示された.

7G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名TA支援システムの導入による学生への対応時間分散化の影響
著者*今村 瑠一郎, 横山 裕紀, 江木 啓訓 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
ページpp. 1543 - 1548
キーワードTA, プログラミング教育, 行動認識
アブストラクトプログラミング演習講義のティーチングアシスタント(TA)による学生への指導を支援するシステムを提案する.プログラミングの初学者が多い講義では,学生が演習を進められるよう,TAが学生個別に対応することが望まれる.一方で,TAによる指導が過剰になった場合,学生の学習効果が減衰する可能性がある.そこで本研究では,TAによる対応時間を調整し,TAの指導をより効果的にするシステムを開発した.システムを用いることで,学生がTAの指導により得られる学習機会の均等化と,対応時間の分散を図る.教室内のTAの位置情報からTAが対応中であるかを推定し,対応時間の測定を行う.対応時間が設定値を超えるとTAに対して通知をする.その時点でTAは可能ならば対応をまとめる.システムが及ぼす影響を調べるために,プログラミング演習講義にて実験を行なった.その結果,対応時間の短縮は確認されたが,学習機会の均等化と対応時間の分散については,期待された変化はみられなかった.今回の実験で明らかになったシステムの改善点について,今後検討を進める.

7G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名ソフトウェア開発PBL授業における進捗管理手法の評価
著者*山本 美幸, 福岡 宏一 (創価大学大学院工学研究科), 清原 良三 (神奈川工科大学情報学部情報工学科), 寺島 美昭 (創価大学大学院工学研究科)
ページpp. 1549 - 1554
キーワードProject-based Learning, Teaching Assistant, 分散開発, 進捗管理
アブストラクト近年,大規模ソフトウェア開発の分散開発を学ぶ、PBL授業が重要視されている.そこで,本研究は分散開発を想定したProject-based Learning(PBL)型の授業を対象とし,分散開発の独立性を妨げない非同期型の情報共有を用いて,開発の遅延を解決するための進捗管理手法を提案する.PBL型の授業では,Teaching Assistant(TA)が学生のサポートを行うが,分散開発を想定する場合,TAと学生が地理的に離れた状況になる.そのため,複数のプロジェクトを監視することに時間がかかり,学生への対応が遅れる可能性がある.提案手法では非同期型の情報共有を開発に取り入れ,TAの開発進捗監視と分析,助言の役割を自動化することで学生の遅延を早期に解決する.TA自動化のために開発進捗を測る指標として,学生の遅延がプロジェクトに与える影響を数値化した深刻度を定義し,深刻度に対応した助言内容を定める.実験では,プロジェクトの開発進捗が学生の能力や作業効率に左右されるため再現することが難しく,実験方法自体を考慮する必要があることから,提案手法の効果を確認することに加え,有効性評価方法の検討を行った.

7G-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名学習者の発言機会を均等にする議論訓練システムの提案
著者*江木 啓訓, 岡澤 大志, 石川 誠彬 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
ページpp. 1555 - 1560
キーワード対話分析, 議論訓練, 情報システム, ウェアラブル
アブストラクト本研究では,議論参加者が通知される議論状況を読み取り,訓練を行うシステムを提案する.議論状況を俯瞰する能力,発言機会を調整する能力の習得を目的とする.教育現場において,学習者に能動的な学習を促す協調学習が導入されている.協調学習の一つとして,グループで議論を行うことで学習する協調的議論がある.協調的議論を行い,客観的に振り返ることで,コミュニケーションの能力,批判的思考力の向上が期待されている.本研究では議論中に介入を行うシステムを提案する.議論状況を即時に提示するシステムを開発し,議論参加者が議論状況を把握する能力を習得できるよう支援する.また,開発するシステムを用いることで,学習者が議論中の発言の機会を均等にできるようになるかを検証する.


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セッション 7H  分散システム
日時: 2019年7月5日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 楽舞・一の楽
座長: 寺田 直美 (情報通信研究機構)

7H-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名Dynamic Updating Controller自動生成のための環境モデル構築における関心事分離手法
著者*山内 拓人 (早稲田大学), 鄭 顕志, 鷲崎 弘宜, 本位田 真一 (早稲田大学/国立情報学研究所)
ページpp. 1561 - 1562
キーワード実行時更新, 離散制御器合成, 適応システム, 安全性保証, コンテクストアウェアネス
アブストラクト継続的な稼働が求められるシステムでは,システムの更新時においてもその実行を停止することなくシステムを更新することが求められる.このような実行時更新を行う場合,更新前後だけでなく更新途中も不具合が生じないよう注意深く更新手順を設計・検証する必要がある.しかし,この更新手順の設計は開発者にとって負担となっている.人手による更新手順設計の負担を軽減し誤り混入を防ぐために,更新手順の自動合成手法が"Dynamic update of discrete event controllers"[1]で提案されている.[1]の論文では更新途中においても指定された安全性要求を満たしつつシステムの更新を行うDynamic Updating Controller(DUC)を自動合成する手法を提案している.DUCの自動合成において、DUCが制御対象としているシステムの更新自体を表す環境モデルEmapの入力が必要となる。その際,開発者は更新前のシステム実行環境を表す環境モデル(E),更新後のシステム実行環境を表す環境モデル(E'),EとE'間の状態の対応づけを表現する遷移(Tupdate)の3つの関心事を1つのEmapとしてモデル化する。すると3つの関心事が混在した状態で設計者はモデル化する必要があるため,設計が複雑になってしまうという現状がある.そこで本論文では,DUC自動合成のための環境モデルにおける関心事を分離するモデリング手法(提案1)と、分離したモデルからEmapを合成する自動合成手法(提案2)を提案する。また,分離手法によって生じる影響について検証し,提案手法が十分に有用であることを示す.

7H-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名環境変化の差分情報を用いた離散制御器の実行時差分合成アルゴリズム
著者*平野 貴規, 相澤 和也 (早稲田大学), 鄭 顕志 (早稲田大学/国立情報学研究所), 鷲崎 弘宜 (早稲田大学), 本位田 真一 (早稲田大学/国立情報学研究所)
ページpp. 1563 - 1565
キーワード自己適応システム, 離散制御器合成, 安全性保証, コンテクストアウェアネス
アブストラクトシステム実行時に検知した環境変化に応じて,満たすべき要求の集合を満たすように,システムが自身の振る舞いを変更する自己適応システムの研究が行われてきた.自己適応システムは実行時に観測された環境変化に対して,変化後の環境において要求の集合を満たすことができる動作仕様を高速に決定することが求められる.動作仕様を自動生成する技術として離散制御器合成技術が存在する.実行時に離散制御器合成技術を用いて動作仕様を自動生成するには計算時間オーバーヘッドが課題となる.本論文では,実行時に環境変化の差分情報を用いて動作仕様の差分更新を行うことで離散制御器合成技術を高速化するアルゴリズムを提案する.自動倉庫管理システムの事例をもとに提案したアルゴリズムによる離散制御器の合成時間の削減効果を評価し,提案手法は離散制御器合成による動作仕様の生成に比べて最大で6.25%に,最小で48.15%に,中央値で11.11%にまで計算時間を削減することができた.この結果より,離散制御器の合成時間の短縮が確認できた.

7H-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名マルチモーダルセンサーを用いて状況を認識するロボットのためのシナリオエンジン
著者*永間 慎太郎, 大石 伸之, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工学研究科)
ページpp. 1566 - 1570
キーワードIoT, 認識, システムアーキテクチャ, インタラクション
アブストラクト介護施設では高齢者を見守る,見守りシステムの導入が進んでいる.既に多くの企業が見守りシステ ムを開発しており,導入も進んでいる.見守りシステムの多くは,異常検知やバイタルデータの収集を主 な機能としている.しかし,介護施設で求められる見守りシステムの機能は多岐にわたるため,センサー 追加やアクチュエーターの追加にも柔軟に対応する必要がある.また,介護施設によって自由にシナリオ を組むことができると異常検知やバイタルデータの収集の他に,システムとの対話による認知機能の測定 なども可能となる.そのような施設の要望に合わせて開発者が自由にシナリオを組むことができる柔軟な システムが求められている.そこで本研究では,マルチモーダルセンサー・マルチシナリオに対応した見 守りシステムフレームワークを提案する.提案するフレームワークはオープンソースのログ収集ソフト ウェアである fluentd をベースにしており,先行研究 [1] で作成されたプラグインを用いながら実装を行っ た.実際にアプリケーションを作成し,提案フレームワークの評価実験を行った結果,フレームワークの 設定ファイルの記述方法には改善の余地はあるが,簡潔な設定ファイルを書くだけで開発者が意図したシ ナリオを作成でき,その動作も問題ないことが確認できた.

