題名 | IoTサービスの満足率を考慮したZigBeeと無線LANのチャネル制御手法 |
著者 | *錦織 秀 (大阪大学), 木下 和彦 (徳島大学), 谷川 陽祐, 戸出 英樹 (大阪府立大学), 渡辺 尚 (大阪大学) |
ページ | pp. 1093 - 1099 |
キーワード | ZigBee, 無線LAN, WiFi |
アブストラクト | IoT (Internet of Things) サービスの実用化により,同一周波数帯を使用するZigBee とWiFi の共存環境が増加している.これらの間で電波干渉が起こるとZigBee 側のパケットのシンク到達率が低下するため,WiFi との干渉を避けるようにZigBee の利用チャネルを遷移させる手法が数多く提案されているが,WiFi のチャネルも制御することでZigBee の到達率を更に改善できると考えられる.そこで本稿では,ZigBee パケットの到達率が低下した場合に,ZigBee の利用チャネルの変更処理に加えWiFi のAP に当該利用チャネルを包含するWiFi チャネルの利用を一定期間停止させることでも干渉を回避することにより,ZigBee の到達率を改善する協調的チャネル制御手法を提案,評価する. |
題名 | データ量と通信品質を考慮したIoT向け優先度制御手法の実装と評価 |
著者 | *橘 拓馬 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 古都 哲生 (株式会社メガチップス), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/JSTさきがけ) |
ページ | pp. 1100 - 1107 |
キーワード | IoT, 優先度制御, モバイルネットワーク, データ収集 |
アブストラクト | センサや通信モジュールの小型化と,LTE等の様々なモバイルネットワークの出現によって,Internet of Things (IoT)への期待が高まりつつある.ネットワークに接続されるデバイス(以下,IoTデバイス)は多岐に渡り,やり取りされるデータも多種多様(テキスト,画像,音声,センサ,位置等)かつ膨大な量になると想定されている.それに伴い多数のIoT向け通信手法や通信プロトコルの検討が行われているが,様々な特性を持つデータや,多種多様な品質のモバイルネットワークで構築されるIoTシステムを意識したIoT向け通信制御手法については十分な検討が行われているとは言えない.本研究では,通信品質が動的に変動するモバイルネットワークで,アプリケーションの要求するQoSを満たすIoT向け優先度制御手法を提案する.提案手法では制御サーバの役割を果たすBrokerサーバが優先度を用いてIoTデバイスのデータ送信タイミングを指示する.送信優先度は,アプリケーションサーバ(APサーバ)上のアプリケーションのQoS要求と IoTデバイスが生成するデータの特性(遅延耐性など)に応じて決定される.詳細設計したIoT向け優先度制御手法を実装し,動的に通信品質が変動するモバイルネットワーク上で有効性を評価したところ,高優先度データの送信率を最大75.0%上昇させられ,平均遅延時間は最大10.7%削減できた. |
題名 | 観光案内向けCGMキュレーションのためのローカルIoTプラットフォームの提案 |
著者 | *中村 優吾, 諏訪 博彦, 荒川 豊 (奈良先端科学技術大学院大学), 山口 弘純 (大阪大学), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学) |
ページ | pp. 1108 - 1115 |
キーワード | キュレーション, 映像ストリーム, Internet of Things, 分散処理, CGM |
アブストラクト | 近年,地域活性化や観光支援に向けて,ユーザによって作られたCGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)を対象とした次世代型のライブ中継サービスの登場が期待されている.現状のライブ中継サービスでは,特定箇所で撮影された映像を,経験豊富なディレクターが動的に取捨選択するによって,配信用の映像コンテンツを作成している.しかし,配信される映像のバリエーションは限られており,様々な嗜好を持つ視聴者の多様なニーズには答えられていない.ユーザによって撮影された多様なアングル,ズームレベルの動画像から,ユーザの嗜好に基づいた複数の映像コンテンツを生成することができれば,様々な嗜好を持つ観光客のニーズに合わせた次世代型のライブ中継サービスが実現可能になる.そこで,本研究では,各観光スポットで撮影された多様な動画像を,その場に存在するIoTデバイス群により分散処理し,嗜好データに基づいて編纂する実時間映像キュレーションシステムを提案する. |
題名 | IoT環境における動的適応能力を備えた再構成可能なアーキテクチャ |
著者 | *孫 静涛 (総合研究大学院大学), 佐藤 一郎 (国立情報学研究所) |
ページ | pp. 1116 - 1121 |
キーワード | アーキテクチャ, 再配置, ソフトウエア・コンポネート, ポリシー, IoT |
アブストラクト | 近年,IoT(Internet of Things)技術は政府の戦略をはじめとし,民間企業から非営利団体までに幅広く推進している.現状では,IoTシステムを構築・運用する際に,分散システムの使用を前提に多くのシステムが開発されている.しかし,システムの規模・用途の拡大により,特定なアーキテクチャを用いて構築されていたこれらのシステムの有効性がなくなってきている.また,数多くのコンピュータから構成されている分散システム及びそれを取り巻く環境やアプリケーションの需要が常変するため,変化を動的に適応できるシステムアーキテクチャが必要されつつある.本研究では,システム管理者に様々な利用状況をポリシーとして記述させ,変化に応じてソフトウエア・コンポネートまたはそのものの複製を別のコンピュータに再配置させることによって,動的適応能力を備えた再構成可能なアーキテクチャを提案する. |
題名 | 組込み機器向けbsdiff改良方式の実装と評価 |
著者 | *福田 勇輔, 野澤 優尚 (神奈川工科大学), 寺島 美昭 (創価大学), 小沼 寛 (神奈川工科大学大学院), 清原 良三 (神奈川工科大学) |
ページ | pp. 1122 - 1128 |
キーワード | ソフトウェア更新, IoT, ECU |
アブストラクト | デバイスの小型化や低価格化によりIoT(Internet of Things)が普及し,スマートフォンや自動車,施設,ロボットなどありとあらゆるものがインターネットにつながり情報のやり取りをしている.これに伴い,コンテンツの多様化,大容量化が加速している.また,これらのデバイスは常に稼働しているものや,常に最新のソフトウェアを必要とするため,不具合修正のためのアップデートや,バージョンアップを必要とするものが多い.これらはPCや携帯電話のように比較的高速なネットワークに接続されているとは限らない.例として自動車などに搭載されているECUを更新する場合などはCANというバス型のネットワークが用いられており,これは低速である.また,一般には低速度な無線ネットワークでマルチホップ接続されるケースもある.こういった低速度なネットワークを経由する場合には更新のためのデータ量の削減が求められる.本論文ではデータ量削減のための有力な手法である差分更新技術の採用を前提とし,効果的に差分をとれると評価されているbsdiff をさらに改良する手法を提案し評価した.その結果,わずかではあるが効果を確認できた. |