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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2020)シンポジウム
プログラム

(「*」印は講演予定者を表す)
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セッション表

表内のセッション名はそのセッション情報にリンクしています.


2020年6月24日(水)

ABCDEFGH
開会式
13:00 - 13:30
セッション開始準備
13:30 - 13:50
1A  ヒューマンセントリックセンシング
13:50 - 15:30


1D  分散処理1
13:50 - 15:30
1E  情報管理
13:50 - 15:30
1F  対話支援
13:50 - 15:30
1G  認識・認証
13:50 - 15:30
1H  行動認識・分析
13:50 - 15:30
休憩
15:30 - 15:50
2A  DPS統一テーマセッション
15:50 - 17:30
2B  歩行軌跡
15:50 - 17:30


2E  無線
15:50 - 17:30
2F  予測・推定
15:50 - 17:30
2G  プライバシ・匿名化
15:50 - 17:30
2H  医療・ヘルスケア
15:50 - 17:30
休憩
17:30 - 17:50
3A  MBL統一テーマセッション
17:50 - 19:10
3B  行動認識1
17:50 - 19:10
3C  センシング技術
17:50 - 19:10
3D  IoT (1)
17:50 - 19:10
3E  社会・システム
17:50 - 19:10
3F  意思決定支援
17:50 - 19:10
3G  分析
17:50 - 19:10
3H  ウェアラブルシステム
17:50 - 19:10



2020年6月25日(木)

ABCDEFGH
4A  スマートモビリティ
8:50 - 10:10
4B  行動認識2
8:30 - 10:10
4C  スポーツ
8:30 - 10:10
4D  Webサービス・ネットワークシステム
8:30 - 10:10
4E  ネットワーク・セキュリティ
8:50 - 10:10
4F  コミュニケーション
8:50 - 10:10
4G  暗号技術
8:30 - 10:10
4H  生活支援・デバイス
8:30 - 10:10
休憩
10:10 - 10:30
5A  CSEC/SPT統一テーマセッション
10:30 - 12:10
5B  位置情報
10:30 - 12:10
5C  ヘルスケア
10:30 - 12:10
5D  行動認識・予測
10:30 - 12:10
5E  人と家
10:30 - 12:10
5F  遠隔地・仮想空間
10:30 - 12:10
5G  IoT (2)
10:30 - 12:10
5H  推薦技術
10:30 - 12:10
休憩
12:10 - 14:10
6A  コンテンツと人
14:10 - 15:30
6B  調理・食事行動
14:10 - 15:30
6C  時空間
14:10 - 15:30
6D  クラウド・エッジコンピューティング
14:10 - 15:30
6E  BLEビーコン
14:10 - 15:30
6F  車車間通信とITS一般
14:10 - 15:30
6G  エッジ・AI
14:10 - 15:30

休憩
15:30 - 15:50
SP  特別招待講演
15:50 - 16:50
休憩
16:50 - 17:30
DS  デモセッション/企業展示
17:30 - 19:00
休憩
19:00 - 20:00
NS  ナイトテクニカルセッション
20:00 - 22:00



2020年6月26日(金)

ABCDEFGH
7A  ネットワークサービス
8:30 - 10:10
7B  ユビキタス応用
8:30 - 10:10
7C  スマートセンシング
8:30 - 10:10
7D  分散処理2
8:30 - 10:10
7E  行動認識3
8:30 - 10:10
7F  測位・経路推薦・ナビ
8:30 - 10:10
7G  セキュリティ応用
8:30 - 10:10
7H  映像音声コンテンツ
8:30 - 10:10
休憩
10:10 - 10:30
8A  IOT統一テーマセッション
10:30 - 12:10
8B  ロボットアプリケーション
10:30 - 12:10
8C  作業・学習支援
10:30 - 12:10
8D  無線通信・ネットワーク応用
10:30 - 12:10
8E  観光と移動
10:30 - 12:10
8F  自動運転
10:30 - 12:10
8G  セキュリティ心理学・ユーザブルセキュリティ
10:30 - 12:10
8H  システム制作
10:30 - 12:10
休憩
12:10 - 14:10
閉会式・表彰式
14:10 - 15:20



論文一覧

(「*」印は講演予定者を表す)

2020年6月24日(水)

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セッション 1A  ヒューマンセントリックセンシング
日時: 2020年6月24日(水) 13:50 - 15:30
座長: 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科)

1A-1 (時間: 13:50 - 14:30)
題名(招待講演) Fitbitを使った一般人からの生体データセンシング
著者荒川 豊 (九州大学)
ページp. 1
キーワードウェアラブル, 活動量計, データ連携, 睡眠センシング, 脈波センシング

1A-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名心電と脈波の時間差を用いたウェアラブル端末装着位置推定における心拍数による補正手法
著者*吉田 航輝 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科/JSTさきがけ)
ページpp. 2 - 10
キーワード心電, 脈波, 装着位置
アブストラクト種々のセンサを搭載したウェアラブルデバイスの普及により,時間や場所を問わず人間の行動や状況をセンシングしてデータを収集できるようになった.そのため,ウェアラブルデバイスをさまざまな身体部位に自由に装着する環境において,デバイスの装着部位を動的に推定する手法が必要である.そこで,筆者らは動的にウェアラブルデバイスの装着位置を推定する手法を提案している.この手法はウェアラブルデバイスで取得可能な生体情報である心電と脈波を利用し,特定の行動を装着者に行わせることなくウェアラブルデバイスの装着部位を推定する手法である.しかし,手法の有用性を検証する評価実験のために収集したデータセットは収集時間が短く,各被験者で同日に収集したデータであった.さらに,各身体部位のデータは心拍数がそれぞれ異なる状態であった.そこで,本稿では既存手法の信頼性を高めるために,既存手法における心拍数の違いを補正する手法を提案する.また,各身体部位のデータセットを再度採取し,補正手法を含めた筆者らの提案手法の再評価を行う.

1A-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名CityFeder: 異種スマートシティ基盤を柔軟につなぐプログラマブル・フェデレーション機構
著者*米澤 拓郎 (名古屋大学大学院工学研究科), 河崎 隆文 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科), 吉田 拓人 (名古屋大学大学院工学研究科), 伊藤 友隆 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科), 上津原 一利 (フリーランス), 古城 篤, 中澤 仁 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
ページpp. 11 - 18
キーワードスマートシティ, プラットフォーム, フェデレーション, コンテクストアウェアネス
アブストラクト本論文では,異なるスマートシティ基盤間を社会状況に応じて動的に接続可能とするプログラマブル・フェデレーション基盤CityFederを提案する.動的に変化する都市状況に対応し,住民の安心安全やQoLを高め,効率的な都市運営を可能とするスマートシティでは,社会的に価値のある多種多様なセンサデータが収集される.一方,現実世界の問題は都市内に閉じることは稀であり,大規模災害や疫病などが発生した場合は,複数の都市で問題対処にあたる必要があり,スマートシティ間でデータを共有可能とするべきである.CityFederはこの問題を解決するため,ビジュアルプログラミングおよび実行環境であるNode-REDを拡張し,社会状況に応じたスマートシティ基盤間のデータ流通を実現する.本稿ではそのコンセプト,設計と実装を述べるとともに,具体的な応用シナリオを実現可能であることを示す.


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セッション 1D  分散処理1
日時: 2020年6月24日(水) 13:50 - 15:30
座長: 阿部 亨 (東北大学)

1D-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名ブロックチェーンとIPFSを組み合わせたデータ連携システムの実装と評価
著者*石田 達郎, 大橋 盛徳, 近田 昌義, 藤村 滋, 中平 篤 (NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 19 - 22
キーワードブロックチェーン, 分散ストレージ
アブストラクトデジタルトランスフォーメーションの推進に伴い業界や企業を跨いだデータ連携やファイル流通への期待が高まっている。今回の報告では、権限をブロックチェーンで、ファイルを分散ストレージIPFSで管理し、制御プロセスで両者を連携させるシステムを実装した。以前の提案から性能観点、セキュリティ観点での機能追加を行い、そのファイル登録の性能を評価した

1D-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名大規模環境のジョブスケジューリングにおけるジョブ分布とトポロジ依存性の評価
著者*高山 沙也加 (お茶の水女子大学), 関澤 龍一 (富士通株式会社), 鈴木 成人, 山本 拓司 (株式会社富士通研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 23 - 28
キーワードジョブスケジューリング, HPC, パーティション
アブストラクト近年のHPCシステムでは利用者の増加と利用者層の拡大に伴い, 投入されるジョブ数および必要ノード数は増加しており, また, 多様化している. そのためシステム規模は増加傾向にある. システムの運用において, ユーザの立場ではジョブ投入から実行されるまでの待ち時間が, 運用の立場では利用可能な計算機資源のうち実際に利用された割合である充填率が重視され, 大きな課題となっている. 本研究では, 大規模環境におけるジョブスケジューリングの高充填率と短待ち時間の両立を実現するパーティション分割システムの基礎検討として, ジョブ分布, トポロジ条件を変えてジョブスケジューリングした際の性能評価を行う.

1D-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名複数ドローンによる運用計画変更のための送信量解析を用いた事前故障検知方式の検討
著者*加藤 亜慧, 中濱 広夢, 寺島 美昭 (創価大学大学院 工学研究科 情報システム工学専攻)
ページpp. 29 - 34
キーワードドローン, データ送信量解析, 事前故障検知, アドホックネットワーク
アブストラクト本稿では,被災地に展開された複数の無人航空機「ドローン」のような自律移動型センサ端末間の無線アドホックネットワークを対象に,データ送信量を解析することで,通信減衰のある故障センサ端末の検知アルゴリズムを提案する.通信が完全に途絶する前に故障を検知することにより,周囲の端末が迅速に運用計画変更を行えるため,事前の故障検知は重要である.しかし,無線アドホックネットワークでは,通信が不安定で有線環境のようなパケットキャプチャによるデータの通信量やその変化の解析が難しい.そこで提案方式では,外部から観測できる通信端末のデータ送信量変化を用いたブラックボックスな事前故障検知を検討した.また,ネットワークシミュレータを使用した提案方式の有用性の評価も行う.

1D-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名An Implementation of PQI-based Surveillance Systems Changing Transaction Intervals Cyclically
著者Chaxiong Yukonhiatou (大阪大学), 川上 朋也 (福井大学/大阪大学), *義久 智樹 (大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学), 下條 真司 (大阪大学)
ページpp. 35 - 41
キーワードStreaming, IoT, Video
アブストラクトDue to the widespread monitoring spaces such as banks, airports, building lobbies, stores, and other public places. In these systems, each camera continuously sends its recorded video data to the processing computers to detect the specific objects. The effectiveness of surveillance systems can be enhanced by speeding up the transaction rate which means the number of the processed video frames per unit time. In the case of burglary, for example, the rate of arrests increases as the processing computer can analyze more video data from the surveillance cameras. As our previous work, the simulation results show that the transaction rates can be improved under our proposed method compared with the conventional approach. The contribution of this paper is an implementation using our proposed method, called PQI-CDI (cycle-based dynamic interval). In the PQI-CDI method, the transaction interval dynamically changes depending on the transaction time. We adopt the PQI approach to further reduce the transaction time. In this paper, we describe an implementation of another PQI-based surveillance system. The experiment results show that the proposed method can improve the transaction rate in our implemented system.

1D-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名エクスターナルグリッドにおける各種先行処理手法の定量的比較
著者*大西 伊吹, 遠藤 慶一, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科)
ページpp. 42 - 46
キーワードグリッドコンピューティング, エクスターナルグリッド, 先行処理
アブストラクトエクスターナルグリッドは,インターネット上に存在する不特定多数の計算機でグリッドを構成し,分散処理を行う技術である.しかし,グリッドを構成する計算機に悪意を持った人間の計算機が紛れ込めば,処理内容の漏洩や処理結果の改ざんに繋がってしまう.それらの問題を解決するため,セキュアプロセッシングの研究が行われてきた.また,セキュアプロセッシングに伴う処理時間の増加という問題について,先行処理を行うことで解決を図ってきた.先行研究にて,3種類の先行処理手法が,これまでに提案されているが,それらは定量的に比較されてはいない.そこで本研究では,グリッドの管理者が処理目的に応じて適切な先行処理手法を選択できるようにするため,信頼性,高速性,機密性の3つの観点から各手法を定量的に評価し,比較する.


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セッション 1E  情報管理
日時: 2020年6月24日(水) 13:50 - 15:30
座長: 梶 克彦 (愛知工業大学)

1E-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名ドローンを用いた洪水災害時の水没度検出手法
著者*西村 侑花子, リズク ハマダ, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院情報科学研究科)
ページpp. 47 - 55
キーワードドローン, 水害, 画像認識
アブストラクト世界で最も深刻な被害をもたらす自然災害の1つが洪水であり,例えば2019 年の台風第19号により発生した豪雨では約8 千棟の建物が水没している.こういった洪水災害時には,道路や家屋,車両の水害状況,特に水没度を正確・迅速かつ広範囲に把握し,適切な復旧支援計画を立てる必要がある.これに対し,設置型の水位計は河川の水位計測を想定しており,道路や住宅地の水没は考慮されていない.また,SNSやクラウドソーシングにより水没画像や映像を収集する手法では,協力者や住民が接近困難な地域の情報収集は困難である.本論文では,ドローンにより撮影された俯瞰画像から,画像内の各住宅や車両の 水没の水位を推定する手法を提案する.提案手法では,オブジェクト認識用深層ニューラルネットワークMask R-CNN に転移学習を適用し,限られた数の水害地俯瞰画像から浸水している家屋ならびに車両を認識する.また,検出した浸水家屋ならびに車両の画像に対し,事前に準備した水没度参照モデルを元にして推定した水没度をラベル付けし,VGG-16 ネットワークを適用して水没度を推定する.これらにより,上空から撮影された広範囲の画像に映り込む各家屋や車両の水没度を迅速に推定することを目標とする.実際の俯瞰画像を用いた評価の結果,浸水家屋ならびに車両の検出精度は73.42%,水位推定誤差は21.43cm であることを確認した.

1E-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Scenargie Physicalに基づく情報共有システムを用いた災害医療救護訓練
著者*梶田 宗吾, Edgar Marko Trono, Gemalyn Abrajano, Jovilyn Fajardo, 前野 誉 (株式会社スペースタイムエンジニアリング)
ページpp. 56 - 61
キーワード大規模災害, 意思決定, データ利活用, マルチアクセスネットワーク
アブストラクト南海トラフ地震といった大規模災害発災時には,同時多発的・広域にわたる医療救護活動が必要となるため,人口密度が低く,都市部から離れた地域まで医療支援が行き届かない状況が想定されている.そこで,高知県では 県外搬送や(DMAT:Disaster Medical Assistance Team)の支援が来るまで持ちこたえるため,住民参画による地域総力戦の救護活動体制を整備・推進している.本研究では,これまでの災害医療救護訓練の実施を通して顕在化している,災害時における情報集約と共有の課題を解決するため,情報収集・共有・可視化のミドルウェアであるScenargie Physicalに基づく情報共有システムを構築した.2019年6月に開催された高知県総合防災訓練における提案システムを用いた拠点間情報伝達訓練,および同年11月に開催された香南市災害医療救護訓練における提案システムを用いた自治体職員による救護所運営訓練(約100名参加)の実施を通して,提案システムの有効性を検証した.

1E-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名Zabbixによるブロックチェーン型NTMobileサーバ統合管理システムの評価
著者*鈴木 洸太, 松岡 穂, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部)
ページpp. 62 - 68
キーワードネットワーク監視, 障害検知, ログ収集, Zabbix
アブストラクトIPv4/IPv6混在環境下で通信接続性と移動透過性を同時に実現する技術として,ブロックチェーン型NTMobile(NetworkTraversal with Mobility)が提案されている.NTMobileを実環境下で運用する場合,運用規模の拡大により監視対象のサーバ台数が増加するため,サーバ管理者の監視負担が増加することが懸念されている.また,NTMobileに基づく通信では,通信開始時にエンド端末およNTMobile独自サーバであるDirection Coordinator及びRelay Serverなどとトンネル構築処理を行う必要があるため,NTMobile特有の処理にエラーが発生した場合,構築処理に関わる全端末のログを収集して確認する必要があり,エラー発生の原因究明に多大な時間を要する場合があった.上記の課題を解決するために,筆者らはネットワーク機器の統合管理を行うZabbixを用いたNTMobileサーバ管理システムを提案してきた.本稿では,提案システムのプロトタイプを実装し,実ネットワーク環境において評価実験を行う.その結果,提案システムを用いることにより,監視時間を従来手法より約75%削減できることを確認した.

1E-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名vCPEを用いたNTMobileサーバの運用効率化に関する基礎的検証
著者*加藤 宏理, 松岡 穂, 鈴木 洸太, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科情報工学専攻), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部)
ページpp. 69 - 75
キーワード移動透過性, SDN, NFV
アブストラクトIPv4アドレスの枯渇に伴うNATの導入やIPv6への移行により複雑化したネットワークにおいて,移動透過性を実現する技術としてNTMobile(Network Traversal with Mobility)が提案されている. しかしNTMobileでは通信開始時に行われるシグナリング処理で生じる遅延や,直接通信できない場合に用いられる中継サーバ経由時に生じる経路冗長化,中継サーバの最適な選択が実現されていない等の課題がある. 本稿ではこれらの課題を解決するため,ISPのネットワークエッジに設置されネットワーク機能を提供する汎用サーバであるvCPE(Virtual Customer Premises Equipment)上へのNTMobileサーバ群の実装を提案し,ネットワークエミュレータのMininetを用いた基礎的な検証により有用性を確認する.

1E-5 (時間: 15:10 - 15:30)
題名クラウドにおけるPDEの考え方を用いたファイルシステムの検討
著者*柴崎 凌我 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 稲村 浩, 中村 嘉隆 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
ページpp. 76 - 83
キーワードPlausibly Deniable Encryption, Intel SGX, OS Security
アブストラクトインターネットのサービスにおいて,データの保護が重要な問題となっている.ストレージシステムにおいては,フルディスク暗号化等の従来手法が一般に使用されているが,これだけでは鍵の開示の強要攻撃から保護ができない.機密情報の存在の否定を可能にする PDE(Plausibly Deniable Encryption) が提案されており,囮の鍵を開示することで鍵の開示の強要から利用者を保護することが可能になった.クラウドでの利用や仮想化技術の広まりによって実行時に主記憶装置が攻撃されることは検討すべき課題である.そこで我々は,PDEの考え方を用いた暗号化ファイルシステムを信頼できる実行環境 (TEE:Trusted Execution Environment) で実現する PTEE FS を提案している.本研究では攻撃者が囮鍵及び囮データの存在の知識に基づく攻撃への対策の検討を行う.PTEE FS の性能面については,クラウド上における実利用を模したモデルを利用し,クラウド上における実利用モデルとしてサーバ・クライアント間のファイル同期を用いて TEE 利用によるオーバヘッドが与える見積り性能の評価を行う.


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セッション 1F  対話支援
日時: 2020年6月24日(水) 13:50 - 15:30
座長: 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学)

1F-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名口コミ解析と好み診断により手早く旅行先を推薦するサービス
著者*市村 哲 (大妻女子大学社会情報学部情報デザイン専攻)
ページpp. 84 - 91
キーワードリコメンデーション, 機械学習, 旅行プラン, Webサービス
アブストラクト旅行先を考える際,旅行サイトを利用することが多い.しかしながら,掲載されている観光地の数や情報量が多すぎて旅行先を決めるのが難しいという問題がある.アイエンガーは,選択肢数と満足度の関係について実験を行い,選択肢数の増加が選択結果の満足度を低下させ,結果として選択行動そのものを放棄させる場合があることを示している.またシュワルツは,提示された選択肢が多いと「他の選択もあったのでは」という迷いが大きくなり,自分の行った選択に対する満足感が低下すると述べている.著者らは,旅行計画を立てる際に多くの旅行情報を閲覧しなくても手軽に旅行先を選ぶことができるようにすることを目標に定め,口コミ解析と好み診断により手早く旅行先を推薦するサービス「旅ゲーター(tabi-gator)」を開発した.旅ゲーターは,機械学習しておいた旅行サイトの口コミデータセットからユーザの好みを診断するための選択肢を自動作成し複数回に分けて提示する.ユーザがどの選択肢を選んだかに基づいて推薦すべき旅行先を徐々に絞込むようになっている.

1F-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名拡張現実の手法を用いた機能を有するジオツアー支援システムの評価
著者*西村 涼太, 吉野 孝 (和歌山大学)
ページpp. 92 - 97
キーワード観光支援, ジオツアー
アブストラクト特定の地域にのみ存在する,自然にできた地形や景観を巡る観光に“ジオツアー”がある. また,その案内を行うガイドを“ジオガイド”と呼ぶ. 刻々と変化する自然景観 を対象としたジオツアーでは,ガイドが見せたい景観と, ツアー当日に見せられる景観が異なる場合がある. ガイドはその差異を参加者に伝えようとするが,口頭説明や写真などの資料だけでは,伝わりづらいという問題がある. これらの理由から,参加者はツアーの魅力を十分に感じられない場合がある. そこで我々は,ジオツアー支援システム「どこジオ」の提案を行った. 本稿では,提案したどこジオの概要と評価について述べる.

1F-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名音声および視線・表情・頭部運動に基づく上手い褒め方の評価システムの検討
著者*山内 愛里沙 (日本大学文理学部), 大西 俊輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 武藤 佑太 (日本大学文理学部), 石井 亮, 青野 裕司 (日本電信電話株式会社 NTTメディアインテリジェンス研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 98 - 106
キーワードコミュニケーション分析, 表情, 音声, 勾配ブースティング
アブストラクト対話において褒めることは重要である.しかし,相手を上手く褒めるためには,具体的にどのような言語的・非言語的行動をとれば良いか明らかにされていない.このため,相手を上手く褒めることが苦手な人は何を意識すれば褒め方が上達するのかがわからず,褒め方を上達させるトレーニングを行うことが困難であるという問題が存在する.そこで我々は,褒め方を上達させるトレーニングを行うことができる褒め方の上手さを評価するシステムの構築を目指している.システムを構築するにあたり,表情・音声から褒め方の上手さを推定することができるか,褒め方の上手さを推定する上でどのような表情・音声情報が重要であるか明らかにする必要がある.本研究では,表情・音声から褒め方の上手さを推定することができるか検証し,どのような表情・音声情報が重要であるか明らかにする取り組みを行う.具体的には,実対話データから抽出された表情・音声に関する特徴量を用いて褒め方の上手さの評価値を推定する機械学習モデルを構築した.その結果,音声特徴量のみを用いたモデルよりも頭部・視線方向と表情特徴量のみを用いたモデルの性能が高く,さらに,頭部・視線方向と表情特徴量・音声特徴量を合わせたモデルが最も性能の高いモデルであることが明らかになった.次に,褒め方の上手さの評価値を推定する上で重要度の高い特徴量の分析を行った.その結果,頭部方向,視線方向,MFCC,顎の動きが重要であることが明らかになった.また,機械学習モデルを用いた褒め方の上手さの評価システムの構築により,ユーザに対して褒め方の上手さのスコアと,評価する上で重要であった特徴量を提示することが可能となった.

1F-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名匿名性を段階的に変化させるコミュニケーションシステムの実装
著者*今井 廉 (日本大学), 呉 健朗 (ソフトバンク), 富永 詩音, 尹 泰明, 栗田 元気 (日本大学), 酒井 知尋, 小島 一憲 (ソフトバンク), 宮田 章裕 (日本大学)
ページpp. 107 - 112
キーワード共有空間, 匿名性, デジタルサイネージ
アブストラクトコワーキングスペースやシェアオフィスなどの共有空間で,利用者同士が対面で活発なコミュニケーションを行うことは,他者の様々な考えに触れることで,個人では得られない成果を生み出す良い機会である.しかし,現在コワーキングスペースやシェアオフィスなどの共有空間で活発なコミュニケーションが行われているとは言い難い.こうした現状の一つの要因として,見ず知らずの人とのコミュニケーションを開始することに心理的障壁が存在することが挙げられる.この問題を解決するため,我々は匿名性に焦点を当て,ユーザのコミュニケーション時の匿名性を段階的に変化させることができるシステムを提案している.本稿では,提案手法におけるコミュニケーションのきっかけとなる,デジタルサイネージへの質問・意見の表示方法に対する実験を行った.


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セッション 1G  認識・認証
日時: 2020年6月24日(水) 13:50 - 15:30
座長: 石井 健太郎 (専修大学)

1G-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名歩容データを用いた「歩きスマホ」の検出
著者*高松 毅瑠, 三好 駿, 菊池 浩明 (明治大学総合数理学部)
ページpp. 113 - 117
キーワード歩様データ, 歩きスマホ, モーションキャプチャ, 自動検出
アブストラクト歩きながらスマートフォンの操作を行う,いわゆる,「歩きスマホ」が近年問題になっている.歩きスマホを行っている人は注意散漫になり,他の歩行者と衝突してしまう恐れがある.そこで本研究では,モーションキャプチャーによって外部から歩き方を観測し,歩きスマホを自動検出することを試みる.歩様データから複数の関節の組み合わせによる特徴量を用いた機械学習アルゴリズムにより,汎用性のある歩きスマホの検出システムを実装し,121名の歩容データを用いた検出精度を報告する.

1G-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名人間が判読困難なナンバープレートの自動判別における高解像度化画像の応用
著者*鈴木 友哉, 宇田 隆哉 (東京工科大学大学院 バイオ・情報メディア研究科 コンピュータサイエンス専攻)
ページpp. 118 - 125
キーワード画像情報処理, ディジタルフォレンジック, 機械学習, 畳み込みニューラルネットワーク, ナンバープレート

1G-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名SMS通知機能を悪用した新たなパスワードリセット脆弱性の脅威評価
著者*柴山 りな, 菊池 浩明 (明治大学総合数理学部)
ページpp. 126 - 133
キーワード多要素認証, SMS, パスワードリセット, ユーザ実験
アブストラクト簡易かつ安全な多要素認証として広く用いられているSMS(Short Message Service)を用いた認証を悪用したパスワードリセット手法PRMitM攻撃が,2017年Gelernterらによって提案された.攻撃者は,ユーザにSMSで送信されたパスワードリセットコードをそれと気が付かせぬまま悪意のある中間者サイトに入力させることによって,アカウントを乗っ取る.本論文では,メッセージ冒頭を短く通知をする機能が,PRMitM攻撃を増長させる可能性があることを主張する.送信されたコードを入力する際,コード以下の注意書や発信者名を読まないため被害につながる恐れがある.そこで,本研究では「警告の有無」,「冒頭に警告を記載するかどうか」,「警告の言語」の各要因が攻撃に対する被害率に与える影響を明らかにするためユーザ実験を行った.その結果,警告を下部に明記すること・英語であることは攻撃に対する被害を増加させること,警告の有無・記述位置・言語の各要因が攻撃に対する被害率に影響を与えることを示した.一方コードの確認・入力方法は被害率に大きな影響を与えない.本実験では利用率は1割以下であったが,今後認証コードの自動入力が普及すると,被害は増える可能性がある.

1G-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名GPSとWi-Fiデータでの多要素認証におけるニューラルネットを用いたスコアフュージョン手法
著者*松岡 勝也, Mhd Irvan, 小林 良輔, 山口 利恵 (東京大学)
ページpp. 134 - 139
キーワード多要素認証, スコアフュージョン, ニューラルネットワーク
アブストラクト近年,認証での脆弱性の問題などにより個人認証への関心や重要性が高まっている.高い機密性が求められる場面では,複数の認証要素を組み合わせる多要素認証が一般的に用いられる.この多要素認証には,各要素からの認証スコアなどを組み合わせるフュージョン方式がある. 本研究ではこのフュージョン方式のスコアレベルに着目している.従来のスコアレベルでのフュージョン手法ではそれぞれの要素での重み付けが固定されている.このため,行動認証のような各ユーザの性質に依存し認証精度がユーザ間で大きく異なるような場合には適していない.そこで,本研究ではこのようなユーザ間で傾向が異なる場合での認証精度の向上を目的とし,ニューラルネットを用いたユーザ毎に最適な重み付けのスコアフュージョン手法を提案する.本提案手法では,ユーザ毎に独立な二値分類のモデルを構築する.そして,GPSとWi-Fiの実データを用いた評価から,従来手法と比較して本提案手法ではTAR(True Acceptance Rate)が向上することを確認した.このため,TARを優先する場面では本提案手法は有用であると言える.


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セッション 1H  行動認識・分析
日時: 2020年6月24日(水) 13:50 - 15:30
座長: 打矢 隆弘 (名古屋工業大学)

1H-1 (時間: 13:50 - 14:10)
題名演技力向上を目的とした 動画データにおける骨格解析方法の提案
著者*釜谷 尚宏, 松井 加奈絵 (東京電機大学)
ページpp. 140 - 145
キーワード骨格推定, 動画解析, 演技データ
アブストラクト本研究では,人の演技を行っている様子を収録した動画データに対し骨格解析を行うことで, 演技に対するフィードバックを演者に行うための骨格推定手法を提案する. ドラマや映画といった作品制作の過程において,演者は繰り返し同じセリフ, 動きを用いた演技を求められる場合がある. しかしながら,この繰り返しにより演者の中で慣れが生まれてしまい, 演技上,人物にとって初めての場面にも関わらず,その先の流れを汲み取った動画が生まれるといった, 不自然さが生まれてしまう恐れがある. そのため,演者は繰り返し同じ芝居を新鮮なリアクションを伴って行う訓練が必要となるが, 現状繰り返し演技が成立しているか判定するのは講師等の人間であるため, 学習コストがかかってしまう. 本研究では,繰り返し演技を行っているデータの動きに着目した骨格推定を用いた解析手法を提案し, 将来的に自動判定につながる環境構築を目指す. 本提案の有用性を確認するために,実際に演技データを収集し, そのデータを提案の手法を用いて解析した.その結果,動画データの収集方法に改善の必要があることが わかったものの,ある一定の動きの一致度を算出することができた.

1H-2 (時間: 14:10 - 14:30)
題名購買行動に基づく視線分析による迷った商品推定技術
著者*増田 裕太, 上村 拓也 (株式会社富士通研究所)
ページpp. 146 - 150
キーワード視線, 購買行動, 迷い, ヒートマップ
アブストラクトマーケティング分野において,視線計測はパッケージ評価や消費者行動の分析等の様々な用途で用いられている.顧客が迷いを生じた商品に関する情報は,潜在ニーズ発掘や,それに基づく商品開発等に活用できる.我々は消費者が購入商品を選択する際の購買行動に基づき視線を分析することで,迷った商品を推定する方式を開発した.開発方式では,時間経過によって関心が高まることを考慮して見た頻度を重み付けし,その見た頻度が最大となる商品を購入商品と判定する.判定した購入商品に対して,見た頻度が閾値以上かつ見比べが生じたかにより,迷った商品を推定する.開発技術を用いた来店客の購買支援,店員の接客支援を行うシステムを構築し,実店舗での有効性を確認した.

1H-3 (時間: 14:30 - 14:50)
題名ExerSense: Real-time Exercise Segmentation, Classification and Counting using IMU
著者*Shun Ishii, Anna Yokokubo (Aoyama Gakuin University), Mika Luimura (Turku University of Applied Sciences), Guillaume Lopez (Aoyama Gakuin University)
ページpp. 151 - 154
キーワードHuman Activity Recognition, Sports Sensing, Wearable Devices, Signal Processing
アブストラクトEven though it is well known that physical exercises have numerous emotional and physical health benefits, maintaining a regular exercise routine is quite challenging. Fortunately, there exist technologies that promote us to do physical activities. Nonetheless, almost all of these technologies only target a narrow set of physical exercises (e.g., either running or physical workouts but not both) and are only applicable either in indoor or in outdoor environments, but do not work well in both environments. This paper introduces ExerSense, a real-time segmentation and classification algorithm that recognizes physical exercises, and that works well in both indoor and outdoor environments. The proposed algorithm achieves a 95% classification accuracy for five indoor and outdoor exercises, including segmentation error. This accuracy is similar or better than previous works that handled only indoor workouts, and those use a vision-based approach. Moreover, while comparable machine learning-based approaches need many training data, the proposed correlation-based method needs only one sample of motion data of each target exercise.

1H-4 (時間: 14:50 - 15:10)
題名家庭環境下でのスマホ連携によるテレビ視聴関連行動データの収集と分析
著者*山村 千草, 大亦 寿之, 田口 周平, 関根 大輔, 藤沢 寛, 藤井 亜里砂 (日本放送協会)
ページpp. 155 - 160
キーワード放送通信連携, ハイブリッドキャストコネクト, 実験, 視聴データ, スマートフォン
アブストラクト放送は日常生活と密接に関連するメディアである一方,放送と,ネットおよび実社会のサービスを結びつける有効な手段が乏しく,双方のサービスがもたらす影響を計測したり,サービス間の柔軟な連携を図ることは困難であった.そこで筆者らは,利用時間が増加しているスマートフォン(スマホ)とテレビとの連携によって,個人の放送視聴に関わるデータを記録して他サービスでも利活用可能にすることで,放送サービスの拡充や、放送とそれ以外のサービス間の動線形成を図る仕組みを検討している.本稿では,標準技術であるハイブリッドキャストの端末連携機能を用いて,スマホを起点にテレビでの放送の視聴を操作・記録・活用することができるスマホアプリを試作し,家庭での放送視聴に関する行動を2週間記録する実験を実施した.これにより,スマホを起点に放送視聴を操作・記録する手法の実現性を家庭の実環境下で検証するとともに,この手法を用いて記録した個人の視聴データが世帯の視聴データと比較して視聴時間帯や番組ジャンルなどにより強い偏りの傾向を示すことなどが明らかとなった.


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セッション 2A  DPS統一テーマセッション
日時: 2020年6月24日(水) 15:50 - 17:30
座長: 田上 敦士 (KDDI総合研究所)

2A-1 (時間: 15:50 - 16:30)
題名(招待講演) 災害対応のデジタルトランスフォーメーションを目指して
著者*皸 峰生 (Space-Time Engineering, LLC), 前野 誉, 梶田 宗吾 (株式会社スペースタイムエンジニアリング)
ページp. 161
キーワード災害医療救護活動, デジタルトランスフォーメーション

2A-2 (時間: 16:30 - 16:50)
題名第三者エージェントを用いた自動交渉による利用者指向情報流通手法の実装と評価
著者*戸嶋 丈士 (東北大学), 高橋 晶子 (仙台高等専門学校), 阿部 亨, 菅沼 拓夫 (東北大学)
ページpp. 162 - 166
キーワードマルチエージェント, 交渉プロトコル, 情報流通
アブストラクトIoT技術の進展に伴い,数多くの個人データが様々なデバイスによって日常的に収集されており,収集されたデータを流通させる情報銀行などが提案されている.しかし,現状の情報流通においてデータ提供者に与えるデータの対価(便益)は情報銀行やデータ収集者によって一方的に決定され,便益の決定に対しデータ提供者の意思が十分に反映されているとは言えない.本稿ではこの課題に対し,データ提供者とデータ収集者の交渉を監視する第三者エージェントを用いた自動交渉による便益決定手法を提案する.また,本手法の有効性を確認するためにプロトタイプシステムを用いたシミュレーション実験を行った.その結果,第三者エージェントの介入によって社会的に効用の高い自動交渉が実現可能であることを確認した.

2A-3 (時間: 16:50 - 17:10)
題名センサーから取得した時系列データのためのデータ補完手法
著者*永島 寛子, 加藤 由花 (東京女子大学 理学研究科)
ページpp. 167 - 173
キーワードIoT, センサーデータ, Programming by Example, 欠損値補完
アブストラクト近年,センサーデータやウェアラブルデバイスのデータなど,分析に利用可能なデータの量と種類が増えてきた.Industry 4.0のようなスマートファクトリーも分析例のひとつである.収集データは単位の統一や外れ値や欠損値の対処などを含んでおり,分析前の「前処理」が不可欠である.この前処理は分析プロジェクトのリソースのうち 80%を費やしているというデータもあり,分析者に多大なインパクトを与えている.そのため,私たちは分析者の前処理における負荷を削減し,かつ既存手法と同程度以上の精度をもつ前処理の自動化する手法としてAPREP-S(Automated Pre-Processing for Sensor Data)を提案してきた.APREP-Sは,Programming by Exampleアプローチとベイズ推論を用いて外れ値・欠損値を自動で補完する手法である.しかしながら,従来のAPREP-Sは,初期モデル生成のためのトレーニングデータを分析者が生成する必要があった.そこで本稿では,APREP-Sを拡張し,初期モデルのためのトレーニングデータ生成にクラスタリング手法を用いる手法を提案する.提案手法は補完精度の比較を,初期モデルのトレーニングデータ生成方法,既存のデータ補完手法,に関して行い,APREP-Sが有効な補完手法であることを示した

2A-4 (時間: 17:10 - 17:30)
題名待ち行列ネットワークによる介護施設センサデータ送信システムのモデル化
著者*西村 勇亮, 井上 創造 (九州工業大学大学院生命体工学研究科)
ページpp. 174 - 183
キーワード待ち行列
アブストラクト近年,ウェアラブルデバイスを用いて人の動きを計測する活動認識の研究が進んでおり,データを確実に収集することが重要となっている.しかし,介護施設では通信設備が整っていることが少なく,収集するデータが滞る問題が起きている.そこで本論文では,回線強度が保証されていない状況下でもアプリケーションがデータを送信できるようなパラメータを得ることを目的としている.そのために待ち行列理論を用いてファイル送信システムをモデル化し,データ転送に最適なファイルサイズ,データ送信頻度を検証した.その結果,モデルの精度は実機実験にて10%の誤差となり,パラメータを最適化することでファイルの待ち時間を44%削減できることが確認できた.


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セッション 2B  歩行軌跡
日時: 2020年6月24日(水) 15:50 - 17:30
座長: 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科)

2B-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名端末保持状態変化に対応した進行方向推定手法
著者木下 貴斗, *池内 雄一, 西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 184 - 189
キーワードPDR, ナビゲーション, 屋内測位, スマートフォン, センサー
アブストラクト近年, スマートフォンの普及と建物の複雑化により, ナビゲーション等の需要が高まってきている. ナビゲーションを行うには自己位置を正しく推定する必要があり, 屋内においてはスマートフォンのみで実装が可能であるPDR(Pedestrian Dead Reckoning) が注目を集めている. 既存のPDR は端末の保持状態が変化することに対応できておらず, 常に一定の保持状態でないと大きな誤差が発生し累積してしまう問題点がある. そこで本研究では, 端末の保持状態が変化する間に発生する角速度による進行方向推定の誤差を抑制し, 進行方向推定の精度を向上させる手法を提案する. 端末の保持状態が変化中か否かを逐次判別するために, 閾値ベースの手法と機械学習ベースの手法を提案する. 端末保持状態変化中と識別された区間においては角度の累積を停止することにより問題の解決を図る. 閾値ベースによる分類では3種類のすべての手法でF 値が約0.5 程度にとどまった. 一方, ランダムフォレストを用いた手法による端末保持状態変化中と分類する際のF 値が約0.8となった.また進行方向推定精度についても, 提案したすべての手法において, 誤差50 度以内で進行方向を推定することができた.

