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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム

セッション 1C  車々間通信とDTN
日時: 2015年7月8日(水) 13:50 - 15:30
部屋: 花輪
座長: 屋代 智之 (千葉工業大学)

1C-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名車両走行情報を利用した効率的車々間データ通信
著者*川上 智史, 多田 正範, 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻)
ページpp. 64 - 71
キーワードITS, 車々間通信, 車両走行情報
アブストラクト自動車の安全性や運転者の快適性向上を目的とした知的交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の研究が盛んに行われており,多数のアプリケーションが登場すると予想される.また,アプリケーションの多様化に伴い,必要となるデータは増大している.しかし,車両1台で収集可能な情報は限られるため,車両同士が相互に通信を行う車々間通信によって他車が取得した情報を共有する必要がある.状況によっては直接通信できない車両と通信することもあるため,他車両が中継するといったことが考えられる.このとき,データの有用性を考慮せずに伝送すると無駄な伝送が生まれるため,効率的にデータを伝送する手法が必要である. 本研究では,データの伝送が多くなる状況でも効率的に車両情報を伝送する手法を提案する.シミュレーション評価により,既存手法と比較して送信パケット数と遅延時間の削減,パケット到達率の向上を確認できた.

1C-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名衝突警告のための車車間通信の性能評価
著者*伊藤 速, 輪湖 謙太 (東京工業大学), 村瀬 勉 (名古屋大学), 笹島 和幸 (東京工業大学)
ページpp. 72 - 80
キーワード車車間通信, QoS, 衝突, キャプチャエフェクト
アブストラクトIEEE802.11p(車車間通信用無線LAN)を用いた衝突警告アプリケーションにおいては、所望のタイミング(衝突までの時間)で所望の受信頻度が得られるかを評価することが重要である.IEEE802.11pはCSMA/CAを用いるため、受信頻度は、主に通信可能範囲に存在する車両数とキャプチャエフェクトおよび車両の速度によって決まる.すでに、もっとも厳しい条件である正面衝突に関する受信頻度に関しての評価がなされているが、本研究では、衝突回数が多いと思われる交差点での衝突について、同様の評価を行った.その結果,所望の受信頻度が得られるのは、正面衝突においては、150台程度にとどまるのに対して、交差点衝突においては、200台程度までであることを明らかにした.また、所望の受信頻度が得られるタイミングも正面衝突に比べて、かなり長くできるということが明らかになった.

1C-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名車両群における車々間通信の研究
著者*村瀬 昴, 鈴木 彰真, 村田 嘉利 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
ページpp. 81 - 85
キーワードITS, コンシューマシステム
アブストラクト一般に自動車を運転する際の挙動は周囲の他車両の動きに左右される.運転手は,適切な運転を行い,他車両の動きにうまく協調することで,事故や渋滞,燃費の悪化を防止できる.しかし,運転手の目視での状況判断だけでは限界がある.この問題を解決するための方法の一つに車々間通信を用いてデータマイニングを行い,得られた情報を用いて運転をアシストする技術がある.現在の研究のほとんどが前方の車両から後方の車両や周囲の車両への一方通行による通信であり,通信に対する応答や要求といった点が考慮されていない.そこで,本研究では赤外線LEDを使用した,双方向の車々間通信プロトコルを提案し,そのプロトコルの有効性を検証する.

1C-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名災害時のDTN対応安否確認アプリケーションのシミュレーション評価
著者*高田 千暁, 黒崎 裕子 (お茶の水女子大学), 高井 峰生 (お茶の水女子大学/UCLA), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 86 - 91
キーワードネットワークプロトコル, 分散処理, P2P, WEBサービス, 無線・移動体
アブストラクトインターネットは情報交換・共有システムとして社会・経済のインフラともいえる役割をはたしており、社会のネットワーク依存度はますます高まってきている。それに伴い、従来想定されていなかったような劣悪な環境下での通信要求が生じた。中でも、地震などの災害によってその機能や性能が低下、停止した場合の緊急代替情報交換手段を事前に設計し準備しておくことは地震大国である日本にとって防災や減災を考える上でも大変重要になってくる。現在においても、アプリケーションや各キャリアからの安否掲示板など地震や災害に備えたサービスは存在するが、これらはインターネットが機能していることを前提としている。 そこで本研究では、地域的にインターネットが機能しない劣悪な条件下でも、部分的に稼動しているサーバ機能付 Wi-Fi アクセスポイントと Delay/Disruption Tolerant Network(DTN) 技術を利用して安否確認が行える通信アプリケーションを開発しその実装とシミュレーションでの評価を行った。

1C-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名A Study for Residual Inter-Contact Time in Homogeneous Opportunistic Networks
著者*Juntao Gao, Minoru Ito (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 92 - 96
キーワードopportunistic network, DTN, residual inter-contact time
アブストラクトWith wide deployment of portable mobile devices, a new promising communication paradigm, opportunistic networks (OppNets), attracts more and more attention in both academy and industry. In OppNets, a message arriving at a mobile node could be transmitted to another mobile node when they opportunistically move into each other's transmission range (called contacting each other), and after multi-hop similar transmissions the message will finally reach its destination. Therefore, for one message the time interval from its arrival at a mobile node to the time the mobile node contacts another node constitutes an essential part of the message's whole delay. Thus, studying stochastic properties of this time interval between two nodes lays a solid foundation for evaluating the whole message delay in OppNets. Note that this time interval is within the time interval between two consecutive node contacts (called inter-contact time) and it is also referred to as residual inter-contact time. In this paper, we derive the closed-form distribution for residual inter-contact time. First, we formulate the contact process of a pair of mobile nodes as a renewal process, where the inter-contact time features the popular Pareto distribution. Then, we derive, based on the renewal theory, closed-form results for the transient distribution of residual inter-contact time and also its limiting distribution.