7H-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名分散MQTT Brokerを活用したDataflowコンポーネント間通信手法の提案
著者*石原 真太郎, 安田 和磨, 秋山 豊和 (京都産業大学 先端情報学研究科), 安倍 広多 (大阪市立大学大学院 工学研究科), 寺西 裕一 (情報通信研究機構)
ページpp. 1571 - 1580
キーワードInternet of Things, エッジコンピューティング, P2P
アブストラクトInternet of Things (IoT) デバイスから生成されるストリームデータの処理手順を複数のソフトウェアコンポーネントから成るDataflow applicationとして定義し,それを展開するDataflow platformの研究開発が進められている.これまで,P2Pネットワークを用いて,コンポーネントに付与した値を用いて負荷分散する手法が提案されているが,単純なラウンドロビンであり,コンポーネント配備先リソースの状況は考慮できていなかった.本研究では,オーバレイネットワークに参加するノードから収集した集約値を用いた条件付きMulticastを拡張し,ノードの負荷などの情報を考慮して,適切なノードを選択して配送するAnycast機構を導入し,ノード状況が変動する環境での配送先選択に用いる.また,エンドノードがP2P機能をもたない単純なデバイスでも利用可能とするため,MQTTプロトコルに対応した分散型のTopic Based Pub/Sub Broker PIQTを拡張する形で条件付きAnycast機構を実現した.さらに,拡張したコンポーネント間通信機能を活用したアプリケーションの開発を容易にするためのWrapper機能について検討する. 集約値の情報は,収集してからオーバレイ上のルーティングに反映するまでに時間が必要なため,情報の鮮度は更新頻度に依存する.そこで,Anycastメッセージの受信によりリソースの状態が更新される環境で,Anycast機構の更新頻度とオーバレイ上での無駄なメッセージホップ数の関係をエミュレーションにより明らかにした.結果として,本研究で想定しているバスセンシング環境におけるストリーム処理を対象とした場合には,リソース探索メッセージ数に対して無駄なメッセージ数を十分に低減できることが確認できた.

7H-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名SINET広域データ収集基盤を用いたリアルタイムビデオ処理機構の検討
著者*竹房 あつ子, 孫 静涛, 長久 勝, 吉田 浩, 政谷 好伸, 合田 憲人 (国立情報学研究所)
ページpp. 1581 - 1588
キーワードクラウド, リアルタイム処理, モバイル網, 動画解析, メッセージング基盤
アブストラクトビデオデータのリアルタイム解析は,自動運転における物体認識や防犯カメラでの異常検知等の用途でその需要が高まっているが,センサとクラウド間のネットワーク帯域と安全性の確保,大量データの収集,クラウドでのリアルタイムビデオ解析処理の性能が課題となる. 本研究では,SINET広域データ収集基盤を用いたリアルタイムビデオ処理機構のプロトタイプシステムを構築し,安全かつ高性能なネットワーク環境下でメッセージング基盤を利用した大量データの収集と,クラウドのGPUノードを活用したリアルタイム処理が実現可能であることを示す.また,予備評価によりリアルタイム処理基盤を構成するメッセージング基盤の性能特性を示す.


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セッション 8A  医療・介護
日時: 2019年7月5日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 風の杜
座長: 廣井 慧 (名古屋大学)

8A-1 (時間: 10:30 - 11:10)
題名(招待講演) 在宅医療におけるICT活用の取り組み紹介
著者*烏谷 彰 (富士通研究所)
ページp. 1589
キーワード在宅医療, 電子カルテ, センシング, CPS, サービス制御
アブストラクト患者のケア情報の収集や分析,保管,共有を実現するために,ICT(Information and Cmmunication Technology)の活用に対する期待は高い. 本発表では,在宅医療の現場へ実際に ICT を適用した事 例を紹介し,そのベースとなる技術について説明するとともに,サービスの提供価値や課題などについて議論する.一つ目の事例は,在宅医療の医療関係者が患者のケア情報へ安全かつ効率的にアクセス・共有することを可能とする取り組みである.この取り組みにより,これまで以上に医療関係者間で頻繁に患者の最新のケア情報を共有する 機会が高まる効果を確認した.二つ目の事例は,在宅医療における患者の日常生活中の状態を様々なセンサーでモニタリングして,病院検査では見つけ難い日常生活中に現れる症状を捉える取り組みである.この取り組みにより,自宅に戻った患者が移動に苦労している様子や異常歩行などを捉えられ,きめ細かな医療の実現を支援できる見込みを得た. これらの取り組みを通して得られた,在宅医療での ICT活用の可能性とともに、直面した難しさについて発表し、議論する.

8A-2 (時間: 11:10 - 11:30)
題名医療機器操作における習熟度と運動情報の関連性に関する研究
著者*村上 拓也 (日本大学大学院工学研究科), 石橋 優祐, 武藤 伸洋 (日本大学工学部)
ページpp. 1590 - 1593
キーワード遠隔教育, 医療機器操作, 作業習熟度, 視線センサ, 輪郭抽出
アブストラクト現在,臨床工学技士の需要が増加傾向にありその育成においては医療機器の操作方法を効率的に習得することが課題であり,医療機器操作の習熟度を定量的に評価する必要がある.しかし現在は習熟度を操作歴や勤続年数で判断しており操作の計測による定量的な指標はない.そこで本研究では医療機器操作時の運動情報に着目して習熟度の定量評価指標を検討した.その方法として,医療機器操作者の両手首に9軸情報センサ,頭部に視線センサを装着し機器操作時の加速度,角速度や視線移動速度,視線位置データ等を取得し,これらの運動情報と操作時間との相関を導出する.また,本論文では従来研究にて手作業で行っていた作業対象を注視した時間の操作時間における割合の解析の自動化について検討した.具体的には視線センサで撮影した映像からCanny法を用いて注視対象の輪郭を検出し,面積および形状から注視対象を判定してその中に注視位置が入っているかを解析する.実験は機器操作の未経験者15人を対象に実施した.その結果,手首および頭部の運動情報に関しては強い相関は得られなかった.注視位置の自動取得について,注視対象の判定ができた7人分のデータについて解析したところ操作時間と注視時間割合に強い相関を確認した.

8A-3 (時間: 11:30 - 11:50)
題名高齢者向け学習支援システムためのUIプロトタイプ開発と実験
著者*陸 , 田村 かおり, 岡本 剛 (九州大学基幹教育院), 大井 京 (九州大学附属図書館付設教材開発センター), 島田 敬士 (九州大学大学院システム情報科学研究院), 畑埜 晃平, 山田 政寛, 木實 新一 (九州大学基幹教育院)
ページpp. 1594 - 1598
キーワード学習支援システム, 高齢者, ユーザインターフェイス, ユーザ実験
アブストラクト高齢者向け学習支援システムためのUIは,利用者の操作負担の軽減及び不安感・抵抗感の解消を考慮した設計の必要がある.本研究はヒアリング調査での意見聴取に基づいて,タブレット2台の利用により機能を分散し,情報表示の階層数と操作の複雑度を削減して,タッチスクリーンで直感的操作できるようなUIを提案する.提案したUIの初歩的実現と検討のため開発されたプロトタイプは,ユーザ実験で高齢者に試用してもらい,形成的評価及び改良ための意見聴取を行った.後続の改良と開発及び評価実験について考察と議論を行った.

8A-4 (時間: 11:50 - 12:10)
題名介護日誌自動生成のための介護分野オントロジー生成技術の研究
著者*野亦 優 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻), 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 1599 - 1603
キーワード自然言語処理, オントロジー, 行動認識, ADL, LDA
アブストラクト現在日本では少子高齢化が急速に進み,それに伴って介護業界への関心が高まっている.介護業界の問題の一つに介護日誌などの書類作成といった間接業務の多さが挙げられる.職員同士の申し送り事項の伝達や,介護サービス利用者家族への連絡手段としての介護日誌であるが,この入力が自動化できれば,介護施設職員はより良いサービスの提供に集中できるようになると考えられる.本論文では,介護日誌の自動入力を目標として,介護分野に特有のオントロジーの自動構築について検討した.