2B-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名狭隘空間での歩行軌跡のオフライン分析
著者原崎 將吾 (立命館大学大学院 情報理工学研究科), *生田 拓三 (立命館大学 情報理工学部), 坪内 孝太 (Yahoo Japan研究所), 西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 190 - 198
キーワード屋内測位, PDR, マップマッチング, 人流分析, 購買行動分析
アブストラクト本研究では, PDR(Pedestrian Dead Reckoning) やマップマッチング, 歩行状態の推定, 少量の絶対 位置情報を応用することで, 最尤経路を推定し狭隘空間においてもユーザの位置を推定可能にする手法を 提案する. 提案手法では, ユーザの経路を転回地点毎に分割し, 区間ごとの長さの比率を用いてマップマッ チングを行うことで狭隘空間での測位にも耐え得る経路の推定を可能にした. また, 店舗における客動線の 把握を主体としたため, オフラインで大量のデータを扱うことを目指した. 評価においては, PDR と歩行 状態の認識結果を用いて歩幅を調整した手法やマップマッチング単体の手法などを比較対象として, 各テ ストコースにおける測位誤差をそれぞれ検証した. 検証より, PDR やマップマッチング単体の手法に比べ 誤差を軽減でき, 歩行状態認識とマップマッチングを併用した手法よりも平均誤差を約 1.79m 軽減するこ とができた.

2B-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名PDR推定軌跡の簡略化による経路理解の向上
著者坂東 秀人, *松浦 大希, 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 199 - 205
キーワードubi, ritsu, labo, info, 理工
アブストラクト近年,屋内にいるユーザの位置情報を知ることはナビゲーションだけでなくマーケティングにおいても非常に重要な情報であり,注目を集めている.屋内のユーザの位置情報を知る手法として建物内に設置された Wi-FiやBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを利用するものや,ユーザが身につけたセンサ情報を用いる歩行者自律測位 (PDR: Pedestrian dead-reckoning)がある.特にPDRは環境側の整備が必要なく,導入コストを抑えられる利点がある.しかし,PDR は測位開始地点からの相対的な位置を求める測位であるため,測位時間の増加とともに測位誤差も増加するという問題がある.そこでPDRを行う際には他の測位手法の併用や,マップマッチングを利用することがある.マップマッチングとは,事前に建物内の歩行可能な通路を線(リンク)とその交点(ノード)で表現した歩行空間ネットワークを作成しておき,PDRによって推定された移動軌跡(以下,推定軌跡)をその線上へと補正を行うものである.しかし,マップマッチングを行うためには詳細な歩行空間ネットワークが必須となるため,他の測位手法と同様に導入コストが高くなってしまう.さらに,人間の歩行には左右のブレが含まれるため,PDRの推定軌跡は波打ったような線として描かれる.そのような推定軌跡ではどの部分で直進しているのか,どの部分でどちらの方向へ曲がったのか,という情報を判断することが困難であり,またマップマッチング等のプログラムで処理する際にも処理が複雑になってしまう. そこで本研究では,PDRによって得られた推定軌跡を歩行空間ネットワークを用いることなく,簡略化を行う.簡略化とは推定軌跡を簡素なものとすることで,ユーザの移動経路を明確にするものである.具体的な簡略化の処理として,線分化と直交化の2つを行う.1つ目の線分化とは,直進していると判断できる部分を1つの線分に変換し,推定軌跡を連続した線分の集合として表現することである.直進は5歩間の角度差の合計値が閾値以上であるかどうかで判定を行う.2つ目の直交化とは,ユーザの進行方向変化を90度単位の変化として扱うことである.建造物内の通路,特に商品棚が多く並ぶ店舗内の通路は,それぞれが平行または直交している場合が多く,その通路を歩行するユーザの移動軌跡もそれに準じたものとなる.そのため,推定軌跡を通路と同じく線分それぞれが直交したと形へと変換することで,誤推定や誤差によって通路から大きく外れた軌跡を減らすことができると考える. 評価実験は通路が碁盤目状にそれぞれ直行している環境として兵庫県神戸市のコープ垂水の店舗で行い, 40代の被験者1名に買い物メモを渡し,メモに書かれた商品を探索してもらった. 歩行軌跡は合計364歩で補正前と補正後それぞれチェックポイントごとの測位誤差は簡略化を行う前では通路を波打ったように進む直進パーツが簡略化を行った後では複数の線分として変換されており,ユーザの移動経路が明確なものとなった.しかし,正解軌跡と補正後の軌跡を比較すると,途中の軌跡までは正解軌跡と同じような軌跡へと補正が行われているが,一部の軌跡は進行方向が誤った方向へと補正されてしまっていることがわかるが補正前後の測位誤差低減率をみると軌跡全体では約 58%となっていることから,提案手法により測位誤差を大きく低減することができたと言える.

2B-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名深層学習を用いたスマートフォンセンシングによる歩行時の路面種別推定
著者*小林 慧, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻)
ページpp. 206 - 212
キーワードスマートフォン, 加速度センサ, 路面種別, 機械学習, 深層学習
アブストラクト本研究では,スマートフォンに搭載されている加速度センサを用いて歩行時の3軸加速度データを収集し,得られた値からユーザが歩行した路面の形状を推定する手法を開発する.路面形状を自動で推定できれば,多くの人がスマートフォンを持ち歩くだけで,歩きやすい道路や歩きにくい道路等の様々な道路情報を蓄積できる.先行研究では,加速度データから人手で設計した特徴量を抽出しRandom Forestを用いて推定する手法を提案したが,本研究ではConvolutional Neural Network (CNN)を用いた手法を提案する.CNNを用いることで,新たに有効な特徴表現を自動抽出し,推定精度の向上が期待できる.また,大規模データセットが公開されている行動認識をソースドメインとした転移学習を適用した手法も提案する.被験者7名に対し,Leave-One-Subject-Out Cross Validation (LOSO-CV)で性能を評価した結果,転移学習を適用したVGG16で先行研究と比較して6.4%の精度向上が見られた.被験者によっては20%以上の精度向上が見られ,提案手法のCNNの有効性を示した.


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セッション 2E  無線
日時: 2020年6月24日(水) 15:50 - 17:30
座長: 山口 弘純 (大阪大学)

2E-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名電波電力伝送におけるRSSIフィードバックを用いた位相最適化手法の実装と評価
著者*林 健太朗, 濱政 光, 川崎 慈英, 木崎 一廣 (大阪大学大学院情報科学研究科), 田中 勇気 (パナソニック株式会社), 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 213 - 220
キーワード無線電力伝送, 電波電力伝送, 位相最適化
アブストラクト電波を用いた無線電力伝送は,センサノードに対して天候や時間帯によらない安定した電力供給を行うことが可能である. 筆者らは,分散配置した複数の送信アンテナを電波電力伝送に用いるとともに,適切に位相制御を行うことによって,高効率な給電を実現する分散協調電波電力伝送システムに関する検討を行っている. 各アンテナに対する位相制御量を決定するために,センサノードがフィードバックするReceived Signal Strength Indication (RSSI) にしたがって位相の最適化を行う複数のアルゴリズムがこれまで提案されている. 一方その効果については,理想的な電波伝搬環境における議論しかなされていない. 本稿では,分散協調電波電力伝送システムおよびRSSIフィードバックを元にした各位相最適化アルゴリズムを実機実装することで,実環境における各アルゴリズムの最適化性能を実験評価した. 実験評価から,センサノードにおけるRSSIフィードバックの粒度,および制御可能な位相の解像度が,各アルゴリズムの給電効率に影響を及ぼすことが分かった.

2E-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名異種無線による電力効率化のためのノードのグループ構成手法のシミュレーション
著者*戸澤 涼 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 稲村 浩, 中村 嘉隆 (公立はこだて未来大学)
ページpp. 221 - 228
キーワードLoRaWAN, BLE, グループ化, 消費電力
アブストラクトIoT センサデバイスは,バッテリー駆動が前提となるため省電力化が重要である.LoRaWAN は,無線センサネットワーク(WSN:Wireless Sensor Network)において省電力で広域カバレッジを実現している.本研究では,WSN内で複数ノードのグループを自律的に構成し代表がデータを集約し代理送信する手法を基本に遠距離,近距離において異種通信を使い分けることで,WSN の電力効率化を図る.我々はこれまで,異種無線を組み合わせた場合と既存のLoRaのみのWSNにおける消費電力の差異を実測にて検証し,提案したプロトコルを用いた際のデータの集約による消費電力の効率化に関する消費電力のモデル式を実測データで評価により提案手法の有効性を提示した.本稿では,提案手法の有効性を評価するために応用として,実環境においてゴミ収集のIoT化を推進した場合,提案手法を用いた場合の方がLoRaWANのみの既存ソリューションと比較し,消費電力の観点で有効であるかをネットワークシミュレーターのns3を用いて評価する.愛知県東浦町のゴミステーション配置の実データを用いて,BLEとLoRaWANを備えたセンサノードをスマートゴミ箱に配置し,収集に必要なゴミ箱の状態をセンシングする状況を模擬し,提案手法の消費電力効果を調べる.さらに作業コスト削減を図るため,センサノードのバッテリ交換作業のタイミングの集約についても評価する.

2E-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名異種無線通信方式併用型遅延耐性ネットワークにおける予測型無線通信方式選択手法の一検討
著者*加藤 新良太 (静岡大学創造科学技術大学院自然科学系教育部), 高井 峰生 (大阪大学/カリフォルニア大学ロサンゼルス校), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 229 - 240
キーワード災害, 異種無線, DTN, 強化学習
アブストラクト筆者らは,Wi-Fi, Bluetooth, 携帯電話網, LPWA等の異種無線通信方式を実装した通信端末から成るDTN (異種無線併用型DTN) により,発災直後から通信インフラ途絶下でも被災状況把握や避難指示等の共有を可能とする災害時情報共有システムの実現を目指している.本システムの実現には,避難する住民や緊急車両の往来によるネットワークトポロジの変動により,通信端末間の通信機会,通信時間,転送レートが異なるため,通信機会毎に共有データのサイズや優先度等を考慮しつつ,それらデータの転送に適した無線通信リンクを選択する方策が必要である.その方策には,転送レートや変調方式等の無線規格ごとに異なる特徴を考慮しつつ,通信可能時間や転送レート等のリンク品質を推定することが求められる.既存研究では,受信強度やパケット受信率等に基づきリンク品質を推定する手法等があるが,それらは単一無線通信方式を用いる場合を想定しており,異種無線通信併用型DTNへの検討が不十分である. 本稿では,災害時利用を想定した異種無線併用型DTNにおいて,各無線通信リンクごとの通信可能時間及び平均転送レートをデータ通信開始前に推定するリンク品質推定方式を設計する. 具体的には,災害時利用を想定した異種無線併用型DTNの実現に向けた必要要件に基づいて既存手法がその必要要件を満たしているかを調査する.その後,その必要要件と調査結果に基づき,パケット受信率等のメトリック,移動局の走行時撮影画像,移動局と固定局の位置や速度等を複合的に評価してリンク品質を予測する手法を検討する.また,その一案として機械学習を応用する方策を提示し,その実現への技術的課題について議論する.

2E-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名小口径下水管における複数アンテナアクセスポイントを使用した場合の無線LAN通信特性
著者*立花 誠也 (静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 241 - 248
キーワード下水管内無線通信, MRC, IEEE 802.11n, 浮流通信端末, 無線通信特性
アブストラクト日本では下水管の老朽化が進み,その検査と整備が急務となっているが,現行の下水管検査手法はコストなどの面で様々な問題を抱えている.筆者らは,短時間・低コストの検査が可能な新しい下水管検査手法として,複数の浮流型観測機を用いた下水管内映像伝送システムを提案している.このシステムでは,下水管内に投入されたカメラ付き浮流観測機が撮影した管内の映像を,マンホール下のアクセスポイント(AP)を介して無線通信を用いて回収し,その映像に基づいて検査を行う.下水管内の無線通信の通信可能距離は,下水管外の土砂,下水管内の汚水や堆積物等の障害物等により,自由空間よりも制限されることがわかっている.一方で,浮流無線カメラは下水管内を浮流し続け,APの通信可能範囲に留まり続けることができないため,浮流観測機がAPへ転送可能なデータ量も制限される,本システムの利便性向上には,下水管内の通信可能距離延長及びスループット向上が必要である.本稿では,複数アンテナを搭載したAP利用時のMRCによる電波の受信性能向上を検証するため,2.4 GHz帯及び5 GHz帯を用いるIEEE 802.11n無線LAN端末のスループット測定を大学キャンパス内に埋設された実験管で実施した.2.4 GHz帯及び5 GHz帯IEEE 802.11n無線LANを用いた実験では,複数アンテナを搭載したAPの通信可能距離は,シングルアンテナのAPに比べ大きいことを確認した.本システムにおいて複数アンテナのAPを用いることにより,APへの転送可能データの向上が見込めることが示唆された

2E-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名ソフトウェア定義光ファイバ無線を用いた複数電波空間の相互接続に関する一検討
著者*相浦 一樹 (大阪大学大学院情報科学研究科), 椎名 亮太, 福井 達也, 成川 聖, 南 勝也 (日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所), 石岡 卓将, 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 249 - 258
キーワードSD-RoF, RoF
アブストラクトドローンや自動車などのネットワーク経由での制御,遠隔手術・遠隔診療,オンラインゲームなどのサービスの実現に向けて,大容量性と低遅延性を両立したネットワーク技術が待望されている. 筆者らは,大容量性と低遅延性を両立した新たなネットワーク技術の実現に向けて「ソフトウェア定義光ファイバ無線 (SD-RoF: Software Defined Radio-over-Fiber)」を用いた無線アクセスネットワークの検討を進めている. SD-RoFは,既存のIP (Internet Protocol)で構築された無線アクセスネットワークを「振幅遅延制御回路を用いた光ファイバ無線双方向パススルー技術」と「光スイッチと電気合波回路を組み合わせたソフトウェア定義RoFネットワーク技術」の2つの構成技術で置き換える試みである. 本稿では,SD-RoFの1構成技術である光スイッチと電気合波回路を組み合わせたソフトウェア定義RoFネットワーク技術を提案する. 光スイッチと電気合波回路を組み合わせてRoFをネットワーク化することで複数の電波空間を自由に相互接続する. 相互接続可能な電波空間数を指標とした性能評価から光スイッチと電気合波回路を組み合わせたソフトウェア定義RoFネットワーク技術の有効性を示す. また,RoFネットワーク内における光スイッチ・電気合波回路の配置がもたらすアーキテクチャへの影響について光ファイバの総本数の観点から解析した.


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セッション 2F  予測・推定
日時: 2020年6月24日(水) 15:50 - 17:30
座長: 宮田 章裕 (日本大学)

2F-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名時間窓可変型局所モデル構築に基づくCO2濃度からの滞在人流の推定
著者*角田 啓介, 荒井 直樹, 尾花 和昭 (日本電信電話株式会社 NTTスマートデータサイエンスセンタ)
ページpp. 259 - 266
キーワード人流推定, CO2濃度, 局所モデル
アブストラクト本稿では,室内の滞在人数や滞在時間といった人流情報を低コストに推定することを目的とし,時定数可変型局所モデル構築による室内CO2濃度からの滞在人数・時間(人数,人×秒)の推定手法を提案する,室内における二酸化炭素(CO2)の濃度から,滞在人数を推定する試みはいくつかなされてきた.しかしながら,特に広い空間を持つ屋内においては,室内における滞在人数と人が呼気で排出するCO2の濃度の関係は,変化の速度が大きく異なるだけでなく,換気量が変化すると滞在人数や滞在時間がCO2濃度に影響を及ぼすまでの時定数も変化しうる.このように,実環境においてはある変数がほかの変数に影響を及ぼすまでの時定数が様々な要因で変化しる場合,その2変数間の関係は一意に定義できないため,変数間の統一的なモデルを構築し,推定に使用するのは困難である.本稿ではJust In Timeモデリングと呼ばれる局所モデル構築に,時間窓幅の自動選択を組み込むことで,時定数が変化するケースにおいても局所モデルを構築できる手法を提案する.そして,本手法を実際の室内におけるCO2濃度を用いた滞在時間・人秒の推定に適用することで,その有効性を示す.

2F-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名海水温予測のための水温情報精度向上を目的とした異常値検出・排除手法の提案
著者*阿草 裕, 遠藤 慶一, 黒田 久泰, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科)
ページpp. 267 - 273
キーワードIoT, 予測, 異常検出, 精度向上, 情報システム
アブストラクト養殖漁業においては,現場周囲の海域における水温情報が非常に重要である.水温を知ることで,魚病対策や,赤潮の発生予測を行うことが可能となるからである.我々は,水産研究機構と協力して,愛媛県の宇和海上に16基の水温観測装置からなる多深度のセンサーネットワークを構築した.また,本ネットワーク上で測定された水温情報を即時可視化し,宇和海の漁業従事者へ提供できるようなWebシステムを構築した.しかし,本Webシステムによって提供される水温情報は現状,あるいは過去の情報のみであり,漁業従事者からは1〜2週間程度の近未来の水温予報の提供が求められている.そこで本研究では,本Webシステムの新機能として,過去の水温情報から,近未来の水温を予測し,その予報情報を提供する機能を実装する.本稿では,水温予測手法を検討するうえで解決しなければならない課題のうち,水温情報の精度向上について取り上げ,水温の過去情報との比較等から,異常値を検出・排除する手法の検討および評価について報告する.

2F-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名学習者の疲労度推定のための脚部動作計測デバイスの提案
著者*相川 大吾 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻), 河端 留奈 (電気通信大学情報理工学域先端工学基礎課程), 江木 啓訓 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
ページpp. 274 - 277
キーワード疲労, 脚部動作, 休憩, クラスセンシング, 状態推定
アブストラクト本研究では,学習者の主観的疲労度の推定を目指し,精神的な負担が少ない手法で脚部動作の計測を行うデバイスの提案を行う. 一般に,授業中の学習者の主観的疲労感は,時間と共に増加すると考えられる. また,学習者の主観的疲労感の蓄積は,学習を阻害すると考えられる.疲労感の蓄積を防ぐために,教授者は,適切なタイミングで休憩を実施することが効果的である.したがって,学習者の主観的疲労感を推定し,疲労感が増加したタイミングで休憩を促すことによって,効果的な学習を支援することができると考えられる.これまでに,学習者の主観的疲労感と脚部の動作の間には有意な相関が報告されている.学習者の主観的疲労感は,脚部動作の計測によって推定できると考えられる.しかし,現在提案されている脚部動作の計測手法は,学習者へ与える影響が大きく,学習を阻害する可能性があるなど,実際の教育現場へ導入することは困難であると考えられる.本研究では,学習現場への導入可能性の高い手法で,学習者の主観的疲労感の推定をおこなうことを目指し,焦電型赤外線センサを用いた脚部動作計測デバイスを開発した.開発した脚部動作計測デバイスを用いて暗算課題に取り組む学習者の脚部動作を計測した結果,目視での計測との再現率は0.931となり,非常に高い精度で計測できることが示された.

2F-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名物件情報による賃貸物件快適度指標推定にむけた検討
著者*諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所), 大坪 淳, 中村 優吾 (奈良先端科学技術大学院大学), 野口 真史 (株式会社LIFULL)
ページpp. 278 - 283
キーワード賃貸物件快適度指標
アブストラクト賃貸物件を探索する際に,物件探索者(借主)は,場所,賃料,広さ,築年数などだけでなく,騒音や日当たりなどについても考慮に入れて物件を探索している.しかしながら,これらは定量的な指標になっておらず,明確な比較が困難という問題がある.そこで我々は,これまでIoTデバイスを用いた指標化を試みてきた.IoTデバイスにより収集したデータを,ルールベースで分析することにより,指標か行っている.しかしながら,防音性については,推定精度が76.5%と低く,より精度の高い指標の構築が求められている.そこで本稿では,ルールベースではなく,機械学習手法を用いた指標作成を行う手法を提案する.また,賃貸物件検索サイトから得られる情報から賃貸物件快適度指標の推定する手法を提案する.予備的な評価実験により,決定木を用いた快適度指標推定が,既存研究であるルールベースの手法よりも,精度よく快適度指標を推定できることを確認した.


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セッション 2G  プライバシ・匿名化
日時: 2020年6月24日(水) 15:50 - 17:30
座長: 金岡 晃 (東邦大学)

2G-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名セキュリティ・オペレーションにおける秘匿データ分析システムの提案
著者*西嶋 克哉, 川口 信隆, 重本 倫宏 (日立製作所/研究開発グループ), 近藤 賢郎 (慶應義塾/インフォメーションテクノロジーセンター本部), 中村 修 (慶應義塾大学/環境情報学部)
ページpp. 284 - 289
キーワードサイバー攻撃, 情報共有, 秘匿情報処理, セキュリティオペレーション
アブストラクト突発的に起こるサイバー攻撃からネットワークやシステムを守ることは,セキュリティ・オペレーションにとって不可欠の要件である.しかし,大規模化し巧妙になる攻撃を,自組織だけで守り抜くのは困難である.対策の一つとして,複数組織で攻撃関連情報等の情報共有を行い,得られた情報を元に事前に対策を行うことが考えられる.しかし,プライバシ・機密を含む生データの開示リスクや,安全に大量の生データを共有することのコストが,円滑な情報共有を阻害している.ここで我々は,セキュリティ情報の共有には,必ずしも生データ自体を必要としているわけではないことに着目する.例えば,自組織と同じ攻撃を受信した組織の発見や,コミュニティ内で同攻撃を受信した組織数を調査する場合には,共通の情報を持っているかどうかという情報のみが必要とされる.そこで本稿では,データ開示を伴わない分析を支援する,秘匿データ分析システムを提案する.本システムでは,データ自体は共有せず,データを分析する機能を配付・実行し,データ分析のために必要十分な情報のみを共有する.これにより,機密データの開示や大量データの共有を抑えることができ,情報共有を促進することが期待できる.

2G-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名Local Differential Privacyによりプライバシーを考慮した位置情報分布推定
著者*堀込 光, 菊池 浩明 (明治大学総合数理学部)
ページpp. 290 - 297
キーワードLocal Differential Privacy, 位置情報, 最尤推定, EMアルゴリズム
アブストラクトスマートフォンの普及に伴い,サービス企業は,渋滞予測や混雑予想などのためにリアルタイムな位置情報を収集し公開している.しかし,こうしたサービスでは,個人の位置に関するプライバシが侵害されるの危険性がある.そこで,GoogleのRAPPORなどのLocal Differential Privacy(LDP)手法を用いて,個々(Local)の真の位置情報を隠して正しく情報を集計し,プライバシを保護した人口分布推定が行われている.しかし,RAPPORでは,推定されている集計は最尤推定であり精度が十分ではない.そこで,本論文では,Expectation Maximizaion(EM)アルゴリズムを適用し,従来のRAPPORよりも精度の高い推定方式を提案し,最尤推定よりも精度が高いことを報告する.

2G-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名頻度情報の付加による匿名化データの有用性向上技術の一考察
著者*寺田 剛陽, 山岡 裕司, 福岡 尊 (富士通研究所)
ページpp. 298 - 304
キーワードk-匿名, 有用性
アブストラクトAIを活用した高精度の分析には多くのデータを要する.自組織のデータだけで充分な精度が得られない場合はオープンデータや他組織のデータの活用が考えられるが,これらのデータは個人情報漏洩の防止の観点から匿名化が施されている.匿名化はデータの情報量を減らしてしまうためAIでの分析精度に影響する.本論文では,匿名化によるデータ劣化を抑制するため,匿名化前の統計情報を匿名化後のデータに付与する方式を提案し評価した.結果,ロジスティック回帰,線形サポートベクター分類器との相性がよい傾向がわかった.

2G-4 (時間: 16:50 - 17:10)
題名k-匿名性を維持しつつ他組織との比較可能なサイバーリスク可視化システムの試作
著者*小林 晴貴 (東京電機大学大学院 工学研究科 情報通信工学専攻), 齊藤 泰一 (東京電機大学 工学部 情報通信工学科), 佐々木 良一 (東京電機大学 総合研究所)
ページpp. 305 - 311
キーワードk-匿名性, サイバーリスク
アブストラクト近年,あらゆる組織がディジタル化を進め,多様なITシステムを導入するようになった.一方,その普及に伴ってセキュリティインシデント(事件事故)が頻発しており,このようなサイバーリスクへの対策を効率良く実施することが課題になっている.解決策として,情報部門が経営者とのリスクコミュニケーションを行い,意思決定支援を行うことが挙げられるが,セキュリティ専門家ではない経営者に対してこれを実施することは容易ではない.このような経営者にとっては,同業他組織の状況を知り,そこに合わせる,もしくは近づける,あるいはそれを凌駕するというアプローチが効果的だと考える.しかし,組織間の情報共有は様々な懸念が存在し積極的な取り組みは進んでいない.そこで,本稿では自組織のサイバーリスクを可視化するとともに,k-匿名性を維持できる範囲でその結果を他組織と比較できるシステムを検討し,オープンソースのWebアプリであるLimeSurveyを用いて試作した.本試作により,自組織の匿名性を維持しつつ同業他組織との状況を比較できることを確認できたので報告する.

2G-5 (時間: 17:10 - 17:30)
題名ライフスタイル認証・解析 実証実験2019(その2)レポート
著者*重田 信夫, 小林 良輔 (東京大学 大学院情報理工学系研究科), 佐治 信之 (コードノミー, インフォコーパス), 山口 利恵 (東京大学 大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 312 - 319
キーワードライフスタイル認証・解析, 行動認証, 個人認証, スマートフォン, 実証実験
アブストラクト“ライフスタイル認証・解析”は個人の行動パターンに基づく情報で認証する技術であり,さまざまな行動 支援や,個人向けサービス提供などの実現を目指している.2017 年の1〜4 月には,5 万人規模の実証実験を実施し,大量の行動データ取得に成功した.20019 年1 月〜4 月にライフスタイル認証・解析の実証実験2019(その1)を実施し,行動データに対応した認証アルゴリズムを開発・実装を目指した.これらを受けて,2019 年6 月〜8 月にライフスタイル認証・解析の実証実験(その2)を実施した.これまでの実験を実用化に向けて進展させ,ライフスタイル認証の実サービスへの適応性を確認するものである.本稿では,被験者の行動の揺らぎによる認証値の変化に注目した. 具体的には被験者の時々刻々得られる認証値と,行動時間(曜日や時間帯ごと)の関係性に着目した分析について報告する.


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セッション 2H  医療・ヘルスケア
日時: 2020年6月24日(水) 15:50 - 17:30
座長: 打矢 隆弘 (名古屋工業大学)

2H-1 (時間: 15:50 - 16:10)
題名電子麻酔記録データを用いた 麻酔導入後低血圧予測システムの提案
著者*稲田 大陸, 土井 千章 (慶應義塾大学大学院理工学研究科), 関 博志 (東京歯科大学市川総合病院 麻酔科), 出野 智史, 加藤 純悟, 山田 高成, 森 浩 (慶應義塾大学医学部 麻酔学教室), 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 320 - 325
キーワード医療, 機械学習, 麻酔, 低血圧
アブストラクト麻酔薬の投与は血圧低下を引き起こすが, その程度は患者の全身状態や麻酔薬の投与量などに影響を受け, 予測が困難である. 特に麻酔導入時には高度の血圧低下(以下導入後低血圧)を来たすことがある.高度の低血圧は心筋梗塞や脳梗塞などの有害事象を引き起こし,患者予後に影響を及ぼす可能性がある.そこで,導入後低血圧の発生を事前に予測し,医師の術前計画立案時や研修医のトレーニング時に使用可能なシステムを実装することで,導入後低血圧を発生しない麻酔薬投与量決定のサポートすることが期待できる.本稿では,年齢や性別,予定術式等の患者情報から導入後低血圧を予測し発生確率を可視化する導入後低血圧予測システムを提案する.本システムで使用を想定して,過去の電子麻酔記録データを用い,導入後低血圧の発生に対して相関の高かった患者年齢を層別化して,機械学習手法を用いて予測モデルを構築した.そして,構築したモデルを組み合わせて用いことで,F 値0.70 で予測できることを確認した.

2H-2 (時間: 16:10 - 16:30)
題名画像を用いた体重推定システムにおける身体部位長の自動計測機能の開発
著者*田中 希和, 吉野 孝 (和歌山大学), 横山 剛志 (国立長寿医療研究センター), 永坂 和子 (岐阜保健大学)
ページpp. 326 - 331
キーワード医療システム, 体重推定, 画像認識
アブストラクト近年,日本の要介護認定者数が増加傾向にある.日常生活に介護を必要とする要介護度の高い患者,自力では起立困難な患者は寝たきりの状態が続くと,様々な身体機能が低下する.これらの患者の栄養状態を評価する上で,体重は非常に重要な指標となるが,起立困難者の体重計測には困難が伴う.現在,車椅子式体重計やベッド式体重計を用いて,患者の体重推定を行う手法があるが,これは,循環機能が低下した患者には体位変換時の身体的負担が大きい.そこで我々は,自力では起立困難な患者を対象とする,画像を用いた体重推定システムを開発する.本システムでは,指定の条件のもと撮影を行った画像より,体重推定式を利用し,体重の推定を行う.本稿では,体重推定式に必要となる身体部位長を,1 枚の画像よ り自動計測を行うシステムの概要と本システムの測定精度について述べる.

2H-3 (時間: 16:30 - 16:50)
題名発達障害者を対象とする画像処理を用いた物片付け判別手法の検討
著者*石崎 美弓, 寺島 美昭 (創価大学大学院工学研究科)
ページpp. 332 - 336
キーワード発達障害, ADHD, 画像処理
アブストラクト本研究は発達障害の一種であるADHD(注意欠如多動性障害)を持つ人をはじめとした片付けが苦手な人々を対象とし,片付けのタイミングと片付ける物体を示すことで片付けを単純化し片付けの困難さを軽減することを目的としている.そのためにはまず片付けを行うかどうかの判別が必要であり,画像処理により数値化をして判別を行う方法を提案する.具体的には片付けに必要な情報を数値化して表すために要素を定義し,さらに識別・削除・追加・平面移動・重なり・傾きの6つに類別し,片付いた状態と片付いてない状態の画像から要素ごとの数値を抽出し変化を検出する.画像処理の一つであるArUcoマーカーを用いることで識別と削除の数値を得ることができる.これを確かめるために検証実験を行った.実験では数値の抽出を実際に行うことができ,さらにマーカーの検出を安定して行うことが可能なマーカーサイズの範囲を調査することができた.


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セッション 3A  MBL統一テーマセッション
日時: 2020年6月24日(水) 17:50 - 19:10
座長: 太田 賢 (株式会社NTTドコモ)

3A-1 (時間: 17:50 - 18:30)
題名(招待講演) IoTと養殖業を通じた技術の社会実装の取組とアプローチ
著者藤原 謙 (ウミトロン株式会社)
ページp. 337
アブストラクト人口増加・動物性タンパク需要を背景に急伸する魚の養殖業において技術の社会実装を行い、食糧問題の解決に向き合うベンチャー企業の活動を紹介する。2016年に創業し取り組んできた生産現場での共同開発や、事業化の中で得た社会実装における試行錯誤と得られた知見を共有する。また、自身のエンジニアとしての研究開発活動や事業開発の経験を踏まえて、ハードウエアとデータ分析を統合しながらビジネス化を進める上で考慮すべきこと、難しさ、可能性などを議論したい。

3A-2 (時間: 18:30 - 18:50)
題名足圧センサ付きインソールを用いた路面状況推定手法の提案と評価
著者*若林 勇汰 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
ページpp. 338 - 345
キーワード路面状況推定, インソール型デバイス, 足圧, ナビゲーション, 歩行センシング
アブストラクト近年,Google MapsやYahoo! Map, NAVITIMEをはじめとする経路検索が可能なサービスが普及し,歩行者ナビゲーションの用途としても広く使用されている.これらのサービスでは,目的地までの距離や所要時間を重視して経路を推薦しているため,推薦された経路は歩行者にとって必ずしも歩きやすいとは限らない.凍結路面や凹凸路面などの歩きにくい路面を推定することで,歩行者に目的地までの歩きやすい経路を事前に提示することができ,凍結路面による転倒や凹凸路面により足を挫くことなどを回避させることが可能であると考えられる.本研究では,歩きやすい経路を歩行者に提示するため,路面状況を推定することを目的とする.路面状況により足圧(歩行時に足の裏にかかる圧力)が変化すると考え,足圧を用いた路面状況推定手法を提案する.提案手法として,複数の圧力センサを装着したインソール(足圧センサ付きインソール)を用いて路面状況を推定する.評価実験として,凍結路面,積雪路面,砂利道,坂道上り,坂道下り,コンクリート路面の6種類の路面状況の推定精度を10-分割交差検証によって評価した結果,F-measureが0.901となり,提案手法において9割程度の推定精度が得られることを示した.

3A-3 (時間: 18:50 - 19:10)
題名列車の到着時間案内アプリの実用性向上
著者*井上 晴稀 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部情報科学科)
ページpp. 346 - 353
キーワード公共交通機関, GTFS, 位置情報, スマートフォンアプリケーション, GPS
アブストラクト日本の鉄道は複雑に発達しており,定時制のある運行を行っている.公共交通機関を利用する乗客が円滑に移動するためには,乗客に対して列車に関する情報を提供する必要がある.以前,我々はスマートフォンを使い,GPSを利用した位置情報から乗客の乗っている列車を自動で推定し,到着時間を乗客に提示するアプリケーションを提案した.しかし従来の推定処理は,乗客の移動履歴が長くなってしまうと,列車の推定にかかる処理時間が増大してしまうという問題点を抱えている.そこで,列車の推定にかかる時間を短縮させるため,長大な乗客の移動履歴を構成する位置情報の数を間引いて推定処理を行うように変更する.また,乗客の乗っている列車の候補順位を指標とする精度を維持するために,路線推定処理と列車推定処理においてハウスドルフ距離を用いて類似度を出す処理に変更し実装する.他にも,従来システムでは候補順位が表れていない部分が発生する問題があったため,方向推定処理内の処理も変更する.


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セッション 3B  行動認識1
日時: 2020年6月24日(水) 17:50 - 19:10
座長: 大西 鮎美 (神戸大学大学院工学研究科)

3B-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名機械学習を用いた外れデータ検出による行動認識モデルの推定精度への影響
著者*加川 宗嗣 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻), 水野 真, 顆 大輔 (福井大学大学院工学研究科情報・メディア工学専攻), 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻)
ページpp. 354 - 360
キーワード行動認識, 深層学習, 異常値検知, センサデータ
アブストラクト本研究では,スマートフォンを用いた行動認識を目的としたセンサデータ収集において起こり得るアノテーション誤りを検出し除去を行う手法の比較を行う.アノテーション誤りを検出できることによってデータセットの品質を高めることができるため行動認識の推定精度向上が実現できる.本研究では,One Class Support Vector Machine,クラス確率に基づく手法,距離に基づく手法の3 つの手法を用いたアノテーション誤りの検出を行う手法を開発する.センサを用いた行動認識に関するベンチマークデータセットであるHASC Corpus に対して意図的にアノテーション誤りを起こし,誤り検出精度,及び,行動認識精度を比較評価した結果,距離に基づく手法が最も行動認識モデルの推定精度向上に貢献することがわかった.また,アノテーション誤りが含まれる割合が増加することに対して行動認識の推定精度への悪影響がある点や,距離を用いた手法において前処理の有無や種類による行動認識の推定精度への影響を明らかにした.

3B-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名手と物体の相互作用の認識とその知識グラフの生成
著者*豊坂 祐樹, 大北 剛 (九州工業大学)
ページpp. 361 - 367
キーワードdeep learning, 深層学習, 相互作用の認識, 知識グラフ
アブストラクト知識グラフの形での行動述語表現としてのビッグデータは, スマートシティ, スマートホーム, ロボットの計画などにおいて中心的な役割を担うことが考え られる. これは, 行動述語より, これに付随した行動の主体や被主体が上位ア プリケーションには大きな情報源となるからである. 本論文では, 手と手に関係する物体の相互関係を自動的に認識して, その関係を動作述語、動作主体、 被主体という知識グラフとして記述するシステムを深層学習を用いて構築した. 特に, 人間の手の形状を足掛かりとして, 手と物体との近接性の判定アルゴリ ズムに手の形状を考慮するアルゴリズムとして構築した. Stair Labの一部の データセットを用いて検証し, 83%の正解率を達成した.

3B-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名Octave Convolutionを用いたセンサによる行動認識手法
著者*近藤 和真, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻)
ページpp. 368 - 373
キーワード行動認識, 深層学習, CNN, Octave Convolution
アブストラクト人間行動認識(Human Activity Recognition: HAR)は人が身に付けたセンサや空間に設置されているセンサから人間の行動を観測し,得られたデータから行動や活動の種類を推定する課題である.近年では,Convolutional Neural Network(CNN)などの深層学習を用いたHAR手法が多数提案されている.HARでは加速度センサ,ジャイロセンサ,磁力センサなど様々なセンサが用いられるが,特に加速度センサは多くの手法で用いられてるセンサである.人間の行動を観測した加速度センサデータは一般に時系列データであるが,周波数解析により異なる行動には異なる周波数成分が含まれていることがわかる.従って,HARにおいて周波数空間に着目することは重要であると考えられる.本研究では,入力データを高周波成分と低周波成分に分離しながら畳み込み処理を行うOctave ConvolutionをCNNベースのHARモデルに適用し認識精度と計算コストの2点に関して検証を行った.その結果,被験者数が多く十分に訓練データが確保できる状況ではOctave Convolutionを用いることで推定精度が向上することを明らかにした.一方で,1次元のOctave Convolutionを用いたCNNモデルでは訓練データの被験者数によらず計算コストが増加することが明らかとなった.

3B-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名Preliminary Investigation of Unsupervised Factory Activity Recognition with Wearable Sensors via Temporal Structure of Multiple Motifs
著者*Xia Qingxin, Joseph Korpela (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University), Yasuo Namioka (Corporate Manufacturing Engineering Center, Toshiba Corporation), Takuya Maekawa (Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University)
ページpp. 374 - 381
キーワードActivity recognition, Wearable sensor, Factory work
アブストラクトIn this study, we propose a robust unsupervised learning technique that makes use of two types of sensor data motifs to track the starting time of each operation in every iteration of work periods. A period motif only occurs once in each work period that is used to roughly detect the duration of work periods. An action motif occurs many times in each work period, corresponding to some basic actions in the period. A temporal structure is then constructed based on the temporal distances among motifs in the first period, which is used to improve motif tracking in the following periods as well as roughly detect the location of outliers. We run particle filters to track the starting time of operations and select a best particle series based on the extracted motifs. We evaluate the proposed method using sensor data collected from workers in actual factories and achieved state-of-the-art performance.


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セッション 3C  センシング技術
日時: 2020年6月24日(水) 17:50 - 19:10
座長: 佐野 渉二 (金沢工業大学工学部情報工学科)

3C-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名音響と振動のセンシングによる充填率の異なる3Dプリンタ生成物の識別手法
著者*八田 将志 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科/JSTさきがけ)
ページpp. 382 - 391
キーワード物体識別, 加速度センサ, 角速度センサ, マイク
アブストラクトスマートフォンは多様なアプリケーションと機能で私たちの生活を豊かにしてきた.しかし,スマートフォンは手間のかかる作業や工程が多いという問題を抱えている.この問題は,ユーザが頻繁に使用するアプリケーションを短い時間で起動させることができれば手間のかかる作業や工程が短縮される.近年では音声認識技術やQRコード,バーコードなどの認識技術により,アプリケーションを短い時間で起動させることが可能となった.しかし,これらの技術は認識精度の低さや外的要因によりアプリケーション起動までにより時間がかかってしまう可能性がある.そこで本研究ではこれらの問題点を解決するために,音響と振動の特性が異なる3Dプリンタ生成物をスマートフォンで叩き,その特性の違いから3Dプリンタ生成物を認識し,その3Dプリンタ生成物に対応したアプリケーションを起動させるシステムを提案する.まず音響と振動の特性が異なる3Dプリンタ生成物を11種類用意し,スマートフォンで100回ずつ合計1,100回叩くことで,用意した3Dプリンタ生成物を分類した.結果として,全体では約81%,最大で96%の精度を得ることができた.

