題名 | 大規模災害時におけるSNSによる集合知に基づいたネットワークのQoE制御 |
著者 | *丸 千尋 (お茶の水女子大学), 榎 美紀 (日本IBM), 中尾 彰宏, 山本 周 (東京大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
ページ | pp. 1418 - 1426 |
キーワード | Twitter, 集合知, 通信障害, ネットワーク制御, DPN |
アブストラクト | 東日本大震災に見られるように,被害状況の把握に必要な通信回線の混雑および故障に関する情報が膨大になると,ネットワーク全体の状況を迅速に把握することが困難となる.また,震災時には,電話やメールが使えないユーザが多い中,SNSは利用可能な場合が多い.震災のような緊急時では,ユーザがネットワークの状況に強い関心を寄せ,その情報をSNSを通して積極的に発信すると考えられる.そのため,我々はSNSによる集合知が,従来のネットワーク監視の相互補完的な情報取得手段として最適であると考える.本研究では,最も広く使われているSNSの一つである,Twitterによる集合知を利用したネットワーク障害検知を迅速かつ高精度に行うシステムの提案を行う.また,提案システムから取得したネットワーク負荷に関する情報を基に,実際にネットワーク制御を自動的/自律的に行うことを示す. |
題名 | 大規模災害時におけるSNS情報に基づいたアプリケーションQoS制御ライブラリの実装 |
著者 | *柳田 晴香 (お茶の水女子大学大学院), 中尾 彰宏, 山本 周 (東京大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
ページ | pp. 1427 - 1433 |
キーワード | SDN, OpenFlow, DPN, FLARE, SNS |
アブストラクト | 東日本大震災時,電話やインターネットが使えない事態が生じたことから,大規模災害時には,従来のネットワーク機器監視による制御だけではなく新たな情報を利用した制御が期待されている.我々は,多くの人間の目や口コミによるネットワーク障害に対する集合知が災害の状況把握に有益であるという仮説に基づいて,SNS 情報に基づいたネットワーク制御システムを提案している.従来の機器監視制御には,制御プレーンをプログラム可能とするSDN(Software Defined Networking) による柔軟な集中制御が期待されている.しかし,現在のSDNでは,依然として,ヘッダー情報に基づく経路制御など従来と同様な制御の効率化に限定される.そこで我々は,データプレーン処理とそのAPI(Southbound Interface)をプログラム可能とするSDNを拡張するDPN (Deeply Programmable Network)の概念に基づいて,SNSの情報が含まれるパケットペイロードのデータを監視することで経路制御をする手法を提案する.例えば,Twitter からリアルタイムにネットワーク障害を高い確度で検知し,ネットワーク全体の状況を迅速に把握することが可能になる.また,プログラム可能なデータプレーン処理を利用して,新たな情報源も動的に利用可能である.本論文では,FLAREを用いて,OpenFlowの制御処理やアプリケーションの種類に基づいたトラフィックの分類を実装し,アプリケーション毎のQoS 制御を評価する. |