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セッション 8B  シミュレーション
日時: 2019年7月5日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 花舞・一の花
座長: 斉藤 裕樹 (明治大学)

8B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名自動車を中心とした陸上交通のリアルタイム位置マネジメント方式の検討
著者*佐藤 永欣, 松倉 龍之介, 村田 嘉利, 鈴木 彰真 (岩手県立大学)
ページpp. 1604 - 1609
キーワード交通管理システム, 自動車の位置管理, MGRS
アブストラクトこの論文では陸上交通の次世代の管理方式を実現する方法を検討し、そのうちの一つについて評価を行う。陸上交通に参加する移動体の数が膨大である、航空交通のように詳細に管理しなくても重大な事故には直接つながらない、大型船舶と違って比較的操縦が容易であり目視後の対応で事故を防げるなどの理由から、陸上交通の移動体はマスとしては把握されていたが個々の移動体としては把握されていなかった。そこで、陸上交通を対象に個々の移動体の位置などを把握し管理するための方式を提案する。移動体の位置情報の用途により、どのようなアーキテクチャが望ましいのかを検討し、典型的と思われる用途に特化したシステムの設計を行い、シミュレーションにより評価した。

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名データ送信量解析を用いたアドホックネットワークの動作推定手法の提案
著者*福岡 宏一, 山本 美幸 (創価大学大学院 工学研究科), 横谷 哲也 (金沢工業大学 工学部), 齋藤 正史 (金沢工業大学 情報フロンティア学部), 寺島 美昭 (創価大学大学院 工学研究科)
ページpp. 1610 - 1615
キーワードネットワーク監視, 動作推定, アドホックネットワーク
アブストラクト本稿では,自動車の自動制御運転(自動運転)で用いられる無線アドホックネットワークを対象に,外部から観測できる通信端末の送信量変化を比較解析することによって,通信経路に使用されている端末群と移動に伴って変化する通信経路の切替発生時刻を推定するアルゴリズムを提案する.無線アドホックネットワークでは,通信の安定度の低さや強固なセキュリティ,帯域幅の狭さによって,有線で使用される管理プロトコルやパケットキャプチャによるネットワーク監視が難しい.提案手法では,ネットワークに負荷を与えることなく外部から観測できる通信端末の送信量変化を用いた,ブラックボックスな動作監視を実現できる.また,ネットワークシミュレータを用いて提案手法の理論検証と精度評価も行う.

8B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名火災避難シミュレーションを用いた通信式火災警報器の有効性の検証
著者*浅野 俊幸 (湘南工科大学), 廣川 雄一, 西川 憲明 (国立研究開発法人海洋研究開発機構)
ページpp. 1616 - 1619
キーワードマルチエージェントシミュレーション, 避難, 安全, 通知, 火災
アブストラクト本研究は木造住宅が密集している地域において地震後の延焼対策として有効な避難方法を提案することを目的としている.まず,マルチエージェントモデルを火災拡散からの避難のシミュレーションに適用した.我々は,その可視性に基づいて,連続空間における歩行者の行動をシミュレートするために微視的歩行者モデルを構築した.火災避難の場合,建物からの出火後に避難が開始される.本研究では,次の2つの避難開始シナリオを想定する.1つ目は”近隣建物の出火により避難開始する”,2つ目は”報知器同士の情報伝達機能を有する火災報知機の作動により避難開始する”である.無線LANを有する火災報知器は我々の提案する機能を有したものであり,その有効性を評価した.このように実践的なシミュレーションを用いた避難計画は非常に重要かつ効果的であると結論される.

8B-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名許容待ち時間の短いパケットが多いネットワークにおけるパケット集約手法
著者*古田 貴也 (早稲田大学基幹理工学研究科情報理工・情報通信専攻), 高橋 竜一 (茨城大学工学部情報工学科), 深澤 良彰 (早稲田大学基幹理工学研究科情報理工・情報通信専攻)
ページpp. 1620 - 1630
キーワードIoT, スマートホーム, パケット集約
アブストラクト昨今のインターネットの発展とともにインターネットに繋がる「モノ」の急激な増加が見込まれる.特に今後増加すると予想されている自動車産業,医療分野,そしてスマートシティやスマート工場など,どの分野においても,大量のセンサが用いられている.センサが様々なデータを送信するスマートホームをはじめとするIoT環境では,小さいサイズのセンサデータがリアルタイムで大量にやりとりされるため,データ集約が一つの重要な技術となっている.多くの既存研究ではかかる遅延と集約効率に焦点をあてて取り組みがされているが,IoTアプリケーションに適した集約方法についての研究は十分にされていない.リアルタイム性が重要なサービスでは,データの提供までに許容できる待ち時間が重要であり,この時間はそのデータを持つパケットの許容待ち時間と呼ばれる.本稿ではIoTアプリケーションのように小サイズで許容待ち時間の短いパケットが通信の大部分を占めるような環境において,パケットを複数のバッファに割り振ることにより,効率的なデータ集約が可能となる手法を提案する.


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セッション 8C  モバイルネットワーク
日時: 2019年7月5日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 花舞・三の花
座長: 梅澤 猛 (千葉大学)

8C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名NTMobileによるAndroidスマートフォンのためのIP Flow Mobilityの提案
著者*松岡 穂, 柳瀬 知広, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部), 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1631 - 1636
キーワードIP Flow Mobility, QoE, 移動透過性技術, Android, オフロード
アブストラクト複数の通信インタフェースを備えたモバイル端末の普及により,LTEやWi-Fiなどの異種ネットワークを切り替えながら通信する機会が増加している.しかし,ネットワークを切り替える場合,全てのトラフィックがオフロードされるため,VoIP(Voice over IP)といったリアルタイム性を要求するフローなどの通信品質が低下する場合が懸念される.この懸念される課題を解決するために,本稿では,ユーザ空間で実装可能な移動透過性技術であるNTMobile(Network Traversal with Mobility)を拡張し,通信断絶の発生しない端末主導型のIP Flow Mobility を実現する手法を提案する.また,NTMobileシステムの再設計を行い,提案手法を実現するためのモジュール構成等について述べる.これにより,特定の通信フローをオフロードすることが可能になり,ユーザの体感品質QoE(Quality of Experience) の向上が期待できる.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
優秀論文賞 / Paper Awards
8C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名クラウドセンシングによる屋内Wi-Fi APの3次元位置推定手法
著者*天野 辰哉, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科), 皸 峰生 (大阪大学大学院情報科学研究科/カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
ページpp. 1637 - 1647
キーワードWi-Fi, 都市環境, AP位置推定
アブストラクト本研究では,GPSによる位置情報が付与された屋外のWi-Fiビーコン観測データと,位置情報が含まれない屋内の観測データからAPの3次元位置推定を行う手法を提案する.提案手法では,まず屋外におけるビーコン観測データとその観測位置情報,周辺の3次元都市モデルを基に電波伝搬シミュレーションを活用して建物壁面上に存在すると考えられる仮想的なAP位置を推定する.さらに屋内の観測データから三次元多次元尺度構成法により屋内APの相対的な位置マップを生成し,この相対的なAP位置マップとグローバル座標上の仮想的なAP位置の位置合わせを行うことで,屋内APの3次元空間上の絶対位置を推定する.これにより屋内の観測位置情報や位置の基準となるアンカー等を利用せずに屋内AP位置が推定できるため,協力ユーザに一切のデータ入力を求めないクラウドセンシングによるAP位置データベースの構築が可能となる.提案手法を実装し大阪大学情報科学研究科周辺で実験を行った結果,屋内観測の位置情報を一切用いることなく,屋内APの平均位置誤差8.4mでAP位置を推定することができた.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
最優秀論文賞 / Best Paper Awards
8C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名大規模な実働無線LANシステム評価のための仮想デバイス利用型無線LANエミュレータ
著者*加藤 新良太 (静岡大学大学院自然科学教育部), 高井 峰生 (大阪大学/カリフォルニア大学ロサンゼルス校), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 1648 - 1656
キーワード無線ネットワークTAPデバイス, wtap80211, 無線LANエミュレーション, Linux
アブストラクト事故防止等の危険回避を目的とする車車間通信システム等の開発において,そのシステムの動作・ 性能評価は高信頼なシステムを実現する上で重要である.筆者らは,[1] おいて,Linux システムで動作す る無線ネットワーク TAP デバイスを用いた無線 LAN エミュレーションフレームワークを開発した.本エ ミュレーションフレームワークは,実際の無線 LAN フレームや OS の制御情報を用いて,無線 LAN シス テムのソフトウェアをネットワークシミュレータが模擬する仮想ネットワーク上で擬似的に実行できる. し かしながら,[1] では,構成が異なる複数の無線 LAN ノードを模擬する方法について検討が不十分であっ た.本稿では,本エミュレーションフレームワークを異なる構成の複数のホストマシン上で同時に実行す ることで,エミュレーション環境上で構成が異なる無線 LAN ノードを同時に模擬可能とする無線 LAN エ ミュレータを提案する.また,実際の無線 LAN 通信機器を用いた場合とエミュレーション環境上で模擬 した場合それぞれで測定したスループット及び往復遅延時間を比較した結果,IEEE 802.11g を想定した場 合,エミュレーションで測定した UDP でのスループットは 53.8 Mbps となり,実測値の 35.4Mbps をお よそ 18 Mbps 程度上回ったことを確認し,無線 LAN 通信における実働ソフトウェアの挙動を再現可能で あることがわかった.一方で,往復遅延時間については,エミュレーションで測定した場合に 0.612 ms か ら 0.800 ms 程度の範囲で分布していることを確認し,エミュレーション環境におけるフレーム転送時に生 じるオーバヘッドは無線 LAN システムの評価を行える程度に小さいことを確認した.

