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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2021)シンポジウム

セッション 5D  情報通信・配信
日時: 2021年7月1日(木) 10:30 - 12:10
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

5D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名協調型 ITS の仮名 ID 使用環境下における認知情報共有を用いた不正行為検出
著者有井 慎平, *塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 960 - 968
キーワード協調型ITS, 不正行為検出, Collective Perception Message (CPM)
アブストラクト協調型 ITS において、周囲車両に自車の状態を伝えるために Cooperative Awarness Message (CAM) という V2V メッセージ規格が標準化されている. また周辺環境に対する認知力の向上を目的として, 自車 の状態だけでなく, 自車に搭載したセンサで知覚した情報を伝えるためのメッセージ規格として Collective Perception Message (CPM) が提案されており, 標準化に向けて分析が行われている. 協調型 ITS ではセ キュリティが重要であり、Public Key Infrastructure (PKI) のような予防的な手法に加え、不正行為検出 (Misbehavior Detection) に関する研究が盛んになってきている. 一方で, モビリティデータを扱うという性 質から, プライバシー保護のため通信において, 長期的な識別子を用いるのではなく, 仮名 ID(Pseudonym) と呼ばれる短期的な識別子を使用する仕組みが考案されており, 同一識別子によるデータの一貫性検証など が困難となる等, 不正行為検出手法にも対応が求められる. 本論文では CAM および CPM の両方のデー タを扱った不正行為検出手法を提案する.シミュレーションによる評価では CAM のみを扱う手法と比較 し, CAM 内の位置情報改ざんに対して, 真陽率 (不正なメッセージを不正であると検出する確率) の水準 を保ったまま、偽陽率 (不正でないメッセージを不正であると検出する確率) を改善した.

ヤングリサーチャ賞 / Young Researcher Awards
5D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名突発的障害物回避のための協調型車線変更制御における車々間通信機能の普及率の影響
著者*淺野 心夏 (静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 969 - 979
キーワード車々間通信, 車線変更, 協調走行, 障害物回避
アブストラクト車両事故や積載物の落下によって突発的に走行道路の一部が封鎖された場合,障害物を発見した車両が車々間通信を用いて広範囲に通知すれば,後続車両に障害物回避のための適切な制御をさせることができるため,安全かつ円滑な障害物回避の実現が期待される.筆者らは,障害物発見通知を受け取った車両に対して,障害物の近くに達するまでに徐々に車頭時間を通常の倍になるように拡大させ,障害物より少し離れた地点で余裕を持って車線変更をさせる戦略,及び全ての走行車線に対して公平に通過機会を与えるための協調型車線変更制御手法を提案した.交通流シミュレータSUMOを用いた3車線道路におけるシミュレーションにより,車線間の公平性,乗客の乗り心地を悪化させることなく十分な総車両通過量を達成できることを確認した.しかしながら,これまでの評価では,車々間通信機能の普及率が100%の場合のシミュレーションしか実施されていなかった.多少の非通信車両が混在したとしても十分な性能が維持されることが望ましいため,本稿では,車々間通信機能の普及率が提案手法の性能に与える影響を調査する.シミュレーションの結果,総車両通過量は普及率が低下するにつれて徐々に低下するものの,大幅に低下することはなく,普及率が80%以上ならば影響は十分小さいことが確認できた.車線間の公平性は普及率が0%のときに大幅に悪化したが,普及率が 10%以上ならば大幅な悪化は防止でき,提案手法を用いない場合に対する優位性を継続できることが確認できた.乗り心地は普及率が低下するにつれて段々と悪化したが,普及率が60%以上ならば提案手法を使用しない場合に対して乗り心地の悪化抑止の効果が得られることが確認できた.

5D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名安全運転支援のための周辺車両の半隠消表示法(3) −5G 環境下における性能評価実験−
著者*平松 黎, 若林 優 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 佐々木 俊希 (立命館大学情報理工学部), 木村 朝子, 柴田 史久 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
ページpp. 980 - 986
キーワード隠消現実感, 5G, ITS, 車車間通信, LiDAR
アブストラクト道路環境における車両や建物に起因する死角領域の存在は,交通事故や搭乗者のストレスの原因となる恐れがある.そのため,死角領域を可視化することは事故の防止やストレスの軽減に繋がると考えられる.我々はこのような考えの下,実現性を考慮して,将来車両に搭載される可能性の高いセンサとソフトウェアのモジュールを活用し,車車間で情報共有することで死角領域を可視化するシステムを提案している.先行研究では提案システムを構築し,実車実験を行うことで提案手法により死角領域の可視化ができることを確認した.しかし,ルータを介した有線のGigabit Ethernetを用いた通信による簡易的な実験を行ったため,システムの課題や使用する通信方式に求められる性能などの確認が不十分だった.そこで本研究では,5Gとドコモオープンイノベーションクラウド®を組み合わせた通信方式を使用した実車実験を行い,システムと通信方式の性能分析を行う.

5D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名階層型Non Terrestrial Networkと そのアプリケーションに関する考察
著者*周 恩平, 藤橋 卓也, 猿渡 俊介 (大阪大学大学院情報科学研究科), 小林 真, 西 正博 (広島市立大学大学院情報科学研究科), 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 987 - 996
キーワードNon Terrestrial Network, 6G, LEO, HAP, マルチメディア
アブストラクト近年,第6 世代携帯電話網(6G) の次世代ネットワークの重要な新たな要素として,Non Terrestrial Network (非地上系ネットワーク,NTN) が注目されている.本稿では,階層型NTN とその応用に関して検討する.まず,NTN の基本について述べ,その後LEO の通信容量を計算し,東京,北京等の都市や南シナ海上の船舶の具体的な人口密度に対する単位面積当たりに必要な通信容量を求め,HAP との関係を議論する.続いて,NTN のアプリケーションとして,XR も含めたマルチメディア通信,土砂災害センシング,海洋上通信を検討する.

5D-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名SNSを用いた道路交通情報逐次配信システムの構築と運用
著者*西田 亘, 佐藤 雅明 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科), 村井 純 (慶應義塾大学), 原田 日郎, 金子 聖哉 (首都高速道路株式会社), 隠田 歩乃加 (首都高技術株式会社)
ページpp. 997 - 1002
キーワードITS, 道路交通情報, 高速道路, SNS
アブストラクト現在,規制情報や渋滞情報をはじめとする各種の道路交通情報は,道路上に点在する可変情報板(VMS: Variable Message Sign)やラジオ等の交通情報コーナー,道路関連企業のWebサイト等を通じて道路利用者に提供されているが,VMSやラジオ放送においては情報量の制限や詳細情報への連絡性の悪さ,取得可能な時機が限定され,Webサイトによる情報提供は,当該ページにアクセスした時点でしか情報の有無を知ることはできず,走行前に交通情報を取得したい道路利用者にとっては,利用ごとに確認を要するものである. そこで,本研究では代表的なSNSである「Twitter」を用いた道路交通情報の即時配信サービスの構築を行った.首都高速道路を対象としたサービスの設計と実装を行い,情報提供を実現する体制や諸課題を述べると共に,運用による効果について評価し,サービスの有用性を示した.