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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 8E  行動認識(UBI)
日時: 2016年7月8日(金) 10:30 - 12:10
座長: 大村 廉 (豊橋技術科学大学)

8E-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名タッチインターフェースを用いた指の種類識別
著者*熊澤 秀一 (金沢大学大学院自然科学研究科), 長谷川 達人 (東京医療保健大学医療保健学部医療情報学科), 南保 英孝, 木村 春彦 (金沢大学大学院自然科学研究科)
ページpp. 1670 - 1676
キーワード機械学習, タッチインターフェース, 識別器
アブストラクト近年タッチスクリーンを用いて操作を行うタッチインターフェースが普及しているが,既存のタッチインターフ ェースでは,タッチした指の種類は認識できない.これはマウスやキーボードなどの別のデバイスに比べて操作性が劣 るという,タッチインターフェースに介在する課題の一つだと言える.我々はこの課題を解決するためにタッチインタ ーフェースから得られるタッチスクリーン情報や加速度センサ値を用いて,タッチスクリーンに触れた指の種類を識 別する手法を開発する. 指の種類の識別を実現することで,タッチインターフェースにおける入力要素数の増加が実 現でき,個人認証,画面の非目視操作への応用などが可能になる. その実現に向け,19名の被験者に対して各指毎の操 作ログを収集する実験を行った.本稿では,その実験内容,実験結果そして考察を行った結果を報告する.

8E-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名加速度センサを用いたジェスチャ認識における 連続動作の認識手法
著者*渡邉 光 (立命館大学大学院 情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学 情報理工学部), 望月 祐洋 (立命館大学 総合科学技術研究機構), 西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 1677 - 1684
キーワード加速度センサ, ジェスチャ認識, 連続動作
アブストラクト加速度センサを用いてユーザの一回きりの動作であるジェスチャを認識する研究が盛んである.既存のジェスチャ認識の研究では認識したいジェスチャの加速度が正確に切り出されることを前提としており,ジェスチャが間隔を空けずに連続して行われている場合や,ジェスチャの前後で関係のない動作が行われている場合は認識精度が低下してしまうという問題点がある.そこで本研究では,加速度データストリームから教師データとの類似度が高い区間である部分シーケンスを検出し,検出した部分シーケンスの中から尤度の高いものをジェスチャ認識の結果として出力することで,ジェスチャが間隔を空けずに連続して行われている場合や,ジェスチャの前後で関係のない動作が行われている場合でも高精度でジェスチャを認識する手法を提案する.5 名の被験者から観測した加速度データに対して提案手法を適用し,右手で記号を描くジェスチャでは F 値の平均値が 0.78,右手で数字を描くジェスチャでは F 値の平均値が0.79となった.

8E-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名照度と電力消費量データおよび単語ベクトルを用いた行動推定の試み
著者*松木 萌 (九州工業大学大学院工学府), 井上 創造 (九州工業大学大学院工学研究院)
ページpp. 1685 - 1690
キーワードユビキタス情報処理, センサーネットワーク, 行動認識, Zero-shot Learning, 自然言語処理
アブストラクト本稿では,行動認識において,自然言語処理によって生成された行動ラベルと単語ベクトルを用意し,zero-shot学習を適用することで,未知行動データを推測する方法を提案する. 行動認識の研究では,収集データから行動ラベルを機械学習する手法が一般的であるが,この方法では行動ラベルが学習されていない未知な行動を推定することが出来ないという問題がある.未知な行動を推定する既存研究として,行動ラベルに対して体の動きを表すコード表を用意しておいて,行動を推定するという手法を提案されている.しかし,この手法だとコード表を用意しておかなければいけないという問題がある. 我々はコード表の代わりに,単語ベクトル化ツールword2vecを用いて行動ラベルと単語ベクトルを用意し,zero-shot学習を適用する方法を提案する. 提案手法で行動推定を行った際,既存手法とどの程度変わるのか評価するため,本研究室で過去に生活行動センシング実験を行った際に収集されたデータを用いて行動推定を各手法を用いて行った.そして,各手法の精度を出力し比較を行った. また提案手法を用いて,未知な行動ラベルが推定されるのか評価するため,同様のデータを用いて予備評価を行い精度を出した. 予備評価の結果,提案手法が既存手法に比べて,約5%精度が向上した.そして,提案手法で,7つの未知行動ラベルを推定することができた.未知行動ラベルの精度は,適合率は最大で約89%,再現率が最大で,約1.3%という結果となった.また,特徴量ベクトルと単語ベクトルの互換性があるのかを分析するため,特徴量ベクトルと単語ベクトル,さらに推定された単語ベクトルを行動ラベル毎に2次元プロットしベクトルの可視化を行った.結果,特徴量ベクトルと推定された単語ベクトルの互換性はあるが,単語ベクトルとの互換性は低いことがわかった.以上のことから,未知行動の推定精度を向上させることで,行動推定の精度はより向上し,また互換性のずれは単語ベクトルと特徴量ベクトルに含まれる情報の違いにあると考察した.

8E-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名音の反響を用いたスマートフォン置き場の材質推定
著者*長谷川 達人 (東京医療保健大学), 平橋 智史 (金沢大学大学院), 越野 亮 (石川工業高等専門学校)
ページpp. 1691 - 1698
キーワードスマートフォン, 機械学習, コンテキストアウェアネス, 材質推定
アブストラクト本研究では,スマートフォン置き場の材質を推定するシステムを提案する.スマートフォン置き場の材質がわかることで,材質に応じて適切な音量設定やバイブレーション設定などを自動で変更することが可能になる.これまで,歩行時におけるスマートフォンの所持位置推定の研究は行われていたが,加速度センサ値の変動の少ない停止時においては推定が難しいとされてきていた.本研究では,スマートフォンから音を発したとき,スマートフォンが置かれている場所によって反響音が変わるという仮定のもと,音の反響を用いたスマートフォン置き場の材質推定手法を開発した.評価実験の結果,6種類に分類した材質を89.2%の精度で識別に成功し,環境や置き方による影響が大きくないことも明らかにした.