8C-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名深層学習を用いた複数端末の無線LAN通信時のパケット解析と輻輳の予測
著者*山本 葵 (お茶の水女子大学), 山口 実靖 (工学院大学), 神山 剛 (九州大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1657 - 1662
キーワード深層学習, LSTM, 無線通信
アブストラクト近年,世界中に増え続けているスマートフォン,タブレット端末は機能や性能も強化されている. 気軽にネットワークにアクセスし,動画やゲームなどのデータ通信を楽しむことが出来るようになり,大 容量かつ高速な通信に対する需要は増大している.しかし有線接続に比べ低帯域かつノイズの多い無線接 続においては,膨大なパケットが通信中に無線 LAN アクセスポイントに蓄積され,その結果輻輳が発生 してしまうという問題も生じている.本研究では輻輳発生前に制御を加え無線 LAN AP の輻輳を回避す ることを最終目的とし,本稿では目的達成のため輻輳の予測を行う.Android 端末を用いて無線 LAN 通 信を行い,アクセスポイント周りのパケットをキャプチャした.そのパケットを深層学習の LSTM モデル を用いて解析し無線 LAN 通信時のトラフィックの予測性能を評価した.


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セッション 8D  安全運転支援
日時: 2019年7月5日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 花舞・五の花
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

8D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名動的な歩幅更新をベースとするマップマッチングによるPDR手法
著者*西村 天晴 (早稲田大学), 高山 敏典 (ゼンリンデータコム), 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 1663 - 1669
キーワードPDR, マップマッチング, 歩幅
アブストラクト近年の地図アプリケーションの普及により,歩行者や自動車を対象としたナビゲーションが身近な機能となっている.しかし,こうしたナビゲーションは屋外のみを対象とする場合が多く,屋内で使用する際には制限がある.特に,大型ショッピングモールや主要駅などの通路が複雑に入り組み,混雑が多い屋内施設では道迷いが生じやすいため,近年,屋内用の測位技術が注目を浴びている.既存の屋内用の測位技術にWi-FiやBluetoothなどの屋内インフラを利用する測位手法があるが,精度やインフラ整備のコストの点から実用性に欠ける.一方で,外部インフラを必要としないPDR (Pedestrian Dead Reckoning) はスマートフォン等の端末のみで完結するうえ,短期的な測位精度が高く,連続的かつリアルタイムに測位ができる点から研究が盛んに行われている.しかし,PDRは自身で誤差を補正できず,誤差が蓄積し,長期的な測位に向かない点に課題がある.本稿では,動的に歩幅を更新して歩幅の誤差を低減し,さらにマップマッチングを適用して補正をするPDR手法を提案する.動的に歩幅を更新することで,歩行者の歩幅の個人差や周囲の状況による歩幅の変化に依存しにくい測位を実現する.加えて,マップマッチングによって位置と進行方向を補正することで,長期間の測位でも高い精度での測位を実現する.実験の結果,提案手法では,通常歩行や大股歩行などの歩幅の変化や長期的な測位に対応したうえで,正しい現在地を測位し,測位誤差は1m未満となった.

8D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名スマートフォン搭載センサを用いた自転車の挙動認識の向上
著者*宇佐見 友理 (早稲田大学), 石川 和明, 高山 敏典 (ゼンリンデータコム), 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 1670 - 1675
キーワード自転車, 行動認識, スマートフォン, ITS, 坂道
アブストラクト自動車・オートバイの挙動認識に基づいて危険運転を予測し,事故を未然に防げることが報告され ている.しかし,自転車の挙動認識に目を向けた研究は少ない.自転車の停止・直進・右折・左折といっ た通常運転を認識することで,自転車の安全運転支援に役立てられる.自転車はオートバイと同じ二輪車 であるが,オートバイと異なり車道以外を走行する可能性があるため歩行者や電柱といった障害物を回避 する動作が多くなる.そのため,オートバイ向けの挙動認識手法を用いて自転車の挙動を正確に認識する ことは難しい.これまで我々は,スマートフォンを自転車のハンドル部分に設置し,自転車走行の際にバ ランスをとるために行う周期的なハンドル操作に着目しフィルタリングすることで,自転車の通常運転を 認識することに成功している.ところが下り坂走行など自転車の速度が速い場合,周期的なハンドル操作 がなくてもバランスがとりやすくなるため,停止状態と直進状態でのセンサ値に違いが現れにくくなり誤 認識に繋がる.本稿では,スマートフォン搭載センサを用いた自転車の挙動認識精度を向上する手法を提 案する.提案手法では,自転車走行の際にバランスをとるために行う周期的なハンドル操作に着目しフィ ルタリングすることでそれぞれの通常運転の差別化を図る.これまでの手法で用いた特徴量の一部を改良 することで,平坦な道路上だけでなく,自転車の速度が出やすい坂道においても,精度良く自転車の通常 運転を認識する.

8D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名CG画像の転移学習を用いたモデルベース自律走行システムの提案と開発
著者*盆 理紗, 中沢 実 (金沢工業大学大学院工学研究科情報工学専攻), 長沼 要 (金沢工業大学大学院工学研究科機械工学専攻)
ページpp. 1676 - 1681
キーワード自動運転, 機械学習, 転移学習, シミュレーション, 画像認識
アブストラクト現在,自動運転システムの開発は盛んに行われている.しかし,自動運転システムの開発には3つの問題がある. 1つ目は,現実空間で数多くの運転走行や学習用の走行データを蓄積する場合にコストがかかることである. 2つ目は,自動運転システムを開発するためにシミュレータを使用するときCG画像に対応する認識システムが少ないということである. 3つ目は,自動運転システムを開発しても,日本では実験走行が難しいことである. そこで,以上の問題を解決するために自動運転のシミュレータとCG画像に対応する認識システムが必要になる.本研究ではオープンソースソフトウェアCARLAを使用して詳細な地図データを必要としない自動運転システムを開発した.認識システムに関しては,先の我々の先行研究で学習済みモデルでの認識精度が低かったため,CG画像に対応する転移学習を行った. この自動運転システムは車・人・自転車・バイクを認識して前に車両がいたら止まり,衝突しないように走行する.本稿では,自動運転システムのシミュレータ手法,認識システム,実験結果などを述べる.

8D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名路側設置ステレオマイクを用いた車両種別推定手法の初期的評価
著者*石田 繁巳, 内野 雅人, 小池 大地 (九州大学), 田頭 茂明 (関西大学), 福田 晃 (九州大学)
ページpp. 1682 - 1687
キーワードITS, ステレオマイク, 車両種別, 実空間センシング
アブストラクト高度道路交通システム(ITS: Intelligent Transportation System)において,道路上を通行する車両を車両種別を識別しながら検出することは重要の機能の1つである.筆者らはステレオマイクを用いた車両検出システムの開発を進めている.本稿ではこの車両検出システムを拡張し,検出した車両の走行音を解析し,車両種別を推定する手法を示す.実環境では複数車線の道路での利用が想定されることから,マイクの前をほぼ同時に通過する車両の音が混ざり車両種別推定精度が低下することが予想される.このため,ステレオマイクを用いて車両の移動を追尾しながら車両走行音を解析して高い精度での車両種別推定を実現する.九州大学伊都キャンパス内の道路で収集した走行音データを用いて初期的評価を行い,平均精度95.01%で車両種別を推定できることを確認した.

