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平成18年度 電気・情報関連学会中国支部第57回連合大会

部門: 11. アンテナ・電磁波 I
日時: 2006年10月21日(土) 9:20 - 10:25
部屋: 21号館 2階 22126室 (→地図)
座長: 大久保 賢祐 (岡山県立大学 情報工学部)

11-1 (時間: 9:20 - 9:33)
題名損失誘電体格子における等価誘電率の有効性
著者*菅野 翔太 (岡山県立大学 情報工学部 情報通信工学科), 若林 秀昭, 稲井 寛 (岡山県立大学 情報工学部)
Pagep. 547
Keyword誘電体格子
Abstract周期構造中の光波伝搬現象は光波電子工学において重要な基礎的分野であり,光の波長と同程度の周期を持つ素子である誘電体格子は頻繁に使用されている.近年では製作技術の進歩に伴い,光の波長よりも短い周期を持つ誘電体格子の製作も可能となってきた.誘電体格子は,格子周期が光の波長よりも十分短ければ負の一軸異方性を示すことが確認されている.本稿では,正弦波状及び三角波状の複素誘電率分布を有する変調型格子の等価誘電率を導出し,格子の計算結果と等価誘電率によって表される異方性スラブの計算結果の比較により,等価誘電率の有効性を示す.

11-2 (時間: 9:33 - 9:46)
題名不平衡度変化に基づくコモンモードアンテナモデルを用いたコネクタ結合プリント回路基板からのコモンモード放射量予測
著者*貞利 章文, 酒井 陽平 (岡山大学大学院自然科学研究科), 豊田 啓孝 (岡山大学工学部), 松嶋 徹 (岡山大学大学院自然科学研究科), 五百旗頭 健吾, 古賀 隆治 (岡山大学工学部), 渡辺 哲史 (岡山県工業技術センター), 和田 修己 (京都大学大学院工学研究科)
Pagep. 548
Keywordコモンモードアンテナモデル, グラウンドピン数, プリント回路基板, 電流配分率
Abstract 我々はこれまでに,プリント回路基板におけるコモンモードアンテナモデルを用いて,コモンモード電流に起因する放射遠方電界の予測法を報告してきた.このモデルでは,線路の不平衡度(imbalance) を表す指標である電流配分率の変化点でコモンモード起電力が発生し,これによりコモンモード電流がプリント回路基板を流れコモンモード放射が生じると考える.  コモンモード放射は,マザーボードとドーターボードがコネクタを介して接続されている場合のコネクタ部分の線路の不平衡によっても発生する.そこで,コモンモードアンテナモデルを用いた放射量予測がこのようなコネクタ結合プリント回路基板にも適用できるか調べた.具体的には,グラウンドピン数を変えたときの不平衡度と放射量の関係を調べた.  結果,コモンモードアンテナモデルに基づいた計算では,計算した結果誤差5dB 以内の精度で放射を予測することができた.また,PC(CPU:Pentium D 2.8GHz とメモリ:2GB) での計算時間は2 時間程度で、一般的な電磁界計算手法に比べ非常に高速に計算できた。

11-3 (時間: 9:46 - 9:59)
題名直角に曲がったマイクロストリップ線路を有するプリント回路基板におけるコモンモードアンテナモデルを用いた放射予測
著者*福増 圭輔 (岡山大学 工学部 通信ネットワーク工学科), 酒井 陽平 (岡山大学 大学院自然科学研究科), 豊田 啓孝 (岡山大学 工学部 通信ネットワーク工学科), 松嶋 徹 (岡山大学 大学院自然科学研究科), 五百旗頭 健吾, 古賀 隆治 (岡山大学 工学部 通信ネットワーク工学科), 渡辺 哲史 (岡山県工業技術センター), 和田 修己 (京都大学 大学院工学研究科)
Pagep. 549
Keywordプリント回路基板, マイクロストリップ線路, 放射予測
Abstract我々は, プリント回路基板(Printed Circuit Board: PCB)からのコモンモード放射を高速かつ定量的に予測するために, コモンモードアンテナモデルを提案している. このモデルでは, PCB上の伝送線路の不平衡度に起因してコモンモード起電力が発生し, さらにこの起電力がPCB全体をアンテナとして励振しコモンモード放射を発生させると考える. これまでに我々は, PCB上のマイクロストリップ線路(Microstrip line: MSL)が一方向のみの直線でかつ帰路面の1辺と平行な場合について, コモンモード電位の分布を考えることでコモンモード放射を精度よく求めた. 現在は, MSLがPCB上を縦横に配置されている一般的な場合への拡張を検討している. このような場合は, 信号線の向きに対応した励振源を重ね合わせることで対応できると考えている. 本報告では信号線の向きに対応した励振源を重ね合わせる最も単純な事例として, 試験基板を用いて検討を行った.

11-4 (時間: 9:59 - 10:12)
題名マイクロストリップ線路の帰路面にあるスリットによって発生する複数モードの伝搬電力計算
著者*石田 槙子 (岡山大学工学部通信ネットワーク工学科), 松嶋 徹 (岡山大学大学院自然科学研究科), 豊田 啓孝, 五百旗頭 健吾, 古賀 隆治 (岡山大学工学部通信ネットワーク工学科), 渡辺 哲史 (岡山県工業技術センター), 和田 修己 (京都大学大学院工学研究科)
Pagep. 550
Keywordマイクロストリップ線路, スリット, モード発生, 伝搬電力
Abstract帰路面にスリットを有するマイクロストリップ線路では,信号線とスリットの交差部で伝搬モードとは異なる電磁界モードが励振される.信号伝搬に対するスリットの影響は3次元電磁界解析によって分かるが,回路基板全体を解析するには膨大な計算量が必要となる.よって我々は,解析空間は伝送線路が不連続となる局所的な領域に限定し,発生するモード別に伝搬電力を計算してモード分離し,これを基に信号品質の劣化や不要電磁波の影響を求める手法を検討している.本報告では,スリット幅の異なる基板について,信号線とスリットとの交点付近において発生する複数のモードに分離し,各モードの伝搬電力の割合はスリット幅に依存することを示す.

11-5 (時間: 10:12 - 10:25)
題名マイクロストリップ線路プローブの接地導体が短絡板側にある進行波型電力分割/合成器
著者*佐薙 稔, 田中 恵祐, 藤森 和博, 野木 茂次 (岡山大学大学院自然科学研究科)
Pagep. 551
Keywordマイクロ波, 電力分割/合成器, 進行波動作, 電力増幅器, マイクロストリップ線路
Abstract矩形導波管に挿入したマイクロストリップ線路プローブ対と絞り部とで構成された分岐ユニットを縦続接続した構造の進行波型電力分割/合成器において、マイクロストリップ線路の接地導体が短絡板側にある構成について検討した。プローブを並列等価アドミタンスで表現した場合には、等価アドミタンス値が接地導体が反対側にある場合とほぼ同じ値になるために、同じプローブの構成を採用することで、同程度の特性を得た。