題名 | Reed-Muller符号の限界距離t+2復号法に関する研究 |
著者 | *田邉 義直, 日下 卓也 (岡山大学大学院自然科学研究科) |
キーワード | Reed-Muller符号, 限界距離復号法 |
アブストラクト | 最少距離により定義される限界距離tまでの誤りを訂正可能な限界距離t復号法(BDD-t)がよく知られている.また,t+1個,t+2個までの誤りを訂正可能な限界距離t+1復号法(BDD-t+1),限界距離t+2復号法(BDD-t+2)が知られている.それぞれの単純な実装では,BDD-tを繰り返し用いるため計算量が大きくなる. 本研究では多数決論理復号法によりBDD-tが実装可能な Reed-Muller符号を取り上げ,BDD-tの平均使用回数を小さくすることでBDD-t+2を効率化するアルゴリズムの提案をし,シミュレーションにより,提案手法の有効性を示す. |
題名 | Reed-Muller符号のChase2復号法の効率化 |
著者 | *椙原 徹朗, 日下 卓也 (岡山大学大学院自然科学研究科) |
キーワード | Chase復号法, Reed-Muller符号, 多数決論理復号法 |
アブストラクト | 軟判定復号法であるChase2復号法が知られている.また,Chase2復号法はReed-Muller(RM)符号においては多数決論理復号法に基づく限界距離t復号法を,受信系列から得られる複数のテスト系列に用いることで実現できる.多数決論理復号法は,受信系列から得られる検査和の多数決によって復号を行うもので,RM符号のChase2復号法では,異なるテスト系列に多数決論理復号法を実行する際,それぞれのテスト系列において,多数決結果が同じになり,重複計算が発生する場合がある.そこで,本研究では,多数決結果が同じになる重複計算の一部を削減することで,Chase2復号法のビット誤り率を悪化させることなく平均計算量を減らし,効率化する手法を提案する.そして,性能評価を行い,有効性を示す. |
題名 | 2-switch近傍に基づく大域クラスター係数極大グラフに関する一考察 |
著者 | *栗城 亮夏, 高橋 規一 (岡山大学) |
キーワード | 複雑ネットワーク, クラスター係数, 2-switch |
アブストラクト | クラスター係数はネットワークの緊密さを表す重要な指標である.しかしながら,クラスター係数の数学的性質は完全には解明されていない.例えば,Wattsは1999年に出版された彼の著書の中で,与えられた頂点数と辺数をもつグラフの中でクラスター係数を最大にするものは何かという基本的問題を提起しているが,これは未だに解決されていない.この問題に関連して,深海と高橋は,与えられた頂点数と次数列をもつグラフの中で,2-switchとよばれるグラフ変換によって平均局所クラスター係数が増えることのないグラフについて考察し,その具体例を与えた.本稿では,平均局所クラスター係数を大域クラスター係数に置き換えて彼らと同様の解析を行い,クラスター係数の定義の違いによって結果がどのように変化するかを調べる. |
題名 | BSP並列計算モデルによるアルゴリズムの性能評価 |
著者 | *久我 拓也 (山口大学工学部), 米田 真也, 伊藤 暁, 王 躍 (山口大学大学院理工学研究科) |
キーワード | 並列アルゴリズム, MPI |
アブストラクト | Bulk Synchronous Parallel(BSP)は並列アルゴリズムを実現するための計算モデルの1つである.本研究ではBSPモデルにおけるプロセス間の通信時間に着目する.まず,MPIで実装したC言語のプログラムを用いてBSPの通信コスト関数に含まれるパラメータを計測し,これらのパラメータがMPIで提供されている通信方法やプロセッサ数,およびデータ数に依存しているかどうかを検証する.また,BSPアルゴリズムを実装したプログラムを用いてMPIにおけるBSPモデルの検証を行い,その可予測性の有効性を示す. |
題名 | 井上式三角定規による距離計算について |
著者 | *米田 真也, 伊藤 暁 (山口大学大学院理工学研究科) |
キーワード | 航海学, 距離計算 |
アブストラクト | 井上式三角定規によれば,船上である物標の水平線から の迎角が計測されたとき,その透明アクリル板上に描かれ たグラフ線図ならびに任意の海図上の緯度線経度線を利用 することで,電気的あるいは機械的な機構無しで簡易に当 該物標までの距離を求めることができる[1–3].本研究で は,井上式三角定規の計算原理についてまとめ,厳密な計 算原理とその精度を比較し,最後にその改良点を幾つか提 案する. |