8D-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名走行時動画像を用いた周辺車両の位置推定手法
著者*石崎 雅大, 廣森 聡仁, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科 東野研究室)
ページpp. 1688 - 1696
キーワード走行時動画像, モビリティデータ, 車両検出
アブストラクト都市環境における車や人の流れを表すモビリティデータは,交通渋滞の原因究明,イベントや災害時における効率的な人の誘導,公共施設や商業施設の立地決定招致テナントの最適化,耐災害に向けた避難指示立案など,多方面における利活用が期待されている.現状,車に関するモビリティデータは,多数の協力車両から,車両がある時刻に走行した位置を含むGPS トレースデータを得ることにより把握され,渋滞の検知や曜日時間毎の交通量予測など,道路の混み具合の推定が為されている.しかしながら,このモビリティデータの粒度は必ずしも細かいものではなく,車両間の関係や車両と歩行者の関係など,詳細なモビリティの把握は困難である.本論文では,データ提供に協力する車両の位置や速度だけでなく,車載カメラにより撮影された動画像を用いて,車両の周辺に存在する車両の検知ならびに走行情報を推定することにより,周辺の交通状況を把握する手法を提案する.この手法では,まず,既存のDNN による画 像解析を行うことで他車両の存在を検知し,検知した車両に対して,自車との距離,相対速度,走行車線,進行方向といった詳細な情報を推定する.自車と他車の距離を推定する際,大きさが既知である路面表示を基準とし,画像内の距離を推定し,これに基づき,画像内で検知した車両までの距離を画像内の距離と対応づけることで,車両間の相対距離を推定する.実際の車両に搭載された車載カメラにより動画像を撮影し,提案手法により他車両の検出ならびにそれらとの距離を推定した結果,最小誤差4.72%.最大誤差18.7%, 平均絶対誤差11.7%の精度で推定できることが確認できた.


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セッション 8E  行動支援
日時: 2019年7月5日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 遊舞・五の遊
座長: 前川 卓也 (大阪大学)

8E-2 (時間: 10:30 - 10:50)
題名教示アニメーションを用いたプレゼンテーション実演支援システム
著者*樺山 雄太, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1697 - 1699
キーワードプレゼンテーション支援, スマートグラス, 教示アニメーション, リアルタイム
アブストラクトプレゼンテーションは聞き手の理解や納得を得るための情報伝達手段であり,様々な組織活動において重要な能力とっている.しかし, 同じ内容を発表するにしても,発表者の伝え方や精神状態により聞き手からの評価は大きく変わってしまう. 本研究では, 普段の着用の妨げにならないウェアラブルコンピューティングの特徴を活かして, プレゼンテーションの実演時における「声量・目線」の質を向上させることに着目し, 教示アニメーションを用いたプレゼンテーション実演支援システムを提案し, 評価実験を行なった. その結果, 発表者の自己評価に変化は見られなかったが, 声量・目線においては共に有意な変化が得られた.

最優秀プレゼンテーション賞 / Best Presentation Awards
8E-3 (時間: 10:50 - 11:10)
題名遍在する顔ロボットを用いた注意誘導効果の評価
著者*江口 綾亮 (神戸大学大学院工学研究科), 磯山 直也 (奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1700 - 1707
キーワードロボット, インタラクション, 注意誘導, HRI
アブストラクト人の視線は,注視対象や自身の感情を伝えるだけでなく,周囲の人に対して様々な影響をもたらす.例えば,人は他者の視線方向に注意が誘導されることや,他者に見られているという意識が人の行動に影響を与えることが先行研究によって明らかにされている.今後,アンドロイドロボットが社会で活躍するようになり,このような視線によるコミュニケーションや情報伝達は人とロボットの間でも可能になると考えられる.しかし,日常生活において遍在的に存在するロボットの視線が,ユーザに与える影響を調査した研究は筆者らの知る限り存在しない.そこで本研究では,日常生活環境に設置された顔ロボットの視線による注意誘導効果の評価を行う.本稿では,顔ロボットが日常生活に遍在する環境でのサービス例を複数示し,その中からふたつの想定環境において注意誘導効果を検証する実験を行った.実験の結果,顔ロボットの視線方向に被験者が注意を向けた回数は少なかった.しかし,周囲の状況や,顔ロボットのサービスに対する意識などの要因に関しての考察を通して,注意誘導を用いたサービスの実現可能性が示された.

8E-4 (時間: 11:10 - 11:30)
題名行動変容タスクを考慮したサービス間連携フレームワークの設計と実装
著者*張 志華, 松田 裕貴, 藤本 まなと (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科ユビキタスコンピューティングシステム研究室), 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院 ヒューマノフィリックシステム研究室/JSTさきがけ), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科ユビキタスコンピューティングシステム研究室)
ページpp. 1708 - 1715
キーワード行動変容, IFTTT
アブストラクト近年,生活習慣病を予防するため,情報技術を用いて健康な鼓動を促すといった行動変容の誘発に関する研究が注目されている.行動変容を誘発するにはトリガーが必要であるが,既存研究でもっとも使用された仕様であるモバイルアプリケーションでは,主に通知をトリガーとしてユーザに送信している.しかしながら,現在のユーザは様々なアプリから非常に多くの通知を受け取るため,行動変容用のアプリからのトリガーに気付き難くなる可能性がある.そこで,我々は通り掛かりのユーザに積極的に話しかけるインタラクティブサイネージシステムを開発した.しかしながら,仕掛けのシナリオは多種多様であり,我々の実装はその1つにすぎない.今後,様々な環境において,ユーザや環境の状態に応じて,適切な行動変容を促すために,我々は行動変容を誘発するタスクを考慮したサービス間連携フレームワークを設計,実装する.実験として,提案したフレームワークを用いたシナリオをユーザの日常活動導線に設置し,3日間に渡り,ユーザの反応を調査する実験を実施した.実験の結果から,本シナリオはユーザの行動(体重計に乗る)と態度(健康への関心度)を変容できることが分かった.

優秀プレゼンテーション賞 / Presentation Awards
8E-5 (時間: 11:30 - 11:50)
題名多様な選択行動を促すためのポジティブ・ネガティブ情報に着目した選択肢提示手法
著者*清水 友順 (神戸大学大学院工学研究科), 双見 京介 (立命館大学情報理工学部), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1716 - 1724
キーワード選択, 多様性, 情報提示, ヒューマンインタフェース, 拡張-形成理論
アブストラクト近年,情報機器の普及によって人の意思決定が偏ることが問題になっている.本研究ではフレーミング効果や拡張形成理論という意思決定メカニズムを利用し,心理的なアプローチからユーザの選択行動の多様化することを提案する.本稿では,システムが選択肢を提示するという状況を想定し,ポジティブなフレーミングにより人の選択行動が多様化され,ネガティブなフレーミングにより選択行動が偏るという仮説のもと,選択行動を分析するための実験を行った.実験から,ネガティブフレーミングによって人の選択が有意に偏ることを確認した.また,その選択が偏る原因として,リスク回避的な選択が行われている可能性について示した.一方で,ポジティブフレーミングが人の選択を多様化するという証拠は示されなかった.しかし,それらについては積極的に仮説全体を否定する結果も得られなかったため,今後の実験で考慮すべき知見について述べる.


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セッション 8F  スマートオブジェクト
日時: 2019年7月5日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 遊舞・三の遊
座長: 中村 嘉隆 (公立はこだて未来大学)

