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平成23年度 (第62回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 1804  5. パワーエレクトロニクス-(2)
日時: 2011年10月22日(土) 14:30 - 15:48
部屋: Nexus21 710室 (→地図)
座長: 安藤 詔生 (福山大学)

5-6 (時間: 14:30 - 14:43)
題名高周波ソフトスイッチングハーフブリッジインバータにおける寄生インダクタンスを考慮した動作解析
著者*松井 光生 (山口大学), 岡本 昌幸, 平木 英治, 田中 俊彦 (山口大学 大学院理工学研究科)
Pagepp. 483 - 484
Keywordハーフブリッジ, 高周波スイッチング, ソフトスイッチング, 共振, ロスレススナバキャパシタ
Abstractスイッチングモード半導体電力変換回路のスイッチング損失低減には,ソフトスイッチング動作化が効果的である。ゼロ電圧スイッチングを実現するには,スイッチング素子と並列にロスレススナバキャパシタを接続する。しかし,回路配線に起因する寄生インダクタンスとの共振によって,電圧,電流に高周波寄生振動が発生する。 本稿では,高周波ソフトスイッチングハーフブリッジインバータをとりあげ,寄生インダクタンスとスナバキャパシタの共振のメカニズムを明らかにし,ロスレススナバキャパシタの適切な接続方法を検討したので報告する。

5-7 (時間: 14:43 - 14:56)
題名立体駐車場非接触給電システムにおける非接触トランスの検討
著者*河野 真吾, 岡本 昌幸, 平木 英治, 田中 俊彦 (山口大学大学院 理工学研究科)
Pagepp. 485 - 486
Keyword非接触トランス, 立体駐車場, 電磁界解析, 結合係数, 漏れインダクタン ス補償キャパシタ
Abstract近年,環境負荷が少ない自動車としてPHVやEVが実用化され,普及し始めている。充電施設等のインフラ整備の観点から,立体駐車場ではビル側から絶縁された移動パレットへ非接触高周波給電する方法が検討されている。非接触給電は,非接触トランスの小型化のため商用ACから高周波ACへの変換が必須であり,一般にこのような変換では商用ACからDCへと変換するPFCコンバータおよび高周波インバータからなる2段の変換回路から構成される。したがって,部品点数の増加および損失の増加する問題点がある。そこで我々はこれまでに,商用ACから直接高周波ACへの変換を実現した単純な回路構成からなる高周波リンクAC-ACコンバータを提案し,その特性をシミュレーションにより評価した。 本論文では,非接触トランスの巻線方式による結合係数の比較を電磁界解析により行う。また,漏れインダクタンス補償キャパシタを提案回路に適用した場合の効果を検討したので報告する。

5-8 (時間: 14:56 - 15:09)
題名高い降圧比を有するインダクタ結合形DC-DCコンバータの損失分析
著者*渡辺 潤, 岡本 昌幸, 平木 英治, 田中 俊彦 (山口大学 大学院理工学研究科)
Pagepp. 487 - 488
Keyword降圧形DC-DCコンバータ, 結合インダクタ, 高降圧比
AbstractサーバやストレージなどICT機器に搭載されるCPUの動作電圧は高性能化のため1V程度まで低電圧化が進んでおり、ICT機器のバス電圧である48VからCPUが動作する低電圧へ変換するDC-DCコンバータには高い降圧比が要求される。筆者らは先に結合インダクタを有する降圧形DC-DCコンバータを提案し、その出力電圧特性を実験により評価してきた。提案回路は高いDuty factor: Dを維持したうえで高い降圧比を得ることができる。しかし,低電圧大電流出力を目的としているため,出力側での導通損失が懸念される。本稿では提案回路の電力変換効率を測定し、さらに損失分析を行ったので報告する。

