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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 8H  ウェアラブルデバイス
日時: 2016年7月8日(金) 10:30 - 12:10
座長: 北村 操代 (三菱電機株式会社)

8H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名歩行者の視点情報に基づく屋内経路案内
著者*岩名地 良太 (早稲田大学), 新田 知之, 石川 和明 (ゼンリンデータコム), 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 1748 - 1756
キーワード屋内, 経路案内, 視点情報, メガネ型, ウェアラブル端末
アブストラクト近年,携帯端末の普及に伴い,携帯端末上で動作する屋内環境向けナビゲーションシステムが研究されている. 屋内環境では,屋外環境と異なりGPSが利用できずランドマークが少ないことから, 歩行者への分かりやすい経路案内の提供が難しい. そこで本稿では,メガネ型ウェアラブル端末に着目し, 歩行者の視点情報を考慮した屋内経路案内手法を提案する. 提案手法は,メガネ型ウェアラブル端末と可視グラフに基づく屋内環境モデルを用いて, 歩行者の視点情報推定と歩行者の視点情報を考慮した案内情報生成を行う. 歩行者が実際に見ている光景に案内情報を重ねて表示することで, ランドマークが存在しない場所でも,直感的で分かりやすい経路案内を可能とする. 歩行者の視点情報を考慮しない経路案内と提案する経路案内のそれぞれについてユーザ評価実験結果を比較し, 提案手法の有効性を確認する.

8H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名多様な運動負荷を考慮した装着型センサによる深部体温推定法の提案
著者*濱谷 尚志, 内山 彰, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1757 - 1768
キーワードウェアラブルセンサ, 深部体温, 生体温熱モデル
アブストラクト近年,夏季スポーツ中の熱中症搬送者が増加するなど,熱中症の予防や兆候の早期検知が社会的に求められている. 本研究では熱中症の直接要因である深部体温の上昇を検知するため, 運動中に装着可能なウェアラブルセンサ,およびGaggeの2ノードモデルを用いて深部体温を推定する手法を提案する. 提案手法では深部体温の推定精度の向上のため,6種類のモデルパラメータの230,400通りの組み合わせについて 深部体温のシミュレーション結果を網羅的に生成する. 網羅的に生成した深部体温に対し,鼓膜温度計を用いて測定した深部体温に基づき最も近くなるパラメータを特定する. 以上により得られたパラメータをモデルに適用した際の深部体温のシミュレーション結果を 本手法による深部体温の推定結果とする. さらに,スポーツ環境において想定される日射,風,水分補給を新たにモデルに組み込み,休憩時におけるモデルの追随精度を向上させるため 2種の遅延パラメータをモデルに適用した. 以上のモデルに対し,歩行,走行,エアロバイク運動,テニスの合計120時間以上の実データを用いて評価を行った 結果,平均誤差0.24℃で深部体温を推定できることを確認した.

8H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名HMD上のリップシンクアニメーションが会話の聞き取りに与える影響の調査
著者*磯山 直也 (青山学院大学), 寺田 努 (神戸大学/科学技術振興機構さきがけ), ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1769 - 1775
キーワードウェアラブルコンピューティング, HMD, リップシンク, 聴覚情報取得
アブストラクト音声を用いた情報提示は,スピーカなどを用いて大衆へとアナウンスしたり,個人ではイヤホンなどの小型デバイスによりハンズフリーで利用したりでき,他の作業への影響が小さいことから,情報提示方式として有効な手段である.しかし騒音などの周辺状況の影響を受けやすく,ユーザが提示情報を聞き取れない場合が多い.単に音量を大きくするだけでは,他の周囲の音声が聞き取れなくなる可能性が高くなり,不必要に大きいことでユーザが不快感を得る.そこで本研究では,音声情報に視覚情報を加えることにより聞き取りやすくなる情報提示手法を提案する.提案手法では,HMD上に取得したい音声とリップシンクしたアニメーションを見せることで,音声を聞き取りやすくなることを狙う.本稿では,2種類の視覚情報が与える影響についての実験を行ない,提案手法において聞こえやすくなる被験者が多く見られることを確認した.