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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 4G  センシングデバイス
日時: 2016年7月7日(木) 8:20 - 10:00
座長: 榎堀 優 (名古屋大学)

4G-1 (時間: 8:20 - 8:40)
題名銀ナノインクを用いた非接触読み取り可能なパッシブ型静電容量式圧力センサと着圧測定への応用
著者*橋爪 崇弘, 笹谷 拓也, 成末 義哲, 川原 圭博, 浅見 徹 (東京大学 大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 840 - 845
キーワード圧力センサ, 銀ナノインク, 着圧, ワイヤレス
アブストラクト本論文では着圧測定において問題となる体表面に触れる配線の排除を目的とし,センサに与えられた圧力を無電源・非接触で読み取ることのできる薄型のパッシブ型圧力センサを提案する.センサは導電性インクを用いて印刷により形成され,共振回路のキャパシタンス成分の変化として圧力の変化を非接触コイルで読み取る.人体に貼り付けても圧力計測を行えるセンサ設計手法を提案し,衣服において最も着圧が重要となるスポーツ用タイツの着圧を計測することで実用性を確認した.

4G-2 (時間: 8:40 - 9:00)
題名運転環境における高精度関節位置推定と姿勢評価システム
著者*山田 高寛 (東京大学 大学院情報理工学系研究科), 土門 憲司 (電気通信大学 大学院情報システム学研究科), 入江 英嗣, 坂井 修一 (東京大学 大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 846 - 852
キーワード運転者支援, 運動認識, 相対チェックポイント, Kinect
アブストラクト本論文では運転環境下における高精度な人体関節位置推定手法と, 時間要素を考慮した運転姿勢検知アルゴリズムを提案する. 関節位置推定手法については, 人体のみならず運転環境ごと学習することで精度を高めた. また, 運転姿勢検知アルゴリズムは複数フレームを神経発火モデルに基づき累積させていくことで ノイズに対する頑強性を高めた. 更にこれらの提案手法を統合させたシステムを実車環境上に実装し, 想定する運転姿勢の検知に関する評価を行った. その結果, 誤検知率は10%にとどまり, 運転姿勢検知システムの実車に対する有用性が確かめられた.

4G-3 (時間: 9:00 - 9:20)
題名湿度センサを用いた簡易的な発汗センシング手法の実験と評価
著者*横田 知樹, 近藤 亮磨 (東京電機大学未来科学研究科), 岩井 将行 (東京電機大学未来科学部情報メディア学科)
ページpp. 853 - 857
キーワード発汗, 湿度, 生体情報, モバイルセンシング, 衣服内気候
アブストラクト猛暑環境下での発汗による脱水症状や,寒冷環境下での発汗放置による体温低下のリスクのある労働現場において,簡易的な発汗センシングが普及することは,より細やかな労働者の体調管理や作業環境の改善の一つの解決策である. 一方,既存の発汗センシング技術は、大規模であったり,高コストという理由から,これらの用途に適していない.本研究では,衣服の内側に湿度センサを装着し,発汗による衣服内の湿度上昇を計測することによって発汗のセンシングを行う,簡易的な手法を提案する.これを「簡易湿度センサ手法」と呼ぶ.この手法を用いた発汗推定に関する実験とその評価の結果について報告する.

4G-4 (時間: 9:20 - 9:40)
題名赤外線フォトリフレクタを用いた眼球運動計測による睡眠状態認識手法
著者*松井 駿 (神戸大学), 寺田 努 (神戸大学/JSTさきがけ), 塚本 昌彦 (神戸大学)
ページpp. 858 - 865
キーワード睡眠状態, 赤外線フォトリフレクタ, 眼球運動, REM睡眠, アイマスク
アブストラクト睡眠は1日の約3分の1を占めるといわれており,脳・心・身体の疲れを癒し,記憶を定着させる.睡眠には,身体の疲労回復を行うRapid Eye Movement (REM)睡眠と脳の疲労回復を行うNon-Rapid Eye Movement (NREM)睡眠があり,この二つの状態を一定の周期で遷移する睡眠が質のよい睡眠だとされている.質のよい睡眠をとるためにも,睡眠解析を行い睡眠段階(睡眠の深さ)を知ることが重要である.睡眠解析の手法として,Rechtschaffen & Kales法(R&K法)という絶対的指標が存在するが,脳波,眼電位,筋電位を計測するため多数のセンサ・電極を使用し,被験者に大きな負担がかかり日常生活で使用することは困難である. そこで本研究では,REM睡眠時の急速眼球運動に着目し,フォトリフレクタを用いたアイマスク型デバイスによって,睡眠時の眼球運動を測定し,睡眠段階を判定する.提案デバイスには20個のフォトリフレクタを装着しており,眼球運動によるアイマスクとまぶたの距離の変化がフォトリフレクタの出力電圧に反映される.また,デバイスはアイマスクに統合されているため,就寝時に装着しても違和感がなく,測定環境を選ばない.提案手法の評価のために,提案デバイスを用いて眼球運動を測定し,睡眠段階を判定した.7日分のデータからk近傍法(k=5)を用いて交差検証を行った結果,適合率75.4%,再現率71.3%,F値71.5%となった.

4G-5 (時間: 9:40 - 10:00)
題名指動作認識を利用したスマートグラス上のユーザインターフェイス操作
著者*森田 健太郎, 長田 剛典, 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科)
ページpp. 866 - 871
キーワードスマートグラス, 赤外線, 拡張現実
アブストラクトスマートフォンやタブレットが普及するにつれ,近年では拡張現実(Augmented Reality:AR)の技術を使用したアプリケーションが増加傾向にある.スマートフォンに付随するカメラを利用したARアプリケーションや,スマートグラス等のウェアラブルデバイスを用いてAR技術を活用するものも開発されてきている.主な利用例としては,目的地までのナビゲーションシステム,ARマーカーを利用した観光地や施設の説明,スマートグラスを利用し,ディスプレイに必要な情報を表示させることで,医療現場や工場現場においての作業のサポート等が挙げられる.しかしながら,現在のARデバイス,特にスマートグラスに関しては情報を表示するものという側面が強く,表示された情報に対しての操作に関しては未だ確立された手法は存在しない.そこで本研究では,指に赤外線Light Emitting diode(LED)を装着し,これをスマートグラスに装着したComplementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)センサがトラッキングすることで指動作を認識し,スマートグラス上の情報を操作するシステムを実装することで,既存手法における問題点の解決を図る.