題名 | 緩和問題による下界値評価を用いた誤差フィードバック回路の有限語長設計 |
著者 | *中本 昌由, 前嶋 勇志, 雛元 孝夫 (広島大学大学院工学研究科) |
Page | pp. 27 - 28 |
Keyword | 誤差フィードバック回路, 緩和問題, 下界値評価, 丸め雑音低減化, 巡回型ディジタルフィルタ |
Abstract | 固定小数点演算のディジタルフィルタをハードウェア上で実現する場合,積和演算の丸めによる雑音が発生し,フィルタ特性を劣化させる.この雑音の低減化技法として,フィルタ量子化器に誤差フィードバック(FB) 回路が知られている.ただし,実際の誤差FB回路の各係数は有限語長で表す必要があるので,本論文では誤差FB 係数を有限語長で最適化する方法について論じる.ここでは,緩和問題による下界値評価を用いた分枝限定法を誤差FB回路の設計問題に応用し,最適な有限語長係数を設計する.本設計法の特長は,設計された離散係数の最適性が保証され,比較的短時間で厳密解が得られる点にある.数値例では,本アルゴリズムを用いて設計した有限語長誤差FB回路の有効性を検証している. |
題名 | 離散ウェーブレット変換を用いた電子透かし法に対する新しい鍵系列の提案 |
著者 | *藤本 卓, 中本 昌由 (広島大学大学院工学研究科), 土井 章充 (広島工業大学情報学部), 雛元 孝夫 (広島大学大学院工学研究科) |
Page | pp. 29 - 30 |
Keyword | 電子透かし, 離散ウェーブレット変換, 著作権保護, 鍵系列, HVS |
Abstract | 近年,コンピュータネットワークの普及に伴い,著作権を無視した不正コピーが増加傾向にあり,著作権保護が重要な問題となってきている. 電子透かしは,対象のディジタルコンテンツに透かしデータを埋め込むことによって著作権を保護する手法である. 本研究では,離散ウェーブレット変換を用いた相関利用型電子透かし法に対し,鍵とIDの偽造を防止するための新しい手法を提案する.また,各種攻撃の耐性を高めるための鍵の設計法についても述べる. |
題名 | スケーリングを考慮したIIRディジタルフィルタの有限語長設計 |
著者 | *吉屋 剛, 中本 昌由, 雛元 孝夫, 奥 正基 (広島大学大学院工学研究科複雑システム制御論研究室) |
Page | pp. 31 - 32 |
Keyword | IIRディジタルフィルタ, 有限語長設計, スケーリング, 分枝限定法 |
Abstract | ディジタルフィルタをハードウェア上で実現する場合,係数の離散化によって係数量子化誤差が発生する.また,フィルタの加算器において,オーバーフローが発生する場合がある.オーバーフロー抑圧の手段としてスケーリングが有効である. 本研究ではフィルタ係数だけでなく,スケーリング係数も離散値で設計する方法を提案する.繰り返し最適化法によって2次形式の行列とベクトルを求めておき,次いで探索範囲を限定するためにLagrangeの未定乗数法を用いて下解値を評価しつつ離散最適化を行う.次にスケーリング係数を離散値で求めておき,理想周波数応答にその逆数を乗じて修正することによって,再度フィルタ係数を設計する. |
題名 | Wavelet変換による歯音の検出とハードウェア化に関する研究 |
著者 | *渡邉 文浩, 葛目 幸一 (弓削商船高専) |
Page | p. 33 |
Keyword | Wavelet, 歯音, 信号検出 |
Abstract | 現在、我々は「歯の接触音(歯音)を用いたユーザインターフェース」の開発に取組んでいる。本インターフェースは歯音を骨伝導マイクで検出し歯音の有無で環境制御システムを実現するインターフェースであり、特に頭部より下部に障害を持つ重度な障害者のユーザインターフェイースとして有用な装置である。これまでの研究で、歯音の音響特性の基礎解析、FPGAを用いたハードウェア化を行い、インターフェースの基本動作を確認した。しかし、実使用状態では、歯音を検出する骨伝導マイクに、ユーザの音声や電源ノイズなどの雑音の影響により誤動作することが明らかになった。本研究では、ウェーブレット変換を用いて雑音が混入した信号からの歯音検出とそのハードウェア化の検討を行った。ハードウェア化を実現するためには、小規模のハードウェア量で歯音の高い検出精度をもつウェーブレット変換法を開発する必要がある。本報告では、2種類のスプラインウェーブレットを用いて、Dyadicウェーブレット解析を行い、歯音検出に関する基礎的検討を行った。 |
題名 | 振幅情報に基づく非ガウス形不規則信号の簡易的ピーク値分布評価法 |
著者 | *中村 大輔 (岡山理科大学大学院工学研究科情報工学専攻), 南原 英生 (岡山理科大学工学部情報工学科) |
Page | pp. 34 - 35 |
Keyword | ピーク値, 非ガウス, 広帯域 |
Abstract | 不規則信号におけるピーク値分布の統計的評価は,地震波などの分析,騒音・振動など多くの分野で応用されている。一般に,レベル交差情報は瞬時値と一階微分値から評価可能であるが,ピーク値分布の評価には瞬時値,一階微分値に加えて二階微分値の情報までも必要とする。既発表では,振幅分布が非ガウス形であり,周波数帯域が広帯域であってもレベル交差情報に基づいて,二階微分情報を用いない形でピーク値分布が近似的に評価可能であることが示されている。本手法では,従来法よりも少ない計算量で精度の良いピーク値分布評価手法を,従来法に対し一階微分波をガウス分布で近似するという形で提案し,本手法の有効性をディジタルシミュレーションによって確認する。 |