題名 | 磁性材料の高温での磁気特性の測定―温度上昇法の検討― |
著者 | *森下 真行, 宮城 大輔, 中野 正典, 高橋 則雄 (岡山大学工学部) |
Page | pp. 520 - 521 |
Keyword | 磁性材料, 磁気特性, 高温 |
Abstract | 自動車用モータや,ビレットヒータのような使用温度が高い機器の磁気特性や運転特性を検討する際,室温での磁気特性を用いて解析していては,一般に実際の現象とはかけ離れた結果しか得られない(1)(2).そこで本研究室では,リング試料を用いて鉄心材料のキュリー温度(770℃)までの磁気特性の測定を行っている.しかるに,種々の温度下での測定を一度に行おうとすると,一週間程度連続して測定することになり,現実的ではない.そこで,ある程度まで測定したら温度を下げて,後ほど昇温して測定を行うことが考えられる.そこで今回,T1℃まで昇温して測定を行った後,温度を下げ,後日T1℃まで昇温し,さらにT2℃(T2>T1)まで昇温して測定をするという方法を用いた場合の結果に,差異があるかどうかの検討を行ったので報告する. |
題名 | 磁気特性の温度依存性を考慮した誘導加熱装置の特性解析-磁気特性の温度依存性の影響- |
著者 | *鍵本 博之, 高橋 則雄, 宮城 大輔 (岡山大学工学部), 内田 直喜, 川中 啓二 (三井造船) |
Page | pp. 522 - 523 |
Keyword | 誘導加熱, 有限要素法, 電磁場-温度場連成解析 |
Abstract | ビレットヒータなどの誘導加熱装置では,炭素鋼のキュリー温度(760℃)近傍で透磁率が急変するため,加熱特性を精度良く求めるためには,磁気特性の温度依存性を考慮した解析を行う必要がある(1),(2). 今回,B-Hカーブの温度依存性を考慮した場合と考慮しなかった場合の解析を行い,実測値と比較したので報告する. |
題名 | 高温超電導コイルにおける不可逆的な常電導転移特性を考慮したクエンチ検出方法の提案 |
著者 | *三澤 良太, 朱 鎮弘, 佐野 勇人, 門田 貴昌, 金 錫範, 七戸 希, 村瀬 暁 (岡山大学工学部) |
Page | p. 524 |
Keyword | 高温超電導コイル, クエンチ検出, 常電導転移特性, 熱暴走, リカバリ |
Abstract | 近年の超電導技術の進歩に伴い、高温超電導コイルの熱的安定性は低温超電導コイルと比較して格段に向上された。しかし、高温超電導コイルは大きな熱容量と温度マージンを有しているものの、コイル内に局所的なホットスポットが生じた場合、常電導転移後に超電導状態へ復帰するなど低温超電導コイルには無い複雑な転移特性が見られる。従って、高温超電導コイルにおいては、早期・正確なクエンチの検出が困難である。そこで、本研究では、このような複雑な常電導転移特性を伴うクエンチに対して、不可逆的な常電導転移特性を考慮した新しいクエンチ検出方法を提案し、有効電力法と併用しながら比較・検討を行った。 |
題名 | リング型高温超電導バルク体を用いた小型NMR高磁界発生用マグネットの設計に関する基礎研究 |
著者 | *鹿島 宏輔, 今井 諒, 高野 力, 金 錫範 (岡山大学工学部) |
Page | p. 525 |
Keyword | NMR, 超電導バルク体, 捕捉磁場 |
Abstract | 近年,核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance : NMR)分光法は,タンパク質の機能・構造解析に有効なツールとして注目され,装置の性能向上が進められている.現在,装置の高性能化が進められる一方で装置の大型化,高コスト化により個人が手軽に使用できる装置とは言えないのが現状である.そこで,研究室単位や個人が導入出来ることを目的としたNMR装置のコンパクト化,低コスト化を目指した研究を行っており,高温超電導バルク体を用いる新しい概念のNMR装置である.そして、基礎研究としてリング型の高温超電導バルク体を複数個積層させることにより発生磁場の高強度化と均一化について検討した[1].しかし,積層構造にすると、バルク体の側面の遮へい電流によりシムコイルなどによる直接的な磁場補正が行えないためNMR装置の解析に必要な磁場の空間均一度が達成できない.そこで,バルク体を積層する際に、バルク体の間に間隔を設けることによりシムコイルなどによる直接的な磁場補正ができると考え,バルク体の積層間隔の最適化について実験的に検討を行ったのでその結果について報告する. |
