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平成19年度 電気・情報関連学会中国支部第58回連合大会

部門: セッション 1001  20. 計算機工学
日時: 2007年10月20日(土) 9:00 - 10:18
部屋: 工学部 1階 111講義室 (→地図)
座長: 吉田 誠 (岡山理科大学工学部情報工学科)

20-1 (時間: 9:00 - 9:13)
題名ネットワークブートPCによるグリッド環境構築の検討
著者*沼 美月 (岡山理科大学大学院工学研究科情報工学専攻), 上嶋 明 (岡山理科大学工学部情報工学科)
Pagep. 315
Keywordグリッド・コンピューティング, 並列処理
Abstract大規模計算を行う方法として,グリッド・コンピューティングが広まっている。大学には各研究室や実習室に多数のPCがあるが,夜間や休日にはこれらの大部分は使用されていない。そこで,これらの遊休資源を利用してグリッド・コンピューティングを行う環境を構築する方法を検討した。各PCの既存環境に一切変更を加えなくてもよいよう,ローカルのHDDを全く使用せずにネットワークからLinuxをブートし,グリッドのノードとして運用する方法を用いた。実験の結果,複数台のネットワークブートPCによりミドルウェアであるGlobusツールキットを用いたグリッド環境を構築できることを確認できた。

20-2 (時間: 9:13 - 9:26)
題名塗り絵デバイス:計算機工学を学ぶための新しい教材の提案
著者*玉木 徹 (広島大学)
Pagepp. 316 - 317
Keyword論理回路, 教材, 塗り絵デバイス, 理系教育, 回路素子
Abstract本稿では、児童や生徒が計算機の仕組みを学習するための「塗り絵デバイス」という教材を提案する。計算機工学や計算機アーキテクチャを学ぶ上で論理回路は重要であり、通常は大学や高専のカリキュラムにおいて、論理式やカルノー図など論理回路に関する高度な知識を学ぶ。これらは一般に小中学生には理解しがたい高度な内容である。しかし、近年理系離れやIT離れが深刻に叫ばれている中、計算機の中身がどうなっているのかを面白く子供達に伝える必要がある。そこで、子供達が手を動かしながら計算機内部の動作原理を実感できる「塗り絵デバイス」を提案する。これは、電気の流れを鉛筆で塗りつぶしていくことで実現し、自分で論理素子の処理を行うものである。

20-3 (時間: 9:26 - 9:39)
題名正規表現のサブクラスをパターンとするストリングマッチングハードウェア
著者*川中 洋祐, 若林 真一, 永山 忍 (広島市立大学)
Pagepp. 318 - 319
Keywordストリングマッチング, 正規表現, FPGA
Abstractストリングマッチングとは,文字や文字に対する演算からなる文字列をパターンとし,与えられたパターンに一致する文字列を入力系列から検索する操作である.本研究では,正規表現のサブクラスをパターンとするストリングマッチングに対して専用ハードウェアを提案し,FPGA上に実現することを目的とする.

20-4 (時間: 9:39 - 9:52)
題名Javaを用いたプロセッサシミュレータのマルチスレッド化
著者*濱野 尚, 渡邊 誠也, 名古屋 彰 (岡山大学大学院自然科学研究科)
Pagepp. 320 - 321
Keywordプロセッサシミュレータ, マルチスレッド, Java
Abstract本稿では,我々が開発中のJava実装のプロセッサシミュレータJavaScalarをマルチスレッドで動作させる方法とマルチスレッド化による性能向上について報告する.JavaScalarの分岐予測シミュレータに対して,命令セットのシミュレーションを行うスレッドと分岐予測処理を行うスレッドを個別に用意するマルチスレッド化により,全体の処理時間短縮を図った.性能評価の結果,2スレッドで実行した際,シングルスレッドの場合と比較して平均で16%の速度向上が得られ,マルチスレッド化の効果が確認できた.

20-5 (時間: 9:52 - 10:05)
題名マルチポート連想メモリを用いた効果的な並列符号化処理について
著者*熊木 武志, 石崎 雅勝, 田上 正治, 今井 雄太, 小出 哲士, Hans Juergen Mattausch (広島大学ナノデバイス・システム研究センター)
Pagepp. 322 - 323
Keyword連想メモリ, Content Addressable Memory, CAM, マルチポート, 並列処理
Abstract近年,光ファイバーの普及やモバイル機器の性能向上によって ユーザが大容量のマルチメディアデータを手軽に利用できる環境が 整いつつある.そのためマルチメディアデータ処理LSIは,各種アプリケーションをより高速に処理する能力が必要とされてきている.一般にマルチメディアデータを高速に処理するためには テーブルルックアップ処理を高速に行うことが必須である. 高速化の方法で代表的なものは並列処理が挙げられるが,テーブルルックアップ処理を並列化する場合,符号化テーブルを複数用意する必要がある.しかしながら,この方法では実装面積,及び消費電力が大きくなり,テーブルデータ間のコヒーレンシや同期等の問題も無視することはできない.以上の問題を解決するため,我々は従来のCAMに比較ポートを複数実装させたマルチポートCAMを新たに開発し,マルチプル・シングルサーチモード,カウンタ値設定モード,及びカウンタ結合モードという工夫を凝らすことで従来のDSPと比較して単位面積あたりの性能が約3.8倍の向上を実現してきた.本論文では,更なるマルチポートのCAM性能向上を図るために,消費電力の削減に着目し,新たにカテゴリサスペンドモードを考案しその効果を検証した.検証の結果,これまでのマルチポートCAMと比較して,約90%の消費電力削減見積もりを得ることができた.

20-6 (時間: 10:05 - 10:18)
題名事物基軸型プログラムにおけるプログラム構造形式化手法の適用法
著者*小池 雅樹 (島根大学大学院総合理工学研究科), 會澤 邦夫 (島根大学総合理工学部), 佐藤 匡正 (無所属)
Pagep. 324
Keywordオブジェクト指向, プログラム構造, 形式化, クラスの設計, デザインレビュー
Abstract 事物基軸型プログラムは,事物基軸設計法の概念実現が困難なことや,処理が冗長となり複雑になるという問題がある.静的分析によりこれら妥当性を検証することは,試験や保守において有効であると考えられる.本論文では,類のプログラム中での実現方法に着目し,プログラム構造形式化手法を用いてこれらを導出する方法と設計の妥当性検証について述べる.