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平成27年度 (第66回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 0603  20. コンピュータネットワーク-(1)
日時: 2015年10月17日(土) 14:00 - 15:05
部屋: D32 (→地図)
座長: 稲井 寛 (岡山県立大学)

20-1 (時間: 14:00 - 14:13)
題名複数アプリケーション存在下におけるマルチパスTCPのスループット評価
著者*陳 晨, 福山 諒, 福島 行信, 横平 徳美 (岡山大学大学院自然科学研究科)
キーワードマルチパスTCP, MPTCP, 局所輻輳制御, 受信バッファ最適化, スループット公平性
アブストラクトLinuxにおけるMPTCPの実装には,アプリケーションのスループットの公平性確保のために局所輻輳制御と呼ばれる機構および受信側端末の性能劣化防止のために受信バッファ最適化と呼ばれる機構が組み入れられており,これらの機構は,アプリケーションのスループットを大きく左右する.本論文では,2つのアプリケーションが同時に存在する環境を前提に,スループットの評価を行っている.数値例によれば,最悪ケースで見た場合,局所輻輳制御を有効にすることにより,受信バッファ最適化が有効の時, 2つのアプリケーションのスルプット比を2:7から4:5に改善し,受信バッファ最適化が無効の時,その比を1:8から1:2に改善している.

20-2 (時間: 14:13 - 14:26)
題名サーバ移動トラヒックの背景トラヒックへの影響に関する実験的評価
著者*合田 一歩, 福島 行信, 横平 徳美 (岡山大学大学院自然科学研究科)
キーワードサーバ移動サービス, サーバ移動トラヒック, ライブマイグレーション
アブストラクト近年ネットワークアプリケーションの稼働環境として通信品質の劣化を回避できるサーバ移動サービスが提案されている.サーバが移動する際には膨大なトラヒックが流れるため,その経路上を流れる他のトラヒックの通信品質は大きく劣化する.本研究では,実験的評価によりサーバ移動トラヒックが背景トラヒックに及ぼす影響を定量的に評価する.実験の結果,サーバ移動トラヒックの影響により,背景トラヒックとしてファイルを転送した場合,ファイル転送時間は20%程度増加すること,背景トラヒックのスループットは6~42%低下し,その低下の程度は背景トラヒックのTCPコネクションの数が少ないほどより大きくなることを明らかにした.

20-3 (時間: 14:26 - 14:39)
題名MAC Level 2hopブロードキャストプロトコルに関する一検討
著者*國安 哲郎, 重安 哲也 (県立広島大学経営情報学部経営情報学科)
キーワードブロードキャスト, アドホックネットワーク, 指向性受信
アブストラクトIEEE802.11におけるアドホックネットワークでの隠れ端末問題の影響を軽減するために,指向性受信を導入したRTBーDRが提案されている. RTBーDR方式ではRTS/CTS交換を行うが,そのCTSに記載するduration値を調整すれば,隠れ端末の送信延期時間を意図した長さに設定できる. 本稿では,送信端末から正しくブロードキャストを受信した隣接端末のうち,予め指定された複数の端末が,ブロードキャストパケットの受信後に,ただちに送信端末から2hop先の端末へブロードキャストパケットを転送する機能を追加することで,低遅延で既存手法より広範囲となる2hopブロードキャストを実現する手法を提案する.

20-4 (時間: 14:39 - 14:52)
題名災害時におけるDTNを用いた効率的な情報配信先選定アルゴリズム
著者*足立 梨恵, 重安 哲也 (県立広島大学)
キーワードDTN, 災害情報伝達, 無線LAN
アブストラクト地震などの災害発生時に,被害の拡大を防ぐためには人命救助,状況確認などを一刻も早く行う必要がある.そのためには迅速かつ正確な情報収集も不可欠となる.しかし,災害時はその影響によって既設の通信インフラが利用できない可能性がある.そこで,我々は,災害時であっても機能する情報伝達手法について検討を行い,避難所間無線ネットワークシステムの提案を行ってきた. 本稿では,我々のこれまでの研究に引き続き,同ネットワークシステムの高度化に向けて実施した検討内容について報告する.

20-5 (時間: 14:52 - 15:05)
題名災害時のすれ違い通信による道路通行実績の共有効果に関する一検討
著者*山崎 加菜, 重安 哲也 (県立広島大学 経営情報学部)
キーワードDTN, 災害情報交換
アブストラクト災害発生時,被災者は迅速かつ安全に避難所まで避難することが求められる.しかし,避難経路となる道路が災害の影響により通行不可能となる場合もあり,通常と同じように避難所までの最短経路だけを選択し避難することは難しい.そこで本稿では,スマートフォンの自律通信機能を利用したDTN (Delay Tolerant Network)を被災者間で構築し,被災者どうしがすれ違う際に各々がそれまでに通行してきた道路情報を通行可能道路として交換することを考える.また,これによって得られた通行実績のある道路のみから避難所までの最短距離を設定し,バックトラックなしの避難経路構成について検討することで,災害時に被災者間でDTNを用いた情報共有を行うことの有効性について議論する.