3C-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名環境電磁波ノイズ人感センサを用いたタイル型センサノードのアンテナサイズによる検出時間特性の評価
著者*藤 佑太, 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
ページpp. 392 - 397
キーワードIoT, 人検出, センサノード, 低消費電力
アブストラクト身の周りにあるもモノにセンサや通信機器を取り付け,生活を支援する研究が進んでいる.これらは人を対象 としているため,人の有無をサービスのトリガとして使用することが多く人検出センサが使用される.人検出センサ は人を瞬時に検出する必要があるため常にセンシングしている必要があり低消費電力であることが望ましい.これに 対し,我々は環境内の電磁波ノイズを利用することで電源供給を必要とせず人検出を行うことができるセンサを使用 したタイル型センサノードを提案している.これまでの研究により,タイル型センサノードにより人の検出が可能で あることを示したが,人の検出速度が歩行者の歩行速度に追い付かず検出できない場合がある問題がある.そこで本研究では,タイル型センサノードの設計時に変更可能なパラメータの内センサ回路であるCockcroft-Walton回路の昇圧段数とノイズ源との距離,アンテナ-GND間のギャップサイズ,アンテナサイズに着目して人検出速度を向上させることができるパラメータの評価を行った.その結果,ノイズ源との距離により検出速度は低下してしまうがCW回路の昇圧段数を変更することでノイズ源との距離による検出速度差を小さくすることができる事がわかった.また,アンテナ-GND間のギャップ距離は8儖幣紊△譴丱織ぅ襪某佑硫拿鼎加わったタイミングで検出することが可能であることがわかった.その際のアンテナサイズとしては40cm×40cmが最も検出速度が速いことがわかった.

3C-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名脈波センサを用いた筋活動量推定手法
著者*岡本 雅弘 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科/JSTさきがけ)
ページpp. 398 - 404
キーワード脈波センサ, 筋活動量
アブストラクト表面電極を用いて筋電位を取得し,量的,時間的,周波数的因子を解析することで筋活動を評価することができる. 筋電から人の行動や状態を認識する技術の研究は盛んに行われており,筋電信号で制御する義手やパワーアシストデバイスの制御などの腕や手の機能を支援するシステムに応用されている. しかし,筋電センサの多くは電極を装着するために導電ジェルやテープを肌に貼り付ける必要があり,装着脱着が面倒で,肌に負担がかかる.さらに,人の行動や状態を認識するためには複数の電極を装着する必要があるためユーザの負担はより 本研究では,脈波センサを用いた筋活動量推定手法を提案する.脈波センサはスマートウォッチや活動量計に内蔵されており,心拍数を計測することを主目的としてユーザが手首に装着している環境を想定する. ユーザは上腕に伸縮性のあるバンドを装着し,ユーザが腕に力を入れることで,上腕の筋肉が収縮して腕が太くなり,バンドによって動脈が締め付けられ,手首で計測される脈波が弱くなる. 提案手法は脈波計測値のパワースペクトルから4種類の腕の状態を識別する.ランダムフォレストを使用して10分割交差検証を行った結果,4種類の腕の状態を平均精度79%で認識できることを確認した.

3C-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名腕装着型センサの時系列情報と顔の温度分布を用いた温熱快適性推定法の提案
著者*吉川 寛樹, 内山 彰, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 405 - 414
キーワード温熱快適性, 機械学習, ウェアラブルセンサ, サーモグラフィ
アブストラクト近年,空調に対する満足度である温熱快適性を推定することで,住居だけでなく学校やオフィスなどにおいて快適な空調制御を行うための研究が盛んに行われている. それらの手法は機械学習を用いることで,ウェアラブルセンサなどにより測定した生体情報と,気温などの環境情報から人の温熱快適性を推定する. それらの多くは推定時点での瞬間的な情報のみを特徴量としており,同一の空間内に留まった被験者において評価を行っている. しかし実環境においては,広い室内の窓際など同じ部屋でも環境が異なる場所が存在し,居住者の移動や気流の変化によっても快適性に関わる周囲の環境は変化する. そのため実環境においては,そのような変化が伴う非定常な環境において正確に推定を行うことが求められる. そこで本研究では,常時生体情報を測定可能な腕装着型センサの特徴を利用し,生体情報の時系列的な変化を用いた温熱快適性推定手法を提案する. 推定モデル構築のため被験者21名からのべ123日分のデータを収集し評価を行ったところ,ベースライン手法と比較して適合率が3.6%,再現率が6.8%向上した. また実環境において収集したデータの不均衡を改善するために,時系列データを含むデータセットに対する回帰問題におけるデータバランシング手法を実装し有効性を示した. さらに過去の生体情報の考慮する時間の長さついて評価を行い,過去10分間の生体情報を用いることが推定精度向上には有効であることを示した.


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セッション 3D  IoT (1)
日時: 2020年6月24日(水) 17:50 - 19:10
座長: 横山 和俊 (高知工科大学)

3D-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名LPWAネットワークにおけるアドレス乱数化の提案
著者*妹尾 尚一郎, 古谷 彰教, 中山 裕之 (徳島文理大学)
ページpp. 415 - 420
キーワードLPWA, LoRa, IoTセキュリティ, アドレス, 無線センサネットワーク
アブストラクトさまざまなLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク技術により,比較的広いエリアであってもIoT(Internet of Things)アプリケーションの各種データを安価かつ容易にやり取りできるようになっている.一方LPWAの普及に伴うセキュリティ上の懸念も生じており,数十kmに達するLPWAの到達距離と通信事業者に限られない多様なLPWA ネットワークの存在,また低価格な汎用品として提供されるLPWAデバイスに内蔵できるセキュリティ対策の限界から,それらの解決は困難が見込まれる.LPWAネットワークプロトコルの一つであるLoRaWANは暗号化とメッセージ認証というセキュリティ対策を含むが,デバイスアドレスは暗号化されないためトラヒック解析には対抗できない.本稿はLPWAネットワークの更なるセキュリティ対策として,データフレームに一時的なデバイスアドレスを付与するアドレス乱数化を提案する.アドレスを乱数化したデータフレームの送信者と受信者間のアドレス同期プロトコルを述べ,ArduinoベースのLoRaデバイスへのLoRaWANオープンソースを利用したプロトタイプ実装について報告する.プロトタイプでは比較的小さなオーバヘッドでアドレス乱数化を追加できた.

3D-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名IoTアプリ構築支援のためのSINETStream Android用プラグインの開発
著者*孫 静涛, 竹房 あつ子, 藤原 一毅, 吉田 浩, 合田 憲人 (国立情報学研究所)
ページpp. 421 - 427
キーワード広域データ収集, モバイル, Android, IoT, Pub-Sub
アブストラクト第5世代移動通信システム「5G」の実用化とIoT(Internet of Things)デバイスの小型化・安価化を背景に,モバイルネットワークを介して,IoTデバイスから収集された大量な情報をクラウドに蓄積し,機械学習を用いた高度なデータ解析への期待が高まっている.国立情報学研究所はIoTアプリ開発を支援するために,広域データ収集・解析プログラム開発支援ソフトウェアパッケージSINETStreamの開発を進めている.しかし,SINETStreamは,Raspberry PiのようなLinuxベースのセンサ端末を前提として開発が進められているが,多様なセンサやバッテリが装備されているスマートフォンには対応していない.また,SINETStreamが提供する認証・認可や通信やデータの暗号化等のセキュリティ機能が,Linux以外の端末でも有効であるか明らかでない.本研究では,スマートフォンのような多様なセンサデータの収集・解析を可能にするため,SINETStream Androidプラグインを新たに開発し,Android端末を用いた安全な広域データ収集を可能にする

3D-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名論理センサクラウド ークラウドとIoTの統合システム管理 ー
著者*串田 高幸 (東京工科大学コンピュータサイエンス学部), 永島 寛子 (東京女子大学大学院理学研究科), 加藤 由花 (東京女子大学現代教養学部)
ページpp. 428 - 437
キーワードクラウド, 仮想化, システム管理, IoT
アブストラクトクラウドとIoTは,実用システムとして多くのところで使われている. しかし,クラウドとIoT の統合システム管理に関する研究は, IoTとクラウドの研究分野は,新規技術のイノベーションが少なく, まだ十分に行われていないことがわかっている.そのため, IoTの基幹となるセンサノードのデバイスやデータの質を管理して, プロダクション利用することに問題がある. この論文では,クラウドとIoTの統合システム管理のための 新プラットフォームである論理センサクラウドを提案する. 論理センサクラウドの論理センサから物理センサを 仮想化した仮想センサによる高可用性と,センサデータの質を 担保するためのデータ補完を提供する. また,統合システム管理では,センサノードから論理センサまでの 統合的なライフサイクル管理を提供することによって, IoTアプリケーションを,実時間データを使ったプロダクションを 利用できるようにする.


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セッション 3E  社会・システム
日時: 2020年6月24日(水) 17:50 - 19:10
座長: 北口 善明 (東京工業大学)

3E-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名ドメイン固有オントロジーを用いた時系列データからの要約文の自動生成
著者*近藤 颯, 沼尾 雅之 (電気通信大学)
ページpp. 438 - 443
キーワード自然言語処理, 自然言語生成, Linguistic Descriptions of Data(LDD), Ontology, オントロジーマッピング
アブストラクト近年,IoTの普及によりセンサなどから得られる時系列データは様々な場面で利用されているが,データをそのまま表やグラフで表示しても専門知識のない人が解釈することは非常に困難である.そのため,時系列データの特徴を要約した文章を自動生成する研究が行われている.しかし,多くの情報を含んだ時系列データからの文章生成にはそのドメイン固有の知識を用いることが必要である.本研究では,ドメイン固有のオントロジーを用いることでドメイン固有の知識を反映させた時系列データからの要約文生成システムを提案する.任意の時系列データから,そのドメイン固有のオントロジーを構築し,時系列構造オントロジーとオントロジーマッピングをすることで,時系列データの特徴からオントロジー推論で文章を自動生成する.本システムによりドメイン固有オントロジーを用いて時系列データの特徴を要約した文章を自動生成することを確認した.

3E-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名ロボットを組み込んだソーシャルグラフの提案
著者*太田 智美 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科), 山内 正人 (慶應義塾大学/情報経営イノベーション専門職大学), 加藤 朗, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
ページpp. 444 - 448
キーワードロボット, 共生, 社会, 公共, ネットワーク
アブストラクト人間と人間の関係性や、インターネットとモノのつながりを表したソーシャルグラフがつくられたことは、サービスを提供する側と受ける側の双方にとって、現在も重要な地位を築いている。例えば、FacebookやTwitterなどはその代表といえる。しかし、これまでのソーシャルグラフでは、常に「ヒト」と「ヒト以外」とを分けて関係性が紐づけられてきた。ここを分けずにソーシャルグラフを描くことができないか、というのが今回の提案である。人間と非人間とを区別せず、それらを同じ1つの「entity」として同等に扱い、entityの行為からその関係性を表すことで、ヒトとモノが構築する新しい社会の可能性を検討する。


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セッション 3F  意思決定支援
日時: 2020年6月24日(水) 17:50 - 19:10
座長: 江木 啓訓 (電気通信大学)

3F-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名PukuReco:過去の服装画像を活用した衣服選択支援システムの開発
著者*福島 拓, 根来 佳奈 (大阪工業大学)
ページpp. 449 - 455
キーワード衣服選択, ライフログ, ファッションコーディネート
アブストラクト服装によって相手に与える印象は大きく変化するが,ファッションコーディネートを苦手としている人も存在している.そこで本稿では,ファッションコーディネートが苦手な人を対象とした衣服選択支援システムの開発について述べる.本システムでは,自身の衣服の撮影と記録を促し,過去の服装とそのときの状況を可視化することで,服装選択支援を行う.本研究の貢献は以下である.(1)ファッションコーディネートが苦手な人向けの衣服選択支援システムを提案し,実現した.(2)服装登録機能を使用し続け,カレンダー機能によって過去の服装を確認し衣服選択を行うことで,短期間に同じ服を選択することが減少可能である.(3)カレンダー機能によって,過去の服装を画像で視覚的に確認することで自分の服装について考えるようになり,衣服管理に関する関心が高まりファッションコーディネートに対する苦手意識が改善される傾向にある.(4)登録した快適度アイコンは将来の衣服選択に参考になる可能性がある.

3F-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名タスクの見通しに着目した細分化を特徴とするタスク管理手法
著者*森川 佑希, 菅野 裕基 (立命館大学院 情報理工学研究科), 高田 秀志 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 456 - 466
キーワードタスク管理, 見通し, 細分化, ToDo, Event
アブストラクト人々は,多種多様なタスクを抱えて生活しており,これらを管理することが重要である. 規模の大きなタスクは,全体像が不明瞭であるものが多く,見通しを立てることが重要である. 見通しを立てるためには,タスクの細分化と,細分化で得られたサブタスクの詳細を把握する必要がある. 本論文では,タスクを細分化する際に,サブタスクの詳細な項目として,期日のみを持つ「ToDo形式」と,開始日時や終了日時を持つ「Event形式」の2種類にサブタスクを分類して管理する手法を提案する. これにより,タスクの詳細を意識することや,遂行の手順を明らかにすることを促す. その結果,見通しを立てられるようになると考えられる. これらの手法を踏まえたタスク管理ツールの実装を行い,評価実験を行った. アンケート結果より,本提案手法がタスクの見通しを立てる際に有用であることがわかった. また,重要度を基準にタスク管理を行うユーザにも対応できる管理手法の検討と,ツール側の見通しに関する判定を見直すことが改善点として明らかになった.


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セッション 3G  分析
日時: 2020年6月24日(水) 17:50 - 19:10
座長: 五太子 政史 (中央大学)

3G-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名リモートメンテナンスを伴い フィードバックを有する医療用IoTシステムのリスクアセスメント手法
著者*佐々木 良一, 金子 朋子, 高橋 雄志 (東京電機大学), 福澤 寧子 (大阪工業大学)
ページpp. 467 - 472
キーワードリスク, IoT, リスクアセスメント, リモートメンテナンス, フィードバック
アブストラクト近年,社会の情報システムへの依存度の増大に伴い,情報システムの安全性を評価し,不十分なら適切な対策案の組み合わせを求めるためのリスクアセスメント手法の重要性が増してきている.しかし,医療システムに多く見られる,リモートメンテナンスを伴いフィードバック機能を有するIoTシステムを対象としたリスクアセスメント手法は提案されていなかった.そこで,フィードバック機能を持つシステムにリスクをもたらすハザード原因要因(HCF:Hazard Causal Factor)を,STAMP/STPA法を改良した方式を用い,広く効率よくリストアップできるようにするとともに,そのようにしてリストアップされたHCFのうちリスクの大きなものを,拡張フォルトツリーを用いた準定量的分析によりリスクの大きさをレベル付けできるようにしている.次に,リスクの大きなHCFに対応するための対策を抽出し,MaintainabilityとSecurity ,Safetyの関係を,アンアベイラビリティを核として定量的に結び付けることにより,バランスよく対策案の最適組み合わせを求めることができるようにした.このようにして開発した手法と,そのための支援用プログラムを,インスリン注入システムに適用することにより,リスクが大きいHCFや対策案の最適な組み合わせを具体的に求めることができるとともに,方式の有効性を確認することができた.

3G-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名テンソルデータ拡充を用いた組織内ネットワーク攻撃判定方式の回避攻撃に対するロバスト性の向上
著者*宍戸 克成, 森川 郁也, 及川 孝徳, 海野 由紀 (株式会社富士通研究所)
ページpp. 473 - 479
キーワードAI, 回避攻撃, Adversarial Training, 標的型攻撃
アブストラクトサイバー攻撃の増加に伴い, AI を用いた攻撃検知の研究が活発に行われている. 2019 年に及川らはテンソルデータ拡充を用いたニューラルネットワークによる組織内ネットワーク攻撃判定方式を提案し,判定精度95% を攻撃の見逃し無しで達成した.一方で, AI システムの潜在的な特性を突いた攻撃が報告されており,モデルを騙す攻撃(回避攻撃) はAI を用いたセキュリティアプリケーションに対して大きな脅威となる.本研究の目的は及川らの方式に対する新たな回避攻撃の発見と,及川らの方式の精度を保ちながら回避攻撃に対する攻撃検知精度を高め,モデルのロバスト性を向上することである.本稿では適切にテンソルデータを拡充することで,目的を達成できることを報告する.

3G-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名脆弱性ゼロをめざしたセキュリティテストツール実現に向けた課題考察
著者*山本 和徳, 石井 一彦, 國頭 吾郎 (NTTドコモ)
ページpp. 480 - 486
キーワードセキュリティ, ソフトウェア, 脆弱性, セキュリティテストツール
アブストラクト本稿では,5Gネットワークを脆弱性がない状態で導入することを目的とし,ソフトウェアの脆弱性を自動で検知する技術を確立するための初期段階の検討として,既存のセキュリティテストツールの課題を考察した結果を報告する.


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セッション 3H  ウェアラブルシステム
日時: 2020年6月24日(水) 17:50 - 19:10
座長: 川上 朋也 (福井大学)

3H-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名Reliabrella: 周囲環境により自動で最適な方向を向くハンズフリー傘
著者*土屋 慶吾, 青山 泰志, 成尾 怜真 (中京大学工学部情報工学科), 中山 裕貴 (中京大学大学院工学研究科情報工学専攻), 濱川 礼 (中京大学工学部情報工学科)
ページpp. 487 - 496
キーワードウェアラブルデバイス, 風雨, 傘, 自動, RaspberryPi
アブストラクト本論文では,風速・風向をはじめとした雨の角度に関わる周囲環境データを基に,背中に背負った傘を自動で最適な角度に調節するシステム「Reliabrella」について述べる。今日ではハンズフリーを実現した傘が販売されているものの,実際に使用している者はほとんど見られない.その原因として,ユーザ自身が傘を持つ場合と異なり、風の変化によって傘の角度を任意に変えられないことから、防雨性能が従来の傘と比較して著しく劣ることなどがあると考えた.そこで本研究では,ハンズフリー傘を周囲環境により自動で最適な角度に調節するシステム「Reliabrella」を開発した.Reliabrellaは,操作用のiOSアプリによって身体,荷物に対して雨から守る優先度を付けることが可能で,その優先度に合わせて傘を雨に対して適切な角度に調整する.そのため,従来のハンズフリー傘以上の防雨性能がある.

3H-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名透過型HMDにおけるフリック入力の検討
著者*大岡 湧汰, 入江 英嗣, 坂井 修一 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 497 - 504
キーワードフリック入力, HMD, AR, HoloLens
アブストラクト近年のAR技術の進歩に伴い,特殊な入力機器が不要な透過型HMDによる高度なARアプリケーションが実現可能となってきたが,そのようなデバイスではほとんどの場合,文字入力が非常に難しいという問題がある.これらのデバイスでQWERTYキーボードを用いて日本語入力するのは,入力速度・正確性のどちらも気軽に使えるレベルには達していない. この問題に対する解決策の一つとして音声入力があるが,VRデバイスとは違い公共の場での利用が想定されるARデバイスでは使えない場面も多い.他の解決策として,スマートフォンとARデバイスを連携してスマートフォン経由で文字入力をする手法も提案されているが,ハンズフリーで作業する必要がある場合には利用できない. 本論文では,指で空中をフリックするジェスチャ入力をひらがなの入力に,AR環境では有用とされるダイヤルジェスチャを変換候補の選択に,それぞれ用いることで高速かつ正確に入力できる,新たな入力手法を提案する.HoloLens上に提案手法を具体的に実装したソフトウェア「AirFlickey」を開発した.AirFlickeyの各機能の概要と詳細な実装を説明した上で,フリック入力とQWERTYキーボード入力の入力速度・エラー率・ユーザビリティを計測する実験の詳細を説明する.被験者を対象とした試用評価では,先行研究と比較し入力速度の面で3倍程度の向上,ユーザビリティ評価の面で1段階の向上が確認された.

3H-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名スマートウォッチとワイヤレスヘッドフォンを用いた個人向け情報配信システムの有効性評価
著者*小川 拓也 (愛媛大学大学院 理工学研究科), 藤橋 卓也 (大阪大学大学院 情報科学研究科), 遠藤 慶一, 小林 真也 (愛媛大学大学院 理工学研究科)
ページpp. 505 - 511
キーワード情報配信システム, スマートウォッチ, ワイヤレスヘッドフォン, 音声, リコメンデーション
アブストラクトインターネット上には,膨大な量のニュース情報が存在しており,ユーザは多くの情報を入手できるというメリットがある.しかし,ユーザは存在する全てのニュースに興味を持っているわけではない.先行研究では,インターネット上のニュース情報における情報過多を解決することを目的に,スマートウォッチを介しての情報提供が可能なスマートフォンアプリを開発した.スマートウォッチ上で文字情報を表示することにより,スマートフォンを操作する必要なく情報の取得が可能になった.しかし,スマートウォッチの画面サイズを考慮し,取得できる情報を限定する必要があり,ユーザが欲しい情報を提供できなかった.一方で,ワイヤレスイヤホンやワイヤレス接続機能を持った自動車用オーディオ機器等の普及により,ユーザへの音声を用いた情報の提供が容易になっている.そこで,本研究では,ニュース情報を音声で提供し,読み上げの開始・停止などの操作をスマートウォッチで行える情報配信アプリを提案する.これにより,満員電車の中や自動車運転中にも,個人向けに選択されたニュース情報を限定されることなく取得することができる.

3H-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名機械学習を用いたAndroid端末上での時系列データ予測に向けて
著者*佐藤 里香 (お茶の水女子大学), 山口 実靖 (工学院大学), 神山 剛 (九州大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 512 - 518
キーワード機械学習, Android, 時系列データ
アブストラクト近年, スマートフォンの普及が急速に進み, 大容量のデータ通信が行われるようになった. それに伴って無線LANへの接続需要が高まってきているが, 無線環境下でのトラフィックの輻輳やパケットロスといった問題が生じている. 突発的に生じる輻輳は一度起こると制御が難しい上, コントロールしようとしてさらに輻輳が悪化してしまうことがあるため, 輻輳が起こる前にそれを予測していくことが望ましい. また輻輳の予知に関して, データを端末外に出すセキュリティ上の問題やデータ転送に要する時間等の課題から, 端末内での処理が好ましいと言える. そこで本研究では, Android 端末上でトラフィックの輻輳を事前予測, 制御を行って輻輳を回避することを最終目標とする. そこでまずサーバ機などの性能の高いマシン上でトラフィックの輻輳を深層学習により予測し, そのモデルをAndroid端末に導入してサーバ機と同等の精度や処理速度で予測できるようにすることを目指す. 本稿ではまず端末におけるトラフィックをサーバ機上で深層学習により予測した結果を示し, またその学習モデルをスマートフォン端末に組み込める形式に変換できることを確認する.



2020年6月25日(木)

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セッション 4A  スマートモビリティ
日時: 2020年6月25日(木) 8:50 - 10:10
座長: 重野 寛 (慶應義塾大学)

4A-1 (時間: 8:50 - 9:30)
題名(招待講演) モバイル空間統計の活用事例
著者池田 大造 (株式会社NTTドコモ 先進技術研究所)
ページp. 519
キーワードモバイル空間統計, 新型コロナウィルス

4A-2 (時間: 9:30 - 9:50)
題名電動パーソナルモビリティのシェアリング事業に向けた無線充電システムのシミュレーションによる解析
著者*林 寛将 (東京大学), 笹谷 拓也 (東京大学/日本学術振興会特別研究員 DC), 畑 勝裕 (東京大学), 山村 亮介 (株式会社Mercari), 川原 圭博 (東京大学)
ページpp. 520 - 525
キーワード無線充電, パーソナルモビリティ, データ分析
アブストラクト電動パーソナルモビリティは公共交通機関へのファースト/ラスト・ワンマイルをシームレスに接続することができる交通手段として台頭している.しかし、電池を使用することによって屋外での充電や電池の交換が必要となり、利便性や安全性が低下するといった問題が生じている.磁界共振結合方式を用いた無線充電技術はこれらの問題を解決すると期待されているが,シェアリング事業特有の利用パターンを考慮するとシステム設計や導入戦略に必要な入力電力や電池容量などの指標は未知数である.本論文ではこれらの指標を調べるためにCiti Bikeが公開するデータを用いてシミュレーションモデルを構築し,電池容量の削減・利便性の向上・事業者の負担軽減などの無線充電の導入によって与えられる効用を定量的に評価した.本シミュレーションを通して,無線充電化されたステーションの割合を25 %とするだけで,大きく利用者の利便性を向上させ,事業者が行う電池の交換回数が大きく減らせることが示された.また,この割合を100 %に近づけるにつれて,これらの指標の改善率は小さくなるため導入コストとのトレードオフが生じることが示唆された.さらに,既存の研究ではシェアリング特有の利用パターンを考慮せず大きな入力電力を設定したものが多かったが、入力電力を大きくする必要はなく50 W程度で十分であることを分かった.


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セッション 4B  行動認識2
日時: 2020年6月25日(木) 8:30 - 10:10
座長: 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院工学研究科)

4B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名U-netを用いた異常検知による肺炎の検知
著者*長村 徹, 徳永 旭将, 大北 剛 (九州工業大学)
ページpp. 526 - 533
キーワード健康アプリケーション, 深層学習, 画像解析
アブストラクト本研究では U-netを利用した異常検出によって,胸部レントゲン画像から肺炎の検出を行う手法を検討する.U-net を利用した異常検出では,学習していない画像が入力された場合に,入出力画像の差異が大きくなることを利用して,異常画像を検出する.肺炎を検出するために考えらえるのは,正常画像と肺炎画像の 2 クラス分類だが,本研究ではさらに踏み込んで,肺炎画像内に含まれる陰影という肺炎の特徴を取り出すことを目的とする.この陰影を U-net で検出するための工夫として,元画像から小領域を取り出したパッチを用いて,U-net を訓練・テストする.訓練時には正常画像の肺内部のパッチの復元だけを学習した U-net 作成し,テスト時には肺炎画像のパッチを入力する.小領域を切り出したことでパッチに含まれる情報は限定され,その情報の違いによりテスト時には U-net の入出力画像の差異に違いが生まれる.この違いを利用して,肺炎画像のどこに正常画像にはない陰影という異常が現れるのかを検知する.

4B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名敵対的訓練を用いたサンプリング周波数の相違に頑健な行動認識
著者*長谷川 達人, 木村 洋文 (福井大学大学院工学研究科 情報・メディア工学専攻)
ページpp. 534 - 543
キーワード行動認識, 敵対的訓練, 深層学習, 加速度センサ
アブストラクトスマートフォン等を用いたセンシングによりユーザの身体活動の自動認識を行う行動認識という研究分野がある.日常行動をセンシングする場合,デバイスの種類や所持方法,装着方法,計測アプリケーション等の様々な計測条件がユーザや計測日によって異なる事が多い.センサ値から行動を予測するモデルは機械学習で実現されることが多く,計測環境が不統一なデータは機械学習の予測精度を低下させる可能性がある.本研究では,計測環境の中でもサンプリング周波数の相違に頑健な行動認識手法を提案する.提案手法は通常の行動認識モデルに対して敵対的訓練を適用し,サンプリング周波数を特定できなくする特徴表現の獲得を実現している.基本行動認識のHASCデータセットを用いて,サンプリング周波数が混在するデータが計測された環境をシミュレートし評価実験を行った.その結果,従来手法では推定精度が低下すること,提案手法ではそれを改善できることを明らかにした.

4B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名Wi-Fiチャネル状態情報による行動認識における強化学習を用いたサンプリングレート自動選択の検討
著者*丹野 友華, 前川 卓也, 原 隆浩 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 544 - 551
キーワード行動認識, 強化学習, Wi-Fiチャネル状態情報
アブストラクト近年,チャネル状態情報(Channel State Information: CSI)を用いた行動認識手法が注目されている.CSIを用いた手法の多くが一つの部屋にWi-Fi送受信機のペアを設置することを想定しており,部屋が複数存在する一般的な家庭環境に実装した場合,そのペアの数に比例したCSIを処理しなければならない.これまでの研究では,一定の高いサンプリングレートで取得されたCSIを利用しているため,それらをすべて解析するには高い計算コストが必要となる.そこで本研究では,現在の行動や状態に応じて適切にサンプリングレートを調整しながら,なるべく低いサンプリングレートで行動認識を行う手法を提案する.提案手法では,状況に応じた行動の選択を学習可能である強化学習をサンプリングレートの選択に用いる.強化学習における「行動」をサンプリングレートの選択とし,低いサンプリングレートで正しく行動認識出来た際に高い「報酬」を与える.そして,「状態」として,現在の行動に関する情報を反映すると考えられる,CSIを用いた行動認識モデルの中間出力を用いる.提案手法では,任意のサンプリングレートの入力を可能とする行動認識モデルを設計することで,その中間層でサンプリングレート非依存な中間表現を獲得し,それを「状態」として用いる.7種類の行動を行った際のCSIを取得し,評価実験を行った.

4B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名加速度センサを用いた集団における マイノリティな状況の検出手法
著者*梶原 大暉 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科/JSTさきがけ)
ページpp. 552 - 556
キーワード加速度センサ, 行動認識, マイノリティ検出
アブストラクト本研究では,加速度センサを用いて,ダンスや入学試験など同種の動作を行っている集団において,誤った振り付けやカンニングのような大部分の人とは異なるマイノリティな行動をしている人を教師データなしで検出する手法を提案する.提案手法はユーザのスマートフォンやウェアラブルセンサから3軸の加速度データが得られる環境を想定する.まず,センサから3軸加速度を取得し,合成加速度を求める.次に,合成加速度の近似を行い,近似したデータをシンボル列に変換する.そして,シンボル列から一定の長さ以上の部分文字列をモチーフとして抽出し,ユーザごとにBag of Words(BoW)を作成する.ユーザ間のBoWの類似度を算出し,大部分のユーザいずれとも類似度が低いユーザをマイノリティな行動を行った人として検出する.評価実験では,14人の被験者のうちすべての時間でマイノリティな行動を行った1人は他のいずれの13人とも類似度が低くなり,マイノリティな人を検出できることが分かった.また,一部の時間のみマイノリティな行動をしている場合も,スライディングウィンドウに分割して類似度計算を行うことで検出できることが分かった.

4B-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名センサを装着すること自体が被験者のジェスチャ軌跡に与える影響の評価
著者*河村 知輝, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 557 - 566
キーワードホーソン効果, センサ, ジェスチャ
アブストラクト他人から注目を浴びると普段以上の成果を出そうとする心理効果を「ホーソン効果」と呼ぶ.ホーソン効果は人の行動に良い影響を与える効果として主に挙げられている.例えば,医療の現場において救急隊員が除細動を行うまでの時間が年々短縮していたり,集中的に患者を治療すると症状が改善されたりする.しかし,この効果は短期間の実験環境において問題になる可能性がある.例えば,センサを用いる行動認識やスポーツのスキル評価を行う実験においては,普段とは違う行動をしていると予想される.これは,センサを装着することで,装着部位を動かして欲しいといった期待がホーソン効果に繋がり,普段以上の成果を出そうとして行動が変化するためだと考えられる.そのため,その人本来の行動が評価されなくなり認識率の低下や良いフィードバックがされなくなると考えられる.そこで本研究では,センサの取り付け位置を変えることでセンサを装着することが被験者のジェスチャ軌跡に与える影響の評価を行う.本稿では,センサの取り付け位置を左右の手首に限定し,複数のジェスチャを行った被験者の映像を解析した.実験の結果,センサを意識した行動をしている被験者が見られたことから,今後はセンサを装着して行う実験においてセンサ装着自体が被験者へ与える影響を考慮する必要があると考えられる.


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セッション 4C  スポーツ
日時: 2020年6月25日(木) 8:30 - 10:10
座長: 清田 陽司 (株式会社LIFULL)

4C-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名フィールドホッケーにおける圧力センサ付スティックを用いた技術向上支援システムの設計と実装
著者*岩本 宗大, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 567 - 576
キーワードフィールドホッケー, スポーツセンシング, 可視化, 練習支援
アブストラクトフィールドホッケーはイングランド発祥のスティックと硬球を用いて行われる球技であり,スティック操作が難しい.また,幼少期の競技人口が少ないため,初心者に対して適切なアドバイスができる指導者が少ない.そこで本論文では,フィールドホッケー初心者のヒット,プッシュ技術向上のために圧力センサによる2種類の打点可視化システムを提案した.ヒット技術を習得していない競技経験者と未経験者それぞれ1 名ずつを対象としたヒット技術向上の評価実験では,未経験者の打点が経験者と比較してフィードバック時に芯に近づいたことから,未経験者に対してフィードバックが有効である可能性を示した.また,競技未経験者5名を対象としたプッシュ技術向上の評価実験では,5名全員がフィードバックを行ったときの方が高い圧力値を得られたことから,フィードバックによって強いプッシュを打ち出すことができたことを示した.また,一部の被験者に対してフィードバックによりプッシュ動作中のスティック上のボールの接触位置の移動経路において改善がみられた.

4C-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名Accurate Boomerang Rotation Speed Estimation from Low-Cost IMU
著者*Takumi Kondo (Aoyama Gakuin University), Yvan Madec (DARWIN BOOMERANGS), Pierre Maret (University Jean Monnet), Guillaume Lopez (Aoyama Gakuin University)
ページpp. 577 - 580
キーワードスキル向上支援, スポーツ, ブーメラン
アブストラクトIn recent years, some research and techniques have shown many approaches for analyzing the athlete movement with sensor data. A smartphone's application is already available to provide feedback without an instructor by analyzing the user movement with device mounted sensors. To ease boomerang learning, we are developing a smart boomerang mounted a low-cost IMU sensor and a high-cost gyroscope. In the future, to be able to sell smart boomerangs as off the shelf, it will be necessary to remove the high-cost gyroscope. However, the gyroscope value of the IMU sensor saturates while the boomerang is flying. On the other hand, the high-cost one has enough performance. In this study, we estimated the high-cost gyroscope value in the range of low-cost gyroscope saturation using other sensor values. As a result, the polynomial estimated formula of the second degree using x-axis acceleration has enough good accuracy to make up for the high-cost gyroscope.

4C-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名過去の走行を再現するように光るLEDテープを利用した短距離走練習方法
著者*満仲 望, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科), 柳沢 豊 (エムプラスプラス株式会社)
ページpp. 581 - 587
キーワード短距離走, LEDテープ, 練習
アブストラクトスポーツの練習場面において,練習相手との競争はモチベーションやパフォーマンスの向上に繋がる. しかし1人で練習する場合や,練習相手が自身の運動能力と釣り合わない場合では,適切な練習相手がいる場合に比べて練習の効果が落ちる可能性がある. 適切な練習相手が存在すれば,練習相手が目標となり練習に対するモチベーションを維持しやすく,練習相手が目標となり練習に対するモチベーションを維持しやすく,パフォーマンスも高まると考えられる. そこで本研究では短距離走の練習に着目し,ランナーの過去の走行データに基づいてLEDテープを流れるように光らせることにより過去の走行を再現し,それとランナーを競争させる練習方法を提案する.光を練習相手に見立てることで,ランナーの練習に対するモチベーション及びパフォーマンスの向上が期待できる.評価実験の結果, LEDテープを光らせなかったときの走行タイムとLEDテープを光らせたときの走行タイムに有意差はみられなかった.ただし,走行時のモチベーションに関するアンケート結果では有意差がみられたため,LEDテープを光らせとたきの練習では練習に対するモチベーションの向上に繋がったと考えられる.

4C-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名脈拍変動を用いたスポーツ観戦時における情動の客観的評価
著者*野本 大雅, 花田 祥典, 横窪 安奈, Guillaume Lopez (青山学院大学)
ページpp. 588 - 592
キーワード感情認識, ウェアラブルセンサ, 機械学習, 脈拍変動, スポーツ観戦
アブストラクトスポーツ観戦中に抱く感情には個人差がある中で,優秀選手賞は一部の人によって決められるため,個人の主観に基づいた評価になってしまっているのが現状である.一方,試合内容によってスポーツ観戦者の感情表現の質や強さに違いが出るということが示唆されている.そのため,ウェアラブルデバイスのセンサー情報から感情を定量化し,より客観的評価をする研究が行われている.本研究では,スポーツ観戦時における感情分類の実現のために,スマートウォッチを手首に装着した22〜24歳の男女10名にサッカーの試合を視聴してもらい,自作のAndroid Wearアプリケーションを用いて脈拍間隔データと,4つの感情ラベルを収集した.そして,KNNにより,快,不快,普通と,嬉しい,興奮,イライラ,落ち着きを分類する手法を提案した.まず快,不快,普通の3種類の感情を分類し,その後4種類の感情について分析を行った.その結果,窓サイズが前後10秒のときが3分類,4分類ともに最も精度が高く加重平均が80%を超えるよい結果であった.

4C-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名DualCNNオートエンコーダによる体操競技の技認識
著者*阪田 雅人, 本田 崇, 矢吹 彰彦, 桝井 昇一 (富士通研究所), 佐々木 和雄 (富士通)
ページpp. 593 - 597
キーワード機械学習, 深層学習, 行動認識, スポーツ
アブストラクト富士通は国際体操連盟と共同で,体操選手の演技における三次元骨格座標や実施された技を認識する機能を備えた体操採点支援システムの開発を行っている.後者の技認識においては,従来はルールベースにより判定ロジックや閾値を人手で定義する方式を採用していたが,平均台演技では認識正答率が60%台に留まるという課題があった.また,平均台などの種目によっては技と技の間の「つなぎ動作」から技と技の組み合わせ加点を決定する必要がある.我々はDual CNNオートエンコーダを用いて,採点に関わる技の判定と,技と技の組み合わせの成否判定を並行して実施する手法を開発し,技認識96.4%,組み合わせ加点認識95.2%の正答率を達成した.


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セッション 4D  Webサービス・ネットワークシステム
日時: 2020年6月25日(木) 8:30 - 10:10
座長: 乃村 能成 (岡山大学)

4D-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名中国伝統医学(中医学)の診断における問診情報を活用した証候補抽出手法の設計
著者*小室 優香, 盒 唯, 太田 遥人, 齋藤 陸 (仙台高等専門学校), 関 隆志 (涌谷町国民健康保険病院/東北大学大学院医学系研究科), 力武 克彰 (仙台高等専門学校), 盒 晶子 (仙台高等専門学校/東北大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 598 - 603
キーワード中医学, 問診情報, 証
アブストラクト明治時代に西洋医学を導入して以降,日本の医療現場では西洋医学が主流となっているが,近年では国際的に伝統医学や補完医療の需要が高まっている.その一種である中国伝統医学(中医学)は病状の観察を行うことで患者の心身の状態を示す「証」を診断し,徒手療法や鍼灸,漢方薬などを用いて治療を行うことが特徴である.しかし,中医学もひとつの医学体系であり,その診断には膨大な知識と経験が必要であり診断経験の少ない医師が適切な診断を行うことは困難であるため,中医学に関する知識や診断方法を共有し,医師の診療を支援する枠組みが必要である.そこで本稿では,中医学における医師の診断支援を目的とし,中医学に関する知識や情報を格納した中医学データベースと電子問診票から取得した問診情報を活用した証候補抽出手法の設計について述べる. また,提案手法を適用して医者と患者に対する中医学情報の提供,および中医学における診断の支援を行う中医学診断支援システムの設計を行う.これにより,患者の問診情報から患者に該当する証の候補を抽出して医師に提供することで,医師の負担を軽減しかつ経験の少ない医師の診断を支援する.