8F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名角速度センサを用いたドアの開閉動作にもとづく入退室者の認識手法
著者深尾 あかり, *双見 京介, 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1725 - 1730
キーワード行動認識, 入退室動作, 個人認識, ユビキタス, ドア
アブストラクト複数人で共有する部屋は日常生活において多く利用されている.個人認識のための手法は多く提案されているが,入退室者の認識にあたっては,ユーザに不要な作業や機器携帯を要するなど心理的・身体的な負担の観点で課題がある.本研究では入退室に伴う動作であるドアの開閉動作を利用することで,入退室者を認識する手法を提案する.提案手法は,ドアの開閉動作にはユーザごとに異なる特徴があるとする仮説にもとづく.そして,ドアノブに角速度センサを設置し,ユーザが入退室した際のドアの開閉動作から8種類の特徴量を抽出し,機械学習を用いて入退室者を認識する.提案手法のプロトタイプシステムを一般的なレバーハンドル式のドアに実装し,一般家庭を想定して被験者4名を対象に実験を行い,入室動作と退室動作の認識をそれぞれ行った.その結果,退室動作のF値は最大0.90で認識でき,また,入室動作のF値は最大0.73で認識でき,提案手法の実現可能性を確認した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名アクティブ音響センシングを用いた野菜認識調理道具
著者*西井 遥菜, 双見 京介, 村尾 和哉 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1731 - 1738
キーワード物体認識, 音響センシング, 調理
アブストラクト人は多くの場面で道具を使用して衣食住などの生産活動を行ってきた.こういった場面において,人がインタラクションを行った物体を認識できれば有用であるが,既存手法は複数の観点で課題を残していた. 本研究では,ユーザが道具を介して物体とインタラクションをする場面において,ユーザの使用道具にアクティブ音響センシング技術を適用させることで,物体認識を効果的に行う手法を提案する. 提案手法では,ユーザが使用する道具にスピーカとマイクを取り着け,スピーカから音響信号を流し,道具が物体に接触した際に,物体を伝搬した音響信号をマイクから取得し,その音響信号の周波数特性を解析することで,物体を認識する. このように提案手法では,認識したい物体にユーザの使用道具が接触することと,認識したい物体が固有の音響特性をもつことを利用している. 本稿では,調理や食事といった道具を用いて食材とインタラクションをする場面を対象にして,食材を挟むトング型デバイスと,切る包丁型デバイスを実装した. そして,提案手法の有効性を評価する実験を7 種類の野菜をもとに3つ行い,いずれの実験においても,88%以上の精度で野菜の種類を認識できることを確認した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名finDrawers:収納物を検索可能な引き出しの実装
著者*鈴木 颯馬, 立花 巧樹 (日本大学), 大和 祐輝, 呉 健朗, 富永 詩音 (日本大学大学院), 宮田 章裕 (日本大学)
ページpp. 1739 - 1745
キーワード検索, 引き出し, 深層学習
アブストラクト収納家具は我々の生活に溢れるモノを片付ける手段として有効である.しかしユーザがモノの収納場所を忘れてしまい,必要なときに大事なモノが見つからないという問題がある.この問題を解決するために,我々は,モノの収納場所を記憶して検索可能にする引き出しシステムを提案してきた.本稿では提案システムの機能性と利便性を検証するために,システムにおけるモノの識別精度の量的評価と,被験者にヒアリングを行いシステムの質的評価を行なった.実験結果より,現時点では物体識別精度に向上の余地があるものの,収納方法がモノの識別精度に与える影響が少ないことが確認できた.また,ヒアリングの結果,提案システムが複数の引き出しからモノを探す場面において有効な手段であることが確認できた.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8F-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名手首装着型デバイスを対象とした無線電力伝送用コイルの検討
著者*奥田 崇礼 (豊橋技術科学大学大学院), 宮路 祐一, 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
ページpp. 1746 - 1754
キーワードワイヤレス電力伝送
アブストラクト複数のウェラブルデバイスを同時に使用するにあたり,各デバイスの電源管理がユーザの負担となる.これに対し,電源を一元化し,無線電力伝送によって各ウェアラブルデバイスに電力を分配することによって電源管理の手間を軽減することが期待できる.そこで,本研究ではスマートウォッチと上着の袖との間で磁界共鳴方式による無線電力伝送を行なうことを想定し,効率的,かつ,実際の使用において発生すると考えられるズレに対してロバストなコイル形状を明らかにする.始めに,衣類側とデバイス側それぞれに,正方形,円形コイルを用いた場合の4パターンについて,位置ズレを考慮したシミュレーションを行い,各コイル形状の組み合わせについて伝送効率の評価をおこなった.次に,コイルのズレによる効率低下を抑制するため,衣類側のコイルを大型化して伝送効率の評価をおこなった.結果から,スマートウォッチ側には正方形の形状を用い,衣類側のコイルはズレが発生する方向にコイルの大型化を行うことが適切であることがわかった.ただし,コイルを大型化すると最大効率が低下するため,大型化するサイズはズレに対するロバスト性と最大効率のバランスを取る必要があることがわかった.


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セッション 8G  分析・可視化
日時: 2019年7月5日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 遊舞・一の遊
座長: 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学)

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名業務ログを活用したノウフー情報可視化システムの提案
著者*長尾 将宏, 片岡 昭人, 澤田 直樹, 今西 昌子, 本橋 洋介 (NEC AI・アナリティクス事業部)
ページpp. 1755 - 1759
キーワードナレッジマネジメント, 可視化, 業務ノウハウ, スキルセット, ノウフー情報
アブストラクト本稿では、業務ログをもとにしたノウフー情報可視化システムを提案する。従来のナレッジマネジメントシステムでは、各人のスキルセットやノウフー情報を手入力する必要があり、また、業務内容の変更などに伴って定期的に更新をする必要があった。われわれは、業務ログの収集、業務関連単語の抽出、各ワーカーと単語の関係性を算出することで、手入力の手間をかけずにノウフー情報を可視化するシステムを開発した。また、評価実験としてノウフー情報可視化の妥当性・有効性の検証を行った。

8G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名水産業の生産効率改善を目的とした海水温情報告知伝達システムの開発
著者*阿草 裕 (愛媛大学大学院理工学研究科), 藤橋 卓也 (大阪大学大学院情報科学研究科), 遠藤 慶一, 黒田 久泰, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1760 - 1771
キーワード情報システム, IoT, ビッグデータ, 可視化, 地域課題解決
アブストラクト養殖漁業においては,現場周囲の海域における海水温情報が非常に重要である.水温を知ることで,魚病対策や,赤潮の発生予測を行うことができるからである.しかし,愛媛県では,調査船による定点調査や水温観測装置による測定で得られた水温データが,時間的・空間的に連続したデータとして不十分であるという問題があった.また,収集した水温情報を漁業従事者へ告知伝達する手段も確立できていなかった.そこで本研究では,多深度のセンサーネットワークシステムと本ネットワークシステム上で収集した水温情報を可視化するシステム(海水温情報告知伝達システム)を構築した.本告知伝達システムでは,Webブラウザから,最新の水温情報や水温の時間変化を表,グラフ,および三次元温度分布図の形で見ることができる.漁業従事者は,本システムを利用して水温状況を把握することで効率的な漁業を行うことができるようになった.本システムに対するユニークアクセス数は毎日300〜700件程度となっており,愛媛県宇和海の養殖漁業者数を踏まえると本システム実装が養殖漁業に与えた影響は大きいと言える.

8G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名活動目的に基づく危機対応ログ分類による危機対応マネジメント支援手法の検討
著者*小阪 尚子, 爰川 知宏 (NTTセキュアプラットフォーム研究所), 山口 健史, 乾 健太郎 (東北大学)
ページpp. 1772 - 1777
キーワード危機対応マネジメント, 災害対策本部, 自然言語処理, 活動目的
アブストラクト災害対策本部等の組織の災害対策全体のマネジメントを司る部署では,現場での詳細な対応状況ではなく,被害や組織全体の対応状況を俯瞰的に把握し,全体の対応方針やその方針に基づく対応計画を策定することが主要な役割となる.そのためには,異なる組織の実行している対応状況を判断基準に統一して分析し,問題のある箇所に必要なリソースを配分することが求められる.米国のFEMAでは,災害対応における緊急支援機能を標準化したESF(Emergency Support Functions)を設定している.これにより,大規模な災害発生時に組織間での対応をESFという軸で統一してとらえられるため,迅速な状況把握と効率的・効果的なリソース配分につなげることが可能となる.本論文では,民間企業の災害対策本部における判断の軸として,対応フェーズに応じた活動目的を設定し,活動目的に基づく状況把握の手法について提案する.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
8G-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名1時間ごとの商品の見切りを対象としたPOSデータの分析
著者*吉田 結花, 吉野 孝 (和歌山大学), 松山 浩士 (株式会社サイバーリンクス), 貴志 祥江, 大西 剛 (株式会社オークワ)
ページpp. 1778 - 1783
キーワード食品ロス, POSデータ, 見切り商品, 消費者行動
アブストラクト食品ロスは,使用・提供されずに廃棄される「直接破棄」「食べ残し」,調理の際に皮やヘタを必要以上に捨ててしまう「過剰除去」の3種類に分類することができる. 食品ロスの削減は国内外で注目されている. 本研究では,食品ロスの中でも「直接廃棄」に注目した. 直接廃棄が出る原因として,買いすぎてしまって消費ができない等が挙げられ,その原因として「見切り商品」の購入が原因ではないかと考えた. そこで,食品の見切りが,消費者の予定のない購入につながり,家庭の食品ロスが増加する」という仮説を立て,食品ロスの減少の可能性を見つけることを目的とし,消費者の見切り商品の購入に着目しPOSデータの分析を行った. 本稿では,食品ロスに関する消費者の意識調査と1時間ごとの売上・見切数量および金額を記録している時系列データを中心に水産部門のPOSデータの分析を行った. 結果として消費者は11時と,18時から19時にかけて食品を購入しており,見切り商品の購入は夕方の18時から19時にかけて主に行われていることが分かった. また,1週間の売上・見切数量の売れ方は,全体の売れ方と比較して違いがあることから,見切りを減らすために正確な需要予測や商品の製造・発注のタイミングに考える必要があることが分かった.


