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平成27年度 (第66回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 0502  6. 電力系統I-(2)
日時: 2015年10月17日(土) 10:30 - 11:35
部屋: D31 (→地図)
座長: 川原 耕治 (広島工業大学)

6-6 (時間: 10:30 - 10:43)
題名電源制限を考慮した臨界トラジェクトリー法
著者*梶本 眞之介, 餘利野 直人, 松原 好宏, 造賀 芳文, 佐々木 豊 (広島大学 大学院工学研究科), 杉原 弘章 (中国電力)
キーワード電力系統, 過渡安定度解析, 臨界故障除去時間, 臨界トラジェクトリー, 電源制限
アブストラクト電力系統は常に外乱にさらされており,多数の想定故障下で発電機の安定度を高速かつ高精度に解析する必要がある。従来の過渡安定度解析手法として,正確に安定度判別を行えるが長い計算時間が要求されるシミュレーション法と,高速計算が可能だが精度が悪いエネルギー関数法が存在した。これに対して筆者らは,系統の安定限界に相当する動揺方程式の解を計算し,故障の除去を行う際に,系統が再び正常な運用状態に戻ることができる限界の故障除去時間のことである臨界故障除去時間(CCT:Critical Clearing Time)を求める手法を提案してきた。本稿では提案法に対し,電力系統内の異常に際して系統の崩壊を防止するため,制御装置により一部の電源を緊急遮断および出力制限する電源制限の適用を行い,結果について検討を行った。

6-7 (時間: 10:43 - 10:56)
題名需給制御シミュレータの開発-不確定環境下における負荷周波数制御-
著者*信長 翔太, 朝田 光雅, 岡野 尚輝, 佐々木 豊, 造賀 芳文, 餘利野 直人 (広島大学大学院 工学研究科)
キーワード需給制御シミュレータ, 再生可能エネルギー電源, 負荷周波数制御
アブストラクト近年,環境負荷低減の観点から運用時に化石燃料を消費しない再生可能エネルギー電源が注目されている。特に,太陽光発電(PV),風力発電(WT)については,国策により積極的な導入設置が行われている。一方, PVやWTは天候に応じて出力が変動するため,既存系統の火力発電機や分散型電源であるディーゼル発電機等の可制御電源によって,出力制御を行いながら供給安定化を図らなければならない。本稿では著者らが開発中の需給マネージャの機能の一部である負荷周波数制御に焦点を当て,小規模電力系統にPV,WTおよび蓄電池が導入された状況を想定する。そのモデルにおいて供給信頼度を維持しながら,運用できるロバストな需給制御の開発に向けた需給制御システムの概要とシミュレータ構築を論じる。

6-8 (時間: 10:56 - 11:09)
題名低速制御機器を対象とした無効電力価値評価
著者*岡田 和樹, 餘利野 直人, 佐々木 豊, 造賀 芳文 (広島大学大学院 工学研究科)
キーワードアンシラリーサービス, 電圧安定性, 無効電力価値評価, 無効電力機器, 負荷遮断
アブストラクト電力系統の信頼度維持には,計画されている時間断面ごとの運用状態に対して,想定故障発生時における電圧安定性が求められ,併せて経済的な系統運用も要求される。そのため,その信頼度を維持する点で系統運用上における適正な経済評価を行うことが,アンシラリーサービス評価の一つとして重要視されている。先行研究では,電圧安定性・経済性を考慮した無効電力機器設置計画問題の定式化と解法を提案し,機器設置効果の検討を行ってきた。本稿では,様々な系統運用状態を想定し,系統に設置する無効電力機器の無効電力価値を有効電力との対比により,係数として算出し系統への影響を評価するとともに,実質的な機器の価格設定手法の提案を行う。

6-9 (時間: 11:09 - 11:22)
題名蓄電池運用計画を考慮した動的経済負荷配分法の基礎的検討
著者*岡野 尚輝, 佐々木 豊, 造賀 芳文, 餘利野 直人 (広島大学)
キーワード経済負荷配分, 太陽光発電, 需給運用
アブストラクト近年,環境負荷低減の観点から,太陽光発電(PV)や風力発電(WT)の導入設置が急速に進んでいる。将来,PVやWTの導入拡大や電力系統全体の効率的運用および供給信頼度の維持を考慮すると,制御可能な電源のポテンシャルを十分に解析し最大限に利用していくことが不可欠である。しかし,発電機容量が小さい系統では,需給制御が非常に困難になる。その中でも,待機予備力を考慮した経済負荷配分を行うことは重要な問題である。そこで,小規模電力系統に対してリアルタイムで指定時間先までの発電機出力計画と予備力待機計画を策定するダイナミック経済負荷配分法を基にした,蓄電池運用計画法を提案し,需給不均衡が発生した際に提案アルゴリズムが有効に機能することを検証する。

6-10 (時間: 11:22 - 11:35)
題名ロバスト信頼領域を用いた電力需給状況の評価に関する基礎的検討
著者*今村 亮太, 藤本 陽大, 餘利野 直人, 佐々木 豊, 造賀 芳文 (広島大学), 奥本 芳治 (中国電力)
キーワードロバスト信頼度, 不確定性, 太陽光発電
アブストラクト太陽光発電(PV)は,2030年までに53GW導入する目標値が明確に設定されている.一方,PV予測精度が十分高くなければ,その出力不確定性が電力システムに悪影響を及ぼす可能性がある.この影響度を評価するために,著者らは不確定環境下においても従来の供給信頼度の基準を満たす条件を整理し,ロバスト信頼度という新たな概念を提案してきた.先行研究では,ロバスト信頼領域の1つであるロバスト静的信頼領域(RSS)の定式化を行い,その効率的な計算手法を開発した.本稿では,発電機の出力変化率制約を新たに導入し,別途開発している発電機需給計算プログラムを利用した,電力需給状況の評価に関する基礎的検討を行う.