4D-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名情報の開示程度を考慮したインセンティブ付与によるヘルスケア情報共有手法の設計
著者*本田 光来 (仙台高等専門学校), 盒 晶子 (仙台高等専門学校/東北大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 604 - 608
キーワード自動交渉, エージェント, インセンティブ
アブストラクトデバイス利用者のヘルスケアの収集とその利活用が進んでいる.このような情報を分析することで有益な情報が得られる可能性があり,さらなるサービスの展開が期待される.しかし,ヘルスケア情報には秘匿性が高い個人情報が多く含まれるため,情報提供者のプライバシを配慮しつつ円滑な情報共有を行うことは困難である.そこで本稿では,ヘルスケア情報の公開範囲を調整しつつ情報提供者が満足するインセンティブを付与することで積極的な情報提供を促すヘルスケア情報共有手法の設計について述べる.また,本手法を適用したヘルスケア情報共有システムを用いてシミュレーション実験を行うことで,本提案の有効性を確認する.

4D-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名メディア処理技術の適用拡大のためのWebAPIフレームワーク開発・運用
著者*舟橋 涼一, 多田 厚子, 増井 誠生, 原田 将治, 倉木 健介, 長谷川 尚己, 田中 竜太 (株式会社富士通研究所)
ページpp. 609 - 616
キーワードメディア処理技術, WebAPI, コンテナ, LC4RI, Ansible
アブストラクト映像・音声を含むメディア処理技術が多用途に利用されている一方で,メディア処理のコア技術を直接扱うためには専門的な知識や環境構築が要求される.コア技術をカプセル化し,WebAPIとして公開することは,扱いやすさの面で有効な手段となる.メディア処理技術のWebAPI公開およびコンテナ化を容易に実現するために,各メディア処理の特性を分類・整理しテンプレート化することでインターフェースを共通化し,ひな型コードを自動生成するフレームワークを開発した.開発フレームワークではクラウド上やオンプレミス上の様々な運用環境への配備・開発・運用を素早く回すCI/CDを実現した.本フレームワークの有効性を評価し,開発工数削減率14.6%,APIごとの運用コスト削減率79.2%の効果を確認した.

4D-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名Pub/Sub 機構の高度化に関する研究
著者*本間 可楠, 知念 賢一 (北陸先端科学技術大学院大学), 篠田 陽一 (北陸先端科学技術大学院大学情報社会基盤研究センター)
ページpp. 617 - 622
キーワードPublish/Subscribe 通信, 同期/非同期, マルチメディア通信, 分散オブジェクト, 時系列情報
アブストラクトセンサやデバイス、ネットワーク技術の発展に伴い、社会のあらゆる場所に情報通信システムが展開され、様々な情報が交換・収集・解析されている。こういった情報通信システム間で扱われる通信モデルでは、システム間連携における依存度を低減させるため、メッセージの送信者が特定の受信者を想定せずにメッセージを送信する非同期メッセージモデルである Publish/Subscribe モデル (以下、Pub/Sub モデル) を利用する。このような特徴を保持したまま映像や音声のような同期性や等時性のあるデータを配送したい場合がある。しかし、非同期通信という特性上、同期性や等時性を有するようなデータ配送が困難であるという欠点が存在する。本研究では、Pub/Sub モデルにおける通信形態や配送するデータの意味を保持しつつも、同期性や等時性というデータ配送を可能にし、データの種類ごとに適した通信の確立とブローカにおける膨大なデータへの対応を目的に、提案システムに求められる高度化のための配送手法および提案システムの構成を論じる。

4D-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名モデル予測制御と離散制御器合成による外部環境の動的特性を考慮した適応制御手法
著者*安曽 徳康, 小川 雅俊, 松塚 貴英 (富士通研究所), 鄭 顕志 (早稲田大学)
ページpp. 623 - 624
キーワードmodel predictive control, controller synthesis, adaptive control, dynamics, context awareness
アブストラクト自己適応システムの分野において,周辺環境のモデルと要求や制約の論理式から要求を満足する実行処理手順を自動合成する離散制御器合成という方法がある.離散制御器合成による自己適応システムは機能要求を満たす適応は可能であるが,実行処理手順に複数の解が存在する場合は分岐先処理を選定する必要があり,「実行処理手順」と「その分岐先処理の性能指標の数値」の双方の動的な最適化による適応が行えない.本研究では「実行処理手順の最適化」と「その分岐先処理の性能指標の数値の最適化」の双方の動的な適応管理を実現することを目的とした適応制御手法を構築した.具体的には,離散制御器合成を用いて機能要求を満足する実行処理手順を導出すると同時に,環境に設置されたセンサを用いて逐次取得した観測データから逐次的に同定した予測モデルを用いて性能指標値を予測し,複数の性能指標値により総合評価する評価関数を満足するように選択肢を最適化する.一例として,旅行管理システムに適用した結果,各性能指標の優先度に基づく選択肢の変更や天候の変化により各移動手段に生じる遅延時間を考慮した選択肢の変更などが適切に選択されることを確認し,その有効性を確認した.


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セッション 4E  ネットワーク・セキュリティ
日時: 2020年6月25日(木) 8:50 - 10:10
座長: 宮下健輔 (京都女子大学)

4E-1 (時間: 8:50 - 9:10)
題名複数DNSキャッシュサーバへの並行名前解決によるDNSキャッシュポイズニング対策手法
著者*阿久津 賢宏, 山井 成良 (東京農工大学), 金 勇 (東京工業大学)
ページpp. 625 - 632
キーワードDNS, DNSキャッシュポイズニング, インターネット, セキュリティ
アブストラクトインターネットを運用するうえでDNS(Domain Name System)は重要な部分を担っており,悪意ある攻撃の対象とされる場合がある.攻撃の一種であるDNSキャッシュポイズニングはDNSキャッシュサーバに偽のDNS情報を登録させるというものである.クライアントが偽のDNS情報を受け取ると意図せず悪意あるサイトに接続してしまい,フィッシング詐欺などの実害が発生する可能性がある.この攻撃への対応策としてDNSSEC(Domain Name System Security Extensions)というDNS応答の検証システムが存在する.しかしDNSSECは様々な問題を抱えており,DNS応答の厳密な検証が行われていない場合が多い.そこで本研究では複数のDNSキャッシュサーバに対し並行にDNS問い合わせを行い,各DNS応答を用いて信頼性の高いリソースレコードを抽出する手法を提案する.DNSキャッシュポイズニングを複数のサーバへ同時に成功させる困難さを利用し,各応答に共通して存在するリソースレコードを信頼できるものとして扱う.こうすることでクライアントはDNSSECを用いずに信頼性の高いDNS応答を扱うことができる.また複数DNSキャッシュサーバへの問い合わせをマルチスレッド化し,並行に行うことで通常の名前解決と変わらない速度を維持することができる.本論文では提案手法のシステムを実装し,様々なドメインの名前解決を行うことで実環境での本システムの可用性を検証する.また本システムを運用するうえでの注意点や問題点をクライアント・DNSサーバの両者の観点から述べ,改善策を考察する.

4E-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名組織内ネットワークでの攻撃伝搬に対する既存のネットワーク機器を活用した監視手法の検討
著者*鳥居 大輔, 石原 真太郎, 秋山 豊和, 小林 和真 (京都産業大学)
ページpp. 633 - 639
キーワードトラフィック管理管理, マルウェア, セキュリティ, 侵入検出・検知, ログ収集
アブストラクト標的型攻撃等の組織内のネットワークで伝搬する攻撃の増加が報告されており,これらの攻撃では,組織内の感染ノードから,他の組織内ノードへの攻撃が行われ,感染が拡大していく.最初の組織内ノードヘの感染はゼロデイ攻撃が使用されるため,感染拡大の検知には外部から内部への通信の監視だけでは足りず,組織内ネットワークでの通信を監視をする必要がある.本研究では,コストを抑えるために,既存のスイッチなどのネットワーク機器を更新せず組織内ネットワークを監視する手法として,中継するスイッチの機能を用いてスイッチを流れるトラフィックを中央の監視サーバに転送する手法(低コスト集中監視方式)を検討する.すべての組織内ネットワークに流れるパケットの情報を取得しようとした場合,ファイルサーバへのアクセスなど,通常は組織内ネットワークに閉じたトラフィックがすべてコアネットワークの監視装置に流れ込むため,監視装置を更新せずに定常的に監視するためには,トラフィックの削減が求められる可能性がある.本研究では低コスト集中監視方式において課題となるスイッチのトラフィックプローブ機能について調査し,その課題について整理した.また,キャンパスネットワークを対象として,想定する監視で発生するトラフィック量を調査した.さらに,組織内ネットワーク攻撃に悪用されるプロトコルなどに監視対象を限定することで,両手法で監視可能な分量への監視トラフィックの削減可否を調査した.

4E-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名ゼロトラスト認証認可連携におけるユーザ同意付きコンテキスト共有
著者*畠山 昂大, 小谷 大祐, 岡部 寿男 (京都大学)
ページpp. 640 - 647
キーワードゼロトラストネットワーク, 認証連携, プライバシー保護, ネットワークセキュリティ, アクセス制御
アブストラクトネットワーク上のリソースのアクセス制御モデルとして境界型モデルが知られている。 しかし、このモデルはアクセス元のネットワークによりアクセス制御を行うため、一旦侵入されてしまうと攻撃者にリソースへのアクセス権を与えてしまうなど問題がある。 そこで、境界型モデルに代わる新しいセキュリティモデルとしてゼロトラストネットワーク(ZTN)が提案されている。 このモデルでは、コンテキストと呼ばれるユーザやデバイスに関する様々な情報を用いてアクセス要求者を認証しアクセス要求を認可する(ゼロトラスト認証認可)ことでアクセス制御を行う。 従って、このモデルでは正しいアクセス制御のために十分な量のコンテキストが必要となるが、Identity Federationにより様々な組織が提供する多くのサービスを利用している場合には、コンテキストは組織のシステムに分散され管理されてしまうことが多い。 そこで本研究では、Identity Federation下でZTNの概念を適用するゼロトラスト認証認可連携 (Zero Trust Federation; ZTF)という考え方を提唱し、組織を超えてコンテキストを共有する手法について提案する。 加えて、コンテキストはユーザのプライバシー情報を多く含むため、この共有をユーザの制御下におけるような仕組み、ユーザの同意を伴う仕組みを提案する。 さらに、本研究ではZTFのプロトタイプを実装し、その動作確認を行なった。

4E-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名大学におけるネットワーク利用者の特徴抽出に関する研究
著者*橋口 育弥, 齊藤 匠一郎, 岡村 耕二 (九州大学)
ページpp. 648 - 662
キーワードネットワーク, クラスタ分析
アブストラクトネットワークが利用目的ごとに分類可能であれば、ネットワークの分散によるトラフィックの緩和や新たなネットワークの利用目的の発見が可能であり、よりよいネットワーク環境を作り出すことが期待できる。分類するには、利用目的が明確であるネットワークの特徴が必要であるが、利用者層が広く、利用目的の全く異なる利用者が混在する大きなネットワークの通信は複雑であり特徴を見いだすことが困難である。そこで、大学では、学生、教員、職員と利用目的が明確であり、ネットワーク利用を分類することが可能であると考えられるため、特徴を抽出し教師データとして用いることで利用目的の異なる利用者が混在するネットワークを利用目的ごとに分類することが期待できる。本研究の目的は九州大学内の利用目的が異なり利用者が限定される2 つのネットワークを対象としてデータフローから通信の時間的な特徴と空間的な特徴を抽出し定量的に示すことにある。ある一日におけるネットワークを利用する時間帯内の10 分間隔におけるバイト数、TCP 通信の割合、バイト数の増加量の3 つを時間的な特徴の特徴量として、各時間帯におけるパケット数およびバイト数と各時間帯の学内通信の割合を空間的な特徴の特徴量としてそれぞれグラフ化を行い、データセットから閾値を設定することで定量的に特徴を示した。その特徴を用いて、データセットにはない別の日のデータに対し判定を試み、特徴の評価を行った。


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セッション 4F  コミュニケーション
日時: 2020年6月25日(木) 8:50 - 10:10
座長: 福島 拓 (大阪工業大学)

4F-1 (時間: 8:50 - 9:10)
題名ノリツッコミを行う対話型エージェントの基礎検討
著者*武藤 佑太 (日本大学文理学部), 呉 健朗, 富永 詩音 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 山内 愛里沙, 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 663 - 668
キーワード対話型エージェント, ユーモア, Word2Vec
アブストラクト対話型エージェントの研究は多角的な視点で進められており, 我々はエージェントがユーモアを提示することで親しみやすさを向上させるアプローチに取り組んできた. しかし,先行研究のシステムには,対話表現が1種類しかなく,ユーザがエージェントとの対話に飽きを感じてしまうという問題がある.この問題を解決するために我々は,ツッコミを行うエージェントにノリツッコミ機能を実装することを提案する.この提案により,ユーザがエージェントを利用する際の飽きやすさが低減されると考えられる.実験の結果,従来手法よりも提案手法を用いた場合の方が,ユーザはエージェントを利用する際に飽きないと感じたり,対話継続意欲が持続することが示唆された.

4F-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名自己効力感の向上を促すTA振り返りシステムの実践と評価
著者*照井 佑季, 今村 瑠一郎, 江木 啓訓 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
ページpp. 669 - 672
キーワード自己効力感, TA, 振り返り, ウェアラブルデバイス, 行動認識
アブストラクト本研究では,TAの自己効力感の向上を目的として,TAの成功経験を用いたTA振り返りシステムを提案する. 大学の講義において学生に対してきめ細やかな学習支援を行うため,多くの大学でTA制度が導入されている. TAが実際の経験から熟達するためには,講義中の経験を振り返ること,TAの自己効力感を向上させることが有効であると考えられる. TAの自己効力感は,講義中の成功経験を振り返ることで向上することが期待できる. 提案するTA振り返りシステムを用いて,講義中のTAは学生への対応が終わると,その対応の自己評価を記録する. 対応の自己評価を用いて,TAの成功経験を抽出して振り返りに用いる. 振り返りの結果,TAの自己効力感の向上は確認できなかった. しかし,振り返りを行った群の中には,自己効力感が大きく変動しているTAもいた. このことから,TAの成功経験をより適切に抽出することで,TAの自己効力感を向上させることが可能であるか検証を進めていく.

4F-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名一人用モビリティシステム利用時の観光案内情報提示手法の評価
著者長田 颯斗, *吉野 孝 (和歌山大学)
ページpp. 673 - 682
キーワード観光支援, 情報提示, PMV
アブストラクトパーソナルモビリティを用いた従来研究として,ロボットやディスプレイを用いて利用者に情報を提示する研究がある.しかし,案内システムとして情報提示に関する部分を検証している研究は十分ではない.そこで,本研究では,パーソナルモビリティにおける適切な情報提示手法を検討するために,案内情報を提示するシステムの開発を行い評価実験を行った.比較実験を行うために合計4つのシステムを開発し,それらを用いて比較実験を行った.実験の結果,下記の知見を得た.(1) ぬいぐるみ等のキャラクター性を持った実物体を用いることは誰かと一緒に観光しているような気持ちになり楽しい観光を提供できる可能性がある.(2) 案内情報を伝えるには,音声による案内よりもディスプレイ等を用いて文字ベースで情報を提示した方がユーザにとって使いやすい可能性がある.(3) 能動的に操作する案内システムよりも受動的に案内情報を取得できるシステムの方が利用者にとって使いやすいシステムの可能性がある.(4) 周りの視線に関わらず恥ずかしいと感じながらもぬいぐるみシステムはモビリティシステムにとって最適な案内手法の可能性がある.

4F-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名ヒートマップを利用したバリア情報可視化システムの実装
著者*奥川 和希 (日本大学文理学部), 大和 佑輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 大河原 巧 (日本大学文理学部), 村山 優子 (津田塾大学数学・計算機科学研究所), 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 683 - 687
キーワードバリアフリーマップ, アクセシビリティ, 可視化
アブストラクト我々の生活空間には,車椅子利用者やベビーカー利用者といった移動弱者の移動を妨げるバリアが多数存在している.移動弱者が円滑な外出を行うために,バリアフリーマップの作成や,バリアを通過する際の動きのデータからバリア情報を推定する研究などが数多く行われている.我々も,健常歩行者の歩行データ(歩行時の加速度および角速度データ)からバリア情報を推定する取り組みを行ってきた.歩行データはユーザが歩くだけで収集できるため,低いコストで大量のバリア情報を収集できる.従来のバリアフリーマップはバリアのある位置にアイコンやピンを表示することで可視化を行っているが,この手法で大量のバリア情報を可視化すると,地図が点で埋め尽くされてしまい,ユーザがバリア情報を直感的に把握することが難しくなるという問題がある.この問題を解決するために,我々はヒートマップを利用したバリア情報表現手法を提案する.これは,バリアが存在する確率をヒートマップ形式で表示するものである.検証実験によって,提案手法はユーザが大量のバリア情報を直感的に把握できるように可視化する点において一定の有効性があると示唆された.


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セッション 4G  暗号技術
日時: 2020年6月25日(木) 8:30 - 10:10
座長: 大東 俊博 (東海大学)

4G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名分散個体群を認証するための秘密分散法要件の一検討
著者*山澤 昌夫 (中央大学研究開発機構/セキュアIoTプラットフォーム協議会), 五太子 政史 (学校法人中央大学研究開発機構), 山本 博資 (中央大学研究開発機構), 松本 義和, 白水 公康, 豊島 大朗, 瀬瀬 考平 (セキュアIoTプラットフォーム協議会), 近藤 健 (中央コリドーICT 推進協議会), 辻井 重男 (学校法人中央大学研究開発機構/セキュアIoTプラットフォーム協議会)
ページpp. 688 - 692
キーワードIoTセキュリティ, 認証, 秘密分散, トラストアンカー, LCM
アブストラクト近年,5G のサービスの開始や,データ管理・流通の重要性やサプライチェーンリスクへの対応などの必要性が増大していること等,環境の変化が著しい.IoT 機器の脆弱性については,セキュリティ・バイ・デザインの考えのもと製造段階からの IoT 機器のセキュリティ機能埋込み,と言う考え方が重要とされている.セキュア IoT プラットフォーム協議会と中央大学研究開発機構は, IoT 機器の真正性を担保するトラストアンカー(TA)の埋込み,ライフサイクルマネジメント(LCM) に関する実装方式の開発,普及の推進活動を行っている.その中核となるのが,IoT 機器の真正性を担保する TA であるが, その認証機能における機能力は,装置を構成する要素個々まで及ぶものではない.しかし,IoT 機器におけるこれまでのインシデント例からは,装置の構成要素それぞれについても,真正性を担保する仕組みが求められている現状である.全ての部品がルートオブトラスト (ROT) をもち,TA が検証できるのであればよいが,そうでない時の対策が望まれる. 本論文では,TA に結びつけた秘密情報を秘密分散法により分割し,分散片を各部品へ配置し,分散片による検証機能のカバー範囲拡大施策を提案している.

4G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名分散個体群認証のための秘密分散法について
著者*五太子 政史 (中央大学研究開発機構), 山澤 昌夫 (中央大学研究開発機構/セキュアIoTプラットフォーム協議会), 山本 博資, 藤田 亮 (中央大学研究開発機構), 松本 義和, 白水 公康, 豊島 大朗, 瀬瀬 考平 (セキュアIoTプラットフォーム協議会), 近藤 健 (中央コリドーICT 推進協議会), 辻井 重男 (セキュアIoTプラットフォーム協議会/中央大学研究開発機構)
ページpp. 693 - 697
キーワードIoT, 秘密分散, 認証
アブストラクトIoTなどの通信機器において,ボード上に不正なスパイチップが組み込まれる脅威が問題視されている. この対策として,ボードに秘密情報を割当て,それを秘密分散した各データを正規のチップに組み込むという認証方式が提案された. (k,n)秘密分散法を使うと,チップn個中で不正チップが(n-k-1)個までならば,どれが不正であるかも特定できる. これを実現するための秘密分散方式,秘密情報復元から各チップの認証,及び異常が発見された場合の不正チップの特定までを 可能な限り確実に,かつ少ない計算量で実現するための手順を考察した.

4G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名分散表現を用いたネットワーク通信ログのアノマリ検知
著者*江田 智尊, 神原 佑輔, 及川 孝徳, 古川 和快, 海野 由紀, 村上 雅彦 (富士通研究所 セキュリティ研究所)
ページpp. 698 - 705
キーワードアノマリ検知, 機械学習, 自然言語処理, 侵入検知, IDS
アブストラクト自然言語処理技術の一つである分散表現(単語埋め込み)技術は様々なセキュリティログ分析に応用されている.その一般的な分析方法は,単語埋め込みを利用して分析対象の特徴量を抽出し,抽出した特徴量に目的の分析を行う機械学習アルゴリズムを適用する.しかしこの過程で抽出した特徴量は必ずしも目的の分析に適応する保証はなく,分析精度劣化を引き起こす可能性がある.本稿ではネットワーク通信ログにおけるアノマリIPアドレス検知に着目し,アノマリ検知に適したIPアドレス特徴量を抽出する分散表現技術を提案する.提案手法は,単語埋め込みによる特徴抽出とアノマリ検知の目的関数を調和し,最適化する手法である.これにより検知に適応したIPアドレス特徴量抽出を可能にし,ログに潜むアノマリIPアドレスを高精度に検知することを実現する.実験では,仮想的な組織ネットワークにおける通信ログの中から,攻撃者のIPアドレスを検知するタスクを実行した.結果,提案手法は従来手法と比較して Area Under the Curve 基準を 0.876 から 0.990 に改善した.

4G-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名完全準同型暗号を用いたFP-growthによる頻出パターンマイニングの委託タスク増加による影響の調査
著者*種村 真由子, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 706 - 711
キーワード完全準同型暗号, FP-growth, 委託処理
アブストラクト近年,ビッグデータの利活用が多くの分野で進んでいる.大規模なデータを扱う統計処理を行う際,処理能力の高い計算機システムを用意する事が困難な場合には,クラウド等の外部の計算資源を利用する方法があるが,外部委託するデータが個人情報等,プライバシに関わる場合は,特に管理に注意する必要がある.本研究では,プライバシ保護のため,外部サーバに送信するデータを完全準同型暗号(Fully Homomorphic Encryption,FHE)で暗号化する.FHEは,暗号文同士の加算と乗算が成立する公開鍵暗号で,委託先サーバに復号鍵を渡さず,統計処理を行うことが可能となる.これを用いて,頻出パターンマイニングを行うシステムを作成する.本研究では,先行研究においてAprioriアルゴリズムで処理している部分をFP-growthに変更した頻出パターンマイニングのシステムの実装を行っている.しかし,現行のプログラムでは,クライアントがサーバに容易に委託可能なタスクが少ないため、クライアント側の処理の負荷を抑えつつさらにサーバに処理を委託する方法を検討する.また,その処理による実行時間、データサイズなどの増加を調査する.

4G-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名完全準同型暗号と共通鍵暗号を組み合わせたIoTデバイスにおけるセンサデータ暗号化の高速化
著者*松本 茉倫, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 712 - 719
キーワード完全準同型暗号, 共通鍵暗号, IoTデバイス, 軽量暗号
アブストラクトスマートフォンを始めとする,IoTデバイスで取得したセンサデータを活用するためにクラウドサービスを利用した統計分析が普及している.IoTデバイスで取得したセンサデータの中には,位置情報などの秘匿性が高いデータが存在しており,必ずしも安全とは言えないクラウドサービス上では情報漏洩に備えて,個人情報を保護する必要がある.そこで,暗号文同士の加算・乗算が可能な完全準同型暗号が注目されている.しかし,一般的に共通鍵暗号よりも公開鍵暗号は低速であり,公開鍵暗号である完全準同型暗号は処理時間がかかるため,計算能力の低いIoTデバイス上での実装が課題である.本研究では,低速な公開鍵暗号を高速に利用することを目的として,高速な共通鍵暗号と鍵共有が容易な公開鍵暗号を組み合わせたハイブリッド暗号を応用し,共通鍵暗号と完全準同型暗号を組み合わせた暗号化をIoTデバイスにおいて提案・実装する.


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セッション 4H  生活支援・デバイス
日時: 2020年6月25日(木) 8:30 - 10:10
座長: 森 信一郎 (千葉工業大学)

4H-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名大規模災害時における各避難所間の情報共有システム構築に関する一検討
著者*周 爽, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 720 - 725
キーワード情報共有, Webアプリケーション
アブストラクト近年,日本各地で地震,豪雨,台風,津波などの自然災害が連続して発生している.災害が発生する時に,家屋の倒壊などによって,自宅で生活できない人や,避難勧告,避難指示が発せられた人は避難所に行かなければならない.避難所は電気,通信,また情報など,様々な面で大災害時に頼りになる場所である.安全,安心の場として,避難者の避難所での生活を安全に過ごせるようにすることが必要である.避難所の物資などの情報共有を早急に行えることが望ましいが,東日本大震災や台風19号のような大規模災害により,インターネットが切れる可能性があるため,通信ができなくなる場合がある.その結果,避難所の物資とニーズを把握できなくなり,避難所に本当に必要な物資が届けられない状況になる.また,家族や友人の安否確認や避難所情報等を受け取ることができなくなることもある.そこで各避難に置いておくエッジサーバを利用し,エッジサーバ同士が情報を同期しておくことで情報共有を可能にするシステムを提案する.また,個人情報への不正なアクセス,個人情報の紛失,破壊,改ざんおよび漏洩等のリスクに対しては,個人情報の適切な取り扱い,ならびに安全管理に取り組むことを検討する.

4H-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名観光地の動画視聴による過去経験の想起が観光スケジュール作成に与える影響の調査
著者*磯山 直也 (奈良先端科学技術大学院大学), 寺田 努 (神戸大学), 酒田 信親, 清川 清 (奈良先端科学技術大学院大学), 塚本 昌彦 (神戸大学)
ページpp. 726 - 734
キーワード観光, VR, HMD, 記憶, 経験
アブストラクト観光は娯楽の一つとして多くの人に親しまれており,多くの人が観光へ行く前にどのように観光地を巡るかについてスケジューリングを行う.しかし,人は過去を美化してしまうことが多く,観光スケジューリングの際にもこれまでの観光経験を美化しつつ思い出し,それを参考にスケジュールを作成してしまい,その結果,予定を多く詰め込み過ぎてしまうことがある.そこで,自身の過去の観光経験を適切に思い出すことが重要であり,適切に思い出すことで個人に適したスケジュール作成に役立てられるのではないかと考えた.本稿では,VR環境で観光地の動画を視聴することで,ユーザがそこに行っていると感じ,過去の観光経験を適切に思い出せる手法について提案する.提案手法を用いる際,ユーザはスケジューリングの前に目的地とは異なる観光地の動画をHMDで視聴しながら観光経験を思い出し,その後スケジューリングを行う.本稿での実験では,視聴する動画が異なることで,スケジューリングへの影響に変化があるかについて調査した.結果として,多くの観光スポットが登場する動画を視聴しながら思い出すことにより,自身が好む,好まない観光内容について思い出しやすくなることが確認できた.

4H-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名CPUの高精度電力カウンタを活用した消費電力分析手法
著者*平井 聡, 福本 尚人 (富士通研究所)
ページpp. 735 - 739
キーワード計測システム, 省電力, 性能評価, データ分析, 基盤システム
アブストラクトエネルギー効率の重要性が高まり,装置規模に関わらずコンピュータシステムにおける電力効率向上のための取り組みが行われている.多くのシステムではメインボード上に電力監視機能を搭載し,ファームウェアレベルでFANや供給電力の制御が行われており,オペレーティングシステムとの連携により,デバイスを含めたシステム全体の動的な電力制御が行われている.アプリケーションソフトウェアの消費電力削減の取り組みとして,CPUの消費エネルギー計測機能を利用した方法が行われているが,プロセスレベルの粒度の分析が主で,関数レベルまで分解能を高めることが困難であった.今回我々は,CPUやメモリの消費エネルギー積算カウンタをCPUのPMU(Performance Monitoring Unit)イベントとして実装したA64FXプロセッサを使用し,CPUコアやメモリの一定エネルギー消費毎にサンプリングするプロファイリングを行うことで,低オーバヘッドで関数やベーシックブロック単位の細粒度の消費電力分析が可能であることを確認した.

4H-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名遠隔地にあるPANデバイスとの直接通信を可能とするVPANシステムの評価
著者*酒井 恵梨香, 池内 紀貴, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科)
ページpp. 740 - 747
キーワード無線PAN, IoTデバイス, 仮想認識, 遠隔制御, Bluetooth
アブストラクトユーザが外出先から自宅のデバイスをBluetooth通信で制御することが可能なシステムが提案されている.しかし,このシステムはカーネル空間を拡張して機能を実装しているため,スマートフォンなどの操作端末での実現が困難である.そこで,従来システムの考え方を踏襲しつつ,かつ実装が容易で複数のPAN(Personal Area Network)通信規格に柔軟に対応可能なVPAN(Virtual PAN)システムを提案する.PANデバイスの制御命令を処理するVPANミドルウェアをユーザ空間で設計し,ユーザの操作端末内と宅内のホームゲートウェイ内のミドルウェアを連係して動作させることにより,遠隔地のPANを操作端末周辺のPANに仮想的に統合することができる. 本稿では,Bluetoothに対応したVPANミドルウェアのプロトタイプをAndroidスマートフォンに実装し,BLE(Bluetooth Low Energy)機器探索およびデータ通信に関して評価を行った.その結果,近隣および遠隔のBLE機器を統合的に発見でき,遠隔地とのデータ通信はBluetoothで定義されているタイムアウト時間よりも十分に短い時間で完了していることを確認した.

4H-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名圧縮辞書の再利用による車載ECU向けデータ圧縮方式
著者*染谷 一輝 (神奈川工科大学大学院), 寺島 美昭 (創価大学), 清原 良三 (神奈川工科大学)
ページpp. 748 - 754
キーワードソフトウェア更新, 車載ECU
アブストラクト自動運転車両の研究が活発に行われている.実際に日本でも自動運転レベル3の自動車が登場しつつあり,高度な制御が要求される.その制御を行うため,車載ECUの数の肥大化,その中身であるソフトウェアの大規模化が進んでいる.一方でネットワークに接続し,便利な分,セキュリティ面での脅威も存在する.事故につながるバグや外部から攻撃される危険性を考えるとECUのソフトウェアを迅速に更新する必要があると言える.また更新には携帯網などのネットワークを経由することが対応速度的に望ましい.データ受信部となるところまでは携帯網で比較的早い通信速度でデータ受信できるが,自動車内部のネットワークは500kbpsととても遅い.そのため車載ネットワークでは差分更新が基本となる.しかし差分更新するためには各ECUに十分なRAMが必要であり,RAMに余裕がない場合は利用できない.本論文では従来の汎用的なデータ圧縮方式を改良し,プリセット辞書を利用することでデータを小さくし,RAM容量に余裕がなくとおソフトウェア更新が可能な方式を提案する.


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セッション 5A  CSEC/SPT統一テーマセッション
日時: 2020年6月25日(木) 10:30 - 12:10
座長: 藤川真樹 (工学院大学)

5A-1 (時間: 10:30 - 11:10)
題名(招待講演) Society5.0−アフターデジタル/アフターコロナのセキュリティの動向と考察
著者久保田 朋秀 (日本マイクロソフト株式会社)
ページp. 755
キーワードSociety5.0, アフターデジタル, アフターコロナ, セキュリティ


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セッション 5B  位置情報
日時: 2020年6月25日(木) 10:30 - 12:10
座長: 磯山 直也 (奈良先端科学技術大学院大学)

5B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名頑健な屋内位置推定のための時間的・空間的特徴を利用したWi-Fi受信信号のノイズ除去と欠損値補間に関する検討
著者*村上 健太, 前川 卓也, 原 隆浩 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 756 - 765
キーワードRSSI, 屋内位置推定, ノイズ除去, 欠損値補間, Wi-Fiフィンガープリンティング
アブストラクト近年,Wi-Fi受信信号情報を用いた携帯端末の屋内位置推定手法に関する研究が盛んに行われている.最も一般的な屋内位置推定手法はWi-Fiフィンガープリンティングと呼ばれており,環境内の各地点で長時間静止してWi-Fi受信信号を取得することで,各地点における固有のWi-Fi受信信号情報を格納したラジオマップを作成する.そして,未知の地点で取得されたWi-Fi受信信号情報とラジオマップ内の各地点のWi-Fi受信信号情報を比較することで位置を推定する.しかし,歩行中のある時点で取得されたノイズや欠損が多く含まれるWi-Fi受信信号を位置推定に用いると位置推定精度が大きく低下してしまう問題がある.そこで,本研究では,ニューラルネットワークを用いて歩行中に取得されたWi-Fi受信信号のノイズ除去と欠損値補間を行うことで,Wi-Fiフィンガープリンティングを用いた頑健な屋内位置推定を行う手法を提案する.ノイズ除去と欠損値補間を行うニューラルネットワークモデルは,対象とは異なる環境で事前に学習したものを用いるため,対象とする環境の学習データを取得する必要がない.評価実験では,3つの環境で観測されたデータを用いて提案手法の有効性

5B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名Wi-Fiパケットセンサを用いた大規模レジャー施設における行動パターンの分析
著者*村井 大地, 廣井 慧, 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
ページpp. 766 - 771
キーワードWi-Fiパケットセンサ, RSSI, 行動パターン
アブストラクト本研究では,Wi-Fiパケットセンサを用い,屋外の大規模レジャー施設を対象とした訪問客の行動パターンの分析を行う.人口の高齢化に伴う働き手不足のため,大規模な施設,特に公共的な施設ではこれまでのように豊富な人員の配置が難しくなってくると考えられる.よって,今後は訪問客の特性や,施設内の行動パターンを理解し,効率的な人員配置などの施設マネジメントが求められる.我々は59ヘクタールの広大な敷地を有する東山動植物園に,35箇所のWi-Fiパケットセンサを取り付け,継続的なデータの収集を行っている.東山動植物園ではその広さのため6箇所の出入り口が存在し,また園内に公共の道路が通っており,近隣には住宅地があるなど,特徴的な施設となっている.本研究ではこのような特徴を有する大規模施設において,訪問客の行動パターンを分析するための課題を整理し,その課題を解決するアプローチとして,入園者判別手法やN-gram法を用いた分析方法を提案する.分析の結果,実際の入園者の比率に近い入園者パターンを得るとともに園内の複数の頻出する行動パターンを抽出した.

5B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名大規模分散環境における人流・交通流シミュレータの設計と課題
著者*平野 流, 廣井 慧, 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院工学研究科), 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科/名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 772 - 777
キーワード人流・交通流, シミュレーション, 大規模, 分散
アブストラクト人流・交通流のシミュレーションは,都市計画や避難計画,渋滞の予測・解析等で活用されている.近年,IoTデバイスやスマート社会基盤の普及により,大規模化や異種シミュレータ間連携の他に,データ同化や動的拡張などの需要が高まっている.これらの研究は個々の研究では行われているが,これら四つの機能が統合されたシミュレーション環境は,必要に応じて利用できる状況にはなっていない.本論文ではこれらの統合を考慮しつつ,主に大規模化に着目し,大規模分散環境におけるシミュレータ環境の設計と評価を行う.本シミュレータ環境では,時間と空間によって分散し,通信を用いて連携する時空間オブジェクトモデルを採用している.最後に分散環境における性能の測定・評価を行った.

5B-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名被災者行動の不確実性を考慮した災害弱者のための避難所決定手法の提案
著者*田中 智基, 松田 裕貴, 藤本 まなと, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 778 - 784
キーワード避難所決定, 被災者行動, 災害リスクマネジメント, シミュレーション, マルチエージェントシステム
アブストラクト被災者が一斉に最寄りの避難所へ向かうことで,一部の被災者がたらい回しにされる問題がある.収容人数を超過しないように各被災者に避難所を指定したとしても,一部が指示に従わないことで,指定された避難所に到着しても収容人数に達しているため,たらい回しにされることも考えられる.特に,高齢者や身障者など身体能力が原因により避難行動に制限が生じる災害弱者は,健常者よりも多く避難時間を要するため,たらい回しにされる可能性が高く,避難の大幅な遅れを引き起こすことになる.本研究では,災害弱者と指示に従わない被災者の存在を考慮し,各被災者の避難予測時間と避難所の収容可能人数に基づいたナップサック問題を解くことで,被災者の避難先を決定する手法を提案する.具体的には,全ての被災者が最寄りの避難所へ向かった場合のシミュレーションを行い,各避難所に対して被災者の一部が指示に従わず最寄りの避難所に向かう可能性を想定し,各避難所への避難誘導人数に制限を設けた上でナップサック問題を解くことで,災害弱者の避難が遅れるケースの発生を軽減できるようにする.提案手法をマルチエージェントシステムにより評価実験を行った結果,予め想定した割合を超えない場合,災害弱者の平均避難時間を従来手法より短縮することができた.

5B-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名GPSデータのクラスタリングによる日常生活における場所の重要度の分析
著者*平田 瑠, 原 直, 阿部 匡伸 (岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科)
ページpp. 785 - 793
キーワード位置情報システム, 見守り, 行動範囲, 生活パターン
アブストラクト本報告では,詳細な見守りが可能な行動範囲の推定のために, 日常生活における場所の重要度を滞在地と経由地の観点に分けて検討し,ユーザが日常生活をする上で重要な場所を調査した. 日常生活の生活パターンを反映した場所の特徴量として、ユーザの行動パターンのクラスタリングを用いた共起クラスタ数の期待値を提案する. 1日あたりの滞在時間,1日あたりの訪問回数,共起クラスタ数の期待値で,9名,234日分のGPSデータを用いて,全体の重要な場所の総数に対する割合を算出した. その結果,滞在地については,1日あたりの滞在時間が上位 50 % の場所の中の重要な滞在地の数において,全体の重要な滞在地の数に対する割合が 83.9 %, 経由地については,共起クラスタ数の期待値が上位 50 % の場所中の重要な経由地の数において,全体の重要な経由地の総数に対する割合が 76.7 % と, それぞれ他の2つの特徴量よりも高い数値を示した. また,3種類の特徴量を用いて実験協力者9名の重要な場所と重要でない場所の分類を行い,ROC曲線のAUCで評価したところ, 実験協力者9名の平均では,重要な滞在地の分類において,1日あたりの滞在時間に基づく分類が AUC = 0.802, 重要な経由地の分類では,共起クラスタ数の期待値に基づく分類が AUC = 0.734 と, 3つの特徴量を用いた中で最も良い分類性能を示した.


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セッション 5C  ヘルスケア
日時: 2020年6月25日(木) 10:30 - 12:10
座長: 水本 旭洋 (大阪大学大学院情報科学研究科)

5C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名介護記録アプリケーションにおける記録内容自動生成機能の実装
著者*金子 晴, 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 794 - 800
キーワード機械学習, 介護記録, アプリケーション設計
アブストラクト現在の日本では,介護業界の人材不足が問題となっている.この人材不足改善のため, ICTの活用による介護業務の生産性向上が注目されている[1].本研究室ではこれまでに,介護施設における介記録作成作業に時間がかかる点に着目し,モバイルアプリを用いた介護記録システムを構築している.また,実際の介護施設にこの介護記録システムを導入する実証実験を行っている[2][3].本稿では,その介護記録システムに介護記録の自動生成機能を実装する.サーバ内で,介護記録の内容を推定する機械学習モデルを構築する.また,推定された介護記録をモバイルアプリ上でどのように表示し記録作成作業を簡略化するモバイルアプリのUIを設計・評価する.開発したシステムを評価した結果,本稿の介護記録システムを用いることで推定精度が高い場合,記録作成作業を簡略化できる事が分かった.しかし推定精度が低いと,既存の記録システムよりも時間を消費する事が分かった.

