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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 2G  ナビゲーション
日時: 2016年7月6日(水) 15:50 - 17:30
座長: 木谷 友哉 (静岡大学)

2G-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名ストロークネットワークを用いた道なり優先経路探索システムの実現
著者*新帯 里奈, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 396 - 403
キーワード経路探索, 道路ネットワーク, アルゴリズム, ストローク
アブストラクト我々はこれまでに道なり道路(ストロークと呼ぶ)の概念を厳密に定義しストロークに基づくストロークネットワークを構築し,その上での道なり優先経路探索手法を提案した.しかし,この手法はストローク数最少の経路を与えるが,ノード数が多いとストロークネットワークの構築に多大な時間を要するという問題がある.本稿では,道路ネットワークから交差点での成す角に従って求めたストロークのデータベース(SDB)から基準長以上の長さがあるストロークからなる道路ネットワーク(ストロークネットワークと呼ぶ)を求め,ストロークネットワークデータベース(SNDB) を構築する.SNDBから基準長の異なる3種類のストロークネットワークを抽出し,それらを合成して,場所により密度の異なる道路ネットワークを構築する.構築した道路ネットワーク上で最少ストローク数最短経路探索法(SPMS法)で道なり優先の経路を求めるシステムを開発した.SNDBを用いることで,ストロークネットワークの構築時間が1秒以下に短縮できることが分かった.

2G-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名バス停留所におけるバス路線検索とその描画手法
著者*加藤 りか, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 404 - 410
キーワードバス, 路線検索, 地図, 路線描画
アブストラクト本論文ではバス停留所におけるバス路線検索とその描画手法に関して提案する.近年,Google MapsやNAVITIME,各地域の交通事業者などによる経路検索サービスの普及が見られる.その一方で路線バスの停留所で得られる情報は限られており,利用者が必要とする情報が足りていない場合もある.また,従来の経路検索サービスにおいてもそれぞれ問題点が見られる.そこでバス停における路線案内を提供するシステムを従来の経路検索サービスの問題点をふまえた上で提案する.本研究では路線検索機能,時刻表動的統合機能,描画機能の3つの機能を提案,実装しプロトタイプシステムを作成して評価実験を行った.

2G-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名歩行者の方向判断基準を用いた腕時計型ウェアラブル端末向け略地図生成手法
著者*河野 圭亮 (早稲田大学), 新田 知之, 石川 和明 (ゼンリンデータコム), 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 411 - 418
キーワード略地図, 歩行者, ランドマーク, ウェアラブル端末, 腕時計型
アブストラクト情報処理機器の発達によりパソコンやスマートフォン,腕時計型ウェアラブル端末などのITツール上で地図サービスが多く利用されている. しかし,腕時計型ウェアラブル端末はパソコンやスマートフォンと比べると表示画面が小さい. 表示する地図の情報を少なくするものとして略地図が必要となる. 腕時計型ウェアラブル端末向け略地図生成手法では次の点を満足する必要がある. (a)腕時計型ウェアラブル端末は腕に巻くため,画面を傾けて見ることが難しい.表示される歩行経路は0°や90°に規格化されるのが望ましい.(b)腕時計型ウェアラブル端末は拡大縮小の機能が乏しいため,拡大縮小せずとも視認性の良い略地図を表示する必要がある. 本稿では,2地点間略地図に着目し(a),(b)を満たした腕時計型ウェアラブル端末向け2地点間略地図生成手法を提案する. 歩行経路を縦横斜めの8方向に整形することで, (a) の問題を解決する. ランドマークが重複するように略地図を分割することで, (b) の問題を解決した迷いにくい略地図を生成可能となる. 略地図化していない地図を単純に距離で等分化した場合と略地図化して単純に距離で等分化した場合と提案手法を比較し,有効性を確認する.

2G-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名眼鏡型ウェアラブル端末を用いたランドマーク確認に基づく屋外歩行者ナビゲーション
著者*矢野 椋也 (早稲田大学), 新田 知之, 石川 和明 (ゼンリンデータコム), 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 419 - 427
キーワードナビゲーション, 歩行者, ランドマーク, ウェアラブル端末, 眼鏡型
アブストラクト携帯端末の普及に伴い,屋外でGPSが導入されたナビゲーションアプリを使用する機会が増加した.GPSの精度による現在位置表示の誤差と,地図と実世界の対応付けが困難であることが道迷いの原因とされ,GPSの精度に依存しにくいナビゲーションは数多く存在するが地図と実世界の対応付けの実現に至っていない.そこで地図と実世界の対応付けを可能にするウェアラブル端末の使用に注目し,本稿では眼鏡型ウェアラブル端末SmartEyeglassを用いたランドマーク確認による現在位置推定手法を提案する.提案手法はSmartEyeglassに表示されるランドマークを経路上の曲がり角で実世界と重ねることで,歩行者の現在位置と向いている方向に応じた進行方向を認識させ,GPSを使わずに目的地までの誘導を実現する.従来の携帯端末と異なるランドマークを選択する必要があるので,SmartEyeglassに適したランドマークの選択アルゴリズムを提案する.従来の携帯端末上の案内で使用されるランドマークと提案する選択アルゴリズムで選ばれたランドマークを表示して比較する.実験結果からSmartEyeglass上に表示可能な範囲でより多くの周辺ランドマークが含まれるランドマーク選択の実現を確認する.

2G-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名中間点を用いた案内粒度変更可能な音声経路案内システム
著者*浮田 弥, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
ページpp. 428 - 435
キーワード経路案内, GPS, 地理情報システム, 音声対話システム, 案内粒度
アブストラクト本研究では,経路案内を音声のみで行う場合に歩行者にとって分かりやすい案内手法を 提案するために,Android端末用の音声案内アプリの開発を行った. 既存の音声経路案内システムではユーザを経路通りに進ませるよう音声案内を行うが, その手法はGPSの誤差に影響されやすく,またユーザ自身の直感に合っていない道を進ませる 場合があるのではないかと考えた.本研究はこの問題の解決のため,経路案内における 案内粒度が変更可能なシステムを提案する.提案システムは,スマートフォン端末上で音声と地図による 案内を行う際,既存経路に小目的地を複数配置することにより,案内粒度を変更可能とする機能や, ユーザの進むべき方向と距離などの情報を音声で伝える機能を持つ.この音声経路案内システムの 実現のため,手軽に会話が作れる音声インタラクションシステム構築ツールキット "MMDAgent"の音声を利用した.さらに,作成したプロトタイプシステムに対する評価を行い, 提案手法の有用性を評価した.