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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 5B  予測と推薦
日時: 2016年7月7日(木) 10:20 - 12:00
座長: 大平 雅雄 (和歌山大学)

5B-1 (時間: 10:20 - 10:40)
題名心拍変動を用いた認知能力変化の予測
著者*角田 啓介, 千葉 昭宏, 吉田 和広, 渡部 智樹, 水野 理 (NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 925 - 933
キーワード心拍変動, 認知能力, 予測, 労務管理

5B-2 (時間: 10:40 - 11:00)
題名ショートメッセージの部分空間表現と宛先推定
著者*清水 彰人 (長崎大学工学部), 酒井 智弥, 小林 透 (長崎大学大学院工学研究科)
ページpp. 934 - 937
キーワードword2vec, SNS
アブストラクトソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の多くは,メッセージを交換する際に,その宛先や話題(ハッシュタグ等)を明示しながら使うことが前提となっている.端末の操作に不慣れな利用者や高齢者からのメッセージの配信を支援するためには,宛先が明示されていない短いメッセージの内容から宛先を推定する機能を実現するべきである.しかし,メッセージの例が大量に入手できなければ,単語の出現頻度やベイズ則に基づく既存の文書分類の技術を応用できない.この課題に対して,本稿では,メッセージを構成している単語の組合せが表す意味の類似性に基づく宛先推定法を提案する.提案手法は,単語の意味を線形代数的に演算可能にするベクトル表現word2vecを利用し,短いメッセージと宛先候補をそれぞれ線形ベクトル部分空間で表すことで,相互部分空間法による類似性の定量化を実現する.この手法により,わずか数語の短いメッセージから宛先が推定可能であることを示唆する単純な実験例を示す.

5B-3 (時間: 11:00 - 11:20)
題名大学生を対象とした自炊支援システムの開発
著者*辻本 拓真, 吉野 孝 (和歌山大学)
ページpp. 938 - 945
キーワード自炊支援, レシピ推薦, マイクロブログ, ゲーミフィケーション
アブストラクト大学入学に伴う一人暮らしを機に自炊を始めることは一般的だが,継続しなくなることも多い.その理由として,料理が面倒であることや,料理の習慣がないことが挙げられる.しかし一方で料理が嫌いな大学生は少数であり,何らかの動機付けによって自炊を習慣付けられる可能性がある.また,近年,食の外部化が進行している.しかし健康的な生活を送るためには食生活の自己管理が重要であり,若年のうちに食に対する知識や経験を深めることが求められる.そこで本研究では,大学生を対象とした自炊支援システム「クックマ」の開発を行った.クックマは,マイクロブログを通じた難易度別レシピ提示機能によって,調理能力の段階的向上やレパートリーの増加を図る.また,マイクロブログへの料理写真共有機能や,ゲーム的要素を利用した機能によって,自炊の動機付けや継続の支援を行う.評価実験の結果,以下の3点を明らかにした.(1)調理能力を考慮して適切な難易度のレシピを提示することは,自炊を促進する可能性がある.(2)料理写真をマイクロブログへ共有することは,自炊を習慣付けるきっかけとなる.(3)利用者との応答にゲーム的要素を利用することは,自炊を習慣付けるきっかけとなる.

5B-4 (時間: 11:20 - 11:40)
題名調理履歴に基づくユーザのレシピ選択モデルの提案
著者*山本 修平 (筑波大学), 神門 典子 (国立情報学研究所), 佐藤 哲司 (筑波大学)
ページpp. 946 - 953
キーワードレシピ, 調理履歴, 情報推薦, ユーザモデリング
アブストラクト調理で使用する食材や調理手順が書かれたレシピを共有し,検索するレシピサイトが普及・発展してきている.特に,生活者が直接投稿する投稿型のレシピ共有検索サイトの発展は著しく,膨大なレシピが日々投稿されるとともに,検索したレシピを使って調理するユーザも増えてきている.著者らはこれまでに,ユーザの調理レパートリーを拡大することを目的に,ユーザに未経験食材を含む挑戦的なレシピ推薦手法を提案している.本論文では,ユーザの連続的なレシピ選択をモデル化するため,ユーザにとって挑戦的なレシピ選択モデルと,嗜好的なレシピ選択モデルを組み合わせた手法を提案する.ユーザ毎の調理履歴から,挑戦的選択が発生する確率を指数分布のパラメータとして学習し,嗜好的選択と挑戦的選択を調理回数に応じて調整したスコアを算出する.ユーザが実際に調理したレシピ系列を用いて提案手法の有効性を評価した結果,嗜好的選択のみを用いた手法に比べて,挑戦的選択を組み合わせた手法が高い推定精度を示したので報告する.

5B-5 (時間: 11:40 - 12:00)
題名通行量センシングと機械学習に基づく飲食店用不動産賃料推定
著者*荒川 周造, 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学), 小川 祐樹 (立命館大学), 荒川 豊, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学), 太田 敏澄 (行政情報システム研究所)
ページpp. 954 - 960
キーワードセンシング, 機械学習, データマイニング, 賃料推定, エナジーハーベスト
アブストラクト飲食店用不動産の賃料決定は,ベテラン営業マンが培った勘や経験からなる暗黙知を元になされており,他の営業マンに継承するための形式知化(表出化)が課題となっている.そこで根拠に基づく賃料推定システムを構築するために,立地条件などの静的な情報に加え,店舗周辺の通行量などの動的情報を考慮したシステムを構築する.本稿では,機械学習を用いて賃料推定を行い、推定精度向上のための特徴量の検討を実施している.賃料推定に用いる機械学習手法にランダムフォレストを用いることで,従来の重回帰分析のものと比較し,内挿同士での精度の向上が確認された.また,3-fold交差検証においても同等の精度で推定可能なことを確認している.加えて,既存の特徴量の影響度合いを,各特徴量を省いて推定した際の平均二乗誤差(RMSE)に基づき評価を行った.その結果,精度低下を招いていた「坪数」の項目を抽出でき,この特徴量を削減することで精度を向上している.同時に,影響度が比較的低かった「駅徒歩時間」と「階数」の項目について,積を取ることで推定誤差を減少させている.さらには新たな特徴量として店舗の「導入力」を追加し,精度向上が確認された.