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平成20年度 電気・情報関連学会中国支部第59回連合大会

部門: セッション 0702  15. 医療電子・生体工学-(2)
日時: 2008年10月25日(土) 10:30 - 12:01
部屋: 共通教育棟 D21教室 (→地図)
座長: 米澤 良治 (広島工業大学)

15-7 (時間: 10:30 - 10:43)
題名頸髄損傷者のための片手操作マウスの開発と入力デバイスの選択手法
著者*六名 泰彦, 谷本 義雄, 難波 邦治, 濱岡 憲二 (吉備高原医療リハビリテーションセンター), 山本 秀樹 (岡山大学教育学部)
Pagep. 233
Keywordコンピュータ入力デバイス, 頸髄損傷, 片手操作
Abstract当センターでは、頸髄損傷者の在宅就労支援システムにより、頸髄損傷者に合ったコンピュータ入力デバイスを提示している。これまでに、頸髄損傷者が両上肢を使って効率よくコンピュータ操作を行うポインティングデバイスの開発、高位頸髄損傷者が顎の動きによってコンピュータ操作が行えるデバイスの開発を行っている。本研究では、麻痺により把持能力の低い頸髄損傷者が、一般的なマウスと同じ感覚で操作が行える片手操作マウスの開発を行い、頸髄損傷者が手で操作する入力デバイスの選択基準を作成したので報告する。

15-8 (時間: 10:43 - 10:56)
題名左右駆動輪の移動量による車いす旋回半径の算出
著者*難波 邦治, 谷本 義雄, 六名 泰彦, 六名 裕美 (吉備高原医療リハビリテーションセンター), 山本 秀樹 (岡山大学教育学部)
Pagep. 234
Keyword脊髄損傷者, 車いす旋回, 住宅改造
Abstract脊髄損傷者の住宅改造指導では、車いすの移動空間を考慮して平面図の立案を行う必要があり、各脊髄損傷者の車いすの旋回範囲を特定することは重要である。これまでに、立案された居住空間において、車いすが十分に移動できるかどうか視覚的に捉えることを目的とした、車いす移動評価システムを開発し報告している。本研究では、左右駆動輪の移動量によって車いす旋回半径を算出したので報告する。

15-9 (時間: 10:56 - 11:09)
題名脊髄損傷者の移乗動作分析のための車椅子形状計測
著者*谷本 義雄, 難波 邦治, 六名 泰彦 (吉備高原医療リハビリテーションセンター), 山本 秀樹 (岡山大学)
Pagep. 235
Keyword車椅子, 形状計測, 移乗動作, 動作分析, 画像解析
Abstract脊髄損傷者にとって、車いすからベッドや便座などへの移乗動作は基本的な動作の一つである。これまでに我々は、移乗動作時の画像を2台のカメラで、左手、両足、臀部にかかる力をForce Plateで同時に計測する、移乗動作計測装置を開発し、脊髄損傷者と健常者の移乗動作計測結果を比較することにより、脊髄損傷者の特徴を明らかにしている。昨年度本学会で、得られた画像から車椅子の位置を特定する手法について報告した。今回は、車椅子の形状を画像計測し、昨年度の手法により得られた車椅子の位置の結果をもとに、移乗動作時の画像に車椅子を表示することができたので報告する。

15-10 (時間: 11:09 - 11:22)
題名シミュレーションによる時計遺伝子Bmal、Clockの役割の検証
著者*松井 明生 (山口大学大学院理工学研究科), 三藤 なつ美 (九電ビジネスソリューションズ), 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科), 井上 愼一 (山口大学時間学研究所)
Pagepp. 236 - 237
Keyword生物時計, シミュレーション, 遺伝子ネットワーク
Abstract生体の概日振動リズムを司る時計遺伝子であるBmal、Clockのタンパク質は複合体BMAL/CLOCKを成して他の時計遺伝子の転写を促進する。その際、BMAL/CLOCK濃度は常に一定値以上を保ち恒常的に転写促進作用が働いているというのが従来のモデルである。今回の研究ではハイブリッド関数ペトリネットを用いたシミュレーションによって、BMAL/CLOCKが「転写調節因子」となった場合に、「遺伝子モデルの安定性」および「振動リズムの伸張」という点において 従来のモデルと比較して優位性があるため、BMAL/CLOCKが転写調節因子として働くと考えるのが妥当であることを示した。

15-11 (時間: 11:22 - 11:35)
題名哺乳類生物時計における遺伝子転写調節のペトリネットモデル
著者*宮本 賢志, 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科), 井上 愼一 (山口大学時間学研究所)
Pagepp. 238 - 239
Keyword時間生物学, ペトリネット
Abstract遺伝子はプロモータ領域での遺伝子調節タンパクによるスイッチ機構によって制御されている。 これまでに、マウス時計遺伝子機構のハイブリッド関数ペトリネット(Hybrid Functional Petri Net:HFPN) を 用いたモデルが提案されているが、これらのモデルではプロモータの転写スイッチ機構が表現されていない。そこで、本研究では従来のHFPNモデルにプロモータを導入することで、より生物学的事実に基づいたモデルを作成した。そのシミュレーション結果から、時計遺伝子Bmalの転写調節プロモータ(RORE)での転写調節タンパクの働きに関する示唆について報告する。

15-12 (時間: 11:35 - 11:48)
題名大腸菌代謝機構モデル化のための代謝パスウェイ整理システムの作成
著者*山本屋 智章 (山口大学大学院 理工学研究科), 松野 浩嗣 (山口大学 理工学研究科), 森 浩禎 (奈良先端科学技術大学院大学), 宮野 悟 (東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター)
Pagepp. 240 - 241
Keywordパスウェイ抽出, EcoCyc, Cell Illustrator
Abstract生命活動は代謝と呼ばれる酵素反応系により維持されており、それらは複雑なネットワークを構成している。これまでに大腸菌を用いて代謝に関する遺伝子やタンパク質などの研究が行われてきたが、これらの組み合わせによる生命現象についてはほとんど調べられていない。 本研究では、シミュレーション用ソフトウェアCell Illustratorを用いて大腸菌代謝経路の解析を行っている。 本稿では、複雑な大腸菌代謝経路をシステム的に扱う環境作りの第一ステップとして経路ごとに扱うシステムを構築し、その有効性を検証した。

15-13 (時間: 11:48 - 12:01)
題名システム生物学的アプローチによる大腸菌代謝酵素発現パターンの解析
著者*池上 雄人 (山口大学大学院理工学研究科), 道瀬 ひとみ (奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科), 加藤 玲子 (山口大学大学院理工学研究科), 森 浩禎 (奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科), 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 242 - 243
Keyword代謝, シミュレーション, 大腸菌
Abstract近年、大腸菌のようなモデル生物を扱うことで生命システム全体を理解しようとするシステム生物学の研究の流れが大きくなっている。大腸菌代謝システムの解明には生育過程における細胞内の遺伝子や酵素の時系列的な振る舞いを理解する必要がある。本稿では生物実験による定量とシミュレーションによるアプローチから細胞内の酵素発現を解析した。その結果、シミュレーションによって酵素の発現量は細胞分裂による希釈の影響が大きいことを示すことができた。また、実験とシミュレーション結果の違いから生育段階による酵素生産量の変化、代謝パスウェイによる制御の違いを示唆することができた。