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平成21年度 電気・情報関連学会中国支部第60回連合大会

部門: セッション 0801  9. 弾性振動・音響・オーディオ
日時: 2009年10月17日(土) 9:00 - 10:31
部屋: 講義棟 411室 (→地図)
座長: 小林 康秀 (広島市立大学)

9-1 (時間: 9:00 - 9:13)
題名マスキング用雑音の到来方向とスピーチプライバシー評価の関係に関する一考察
著者*井町 尚義 (山口大学 工学部), 佐伯 徹郎, 為末 隆弘 (山口大学 大学情報機構), 加藤 裕一 (島根大学 総合理工学部)
Pagepp. 269 - 270
Keywordスピーチプライバシー, マスキング用雑音, 到来方向, スペクトル距離
Abstract近年,小規模診療所の待合室付近での問診,税務署窓口での納税相談,学校の教室での学習進路相談,仮設ブースでの法律相談など, 会話の秘話性が必要とされるオープンスペースでのスピーチプライバシーの保護が重要視されている.本研究では,スピーチプライバシーを保護するための方法として,マスキング用雑音を用いて音声をマスクする方法に着目し,マスキング用雑音の到来方向によりスピーチプライバシー評価がどのように変化するかについて,音響心理実験の結果を基に考察している.次いで,マスキング用雑音を複数箇所から同時に提示した場合のスピーチプライバシー評価を予測するための一手法について提案している.予測値と音響心理実験で得られた実測値を比較した結果,両者の間にほぼ良い一致性が認められ,本手法の妥当性が確認された.

9-2 (時間: 9:13 - 9:26)
題名ラフ集合理論による擬音語の心理的印象評価に関する一考察
著者*木崎 悠太 (山口大学 工学部), 佐伯 徹郎, 為末 隆弘 (山口大学 大学情報機構), 加藤 裕一 (島根大学 総合理工学部)
Pagepp. 271 - 272
Keyword擬音語, 音色, ラフ集合理論, MDL原理, 数量化理論第I類
Abstract本報告では,ラフ集合理論を用いて擬音語の音韻的特徴から音色に関する心理的印象を予測する決定ルールの抽出手法について考察している.具体的には,まず,従来のラフ集合理論により抽出された決定ルールを予測問題にそのまま適用すれば,予測精度が低くなる問題があることを指摘し,それを解決する手法を提案している.次に,情報理論の研究から生まれた記述長最小 (MDL; Minimum Description Length)原理を導入し,新たな決定ルールの選択基準を提案している.最後に,文字表記された2モーラからなる擬音語に対する印象について調査する心理実験をを行い,提案手法の妥当性と有効性並びに従来手法との差異を従来の数量化理論第I類による結果と比較して議論している.

9-3 (時間: 9:26 - 9:39)
題名ナノバブルの性質と超音波照射の効果
著者*岩部 嘉仁, 山本 慎一 (福山大学/工学部電子・電気工学科), 栗延 俊太郎 (福山大学/工学部電子・ロボット工学科), 辻 康広 (株式会社協和機設)
Pagep. 273
Keywordナノバブル, 粒径分布, 超音波
Abstractナノバブル水の用途を拡大するためは、その基礎的性質を明らかにすることが必要である。本研究では、気液混合せん断方式のマイクロ・ナノバブル生成装置を用いて、ナノバブルを生成した。実験から、ナノバブルは短時間で消滅するマイクロバブルと異なり、長期間安定していることを明らかにした。また、ナノバブルを含む純水やNaCl溶液等に超音波を照射して、ナノバブルが消滅することを示した。得られた結果は、超音波照射時のバブルの変化やナノバブル中のガスの利用などに役立つものと思われる。

9-4 (時間: 9:39 - 9:52)
題名音・振動間における相関特性の変化情報活用による機械の異常診断
著者*折本 寿子 (広島商船高等専門学校), 生田 顕 (県立広島大学)
Pagepp. 274 - 275
Keyword異常診断法, 相関特性, 条件付確率分布, 展開表現
Abstract近年, 様々な産業システムが複雑化, 増加する中で, 機械を停止することなく部品の破損など異常の発生を推定, 予測することが要求されている。そこで本研究では, 機械から発生した音と振動間の相関特性を精密かつ普遍的に評価するために, 低次および高次の線形・非線形相関情報を反映した条件付確率分布に基づく異常診断法を提案する。具体的には,機械から発生した音と振動に関する観測値に基づいて, 音と振動の相関特性を評価するための条件付確率分布に関する展開表現を具体化している。また,この条件付確率分布の展開表現を利用することにより, 音と振動における時系列データの観測に基づき, 機械の異常確率を予測する方法について検討を行っている。

9-5 (時間: 9:52 - 10:05)
題名ビーム方向可変指向性マイクロホンシステム
著者*田中 諭, 玉野 和保 (広島工業大学工学研究科), 中村 正孝 (広島工業大学名誉教授)
Pagepp. 276 - 277
Keywordハンズフリー音声通信, 音声認識, ビームフォーマ, マイクロホンアレイ, 指向性
Abstractブロードバンドの普及とともに、テレビ会議等の音声通信では、音源方向に追従する良好な多方向マイクロホンシステムが、今後ますます重要となる。本文では、5つのマイクロホンの直交配置において、3マイク積分方式による単向指向特性実現を適用しての多方向可変指向性システムの実現方法を示す。本システムでは、この直交マイクロホン対の各対が有する8の字指向性を組合調整することによって、全体の指向特性を多方向に可変可能としている。詳細な検討結果によって、本システムによれば、各マイク出力利得設定によって、8方向に3マイク積分方式によるものと同等の指向性が実現可能なことが示されている。

9-6 (時間: 10:05 - 10:18)
題名FFT解析によるトランペット演奏音の比較
著者*篠原 新治, 新 浩一, 西 正博, 吉田 彰顕 (広島市立大学大学院情報科学研究科)
Pagep. 278
KeywordFFT, 倍音構成, トランペット, 音色, 周期性
Abstract楽器に関する研究は古くから行われてきた.しかし,その多くは材質の物理的な振動に関する考察で,演奏音そのものの特徴に着目したものは少ない.そこで本研究では,楽器を様々に変えて演奏音を録音し,FFT解析により比較した.特にトランペットの演奏音の倍音成分に着目し,音色の比較を行った.なお,本研究では,演奏者として広島交響楽団首席トランペット奏者にご協力をいただいた.FFT解析による比較結果から,楽器のメーカや構造により倍音構成が異なり,ピーク値をとる周波数が,演奏音によって異なることがわかった.また,倍音構成に周期性があることがわかった.また,マウスピースによる差は小さく,倍音構成に与える影響は小さかった.

9-7 (時間: 10:18 - 10:31)
題名和声法による作曲支援システムの開発
著者*小方 祐馬, 新 浩一, 西 正博, 吉田 彰顕 (広島市立大学大学院情報科学研究科)
Pagep. 279
Keyword和声法, 作曲支援
Abstractコンピュータによる音楽ソフトウェアが普及し,誰でも音楽制作ができるようになってきているが,音楽の知識の無い人々のためのソフトウェアはほとんどが自動作曲を行うものであり,自分で作曲を行える支援ソフトウェアは少ないのが現状である.そこで本研究では作曲理論の一つである和声法に注目し,作曲支援システムを開発した.また実際に作曲未経験者に使用してもらうことで開発したシステムの検証を行い,作曲未経験者においても本システムを用いて和声法による曲作りが出来ることを確認した.