題名 | ウェアラブルデバイスによる歩行形態判別システムの提案 |
著者 | *吉田 尚平, 村田 嘉利, 鈴木 彰真, 佐藤 永欣 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学研究科) |
ページ | pp. 301 - 307 |
キーワード | ウェアラブルデバイス, センサ, 歩行形態, 転倒, リハビリ |
アブストラクト | 高齢者や足の不自由な方を中心に足のつま先や足全体を引きずりながら歩く歩行形態が見られる.このような歩行形態は,下肢筋力の低下や姿勢制御能力の低下と相関があることが示されており,転倒の危険につながる.また,理学療法士がリハビリの一つとして歩行訓練を行っているが,統一されたリハビリ指導法は確立されておらず,理学療法士個人の裁量で行っているのが現状である. そこで,本研究では,転倒の危険がある歩行形態を検出する手法を提案する.ウェアラブルデバイスを足の甲に装着し,加速度センサとジャイロセンサの値を用いて歩行形態の検出を試みた.その結果,加速度の値から歩行中か判別し,歩行中のつま先の上下方向の回転角度,かかとが地面に着地し,低屈するときの足の角速度,ケイデンスを求めることで,転倒の危険につながる歩行形態を判別できることが分かった. |
題名 | KINECT& Azureを利用した聴診演習システムの開発 |
著者 | *村田 嘉利, 吉田 和広 (岩手県立大学/ソフトウェア情報学部), 三浦 奈都子, 遠藤 良仁 (岩手県立大学/看護学部) |
ページ | pp. 308 - 313 |
キーワード | 聴診, 演習, 看護, Azure, KINECT |
アブストラクト | 看護系の大学や学部では,呼吸に関する聴診の演習が必須となっているところが多い.これまでの演習ではマネキンタイプのシミュレータが広く使われているが,機能により価格に違いはあるものの全般的に高価であり,履修学生数に対して十分な数量を揃えるのは難しい.また,聴診器が適切な位置に,決められた順序で,所定の時間患者に当てられたか,既存のシミュレータは認識できない.さらに,患者への接遇では,マネキンの横に講師等がいて受け答えすることから,不自然さは拭えない.本論文では,学生自身が患者の役を務め,マイクロソフトのKINECTを利用して聴診器の追跡位置とKINECT標準搭載のスケルトン抽出機能で得た両肩と両腰の位置座標から聴診器が当てられた位置,順序そして当てられている時間を認識可能とする聴診演習システムを提案する.本システムは,マイクロソフトのクラウドサービスAzureが提供するProject Oxfordの機能等を用いて,患者への接遇についても演習可能とする. |
題名 | Kinectを用いた遠隔リハビリテーションシステムの研究 |
著者 | *鈴木 昂太郎, 村田 嘉利, 鈴木 彰真, 佐藤 永欣 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科) |
ページ | pp. 314 - 321 |
キーワード | Kinect, リハビリテーション, 遠隔リハビリテーション, モーションキャプチャ, 医療情報 |
アブストラクト | 現在のリハビリは,リハビリ施設に通う通所リハビリや訪問リハビリが中心である.しかし,保険適用できるリハビリの回数は十分でないことから,自主的にトレーニングすることが望ましい.また,将来的には理学療法士が不足すると考えられる.本研究では自宅でのリハビリ訓練が可能な患者を対象とし,比較的安価なデバイスMicrosoft Kinect v2を用いることで経済的な負担を抑えつつ効果的なリハビリ訓練を実現する遠隔リハビリテーション支援システムを開発した.我々は,従来の患者と理学療法士の2者からなる遠隔リハビリテーションシステムではなく,患者と患者のリハビリ指導を行うオペレータ,そしてオペレータの指導監督を行う理学療法士の3者から成る遠隔リハビリテーションシステムを提案している. |
題名 | ARによる階段利用意欲向上支援システムの提案 |
著者 | *諸戸 貴志, 濱川 礼 (中京大学情報科学研究科) |
ページ | pp. 322 - 327 |
キーワード | AR, 階段, ゲーミフィケーション, ヘルスケア, ヘッドマウントディスプレイ |
アブストラクト | 日常生活中に出来る運動である階段の利用に対する意欲をゲーミフィケーションを用いて楽しさを感じさせることで向上させ, 日常生活内で負担なく運動を行えるようになると考え, 効果の検証のためにシステムの開発と評価を行った. 近年のヘルスケアブームにより, サイクリングやランニングなどの運動を積極的に行う人が増えてきた. しかし, これらの運動は時間の確保や意欲の維持などが必要となる. 本研究では運動のために時間を割くことなく日常生活中において出来る運動として階段の昇降に注目した. 階段の昇りは, 通常の歩行に比べ約3倍の運動量となりジョギング並の運動量になるとされるため, 階段を利用することで日常生活に負担なく運動をこなす事ができると考えた. しかし, 階段利用による健康意識はあるが行動に結びつかない人や継続して利用出来ない人など多くいると考えられる. 本研究では近年多くの分野で注目されているゲーミフィケーションを用いることで階段利用を楽しく感じさせることで意欲の向上が出来ると考えた. ゲーミフィケーションとは楽しませ熱中させるゲームの要素や仕組みを用いてユーザの意欲を向上させ, 日常の行動を活性化させようとするものである. ユーザーはカメラ付きHMDを装着し, ARにより階段に付与されたゲームの要素の報酬をHMDを介して閲覧する. これにより少しでも楽しく階段利用が出来ると考えた. |