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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 7B  ユーザインタフェース
日時: 2016年7月8日(金) 8:30 - 10:10
座長: 福島 拓 (大阪工業大学)

7B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名部分重畳型ビデオチャットにおける接触と三次元移動表現の効果
著者*濱上 宏樹, 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 1344 - 1349
キーワードビデオチャット, 重畳表示型, 遠隔地間, 距離感, インタラクション
アブストラクト我々はこれまでに可動枠を用いた部分重畳表示型ビデオチャットシステム「ドアコム」を開発してきた.ドアコムは,現実空間に存在する枠を介して遠隔地間を仮想的につなぎ,ユーザが相手の空間内を動き回ることができるようにするシステムである.ドアコムでは,深度センサーを用いて遠隔の空間をつなぐことで,遠隔空間内の三次元的移動を表現し,「遠隔空間内に隠れる」「遠隔空間内を指差す」という重畳表示ならではの表現を実現した.しかし,このシステムでは遠隔空間内の物に触れることができず,「自身の空間に侵入されている感覚」に関しては,十分な効果を与えられていないことが課題であった.そこで,ビデオチャットにおいて遠隔空間における物を掴んで三次元的に移動可能な仕組みを開発し,試作システムを用いて実験を行った.実験の結果,提案手法により遠隔空間内における接触や移動が表現可能であることが確認できた.アンケートの回答から,接触表現や操作性についての問題点が明らかになった.そこで本稿では,「遠隔空間内の物に触れている感覚」の向上を目的とし,部分重畳型ビデオチャットにおける接触表現手法を提案する.

7B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名真似て選択するデジタルサイネージ
著者*宮田 章裕 (日本大学 文理学部)
ページpp. 1350 - 1356
キーワードデジタルサイネージ, スマートフォン, ジェスチャ, インタラクション
アブストラクト複数のデジタルサイネージが隣接している状況において, デジタルサイネージとスマートフォンを連携させる場合, ユーザは最初に対象のデジタルサイネージを1つ指定する必要がある. しかし,従来方式で指定しようとすると, ユーザへの制約・操作負担が大きいという問題があった. 本研究では,複数のデジタルサイネージの中から スマートフォンと連携させるものを選択する方法として, アイコンの動きを真似るデジタルサイネージ選択方式を提案する. これは,ユーザがスマートフォンを把持して 各デジタルサイネージ上のアイコン動作と同じタイミングで 同じ動きのジェスチャを行うことで, 対応するデジタルサイネージを選択できる方式である. プロトタイプシステムはすべてJavaScriptで実装したため, Webブラウザさえあれば各種OS・端末上で動作する. 基礎検証では,初体験のユーザでも82%の精度で 意図通りのデジタルサイネージを選択できることが確認できた.

7B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名観光地間の類似性を基にした向上点発見のための観光情報可視化システム
著者*渡邉 小百合, 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 1357 - 1362
キーワード観光情報, 情報検索, 情報分析, 情報可視化
アブストラクト近年,ドラマやアニメの舞台への聖地巡礼等の新しい形態の旅行が出てきたことや,外国人旅行者の増加から,観光地に対して新しいニーズが発生してきている.そのため,観光地側も観光客のニーズや問題点を知り,観光地の発展につなげていく必要がある.しかし,メジャーな観光地と比べマイナーな観光地は観光客から得られる情報が少ないため,問題点の発見が困難であると考えられる.そこで本研究では,観光地名と調べたい要素を検索すると,その観光地の結果と共に,類似した観光地の情報を可視化して表示する,観光情報可視化システムを開発した.本システムを評価するため,他の検索エンジンとの比較実験と,検索結果の類似性の精度検証を行った.実験の結果,以下の2 点を明らかにした.(1) 本システムは,観光地に関する反応が書かれている個人ブログを検索する場合に有用である.(2) スニペットやツイートのような短い文章に含まれている観光情報の類似性を測る場合も,LDA は有用である.今後の課題としては,観光地の傾向に応じた検索単語の検討による検索精度の向上と,可視化によって観光地の改善や発展のための示唆を与えられるか検証を行うことが挙げられる.

7B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名動画広告挿入タイミング決定アルゴリズムの精度向上に関する検討
著者*畠山 智裕, 西岡 大, 齊藤 義仰 (岩手県立大学大学院/ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 1363 - 1368
キーワードインストリーム動画広告, スマートフォン
アブストラクト近年,動画共有サービスでは動画視聴者を対象とする動画広告配信を用いたビジネスモデルを取り入れてきている.スマートフォンの普及に伴い,スマートフォン端末から動画視聴をするユーザも増えている.また,スマートフォンの加速度情報を用いて,ユーザの状態をセンシングする試みも多い.本研究では,動画視聴者の状態をスマートフォン端末の加速度センサで分析することで,動画広告挿入タイミングを決定するアルゴリズムの精度向上手法を検討する.