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平成23年度 (第62回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 1503  3. 電気・電子材料-(2)
日時: 2011年10月22日(土) 13:00 - 14:18
部屋: Nexus21 701室 (→地図)
座長: 寺田 和夫 (広島市立大学)

3-8 (時間: 13:00 - 13:13)
題名希土類酸化物浸透Bi-2212相超電導単結晶の磁気特性
著者*長島 可奈, 今尾 浩也 (松江工業高等専門学校 電子制御工学科)
Pagep. 398
KeywordBi-2212, 単結晶, 希土類酸化物, ピンニングセンター
Abstract超電導体に大電流を流すため、Bi-2212相超電導単結晶に磁性体である希土類酸化物をピンニングセンタとして導入した。用いた希土類酸化物はSc2O3, Y2O3, Nd2O3, Eu2O3, Gd2O3, Dy2O3, Ho2O3, Er2O3, Lu2O3 である。希土類酸化物を導入することで、Icの大幅な向上が得られた。特に磁性のある物質を浸透させた試料で高いIcが観測され、中でもEr2O3を浸透させた単結晶ではIcsは14.5A/cmとなった。この原因として、拘束される磁束が磁性体で多くなることが考えられる。ピンニングセンタとして磁性体を導入することで超電導体を実用導体として応用する可能性が示唆された。

3-9 (時間: 13:13 - 13:26)
題名Bi-2212相超電導単結晶の臨界電流の経時変化
著者*矢田 将大, 今尾 浩也 (松江工業高等専門学校 電子制御工学科)
Pagep. 399
KeywordBi-2212, 単結晶, 経時変化, ピンニングセンター
AbstractBi-2212相超電導単結晶を大気中に放置すると表面層の劣化が起こる。本研究では、ピンニングセンタとして希土類酸化物を浸透させた臨界電流(Ic)の大きな単結晶について、Icの経時変化を検討した。希土類酸化物を浸透させた単結晶では10A/cm以上のIcが得られる。しかし、浸透から大気中に6ヵ月放置した単結晶ではIcが大幅に低下した。超電導転移温度(Tc)は変化していないので、原因は表面層の劣化と考えられる。この試料では、ピンニングセンタは深さ約60μmまで浸透していたのに対し、劣化は約30μmまで進んでいることが明らかになった。

3-10 (時間: 13:26 - 13:39)
題名部分溶融時の試料配置と超電導特性
著者*安達 健二, 今尾 浩也 (松江工業高等専門学校 電子制御工学科)
Pagep. 400
KeywordSm系超電導体, 部分溶融法, 結晶配向, ピンニングセンター
Abstract部分溶融法によるSm系超電導体の作製において、部分溶融時のペレットの配置法を変えることで配向の進み方を制御した試料を作製し、超電導特性との関連性について調べた。作製した試料において部分的に超電導特性に違いが生じた。これらの試料では結晶配向の違いが観測されている。結晶配向はペレット表面に配置したMgO種結晶から始まっており、種結晶に近い領域ほど配向が進んでいる。ピンニングエネルギーの測定より、配向の進んだ領域ほど良好なピンニングセンターが形成されていることが明らかになった。

3-11 (時間: 13:39 - 13:52)
題名60GHz帯におけるFR-4基板の誘電特性の評価
著者越智 亮輔, *井上 晋吾, 黒木 太司 (呉工業高等専門学校 電気情報工学科)
Pagep. 401
Keyword誘電体共振器法, FR-4, ミリ波, 比誘電率, 誘電正接
AbstractFR-4基板は安価で加工性に優れていることからUHF帯で多用されるが、もともと誘電正接が高いために、センチ波帯やミリ波帯ではその利用が敬遠されている。これに対しBITラインの伝送特性は誘電体基板の影響を受けにくいことから、FR-4基板で構成したBITラインでは低価格かつ低損失なミリ波集積回路の提供が期待できる[1]。そこで本論では、このような応用を目的として、60GHz帯におけるFR-4基板の比誘電率と誘電正接の測定を行ったので報告する。

3-12 (時間: 13:52 - 14:05)
題名微細加工による非対称人工ピンの導入と特性の検討
著者*藤原 圭太, 白川 悠, 原田 直幸, 内藤 裕志, 浅田 裕法 (山口大学大学院)
Pagep. 402
Keyword超伝導材料, 人工ピン, 臨界電流密度
Abstract超伝導体の臨界電流密度は超伝導体内部のピンニングセンターと量子化磁束の相互作用によって決定される。これまで、微細加工により溝状の人工ピンニングセンターを導入し、臨界電流密度が向上することがわかった。それをもとにステップ状の人工ピンを導入し、通電する電流の向きに応じて電流の大きさを変化させることで、臨界電流密度を制御することができると考えられる。一方、ステップ状の人工ピンは立体的な形状となり導入方法が複雑なため、加工が容易で同様の効果が得られる形状として三角形を規則的に配列した人工ピンの導入を行った。本研究では人工ピンによるピンニング力の解析と解析結果を用いた人工ピンの導入について検討を行った。

3-13 (時間: 14:05 - 14:18)
題名Ge1-xMnxTeのMBE成長におけるTe/Mn供給比依存性
著者*楽松 達也, 兼友 亮典, 浅田 裕法, 小柳 剛 (山口大学理工学研究科)
Pagep. 403
Keyword強磁性半導体, GeMnTe, MBE成長, キャリア誘起
Abstract本研究ではInP基板上にTe/Mn供給比を1,2,4と変えたGe1-xMnxTeの成長を行い,結晶性や電気的・磁気的特性について調べた。全ての条件で基板と同じ(100)方向のピークのみが現れており,エピタキシャル成長していることが確認できた。Te供給量の増加にともない半値幅は広くなり結晶性は劣化した。SQUIDにより測定したM-H曲線とホール測定より算出したM-H曲線が一致したことから,磁性の起源がp-d交換相互作用によるものであることがわかった。Te供給量の増加にともないキュリー温度は高くなった。Te供給量とともにキャリア濃度も増加しており,これによりキュリー温度が高くなったと考えられる。