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セッション 8H  ネットワークシステム
日時: 2019年7月5日(金) 10:30 - 12:10
部屋: 楽舞・一の楽
座長: 室田 朋樹 (東京海洋大学)

8H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名学内サービスパスワードレス化の実現性の検討
著者*加藤 大弥 (慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科), 藤尾 正和 (日立製作所研 究開発グループ), 林 達也, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科)
ページpp. 1784 - 1789
キーワード認証認可, FIDO, パスワードレス認証, 生体認証, 運用
アブストラクト本研究ではその中でも学生・教員を対象とした学内サービスをパスワードレス化するにあたって その実現性の検討を行う。さまざまな認証要素や認証プロトコルの堅牢性だけではなく、教育機関という 特性、登録・利用・紛失等の管理運用、社会的なデファクトスタンダードといった現実性にもフォーカス することで、学内パスワードレス化に向けた調査を行った。また、調査結果をもとに開発・運用を行って いる慶應義塾大学メディアデザイン研究科学内認証基盤KMD-Auth を紹介する。本研究は慶應義塾大学 と日立製作所との共同研究の成果を活用したものである。

8H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名IPv6シングルスタックによるeduroam構築
著者*垣内 正年, 辻井 高浩, 藤川 和利 (奈良先端科学技術大学院大学 総合情報基盤センター)
ページpp. 1790 - 1794
キーワードネットワーク管理, インターネット, ネットワークセキュリティ
アブストラクト奈良先端科学技術大学院大学 (以下、NAIST) では、大学訪問者向けのネットワークとしてIPv6シングルスタックによるeduroamを構築した。 プライベートIPアドレスの割り当ては通信セッションの記録が課題となった。 そのため、eduroam 利用者にはIPv6グローバルアドレスを配布し、IPv4サイトへの接続のために DNS64 / NAT64 を提供することとした。 これにより、通信セッションの記録が必要となるNAT変換を必要とするセッションを3分の1以下に削減できた。 アドレス配布方法としてDHCPv6とSLAACを試した結果、アドレス取得率はそれぞれ81\%、94\%であった。 本発表では、利用者に割り当てるIPアドレスの検討、構築したネットワークの構成・設定パラメータ、導入後の利用状況について説明する。

8H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名IMAPエージェントによるサーバの設定変更を要しない柔軟なメール転送システム
著者*田代 寛三, 山井 成良, 北川 直哉 (東京農工大学)
ページpp. 1795 - 1800
キーワード電子メール, IMAP, エージェント, メール転送
アブストラクト電子メールの転送処理はMTA(Mail Transfer Agent)の設定やMDA(Mail Delivery Agent)の 設置による実現が一般的である.しかし,そのような直接的なメールサーバの設定変更が認められないフ リーメールサービス等においては,サービス運営者がWeb サービス等を介して提供するGUI の範囲外の 高度な転送処理を行うことができない.このように現行の転送システムでは,転送処理の柔軟性がメール サーバに対するユーザの権限に左右される.そこで本稿では,メールサーバに対するユーザの権限に依存 せずに柔軟な転送処理を実行でき,かつメールサーバの設定変更を必要としない新たなメール転送システ ムを,IMAP(Internet Message Access Protocol)エージェントによって実現する.

8H-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名ID/Locator分離とLocator分割に基づくネットワークスライシングにおけるDiffservによる資源隔離
著者*永山 裕人, 渡邊 大記 (慶應義塾大学大学院理工学研究科), 寺岡 文男 (慶應義塾大学理工学部)
ページpp. 1801 - 1810
キーワードIPv6, ID/Locator分離, Locator分割, ネットワークスライス, Diffserv

8H-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名ネットワークデバッガの提案
著者*廣中 颯, 篠田 陽一, 知念 賢一, 宇多 仁 (北陸先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1811 - 1816
キーワードネットワーク管理, トラブルシューティング, 可視化, 情報システム
アブストラクトネットワークの複雑化と規模の拡大により,ネットワークにおける障害解決は難しくなってきている.本研究はネットワークの障害解決における作業記録の統合的な管理・提供および問題把握の支援により,ネットワーク障害解決の効率化を支援するシステムを提案する.現在はオペレータがping, traceroute, tcpdumpなどの複数のツールを用いて情報収集を行っている.これらのツールは優れた機能を持つが,多数のツールを使いこなすことは難しく,習得にもコストがかかる.ネットワークは分散システムの性質上,個々の機器が独立して動作しているため,個々の機器に対して行われた操作の作業記録が断片化しやすい.それぞれの機器に加えられた操作や設定記述を時間軸に沿って統合的かつ横断的に管理しなければ,ネットワーク障害解決における作業工程の全体像を把握できない.本稿は,ネットワーク障害解決を対象に,障害解決における作業工程を整理し,提案システムに求められる機能およびシステム構成を論じる.



2019年7月4日(木)

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セッション DS  デモセッション/企業展示
日時: 2019年7月4日(木) 17:00 - 18:30
部屋: けやき・五百川

DS-1
題名IEEE 802.15.4 Backscatter の実装実験
著者*木 一廣, 川崎 慈英, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1817 - 1824
キーワードBacscatter, IEEE802.15.4, Zigbee
アブストラクトIoT (Internet of Things)の展開には,微小な消費電力で,無線電力給電や小型ボタン電池の交換無しで製品の寿命まで動作するデバイスが必要である.従来のIEEE 802.15.4規格を実現する送信回路は,D/A変換器,局部発信器,直交変換器,パワーアンプで構成されていて,消費電力は数十mWであった.Backscatter方式の送信回路は,SPDTスイッチ素子1個と抵抗,コンデンサで構成されていて,数十μWの消費電力で動作する.本稿では,文献[1]を参考にIEEE 802.15.4規格のBackscatter方式の送信回路を設計・製作して実験を行った結果,距離3.5m以上まで通信可能なことが確認できた.

DS-2
題名スマートフォンアプリにおける要求権限の可視化の提案
著者*金杉 洋 (東京大学空間情報科学研究センター), 松原 剛 (東京大学地球観測データ統融合連携研究機構), 柴崎 亮介 (東京大学空間情報科学研究センター)
ページpp. 1825 - 1828
キーワードパーソナルデータ, スマホアプリ, 同意取得

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
DS-3
題名横歩きや後退に対応できるPDRスマホアプリ
著者金子 雅亮 (愛知工業大学情報科学部情報科学科), 伊藤 信行 (三菱電機エンジニアリング株式会社), 内藤 克浩, 中條 直也, 水野 忠則, *梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部情報科学科)
ページpp. 1829 - 1836
キーワードPDR, 位置推定, スマートフォンアプリ
アブストラクト屋内位置推定手法は様々な研究が行われているが,その中でも有力な屋内位置推定手法としてPDR が挙げられる.しかし,一般的なPDR では進行方向を角速度センサの値から求めているため横歩きや後 退などの角速度の値が変化しない行動の推定が困難である.我々はこの問題を解決するため,加速度平面 成分を用いて1 歩ごとの進行方向を推定する手法を提案した.この研究によって角速度の値の変化しない 行動も推定できるようになったが,直進時に推定軌跡がジグザグになってしまう問題があった.軌跡がジ グザグになる主な理由は腰の回転が考慮されていない点によるものである.そこで本研究では,加速度平 面成分に加えて角速度平面成分を併用し,腰回転のキャンセルによって1 歩ごとの進行方向推定を高精度 化する.先行研究の手法で推定した進行方向と比較し角度の誤差を求め,精度評価を行った.その結果, 先行研究の手法は平均約14.2°,本研究の手法は平均約9.1° の誤差となり,平均約5.1° の精度向上を 確認した.また,提案手法をリアルタイム処理に対応させ,Android アプリケーションとして実装した.

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
DS-4
題名ARIA: シミュレーション・エミュレーション連携基盤を利用したインタラクティブな都市型水害の被害予測システム
著者*廣井 慧 (名古屋大学大学院工学研究科), 井上 朋哉, 明石 邦夫, 湯村 翼 (情報通信研究機構北陸StarBED技術センター), 廣中 颯, 菅野 洋信 (北陸先端科学技術大学院大学), 宮地 利幸 (情報通信研究機構北陸StarBED技術センター), 篠田 陽一 (北陸先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1837 - 1845
キーワードシミュレーション連携, 水害, マルチエージェントシミュレーション
アブストラクト本論文では、都市型水害の浸水拡大過程、人的被害、情報通信環境への被害を一元的にシミュレーションする、インタラクティブな都市型水害の被害予測システムARIAを提案する。近年、高精度な気象レーダや河川水位の予測技術が開発され、災害対応に活用されているものの、被災地住民の避難行動には大きな課題が残っている。水害に起因する豪雨の発生や通信障害による情報途絶が判明した時点もしくは直後に、その被害影響範囲を特定し、人的被害を軽減するための情報提示を行うことは、被害軽減の観点から重要である。しかし、(1)氾濫解析や避難行動、通信環境に関する汎用的なシミュレーションは、それぞれ独立で存在しており、それぞれの被害の影響を相互に鑑みる仕組みがないこと、(2)それぞれのシミュレーションの実行時間が異なり、特に氾濫解析においては、計算時間に複数日を要することから実時間での結果算出は難しく、水害の拡大状況に合わせた被害想定が困難である。そこで、本論文ではシミュレーション・エミュレーション連携基盤Smithsonianを利用して、データ流通と同期を図り、被害状況の一元的な定量化を図る被害予測システムARIAを設計・実装する。