5C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名被介護者の運動評価に向けたリハビリ行動識別手法の検討
著者*多田 剛史, 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
ページpp. 801 - 806
キーワードリハビリテーション, ウェアラブルセンサ, 行動認識
アブストラクト近年,高齢者数は急速に増加している一方で,高齢者のリハビリを指導する理学療法士の数は高齢者増加に追い付いていない.また,高齢者がリハビリのために施設へ移動することは困難な場合も多い.このような状況に対し,我々は遠隔でリハビリを指導するシステムの開発をおこなっている.開発するシステムでは,患者の体の各部位にウェアラブルセンサを取り付けてもらい,リハビリ運動時の動作データを病院などに送り,詳細に識別,分析することで理学療法士の業務を補助することを目指している.本研究では,国立長寿医療研究センターが制定したリハビリ運動を23種に識別する手法を検討する.識別にはウェアラブルセンサを用いた行動認識技術を用いるが,リハビリを対象とし,類似した行動を識別するための手法は,現時点においてまだ十分に研究されていない.実験では,被験者には,両手首,両ひじ,腰の背面,両太ももに3軸の加速度・角速度センサ,右ひじ,右ひざ,右足首にはサポータ型伸縮センサを取り付けてもらい,理学療法士の監督の下,リハビリ運動時のデータ取得をおこなった.これらのデータを用いて階層モデルを作成,実験をおこなった結果,ウインドウサイズ1024msのとき識別率(F-measure)は0.54となった.

5C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名刺激により唾液分泌量増加を促す顎下部装着型ウェアラブルデバイスの提案
著者*鷲野 海, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 807 - 814
キーワード唾液, ウェアラブルコンピューティング, 健康支援
アブストラクト唾液の働きには消化作用,抗菌作用,咀嚼・嚥下・発音補助作用などがあり,唾液の分泌量が低下する疾患であるドライマウスによって様々な弊害が生じる.そのため,口腔内が乾燥する症状のドライマウスを訴える患者は増加している.におい,熱,マッサージなどの唾液分泌を促進させる手法によってドライマウスを治療することが提案されてきた.しかし,それらの手法では唾液量の減少をユーザ自身が自覚することや,唾液分泌に対するユーザの自発的な行動を必要とするため,唾液量の認識や唾液促進を自動化できることが望ましいと考えられる.そこで本研究では,口腔内環境を常時測定し,刺激によって乾燥時に唾液分泌を促すウェアラブルデバイスの開発を目指す.唾液分泌を促す上で,ユーザの置かれる環境や状況に応じて,唾液分泌に有効な刺激は異なる可能性があるため,被験者8名に対し,異なる状況下で最も有効な刺激を調査した.平常時,起床時,食後の3つの測定状況内においてにおい,熱,マッサージの3つの刺激を与え,その際の唾液分泌量の変化を測定した.調査の結果,状況や人によって有効な刺激が異なったため,顎下部に装着したリニアアクチュエータ,ペルチェ素子,におい出力デバイスによって刺激を与え,唾液分泌を促すウェアラブルデバイスを提案した.

5C-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名ウェアラブルセンサを用いた人体快適度推定手法
著者*Haomin Mao, 土田 修平 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻), Yongbeom Kim, 金田 麟太郎, 堀 隆之 (ソフトバンク), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
ページpp. 815 - 822
キーワードウェアラブルセンサ, 回帰分析, 機械学習, 快適度, PMV
アブストラクト人間の快適度に合わせて温度や湿度などを自動的に調整する環境を実現するためには,空調システムなどが定量化された人間の快適度の変化を常時計測できる必要がある.快適度を定量化するためには様々な環境における人間の生体データや環境データの測定が必要であり,これらのデータを常時測定できるウェアラブルセンサを用いるのが適切である.本研究ではウェアラブルセンサを用いて人間の生体データを取得し,回帰分析を行うことで熱的快適度を推定する手法を提案する.人間の熱的快適度の評価には一般的にPMVモデルが用いられるため,快適度の正解データはPMV公式から算出した計算値を用いた.パイプ式ブース内において被験者の生体テータを取得するとともに,正解データを算出するためのPMVパラメータは被験者に入力してもらった.取得したデータを5種類の回帰モデルを用いて分析し,MAE,R2スコア,RMSEの3つの基準から各回帰モデルを評価した.推定手法を日常環境に応用するには,使用するウェアラブルセンサの数を減らす必要があると考えられるため,回帰モデルに入力するデータの特徴量を減らし,MAEに基づいて使用するウェアラブルセンサの種類を限定した.結果として,左手の温度センサと心拍センサのみを用いることにより室内にいる人間の熱的快適度を推定できることを確認した.

5C-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名パソコンを利用した作業時のキー入力を身体動作で置き換えることによる運動不足解消システム
著者*清水 裕介, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 823 - 831
キーワードウェアラブル, 座位作業, 身体動作, 入力インターフェース
アブストラクトパソコン作業などの長時間の座位作業は健康に悪影響を及ぼす.悪影響は座位作業中に歩行や立ち上がり動作などの日常動作を行うことによって緩和できるが,作業の中断をともなう.そこで,本研究ではユーザにパソコン作業を中断させず,作業時に可能な身体動作を行わせることで運動不足を解消するシステムを提案する.提案システムでは,ストレッチセンサを用いて身体動作を認識し,あらかじめ割り当てておいたキーの入力を行う.評価実験より,提案システムによる対象動作の認識精度は平均F値 0.99 となり,高精度にキー入力の置き換えができることを確かめた.また,提案システムを用いて日常の健康管理やトレーニングを管理するアプリケーションなどに応用できる可能性があることを示した.


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セッション 5D  行動認識・予測
日時: 2020年6月25日(木) 10:30 - 12:10
座長: 川上 朋也 (福井大学)

5D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名室内における動作識別のための合成動画像データセット構築の検討
著者*礒井 葉那 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 832 - 837
キーワード合成動画像, 動作認識, 深層学習
アブストラクト近年ディープニューラルネットワーク (DNN) により動画像から人間の行動を分析することが可能になり, 一般家庭で老人や子供の見守りなどに応用することが期待されている. しかし, 室内における人間の行動解析のためのデータセットは現状不十分であり, またそのようなデータセットを現実の動画像で作成するには多大な手間やコスト・プライバシといった課題がある. 我々は,既発表研究で人間の室内行動解析のためのデータセットの構築, および現実の動作解析のための合成動画像の生成方法を確立することを目指し, Unity を用いて合成動画像データセットを試作・評価した. 本研究では, 試作したデータに追跡カメラでの撮影・学習時のクラス数の均一化という改良を行い,実写動画像STAIR Actionsを用いて評価した. その結果,作成した合成動画像の改良により, 本合成動画像における動作分類の精度が改善したこと, さらに動作などのバリエーションを増やすことが必要であることがわかった.

5D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名人物追従ロボットのための歩行者経路予測における機械学習用データ構成法
著者*赤羽根 里奈 (東京女子大学 大学院理学研究科), 加藤 由花 (東京女子大学 現代教養学部 数理科学科)
ページpp. 838 - 843
キーワード移動ロボット, 機械学習
アブストラクトサービスロボットの普及に伴い,家庭や職場,公共空間などで人と共存するロボットに対する期待が高まっている.我々はこれまで,そのようなサービスロボットの一種である人物自動追従ロボットを対象に,ターゲットとなる人の未来の経路を予測することで,人物追従の精度を向上させる手法に関する研究を進めてきた.ここでは,人の移動軌跡(位置座標の時系列)を系列データとみなし,機械学習モデルにより,入力系列から出力系列を予測する手法を提案してきた.しかし,個別の予測結果を見たときに,十分な精度が得られないという問題が残されていた.本稿では,この手法を拡張し,これまで人の位置座標から構成していた系列データを,速度ベクトルにより構成する系列データへと変更する.この変更により,追従ターゲットの移動傾向を予測モデルに取り組みことが可能になり,特定の追跡対象に対する経路予測の精度向上が期待できる.本稿では,人移動軌跡データセットを利用し,提案手法と位置座標を用いた手法の経路予測精度を比較する.その結果から,平均的な予測精度に大きな違いは無いものの,速度ベクトル系列を用いた手法の方が,特定ターゲットに対して真の軌跡と近い経路を予測できることを示す.また,位置座標と速度ベクトルの両方を考慮することで,群衆内における特定ターゲットの経路予測の精度が向上する可能性についても議論する.

5D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名パッシブRFIDタグアレイを利用した非画像信号からの画像復元とトイレ行動検知システムへの応用
著者*大嶋 政親, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻)
ページpp. 844 - 851
キーワードRFID, 行動認識, 画像分類, 画像認識, 深層学習
アブストラクトセンサーネットワーク技術の発達により高齢者の見守りシステムなどを導入することで高齢者の自立を促す効果や介護施設のスタッフの負担を減らすことが可能となる.認識対象の動作の中でも,セルフケア動作に関する行動は被介護者の自立度を測定する指標となるため特に重要度が高く,その中でもトイレ行動は複数の動作が絡み合っているのにもかかわらず個室で実行されており,カメラの使用はプライバシーの観点から困難であり認識システムを導入しにくい.本研究では,トイレ行動に着目してパッシブRFIDタグと画像認識技術を組み合わせたプライバシー配慮・デバイスフリーのトイレ行動検知システムを提案する.提案システムでは,人体の姿勢を捉えやすくするために,複数のRFIDタグを2次元状に配置したタグアレイを認識対象の背後の壁などに設置する.学習データの構築には,RFIDタグから得られたRSSIを画像化する.画像から画像への変換技術の一つであるpix2pixを用いて入力画像と正解画像を対にして学習しモデルを構築することでタグアレイから得られた信号画像のみで人体の姿勢を出力する.最後に,生成された画像に対して畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)を用いた画像分類を行うことで行動を認識する.評価実験として模擬トイレの個室にシステムを設置し,出力画像からCNNを用いて画像分類を行うことで「転倒」を含む8種類のトイレ動作を92.18%の精度で分類した.

5D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名高齢者の対話型コミュニケーション状況把握のための行動認識センサの実装と評価
著者*伊藤 優樹, 上野 正義, 高橋 大夢 (東北大学大学院情報科学研究科), 千葉 慎二 (仙台高等専門学校), 阿部 亨, 菅沼 拓夫 (東北大学サイバーサイエンスセンター/大学院情報科学研究科)
ページpp. 852 - 858
キーワード高齢者, 対面型コミュニケーション, センサ, 行動認識
アブストラクト疫学分野において,他者との対話型コミュニケーションが高齢者の健康寿命と関連があることがわかってきている.コミュニケーション状況を把握し分析する方法としては,これまで,被験者へのアンケート調査による主観的評価が用いられており,網羅性や正確性の欠如による不十分さが課題となっている.これを解決するために,ICTの利活用が考えられるが,従来のコミュニケーション状況の把握・分析に用いられているセンサデバイスは,位置・近接検出のための電力消費量の増加や,データ回収のためのリスクや手間の増大などの課題がある.そこで本研究では,高齢者の健康寿命との関係性の明確化を目指し,他者との対話型コミュニケーション状況を定量的に把握するための行動認識センサを開発する.本発表では,当該センサの実装について述べ,その評価として,発話状況収集のための発話時間及び強弱情報,及びRSSIによる位置検出が可能であることを示す.


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セッション 5E  人と家
日時: 2020年6月25日(木) 10:30 - 12:10
座長: 落合 桂一 (株式会社NTTドコモ)

5E-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名ライフログサービスを用いたパーソナルデータコントロールのプライバシー懸念・行動の考察
著者*岡田 光代 (慶應義塾大学), 山内 正人 (慶應義塾大学/情報経営イノベーション専門職大学), 野尻 梢 (慶應義塾大学/DSInnovation株式会社), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学)
ページpp. 859 - 865
キーワードプライバシー懸念, パーソナルデータ, ライフログ, 情報銀行
アブストラクト本稿では、ライフログアプリケーションを題材に、自分の情報の利用用途や範囲が把握しやすくすると、パーソナルデータ利活用に関するプライバシー懸念や行動にどう影響するか考察した結果につい述べる。 情報銀行構想などパーソナルデータ利活用に関する期待が高まっている。 そうした取り組みでは自分のデータが自分の意思に沿わない形で利用されてしてしまわないような仕組みが目指されているが、 実際の利用時にプライバシー懸念がどのように働いて利用者が行動するかの調査が十分でない。 本研究では、利用者が自身のパーソナルデータを利活用する一次利用のシーンを想定し、 利用者の意志でパーソナルデータの利用範囲を設定できるライフログアプリケーションを開発し、実証調査を行った。 位置、写真アルバムなど項目ごとに利用範囲を決められるなかで、それぞれの利用者が どのような利用範囲を設定しどのように利用していったかをアンケートおよびインタビューにより質的に調査した。 実験中ある被験者はアプリケーション上で写真アルバムを連携させていたが実験者に見られたくない写真は削除していたことがわかり、項目ごとより個別詳細な利用範囲や連携範囲の設定への要望が聞けるなど、質的な調査ならではのパーソナルデータ利活用推進に向けた新たな知見となる事象や示唆を得た。

5E-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名健康診断データを用いた生活習慣改善行動における価値推定手法の提案
著者*濱谷 尚志, 田中 茂樹, 深澤 佑介 (株式会社NTTドコモ)
ページpp. 866 - 874
キーワードヘルスケア, 健康診断, 生活習慣, 機械学習, 価値計算アルゴリズム
アブストラクト昨今のデータ収集,活用の機運の高まりにより,健康診断のデータ化が進められている.本研究では健康診断のデータを用い,健康の維持や向上のための行動変容のための技術として,生活習慣改善行動における価値推定手法を提案する.提案手法では健康診断における生活習慣に関する問診への回答結果,および医師による受診者の総合所見のデータを用い,健康状態予測モデル,価値計算フレームワークおよびアドバイス生成機構の組み合わせによりユーザが取りうる生活習慣改善行動の価値を定量化する.実際に会社従業員のべ5000人超の健康診断データに基づき提案手法による予測モデルを構築した結果,各データにおける翌年の医師による総合所見の予測精度が約64.1%であることを確認した.さらに,提案手法により実際に99.6%の従業員に対し生活習慣改善のアドバイスを提示できることを確認し,生活習慣の改善において重要な問診項目を複数確認した.

5E-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名居住者の嗜好を少ないインタラクションで推定するスマートホームシステム
著者*辰巳 公太, エルデーイ ヴィクトル, 水本 旭洋, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 875 - 881
キーワードIoT, スマートホーム, 強化学習
アブストラクト空調や照明といった環境制御において,スマートホームシステムが居住者の嗜好を理解するためには,制御を行った時刻や位置,感情や気分,同居者の存在など様々な周辺コンテキストに影響される居住者の嗜好をシステム側が獲得・理解し,サービス提供のタイミングや制御方法に反映させることが望ましい. そのためには,制御とそれに対する居住者の反応(フィードバック)を取得し,強化学習等でシステムを居住者に適応させることが考えられる.しかし,居住者のフィードバックを能動的に取得する場合に生じるシステムとのインタラクションはなるべく効率的かつ居住者に負担のない形で行う必要がある.環境制御を学習すると同時に,インタラクションのベストタイミングや内容も最適化できるシステムの実現が望まれる.本研究では,環境制御に対する居住者の嗜好を強化学習により理解するシステムにおいて,嗜好 の獲得のためにシステムが行なう能動的なインタラクションに対する居住者の嗜好も同時に学習する手法を提案する.提案手法では,環境制御に対する嗜好をスマートスピーカーやスマートフォンのようなインタフェースを介した質問に対するフィードバックで獲得し,それを報酬とした強化学習を行う.その際,フィードバック獲得のためのインタラクションのタイミングや内容に対するフィードバックも同時に獲得し,次の制御において質問をするか否かの振舞いを決定する.この目的のため,Q 学習に基づくインタラクション制御機能を有したシステムアーキテクチャを設計している.同システムを実装したシミュレータを用いた簡易実験を行った結果,学習達成度80%以上達成した時に,大幅なインタラクション回数の削減に成功した.

5E-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名建築図面の解析によるフロアプランと電気設備の情報抽出
著者*田中 福治, 石津 紘太朗, 水本 旭洋, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 882 - 891
キーワード電気平面図, スマート分電盤, 家庭内行動把握
アブストラクト近年,人感センサやドアセンサ,分電盤モニタ等を用いて家電や電気設備の稼働や居住者の位置を把握し,それに基づく行動把握や生活推薦,電気使用量の妥当性判断などを行うサービスに関する研究が行なわれている. そういったサービスにおいては,部屋構成やセンサの設置位置,家電の配置情報等を利用することで,より詳細な活用推定などが可能となるものも多い. 例えば壁やドアなどの動線情報やコンセント,ビルトイン電気設備の位置や構成に関する情報と電気使用情報を組み合わせれば,家電や設備が稼働された位置を特定でき,詳細行動と位置情報の把握に用いることもできる. しかし,それらの情報はBIM(Building Information Modeling)データなどが利用できれば抽出が可能である一方,電子データ利用やその入手性に制約が多く,画像のみが利用可能であることが多い. これに対し本研究では,家屋の建築図面から,部屋の構造情報(フロアプラン)ならびに電気設備情報を抽出する手法を提案する. 提案手法ではモルフォロジィ変換やHough変換により対象住宅の外壁と内壁を抽出し,抽出した壁の配置からドア位置を推定することでフロアプランを抽出するとともに, それらの情報から各部屋の領域と部屋間の接続関係を推定する.また,画像上の文字列を抽出し,子供部屋や寝室といった部屋名称を識別する. さらに,コンセント記号をオブジェクト認識技術により検出し,それらがどの部屋に属するかを判別する方法も提案する. 86世帯の一般住宅の建築図面178枚を解析した結果,69%の部屋を0.9以上のIoU(Intersection over Union)で認識でき,それらのうち82.7%は部屋名称も正しく認識できた.また,コンセントは平均F値71.9%で認識できた.

5E-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名コネクテッド・ヒューマンによる空間状況把握プラットフォーム
著者*天野 辰哉, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 892 - 899
キーワードAR, コネクテッド・ヒューマン, ユーザ識別, 端末姿勢推定
アブストラクト近い将来,AR・MRデバイスの高度化や小型軽量化により,それらのデバイスを常時装着するヒトが,スマートフォンなどの従来のモバイル端末では困難であった可視光や赤外線・電波などを利用した常時の3次元空間センシング能力を有するようになる.従来のモバイル端末の性能を大幅に超えた高度な空間認識・リアルタイムな相互通信・ネットワーク接続を有するヒトを我々はコネクテッド・ヒューマン(CH)と定義する.CHはインフラが存在しない環境においても空間の動的コンテキストを取得できるため,それを正しく共有すれば防犯や交通安全支援,高度なモバイルクラウドセンシングなど様々なサービス実現が期待される.本研究ではCHのコンテキストのPerson-to-Personの活用を想定し,CHが取得した,スマートフォンを有する周辺人物(Non-CH)の周辺コンテキストを,当該Non-CHのみとセキュアに共有するためのプラットフォーム設計を行うとともに,CHとNon-CH間のユーザ特定・認証手法を提案する.提案手法では,Non-CHが保持するスマートフォンをCHが映像で捉え,その姿勢推定を行うとともに,Non-CHは時刻やおおよその位置,ならびに自身の内蔵センサーから得られるスマートフォン姿勢データを用いてユーザ特定および認証を行う手法を提案している.


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セッション 5F  遠隔地・仮想空間
日時: 2020年6月25日(木) 10:30 - 12:10
座長: 吉野 孝 (和歌山大学)

5F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名活発な遠隔議論の実現を目的とした,自身の動きの拡張により,遠隔者の動きの理解を容易にする手法の提案
著者*山田 篤志 (明治大学大学院先端数理科学研究科), 小林 稔 (明治大学総合数理学部)
ページpp. 900 - 903
キーワード遠隔会議, コミュニケーション支援, 発話支援
アブストラクト現状のビデオ会議では,対面対話で行われているような,素早い話者交替による,活発な議論を行うことができない.このような問題を解決するに,遠隔者とのコミュニケーションを支援するシステムの研究開発が,従来から数多く行われているものの,それらシステムが一般に広く利用されているとは言い難い.本研究では,利用者が提供された機能を使いこなすことができる,遠隔コミュニケーション支援システムを開発することを目的に,遠隔者の情報と連動して動くモノを会議参加者それぞれの前に設置する手法を提案する.

5F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名Vection誘発映像を用いて傾きを提示する車椅子シミュレータの考察
著者*大河原 巧 (日本大学文理学部), 本岡 宏將, 大和 佑輝 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 奥川 和希, 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 904 - 908
キーワードVection, アクセシビリティ, シミュレータ
アブストラクト車椅子に不慣れな車椅子ユーザは多くの場合屋外を移動することに不安を感じ,特に坂道などのバリアを通過する際には恐怖を感じることもある.このため,彼らが車椅子に乗る感覚に慣れることなどを目的として,Virtual Reality(以降 VR)を用いた車椅子シミュレータが数多く開発されてきた.しかし,VRを用いた従来の車椅子シミュレータは,金銭的なコストと現実感がトレードオフの関係にあった.この問題を解決するために,我々はVection誘発映像と電動車椅子の低自由度動作を組み合わせた車椅子シミュレータを提案してきた.我々はこのシミュレータを用いてユーザに坂道を通過する感覚を与えるための提案を行ってきたが,ユーザに横断勾配のある道を通過する感覚を与えるための提案は行われていない.そこで,本稿ではこのシミュレータを用いてユーザに横断勾配のある道を通過する感覚を与える方法を提案する.

5F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名ユーザの位置と動きを伝えるテレプレゼンスロボット相互利用環境における遠隔相互作用の検討
著者*佐々木 孝輔, 袁 子杰 (筑波大学 大学院図書館情報メディア研究科), 井上 智雄 (筑波大学 図書館情報メディア系)
ページpp. 909 - 918
キーワード遠隔協調作業, テレプレゼンスロボット, 位置同期, ノンバーバル情報
アブストラクト協調作業を行う際,作業者は様々な情報を共有する必要がある.特に空間内の移動を含む協調作業では,作業者は相手との位置関係や相手の行動などの情報によって,自身の行動を決定,実行する.本研究では,遠隔地点の相手の位置と行動をロボットおよび相手映像により伝える双方向のテレプレゼンスロボット環境を提案し,遠隔協調作業の支援可能性を検討した. 提案環境において協調行動の例として遠隔作業相手とのすれ違い実験を行った結果,相手映像のある場合にはその映像をよく見て行動することが分かった.

5F-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名テレワーク環境における日報としての動画の利用可能性
著者*何 臻, 戴 鑫偉 (筑波大学大学院図書館情報メデイア研究科), 山上 俊彦 (株式会社ACCESS), 井上 智雄 (筑波大学図書館情報メデイア系)
ページpp. 919 - 926
キーワードテレワーク, エンゲージメント, 動画日報, パラ言語
アブストラクト概要:現代の勤務形態は,従来の方法から次第にテレワークに移行しつつある.しかし,テレワークの普及に伴い,従業員のエンゲージメント低下の問題も日々深刻になっている.この問題を解決するために,「インタラクティブ・ピープル・アナリティクス」という概念に基づく新しいアプローチを提案している.このアプローチでは,動画日報を利用して,テレワークにおける組織内のインタラクションを増やす.また動画日報の分析により,従業員のエンゲージメントの変化を検知し,エンゲージメントの維持・向上の効果が期待できる.本稿では,テレワーク環境における日報としての動画の利用可能性を検討するために,収集した動画日報サンプルに対して,エンゲージメントの評価を試みた.動画日報から抽出したパラ言語と日報報告者のエンゲージメント評価等との相関について分析した結果,それらの間には相関が見られることがわかった.


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セッション 5G  IoT (2)
日時: 2020年6月25日(木) 10:30 - 12:10
座長: 菊地 俊介 (さくらインターネット株式会社)

5G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名モバイルクラウドセンシングにおけるセンシングデータの補間に注目したタスク参加者選択手法の検討
著者*溝口 貴大, 浅井 菜々香, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 927 - 932
キーワードモバイルクラウドセンシング, インセンティブメカニズム, タスク参加者選択, 補間, メッシュマップ
アブストラクトモバイルクラウドセンシングでは,センシングを実行するタスク参加者を選択し,インセンティブとして報酬を付与する必要がある.地図上のメッシュを基本とした情報収集におけるタスク参加者選択手法として,予算内で価値の高いメッシュを広範囲にセンシングするタスク参加者セットを選択する手法が提案されている.一方で,メッシュ間に相関性がある統計データを取得する場合,センシングデータの補間によってセンシングが行われるメッシュから距離が近いメッシュの統計データを推定することができる.本稿では,センシングデータの補間に注目したタスク参加者選択手法TPIM(Task Participants Selection Method Focusing on Sensing Data Interpolation in Mobile Crowd Sensing)を提案する.コンピュータシミュレータ上で,メッシュマップ全体の平均推定度と,価値の高いメッシュの平均推定度が改善できることを確認した.

5G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名通信トラヒック分析に基づくIoTデバイスの発動機能推定手法の検討
著者*小池 大地, 石田 繁巳, 荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院)
ページpp. 933 - 939
キーワードIoT, 通信トラヒック, 機能推定
アブストラクト近年,IoTデバイスが多くの場面で利用されるようになっており,今後もデバイスの数は増え続けると考えられる.IoTデバイスは外部ネットワークに接続されていることによりハッキングの対象にもなり,プライバシー流出の原因となる可能性が指摘されている.現在のIoTデバイスは動作がブラックボックスであることから,デバイスがユーザの意図しない通信を行っていた場合に気づく術がない.そこで,我々はIoTデバイスの動作状況の可視化システム(IoT活動量計)の実現を目指している.その実現のため,本研究では,IoTデバイスの通信トラヒックを分析し,どのような機能が使われているかを推定する手法を提案する.パケットキャプチャアプリであるWiresharkを用いてスマートスピーカーAmazon Echo Spotから送出されるデータに対して初期的評価を行い,通信トラヒックから発動した10種類の機能を精度56.1%で推定できることを確認した.

5G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名DIY的IoTシステムに向けた管理SaaSに関する一検討
著者*永野 元基, 新井 悠介, 藤橋 卓也, 渡辺 尚, 猿渡 俊介 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 940 - 954
キーワードIoT, 運用, 管理, SaaS, DIY
アブストラクトさまざまな現場のエンドユーザがIoT(Internet of Things)を自身の手で導入して現場環境や現場稼働状況を「見える化」することで, 生産効率やマーケティング戦略の向上に繋げる動きが日本だけでなく世界にも広がっている. IoTシステム開発をまとめた書籍やWebページの充実にともなって,エンドユーザ自身がIoTシステムを開発するハードルは下がっている. 一方で,開発したIoTシステムから継続的にデータを取得して現場の改善に繋げるには, 開発したIoTシステムをエンドユーザ自身の手で運用・維持・管理することが重要である. しかしながら,エンドユーザ自身がIoTシステムの運用・維持・管理を実現するシステムを構築するハードルは高い. また,エンドユーザが個々の需要にしたがって開発したIoTシステムに対して既存のPaaS (Platform as a Service) ,SaaS (Software as a Service) をそのまま導入してIoTシステムを運用・維持・管理することは困難である. 本稿では,エンドユーザが開発したIoTシステムの運用・維持・管理を支援するSaaSを提案する. 提案SaaSは,1) IoTデバイス向け機能,2) フロントエンド機能,3) バックエンド機能,4) API Gateway を組み合わせることで,エンドユーザ自身が構築したIoTシステムを容易に運用できるとともにデバイス稼働状況を視覚的に確認することができる. 性能評価から,提案SaaSを通してエンドユーザがIoTシステムを容易に運用・維持・管理できることを示唆した.また,運用・維持・管理を支援する従来のシステムと比較して,提案SaaSは低コストでIoTシステムに含まれるデバイス稼働状況を管理できることを明らかにした.


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セッション 5H  推薦技術
日時: 2020年6月25日(木) 10:30 - 12:10
座長: 北上 眞二 (福井工業大学)

5H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名生体情報とスマートミラーを活用したIoT機器連携システムの設計
著者*池内 紀貴, 酒井 恵梨香, 鈴木 秀和 (名城大学理工学研究科情報工学専攻)
ページpp. 955 - 962
キーワード生体情報, スマートミラー, 機器連携
アブストラクト体温や心拍数,血圧といった生体情報のセンシングを行い生活をサポートするIoT機器の普及に伴い,取得した生体情報を活用して機器制御が可能なスマート家電が増加しつつある.しかし,生体情報を用いてスマート家電を動的に制御してしまうと,ユーザが所望しない機器制御が実行されてしまい,利便性が損なわれてしまう可能性がある.筆者らは,温度や湿度などの環境情報に基づいてスマート家電やIoTデバイス間の連携を実現するiHAC(intuitive Home Appliance Control)Hubを拡張し,生体情報に基づく機器連携機能とスマートミラーを活用した機器連携レコメンド機能を追加することを提案している.本稿では,提案システムを実現するための具体的使用について検討し,実装したプロトタイプシステムを用いた性能評価実験を行う.iHAC Hubがユーザを検知してからスマートミラー部のレコメンドに対するレスポンスをiHAC Hubが受信し,機器を制御するまでに要した時間を測定した結果,平均1,639[ms]で実現可能であることを確認した.

5H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名ユーザーの関心度の経時変化を考慮したコンテンツレコメンド技術
著者*寺薗 浩平, 楠嶺 生宏, 烏谷 彰, 松岡 直樹, 駒場 祐介, 柳沼 義典 ((株)富士通研究所)
ページpp. 963 - 969
キーワード関心度, 推定, 経時変化, レコメンド, リアルタイム
アブストラクト本研究では,日々の生活での様々な活動により,ユーザーの興味が経時変化する点に着目し,ユーザーの状況に応じて,いつでもその時点で深い興味を抱いているコンテンツを推薦できるレコメンド技術を提案する.提案技術では,時間の経過に伴いユーザーの興味が徐々に薄れる事象や,興味に対する欲求を満たす体験で一時的に興味を喪失し,その後徐々に回復する事象を捉え,関心度(興味の深さ)を推定するモデルを定義する.ユーザー行動の履歴をこのモデルに適用し,興味を抱く対象に対するその時点での関心度をリアルタイムに計算する.計算の結果,関心度が大きいと推定された対象に,より特徴の類似したコンテンツほど興味深いコンテンツとする.このような提案技術の効果をスマートフォン向けの観光アプリで検証した.検証実験では提案技術を用いた観光スポットやツアー旅行の推薦を行い,その反応率を従来手法と比較した.その結果,約1.5倍の性能向上を示すことが分かり,その効果を確認できた.

5H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名性格特性を考慮することによる パーソナライズ性向上のためのスポット推薦の一検討
著者*伊藤 桃, 小口 正人 (お茶の水女子大学), 榎 美紀 (IBM Research - Tokyo)
ページpp. 970 - 975
キーワード観光地推薦システム, Personality Insights, 情報抽出, ソーシャルメディア
アブストラクト近年,訪日外国人の増加が見受けられる.それに伴い,様々な観光スポットは簡単に Web 上から情 報を取得できるようになり,AI を用いた観光スポット推薦システムなども増えてきた.主流はユーザの趣 味嗜好情報からスポットを推薦するようなシステムである.しかし,そのような既存の推薦システムは, ユーザにとって単一的な推薦になってしまう.本研究では,新たなアプローチで観光スポットを推薦した いと考え,Personality Insightsを用いユーザの性格特性情報からスポット推薦を行うシステム の構築を目指す.性格を考慮することで,より観光地選択肢を増やすことのできるシステムを提案したい. 本論文では,システムを構築するためにまず前提となる,スポットごとにユーザの性格特性に傾向がある ことを検証した.様々なスポットを性格特性によって全体的にクラスタリングした結果,性格特性から同 系統のスポットがクラスタリングされた.また,同系統のスポットのデータのみを用いてさらにクラスタ リング,検定などを行ったが,何らかの特徴に偏ってクラスタリングされたり検定の結果も感覚的に腑に 落ちる結果が得られた.


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セッション 6A  コンテンツと人
日時: 2020年6月25日(木) 14:10 - 15:30
座長: 神崎 映光 (島根大学)

6A-1 (時間: 14:10 - 14:50)
題名(招待講演) 放送局でのデジタルコンテンツの取組み
著者*赤藤 倫久 (株式会社デジアサ)
ページp. 976
キーワードデジタルコンテンツクリエーション

6A-2 (時間: 14:50 - 15:10)
題名ヒトとセンサー情報の紐づけによるビル設備管理業務の効率化方式の提案
著者*木村 文昭, 佐藤 冬樹, 遠藤 嘉人, 佐藤 智洋, 木村 剛維 (三菱電機ビルテクノサービス株式会社), 北上 眞二 (福井工業大学)
ページpp. 977 - 982
キーワード設備管理業務効率化, ヒトとセンサー情報の紐づけ, BEMS, BMS, ノウハウ伝承
アブストラクト我が国では,人口減少・少子高齢化が進み労働人口の減少が社会問題となっている.特に,ビル設備管理業界においては,バブル経済崩壊以降に増加した大規模オフィスビルの管理・運営において人手不足感が強まっている.そのため,ビル設備管理業務の効率性の改善が望まれている.また,設備管理業務は,多種多様化する大規模オフィスビルで,これまでの経験から独自にノウハウを蓄積してきたが,これまで以上の高齢化が進むとノウハウ伝承が難しくなっている.本研究では,これまで活用されることがなかった,テナントなどのビル利用者から発信される問い合わせや,クレームに対応した記録である日報データを,テキストマイニング手法と,機械学習を用いて分析を行い,設備管理者に有効な情報を提供することにより,ビル設備管理業務の効率化を図る方式について提案する.また,実際に稼働している大規模オフィスビルの蓄積された日報データを用いてシミュレーションを行い,その有効性について評価する.

6A-3 (時間: 15:10 - 15:30)
題名吹き出し表示によるプログラム実行部分の可視化機能
著者*小林 冠太, 伊藤 皓基, 寺田 和記 (立命館大学院 情報理工学研究科), 高田 秀志 (立命館大学 情報理工学部)
ページpp. 983 - 989
キーワード児童向け, 教育支援
アブストラクト近年,情報化社会の発展に伴い,全国で多くの児童向けプログラミングワークショップが開催されており,プログラミング学習への世間の注目が集まっていると言える.しかし,現状のワークショップにおいて,児童にとって作りたいものを思い通りの形にするのが難しいという問題がある.この問題は,プログラムを動かした時に,分岐や反復をよく理解していないため,どの部分がいつ,どのように動いているか把握することが難しくなることが原因の一つであると考える.こうした問題点に基づき,Scratch において,作ったプログラムを組み込めるオブジェクトである「スプライト」に対して,吹き出しを使い,実行しているブロックをテキスト形式で出力することで,実行部分の可視化を行う.本機能により,児童は分岐や反復を理解し,プログラムの実行がどのように遷移しているか把握することが容易となることが期待される.実際に本機能を児童向けワークショップで適用し,有効性を検証した.その結果,本機能の使用により,分岐や反復の理解に一定程度繋がるとともに,間違いの修正を補助していることが確認できた.


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セッション 6B  調理・食事行動
日時: 2020年6月25日(木) 14:10 - 15:30
座長: 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻情報工学コース)

6B-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名複数レシピで並行調理する際の調理環境に応じた最適調理手順作成法と評価
著者*中部 仁 (奈良先端科学技術大学院大学), 水本 旭洋 (大阪大学大学院情報科学研究科), 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 990 - 999
キーワード調理手順, 最適化, スケジューリング, アルゴリズム
アブストラクト近年,自分で料理を作る人が増加しており,複数の料理を含む献立を効率よく調理できるような最適調理手順を提示することが求められている.一方で,調理者ごとに調理環境が異なり,最適調理手順は調理者によって多種多様になるため,最適調理手順を調理者自身が考えることは困難である.そこで本研究では,各レシピのタスクグラフを作成し,複数レシピの並行調理をタスクスケジューリング問題として捉えた最適調理手順の作成法を提案する.タスクスケジューリング問題の最適化アルゴリズムDF/IHS法をベースとし,前処理部と枝刈り部に料理特有の洗い物を考慮した拡張を行うことで,効率よく最適調理手順を探索する.評価実験において,提案アルゴリズムを,実際のレシピから作成した献立に対して実行したところ,手動で作成した調理手順と比較し,洗い物も含め合計調理時間を15%短縮できる最適調理手順を探索できていることを確認した.

6B-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名加速度センサを用いた包丁技術向上支援システムの提案
著者小林 花菜乃, *加藤 岳大, 横窪 安奈, ロペズ ギヨーム (青山学院大学)
ページpp. 1000 - 1003
キーワード料理, 包丁, 加速度センサ, 技能支援
アブストラクト人間が健康に生きるために食生活習慣は重要であり,食生活を好ましい方向に導くためには,料理の学習と実践をし,調理技術を向上させることが必要不可欠である.しかし,料理初心者にとって,包丁は怪我をする恐れがある道具であり,包丁の基本的な使い方を習得していない人が多い.本研究では,料理の基本である包丁技術を向上させるために,包丁の柄先に装着可能な加速度センサを用いて,熟練者の包丁技術を判定する包丁技術向上支援システムを提案する.料理初心者と料理熟練者による包丁技術の特徴量を明確にするために,提案システムを用いて包丁技術を判定する実験を行った.その結果,初心者の包丁技術を向上させる指標として左右方向加速度の平均値,前後方向加速度の標準偏差,上下方向加速度の標準偏差の3指標が有効であることが確認できた.

6B-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名自然な食事環境下で収集した食事音声データによる 食事詳細行動分類手法の提案
著者*蒲地 遥, 近藤 匠海, 横窪 安奈, Guillaume Lopez (青山学院大学)
ページpp. 1004 - 1007
キーワード行動認識, 音声解析, 食事行動, ウェアラブル
アブストラクト早食いの人ほどBMIが高いことと,食事中の会話が少ないと肥満の傾向があることが分かっている.そのため,食事中の咀嚼回数と会話を増やすことが望ましい.一方,食事行動の識別は実験環境下でしか行われていない.そこで本研究では,自然な食事環境下での食事行動の定量化を目的とし,自然な食事環境下で収集した食事音声データを利用して食事詳細行動の分類を行う.骨伝導マイクロフォンを用いた食事行動分類の研究は今までにも行われているが,リサンプリングのタイミングによる学習モデルの過学習の可能性がある.また,分類する行動の種類が十分でない.この研究では,日常的な食事環境での食事音声データを収集し,分類手法を評価する.