5-9 (時間: 15:09 - 15:22)
題名マルチフェーズ方式トランスリンク形昇圧チョッパ回路における平均電流モード制御とピーク電流モード制御の比較
著者*加藤 大貴, 中村 祐太, 山本 真義 (島根大学大学院 総合理工学研究科 電子制御システム工学専攻)
Pagepp. 489 - 490
Keywordマルチフェーズ, トランスリンク, 昇圧チョッパ回路, 平均電流モード制御, ピーク電流モード制御
Abstract昇圧チョッパ回路の応用は,車載用,医療用など多くの分野に用いられている。この様に電源装置が多くの分野に用いられる中で,昇圧チョッパ回路に対して小型化や高性能化などの要求が高くなっている。こういった要求を満たす手法として電流モード制御を用いたマルチフェーズ方式昇圧チョッパ回路やマルチフェーズ方式トランスリンク形昇圧チョッパ回路がある。本稿では,この両者の回路を用いて各電流モード制御の評価・比較を行う。この電流モード制御には主に平均電流モード制御(ACMC)とピーク電流モード制御(PCMC)がある。それぞれの制御法においてシミュレーション結果から両者の回路評価・比較を行い,どちらの制御法が回路に適しているか検討する。

5-10 (時間: 15:22 - 15:35)
題名一相PWM制御法を用いた三相整流器の制御検証
著者*金澤 康樹, 川島 崇宏, 山本 真義 (島根大学)
Pagepp. 491 - 492
Keyword三相整流器, 一相PWM制御, 力率補正, THD, DCスマートグリッド
Abstract三相PWM制御法は,高力率,低高調波だがスイッチング損失が大きいという問題点をもっている。 そこで本研究では,スイッチング損失を低減させるため一相PWM制御法を用いて三相整流器を動作させるための制御回路について検討する。 有効電力と無効電力及び直流リンクキャパシタ間電圧共振ダンピング制御をマイナーループで制御を行い,チョッパ回路の定電圧制御をメインループで制御を行った。その結果,負荷の直流電圧を一定に制御しながら,系統電源の高力率,低高調波を実現し従来の三相PWM制御法を用いた場合と同様なPFC制御特性を確認した。

5-11 (時間: 15:35 - 15:48)
題名GaN-FET用新ゲート駆動回路の提案
著者*服部 文哉, 野崎 優, 山本 真義 (島根大学), 町田 修 (サンケン電気株式会社)
Pagepp. 493 - 494
KeywordGaN-FET, ゲート駆動回路
Abstract近年,パワーエレクトロニクス回路はパワー半導体デバイスの進歩に伴って,目覚ましい技術革新を遂げており,さらなる小型軽量化,高密度化が求められている。これらを達成するためには,スイッチング周波数の高周波化と素子の低損失化が必要不可欠である。しかしながら,スイッチングデバイスとして幅広く使用されているMOS-FETやIGBTはその性能限界が近づいており,大幅な高周波化及び低損失化は困難とされている。 一方で,上記問題の解決に向けて,炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)素子などの次世代パワー半導体デバイスが注目を浴びている。これらSiCやGaNベースのパワー半導体デバイスは,従来広く使用されているMOS-FETやIGBTと比べて高速スイッチング,低損失,さらには高耐圧,高温動作など従来のスイッチング素子を凌ぐ結果が報告されている(1)。特にGaN-FETにおいては製造プロセスでシリコンウェハを用いており,コストパフォーマンスも良好になると考えられるため次世代パワーデバイスとしての期待は大きい。しかし,それらGaN-FETは従来スイッチング素子のMOS-FETやIGBTと内部構造が異なっており,元来使用されてきたゲート駆動回路を用いると損失の増加や,さらには誤消弧及び誤点弧を招く恐れがある。したがって,GaN-FETの最適駆動可能なゲート駆動回路の開発は急務であり,現在では新しいゲート駆動回路の研究が盛んに行われている。 そこで本研究では,損失軽減,さらには誤消弧及び誤点弧が防止可能な次世代パワー半導体デバイスGaN-FET用新ゲート駆動回路の提案を行っている。本報告では,従来方式と今回提案する新方式の比較を行い,実験的観点から提案方式の有効性を示している。