野口賞(優秀デモンストレーション賞)/ Noguchi Awards
DS-5
題名爪表面を用いたマイクロ生体認証:実用化に向けての一検討
著者*塩見 祐哉 (静岡大学 情報学部情報科学科), 杉本 元輝, 杉本 彩歌, 上原 航汰, 藤田 真浩, 眞野 勇人 (静岡大学大学院 総合科学技術研究科), 大木 哲史, 西垣 正勝 (静岡大学)
ページpp. 1846 - 1851
キーワードマイクロ生体認証, 生体認証, 微細爪画像, リアルタイムマッチング, プロトタイプシステム
アブストラクトマイクロ生体認証は,人間の微細生体情報を利用した生体認証メカニズムである.著者らは爪の微細部位を用いることで,「忘れられる権利を満たす生体認証」の提案を文献[3] [4] にて行った.しかし,文献[3][4]にて提案した方式には3つの課題点が存在していることから,認証精度や利便性に問題があった.そこで,本稿では,関連研究による着想から,その課題点を解決し,更にリアルタイムマッチングを可能とする改良システムの構築を行った.本稿の内容は次の3つの内容から構成される.はじめに,忘れられる権利を満たす生体認証として,マイクロ爪認証について,その内容を説明する.次に既存研究における課題点を解決する改良システムの詳細について述べる.最後に改良システムの実験を行い,改良システムの可用性,速度について評価する.

DS-6
題名複数ユーザに対応した吹き戻しを用いたインタラクション手法の開発
著者*伊藤 里菜, 水野 慎士 (愛知工業大学)
ページpp. 1852 - 1856
キーワードデジタルコンテンツ, インタラクション, 吹き戻し, 深度画像, モーションキャプチャ
アブストラクトインタラクティブコンテンツのインタフェースとして,日常的に使用する実物体をそのまま用いる手法が注目を集めている.本研究では,日常的に使用する実物体として吹き戻しに着目する.著者らは吹き戻しをインタフェースとして用いたインタラクション手法を開発してきたが,従来手法は対応するユーザの人数は一人だけであった.本研究では従来手法を改良して,吹き戻しを用いて複数人のユーザが同時にインタラクションが可能な手法を開発した.そして,複数人の同時プレイに対応したエンタテインメントコンテンツの開発も行った.本研究によるインタラクション手法の拡張により,吹き戻しを用いたインタフェースがより多彩なインタラクティブコンテンツに対応することが可能となる.

DS-7
題名椅子の様々な並び方に対応するインタラクティブプロジェクションマッピング
著者*吉川 航揮, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科)
ページpp. 1857 - 1862
キーワードCG, インタラクション, プロジェクションマッピング
アブストラクト本稿では,複数の椅子を用いたインタラクティブプロジェクションマッピングを提案する.このコンテンツでは,映像は椅子上方の天井から椅子の座面に対して投影される. 投影映像は,椅子の配置によってインタラクティブに変化する.椅子を離して配置した場合,各椅子の座面に対して小さな映像が映し出される.一方,椅子を集めて設置すると,それらの椅子の座面全体に大きな映像が投影される.また,椅子同士を接近させることで,それに対応する映像も投影される.更に,椅子に座ったり,手をかざしたりした場合にもそれぞれに対応した映像が投影される.提案したシステムは実装して,名古屋市科学館の展示フロアにて実験を行った.

DS-8
題名ヒトリス:健康促進を目的として体と頭を複合的に使わせるインタラクティブゲーム
著者*大西 鮎美 (神戸大学大学院工学研究科), 柳生 遥, 仙波 拓 (神戸大学工学部), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1863 - 1870
キーワードインタラクティブゲーム, テトリス, デュアルタスク, ユビキタスセンシング
アブストラクト健康のために運動を行うことは望ましいが,運動のモチベーションを維持することは難しい.ゲームを楽しんでいるだけで運動することができれば,運動モチベーションが維持され運動の持続が期待できる. さらに,「洗濯物をたたみながら晩御飯のレシピを考える」など,2つのタスクを同時に行うデュアルタスクは,脳の血流量を上げる効果があり,状況判断力の向上や,認知症予防につながるといわれている. そこで本研究では,健康促進を目的として,運動のモチベーションを高めて楽しく運動を促進すると同時に頭をつかわせて,デュアルタスクを行わせるインタラクティブゲーム「ヒトリス」を提案する. ヒトリスは既存のパズルゲーム「テトリス」に運動の要素を追加したゲームである.従来の2人対戦のテトリスでは相手のフィールドに落ちるブロックは自動的に形が決定されるが,提案システムでは,ユーザがとったポーズを認識してブロックの形を決定し,その形のブロックを相手フィールド上に生成する. 評価実験では,頭と体をつかうことを促進できたかどうかや健康のモチベーション促進につながる楽しさを提供できたかを考察するために,81名の老若男女に実際にヒトリスをプレイしてもらった後,5段階評価のアンケートに答えてもらった.さらに,アンケート結果とそのプレイヤがプレイ中にとったポーズを紐付けることで,アンケート結果とポージングの関係性を考察した. 評価結果より,ヒトリスはプレイヤのモチベーションを保ったまま,健康を促進させる可能性があることを確認した.また,アンケート結果とプレイ時のポージングの関係性から,直立した状態で手を広げるなどのポーズが多かったプレイヤは,アンケートで「そこまで体を使わなかった」「全く体を使わなかった」と回答していることが分かった.

KS-1
題名(企業展示) 窯業技術とICTの融合:革新的なコンシューマ向けセラミックス製品の開発
著者藤川 真樹, 上野 唯 (工学院大学), 大澤 大二 (株式会社高根シルク), 西村 英伍 (サイエンスパーク株式会社), 五味 宏太郎, 岩 秀樹 (株式会社山加商店), 原田 敏明, 安達 直己 (岐阜県セラミックス研究所)
ページp. 1871
アブストラクト本展示では,意匠が重視される製品の1つとしてセラミックス製品に注目し,この表面に公開情報と暗号化された秘密情報を格納できるセキュアな2次元コード(SQRC)をnearly invisibleにして焼きつける方法と,焼き付けられたSQRCを明瞭化しつつ文字情報(公開情報と秘密情報)を抽出できるスマートフォンベースのリーダシステムを紹介する.製品に関する情報を公開情報,製品の真正性を検証する方法を秘密情報とすることで,製造業者のみが製品ごとの秘密情報をスマートフォンを使って読むことを可能にする.一方消費者は,製造者が公開している製品に関する情報に簡単にアクセスできるため,製造業者と製品に対する信頼と安心を深めることができる.nearly invisibleな2次元コードが形成できること,およびリーダシステムが文字情報を再現性をもって抽出できることを,展示において紹介する.


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セッション SP  特別講演
日時: 2019年7月4日(木) 15:50 - 16:50
部屋: 風の杜
座長: 小林 透 (長崎大学)

SP-1 (時間: 15:50 - 16:50)
題名(特別講演) 巨大化する自然災害と軽減への戦略 ー東日本大震災や南海トラフ地震などを事例に
著者*今村 文彦 (東北大学災害科学国際研究所)
ページpp. 1872 - 1873
アブストラクト21世紀に入り,地震活動等の活発化と地球規模の気候変動に伴う変動により,人的被害も含めてグローバルな影響を与えている.今後も災害の激甚化,広域化,複合化の傾向は避けられず,我が国も含めて,被害軽減に向けた新しい社会のあり方が求められている.近年の被災状況からその特徴を見ると,過去の繰り返しの姿もあるが過去に経験のない新しい災害像も浮かび上がってくる.災害は忘れた頃に発生するとは限らない実態がある.しかしながら,地域が持つ過去の歴史や自然や社会の環境を知ることは事前に備えるためには不可欠であり,近年の他地域の被害と比較し取り組みを参考にしながら将来をイメージすることが必要である. 今後も社会は多様化し複雑化していく.そこで何が起きているのか?過去の経験だけに頼らない予測や把握が重要であり,様々な情報に基づく判断や臨機応変な対応が求められている.多様な情報提供は両刃の剣であり,適切に対応できる場合もあれば混乱を招く恐れもある.先日も南海トラフ地震に関連する臨時情報が発表されることになった.様々な災害情報に基づいて,どのように被害を軽減するのか?社会対応力を向上させるシステムが必要である.