題名 | 医療用磁性ワイヤの検出・位置制御技術に関する研究 |
著者 | *畑 亮輔, 下村 哲也, 石川 雅友, 金 錫範 (岡山大学工学部), 廿日手 好, 田中 三郎 (豊橋技術科学大学エコロジー工学系) |
Page | p. 526 |
Keyword | 磁性ワイヤ, MRセンサ, SQUID, 位置検出 |
Abstract | 近年の高齢者の上昇に伴い,高齢者に多いとされる脳疾 患患者数の増大が懸念されている.また,スノーボードなど のスポーツや交通事故によって,脊椎損傷の患者数も毎年 5000 人以上の割合で増加しており,脳神経や脊髄といった 中枢神経系に対する治療法が必要とされている.今日の研 究で脳細胞が再生できることが明らかになった.そこで,脳 細胞を体外で培養し,移植することにより中枢神経系の治療 法を確立することが行われている.しかし,移植により病状 が改善した例はまだない.さらに,移植による拒絶反応など の問題も多いので,体外で培養した脳細胞を移植すること は難しい現状にある.そこで,神経細胞がもつ自己再生能 力を利用する手段が試されている.具体的には,磁性ワイヤ に神経進展因子や神経反発因子,あるいはこれらの因子の 機能を阻害する抗体や薬物を表面処理し,磁場を用いて移 動・整列させた後,その磁性ワイヤを道標として神経を誘導, 標的神経細胞との間で神経回路の回復を目指すという方法 である.研究内容としては,磁性ワイヤを目的の位置に正し く配置する位置制御を行うための電磁場解析と,脳内の微 細磁性ワイヤの位置を正確に検出するための位置検出とが ある.本研究では,後者の基礎研究として,磁性ワイヤの位 置を検出するための2 種類の検出器(MRセンサ,SQUID) を用いた実験を行ったので,その実験結果について報告す る. |
題名 | 磁気クロマトグラフィー法による微細粒子分離現象に関する検討(その2) |
著者 | *藤倉 一哉 (岡山大学工学部電気電子工学科), 片岡 克仁, 岩本 竜一, 金 錫範 (岡山大学大学院自然科学研究科) |
Page | p. 527 |
Keyword | 磁気クロマトグラフィー, 分離特性 |
Abstract | 現在,磁気分離法の一つとして超電導マグネットを利用した高勾配磁気分離法が用いられているものの,微粒子やイオンなどに関しては分離が難しいとされている.一方,化学分野で利用されている液体クロマトグラフィー法の応用技術の一つとして超電導マグネットを利用した磁気クロマトグラフィー(MC:Magnetic Chromatography) 法が微粒子やイオン分離に有効であるという研究結果が報告されている. そのため,我々はMC法による微粒子およびイオン分離を目的とした基礎研究として,流体力学と電磁気学に基づいた数値解析用プログラムおよび分離装置の開発を行っている.本研究では,磁性微粒子およびイオンの分離特性について実験的に検討を行い,排出特性における磁場依存性および移動相粘性依存性に関する最適分離条件の検討を行ったので,その結果について報告する. |
題名 | 電磁石を用いた直流磁気特性の測定−2素子ホールプローブを用いる方法の検討− |
著者 | *井上 郁也, 宮城 大輔, 中野 正典, 高橋 則雄 (岡山大学工学部) |
Page | p. 528 |
Keyword | 電磁石, 2素子ホールプローブ, 低周波, 反磁界 |
Abstract | 低周波励磁が可能で試料形状の自由度の高い電磁石を用いて測定を行っているが,試料を電磁石にはさむため,反磁界の影響を受け,磁界の強さの測定の際に誤差が生じやすいという問題がある(1).今回,2素子ホールプローブを用いて測定を行う方法の検討を行ったので報告する. |