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平成21年度 電気・情報関連学会中国支部第60回連合大会

部門: セッション 1702  25. ニューラルネット-(1)
日時: 2009年10月17日(土) 10:55 - 12:00
部屋: 講義棟 602室 (→地図)
座長: 田中 稔次朗 (県立広島大学)

25-1 (時間: 10:55 - 11:08)
題名リカレント型ニューラルネットワークを用いた風速予測システムによる風力発電出力予測
著者*曽利 仁 (津山工業高等専門学校), 安野 卓 (徳島大学大学院)
Pagep. 556
Keywordニューラルネットワーク, 風速予測
Abstract現在,導入されている風力発電のほとんどが電力系統と連系されており,また,風力発電出力は風によって大きく変動するため,周波数変動問題による電力系統への影響が懸念されている。一定期間先の風速を予測し未来の風力発電量を把握することができれば,電力系統の安定性確保や発電電力の計画的な運用が可能と考えられる。著者らはこれまで,予測対象地点における10分先の平均風速を,対象地点の局地的気象データのみを用いてニューラルネットワークにより予測する手法を提案した。本稿では,風速予測システムを用いた風力発電出力を予測する手法を提案する。

25-2 (時間: 11:08 - 11:21)
題名パルス連想記憶モデルにおける共通入力の有効性
著者*石丸 景子, 川村 正樹 (山口大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 557 - 558
Keyword共通入力, パルスニューロン, 連想記憶
Abstractパルスニューロン型連想記憶モデルでは,ネットワーク由来のカオスにより,カオス的なパターン間遷移をする.このパターン間の遷移はカオスがもつ時空間的な相関に起因すると考えられる.そこで,相関を持つ共通入力を導入することによって,遷移が共通入力によって起こることを調べた.共通入力とは全てのニューロンに等しい入力を与えるものである.計算機シミュレーションの結果,共通入力が与えられていないときには遷移が起こらず,パターン間の遷移は共通入力を与えたときに起こった.よって,パターン間遷移には共通入力の特徴である空間的相関を持つノイズが関わっていると考えられる.

25-3 (時間: 11:21 - 11:34)
題名複合ニューラルネットワークを用いた時系列予測に関する研究
著者*小笠原 亨 (呉工業高等専門学校 専攻科 機械電気工学専攻), 井上 浩孝 (呉工業高等専門学校 電気情報工学分野)
Pagepp. 559 - 560
Keyword複合ニューラルネットワーク, カオス時系列予測, 階層型ニューラルネットワーク, ローカルモデル
Abstract本研究では,一般的なバックプロパゲーション学習を行う階層型ニューラルネットワークと最近傍決定則を使用する単純なローカルモデルを組み合わせた複合ニューラルネットワークを提案する.この予測器はそれぞれ単独の予測器で出力された予測値を各予測器のもつ出力特性で補正することにより実現されるものである.この複合ニューラルネットワークの性能を評価するにあたり本研究では,Mackey-Glassデータと,Santa Fe,K.U.Leuven で開催された時系列予測コンテストで使用されたカオス的時系列データに適応させて, それぞれ単独の予測器で予測を行うよりも長期予測が可能であることを示す.

25-4 (時間: 11:34 - 11:47)
題名タンパク質の量と凝集度に基づくSOMによるがん細胞分類システムの動作検証
著者*下村 佳史, 池田 信彦 (徳山工業高等専門学校), 北風 裕教 (大島商船高等専門学校), 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 561 - 562
KeywordSOM
Abstractがんの検査,治療方針の決定,治療法,治療薬開発のために,組織及び細胞レベルで分析する研究が行われている.がんは形態の違いから特徴をある程度は分類可能であるが,進行速度や治療薬に対する反応が一様ではなく,形態学的特徴による組織型分類よりもさらに詳細な分類が必要とされる.ここでは,GUIを用いたSOMによるがん細胞分類システムの構築を行い,学習実験を通してシステムがうまく動作することを確認した.次に,システムの妥当性について考察した.その結果,学習係数や近傍半径等のパラメータを一定とし,同一のタンパク質に対して類似度による適切なカテゴリー化が行えることを確認した.

25-5 (時間: 11:47 - 12:00)
題名タンパク質情報を用いたSOMによるがん細胞分類の実験と評価
著者*立花 麻耶 (山口大学大学院理工学研究科), 北風 裕教 (大島商船高等専門学校), 池田 信彦 (徳山工業高等専門学校), 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 563 - 564
KeywordSOM, ニューラルネットワーク, がん, LSC, 学習
Abstractがんは同一部位から摘出したものであっても,進行速度や治療薬の効果に違いのあることがあり,このような形態学的特徴による方法ではがんの分類を正確にできないことが多い.古屋らは,レーザ走査サイトメータ(LSC)より抽出したがん細胞内のタンパク質量と凝集度の特徴づけを試みている.我々は,自己組織化マップ(SOM)によるこれらの相互関係を確認する手法を提案している.そこで,本研究では学習後のSOMのマップ層において近くに配置されているものは,がん細胞のタンパク質量と凝集度の散布図においても類似しているかを観察した.その結果,SOMによるがん細胞の特徴分類の可能性を示すことができたので報告する.