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セッション 6C  時空間
日時: 2020年6月25日(木) 14:10 - 15:30
座長: 前川 卓也 (大阪大学大学院情報科学研究科)

6C-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名滞在に関する時系列情報を用いたエリア毎の分散表現の検討
著者*庄子 和之 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (京都大学防災研究所), 米澤 拓郎 (名古屋大学大学院工学研究科), 酒田 理人 (株式会社ブログウォッチャー), 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科/名古屋大学未来社会創造機構)
ページpp. 1008 - 1013
キーワード分散表現, GPS
アブストラクトGPS(Global Positioning System)機能を備えたスマートフォンやウェアラブル端末の普及により,位置情報履歴の収集が容易になった.この時空間データは,個々のユーザの日々の行動を反映したものである.そのため,これらを分析し深く理解することは,様々なビジネス(混雑予測,都市計画,マーケティングなど)のチャンスを与えてくれる.近年,SNS(Social Networking Service)(Twitter,Facebook) の位置情報を付与した投稿や LBSNS(Location-Based SNS)(Foursquare) の存在により,位置情報履歴をラベル遷移で表現できるようになった.結果として,抽象化されたラベルを用いて,ユーザ同士の移動パターンの比較が行えるようになった.しかし,たかだか数百種類のラベルによって移動遷移がモデル化されることによる情報の損失が懸念される.本論文では,ユーザの移動遷移を,情報の損失を起こさないだけの次元数を持つ分散表現を使った遷移に変換する手法を提案する.

6C-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名粒度の異なる多様な時空間データの保存・抽出システムの設計と実装
著者*鷲田 健斗 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (京都大学防災研究所), 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
ページpp. 1014 - 1019
キーワード時空間データ, 粒度変換
アブストラクト近年では,スマートフォン等のモバイル端末の普及やセンサ技術の進歩により,多くの種類の時空間データが得られるようになった. これに伴い,これらのデータの活用のために時間や空間の粒度の変換を行うことの需要が高まってきた. しかし,データの時間粒度,空間粒度が異なる複数のセンサに関してはデータの統一的な扱い方が十分に検討されていない. このままでは,災害時の情報共有や地域のマーケティングなどのデータ交換プラットフォームで円滑にデータを共有できない. 本論文では,粒度の異なる時空間データの保存・抽出が可能なシステムとして,統一的なデータ形式で扱うことを考え, そのデータ形式への変換,データ形式に対するデータの取り出し方を提案する.

6C-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名複数の3D通過センサによるプライバシーを考慮した人流推定手法
著者*永田 吉輝 (名古屋大学 工学部), 廣井 慧 (京都大学 防災研究所), 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科)
ページpp. 1020 - 1028
キーワード人流推定, プライバシー, 3D通過センサ
アブストラクト携帯電話の普及により,企業のマーケティングや公共の場での人出の分析,災害対策等を目的とした人流推定を容易に行えるようになった.しかし,昨今のプライバシー保護への懸念により,世界各国で規制が強化されたり,スマートフォンのOSではプライバシーの保護が強化されてきた.そこで本研究では,人流推定の対象とするエリアのすべての出入り口に3D通過センサを設置し,センサを通過した人の身長,歩行速度及び通過時刻と通過方向のみを記録することで,プライバシーを考慮した人流推定を目指した.提案手法では,全センサでの入退場間の身長,歩行速度,またはその両方の類似度を用いて,時間的に一人の動きと考えられるものを抽出して推定する.提案手法において,センサデータのうち人流推定できた比率の比較及び検証を行ったところ,身長を用いた手法では取得したセンサデータの概ね8割を人流として推定可能だったことから,提案手法の有効性が確かめられた.また,本研究では,センサデータをリアルタイムに収集・可視化する仕組みも作成した.本手法を用いることで,冒頭で述べた目的に活用できると考えられる.

6C-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名共有スペースにおいて空間専有感を生むライティング方式の検証
著者*尹 泰明 (日本大学文理学部), 富永 詩音 (日本大学大学院総合基礎科学研究科), 立花 巧樹 (奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科), 鈴木 颯馬 (明治大学大学院先端数理科学研究科), 秋山 和隆, 宮田 章裕 (日本大学文理学部)
ページpp. 1029 - 1032
キーワード共有空間, 専有感, 色, IoT
アブストラクト世界では,働き方改革が行われている.労働生産性やワークライフバランスなどの観点から,労働時間や労働場所を柔軟に調整できる働き方が注目されている.労働場所について,会社のオフィスや自宅以外のサードプレイスとして共有スペースが考えられるが,共有スペースにおいて各利用者が作業するスペースは仕切られていないことが多い.そのような共有スペースにおいては,作業者は自身の作業スペースに専有感を感じることが難しく,落ち着いて作業に取り組むことができないという問題が考えられる.この問題を解決するために我々は,各作業者にそれぞれ異なる照明環境を提供することにより,各作業者が専有感を感じやすくする手法を提案する.さらに,既存研究と提案手法の比較を行い,提案手法の設計を考えていく.


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セッション 6D  クラウド・エッジコンピューティング
日時: 2020年6月25日(木) 14:10 - 15:30
座長: 小口 正人 (お茶の水女子大学)

6D-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名エッジコンピューティングにおけるSRv6を用いたトラフィック誘導手法の提案
著者*遠峰 隆史 (情報通信研究機構), 名古屋 謙彦 (株式会社レピダム), 阿部 博 (トヨタ自動車株式会社), 岡田 和也 (東京大学)
ページpp. 1033 - 1040
キーワードエッジコンピューティング, SRv6, 経路制御, 5G
アブストラクト本稿では,MECにおけるトラフィック誘導手法としてSegment Routing IPv6 (SRv6) を利用し,選択的な通信の誘導手法を提案する.提案手法は,エッジノードで提供されるサービス単位でSRv6の識別子であるSIDを割り当てる。端末は、通信時にどのエッジノードのサービスに転送すべきかどうかをパケットにSIDを埋め込むことで明示的に指定する.同じサービスが複数のエッジノードで提供されている場合は,端末に最も近いサービスに誘導しなければならない.この課題に対して,提案手法では経路制御プロトコルの最短経路選択機能を活用し解決する.各ルータは同じSIDに対してOSPFで計算されたコストが最も小さい広報ルータへの経路を設定する.この特性により,パケットを宛先のSIDを広報している最近傍のサービスへの誘導が可能となる.本稿では上記提案手法を実装し,MECでのトラフィック誘導への適応可否,展開時の制約条件などを明らかにする.また,MECに求められる通信要件である遅延,地理的分散,帯域幅,負荷分散,可用性を提案手法が満たすかを議論する.加えて,SIDの割り当て方法,SIDの通知・管理方法についても議論する.

6D-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名WoTに基づくエッジマイクロサービスを用いた論理センサアーキテクチャに関する一検討
著者*宮越 一稀 (大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学), 川上 朋也 (福井大学/大阪大学), 義久 智樹, 下條 真司 (大阪大学)
ページpp. 1041 - 1047
キーワードWeb of Things, 分散データフロー処理, マイクロサービス
アブストラクト本稿では,エッジコンピューティング環境において IoT アプリケーションがセンサデータと処理結果を同様に扱うことを可能とする, Web of Thing (WoT) に基づく新たなセンサデータ処理アーキテクチャ「WoT ベース論理センサアーキテクチャ (WoT-based Logical Sensor Architecture: WLSA) 」 を提案する.WLSA は,処理結果を複数のデータフロー間で再利用することにより, IoT アプリケーションに必要な計算資源とネットワーク資源を削減する.また,アプリケーション開発者が処理結果を共有することを意識することなく,データフローの部分集合を実行プロセスの結果を再利用するプロセスで自動的に置き換えるデータフロー変換 (Data Flow Transformation: DFT) アルゴリズムも合わせて提案する.著者らは,WLSA に基づくプロトタイプシステムを Node-RED データフロー処理フレームワークを用いて実装した.また,エッジコンピューティング環境のもと,本プロトタイプシステムを用いてオブジェクト検出アプリケーションを実行し,その有効性を評価した.評価の結果,WLSA によって,少ない計算資源使用量のもと実行時間を低減可能(4% CPU 使用率,100 ms 以下の応答時間で 20 のアプリケーションを収容可能)となることを確認した.

6D-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名車両ネットワークにおけるタスク成功率向上のためのタスクオフロード手法の提案
著者*豊田 睦, 佐竹 颯太, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1048 - 1053
キーワードモバイルエッジコンピューティング, 車両ネットワーク, タスクオフロード, 車両アプリケーション
アブストラクト現在,Internet of Vehicles (IoV)の発展に伴い車両アプリケーションの時間制約が高まっている.車両ネットワークの既存のオフロード手法では,タスクの処理時間を予測し,実行にかかる遅延が最小となる計算資源へオフロードを実行する.しかし,既存手法では道路上の他の車両やアプリケーションの時間制約に対する検討が十分でない.そこで,道路上の車両全体でタスク成功率を向上するための集中制御による動的なタスクオフロード手法を提案する.タスク成功率を最大化する目的関数を複数ナップザック問題として定式化し,近似アルゴリズムによってタスク成功率の向上を目指す.車両とエッジサーバの情報を集中制御に集約し,近似アルゴリズムに基づいてタスク成功率を最大化するエッジサーバを決定する.近似アルゴリズムでは,車両のタスク成功状況に応じて車両優先度を算出し,車両優先度に基づいてエッジサーバを決定する.本研究では提案したタスクオフロード手法のプロトタイプを実装して実験を行い,動作確認と評価を行なった.実験により,実装したオフロード手法によって効率的なエッジサーバへのオフロードを実行し,既存手法と比較してタスク成功率が最大38%向上したこと確認した.


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セッション 6E  BLEビーコン
日時: 2020年6月25日(木) 14:10 - 15:30
座長: 湯村 翼 (情報通信研究機構)

6E-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名BLEビーコンを用いた医療・介護支援のための移動履歴可視化に関する一検討
著者*影島 聖也, 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
ページpp. 1054 - 1060
キーワードBLE, 医療・介護支援, 位置情報
アブストラクト近年日本は高齢化社会となり、高齢者の割合が増加しており、それに伴い病院や介護施設では入院患者や入居者が増加している。その中で現場では高齢者の徘徊からの屋外に外出し行方不明になる問題や深夜に高齢者がトイレや廊下などの施設内で体調が悪くなり人が呼べず動けなくなる問題が起きている。これらの問題は早期発見できなかった場合、高齢者の命の危険に関わることがある。これらの問題は高齢者に何かトラブルが起きた場合を早期に検知し、高齢者の位置を把握し、職員が対応にあたることで未然に防ぐことができる。本研究では、BLEビーコンを用いた移動履歴の可視化のシステムの導入を行うことでこれらの問題の解決を目指す。移動履歴の可視化にあたってスキャナから取得したデータから移動履歴の可視化に用いるデータを生成することは必要不可欠である。移動履歴の可視化に用いる新たなデータ構造としてPathTraceデータを提案する。そしてそのデータ構造を用いた移動履歴可視化システムを実際の老人ホームに導入し、移動履歴の可視化が行えているかを確認する。システム上で表示した移動履歴の画面から、移動履歴の可視化画面から人の移動の軌跡を特定できることを確認した。

6E-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名車輪に取り付けたBLEビーコンによる車椅子移動認識手法
著者*大鐘 勇輝, 水野 涼雅 (愛知工業大学情報科学部情報科学科), 榎堀 優 (名古屋大学大学院情報学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学情報科学部情報科学科)
ページpp. 1061 - 1070
キーワードBLEビーコン, 移動認識, 車椅子, センサ信号処理, デジタルフィルタ
アブストラクト医療技術の発達により人の寿命は年々伸び,WHO(世界保健機関)はこれからは単に寿命を延ばすのではなく,健康寿命を延ばしていくのが大切だと提唱している.健康寿命を延ばす重要な要素の1つとして運動があり,それを知る指標として歩数を確認する方法が挙げられる.しかしながら,歩数は自立して歩ける人のみに適用できる指標であり,車椅子使用者ではこの指標を用いた運動量の推定は行えない.これまで車椅子における移動認識の先行研究として,GPSを用いた手法や加速度,角速度,地磁気を用いた手法など様々な手法が提案されてきた.しかし,これらの手法は高精度な位置推定に焦点を当てているため導入コストが高く,一般の人では運用が難しい.そこで本研究ではBLEビーコンを用いて,低コストで導入・運用が行える移動認識手法を提案する.本手法は車椅子にBLEビーコンを取り付け,状態によって変化するBLEビーコンの電波強度をもとに移動認識を行う.この時,取得したデータには様々なノイズが載っているため,複数のデジタルフィルタを適用しノイズの軽減を試みる.そして,ノイズを軽減したデータから車輪の回転数や回転方向を推定し,移動を推定していく.上記の手法を用いてテスト環境で車椅子の移動認識精度を確かめた.その結果,車輪の回転数推定は100%,前進・後進推定は100%・98.5%の精度で推定できた.また移動経路推定は,長方形の周りを1周する移動,スラロームの動き,円の周りを1周する移動の3種類で実位置との誤差を比較し評価を行なった.その結果,それぞれの移動における平均推定誤差は13.95m,6.75m,6.51mであった.

6E-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名BLEビーコンの受信電波強度を用いた睡眠位置認識及び褥瘡防止への応用
著者*水野 涼雅, 大鐘 勇輝 (愛知工業大学 情報科学部), 榎堀 優 (名古屋大学大学院 情報科学研究科), 梶 克彦 (愛知工業大学 情報科学部)
ページpp. 1071 - 1078
キーワードBLEビーコン, 受信電波強度, 睡眠, 行動認識, 褥瘡
アブストラクト高齢化に伴う寝たきり状態の人の増加によってベッド上での行動把握が重要な情報となりつつある.行動把握から,睡眠の質や褥瘡の危険性がある程度把握できる.本稿では褥瘡に注目する.長時間同じ位置や姿勢で過ごすと,一定の箇所に圧力がかかり血流の悪化や汚れから褥瘡が発症してしまう.発症してしまった場合,数時間おきに体位を変更し損傷箇所に圧がかからないようにしなければならず,発症した本人やその介護人にも負担になってしまう.そのため褥瘡の予防が重要となる.褥瘡対策として,ベッドに荷重センサを取り付けて位置の認識を行っているものやシーツ型の圧力センサを用いた睡眠位置認識手法がある.それらでは布団で適用が難しかったり専用のセンサや機器が必要になるため,我々はBLEビーコン(以下ビーコンと呼称)の受信電波強度を用いた睡眠位置認識手法を提案する.ビーコンをグリッド状に設置し,枕元に置いたスマホで電波を収集する.収集したデータのそれぞれのビーコンのデータに対し,移動平均や正規化を行い閾値を用いて身体との重なりを判定する.判定された状態を時系列ごとに表示をし位置を認識する.さらに認識した位置から移動量を計算し,褥瘡の発症予防につなげる手法を提案する.位置推定精度や移動検出について評価実験を行った結果,位置認識は89%,移動の検出では適合率0.867,再現率0.839,F値0.852という結果となった.また毛布による影響を確かめたところ,位置認識や移動検出の精度へ与える影響は低いとわかった.


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セッション 6F  車車間通信とITS一般
日時: 2020年6月25日(木) 14:10 - 15:30
座長: 石原進 (静岡大学)

6F-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名Cellular-V2Xを用いたリアルタイム情報共有と配信のための無線リソースの効率的なスケジューリング法の提案
著者*瀬川 洋介 (電気通信大学), 上野 高明, 大岸 智彦 (KDDI総合研究所), 小花 貞夫, 湯 素華 (電気通信大学)
ページpp. 1079 - 1087
キーワードITS, 車車間通信, Cellular-V2X, サイドリンク, 基地局経由通信
アブストラクト5G等の新たな技術によって,通信の高速・大容量化が達成されることにより車とあらゆるモノ(歩行者,インフラ,ネットワークなど)が繋がるV2X(Vehicle-to-Everything)通信が実現可能になる.そこで近年,既存の移動体通信システムとして利用されているLTEをV2X通信に適用したCellular-V2X(以下C-V2X)が注目されている.C-V2Xでは隣接車両同士で直接通信を行うサイドリンクと基地局を経由した広域通信をサポートしている.本稿では,サイドリンクにおける遅延とパケット衝突の低減方式を提案する.遅延に対しては輻輳に応じた動的な許容遅延の変更を行い,パケット衝突に対してパケット衝突情報を隣接車両間で共有することで選択しているリソースの再選択を行う.また,交通イベント情報の種類に応じて効率的な配信をするため,サイドリンクと基地局経由通信との併用ついて検討する.その際に発生する重複情報の配信及び必要の無い基地局使用によるリソースの無駄遣いへの対策を提案し,基地局リソースの利用効率を向上させる.シミュレーション結果により,サイドリンク単体では既存方式と比較してパケット受信率が最大6.4%向上,遅延時間では最大49.5%削減可能であることを確認した.さらに基地局経由通信と併用した結果,受信率をほぼ維持しながら,重複イベントを49.8%,基地局使用率を31.8%削減した.

6F-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名自動車ネットワークにおける通信遅延を考慮した密度ベース動的仮名変更手法の検討
著者*山崎 玲, 團 皆人, 吉田 匡志, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1088 - 1093
キーワードITS, 自動車ネットワーク, 位置プライバシ保護, 仮名変更, ミックスゾーン
アブストラクトITS(Intelligent Transport Systems)の多くのアプリケーションでは,自動車ネットワークにて各車両の位置情報の交換が必要である.一方で,各車両の位置情報を追跡することで,位置プライバシは容易に侵害されてしまう.位置プライバシを保護する手段として,自動車ネットワークにおける仮名の使用が注目されている.先行研究では,車両からの要求と周辺車両数に応じて仮名を動的に変更することによって,位置プライバシを保護している.しかし,無線路側機の数が少ない場合や通信遅延が大きい場合,仮名変更に必要な通信に失敗し,適切な仮名変更を行うことができない.そこで,本稿ではVDMC(Vehicle-based Dynamic Mix-zone Considering Communication Delay for Location Privacy in Vehicular Networks)を提案する.VDMCは,Mod-IBS手法を適用した認証付き仮名ID鍵通信を活用することで,仮名を変更するために路側機を使用することが不要になる.さらに,仮名変更のための基準として複数の領域を用いることで,仮名変更の失敗を防ぐ.シミュレーション評価より,提案手法が先行研究と比較して,通信完了率と仮名変更回数を改善できることを示す.

6F-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名同一車両に関する共有データとローカルデータをナンバープレートを利用して統合するためのマッチング手法の提案
著者*増田 英孝, 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 1094 - 1101
キーワードITS, データフュージョン, ALPR
アブストラクト協調型ITS(CITS)では自車両の情報を周囲の車と共有することで、交通をより安全で効率的にすることを目指している。CITSで車両は自身の情報を周囲の車両と共有する。通信で受け取った車両データと自車両のセンサーで検知したローカルな車両データのマッチングと統合は、協調型隊列走行(CACC)などのCITSの様々なユースケースにおいて重要な技術である。データのマッチングは共有されたデータとローカルなデータに共通する特徴を比較して、似ているデータ同士を特定することで行われる。本論文ではCITSにおけるデータマッチングの課題を整理し、データの類似度判定に使用される特徴が満たすべき要件を定義した。そして、その要件を満たす特徴であるナンバープレートを利用してデータ同士をマッチングする手法を提案した。欧州電気通信関連性標準化機構(ETSI)の車車間通信プロトコルで通信を行い、データ同士のマッチング性能を評価した結果、マッチング精度は17%で、マッチング処理の所用時間は平均して2.1秒であった。この所要時間の8割がデータの送受信にかかる時間であった。

6F-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名ドライブレコーダ動画を用いた路上駐停車判定手法の提案
著者*松田 明大, 松井 智一 (奈良先端科学技術大学院大学), 松田 裕貴, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所)
ページpp. 1102 - 1110
キーワード路上駐停車, ドライブレコーダ, 物体認識, 機械学習
アブストラクト近年,禁止区域での路上駐停車が社会問題の一つになっている.特に大都市圏や観光地では,多くの路上駐停車が存在する.また,路上駐停車は渋滞や事故を引き起こす要因ともなりうるため,リアルタイムな検出により迅速な対応が求められる.先行研究では,定点カメラや過去動画との比較により路上駐停車の検出が行われた.しかしながら,定点カメラの設置地点のみでの検出や,過去動画の限定的なエリア,処理速度・精度などが問題としてある.本研究では,これらの問題を解決するために,一般に幅広く普及しているドライブレコーダ動画を用いたリアルタイムな路上駐停車の判定の実現を目指す.そのために,車載デバイスのみを用いた路上駐停車の特徴に基づいた機械学習による判定手法を提案する.物体検出モデルであるYOLOv3を用いて動画を解析し,計1765台分のBounding Boxの座標情報とその時の自車情報をもとに,データセットを作成した.そして,ランダムフォレストとロジスティック回帰を用いてモデルを作成し,ホールドアウト法と層化K-分割検証法により評価を行ったところ,2つのモデルにおいて,それぞれF値が最大93%,90%となった.この結果により,Bounding Boxと自車データを用いた路上駐停車判定手法の有効性が確認された.

6F-5 (時間: 15:30 - 15:50)
題名SAXを用いたブレーキ操作時の運転特性の抽出
著者*岩崎 賢太 (公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
ページpp. 1111 - 1119
キーワード自動運転, 自動運転普及期, 車両挙動, SAX, 運転特性
アブストラクト近年,自動運転技術に関する研究開発が活発に進められており,様々な企業や研究機関で無人自動運転車両の公道走行実験が行われている.そのため,近い将来に自動運転車両が普及することが考えられる.しかし,自動運転車両の普及には,10年以上かかるとされており,自動運転車両は急速に普及するわけではない.そのため,自動運転車両と手動運転車両が混在した環境が想定される.自動運転システムと人間のドライバとでは,停車時のブレーキ操作の仕方や交差点に安全に進入するためのタイミングなどの運転基準が異なるため,自動運転車両の運転によっては,事故や渋滞の原因になることが考えられる.そこで本研究では,ドライバの運転基準はドライバの運転特性に依存すると考え,運転基準を把握するために運転特性の抽出を行う.ここで,運転特性とは,ドライバの運転操作による車両挙動の特徴とする.本研究では,運転特性を抽出するために,SAX (Symbolic Aggregate Approximation) を用いた車両挙動データ分析を行う.運転特性を抽出する流れは,まず,車載スマートフォンから車両挙動データを収集する.次に,収集した車両挙動データをSAXによって文字列に変換する.最後に文字列に対して,文字列長や文字変化割合を分析することで,運転特性を抽出する.本実験では,4人の被験者に対して走行実験を行い,収集した車両挙動データに表現文字種類が4, 8, 16種類のSAXを適用し,車両挙動データ分析を行った.分析の結果,表現文字種類が多いほど,各ドライバの属性において異なる特徴が現れ,SAXを用いた車両挙動データ分析が運転特性の抽出に有効であることが示唆された.


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セッション 6G  エッジ・AI
日時: 2020年6月25日(木) 14:10 - 15:30
座長: 山井 成良 (東京農工大学)

6G-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名A Method of Gas Source Localization from Sensor Network using Machine Learning
著者*Worachat Arunothaikrit, Ayumi Ohnishi, Shuhei Tsuchida, Tsutomu Terada, Masahiko Tsukamoto (Graduated School of Engineering, Kobe University)
ページpp. 1120 - 1125
キーワードGas source localization, Internet of things, Machine learning, Sensors, AI
アブストラクトGas source localization (GSL) is one of the most important tasks to find the origin of the gas source to avoid potential danger. GSL in natural conditions is a big challenge because it has many complex conditions, especially when the wind blows in an unpredictable direction. Mobile robots use a lot of energy to work and still have short working time. That makes using an immobile sensor is better, just placing it in the right place will lead to a longer lifetime and use less energy. However, finding the location of a gas leak is difficult both on relevant and irrelevant factors. Here we show that the location and distance of the gas emission source between the gas source to the station gas sensor array in the indoor environment. We found that the machine learning algorithm is applicable to localize our experiment gas source using standard performance metrics for the regression problem in machine learning: Mean absolute error (MAE) metric. Currently, an estimated position of the source with a deviation of 3.90 cm (93.1% using R-Squared) by using Random Forests Regression (RF regression). Our results show how the stationary sensor network tends to work in finding GSLs in an indoor environment using machine learning to find the distance between the gas and the sensor in natural wind conditions. We expect our experiment to be the starting point for bringing GSL to more complex forms, for example finding distance in multiple wind direction conditions and using it on a daily basis.

6G-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名社会的孤立の測定とケアを目的とした介護施設向け見守りシステムフレームワークの提案
著者*永間 慎太郎, 沼尾 雅之 (電気通信大学 大学院 情報理工学研究科)
ページpp. 1126 - 1132
キーワード見守りシステム, システムフレームワーク, 分散処理, 行動認識
アブストラクト世界中で高齢化は進んでおり,介護負担の軽減のために見守りシステムが導入され始めている.既存の見守りシステムは,単機能のものがほとんどであり,例えば,床センサによって起床を検知する.しかし見守りシステムに求められる機能は非常に多く,拡張性と柔軟性が求められる.特に近年,高齢者の健康寿命を伸ばすことに関心が高まっており,日中の日常生活動作をモニタリングし,高齢者の健康状態を把握し,維持・向上していくためのケアに繋がるような見守りシステムにしていく必要がある.そのために必要な機能を分析したところ,複数のセンサー・複数シナリオを制御できる仕組みが必要であることがわかった.そこで本研究では介護施設向けに複数人のモニタリングが可能で,多機能かつ機能の追加・変更が可能な,見守りシステムを構築するためのフレームワークを提案する.見守りシステムフレームワークでは,システムに使用するセンサーやアクチュエーターの追加・変更が容易であり,システムの挙動も自由に変更可能なため,施設で求められるシナリオにも柔軟に対応することができる.フレームワークを用いて実装した見守りふくろうを用いてフレームワークの動作検証を行い,新たなセンサーの追加,シナリオを記述することで対話処理を行えることを確認した.

6G-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名アニーリングマシンを活用したエッジAIにおける生成モデルの学習効率化のためのアーキテクチャ
著者*鶴田 博文, 松本 亮介 (さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所)
ページpp. 1133 - 1140
キーワードエッジコンピューティング, AI, エッジAI, アニーリングマシン, 生成モデル
アブストラクトIoTデバイスが生成するデータを活用した課題解決の手法として,人工知能(AI)を用いてデバイス上で知的なタスクを実行するエッジAIが注目されている.エッジAIに実装するAI技術として,画像・文章生成や異常検知等の幅広い応用が可能な生成モデルが期待されている.生成モデルの学習には,一般に計算コストが高い確率分布のサンプリングが必要であり,学習速度や精度に強く影響を与える.新たな学習手法として,量子アニーリングを実装したD-Waveマシンを用いて生成モデルの一つであるボルツマンマシンの学習効率化に成功している.一方,この学習手法をエッジAIに適用する場合,D-Waveマシンは費用や動作環境等の理由からエッジ領域への配置は困難であり,クラウドサービスとしての利用となるため,デバイスとクラウド間の距離に起因した通信遅延が発生し,学習・推論のボトルネックとなる.また,一般にエンドデバイスは処理能力が低いため,サンプリングをデバイス上で実行することは難しい.本研究では,生成モデルの学習アクセラレータとして,D-Waveマシンに比べ小型かつ低コストのアニーリングマシンをデバイスの近傍に配置することで,エッジAIにおいて生成モデルの学習をクラウドを介さずに効率化するアーキテクチャを提案する.提案手法により,学習・推論への通信遅延の影響を抑えつつ,汎用的かつ低スペックなデバイス上で高い応用性をもつ生成モデルの活用を可能にする.評価の結果から,アニーリングマシンを用いてボルツマンマシンの学習を効率化できること,およびアニーリングマシンをデバイスの近傍に配置することで,クラウド経由でD-Waveマシンを用いる場合と比べて,学習・推論時間の高速化が期待できることを示した.



2020年6月26日(金)

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セッション 7A  ネットワークサービス
日時: 2020年6月26日(金) 8:30 - 10:10
座長: 斉藤 典明 (東京通信大学)

7A-1 (時間: 8:30 - 9:10)
題名(招待講演) ビデオ会議のアウェアネス
著者敷田 幹文 (高知工科大学)
ページp. 1141

7A-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名職場利用のための図書管理システムの提案
著者*西村 駿人, 野村 佳秀 (富士通研究所)
ページpp. 1142 - 1146
キーワード図書管理, 図書館情報学, 多クラス分類, 社内システム
アブストラクト本稿では,職場内での利用を想定した図書管理システムの提案を行う.多くの公立図書館や大学図書館で利用される Web-OPACと呼ばれるインターネットを利用したオンライン蔵書目録検索システムではなく,大学の研究室や企業の部署内で利用するための小規模な図書管理システムを提案する.一般的な図書館との蔵書の規模や利用ユースケースの違いによる差分を列挙し,差分をもとに新たな図書管理システムを開発するために,要求獲得から,システムのプロトタイプの一部実装を行ったことを報告する.要求獲得では,以前より部署で利用していた図書管理システムを参考にしながら,改善点を挙げていき,また利用者にヒアリングを行うことで,要求を獲得する.システムのプロトタイプ実装では,図書管理システムを Web アプリケーションとして機能することを考慮し,また,社内のネットワークからの利用を想定し,実装を行う.特に,既存の図書分類法が機能しないという問題に着目し,カテゴリ分類と図書の配架の改善を実施し,評価を行った.

7A-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名対話型鑑賞による美的発達のための音声対話システムの提案
著者*湯浅 美野, 吉野 孝 (和歌山大学), 青木 加苗 (和歌山県立近代美術館)
ページpp. 1147 - 1153
キーワード対話システム, 美術鑑賞
アブストラクト美術館において個人が行う鑑賞は,解説等の作品情報を読み取ることが主となり,作品を鑑賞者自身で解釈できないという問題点がある.それに対して,対話型鑑賞法とは,作品に対するそれぞれの考えを深めるため,ファシリテーターが適切な質問を鑑賞者にし,作品についての新たな解釈を生み出すことを目的とした鑑賞法である.一般にこの鑑賞法は,ファシリテーターやともに鑑賞する他の鑑賞者を必要とするため,鑑賞者が1人で行うことは困難である. そこで,本研究では,美術鑑賞における対話型鑑賞を支援する音声対話システムKANAIを開発した. KANAIは,ファシリテーターの役割をシステムが担い,複数人のユーザが利用することで,ユーザが1人でも対話型鑑賞を行うことを可能にする. システムを用いた実験では,本システムを利用することで,対話型鑑賞を実現できることを確認した.

7A-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名Asynchronous Multi-Party Video Chat System with Reaction
著者*Ari Nugraha, 井上 智雄, Izhar Wahono, Jianpeng Zhanghe, 原田 倫行 (筑波大学)
ページpp. 1154 - 1160
キーワードビデオ会議システム, 非同期コミュニケーション, ビデオ会話, 多人数会話, 遠隔コミュニケーション
アブストラクトIn this study, we developed an asynchronous multi-party video communication system which allows three persons to communicate using video messages. Reaction of the message recipients when they are viewing the video message is recorded and then automatically sent back to the message sender for review so they can sense an emotion response to their message. Our main objective was to evaluates how our system could produce better engagement between conversation party when reaction of recipient shown between message exchange. Our system evaluation using within-subject experiment showed that our proposed multi-party video messaging system with reaction performs better than the non-reaction system as it provides better user experience.


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セッション 7B  ユビキタス応用
日時: 2020年6月26日(金) 8:30 - 10:10
座長: 大村 廉 (豊橋技術科学大学)

7B-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名ウェアラブルだるまさんがころんだ: プレーヤ及び観客の納得感を考慮した機械判定システムを用いたゲームの実装と運用
著者*柳生 遥, 三木 隆祐, 大西 鮎美, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1161 - 1171
キーワード機械判定, だるまさんがころんだ, 満足感, 加速度センサ, 実世界ゲーム
アブストラクトスポーツ等における機械判定は,一般に人間の目や耳で行うよりも正確である.しかし,スポーツの種類によっては厳密すぎる判定が必ずしもプレーヤ及び観客の納得にはつながらない.厳密な機械判定であっても,プレーヤや観客が判定に納得できなければ,審判やシステムに対する信頼感,スポーツへの意欲が著しく損なわれると考えられる.そこで本研究では,プレーヤ及び観客が納得できる判定を行う機械判定システムの構築のため,プレーヤ及び観客の納得感に影響する要因を調査する.プレーヤ及び観客の納得感に影響する要因として,本稿では機械判定システムにおける判定根拠の提示に着目し,プレーヤ及び観客の納得感を調査する実験を行った.評価実験では,だるまさんがころんだというゲームに機械判定を導入した「ウェアラブルだるまさんがころんだ」を用いた.「ウェアラブルだるまさんがころんだ」は,だるまさんがころんだの動いているかどうかの判定を,加速度センサ値を基にした判定値が閾値を超えるかどうかと置き換えたゲームである.実験結果から,判定の根拠である判定値と閾値の提示がプレーヤ及び観客の納得感に影響することがわかった.

7B-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名美術初心者のための美術鑑賞補助システム
著者*大 真由, 加藤 朗 (慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科), 山内 正人 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科/情報経営イノベーション専門職大学), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科)
ページpp. 1172 - 1177
キーワード鑑賞支援, 美術, 美術初心者, 着眼点, 鑑賞補助システム
アブストラクト本研究は美術作品を感覚的に楽しむための鑑賞システムの導入を目指した研究の序である。美術鑑賞を楽しんでいる状態にはどのような要素が影響するか調査する。今回は美術鑑賞を楽しむことができている人は、独自の着眼点を持っているのではないかという仮説のもと調査を行った。

7B-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名VR映像による身体移動感覚の付与が歌唱時の発声に与える影響の評価
著者*坂名 純太, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1178 - 1183
キーワードVirtual Reality, 仮想現実, 発声支援
アブストラクト歌唱には,音程やリズムなど様々な要素が関わっており,発声の仕方もその一つである. 良い発声には,身体の重心,目線など音程に合った姿勢を保ちつつ,特定の筋肉に力を入れて,その他の筋肉はリラックスさせることが同時に求められる.しかし,発声の際に重要な筋肉は,普段使わない箇所が多く,意識するだけでは正しく筋肉を使いこなすことは難しい. また重要な筋肉を正しく使うことを補助する目的で,発声者自身の頭の中で特定のイメージを想起しながら練習する手法が用いられるが,この手法では発声への意識が薄れてしまい効率が下がる恐れがある. 専門的な知識のない人にとって,歌唱時の発声練習は難しいと考えられる. そこで本研究では,VR映像が与える影響を活用し,歌唱時の発声を暗黙的に支援するシステムの構築を試みる.本稿では高音の発声に注目し,高音の発声がしやすくなると考えられる映像を作成し,見る映像によって高音の発声のしやすさに差異があるかについて調査を行った. アンケート調査の結果,映像なしでの発声練習に比べ,オブジェクトが移動する映像では上方向の移動の方が発声しやすい傾向が見られ,景色が移動する映像では遠ざかっていく方が発声しづらいという傾向が見られた.また,各条件で被験者が発声することの出来た音程の上限を調べたところ,実際に高音がよく発声出来ていた映像にも傾向が見られ,オブジェクトが上方向に移動する映像では、多くの被験者が一番高い音程が出せていた.今回の実験を通して,発声を促す映像の大まかな系統が分かり,今後の映像作成に役立つデータが得られた.

7B-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名プッシュアップバーに取り付けた圧力センサによるプッシュアップフォーム識別デ バイスの設計と実装
著者*三重 孝雄, 大西 鮎美, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1184 - 1193
キーワードプッシュアップ, 圧力センサ, フォーム識別, Weka, 筋力トレーニング
アブストラクト筋力トレーニングを記録することは,効率的な筋力トレーニングを行う上で有効であり,記録を支 援するシステムは数多く開発されている.しかし,既存製品や研究は,筋力トレーニングの種目および回 数の記録にとどまっており,筆者らが知る限りどの筋肉がどれほど鍛えられているかを記録できない.本 研究では,代表的な筋力トレーニングの一つである腕立て伏せ(以下プッシュアップ) に着目し,プッシュ アップを行った際の鍛えられた筋肉の部位および使用量を推定するシステムを提案する.提案システムで は,プッシュアップで使用される器具であるプッシュアップバーの底面4 点に圧力センサを設置し,異な るフォームのプッシュアップを行った時のセンサ値からあらかじめ取得した正解筋電値を推定し,記録す る.筋電位推定は,圧力センサ値から直接筋電位を推定する直接推定手法と,圧力センサ値からフォーム を識別し,そのフォームの代表的な筋電位値を推定値として出力する間接推定手法の2 手法を比較した. 評価実験の結果,間接推定手法の方が推定精度が高く,プッシュアップを行った際の筋肉の使用量推定に 適していることを確認した.

7B-5 (時間: 9:50 - 10:10)
題名名刺型センサを用いた協調学習分析手法に関する一検討
著者*山口 隼平 (大阪大学大学院情報科学研究科), 大多和 修介, 大島 律子, 大島 純 (静岡大学大学院総合科学技術研究科), 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1194 - 1203
キーワード協調学習, ワイヤレスセンサネットワーク, 行動認識, 時刻同期, 機械学習
アブストラクト協調学習とは,他者と協調 (コラボレーション) しながら創造的な問題解決に取り組む能力を育む学習である.他の学習者と協調しながら問題解決に取り組むことによって,自身にはない考え方を他の学習者から学ぶことができたり,他の学習者と意見をすり合わせる過程を通じてメンバ間の社会的関係を向上させる能力を習得したりすることができる.しかしながら,現状の学習科学の分野では定性分析の手法を用いて協調学習を分析しているため,数十人が参加する協調学習を対象として分析するには人的コストや時間的コストの面で課題がある.本研究では,協調学習における定性分析をサポートすることを目的として学習科学の研究者が着目すべきポイントを自動抽出する「Sensor-based Regulation Profiler」を提案する. Sensor-based Regulation Profilerは,学習者からセンサデータを取得する名刺型センサと取得したセンサデータを分析するデータマイニング技術から構成される.データマイニング技術はセンサデータから協調学習中のソーシャルグラフ・学習フェーズ・発話者を自動抽出することで定性分析で生じるコストの低減を図る.名刺型センサを用いた実証実験からデバイス間における時刻同期誤差を約30マイクロ秒に抑えられることがわかった.また,実際の協調学習に対してSensor-based Regulation Profilerを用いた実験評価から学習者のセンサデータを用いてソーシャルグラフ・学習フェーズを自動的に抽出・視覚化できること,平均約77.8%の精度で発話者特定を実現できることがわかった.


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セッション 7C  スマートセンシング
日時: 2020年6月26日(金) 8:30 - 10:10
座長: 渡邉 拓貴 (北海道大学情報科学研究院)

7C-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名9軸センサーノードからの高速オンライン処理を実現するエッジコンピューティング基盤
著者*野口 大輝, 岩井 将行 (東京電機大学大学院 未来科学研究科情報メディア学専攻)
ページpp. 1204 - 1207
キーワードエッジコンピューティング, MQTT, センサーノード, データベース, webサービス
アブストラクト近年携帯電話回線網の普及によって通信機能を有する機器をどこでもインターネットに繋げられるようになった.一方,多様なデバイスまたはセンサーノードが IoT 機器として身の回りの環境情報や物体動きをセンシング可能になっている.データを収集し,そのデータをもとに危機予測を行うことにより,自然災害を早期に発見し身の安全を守るために備えることが求められている.一方すべてのデータをクラウドに送信する場合にはネットワーク負荷やランニングコストなどが導入の障害になる.本研究ではエッジコンピューティングを可能にするMQTTプロトコル対応の可視化システムをNUC上に構築しローカルネットワークでのセンサーによるセンシングデータ解析をする.さらに早期発見を補助するReactによるユーザー端末でのレンダリングの負荷軽減のwebフロントによるリアルタイム可視化システムを提案する.

