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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 4E  ナビゲーション
日時: 2016年7月7日(木) 8:20 - 10:00
座長: 村尾 和哉 (立命館大学)

4E-1 (時間: 8:20 - 8:40)
題名スマートフォン上の軽量v-SLAMとPDRの連携
著者*根岸 拓郎 (法政大学 大学院), 藤田 悟 (法政大学)
ページpp. 777 - 781
キーワードPDR, v-SLAM, スマートフォン, 位置推定, デッドレコニング
アブストラクト近年,携帯端末内蔵センサを用いて歩行者の位置を累積的に求める歩行者デッドレコニング(PDR)について,盛んに研究されている.従来の研究では,既知の二次元マップやGPSなどの外部情報を用いて,蓄積された推定誤差を補正する手法などが提案されてきた.本研究では,PDRで蓄積された誤差を,三次元空間認識から得た情報を用いて補正する手法を提案する.具体的には,PDRと同時にスマートフォンのカメラで屋内の風景を逐次撮影していき,その画像群から特徴点の三次元座標を計算する.壁に衝突しないように軌跡を補正することで,位置推定精度の向上を目指す.更に,カメラ画像の流れから端末に対する歩行者の進行方向を推定し,補正する手法も提案する.

4E-2 (時間: 8:40 - 9:00)
題名音声ナビゲーションにおけるユーザ属性を考慮したランドマーク提示手法の提案
著者*飯田 啓量, 櫻田 健 (名古屋大学工学研究科), 廣井 慧 (名古屋大学未来社会創造機構), 河口 信夫 (名古屋大学未来社会創造機構,名古屋大学工学研究科)
ページpp. 782 - 788
キーワードランドマーク, 歩行者向けナビゲーション, ユーザ属性, 音声ガイド
アブストラクトモバイル端末の普及に伴い歩行者向けナビゲーションシステムが広まっている.屋内では GPS に 代表される位置測位技術を十分な精度で利用できないため,目印となるオブジェクト (ランドマーク) を提 示してユーザを案内する手法が用いられる.我々はランドマークを用いた音声ガイドのみを利用し,画面 の確認を必要としない音声ナビゲーションの研究を行ってきた.既存のナビゲーションではすべてのユー ザに対して同じランドマークを提示するが,認識しやすいランドマークはユーザごとに異なる.そこで, 本研究ではユーザ属性の違いを考慮したランドマーク提示手法を提案する.提案手法では協調フィルタリ ングに基づいて,対象ユーザにとって対象ランドマークがどの程度認識しやすいかを推定する.提案手法 について分析・検討するために,22 人の被験者に対し 30 ランドマークの認識テストを行った.その結果, 提案手法を用いて平均 70%の精度でランドマークが対象ユーザにとって認識しやすいか推定ができ,典型 的なユーザに対して提案手法の有効性を確認した.

4E-3 (時間: 9:00 - 9:20)
題名仮想空間システムを用いた空間認識能力計測手法の提案
著者*嶋田 光佑 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (名古屋大学未来社会創造機構), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部), 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科,名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 789 - 797
キーワードナビゲーション, 仮想空間, VR, 空間認識能力
アブストラクト目的地までの道がわからない時,モバイル端末を用いて歩行者向けナビゲーションシステムを利用できる.しかし,方向感覚や距離感覚などの空間認識能力には個人差があるため,利用者間には案内理解の程度に差があり,有効活用につながらず道に迷う人もいる.この問題を解決するには利用者個人の空間認識能力を計測し,結果を考慮した案内を提供すべきであると考える.本研究では,人の空間認識能力に応じた案内を提供することを目的とした,仮想空間システムを用いた空間認識能力の計測手法を提案する.目的地へ移動するための空間認識能力として「地図上での自己位置把握」,「目的地の方向把握」,「音声案内記憶の定着」などが挙げられる.これらの能力について計測手法を提案し,計測テストを仮想空間を用いて実装,被験者実験を行う.これらのテストの結果についてクラスタリングを行い,被験者間の能力の違いを分析する.分析結果をもとに空間認識能力に基づいた人の分類基準を作成する.また計測した結果が被験者の感覚と関連があるかを検討するため,計測結果と被験者の方向感覚に関する自己評定との傾向を求める.

4E-4 (時間: 9:20 - 9:40)
題名GPSデータ匿名化レベルの主観的許容度を客観的に表現する指標の検討
著者三藤 優介 (岡山大学工学部), *原 直, 阿部 匡伸 (岡山大学大学院自然科学研究科)
ページpp. 798 - 805
キーワード匿名化, プライバシー, GPS, 位置情報ビッグデータ
アブストラクトGPSにより取得できる位置情報(GPSデータ)を活用したサービスではユーザの同意のもとデータを取得している.位置情報はセンシティブ情報であるため,一般にはGPSデータに匿名化処理を施してからデータ収集が行われている.しかし,同一の匿名化処理であっても匿名化の結果を許容できるか否かは個人の主観に依存する.本研究では,個人の主観的な許容度を考慮しながら匿名化処理の強さを測る数値指標を匿名化レベルと呼び,この匿名化レベルをデータから得られる客観尺度によって表現する方式について研究している.匿名化レベルに基づく主観的な許容度を保証した匿名化処理が実現できれば,より円滑なデータ収集が可能になると考えられる.本報告ではGPSデータに付加情報を与えたデータを利用して匿名化レベルの変化に関する主観評価実験によって,GPSデータの匿名化レベルを客観的に表現することが可能な指標について検討をおこなった.実験の結果,経路幅の最小値,端点の個数,高頻度地点の面積という3つの指標に対して主観評価値との強い負の相関がみられた.