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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 8F  ITS応用
日時: 2015年7月10日(金) 10:30 - 12:10
部屋: まきば
座長: 深澤 紀子 (鉄道総合技術研究所)

8F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名立地を考慮した可視ランドマークに基づく屋外歩行者案内
著者*竹田 健吾, 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学), 新田 知之, 進藤 大介 (ゼンリンデータコム)
ページpp. 1749 - 1755
キーワードナビゲーション, 歩行者, ランドマーク, 可視性, 経路探索
アブストラクト移動通信網や計算機の小型化・高性能化に伴い,携帯端末上で動作するナビゲーションアプリケーションが普及してきた.GPSを用いた歩行者用ナビゲーションアプリケーションは数多く存在するが,ランドマーク情報を案内に反映させるシステムは実用に至っていない.ランドマーク情報の欠落は曲がるべき分岐が把握できない可能性や分岐点を通り過ぎる可能性を生じさせ,歩行者の道迷いの原因となる.そこで本稿ではランドマークの可視性と立地を考慮した屋外歩行者案内手法を提案する.分岐点に到達する前から可視なランドマークをその分岐点にもつ経路は分岐点での指示が分かりやすくなることが期待でき,迷いにくさを向上させる.そこで提案手法は広範囲の地図データに対して高速なランドマークの可視判定を実現し,さらに可視性をリンクコストに含めた経路探索を行う.距離をコストにする最短経路探索の結果と提案手法による経路探索の結果を比較する実験結果から,曲がる回数を最小化しつつ分岐点にランドマークを持つ経路を探索できることを確認する.

8F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名車載カメラ利用に適した映像通信フレームワークの基本設計と試作
著者*樋口 健太, 平野 愛子, 柴田 史久, 木村 朝子 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 田村 秀行 (立命館大学総合科学技術研究機構)
ページpp. 1756 - 1763
キーワード高度道路交通システム, 車車間通信, 映像通信, 車載カメラ, 複合現実感
アブストラクトITSに関する技術が普及する中で,車両に搭載されるカメラ等のセンシング機器の高度化が進んでおり,衝突防止や駐車支援などに幅広く利用されている.現状,これらのセンシング機器から得られる情報は,搭載されている車両のみで利用される傾向が強いが,我々は,センシング情報などを他車両や個人が所有する端末などと共有することによって,安全性や利便性の向上に繋がるのではないかと考えた.以上のような考察のもと,本研究は,車載されたカメラやセンサから得られる情報を車車間や遠隔地において活用可能な映像通信フレームワークの実現を目的とする.本フレームワークでは,車載カメラやセンシング機器,情報提示デバイスをネットワークに接続された計算機ノードと定義し,各ノード間で映像等のマルチメディアデータを共有・利活用するための機能を提供する.本フレームワークを利用することで,車載センサから得られるカメラ映像やセンサ情報を連携させた様々なシステムが構築可能となる.本稿では,その第一段階として,提案フレームワークの全体設計や通信管理部の詳細設計および試作結果について述べる.

8F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名統合ドライビングシミュレータにおける地図変換方式
著者*小沼 寛, 兵藤 俊輔, 狩野 芳郎, 山門 誠, 清原 良三 (神奈川工科大学)
ページpp. 1764 - 1771
キーワードドライビングシミュレータ, ITS, 交通シミュレータ, 地図
アブストラクト近年、コンピュータの発展と共に車載情報機器が開発され、一般に向けて販売されている。しかし、これら原因で運転中に注意散漫となり、事故の起因となる場合がある。そのような場合、デザイン等を変更し評価を行うが、実際に運転をし、評価を行うには危険が生じるため、ドライビングシミュレータが利用さていることが多い。しかし、シナリオ化されたドライビングシミュレータの動きに慣れてしまうと正常な評価が行えなくなる可能性がある。そこで、ドライビングシミュレータとマルチエージェントを利用した交通シミュレータを統合すること提案する。本論文では、統合ドライビングシミュレータを開発するにあたり発生した幾つかの問題の内、地図の問題についての解決方法の考察を行い、解決方法の提案を行った。提案した方式により、特定のパターンにある地図ならば問題を解決できると考えられることを示す。

8F-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名Content-Centric Network上でのKey-Value Store型Vehicular Cloud Storage
著者*伊藤 大貴 (神戸大学), 毛利 公美 (岐阜大学), 白石 善明, 森井 昌克 (神戸大学)
ページpp. 1772 - 1779
キーワードVehicular Cloud Storage, Content-Centric Network, Key-Value Store, エリア限定コンピューティング
アブストラクト効率的な交通管理,交通安全のためにVehicular Networkを利用するアプリケーションが考えられているが,一般にはアプリケーションを実行するためには計算用のデータを蓄積するためのストレージサーバが必要となる.大規模なクラウドストレージはデータの管理方法としてKey-Value Store(KVS)を採用しており,REST(Representational State Transfer) によってストレージ内のコンテンツをURI(Uniform Resource Identifier)によって扱うことができる.このような仕組みはコンテンツに付けられたContentNameに基づいてコンテンツの要求や送信を行うContent-Centric Network(CCN)のネットワークアーキテクチャと親和性が高いと考えられる.本稿ではVANET(Vehicular Ad Hoc Network)上で構成されるVehicular Cloud Storage(VCS)を提案する.まず,CCN上で動作するKVS型のクラウドストレージの設計を行う(提案方式1).次に,移動耐性を持たせるために広告機能を追加する(提案方式2).そして,トラフィックシミュレータと連携したネットワークシミュレーションにより二つの提案方式を評価し,ファイルの書き込み,読み出し,一覧表示の機能が動作することを確認した.提案方式2は移動耐性に効果があることを確認した.