7C-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名身体を圧迫することによる脈波制御を用いたウェアラブルデバイスインタラクション手法の提案
著者*秋元 優摩 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科/JSTさきがけ)
ページpp. 1208 - 1214
キーワード脈波センサー, インタラクション, 脈波制御
アブストラクトスマートウォッチや活動量計などさまざまな種類のウェアラブルデバイスが開発され,広く一般に普及しつつある.情報提示装置としてディスプレイを搭載している機種があるが,身体に装着するという特性上そのサイズは1.5インチ程度と小さい.そのため,スマートフォンと同様のフリック入力による文字入力やタッチによる選択操作だと操作速度の低下や操作ミスが発生し不便さを感じる.本研究では,脈拍センサを用いて身体の圧迫による血流変化をセンシングすることで,簡易なコマンドを実行するウェアラブルデバイスとのインタラクション手法を提案する.提案手法は,まず,脈波センサを用いて,データを取得する.次にそのデータから脈波のピークを検出し,そのピーク間の時間差を計算することで身体を圧迫した時間を計算する.圧迫した時間に応じた2種類のコマンドを組み合わせることで,簡易的なメッセージを送信できるようにした.5名の被験者に,1秒腕を圧迫する動作を連続して10回と,3秒以上腕を圧迫する動作を連続して10回をそれぞれ評価実験として行った結果,認識精度は1秒圧迫を10回行った時は平均100%,3秒以上圧迫を10回行った時は平均76%となった.

7C-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名圧力センサ搭載ヘルメットを用いた個人識別手法
著者*藤井 敦寛 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 村尾 和哉 (立命館大学大学院情報理工学研究科/JSTさきがけ)
ページpp. 1215 - 1222
キーワードヘルメット, 圧力センサ, 頭部形状, 個人識別, 本人認証
アブストラクトヘルメットは社会生活において広く利用されている.本研究では32個の圧力センサを搭載したヘルメットを装着することで,頭部形状から個人を識別する手法を提案する.提案手法によって,ヘルメット上部に取り付けたディスプレイに名前を表示したり,視線情報などのデータを記録する際に手間なく作業者のラベルを付与できる.また,工場などで役職などにより入室できる部屋が制限されている場合に扉の鍵としても使用できる.提案手法は,あらかじめデータが登録された複数の人物のうちの1人がヘルメットを装着したときにその人物を識別する個人識別と,ヘルメットを装着した人物が登録者であれば認証し,登録者でなければ拒否する本人認証の2つの機構を備える.プロトタイプデバイスと解析用のソフトウェアを実装した後,被験者9人データを採取し,個人識別では精度が100%,本人認証では被験者全員の平均EERが約7.6%という結果を得た.

7C-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名樹木の立体構造把握のための樹形に基づく点群の個体分割手法
著者*仙田 薫, 繁田 亮 (東京大学大学院工学系研究科), 郭 威 (東京大学大学院農学生命科学研究科), 川原 圭博 (東京大学大学院工学系研究科)
ページpp. 1223 - 1229
キーワード点群, ドローン, 個体分割, 果樹, ボリューム推定
アブストラクト近年,ドローンを用いたリモートセンシングやレーザスキャナ(LiDARなど)を用いて植物の三次元構造を点群データとして把握し,農業生産に活用しようという取り組みが行われている.例えば,果樹を対象にドローンで空撮した二次元画像から三次元再構成を行い,得られた三次元点群データをもとに木のボリュームを推定し収穫量予測に活用する手法が検討されている.その際,ドローンによる測定では圃場全体を撮影するため,点群データには環境中の不必要な物体や複数の個体が含まれる.従って初めに点群データを個体ごとに分割する前処理が必要となる.この分割処理の精度は収穫量予想など後の作業の入力データとして直接影響するため,より高精度な分割アルゴリズムが求められている.既存の取り組みとして,三次元空間中のユークリッド距離に基づく一般的なクラスタリングが広く研究されている.しかし圃場中の個体どうしが互いに接近している場合,枝どうしが重なり合いうまく分割できない問題がある.そこで本稿では,樹形を考慮して三次元空間中の点群を探索し個体ごとに分割する手法を提案する.実際の測定データに提案手法を適用して分割性能を評価し,果樹のボリューム推定から収量を予測する手法を検討する.


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セッション 7D  分散処理2
日時: 2020年6月26日(金) 8:30 - 10:10
座長: 串田 高幸 (東京工科大学)

7D-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名通信帯域に基づく状態分割を用いた 広域State Machine Replicationにおける状態転送手法
著者*千葉 泰理, 大村 廉 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系), 中村 純哉 (豊橋技術科学大学 情報メディア基盤センター)
ページpp. 1230 - 1237
キーワードState Machine Replication, 広域SMR, 状態転送
アブストラクト本研究では,通信帯域に基づく状態分割を用いた広域 State Machine Replication (SMR) における状態転送手 法を提案する.SMR はサービスを複数のレプリカに複製することで耐障害性を向上させる仕組みであり,レプリ カの追加・回復時にレプリカ間でサービスの状態を転送する.本手法では,転送する状態をチャンクの集合として 扱う.受信レプリカは,各レプリカとの通信帯域に応じた数のチャンクを送信側に要求する.送信レプリカは,要 求された数のチャンクを転送する.送信レプリカごとに通信帯域に差がある場合は要求する転送チャンク数を増減 する.これにより既存手法で見られた,広域 SMR の不均一な通信帯域による性能低下を改善する.Amazon EC2 に 構築した広域 SMR 上で実施した評価実験から,提案手法は Bessani らの手法に対して最大 42%の状態転送速度の 向上がみられたが,条件によっては Bessani らの手法に比べて状態転送速度が低下することがあった.この転送速 度低下に対して検証を行った結果,転送速度の低下が起こる場合,事前に計測を行った通信帯域と比べて実際の通 信帯域が低くなっていることを確かめた.

7D-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名大規模センサデータストリーム収集におけるデータ集約のための待ち時間設定方式の検討
著者*川上 朋也 (福井大学大学院工学研究科), 義久 智樹, 松本 哲 (大阪大学サイバーメディアセンター), 寺西 裕一 (国立研究開発法人情報通信研究機構/大阪大学サイバーメディアセンター)
ページpp. 1238 - 1244
キーワードストリームデータ処理, オーバレイネットワーク, 負荷分散, 許容遅延, 位相調整
アブストラクトIoTが実現されつつあり,多種多様なセンサをもつ機器(ノード)がインターネット経由でデータを連続的に発信している.このとき,処理能力やネットワーク環境はノードごとに異なるため,ノード側が求めるデータの生成や発信の間隔も異なる.本研究では各ノードが連続的かつ定期的に発信するデータを「センサデータストリーム」,発信の間隔を「周期」と呼ぶ.我々は複数のノードが発信するセンサデータストリームを収集する仕組みとして,オーバレイネットワークの一つであるスキップグラフを用いて複数のストリームを集約することで,各ノードのデータ送受信による負荷を軽減する手法を提案した.しかし,多くのデータを集約するためには各中継ノード上で待ち時間が必要となり,不適切な待ち時間の設定によって,集約前に次のノードへデータが転送されたり,最終的な宛先ノードまでの遅延などが生じる.そこで本論文では,各ノードの最大待ち時間が目安として与えられるものとし,その最大待ち時間以内で,各ノードがデータを効率的に集約可能な待ち時間設定方式を提案する.提案手法はシミュレーションにより評価し,各ノードへ設定した待ち時間によってデータ収集時の負荷や宛先ノードまでの遅延が変化することを確認した.

7D-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名分散ストリーム処理フレームワークを用いた動作識別手法の検討
著者*高崎 智香子 (お茶の水女子大学), 竹房 あつ子 (国立情報学研究所), 中田 秀基 (産業技術総合研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1245 - 1250
キーワード分散処理, 深層学習, Apache Kafka, OpenPose, Apache Flink
アブストラクトセンサ機器やクラウドコンピューティングの普及により,一般家庭で取得,蓄積した動画像が子供やお年寄りの見守りサービスや防犯対策,セキュリティに活用されるようになってきた.家庭のセンサで取得した動画像をリアルタイムに機械学習を用いて解析するには,データ転送量と解析計算量が課題とる.我々は,センサ側で姿勢推定ライブラリ OpenPose を使用して動画像から関節の特徴量データを抽出して転送し,クラウドでその特徴量データのみを用いて機械学習による動作識別を行うことで,処理遅延やプライバシの問題に対処するセンサとクラウドでの分散処理手法を提案している.しかし,複数家庭のセンサから連続的に送られる大量のデータをクラウドで処理するには,急激なデータの増加によるシステム負荷上昇に耐えうる処理基盤が必要である.本研究では,大量のデータを効率よく処理可能な分散ストリーム処理基盤の構築を目指して,エッジで抽出した関節の特徴量データをApache Kafkaを用いて収集し,クラウドにおいてApache Flinkの分散ストリーム処理機能を用いて機械学習処理を行うシステムを構築し,解析スループットを調査した.実験から,解析スループットはFlinkの並列度に比例して増加することが確認できた.

7D-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名データセット細分化を用いた時系列データ回帰モデル化手法の検討
著者*高橋 佑里子 (お茶の水女子大学), 鈴木 成人, 山本 拓司, 福田 裕幸 (株式会社富士通研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
ページpp. 1251 - 1256
キーワード時系列データ, 機械学習, 深層学習, TFLearn, fine tuning
アブストラクト近年のクラウドサービスにおいて,サーバを仮想化することで使用率を向上させ,サーバ数を削減する取り組みが行われている.この取り組みでは,サーバが自身のCPU資源を超えたCPUを割り当てられるオーバーコミット状態に陥ることで,仮想サーバの性能が低下する可能性があるため,制御対象のすべての仮想サーバのCPU使用率を予測し制御を行う必要がある. 本研究では,仮想サーバのCPU使用率の汎用的な深層学習予測モデルの生成に向けて,時系列データの回帰モデル化手法についての検討を行う.方法を模索した結果,時系列データを学習に必要な長さごとに抽出を行い,細分化した後のデータをランダムに使用することで,再学習時に使用するデータ数の削減が可能であることを確認した.


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セッション 7E  行動認識3
日時: 2020年6月26日(金) 8:30 - 10:10
座長: 中川 愛梨 (三菱電機株式会社)

7E-1 (時間: 8:50 - 9:10)
題名五本指装着型入力デバイスでのタップ動作における平仮名入力規則の評価手法
著者田中 純之介, *勝間 亮 (大阪府立大学)
ページpp. 1257 - 1263
キーワード入力デバイス, 評価手法, タップ動作
アブストラクトPC などに入力を伝えるための五本指装着型の入力デバイスは,物理ボタンを使用せず,タッチパネ ルのように画面を注視する必要がない事から,新たな入力方法として注目されている.また,目の不自由 な人が文字入力を行う際の手助けとなることが期待されている.既存の五本指装着型の入力デバイスはア ルファベット26 文字全てに対して,同時にタップしなければいけない指の組み合わせが個別に割り振られ ている.その課題として,スムーズな入力を行うためには入力と指の組合せの対応(以降,入力表と言う) をユーザが学習する必要があり,労力がかかる点が挙げられる.その労力をできるだけ減らすような入力 表が求められるが,既存の研究では,入力表が与えられたときにどの程度使いやすいかを評価する指標が 定まっていない.そこで本稿では,入力パターンが多くなる平仮名を五本指装着型デバイスの未経験者が 入力する場合を対象に,新たに入力評価方法を提案し,その評価に基づいた良い入力表も提案する.

7E-2 (時間: 9:10 - 9:30)
題名連続した二つの簡易ジェスチャによる入力判定精度の向上
著者*網屋 友彰, 勝間 亮 (大阪府立大学)
ページpp. 1264 - 1270
キーワード行動認識, ジェスチャ認識, スマートフォン, 加速度センサ, ヒューマンインターフェース
アブストラクト近年,スマートフォンをはじめコンピュータが小型化している.同時に,ユーザが入力に用いるボタンの数が減少しサイズが小型化することで,ユーザ入力における操作性が低下している.その中で,スマートフォンの加速度センサを利用して,スマートフォンを把持したユーザの手の動きを入力とするジェスチャ入力が新たな入力手法として期待されている.ジェスチャ入力は,加速度センサが搭載されている機器であれば本体の小型化の影響を受けず入力でき,画面も見る必要がないという利点がある.しかし,加速度値からジェスチャを判定する際の誤判定が多いことが問題となっている.本研究では,歩行中のスマートフォンの音楽プレイヤの操作を想定し,誤判定に耐性のある入力として,操作の開始もしくは内容を決定するトリガージェスチャと,実際の入力操作とするメインジェスチャによる,連続した二つの簡易ジェスチャの組み合わせを用いた入力判定手法を提案する.提案手法では,加速度値からどのジェスチャが行われたか判定する際に,ジェスチャの候補を制限することで判定精度を高めている.5種類の入力要求を想定した実測実験の結果,ジェスチャの候補を制限しない手法よりも提案手法の方が判定失敗数を約半数ほど減らせることが分かった.

7E-3 (時間: 9:30 - 9:50)
題名Wi-Fi電波を用いたイメージングによる対象識別法の検討
著者*森田 幸歩, 前田 透, 中川 善博 (大阪大学大学院情報科学研究科), 内山 彰 (大阪大学大学院情報科学研究科/JSTさきがけ), 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1271 - 1279
キーワードワイヤレスセンシング, Wi-Fiイメージング, 対象識別
アブストラクト近年,メンテナンスが不要である行動認識手法として,Wi-Fi 電波によるセンシング(ワイヤレスセンシング)が注目を集めている.ワイヤレスセンシングは,人やモノの動きに伴う電波変動を利用して行動を認識するもので,充電や電池交換に伴うメンテナンスが不要であることに加え,広く普及しているWi-Fi 設備を利用できるため,導入コストが削減できるという利点がある.しかし,ワイヤレスセンシン グは対象が複数ある場合それらの識別が困難という課題を持つ.この課題に対し,本研究では既存設備であるWi-Fi を利用した人やモノの識別法の設計を目標としている.Wi-Fi 電波を利用した人やモノの認識方法としてWision と呼ばれるWi-Fi イメージング手法が存在する.Wi-Fi イメージングでは,到来方向ごとの電波強度をカメラのように可視化することで物体の認識ができる.本稿では,対象識別の実現のため,シミュレーションおよび実機実験によりWi-Fi イメージング性能を調査するとともに,それに基づく物体検出アルゴリズムの検討を行った.その結果,1 波長×1 波長以上の導体がある場合,その検出が可能なことがわかった.また,複数の導体を区別するためには,導体間に少なくとも波長の2倍程度の距離が必要なことが分かった.

7E-4 (時間: 9:50 - 10:10)
題名三次元深度センサーを用いた移動制約者検出手法の提案と評価
著者*右京 莉規, 扇田 幹己, 山田 遊馬, 廣森 聡仁, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1280 - 1289
キーワード移動制約者, 三次元深度センサー, 点群データ
アブストラクト健常者と同速度での移動や反応が困難な移動制約者のストレスフリーな移動環境に向け,公共・商業施設 等ではエレベータの優先利用や多目的トイレの設置といったバリアフリー化に向けたサービスや設備設置が推進されている.しかし,移動制約者の施設訪問数や行動は正確に把握されていないため,例えば設備設計が必要十分かの定量的検証などが容易に行えないといった課題がある.本研究ではプライバシーに配慮したセンシングが可能な三次元深度センサーを用い,移動制約者を検出可能なエッジ・クラウド連携型の人流検出手法を提案する.エッジデバイスでは,背景差分法とクラスタリングを適用して移動物体に対応するセグメントを三次元点群から高速で検出し,それらをつなぎ合わせて移動軌跡にするとともに,移動制約者を簡易判定するために事前に定義した特徴量を用いて,対応するセグメント検出を行う.クラウドサーバーではセグメントに対して深層学習ベースの手法 PointNet を適用し,属性判定を行う.この際,エッジからクラウドに送信するデータ量とクラウドでの深層学習アルゴリズムの実行負荷を抑制するため,対象者のセグメント時系列から PointNet 判定に最も相応しい撮影角における 1 セグメントのみを抽出し,クラウドに送信するアルゴリズムを設計している.大型商業施設のエントランスにおいて 7 時間にわたり収集した人流データを用いた検証の結果,エッジデバイスの処理が 271ms, クラウド側での PointNet 判定を含めた処理時間も 275ms で実行できた.またベビーカー利用者判定における適合率は 0.818,再現率は0.667,f 値は 0.735 であった.さらに,エッジでクラウドに送信するデータを選択することにより,データ通信量を約三分の一に抑制することができた.これにより,エッジ・クラウドで適切に負荷分散と通信量削減を行いながら効率良く人流検出が可能なシステム実現の目途を得た.


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セッション 7F  測位・経路推薦・ナビ
日時: 2020年6月26日(金) 8:30 - 10:10
座長: 柴田 直樹 (奈良先端科学技術大学院大学)

7F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名スマートフォンとスマートウォッチを併用したPDRによる屋内位置推定
著者*若泉 朋弥, 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 1290 - 1302
キーワードPDR, 位置推定, スマートフォン, スマートウォッチ
アブストラクトスマートフォンの普及により,歩行者向けナビゲーションシステムが多く利用されている. こうしたナビゲーションシステムでは一般的にGPS (Global Positioning System) を利用して,自らの現在位置を測位しているが,屋内や地下ではGPS の精度が落ちるため,GPSに代わる位置測位が必要である. PDR (Pedestrian Dead Reckoning) は屋内における現在位置推定手法の一つであり,歩行者がセンサによって得た加速度や角速度などの歩行データから現在位置を予測する手法である. PDR は外部インフラを利用しないため導入コストが低いという利点がある. 一方で,スマートフォンを用いたPDRでは位置測位中に端末の向き(モードと呼ばれる) を固定するのが難しいことや蓄積誤差が問題となる. 端末のモードを考慮した研究は多くなされているが,端末のモードを1 つに固定した手法が多く,実用的とは言えない. 本稿ではスマートフォンとスマートウォッチを併用したPDR手法を提案する.提案手法は,スマートフォンとスマートウォッチの双方から得られるセンサデータを併用することで,外部インフラを使用せず,様々なスマートフォンのモードに対応したPDRを実現する. 同時にドリフト誤差を削減し,精度の高い位置推定を実現する. 実験の結果,既存手法と比較して,位置推定誤差を平均約87%削減する結果となった.

7F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名モンテカルロ木探索を用いたユーザ個人の嗜好を考慮した経路推薦手法の高速化
著者*石崎 雄太 (早稲田大学), 高山 敏典 (ゼンリンデータコム), 戸川 望 (早稲田大学)
ページpp. 1303 - 1310
キーワード経路探索, モンテカルロ木探索, UCT, SVM
アブストラクトスマートフォンやタブレットの普及が進み,経路推薦・案内サービスが幅広く利用されている.従来のインターネット上で提供されてきた経路推薦・案内サービスでは,経路長・所要時間・料金の点で最適化した経路を推薦するサービスが主流だが,これらのサービスでは各ユーザの区別がされない.このため現在地や目的地等の入力情報が同じであれば,各ユーザは安全性や快適性の面から多種多様な嗜好を有しているにもかかわらず,異なるユーザでも同一の経路推薦がされることになる.これまでに我々は,モンテカルロ木探索を用いた経路推薦手法(P-UCT手法)を提案し,同手法がユーザ個人の嗜好を考慮した経路を推薦することを,評価実験によって確認している.ところが,目的地点に到達するまでランダムなモンテカルロ・シミュレーションを繰り返して経路を探索するため,探索対象の経路長が大きくなると実行時間が指数的に増大してしまう問題がある.本稿では,モンテカルロ木探索を用いたユーザ個人の嗜好を考慮した経路推薦における高速化手法を提案する.提案手法では,目的地点周辺範囲(AD)を新たに定義・導入することで,従来のP-UCT手法のアルゴリズムの高速化を図る.

7F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名目的地到着時間の増加を抑えて渋滞を緩和する自動車の経路誘導手法
著者*松井 雄資, 吉廣 卓哉 (和歌山大学)
ページpp. 1311 - 1318
キーワード渋滞緩和, ITS, DRGS
アブストラクト近年,都市の人口増加に伴い大都市で交通渋滞が発生し,深刻な社会問題となっている.交通渋滞を 緩和することは,経済損失や環境汚染等の問題解消に直結し,大きな効果を生む.本研究は,道路脇や交 差点に設置された路側機を用いて交通状況を常に把握しておき,渋滞発生時に動的に一部の車両に経路変 更を促すことにより,早期に渋滞を解消する問題を考える.本問題に対しては,渋滞発生箇所周辺の車両 に対して k-最短路計算に基づいた経路誘導を行う方法などが提案されているが,これらの手法は交通量の拡散による負荷分散をしているだけで,各車両が渋滞により経験する時間増加を直接的には扱っておらず, 最適化の余地が残る.本研究では,把握されている現在の交通量を基に,各車両の宛先到着までの平均走行時間を最小化することを目指した経路誘導法を提案する.具体的には,各車両は宛先までの最短路を走行していると仮定した上で,渋滞道路に流入する車両のうち,到着時刻の遅延ができるだけ小さい迂回路がある車両を優先して経路誘導を行う.その結果,迂回路に誘導したことによる到着遅延の総量が最小になるような経路誘導により,渋滞を解消することができる.交通流シミュレーションにより評価を行った 結果,提案手法は既存研究と比較して各車両の到着遅延の平均を最も抑えられる渋滞解消が可能であることを示した.

7F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名二輪車ヘルメット内での至近距離LED情報提示手法の提案
著者*松並 拓弥, 木谷 友哉 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
ページpp. 1319 - 1328
キーワード情報提示, 二輪車, ITS, ナビゲーション
アブストラクト二輪車向けのハンドルなどへ取り付けるナビゲーションシステムでは運転中に大きな視線の移動を伴い,安全上の配慮が十分にされているとは言いがたい.ここ数年,HUD(ヘッドアップディスプレイ)やカメラを搭載した二輪車用ヘルメットのコンセプトが提案されてきている.しかし,ヘルメット内に取り付けた情報提示システムの多くは高精細のモニタを想定しており,ピント調節に時間がかかり,道路の重要な情報を見逃すという問題がある. そこで我々はデータの与える形式をLEDにして,可能な限り情報を減らすことで,ピント調節をせずに周辺視野を用いて認識させる,運転時の情報認識負荷が小さい情報提示手法について提案し,至近距離LEDによるナビゲーションシステムが反応速度において十分な安全性を確保しうるかどうかを検証する. ライディングシミュレータを用いた実験にて,約80回の試行での結果,右左折の情報を提示してから運転者が認識して方向指示器を操作するまでの時間は,90 cm 遠方の液晶ディスプレイへの提示で平均0.96秒であったのを,至近距離LEDによる提示では0.85秒に短縮することができた.


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セッション 7G  セキュリティ応用
日時: 2020年6月26日(金) 8:30 - 10:10
座長: 小川 隆一 (IPA)

7G-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名マルチベンダ開発文書流通におけるP2P型セキュリティ管理手法の設計
著者*川島 悠太 (創価大学大学院工学研究科情報システム工学専攻), 寺島 美昭 (創価大学大学院工学研究科情報システム専攻)
ページpp. 1329 - 1334
キーワードブロックチェーン, セキュリティ, マルチベンダー, 文書管理
アブストラクトマルチベンダ開発における電子文書の共有管理は、データセンタに預けて各社がアクセスすることで閲覧を行うことが主流であるが、その管理手法では、データセンタに依存した管理となってしまう。データセンター依存の管理手法では有事の際に発行元が文書の安全管理に関わることが出来ないという問題点がある。本稿では、発行元が常に発行文書を管理できるようなP2P型の電子文書流通管理システムの設計について述べる。電子文書が複数回共有される「流通状況」において、P2P型管理では情報漏洩などが危惧される。それらのリスクへのアプローチのため流通管理の要件を分析した。その要件を満たす管理手法を実現するためにブロックチェーンを用いる。これにより漏洩などのリスクを減らした実現性の高いP2P型の流通管理システムの管理手法と設計を提案する。一部は実際に試作を行い、今後、流通管理システムを実現するための課題についての考察も述べる。

7G-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名ブロックチェーンを用いた金融取引における多角的検証方式の考察
著者*米倉 裕貴, 藤本 真吾, 森永 正信 (株式会社富士通研究所/セキュリティ研究所)
ページpp. 1335 - 1340
キーワードブロックチェーン, コンソーシアムチェーン, DeFi, KYC, AML
アブストラクト近年, ブロックチェーンを活用した分散型金融プラットフォーム「 DeFi」が注目を浴び始めている. DeFiでは, 金融取引が透明性の高い状態で自律運用されることで, 取引の手数料を削減し, 資産の流動性を高めることが期待されている. 我々は, DeFiにおけ る厳格なKYCやAML実現のための課題に着目し, 課題解決の第 一 段階目とし てHyperledger Fabricを拡張した方式を考案した. 本稿では, 方式 の内容および拡張前と比較した考察や, 今後の課題について述べる. また, DeFiへの適用例として, 証券取引時の決済に関する評価用システムを紹介する.

7G-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名インシデント対応時のファイル証跡収集を強化するネットワークフォレンジック方式の改良
著者*乾 真季, 海野 由紀, 及川 孝徳 (株式会社富士通研究所), 金谷 延幸 (国立研究開発法人情報通信研究機構/株式会社富士通研究所), 津田 侑, 遠峰 隆史, 井上 大介 (国立研究開発法人情報通信研究機構), 鳥居 悟 (株式会社富士通研究所)
ページpp. 1341 - 1350
キーワードインシデント対応, フォレンジック, ファイル解析
アブストラクト標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃において攻撃者は標的の組織に侵入した後, マルウェアを送り込み, リモート管理操作を実行することにより攻撃拡大を行う. 攻撃による被害を最小限に抑えるには, 攻撃者が悪用したファイルを特定し, 調査することにより, 攻撃の全容を明らかにすることが重要である. 著者らは2019年に通信データを解析し, 攻撃者が実行したリモート管理操作とリモートファイル書き込みをひも付けることにより, 攻撃の進行度に応じた攻撃関連ファイルのリアルタイムでの収集を実現するネットワークフォレンジック方式を提案した. 本稿では, 攻撃関連ファイル収集精度を向上させるための, リモート管理操作とリモート書き込みされたファイルのひも付けの改良手法を提案する. 本改良手法は, これまで照合が困難であったDistributed Computing Environment / Remote Procedure Calls (DCE/RPC) プロトコルに対応するものであり, これにより, 悪用されやすい更新系リモート管理操作にもファイル証跡の特定範囲を拡げるものである. 提案した改良手法を実装したプログラムを用いてMWS Datasets 2019の攻撃観測データやMicrosoftのAdvanced Threat Analytics Attack Simulation Playbookのシナリオを再現した模擬攻撃データを解析し, ファイル収集精度が向上したことを示した.


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セッション 7H  映像音声コンテンツ
日時: 2020年6月26日(金) 8:30 - 10:10
座長: 水野 慎士 (愛知工業大学)

7H-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名グラフ表現型画像処理プログラミングを用いたクラウド分散型インターネットライブ配信システム
著者*松本 哲, 義久 智樹 (大阪大学), 川上 朋也 (福井大学/大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学)
ページpp. 1351 - 1355
キーワードプライバシー指向, インターネットライブ配信, 分散処理, クラウドコンピューティング, エッジコンピューティング
アブストラクトインターネットの普及に伴い,YouTubeやTwitCastingといったインターネットライブ配信が広く利用されている.近年のインターネットライブ配信では,背景にぼかしをかけたり,物体にアノテーションを表示するといった映像効果(音声効果を含む)を付加することがある. インターネットライブ配信では,処理時間が長すぎると,フレームレートが低下したり,映像が途切れるといった問題が発生する.このため,計算能力の高い計算機(クラウド計算機)で映像効果を付加することで,配信者の計算機(配信端末)で処理を行う場合と比べて処理時間を短縮するクラウド分散型インターネットライブ配信システムが提案されている. しかし,クラウド計算機に映像データを送信する時間が余分にかかるため,映像効果付加に伴う処理量が少ない場合には配信端末で処理を行う方が短時間で映像効果を付加できることがあった.画像処理の幾つかは,プログラミングを簡素化し処理分散を行いやすくするために,グラフで映像処理手順を表現(グラフ表現型画像処理プログラミング)している.グラフ表現型画像処理プログラミングでは,映像効果の手順をあらかじめ把握できるため,クラウド計算機で処理する方が早く行える映像処理を把握しやすい. そこで本研究では,グラフ表現型画像処理プログラミングを用いたクラウド分散型インターネットライブ配信システムを提案する.提案システムでは,グラフのノードで表現された各映像処理を,各フレームの映像効果の付加にかかる時間が短くなるように処理する端末を決定する.本研究では,提案システムを実装し,性能評価を行う.

7H-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名co-Sound: Web ARを用いたインタラクティブメディア基盤の設計と実装
著者*井口 和真 (東京大学工学部電気電子工学科), 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 1356 - 1365
キーワードインタラクティブメディア, 3Dコンテンツ, オブジェクトベースオーディオ, Web AR, Software Defined Media
アブストラクトインターネットを前提とした視聴サービスプラットフォームは,収録した映像音声データの IP ネットワーク化によりネットワーク上に分散して存在するシステム及びプロセスを,ソフトウェアにより管理・制御する.さらに収録対象のオブジェクトベースによるシステムの設計と実装によって,視聴コンテンツの柔軟な再生を可能とする.一方で三次元映像投影技術の一つである拡張現実 (Augmented Reality, AR) は,現実空間の要素とデジタル空間情報内の要素の両方と対話することを可能としているが,映像音声視聴プラットフォームの媒体として活用された事例は数少ない.そこで本研究では,AR を活用した音楽イベントのインタラクティブな映像音声再生アプリケーション「co-Sound」を提案する.co-Sound は,導入コストが低いウェブブラウザ上で,視聴者からの様々な入力に応じて,オブジェクト単位に構築された AR を動的にレンダリングするマルチモーダルなインターフェースとして設計された.さらに複数ユーザ間の AR オブジェクト操作をリアルタイムかつ双方向に共有することで,従来 1 対 1 に制限されていたユーザとコンテンツとの関係性を拡張し,同一AR 空間での複数のユーザ間でのインタラクションを可能としている.試作したアプリケーションを実装し,AR 空間同期の性能評価および被験者からのアンケート評価を行った.複数ユーザからのオブジェクト操作を受け付ける十分な低遅延同期が実現されていることを確認し,さらに,WebAR を活用したインタラクティブな映像音声視聴メディアとして高い評価を得ることができた.

7H-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名指向性のある音声の到達範囲を可視化するARシステム
著者海野 亮, *塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 1366 - 1372
キーワードパラメトリックスピーカ, Augmented Reality, 可視化
アブストラクト近年,視聴環境の多様化や高品質化が進み,映像や音声の活用に関する研究も盛んに行われている.そして,パラメトリックスピーカという,超音波を利用することで超指向性のある音を出力できるデバイスが注目されている.パラメトリックスピーカの持つ特性を活用するためには,音声がどの領域でよく聴こえているのかを理解することが重要であると考えられるが,それを直感的に理解することは困難である.そこで,本研究ではiPad Proの裏面にパラメトリックスピーカを固定し,Augmented Reality技術を用いて音声の到達範囲を可視化した.パラメトリックスピーカの音声の到達範囲を音圧測定により調査し,測定結果から音声の到達範囲を表現する楕円錐体のオブジェクトを生成した.複数の周波数の音源に対して同様のオブジェクトを生成した後,音声を出力した際に対応するオブジェクトがiPad Proのカメラの映像に重ねて表示されるアプリケーションを実装した.このアプリケーションを用いて到達範囲の境界部分の音圧測定を行い,可視化領域が設定した閾値に沿っていることを確認した.

7H-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名再起的記述を可能とする映像音声メディア・オントロジー
著者*加藤 慎 (東京大学), 曽根 卓朗 (株式会社アプリックス/静岡大学), 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 1373 - 1380
キーワードコンテンツ管理, Ontology, RDF, 再帰的記述, Software Defined Media
アブストラクト著者らが所属するSDM (Software Defined Media)コンソーシアムでは,2016年より三次元映像音声メディアを管理するためのプラットフォームとしてSDM Ontologyの提案を進めてきた.SDM Ontologyは,メディアデータとともに様々な種類・粒度,かつ,膨大な量のメタデータを階層構造に整理して管理可能とする.従来の提案は,収録段階についての記述に焦点を当てた設計となっており,収録されたメディアデータの編集段階まで考慮していなかったため,編集作業に用いられるソフトウェアやミキサーなどのメディアプロセッサの情報を記述するための構造がなかった.また,メディア収録の情報は静的である一方で,メディアの編集作業は収録されたデータや編集されたデータをもとに繰り返しおこなわれることも多く,一般に動的といえるため従来設計では対応しきれない.このような問題を踏まえ,本稿ではSDM Ontologyの構造について整理し直し,修正を加えるとともに,動的構造を表現するために再帰的記述を導入し,メディアの収録・編集について記述可能なSDM Ontology Version 2.0を提案する.


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セッション 8A  IOT統一テーマセッション
日時: 2020年6月26日(金) 10:30 - 12:10
座長: 松本 亮介 (さくらインターネット)

8A-1 (時間: 10:30 - 11:10)
題名(招待講演) クラウドをエッジに延伸せよ - エッジコンピューティング実現にむけたさくらインターネットでの取り組み -
著者菊地 俊介 (さくらインターネット株式会社)
ページp. 1381
キーワードエッジコンピューティング, クラウドコンピューティング, データセンター, 5G


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セッション 8B  ロボットアプリケーション
日時: 2020年6月26日(金) 10:30 - 12:10
座長: 榎堀 優 (名古屋大学大学院情報学研究科)

8B-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名人と協調する倉庫内配送ロボットの シミュレーションを用いた最適化の検討
著者*浅井 悠佑 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (京都大学防災研究所), 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
ページpp. 1382 - 1387
キーワードロボット, 協調, 倉庫, 最適化
アブストラクト本研究では,倉庫における人(ピッキング作業者) と配送ロボットの最適化における検討をシミュレーションを用いて行う. 近年,Eコマースの利用が盛んになるにつれ,倉庫で扱う品物の数や種類,個人向け注文の増加に伴うピッキング作業への負担が増加している. そのような背景から,従来の倉庫では処理のキャパシティを超えてしまうことがあり,倉庫の自動化が急激に進んでいる.しかし,倉庫の自動化に伴う大規模な投資を行うのが難しい事業者も多数あるのも事実であり,そのような事業者は既存の倉庫を用いながら作業効率を向上させる必要がある. 従来の倉庫において,配送ロボットによるピッキング作業の補助を行うことで,ピッキング作業の負担を軽減できると考える. そこで本研究では配送ロボットに自動運転技術を用い,効率的なピッキング作業のフローをシミュレーションによって検証する.

8B-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名頭部の向きと動きに基づくロボットアームの制御手法
著者*木村 拓己, 土田 修平, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1388 - 1393
キーワードロボットアーム, 頭部動作, 制御手法
アブストラクト近年,筋電義手やパワーアシストスーツをはじめとするロボティクス技術の実生活への導入が進められ,人間とロボットの共生・融合の形についてさまざまな視点から検討されはじめている.特に,製造業ではロボットアームの作業空間への導入が進められているが,従来手法ではロボットアームを動作させる際にユーザが定期的に関連機器の操作を行う必要があるため,作業時間の浪費や生産効率の低下につながっている.これに加え,ユーザは両手で作業することもあるため,ロボットアームをハンズフリーで動作させる手法が適していると考えられ,これまで筋電位による制御手法や第3者による遠隔制御手法などが提案されてきた.しかし,これらの手法ではユーザの意図しない筋電位信号の発生や装着者および遠隔操作者の2者間における意思疎通の困難性に起因する,意図しないロボットアーム動作の発生などが課題として挙げられる.そこで,本稿ではウェブカメラとQRコードを用いてロボットアームの使用タイミングを指定し,頭部動作を用いてロボットアームをハンズフリーで制御する手法を提案する.

8B-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名手術ロボット操作時におけるウェアラブルセンサを用いた疲労度推定手法
著者*大西 鮎美, 東南 颯, 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科), 服部 稔, 好中 久晶, 寿美 裕介, 恵木 浩之 (広島大学大学院医系科学研究科), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1394 - 1402
キーワードロボット手術, 疲労度推定, ウェアラブルコンピューティング
アブストラクトダヴィンチサージカルシステムに代表されるロボット支援による腹腔鏡下手術は,術者が直接患者の腹腔内に入れた鉗子を操作する手法に比べて,精度の高い手術を可能にしただけではなく,術者の精神的・肉体的なストレスも軽減したといわれているが,それでも術者は自身の疲労や集中力の低下に気付かないまま手術を続けてしまったり,疲労を感じていても無視して続けてしまったりする問題がある.この疲労の蓄積や集中力の低下をリアルタイムで数値的に算出し,手術中の術者に知らせることができれば,適切なタイミングで休憩を促すなど,手術効率や手術ミスのリスクを改善できる. そこで本研究では,先行研究から手術ロボット使用中の術者が疲労を感じやすい体の部位等に小型のウェアラブルセンサを取り付けることで,ロボット操作の妨げになることなく術者の体の状態をセンシングし,定量的に疲労度を推定する手法を提案する.本研究では,手術ロボットの練習用シミュレータのタスクを長時間行い,シミュレータが算出するスコアを術者の疲労度の表出として推定する.ウェアラブルセンサから得られたデータと,映像から記録した瞬き回数からそれぞれ平均値,分散値を特徴量セットとして算出し,それぞれの特徴量ごとにRondom Forestを用いた交差検証を行い,1〜3回目のタスクのスコアを学習データとして用いて4回目のスコア(59.3)を推定した.結果は,首と左腕の筋電位センサデータを合わせた特徴量セットの平均絶対誤差が1.67,視線・瞳孔径センサデータの特徴量セットの平均絶対誤差が2.19であり,他のセンサと比べて小さいことが分かった.

8B-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名ロボットハンドマッサージ機開発に向けた被施術者の感情推定手法の検討
著者*宇都 和真 (豊橋技術科学大学大学院), 大村 廉 (豊橋技術科学大学)
ページpp. 1403 - 1408
キーワード感情推定, 生体信号, 機械学習
アブストラクト本研究の目的は,マッサージ中の被施術者の生体情報の変化から対象の快・不快と覚醒度を推定することである.マッサージ中に被施術者の快不快を推定することで,ロボットのマッサージ施術方法を変化させ,より効果的なマッサージを行うことが期待できる.目的達成の前段階として,マッサージ方法の違いによって生体信号にどのような変化があるかを調査するために,施術者の違いについて識別する識別モデルを作成し評価を行う.その後感情を推定する回帰モデルを作成し評価を行う.本研究では,マッサージ中の被施術者に生体センサを取り付け生体情報と感 情(快・不快と覚醒度)データを集める実験を行った.識別モデルと回帰モデルの評価の結果,本手法では施術者の識別精度が7割程度であり,感情の正確な推定は困難であることが確認できた.回帰モデルの問題点として,被験者によって感情を入力する際の基準が異なるとことが考えられ,改善策として今後は感情の相対的な上昇・下降を推定することを検討する.また,今後は特徴量の選定と新たな特徴量の追加を行うことを検討する.

