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平成18年度 電気・情報関連学会中国支部第57回連合大会

部門: 24. ニューラルネット II
日時: 2006年10月21日(土) 10:40 - 12:11
部屋: 25号館 4階 22542室 (→地図)
座長: 奈良 重俊 (岡山大学大学院自然科学研究科)

24-8 (時間: 10:40 - 10:53)
題名状態が連続値をとるフェーザ型複素ニューラルネットワークによるトーラス上のN-クイーン問題の求解
著者*宮本 邦廣, 中島 弘之 (近畿大学工学部)
Pagepp. 206 - 207
Keyword複素ニューラルネットワーク, 最適化問題, N-クイーン問題, トーラス
Abstract近年、「複素ニューラルネットワーク(以下、複素NN)」のモデルがいくつか提案され、連想記憶などに適用されている。著者らは、ニューロンの状態が複素平面の単位円上で離散値をとるフェーザ型複素NNを用いて、組み合わせ最適化問題の一つであるトーラス上のN-クイーン問題の求解を試み、問題のサイズNが大きくなるとローカルミニマムに陥りやすくなることを確認した。この問題を解決するため、本研究では、ニューロンの状態が連続値であるフェーザ型複素NNを用いた解法を提案し、計算機実験によってその有効性を検討した。

24-9 (時間: 10:53 - 11:06)
題名時間軸上での結合にもとづくニューラルネットワークの構成法に関する研究(第2報)
著者*中川 友博, 玉野 和保 (広島工業大学 工学部)
Pagepp. 208 - 209
Keywordニューロン, 重み付け
Abstract生物的な柔らかい情報処理を可能にするために、パルス幅の連続変化に着目してアナログ入力情報をパルス信号で処理できるニューロンを提案した。このニューロンはパルス幅と発生遅れ時間へ重み値を付加し、生成される二次元合成情報を一括取扱える特徴がある。 本報告ではこのニューロンを2個用いてニューラルネットワークを構成し、自動車の後輪のスリップによるドリフトを制御することへの応用を試みた結果について述べる。

24-10 (時間: 11:06 - 11:19)
題名SOMによる肝臓病診断問題への適用
著者*丸形 俊介 (岡山県立大学情報工学部), 小原 拓文 (岡山県立大学大学院情報系工学研究科), 高橋 浩光, 金川 明弘 (岡山県立大学情報工学部)
Pagepp. 210 - 211
Keyword自己組織化マップ, 肝臓病診断
Abstract肝臓病には沢山の病状がある.このうち,ウイルス性の肝炎を除けば,その診断は血液検査の結果に依ることになる.しかしながら,この項目は多岐にわたっており,さらにそれが複雑な様相を呈しているので,血液検査データのみによる診断には豊富な知識と経験が必要とされる.よって,肝臓病診断の自動システムの開発は重要である.また,肝臓病は判別すべき病状が明確に定義されており,二つ以上の病気を同時に患っているという状況を考慮する必要がない為,肝臓病診断問題は判別問題を解く手法を検証する問題として適切である. 本研究では与えられた肝臓病患者の血液検査データに対し,自己組織化マップを用い,判別する方法を提案する.

24-11 (時間: 11:19 - 11:32)
題名差分値を用いた双方向SOMによる風速予測
著者*藤松 誠一郎, 鷲見 育亮, 植田 拓也 (鳥取環境大学 大学院), 小林 飛鳥 (鳥取環境大学), 築谷 隆雄 (松江工業高等専門学校), 副井 裕 (鳥取大学工学部)
Pagep. 212
Keyword自己組織化マップ, 風況予測
Abstract新エネルギーの一つである風力は、枯渇の心配がなく、風力を使った発電方法は二酸化炭素を排出しないクリーンな発電方法として、日本でも導入されている。鷲見研究室では家庭用小型風力発電機に注目し、発電効率を向上させるために風況の予測を行っている。これまでに自己組織化マップ(以下SOM)を使用した風速の予測を行ってきた。予測では観測された実風速の値を用いて行ったが、今回は観測された風速の差分値を利用した予測実験を行ったのでその結果について報告する。

24-12 (時間: 11:32 - 11:45)
題名自己組織化マップ(SOM)を使った風力発電機の制御システムの検討
著者*小林 飛鳥, 鷲見 育亮, 植田 拓也, 藤松 誠一郎 (鳥取環境大学), 築谷 隆雄 (松江工業高等専門学校), 副井 裕 (鳥取大学工学部)
Pagep. 213
Keyword自己組織化マップ, 風況予測
Abstract現在,小型風力発電機ではパワーアシストを用いた風力発電機が開発されている.パワーアシストしている間に風が吹けば発電開始できる回転数まで素早く上昇できるが,風が吹かなかった場合,電力を無駄に消費したことになる.そこで風況予測を行うことで,パワーアシストを起動させる有無を判断し,バッテリーの消費電力を抑えることが出来ないかと考えた. 今回は,双方向SOMを用いることで,基本SOMでは不可能であった,教師信号を用いた一般的な入出力関係の学習が可能になる.今回は双方向SOMを実装したモデルを季節ごとに作成し,風速の予測を行い,双方向SOMを用いて風速予測を行い,基本SOMを用いた風速予測結果と比較した.

24-13 (時間: 11:45 - 11:58)
題名マウス嗅覚系のモデリングとシミュレーション
著者*曽 智, 辻 敏夫 (広島大学大学院工学研究科), 滝口 昇 (広島大学大学院先端物質科学研究科), 大竹 久夫 (大阪大学大学院工学研究科)
Pagepp. 214 - 215
Keyword嗅覚系モデル, アテンション, 匂い識別, ニューラルネット
Abstract近年,マウスは匂いに含まれるの数種類の分子のみに着目し,効率よく匂いを識別していることが明らかにされつつある.このメカニズムはアテンションと呼ばれており,巧みな高次元処理を実現する一つの有効なアルゴリズムと考えられる.しかしながら,神経接続が動的に変化するなどの理由から,生物学的手法による解明には限界がある.そこで,コンピュータシミュレーションによる解析が有効であると考えられる.本稿では,マウスの嗅覚処理にたずさわる受容体,嗅球,梨状葉を解剖学的知見に基づいてモデル化する.そして,シミュレーションと実生物の行動解析の結果を比較し,アテンションが起りうるメカニズムを考察する.

24-14 (時間: 11:58 - 12:11)
題名2次元DBCNNの画像処理への応用
著者*小倉 智隆, 原 肇 (広島工業大学)
Pagepp. 216 - 217
KeywordCNN, sgn関数, リミットサイクル, 状態パターン
Abstractセルラーニューラルネットワークの研究は、理論的には、安定問題や平衡点の数などが研究されている。また実用面では、CCD等を使って画像処理への応用が考えられている。我々は1次元の離散2値形のセルラーニューラルネットワークの安定問題について検討する中で、これが画像処理へ応用できることが分かった。各種のテンプレートを採用することで、孤立点検出やエッジ強調など各種の処理方式について判断できるようになった。