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平成18年度 電気・情報関連学会中国支部第57回連合大会

部門: 10. 通信システム I
日時: 2006年10月21日(土) 10:30 - 11:48
部屋: 21号館 2階 22125室 (→地図)
座長: 稲井 寛 (岡山県立大学情報工学部情報通信工学科)

10-1 (時間: 10:30 - 10:43)
題名並列チャネルにおけるパケットインタリーブFEC方式のスループット特性
著者*西山 和彦 (岡山理科大学大学院工学研究科), 麻谷 淳, 小松 雅治 (岡山理科大学工学部情報工学科)
Pagepp. 518 - 519
Keyword並列チャネル, パケットインタリーブ, FEC, バーストロス
Abstract高信頼度な通信を行うために,伝送路のエラーによるパケットロスの回復のための誤り制御方式や,エラーの分散の為にビットレベルやブロックレベルでのインタリービングを行うことがあるが、それらは単一チャネルを対象としている.本稿では,ランダムエラーの場合に比べスループット特性が悪化するバーストエラー環境において,パケットレベルでのインタリーブFEC方式を並列チャネルシステムに適用し,スループット特性をコンピュータシミュレーションを用いて評価した.並列チャネル化により,平均パケット損失率がある程度小さいとスループットが改善されるが,平均パケット損失率が大きくなるとスループットが悪化することを明らかにした.

10-2 (時間: 10:43 - 10:56)
題名無線パケット通信におけるマルチSDU選択再送ARQ方式
著者*西村 和紀 (岡山理科大学大学院工学研究科), 麻谷 淳, 小松 雅治 (岡山理科大学工学部)
Pagep. 520
Keyword選択再送ARQ, ワイヤレスシステム
Abstract高信頼度な通信が要求される場合には,回線誤りによって損失したパケットの回復を行うための誤り制御が必要である.特に,無線回線ではパケット誤りが発生する確率が高く,伝送効率の高いARQとして,選択再送ARQ方式に関する研究が多くなされている.本稿では,上位層からのSDUを,RLC層のバッファに格納し、バッファ内の複数のSDUを対象とするマルチSDU選択再送ARQを提案し,SDUの遅延評価をシミュレーションによって評価している.その結果,RLC層のバッファサイズを大きくすればするほど,平均伝送遅延時間を小さくできることが確認できた.

10-3 (時間: 10:56 - 11:09)
題名end-to-endの暗号化機能とパケット認証機能との併用による無線LAN環境での通信性能の改善
著者*谷渕 陽祐 (岡山理科大学大学院工学研究科), 岡山 聖彦, 山井 成良 (岡山大学総合情報基盤センター), 岡本 卓爾 (岡山理科大学工学部)
Pagepp. 521 - 522
Keyword無線LAN, end-to-end, 二重暗号化, パケット認証
Abstract無線LANでは,通信内容の漏洩や不正アクセスを防ぐためにWEPやWPAという暗号化通信機能が用いられるが,その効果は無線区間に限られるため,最近ではend-to-endでの暗号化と併用されることが多い.しかし,無線区間では二重に暗号化されることになるため,通信性能が必要以上に低下するという問題がある.そこで本研究では,無線区間での暗号化の代わりにパケット認証機能を行う方法を提案する.パケット認証は不正アクセス防止機能であり,暗号化よりも処理が高速であるため,end-to-endで暗号化が行われている場合は無線区間でパケット認証を行うことにより,通信性能の低下を回避することができる.本論文では,パケット認証による通信性能の改善方法と,その有効性を見積もるための性能評価実験について述べる.

10-4 (時間: 11:09 - 11:22)
題名セルラCDMA方式の大学キャンパスにおける電波伝搬特性
著者*伊藤 雄大, 冨里 繁, 秦 正治 (岡山大学 大学院自然科学研究科)
Pagepp. 523 - 524
KeywordCDMA, 伝搬特性
Abstract第3世代移動通信のさらなる普及のためには,サービスエリアの拡大のみならず,ユーザが集まる特定の場所,いわゆるスポットエリアに対応して十分な品質のサービスを提供出来るようにすることが重要になってきている.本検討では,スポットエリアの例として岡山大学津島キャンパスをとりあげ,キャンパス内に置局されているW-CDMA方式の基地局を例にとり,伝搬特性の把握とセル設計上の課題について検討したので報告する.

10-5 (時間: 11:22 - 11:35)
題名高能率変調を用いたピーク電力低減型OFDM伝送の受信特性
著者*光藤 直人, 冨里 繁, 秦 正治 (岡山大学自然科学研究科)
Pagep. 525
KeywordOFDM
Abstract モバイル環境において,超高速で大容量な通信を行うためにOFDM伝送方式が検討されている.しかしながらOFDM伝送方式では,非常に大きなピーク電力が発生するため,省電力化が必要なモバイル通信において大きな問題となる.そこで,周波数利用効率が優れている64QAMを用いたOFDM伝送時に繰り返し信号処理によりピーク電力を低減する手法について検討し,低ピークOFDM送信機を設計する上で必要となるピーク低減効果と所要Eb/N0特性を明らかにした.  

10-6 (時間: 11:35 - 11:48)
題名インターネットVPN技術の比較分析 − IPv4におけるIPsecとSSL-VPNのスループット測定 −
著者*神崎 訓枝, 金川 明弘, 山内 仁 (岡山県立大学), 田中 昌昭 (川崎医療福祉大学)
Pagepp. 526 - 527
KeywordVPN, IPsec, SSL-VPN
Abstract低コストで安全なVPN技術の比較分析を行うため,フリーソフトを用い,IPsec,および,SSL-VPNでインターネットVPNを構築し,スループット・全体的な特徴において,比較分析を行った. 速度は,暗号化アルゴリズムを,blowfish,3desと変化させ,ttcpコマンドにより測定した.また,IPsecとSSL-VPNの特徴を比較した. 結果,スループットはわずかにIPsecが速いが,一方で,NAT・FWの存在が当たり前の現状では,IPsecのNAT・FWとの相性の悪さは致命的である. 総合的に判断すれば,IPv6時代になればIPsecが必須であるが,IPv4が主流の現状では,SSL-VPNに一日の長があると考える.