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平成27年度 (第66回) 電気・情報関連学会中国支部連合大会

部門: セッション 0101  10. アンテナ・電磁波-(1)
日時: 2015年10月17日(土) 9:00 - 10:05
部屋: D21 (→地図)
座長: 岸原 充佳 (岡山県立大学)

10-1 (時間: 9:00 - 9:13)
題名金属円柱がコムライン型に配置された左手系媒質とその伝搬特性
著者久保 洋, *村田 真成, 真田 篤志, 山本 綱之 (山口大学大学院理工学研究科)
キーワード左手系媒質, 分散特性, 通過反射特性
アブストラクト左手系媒質の構成方法として負の誘電率及び負の透磁率を得るため,2種類の要素が利用されている.一方で金属円柱のみで単位セルが構成され,これらをインターデジタル型に配置した構造が提案されている.本発表では2本の金属円柱をコムライン形に配置した左手系媒質を提案し,インピーダンスや反射特性を示す.構造は金属円柱のペアがx軸方向に平行で同じ位置に置かれている.x軸方向に偏波した波がz軸方向へ伝搬する場合を考え,ここでは単位セルの上下面に電気壁を置いた構造を伝搬するモードについて検討する単位セル構造に対する透過,反射係数から正規化インピーダンスを求めた.この正規化インピーダンスの変化が緩やかなほど,4個の単位セルが並んだ媒質の透過,反射係数は,帯域が広く,また反射係数も小さくなっている.

10-2 (時間: 9:13 - 9:26)
題名スタブに共振構造を持つ導波管型右手/左手系複合線路
著者*杉 芳朋, 久保 洋, 真田 篤志, 山本 綱之 (山口大学大学院理工学研究科)
キーワード左手系線路, 導波管, 分散特性, 反射係数の位相特性, スタブ長
アブストラクト導波管型左手系線路として, 導波管の下にスタブ導波管を取り付けた構造が提案されている. 本発表では, スタブに共振構造を形成し, スタブ長を短くすることを検討する. 左手系線路は並列のインダクタンスと直列のキャパシタンスで構成される.金属板の付いた金属角柱をスタブ内に置く.金属板と角柱のインダクタンスと,金属板とスタブ導波管の金属壁のギャップのキャパシタンスで並列共振を起こす.上部導波管下面より入ってきた波の反射係数の位相は基準面において共振周波数で0 となる.この面におけるインピーダンスZinはこれより高い周波数で容量性となり,左手系モードの伝搬条件を満たす.共振構造を付けることでスタブだけの従来構造に比べてスタブ長が短くなる.

10-3 (時間: 9:26 - 9:39)
題名金属円柱が互い違いに配置された導波管型右手/左手系複合線路の伝搬と放射特性
著者*貞升 翔吾, 久保 洋, 真田 篤志, 山本 綱之 (山口大学大学院理工学研究科)
キーワード左手系線路, 導波管, 左手系モード, 分散特性
アブストラクト導波管型左手系線路として, 導波管の下にスタブ導波管を取り付けた構造が提案されている. 本発表では, 導波管内に金属円柱を配置した左手系線路を検討する.導波管の中心面から対称な位置に二列の金属円柱が z 軸方向に並んでいる. 導波管の上面と下面に取り付けられた金属円柱のペアが周期的に並ぶことで円柱列を構成している. この金属円柱のペアには, 金属円柱と導波管上下面とのギャップの電界が同相となる共振と, 逆相となる共振がある.導波管のパラメータを調整することによって, バランスのとれた右手/左手系複合線路となる. さらに導波管上面にスロットを空けて周波数を変化させることにより60 度から120 度までビーム走査ができる.

10-4 (時間: 9:39 - 9:52)
題名森林環境における地表面付近の伝搬
著者*山根 諒平, 得納 樹, 濱崎 利彦 (広島工業大学)
キーワード電波伝搬, WSN, 森林, ITU-R, COST235
アブストラクト森林環境において無線システムを構築する試みは多い。Wireless Sensor Network(WSN)もその1つであり、有用な環境監視手法として期待されている。しかし、森林環境で伝搬シミュレーションを用いることは自然物のモデリングの困難性から現実的ではなく、現在でも単純な周波数と距離の関数とである森林損失モデル式が利用されている。しかし、これらの多くはセルラのような基地局-端末間通信を行うシステムを主な対象としており、WSNのような地面に近い端末間通信システムに必ずしも対応しているわけではない。本稿では通信実験を実施し、代表的な森林減損失モデルであるITU-Rモデル、COST235モデルと比較することで近距離地面伝搬に対する森林損失の扱いについて考察する。

10-5 (時間: 9:52 - 10:05)
題名ショートパッチ給電双方向ビーム誘電体アンテナ
著者*秋好 成道, 日下 道康, 風呂川 尚史, 小西 善彦 (広島工業大学工学部電気システム工学科)
キーワードDielectric Antennas, Small Antennas, Dual beam, Antenna radiation Patterns
アブストラクト比誘電率3程度の一般的な樹脂を電波の放射体として用い,左右2方向に指向性を形成する双方向ビーム誘電体アンテナの検討を行う.このアンテナは,ガラス繊維強化PTFE基板に1/4波長ショートパッチアンテナを構成し,ショートパッチの上にポリ乳酸の誘電体構造体を密着させて給電することにより双方向ビームを得る.周波数5.0GHzでの放射指向性実験の結果,測定に用いた金属地板の影響で,垂直面放射パターンにはリップルが発生したが,垂直/水平面とも計算値に対応した主偏波測定結果が得られ,双方向ビームの実現を確認した.交差偏波も-20dB以下の結果が得られた.また,ピーク利得は計算値9.6dBiに対して,測定値8.4dBiとなった.