題名 | 屈折率変調型格子における等価異方性 |
著者 | *菅野 翔太, 若林 秀昭, 稲井 寛 (岡山県立大学 情報工学部) |
Page | p. 489 |
Keyword | 誘電体格子 |
Abstract | 近年では製作技術の進歩に伴い,光の波長よりも短い周期を持つ誘電体格子の製作が可能となってきた.誘電体格子は,レリーフ型と変調型に分類され,矩形状レリーフ型誘電体格子は,格子周期が光の波長よりも短ければ負の1軸異方性を示すことが知られている.本稿では,屈折率が変化する変調型格子について,先に報告した等価誘電率を表す汎用的な一様近似式を適用し,正弦波状の屈折率分布を有する変調型格子の等価屈折率を導出する.等価屈折率と格子の屈折率に相当する値との比較により,等価屈折率の有効性を示す.また,正弦波状及び矩形波状の誘電率分布を有する変調型格子と異方性の度合を比較する. |
題名 | 試作した導波管型可変電力分配器の特性 |
著者 | *濱島 浩志, 佐薙 稔, 野木 茂次 (岡山大学大学院 自然科学研究科), 浜本 研一, 丹羽 直幹, 高木 賢二 (鹿島建設株式会社), 篠原 真毅, 三谷 友彦 (京都大学生存圏研究所) |
Page | p. 490 |
Keyword | マイクロ波, 方形導波管, 電力分配器, 分配比可変, 機械的制御 |
Abstract | 機械的に分配比を可変できる導波管型電力分配器を実際に試作し,取り出し電力割合が58%から2%の範囲で変化できることを確認した. |
題名 | TL法を用いたポスト壁導波路素子のSパラメータ導出 |
著者 | *岸原 充佳 (岡山県立大学), 太田 勲 (兵庫県立大学) |
Page | p. 491 |
Keyword | ミリ波, ポスト壁導波路, 受動回路, 平面回路法, TRL校正法 |
Abstract | 以前より平面回路法に基づいたポスト壁導波路の解析法を提案し,励振ポートとポスト壁導波路のトランジションを考慮に入れた解析や素子設計を試みている.平面回路と見なした解析では,平面回路の入出力ポートとして導波管ポートを配置するが,これらのポートでポスト壁導波路を励振する場合には,必然的に不連続が含まれる.今回,この不連続部を"Error Box"と考え,ネットワークアナライザでの測定に用いられるTRL校正法のThru接続とLine接続,およびDUT接続状態の解析を行うことでポスト壁導波路素子のみのSパラメータの計算を行っている. |
題名 | インピーダンスステップを接続した左手系フェライトマイクロストリップ線路 |
著者 | *高木 学, 大久保 賢祐, 岸原 充佳, 山北 次郎 (岡山県立大学 情報工学部) |
Page | p. 492 |
Keyword | 左手系, フェライト, 非可逆回路 |
Abstract | 左手系媒質のマイクロ波回路への応用に関する研究が活発に行われている. 近年, 基板にフェライトを用い, 非可逆特性を示す左手系フェライトマイクロストリップ線路が提案されている.この回路は従来のエッジガイドモードアイソレータとは異なり, フェライトが負の透磁率特性を示す帯域で動作するが, 設計手法が確立されておらず, 現在のところマイクロ波デバイスとして用いるためには反射係数が大きい.反射が大きいのは入出力部の不整合と考えられるが,所望の特性インピーダンスをもつ左手系フェライトマイクロストリップ線路の設計は今後の課題に譲り,本稿では,インピーダンスステップを接続することで反射特性の改善を行った.改善前-9dB程度であった反射が,インピーダンスステップを接続することで,最小-27.5dBまで改善された. |
題名 | 拡張型右手・左手系複合伝送線路と90°ハイブリッドを用いた反射型帯域通過フィルタ |
著者 | *山本 淳弘, 高木 学, 大久保 賢祐, 岸原 充佳, 山北 次郎 (岡山県立大学) |
Page | p. 493 |
Keyword | 左手系線路, ハイブリッド, フィルタ |
Abstract | 近年,分布直列インピーダンスおよび分布並列アドミタンスが共に負となる伝送帯域を持つ右手・左手系複合伝送線路(CRLH-TL)が注目されている.本稿では最近報告された拡張型右手・左手系複合伝送線路(E-CRLH TL)の阻止帯域からの反射に着目し,90°ハイブリッドと組み合わせた反射型帯域通過フィルタを提案する.その特性を理論計算および数値シミュレーションによって明らかにしている.得られた帯域通過特性は,中心周波数1.07GHz,帯域幅0.21GHz,挿入損0.2dBである.現在のところシミュレーション結果の帯域外の通過特性は,フィルタとして動作させるには不十分であるがE-CRLH TLおよび90°ハイブリッドの最適化によって特性の改善がはかれると考える. |