(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2016)シンポジウム

セッション 1C  IoTとミドルウェア
日時: 2016年7月6日(水) 13:50 - 15:30
座長: 鈴木 秀和 (名城大学)

1C-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名高精度で低コストな水耕栽培用センサモジュールの開発
著者*西村 知紘 (電気通信大学情報理工学研究科), 奥山 雄司 (トゥロッシュ), 佐藤 証 (電気通信大学情報理工学研究科)
ページpp. 61 - 65
キーワード水耕栽培, センサモジュール, Arduino, IoT
アブストラクト近年のIoTビジネスの拡大と共に,様々なマイコンプラットフォームやセンサモジュールが一般の市場に投入されている.しかしながら,それらセンサモジュールの多くは機能や精度が十分でなく,ユーザ自身で電子回路を設計する必要が生じている.また,センサモジュールの市場として注目される農業ICT向けの製品は数十万円からと高価なことから,個人ユースはもちろんのこと個人農家でも導入は極めて困難である.そこで我々は,水耕栽培用をターゲットに高い拡張性を備えた高精度で低コストなセンサモジュールを開発した.本論文では,その構成を示し特性評価を行なう.

1C-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Optical Flowを用いた植物萎れ具合の推定
著者*柴田 瞬 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 峰野 博史 (静岡大学学術院情報学領域/JSTさきがけ)
ページpp. 66 - 72
キーワード農業, 萎れ, Optical Flow, 特徴量
アブストラクト栽培技術の継承の困難化を解決するために,経験と勘に頼っていた栽培技術を形式知化する研究が行われている.その中でも,果実の糖度を上げる栽培技術はストレス栽培として知られており,水分ストレスを評価するために,様々な手法が提案されてきた.しかし,既存手法は,安価かつ高精度な水分ストレスの評価が実現されておらず,一般の農業従事者が既存手法を手軽に用いることは難しかった.高価な計測器を必要とせず手軽に導入しやすい手法として,萎れ具合を基に水分ストレスを評価する画像処理法があるが,従来の画像処理法は,高精度な萎れ具合の推定を実現するために,植物体の輪郭を忠実に抽出する必要があり,植物が生い茂る実際の栽培環境への導入には課題があった.そこで本研究では,Optical Flowを用いた植物萎れ具合推定手法を提案する.提案手法は,画像処理法の中でも動体検出に用いられるOptical Flowで草姿の変化を検出し,機械学習で萎れ具合を推定する.特に,Optical Flowは,植物体の忠実な輪郭抽出が不要であるため,栽培環境下でも確実に草姿の変化を検出する.栽培環境下で,Optical Flowの有用性を検証したところ,栽培環境下でのHOOFと単純背景下でのHOOFのBhattacharyya 距離の平均は0.0395であった.この結果から,Optical Flowは,複雑な背景を伴う栽培環境でも有効であることが確認できた.

1C-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名一般車椅子利用者からのセンサ情報を活用したオンデマンド型バリアフリー情報提供システム
著者*荒井 研一 (長崎大学大学院工学研究科), 園田 稔 (長崎大学工学部), 立石 拓也, 一貫坂 駿介, 小林 透 (長崎大学大学院工学研究科)
ページpp. 73 - 78
キーワードバリアフリー情報, IoT, 車椅子, WEBアプリケーション, オンデマンド
アブストラクト近年,身体的障害を持つ高齢者が増加している.そのため,今後はそれらの人の移動をサポートする車椅子の利用増加が見込まれる.車椅子利用者にとっては,歩道上に段差が存在すると危険や不安を感じるため,車椅子利用者に対するバリアフリー化は急務である.しかし,バリアフリー化を実現するためには,段差がどこに存在するかを把握する必要があり,その把握には多大な時間や人件費が必要といった問題がある.さらに,段差の状態は次第に変化するため,定期的に情報を更新する必要がある.しかし,既存システムは情報の更新頻度が少ないといった問題がある.本研究では,一般的な車椅子に装着した各種センサからの情報をバリア情報として収集し,常に最新情報を車椅子利用者にフィードバックするシステム,すなわち,オンデマンド型バリアフリー情報提供システムを提案する.本論文では,本システムのプロトタイプを用いた評価実験の結果を示す.プロトタイプシステムを用いて評価実験を行うことにより,本システムの有用性を示す.

1C-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名IoTアプリケーション開発のためのメディア処理・制御フレームワーク
著者*小牧 大治郎, 山口 俊輔, 篠原 昌子, 堀尾 健一, 村上 雅彦, 松井 一樹 (富士通研究所)
ページpp. 79 - 88
キーワードIoT, マルチメディア, フレームワーク, Web API
アブストラクトIoTアプリケーション開発において,現場に設置されたカメラやマイクから取得される映像や音声などのメディアデータを取り扱うためには,コーデックやプロトコル,画像処理など多岐にわたる知識が必要なため,アプリケーション開発のハードルが高い.そこで本研究では,IoTアプリケーション開発でメディアデータを容易に扱うことができるフレームワークの開発を行った.提案フレームワークは,メディア入出力デバイスの抽象化,ゲートウェイとクラウド上でのメディアサービス分散実行,GUIによるメディアサービス定義を可能にする機能を備える.本稿では,提案フレームワークを用いて実際にIoTアプリケーションを試作し,提案フレームワークの有効性について評価,考察を行った結果を報告する.

1C-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名ホームネットワークにおけるデバイス間連携に基づく 新サービス構築手法の検討
著者*秋田 浩也, 川上 智史, 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科)
ページpp. 89 - 93
キーワードホームネットワーク, ネットワークデバイス, デバイス連携
アブストラクト近年ネットワークに接続できる家電が発売されている. これらの家電はネットワークに接続することで,お互いの情報を共有し,互いに制御しあうといったことが可能となっている. 現在,日本ではECHONET LiteやDLNA(Digital Living Network Alliance)と言った規格が混在しており, 単体での利用しかできないのが現状である. また,近年はIoT(Internet of Things)の普及により.組み込みデバイスの発売も行われ始めている. ECHONETb Liteと言った規格や,組み込みのセンサーの情報を単一のインターフェイスで操作するためには,それぞれの差異を吸収するミドルウェアが必要となる. 本稿では,規格の違うデバイス同士の連携を可能にするミドルウェアを提案する. デバイスの連携とは,デバイスが持つ機能の連携である. また,機能の抽象度にも注目した. 異なる規格では,提供する機能の抽象度が異なるため,機能同士を連携させるためには,適切な処理が求められる. また,実環境での利用時のユースケースを上げ,実環境での優位性について考察した.. 最後に,関連する研究や技術との比較を行い,本提案システムの有効性を検証した.