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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム

セッション 3C  映像音声コンテンツ
日時: 2018年7月4日(水) 17:50 - 19:10
部屋: 明石の間
座長: 梶 克彦 (愛知工業大学)

優秀論文賞 / Paper Awards
3C-1 (時間: 17:50 - 18:10)
題名光学リニアブレンディングを用いたテーブル型裸眼3Dスクリーンシステムの提案と基礎検討
著者*巻口 誉宗, 高田 英明 (日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所)
ページpp. 509 - 513
キーワード裸眼3D映像, テーブルトップインタフェース, 多視点3D映像表示, 光学リニアブレンディング
アブストラクト我々はテーブル型裸眼3Dスクリーンシステムの実用化に向けたプロジェクタ数の削減と設置場所の自由度向上のため,視覚メカニズムを活用したリニアブレンディングの適用検討を進めている.本稿では初期検討として,光学構成検討と再現可能な被写体の奥行き検討,50 インチサイズのスクリーンと13 台のプロジェクタを用いたプロトタイプによる原理確認を行った.これによりリニアブレンディングを用いた提案システムでは,従来手法より1/4〜1/10 のプロジェクタ数でなめらかな視点移動が可能な裸眼3D映像表示が可能なことを示した.

優秀論文賞 / Paper Awards
3C-2 (時間: 18:10 - 18:30)
題名LiVRation: VRによる自由視聴点映像音声のインタラクティブ再生
著者*粕谷 貴司, 塚田 学, 菰原 裕 (東京大学), 高坂 茂樹 (エスイーディー株式会社), 水野 拓宏, 野村 譲誉 (株式会社アルファコード), 上田 雄太 (株式会社CRI・ミドルウェア), 江崎 浩 (東京大学)
ページpp. 514 - 522
キーワードVR, SDM, MPEG4-ALS, オントロジ
アブストラクトインターネットを前提とした視聴サービスが登場し,中でも空間に存在する視聴対象を解釈し,コンテンツとして活用するオブジェクトベースの視聴サービスの重要性が増している. 2014年より,Software Defined Media(SDM)コンソーシアムでは,オブジェクトベースのメディアとインターネットを前提とした視聴空間の研究を行っている. 近年,4Kや360度動画による高品質な動画配信サービスが普及しているが,自由視点で視聴可能なコンテンツの配信手法については一般化されていない. 本研究では,音楽ライブのイベントを収録するとともに,イベント情報のメタデータ定義を行い,HMDを用いてインタラクティブに自由視聴点での三次元映像音声を再生するアプリケーション「LiVRation」を設計,実装し,評価を行なった. さらにビルボードジャパンが開催したLive Music Hackasongにてデモンストレーションを行い,審査員と一般の来場者の投票により最優秀賞および会場賞を受賞した.

3C-3 (時間: 18:30 - 18:50)
題名全天球カメラを用いたクラウド分散型インターネットライブ放送システムの評価
著者*松本 哲, 石 芳正, 義久 智樹 (大阪大学), 川上 朋也 (奈良先端科学技術大学院大学/大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学)
ページpp. 523 - 529
キーワードインターネット放送, 分散処理, 放送型配信, ビデオオンデマンド, 全天球カメラ
アブストラクト近年のインターネットライブ放送では,放送局や映像配信者が,映像効果を加えて視覚や音声の臨場感を向上させることがある.また,配信者や視聴者の端末の映像配信に伴う負荷を軽減するために,高い計算処理能力を有するサーバを用いて効果や処理を付加するため,商用のクラウドコンピューティングサービスを容易に利用できるようになった.我々の研究グループでは,カメラから得られた映像ストリームに対し,リアルタイムに映像処理を加えることで異世界から映像を配信しているかのように見える異世界放送システムを提案してきた.一方で,市販されているカメラデバイスの多様化にともない,一度に360度の視野の映像を撮影し,リアルタイムに映像ストリームとして符号化する全天球カメラが容易に入手できるようになった.これまでの異世界放送システムは従来のカメラで得られる映像のみを配信対象としてきたが,本研究では,全天球映像を取り込み,クラウドサービスで提供されている計算機を用いて多様な映像処理を加える異世界放送システムの評価について述べる.クラウド分散型異世界放送システムでは,視聴者は所望の計算処理サーバを選択し,撮影した映像データと効果に関する情報(タイプ,パラメータなど)を指定してビデオ効果や処理を行う.

3C-4 (時間: 18:50 - 19:10)
題名動画視聴における他視聴者の音声情報の再生方式
著者*松長 雄也, 谷中 俊介, 坂内 祐一 (神奈川工科大学)
ページpp. 530 - 533
キーワード動画像, 非同期, 音声, 自我, 臨場感
アブストラクトYouTubeなどの動画共有サービス上におけるユーザ間のコミュニケーション手法として,身体動作やインタラクション機能に加え,音声情報を扱うことが可能なシステムWakWak Tubeを開発した.このシステムでは,動画を視聴しているユーザの身体動作をKinectによって取得,記録し,アバタと呼ばれる2Dのグラフィックで表示することが可能である.ユーザはアバタを介して他視聴者とコミュニケーションを取ることができる.本研究では,従来のWakWak Tubeでは扱えなかった音声情報を扱えるようにした上で,本システムにおいて音声を用いることの有用性を調査する評価実験を行った.結果,アバタと音声の対応付けを行うことで,音声が効果的に作用していることが示唆された.