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平成19年度 電気・情報関連学会中国支部第58回連合大会

部門: セッション 0501  15. 医療電子・生体工学-(1)
日時: 2007年10月20日(土) 9:00 - 10:31
部屋: 工学部 1階 106講義室 (→地図)
座長: 米澤 良治 (広島工業大学)

15-1 (時間: 9:00 - 9:13)
題名マウス時計遺伝子機構の光同調シミュレーション
著者*池上 雄人, 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科), 井上 愼一 (山口大学時間学研究所)
Pagepp. 119 - 120
Keyword生物時計, シミュレーション, 光同調
Abstract本研究はマウス時計遺伝子機構のmRNAレベルでの光同調をシミュレーションによって解析した。マウスの時計遺伝子機構をモデル化するにあたり、ペトリネットを基本構造とした生命現象を直感的にモデル化できるシミュレーション用ソフトウェアであるCell Illustrator(R)を使用した。光同調機構をモデル化するにあたり、マウスの時計遺伝子の中で光に応答し濃度を増加させるPeriodmRNAを明期の間に一定量増加させるモデルと哺乳類の光同調機構をモデル化したゲートモデルという二つのモデルを提案した。この二つのモデルをシミュレーションして比較した結果、哺乳類はゲート機構を用いた効率的な同調様式を用いていることが結論できた。

15-2 (時間: 9:13 - 9:26)
題名機械学習を用いたアポトーシス過程における機能タンパク質の特徴抽出
著者*宮川 千種 (山口大学大学院理工学研究科), 杉井 学 (山口大学メディア基盤センター), 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 121 - 122
Keyword機械学習, 特徴抽出, アポトーシス, アミノ酸配列, 配列解析
Abstract機能タンパク質は、翻訳後様々なカスケード反応の中で活性化や不活性化を繰り返しながら機能している。脂質やリン酸化による修飾をはじめ、酵素による切断がタンパク質の活性化に繋がるケースも少なくない。そこで本研究では、機械学習システムBONSAIを用いて、カスパーゼで切断されるタンパク質に共通するような網羅的な特徴の抽出を行い、カスパーゼで切断された後に機能するようなタンパク質の予測を行った。その結果、BONSAIはcaspase-3で切断されるタンパク質からセリン-スレオニンキナーゼモチーフの特徴をはじめ、切断に必要な何らかの特徴を発見した。

15-3 (時間: 9:26 - 9:39)
題名シミュレーションに基づく哺乳類生物時計の振動位相決定遺伝子に関する一考察
著者*松井 明生, 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科), 井上 愼一 (山口大学時間学研究所)
Pagepp. 123 - 124
Keyword生物時計, シミュレーション, 遺伝子振動位相
Abstract哺乳類時計遺伝子PerとBmalはその振動が逆位相であることが知られており、この位相関係を決定する時計遺伝子がBmalの転写を抑制するRev-Erbであると主張する論文がある。だが、ハイブリッド関数ペトリネットを用いたモデルでのシミュレーションでは、Bmal転写に影響する時計遺伝子をRev-Erbのみにした場合PerとBmalが本来とは異なる同位相になった。そこでBmal転写を促進するRor遺伝子に着目し、これをPER/CRYと複合体を形成してBmal転写促進するモデルで再度検証した結果、BmalとPerが逆位相関係となり、PerとBmalの位相関係にRor遺伝子が関与していることが示された。

15-4 (時間: 9:39 - 9:52)
題名シミュレーションによるマウス時計遺伝子フィードバックループの相補的働きの検証
著者*三藤 なつ美, 松野 浩嗣 (山口大学大学院理工学研究科), 井上 愼一 (山口大学時間学研究所)
Pagepp. 125 - 126
Keywordコンピュータシミュレーション, 生物時計, 遺伝子ネットワーク
Abstract生物は活動などに約24時間の内因性のリズムを示す。これをサーカディアンリズムといい、生物時計によって支配されている。生物時計の遺伝子ネットワークモデルが現在提案されており、このネットワークはタンパク質の転写活性によるポジティブフィードバックループと転写抑制によるネガティブフィードバックループから成っている。2つのループからリズムが形成されるため、一方が作用しない場合でも他方によりリズムが維持できると期待される。そこで、ネガティブループを効かなくした場合のシミュレーションを行ったが、リズムが形成されなかった。そこで、モデルを再構築することで、2つのループが相互補完的に働くための条件をシミュレーションにより検証した。

15-5 (時間: 9:52 - 10:05)
題名実験データに基づいたペトリネット分割によるシグナル伝達経路パラメータの推定方法の提案
著者*樋岡 幹司 (山口大学大学院 理工学研究科), 李 晨 (東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター), 松野 浩嗣 (山口大学大学院 理工学研究所), 宮野 悟 (東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター)
Pagepp. 127 - 128
Keywordペトリネット, シグナル伝達経路
Abstractシグナル伝達経路とは,細胞外からリガンド等の物質が細胞膜上の受容体と結合することで細胞内に刺激が伝わり,酵素反応等によりシグナルが下流に伝わる一連のシグナルの流れである.李ら[1]によって,離散ペトリネットを使ってシグナル伝達経路をモデル化する手法が提案されている.さらに,李ら[2]によって,時間ペトリネット(TPN)モデルを用いてトランジションの発火に必要な遅延時間を決定する手法が提案されている.これにより,TPNモデルの上流から下流に向かってスムーズにトークンが流すことが可能となっている.本稿では,実験データを用いてTPNモデルを複数の構成要素に分割し,実験データを基にトランジションのパラメータを推定する方法を提案する.

15-6 (時間: 10:05 - 10:18)
題名安否確認システムに関する研究
著者*竹内 将喜 (山口大学大学院), 内堀 晃彦 (宇部工業高等専門学校), 明石 卓也, 若佐 裕治, 田中 幹也 (山口大学大学院)
Pagep. 129
Keyword安否確認システム, 独居高齢者, 超音波センサ, 電灯線通信
Abstract近年,急速な高齢化とともに独居高齢者の数が増加している.そこで,本研究では高齢者の生活状況をモニタリングする安否確認システムの開発を行った.開発した安否確認システムは特にトイレの利用に注目したものである.高齢者にとってトイレの利用回数,時間は健康状態の変化を表す重要な情報のひとつであることから,この情報を取得し外部と通信するシステムの開発を目的とした.安否確認システムは超音波センサ,電灯線通信装置,PC,ユビキタスモジュールで構成されており,センサで得られた情報は電灯線を介してPCに送られ,ユビキタスモジュールで外部と通信する.そして,本システムの有用性を確認するために検証実験を行った.

15-7 (時間: 10:18 - 10:31)
題名視覚的注意と瞬目波形に関する予備的検討
著者*安井 淳美, 田邊 喜一 (松江工業高等専門学校)
Pagep. 130
Keyword瞬目波形, 視覚的注意
Abstract本稿では、視覚的注意と瞬目波形の関係について予備的検討を行った。具体的には120fpsのハイフレーム型ビデオカメラを用いて瞬目波形を取得し、その特徴について分析した。実験条件として三段階の注意条件を設定し、そのときの瞬目ピーク高の差異について調べた。その結果、1名の被験者が対象ではあるが、注意の度合が高い方が瞬目ピーク高が大きくなる傾向が認められた。