題名 | 家庭におけるペット−ロボットインタラクション 〜ロボットは犬の世話をすることができるのか〜 |
著者 | *鈴木 もとこ, 清 雄一, 田原 康之, 大須賀 昭彦 (電気通信大学大学院 情報システム学研究科) |
ページ | pp. 671 - 676 |
キーワード | インタラクション, 動物行動, 家庭用ロボット |
アブストラクト | 本研究では,家庭におけるペットとロボットの共生を目指し,現在人間が行っているペットの世話をペットに ストレスを与えることなく,ロボットが代行することを目標とする.具体的には,犬とのボール遊びと犬への餌やり の 2 つを,人間が行った場合とロボットが行った場合で実験を行った.実験の結果,人間が投げた場合と同じ頻度で, ロボットが投げたボールを犬が咥えることが観察できた.また,人間が餌をやる場合と同じ頻度で,ロボットがやる 餌を犬が食べることも観察できた.このことから,ロボットが犬の世話をすることできることがわかった.しかし, 人間が行った場合と異なる挙動を取ることも分かった. |
題名 | 個人とグループの創造性を支援する「イノベーションコンパス」システムの機能提案とシナリオ検証 |
著者 | *加藤 美治 (富士通株式会社/電気通信大学大学院情報システム学研究科), 田野 俊一, 橋山 智訓 (電気通信大学大学院情報システム学研究科) |
ページ | pp. 677 - 686 |
キーワード | 創造支援, イノベーション, モチベーション, グループウェア |
アブストラクト | 開発者は,新たな製品・サービスを提供することが求められており,そのために人間の創造性を支援するシステムのニーズが高まっている.しかしながら,そのようなシステムは部分的な機能を実現するに留まり,包括的なシステムにはなっていない.そこで本研究では,個人とグループにおける創造性を支援する「イノベーションコンパス」システムを提案した.そして,システムが具備している詳細の機能とアルゴリズムを説明した.更に,個人とグループ活動におけるシステムの動作を,典型的なシナリオを用いて説明した.この結果,概ね要求機能を確定させることができた.今後システムへの実装と実際にシステムを使用した評価を行っていく. |
題名 | CGM利用者の良質な情報発信を促進するフレームワークに関する研究 |
著者 | *入江 啓介, 中島 達夫 (早稲田大学) |
ページ | pp. 687 - 694 |
キーワード | Webサービス, CGM, ゲーミフィケーション, ナレッジコミュニティ |
アブストラクト | Web2.0以降,インターネットサービスにおけるConsumer Generated Media(CGM)の台頭は目覚ましく,CGMは現代の日本において主流なインターネットサービスの一部となっている.しかしながら,CGMはその特性上,利用者の情報発信がおこなわれない場合においては機能せず,各種CGMサービスには利用者の情報発信を促進する設計が求められている.本論文では,利用者の情報発信をゲーミフィケーションを用いて促進しつつ,発信される情報の質を高めるようなシステムの設計を同時におこなうことで,CGM利用者の良質な情報発信を促進することができると考え,以上の要素を踏まえたフレームワークを提案する.そのために本研究では,ゲーミフィケーションと特殊なシステムの設計を導入したQ&A型のナレッジコミュニティを作成し,有効なフレームワーク設計要素を模索するため実験をおこなった. |
題名 | 人形遊戯から発話されるオノマトペと動作の相互想起 |
著者 | *高橋 拓也 (公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科), 赤坂 尚衡 (公立はこだて未来大学システム情報科学部複雑系知能学科), 松山 昇一 (公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科), 角 康之 (公立はこだて未来大学) |
ページ | pp. 695 - 702 |
キーワード | オノマトペ, 人形遊戯, モーションデータ, マルチモーダル, グループウェア |
アブストラクト | オノマトペは動作の様子や程度を表現するのに便利な手段である.言語表現である以上,同じオノマトペ表現に対して多くの人が共通したイメージを想起することが期待されるが,実際はどうであろうか.本研究では,人形遊びを題材として,人形を動かす動作に伴って発声されるオノマトペを収集し,オノマトペと動作それぞれの分類の相関関係を調べた.その結果,「のろのろ」「てくてく」のようにほとんどの人が似たような歩行動作を想起したものがある一方で,「ひゅーん」「びゅーん」のように飛び跳ねる動作と空中飛行動作に分かれるようなものがあることが,確認された. |
題名 | OSS開発コミュニティの進化の理解を目的としたコミュニケーション分析:Politeness分析適用の試み |
著者 | *宮崎 智己 (和歌山大学システム工学部), 山谷 陽亮, 東 裕之輔 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 大平 雅雄 (和歌山大学システム工学部) |
ページ | pp. 703 - 713 |
キーワード | OSS, Politeness, コミュニティ |
アブストラクト | 近年,OSS をソフトウェア製品の一部として再利用することが一般的になりつつある一方で,開発元の OSS 開発コミュニティが継続するのかどうかが不透明なためOSSの利用を躊躇する企業が少なくない.OSS 開発では,ボランティアの開発者が中心となり,メールや掲示板を用いた非対面環境下でのコミュニケーションが主たる情報伝達手段となる.したがって,OSS開発コミュニティが持続的に進化する 上で開発者間のコミュニケーションの質(円滑に意思疎通が図れるようにする工夫など)が極めて重要になるものと思われる.これまで,OSS 開発コミュニティの進化そのものについては数多くの研究がおこなわれてきたが,開発者間のコミュニケーションの質的側面,特に,コミュニケーションの様式(本研究では,対話者を配慮する表現形式)とOSS開発コミュニティの進化に焦点を当てた分析はほとんどない.本研究では,人間関係を維持するために対話者への配慮(本研究におけるPoliteness)を込めた言語的表現を定量化する Politeness 分析を適用したケーススタディをおこなった.本稿では,20 年以上の歴史を有する Apache HTTPD Sever プロジェクトのトップ開発者10名の総計 123,538 件分のコミュニケーションデータ(開発者メーリングリスト上でのメールデータ)を対象にPoliteness 分析を適用した結果について考察するとともに,今後の分析指針について議論する. |