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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 1D  無線・移動体ネットワーク
日時: 2016年7月6日(水) 13:50 - 15:30
座長: 後藤 佑介 (岡山大学)

1D-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名都市実環境観測データに基づくWi-Fi通信性能予測手法の評価
著者*梶田 宗吾, 天野 辰哉, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院情報科学研究科), 浦山 博文 (住友電気工業(株)), 高井 峰生 (大阪大学 大学院情報科学研究科/UCLA)
ページpp. 94 - 104
キーワード無線干渉, チャネル選択, 都市環境
アブストラクト無線 LAN 技術の発達に伴い,都市部における Wi-Fi を利用した様々なサービス の重要性が増している.しかし,特に都市部における Wi-Fi 過密化がさらに加 速することによる相互干渉の深刻化が懸念されており,サービスへ与える干渉影 響が無視できないといった問題がある.本研究では, こうした Wi-Fi 過密環境に おいて干渉回避によるのためのWi-Fi通信性能予測手法の提案と評価を行う. 提案手法では,対象とする基地局とそのクライアントが 送受信する IEEE802.11 MAC フレームを観測することで得られる干渉情報,なら びに自クライアントの現在のトラフィック量を入力とし,切り替え後の自クライ アントのスループットと遅延を推定する予測関数を設計している.この予 測関数のため,高精度ネットワークシミュレータScenargie を用いて, 計 10,000 シナリオ以上のシミュレーションを実施して訓練データとした.また, それらに加えて約 2,000 のシナリオを生成してこれらをテストデータと し,予測関数の精度を評価している.その結果,スループットに対する予測値の 平均二乗誤差が 10% 以下となることを示している. 加えて,大阪梅田において,干渉環境センシングを実施し,実際の都市環境情報に 基づくシミュレーション性能評価も実施している. その結果,平均二乗誤差が 6.95%となることを示している.

1D-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Wi-Fi Directを用いた複数デバイス間ファイル共有転送最適化の検討
著者*水村 直人, 金岡 諒 (青山学院大学大学院理工学研究科), 斉藤 裕樹 (明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科), 高橋 淳二, 戸辺 義人 (青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
ページpp. 105 - 114
キーワードWi-Fi Direct, スマートフォン
アブストラクト近年,スマートフォンの普及が加速し,個人に必要な情報をすべて記録したり,他人と情報共有する媒体として,スマートフォンは個人専用携帯端末としての役割を担うものとなってきた.スマートフォンを用いて,近隣の複数人とファイルを共有する際には,インターネットとの接続安定性に左右されない Wi-Fi Direct を用いることが有効であると考えられる.しかし,Wi-Fi Direct にはコネクション確立のオーバヘッドがあることと,複数端末間の受信電波強度の影響で,必ずしも送信端末から残りの端末に逐次ファイルを転送するのが転送完了時間を最適にするとは限らない.本研究では,コネクション確立オーバヘッドと複数端末間の受信電波強度を考慮して転送経路を決定する,FTroid を提案する.本論文では,FTroid での経路決定方法と予備性能評価結果を述べる.

1D-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名CHASA: 通信トラヒックを考慮した無線LANアクセスポイント移動システム
著者*小林 祐斗 (青山学院大学大学院理工学研究科), 高橋 淳二, 戸辺 義人 (青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
ページpp. 115 - 122
キーワード無線LAN, アクセスポイント
アブストラクト近年のモバイル端末の普及に加え,動画や音楽などのストリーミングサービスの普及により,無線LANでの通信の安定性が求められている.しかし,現在,無線LANアクセスポイントの配置に際して,利用者の細かい位置まで考慮されていないため,利用者全体の通信スループットが最大になるとは限らない.そこで本研究では,通信スループットが高くなる位置にAP自身が移動するというシステムCHASAを提案,実装し,基本性能を評価する.

1D-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名BluMatch: アンカーノードを用いない無線設備機器の自己配置推定
著者*米澤 祐紀, 坂本 岳文, 土井 裕介 (株式会社 東芝)
ページpp. 123 - 128
キーワード位置推定, 無線, RSSI
アブストラクト設備機器の分野において,機器の制御に用いる制御線自体のコストダウンを狙った制御の無線化が進んでいる. 無線を用いた機器の個別制御のため,設置位置と機器との紐づけが必要となる. 従来,設置位置と機器とを紐づけるために目視による確認が行われてきたが,この手段は,設置台数に比例してコストが増加する. これに対して我々は,設置位置と機器IDとを紐づける技術としてBluMatchを提案する. 本論文ではBluMatchの実現方法と一次元レイアウト・二次元レイアウトで動作させた推定結果を示す.

1D-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名移動端末へのデータ配信時における高信頼マルチキャストプロトコルの性能評価
著者*佐古田 健志, 村上 貴臣, 土井 裕介 (株式会社東芝 研究開発センター), 石山 政浩, 前田 賢一 (株式会社東芝 ストレージ&デバイスソリューション社)
ページpp. 129 - 133
キーワード無線LAN, マルチキャスト, ハンドオーバ
アブストラクト多機能な携帯端末が普及したことでユーザのコンテンツダウンロード量が増加し,トラフィックの増加が移動体通信回線の無線帯域逼迫を招いている.我々は,移動体通信回線を用いずに端末間で直接通信する携帯端末間通信技術に着目して,無線帯域の逼迫を抑制する高信頼マルチキャストプロトコルを提案,評価してきた.本論文では高信頼マルチキャストプロトコルを用いて移動する端末へデータ配信をするユースケースを想定した評価を行い,高信頼マルチキャストプロトコルの性能を明らかにする.