(セッション表へ)

平成21年度 電気・情報関連学会中国支部第60回連合大会

部門: セッション 2003  7. 電力系統I-(1)
日時: 2009年10月17日(土) 13:00 - 14:31
部屋: 講義棟 704室 (→地図)
座長: 久保川 淳司 (広島工業大学)

7-1 (時間: 13:00 - 13:13)
題名太陽光発電大量導入時の配電系統における供給信頼度評価
著者*蓮尾 卓也, 佐々木 豊, 造賀 芳文, 餘利野 直人 (広島大学工学研究科複雑システム工学専攻)
Pagepp. 666 - 667
Keyword太陽光発電, 蓄電池, 供給信頼度
Abstract配電系統でのPV導入は将来的にさらに増加していくことが予想される。しかし,変電所からのみ電力が供給される現状から配電系統内に多数の安定しない電源が存在する状態に変化することにより,電力品質が著しく変化していく可能性がある。そこで,本研究では年間供給支障電力量(EENS:Expected Energy Not Supplied)を供給信頼度の指標として,配電系統においてPV導入量を増加させた場合,また,ESSを入れた場合に既存の系統と比較して供給信頼度がどのように変化するのかをシミュレーションを通じて定量的に評価する。

7-2 (時間: 13:13 - 13:26)
題名流入量予測を考慮した水力発電用貯水池運用計画法
著者*大平 彰史, Deependra Kumar Jha, 佐々木 豊, 造賀 芳文, 餘利野 直人 (広島大学)
Pagepp. 668 - 669
Keywordベイズ理論, 確率論的DP, 貯水池運用, 流入量予測, 遷移確率
Abstract貯水池運用計画は、不確実な自然の流入量や貯水量、電力需要の下で決定されるため、通常非常に複雑である。不確実な流入量の下での最適な運用計画を得る方法として確率論的DP(SDP)があり、その中でも実績流入量のみから最適運用を得るマルコフ型DPなどが開発されてきた。しかし、典型的なSDPでは自然流入量の不確実性のみを考慮し、流入量予測の正確性についてはまったく考慮していなかった。そこで、本研究ではSDPにベイズ決定理論を組み込むことで、実績流入量に加えて過去の予測流入量も考慮する、ベイズ型SDP(BSDP)モデルを新たに作成した。また、それを用いて最適貯水運用計画を策定し、シミュレーションによりモデルの検証を行った。

7-3 (時間: 13:26 - 13:39)
題名CPFLOW 法をベースとした統合的電力系統解析法に関する基礎的検討
著者餘利野 直人, 造賀 芳文, 佐々木 豊, *中住 護 (広島大学)
Pagepp. 670 - 671
KeywordCPFLOW, 支援システム
Abstract近年、地球温暖化、化石燃料の枯渇問題を始めとする環境問題の対策の一つとして、クリーンなエネルギーに注目が集まっている。特に太陽光発電は、導入量を2030年には現在の40倍にまで増やす目標値が設定されており、今後大量導入が予想される。しかし、太陽光発電は日射量に依存して発電量が変動するため、計画段階において予測困難な不確実性が存在し、システムの運用・計画が困難になることが懸念される。この対策としては、供給信頼度を維持するための方策を策定することが重要であり、そのための支援システムの開発が必要と考えられる。すなわち、予測され得る多数の負荷パタンに対して電圧安定性や過渡安定度など様々な解析を自動的に行い、予備力の確保等を含めて計画・運用の支援を実施するための基礎的検討を行う。

7-4 (時間: 13:39 - 13:52)
題名制御器を考慮した多機系統における過渡安定度解析
著者*松村 洪作, 造賀 芳文, 佐々木 豊, 餘利野 直人, Priyadi Ardyono (広島大学大学院工学研究科複雑システム工学専攻複雑システム運用学), 角井 弘典, 竹下 充浩 (中国電力)
Pagepp. 672 - 673
Keyword電力系統, 過渡安定度, 安定限界
Abstract近年、電力系統は大規模・複雑化し、過渡安定性解析の重要性が高まってきている。また、電力自由化によりリアルタイムでの解析の必要性が生じ、高精度で高速な手法が望まれている。これまで筆者らは従来の過渡安定度解析の手法に対して、安定限界,特に臨界故障除去時間(Critical Clearing Time : CCT)を直接的に求める新しい手法を提案してきた。この提案法では安定限界に相当する軌跡を臨界トラジェクトリーと定義している。 本稿ではこれをより実用的なものにするため,制御器を考慮した多機系統において提案法を適用し、検討を行った。

7-5 (時間: 13:52 - 14:05)
題名PVと水素貯蔵型FCを併用した家庭用分散型電源の変動抑制評価
著者*町田 祐規, 舩曳 繁之, 山本 真義 (島根大学 大学院 総合理工学研究科 電子制御システム工学専攻 電気エネルギー制御研究室)
Pagepp. 674 - 675
KeywordPVシステム, 水素貯蔵型FC, 電解装置, 変動抑制
Abstract現在,注目されている太陽光発電システム(PVシステム)は,天候状況により日射強度や温度が変化するため,出力電力が秒オーダーで急峻に変化する。このようなシステムが電力系統に連系されると系統電圧等に悪影響を及ぼすため,変動する出力電力を平準化するシステムが必要とされる。 PVシステムの出力電力の平準化法としては,燃料電池(FC)をPVシステムに併置することが有効である。そのため,燃料電池の発電に必要な水素を生成する必要があり,電解装置(EL)をシステムに設置することが望まれる。 本論文では,PVと水素貯蔵型FCを併用した家庭用分散型電源)を提案し,変動縮小率)を用いて本システムの出力電力の変動抑制評価を行う。

7-6 (時間: 14:05 - 14:18)
題名マルチエージェントによる協調動作を用いた電圧制御方式
著者*石田 雅人, 佐伯 礼吏, 永田 武 (広島工業大学), 山本 信幸, 島田 育彦 (中部電力)
Pagep. 676
Keywordマルチエージェント, 電圧制御, 無効電力制御
Abstract本稿は,従来の電圧制御問題を変電所の二次母線電圧の適正化を図る「電圧制御」と一次母線電圧の適正化を図る「無効電力制御」に分離し,マルチエージェント技術を用いて,それらを協調する電圧制御方式を提案したものである。提案方式は,調相設備による同一電圧階級の一次母線電圧制御により,電圧を均一化と,負荷時タップ切替変圧器による当該変電所二次母線電圧制御を協調制御することにより,系統全体の電圧を適正に制御するものである。提案方式の性能を確認するために,簡単なモデル系統を用いたシミュレーションを行ったのでその結果を報告する。

7-7 (時間: 14:18 - 14:31)
題名免疫型エージェントを適用した電力系統事故復旧に関する研究
著者*福永 晋之介, 永田 武 (広島工業大学)
Pagep. 677
Keywordマルチエージェント, 免疫型エージェントモデル, 電力系統事故復旧
Abstract近年の電力自由化により,電力系統は大規模化、分散化しており,今後も大きく変化していくことが予想される。このような状況では,従来の集中型システムでは運用・制御することが困難である。この解決策として,マルチエージェント技術を適用した分散型システムの研究が進められている。 一方で,生体内における細胞の協調性を知的情報処理に応用する研究が進められている。特に予測不能な事故を回避,回復する手法として免疫型システムが注目されている。この免疫機能をエージェントシステムに導入した免疫型エージェントモデルが提案されている。そこで,本研究ではこの免疫型エージェントを適用した電力系統の分散型事故復旧方式を提案する。