題名 | インドの農村部での土壌センシングシステムの実証:期待と現実 |
著者 | *林 直人, 繁田 亮, 高木 雅, 川原 圭博, 浅見 徹 (東京大学大学院情報理工学系研究科) |
ページ | pp. 565 - 571 |
キーワード | インド, 農村, 土壌センシング |
アブストラクト | 農作物を育て収穫するというのは,単に種を蒔き,育つのを待つだけでない.自然環境を考慮した上で,環境をできる範囲で制御し,農作物の収量と品質の向上を目指す取り組みである. 近年こうした取り組みが精密農業として世界中で注目を集めており,インドにおいてもこのような取り組みの1つとして,土壌水分モニタリングが行われている. 土壌水分量に基づいて散水量を適切に制御することで,水資源の浪費を防ぎ,単位水量あたりの収量が向上する.また,水を媒介とする感染病の蔓延を防止する効果もあるため,収量のみならず品質の向上にも役立つ. しかしながら,こうした途上国の問題を解決するためには,単に先進国の既存システムを輸入すれば良いというわけはなく,途上国ならでは要因を考慮した上で,システムを設計する必要がある. 本稿では,インドの柑橘類の圃場において,適切な潅水を農業従事者ができるようにするための要件を定義し,その一部に実際に取り組み,現地にて実証実験を行った内容を紹介する. |
題名 | 絶滅危惧の魚の繁殖生態解明に向けたオンライン画像行動解析の予備的検討 |
著者 | *水谷 伸, 白井 良成, 岸野 泰恵, 柳沢 豊 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所), 大津賀 真之, 北川 忠生 (近畿大学 農学部 環境管理学科), 納谷 太 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所) |
ページ | pp. 572 - 576 |
キーワード | センサネットワーク, 画像処理, 画像認識 |
アブストラクト | 絶滅危惧種の魚,ニッポンバラタナゴの保護,繁殖を行なうために,センサネットワークを用いて生息環境の モニタリングを行なってきた.生息環境の知見だけでなく,産卵行動などのタナゴの行動に関する知見を得るため, 新たに水中の動画撮影を行い,画像処理により,行動情報を得ることを目指す.まず,画像中のタナゴの数を推定す るための画像処理の検討について報告する.タナゴの画像認識のために,(1)対象の画像領域を接するように長方形の 枠で囲む,(2)画像上の背骨の位置を推定する,以上の二つの各々の方法による画像正規化方法を考案し,実験結果を示す. |
題名 | 野生動物装着センサ用の空間情報補正機構の基礎的検討 |
著者 | *合間 優陽, 大西 鮎美, 中村 和彦, 瀬崎 薫, 小林 博樹 (東京大学) |
ページ | pp. 577 - 579 |
キーワード | フィールド調査, 環境モニタリング, 推定 |
アブストラクト | 本論文では,野生動物におけるウェアラブルセンサ用の空間情報補正機構を提案する.森林地域において,携 帯通信を行うことや GPS センサで位置情報を取得することは多くの場合,困難である.なぜなら,森林の地表付近に おける状況下においてリソースを提供することは費用がかかり,かつ,ユーザの数が限られている地域である傾向が あるからである.そこで本研究では,位置情報の取得および補正を行ううえで,GPS センサや移動通信に依存しない 手法を提案する. |