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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム

セッション 7A  インタラクティブコンテンツ
日時: 2018年7月6日(金) 8:30 - 10:10
部屋: 桐壺の間
座長: 義久 智樹 (大阪大学)

7A-1 (時間: 8:30 - 9:10)
題名(招待講演) Barrier-fully, rather than Barrier-free:人間の弱さを前提とした知的活動支援
著者西本 一志 (北陸先端科学技術大学院大学)
ページp. 1327
キーワード支援システム, 知的活動, 妨害要素
アブストラクト講演者は,これまで約25年間にわたって,人々がより創造的に活動できるようにするための支援手段や支援システムについての研究を推進してきた.具体的には,知識創造活動の最上流工程にあたる発散的な思考を支援するシステムや,音楽の演奏や作曲を支援するシステムなどを考案し,実装してきた.これらのシステムの基本的な設計思想は,創造活動の中における本質的に創造的ではない部分を計算機等によって代行ないし補助することによって,人が創造性を発揮すべき本質的な作業に直接取り組めるようにすることで,持てる認知的・身体的能力を十全に創造行為につぎ込めるようにしようというものであった.このような思想に基づいて実装した各種のシステムを用いた被験者実験を実施し,いずれについても有用であることを実証してきた.しかしながら,これらのシステムは,実験室では有用とされるのだが,現実世界での知識創造や音楽創作の中で実際に使われることは,残念ながらほとんどなかった.これはなぜであろうか.当初は,主に実験用のシステムが抱えるユーザインタフェースの使い勝手の問題などによるものであろうと推定していた.しかし近年,どうやら本当の問題は,「人間の弱さ」にあると考えるに至った.従来の支援システムは,いずれも暗黙的に「強い人間」を想定して作られている.しかし実際には,私自身を含め,大半の人間は,弱い.支援されてある程度のことが達成できると,そこでほとんどの場合満足して停止してしまうのである.今回の講演では,このような経験を踏まえ,人間の弱さを前提とした知的活動支援のあり方について,いくつかの事例を交えながら議論する.

7A-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名IoTとSNSを融合した農業情報共有システムの提案
著者*飯田 一朗, 橋浦 康一郎, 草苅 良至 (秋田県立大学), 藤井 彰 (株式会社富士通研究所)
ページpp. 1328 - 1331
キーワードIoT, 農業, SNS, アプリ配信, 機械学習
アブストラクト本論文は、センシング(IoT)とコミュニケーション(SNS)を連携し、相互に情報流通させるシステムにより、農業に関する様々な情報(生育情報、環境情報、作業情報、流通情報等)を、効率的に共有しながら栽培サポートする試みについて述べる。近年、農作業現場では就業者の高齢化と後継者不足により、熟練技能の断絶、一人あたりの作業量の増加。非熟練者による作業など、農業存続が危ぶまれるような課題が山積している。ここでは、IoTとコミュニケーションを高度に連携させることにより、SNSとIoTをモバイルアプリケーションにより相互乗り入れできるようなシステムを設計し、農業適用を想定したプロトタイプシステムを開発評価した

7A-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ソーシャルメディア仲介ロボットによる認知症早期発見システムの研究
著者*小林 透 (長崎大学大学院工学研究科/情報工学コース), 宮崎 大志 (三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社), 荒井 研一 (長崎大学大学院工学研究科/情報工学コース)
ページpp. 1332 - 1340
キーワードコミュニケーションロボット, ソーシャルメディア, 認知症
アブストラクト本研究では,人型コミュニケーションロボットが,一人暮らしの高齢者との自然会話を基に認知症診断を行い,認知症の疑いがあれば,ソーシャルメディアを介して離れて暮らす家族に通知する認知症早期発見システムを開発した.著者らは,これまで,スマホが使えない高齢者とLINEを介した双方向のコミュニケーションが可能なソーシャルメディア仲介ロボットを開発した.本研究では,本ロボットに,“認知症早期発見方式”を追加することで認知症早期発見システムを提案する.認知症早期発見方式は,臨床的に信頼性が高い改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)から自然会話シナリオを生成し,シナリオに基づくロボットと高齢者との対面会話による認知度の自動スコアリングが特徴である.本システムは,高齢者に相対するコミュニケーションロボットと全体を制御するクラウドサービスから構成されている.開発したプロトタイプシステムを用いた高齢者に対する評価実験により,従来の人が実施する認知症診断結果と本システムによる診断結果を比較することで,本システムの有効性を明らかにした.

7A-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名ジェスチャを真似て電子情報を楽しく受け取る手法の実装と評価
著者*富永 詩音 (日本大学), 呉 健朗 (日本大学大学院), 篠崎 涼太, 多賀 諒平, 宮田 章裕 (日本大学)
ページpp. 1341 - 1348
キーワードジェスチャ, エンターテインメント, 情報送受信
アブストラクト現代における様々なコンテンツの電子化に伴い,我々は,日常的に画像や電子マネーなどの電子情報の受け渡しを行うようになった.我々が電子情報の受け渡しを効率的に行うメジャーな手法として,QRコード,ICカード,メール,SNSなどが挙げられる.しかし,これらの手法はいずれも電子情報を受け渡す際の楽しさを考慮していないと考えられるため,娯楽を楽しみながら電子情報を受け渡すシーンにおいて用いられる場合,“娯楽の内容と手法との関係が浅いため,興が醒めてしまう”,“受け渡す際に行う作業が機械的であり,楽しめない”などの問題が存在する.これらの問題を解決するために,我々は,送信者が行ったジェスチャを受信者が真似ることで電子情報を受け取る手法を提案する.これは,送信者が自らジェスチャを考案し,引き渡したい電子情報をジェスチャと結びつけた後,送信者が行ったジェスチャを受信者が真似ることで電子情報を受け取ることができるというコンセプトである.プロトタイプシステムを用いた検証実験では,ジェスチャを用いる手法は“真似る”という行為の有無に依らず,既存の手法よりも楽しく電子情報を受け渡せることを確認した.