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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 2G  センサデータの収集と処理
日時: 2015年7月8日(水) 15:50 - 17:30
部屋: リゾートセンター1
座長: 廣森 聡仁 (大阪大学)

2G-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名サーバ機能付きWi-Fi APを利用したファイル共有方法の提案と実装
著者*本橋 史帆 (お茶の水女子大学), 高井 峰生 (お茶の水女子大学/UCLA), 黒崎 裕子, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 429 - 432
キーワード無線LAN, ファイル共有システム, 無線マルチホップ
アブストラクト近年,モバイル端末の普及やカメラ機能の向上,ネットワーク環境の発達に伴い,多くのモバイル端末ユーザが,旅行先やイベント会場などで写真や動画を撮影し,その場で,友人間またはイベント参加者間で共有し合いたいといった場面が多く見られるようになった.現在利用されている共有方法として,E-Mailのようなメッセージにファイルを添付する方法,Bluetooth等を利用し端末間で直接接続する方法等が挙げられる.しかし,これらの方法には距離的制限,データサイズの制約や共有相手の制限がある.そのため,共有相手が非限定的,かつ,ネットワーク環境があればいつでもどこでも利用できるという利点を持つ,SNSサイトや写真共有サイトを介してファイルを共有する方法が主流となっている.一方で,この方法にも,バックホール回線の太さや輻輳などといった有線ネットワーク環境に通信時間が大きく左右される点,扱うデータ量が大きくなると通信時間が長くなり利便性が低下する点が問題となる.そこで,本研究では,近年の無線通信品質の向上に着目し,サーバ機能を備えたWi-Fi APを利用したファイル共有方法を提案し,その評価を行う.

2G-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名無線散乱光センサとSW-SVRを用いた養液栽培制御システム
著者*兼田 千雅 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 井林 宏文 (静岡大学大学院情報学研究科), 大石 直記 (静岡県農林技術研究所), 峰野 博史 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
ページpp. 433 - 440
キーワード無線散乱光センサ, SW-SVR, 農業, 予測制御, 時系列データ予測
アブストラクト農業分野では,センサネットワークを用いて農作物の生育状況や栽培環境を把握し,その時の状況に応じた制御を自動的に行うシステムが急速に普及している.これらのシステムは農業従事者の栽培を再現し,高品質な作物を栽培することを目的としている.しかし,農業経験が浅いシステムユーザは,機器制御に関する設定値を常に適切に設定することは難しく,既存システムを用いて農業従事者の栽培を再現するためには高度な知識と経験や勘が必要だった.本研究では,農業従事者の栽培で実施される予測制御を人の介在無しに高精度かつリアルタイムに再現するため,時系列データ予測に特化した SW-SVR を用いた施設園芸環境向け知的制御システムを提案する.SW-SVR は,現在の環境に特化した予測モデルの構築と再構築を自律的に繰り返すことで,計算量を削減しつつ高精度な予測を実現する.さらに,提案システムのプロトタイプとして,無線散乱光センサと SW-SVR を用いた養液栽培制御システムを実装した.無線散乱光センサは,施設園芸環境の環境データの計測と植物の成長度の推定を行う無線センサであり,農業データに対する予測に役立つ.プロトタイプを用いた現場実証実験を実施したところ,SW-SVR は植物の 6 時間後までの窒素吸収量の予測誤差を SVR と比べ約 45.04%削減することに成功した.

2G-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名受信端末の状況に応じて配信周期を選択するセンサデータストリーム配信システム
著者真子 広大 (大阪大学工学部電子情報工学科), *石 芳正 (大阪大学サイバーメディアセンター), 川上 朋也 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科/大阪大学サイバーメディアセンター), 義久 智樹 (大阪大学サイバーメディアセンター), 寺西 裕一 (独立行政法人情報通信研究機構/大阪大学サイバーメディアセンター)
ページpp. 441 - 448
キーワードセンサデータストリーム, 配信周期選択, IoT
アブストラクトこれまで様々なセンサデータストリーム配信手法が提案されているが,これらの手法では,センサデータを最終的に受け取る受信端末の状況を考慮した配信については考えられておらず,異なる性能や接続形態を持つ端末が混在する IoT 環境において端末の要求通りに配信を行うことは,データの取りこぼしや配信の遅延につながる可能性が考えられる.IoT 環境を構成する受信端末は,安定した周期でのセンサデータストリーム配信を前提としている場合があり,データの取りこぼしや配信の遅延により誤動作を生じさせる可能性がある.本研究では,データの取りこぼしや配信の遅延を減らすため,端末の状況に応じて配信周期を選択するセンサデータストリーム配信手法を提案する.実機を用いた WiFi 環境での評価の結果,データの取りこぼしや配信の遅延を削減できることが確認できた.

2G-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名複数の異なる配信周期を扱うP2P型センサデータストリーム配信システムのスキップグラフによる実現方法の検討
著者*川上 朋也 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科/大阪大学サイバーメディアセンター), 石 芳正, 義久 智樹 (大阪大学サイバーメディアセンター), 寺西 裕一 (独立行政法人情報通信研究機構/大阪大学サイバーメディアセンター)
ページpp. 449 - 455
キーワードセンサデータ, データストリーム, 配信周期, 分散処理, Skip Graph
アブストラクトセンサデータを周期的に収集して,収集するたびに利用者に対して配信するセンサデータストリーム配信が近年注目されている.本研究では,複数の異なる配信周期を扱うセンサデータストリーム配信システムにおいて,Skip Graphの階層的なリンク構造を用いた実現方法を検討する.検討する実現手法では,各ノードが要求する配信周期をキーとして順に並べ,Skip Graphの階層的なリンクを構築する.各配信時刻においては,その時刻に関係する配信周期をキーとするノードを探索し,配信元からのデータを転送する.本研究では,キーの値によって昇順に並べた場合と降順に並べた場合を比較する.