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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 3D  ナビゲーション
日時: 2015年7月8日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 奥入瀬
座長: 西尾 信彦 (立命館大学)

3D-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名歩行者向けナビゲーション評価のための仮想空間システムの構築
著者*嶋田 光佑 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (名古屋大学未来社会創造機構), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部), 河口 信夫 (名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 553 - 560
キーワード仮想空間, VR, 歩行者ナビゲーション評価
アブストラクト本研究では,地図と実世界との対応付けを行うことを空間認識と呼び,その能力のことを空間認識能力と呼ぶ.歩行者向けナビゲーションシステムは目的地まで早く正しい経路でたどり着くために有効であるが,歩行者向けナビゲーションシステムには様々な手法が存在し,空間認識能力の個人差によって,あるナビゲーションを有効活用できる人とできない人が存在する.本研究では,空間認識能力の個人差,また迷いやすい人と迷いにくい人で空間認識がどう違うのかを得ることを目的とする.ナビゲーションの案内を受けながら目的地まで移動を行う実験ができる仮想空間システムを実装し,3種類の被験者実験を行った.実験で取得したデータを解析することで,ナビゲーション開始後何度も案内を見る人や大通りに出ると迷わなくなる人などといった個人差や,道に迷いにくい人は道に迷いやすい人と比べて,ナビゲーションの案内を見る時間が短く,案内を1回見るあたりに進む距離が長いといった,迷ったか迷っていないかに応じた差を得た.

3D-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名歩行者向け音声ナビゲーションのためのIndoorGML拡張データモデルの提案
著者*飯田 啓量 (名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻), 廣井 慧 (名古屋大学未来社会創造機構), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部), 河口 信夫 (名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 561 - 567
キーワードIndoorGML, ナビゲーション, データモデル, 音声, ランドマーク
アブストラクト我々は,歩行者向けナビゲーション手法の一つとして,ランドマークの視認性に基づく音声によるナビゲーションを提案してきた.この手法では,ユーザの位置から視認可能なランドマークを利用した音声ガイドを用い,音声のみでナビゲーションを行う.このようなシステムを汎用的に利用するためには,データモデルを標準化する必要がある.我々は,OpenStreetMapを参考にしたデータモデルを用いて音声ナビゲーションシステムの基盤を構築してきた,この基盤のデータモデルをIndoorGMLに拡張し,データモデルの標準化を考える.まず,この基盤システムを用いて,名古屋駅地下街における歩行者向け音声ナビゲーションの実証実験を行った.実証実験から得られた結果を考察し,音声ナビゲーションに必要なランドマーク利用に関する情報について再検討する.その後,現在標準化されているIndoorGML1.0に,視認可能空間とランドマーク空間を追加定義し,歩行者向け音声ナビゲーションのためのデータモデルを提案する.

3D-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名駅および停留所情報を利用した公共交通機関乗車時の誤り乗車検出
著者*神保 拓也, 佐伯 翼 (東京農工大学 大学院 工学府 情報工学専攻), 藤波 香織 (東京農工大学 大学院 工学研究院 先端情報科学部門)
ページpp. 568 - 574
キーワードナビゲーションシステム, モバイルコンピューティング, 行動認識, GIS, 位置情報システム
アブストラクト本研究では, 公共交通機関の利用に不慣れなユーザを対象とした公共交通機関利用時の誤り検出方法の提案を行う. 検出すべき誤りとして, 乗車車両の路線や反対方向への乗り間違いに着目し, 乗車中の車両の進行方向を推定することにより問題解決を図る. 加速度・地磁気センサを用いたユーザの移動手段の推定, 端末GPSと駅(停留所)に関する位置情報や路線情報といったGISデータを用いた進行方向の推定について実装を行った. 評価実験では, 被験者14名分の行動データに対して移動状態の推定結果(F値)が90.5%, 6路線の進行方向の平均正解率が90.8%という結果が得られた.

3D-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名大船渡におけるNFC・QRコードを用いたツーリズムアプリケーションの実証
著者*篠原 雅貴 (東京電機大学大学院未来科学研究科情報メディア学専攻), 日向 慧, 飯塚 直亮 (東京電機大学未来科学部情報メディア学科), 岩堀 哲也 (東京電機大学工学部第二部情報通信工学科), 川崎 以七海, 三輪 洋介 (東京電機大学未来科学部情報メディア学科), 岡田 謙吾 (株式会社リプロ), 森川 祐亭 (大船渡津波伝承館), 岩井 将行 (東京電機大学未来科学部情報メディア学科)
ページpp. 575 - 580
キーワードNFC, QRコード, ユーザ参加型センシング, ツーリズム, チェックラリー
アブストラクト東日本大震災後4年が経過し災害の復興が進む中,特に被災地以外の人々の記憶の風化が進んでいると言われている.そこで我々は2015年3月8日,岩手県大船渡市でスマホdeチェックラリーを開催した.本イベントは大船渡市の各地に埋設されている株式会社リプロの復興情報杭をチェックポイントとしてチェックラリーを行う.復興情報杭にはNFCタグとQRコードが取り付けられ,本研究で開発したチェックラリーアプリケーションを起動した状態でそのどちらかを読み取り,読み取った情報がアプリケーション内に登録されていた場合はスマートフォン内のパズルの一部が埋めることができる.しかし,ピースを集める機能のみでは紙面で行うスタンプラリーと差がない.そこで,スマートフォンによって実現可能なナビゲーション機能,行動認識機能,雑談対話機能,杭情報閲覧機能,チェックラリー機能をアプリケーションに実装し,チェックラリー中にはスマートフォンに搭載されたセンサのログとアプリケーションの画面遷移ログを記録しアプリケーション利用状況の分析を行った.イベント終了後,参加者には本イベントとアプリケーションの評価アンケートを実施した.