8B-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名協調ロボットの実現に向けた人間行動の機械学習による近未来予測にむけて
著者*吉永 章太朗, 土井 祐介, 井上 創造 (九州工業大学)
ページpp. 1409 - 1415
キーワード機械学習, 時系列分析, ARIMA, 協調ロボット, 行動認識
アブストラクト日本の様々な業界で人手不足が問題となっており,解決策として挙げられるサービスロボットは外食産業,介護分野では十分な導入が行われておらず,特に福祉ロボットは予測できない人の動きには衝突する前提というのが現状である[4].人間の行動軌跡の予測を目指す先行研究[12]では,単純な反復行動の予測のみを行っているため複雑な行動を対象としていない.本稿では,複数の行動が含まれるデータにおける急激な人間の行動を事前に予測することを目的として行動データを基に軌跡予測モデルを作成し,データセットの行動軌跡から1秒後の行動軌跡を予測した.機械学習手法としてランダムフォレストを用い,ARIMAモデルで軌跡予測を行ったものと比較し評価した.使用したデータセットは,いくつかの異なる行動が連続しているため,予備動作と考えられる値が確認できた.結果として,ランダムフォレストにおける予測時の平均RMSE約85[mm],ARIMAでは約117[mm]を得ることが出来た.さらに,それぞれの予測結果から予備動作と考えられる変化の予測についてはどのデータもテストデータより1秒程遅れていることが確認出来た.


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セッション 8C  作業・学習支援
日時: 2020年6月26日(金) 10:30 - 12:10
座長: Guillaume Lopez (青山学院大学)

8C-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名学習効率向上に向けた脳波に基づく VR-HMD ユーザの嗜好性推定
著者*今別府 万大, 長谷川 達人 (福井大学大学院工学研究科知識社会基礎工学専攻情報工学コース)
ページpp. 1416 - 1421
キーワードウェアラブルデバイス, 機械学習, 脳波, 嗜好性推定, 学習支援
アブストラクト近年,アクティブ・ラーニングや反転学習という授業形態により,学習者の主体的な学習を促す取組みが見られる.しかし,これらの授業形態では学習者自身の授業への参加意欲や,教育コンテンツの良し悪しが学習効率に影響する.授業形態以外を工夫する観点として,e-Learnig 環境での自主学習環境において学習者自身のやる気を向上させるシステムを実現することで,学習効率向上の図る方法がある.このことから,学習者の好みに応じた教示者画像の生成,および生成画像をVR 空間上で教示者アバタとして投影,授業の教示者の置き換えを行うシステムの開発を目指す.そのための第一段階として,本研究では,学習者の嗜好性を脳波から推定するために実現可能性の基礎検証を行う.実験では表示される顔画像を見た際の脳波の計測を行う.その後,貪欲法を用いて特徴量選択し,機械学習で「好き」「好きでない」の2値分類で嗜好性推定を2種類の方法で行った結果,画像を相対的に比較するような形で嗜好性推定を行った方が平均推定精度の向上が見られた.また,特徴量について見てみると嗜好性の推定においてβ波やβ/αが選択される傾向が多いことが分かった.

8C-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名映像と音声を用いた議論への関与姿勢や肯定的・否定的態度の推定方式の検討
著者*金岡 翼, 上原 佑太郎, 原 直, 阿部 匡伸 (岡山大学 大学院ヘルスシステム統合科学研究科)
ページpp. 1422 - 1429
キーワード議論分析, 機械学習, SVM, 音響特徴量, ランダムフォレスト
アブストラクト本報告では,議論の映像と音声データを用いて,議論への関与姿勢の推定方式と発話の肯定的・否定的態度の推定方式を検討する. また議論の分析を行うにあたって,模擬会議の収録を行う. そこでの収録データにラベル付与を行い、教師データとして扱う. 議論への関与姿勢の推定では,関与姿勢のラベルを2値分類としてランダムフォレストを用いて推定を行った. セッションごとでの交差検証においての最大のF尺度として0.75となった. 発話態度の認識実験では,SVMを用いて認識を行った.4つのうち3つのセッションでは音声と映像を組み合わせ た特徴量が音声と映像単独で得られる特徴量よりも高いF尺度が得られた.

8C-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名スマートグラス上の動画の再生速度が視聴者の作業速度に与える影響
著者*長谷川 瑛一, 磯山 直也, 酒田 信親, 清川 清 (奈良先端科学技術大学院大学)
ページpp. 1430 - 1436
キーワードスマートグラス, 主観時間, 再生速度, 作業速度, ウェアラブル
アブストラクトスマートグラス上に特定の情報を提示することでユーザの心理・行動を制御するシステムが提案されてきている.しかし,従来のシステムでは,ユーザがシステムの対象とする行動中に視覚情報を閲覧することで受ける影響について考えられており,閲覧後のユーザの行動への影響については考慮されていない場合が多い.スマートグラス上に提示する視覚情報が,閲覧後のユーザの行動に与える影響を明らかにし応用することで,普段利用するSNSやニュース,動画などのコンテンツをユーザがただ閲覧するだけで,後の行動が気付かないうちに活性化されるといった効果が期待できる.そこで本研究では,スマートグラス上で視聴する動画の再生速度が,後のデスクワークなどにおけるタスクパフォーマンスに影響を与えられるかについて検証を行う.再生速度の速い動画が,後の視聴者の作業速度を向上させるという仮説を立て実験を行った.結果,統計的検定により,提示する動画の再生速度を速くするほど,視聴者の後の作業速度が速くなる傾向を確認した.

8C-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名生体リズムと情報提示タイミングの同期による情報選択への影響評価
著者*石橋 直人, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
ページpp. 1437 - 1442
キーワード情報提示, 生体リズム
アブストラクト心理学の分野においては,人の感情や意思決定に影響を与える心理効果が多数存在することがわかっている. 例えば,自身と同調した行動をとる人物に対して好感を抱く,ミラー効果と呼ばれる心理効果が存在する. このような心理効果を活用することで,ある人や物に対する印象を操作したり,特定のものを強調して伝えたりできる. また,ウェアラブルセンシング技術の発達により心拍などの生体情報の常時測定が可能となり,生体情報の情報提示への活用が期待されている. そこで本研究では,ユーザ自身の生体リズムと情報提示タイミングの同期による,ユーザの選択傾向への影響を評価する. 特に本論文では,利用する生体リズムを心拍,表示する情報をPC画面上のボタンとし,心拍リズムと同期して点滅するボタンへの選択傾向を調査する. PC画面上の3つのボタンから1つを選択する実験を行い,被験者の選択結果を記録し,被験者13名の内8名が自身の心拍に近い速度の点滅をするボタンを多く選択したことから,心拍と情報提示タイミングを同期したことによる情報選択への影響が確認できた.


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セッション 8D  無線通信・ネットワーク応用
日時: 2020年6月26日(金) 10:30 - 12:10
座長: 植田 和憲 (高知工科大学)

8D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名異種無線混合DTNを用いた道路寸断情報共有による避難時間短縮の検討
著者*矢原 裕大 (静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻), 加藤 新良太 (静岡大学創造科学技術大学院自然科学系教育部), 皸 峰生 (大阪大学大学院情報科学研究科/カリフォルニア大学ロサンゼルス校), 石原 進 (静岡大学学術院工学領域)
ページpp. 1443 - 1451
キーワード避難支援, DTN, 異種無線ネットワーク, 災害, シミュレーション
アブストラクト災害発生時において,避難者間で道路の不通箇所や被災者の位置等の避難支援情報の共有は,有用 である.しかしながら,災害時には通信インフラ損壊の可能性があるため,特定の通信手段に依存しない情報共有手法が求められる.筆者らは,災害時にある通信手段が利用不能となった場合でも情報共有を可能とするために,セルラ通信,Wi-Fi,LPWA(Low Power Wide Area) 通信等の複数の異種無線通信手段とDTN(Delay/Disruption Tolerant Network) を用いた避難支援情報共有システムの開発を目指している. 異種無線混合DTNを用いた避難支援情報共有システムの実現には,災害時の限られた通信機会で情報共有をするために情報送信優先制御,各通信手段の特性に応じた情報配信手法が必要となる.本稿では,送信する避難支援情報の種別,データサイズ,宛先,重要度に応じた送信優先度について検討,複数の通信手段を組み合わせた避難支援情報の配信手法を提案する.避難者,固定中継ノード,災対本部間で異種無線混合DTNを用いて避難支援情報を共有したときに避難者の行動に与える影響を確かめるために,避難 行動と無線通信の簡略モデルを構築し,シミュレーション評価にした.この結果,使用する通信手段に応 じた避難支援情報の配信手法は,避難時間短縮に有効であることが確認できたものの,避難支援情報を保持する避難者が,情報を提供すべき避難者全員に対して情報提供を行えず,置き去りにする課題が存在す ることが確認された.

8D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名iBeaconを用いた位置推定における人体の影響による誤差の軽減
著者*宮崎 喬行, 牧田 岳大 (鳥取大学大学院 持続性社会創生科学研究科), 高橋 健一, 川村 尚生, 菅原 一孔 (鳥取大学大学院 工学研究科/鳥取大学 工学部付属クロス情報科学研究センター)
ページpp. 1452 - 1457
キーワードiBeacon, 位置推定, 人体の影響, 誤差, 軽減
アブストラクト近年,屋内外の位置情報が様々なサービスで利用されている.屋外の位置情報を利用したサービスの多くはGPS(Global Positioning System)を利用している.しかし,GPSは人工衛星からの電波が届きにくい屋内では正確に位置を推定することができない.そこで,様々な屋内位置推定手法が提案されている.その中の1つにiBeacon規格のビーコンの電波強度を利用した屋内位置推定手法が存在する.iBeaconは小型,低消費電力で長時間の稼働が可能であり,導入コストが低いという特徴がある.しかし,様々な環境条件の影響を受け推定位置の誤差が大きいという問題がある.ビーコンの電波は2.4Ghz帯を使用しており,誤差の原因の1つとして人体の影響を受けることが分かっている.人体を通過したビーコンの電波は大きく減衰し,推定位置に誤差が生じる.そこで本研究では,直前の推定位置からの移動距離と移動方向をもとに位置を推定することで人体の影響による推定位置の誤差を軽減する.

8D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名プレイヤパフォーマンス低下を抑制するオンラインゲーム向け遅延補償に関する一研究
著者*本生 崇人, 川崎 慈英, 藤橋 卓也, 猿渡 俊介, 渡辺 尚 (大阪大学大学院情報科学研究科)
ページpp. 1458 - 1467
キーワードオンラインゲーム, ネットワーク遅延
アブストラクト有線ネットワークおよび無線ネットワークのブロードバンド化にともなって,ネットワークを介して複数のプレイヤと共通のオンラインゲームを協力プレイ・対戦プレイする需要が高まっている. 一方で,複数プレイヤが共通のオンラインゲームを協力プレイ・対戦プレイする場合,パケット損失や輻輳などに起因するネットワーク遅延の増加が各プレイヤのパフォーマンスに悪影響をもたらす. 特に,シューティングゲームに代表される非同期型ゲームでは,ネットワーク遅延に起因してプレイヤ端末間で発生するゲーム情報の差異がプレイヤによる攻撃行動・回避行動に影響を及ぼす. ネットワーク遅延に起因するプレイヤパフォーマンスへの悪影響を軽減することを目的として,本稿では各プレイヤ端末上で動作するオンラインシューティングゲーム向け遅延補償手法を提案する.提案手法では過去のゲーム情報を用いてプレイヤ端末間で生じるゲーム情報の差異を補償する. 具体的には,過去のキャラクタ位置情報を元にした線形補間に基づく遅延補償手法,過去のゲーム画面を元にした深層強化学習に基づく遅延補償手法をそれぞれ提案してプレイヤ端末上で欠落した相手プレイヤの位置情報・操作情報を補償する. ネットワーク遅延,人間による操作を考慮した実験評価から,線形補間および深層強化学習を用いた提案手法それぞれがネットワーク遅延に起因するプレイヤパフォーマンスへの悪影響を低減できることを確認した.

8D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名密集無線LAN環境における再送を考慮した送信電力・信号検知閾値制御の検討
著者*坂井 渉太, Zhao Wen Chow, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1468 - 1473
キーワード密集無線LAN, 隠れ端末問題, さらし端末問題, TPC, DSC
アブストラクト密集無線LAN 環境では,それぞれノードの通信範囲が重複し,重複した箇所では隠れ・さらし端末問題が発生する.また,隠れ・さらし端末問題はノードの密集度の増加にしたがって深刻化し,スループット性能の低下が著しくなる.このような密集環境で発生する問題に対して,送信電力,信号検知閾値を制御し,通信範囲を縮小することで周波数資源を効率的に利用することで,スループット性能を改善することができる.既存研究では,通信範囲を最小化することでスループット性能を向上させたが,隣接するノード間の干渉が考慮されておらずスループット性能が悪化する端末が発生していた.本稿では,再送を考慮し動的に送信電力,信号検知閾値を制御する.本制御では,再送率を受信ノード側の他BSSノードによる干渉の大きさの指標とし,他BSSノードによる再送率が悪化しない範囲で通信範囲を縮小をするように制御することで,各ノードのスループット性能の向上させる.

8D-5 (時間: 11:50 - 12:10)
題名Learning based Spatial Reuse with Adaptive Timestep and Action Space for Dense WLANs
著者*Zhao Wen Chow, 坂井 渉太, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
ページpp. 1474 - 1479
キーワードdense WLAN, spatial reuse, reinforcement learning, TPC, DSC
アブストラクトThe rapid densification of IEEE 802.11 Wireless Local Area Networks (WLANs) has lead to higher interferences among Basic Service Sets (BSSs) and has negatively impacted their performance. Spatial reuse methods such as Dynamic Sensitivity Control (DSC) or Transmit Power Control (TPC) help mitigate the hidden and exposed terminals issues in these dense deployments. In this work, a Reinforcement Learning (RL) based method with adaptive timestep and action space is proposed to enhance the spatial reuse in dense WLANs. In particular, the problem is modeled through Multi-Armed Bandits (MABs) and the Thompson Sampling strategy is employed. In this scheme, a learner first observes the Received Signal Strengths (RSSs) it can sense and derives a set of Carrier Sense Thresholds (CSTs) from these. It then applies Thompson Sampling with the computed set and updates the model after a specified number of transmissions or a predefined timeout. Simulation results show that the proposed scheme is able to improve the fairness compared to a previous RL scheme while providing a considerable aggregate throughput.


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セッション 8E  観光と移動
日時: 2020年6月26日(金) 10:30 - 12:10
座長: 稲村 浩 (公立はこだて未来大学)

8E-1 (時間: 10:50 - 11:10)
題名人の移動データに基づく地域のクラスタリングとその応用
著者*落合 桂一, 寺田 雅之 (NTTドコモ)
ページpp. 1480 - 1486
キーワード移動データ, 位置情報, クラスタリング
アブストラクト人々の社会生活において移動は基本的な行動であり,人々の移動は経済活動や交通,公衆衛生など様々な分野と関わりが深い. 人々の移動データと応用先の分野のデータを組み合わせて解析することで, 経済活動の予測や交通の最適化など各分野での分析精度の向上や,より詳細な分析が期待される. そこで本研究では,人の移動データに基づいて地域をクラスタリングすることの有用性を実データを使って評価する. まず,約11万ユーザの半年間の移動データから地域をクラスタリングする. 次に,クラスタリングの有用性を,(1)市町村別観光消費額の年間推移の類似性, (2)入込観光客数の予測問題という2つの評価実験により検証する. 予測問題では,行政が決めた地域区分と比較して予測誤差を削減できることを確認した.

8E-2 (時間: 11:10 - 11:30)
題名観光ナビにおいて必見スポットをよりよい時間帯に訪問可能にするオンサイトプランニング手法
著者*磯田 祥吾 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター), 日高 真人 (奈良先端科学技術大学院大学), 松田 裕貴, 諏訪 博彦, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所 革新知能統合研究センター)
ページpp. 1487 - 1498
キーワード観光推薦, アルゴリズム, スマートシティ, コンテキトアウェアネス, ナビゲーション
アブストラクト観光経路推薦に関して,既存研究の多くは,次訪問スポットのみの満足度に基づいて推薦しているが,次以降に訪れるスポットを考慮に入れていないため,次スポット以降の観光が制限される.次訪問スポットの満足度と,次訪問スポット以降の期待満足度を考えた場合,この二つにトレードオフ関係が発生する可能性がある.また同一スポットを訪問する際に,訪れる時間帯によって満足度が異なるため,より良い時間帯に訪問することが観光全体の満足度向上につながる.これら2点を考慮した上で,ユーザに観光ルートを提示するのが望ましいが,我々が知る限り,そのようなシステムは存在しない. 本稿では,上記を考慮するため,まず,次スポットの静的観光地コンテキストと動的観光地コンテキスト,次スポット以降に訪問するスポットから得られる期待満足度の3つの要素から成るツアースコアを定式化する.ツアースコアが最大となる観光ルート(次訪問スポットとそれ以降に訪問するスポット群の列)を算出する問題はNP困難であり,オンサイトで準最適解を求めるため,貪欲法をベースとした3つのアルゴリズム:(1) 次スポットのみを考慮した貪欲法,(2) 観光時間全体を考慮した貪欲法,(3) 観光時間全体および探索幅を広げた貪欲法の提案を行う. 提案アルゴリズムの有用性を調査するため,京都市東山区にある20箇所の訪問スポットを対象に3つのアルゴリズムを適用することで,出力解が京都のモデルルートと比較して優位であり,それぞれ1.9±0.1 (s),15.9±0.5 (s),7766.6±8.9 (s)の計算時間で算出できることを確認した.

8E-3 (時間: 11:30 - 11:50)
題名観光メモリアル動画のための車載動画キュレーションアルゴリズムの検討
著者*片山 洋平, 平野 陽大, 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所), 伍 洋 (京都大学), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学/理化学研究所)
ページpp. 1499 - 1506
キーワード動画キュレーション, 観光メモリアル動画, 動画要約, 車載動画, 観光
アブストラクト近年,動画を観光に活用するケースが増えている.観光後に観光地の画像をキュレーションしメモリアル動画とするようなシステムは多数存在しているが,観光経路動画をキュレーションするシステムはまだ存在していない.本稿では,観光地でのレンタカー利用後の観光客に向けた,メモリアル動画のためのドライブレコーダ動画キュレーションアルゴリズムを提案する.提案手法ではクラウドソーシングにより重要度スコアを取得し,画像に写るカテゴリと地域のランドマークを利用した特徴量を用いて機械学習による重要度スコアの推定を提案した.本稿では観光経路全体の重要度スコア取得を行う本実験に向けて,沖縄で撮影されたドライブレコーダ画像を50枚利用した予備実験により提案アルゴリズムの性能評価を行った.予備実験の結果から「沖縄らしさ」が「メモリアル動画への必要度」と相関係数0.92を示し有意に強い正の相関を持つこと,提案手法から「沖縄らしさ」の重要度スコアの推定が可能であることを示唆した.


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セッション 8F  自動運転
日時: 2020年6月26日(金) 10:30 - 12:10
座長: 屋代 智之 (千葉工業大学)

8F-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名Investigation of a Scheduling Scheme for Cooperative Merging at a Highway On-Ramp with Maximizing Average Speed of Automated Vehicles
著者*吉田 匡志, 朝比奈 啓, 重野 寛, 笹瀬 巌 (慶應義塾大学大学院 理工学研究科)
ページpp. 1507 - 1511
キーワードITS, 自動運転, 合流, 交通量, スケジューリング
アブストラクトRecently, connected and automated vehicles have potential to mitigate traffic congestion and improve traffic efficiency at a highway on-ramp. The state-of-the-art scheme improves traffic efficiency by assigning timing of merging to automated vehicles on roads by minimizing total travel time of them. The scheme, however, causes traffic congestion when inflow traffic becomes high because of the characteristic that the scheme makes groups of vehicles on the same road. Since length of the groups of vehicles becomes too long as inflow traffic becomes high, this length should be short by decreasing density of vehicles on roads in order to mitigate traffic congestion. In this paper, we show investigation of a scheduling scheme for cooper- ative merging at a highway on-ramp with maximizing average speed of automated vehicles. Based on traffic model that density and speed of vehicles have a negative correlation, we maximize speed of vehicles in order to decrease density of vehicles. Furthermore, we consider fairness between both the main and ramp road in terms of traffic efficiency by utilizing difference of average speed of vehicles on both the main and ramp road. Simulation result shows that the proposed scheme increases outflow traffic from a highway on-ramp by 400 (veh/h) at most in comparison with related schemes when inflow traffic becomes 2000 (veh/h). Furthermore, simulation result shows that the proposed scheme decreases density of vehicles.

8F-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名交差点における路側エッジへの自動運転機能のオフロード
著者*平田 真唯, 佐藤 友哉, 塚田 学, 落合 秀也, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科)
ページpp. 1512 - 1519
キーワードITS, エッジコンピューティング
アブストラクト近年,自動運転技術が注目されている.自車に搭載されているセンサを用いた,衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシスト,自動駐車などの機能はすでに商業化されている.ところが,このような自律走行では,死角に存在する車両,人等の,自社のセンサで感知しきれない情報に関して安全を保証できないという問題がある.また,自動運転車が生み出すデータの量や,車両で使用されるアプリケーションが増加している.ところが,車両に搭載することができる端末には,ストレージやコンピューティング能力の制限がある.本研究では,これらの問題を解決する一歩として,自動運転の機能のうち,経路計画の機能を路側エッジにオフロードする分散コンピューティングモデルを提案した.提案手法は,Wi-Fi6を用いて評価した.その結果,経路計画をCPUやGPUの性能が高い路側エッジで行うことにより,少ないネットワークトラフィック量で,車で処理するよりも素早く経路を計算できることがわかった.

8F-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名リアルタイムでのPoint Cloud Data Mapの配信による自動運転の支援とその評価
著者*水谷 将也, 塚田 学, 江崎 浩 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 飯田 祐希 (株式会社ティアフォー)
ページpp. 1520 - 1527
キーワードITS, WiFi, PCDMap
アブストラクト現在、自律型自動運転車の研究開発が盛んにされている中で、自己位置推定に使用される PCD マッ プは容量が非常に大きいという問題や、刻一刻と変化する状況に対応しなければらないという課題などが ある。本論文では、これらの問題を解決するために、エッジにキャッシュされた PCD マップをリアルタ イムに配信するシステムを提案する。また、そのシステムを自動運転用のオープンソースソフトウェアで ある、Autoware を拡張し実装した。本論文では、この手法を検証するために、本郷キャンパスでの走行 データを記録した ROSBAG を再生し、自己位置を推定することにより、エッジから PCD マップをダウ ンロードできるかどうかを検討した。その結果、エッジサーバを用いることにより、 PCD マップをダウ ンロードしながら自己位置確認を行うことができることが分かった。また、帯域幅を変えてダウンロード 時間を測定し、同時に自己位置推定が正常に動作する帯域幅を調べた。その結果、 100 Mbps での PCD マップのダウンロード時間は最大 698 ms であり、 4G 通信でも動作可能であることが分かった。

8F-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名車両走行環境を考慮した自動運転の段階的引き継ぎ要求のシミュレーション評価
著者*林 聡一郎, 田中 佳輝, 佐藤 健哉 (同志社大学)
ページpp. 1528 - 1537
キーワード自動運転, 事前通知, 車両走行環境
アブストラクト近年,自動運転レベル3を目指し,メーカーや技術者が取り組んでいる.自動運転レベル3では,ドライバが常に道路の見る必要はなく自動で運転可能である.しかし,システムが動作限界に達した場合は,ドライバが運転の引き継ぎ要求(TOR:Take Over Request)に応答して,運転を引き継ぐ必要がある.しかし,運転の引き継ぎ要求の提供だけでは交通状況や天候,時刻といった車両走行環境によっては,運転を引き継ぐのに十分な余裕がない可能性がある.そこで,本研究では運転の引き継ぎの要求が発生するかもしれない可能性がある時に,運転の引き継ぎ要求の前に可変のタイミングで事前通知を提供することで,ドライバの視線を道路に向かせて道路状況を十分に確認できるようにして運転の引き継ぎ要求に備えられるようにする段階的引き継ぎ要求を提案する.ドライビングシミュレータを用いて評価を行なった結果,事前通知は必要であり,事前通知のタイミングを可変する必要があることを示し,安全でドライバのストレスが少ない事前通知の提案手法のタイミングを示した.さらに,事前通知のタイミングについて提案手法のタイミングと関連研究のタイミング,事前通知がない場合のドライバの余裕とストレス,ブレーキの踏み方を比較して,実験シナリオとドライバの特性によっては提案手法のタイミングの方が向上することを示した.


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セッション 8G  セキュリティ心理学・ユーザブルセキュリティ
日時: 2020年6月26日(金) 10:30 - 12:10
座長: 大塚 亜美 (津田塾大学)

8G-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名ユーザのセキュリティ対策における認識調査と分析
著者*岡澤 野乃華 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 上原 哲太郎 (立命館大学情報理工学部)
ページpp. 1538 - 1546
キーワードセキュリティアップデート, マルウェア対策, Windows Update, セキュリティアウェアネス
アブストラクトマルウェアを用いたサイバー攻撃の被害が多数発生しているが,ユーザ自身による適切なセキュリティ対策が必要不可欠となっている.しかし,一般の人々がセキュリティ対策についてどの程度理解し,その重要性を認識しているのかは明らかでない.そこで,本研究ではこれらの重要性がどの程度認識されているかを調査した.そのために,予備調査として,Windowsユーザに対してインターネットを用いた意識調査を行った.また,その結果を用いて,よりセキュリティ対策行動を意識して行うことができる通知や警告についての提案を行った.加えて,提案した通知や警告によって,一般の人々が本当に適切なセキュリティ対策行動をとることができるのか,またその意識を高めることができるのか,評価実験を行った.その結果,通知の色を変化させることが人々のセキュリティ対策行動に対する意識を高めることができるとわかった.

8G-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名復元可能な方法でパスワードを保管しているサービスの実態調査
著者伊東 和寿, *金岡 晃 (東邦大学)
ページpp. 1547 - 1553
キーワードパスワード, 平文
アブストラクトWebサービスやアプリにおいてユーザから入力されたパスワードは重要な機密情報である。そのため外部からの不正侵入などに備えて解読が困難な状態で保管しているのが理想的とされている。代表例としてSHA2アルゴリズムを用いてハッシュ値に変換して保管するというものがある。しかし、すべてのWebサービスやアプリが理想的な保管方法を実装しているとは限らない。個人情報が流出してしまう事件は多く発生しているが、その中にはサーバ側でパスワードを適切に保管しておらず平文もしくは可逆な形で暗号化保管されていたため、不正侵入などの被害にあった際にパスワードそのものが流出したケースが存在する。本研究は、どのようなサービスやアプリが利用者のパスワードを平文もしくは可逆な形でサーバ側に保管しているかどうかの実態を外部観測調査により明らかにすることを目的とする。手法としてはサービスやアプリごとに調査対象をリストアップし、1サービスあるいはアプリごとに調査を行う。調査の結果Alexaによるランキングでの上位サイト、Google Playランキングでの上位アプリともに不適切な保管方法を実装していると確認出来たサービスやアプリは存在せず、総じて平文を返すサービスが多くはないことが本調査により明らかになった。

8G-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名個人情報の流通状況可視化方式の提案
著者*菅 友梨香, 吉村 康彦, 山下 高生, 大森 芳彦 (日本電信電話株式会社 NTTネットワークサービスシステム研究所)
ページpp. 1554 - 1560
キーワード個人情報, Self-Sovereign Identity, Decentralized Identity
アブストラクトユーザがネットワークを通じて提供されるサービスを利用する際,氏名,住所などの情報,閲覧履歴や購買履歴に関する情報を事業者に対して提供している.これらの情報は,事業者が管理し,流通や活用を行う権限を保持している.事業者に権限があることで,ユーザの意図しない流通や活用が行われる可能性があり,プライバシーの観点で問題がある.一方で,この権限をユーザに持たせた場合,ユーザの操作が増えることがあり,利便性の観点で問題がある.本検討では個人情報の流通状況の可視化を行うことで,ユーザが自身に関する情報の流通状況を把握し,制御できる状況を実現する.提案方式について,プライバシー保護のための機能,流通情報を制御する際のユーザの処理について評価を行い,プライバシー保護に関しては関連研究と比較して,履歴情報や二次流通まで含めるとより高い効果があり,利便性に関しては関連研究よりもユーザの処理を減らすことができる場合があることが分かった.


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セッション 8H  システム制作
日時: 2020年6月26日(金) 10:30 - 12:10
座長: 義久 智樹 (大阪大学)

8H-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名触覚提示のための複数パルス波形を用いた電気刺激方式とその評価
著者*平井 亨武 (東京大学大学院工学系研究科), 中山 雅哉, 小川 剛史 (東京大学情報基盤センター)
ページpp. 1561 - 1568
キーワード電気刺激, 触覚提示
アブストラクト本稿では,電気刺激による触覚提示の表現力の拡張を目的としたパルス波形の構成手法として,パルス波形組み合わせ方式を提案した. パルス波形組み合わせ方式として,複数のパルス振幅を組み合わせる振幅方式,複数のパルス幅を組み合わせる幅方式,複数のパルス間隔を組み合わせる間隔方式の3種類について検討した. パルスの振幅・幅・間隔がすべて同一の単純パルスから波形をどの程度乖離させるかの指標として,乖離度という量を導入した. その上で,各組み合わせ方式ごとに乖離度に対して提示される感覚を,実験により評価した. その結果,3種類どの方式においても乖離度によって振動感の粗さを操作できること,および間隔方式は振動感の粗さとは別の次元において,振幅,幅方式とは異なった種類の感覚を提示することが示された.

8H-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名歩行リハビリ支援のための歩行情報取得システムの開発
著者*小笠原 千紘, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院)
ページpp. 1569 - 1575
キーワードリハビリ支援, インタラクション, 骨格検出
アブストラクト超高齢社会の日本ではリハビリを必要とする人が増加傾向にあり,厚生労働省の推計によると,医療・介護分野での需要は2018年と比較して2025年には1.24倍,2040年には1.38倍となっている.そのため,リハビリ施設や医療従事者の充実に加えて効率的なリハビリ実現が課題となっている.また,効率的なリハビリには患者の協力が必要であるが,患者のリハビリに対するモチベーションが低下するという問題がある.これらの課題や問題を解決するため,リハビリ分野でのIT活用が期待されている,特に,患者の動作に対してリアルタイムに反応するインタラクション技術の活用は,リハビリ実施中に状況をリアルタイムで確認できるため,リハビリの種類や目的に合わせて活用事例がいくつか提案されている. このような背景の中,筆者らはインタラクション技術を用いた歩行リハビリ支援システムの開発を行っている.このシステムでは,リハビリの効果の実感,およびリハビリ自体のエンタテインメント性の導入という観点で患者のリハビリに対するモチベンーションの維持向上を図る. 患者が歩行リハビリの効果の実感するには,歩行情報を取得,蓄積して比較することで,歩行状態が改善していることを可視化する必要がある.そこで,本研究ではその第一歩として,歩行情報を取得するシステムの開発を行う. 本研究で取得する歩行情報は,歩幅,歩隔,歩速,重心位置・バランス,上体の揺れなどである.そのうち,歩幅,歩隔の計測には歩行中の足接地位置が必要となる.また,重心位置・バランス,上体の揺れを計測するには歩行中の骨格情報が必要となる. そこで,歩行中の足接地位置と骨格を同時に取得するシステムを開発した.域センサは床面周辺の障害物を検出できるため,歩行中の足の位置を検出することができる.このとき,接地中の足だけでなく歩みを進めるために前方に降り出し中の足も検出してしまう.そこで,画像化したスキャン結果の積算処理によって足接地位置だけを抽出する手法を開発した.そして,足接地位置抽出結果に基づいて歩幅と歩隔を自動的に計算する.また,骨格検出はRGBDカメラに基づいて行い,検出結果に基づいて歩行中の重心位置と左右バランスを計算して可視化する手法を開発した.

8H-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名麻雀における不要牌類似計量方式を用いた手牌推定
著者*中村 洋太, 岡田 龍太郎, 中西 崇文 (武蔵野大学データサイエンス学部データサイエンス学科)
ページpp. 1576 - 1583
キーワード麻雀, ゲームAI, マルチメディア類似度計量, 教育
アブストラクト本稿では,麻雀における他プレイヤの手牌を推定し,危険度を算出するための不要牌類似計量方式について提 案する.本方式では,麻雀牌それぞれに対する距離を定義し,さらに不要牌の配列同士の距離を定義することで,現 状の相手の不要牌からその不要牌に似た過去局面を検索し,現状の対局者の手牌を予測する.これによって現在の局 面における牌の危険度の推定を行う.本稿では,麻雀の対戦AI を作ることを主眼とするのではなく,人間が麻雀を 扱うこととコンピュータが麻雀を扱うことの違いを考察しながら,人間が麻雀を遊び,さらに上達を目指す際の助け となるコンピュータシステムを構築することを目指している.既存の麻雀AI のように,結果のみを出力するのでは なく,その出力の根拠として,どのような不要牌のとき,どの牌が危険なのかということを出力することで,人間が 理解しやすい教育的な麻雀AI の実現が期待できる.本稿では,オンライン麻雀サイト「天鳳」に存在する過去局面の オープンデータを利用し,過去局面との類似度計量から,相手の手牌を推定するシステムを実装した.また,可視化 を行うことで,有効性の検証を行なった.



2020年6月25日(木)

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セッション DS  デモセッション/企業展示
日時: 2020年6月25日(木) 17:30 - 19:00
座長: 小林 稔 (明治大学)

DS-1
題名Smart Layer Splitter:pix2pixを用いたデジタルイラスト制作の色塗り工程における自動レイヤ分けシステム
著者*渡邉 優, 阿倍 博信 (東京電機大学)
ページpp. 1584 - 1593
キーワードデジタルイラスト, pix2pix, レイヤ分け, 創作活動支援, AI応用
アブストラクトデジタルイラスト制作の一工程である色塗り工程では,線画を髪や肌などのパーツごとにレイヤ分けする作業が必要である.しかし,既存のグラフィックソフトに付属する塗りつぶしツールでは,手作業のため手間がかかってしまうという問題があった.そこで,本論文では,conditional GANの一方式であるpix2pixを用いてレイヤ分け作業を自動化する方式について提案する.さらに,提案方式に基づく自動レイヤ分け処理において誤りが発生した場合でも誤りを手動で修正するUIを持った自動レイヤ分けシステム:Smart Layer Splitterを開発し,その有効性について評価を行った.その結果,既存のグラフィックソフトと比較して,作業時間を39.8%短縮できるとともに,操作回数を68.6%削減できることが確認でき,システムの有効性について確認することができた.

DS-2
題名ワンタイム顔画像生成に基づく画像認証手法
著者*石井 健太郎 (専修大学)
ページpp. 1594 - 1600
キーワード個人認証, 画像生成
アブストラクトスマートフォンのようなタッチ操作をともなう端末では,入力の位置からパスワード/パスコードやパターンロックのパターンを推測することが可能であり,認証場面ののぞき見により他者が不正認証を受けるための情報を取得することが容易である.この課題に対して,本研究では人間の顔画像を都度生成して利用する手法を提案する.提案手法では, Generative Adversarial Networks (GAN) の1種の画像生成技術である StyleGAN の style mixing と呼ばれる2つの画像の特徴を混ぜ合わせる技術を利用して,正規のユーザがあらかじめ決めておいた特徴を持つ顔画像と持たない顔画像を新規に生成して画面に提示する.認証を受けようとするユーザは,提示された複数の顔画像の中から,画像の特徴を手がかりにして,正解画像を選ぶことによって認証を受ける.都度異なる顔画像が提示されるため,のぞき見が行われた場合であっても正解の手がかりをつかみにくいことが期待できる.プロトタイプ実装をAndroidスマートフォンに行い,実験者が認証を受けている場面を実験参加者がのぞき見を行う評価実験を行ったところ,パスワード/パスコード認証・パターンロック認証・固定の画像認証と比較してのぞき見への対策性能が高いことが示された.

DS-3
題名歩行リハビリ及び介護を支援するインタラクティブ映像の提案
著者*松岡 基揮, 水野 慎士 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科)
ページpp. 1601 - 1605
キーワードリハビリ, 介護, CG, インタラクション, センサ
アブストラクト日本では,超高齢化社会によりリハビリ及び介護を必要としている人が増加傾向にある.しかし,リハビリの分野では患者がモチベーションを低下させてしまうこと,介護の分野では要介護者の誘導が困難であることが問題になっている.本研究では,インタラクティブ映像を用いることで歩行リハビリ及び介護を支援するシステムの提案・開発を行った.歩行者の足の位置によってインタラクティブに変化する映像を投影することで,リハビリの楽しさの実現と,特定の場所への経路を随時案内することが可能となる.歩行者の足の位置情報を取得するために二次元測域センサを用いた.そして,二次元測域センサで取得した情報を二値画像化することで足の位置を求めた.投影するインタラクティブ映像は,自由な歩行を促す映像,特定の歩行を促す映像,特定の場所まで誘導する映像を制作した.

DS-4
題名AIによるセキュリティ情報解析支援システムの提案
著者*竹原 一駿, 檜垣 龍, 本部 建大, 楠目 幹, 西岡 大助 (香川大学), 西山 賢, 合田 翔 (STNet), 最所 圭三, 喜田 弘司 (香川大学)
ページpp. 1606 - 1615
キーワードセキュリティ, 自然言語処理, 機械学習
アブストラクト近年,企業をはじめとした組織へのサイバー攻撃は日々高度化し,セキュリティ管理者をはじめとしたセキュリティ人材への負担が高まっている.セキュリティ管理者は,サイバー攻撃に対するリスク評価と戦略の策定のために,“表層解析作業” を行う必要がある.この作業は,日々 Web ページなどの情報源から多種多様に公開されるセキュリティ情報を収集し,類似する情報をグループ化した後に,内容の精査や確認が必要であり,セキュリティ管理者に多大な負担をかけている.特に日本では,セキュリティ人材は不足しており,表層解析作業の負担を減らさなければ,サイバー攻撃に十分に対応できない.そこで我々は,セキュリティ管理者の表層解析作業における負担を軽減することを目的とした, AI によるセキュリティ情報解析支援システム “CSICOS” を開発している.CSICOS では,情報源となる大量の Web ページからセキュリティ情報を収集し,正規化を経て AI を用いてグループ化やタグの付与を行い,セキュリティ管理者に整理された情報を提供する.本論では, CSICOS の提案,設計,実装と, (株) STNet で行った試作版の評価実験の結果,得られた課題について述べる.

DS-5
題名ドキドキをセンシングして可視化するLEDライティングデバイス
著者*浦野 健太 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (京都大学防災研究所), 米澤 拓郎, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
ページpp. 1616 - 1622
キーワード心拍数, LED, ドキドキ, 可視化
アブストラクト「胸がドキドキする」という表現が古くは枕草子にも登場するように,心拍数と心理状態は結びつくものとみなされてきた.現実にも,プレゼンテーション前の緊張・ゲームでの手に汗握る戦闘では自らのドキドキを感じられる.一方,心拍数を計測できる活動量計やスマートウォッチが多数販売されている.計測した心拍数は,デバイス本体や,スマートフォンを通じて使用者のみが確認可能な情報で,提示や共有に課題がある.本稿では,心拍の脈波信号に合わせてLEDを駆動するデバイスを提案する.提案するデバイスの利用で,人は脈波信号・心拍数をリアルタイムに視覚的に感じられ,また他者と共有できるようになる.本稿では特に,センシングを行うプロトタイプデバイスの製作と,ドキドキを実感できる発光パターンとアニメーションの検討を行う.


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セッション SP  特別招待講演
日時: 2020年6月25日(木) 15:50 - 16:50
座長: 西垣 正勝 (静岡大学)

SP-1 (時間: 15:50 - 16:50)
題名(特別講演) デジタルの見えざる手: アフターデジタルへの挑戦
著者*青山 幹雄 (南山大学)
ページpp. 1623 - 1624
キーワードアフターデジタル