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平成19年度 電気・情報関連学会中国支部第58回連合大会

部門: セッション 1303  3. 電気・電子材料-(2)
日時: 2007年10月20日(土) 13:00 - 14:18
部屋: 工学部 1階 114講義室 (→地図)
座長: 光本 真一 (宇部工業高等専門学校 電気工学科)

3-6 (時間: 13:00 - 13:13)
題名半導体モールド樹脂の高温高電界下における帯電現象
著者*石築 和也, 福間 眞澄 (松江工業高等専門学校)
Pagep. 439
Keyword空間電荷, 半導体モールド樹脂, パルス静電応力法, 電界効果トランジスタ
Abstract電界効果トランジスタ(FET)はスイッチング素子や電流増幅の目的で使用されている。ハイブリッド車での電流制御として,パワーMOS FETの利用が注目されている。しかし,高温課電下では半導体モールド樹脂に電荷が帯電し,それによって半導体内部にも電荷が誘起され,パワーMOS FETのスイッチングで誤動作の可能性がある。本稿では,空間電荷分布測定技術を用いて,現在実用化されているモールド樹脂内部の高温電界下における帯電現象の調査をした。30 ℃と100 ℃のそれぞれの状態で,電圧10kVを短絡させ,試料内部の空間電荷を測定することによって,100 ℃の高温において両電極近傍にヘテロ電荷の蓄積が観測された。

3-7 (時間: 13:13 - 13:26)
題名2次元PEA装置を用いたイオンマイグレーション現象の観測
著者*小竹 慎也, 福間 眞澄 (松江工業高等専門学校)
Pagep. 440
Keyword空間電荷, イオンマイグレーション, PEA, プリント基板, 2次元
Abstract電気・電子機器でプリント基板が広く利用されている。高温・高湿でかつ高電界での使用では,導体である銅箔がイオン化し,プリント基板内部に侵入するイオンマイグレーション現象が起こる。この現象は絶縁不良や劣化の原因となり,プリント基板の信頼性を低下させることが報告されている。本稿では,温度85℃,湿度85%に保ち,電界7.1kV/mmを36時間連続印加して劣化させた多層ガラスエポキシ基板の2次元における空間電荷分布測定を行った。銅箔下,エッジ付近において,下部電極近傍に蓄積電荷がわずかに見られた。この電荷は銅箔が湿熱により銅イオンとなり,電界によって絶縁体に侵入するイオンマイグレーション現象を示している可能性がある。

3-8 (時間: 13:26 - 13:39)
題名風車ブレードの汚損状態における沿面放電特性
著者*山根 大介, 福井 裕幸, 箕田 充志 (松江工業高等専門学校), 長尾 雅行 (豊橋技術科学大学)
Pagep. 441
Keyword風力発電, 風車用ブレード, 雷, 雷保護, 沿面放電
Abstract近年,自然エネルギーを用いた発電が進められており,風力発電が積極的に導入されている.一方,風力発電設備に対する落雷被害については導入の割合に伴い増加傾向にあり,それによる長期間の運転停止や発電コストの上昇も招いている. このように,落雷被害は今後の風力発電導入促進の阻害要因となるため,ブレードにおける雷の進展メカニズムを解明し,落雷被害を軽減できる具体的な防止策の提案が必要となる. 本報告では,ブレードの一部分を模擬した試料を用い,乾燥させた場合および黄砂等の不純物を付着させた場合の沿面放電特性について検討した.

3-9 (時間: 13:39 - 13:52)
題名風力発電用ブレードにおける沿面放電特性に及ぼす水分の影響
著者*福井 裕幸, 箕田 充志 (松江工業高等専門学校), 長尾 雅行 (豊橋技術科学大学)
Pagep. 442
Keyword風力発電, 風車用ブレード, 雷, 雷保護, 沿面放電
Abstract近年,自然エネルギーの利用方法の一つとして,風力発電システムの導入が国内外で積極的に行われている.一方,風力発電システムの設置台数の増加などにともない,多数の落雷による事故が発生している.  この問題を解決するために,落雷によるブレードの破損メカニズムの解明や,落雷被害の防止法の検討は極めて重要である.  そこで,本報告では,ブレードの一部分を模擬した試料を用い,直流電圧と交流電圧での沿面放電特性に及ぼす水分の影響について比較検討した.

3-10 (時間: 13:52 - 14:05)
題名誘導結合プラズマ支援型多重磁極マグネトロンスパッタ法における陽極付加による基板の電気的特性
著者*蓮井 友城 (広島工業大学), 村岡 裕紀, 烏帽子 良 (広島工業大学大学院), 橘 瑛宏, 黒川 重雄 (広島工業大学), 川畑 敬志 (広島工業大学大学院)
Pagep. 443
KeywordMMPC, 薄膜, 基板電流, 陽極板
Abstract従来の多重磁極マグネトロンスパッタ法(MMPC)では外部磁石による基板方向への磁力線の影響から、基板DCバイアス電圧を数十V以上に増加しないと基板電流の飽和領域が得られず、低電圧における基板へのイオン照射は得難いものであった。そこで我々は誘導結合プラズマ支援型多重磁極マグネトロンスパッタ法の基板上に陽極板を設置し、電子の基板への流入を防ぎ、基板電流の飽和領域の低電圧側へのシフトを試みた。陽極電圧の印加により基板に入射する電子(CMの場合)及び、基板方向への磁力線に巻きついた電子(MMPCの場合)を陽極板に引き込むことが示唆される。

3-11 (時間: 14:05 - 14:18)
題名低温で横成長させたポリシリコン薄膜の顕微ラマン分光による評価
著者*神原 潤二, 小羽田 光則, 小笠原 皓哉, 大橋 康隆, 北原 邦紀 (島根大学総合理工学研究科)
Pagep. 444
Keywordポリシリコン, 横方向成長, 低温, 結晶化
Abstract高精細画液晶ディスプレイのパネル上に搭載された薄膜トランジスタ材料として,ポリシリコン(poly-Si)薄膜が普及しつつある.poly-Siはアモルファスシリコン(a-Si)を何らかの方法で加熱して結晶化する.電気炉による加熱は固相結晶化法(SPC)と呼ばれる.SPCは高い温度(600〜900℃)が必要であり,また結晶核の形成がランダムに起こる.結晶化温度を下げる方法として金属誘起固相結晶化法(MILC)がある.これはa-SiにNiなどの触媒金属を添加し加熱する方法である.局所的に添加すれば,そこから横方向成長も可能となる.ここでは顕微ラマン分光法を用いたMILCの局所的評価について報告する.